JP4544114B2 - ダイヤフラムポンプ液体吐出制御装置 - Google Patents

ダイヤフラムポンプ液体吐出制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、圧電素子を可動部とするダイヤフラムポンプ(Diaphragm Pump)を用いた液体吐出制御装置に関する。
従来、圧電ダイヤフラムポンプは、ダイヤフラムの撓みが増減し、ポンプ室の内容積が増減することで吸入弁より動作流体を吸入し、排出弁より動作流体を吐出する。このダイヤフラムの撓みの増減は、板状の圧電素子の上下面に設けられた電極に電圧が印加されることにより、圧電素子が伸縮することで実現される。ポンプによる液体吐出用途として、燃料電池等へのアルコールの微少量供給や、水を静電噴霧することが挙げられる。これらの用途では、吐出先の液体の液面形状(表面位置)が、さらには、吐出液体の流量が安定していることが望まれる。ところが、ダイヤフラムポンプ等の往復運動ポンプにおいては、吸入行程と吐出行程が交互に動作するため、一般に脈動量が大きくなる。また、ポンプにパッシブ弁を用いた場合、弁の開閉動作による液体の逆流が発生する。この逆流は、アクティブバルブを用いることで低減可能であるが、コスト高となる。
また、ダイヤフラム、プランジャー、又はギアポンプのいずれかを用いて、液体を圧送するときに配管等に生じる脈動を防止する脈動防止装置として、可撓性を有する管又は中空の球状体と、この管又は中空の球状体の孔の断面積を規制する弾性部材とから成り、液体の圧送時に、圧力に応じて管又は球状体の断面積を変化させ、これにより内容積を変化させて、圧送の圧力変化を吸収するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、このような可撓性の管は大きな脈流には対応できるが、圧力変化に対応する内容積の変化が遅いので、微視的な逆流には対応できない。
また、ポンプ装置において、エアポンプから加圧配管に至る経路中に、自然状態では所定の内外径寸法を有し、内部に圧力が作用すると、膨張変形する長尺の可撓性チューブを設け、液体の脈流を低減するようにしたものが知られている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、このポンプ装置においては、可撓性チューブを用いているため、微小逆流には対応することができない。
さらにまた、流量計において、流量を正確に計測するために脈流を吸収することが知られている(例えば、特許文献3参照)。ところが、これはポンプではないため、逆方向の流れは想定されていない。
特開昭63−275888公報 特開平10−75956公報 特開平11−281437公報
本発明は、上記問題を解決するものであり、圧電素子を用いたダイヤフラムポンプにおいて、吐出液体の脈動を大幅に低減することができるダイヤフラムポンプ液体吐出制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1の発明は、力差によって液体の流れ方向に開閉する制御弁を有し、駆動源として圧電アクチュエータを用いたダイヤフラムポンプと、このダイヤグラムポンプの吐出側流路中に配設され、該ダイヤフラムポンプの制御弁の動作に起因する流体の逆流を低減する逆流低減用アキュムレータと、を備えたダイヤフラムポンプ液体吐出制御装置であって、前記逆流低減用アキュムレータは、流圧により弾性変動し、該弾性変動の平衡点を2箇所に有する弾性ダイヤフラムから成る可動部と、前記ダイヤフラムポンプからの流入液体を一時的に溜める液体溜とを備え、前記可動部は、これら平衡点間を移動することにより、前記液体溜の内容量を最大又は最小に変化させ、前記制御弁が動作することによる逆流量と前記逆流低減用アキュムレータによる逆流低減量とを略同じにして前記流体の逆流を低減するものである。
請求項2の発明は、請求項1に記載のダイヤフラムポンプ液体吐出制御装置において、前記逆流低減用アキュムレータとダイヤフラムポンプとが一体構造となっているものである。
請求項の発明は、請求項1に記載のダイヤフラムポンプ液体吐出制御装置において、前記逆流低減用アキュムレータの可動部の固有振動数が、ダイヤフラムポンプの振動数と略同じになるようにしたものである。
請求項の発明は、請求項1乃至請求項のいずれかに記載のダイヤフラムポンプ液体吐出制御装置において、前記逆流低減用アキュムレータの下流側に、前記逆流低減用アキュムレータとは別個に前記ダイヤフラムポンプによる断続流の流圧に対応して可動する弾性ダイヤフラムを有する断続流低減のための断続流低減用アキュムレータをさらに備えたものである。
請求項の発明は、請求項に記載のダイヤフラムポンプ液体吐出制御装置において、前記逆流低減用アキュムレータと前記断続流低減用アキュムレータとの間の流路中に逆流防止弁を配設したものである。
請求項の発明は、請求項4に記載のダイヤフラムポンプ液体吐出制御装置において、前記逆流低減用アキュムレータの可動部の固有振動数及び前記断続流低減用アキュムレータの可動部の固有振動数が、ダイヤフラムポンプの振動数と略同じになるようにしたものである。
請求項の発明は、請求項4に記載のダイヤフラムポンプ液体吐出制御装置において、前記断続流低減用アキュムレータの可動部は、内容積を増大する側には変形し易く、内容積を低減する側には変形しにくい構造としたものである。
