JPWO2016013390A1 - 気体制御装置 - Google Patents

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Abstract

小型かつ低コストに能動バルブを構成することができ、その上、高周波駆動しても能動バルブとポンプの動作タイミングを容易に合わせることができる流体制御装置を提供する。流体制御装置(10)は、ポンプ室(15)とポンプ室(15)に通じる第1流路孔(16)とを構成する筐体(11)と、振動することによりポンプ室(15)に内圧の変動を生じさせる振動部(12)と、第1流路孔(16)の開口部に近づいた位置と第1流路孔(16)の開口部から遠のいた位置との間で弾性変位自在に支持される弁体(13)と、振動部(12)の駆動周波数を、弁体(13)の構造共振周波数に対する低周波数側周波数と、弁体(13)の構造共振周波数に対する高周波数側周波数と、のいずれかに切り替える制御部(14)と、を備える。

Description

この発明は、流体に圧力変動を生じさせるポンプと、流路の開閉や流れの方向づけを行うバルブとを備える流体制御装置に関する。
マイクロブロアのような流体制御装置では、流体に圧力変動を生じさせるポンプと、流体の圧力変動に応じて流路の開閉や流れの方向づけを行う受動バルブと、が用いられることがあった(例えば特許文献1参照。)。特許文献1に開示された受動バルブは、バルブ室内にフィルムを設けて構成されている。フィルムは、流体制御装置の流路で流体が順方向に流れ始めると流路孔を開放し、逆に、流路で流体が逆方向に流れ始めると流路孔を塞ぐように変位(変形)する。したがって、この受動バルブは、流体の圧力変動に応じて流路を開閉し、流れの方向づけを行う。
上記の受動バルブとポンプとを用いる流体制御装置では、ポンプの停止時に受動バルブで流体の流れが阻害されて、受動バルブに接続される圧力室の内圧が開放され難くなることがあった。例えば、ポンプの停止時に圧力室の内圧によっては受動バルブのフィルムが流路孔を塞ぐように変位することがあった。この場合、圧力室の内圧を開放することができないことや、受動バルブでのリークによって圧力室の内圧が除々に開放されて内圧がゆっくりと開放されるようなことがあった。
そこで、圧力室の内圧を速やかに開放するために、流路の開閉を動的に(能動的に)制御することができる能動バルブが用いられることがあった。
特開2012−528980号公報
能動バルブには、流路の開放や遮蔽を行う弁体と、弁体を駆動する弁駆動部と、弁駆動部を制御する制御部と、を設ける必要がある。このため、能動バルブは受動バルブに比べて構成が複雑でコストやサイズが大きくなり易かった。
その上、流体制御装置のポンプが圧電駆動型などの高周波駆動するものである場合、能動バルブを用いるには弁駆動源も高周波駆動させる必要があり、高周波駆動する能動バルブとポンプとで動作タイミングを高精度に合わせることは容易でなかった。
そこで、本発明の目的は、小型かつ低コストに能動バルブを構成することができ、その上、高周波駆動しても能動バルブとポンプの動作タイミングを容易に合わせることができる流体制御装置を提供することにある。
本発明の流体制御装置は、ポンプ室と前記ポンプ室に通じる流路とを構成する筐体と、振動することにより前記ポンプ室に内圧の変動を生じさせる振動部と、前記流路の開口部に近づいた位置と前記流路の開口部から遠のいた位置との間で弾性変位自在に支持される弁体と、前記振動部の駆動周波数を、前記弁体の構造共振周波数に対する低周波数側周波数と、前記弁体の構造共振周波数に対する高周波数側周波数と、のいずれかに切り替える制御部と、を備える。
この構成では、弁体が弾性変位自在に支持されているので、弁体に筐体の振動や流体圧の変動が伝わることにより、弁体が振動部の駆動周波数で振動する。すなわち、ポンプ室で内圧が変動する周期に合わせて、弁体が流路の開口部に近づいたり遠のいたりする。すると、例えば、ポンプ室の内圧が正圧のときに弁体が流路の開口部から遠のいて流路を開放し、ポンプ室の内圧が負圧のときに弁体が流路の開口部に近づいて流路を遮蔽するようにすれば、ポンプ室から弁体側に流体を吐出するように、流れを方向づけ(以下、この方向を吐出方向という。)することができる。または、ポンプ室の内圧が正圧のときに弁体が流路の開口部に近づいて流路を遮蔽し、ポンプ室の内圧が負圧のときに弁体が流路の開口部から遠のいて流路を開放するようにすれば、弁体側からポンプ室に流体を吸入するように、流れを方向づけ(以下、この方向を吸入方向という。)することができる。
このような弁体の動作が、ポンプ室の内圧を変動させる振動部の振動を駆動源として生じることになるので、能動バルブの弁駆動部として振動部を用いてポンプ動作と駆動源を共用することができ、能動バルブの機能を小型かつ低コストに実現することができる。また、ポンプ室での内圧の変動と弁体の動作とが確実に同期することになり、振動部を高周波駆動する場合にも、弁体と振動部とで動作タイミングがずれることがなくなる。
さらには、周波数制御部で、振動部の駆動周波数を弁体の構造共振周波数に対する高周波側周波数と低周波数側周波数とのいずれかに切り替えることで、弁体の振動状態を変更することができる。具体的には、振動部の駆動周波数を切り替えることにより、弁体の振動の位相が反転し、弁体が流路の開口部に近づくタイミングと、弁体が流路の開口部から遠のくタイミングとが入れ替わる。したがって、振動部の駆動周波数を切り替えることにより、流体の流れを吐出方向と吸入方向とで切り替えることが可能になる。また、吐出方向と吸入方向とのうちの一方での流れを他方での流れよりも弱いものにしておけば、振動部の駆動周波数を切り替えることにより、弁体を動かした状態のままポンプ室の吐出側や吸入側に接続される閉空間の内圧を開放することができる。
また、前記流路は、前記ポンプ室を間に介して互いに通じる第1の流路と第2の流路とを含み、前記弁体は、前記第1の流路に付設された第1の弁体と前記第2の流路に付設された第2の弁体とを含んでもよい。この場合、前記第1の弁体と前記第2の弁体とは、一方が前記流路の開口部に近づいた位置にあるときに、他方が前記流路の開口部から遠のいた位置にあることが好ましい。これにより、振動部の駆動周波数を切り替えることにより、ポンプ室が第1の流路から流体を吸入して第2の流路から流体を吐出する状態と、ポンプ室が第2の流路から流体を吸入して第1の流路から流体を吐出する状態と、を切り替えることができる。
また、前記弁体は、一方端側で固定されて他端側が揺動する金属板であることが好ましい。これにより、簡易な構成で弾性変位する弁体を実現できる。
また、前記低周波数側周波数または前記高周波数側周波数は、前記振動部の構造共振周波数であることが好ましい。特には、前記低周波数側周波数は、前記振動部の低次の構造共振周波数であり、前記高周波数側周波数は、前記振動部の高次の構造共振周波数であることが好ましい。これにより、振動部を構造共振させることができ、振動部の振動振幅を最大化してポンプ効率を高めることができる。
また、ポンプ室は半径よりも高さの低い円筒形であり、前記弁体が付設される流路孔は、前記ポンプ室の中央付近に設けられていることが好ましい。特には、前記低周波数側周波数または前記高周波数側周波数は、前記ポンプ室の音響共振周波数であることが好ましい。更には、前記低周波数側周波数は、前記ポンプ室の低次の音響共振周波数であり、前記高周波数側周波数は、前記ポンプ室の高次の音響共振周波数であることが好ましい。この構成では、ポンプ室を音響共振させることができ、ポンプ室の音響振動の振幅、即ち、ポンプ室の内圧の変化を最大化して、ポンプ効率を高めることができる。
また、前記振動部は、駆動電圧の印加により振動する圧電素子を備えることが好ましい。
本発明によれば、振動部の駆動周波数を切り替えることにより、流体の流れを切り替えたり、弁体を動かした状態のままポンプ室の吐出側や吸入側に接続される閉空間の内圧を開放したりする能動バルブの機能を実現することができる。そして、ポンプの機能と能動バルブの機能を共用の駆動源によって実現するので、能動バルブの機能を小型かつ低コストに実現することができ、また、振動部を高周波駆動する場合にも弁体と振動部とで動作タイミングがずれることがない。
弁体に作用する加振力の周波数と加振力に対する弁体の振動の位相差との関係を示すグラフである。 本発明の第1実施形態に係る流体制御装置の模式図である。 本発明の第2実施形態に係る流体制御装置の模式図である。 本発-明の第3実施形態に係る流体制御装置の模式図である。 本発明の第4実施形態に係る流体制御装置の模式図である。 本発明の第5実施形態に係る流体制御装置の模式図である。 本発明の第6実施形態に係る流体制御装置の模式図である。 本発明の第1実施例に係る流体制御装置の天面側から視た外観斜視図である。 図8に示す流体制御装置の底面側から視た外観斜視図である。 図8に示す流体制御装置の断面図である。 本発明の第2実施例に係る流体制御装置の断面図である。 本発明の第3実施例に係る流体制御装置の断面図である。 本発明の第4実施例に係る流体制御装置を1次モードの周波数で動作させた状態を示す断面図である。 本発明の第4実施例に係る流体制御装置を2次モードの周波数で動作させた状態を示す断面図である。
《本発明の動作原理》
まず、本発明が利用する動作原理の一部について簡単に説明する。
図1は、弁体に作用する加振力の周波数と加振力に対する弁体の振動の位相差との関係を示すグラフである。
一般に、本発明の弁体のように弾性支持される構造体は、外部からの加振力が作用することにより、加振力の周波数と一致する周波数で振動する。そして、該構造体は、構造共振周波数f0を有し、加振力の周波数が構造共振周波数f0と一致する場合には、加振力に共振して振動振幅が最大化する。
該構造体を構造共振周波数f0よりも低い周波数fの加振力で振動させる場合、構造体は加振力との位相差が略ゼロの状態、即ち、加振力に対して位相遅れが無い同相の状態で振動することになる。一方、該構造体を構造共振周波数f0よりも高い周波数fの加振力で振動させる場合、構造体は加振力との位相差が-π[rad]である状態、即ち、加振力に対して位相遅れが生じた逆相の状態で振動することになる。したがって、加振力の周波数が構造共振周波数f0を超えて変わることで、構造体の振動位相は反転することになる。本発明は、このような加振力の周波数と振動位相との関係を利用し、加振力の周波数を制御することにより流体制御装置における流体の流れを制御する。
《本発明の第1実施形態》
以下、本発明の第1実施形態に係る流体制御装置の模式構成とその動作について説明する。
図2(A)は、本発明の第1実施形態に係る流体制御装置10の模式的な断面図である。流体制御装置10は、筐体11と振動部12と弁体13と制御部14とを備えている。
筐体11は、ポンプ室15と第1流路孔16と第2流路孔17とを構成している。ポンプ室15は、筐体11の内側に設けている。第1流路孔16は、筐体11の天面の一部に設けている。第2流路孔17は、筐体11の側壁の一部に設けている。ポンプ室15は、第1流路孔16と第2流路孔17とのそれぞれを介して外部空間に連通している。
振動部12は、筐体11の底面に取り付けられている。振動部12は、ダイヤフラム18と圧電素子19とを備えている。ダイヤフラム18は薄板状であり、筐体11の底面に貼り付けられ、ポンプ室15に面している。圧電素子19は薄板状であり、ダイヤフラム18の底面に貼り付けられている。圧電素子19は、面内方向に伸縮する圧電性を有している。また、振動部12は、ダイヤフラム18と圧電素子19とが貼り合わさることで、いわゆるユニモルフ構造を構成している。したがって、振動部12は、圧電素子19が逆圧電効果によって伸縮することで、中央部分が上下に屈曲振動し、ポンプ室15の内圧を変動させる。
弁体13は、第1流路孔16の天面側の開口部付近に設けている。弁体13は、上下方向に振動するようにダイヤフラム18に弾性支持されており、構造共振周波数f0を有している。そして、弁体13は、第1流路孔16の開口部に当接する位置と、第1流路孔16の開口部から天面側に離間する位置との間で弾性変位自在である。弁体13は、静定状態での釣り合い位置を、第1流路孔16の開口部に当接する位置と、第1流路孔16の開口部から天面側に離間する位置との間の中間位置としている。
制御部14は、圧電素子19に交流の駆動電圧を印加する。制御部14は、弁体13の構造共振周波数f0よりも低い周波数である低周波数側周波数fを有する駆動電圧V1、または、弁体13の構造共振周波数f0よりも高い周波数である高周波数側周波数fを有する駆動電圧V2を選択して圧電素子19に印加する。したがって、制御部14は、圧電素子19の駆動電圧の周波数、すなわち振動部12の駆動周波数を、低周波数側周波数fまたは高周波数側周波数fに切り替える機能を有している。
図2(B)は、低周波数側周波数fで振動部12を駆動する場合の流体制御装置10の動作を説明する図である。
振動部12を低周波数側周波数fで駆動すると、圧電素子19が逆圧電効果によって面内方向に伸縮する。圧電素子19が面内方向に伸びようとする際には、図中左側に示すように、圧電素子19の伸びがダイヤフラム18を厚み方向の底面側に凸になるように屈曲させる。これにより、ポンプ室15の容積が膨張し、ポンプ室15の内圧が低下して負圧になる。一方、圧電素子19が面内方向に縮もうとする際には、図中右側に示すように、圧電素子19の縮みがダイヤフラム18を厚み方向の天面側に凸になるように屈曲させる。これにより、ポンプ室15の容積が収縮し、ポンプ室15の内圧が増加して正圧になる。
このように振動部12を低周波数側周波数fで駆動する際には、振動部12に弾性支持されている弁体13に振動部12の振動が加振力として伝わり、弁体13も振動するようになる。振動部12が底面側に屈曲する際には、弁体13は振動部12から下方に引き下げられるような加振力が働く。また、振動部12が天面側に屈曲する際には、弁体13は振動部12から上方に押し上げられるような加振力が働く。
