JP2012034926A - 流体噴射方法、流体噴射装置、及び医療機器 - Google Patents

流体噴射方法、流体噴射装置、及び医療機器 Download PDF

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Abstract

【課題】容易な方法で最適な流体噴射条件の流体を噴射する流体噴射方法を実現する。
【解決手段】流体噴射装置1に係る流体噴射方法は、圧力室80の容積を圧電素子30及びダイアフラム40により変化させて流体噴射開口部96から流体をパルス状に噴射する脈流発生部20と、脈流発生部20に流体を供給するポンプ10と、が備えられ、かつ、供給される流体供給流量を検出する検出器11を有し、圧力室80の容積を変化させる周波数を流体供給流量に比例するように制御する。
【選択図】図6

Description

本発明は、流体をパルス状に噴射する流体噴射方法、流体噴射装置、及び医療機器に関する。
従来、脈流発生手段の駆動によって流体を脈流に変換して流体をパルス状に高速噴射させる流体噴射装置が提案されている。この流体噴射装置は、脈動発生部の駆動方法や圧力発生部から供給される流体の流量など、流体噴射条件を決定する複数の制御パラメーターを変更することで、様々な流体噴射条件で流体の噴射が可能である(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−82202号公報
適切な流体噴射条件とするために複数の制御パラメーターを変更する場合、制御パラメーターの組み合わせは膨大であり、制御パラメーターの組み合わせを使用者が選択することは容易ではなく、操作性が悪いことが推測される。特に、圧力発生部から供給される流量を任意に設定したときに最適な脈動発生部の駆動方法は具体的に示されていない。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る流体噴射方法は、流体を圧力室に供給することと、所定の周波数で前記圧力室の容積を変化させることによって脈流を発生させることと、前記液体をパルス状に噴射することと、を含み、前記圧力室に供給する前記流体の流体供給流量を検出し、前記周波数を前記流体供給流量に比例するように制御することを特徴とする。
圧力室の容積の変化量は圧力室から排出される流体の排除体積に相当する。したがって、噴射される流体噴射流量は、圧力室から排出される流体の排除体積と圧力室の容積を変化させる周波数との積に比例するので、流体噴射流量と圧力室の容積を変化させる周波数は比例の関係になる。よって、任意の流体供給流量を与えたとき、供給した液体をできる限りパルス状に噴射させるためには、流体供給流量に比例して圧力室の容積を変化させる周波数を変化させる必要がある。本適用例では、圧力室の容積を変化させる周波数を流体供給流量に比例するように制御する。したがって、流体供給流量に合わせて流体噴射流量を適切に調整できることから、膨大なパラメーターを組み合わせることなく、容易な方法で最適な流体噴射条件の流体を噴射することができる。
[適用例2]上記適用例に係る流体噴射方法において、前記脈流を発生させることは、圧電素子に電圧を印加することによって前記圧力室の容積を変化させることを含み、前記圧力室の容積を減少させる期間に対応する電圧印加期間を一定にすることが好ましい。
圧力室の容積の変化は、圧電素子に印加する電圧波形に相当する。よって、圧力室の容積を減少させている期間に対応する電圧波形の変化時間を一定にすれば、圧力室の容積を変化させる周波数を変えても容積の減少時間における電圧波形のスルーレートは変化しない。したがって、パルス状の噴射一回あたりの勢いは変わりにくい。よって、パルス状の噴射一回あたりの勢いを一定に維持しながら、圧力室の容積を変化させる周波数を変化させることができる。
