JP2009203822A - ダイヤフラムポンプ - Google Patents

ダイヤフラムポンプ Download PDF

Info

Publication number
JP2009203822A
JP2009203822A JP2008044584A JP2008044584A JP2009203822A JP 2009203822 A JP2009203822 A JP 2009203822A JP 2008044584 A JP2008044584 A JP 2008044584A JP 2008044584 A JP2008044584 A JP 2008044584A JP 2009203822 A JP2009203822 A JP 2009203822A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
drive signal
frequency
diaphragm
pump
drive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008044584A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichiro Suzuki
信一郎 鈴木
Yosuke Fukuhara
洋輔 福原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Star Micronics Co Ltd
Original Assignee
Star Micronics Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Star Micronics Co Ltd filed Critical Star Micronics Co Ltd
Priority to JP2008044584A priority Critical patent/JP2009203822A/ja
Publication of JP2009203822A publication Critical patent/JP2009203822A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Reciprocating Pumps (AREA)

Abstract

【課題】ダイヤフラムの振動により液体を搬送するように構成されたダイヤフラムポンプにおいて、目標搬送流量に対応する駆動信号の周波数が、逆止弁の弁効率が良い周波数からずれている場合であっても、逆止弁の貼り付きを発生させることなく目標搬送流量に近い流量で液体を搬送可能とする。
【解決手段】制御ユニットから出力される駆動信号として、液体の吸入吐出時に各逆止弁の弁体の振れ幅が最も大きくなる周波数近傍の周波数f1に設定された第1駆動信号と、この第1駆動信号の周波数f1とは異なる周波数f2に設定された第2駆動信号とが互いに周期的に出力される構成とする。これにより、逆止弁の貼り付きを発生させることなくポンプ駆動を行えるようにする。その際、第2駆動信号の周波数f2を適宜設定することにより、液体の搬送流量を目標搬送流量と略一致させるようにする。
【選択図】図5

Description

本願発明は、ダイヤフラムの振動により液体を搬送するように構成されたダイヤフラムポンプに関するものである。
近年、燃料電池や医療機器等の技術分野において、液体を少量ずつ定量搬送するためのマイクロポンプとして、ダイヤフラムポンプが用いられるようになってきている。
このダイヤフラムポンプは、例えば「特許文献1」や「特許文献2」に記載されているように、ダイヤフラムと、このダイヤフラムにより一側面が形成され、その振動により容積が変化するように構成されたポンプ室と、このポンプ室に液体を吸入する吸入路と、このポンプ室から液体を吐出する吐出路と、これら吸入路および吐出路の各々に配置された1対の逆止弁とを備えており、そのダイヤフラムの振動により液体を搬送するように構成されている。
そして、このダイヤフラムポンプにおいては、ダイヤフラムに取り付けられた圧電素子等の駆動手段を駆動することによりダイヤフラムを振動させるようになっている。その際、この駆動手段の駆動は、駆動制御手段から定電圧で出力される駆動信号によって行われるようになっている。
なお、このようなダイヤフラムポンプにおける逆止弁の例ではないが、「特許文献3」には、弁座の表面に樹脂薄板を配置することにより、また「特許文献4」には、弁座の表面に凹溝を形成して弁体との接触面積を小さくすることにより、弁体が弁座に貼り付いてしまうのを抑制するようにした構成が記載されている。
特開2007−198165号公報 特開2006−63960号公報 特開平9−280167号公報 実開平5−89876号公報
ダイヤフラムポンプにおいて、そのポンプ室に供給される液体中に気泡が含まれていると、液体と空気とが交互に搬送されることとなるため、空気が搬送される際に、弁体と弁座との間に残っている液体により、逆止弁の貼り付き(すなわち弁体が弁座に貼り付いてしまう現象)が発生しやすくなる。
このような逆止弁の貼り付きは、液体の吸入吐出時における各逆止弁の弁体の振れ幅(すなわち、1回の開閉動作において弁開度が最大になったときの閉位置からの変位量)が十分大きければ、その発生を未然に防止することが可能である。しかしながら、通常のポンプ駆動状態において、これを実現することは困難である。
すなわち、ダイヤフラムポンプにおいて、液体の吸入吐出時における各逆止弁の弁体の振れ幅は、ある特定の周波数で開閉するときに最も大きくなる。一方、ダイヤフラムポンプによる液体の搬送流量は、ダイヤフラムが振動する際の周波数が高くなるに従って増大する。このため、液体の目標搬送流量(すなわち、ダイヤフラムポンプを用いて液体を搬送する際に目標とする搬送流量)を得るのに適した周波数が、逆止弁の弁体の振れ幅が最も大きくなる周波数(すなわち弁効率が最も良い周波数)から大きくずれている場合には、ポンプ駆動状態において弁体の振れ幅を十分に確保することができなくなる。
このように弁体の振れ幅が十分でない状態が続くと、逆止弁の貼り付きが発生しやすくなる。そして、このような逆止弁の貼り付きが発生すると、液体の搬送流量を一定に維持することができなくなり、ダイヤフラムポンプとしての機能を十分に発揮し得なくなる。