このように弁体13には振動部12から加振力が働くので、先に図1を用いて説明したように、加振力の周波数、即ち、振動部12の駆動周波数が構造共振周波数f0よりも低い低周波数側周波数fである場合には、弁体は加振力に対して位相遅れが無い同相の状態で振動することになる。従って、図中左側に示すように、下方に引き下げるような加振力が弁体13に働く際には、弁体13は、加振力に対して位相遅れが無い同相の状態で下方に変位し、第1流路孔16に近づく。一方、図中右側に示すように、上方に押し上げるような加振力が弁体13に働く際には、弁体13は、加振力に対して位相遅れが無い同相の状態で上方に変位し、第1流路孔16から遠のく。
このため、図中左側に示すように振動部12が底面側に屈曲する際には、弁体13が第1流路孔16を遮蔽する。そして、このときにポンプ室15の内圧は負圧になっているので、ポンプ室15には第2流路孔17を介して外部の流体が吸入されることになる。一方、図中右側に示すように、振動部12が天面側に屈曲する際には、弁体13が第1流路孔16を開放する。そして、このときにポンプ室15の内圧は正圧になっているので、ポンプ室15からは第1流路孔16を介して外部に流体が吐出されることになる。
したがって、流体制御装置10において振動部12を低周波数側周波数fで駆動する場合には、振動部12が屈曲振動することで、弁体13の上記動作が繰り返され、弁体13側に流体を吐出する吐出方向の流れが定常的に生じるようになる。
図2(C)は、高周波数側周波数fで振動部12を駆動する場合の流体制御装置10の動作を説明する図である。
振動部12を高周波数側周波数fで駆動する際には、振動部12を低周波数側周波数fで駆動する際と同様、図中左側に示すように振動部12が底面側に屈曲する際には、ポンプ室15の内圧が負圧になるとともに、弁体13に振動部12から下方に引き下げられるような加振力が働く。また、図中右側に示すように、振動部12が天面側に屈曲する際には、ポンプ室15の内圧が正圧になるとともに、弁体13に振動部12から上方に押し上げられるような加振力が働く。
しかしながら、振動部12を構造共振周波数f0よりも高い高周波数側周波数fで駆動する場合には、先に図1を用いて説明したように、弁体は加振力に対して位相遅れが生じて逆相の状態で振動することになる。従って、図中左側に示すように、下方に引き下げるような加振力が弁体13に働く際には、弁体13は、加振力に対して位相遅れが生じた逆相の状態で上方に変位し、第1流路孔16から遠のいて第1流路孔16を開放する。このとき、ポンプ室15の内圧は負圧になっているので、ポンプ室15には第1流路孔16を介して外部の流体が吸入されることになる。一方、図中右側に示すように、上方に押し上げるような加振力が弁体13に働く際には、弁体13は、加振力に対して位相遅れが生じた逆相の状態で下方に変位して、第1流路孔16に近づいて第1流路孔16を遮蔽する。このとき、ポンプ室15の内圧は正圧になっているので、ポンプ室15からは第2流路孔17を介して外部に流体が吐出されることになる。
したがって、流体制御装置10において振動部12を低周波数側周波数fで駆動する場合には、振動部12が屈曲振動することで弁体13の上記動作が繰り返され、弁体13側から流体を吸入する吸入方向の流れが定常的に生じるようになる。
以上に示したように、流体制御装置10においては、振動部12の駆動周波数を低周波数側周波数fまたは高周波数側周波数fに切り替えるように制御することにより、弁体13の振動位相(動作タイミング)を反転させることができる。したがって、該流体制御装置10では、流体の流れを吐出方向または吸入方向に切り替えることや、一方の駆動周波数で吸入方向または吐出方向の流れを生じさせながら、他方の駆動周波数では弁体を動かした状態のままポンプ室の吸入側や吐出側に接続される閉空間の内圧を開放するような流体の制御を行うことができる。
そして、ポンプ室15の内圧を変動させる振動部12の振動を駆動源として弁体13の動作が生じるので、共用する駆動源によってポンプの機能と能動バルブの機能を実現することができ、能動バルブの機能を小型かつ低コストに実現することができる。また、ポンプ室15での内圧の変動と弁体13の動作とが確実に同期することになり、振動部12を高周波駆動する場合にも、弁体13と振動部12とで動作タイミングがずれることがなくなる。
《本発明の第2実施形態》
以下、本発明の第2実施形態に係る流体制御装置の模式構成とその動作について説明する。
図3(A)は、本発明の第2実施形態に係る流体制御装置20の模式的な断面図である。流体制御装置20は、筐体21と振動部22と弁体23と制御部24とを備えている。筐体21は、ポンプ室25と第1流路孔26と第2流路孔27とを構成している。振動部22は、ダイヤフラム28と圧電素子29とを備えている。該流体制御装置20は、第1の実施形態に係る構成とほとんど同じ構成であるが、弁体23の構成が異なり、ポンプ室25の内側に弁体23を設けている。
図3(B)は、低周波数側周波数fで振動部22を駆動する場合の流体制御装置20の動作を説明する図である。
振動部22を低周波数側周波数fで駆動する際には、第1の実施形態と同様、図中左側に示すように振動部22が底面側に屈曲する際には、ポンプ室25の内圧が負圧になるとともに、弁体23に振動部22から下方に引き下げられるような加振力が働き、加振力に対して位相遅れが無い同相の状態で弁体23が下方に変位する。また、図中右側に示すように、振動部22が天面側に屈曲する際には、ポンプ室25の内圧が正圧になるとともに、弁体23に振動部22から上方に押し上げられるように加振力が働き、加振力に対して位相遅れが無い同相の状態で弁体23が上方に変位する。
このとき、この構成では弁体23が第1流路孔26の天面側ではなく底面側に設けられているので、弁体23の動きと第1流路孔26の開放または遮蔽のタイミングとが、第1の実施形態とは逆になる。即ち、図中左側に示すように弁体23が下方に変位する際には、弁体23が第1流路孔26から遠のいて、弁体23が第1流路孔26を開放する。このとき、ポンプ室25の内圧が負圧になっているので、ポンプ室25には第1流路孔26を介して外部の流体が吸入されることになる。一方、図中右側に示すように弁体23が上方に変位する際には、弁体23が第1流路孔26に近づいて、弁体23が第1流路孔26を遮蔽する。このとき、ポンプ室25の内圧が正圧になっているので、ポンプ室25からは第2流路孔27を介して外部に流体が吐出されることになる。
したがって、流体制御装置20において、振動部22を低周波数側周波数fで駆動する場合には、振動部22が屈曲振動することで弁体23の上記動作が繰り返され、弁体23側から流体を吸入する吸入方向の流れが定常的に生じるようになる。
図3(C)は、高周波数側周波数fで振動部22を駆動する場合の流体制御装置20の動作を説明する図である。
振動部22を高周波数側周波数fで駆動する際にも、図中左側に示すように振動部22が底面側に屈曲する際には、ポンプ室25の内圧が負圧になるとともに、弁体23に振動部22から下方に引き下げるような加振力が働く。また、図中右側に示すように、振動部22が天面側に屈曲する際には、ポンプ室25の内圧が正圧になるとともに、弁体23に振動部22から上方に押し上げるような加振力が働く。
しかしながら、振動部22は構造共振周波数f0よりも高い高周波数側周波数fで駆動するので、図中左側に示すように下方に引き下げるような加振力が弁体23に働く際には、弁体23は、加振力に対して位相遅れが生じた逆相の状態で上方に変位し、第1流路孔26に近づいて第1流路孔26を遮蔽する。このとき、ポンプ室25の内圧は負圧になっているので、ポンプ室25には第2流路孔27を介して外部の流体が吸入されることになる。一方、図中右側に示すように、上方に押し上げるような加振力が弁体23に働く際には、弁体23は、加振力に対して位相遅れが生じた逆相の状態で下方に変位し、第1流路孔26から遠のいて第1流路孔26を開放する。このとき、ポンプ室25の内圧は正圧になっているので、ポンプ室25からは第1流路孔26を介して外部に流体が吐出されることになる。
したがって、流体制御装置20において振動部22を高周波数側周波数fで駆動する場合には、振動部22が屈曲振動することで弁体23の上記動作が繰り返され、弁体23側に流体を吐出する吐出方向の流れが定常的に生じるようになる。
以上に示したように、流体制御装置20においても、振動部22の駆動周波数を低周波数側周波数fまたは高周波数側周波数fに切り替えるように制御することにより、弁体23の振動位相(動作タイミング)および流れの方向を反転させることができる。
《本発明の第3実施形態》
以下、本発明の第3実施形態に係る流体制御装置の模式構成とその動作について説明する。
図4(A)は、本発明の第3実施形態に係る流体制御装置30の模式的な断面図である。流体制御装置30は、筐体31と振動部32と弁体33と制御部34とを備えている。筐体31は、ポンプ室35と第1流路孔36と第2流路孔37とを構成している。振動部32は、ダイヤフラム38と圧電素子39とを備えている。該流体制御装置30は、第1の実施形態に係る構成とほとんど同じ構成であるが、弁体33の構成が異なっている。具体的には、弁体33は、筐体31の天面に弾性支持されている。そして、筐体31の天板は、振動部32の振動が伝わって、振動部32とは反対方向に変位するように振動する。
図4(B)は、低周波数側周波数fで振動部32を駆動する場合の流体制御装置30の動作を説明する図である。
振動部32を低周波数側周波数fで駆動する際には、第1の実施形態と同様、図中左側に示すように振動部32が底面側に屈曲する際には、ポンプ室35の内圧が負圧になる。また、図中右側に示すように、振動部32が天面側に屈曲する際には、第1の実施形態と同様、ポンプ室35の内圧が正圧になる。
しかしながら、第1の実施形態とは異なり、弁体33は、振動部32とは反対方向に変位する筐体31の天板に支持されているので、図中左側に示すように振動部32が底面側に屈曲する際には、筐体31の天板が天面側に屈曲し、弁体33に筐体31の天板から上方に押し上げられるような加振力が働き、弁体33が上方に変位して第1流路孔36から遠のき、第1流路孔36を開放する。このとき、ポンプ室35の内圧が負圧になっているので、ポンプ室35には第1流路孔36を介して外部の流体が吸入されることになる。一方、図中右側に示すように振動部32が天面側に屈曲する際には、筐体31の天板が底面側に屈曲し、弁体33に筐体31の天板から下方に引き下げるような加振力が働き、弁体33が下方に変位して第1流路孔36に近づき、第1流路孔36を遮蔽する。このとき、ポンプ室35の内圧が正圧になっているので、ポンプ室35からは第2流路孔37を介して外部に流体が吐出されることになる。
したがって、流体制御装置30において、振動部32を低周波数側周波数fで駆動する場合には、振動部32が屈曲振動することで弁体33の上記動作が繰り返され、弁体33側から流体を吸入する吸入方向の流れが定常的に生じるようになる。
図4(C)は、高周波数側周波数fで振動部32を駆動する場合の流体制御装置30の動作を説明する図である。
振動部32を高周波数側周波数fで駆動する際にも、図中左側に示すように振動部32が底面側に屈曲する際には、ポンプ室35の内圧が負圧になるとともに、筐体31の天板が天面側に屈曲し、弁体33に筐体31の天板から上方に押し上げられるように加振力が働く。また、図中右側に示すように、振動部32が天面側に屈曲する際には、ポンプ室35の内圧が正圧になるとともに、筐体31の天板が底面側に屈曲し、弁体33に筐体31の天板から下方に引き下げられるように加振力が働く。
しかしながら、振動部32は構造共振周波数f0よりも高い高周波数側周波数fで駆動するので、図中左側に示すように筐体31の天板が天面側に屈曲する際には、弁体33は、加振力から位相遅れが生じた逆相の状態で下方に変位して、第1流路孔36に近づいて、弁体33が第1流路孔36を遮蔽する。このとき、ポンプ室35の内圧は負圧になっているので、ポンプ室35には第2流路孔37を介して外部の流体が吸入されることになる。一方、図中右側に示すように、筐体31の天板が底面側に屈曲する際には、弁体33は、加振力から位相遅れが生じた逆相の状態で上方に変位して、第1流路孔36から遠のいて、弁体33が第1流路孔36を開放する。このとき、ポンプ室35の内圧は正圧になっているので、ポンプ室35からは第1流路孔36を介して外部に流体が吐出されることになる。
したがって、流体制御装置30において、振動部32を高周波数側周波数fで駆動する場合には、振動部32が屈曲振動することで弁体33の上記動作が繰り返され、弁体33側に流体を吐出する吐出方向の流れが定常的に生じるようになる。
したがって、流体制御装置30においても、振動部32の駆動周波数を低周波数側周波数fまたは高周波数側周波数fに切り替えるように制御することにより、弁体33の振動位相(動作タイミング)および流れの方向を反転させることができる。
《本発明の第4実施形態》
以下、本発明の第4実施形態に係る流体制御装置の模式構成とその動作について説明する。
図5(A)は、本発明の第4実施形態に係る流体制御装置40の模式的な断面図である。流体制御装置40は、筐体41と振動部42と弁体43と制御部44とを備えている。筐体41は、ポンプ室45と第1流路孔46と第2流路孔47とを構成している。振動部42は、ダイヤフラム48と圧電素子49とを備えている。該流体制御装置40は、第3の実施形態に係る構成とほとんど同じ構成であるが、弁体43の構成が異なり、弁体43は、ポンプ室45の内側に設けられている。
図5(B)は、低周波数側周波数fで振動部42を駆動する場合の流体制御装置40の動作を説明する図である。
