JPWO2012124352A1 - 車両傾斜検知装置 - Google Patents
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Abstract
車両傾斜検知装置1において、受信部200が、第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202からの受信信号を交互に切り替えて直交検波器701へ出力する切り替え器601を備える。直交検波器701は、同一線路を用いて、切り替え器601からの2つの受信信号と発振器101からの発振信号とを直交検波する。
Description
この発明は、自動車などの車両の傾斜角度を自動的に検知するための車両傾斜検知装置に関するものである。特に、この車両傾斜検知装置は車両用ヘッドライトの光軸制御を自動で行うシステムにおいて適したものである。
従来技術に係る車両傾斜検知装置として、例えば、特許文献1に示す装置がある。超音波送信部は地面(路面)に向けて超音波を送信する。地面で反射した超音波を異なる位置で設置した超音波受信部で受信する。送信から受信までの時間を計測し、各信号受信部における受信時間差又は位相差を算出し、車両の傾斜角度を検知する。
また、従来技術に係る車両傾斜検知装置として、例えば、特許文献2に示す装置がある。電波送信部は電波を地面に向けて放射し、電波受信部は路面で反射した電波を2箇所の受信アンテナで受信する。演算部は受信した2信号の位相差を合成処理により算出し、車両の傾斜角度を検知する。
また、従来技術に係る車両傾斜検知装置として、例えば、特許文献3に示す装置がある。車両の前後方向に2個の超音波送受信センサが設置されている。超音波送信部は地面に向けて超音波を送信する。地面で反射した超音波を超音波受信部で受信し、送信から受信までの時間を計測する。超音波送受信センサの前後方向の設置間隔と超音波送受信センサ間の受信時間差又は位相差から2個の超音波送受信センサの高さ変位から車両の傾斜角度を検知する。車速センサで計測した車速から車両の走行状態及び停止状態を判定し、走行中に算出された傾斜角度を優先的に用いて平均処理した傾斜角度平均値を出力する。
また、従来技術に係る車両傾斜検知装置として、例えば、特許文献4に示す装置がある。電波送信部は電波を地面に向けて放射し、電波受信部は路面で反射した電波を2箇所の受信アンテナで受信する。それぞれの受信信号は送信信号とで直交検波してそれぞれのベースバンド信号となる。このそれぞれのベースバンド信号の振幅と位相に基づいて演算処理により位相差を導出し車両の傾斜角度を検知する。
特許文献1に記載の従来の車両傾斜検知装置は以上のように構成されているので、温度変化、風、及び騒音の影響を受け位相差が変化し、傾斜角度を精度良く検知できないという課題があった。
また、特許文献2に記載の従来の車両傾斜検知装置は以上のように構成されているので、異なる2つの受信アンテナで受信した2つの受信信号のレベルのバラツキの影響を受け算出した位相差が変化し、傾斜角度を精度良く検知できないという課題があった。
また、特許文献3に記載の従来の車両傾斜検知装置は以上のように構成されるので、車輪の空転や滑走による車速センサの計測誤差によって誤判定する可能性があり傾斜角度を精度良く検知できないという課題があった。さらに車速センサと車両傾斜検知装置との配線が必要となり省スペース化及び省配線化できないという課題があった。
また、走行及び停止しか判定できず、高速道路走行中における道路の繋ぎ目や、踏み切りなど、局所的に生じる路面の急激な凹凸の変化を検出できないので、平均値処理しても傾斜角度を精度よく検知できないという課題があった。
また、走行及び停止しか判定できず、高速道路走行中における道路の繋ぎ目や、踏み切りなど、局所的に生じる路面の急激な凹凸の変化を検出できないので、平均値処理しても傾斜角度を精度よく検知できないという課題があった。
また、特許文献4に記載の従来の車両傾斜検知装置は以上のように構成されるので、直交検波器ごとの振幅および位相などの特性のばらつきによる誤差が生じてしまい、2つのベースバンド信号に基づく位相差が正しく出力されないために、傾斜角度を精度よく検知できないという課題があった。
また、2箇所の受信アンテナに接続されるそれぞれの直交検波器の位相特性としてリニアリティ(直線性)特性が良くない場合、2つのベースバンド信号の位相値が正しく出力されないために位相差も正しいものとはならず、傾斜角度を精度よく検知できないという課題があった。
さらに、地面から反射した電波が、電波送信部を含む車体から再び放射(反射)され、再び路面から反射した電波を2箇所の受信アンテナで受信すると、2つのベースバンド信号に基づく位相差に1回反射及び2回反射又は複数の反射電波の位相差が含まれるので傾斜角度を精度よく検知できないという課題があった。
また、2箇所の受信アンテナに接続されるそれぞれの直交検波器の位相特性としてリニアリティ(直線性)特性が良くない場合、2つのベースバンド信号の位相値が正しく出力されないために位相差も正しいものとはならず、傾斜角度を精度よく検知できないという課題があった。
さらに、地面から反射した電波が、電波送信部を含む車体から再び放射(反射)され、再び路面から反射した電波を2箇所の受信アンテナで受信すると、2つのベースバンド信号に基づく位相差に1回反射及び2回反射又は複数の反射電波の位相差が含まれるので傾斜角度を精度よく検知できないという課題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、温度変化、風、及び騒音があっても傾斜角度を精度よく検知することができる車両傾斜検知装置を得ることを目的とする。
また、この発明は、受信信号レベルのばらつきがあっても傾斜角度を精度よく検知することができる車両傾斜検知装置を得ることを目的とする。
また、この発明は車速センサを用いることなく傾斜角度を精度よく検知することができる車両傾斜検知装置を得ることを目的とする。
また、この発明は、局所的に生じる路面の凹凸があっても傾斜角度を精度よく検知することができる車両傾斜検知装置を得ることを目的とする。
また、この発明は、直交検波器ごとの特性のばらつきにより生じる誤差を排除し、傾斜角度を精度よく検知することができる車両傾斜検知装置を得ることを目的とする。
また、この発明は、2箇所の受信アンテナに接続されるそれぞれの直交検波器の位相特性としてリニアリティ(直線性)特性が良くない場合でも、傾斜角度を精度よく検知することができる車両傾斜検知装置を得ることを目的とする。
さらに、この発明は、路面からの複数の反射電波があっても傾斜角度を精度よく検知することができる車両傾斜検知装置を得ることを目的とする。