[適用例3]上記適用例に係る流体噴射方法において、前記周波数は、前記圧力室の容積を一周期変化させるときに前記圧力室から排出される流体の排除体積に反比例することが好ましい。
噴射される流体噴射流量は、圧力室から排出される流体の排除体積と圧力室の容積を変化させる周波数との積に比例するので、流体噴射流量と圧力室の容積を変化させる周波数は比例の関係になる。よって、使用者が任意の流体供給流量を与えたとき、供給した液体をできる限りパルス状に噴射させるためには、圧力室から排出される流体の排除体積と圧力室の容積を変化させる周波数との積は、流体供給流量に比例するとよい。つまり、圧力室の容積を変化させる周波数は、圧力室から排出される流体の排除体積に反比例することが好ましいことになる。本適用例では、圧力室の容積を変化させる周波数は、圧力室の容積を一周期変化させるときに圧力室から排出される流体の排除体積に反比例する。したがって、流体供給流量に合わせて流体噴射流量を適切に調整できることから、膨大なパラメーターを組み合わせることなく、容易な方法で最適な流体噴射条件の流体を噴射することができる。
[適用例4]上記適用例に係る流体噴射方法において、前記排除体積と前記周波数との積が、前記流体供給流量以下であることが好ましい。
圧力室から排出される排除流量は(排除体積)×(圧力室の容積を変化させる周波数)で表される。実際に噴射される流体噴射流量を考えると、流体のイナータンス効果で流体が引っ張られて実際の排除体積以上に流体が噴射されてしまう。したがって、パルス状に噴射される一発の流体の量は、実際の排除体積と厳密には等しくならない。よって、(排除体積)×(圧力室の容積を変化させる周波数)≦(流体噴射流量)となる。ここで、実際に噴射される流体噴射流量に対して、少なくとも供給不足が無いように流体を供給する必要があるため、(流体噴射流量)≦(流体供給流量)が良い。以上のことから、(排除体積)×(圧力室の容積を変化させる周波数)≦(流体供給流量)が望ましい。本適用例では、排除体積と圧力室の容積を変化させる周波数との積が、流体供給流量以下である。したがって、流体噴射直後の流体のイナータンス効果の影響を考慮しながら、供給した液体をできる限りパルス状に噴射させることができる。
[適用例5]本適用例に係る流体噴射装置は、流体を圧力室に供給する流体供給手段と、所定の周波数で前記圧力室の容積を変化させることによって脈流を発生させ、前記液体をパルス状に噴射させる脈流発生手段と、前記圧力室に供給する前記流体の流体供給流量を検出させる流体供給流量検出手段と、前記周波数が前記流体供給流量に比例するように、前記周波数を制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
圧力室の容積の変化量は圧力室から排出される流体の排除体積に相当する。したがって、噴射される流体噴射流量は、圧力室から排出される流体の排除体積と圧力室の容積を変化させる周波数との積に比例するので、流体噴射流量と圧力室の容積を変化させる周波数は比例の関係になる。よって、任意の流体供給流量を与えたとき、供給した液体をできる限りパルス状に噴射させるためには、流体供給流量に比例して圧力室の容積を変化させる周波数を変化させる必要がある。本適用例では、圧力室の容積を変化させる周波数を流体供給流量に比例するように制御できる。したがって、流体供給流量に合わせて流体噴射流量を適切に調整できることから、膨大なパラメーターを組み合わせることなく、容易な方法で最適な流体噴射条件の流体を噴射することができる流体噴射装置となる。
[適用例6]本適用例に係る医療機器は、流体を圧力室に供給する流体供給手段と、所定の周波数で前記圧力室の容積を変化させることによって脈流を発生させ、前記液体をパルス状に噴射させる脈流発生手段と、前記圧力室に供給する前記流体の流体供給流量を検出させる流体供給流量検出手段と、前記周波数が前記流体供給流量に比例するように、前記周波数を制御する制御手段と、を有する流体噴射装置を用いたことを特徴とする。