振動部42を低周波数側周波数fで駆動する際には、第3の実施形態と同様、図中左側に示すように振動部42が底面側に屈曲する際には、ポンプ室45の内圧が負圧になるとともに、弁体43に筐体41の天板から上方に引き上げられるように加振力が働き、加振力から位相遅れが無い同相の状態で弁体43が上方に変位する。また、図中右側に示すように、振動部42が天面側に屈曲する際に、ポンプ室45の内圧が正圧になるとともに、弁体43に筐体41の天板から下方に引き下げられるように加振力が働き、加振力から位相遅れが無い同相の状態で弁体43が下方に変位する。
このとき、この構成では弁体43が第1流路孔46の天面側ではなく底面側に設けられているので、弁体43の動きと第1流路孔46の開放または遮蔽のタイミングとが、第3の実施形態とは逆になる。即ち、図中左側に示すように弁体43が上方に変位する際には、弁体43が第1流路孔46に近づいて、弁体43が第1流路孔46を遮蔽する。このとき、ポンプ室45の内圧が負圧になっているので、ポンプ室45には第2流路孔47を介して外部の流体が吸入されることになる。一方、図中右側に示すように弁体43が下方に変位する際には、弁体43が第1流路孔46から遠のいて、弁体43が第1流路孔46を開放する。このとき、ポンプ室45の内圧が正圧になっているので、ポンプ室45からは第1流路孔46を介して外部に流体が吐出されることになる。
したがって、流体制御装置40において、振動部42を低周波数側周波数fで駆動する場合には、振動部42が屈曲振動することで弁体43の上記動作が繰り返され、弁体43側に流体を吐出する吐出方向の流れが定常的に生じるようになる。
図5(C)は、高周波数側周波数fで振動部42を駆動する場合の流体制御装置40の動作を説明する図である。
振動部42を高周波数側周波数fで駆動する際にも、図中左側に示すように振動部42が底面側に屈曲する際には、ポンプ室45の内圧が負圧になるとともに、弁体43に筐体41の天板から上方に引き上げるような加振力が働く。また、図中右側に示すように、振動部42が天面側に屈曲する際には、ポンプ室45の内圧が正圧になるとともに、弁体43に筐体41の天板から下方に押し下げるような加振力が働く。
しかしながら、振動部42は構造共振周波数f0よりも高い高周波数側周波数fで駆動するので、図中左側に示すように、弁体43を上方に引き上げるような加振力が働く際には、弁体43は、加振力に対して位相遅れが生じた逆相の状態で下方に変位し、第1流路孔46から遠のいて第1流路孔46を開放する。このとき、ポンプ室45の内圧は負圧になっているので、ポンプ室45には第1流路孔46を介して外部の流体が吸入されることになる。一方、図中右側に示すように、弁体43を下方に押し下げるような加振力が働く際には、弁体43は、加振力に対して位相遅れが生じた逆相の状態で上方に変位し、第1流路孔46に近づいて第1流路孔46を遮蔽する。このとき、ポンプ室45の内圧は正圧になっているので、ポンプ室45からは第2流路孔47を介して外部に流体が吐出されることになる。
したがって、流体制御装置40において、振動部42を高周波数側周波数fで駆動する場合には、振動部42が屈曲振動することで弁体43の上記動作が繰り返され、弁体43側から流体を吸入する吸入方向の流れが定常的に生じるようになる。
したがって、流体制御装置40においても、振動部42の駆動周波数を低周波数側周波数fまたは高周波数側周波数fに切り替えるように制御することにより、弁体43の振動位相(動作タイミング)および流れの方向を反転させることができる。
《本発明の第5実施形態》
以下、本発明の第5実施形態に係る流体制御装置の模式構成とその動作について説明する。
図6(A)は、本発明の第5実施形態に係る流体制御装置50の模式的な断面図である。流体制御装置50は、筐体51と振動部52と弁体53と制御部54とを備えている。筐体51は、ポンプ室55と第1流路孔56と第2流路孔57とを構成している。振動部52は、ダイヤフラム58と圧電素子59とを備えている。該流体制御装置50は、第1の実施形態に係る構成とほとんど同じ構成であるが、弁体53の構成が異なっている。具体的には、弁体53は、固定部位(変位しない部位)に弾性支持されており、振動部52に直接支持されていない。したがって、弁体53は、筐体51を介して振動部52の振動が伝わらないように構成されている。この場合、弁体53は、筐体51を介して伝わる振動では無く、第1流路孔56の開口部付近での流体圧の変動を介して振動部52から振動が伝わることになる。
図6(B)は、低周波数側周波数fで振動部52を駆動する場合の流体制御装置50の動作を説明する図である。
振動部52を低周波数側周波数fで駆動する際には、第1の実施形態と同様、図中左側に示すように振動部52が底面側に屈曲する際には、ポンプ室55の内圧が負圧になるとともに、この負圧によって弁体53を下方に引き下げるような加振力が働くので、弁体53が下方に変位し、弁体53が第1流路孔56に近づいて第1流路孔56を遮蔽し、第2流路孔57からポンプ室55に外部の流体を吸入する。また、図中右側に示すように、振動部52が天面側に屈曲する際に、ポンプ室55の内圧が正圧になるとともに、この正圧によって弁体53に上方に押し上げるような加振力が働くので、弁体53が上方に変位し、弁体53が第1流路孔56から遠のいて第1流路孔56を開放し、ポンプ室55の流体を第1流路孔56から吐出する。
このため、流体制御装置50において、振動部52を低周波数側周波数fで駆動する場合には、振動部52が屈曲振動することで弁体53の上記動作が繰り返され、弁体53側に流体を吐出する吐出方向の流れが定常的に生じるようになる。
図6(C)は、高周波数側周波数fで振動部52を駆動する場合の流体制御装置50の動作を説明する図である。
振動部52を高周波数側周波数fで駆動する際には、図中左側に示すように振動部52が底面側に屈曲する際には、ポンプ室55の内圧が負圧になるとともに、この負圧によって弁体53に下方に引き下げられるように加振力が働くが、この加振力から位相遅れが生じて逆相の状態となるため、弁体53は上方に変位し、弁体53が第1流路孔56から遠のいて第1流路孔56を開放し、第1流路孔56からポンプ室55に外部の流体を吸入する。また、図中右側に示すように、振動部52が天面側に屈曲する際には、ポンプ室55の内圧が正圧になるとともに、この正圧によって弁体53に上方に押し上げられるように加振力が働くが、この加振力から位相遅れが生じて逆相の状態となるため、弁体53は下方に変位し、弁体53が第1流路孔56に近づいて第1流路孔56を遮蔽し、ポンプ室55の流体を第2流路孔57から吐出する。
このため、流体制御装置50において、振動部52を高周波数側周波数fで駆動する場合には、振動部52が屈曲振動することで弁体53の上記動作が繰り返され、弁体53側から流体を吸入する吸入方向の流れが定常的に生じるようになる。
したがって、流体制御装置50においても、振動部52の駆動周波数を低周波数側周波数fまたは高周波数側周波数fに切り替えるように制御することにより、弁体53の振動位相(動作タイミング)および流れの方向を反転させることができる。
《本発明の第6実施形態》
以下、本発明の第6実施形態に係る流体制御装置の模式構成とその動作について説明する。
図7(A)は、本発明の第6実施形態に係る流体制御装置60の模式的な断面図である。流体制御装置60は、筐体61と振動部62と弁体63A,63Bと制御部64とを備えている。筐体61は、ポンプ室65と流路孔66A,66Bとを構成している。振動部62は、ダイヤフラム68と圧電素子69とを備えている。該流体制御装置60は、第1の実施形態に係る構成とほとんど同じ構成であるが、流路孔66Aと流路孔66Bとのそれぞれに、弁体63A,63Bを設けている。そして、弁体63A,63Bが対応する流路孔66A,66Bを開放するタイミングと遮蔽するタイミングとが逆になるように、弁体63Aはポンプ室65の内側に配置し、弁体63Bはポンプ室65の外側に配置している。このため、弁体63Aは第2の実施形態と同様の構成および動作になり、弁体63Bは第1の実施形態と同様の構成および動作になる。
図7(B)は、低周波数側周波数fで振動部62を駆動する場合の流体制御装置60の動作を示す図である。
振動部62を低周波数側周波数fで駆動する場合には、図中左側に示すように振動部62が底面側に屈曲する際にポンプ室65の内圧が負圧になる。そして、弁体63Aは、第2の実施形態と同様に下方に変位し、流路孔66Aから遠のいて流路孔66Aを開放する。また、弁体63Bは、第1の実施形態と同様に下方に変位し、流路孔66Bに近づいて流路孔66Bを遮蔽する。したがって、ポンプ室65には流路孔66Aを介して外部の流体が吸入されることになる。
一方、図中右側に示すように振動部62が天面側に屈曲する際には、ポンプ室65の内圧が正圧になる。そして、弁体63Aは、第2の実施形態と同様に上方に変位し、流路孔66Aに近づいて流路孔66Aを遮蔽する。また、弁体63Bは、第1の実施形態と同様に上方に変位し、流路孔66Bから遠のいて流路孔66Bを開放する。これにより、ポンプ室65からは流路孔66Bを介して外部に流体が吐出されることになる。
したがって、流体制御装置60において、振動部62を低周波数側周波数fで駆動する場合には、振動部62が屈曲振動することで弁体63A,63Bの上記動作が繰り返され、弁体63A側から流体を吸入して弁体63B側から流体を吐出する流体の流れが定常的に生じるようになる。
図7(C)は、高周波数側周波数fで振動部62を駆動する場合の流体制御装置60の動作を示す図である。
振動部62を高周波数側周波数fで駆動する場合には、図中左側に示すように振動部62が底面側に屈曲する際にポンプ室65の内圧が負圧になる。そして、弁体63Aは、第2の実施形態と同様に上方に変位し、流路孔66Aに近づいて流路孔66Aを遮蔽する。また、弁体63Bは、第1の実施形態と同様に上方に変位し、流路孔66Bから遠のいて流路孔66Bを開放する。したがって、ポンプ室65には流路孔66Bを介して外部の流体が吸入されることになる。
一方、図中右側に示すように振動部62が天面側に屈曲する際には、ポンプ室65の内圧が正圧になる。そして、弁体63Aは、第2の実施形態と同様に下方に変位し、流路孔66Aから遠のいて流路孔66Aを開放する。また、弁体63Bは、第1の実施形態と同様に下方に変位し、流路孔66Bに近づいて流路孔66Bを遮蔽する。これにより、ポンプ室65からは流路孔66Aを介して外部に流体が吐出されることになる。
したがって、流体制御装置60において、振動部62を高周波数側周波数fで駆動する場合には、振動部62が屈曲振動することで弁体63A,63Bの上記動作が繰り返され、弁体63B側から流体を吸入して弁体63A側から流体を吐出する流体の流れが定常的に生じるようになる。
したがって、流体制御装置60においても、振動部62の駆動周波数を低周波数側周波数fまたは高周波数側周波数fに切り替えるように制御することにより、弁体63A,63Bの振動位相(動作タイミング)および流れの方向を反転させることができる。
《第1実施例》
以下、前述の第5の実施形態で示した模式構成に対応する本発明の第1実施例を詳細に説明する。
図8は、本発明の実施例に係る流体制御装置50の天面側から視た外観斜視図である。図9は、図8に示す流体制御装置50の底面側からみた外観斜視図である。図10は、図8に示す流体制御装置50のS−S線での断面図である。
流体制御装置50は、前述のように、筐体51と振動部52と弁体53と制御部54とを備えている。
筐体51は、ポンプ室55と第1流路孔56とを構成している。筐体51および振動部52は、互いに貼り合わせられており、全体として円盤状に構成されている。筐体51は、器状に構成されており、内側にポンプ室55が設けられ、天面中央に第1流路孔56が設けられている。ポンプ室55は半径よりも高さの低い円筒形状である。振動部52は、筐体51の底面側に貼り付けられている。
振動部52は、ダイヤフラム58と圧電素子59とを備えている。また、振動部52は、第2流路孔57を構成している。ダイヤフラム58は、例えばステンレススチール(SUS)からなる。ダイヤフラム58は、圧電素子59よりも半径が大きい円板状であり、底面側中央部に圧電素子59が貼り付けられている。また、ダイヤフラム58は、圧電素子59を取り囲むように外周部に沿って第2流路孔57が設けられている。圧電素子59は、円板状であり、例えばチタン酸ジルコン酸鉛系セラミックスから構成されている。圧電素子59の両主面には、図示していない電極が形成されている。圧電素子59は、印加される駆動電圧に応じて面内方向に伸縮する圧電性を有している。したがって、圧電素子59が伸縮すると、ダイヤフラム58には同心円状の屈曲振動が生じ、ダイヤフラム58の中央部が上下に屈曲するように振動することになる。ダイヤフラムの外周部は、第2流路孔57が大きな面積を占めるように設けられているため、ダイヤフラムと筐体の連結は弱い。したがって、ダイヤフラムの屈曲振動は天面側へほとんど伝わらない。
弁体53は、筐体51の第1流路孔56の天面側開口部に付設している。弁体53は、円形の部材に中心からから切り込みを設けた形状である。弁体53の外側端は、筐体51の天面に対して角度を付けた状態で固定している。弁体53の内側端は複数有り、それぞれ第1流路孔56の開口部に対面している。弁体53は、金属板からなり、内側端の上下方向の振動が構造共振周波数f0となるようなバネ弾性を有している。このように、弁体53は、第1流路孔56の天面側の開口部付近で筐体51の天面に弾性支持されているので、ポンプ室55における内圧の変動が第1流路孔56を介して伝わることにより、内側端が上下方向に振動することになる。
制御部54は、圧電素子59に印加する駆動電圧を、低周波数側周波数fまたは高周波数側周波数fに切り替える。これにより、流体制御装置50において、流体を弁体53側から吐出する吐出方向の流れと、流体を弁体53側から吸入する吸入方向の流れとを駆動周波数の切り替えによって制御することができる。