請求項1の発明によれば、制御弁の動作により微小な逆流があっても、逆流低減用アキュムレータの可動部が一方の平衡点から他方の平衡点に移動して、逆流を低減することができ、従って、吐出流体の流動をスムーズにすることができる。また、ダイヤフラムポンプの制御弁が動作することによる逆流量と逆流低減用アキュムレータによる逆流低減量とが略同じとなるようにしたので、少量の吐出液体の微小脈動をも抑えることができる。
請求項2の発明によれば、部品点数を低減でき、生産性が向上する。また、ダイヤフラムポンプと逆流低減用アキュムレータの間の流路の抵抗が小さくなり、アキュムレータの動作がスムーズに行われる。
請求項の発明によれば、制御弁の動作による逆流により逆流低減用アキュムレータの可動部が振動し、この振動が可動部自身の固有振動数と一致しているため、その振動は増幅され、可動部の変位幅限度までの変位がスムーズに行われる。これにより、逆流低減効果が増大する。
請求項の発明によれば、逆流低減用アキュムレータによって逆流の低減された吐出流量の変動が、断続流低減用アキュムレータによりさらに低減されるため、より少量の吐出液体でも変動することなく流出させることができる。
請求項の発明によれば、吐出液体の逆流量をさらに低減でき、より均一に吐出液体を流出させることができる。
請求項の発明によれば、逆流低減効果及び断続流低減効果の増大が図れ、吐出液体の流動をさらにスムーズにすることができる。
請求項の発明によれば、吐出液体の逆流量をさらに低減でき、より均一な吐出液体を流出させることができる。
以下、本発明の一実施形態に係るダイヤフラムポンプ液体吐出制御装置について図1及び図2を参照して説明する。図1は、本実施形態に係るダイヤフラムポンプ液体吐出制御装置(以下、本装置という)の構成を示す。同図において、本装置は、圧電素子によるポンプ機能を持ち、供給液体を溜めている液体容器2からの液体を吐出する圧電ダイヤフラムポンプ1(以下、ポンプと略す)と、このポンプ1の吐出側流路中に配設され、ポンプ1で生じる逆流を低減する逆流低減用アキュムレータ5(以下、アキュムレータと略す)と、このアキュムレータ5の下流側に位置する吐出先端口3とを備える。
圧電ダイヤフラムポンプ1は、圧電素子を駆動源として可動するダイヤフラム板13(圧電アクチュエータ)と、液体の流れ方向及び圧力差によって開閉する吸入弁16a(制御弁)及び吐出弁16b(制御弁)とを備える。ダイヤフラム板13は、ポンプ1内の空間14の容積を可変するものであり、これにより生じる圧力により、吸入弁16a及び吐出弁16bが動作して、流体を吐出することができる。吸入弁16aは、吸入管路18aと空間14との間に配置され、吐出弁16bは、空間14と吐出管路18bとの間に配設される。ポンプ1が吸入動作に入るとき、吐出弁16bが閉じるが、そのときに、吐出方向とは、逆方向に逆流が発生する。
アキュムレータ5は、ポンプ1からの流入液体の流圧により可動する円形の弾性ダイヤフラムから成る可動部51と、筐体52に形成され、流入液体を一時的に溜める液体溜56と、可動部51を保持する押え部53とを備え、可動部51は、予め窪んだ初期状態に設定され、液体溜56は、流入口54と吐出口55に連通している。このアキュムレータ5は、流圧により弾性変動する可動部51が、2箇所に弾性変動の平衡点を有する。可動部51は、これら平衡点間を流圧の高低により移動することにより、吐出弁16bの動作による逆流を低減する。このアキュムレータ5において、逆流により流入液体の液体溜56内の流圧が低下すると、これに対応して可動部51は、液体溜56の容積を縮小し、液体溜56内の液を押し出し、ポンプ1の吐出弁16bの動作に起因して発生した逆流による吐出液の流量の減少を補う。流入液体に逆流がなくなり、流圧の低下がなくなると、可動部51は元に戻る(詳細は後述)。このように、可動部51は、液体溜56の液体体積を制御し、スムーズな流れの吐出液を吐出口55より吐出する。
アキュムレータ5の可動部51は、図2に示すように、可撓性材料から成る弾性膜により構成され、流圧により弾性変動する中央部51mと固定される周辺部51nから成り、周辺部51nは押え部53により、筐体52に固定されている。中央部51mは、予め窪んだ凹形状に形成された初期状態の平衡位置51aと、平衡位置51aとは逆方向に変位して窪み部分が膨らんだ状態の平衡位置51bとの2つの平衡点を有している。ここで、本実施形態の平衡点とは、可動部51が弾性変形した状態であって、外部から加わっている弾性力がつりあって静止している状態をいう。なお、本外発明の平衡点では必ずしも弾性変形している必要はない。
この2つの平衡位置51a、51bは、逆流により流入液体の流圧が低いとき、及び逆流がなく流入液体の流圧が高いときのそれぞれに対応して、液体溜56の内容積を最及び最にする位置となる。可動部51は、平衡位置51a、平衡位置51bのそれぞれにあるとき変化しないため、アキュムレータ5の内容積も変動しない。