この発明に係る車両傾斜検知装置は、車両に設置され、所定の周波数の発振信号を送信アンテナから電波にして放射する送信部と、地面で反射した電波を第1の受信アンテナで受信した第1の受信信号と、地面で反射した電波を第2の受信アンテナで受信した第2の受信信号とを交互に切り替えて1本の第1の線路に出力する切り替え部と、切り替え部から1本の第1の線路を通して送られてくる第1の受信信号又は第2の受信信号と発振信号とを直交検波して得た第1の振幅値及び第1の位相値と第2の振幅値及び第2の位相値とを交互に切り換えて1本の第2の線路に出力する直交検波部と、直交検波部から1本の第2の線路を通して送られてくる第1の振幅値及び第1の位相値と、第2の振幅値及び第2の位相値とに基づいて車両の地面に対する傾斜角度を算出する傾斜角度演算部とを備えたものである。
この発明に係る車両傾斜検知装置は、車両に設置され、所定の周波数の発振信号の位相を回転させた送信信号を送信アンテナから電波にして放射する送信部と、地面で反射した電波を第1の受信アンテナで受信した第1の受信信号と送信部から得る送信信号とを切り替えて出力する第1の切り替え部と、地面で反射した電波を第2の受信アンテナで受信した第2の受信信号と送信部から得る送信信号とを切り替えて出力する第2の切り替え部と、第1の切り替え部からの第1の受信信号と発振信号とを第1の直交検波部により直交検波して得た第1の振幅値と第1の位相値、及び第2の切り替え部からの第2の受信信号と発振信号とを第2の直交検波部により直交検波して得た第2の振幅値と第2の位相値を取り出すと共に、第1の切り替え部からの送信信号と発振信号とを当該第1の直交検波部により直交検波して得た第3の振幅値と第3の位相値、及び第2の切り替え部からの送信信号と発振信号とを当該第2の直交検波部により直交検波して得た第4の振幅値と第4の位相値を取り出す受信部と、第3の振幅値と第3の位相値から算出する第1の直交検波部の位相の回転リニアリティ特性、及び第4の振幅値と第4の位相値から算出する第2の直交検波部の位相の回転リニアリティ特性を参照し、第1の振幅値及び第1の位相値と第2の振幅値及び第2の位相値とに基づいて車両の地面に対する傾斜角度を算出する傾斜角度演算部とを備えたものである。
この発明に係る車両傾斜検知装置は、車両に設置され、所定の周波数の発振信号をパルス変調して送信アンテナから電波にして放射する送信部と、地面で反射した電波を第1の受信アンテナで受信した第1のパルス受信信号と発振信号とを第1の直交検波部により直交検波して得た第1の振幅値と第1の位相値、及び地面で反射した電波を第2の受信アンテナで受信した第2のパルス受信信号と発振信号とを第2の直交検波部により直交検波して得た第2の振幅値と第2の位相値を取り出す受信部と、第1の振幅値及び第1の位相値をサンプリングして得た値と、第2の振幅値及び第2の位相値をサンプリングして得た値とに基づいて車両の地面に対する傾斜角度を算出する傾斜角度演算部とを備えたものである。
この発明によれば、車両の傾斜によって変化する電波伝搬距離の偏位を位相の変化として高精度に検出し精度よく車両傾斜角度を算出できるという効果がある。また、温度変化又は風があっても影響を受けず精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。また、エンジン等の騒音の影響を受けずに精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。さらに、受信信号レベル差が変動しても、直交検波により求まるIQ信号の位相から傾斜角度を算出するので精度よく傾斜角度を測定できるという効果が得られる。
また、2つの受信アンテナからの受信信号を交互に切り替えて、単一の直交検波器を用いて発振信号と受信信号を直交検波するようにしたので、直交検波器ごとの振幅および位相等の特性のばらつきによる誤差を排除することが可能となり、精度よく傾斜角度を求めることができる。
また、自己校正機能として、発振器からの発振信号の位相を回転させた送信信号を受信信号相当として直接直交検波部に入力し、このときの直交検波により求まるIQ信号の位相特性を取得するようにしたので、直交検波部の位相の回転リニアリティ特性が良くなくても補正することが可能となり、精度よく傾斜角度を求めることができる。
さらに、送信信号をパルス変調し、2つの受信アンテナからパルス変調されたそれぞれの受信信号を直交検波して求まるパルス変調されたそれぞれのIQ信号に対して、時系列的にサンプリングするようにしたので、時間軸上で地面からの1回反射によるIQ信号の位相値と複数反射によるIQ信号の位相値とを分離することが可能となり、1回反射成分の位相値から位相差を演算処理することによって精度よく傾斜角度を求めることができる。
以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による車両傾斜検知装置1の構成を示すブロック図である。車両の傾斜角度を検出する車両傾斜検知装置1は送信部100と受信部200と傾斜角度演算部300とを備えている。送信部100は、発振器101と増幅器102と送信アンテナ103とを備えている。受信部200は、第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202と第1の増幅器203と第2の増幅器204と切り替え器601と直交検波器701とを備えている。傾斜角度演算部300は、振幅位相演算器301と傾斜角演算器302を備えている。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による車両傾斜検知装置1の構成を示すブロック図である。車両の傾斜角度を検出する車両傾斜検知装置1は送信部100と受信部200と傾斜角度演算部300とを備えている。送信部100は、発振器101と増幅器102と送信アンテナ103とを備えている。受信部200は、第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202と第1の増幅器203と第2の増幅器204と切り替え器601と直交検波器701とを備えている。傾斜角度演算部300は、振幅位相演算器301と傾斜角演算器302を備えている。
なお、送信アンテナ103と第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202とは直線上に設置する、三角形の各頂点に設置するなどいかなる配置をしてもよい。また、送信アンテナ103と第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202は同一の高さになるように設置する、異なる高さになるよう設置するなどいかなる設置をしてもよい。さらに、送信アンテナ103と第1の受信アンテナ201の間隔Aと、送信アンテナ103と第2の受信アンテナ202の間隔Bの関係について、間隔Aと間隔Bとが等間隔でも等間隔でなくてもどちらでもよい。
次に動作について説明する。送信部100は増幅器102を介して発振器101から所定の周波数と振幅と位相とを持った送信信号を送信アンテナ103に入力する。送信アンテナ103に入力された送信信号は電波として放射される。周波数帯としては、24GHz帯域及び24GHzから29GHzの帯域の送信信号がある。例えば、電波法令に認許された周波数帯への適応として、特定小電力無線局の24GHz帯(24.05〜24.25GHz)を用いたり、超広域帯レーダの26GHz帯(24.25GHz〜29.0GHz)を用いたりすればよい。