また、ここでは、制御部54は、低周波数側周波数fまたは高周波数側周波数fを、ポンプ室55の音響共振周波数に合わせる。特には、低周波数側周波数fを、ポンプ室55の低次の音響共振周波数に合わせ、高周波数側周波数fを、ポンプ室55の高次の音響共振周波数に合わせる。ポンプ室55の音響共振周波数とは、ポンプ室55の中心部で発生した圧力振動と、その圧力振動が外周部側に伝搬して反射し、再びポンプ室55の中心部に到達する圧力振動とが共振する周波数のことである。このようにすると、少なくとも平面方向の中心部付近が屈曲振動の腹となり、少なくとも平面方向の外周部付近が屈曲振動の節となる。すなわち、ポンプ室55において、平面方向に定在波状の圧力分布が生じることになる。このことにより、ポンプ室55の平面方向の中心部に対向して設けられている第1流路孔56の近傍では、流体の圧力変動が大きくなり、ポンプ室55の平面方向の外周部に対向して設けられている第2流路孔57の近傍では、流体の圧力変動がほとんどなくなる。したがって、第2流路孔57をポンプ室55の平面方向の外周部に連通させておけば、第2流路孔57に弁などを設けなくても、第2流路孔57を介した圧力損失が生じることがなくなる。したがって、第2流路孔57を任意の形状やサイズとすることができ、流体の流量などを稼ぐことなどが可能になる。
《第2実施例》
以下、前述の第6の実施形態で示した模式構成に対応する本発明の第2実施例を詳細に説明する。
図11は、本発明の実施例に係る流体制御装置60の断面図である。
流体制御装置60は、前述のように、筐体61と振動部62と弁体63A,63Bと制御部64とを備えている。
筐体61は、ポンプ室65と流路孔66A,66Bとを構成している。筐体61は、器状に構成されており、内側にポンプ室65が設けられ、天面の一部に流路孔66A,66Bが設けられている。
振動部62は、筐体61の底面側に貼り付けられている。振動部62は、ダイヤフラム68と圧電素子69とを備えている。圧電素子69は、印加される駆動電圧に応じて面内方向に伸縮する圧電性を有している。したがって、圧電素子69が伸縮すると、ダイヤフラム68には同心円状の屈曲振動が生じ、ダイヤフラム68の中央部が上下に屈曲するように振動することになる。そして、該流体制御装置60においては、ダイヤフラム68の振動が筐体61に伝わることによって、筐体61にも中央部が上下に屈曲するような振動が生じることになる。
弁体63Aは、筐体61の流路孔66Aの底面側の開口部に付設している。弁体63Bは、筐体61の流路孔66Bの天面側の開口部に付設している。弁体63A,63Bは、それぞれ金属板からなり、上下方向の振動が構造共振周波数f0となるようなバネ弾性を有している。
この構成においては、弁体63A,63Bをいずれも筐体61の天板に設けているが、流路孔66Aは天板の底面側に設け、流路孔66Bは天板の天面側に設けているので、弁体63Aと弁体63Bとで、流路孔66A,66Bを開放するタイミングと、流路孔66A,66Bを遮蔽するタイミングとを逆のタイミングにすることができる。
したがって、制御部64で、圧電素子69に印加する駆動電圧を、低周波数側周波数fまたは高周波数側周波数fに切り替えることにより、流体制御装置60において、流体が流れる方向を駆動周波数の切り替えによって制御することができる。
《第3実施例》
以下、前述の第3の実施形態で示した模式構成と第6の実施形態で示した模式構成とを複合した変形例に対応する本発明の第3実施例を詳細に説明する。
図12は、本発明の実施例に係る流体制御装置70の断面図である。
流体制御装置70は、筐体71と振動部72と弁体73A,73Bと制御部74とを備えている。
筐体71は、ポンプ室75と流路孔76Aとを構成している。筐体71は、器状に構成されており、内側にポンプ室75が設けられ、天面の一部に流路孔76Aが設けられている。
振動部72は、筐体71の底面側に貼り付けられている。振動部72は、ダイヤフラム78と圧電素子79とを備えている。ダイヤフラム78の底面側には圧電素子79が貼り付けられており、また、ダイヤフラム78において、圧電素子79を囲む外周側の領域には、流路孔76Bが設けられている。圧電素子79は、印加される駆動電圧に応じて面内方向に伸縮する圧電性を有している。したがって、圧電素子79が伸縮すると、ダイヤフラム78には同心円状の屈曲振動が生じ、ダイヤフラム78の中央部が上下に屈曲するように振動することになる。
弁体73Aは、筐体71の流路孔76Aの天面側の開口部に付設している。弁体73Bは、振動部72の流路孔76Bの天面側の開口部に付設している。弁体73A,73Bは、それぞれ金属板からなり、上下方向の振動が構造共振周波数f0となるようなバネ弾性を有している。
この構成においては、弁体73A,73Bをいずれも流路孔76,77の天面側に設けているが、流路孔76が設けられる筐体71の天板と、流路孔77が設けられるダイヤフラム78とでは、振動の方向が反対方向になるように振動が生じるので、弁体73Aと弁体73Bとで、流路孔76,77を開放するタイミングと、流路孔76,77を遮蔽するタイミングとを逆のタイミングにすることができる。
したがって、制御部74で、圧電素子79に印加する駆動電圧を、低周波数側周波数fまたは高周波数側周波数fに切り替えることにより、流体制御装置70において、流体を弁体73側から吐出する吐出方向の流れと、流体を弁体73側から吸入する吸入方向の流れとを駆動周波数の切り替えによって制御することができる。
≪第4実施例≫
以下、前述の第2実施例の更なる変形例に対応する本発明の第4実施例を詳細に説明する。
ここで示す流体制御装置60は、前述の構成と同様な構成であるが、制御部64において、低周波数側周波数fを振動部62の1次モードの構造共振周波数f1に合わせる。また、高周波数側周波数fを、振動部62の2次モードの構造共振周波数f2に合わせる。このために、振動部62や弁体63A,63Bの各部寸法および材質は、振動部62の1次モードの構造共振周波数f1が弁体63A,63Bの構造共振周波数f0に対してより低い周波数となり、振動部62の2次モードの構造共振周波数f2が弁体63A,63Bの構造共振周波数f0に対してより高い周波数となるように設定している。
このように、振動部62の1次モードの構造共振周波数f1や2次モードの構造共振周波数f2で、振動部62を振動させることにより、振動部62に生じる振動振幅を共振現象により最大化することができる。したがって、弁体63A,63Bに伝わる振動を大きくすることができ、弁体63A,63Bを確実に動作させることができる。また、ポンプ効率を向上させることもできる。
図13は、1次モードの構造共振周波数f1で動作している状態での、流体制御装置60の断面図である。また、図14は、2次モードの構造共振周波数f2で動作している状態での、流体制御装置60の断面図である。なお、ここでは主に筐体61を介して振動が伝わることにより、弁体63A,63Bが振動する場合を例に説明を行う。
振動部62を1次モードの構造共振周波数f1で振動させる場合(低周波数側周波数fで駆動する場合)には、図13(A)に示すように、振動部62の中央部が底面側に屈曲する際に、筐体61の天板の中央部が天面側に屈曲し、ポンプ室65の容積が最も増大する。また、図13(B)に示すように、振動部62の中央部が天面側に屈曲する際に、筐体61の天板の中央部が底面側に屈曲し、ポンプ室65の容積が最も減少する。
そして、図13(A)に示す状態では、筐体61の天板の底面側に設けられている弁体63Aには、上方に引き上げるような加振力が働く。ここでは、振動部62は低周波数側周波数fで駆動しているために、弁体63Aは加振力に対して位相の遅れが無く上方に変位する。したがって、弁体63Aが流路孔66Aに近づいて流路孔66Aを遮蔽する。一方、筐体61の天板の天面側に設けられている弁体63Bにも、上方に押し上げるような加振力が働く。ここでも、弁体63Bは加振力に対して位相の遅れが無く上方に変位する。したがって、弁体63Bは流路孔66Bから遠のいて流路孔66Bを開放する。これにより、ポンプ室65には流路孔66Bを介して外部の流体が吸入される。
また、図13(B)に示す状態では、筐体61の天板の底面側に設けられている弁体63Aに下方に押し下げるような加振力が働く。ここでも、弁体63Aは加振力に対して位相の遅れが無く下方に変位する。したがって、弁体63Aが流路孔66Aから遠のいて流路孔66Aを開放する。一方、筐体61の天板の天面側に設けられている弁体63Bにも下方に引き下げるような加振力が働く。ここでも、弁体63Bは加振力に対して位相の遅れが無く下方に変位する。したがって、弁体63Bは流路孔66Bに近づいて流路孔66Bを遮蔽する。これにより、ポンプ室65からは流路孔66Aを介して外部に流体が吐出される。
このため、流体制御装置60において、振動部62を低周波数側周波数fで駆動する場合には、振動部62が屈曲振動することで弁体63A,63Bの上記動作が繰り返され、弁体63B側から流体を吸入し、弁体63A側から流体を吐出する流れが定常的に生じるようになる。
また、振動部62を2次モードの構造共振周波数f2で振動させる場合(高周波数側周波数fで駆動する場合)には、図14(A)に示すように、振動部62の中央部が底面側に屈曲する際に、振動部62の中央部よりも外周側の領域が天面側に屈曲する。また、図14(B)に示すように、振動部62の中央部が天面側に屈曲する際に、振動部62の中央部よりも外周側の領域が底面側に屈曲する。このように、2次モードの振動では、ポンプ室55の中央部付近の領域と、振動部62の中央部よりも外周側の領域とが、互いに逆方向に屈曲する。振動部62の中央部の領域に比べると、振動部62の外周側の領域のほうがより面積が大きいため、ポンプ室65の全体の容積は、振動部62の中央部が底面側に屈曲する際に最も減少し、振動部62の中央部が天面側に屈曲する際に最も増加する傾向を持つ。ここで、筐体61の天板において流路孔66A,66Bは、振動部62の外周側の領域に対向するような位置に配置されている。
図14(A)に示す状態では、天板の外周側の領域が底面側に屈曲することにより、天板の外周側の領域の底面側に設けられている弁体63Aには、下方に押し下げるような加振力が働く。ここでは、振動部62は高周波数側周波数fで駆動しているために、弁体63Aは加振力に対して位相の遅れが生じて、加振力とは逆に上方に変位する。したがって、弁体63Aが流路孔66Aに近づいて流路孔66Aを遮蔽する。一方、天板の外周側領域の天面側に設けられている弁体63Bにも、下方に引き下げるような加振力が働く。ここでは、弁体63Bでも加振力に対して位相の遅れが生じて、加振力とは逆に上方に変位する。したがって、弁体63Bは流路孔66Bから遠のいて流路孔66Bを開放する。このような弁体63Aと弁体63Bとの開閉状態は、図13(A)の状態と同じであるが、振動部62の2次モードの振動時には1次モードの振動時とは逆に、ポンプ室65の中央部付近の領域が底面側に屈曲する状態のときにポンプ室65の全体の容積が最も減少する。このため、ポンプ室65からは流路孔66Bを介して外部に流体が吐出される。
また、図14(B)に示す状態では、天板の外周側の領域が天面側に屈曲することにより、天板の外周側の領域の底面側に設けられている弁体63Aには、上方に引き上げるような加振力が働く。ここでは、弁体63Aは加振力に対して位相の遅れが生じて、加振力とは逆に下方に変位する。したがって、弁体63Aが流路孔66Aから遠のいて流路孔66Aを開放する。一方、天板の外周側領域の天面側に設けられている弁体63Bにも、上方に押し上げるような加振力が働く。ここでは、弁体63Bでも加振力に対して位相の遅れが生じて、加振力とは逆に下方に変位する。したがって、弁体63Bは流路孔66Bに近づいて流路孔66Bを遮蔽する。このような弁体63Aと弁体63Bとの開閉状態は、図13(B)の状態と同じであるが、振動部62の2次モードの振動時には1次モードの振動時とは逆に、ポンプ室55の中央部付近の領域が天面側に屈曲する状態のときにポンプ室65の全体の容積が最も増加する。このため、ポンプ室65には流路孔66Aを介して外部から流体が吸入される。
このため、流体制御装置60において、振動部62を高周波数側周波数fで駆動する場合には、振動部62が屈曲振動することで弁体63A,63Bの上記動作が繰り返され、弁体63A側から流体を吸入し、弁体63B側から流体を吐出する流れが定常的に生じるようになる。
したがって、流体制御装置60においても、振動部62の駆動周波数を低周波数側周波数fまたは高周波数側周波数fに切り替えるように制御することにより、流れの方向を反転させることができる。
以上の各実施形態や各実施例に示したように、本発明は実施することができる。ただし、上記の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10,20,30,40,50,60…流体制御装置
11,21,31,41,51,61…筐体
12,22,32,42,52,62…振動部
13,23,33,43,53,63A,63B…弁体
14,24,34,44,54,64…制御部
15,25,35,45,55,65…ポンプ室
16,17,26,27,36,37,46,47,56,57,66A,66B…流路孔
18,28,38,48,58,68…ダイヤフラム
19,29,39,49,59,69…圧電素子
この発明は、気体に圧力変動を生じさせるポンプと、流路の開閉や気体の流れの方向づけを行うバルブとを備える気体制御装置に関する。
マイクロブロアのような気体制御装置では、気体に圧力変動を生じさせるポンプと、気体の圧力変動に応じて流路の開閉や流れの方向づけを行う受動バルブと、が用いられることがあった(例えば特許文献1参照。)。特許文献1に開示された受動バルブは、バルブ室内にフィルムを設けて構成されている。フィルムは、気体制御装置の流路で気体が順方向に流れ始めると流路孔を開放し、逆に、流路で気体が逆方向に流れ始めると流路孔を塞ぐように変位(変形)する。したがって、この受動バルブは、気体の圧力変動に応じて流路を開閉し、流れの方向づけを行う。