本適用例では、圧力室の容積を変化させる周波数を流体供給流量に比例するように制御できる。したがって、流体供給流量に合わせて流体噴射流量を適切に調整できることから、膨大なパラメーターを組み合わせることなく、容易な方法で最適な流体噴射条件の流体を噴射することが可能な医療機器を提供することができる。
実施形態1に係る医療機器としての流体噴射装置を示す構成説明図。 脈流発生部を流体の噴射方向に沿って切断した断面図。 駆動制御部の概略構成を示すブロック説明図。 圧電素子の駆動波形の1例を示す駆動波形図。 圧力室の容積の変化を示す模式図であり、(a)は圧電素子に電圧を印加しない状態、(b)は圧電素子に電圧を印加した場合を示す。 流体供給流量と駆動周波数の関係を模式的に示すグラフ。 排除体積を変化させる場合の圧電素子の駆動波形を模式的に表す駆動波形図。 排除体積を変化させた場合の流体供給流量と駆動周波数の関係を模式的に示すグラフ。 流体供給流量と排除体積と駆動周波数との積との関係を模式的に表すグラフ。
以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
本発明による流体噴射装置は、インク等を用いた描画、細密な物体及び構造物の洗浄、生体組織の切開や切除、薬液の注入等様々に採用可能であるが、以下に説明する実施形態では、組織に薬液等噴射して注入することに好適な医療機器としての流体噴射装置を例示して説明する。従って、実施形態にて用いる流体は、薬液等の液体である。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る医療機器としての流体噴射装置を示す構成説明図である。図1において、流体噴射装置1は、流体供給手段としてのポンプ10と、ポンプ10から供給される流体を脈流に変換させる脈流発生手段としての脈流発生部20と、脈流発生部20の駆動を制御する制御手段としての駆動制御部15とを備えている。ポンプ10と脈流発生部20とは流体供給チューブ4によって接続されている。そして、ポンプ10には、流体供給流量を検出する流体供給流量検出手段としての検出器11が備えている。
脈流発生部20には、細いパイプ状の接続流路管90が接続され、接続流路管90の先端部には流路径が縮小された流体噴射開口部96を有するノズル95が挿着されている。
このように構成される流体噴射装置1における流体の流動を簡単に説明する。ポンプ10は、シリンジ形状で、円筒の外筒とピストンを備える。ポンプ10の内部には、薬液である液体が収容されている。ポンプ10は、ピストンを手動で動かすことができ、使用者が任意の流量で液体を送り出すことができる。そして、液体は、流体供給チューブ4を介して脈流発生部20に供給される。検出器11は、ポテンシオメーターなどの位置検出手段であり、検出器11の情報により、ピストンの移動速度が算出できる。つまり、あらかじめピストンの断面積が分かっていれば、ポンプ10におけるピストンの断面積とピストンの移動速度とで流体供給流量を算出することができる。よって、検出器11が流体供給流量を検出するための流体供給流量検出手段となる。
そして、脈流発生部20には、圧力室80(図2、参照)と、この圧力室80の容積を変化させる容積変更手段としての圧電素子30とダイアフラム40と、が備えられており、圧電素子30を駆動して圧力室80内において脈流を発生させ、接続流路管90、ノズル95を介して流体をパルス状に高速噴射する。
ここで脈流とは、流体の流れる方向が一定で、流体の流量または流速が周期的または不定期な変動を伴った流体の流動を意味する。脈流には、流体の流動と停止とを繰り返す間欠流も含むが、流体の流量または流速が周期的または不定期に変動していればよいため、必ずしも間欠流である必要はない。