また、可動部51は、その弾性膜自体の伸び縮みを小さくし、それぞれの平衡点での弾性変形を略零とし、平衡点での脈動をなくしている。これにより、可動部51は、2つの平衡位置51a、51b間の位置移動を急速に行うことができる。アキュムレータ5は、この急速な応答動作により、吐出流量の逆流における微小変動にも追従して可動し、逆流を低減することができる。ここでは、中央部51mは、予め窪んだ凹形状としたが、これに限らず、2平衡点を持つ構成であれば、予め平面形状とし、流圧により凹又は凸形状に変形するものでもよい。
上記のように構成された本装置において、ポンプ1の駆動により、液体容器2に貯蔵されている液体は、吸入管路18aから、吸入弁16aを経て、空間14に流入し、吐出弁16bを経て吐出管路18bに吐出されアキュムレータ5に流入される。この吐出管路18bよりの搬送流体は、吐出弁16bの開閉動作により発生する逆流が重畳されてアキュムレータ5に流入される。アキュムレータ5の可動部51は、この逆流による流圧変動に応答し、吐出液の流量を制御し、逆流を低減する。
次に、上記圧電ダイヤフラムポンプ1の詳細について、図3乃至図7を参照して説明する。図3は、圧電ダイヤフラムポンプ1の概略構成を示す。同ポンプ1は、導電部材よりなる電極層12を持つ平板形状の圧電素子11と、この圧電素子11に接合され、圧電素子11の変形に応じて弾性変形する導電部材よりなるダイヤフラム板13と、ダイヤフラム板13の下面に気体又は流体を圧縮する空間14と、この空間14に連通した吸入口16c及び吐出口16dとを有する筐体15と、圧電素子11を駆動する制御回路4とを備える。制御回路4は、電極層12に設けられた電極12aとダイヤフラム板13に設けられた電極13aとの間に電圧を印加し、圧電素子11を変形させてポンプ1の吸入・吐出動作を制御する。
ダイヤフラム板13は、円形の真鍮製のダイヤフラム板上に円板状の圧電素子(PZT)11が貼り付けられ、プラスチック、例えばポリアセタール(POM)やポリカーボネイト(PC)、ポリフェニルスチレン(PPS)等からなる筐体15に固定される。圧電素子11の寸法は、例えば直径10mm、厚み0.2mmであり、ダイヤフラム板13は、例えば直径20mm、厚み0.2mmの真鍮板である。筐体15は、空間14を形成するための上面開口の凹部を有する。ダイヤフラム板13は、ポンプの製造工程で、圧電素子11に電圧が印加されていない初期状態において、空間14が膨らんだ方向となるように筐体15に装着される。
吸入弁16a、吐出弁16bは、吸入口16c、吐出口16dにそれぞれ連通して設けられる。これらの弁は筐体15と弁押え17との間に配置される。弁の構造は、例えば弁の前後の圧力差により開閉するゴム製の片持ち弁を用いてもよい。
図4(a)、(b)は、それぞれ逆方向電圧(負電圧とする)、及び順方向電圧(正電圧とする)の電圧印加による圧電素子11の変形する様子を示す。ここでは、圧電素子11の厚み方向を上下方向として示し、+−は分極方向を示す。上述のように、圧電素子11に電圧が印加されると、厚み方向に電界(白抜き矢印)が発生し、この電界により圧電素子11は黒矢印方向に変形する。図4(a)のように、負電圧が印加されて電界の向きが圧電素子11の分極の向きと逆方向となるとき、圧電素子11は厚み方向に縮み、径方向に伸びる。逆に、図4(b)のように正電圧が印加されて電界の向きが圧電素子11の分極の向きと同じ方向となるとき、圧電素子11は厚み方向に伸び、径方向に縮む。これにより、ダイヤフラム板13が振動し、ポンプの動作を行う。
上述のような圧電素子11を用いた圧電ダイヤフラムポンプ1の詳細動作を図5(a)(b)を参照して説明する。ポンプ1は、圧電素子11に電圧を印加していない図5(a)の初期状態から正電圧を印加すると、吐出行程に入り、圧電素子11は径方向に縮むが、ダイヤフラム板13は伸びないため、図5(b)に示すように、圧電素子11の変形に伴ってダイヤフラム板13の撓みが減少する。これにより、空間14の容積が減少して空間14内の圧力が増加し、吸入弁16aが閉じて吐出弁16bが開き、吐出口16dより流体を吐出する。
圧電素子11に正電圧を印加した状態から、印加電圧を接地電圧とすると、ポンプ1は吸入行程に入り、ダイヤフラム板13は、図5(a)に示すように、ダイヤフラム板13自身の復元力によって初期状態の形状まで戻る。つまり、ダイヤフラム板13の撓みが増加することにより、空間14の容積が増加して空間14内の圧力が減少し、吐出弁16bが閉じて吸入弁16aが開き、吸入口16cより流体を吸入する。印加電圧は+120ボルトと0ボルトの交番電圧とし、+120ボルトの電圧を印加した場合にポンプは吐出動作を行い、0ボルト印加時は吸入動作を行う。印加電圧の駆動周波数は駆動流体の粘度により異なるが、水で管路直径1mmの場合、例えば約40Hzとすればよい。
次に、上記ダイヤフラムポンプ1による吸入・吐出動作の詳細について、図6(a)乃至(f)を参照して説明する。図6(a)、(b)、(c)は吸入行程を示し、ダイヤフラム板13の膨らみにより、吐出弁16bが閉じて、吸入弁16aが開いて行くことにより、外部の液体容器から液体が吸入される。図6(d)、(e)、(f)は吐出行程を示し、吸入行程後、ダイヤフラム板13が縮小し出すと、吸入弁16aが閉じて行き、吐出弁16bが開く。これら吸入行程と吐出行程とが繰り返される。