これに対し、上記「特許文献3」や「特許文献4」に記載されているように、弁座の表面に樹脂薄板を配置したり、弁座の表面に凹溝を形成して弁体との接触面積を小さくすれば、逆止弁の貼り付きの発生をある程度抑制することが可能となるが、このような構造的な対策では、逆止弁の貼り付き防止効果に自ずと限界があり、また製品のコストアップに繋がってしまう、という問題がある。
一方、逆止弁の弁効率が良い周波数でダイヤフラムを振動させるようにした上で、その際の駆動電圧を上下させることによって、液体の搬送流量を調節することも可能である。しかしながら、このようにした場合、目標搬送流量が大きいときには、これに対応すべく駆動電圧を上げると、ダイヤフラムポンプの寿命に影響してしまい、また駆動回路が大型化してしまう、という問題があり、逆に、目標搬送流量が小さいときには、これに対応すべく駆動電圧を下げると、弁体の振れ幅が小さくなってしまい、このため逆止弁の貼り付きが発生しやすくなる、という問題がある。
本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、ダイヤフラムの振動により液体を搬送するように構成されたダイヤフラムポンプにおいて、目標搬送流量に対応する駆動信号の周波数が、逆止弁の弁効率が良い周波数からずれている場合であっても、逆止弁の貼り付きを発生させることなく目標搬送流量に近い流量で液体を搬送することができるダイヤフラムポンプを提供することを目的とするものである。
本願発明は、駆動制御手段から出力される駆動信号に工夫を施すことにより、上記目的達成を図るようにしたものである。
すなわち、本願発明に係るダイヤフラムポンプは、
ダイヤフラムと、このダイヤフラムにより一側面が形成され、該ダイヤフラムの振動により容積が変化するように構成されたポンプ室と、このポンプ室に液体を吸入する吸入路と、このポンプ室から液体を吐出する吐出路と、これら吸入路および吐出路の各々に配置された1対の逆止弁と、上記ダイヤフラムを振動させる駆動手段と、この駆動手段に駆動信号を出力する駆動制御手段と、を備えてなるダイヤフラムポンプにおいて、
上記駆動制御手段が、上記駆動信号として、上記液体の吸入吐出時に上記各逆止弁の弁体の振れ幅が最も大きくなる周波数近傍の周波数に設定された第1駆動信号を、この第1駆動信号の周波数とは異なる周波数に設定された第2駆動信号に対して間欠的に出力するように構成されている、ことを特徴とするものである。
上記各「逆止弁」は、逆止弁としての機能を発揮し得るものであれば、その弁体や弁座の形状あるいはその材質等の具体的な構成については特に限定されるものではない。
上記「駆動手段」は、ダイヤフラムを振動させることができるものであれば、その具体的な構成については特に限定されるものではなく、例えば、ダイヤフラムに取り付けられた圧電素子等が採用可能である。
上記「第2駆動信号」は、第1駆動信号の周波数とは異なる周波数の駆動信号であれば、その周波数の具体的な値は特に限定されるものではない。
上記「第1駆動信号」は、第2駆動信号に対して間欠的に出力されるようになっているが、ここで「間欠的に出力される」際の具体的な態様としては、定期的に出力される態様であってもよいし、不定期に出力される態様であってもよい。
上記構成に示すように、本願発明に係るダイヤフラムポンプは、その駆動制御手段が、ダイヤフラムを振動させる駆動手段に出力する駆動信号として、液体の吸入吐出時に各逆止弁の弁体の振れ幅が最も大きくなる周波数近傍の周波数(すなわち逆止弁の弁効率が良い周波数)に設定された第1駆動信号を、この第1駆動信号の周波数とは異なる周波数に設定された第2駆動信号に対して間欠的に出力する構成となっているので、次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、上述したように、通常のダイヤフラムポンプにおいて、その目標搬送流量に対応する周波数が、逆止弁の弁効率が良い周波数からずれている場合には、逆止弁の貼り付きが発生しやすくなる。
その点、本願発明に係るダイヤフラムポンプにおいては、逆止弁の弁効率が良い周波数の第1駆動信号が第2駆動信号に対して間欠的に出力されるので、この第1駆動信号が出力されている期間は弁体の振れ幅が十分大きくなる。したがって、たとえ第2駆動信号が出力されている期間の弁体の振れ幅が小さくても、この状態でのポンプ駆動が長く続かないようにすることができ、これにより逆止弁の貼り付きを発生させることなくポンプ駆動を行うことができる。その際、第2駆動信号の周波数を適宜設定することにより、目標搬送流量に近い流量で液体を搬送することができる。
このように本願発明によれば、ダイヤフラムの振動により液体を搬送するように構成されたダイヤフラムポンプにおいて、目標搬送流量に対応する駆動信号の周波数が、逆止弁の弁効率が良い周波数からずれている場合であっても、逆止弁の貼り付きを発生させることなく目標搬送流量に近い流量で液体を搬送することができる。
上記構成において、第2駆動信号の周波数を、目標搬送流量に対応する周波数に対して、第1駆動信号の周波数とは高低が逆になる値に設定するようにすれば、次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、本願発明において、第2駆動信号の周波数を、目標搬送流量に対応する周波数に設定することも可能であるが、このようにした場合、第1駆動信号が出力されている期間の搬送流量が目標搬送流量とは異なっていることから、全体としての搬送流量は、これを目標搬送流量にある程度までは近づけることができるが、それ以上は近づけることができない。
そこで、第2駆動信号の周波数を、目標搬送流量に対応する周波数に対して、第1駆動信号の周波数とは高低が逆になる値に設定すれば、これら第1駆動信号および第2駆動信号が交互に出力されることにより、第1駆動信号の出力による搬送流量と第2駆動信号の出力による搬送流量とが時間軸上で平均化されるので、全体としての搬送流量を、目標搬送流量により近づけることができる。その際、第2駆動信号の周波数を適宜設定することにより、目標搬送流量と略一致させることも可能となる。