同様に、流体をパルス状に噴射するとは、噴射する流体の流量または移動速度が周期的または不定期に変動した流体の噴射を意味する。パルス状の噴射の一例として、流体の噴射と非噴射とを繰り返す間欠噴射が挙げられるが、噴射する流体の流量または移動速度が周期的または不定期に変動していればよいため、必ずしも間欠噴射である必要はない。
次に、本実施形態に係る脈流発生部20の構造について説明する。
図2は、本実施形態に係る脈流発生部20を流体の噴射方向に沿って切断した断面図である。脈流発生部20は、ポンプ10から流体供給チューブ4を介して圧力室80に流体を供給する入口流路81と、圧力室80の容積を変化させる容積変更手段としての圧電素子30及びダイアフラム40と、圧力室80に連通する出口流路82と、を有して構成されている。入口流路81には流体供給チューブ4が接続されている。
ダイアフラム40は、円盤状の金属薄板からなり、ケース50とケース70によって密着されている。圧電素子30は、本実施形態では積層型圧電素子であって、両端部の一方がダイアフラム40に、他方が底板60に固着されている。
圧力室80は、ケース70のダイアフラム40に対向する面に形成される凹部とダイアフラム40とによって形成される空間である。圧力室80の略中央部には出口流路82が開口されている。
ケース70とケース50とは、それぞれ対向する面において接合一体化されている。ケース70には、出口流路82に連通する接続流路91を有する接続流路管90が嵌着され、接続流路管90の先端部にはノズル95が挿着されている。そして、ノズル95には、流路径が縮小された流体噴射開口部96が開口されている。
次に、本実施形態の駆動制御部の構成について説明する。
図3は、本実施形態に係る駆動制御部の概略構成を示すブロック説明図である。駆動制御部15は、ポンプ10に備え付けられた検出器11からの情報を受信する受信回路152と、圧電素子30を駆動制御する圧電素子駆動回路153と、受信回路152の情報を処理し、圧電素子駆動回路153とを制御する制御回路151と、を有して構成されている。
なお、制御回路151には、検出器11からの情報に基づき流体供給流量を算出する演算回路が含まれている(図示せず)。また、圧電素子駆動回路153には、圧電素子30の所定の駆動波形、つまりは、圧電素子30に印加する電圧波形を生成する波形生成回路(図示せず)が含まれる。
次に、本実施形態における脈流発生部20の流体吐出動作について図1、図2を参照して説明する。本実施形態の脈流発生部20の流体吐出は、入口流路81側の合成イナータンスL1と出口流路82側の合成イナータンスL2の差によって行われる。
まず、イナータンスについて説明する。
イナータンスLは、流体の密度をρ、流路の断面積をS、流路の長さをhとしたとき、L=ρ×h/Sで表される。流路の圧力差をΔP、流路を流れる流体の流量をQとした場合に、イナータンスLを用いて流路内の運動方程式を変形することで、ΔP=L×dQ/dtという関係が導き出される。
つまり、イナータンスLは、流量の時間変化に与える影響度合いを示しており、イナータンスLが大きいほど流量の時間変化が小さく、イナータンスLが小さいほど流量の時間変化が大きくなる。
ここで、入口流路81側の合成イナータンスL1は、入口流路81の範囲において算出される。この際、ポンプ10と入口流路81を接続する流体供給チューブ4は柔軟性を有するため、合成イナータンスL1の算出から削除してもよい。
また、出口流路82側の合成イナータンスL2は、本実施形態では出口流路82と接続流路91の範囲のイナータンスである。なお、接続流路管90の管壁の厚さは、流体の圧力伝播に対して十分な剛性を有している。
そして、本実施形態では、入口流路81側の合成イナータンスL1が出口流路82側の合成イナータンスL2よりも大きくなるように、入口流路81の流路長及び断面積、出口流路82の流路長及び断面積を設定する。
次に、流体吐出動作について説明する。
ポンプ10によって入口流路81には、流体が供給されている。その結果、圧電素子30が動作を行わない場合、ポンプ10の吐出力と入口流路81側全体の流路抵抗の差によって流体は圧力室80内に流動する。