受信部200は、電波を第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202とでそれぞれ受信し、第1の受信信号と第2の受信信号とを得る。受信信号は第1及び第2の増幅器203,204を介して切り替え器601に入力され、交互に切り替えて直交検波器701へ出力される。直交検波器701は、第1の受信信号又は第2の受信信号のそれぞれの振幅値と位相値を算出して傾斜角度演算部300へ出力する。切り替え器601から直交検波器701までを同一線路にすることにより、切り替え器601から直交検波器701までの間において、第1の受信信号と第2の受信信号が通過する位相長を同一にする。また、単一の直交検波器を用いて直交検波することにより、直交検波器ごとの振幅および位相等の特性のばらつきによる誤差を排除する。
傾斜角度演算部300は、振幅値と位相値とから傾斜角度を算出する。
より具体的には、送信部100内の発振器101が、予め設定した周波数と振幅と位相をもつ信号を送信信号として増幅器102へ出力する。増幅器102は送信信号を所定のレベルまで電力増幅し送信アンテナ103へ出力する。送信アンテナ103は送信信号を電波として空間へ放射する。送信アンテナ103は指向性アンテナ、アレイアンテナ、ホーンアンテナ、パッチアンテナ等いかなるアンテナを用いてもよい。また、放射する電波は、垂直偏波、水平偏波、円偏波等いかなる電波を放射してもよい。
放射された電波は地面で反射し受信手段200内の異なる位置に設置された第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202でそれぞれ受信され、第1の受信信号と第2の受信信号として出力される。受信アンテナは指向性アンテナ、アレイアンテナ、ホーンアンテナ、パッチアンテナ等いかなるアンテナを用いてもよい。
第1の受信アンテナ201内の第1の増幅器203は、第1の受信信号を所定のレベルまで電力増幅し切り替え器601を介して直交検波器701へ出力する。第2の増幅器204は第2の受信信号を切り替え器601を介して直交検波器701へ出力する。直交検波器701は、発振器101からの発振信号を基準信号として第1の受信信号又は第2の受信信号を直交検波(IQ検波)し、IQ信号を振幅位相演算器301へ出力する。
IQ信号は基準信号の0度成分によって得られるI信号と90度成分によって得られるQ信号の2信号で構成される。I信号とQ信号の逆正接は第1の受信信号と第2の受信信号の位相差に相当する。I信号とQ信号の二乗和の平方根は第1の受信信号と第2の受信信号の振幅の積に相当する。
傾斜角度演算部300内の振幅位相演算器301は、交互に得られた第1の受信信号のIQ信号(第1のIQ信号)と第2の受信信号のIQ信号(第2のIQ信号)とから両受信信号の位相差を導出し、傾斜角度演算器302へ出力する。傾斜角度演算器302は第1のIQ信号と第2のIQ信号の位相差から車両の傾斜角度を算出し出力する。
傾斜角度演算部300内の振幅位相演算器301は、交互に得られた第1の受信信号のIQ信号(第1のIQ信号)と第2の受信信号のIQ信号(第2のIQ信号)とから両受信信号の位相差を導出し、傾斜角度演算器302へ出力する。傾斜角度演算器302は第1のIQ信号と第2のIQ信号の位相差から車両の傾斜角度を算出し出力する。
図2は、実施の形態1による電波の伝播経路を説明する説明図である。より具体的には、送信アンテナ103から放射された電波が路面で反射し第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202へ伝播する経路を示した説明図である。送信アンテナ103と第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202は、同一平面上かつ送信アンテナ103を中心として車両に等間隔に直線配置されている。送信アンテナ103から第1の受信アンテナ201までの伝播経路401の経路長をL1、送信アンテナ103から第2の受信アンテナ202までの伝播経路の経路長をL2とおくと、車両と路面が平行のときの経路長L1,L2は等しくなる。これに対して、車両が路面に対して傾斜すると経路長L1,L2はそれぞれ変化し、経路差が生じる。
経路差(L1−L2)と波長λとIQ信号から算出した位相差φには以下の関係式が成り立つ。
φ=2π×(L1―L2)/λ (1)
φ=2π×(L1―L2)/λ (1)
図3は、実施の形態1による傾斜角度と位相差の関係を説明する図である。横軸を車両の路面に対する傾斜角度、縦軸を位相差とおくと、傾斜角度と位相差には一対一の関係があり、位相差から傾斜角度を算出することができる。
また、図4は複数の周波数に対して振幅位相演算器301でIQ信号から算出される位相差の関係を説明する図である。横軸を周波数とし、縦軸を位相差とする。周波数が高くなると波長が短くなり上式(1)中の波長λが小さくなる。そのため、経路長が一定でも周波数が高くなると位相差は大きくなり、周波数と位相差には図4中の直線に示した関係が成り立つ。
そこで、任意の周波数を選択して送信する場合又は周波数を時分割で送信する場合には、振幅位相演算器301でIQ信号から周波数毎に得た各位相差を、傾斜角度演算器302がこれら各位相差のプロット点から直線近似を行い、図4に示した直線を線形近似により導出する。傾斜角度演算器302はこの近似直線から所定の周波数における位相差を算出し、算出した位相差から傾斜角度を算出する。算出した位相差と傾斜角度の関係は図3で説明したものと同じ関係がある。
以上のように、車両傾斜検知装置1は車両の傾斜によって変化する電波伝搬経路の偏位を位相差の偏位として高精度に検出し精度よく車両傾斜角度を算出できるという効果がある。また、温度又は風があっても影響を受けず精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。さらに、エンジン等の騒音の影響を受けずに精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。また、受信信号レベルが変動しても、IQ信号の位相から傾斜角度を算出するので精度よく傾斜角度を測定できるという効果がある。また、切り替え器601から直交検波器701までを同一線路とするので、切り替え器601から直交検波器701までの間において、第1の受信信号と第2の受信信号が通過する位相長が同一となり、傾斜角度を精度よく検知することができるという効果が得られる。また、単一の直交検波器を用いて直交検波することにより、直交検波器ごとの振幅および位相等の特性のばらつきによる誤差を排除することが可能となり、傾斜角度を精度よく検知することができるという効果が得られる。
実施の形態2.