さらに、この場合において、第2駆動信号の周波数を、0Hzに設定すること(すなわちポンプ駆動が停止した状態にすること)も可能である。このようにした場合、ポンプ駆動は、第1駆動信号が出力されるときだけ断続的に行われることとなるが、その際、第2駆動信号の出力期間を適宜設定することにより、目標搬送流量が第1駆動信号の出力による搬送流量よりも小さい場合において、全体としての搬送流量を目標搬送流量と略一致させることが可能となる。
上記構成において、第1駆動信号の周波数を5〜15Hzの範囲内の値に設定するようにすれば、次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、小型のダイヤフラムポンプにおいては、そのダイヤフラムを10Hz程度の周波数で振動させたときに、その逆止弁の弁体の振れ幅が最も大きくなる。一方、5Hzよりも低い周波数領域では、弁体の貼り付きが発生しやすくなり、また、15Hzよりも高い周波数領域では、弁体の追従性が悪くなり、いずれの周波数領域でも、逆止弁としての機能を十分に発揮し得なくなる。このような観点から、第1駆動信号の周波数を5〜15Hzの範囲内の値に設定することが好ましい。その際、逆止弁の機能をより高める観点からは、第1駆動信号の周波数を7〜13Hzの範囲内の値に設定することが好ましく、これを9〜11Hzの範囲内の値に設定することがさらに好ましい。
上記構成において、駆動制御手段を、ポンプ駆動開始時に駆動信号として第1駆動信号を所定期間出力する構成とすれば、次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、ポンプ駆動開始前のポンプ停止期間が長かったような場合には、その間にポンプ内の搬送経路(すなわちポンプ室やその吸入路あるいは吐出路)に空気が溜まってしまう場合が少なくない。このような場合には、ポンプ駆動開始後も、液体がポンプ室内に引き込まれるまでの間は、ポンプ内の搬送経路に介在している空気を搬送して排除するための自己吸引動作が行われることとなる。
しかしながら、ポンプ停止前のポンプ駆動により液体搬送が行われた後、その液体が弁体と弁座との間に残っていたような場合には、逆止弁の貼り付きが発生しやすくなるため、自己吸引動作を円滑に行うことができなくなってしまう。
そこで、ポンプ駆動開始時に、駆動信号として弁効率が良い周波数の第1駆動信号を所定期間出力するようにすれば、逆止弁の貼り付きを容易に解消することが可能となる。そしてこれにより、自己吸引動作を円滑に行うことができ、その後の通常のポンプ駆動への移行も円滑に行うことができる。
その際、駆動制御手段を、ポンプ駆動開始時における第1駆動信号の出力終了直後に、空気の吸入吐出時に各逆止弁の弁体の振れ幅が最も大きくなる周波数近傍の周波数に設定された第3駆動信号を所定期間出力する構成とすれば、次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、ポンプ駆動開始時における第1駆動信号の出力により、逆止弁の貼り付きを解消することはできるが、これにより自己吸引動作の期間を短縮することができるわけではない。
そこで、ポンプ駆動開始時における第1駆動信号の出力終了直後に、第3駆動信号(すなわち空気の吸入吐出時に各逆止弁の弁体の振れ幅が最も大きくなる周波数近傍の周波数に設定された駆動信号)を所定期間出力するようにすれば、ポンプ内の搬送経路から空気を短時間で排除することができ(すなわち自己吸引動作の期間を短縮することができ)、これにより通常のポンプ駆動に早期に移行することができる。
以下、図面を用いて、本願発明の実施の形態について説明する。
図1は、本願発明の一実施形態に係るダイヤフラムポンプ10を示すブロック図である。
同図に示すように、本実施形態に係るダイヤフラムポンプ10は、ポンプ本体10Aと、このポンプ本体10Aに接続された制御ユニット10Bとからなっている。なお、本実施形態においては、これらポンプ本体10Aと制御ユニット10Bとが別体で構成されている。
このダイヤフラムポンプ10は、例えばノート型パソコン等のような小型電子機器用の燃料電池システム(図示せず)の一部として組み込まれた状態で、その燃料カートリッジ(図示せず)から液体(具体的にはメタノール)を少量ずつ定量搬送するためのマイクロポンプとして用いられるようになっている。
ポンプ本体10Aは、ベース部材12と、ダイヤフラム14と、圧電素子16と、カバー部材18と、1対の逆止弁20A、20Bとを備えてなっている。
ベース部材12には、内径φ10〜15mm程度の円形凹部12aと、この円形凹部12aから一側端面12bまで延びる1対の溝部12cA、12cBとが形成されている。
ダイヤフラム14は、ベース部材12の円形凹部12aおよび1対の溝部12cA、12cBを覆うようにして、このベース部材12の一側面に接着等により取り付けられている。その際、このダイヤフラム14は、合成樹脂製ダイヤフラムの表面に金属製ダイヤフラムが積層された構成となっている。
圧電素子16は、円板状に形成されており、ダイヤフラム14における金属製ダイヤフラムの中央部に接着等により取り付けられている。
カバー部材18は、ベース部材12の一側端面12bに当接するようにして、このベース部材12に接着等により取り付けられている。このカバー部材18には、ベース部材12に形成された1対の溝部12cA、12cBと連通する孔を有する1対の管状部18a、18bが形成されている。
1対の逆止弁20A、20Bは、カバー部材18とベース部材12との間に設けられている。
このポンプ本体10Aにおいては、ベース部材12の円形凹部12aとダイヤフラム14とにより、ポンプ室32が形成されている。また、このポンプ本体10Aにおいては、カバー部材18の管状部18aとベース部材12の溝部12cAとにより、ポンプ室32に液体を吸入するための吸入路34Aが形成されるとともに、カバー部材18の管状部18bとベース部材12の溝部12cBとにより、ポンプ室32から液体を吐出するための吐出路34Bが形成されている。
そして、吸入路34Aの途中に上記逆止弁20Aが設けられるとともに、吐出路34Bの途中に上記逆止弁20Bが設けられている。これら1対の逆止弁20A、20Bは、いずれも同様の構成を有している。
すなわち、ベース部材12の一側端面12bには、吸入路34Aに位置するようにして凹部12dが形成されている。また、カバー部材18における凹部12dに対向する位置には、弁座18cが形成されている。そして、これら凹部12dおよび弁座18cにより弁室が形成されるようになっている。