上記の受動バルブとポンプとを用いる気体制御装置では、ポンプの停止時に受動バルブで気体の流れが阻害されて、受動バルブに接続される圧力室の内圧が開放され難くなることがあった。例えば、ポンプの停止時に圧力室の内圧によっては受動バルブのフィルムが流路孔を塞ぐように変位することがあった。この場合、圧力室の内圧を開放することができないことや、受動バルブでのリークによって圧力室の内圧が除々に開放されて内圧がゆっくりと開放されるようなことがあった。
そこで、圧力室の内圧を速やかに開放するために、流路の開閉を動的に(能動的に)制御することができる能動バルブが用いられることがあった。
特開2012−528980号公報
能動バルブには、流路の開放や遮蔽を行う弁体と、弁体を駆動する弁駆動部と、弁駆動部を制御する制御部と、を設ける必要がある。このため、能動バルブは受動バルブに比べて構成が複雑でコストやサイズが大きくなり易かった。
その上、気体制御装置のポンプが圧電駆動型などの高周波駆動するものである場合、能動バルブを用いるには弁駆動源も高周波駆動させる必要があり、高周波駆動する能動バルブとポンプとで動作タイミングを高精度に合わせることは容易でなかった。
そこで、本発明の目的は、小型かつ低コストに能動バルブを構成することができ、その上、高周波駆動しても能動バルブとポンプの動作タイミングを容易に合わせることができる気体制御装置を提供することにある。
本発明の気体制御装置は、ポンプ室と前記ポンプ室に通じる流路とを構成する筐体と、振動することにより前記ポンプ室の気体の圧力に変動を生じさせる振動部と、前記流路の開口部に近づいた位置と前記流路の開口部から遠のいた位置との間で前記振動部または前記筐体に弾性変位自在に支持される弁体と、前記振動部の駆動周波数を、前記弁体が前記振動部と同じ位相で振動する第1周波数と、前記弁体が前記振動部と逆の位相で振動する第2周波数と、のいずれかに切り替える制御部と、を備える。
この構成では、弁体が弾性変位自在に支持されているので、弁体に筐体の振動や気体の圧力の変動が伝わることにより、弁体が振動部の駆動周波数で振動する。すなわち、ポンプ室で気体の圧力(以下、内圧と称する。)が変動する周期に合わせて、弁体が流路の開口部に近づいたり遠のいたりする。すると、例えば、ポンプ室の内圧が正圧のときに弁体が流路の開口部から遠のいて流路を開放し、ポンプ室の内圧が負圧のときに弁体が流路の開口部に近づいて流路を遮蔽するようにすれば、ポンプ室から弁体側に気体を吐出するように、流れを方向づけ(以下、この方向を吐出方向という。)することができる。または、ポンプ室の内圧が正圧のときに弁体が流路の開口部に近づいて流路を遮蔽し、ポンプ室の内圧が負圧のときに弁体が流路の開口部から遠のいて流路を開放するようにすれば、弁体側からポンプ室に気体を吸入するように、流れを方向づけ(以下、この方向を吸入方向という。)することができる。
このような弁体の動作が、ポンプ室の内圧を変動させる振動部の振動を駆動源として生じることになるので、能動バルブの弁駆動部として振動部を用いてポンプ動作と駆動源を共用することができ、能動バルブの機能を小型かつ低コストに実現することができる。また、ポンプ室での内圧の変動と弁体の動作とが確実に同期することになり、振動部を高周波駆動する場合にも、弁体と振動部とで動作タイミングがずれることがなくなる。
さらには、周波数制御部で、振動部の駆動周波数を第1周波数と第2周波数とのいずれかに切り替えることで、弁体の振動状態を変更することができる。具体的には、振動部の駆動周波数を切り替えることにより、弁体の振動の位相が反転し、弁体が流路の開口部に近づくタイミングと、弁体が流路の開口部から遠のくタイミングとが入れ替わる。したがって、振動部の駆動周波数を切り替えることにより、気体の流れを吐出方向と吸入方向とで切り替えることが可能になる。また、吐出方向と吸入方向とのうちの一方での流れを他方での流れよりも弱いものにしておけば、振動部の駆動周波数を切り替えることにより、弁体を動かした状態のままポンプ室の吐出側や吸入側に接続される閉空間の内圧を開放することができる。
また、前記流路は、前記ポンプ室を間に介して互いに通じる第1の流路と第2の流路とを含み、前記弁体は、前記第1の流路に付設された第1の弁体と前記第2の流路に付設された第2の弁体とを含んでもよい。この場合、前記第1の弁体と前記第2の弁体とは、一方が前記流路の開口部に近づいた位置にあるときに、他方が前記流路の開口部から遠のいた位置にあることが好ましい。これにより、振動部の駆動周波数を切り替えることにより、ポンプ室が第1の流路から気体を吸入して第2の流路から気体を吐出する状態と、ポンプ室が第2の流路から気体を吸入して第1の流路から気体を吐出する状態と、を切り替えることができる。
また、前記弁体は、一方端側で固定されて他端側が揺動する金属板であることが好ましい。これにより、簡易な構成で弾性変位する弁体を実現できる。
また、前記第1周波数または前記第2周波数は、前記振動部の構造共振周波数であることが好ましい。特には、前記第1周波数は、前記振動部の低次の構造共振周波数であり、前記第2周波数は、前記振動部の高次の構造共振周波数であることが好ましい。これにより、振動部を構造共振させることができ、振動部の振動振幅を最大化してポンプ効率を高めることができる。
また、ポンプ室は半径よりも高さの低い円筒形であり、前記弁体が付設される流路孔は、前記ポンプ室の中央付近に設けられていることが好ましい。特には、前記第1周波数または前記第2周波数は、前記ポンプ室の音響共振周波数であることが好ましい。更には、前記第1周波数は、前記ポンプ室の低次の音響共振周波数であり、前記第2周波数は、前記ポンプ室の高次の音響共振周波数であることが好ましい。この構成では、ポンプ室を音響共振させることができ、ポンプ室の音響振動の振幅、即ち、ポンプ室の内圧の変化を最大化して、ポンプ効率を高めることができる。
また、前記振動部は、駆動電圧の印加により振動する圧電素子を備えることが好ましい。
本発明によれば、振動部の駆動周波数を切り替えることにより、気体の流れを切り替えたり、弁体を動かした状態のままポンプ室の吐出側や吸入側に接続される閉空間の内圧を開放したりする能動バルブの機能を実現することができる。そして、ポンプの機能と能動バルブの機能を共用の駆動源によって実現するので、能動バルブの機能を小型かつ低コストに実現することができ、また、振動部を高周波駆動する場合にも弁体と振動部とで動作タイミングがずれることがない。
弁体に作用する加振力の周波数と加振力に対する弁体の振動の位相差との関係を示すグラフである。 本発明の第1実施形態に係る流体制御装置の模式図である。 本発明の第2実施形態に係る流体制御装置の模式図である。 本発-明の第3実施形態に係る流体制御装置の模式図である。 本発明の第4実施形態に係る流体制御装置の模式図である。 本発明の第5実施形態に係る流体制御装置の模式図である。 本発明の第6実施形態に係る流体制御装置の模式図である。 本発明の第1実施例に係る流体制御装置の天面側から視た外観斜視図である。 図8に示す流体制御装置の底面側から視た外観斜視図である。 図8に示す流体制御装置の断面図である。 本発明の第2実施例に係る流体制御装置の断面図である。 本発明の第3実施例に係る流体制御装置の断面図である。 本発明の第4実施例に係る流体制御装置を1次モードの周波数で動作させた状態を示す断面図である。 本発明の第4実施例に係る流体制御装置を2次モードの周波数で動作させた状態を示す断面図である。
《本発明の動作原理》
まず、本発明が利用する動作原理の一部について簡単に説明する。
図1は、弁体に作用する加振力の周波数と加振力に対する弁体の振動の位相差との関係を示すグラフである。
一般に、本発明の弁体のように弾性支持される構造体は、外部からの加振力が作用することにより、加振力の周波数と一致する周波数で振動する。そして、該構造体は、構造共振周波数f0を有し、加振力の周波数が構造共振周波数f0と一致する場合には、加振力に共振して振動振幅が最大化する。
該構造体を構造共振周波数f0よりも低い周波数fの加振力で振動させる場合、構造体は加振力との位相差が略ゼロの状態、即ち、加振力に対して位相遅れが無い同相の状態で振動することになる。一方、該構造体を構造共振周波数f0よりも高い周波数fの加振力で振動させる場合、構造体は加振力との位相差が-π[rad]である状態、即ち、加振力に対して位相遅れが生じた逆相の状態で振動することになる。したがって、加振力の周波数が構造共振周波数f0を超えて変わることで、構造体の振動位相は反転することになる。本発明は、このような加振力の周波数と振動位相との関係を利用し、加振力の周波数を制御することにより流体制御装置における流体の流れを制御する。
《本発明の第1実施形態》
以下、本発明の第1実施形態に係る流体制御装置の模式構成とその動作について説明する。
図2(A)は、本発明の第1実施形態に係る流体制御装置10の模式的な断面図である。流体制御装置10は、筐体11と振動部12と弁体13と制御部14とを備えている。
筐体11は、ポンプ室15と第1流路孔16と第2流路孔17とを構成している。ポンプ室15は、筐体11の内側に設けている。第1流路孔16は、筐体11の天面の一部に設けている。第2流路孔17は、筐体11の側壁の一部に設けている。ポンプ室15は、第1流路孔16と第2流路孔17とのそれぞれを介して外部空間に連通している。
振動部12は、筐体11の底面に取り付けられている。振動部12は、ダイヤフラム18と圧電素子19とを備えている。ダイヤフラム18は薄板状であり、筐体11の底面に貼り付けられ、ポンプ室15に面している。圧電素子19は薄板状であり、ダイヤフラム18の底面に貼り付けられている。圧電素子19は、面内方向に伸縮する圧電性を有している。また、振動部12は、ダイヤフラム18と圧電素子19とが貼り合わさることで、いわゆるユニモルフ構造を構成している。したがって、振動部12は、圧電素子19が逆圧電効果によって伸縮することで、中央部分が上下に屈曲振動し、ポンプ室15の内圧を変動させる。
弁体13は、第1流路孔16の天面側の開口部付近に設けている。弁体13は、上下方向に振動するようにダイヤフラム18に弾性支持されており、構造共振周波数f0を有している。そして、弁体13は、第1流路孔16の開口部に当接する位置と、第1流路孔16の開口部から天面側に離間する位置との間で弾性変位自在である。弁体13は、静定状態での釣り合い位置を、第1流路孔16の開口部に当接する位置と、第1流路孔16の開口部から天面側に離間する位置との間の中間位置としている。
制御部14は、圧電素子19に交流の駆動電圧を印加する。制御部14は、弁体13の構造共振周波数f0よりも低い周波数である低周波数側周波数fを有する駆動電圧V1、または、弁体13の構造共振周波数f0よりも高い周波数である高周波数側周波数fを有する駆動電圧V2を選択して圧電素子19に印加する。したがって、制御部14は、圧電素子19の駆動電圧の周波数、すなわち振動部12の駆動周波数を、低周波数側周波数fまたは高周波数側周波数fに切り替える機能を有している。
図2(B)は、低周波数側周波数fで振動部12を駆動する場合の流体制御装置10の動作を説明する図である。
振動部12を低周波数側周波数fで駆動すると、圧電素子19が逆圧電効果によって面内方向に伸縮する。圧電素子19が面内方向に伸びようとする際には、図中左側に示すように、圧電素子19の伸びがダイヤフラム18を厚み方向の底面側に凸になるように屈曲させる。これにより、ポンプ室15の容積が膨張し、ポンプ室15の内圧が低下して負圧になる。一方、圧電素子19が面内方向に縮もうとする際には、図中右側に示すように、圧電素子19の縮みがダイヤフラム18を厚み方向の天面側に凸になるように屈曲させる。これにより、ポンプ室15の容積が収縮し、ポンプ室15の内圧が増加して正圧になる。
このように振動部12を低周波数側周波数fで駆動する際には、振動部12に弾性支持されている弁体13に振動部12の振動が加振力として伝わり、弁体13も振動するようになる。振動部12が底面側に屈曲する際には、弁体13は振動部12から下方に引き下げられるような加振力が働く。また、振動部12が天面側に屈曲する際には、弁体13は振動部12から上方に押し上げられるような加振力が働く。
このように弁体13には振動部12から加振力が働くので、先に図1を用いて説明したように、加振力の周波数、即ち、振動部12の駆動周波数が構造共振周波数f0よりも低い低周波数側周波数fである場合には、弁体は加振力に対して位相遅れが無い同相の状態で振動することになる。従って、図中左側に示すように、下方に引き下げるような加振力が弁体13に働く際には、弁体13は、加振力に対して位相遅れが無い同相の状態で下方に変位し、第1流路孔16に近づく。一方、図中右側に示すように、上方に押し上げるような加振力が弁体13に働く際には、弁体13は、加振力に対して位相遅れが無い同相の状態で上方に変位し、第1流路孔16から遠のく。
このため、図中左側に示すように振動部12が底面側に屈曲する際には、弁体13が第1流路孔16を遮蔽する。そして、このときにポンプ室15の内圧は負圧になっているので、ポンプ室15には第2流路孔17を介して外部の流体が吸入されることになる。一方、図中右側に示すように、振動部12が天面側に屈曲する際には、弁体13が第1流路孔16を開放する。そして、このときにポンプ室15の内圧は正圧になっているので、ポンプ室15からは第1流路孔16を介して外部に流体が吐出されることになる。
したがって、流体制御装置10において振動部12を低周波数側周波数fで駆動する場合には、振動部12が屈曲振動することで、弁体13の上記動作が繰り返され、弁体13側に流体を吐出する吐出方向の流れが定常的に生じるようになる。
図2(C)は、高周波数側周波数fで振動部12を駆動する場合の流体制御装置10の動作を説明する図である。