図5はこの発明の実施の形態2による車両傾斜検知装置1の構成を示すブロック図である。車両傾斜検知装置1は送信部100と受信部200と傾斜角度演算部300とを備えている。送信部100は、発振器101と移相器501と利得制御器502と送信用切り替え器602と増幅器102と送信アンテナ103とを備えている。受信部200は、第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202と第1の増幅器203と第2の増幅器204と第1の切り替え器603と第2の切り替え器604と第1の直交検波器701と第2の直交検波器702とを備えている。傾斜角度演算部300は振幅位相演算器301と傾斜角度演算器302を備えている。
なお、図5において、他の図と同一の符号を付したものは、同一又はこれに相当するものであり、このことは他の実施の形態においても共通することである。また、明細書全文に表れている構成要素の形容は、あくまで例示であってこれらの記載に限定されるものではない。
図5はこの発明の実施の形態2による車両傾斜検知装置1の構成を示すブロック図である。車両傾斜検知装置1は送信部100と受信部200と傾斜角度演算部300とを備えている。送信部100は、発振器101と移相器501と利得制御器502と送信用切り替え器602と増幅器102と送信アンテナ103とを備えている。受信部200は、第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202と第1の増幅器203と第2の増幅器204と第1の切り替え器603と第2の切り替え器604と第1の直交検波器701と第2の直交検波器702とを備えている。傾斜角度演算部300は振幅位相演算器301と傾斜角度演算器302を備えている。
なお、図5において、他の図と同一の符号を付したものは、同一又はこれに相当するものであり、このことは他の実施の形態においても共通することである。また、明細書全文に表れている構成要素の形容は、あくまで例示であってこれらの記載に限定されるものではない。
次に動作について説明する。送信部100において、発振器101から出力された所定の周波数と振幅と位相とを持つ発振信号は、移相器501により位相を回転させた送信信号にされる。位相の回転方法はアナログ的でもディジタル的でも良く、一周期分(360°)を回転させる。利得制御器502は位相の回転した送信信号を所定のレベルに設定し、送信用切り替え器602及び増幅器102を介して送信アンテナ103へ出力する。送信アンテナ103に入力された送信信号は電波として放射される。
第1の受信アンテナ201は送信部100から放射された電波を受信し、第1の受信信号として出力する。第1の増幅器203は第1の受信信号を所定のレベルまで電力増幅し、第1の切り替え器603を介して第1の直交検波器701へ出力する。第1の直交検波器701は送信部100内の発振器101からの発振信号と第1の受信信号とを直交検波(IQ検波)し、第1のIQ信号を傾斜角度演算部300へ出力する。
同様に、第2の受信アンテナ202は送信部100から放射された電波を受信し、第2の受信信号として出力する。第2の増幅器204は第2の受信信号を所定のレベルまで電力増幅し、第2の切り替え器604を介して第2の直交検波器702へ出力する。第2の直交検波器702は送信部100内の発振器101からの発振信号と第2の受信信号とを直交検波(IQ検波)し、第2のIQ信号を傾斜角度演算部300へ出力する。
また、前述とは別の動作として、送信用切り替え器602では、位相を回転させた送信信号を第1の切り替え器603及び第2の切り替え器604を介して、それぞれ第1の直交検波器701及び第2の直交検波器702へ入力し、それぞれ第3のIQ信号及び第4のIQ信号を傾斜角度演算部300へ出力する。
傾斜角度演算部300内の振幅位相演算器301は、第3のIQ信号及び第4のIQ信号により第1の直交検波器701及び第2の直交検波器702のそれぞれの位相の回転リニアリティ特性を取得し、正規の位相回転特性へ補正する自己校正データを用意する。この自己校正データを参照して、第1のIQ信号及び第2のIQ信号のそれぞれの振幅及び位相から位相差を導出する。傾斜角度演算器302は、この位相差から傾斜角度を算出する。傾斜角度の算出には、位相を回転させた送信信号の位相状態ごとに得られる位相差の1周期分の平均値を用いることができる。また、位相を回転させた送信信号の位相状態ごとに得られる位相差のうち、所定の位相状態における位相差を用いるようにしてもよい。
図6は、第1及び第2の直交検波器701,702それぞれの位相の回転リニアリティ特性(補正前)と正規の位相回転特性(補正後)の一例を示すI/Qコンスタレーションである。図6中の実線1101で示す直交検波器の位相の回転リニアリティ特性がよくない場合でも、破線1102で示す正規の位相回転特性へ補正することにより、精度良く傾斜角度を算出することができる。
以上のように、車両傾斜検知装置1は車両の傾斜によって変化する電波伝搬経路の偏位を位相差の偏位として高精度に検出し精度よく車両傾斜角度を算出できるという効果がある。また、温度又は風があっても影響を受けず精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。さらに、エンジン等の騒音の影響を受けずに精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。また、受信信号レベルが変動しても、IQ信号の位相から傾斜角度を算出するので精度よく傾斜角度を測定できるという効果がある。また、直交検波器の位相の回転リニアリティ特性が良くなくても自己校正データを参照して補正することが可能となり、精度よく傾斜角度を求めることができるという効果がある。
実施の形態3.