一方、カバー部材18には、吐出路34Bに位置するようにして凹部18dが形成されている。また、ベース部材12の一側端面12bにおける凹部18dに対向する位置には、弁座12eが形成されている。そして、これら凹部18dおよび弁座12eにより弁室が形成されるようになっている。
吸入路34A側の逆止弁20Aは、上記弁座18cと弁体22Aとで構成されている。弁体22Aは、合成樹脂製の板状弾性片からなり、その一端部をカバー部材18およびベース部材12により挟持された状態で、弁座18cに沿って延びている。
一方、吐出路34B側の逆止弁20Bは、上記弁座12eと弁体22Bとで構成されている。弁体22Bは、逆止弁20Aの弁体22Aと全く同一の構成を有しており、その一端部をカバー部材18およびベース部材12により挟持された状態で、弁座12eに沿って延びている。
制御ユニット10Bは、MPU52と、駆動回路54と、昇圧回路56とを備えてなっている。
MPU52は、バッテリ電源に接続されるとともに、駆動回路54および昇圧回路56に接続されている。
駆動回路54は、フルブリッジ回路等により構成されており、その1対の出力端子が、ポンプ本体10Aの圧電素子16の両電極に接続されている。なお、この圧電素子16の一方の電極に対しては、ダイヤフラム14における金属製ダイヤフラムを介して接続されている。
昇圧回路56は、バッテリ電源および駆動回路54に接続されており、バッテリ電源からの電圧をMPU52からの指定電圧に昇圧して駆動回路54に供給するようになっている。
本実施形態に係るダイヤフラムポンプ10においては、その制御ユニット10BにおけるMPU52から駆動回路54を介して、ポンプ本体10Aの圧電素子16に所定の周波数の駆動信号を定電圧で出力することにより、この圧電素子16が取り付けられたダイヤフラム14を一定の振幅で振動させ、これによりポンプ室32の容積を変化させて、液体を少量(具体的には0.5〜1ミリリットル程度)ずつ定量搬送するようになっている。
その際、1対の逆止弁20A、20Bは、ポンプ室32に液体が吸入される際には、図中実線で示すように、吸入路34A側の逆止弁20Aが開くともに吐出路34B側の逆止弁20Bが閉じ、一方、ポンプ室32から液体が吐出される際には、図中2点鎖線で示すように、吐出路34B側の逆止弁20Bが開くとともに吸入路34A側の逆止弁20Aが閉じるようになっている。
これら各逆止弁20A、20Bは、吸入路34Aあるいは吐出路34Bを流れる液体の圧力が上昇すると、片持ち支持された状態で撓み変形して開き、その圧力が低下すると、元の位置に戻ろうとする弾性復帰力によって閉じることとなるが、その開閉の際の挙動は、ダイヤフラム14の振動に対して位相が遅れたものとなる。
図2は、ポンプ駆動時における、ダイヤフラム14の振動と、各逆止弁20A、20Bの弁体22A、22Bの挙動との関係を、グラフで示す図である。
同図において、実線で示すグラフは、ダイヤフラム14の中心点の該ダイヤフラム14の中立位置からの変位量を示すグラフであり、破線で示すグラフは、吸入路34A側の逆止弁20Aにおける弁体22Aの閉位置からの変位量を示すグラフであり、2点鎖線で示すグラフは、吐出路34B側の逆止弁20Bにおける弁体22Bの閉位置からの変位量を示すグラフである。
同図に示すように、ダイヤフラム14の変位量が正の方向に増大すると(すなわちポンプ室32の容積が大きくなると)、逆止弁20Aの弁体22Aが開いて吸入路34Aからポンプ室32に液体が吸入される。
その際、この弁体22Aは、ダイヤフラム14の正の方向への振れが始まってもすぐには開かず、その時点からやや遅れた時点において開き始める。そして、ダイヤフラム14の変位量が増大するのに従って、弁体22Aの変位量も増大し、ダイヤフラム14の変位量が最大になった時点で、弁体22Aの変位量は一定となる。このときの変位量が弁体22Aの振れ幅となる。その後、ダイヤフラム14の変位量が減少し始めても、弁体22Aの変位量はすぐには減少せず、その時点からやや遅れた時点において減少し始める。そして、ダイヤフラム14の中立位置に戻るのと略同時に、弁体22Aの変位量もゼロになり、弁体22Aは閉じた状態となる。
一方、ダイヤフラム14の変位量が負の方向に増大すると(すなわちポンプ室32の容積が小さくなると)、逆止弁20Bの弁体22Bが開いて吐出路34Bからポンプ室32の液体が外部へ吐出される。
その際、この弁体22Bは、ダイヤフラム14の負の方向への振れが始まってもすぐには開かず、その時点からやや遅れた時点において開き始める。そして、ダイヤフラム14の変位量が増大するのに従って、弁体22Bの変位量も増大し、ダイヤフラム14の変位量が最大になった時点で、弁体22Bの変位量は一定となる。このときの変位量が弁体22Bの振れ幅となる。その後、ダイヤフラム14の変位量が減少し始めても、弁体22Bの変位量はすぐには減少せず、その時点からやや遅れた時点において減少し始める。そして、ダイヤフラム14の中立位置に戻るのと略同時に、弁体22Bの変位量もゼロになり、弁体22Bは閉じた状態となる。
これら各逆止弁20A、20Bの弁体22A、22Bの振れ幅は、ダイヤフラム14が振動する際の周波数によって異なったものとなる。
図3は、ダイヤフラム14が振動する際の周波数と、逆止弁20Aの弁体22Aの振れ幅との関係を、グラフで示す図である。なお、逆止弁20Bの弁体22Bの場合も、これと同様のグラフとなる。
同図において、実線で示すグラフは、ポンプ駆動の対象となる作動流体が液体である場合のグラフであり、2点鎖線で示すグラフは、ポンプ駆動の対象となる作動流体が液体と空気との混合流体である場合のグラフである。
ここで「作動流体が液体である場合」とは、作動流体が、気泡を含まない液体のみである場合を意味するものである。また「作動流体が混合流体である場合」とは、作動流体が、液体と空気とが交互に搬送されている状態の流体である場合を意味するものであって、この混合流体には、気泡を含む液体や、各逆止弁20A、20Bに液体が残っている状態で搬送される空気が含まれる。