振動部12を高周波数側周波数fで駆動する際には、振動部12を低周波数側周波数fで駆動する際と同様、図中左側に示すように振動部12が底面側に屈曲する際には、ポンプ室15の内圧が負圧になるとともに、弁体13に振動部12から下方に引き下げられるような加振力が働く。また、図中右側に示すように、振動部12が天面側に屈曲する際には、ポンプ室15の内圧が正圧になるとともに、弁体13に振動部12から上方に押し上げられるような加振力が働く。
しかしながら、振動部12を構造共振周波数f0よりも高い高周波数側周波数fで駆動する場合には、先に図1を用いて説明したように、弁体は加振力に対して位相遅れが生じて逆相の状態で振動することになる。従って、図中左側に示すように、下方に引き下げるような加振力が弁体13に働く際には、弁体13は、加振力に対して位相遅れが生じた逆相の状態で上方に変位し、第1流路孔16から遠のいて第1流路孔16を開放する。このとき、ポンプ室15の内圧は負圧になっているので、ポンプ室15には第1流路孔16を介して外部の流体が吸入されることになる。一方、図中右側に示すように、上方に押し上げるような加振力が弁体13に働く際には、弁体13は、加振力に対して位相遅れが生じた逆相の状態で下方に変位して、第1流路孔16に近づいて第1流路孔16を遮蔽する。このとき、ポンプ室15の内圧は正圧になっているので、ポンプ室15からは第2流路孔17を介して外部に流体が吐出されることになる。
したがって、流体制御装置10において振動部12を低周波数側周波数fで駆動する場合には、振動部12が屈曲振動することで弁体13の上記動作が繰り返され、弁体13側から流体を吸入する吸入方向の流れが定常的に生じるようになる。
以上に示したように、流体制御装置10においては、振動部12の駆動周波数を低周波数側周波数fまたは高周波数側周波数fに切り替えるように制御することにより、弁体13の振動位相(動作タイミング)を反転させることができる。したがって、該流体制御装置10では、流体の流れを吐出方向または吸入方向に切り替えることや、一方の駆動周波数で吸入方向または吐出方向の流れを生じさせながら、他方の駆動周波数では弁体を動かした状態のままポンプ室の吸入側や吐出側に接続される閉空間の内圧を開放するような流体の制御を行うことができる。
そして、ポンプ室15の内圧を変動させる振動部12の振動を駆動源として弁体13の動作が生じるので、共用する駆動源によってポンプの機能と能動バルブの機能を実現することができ、能動バルブの機能を小型かつ低コストに実現することができる。また、ポンプ室15での内圧の変動と弁体13の動作とが確実に同期することになり、振動部12を高周波駆動する場合にも、弁体13と振動部12とで動作タイミングがずれることがなくなる。
《本発明の第2実施形態》
以下、本発明の第2実施形態に係る流体制御装置の模式構成とその動作について説明する。
図3(A)は、本発明の第2実施形態に係る流体制御装置20の模式的な断面図である。流体制御装置20は、筐体21と振動部22と弁体23と制御部24とを備えている。筐体21は、ポンプ室25と第1流路孔26と第2流路孔27とを構成している。振動部22は、ダイヤフラム28と圧電素子29とを備えている。該流体制御装置20は、第1の実施形態に係る構成とほとんど同じ構成であるが、弁体23の構成が異なり、ポンプ室25の内側に弁体23を設けている。
図3(B)は、低周波数側周波数fで振動部22を駆動する場合の流体制御装置20の動作を説明する図である。
振動部22を低周波数側周波数fで駆動する際には、第1の実施形態と同様、図中左側に示すように振動部22が底面側に屈曲する際には、ポンプ室25の内圧が負圧になるとともに、弁体23に振動部22から下方に引き下げられるような加振力が働き、加振力に対して位相遅れが無い同相の状態で弁体23が下方に変位する。また、図中右側に示すように、振動部22が天面側に屈曲する際には、ポンプ室25の内圧が正圧になるとともに、弁体23に振動部22から上方に押し上げられるように加振力が働き、加振力に対して位相遅れが無い同相の状態で弁体23が上方に変位する。
このとき、この構成では弁体23が第1流路孔26の天面側ではなく底面側に設けられているので、弁体23の動きと第1流路孔26の開放または遮蔽のタイミングとが、第1の実施形態とは逆になる。即ち、図中左側に示すように弁体23が下方に変位する際には、弁体23が第1流路孔26から遠のいて、弁体23が第1流路孔26を開放する。このとき、ポンプ室25の内圧が負圧になっているので、ポンプ室25には第1流路孔26を介して外部の流体が吸入されることになる。一方、図中右側に示すように弁体23が上方に変位する際には、弁体23が第1流路孔26に近づいて、弁体23が第1流路孔26を遮蔽する。このとき、ポンプ室25の内圧が正圧になっているので、ポンプ室25からは第2流路孔27を介して外部に流体が吐出されることになる。
したがって、流体制御装置20において、振動部22を低周波数側周波数fで駆動する場合には、振動部22が屈曲振動することで弁体23の上記動作が繰り返され、弁体23側から流体を吸入する吸入方向の流れが定常的に生じるようになる。
図3(C)は、高周波数側周波数fで振動部22を駆動する場合の流体制御装置20の動作を説明する図である。
振動部22を高周波数側周波数fで駆動する際にも、図中左側に示すように振動部22が底面側に屈曲する際には、ポンプ室25の内圧が負圧になるとともに、弁体23に振動部22から下方に引き下げるような加振力が働く。また、図中右側に示すように、振動部22が天面側に屈曲する際には、ポンプ室25の内圧が正圧になるとともに、弁体23に振動部22から上方に押し上げるような加振力が働く。
しかしながら、振動部22は構造共振周波数f0よりも高い高周波数側周波数fで駆動するので、図中左側に示すように下方に引き下げるような加振力が弁体23に働く際には、弁体23は、加振力に対して位相遅れが生じた逆相の状態で上方に変位し、第1流路孔26に近づいて第1流路孔26を遮蔽する。このとき、ポンプ室25の内圧は負圧になっているので、ポンプ室25には第2流路孔27を介して外部の流体が吸入されることになる。一方、図中右側に示すように、上方に押し上げるような加振力が弁体23に働く際には、弁体23は、加振力に対して位相遅れが生じた逆相の状態で下方に変位し、第1流路孔26から遠のいて第1流路孔26を開放する。このとき、ポンプ室25の内圧は正圧になっているので、ポンプ室25からは第1流路孔26を介して外部に流体が吐出されることになる。
したがって、流体制御装置20において振動部22を高周波数側周波数fで駆動する場合には、振動部22が屈曲振動することで弁体23の上記動作が繰り返され、弁体23側に流体を吐出する吐出方向の流れが定常的に生じるようになる。
以上に示したように、流体制御装置20においても、振動部22の駆動周波数を低周波数側周波数fまたは高周波数側周波数fに切り替えるように制御することにより、弁体23の振動位相(動作タイミング)および流れの方向を反転させることができる。
《本発明の第3実施形態》
以下、本発明の第3実施形態に係る流体制御装置の模式構成とその動作について説明する。
図4(A)は、本発明の第3実施形態に係る流体制御装置30の模式的な断面図である。流体制御装置30は、筐体31と振動部32と弁体33と制御部34とを備えている。筐体31は、ポンプ室35と第1流路孔36と第2流路孔37とを構成している。振動部32は、ダイヤフラム38と圧電素子39とを備えている。該流体制御装置30は、第1の実施形態に係る構成とほとんど同じ構成であるが、弁体33の構成が異なっている。具体的には、弁体33は、筐体31の天面に弾性支持されている。そして、筐体31の天板は、振動部32の振動が伝わって、振動部32とは反対方向に変位するように振動する。
図4(B)は、低周波数側周波数fで振動部32を駆動する場合の流体制御装置30の動作を説明する図である。
振動部32を低周波数側周波数fで駆動する際には、第1の実施形態と同様、図中左側に示すように振動部32が底面側に屈曲する際には、ポンプ室35の内圧が負圧になる。また、図中右側に示すように、振動部32が天面側に屈曲する際には、第1の実施形態と同様、ポンプ室35の内圧が正圧になる。
しかしながら、第1の実施形態とは異なり、弁体33は、振動部32とは反対方向に変位する筐体31の天板に支持されているので、図中左側に示すように振動部32が底面側に屈曲する際には、筐体31の天板が天面側に屈曲し、弁体33に筐体31の天板から上方に押し上げられるような加振力が働き、弁体33が上方に変位して第1流路孔36から遠のき、第1流路孔36を開放する。このとき、ポンプ室35の内圧が負圧になっているので、ポンプ室35には第1流路孔36を介して外部の流体が吸入されることになる。一方、図中右側に示すように振動部32が天面側に屈曲する際には、筐体31の天板が底面側に屈曲し、弁体33に筐体31の天板から下方に引き下げるような加振力が働き、弁体33が下方に変位して第1流路孔36に近づき、第1流路孔36を遮蔽する。このとき、ポンプ室35の内圧が正圧になっているので、ポンプ室35からは第2流路孔37を介して外部に流体が吐出されることになる。
したがって、流体制御装置30において、振動部32を低周波数側周波数fで駆動する場合には、振動部32が屈曲振動することで弁体33の上記動作が繰り返され、弁体33側から流体を吸入する吸入方向の流れが定常的に生じるようになる。
図4(C)は、高周波数側周波数fで振動部32を駆動する場合の流体制御装置30の動作を説明する図である。
振動部32を高周波数側周波数fで駆動する際にも、図中左側に示すように振動部32が底面側に屈曲する際には、ポンプ室35の内圧が負圧になるとともに、筐体31の天板が天面側に屈曲し、弁体33に筐体31の天板から上方に押し上げられるように加振力が働く。また、図中右側に示すように、振動部32が天面側に屈曲する際には、ポンプ室35の内圧が正圧になるとともに、筐体31の天板が底面側に屈曲し、弁体33に筐体31の天板から下方に引き下げられるように加振力が働く。
しかしながら、振動部32は構造共振周波数f0よりも高い高周波数側周波数fで駆動するので、図中左側に示すように筐体31の天板が天面側に屈曲する際には、弁体33は、加振力から位相遅れが生じた逆相の状態で下方に変位して、第1流路孔36に近づいて、弁体33が第1流路孔36を遮蔽する。このとき、ポンプ室35の内圧は負圧になっているので、ポンプ室35には第2流路孔37を介して外部の流体が吸入されることになる。一方、図中右側に示すように、筐体31の天板が底面側に屈曲する際には、弁体33は、加振力から位相遅れが生じた逆相の状態で上方に変位して、第1流路孔36から遠のいて、弁体33が第1流路孔36を開放する。このとき、ポンプ室35の内圧は正圧になっているので、ポンプ室35からは第1流路孔36を介して外部に流体が吐出されることになる。
したがって、流体制御装置30において、振動部32を高周波数側周波数fで駆動する場合には、振動部32が屈曲振動することで弁体33の上記動作が繰り返され、弁体33側に流体を吐出する吐出方向の流れが定常的に生じるようになる。
したがって、流体制御装置30においても、振動部32の駆動周波数を低周波数側周波数fまたは高周波数側周波数fに切り替えるように制御することにより、弁体33の振動位相(動作タイミング)および流れの方向を反転させることができる。
《本発明の第4実施形態》
以下、本発明の第4実施形態に係る流体制御装置の模式構成とその動作について説明する。
図5(A)は、本発明の第4実施形態に係る流体制御装置40の模式的な断面図である。流体制御装置40は、筐体41と振動部42と弁体43と制御部44とを備えている。筐体41は、ポンプ室45と第1流路孔46と第2流路孔47とを構成している。振動部42は、ダイヤフラム48と圧電素子49とを備えている。該流体制御装置40は、第3の実施形態に係る構成とほとんど同じ構成であるが、弁体43の構成が異なり、弁体43は、ポンプ室45の内側に設けられている。
図5(B)は、低周波数側周波数fで振動部42を駆動する場合の流体制御装置40の動作を説明する図である。
振動部42を低周波数側周波数fで駆動する際には、第3の実施形態と同様、図中左側に示すように振動部42が底面側に屈曲する際には、ポンプ室45の内圧が負圧になるとともに、弁体43に筐体41の天板から上方に引き上げられるように加振力が働き、加振力から位相遅れが無い同相の状態で弁体43が上方に変位する。また、図中右側に示すように、振動部42が天面側に屈曲する際に、ポンプ室45の内圧が正圧になるとともに、弁体43に筐体41の天板から下方に引き下げられるように加振力が働き、加振力から位相遅れが無い同相の状態で弁体43が下方に変位する。
このとき、この構成では弁体43が第1流路孔46の天面側ではなく底面側に設けられているので、弁体43の動きと第1流路孔46の開放または遮蔽のタイミングとが、第3の実施形態とは逆になる。即ち、図中左側に示すように弁体43が上方に変位する際には、弁体43が第1流路孔46に近づいて、弁体43が第1流路孔46を遮蔽する。このとき、ポンプ室45の内圧が負圧になっているので、ポンプ室45には第2流路孔47を介して外部の流体が吸入されることになる。一方、図中右側に示すように弁体43が下方に変位する際には、弁体43が第1流路孔46から遠のいて、弁体43が第1流路孔46を開放する。このとき、ポンプ室45の内圧が正圧になっているので、ポンプ室45からは第1流路孔46を介して外部に流体が吐出されることになる。
したがって、流体制御装置40において、振動部42を低周波数側周波数fで駆動する場合には、振動部42が屈曲振動することで弁体43の上記動作が繰り返され、弁体43側に流体を吐出する吐出方向の流れが定常的に生じるようになる。
図5(C)は、高周波数側周波数fで振動部42を駆動する場合の流体制御装置40の動作を説明する図である。