ここで、圧電素子30に駆動信号が入力され、圧電素子30がダイアフラム40の圧力室80側の面に対して垂直方向(矢印A方向)に急激に伸長したとすると、伸長した圧電素子30によってダイアフラム40が押圧され、ダイアフラム40が圧力室80の容積を縮小する方向に変形する。圧力室80内の圧力は、入口流路81側及び出口流路82側の合成イナータンスL1,L2が十分な大きさを有していれば急速に上昇して数十気圧に達する。
この圧力は、入口流路81に加えられていたポンプ10による圧力よりはるかに大きいため、入口流路81から圧力室80内への流体の流入はその圧力によって減少し、出口流路82からの流出は増加する。
さらに、入口流路81側の合成イナータンスL1は、出口流路82側の合成イナータンスL2よりも大きいため、入口流路81から圧力室80へ流入する流量の減少量よりも、出口流路82から吐出される流体の増加量のほうが大きくなる。その結果、接続流路91に脈動した流体の吐出が発生する。この吐出の際の圧力変動が、接続流路管90内(接続流路91)を伝播して、先端のノズル95の流体噴射開口部96から流体が噴射される。
ここで、流体噴射開口部96の流路径は、出口流路82の流路径よりも縮小されているので、流体はさらに高圧となり、パルス状の液滴となって高速噴射される。
一方、圧力室80内は、入口流路81からの流体流入量の減少と出口流路82からの流体流出の増加との相互作用で、圧力上昇直後に真空状態となる。そして、圧電素子30を元の形状に復元すると、ポンプ10の圧力と、圧力室80内の真空状態の双方によって一定時間経過後、入口流路81の流体は圧電素子30の動作前(伸長前)と同様な速度で圧力室80内に向かう流れが復帰する。
入口流路81内の流体の流動が復帰した後、圧電素子30の伸長があれば、流体噴射開口部96からパルス状の液滴を継続して噴射する。
(実施形態1に係る脈流発生部の駆動方法)
続いて、脈流発生部20の駆動方法について説明する。
まず、圧電素子30の駆動波形について説明する。
図4は、圧電素子の駆動波形の1例を示す駆動波形図である。駆動波形の1周期は、正の電圧方向にオフセットして位相が−90度ずれたsin波形と休止期間とを合わせた時間である。圧電素子30は正の電圧が印加されると伸長(図2、矢印A方向)するものとすると、時間t1(以降、電圧上昇時間t1と表す)の区間は圧力室80の容積を減少させている時間に相当する。また、時間t2(以降、電圧降下時間t2とも表す)の区間では圧電素子30の電荷を除去する区間であって、圧電素子30は縮小する。つまり、電圧降下時間t2の区間では圧力室80の容積は増加する。
ここで、駆動波形の周波数を変化させる場合には休止期間の長さを変えるので、電圧上昇時間t1は変わらず、電圧上昇のスルーレートが変わらない。従って、パルス状の噴射一回あたりの勢いは変わらない。なお、本実施形態では、圧力室80の容積変化の周波数は、圧電素子30の駆動周波数に相当する。
なお、ここでは、駆動波形の周波数を変化させるために休止期間の長さを変えたが、時間t2の区間の駆動波形を時間軸方向に伸縮して、駆動波形の周波数を変化させながら、時間t1(以降、電圧上昇時間t1とも表す)の区間の駆動波形が変わらないようにする方法でも構わない。
次に、駆動波形の1周期における圧力室の容積の変化量について説明する。
図5は、圧力室の容積の変化を示す模式図であり、(a)は圧電素子に電圧を印加しない状態、(b)は圧電素子に電圧を印加した場合を示している。なお、電圧印加期間における容積の変化量は、圧電素子30の圧電特性によって異なるが、本実施形態では電圧を印加することで容積を縮小させる場合を例示する。図5(a)は、圧電素子30は電圧が印加されない初期状態にあるので、圧力室80の容積も縮小されない状態(図中、ダイアフラム40の位置をBで示す)にある。