同図に示すように、作動流体が液体である場合には、ダイヤフラム14が振動する際の周波数が10Hz程度のときに、弁体22Aの振れ幅が最も大きくなり、これよりも周波数が高くなっても低くなっても、弁体22Aの振れ幅は徐々に小さくなる。作動流体が液体と空気との混合流体である場合には、弁体22Aの振れ幅は最も大きくなる周波数が10Hzよりも多少高い周波数となるが、全体的な傾向は作動流体が液体である場合と略同様である。
同図において1点鎖線で範囲を示すように、5〜15Hz程度の範囲内の周波数領域であれば、作動流体が液体である場合でも、作動流体が液体と空気との混合流体である場合でも、弁体22Aの振れ幅は十分大きい値に維持される。
ダイヤフラムポンプ10による液体の搬送流量は、ダイヤフラム14が振動する際の周波数が高くなるに従って増大する。
図4は、ダイヤフラム14が振動する際の周波数と、ダイヤフラムポンプ10による搬送流量との関係を、グラフで示す図である。図中、実線で示すグラフは、ポンプ駆動の対象となる作動流体が液体である場合のグラフであり、破線で示すグラフは、ポンプ駆動の対象となる作動流体が空気である場合のグラフである。2点鎖線で示すグラフは、ポンプ駆動の対象となる作動流体が液体と空気との混合流体である場合のグラフである。
ここで「作動流体が空気である場合」とは、作動流体が、各逆止弁20A、20Bを含むポンプ内の搬送経路が乾燥している状態で搬送される空気である場合を意味するものである。
作動流体が空気である場合には、比較的低い周波数から搬送され始め、周波数が高くなるに従って搬送流量も略直線的に増大する。
作動流体が液体である場合には、作動流体が空気である場合よりもやや低い周波数から搬送され始め、周波数が高くなるに従って搬送流量も急激に増大するが、その増大率は徐々に低下する。
作動流体が液体と空気との混合流体である場合には、作動流体が空気である場合よりもやや高い周波数から搬送され始め、周波数が高くなるに従って、作動流体が液体である場合と略同様の特性で搬送流量も増大するが、周波数が10Hzを少し超えたあたりから、周波数が高くなるに従って搬送流量が急激に減少し始め、周波数が20Hz程度以上になると、搬送流量が略ゼロになってしまう。
これは、作動流体が液体と空気との混合流体である場合には、逆止弁20Aあるいは逆止弁20Bに貼り付き(すなわち、逆止弁20Aの弁体22Aが弁座18cに貼り付いたり、逆止弁20Bの弁体22Bが弁座12e貼り付いてしまう現象)が発生してしまうことによるものである。
作動流体が液体と空気との混合流体である場合に、常にこのような貼り付きが発生するわけではないが、発生する確率は高くなる。特に、逆止弁20Aあるいは逆止弁20Bに液体が残っている状態では、貼り付きの発生が顕著なものとなる。そして、一旦このような貼り付きが発生してしまうと、液体の搬送流量を所期の流量に維持することができなくなってしまう。
そこで、本実施形態に係るダイヤフラムポンプ10においては、制御ユニット10Bから圧電素子16に出力される駆動信号に工夫を施すことにより、各逆止弁20A、20Bの貼り付きが発生してしまうのを未然に防止するようにしている。
図5は、本実施形態に係るダイヤフラムポンプ10において、ポンプ駆動中に制御ユニット10Bから出力される駆動信号の波形を、グラフで示す図である。
同図に示すように、本実施形態においては、相対的に低い周波数f1に設定された第1駆動信号が、相対的に高い周波数f2に設定された第2駆動信号に対して、間欠的に出力されるようになっている。その際、本実施形態においては、第1駆動信号と第2駆動信号とが、互いに周期的に出力されるようになっている。
具体的には、第1駆動信号の周波数f1は、f1=10Hzに設定されており、比較的短い出力期間(例えば2波長分の期間)t1だけ出力され、一方、第2駆動信号の周波数f2は、f2=25Hzに設定されており、比較的長い出力期間(例えば10〜15波長分の期間)t2だけ出力されるようになっている。そして、このように第1駆動信号と第2駆動信号とが交互に周期的に出力されることにより、第2駆動信号の周波数f2よりもやや低い周波数20Hzで駆動信号が連続して出力されたときに得られる搬送流量と略同じ搬送流量での液体の搬送を実現するようになっている。
言い換えると、本実施形態においては、第2駆動信号の周波数f2を、液体の目標搬送流量に対応する周波数20Hzに対して、やや高い周波数25Hzに設定するとともに、この第2駆動信号が出力される出力期間t2の長さを適宜調節することにより、目標搬送流量と略同じ搬送流量が得られるようにしている。
このようにしてポンプ駆動を行うようにした場合、周波数10Hzに設定された第1駆動信号が出力されている間は、各逆止弁20A、20Bの弁体22A、22Bの振れ幅が最も大きくなるので、各逆止弁20A、20Bの貼り付きが発生することはないが、周波数25Hzに設定された第2駆動信号が出力されている間は、各逆止弁20A、20Bの弁体22A、22Bの振れ幅が小さくなるので、液体中に気泡が含まれている場合には、各逆止弁20A、20Bの貼り付きが発生しやすくなる。しかしながら、この第2駆動信号が出力される出力期間t2は、さほど長くはなく、その出力期間t2が終了するたびに第1駆動信号が出力されるので、各逆止弁20A、20Bの貼り付きが発生してしまうことはない。
図6は、本実施形態に係るダイヤフラムポンプ10において、ポンプ駆動開始時に制御ユニット10Bから出力される駆動信号の波形を、グラフで示す図である。
同図に示すように、ポンプ駆動が開始されると、駆動信号として、まず弁効率が良い周波数の第1駆動信号が出力され、その後、第2駆動信号が出力されるようになっている。そしてこれにより、ポンプ駆動開始前のポンプ停止期間が長く、その間に1対の逆止弁20A、20Bの一方または双方に貼り付きが発生してしまったような場合においても、その貼り付きを容易に解消し得るようにしている。
以上詳述したように、本実施形態に係るダイヤフラムポンプ10は、その制御ユニット10Bが、ダイヤフラム14を振動させる圧電素子16に出力する駆動信号として、液体の吸入吐出時に各逆止弁20A、20Bの弁体22A、22Bの振れ幅が最も大きくなる周波数近傍の周波数f1に設定された第1駆動信号と、この第1駆動信号の周波数f1とは異なる周波数f2に設定された第2駆動信号とを、互いに周期的に出力する構成となっているので、次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、各逆止弁20A、20Bの弁効率が良い周波数の第1駆動信号が第2駆動信号に対して周期的に出力されることにより、この第1駆動信号が出力されている出力期間t1は弁体22A、22Bの振れ幅が十分大きくなる。このため、たとえ第2駆動信号が出力されている出力期間t2の弁体22A、22Bの振れ幅が小さくても、この状態でのポンプ駆動が長く続かないようにすることができ、これにより各逆止弁20A、20Bの貼り付きを発生させることなくポンプ駆動を行うことができる。