ここで、駆動周波数が高い場合、図6(f)の吐出行程から図6(a)の吸入行程に移る際、吐出弁16bは開放されたままであり、吸入弁16aが閉じた状態である。ここから電圧印加による圧電ダイヤフラムの変形により、内部容積が増加していくと、図6(a)において、まず吐出弁16bが閉じる動作を行うが、この動作に伴い微小量の液体が吐出口側からポンプ内部に逆流する。
図7(a)乃至(c)は、ポンプ1にパルス電圧を印加した場合のポンプ1からの搬送流体の流れについて、逆流が無い場合と有る場合における時間変化の概要を示す。ここでは、ポンプ1の圧電素子11に印加される駆動電圧をデューティ比50%のパルス状の120ボルトとする。図7(a)は、このパルス駆動電圧によるポンプ1から吐出される搬送流体の瞬間流速を概念的に表している。1サイクル(t1−t3)の期間において、パルス電圧の立ち上がり時(t1)に瞬間的に流体は多く流れるが、吐出時間(t1−t2)における瞬間流速は略一定となる。また、吸入時間(t2−t3)では吐出が無いため搬送流速はゼロである。
図7(b)は、逆流が無い場合の吐出先端口3における液体先端位置の時間変化を示している。ここで、液体先端位置は、管路中央部での液面先端の位置とする。同図に示すように、液体の先端位置は、吐出過程の間、移動し、吸入過程では停止する。液体の先端位置の平均位置は図示のようになり、脈動量は平均位置からの乖離量で表示され、その最大値は、デューティ比50%の場合、
(1振動当たり体積)/4
となる。
一方、図7(c)は、逆流が有る場合の脈動量の様子を示しており、この場合、液面先端の平均位置は、逆流による逆流量の1/2だけ低下し、脈動量の最大値は、
(1振動当たり体積)/4+(逆流量)/2
となる。これより、逆流量は振動数に関係なく脈動量に影響することが分かる。
次に、図8を参照して、圧電ダイヤフラムポンプ1における吐出弁16b(制御弁)の開閉の前後における液体の流れについて説明する。同図に示すように、吐出弁16bが開状態から閉状態に作動するとき、吐出弁16b付近の搬送流体の一部19aが逆流し、これが逆流量となってポンプ1内の空間14に押し戻される。
いま、上記アキュムレータ5(図1)が備えられていないと仮定したとき、逆流によるポンプ1の吐出管路18bにおける吐出量の変化を図9を参照して説明する。ポンプ1に駆動電圧が印加されると、ポンプ1より液体が吐出され、駆動電圧が0ボルトになると、液体が吸入される。この吸入時に前述の逆流が生じるため、吐出量mが逆流量s1だけ低下する。この結果、逆流による脈流が搬送流体に発生する。nは見かけの流量を示す。
次に、アキュムレータ5の作用について、図10(a)、(b)を参照して説明する。図10(a)、(b)は、逆流に伴うアキュムレータ5の可動部51の弾性変動による内部容積の増加時及び減少時における各平衡状態を示す。
アキュムレータ5の可動部51は、ポンプ1の吐出動作時に、予め窪んだ初期状態の平衡位置51aから、その窪み部分が膨らむことにより、平衡位置51bに移動する。これにより、アキュムレータ5の内部容積を増加させ、最大内容積となって平衡状態を保ち、吐出流量の変動を抑える。同様に、ポンプ1の吸入動作時に、可動部51は、逆向きに変動し、内部容積を減少させ、最小内容積となる平衡位置51aで平衡状態を保ち、吐出流量の逆流を抑える。この可動部51が、平衡位置51aと平衡位置51b間で位置変動することにより、アキュムレータ5の内容積は、容量51cだけ変化する。これにより、ポンプ1の逆流量がアキュムレータ5の容量51cにより吸収され、逆流が低減され、アキュムレータ5の吐出口55から均一な流体が吐出される。
このようなアキュムレータ5が有る場合の吐出量の変化を図11に示す。ここに、前述の図9との対比すれば分かるように、逆流量は、アキュムレータ5が無い場合の逆流量s1よりも逆流低減量v1だけ低減された量となる。
上記のように、本実施形態によれば、アキュムレータ5の可動部51は、弾性変動の平衡点を2箇所に有し、それぞれの平衡点で可動部51の弾性変形を略零とすることにより、2平衡点間を急速に可動することができ、ポンプ1で発生する逆流を効率よく低減することができる。これにより、ポンプ1の吐出弁16bの動作により生じる微小な逆流量であっても吐出流体の流れをスムーズにすることができる。
従来の液体の圧力変動を吸収する脈動低減用のアキュムレータは、一般に吐出弁での逆流が考慮されていないため、その容積変動は弁の逆流量よりも格段大きなものが用いられており、微小な逆流を吸収する容積変動には対応できていなかった。また、通常の変動容積が大きいアキュムレータでは、吐出弁の微小な逆流量の脈流分を吸収することが困難であった。本実施形態においては、これらの問題を解決することができる。
次に、ダイヤフラムポンプ液体吐出制御装置の参考例について図12乃至図14を参照して説明する。本参考例は、図12に示されるように、アキュムレータ5の弾性ダイヤフラムとなる可動部に、ベローズ状の周囲壁を持つベローズ状可動部57を用いた点で前記第1の実施形態と異なる。図において、上記第1の実施形態の部材と同等部材には同一符号を付し、重複説明は省く(以下、同様)。
参考例においては、ベローズ状可動部57を備えたアキュムレータ5によって、ポンプ1の吐出弁16bの動作に起因して発生した逆流による吐出液の脈流量を抑制するものとした。