なお、容積の変化量はダイアフラム40の変位可能な面積と圧電素子30の伸長した分の長さの積で表される。
ここで、圧電素子30に所定の電圧を印加すると、図5(b)に示すように圧力室80の容積は減少される(図中、ダイアフラム40の位置をB’で示す)。ここで、ダイアフラム40がBからB’まで移動すると、圧力室80は、図中斜線で表す分だけ容積が変化する。そして、この容積に相当する流体が出口流路82から送出される。従って、以降、この圧力室80の容積の変化量を流体の排除体積と表す。
以上のことから、排除体積を一定にした状態で、圧電素子30の駆動周波数を上げれば、駆動周波数に応じて流体噴射流量も比例的に増加させることができる。逆に、圧電素子30の駆動周波数を下げれば、駆動周波数に応じて流体噴射流量も比例的に減少させることができる。
(流体噴射方法)
続いて、本実施形態における流体噴射方法について説明する。
排除体積が一定の状態で圧電素子30の駆動周波数を変化させる場合を説明する。
図6は、流体供給流量と駆動周波数の関係を模式的に示すグラフである。
まず、ポンプ10に備え付けられた検出器11からの情報に基づき算出された流体供給流量から、図6に示すように、ポンプ10からの流体供給流量に比例する関係となるように圧電素子30の駆動周波数を決定する。なお、圧電素子30の駆動周波数は、制御回路151に含まれる演算部によって演算され、圧電素子駆動回路153に入力し、それぞれの駆動条件で駆動する。また、図6の直線の傾きは、あらかじめデータとして、制御回路151に記憶されている。
よって、流体噴射開口部96から噴射される流体噴射流量は、排除体積と駆動周波数との積に比例するので、流体噴射流量と駆動周波数は比例の関係になる。つまり、使用者が任意の流体供給流量を与えたとき、供給した液体をできる限りパルス状に噴射させるためには、流体供給流量に比例して駆動周波数を変化させればよい。したがって、流体供給流量に比例して駆動周波数を変化させれば、ポンプ10からの流体供給流量よりも流体噴射流量が多く設定されて液体の供給不足で弱い噴射となったり、ポンプ10からの流体供給流量よりも流体噴射流量が非常に少なく設定されて液体の供給過剰で無駄な液体が噴射されたりすることを回避できる。
続いて、流体供給流量と駆動周波数とが比例の関係にあるときに(図6、参照)、排除体積を変化させる場合について説明する。
図7は、排除体積を変化させる場合の圧電素子の駆動波形を模式的に表す駆動波形図である。まず、排除体積は、圧電素子30の伸長長さとダイアフラム40の可動面積の積により算出される。そして、伸長長さは、圧電素子30へ印加する電圧を制御することで決定される。したがって、圧電素子30の圧電定数などの条件が既に分かっている場合には、排除体積を決める条件となる駆動電圧のゲインを排除体積の代わりに用いてもよい。よって、排除体積を増やす場合には駆動波形のゲイン(電圧)を上げ、排除体積を減らす場合には駆動波形のゲイン(電圧)を下げる。つまり、駆動波形のゲイン分だけ排除体積が相対的に変化する。なお、圧電素子30の駆動電圧のゲインに関しては、パルス状の噴射一回あたりの勢いが容積変更手段の駆動波形で決まるため、所望の噴射の勢いに対応して、圧電素子30の駆動電圧のゲインの大きさを使用者が決める。そして、使用者が、制御回路に駆動電圧のゲインを入力する。
図8は、排除体積を変化させた場合の流体供給流量と駆動周波数の関係を模式的に示すグラフである。駆動波形の周波数(駆動周波数)は流体供給流量と比例の関係であって直線で表される(図6も参照する)。流体噴射流量は、排除体積と圧電素子30の駆動周波数の積で算出されることから、駆動周波数は、排除体積に反比例する。よって、図8に示すように、排除体積を増やす場合には直線の勾配を排除体積増加分に合わせて小さくし、排除体積を減らす場合には直線の勾配を排除体積減少分に合わせて大きくする。例えば、排除体積を2倍に増やす場合には直線の勾配を2分の1にし、排除体積を2分の1に減らす場合には直線の勾配を2倍にする。なお、図8の直線の勾配の変更は、あらかじめルックアップテーブルのデータとして制御回路151に記憶されているものを読み出すか、制御回路151で演算されるなどすればよい。