図7はこの発明の実施の形態3による車両傾斜検知装置1の構成を示すブロック図である。この車両傾斜検知装置1は、上記実施の形態1(図1に示す)と上記実施の形態2(図5に示す)を組み合わせた構成であり、送信部100と受信部200と傾斜角度演算部300とを備えている。送信部100は、発振器101と移相器501と利得制御器502と送信用切り替え器602と増幅器102と送信アンテナ103とを備えている。受信部200は、第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202と第1の増幅器203と第2の増幅器204と第1の切り替え器601と第2の切り替え器603と直交検波器701とを備えている。傾斜角度演算部300は振幅位相演算器301と傾斜角度演算器302を備えている。
図7はこの発明の実施の形態3による車両傾斜検知装置1の構成を示すブロック図である。この車両傾斜検知装置1は、上記実施の形態1(図1に示す)と上記実施の形態2(図5に示す)を組み合わせた構成であり、送信部100と受信部200と傾斜角度演算部300とを備えている。送信部100は、発振器101と移相器501と利得制御器502と送信用切り替え器602と増幅器102と送信アンテナ103とを備えている。受信部200は、第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202と第1の増幅器203と第2の増幅器204と第1の切り替え器601と第2の切り替え器603と直交検波器701とを備えている。傾斜角度演算部300は振幅位相演算器301と傾斜角度演算器302を備えている。
次に動作について説明する。送信部100において、発振器101から出力された所定の周波数と振幅と位相とを持つ発振信号は、移相器501により位相を回転させた送信信号にされる。位相の回転方法はアナログ的でもディジタル的でも良く、一周期分(360°)を回転させる。利得制御器502は位相の回転した送信信号を所定のレベルに設定し、送信用切り替え器602及び増幅器102を介して送信アンテナ103へ出力する。送信アンテナ103に入力された送信信号は電波として放射される。
受信部200は、電波を第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202とでそれぞれ受信し第1の受信信号と第2の受信信号とを得る。受信信号は第1及び第2の増幅器203,204を介して第1の切り替え器601に入力され、交互に切り替えて第2の切り替え器603を介して直交検波器701へ入力される。直交検波器701は第1の受信信号又は第2の受信信号のそれぞれの振幅値と位相値(第1のIQ信号又は第2のIQ信号)を算出して傾斜角度演算部300へ出力する。
また、前述とは別の動作として、第1の切り替え器601では、位相を回転させた送信信号を第2の切り替え器603を介して、直交検波器701へ入力し、第3のIQ信号を傾斜角度演算部300へ出力する。
傾斜角度演算部300内の振幅位相演算器301は、第3のIQ信号により直交検波器701の位相の回転リニアリティ特性を取得し、正規の位相回転特性へ補正する自己校正データを用意する。この自己校正データを参照して、第1のIQ信号及び第2のIQ信号のそれぞれの振幅値及び位相値から位相差を導出する。傾斜角度演算器302は、この位相差から傾斜角度を算出する。傾斜角度の算出には、位相を回転させた送信信号の位相状態ごとに得られる位相差の1周期分の平均値を用いることができる。また、位相を回転させた送信信号の位相状態ごとに得られる位相差のうち、所定の位相状態における位相差を用いるようにしてもよい。
以上のように、車両傾斜検知装置1は車両の傾斜によって変化する電波伝搬経路の偏位を位相差の偏位として高精度に検出し精度よく車両傾斜角度を算出できるという効果がある。また、温度又は風があっても影響を受けず精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。さらに、エンジン等の騒音の影響を受けずに精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。また、受信信号レベルが変動しても、IQ信号の位相から傾斜角度を算出するので精度よく傾斜角度を測定できるという効果がある。また、切り替え器601から直交検波器701までを同一線路とするので、切り替え器601から直交検波器701までの間において、第1の受信信号と第2の受信信号が通過する位相長が同一となり、傾斜角度を精度よく検知することができるという効果が得られる。また、単一の直交検波器を用いて直交検波することにより、直交検波器ごとの振幅および位相等の特性のばらつきによる誤差を排除することが可能となり、傾斜角度を精度よく検知することができるという効果が得られる。また、直交検波器の位相の回転リニアリティ特性が良くなくても自己校正データを参照して補正することが可能となり、精度よく傾斜角度を求めることができるという効果がある。
実施の形態4.
図8はこの発明の実施の形態4による車両傾斜検知装置1の構成を示すブロック図である。車両傾斜検知装置1は送信部100と受信部200と傾斜角度演算部300とを備えている。送信部100は、符号信号発生器801と変調器802と発振器101と増幅器102と送信アンテナ103とを備えている。受信部200は、第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202と第1の増幅器203と第2の増幅器204と切り替え器601と直交検波器701と相関演算器803とを備えている。傾斜角度演算部300は振幅位相演算器301と傾斜角度演算器302を備えている。
図8はこの発明の実施の形態4による車両傾斜検知装置1の構成を示すブロック図である。車両傾斜検知装置1は送信部100と受信部200と傾斜角度演算部300とを備えている。送信部100は、符号信号発生器801と変調器802と発振器101と増幅器102と送信アンテナ103とを備えている。受信部200は、第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202と第1の増幅器203と第2の増幅器204と切り替え器601と直交検波器701と相関演算器803とを備えている。傾斜角度演算部300は振幅位相演算器301と傾斜角度演算器302を備えている。
次に動作について説明する。送信部100内の変調器802は、発振器101の出力する所定の周波数の発振信号を、符号信号発生器801の出力する所定の符号又はIDによる符号信号で変調し、増幅器102を介して送信アンテナ103へ出力する。符号信号で変調された発振信号は送信アンテナ103から電波として放射される。送信アンテナ103は指向性アンテナ、アレイアンテナ、ホーンアンテナ、パッチアンテナ等いかなるアンテナを用いてもよい。また、放射する電波は、垂直偏波、水平偏波、円偏波等いかなる電波を放射してもよい。