このアキュムレータ5は、図13(a)〜(k)に示すように、上部筐体部52bと下部筐体部52aより成る筐体52と、下部筐体部52aに形成され流入液体を一時的に溜める液体溜56と、流入液体の流圧により可動する弾性ダイヤフラムとなるベローズ状可動部57と、ベローズ状可動部57の動きを制限するストッパ58とを備え、円形のダイヤフラムを形成している。
ベローズ状可動部57は、周囲壁がベローズ状に成形されたベローズ周壁部を備え、その下底部が、ストッパ58と上部筐体部52bとの間に挟み込まれるベローズ抑え部52cに固定されている。このベローズ状可動部57は、流圧の変動に対応して移動し、ポンプ1の吐出動作時、及び吸入動作時に、ベローズ周壁部がそれぞれ伸長及び縮少され、ストッパ58の上下両端の2箇所に達して移動が制限され、このストッパ58により、ベローズ状可動部57はその上下両端の間を急速に移動することができる。
このように構成されたアキュムレータ5は、図14(a)に示すように、ポンプ1の吐出動作時に、ベローズ状可動部57が矢印の方向に伸びて膨らむことで内容積を増大し、吐出液流の高い流圧を吸収する。このとき、ベローズ状可動部57は、ストッパ58により一定長さ以上に伸びないため、内容積は一定以上増加しない。ポンプの吸入動作時には、図14(b)に示すように、ベローズ状可動部57が矢印の方向に変化して縮むことにより内容積を減少させ、低い流圧を補い、逆流を低減する。
本実施形態においては、急速な位置移動が可能なベローズ状可動部57を持つアキュムレータ5を用いたので、吐出弁16bの動作により生じる微小な逆流量に対しても、応答することができ、アキュムレータ5の吐出口55における搬送流体の逆流を低減することができる。また、簡単な構造により生産性が向上する。
次に、本発明の第の実施形態に係るダイヤフラムポンプ液体吐出制御装置について図15を参照して説明する。本実施形態は、アキュムレータ5とポンプ1とが一体構造となって、一体型ポンプ10となっている。
この一体型ポンプ10において、アキュムレータ5を構成する弾性膜からなる可動部51と、ポンプ1の吐出弁16bとが一体化形成されて、吐出弁16bに位置する吐出口16dと、アキュムレータ5の流入口54とは連結流路を経ることなく直接に結合されている。アキュムレータ5の可動部51の流体と接する反対側面とポンプ1との間には、空気の通る大気連動孔59が設けられ、この大気連動孔59により、可動部51の動きをスムーズにしている。吐出弁16bからの流体は、吐出管路18bから直ぐアキュムレータ5に流入される。逆流が低減される効果は前記実施形態と同様である。
本実施形態においては、ポンプ1とアキュムレータ5を一体化することにより部品点数を低減でき、生産性を向上することができる。また、吐出弁16bとアキュムレータ5の可動部51間が直結されるため連結流路が短くなり、吐出弁16bからの吐出流の流路による抵抗を小さくできる。このため、吐出流の逆流に対する可動部51の動作の応答が良くなり、アキュムレータ5の動作がスムーズに行われる。
次に、本発明の第の実施形態に係るダイヤフラムポンプ液体吐出制御装置について図16を参照して説明する。本実施形態は、上記第1の実施形態の構成において、吐出弁16b(制御弁)が動作するときのポンプ1の逆流量と、アキュムレータ5の可動部51による逆流低減量とが略同じとなるようにしたものである。
本実施形態の構成においては、図17(a)、(b)に示すように、ポンプ1の吐出口の流路P点における吐出量中に存在した逆流量s1が、アキュムレータ5の吐出口の流路Q点においては、逆流低減量v1だけ低減され、殆ど逆流はなくなる。
このように、ポンプ1の吐出弁16bによる逆流量とアキュムレータ5による逆流低減量とを略同等とすることにより、顕著な逆流低減効果を得ることができ、少量の吐出液体の微小変動をも抑えることができる。
次に、本発明の第の実施形態に係るダイヤフラムポンプ液体吐出制御装置について図18を参照して説明する。本実施形態は、上記第の実施形態の構成において、吐出弁16b(制御弁)が動作するときのポンプ1の逆流量と、アキュムレータ5による逆流低減量とが略同等となるようにしたものである。
本実施形態の構成においては、一体型ポンプ10において、ポンプ1の吐出弁16bにより発生するポンプ1の逆流量と、アキュムレータ5の可動部51による逆流低減量とを略同等としている。従って、前記と同様に、ポンプ1の吐出口の流路P点で存在した逆流量s1が略同量の逆流低減量v1により吸収され、アキュムレータ5の吐出口の流路Q点においては、吐出液体における逆流が殆どなくなる。このため、少量の吐出液体の微小変動をも抑えることができると共に、コンパクトな形状で搬送流体の流れをよりスムーズに流出することができる。
次に、本発明の第の実施形態に係るダイヤフラムポンプ液体吐出制御装置について説明する。本実施形態は、特に図示しないが、上述の各実施形態において、逆流低減用アキュムレータ5の可動部51の固有振動数を、圧電ダイヤフラムポンプ1の振動数と略同一としたものである。
本装置において、アキュムレータ5は、アキュムレータの構造により決まってくる固有の機械的自己振動数を持つ。一般に円板状ダイヤフラムの固有振動数は、
F=10.21(D/βd)0.5/2πa
で決まる。ここで、
D=Ed/12(1−α
a:半径、β:単位体積当たりの質量、d:板厚、E:縦弾性係数、α:ポアソン比、π:円周率