以上のことから、排除体積の増減によって、パルス状の噴射一回あたりの勢いを変えられるので、圧力室80から排出される流体の排除体積は、所望の噴射の勢いの増減に合わせて決めればよい。よって、圧力室80から排出される流体の排除体積が決まれば、流体供給流量に合わせて駆動周波数を適切に調整できる。
したがって、本実施形態によれば、流体供給流量に合わせて流体噴射流量を適切に調整できることから、膨大なパラメーターを組み合わせることなく、容易な方法で最適な流体噴射条件の流体を噴射することができる。よって、注入する薬液などの量を使用者が任意に設定して、組織に薬液等を噴射して注入する場合に好適となる。また、排除体積を定めてから、流体供給流量に合わせて駆動周波数を調整しているだけなので、パルス状の噴射一回あたりの勢いは基本的に一定となる。したがって、組織に薬液等を噴射して注入する場合に、薬液が組織に浸透する深さなどを一定に維持し易くなる。
(実施形態2)
続いて、実施形態2に係る流体噴射方法について説明する。実施形態2は、排除体積と駆動周波数との積がポンプ10からの流体供給流量以下であることを特徴としている。なお、流体噴射装置1、脈流発生部20の構成及び流体噴射作用は実施形態1と同様であるため説明を省略する。
図9は、流体供給流量と、排除体積と駆動周波数の積との関係を模式的に表すグラフである。図9において、流体供給流量と、排除体積と駆動周波数の積は比例の関係になっている。その理由について説明する。まず、噴射される流体噴射流量は、圧力室80から排出される流体の排除体積と圧力室80の容積を変化させる周波数(駆動周波数)との積に比例するので、流体噴射流量と圧力室80の容積を変化させる周波数は比例の関係になる。よって、任意の流体供給流量を与えたとき、供給した液体をできる限りパルス状に噴射させるためには、圧力室80から排出される流体の排除体積と圧力室80の容積を変化させる周波数との積は、流体供給流量に比例するとよいからである。
次に、図9の直線の勾配について説明する。まず、圧力室80から排出される排除流量は(排除体積)×(圧力室の容積を変化させる周波数)で表される。実際に噴射される流体噴射流量を考えると、流体噴射直後に流体のイナータンス効果で流体が引っ張られて、実際の排除体積以上に流体噴射開口部96から流体が噴射してしまう。したがって、パルス状に噴射される一発の流体の量は、実際の排除体積と厳密には等しくならない。よって、(排除体積)×(圧力室の容積を変化させる周波数)≦(流体噴射流量)となる。ここで、実際に噴射される流体噴射流量に対して、少なくとも供給不足が無いように流体を供給する必要があるため、(流体噴射流量)≦(流体供給流量)が良い。
以上のことから、(排除体積)×(圧力室の容積を変化させる周波数)≦(流体供給流量)が望ましい。したがって、制御回路151で演算を行う場合、係数α×(排除体積)×(圧力室の容積を変化させる周波数)=(流体供給流量)として、係数αを1以下とすればよい。そして、係数αは設計した流体噴射装置1に合わせて予め実験などで最適な値を制御回路に記憶させておけばよい。これにより、図9の直線の勾配が決まる。
尚、排除体積と駆動周波数との積がポンプ10からの流体供給流量に対して非常に小さい場合、流体噴射時以外に余分な流体がノズル95から流出し、パルス状に噴射されない無駄な流体が増える。そこで、排除体積と駆動周波数との積は液体供給流量の2分の1以上が好ましい。つまり、パルス状に高速噴射されるときに、流体が引きちぎられるので、その後からイナータンス効果により流体がノズル95側に引っ張られる量は、実際に押し出される排除体積よりは多くない。したがって、多くとも排除体積と同等の量の液体がイナータンス効果により噴射して出ていく場合、排除体積と駆動周波数との積を液体供給流量の2分の1とすれば、液体供給流量と液体がイナータンス効果により出ていく量を含めた液体噴射流量とが等しくなる。よって、排除体積と駆動周波数との積は液体供給流量の2分の1以上であればよい。