符号信号発生器801は、予め設定した符号又はIDの情報を符号信号として出力する。この符号はM系列、GOLD系列、直交系列等の符号の組み合わせで構成する。符号信号発生器801が生成する符号信号は、送信部100内の変調器802と受信部200内の相関演算器803に入力される。
発振器101は、予め設定した周波数を生成して発振信号として変調器802と受信部200内の直交検波器701へ出力する。変調器802は発振信号を搬送波として符号信号でBPSK(Binary Phase Shift Keying)変調して増幅器102に変調信号として出力する。増幅器102は変調信号を所定のレベルまで電力増幅し送信アンテナ103へ出力する。送信アンテナ103は電波として空間へ放射する。
受信部200は、放射された電波を第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202とでそれぞれ受信し第1の受信信号と第2の受信信号とを得る。受信信号は第1及び第2の増幅器203,204にて所定のレベルまで電力増幅され、切り替え器601に入力され、交互に切り替えて直交検波器701へ出力される。直交検波器701は第1の受信信号又は第2の受信信号と発振器101からの発振信号とで直交検波(IQ検波)された第1のベースバンド信号のIQ信号又は第2のベースバンド信号のIQ信号(第1のIQ信号又は第2のIQ信号)を算出し、相関演算器803へ出力する。相関演算器803は、第1のIQ信号又は第2のIQ信号と符号信号発生器801からの符号信号とで相関演算を行って、第1の相関値の振幅と位相、又は第2の相関値の振幅と位相を得て、傾斜角度演算部300へ出力する。
より具体的には、相関演算器803は、符号信号発生器801により生成された符号信号と直交検波器701が算出した第1のIQ信号又は第2のIQ信号との相関演算を行う。相関演算は符号信号一周期分の相関を演算し、I成分に対応する相関値IとQ成分に対応する相関値Qを計算する。相関値Iと相関値Qの二乗和の平方根は受信信号の振幅に相当し、相関値Iと相関値Qの逆正接は第1の受信信号の位相に相当する。相関演算器803は、演算したこの第1の相関値の振幅と位相、又は第2の相関値の振幅と位相を振幅位相演算器301に出力する。
傾斜角度演算部300内の振幅位相演算器301は、第1の相関値の振幅と位相、又は第2の相関値の振幅と位相を交互に得て位相差を算出し、傾斜角度演算器302にてこの位相差から傾斜角度を算出する。第1の相関値の位相及び第2の相関値の位相の位相差と傾斜角度とには上記実施の形態1における図3と同様の一対一の関係があり、傾斜角度が算出できる。
また、受信部200内の相関演算器803が第1のIQ信号と第2のIQ信号を用いて相関演算を行って相関値の振幅と位相を算出し、傾斜角度演算部300内の傾斜角度演算器302が相関値から傾斜角度を算出してもよい。このとき、算出された振幅と位相は、第1の相関値の振幅と第2の相関値の振幅の積、第1の相関値の位相と第2の相関値の位相の位相差に相当する。
以上のように、車両傾斜検知装置1は車両の傾斜によって変化する電波伝搬距離の偏位を位相の偏位として高精度に検出し精度よく車両傾斜角度を算出できるという効果がある。また、温度又は風があっても影響を受けず精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。さらに、エンジン等の騒音の影響を受けずに精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。また、受信信号レベルが変動しても、相関値の位相差から傾斜角度を算出するので精度よく傾斜角度を測定できるという効果がある。また、切り替え器601から直交検波器701までを同一線路とするので、切り替え器601から直交検波器701までの間において、第1の受信信号と第2の受信信号が通過する位相長が同一となり、傾斜角度を精度よく検知することができるという効果が得られる。また、単一の直交検波器を用いて直交検波することにより、直交検波器ごとの振幅および位相等の特性のばらつきによる誤差を排除することが可能となり、傾斜角度を精度よく検知することができるという効果が得られる。さらに、送信信号を符号変調しているので、車両用レーダ装置から放射された電波、他の装置から放射された電波など同一周波数をもつ電波を受信アンテナで受信しても位相干渉による誤差を抑圧できるので、精度良く傾斜角度を測定できるという効果が得られる。
実施の形態5.
図9はこの発明の実施の形態5による車両傾斜検知装置1の構成を示すブロック図である。車両傾斜検知装置1は送信部100と受信部200と傾斜角度演算部300とを備えている。送信部100は、符号信号発生器801と変調器802と発振器101と移相器501と利得制御器502と送信用切り替え器602と増幅器102と送信アンテナ103とを備えている。受信部200は、第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202と第1の増幅器203と第2の増幅器204と第1の切り替え器603と第2の切り替え器604と第1の直交検波器701と第2の直交検波器702と第1の相関演算器803と第2の相関演算器804とを備えている。傾斜角度演算部300は振幅位相演算器301と傾斜角度演算器302を備えている。
図9はこの発明の実施の形態5による車両傾斜検知装置1の構成を示すブロック図である。車両傾斜検知装置1は送信部100と受信部200と傾斜角度演算部300とを備えている。送信部100は、符号信号発生器801と変調器802と発振器101と移相器501と利得制御器502と送信用切り替え器602と増幅器102と送信アンテナ103とを備えている。受信部200は、第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202と第1の増幅器203と第2の増幅器204と第1の切り替え器603と第2の切り替え器604と第1の直交検波器701と第2の直交検波器702と第1の相関演算器803と第2の相関演算器804とを備えている。傾斜角度演算部300は振幅位相演算器301と傾斜角度演算器302を備えている。
次に動作について説明する。送信部100では、発振器101の出力する所定の周波数の発振信号を移相器501にて位相を回転させた送信信号にし、利得制御器502にて所定のレベルに設定し、送信用切り替え器602を介して、変調器802に出力する。この送信信号を、変調器802にて符号信号発生器801の出力する所定の符号又はIDによる符号信号で変調し、増幅器102を介して送信アンテナ103へ出力する。移相器501による位相の回転方法はアナログ的でもディジタル的でも良く、一周期分(360°)を回転させる。符号変調された送信信号は送信アンテナ103から電波として放射される。
第1の受信アンテナ201は送信部100から放射された電波を受信し、第1の受信信号として出力する。第1の増幅器203は第1の受信信号を所定のレベルまで電力増幅し、第1の切り替え器603を介して第1の直交検波器701へ出力する。第1の直交検波器701は送信部100内の発振器101からの発振信号と第1の受信信号とを直交検波(IQ検波)し、第1のベースバンド信号のIQ信号(第1のIQ信号)を第1の相関演算器803へ出力する。第1の相関演算器803は、第1のIQ信号を符号信号発生器801からの符号信号と相関演算し、第1の相関値の振幅及び位相を傾斜角度演算部300へ出力する。