で定められる。
上記アキュムレータ5の固有振動数が、ポンプの振動数とほぼ同一になるように、上記の固有振動数の式に必要な定数を導入し、アキュムレータ5の固有振動数を設定する。このようにして、アキュムレータ5の固有振動数とポンプ1の振動数を合わせた状態において、ポンプ1が駆動されると、ポンプ1の吐出弁16bで発生した逆流によりアキュムレータ5の可動部51が振動する。この振動が可動部51自身の固有振動数と一致しているため、その振動は増幅され、可動部51の変位幅限度までの変位がスムーズに行われる。これにより、逆流低減効果が増大し、搬送流体の流動をスムーズにすることができる。
次に、本発明の第の実施形態に係るダイヤフラムポンプ液体吐出制御装置について図19(a)乃至(d)を参照して説明する。本実施形態は、前記第1の実施形態において、逆流低減用アキュムレータ5(以下、第1のアキュムレータという)と吐出先端口3との間に、別個に断続流低減のための断続流低減用アキュムレータ6(以下、第2のアキュムレータという)をさらに備えたものである。
本装置は、第2のアキュムレータ6を備えたことによって、ポンプ1の吸入と吐出の繰り返し断続動作により発生する断続流を低減することができ、吐出液流の脈流をさらに抑制し、流れのスムーズな液流を吐出先端口3に送る。
第2のアキュムレータ6は、前述の第1のアキュムレータ5と同様の構成を有し、押え部63により、その周辺部を筐体62に固定された可動部61と、筐体62に形成され、流入液体を一時的に溜める液体溜66とを備え、円形のダイヤフラムを形成している。
この可動部61は、ポンプ1からの断続流の流圧に対応して可動し、液体溜66の容積を変動して断続流を低減する。この可動部61の弾性膜は、流圧に対して膜自身が伸びて膨らみ、内容積が増加し、膜の弾性で振動を吸収する。これにより、第2のアキュムレータ6は、ポンプ1の吐出時に急激な増加を緩和し、ポンプ1の吸入時に吐出量の急激な減少を緩和する。
また、第2のアキュムレータ6は、逆流が存在しない場合の断続流のみによる脈流を吸収するように設計されている。従って、上記第1のアキュムレータ5により搬送流体の逆流を略零近くに低減することにより、第2のアキュムレータ6による断続流の低減を効果的に行うことができる。その結果、逆流、断続流とも低減された脈流の少ない流体搬送を得ることができる。
図19(b)、(c)、(d)は、図19(a)のP点、Q点、及びR点における各吐出量の時間変化のグラフを示す。P点はポンプ1の吐出口の流路、Q点は第1のアキュムレータ5の吐出口の流路、R点は第2のアキュムレータ6の吐出口の流路である。同図(b)に示したように、ポンプ1の逆流により吐出量は逆流期間に逆流量s1だけ低下するが、同図(c)に示すように、第1のアキュムレータ5により、逆流量は一部残存する逆流量s2まで低減され、同図(d)に示すように、第2のアキュムレータ6により、逆流量はさらに低減されて殆どなくなり、滑らかな搬送流体を実現することができる。
次に、本発明の第の実施形態に係るダイヤフラムポンプ液体吐出制御装置について図20(a)乃至(d)を参照して説明する。本実施形態は、前記第の実施形態において、第1のアキュムレータ5と第2のアキュムレータ6の間の流路中に、逆流防止弁7を挿入したものである。
逆流防止弁7は、弾性体によって形成された開閉弁71を有し、ポンプ1の吐出動作時に開放されるため、ポンプ1から第1のアキュムレータ5、第2のアキュムレータ6を結ぶ流路は開放され、吐出先端口3に液体が吐出される。また、第2のアキュムレータ6において可動部が変形し、内部容積が大きくなる。
ポンプ1が吸入動作に移ると、開閉弁71は前後の圧力差により閉じる。これによりポンプ1の吐出弁16bで発生した逆流は、第1のアキュムレータ5の変形により吸収され、吐出先端口3への吐出液流に影響しない。また、第2のアキュムレータ6の可動部61が変形し、吐出先端口3への流れを継続することで、吐出液体の脈動を小さくすることができる。
図20(b)、(c)、(d)は、図20(a)のP点、Q点、及びS点における各吐出量の時間変化のグラフを示す。P点はポンプ1の吐出口の流路、Q点は第1のアキュムレータ5の吐出口の流路、S点は逆流防止弁7の吐出口の流路である。同図(b)に示したように、ポンプ1の逆流により吐出量は逆流期間に逆流量s1の低下を受けるが、同図(c)に示したように、第1のアキュムレータ5により、逆流量は逆流量s2まで大幅に低減され、同図(d)に示したように、逆流防止弁7の挿入により、逆流はさらに低減されて殆どなくなり、滑らかな搬送流体を実現することができる。
次に、ダイヤフラムポンプ液体吐出制御装置の他の参考例について図21(a)、(b)を参照して説明する。図21(a)は、本参考例の構成を示す。本参考例は、前記第の実施形態において、前記第1のアキュムレータ5の代わりに、ポンプ1と第2のアキュムレータ6との間の配管81の一部に可動部82を有した管路型逆流低減用アキュムレータ8(以下、第3のアキュムレータという)を備えたものである。