その際、本実施形態に係るダイヤフラムポンプ10においては、第2駆動信号の周波数f2が、目標搬送流量に対応する周波数20Hzに対して、やや高い25Hz(すなわち周波数20Hzに対して第1駆動信号の周波数10Hzとは高低が逆になる値)に設定されているので、次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、本実施形態において、第2駆動信号の周波数f2を、仮に、目標搬送流量に対応する周波数20Hzに設定した場合には、第1駆動信号が出力されている出力期間t1の搬送流量が目標搬送流量とは異なっていることから、全体としての搬送流量は、これを目標搬送流量にある程度までは近づけることができるが、それ以上は近づけることができない。
その点、本実施形態においては、第2駆動信号の周波数f2が、目標搬送流量に対応する周波数20Hzに対して、第1駆動信号の周波数10Hzとは高低が逆になる25Hzに設定されているので、これら第1駆動信号および第2駆動信号が交互に出力されることにより、第1駆動信号の出力による搬送流量と第2駆動信号の出力による搬送流量とが時間軸上で平均化されて、全体としての搬送流量が、目標搬送流量により近づくこととなる。その際、第2駆動信号の出力期間t2の長さを適宜調節することにより、全体としての搬送流量を目標搬送流量と略一致させることが可能となる。
このように本実施形態によれば、ダイヤフラム14の振動により液体を搬送するように構成されたダイヤフラムポンプ10において、目標搬送流量に対応する駆動信号の周波数が、各逆止弁20A、20Bの弁効率が良い周波数からずれている場合であっても、各逆止弁20A、20Bの貼り付きを発生させることなく目標搬送流量に近い流量で液体を搬送することができる。
しかも本実施形態においては、ポンプ駆動開始時、駆動信号として、弁効率が良い周波数の第1駆動信号を、第2駆動信号よりも先に出力するようになっているので、次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、ポンプ駆動開始前のポンプ停止期間が長かったような場合には、その間にポンプ内の搬送経路(すなわちポンプ室32やその吸入路34Aあるいは吐出路34B)に空気が溜まってしまう場合が少なくない。このような場合には、ポンプ駆動開始後も、液体がポンプ室内32に引き込まれるまでの間は、ポンプ内の搬送経路に介在している空気を搬送して排除するための自己吸引動作が行われることとなる。
しかしながら、ポンプ停止前のポンプ駆動により液体搬送が行われた後、その液体が弁体22Aと弁座18cとの間や弁体22Bと弁座12eとの間に残っていたような場合には、各逆止弁20A、20Bの貼り付きが発生しやすくなるため、自己吸引動作を円滑に行うことができなくなってしまう。
その点、本実施形態のように、ポンプ駆動開始時に、駆動信号として弁効率が良い周波数の第1駆動信号を所定期間出力することにより、各逆止弁20A、20Bの貼り付きを容易に解消することが可能となる。そしてこれにより、自己吸引動作を円滑に行うことができ、その後の通常のポンプ駆動への移行も円滑に行うことができる。
ところで、上記実施形態においては、第1駆動信号の周波数f1が10Hzに設定されているものとして説明したが、図3に示すように、5〜15Hz程度の範囲内の周波数領域であれば、作動流体が液体である場合でも、作動流体が液体と空気との混合流体である場合でも、弁体22Aの振れ幅は十分大きい値に維持されるので、上記実施形態と略同等の作用効果を得ることが可能である。
また、上記実施形態においては、第1駆動信号と第2駆動信号とが互いに周期的に出力されるものとして説明したが、第1駆動信号が第2駆動信号に対して不定期に出力される構成とすることも可能である。
なお、上記実施形態に係るダイヤフラムポンプ10は、ポンプ本体10Aと制御ユニット10Bとが別体で構成されているものとして説明したが、これらが一体で構成されたものとすることももちろん可能である。
また、上記実施形態に係るダイヤフラムポンプ10は、燃料電池システムにおける燃料カートリッジから液体を少量ずつ定量搬送するためのマイクロポンプとして用いられるものとして説明したが、これ以外の用途で用いるようにすることももちろん可能である。
次に、上記実施形態の第1変形例について説明する。
図7は、本変形例における作用を示す、図6と同様の図である。
同図に示すように、本変形例においては、ポンプ駆動開始時に制御ユニット10Bから出力される駆動信号の波形が、上記実施形態の場合と異なっている。
すなわち、本変形例においては、ポンプ駆動開始時における第1駆動信号の出力終了直後に、第3駆動信号を所定期間出力するようになっている。この第3駆動信号は、空気の吸入吐出時に各逆止弁20A、20Bの弁体22A、22Bの振れ幅が最も大きくなる周波数近傍の周波数f3に設定されている。具体的には、この第3駆動信号の周波数f3は、f3=40Hz程度に設定されており、その出力期間t3は、第1駆動信号の出力期間t1よりもやや長い期間に設定されている。
本変形例の構成を採用することにより、次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、ポンプ駆動開始時における第1駆動信号の出力により、各逆止弁20A、20Bの貼り付きを解消することはできるが、これにより自己吸引動作(すなわちポンプ内の搬送経路に介在している空気を搬送して排除するための動作)の期間を短縮することができるわけではない。
その点、本変形例においては、ポンプ駆動開始時における第1駆動信号の出力終了直後に、第3駆動信号(すなわち空気の吸入吐出時に各逆止弁20A、20Bの弁体22A、22Bの振れ幅が最も大きくなる周波数近傍の周波数に設定された駆動信号)を所定期間出力するようになっているので、ポンプ内の搬送経路から空気を短時間で排除することができ(すなわち自己吸引動作の期間を短縮することができ)、これにより通常のポンプ駆動に早期に移行することができる。