同様に、第2の受信アンテナ202は送信部100から放射された電波を受信し、第2の受信信号として出力する。第2の増幅器204は第2の受信信号を所定のレベルまで電力増幅し、第2の切り替え器604を介して第2の直交検波器702へ出力する。第2の直交検波器702は送信部100内の発振器101からの発振信号と第2の受信信号とを直交検波(IQ検波)し、第2のベースバンド信号のIQ信号(第2のIQ信号)を第2の相関演算器804へ出力する。第2の相関演算器804は、第2のIQ信号を符号信号発生器801からの符号信号と相関演算し、第2の相関値の振幅及び位相を傾斜角度演算部300へ出力する。
また、前述とは別の動作として、送信用切り替え器602では、位相を回転させた送信信号を第1の切り替え器603及び第2の切り替え器604を介して、それぞれ第1の直交検波器701及び第2の直交検波器702へ入力し、送信部100内の発振器101からの発振信号とで直交検波(IQ検波)し、それぞれ第3のベースバンド信号のIQ信号(第3のIQ信号)及び第4のベースバンド信号のIQ信号(第4のIQ信号)を、それぞれ第1の相関演算器803及び第2の相関演算器804へ入力する。
なお、第1及び第2の相関演算器803,804は、第3のIQ信号及び第4のIQ信号については符号信号発生器801からの符号信号との相関演算は行わず、第3のIQ信号及び第4のIQ信号をそれぞれ第3の相関値の振幅と位相及び第4の相関値の振幅と位相として傾斜角度演算部300へ出力する。
なお、第1及び第2の相関演算器803,804は、第3のIQ信号及び第4のIQ信号については符号信号発生器801からの符号信号との相関演算は行わず、第3のIQ信号及び第4のIQ信号をそれぞれ第3の相関値の振幅と位相及び第4の相関値の振幅と位相として傾斜角度演算部300へ出力する。
傾斜角度演算部300内の振幅位相演算器301は、第3の相関値の振幅と位相及び第4の相関値の振幅と位相により第1の直交検波器701及び第2の直交検波器702それぞれの位相の回転リニアリティ特性を取得し、正規の位相回転特性へ補正する自己校正データを用意する。この自己校正データを参照して、第1の相関値の振幅と位相及び第2の相関値の振幅と位相から位相差を導出する。傾斜角度演算器302は、この位相差から傾斜角度を算出する。傾斜角度の算出には、位相を回転させた送信信号の位相状態ごとに得られる位相差の1周期分の平均値を用いることができる。また、位相を回転させた送信信号の位相状態ごとに得られる位相差のうち、所定の位相状態における位相差を用いるようにしてもよい。なお、第1及び第2の直交検波器701,702の位相の回転リニアリティ特性と振幅位相演算器301の正規の位相回転特性への補正については、上記実施の形態2における図6と同じである。
また、受信部200内の第1の相関演算器803(又は第2の相関演算器804でもよい)は、第1のIQ信号と第2のIQ信号を用いて相関演算を行って相関値の振幅と位相を算出し、傾斜角度演算部300内の傾斜角度演算器302が相関値から傾斜角度を算出してもよい。このとき、算出された振幅と位相は、第1の相関値の振幅と第2の相関値の振幅の積、第1の相関値の位相と第2の相関値の位相の位相差に相当する。
以上のように、車両傾斜検知装置1は車両の傾斜によって変化する電波伝搬距離の偏位を位相の偏位として高精度に検出し精度よく車両傾斜角度を算出できるという効果がある。また、温度又は風があっても影響を受けず精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。さらに、エンジン等の騒音の影響を受けずに精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。また、受信信号レベルが変動しても、相関値の位相差から傾斜角度を算出するので精度よく傾斜角度を測定できるという効果がある。また、直交検波器の位相の回転リニアリティ特性が良くなくても自己校正データを参照して補正することが可能となり、精度よく傾斜角度を求めることができるという効果がある。さらに、送信信号を符号変調しているので、車両用レーダ装置から放射された電波、他の装置から放射された電波など同一周波数をもつ電波を受信アンテナで受信しても位相干渉による誤差を抑圧できるので、精度良く傾斜角度を測定できるという効果が得られる。
実施の形態6.
図10はこの発明の実施の形態6による車両傾斜検知装置1の構成を示すブロック図である。この車両傾斜検知装置1は、上記実施の形態4(図8に示す)と上記実施の形態5(図9に示す)を組み合わせた構成であり、送信部100と受信部200と傾斜角度演算部300とを備えている。送信部100は、符号信号発生器801と変調器802と発振器101と移相器501と利得制御器502と送信用切り替え器602と増幅器102と送信アンテナ103とを備えている。受信部200は、第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202と第1の増幅器203と第2の増幅器204と第1の切り替え器601と第2の切り替え器603と直交検波器701と相関演算器803とを備えている。
傾斜角度演算部300は振幅位相演算器301と傾斜角度演算器302を備えている。
図10はこの発明の実施の形態6による車両傾斜検知装置1の構成を示すブロック図である。この車両傾斜検知装置1は、上記実施の形態4(図8に示す)と上記実施の形態5(図9に示す)を組み合わせた構成であり、送信部100と受信部200と傾斜角度演算部300とを備えている。送信部100は、符号信号発生器801と変調器802と発振器101と移相器501と利得制御器502と送信用切り替え器602と増幅器102と送信アンテナ103とを備えている。受信部200は、第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202と第1の増幅器203と第2の増幅器204と第1の切り替え器601と第2の切り替え器603と直交検波器701と相関演算器803とを備えている。
傾斜角度演算部300は振幅位相演算器301と傾斜角度演算器302を備えている。
次に動作について説明する。送信部100では、発振器101の出力する所定の周波数の発振信号を移相器501にて位相を回転させた送信信号にし、利得制御器502にて所定のレベルに設定し、送信用切り替え器602を介して、変調器802に出力する。この送信信号を、変調器802にて符号信号発生器801の出力する所定の符号又はIDによる符号信号で変調し、増幅器102を介して送信アンテナ103へ出力する。移相器501による位相の回転方法はアナログ的でもディジタル的でも良く、一周期分(360°)を回転させる。符号変調された送信信号は送信アンテナ103から電波として放射される。