本実施形態によれば、流体供給流量に合わせて流体噴射流量を適切に調整できることから、膨大なパラメーターを組み合わせることなく、容易な方法で最適な流体噴射条件の流体を噴射することができる。よって、注入する薬液などの量を使用者が任意に設定して、組織に薬液等を噴射して注入する場合に好適となる。また、流体噴射直後の流体のイナータンス効果の影響を考慮しながら、供給した液体をできる限りパルス状に噴射させることができる。
(変形例)
上述の実施形態では、流体供給流量を検出するための流体供給流量検出手段として、ポテンシオメーターなどの位置検出手段を用いた構成としたが、ポンプ10の流体の供給圧力から流体供給流量を算出する構成でも構わない。また、ポンプ10のピストンをモーターなど機械的に送り込む構成とし、その際、使用者が装置に入力した流量の数値を検出したとしても構わない。また、ポンプ10ではなく流体供給チューブ4に流量計を取り付けて、流体供給流量検出手段としても構わない。つまり、本発明は、これらに限らず、流体供給流量の情報を得ることができれば、流体供給流量検出手段とする。
1…流体噴射装置、10…流体供給手段としてのポンプ、11…流体供給流量検出手段としての検出器、15…制御手段としての駆動制御部、20…脈流発生部、30…容積変更手段としての圧電素子、40…ダイアフラム、80…圧力室、96…流体噴射開口部。

Claims (6)

  1. 流体を圧力室に供給することと、
    所定の周波数で前記圧力室の容積を変化させることによって脈流を発生させることと、
    前記液体をパルス状に噴射することと、
    を含み、
    前記圧力室に供給する前記流体の流体供給流量を検出し、前記周波数を前記流体供給流量に比例するように制御することを特徴とする流体噴射方法。
  2. 請求項1に記載の流体噴射方法であって、
    前記脈流を発生させることは、圧電素子に電圧を印加することによって前記圧力室の容積を変化させることを含み、
    前記圧力室の容積を減少させる期間に対応する電圧印加期間を一定にすることを特徴とする流体噴射方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の流体噴射方法であって、
    前記周波数は、前記圧力室の容積を一周期変化させるときに前記圧力室から排出される流体の排除体積に反比例することを特徴とする流体噴射方法。
  4. 請求項3に記載の流体噴射方法であって、
    前記排除体積と前記周波数との積が、前記流体供給流量以下であることを特徴とする流体噴射方法。
  5. 流体を圧力室に供給する流体供給手段と、
    所定の周波数で前記圧力室の容積を変化させることによって脈流を発生させ、前記液体をパルス状に噴射させる脈流発生手段と、
    前記圧力室に供給する前記流体の流体供給流量を検出させる流体供給流量検出手段と、
    前記周波数が前記流体供給流量に比例するように、前記周波数を制御する制御手段と、
    を有することを特徴とする流体噴射装置。
  6. 流体を圧力室に供給する流体供給手段と、
    所定の周波数で前記圧力室の容積を変化させることによって脈流を発生させ、前記液体をパルス状に噴射させる脈流発生手段と、
    前記圧力室に供給する前記流体の流体供給流量を検出させる流体供給流量検出手段と、
    前記周波数が前記流体供給流量に比例するように、前記周波数を制御する制御手段と、
    を有する流体噴射装置を用いたことを特徴とする医療機器。
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