なお、本変形例においては、この第3駆動信号の出力期間t3が、第1駆動信号の出力期間t1よりもやや長い期間に設定されているものとして説明したが、これ以外の長さに設定することももちろん可能である。
また、本変形例においては、ポンプ駆動開始時における第1駆動信号の出力終了直後に、第3駆動信号を所定期間出力するようになっているが、その後のポンプ駆動中においても、周期的に(または不定期に)第3駆動信号を所定期間出力するように構成することも可能である。このような構成を採用することにより、ポンプ駆動中にポンプ内の搬送経路に空気が溜まるようなことがあっても、これを速やかに排除することができ、これによりダイヤフラムポンプ10の信頼性を一層高めることができる。
次に、上記実施形態の第2変形例について説明する。
図8は、本変形例における作用を示す、図5と同様の図である。
同図に示すように、本変形例においては、ポンプ駆動時に制御ユニット10Bから出力される駆動信号の波形が、上記実施形態の場合と異なっている。
すなわち、本変形例においては、第1駆動信号の周波数f1については、上記実施形態の場合と同様、各逆止弁20A、20Bの弁体22A、22Bの振れ幅が最も大きくなる周波数近傍の周波数10Hzに設定されているが、第2駆動信号の周波数f2は、0Hzに設定されている。そしてこれにより、各逆止弁20A、20Bの貼り付きを発生させることなく、第1駆動信号が連続して出力されるときに得られる搬送流量よりも小さい搬送流量で、液体の搬送を行うようになっている。
具体的には、本変形例においては、液体の目標搬送流量が、第1駆動信号が連続して出力されるときに得られる搬送流量よりもかなり小さい搬送流量に設定されており、この目標搬送流量に対応する周波数は3Hzである。そして、これを実現するため、第1駆動信号の出力期間t1に対して、第2駆動信号の出力期間t2は2倍程度の長さに設定されている。
本変形例においては、ポンプ駆動が、第1駆動信号の出力期間t1だけ断続的に行われ、第2駆動信号の出力期間t2はポンプ駆動が停止した状態となるが、このようにすることにより次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、仮に、第2駆動信号として、目標搬送流量に対応する周波数3Hzあるいはこれに近い周波数の駆動信号を出力してポンプ駆動を行った場合、各逆止弁20A、20Bは、その弁体22A、22Bの振れ幅が小さいため、貼り付きが発生しやすくなる。これに対し、本変形例のように、第2駆動信号の出力期間t2はポンプ停止状態とすることにより、各逆止弁20A、20Bの貼り付きに対する配慮を不要とすることができる。
そして、本変形例のように、第2駆動信号の出力期間t2の長さを適宜調節することにより、目標搬送流量が、第1駆動信号の出力により得られる搬送流量より小さいにもかかわらず、全体としての搬送流量を目標搬送流量と略一致させることができる。
なお、上記実施形態および各変形例において諸元として示した数値は一例にすぎず、これらを適宜異なる値に設定してもよいことはもちろんである。
本願発明の一実施形態に係るダイヤフラムポンプを示すブロック図 上記ダイヤフラムポンプにおいて、ポンプ駆動時におけるダイヤフラムの振動と逆止弁の弁体の挙動との関係を、グラフで示す図 上記ダイヤフラムポンプにおいて、ダイヤフラムが振動する際の周波数と逆止弁の弁体の振れ幅との関係を、グラフで示す図 上記ダイヤフラムポンプにおいて、ダイヤフラムが振動する際の周波数とダイヤフラムポンプによる搬送流量との関係を、グラフで示す図 上記ダイヤフラムポンプにおいて、ポンプ駆動中に制御ユニットから出力される駆動信号の波形を、グラフで示す図 上記ダイヤフラムポンプにおいて、ポンプ駆動開始時に、その制御ユニットから出力される駆動信号の波形を、グラフで示す図 上記実施形態の第1変形例における作用を示す、図6と同様の図 上記実施形態の第2変形例における作用を示す、図5と同様の図
符号の説明
10 ダイヤフラムポンプ
10A ポンプ本体
10B 制御ユニット(駆動制御手段)
12 ベース部材
12a 円形凹部
12b 一側端面
12cA、12cB 溝部
12d、18d 凹部
12e、18c 弁座
14 ダイヤフラム
16 圧電素子(駆動手段)
18 カバー部材
18a、18b 管状部
20A、20B 逆止弁
22A、22B 弁体
32 ポンプ室
34A 吸入路
34B 吐出路
52 MPU
54 駆動回路
56 昇圧回路

Claims (6)

  1. ダイヤフラムと、このダイヤフラムにより一側面が形成され、該ダイヤフラムの振動により容積が変化するように構成されたポンプ室と、このポンプ室に液体を吸入する吸入路と、このポンプ室から液体を吐出する吐出路と、これら吸入路および吐出路の各々に配置された1対の逆止弁と、上記ダイヤフラムを振動させる駆動手段と、この駆動手段に駆動信号を出力する駆動制御手段と、を備えてなるダイヤフラムポンプにおいて、
    上記駆動制御手段が、上記駆動信号として、上記液体の吸入吐出時に上記各逆止弁の弁体の振れ幅が最も大きくなる周波数近傍の周波数に設定された第1駆動信号を、この第1駆動信号の周波数とは異なる周波数に設定された第2駆動信号に対して間欠的に出力するように構成されている、ことを特徴とするダイヤフラムポンプ。
  2. 上記第2駆動信号の周波数が、上記液体の目標搬送流量に対応する周波数に対して、上記第1駆動信号の周波数とは高低が逆になる値に設定されている、ことを特徴とする請求項1記載のダイヤフラムポンプ。
  3. 上記第2駆動信号の周波数が、0Hzに設定されている、ことを特徴とする請求項2記載のダイヤフラムポンプ。
  4. 上記第1駆動信号の周波数が、5〜15Hzの範囲内の値に設定されている、ことを特徴とする請求項1〜3いずれか記載のダイヤフラムポンプ。
  5. 上記駆動制御手段が、ポンプ駆動開始時に、上記駆動信号として上記第1駆動信号を所定期間出力するように構成されている、ことを特徴とする請求項1〜4いずれか記載のダイヤフラムポンプ。