振動部42を高周波数側周波数fで駆動する際にも、図中左側に示すように振動部42が底面側に屈曲する際には、ポンプ室45の内圧が負圧になるとともに、弁体43に筐体41の天板から上方に引き上げるような加振力が働く。また、図中右側に示すように、振動部42が天面側に屈曲する際には、ポンプ室45の内圧が正圧になるとともに、弁体43に筐体41の天板から下方に押し下げるような加振力が働く。
しかしながら、振動部42は構造共振周波数f0よりも高い高周波数側周波数fで駆動するので、図中左側に示すように、弁体43を上方に引き上げるような加振力が働く際には、弁体43は、加振力に対して位相遅れが生じた逆相の状態で下方に変位し、第1流路孔46から遠のいて第1流路孔46を開放する。このとき、ポンプ室45の内圧は負圧になっているので、ポンプ室45には第1流路孔46を介して外部の流体が吸入されることになる。一方、図中右側に示すように、弁体43を下方に押し下げるような加振力が働く際には、弁体43は、加振力に対して位相遅れが生じた逆相の状態で上方に変位し、第1流路孔46に近づいて第1流路孔46を遮蔽する。このとき、ポンプ室45の内圧は正圧になっているので、ポンプ室45からは第2流路孔47を介して外部に流体が吐出されることになる。
したがって、流体制御装置40において、振動部42を高周波数側周波数fで駆動する場合には、振動部42が屈曲振動することで弁体43の上記動作が繰り返され、弁体43側から流体を吸入する吸入方向の流れが定常的に生じるようになる。
したがって、流体制御装置40においても、振動部42の駆動周波数を低周波数側周波数fまたは高周波数側周波数fに切り替えるように制御することにより、弁体43の振動位相(動作タイミング)および流れの方向を反転させることができる。
《本発明の第5実施形態》
以下、本発明の第5実施形態に係る流体制御装置の模式構成とその動作について説明する。
図6(A)は、本発明の第5実施形態に係る流体制御装置50の模式的な断面図である。流体制御装置50は、筐体51と振動部52と弁体53と制御部54とを備えている。筐体51は、ポンプ室55と第1流路孔56と第2流路孔57とを構成している。振動部52は、ダイヤフラム58と圧電素子59とを備えている。該流体制御装置50は、第1の実施形態に係る構成とほとんど同じ構成であるが、弁体53の構成が異なっている。具体的には、弁体53は、固定部位(変位しない部位)に弾性支持されており、振動部52に直接支持されていない。固定部位は本発明の筐体に対応する。したがって、弁体53は、筐体51を介して振動部52の振動が伝わらないように構成されている。この場合、弁体53は、筐体51を介して伝わる振動では無く、第1流路孔56の開口部付近での流体圧の変動を介して振動部52から振動が伝わることになる。
図6(B)は、低周波数側周波数fで振動部52を駆動する場合の流体制御装置50の動作を説明する図である。
振動部52を低周波数側周波数fで駆動する際には、第1の実施形態と同様、図中左側に示すように振動部52が底面側に屈曲する際には、ポンプ室55の内圧が負圧になるとともに、この負圧によって弁体53を下方に引き下げるような加振力が働くので、弁体53が下方に変位し、弁体53が第1流路孔56に近づいて第1流路孔56を遮蔽し、第2流路孔57からポンプ室55に外部の流体を吸入する。また、図中右側に示すように、振動部52が天面側に屈曲する際に、ポンプ室55の内圧が正圧になるとともに、この正圧によって弁体53に上方に押し上げるような加振力が働くので、弁体53が上方に変位し、弁体53が第1流路孔56から遠のいて第1流路孔56を開放し、ポンプ室55の流体を第1流路孔56から吐出する。
このため、流体制御装置50において、振動部52を低周波数側周波数fで駆動する場合には、振動部52が屈曲振動することで弁体53の上記動作が繰り返され、弁体53側に流体を吐出する吐出方向の流れが定常的に生じるようになる。
図6(C)は、高周波数側周波数fで振動部52を駆動する場合の流体制御装置50の動作を説明する図である。
振動部52を高周波数側周波数fで駆動する際には、図中左側に示すように振動部52が底面側に屈曲する際には、ポンプ室55の内圧が負圧になるとともに、この負圧によって弁体53に下方に引き下げられるように加振力が働くが、この加振力から位相遅れが生じて逆相の状態となるため、弁体53は上方に変位し、弁体53が第1流路孔56から遠のいて第1流路孔56を開放し、第1流路孔56からポンプ室55に外部の流体を吸入する。また、図中右側に示すように、振動部52が天面側に屈曲する際には、ポンプ室55の内圧が正圧になるとともに、この正圧によって弁体53に上方に押し上げられるように加振力が働くが、この加振力から位相遅れが生じて逆相の状態となるため、弁体53は下方に変位し、弁体53が第1流路孔56に近づいて第1流路孔56を遮蔽し、ポンプ室55の流体を第2流路孔57から吐出する。
このため、流体制御装置50において、振動部52を高周波数側周波数fで駆動する場合には、振動部52が屈曲振動することで弁体53の上記動作が繰り返され、弁体53側から流体を吸入する吸入方向の流れが定常的に生じるようになる。
したがって、流体制御装置50においても、振動部52の駆動周波数を低周波数側周波数fまたは高周波数側周波数fに切り替えるように制御することにより、弁体53の振動位相(動作タイミング)および流れの方向を反転させることができる。
《本発明の第6実施形態》
以下、本発明の第6実施形態に係る流体制御装置の模式構成とその動作について説明する。
図7(A)は、本発明の第6実施形態に係る流体制御装置60の模式的な断面図である。流体制御装置60は、筐体61と振動部62と弁体63A,63Bと制御部64とを備えている。筐体61は、ポンプ室65と流路孔66A,66Bとを構成している。振動部62は、ダイヤフラム68と圧電素子69とを備えている。該流体制御装置60は、第1の実施形態に係る構成とほとんど同じ構成であるが、流路孔66Aと流路孔66Bとのそれぞれに、弁体63A,63Bを設けている。そして、弁体63A,63Bが対応する流路孔66A,66Bを開放するタイミングと遮蔽するタイミングとが逆になるように、弁体63Aはポンプ室65の内側に配置し、弁体63Bはポンプ室65の外側に配置している。このため、弁体63Aは第2の実施形態と同様の構成および動作になり、弁体63Bは第1の実施形態と同様の構成および動作になる。
図7(B)は、低周波数側周波数fで振動部62を駆動する場合の流体制御装置60の動作を示す図である。
振動部62を低周波数側周波数fで駆動する場合には、図中左側に示すように振動部62が底面側に屈曲する際にポンプ室65の内圧が負圧になる。そして、弁体63Aは、第2の実施形態と同様に下方に変位し、流路孔66Aから遠のいて流路孔66Aを開放する。また、弁体63Bは、第1の実施形態と同様に下方に変位し、流路孔66Bに近づいて流路孔66Bを遮蔽する。したがって、ポンプ室65には流路孔66Aを介して外部の流体が吸入されることになる。
一方、図中右側に示すように振動部62が天面側に屈曲する際には、ポンプ室65の内圧が正圧になる。そして、弁体63Aは、第2の実施形態と同様に上方に変位し、流路孔66Aに近づいて流路孔66Aを遮蔽する。また、弁体63Bは、第1の実施形態と同様に上方に変位し、流路孔66Bから遠のいて流路孔66Bを開放する。これにより、ポンプ室65からは流路孔66Bを介して外部に流体が吐出されることになる。
したがって、流体制御装置60において、振動部62を低周波数側周波数fで駆動する場合には、振動部62が屈曲振動することで弁体63A,63Bの上記動作が繰り返され、弁体63A側から流体を吸入して弁体63B側から流体を吐出する流体の流れが定常的に生じるようになる。
図7(C)は、高周波数側周波数fで振動部62を駆動する場合の流体制御装置60の動作を示す図である。
振動部62を高周波数側周波数fで駆動する場合には、図中左側に示すように振動部62が底面側に屈曲する際にポンプ室65の内圧が負圧になる。そして、弁体63Aは、第2の実施形態と同様に上方に変位し、流路孔66Aに近づいて流路孔66Aを遮蔽する。また、弁体63Bは、第1の実施形態と同様に上方に変位し、流路孔66Bから遠のいて流路孔66Bを開放する。したがって、ポンプ室65には流路孔66Bを介して外部の流体が吸入されることになる。
一方、図中右側に示すように振動部62が天面側に屈曲する際には、ポンプ室65の内圧が正圧になる。そして、弁体63Aは、第2の実施形態と同様に下方に変位し、流路孔66Aから遠のいて流路孔66Aを開放する。また、弁体63Bは、第1の実施形態と同様に下方に変位し、流路孔66Bに近づいて流路孔66Bを遮蔽する。これにより、ポンプ室65からは流路孔66Aを介して外部に流体が吐出されることになる。
したがって、流体制御装置60において、振動部62を高周波数側周波数fで駆動する場合には、振動部62が屈曲振動することで弁体63A,63Bの上記動作が繰り返され、弁体63B側から流体を吸入して弁体63A側から流体を吐出する流体の流れが定常的に生じるようになる。
したがって、流体制御装置60においても、振動部62の駆動周波数を低周波数側周波数fまたは高周波数側周波数fに切り替えるように制御することにより、弁体63A,63Bの振動位相(動作タイミング)および流れの方向を反転させることができる。
《第1実施例》
以下、前述の第5の実施形態で示した模式構成に対応する本発明の第1実施例を詳細に説明する。
図8は、本発明の実施例に係る流体制御装置50の天面側から視た外観斜視図である。図9は、図8に示す流体制御装置50の底面側からみた外観斜視図である。図10は、図8に示す流体制御装置50のS−S線での断面図である。
流体制御装置50は、前述のように、筐体51と振動部52と弁体53と制御部54とを備えている。
筐体51は、ポンプ室55と第1流路孔56とを構成している。筐体51および振動部52は、互いに貼り合わせられており、全体として円盤状に構成されている。筐体51は、器状に構成されており、内側にポンプ室55が設けられ、天面中央に第1流路孔56が設けられている。ポンプ室55は半径よりも高さの低い円筒形状である。振動部52は、筐体51の底面側に貼り付けられている。
振動部52は、ダイヤフラム58と圧電素子59とを備えている。また、振動部52は、第2流路孔57を構成している。ダイヤフラム58は、例えばステンレススチール(SUS)からなる。ダイヤフラム58は、圧電素子59よりも半径が大きい円板状であり、底面側中央部に圧電素子59が貼り付けられている。また、ダイヤフラム58は、圧電素子59を取り囲むように外周部に沿って第2流路孔57が設けられている。圧電素子59は、円板状であり、例えばチタン酸ジルコン酸鉛系セラミックスから構成されている。圧電素子59の両主面には、図示していない電極が形成されている。圧電素子59は、印加される駆動電圧に応じて面内方向に伸縮する圧電性を有している。したがって、圧電素子59が伸縮すると、ダイヤフラム58には同心円状の屈曲振動が生じ、ダイヤフラム58の中央部が上下に屈曲するように振動することになる。ダイヤフラムの外周部は、第2流路孔57が大きな面積を占めるように設けられているため、ダイヤフラムと筐体の連結は弱い。したがって、ダイヤフラムの屈曲振動は天面側へほとんど伝わらない。
弁体53は、筐体51の第1流路孔56の天面側開口部に付設している。弁体53は、円形の部材に中心からから切り込みを設けた形状である。弁体53の外側端は、筐体51の天面に対して角度を付けた状態で固定している。弁体53の内側端は複数有り、それぞれ第1流路孔56の開口部に対面している。弁体53は、金属板からなり、内側端の上下方向の振動が構造共振周波数f0となるようなバネ弾性を有している。このように、弁体53は、第1流路孔56の天面側の開口部付近で筐体51の天面に弾性支持されているので、ポンプ室55における内圧の変動が第1流路孔56を介して伝わることにより、内側端が上下方向に振動することになる。
制御部54は、圧電素子59に印加する駆動電圧を、低周波数側周波数fまたは高周波数側周波数fに切り替える。これにより、流体制御装置50において、流体を弁体53側から吐出する吐出方向の流れと、流体を弁体53側から吸入する吸入方向の流れとを駆動周波数の切り替えによって制御することができる。
また、ここでは、制御部54は、低周波数側周波数fまたは高周波数側周波数fを、ポンプ室55の音響共振周波数に合わせる。特には、低周波数側周波数fを、ポンプ室55の低次の音響共振周波数に合わせ、高周波数側周波数fを、ポンプ室55の高次の音響共振周波数に合わせる。ポンプ室55の音響共振周波数とは、ポンプ室55の中心部で発生した圧力振動と、その圧力振動が外周部側に伝搬して反射し、再びポンプ室55の中心部に到達する圧力振動とが共振する周波数のことである。このようにすると、少なくとも平面方向の中心部付近が屈曲振動の腹となり、少なくとも平面方向の外周部付近が屈曲振動の節となる。すなわち、ポンプ室55において、平面方向に定在波状の圧力分布が生じることになる。このことにより、ポンプ室55の平面方向の中心部に対向して設けられている第1流路孔56の近傍では、流体の圧力変動が大きくなり、ポンプ室55の平面方向の外周部に対向して設けられている第2流路孔57の近傍では、流体の圧力変動がほとんどなくなる。したがって、第2流路孔57をポンプ室55の平面方向の外周部に連通させておけば、第2流路孔57に弁などを設けなくても、第2流路孔57を介した圧力損失が生じることがなくなる。したがって、第2流路孔57を任意の形状やサイズとすることができ、流体の流量などを稼ぐことなどが可能になる。
《第2実施例》
以下、前述の第6の実施形態で示した模式構成に対応する本発明の第2実施例を詳細に説明する。
図11は、本発明の実施例に係る流体制御装置60の断面図である。
流体制御装置60は、前述のように、筐体61と振動部62と弁体63A,63Bと制御部64とを備えている。
筐体61は、ポンプ室65と流路孔66A,66Bとを構成している。筐体61は、器状に構成されており、内側にポンプ室65が設けられ、天面の一部に流路孔66A,66Bが設けられている。