図21(b)は、第3のアキュムレータ8の構成を示す。この第3のアキュムレータ8は、配管81の一部に貼り付けた弾性膜よりなる可動部82を備えている。配管81は、ポンプ1の吸入行程において、ポンプ1から液体が吐出されると、その配管入口83からの搬送流体の高い流圧により、可動部82が膨らむ方向に変位して内部容積が拡大される。これにより、搬送流体の高い流圧が吸収される。一方、ポンプ1の吸入行程においては、配管81は、可動部82が逆方向に変位して、内部容積が減少し、ポンプ1の吐出弁16bによる逆流を吸収し、配管吐出口84より逆流の低減された搬送流体が吐出される。本実施形態においては、簡単でかつ小型構造のアキュムレータを構成できると共に、部品点数を低減でき、生産性を向上することができる。
次に、本発明の第の実施形態に係るダイヤフラムポンプ液体吐出制御装置について説明する。本実施形態は、特に図示しないが、第の実施形態の構成において、第1のアキュムレータ5の可動部51の固有振動数及び第2のアキュムレータ6の可動部61の固有振動数を、ポンプ1の振動数と略同一としたものである。また、各アキュムレータ5、6の固有振動数は、先述のように各アキュムレータの構造により決まる固有の機械的自己振動数である。
第1のアキュムレータ5は、その固有振動数とポンプ1の振動数がほぼ同一の状態において、ポンプ1が駆動するとき、ポンプ1の吐出弁16bで発生する逆流により可動部51が振動する。この振動は、可動部51自身の固有振動数と一致していることにより増幅され、可動部51の変位幅限度までの変位がスムーズに行われる。また、断続流低減用アキュムレータ6は、その固有振動数とポンプ1の振動数が略同一の状態においては、ポンプ1が駆動されるとき、ポンプ1の断続流により断続流低減用アキュムレータ6の可動部61が振動する。この振動は、可動部61自身の固有振動数と一致していることにより増幅され、可動部61の変位幅限度までの変位がスムーズに行われる。これらにより、逆流低減効果及び断続流低減効果が増大し、吐出液体の流動をスムーズにすることができる。
次に、本発明の第の実施形態に係るダイヤフラムポンプ液体吐出制御装置について図22(a)乃至(e)を参照して説明する。図22(a)は、本実施形態の構成を示す。本実施形態は、前記第の実施形態の構成において、第2のアキュムレータ6の可動部61が、内容積を増大する側には容易に変形して、内容積を低減する側には容易に変形し難い構造としたものである。
図22(b)、(c)は、第2の低減用アキュムレータ6の吐出行程と吸入行程をそれぞれ示し、同図(d)は、同図(b)、(c)の点線で囲んだA部の拡大を示す。また、同図(e)は、第2のアキュムレータ6における瞬間流速(流量)の時間変化を示している。
第2のアキュムレータ6は、可動部61の変動により体積容量が変化する体積変動部61aと、この体積変動部61aに搬送流体が出入りする狭い管路68を持つ仕切り部67とを備えており、管路68の側面にはテーパ69が設けられている。管路68のテーパ69は、可動部61の伸びる矢印の方向に幅が狭くなるように設計されている。これにより、吐出行程において、体積変動部61aの体積が増大し、第2のアキュムレータ6の内部容積が増加する場合は、管路68の管路抵抗を小さくしている。また、吸入行程において、可動部61が縮小し、体積変動部61aの体積が減少し、第2のアキュムレータ6の内部容積が減少する場合は、管路68の管路抵抗を大きくしている。
上記のように管路68にテーパ69を設けたことにより、吐出行程において、第2のアキュムレータ6内部の圧力が高まると、第2のアキュムレータ6の内部容積が増加し、液体の吐出口65への急激な流れが制限される。また、吸入行程に移る段階で、内部液体の圧力が小さくなる場合でも、内部容積から吐出する方向の管路68の管路抵抗が大きいため、第2のアキュムレータ6に急激な内部容積変動が起こらない。
図22(e)は、第2のアキュムレータ6における吐出流液の瞬間流速の時間変化を示し、点線のグラフは、テーパ69が無い場合の瞬間流速を示し、実線はテーパ69が有る場合の瞬間流速を示す。テーパ69が有る場合は、吐出期間(t1〜t2)と吸入期間(t2〜t3)において瞬間流速は大きく変化しない。即ち、吐出流液の急激な脈流が低減される。これにより、第1のアキュムレータ5において、断続流の影響を受け難くなり、同アキュムレータ5の動作が阻害されないことにより、搬送流体の逆流量をさらに低減でき、より均一に流出することができる。
以上述べたように、各種の実施形態のダイヤフラムポンプ液体吐出制御装置によれば、圧電素子11を用いたポンプ1にパッシブな脈動低減機能を持つ逆流低減用アキュムレータ5を接続し、このアキュムレータ5に弾性変動の平衡点を2箇所有する可動部51を設けて、この可動部51が2つの平衡点間を急速に移動するようにしたことにより、ポンプ1の制御弁の微小な逆流量であっても逆流を防止し、吐出先端口3への搬送流体の流れをスムーズにすることができる。これにより、簡単な構成で低コストかつ高性能なポンプ1を用いた液体吐出制御装置を実現することができる。