  6. 上記駆動制御手段が、ポンプ駆動開始時における上記第1駆動信号の出力終了直後に、空気の吸入吐出時に上記各逆止弁の弁体の振れ幅が最も大きくなる周波数近傍の周波数に設定された第3駆動信号を所定期間出力するように構成されている、ことを特徴とする請求項5記載のダイヤフラムポンプ。
JP2008044584A 2008-02-26 2008-02-26 ダイヤフラムポンプ Pending JP2009203822A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008044584A JP2009203822A (ja) 2008-02-26 2008-02-26 ダイヤフラムポンプ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008044584A JP2009203822A (ja) 2008-02-26 2008-02-26 ダイヤフラムポンプ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009203822A true JP2009203822A (ja) 2009-09-10

Family

ID=41146354

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008044584A Pending JP2009203822A (ja) 2008-02-26 2008-02-26 ダイヤフラムポンプ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009203822A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016013390A1 (ja) * 2014-07-25 2016-01-28 株式会社村田製作所 流体制御装置
JP2018503764A (ja) * 2014-11-27 2018-02-08 プロフタガレン アクチエボラグProvtagaren Ab 低流量のポンプ制御
JP2018534940A (ja) * 2015-08-08 2018-11-29 ストッべ・ファルマ・テック・ゲーエムベーハー 生物活性をサポートする使い捨てバイオプロセスシステム
WO2019151173A1 (ja) * 2018-01-30 2019-08-08 株式会社村田製作所 流体制御装置

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016013390A1 (ja) * 2014-07-25 2016-01-28 株式会社村田製作所 流体制御装置
JPWO2016013390A1 (ja) * 2014-07-25 2017-04-27 株式会社村田製作所 気体制御装置
JP2018503764A (ja) * 2014-11-27 2018-02-08 プロフタガレン アクチエボラグProvtagaren Ab 低流量のポンプ制御
JP2018534940A (ja) * 2015-08-08 2018-11-29 ストッべ・ファルマ・テック・ゲーエムベーハー 生物活性をサポートする使い捨てバイオプロセスシステム
JP2021061853A (ja) * 2015-08-08 2021-04-22 ストッべ・ファルマ・テック・ゲーエムベーハー 生物活性をサポートする使い捨てバイオプロセスシステム
JP7298054B2 (ja) 2015-08-08 2023-06-27 ストッべ・ゲーエムベーハー 生物活性をサポートする使い捨てバイオプロセスシステム
WO2019151173A1 (ja) * 2018-01-30 2019-08-08 株式会社村田製作所 流体制御装置
CN111656014A (zh) * 2018-01-30 2020-09-11 株式会社村田制作所 流体控制装置
GB2582870A (en) * 2018-01-30 2020-10-07 Murata Manufacturing Co Fluid control device
GB2582870B (en) * 2018-01-30 2022-07-20 Murata Manufacturing Co Fluid control apparatus
US11852128B2 (en) 2018-01-30 2023-12-26 Murata Manufacturing Co., Ltd. Piezoelectric pump arrangement having a valve diaphragm and pressure vessel

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10502199B2 (en) Systems and methods for supplying reduced pressure using a disc pump with electrostatic actuation
JP5287854B2 (ja) 圧電マイクロブロア
JP6179993B2 (ja) デュアルキャビティポンプ
CA2654688C (en) Piezoelectric pump
JP4873014B2 (ja) 圧電マイクロブロア
US20210048013A1 (en) Fluid control device
JP4957480B2 (ja) 圧電マイクロポンプ
JP5999200B2 (ja) 流体制御装置およびポンプ接続方法
JPWO2009050990A1 (ja) 圧電マイクロブロア
JP2009203822A (ja) ダイヤフラムポンプ
JP2011027079A (ja) マイクロブロア
JP5429317B2 (ja) 圧電マイクロポンプ
GB2582518A (en) Pump and fluid control device
EP2673536B1 (en) Electrically actuated valve with a sealing ball
US11191437B2 (en) Fluid control device
US8668474B2 (en) Electro-active valveless pump
JP2008151144A (ja) 圧電ダイヤフラム型ポンプ及びそれを用いた処理剤吐出機構付き電気かみそり