振動部62は、筐体61の底面側に貼り付けられている。振動部62は、ダイヤフラム68と圧電素子69とを備えている。圧電素子69は、印加される駆動電圧に応じて面内方向に伸縮する圧電性を有している。したがって、圧電素子69が伸縮すると、ダイヤフラム68には同心円状の屈曲振動が生じ、ダイヤフラム68の中央部が上下に屈曲するように振動することになる。そして、該流体制御装置60においては、ダイヤフラム68の振動が筐体61に伝わることによって、筐体61にも中央部が上下に屈曲するような振動が生じることになる。
弁体63Aは、筐体61の流路孔66Aの底面側の開口部に付設している。弁体63Bは、筐体61の流路孔66Bの天面側の開口部に付設している。弁体63A,63Bは、それぞれ金属板からなり、上下方向の振動が構造共振周波数f0となるようなバネ弾性を有している。
この構成においては、弁体63A,63Bをいずれも筐体61の天板に設けているが、流路孔66Aは天板の底面側に設け、流路孔66Bは天板の天面側に設けているので、弁体63Aと弁体63Bとで、流路孔66A,66Bを開放するタイミングと、流路孔66A,66Bを遮蔽するタイミングとを逆のタイミングにすることができる。
したがって、制御部64で、圧電素子69に印加する駆動電圧を、低周波数側周波数fまたは高周波数側周波数fに切り替えることにより、流体制御装置60において、流体が流れる方向を駆動周波数の切り替えによって制御することができる。
《第3実施例》
以下、前述の第3の実施形態で示した模式構成と第6の実施形態で示した模式構成とを複合した変形例に対応する本発明の第3実施例を詳細に説明する。
図12は、本発明の実施例に係る流体制御装置70の断面図である。
流体制御装置70は、筐体71と振動部72と弁体73A,73Bと制御部74とを備えている。
筐体71は、ポンプ室75と流路孔76Aとを構成している。筐体71は、器状に構成されており、内側にポンプ室75が設けられ、天面の一部に流路孔76Aが設けられている。
振動部72は、筐体71の底面側に貼り付けられている。振動部72は、ダイヤフラム78と圧電素子79とを備えている。ダイヤフラム78の底面側には圧電素子79が貼り付けられており、また、ダイヤフラム78において、圧電素子79を囲む外周側の領域には、流路孔76Bが設けられている。圧電素子79は、印加される駆動電圧に応じて面内方向に伸縮する圧電性を有している。したがって、圧電素子79が伸縮すると、ダイヤフラム78には同心円状の屈曲振動が生じ、ダイヤフラム78の中央部が上下に屈曲するように振動することになる。
弁体73Aは、筐体71の流路孔76Aの天面側の開口部に付設している。弁体73Bは、振動部72の流路孔76Bの天面側の開口部に付設している。弁体73A,73Bは、それぞれ金属板からなり、上下方向の振動が構造共振周波数f0となるようなバネ弾性を有している。
この構成においては、弁体73A,73Bをいずれも流路孔76,77の天面側に設けているが、流路孔76が設けられる筐体71の天板と、流路孔77が設けられるダイヤフラム78とでは、振動の方向が反対方向になるように振動が生じるので、弁体73Aと弁体73Bとで、流路孔76,77を開放するタイミングと、流路孔76,77を遮蔽するタイミングとを逆のタイミングにすることができる。
したがって、制御部74で、圧電素子79に印加する駆動電圧を、低周波数側周波数fまたは高周波数側周波数fに切り替えることにより、流体制御装置70において、流体を弁体73側から吐出する吐出方向の流れと、流体を弁体73側から吸入する吸入方向の流れとを駆動周波数の切り替えによって制御することができる。
≪第4実施例≫
以下、前述の第2実施例の更なる変形例に対応する本発明の第4実施例を詳細に説明する。
ここで示す流体制御装置60は、前述の構成と同様な構成であるが、制御部64において、低周波数側周波数fを振動部62の1次モードの構造共振周波数f1に合わせる。また、高周波数側周波数fを、振動部62の2次モードの構造共振周波数f2に合わせる。このために、振動部62や弁体63A,63Bの各部寸法および材質は、振動部62の1次モードの構造共振周波数f1が弁体63A,63Bの構造共振周波数f0に対してより低い周波数となり、振動部62の2次モードの構造共振周波数f2が弁体63A,63Bの構造共振周波数f0に対してより高い周波数となるように設定している。
このように、振動部62の1次モードの構造共振周波数f1や2次モードの構造共振周波数f2で、振動部62を振動させることにより、振動部62に生じる振動振幅を共振現象により最大化することができる。したがって、弁体63A,63Bに伝わる振動を大きくすることができ、弁体63A,63Bを確実に動作させることができる。また、ポンプ効率を向上させることもできる。
図13は、1次モードの構造共振周波数f1で動作している状態での、流体制御装置60の断面図である。また、図14は、2次モードの構造共振周波数f2で動作している状態での、流体制御装置60の断面図である。なお、ここでは主に筐体61を介して振動が伝わることにより、弁体63A,63Bが振動する場合を例に説明を行う。
振動部62を1次モードの構造共振周波数f1で振動させる場合(低周波数側周波数fで駆動する場合)には、図13(A)に示すように、振動部62の中央部が底面側に屈曲する際に、筐体61の天板の中央部が天面側に屈曲し、ポンプ室65の容積が最も増大する。また、図13(B)に示すように、振動部62の中央部が天面側に屈曲する際に、筐体61の天板の中央部が底面側に屈曲し、ポンプ室65の容積が最も減少する。
そして、図13(A)に示す状態では、筐体61の天板の底面側に設けられている弁体63Aには、上方に引き上げるような加振力が働く。ここでは、振動部62は低周波数側周波数fで駆動しているために、弁体63Aは加振力に対して位相の遅れが無く上方に変位する。したがって、弁体63Aが流路孔66Aに近づいて流路孔66Aを遮蔽する。一方、筐体61の天板の天面側に設けられている弁体63Bにも、上方に押し上げるような加振力が働く。ここでも、弁体63Bは加振力に対して位相の遅れが無く上方に変位する。したがって、弁体63Bは流路孔66Bから遠のいて流路孔66Bを開放する。これにより、ポンプ室65には流路孔66Bを介して外部の流体が吸入される。
また、図13(B)に示す状態では、筐体61の天板の底面側に設けられている弁体63Aに下方に押し下げるような加振力が働く。ここでも、弁体63Aは加振力に対して位相の遅れが無く下方に変位する。したがって、弁体63Aが流路孔66Aから遠のいて流路孔66Aを開放する。一方、筐体61の天板の天面側に設けられている弁体63Bにも下方に引き下げるような加振力が働く。ここでも、弁体63Bは加振力に対して位相の遅れが無く下方に変位する。したがって、弁体63Bは流路孔66Bに近づいて流路孔66Bを遮蔽する。これにより、ポンプ室65からは流路孔66Aを介して外部に流体が吐出される。
このため、流体制御装置60において、振動部62を低周波数側周波数fで駆動する場合には、振動部62が屈曲振動することで弁体63A,63Bの上記動作が繰り返され、弁体63B側から流体を吸入し、弁体63A側から流体を吐出する流れが定常的に生じるようになる。
また、振動部62を2次モードの構造共振周波数f2で振動させる場合(高周波数側周波数fで駆動する場合)には、図14(A)に示すように、振動部62の中央部が底面側に屈曲する際に、振動部62の中央部よりも外周側の領域が天面側に屈曲する。また、図14(B)に示すように、振動部62の中央部が天面側に屈曲する際に、振動部62の中央部よりも外周側の領域が底面側に屈曲する。このように、2次モードの振動では、ポンプ室55の中央部付近の領域と、振動部62の中央部よりも外周側の領域とが、互いに逆方向に屈曲する。振動部62の中央部の領域に比べると、振動部62の外周側の領域のほうがより面積が大きいため、ポンプ室65の全体の容積は、振動部62の中央部が底面側に屈曲する際に最も減少し、振動部62の中央部が天面側に屈曲する際に最も増加する傾向を持つ。ここで、筐体61の天板において流路孔66A,66Bは、振動部62の外周側の領域に対向するような位置に配置されている。
図14(A)に示す状態では、天板の外周側の領域が底面側に屈曲することにより、天板の外周側の領域の底面側に設けられている弁体63Aには、下方に押し下げるような加振力が働く。ここでは、振動部62は高周波数側周波数fで駆動しているために、弁体63Aは加振力に対して位相の遅れが生じて、加振力とは逆に上方に変位する。したがって、弁体63Aが流路孔66Aに近づいて流路孔66Aを遮蔽する。一方、天板の外周側領域の天面側に設けられている弁体63Bにも、下方に引き下げるような加振力が働く。ここでは、弁体63Bでも加振力に対して位相の遅れが生じて、加振力とは逆に上方に変位する。したがって、弁体63Bは流路孔66Bから遠のいて流路孔66Bを開放する。このような弁体63Aと弁体63Bとの開閉状態は、図13(A)の状態と同じであるが、振動部62の2次モードの振動時には1次モードの振動時とは逆に、ポンプ室65の中央部付近の領域が底面側に屈曲する状態のときにポンプ室65の全体の容積が最も減少する。このため、ポンプ室65からは流路孔66Bを介して外部に流体が吐出される。
また、図14(B)に示す状態では、天板の外周側の領域が天面側に屈曲することにより、天板の外周側の領域の底面側に設けられている弁体63Aには、上方に引き上げるような加振力が働く。ここでは、弁体63Aは加振力に対して位相の遅れが生じて、加振力とは逆に下方に変位する。したがって、弁体63Aが流路孔66Aから遠のいて流路孔66Aを開放する。一方、天板の外周側領域の天面側に設けられている弁体63Bにも、上方に押し上げるような加振力が働く。ここでは、弁体63Bでも加振力に対して位相の遅れが生じて、加振力とは逆に下方に変位する。したがって、弁体63Bは流路孔66Bに近づいて流路孔66Bを遮蔽する。このような弁体63Aと弁体63Bとの開閉状態は、図13(B)の状態と同じであるが、振動部62の2次モードの振動時には1次モードの振動時とは逆に、ポンプ室55の中央部付近の領域が天面側に屈曲する状態のときにポンプ室65の全体の容積が最も増加する。このため、ポンプ室65には流路孔66Aを介して外部から流体が吸入される。
このため、流体制御装置60において、振動部62を高周波数側周波数fで駆動する場合には、振動部62が屈曲振動することで弁体63A,63Bの上記動作が繰り返され、弁体63A側から流体を吸入し、弁体63B側から流体を吐出する流れが定常的に生じるようになる。
したがって、流体制御装置60においても、振動部62の駆動周波数を低周波数側周波数fまたは高周波数側周波数fに切り替えるように制御することにより、流れの方向を反転させることができる。
以上の各実施形態や各実施例に示したように、本発明は実施することができる。ただし、上記の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10,20,30,40,50,60…流体制御装置
11,21,31,41,51,61…筐体
12,22,32,42,52,62…振動部
13,23,33,43,53,63A,63B…弁体
14,24,34,44,54,64…制御部
15,25,35,45,55,65…ポンプ室
16,17,26,27,36,37,46,47,56,57,66A,66B…流路孔
18,28,38,48,58,68…ダイヤフラム
19,29,39,49,59,69…圧電素子

Claims (9)

  1. ポンプ室と前記ポンプ室に通じる流路とを構成する筐体と、
    振動することにより前記ポンプ室に内圧の変動を生じさせる振動部と、
    前記流路の開口部に近づいた位置と前記流路の開口部から遠のいた位置との間で弾性変位自在に支持される弁体と、
    前記振動部の駆動周波数を、前記弁体の構造共振周波数に対する低周波数側周波数と、前記弁体の構造共振周波数に対する高周波数側周波数と、のいずれかに切り替える制御部と、
    を備える流体制御装置。
  2. 前記流路は、前記ポンプ室を間に介して互いに通じる第1の流路と第2の流路とを含み、
    前記弁体は、前記第1の流路に付設された第1の弁体と前記第2の流路に付設された第2の弁体とを含む、請求項1に記載の流体制御装置。
  3. 前記弁体は、一方端側で固定されて他端側が揺動する金属板である、請求項1又は請求項2に記載の流体制御装置。
  4. 前記低周波数側周波数または前記高周波数側周波数は、前記振動部の構造共振周波数である、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の流体制御装置。
  5. 前記低周波数側周波数は、前記振動部の低次の構造共振周波数であり、
    前記高周波数側周波数は、前記振動部の高次の構造共振周波数である、請求項4に記載の流体制御装置。
  6. 前記ポンプ室は半径よりも高さの低い円筒形であり、
    前記弁体が付設される流路孔は、前記ポンプ室の中央付近に設けられている、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の流体制御装置。
  7. 前記低周波数側周波数または前記高周波数側周波数は、前記ポンプ室の音響共振周波数である、請求項6に記載の流体制御装置。
  8. 前記低周波数側周波数は、前記ポンプ室の低次の音響共振周波数であり、
    前記高周波数側周波数は、前記ポンプ室の高次の音響共振周波数である、請求項7に記載の流体制御装置。
  9. 前記振動部は、駆動電圧の印加により振動する圧電素子を備える、請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の流体制御装置。
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