本発明の一実施形態に係るダイヤフラムポンプ液体吐出制御装置の構成図。 上記装置における逆流低減用アキュムレータの可動部の平面図及び断面図。 上記装置における圧電ダイヤフラムポンプの断面図。 (a)は上記ポンプに用いられる圧電素子に正電圧を印加したときの動作を示す図、(b)は同圧電素子に負電圧を印加した時の動作を示す図。 上記ポンプの動作を示す図であり、(a)は吐出の電圧を印加した状態を示す図、(b)は吸入の電圧を印加した状態を示す図。 (a)、(b)、(c)は上記ポンプの吸入行程を示す断面図、(d)、(e)、(f)は同吐出行程を示す断面図。 (a)は上記ポンプにおける瞬間流速の時間変化を示す図、(b)は逆流が無い場合の液体先端位置の時間変化を示す図、(c)は逆流が有る場合の液体先端位置の時間変化を示す図。 上記ポンプにおける吐出弁の開閉時の拡大図。 逆流が有る場合の吐出量の時間変化を示す図。 (a)、(b)は上記アキュムレータの内部容積の増加時と減少時の各断面図。 上記アキュムレータによる逆流低減量がある場合の吐出量の時間変化を示す図。 ダイヤフラムポンプ液体吐出制御装置の参考例の構成図。 (a)は上記装置の逆流低減用アキュムレータの断面斜視図、(b)〜(f)は上記アキュムレータを構成するストッパ、ベローズ状可動部、ベローズ抑え部、上部筐体部、下部筐体部の各断面図、(g)〜(k)はそれぞれ同(b)〜(f)の各斜視図。 (a)、(b)は上記アキュムレータの内部容積増加時と内部容積減少時の断面図。 本発明の第の実施形態に係るダイヤフラムポンプ液体吐出制御装置の断面図。 本発明の第の実施形態に係るダイヤフラムポンプ液体吐出制御装置の構成図。 (a)、(b)は図16のP点、Q点における各吐出量の時間変化を示す図。 本発明の第の実施形態に係るダイヤフラムポンプ液体吐出制御装置の断面図。 (a)は本発明の第の実施形態に係るダイヤフラムポンプ液体吐出制御装置の構成図、(b)、(c)、(d)は(a)のP点、Q点、R点における各吐出量の時間変化を示す図。 (a)は本発明の第の実施形態に係るダイヤフラムポンプ液体吐出制御装置の構成図、(b)、(c)、(d)は(a)のP点、Q点、S点における各吐出量の時間変化を示す図。 (a)はダイヤフラムポンプ液体吐出制御装置の他の参考例の構成図、(b)は同装置における管路型逆流低減用アキュムレータの斜視図。 (a)は本発明の第の実施形態に係るダイヤフラムポンプ液体吐出制御装置の構成図、(b)、(c)は同装置の断続流低減用アキュムレータの吐出時と吸収時における断面図、(d)は(b)、(c)の点線で囲んだA部の拡大図、(e)は上記アキュムレータからの吐出流の流量時間変化を示す図。
符号の説明
1 ポンプ(圧電ダイヤフラムポンプ)
11 圧電素子
13 ダイヤフラム板
16a、16b 吸入弁、吐出弁(制御弁)
2 液体容器
3 吐出先端口
4 制御回路
5 逆流低減用アキュムレータ(第1のアキュムレータ)
51 可動部
51a、51b 平衡位置(平衡点)
6 断続流低減用アキュムレータ(第2のアキュムレータ)
7 逆流防止弁
8 管路型逆流低減用アキュムレータ
82 可動部

Claims (7)

  1. 圧力差によって液体の流れ方向に開閉する制御弁を有し、駆動源として圧電アクチュエータを用いたダイヤフラムポンプと、このダイヤグラムポンプの吐出側流路中に配設され、該ダイヤフラムポンプの制御弁の動作に起因する流体の逆流を低減する逆流低減用アキュムレータと、を備えたダイヤフラムポンプ液体吐出制御装置であって、
    前記逆流低減用アキュムレータは、流圧により弾性変動し、該弾性変動の平衡点を2箇所に有する弾性ダイヤフラムから成る可動部と、前記ダイヤフラムポンプからの流入液体を一時的に溜める液体溜とを備え、
    前記可動部は、これら平衡点間を移動することにより、前記液体溜の内容量を最大又は最小に変化させ、前記制御弁が動作することによる逆流量と前記逆流低減用アキュムレータによる逆流低減量とを略同じにして前記流体の逆流を低減することを特徴とするダイヤフラムポンプ液体吐出制御装置。
  2. 前記逆流低減用アキュムレータとダイヤフラムポンプとが一体構造となっていることを特徴とする請求項1に記載のダイヤフラムポンプ液体吐出制御装置。
  3. 前記逆流低減用アキュムレータの可動部の固有振動数が、ダイヤフラムポンプの振動数と略同じとなるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のダイヤフラムポンプ液体吐出制御装置。
  4. 前記逆流低減用アキュムレータの下流側に、前記逆流低減用アキュムレータとは別個に前記ダイヤフラムポンプによる断続流の流圧に対応して可動する弾性ダイヤフラムを有する断続流低減のための断続流低減用アキュムレータをさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のダイヤフラムポンプ液体吐出制御装置。
  5. 前記逆流低減用アキュムレータと前記断続流低減用アキュムレータとの間の流路中に逆流防止弁を配設したことを特徴とする請求項4に記載のダイヤフラムポンプ液体吐出制御装置。
  6. 前記逆流低減用アキュムレータの可動部の固有振動数及び前記断続流低減用アキュムレータの可動部の固有振動数が、ダイヤフラムポンプの振動数と略同じとなるようにしたことを特徴とする請求項4に記載のダイヤフラムポンプ液体吐出制御装置。
  7. 前記断続流低減用アキュムレータの可動部は、内容積を増大する側には変形し易く、内容積を低減する側には変形しにくい構造としたことを特徴とする請求項4に記載のダイヤフラムポンプ液体吐出制御装置。
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