受信部200は、放射された電波を第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202とでそれぞれ受信し第1の受信信号と第2の受信信号とを得る。受信信号は第1及び第2の増幅器203,204にて所定のレベルまで電力増幅され、第1の切り替え器601に入力され、交互に切り替えて第2の切り替え器603を介して直交検波器701に入力される。直交検波器701は第1の受信信号又は第2の受信信号と発振器101からの発振信号とで直交検波(IQ検波)された第1のベースバンド信号のIQ信号又は第2のベースバンド信号のIQ信号(第1のIQ信号又は第2のIQ信号)を算出し、相関演算器803へ出力する。相関演算器803は、第1のIQ信号又は第2のIQ信号と符号信号発生器801からの符号信号とで相関演算を行って、第1の相関値の振幅と位相、又は第2の相関値の振幅と位相を得て、傾斜角度演算部300へ出力する。
また、前述とは別の動作として、送信用切り替え器602では、位相を回転させた送信信号を第2の切り替え器603を介して、直交検波器701へ入力し、送信部100内の発振器101からの発振信号と直交検波(IQ検波)し、第3のベースバンド信号のIQ信号(第3のIQ信号)を相関演算器803へ入力する。
なお、相関演算器803は、第3のIQ信号については符号信号発生器801からの符号信号との相関演算は行わず、第3のIQ信号を第3の相関値の振幅と位相として傾斜角度演算部300へ出力する。
なお、相関演算器803は、第3のIQ信号については符号信号発生器801からの符号信号との相関演算は行わず、第3のIQ信号を第3の相関値の振幅と位相として傾斜角度演算部300へ出力する。
傾斜角度演算部300内の振幅位相演算器301は、第3の相関値の振幅と位相により直交検波器701の位相の回転リニアリティ特性を取得し、正規の位相回転特性へ補正する自己校正データを用意する。この自己校正データを参照して、第1の相関値の振幅と位相、又は第2の相関値の振幅と位相から位相差を導出する。傾斜角度演算器302は、この位相差から傾斜角度を算出する。傾斜角度の算出には、位相を回転させた送信信号の位相状態ごとに得られる位相差の1周期分の平均値を用いることができる。また、位相を回転させた送信信号の位相状態ごとに得られる位相差のうち、所定の位相状態における位相差を用いるようにしてもよい。なお、直交検波器701の位相の回転リニアリティ特性と振幅位相演算器301の正規の位相回転特性への補正については、上記実施の形態2における図6と同じである。
また、受信部200内の相関演算器803は、第1のIQ信号と第2のIQ信号を用いて相関演算を行って相関値の振幅と位相を算出し、傾斜角度演算部300内の傾斜角度演算器302が相関値から傾斜角度を算出してもよい。このとき、算出された振幅と位相は、第1の相関値の振幅と第2の相関値の振幅の積、第1の相関値の位相と第2の相関値の位相の位相差に相当する。
以上のように、車両傾斜検知装置1は車両の傾斜によって変化する電波伝搬距離の偏位を位相の偏位として高精度に検出し精度よく車両傾斜角度を算出できるという効果がある。温度又は風があっても影響を受けず精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。さらに、エンジン等の騒音の影響を受けずに精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。また、受信信号レベルが変動しても、相関値の位相差から傾斜角度を算出するので精度よく傾斜角度を測定できるという効果がある。また、切り替え器601から直交検波器701までを同一線路とするので、切り替え器601から直交検波器701までの間において、第1の受信信号と第2の受信信号が通過する位相長が同一となり、傾斜角度を精度よく検知することができるという効果が得られる。また、単一の直交検波器を用いて直交検波することにより、直交検波器ごとの振幅および位相等の特性のばらつきによる誤差を排除することが可能となり、傾斜角度を精度よく検知することができるという効果が得られる。また、直交検波器の位相の回転リニアリティ特性が良くなくても自己校正データを参照して補正することが可能となり、精度よく傾斜角度を求めることができるという効果がある。さらに、送信信号を符号変調しているので、車両用レーダ装置から放射された電波、他の装置から放射された電波など同一周波数をもつ電波を受信アンテナで受信しても位相干渉による誤差を抑圧できるので、精度良く傾斜角度を測定できるという効果が得られる。
実施の形態7.
図11はこの発明の実施の形態7による車両傾斜検知装置1の構成を示すブロック図である。車両傾斜検知装置1は送信部100と受信部200と傾斜角度演算部300とを備えている。送信部100は、パルス信号発生器901と変調器802と発振器101と増幅器102と送信アンテナ103とを備えている。受信部200は、第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202と第1の増幅器203と第2の増幅器204と第1の直交検波器701と第2の直交検波器702とを備えている。傾斜角度演算部300は、サンプルユニット902と振幅位相演算器301と傾斜角度演算器302とを備えている。
図11はこの発明の実施の形態7による車両傾斜検知装置1の構成を示すブロック図である。車両傾斜検知装置1は送信部100と受信部200と傾斜角度演算部300とを備えている。送信部100は、パルス信号発生器901と変調器802と発振器101と増幅器102と送信アンテナ103とを備えている。受信部200は、第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202と第1の増幅器203と第2の増幅器204と第1の直交検波器701と第2の直交検波器702とを備えている。傾斜角度演算部300は、サンプルユニット902と振幅位相演算器301と傾斜角度演算器302とを備えている。
次に動作について説明する。送信部100内の変調器802は、発振器101の出力する所定の周波数の発振信号を、パルス信号発生器901の出力する連続したパルス信号でパルス変調しパルス送信信号として増幅器102を介して送信アンテナ103へ出力する。パルス送信信号は送信アンテナ103から電波として放射される。送信アンテナ103は指向性アンテナ、アレイアンテナ、ホーンアンテナ、パッチアンテナ等いかなるアンテナを用いてもよい。また、放射する電波は、垂直偏波、水平偏波、円偏波等いかなる電波を放射してもよい。
第1の受信アンテナ201は送信部100から放射された電波を受信し、第1のパルス受信信号として出力する。第1の増幅器203は第1のパルス受信信号を所定のレベルまで電力増幅し、第1の直交検波器701へ出力する。第1の直交検波器701は送信部100内の発振器101からの発振信号と第1のパルス受信信号とを直交検波(IQ検波)し、第1のパルスIQ信号を傾斜角度演算部300へ出力する。
同様に、第2の受信アンテナ202は送信部100から放射された電波を受信し、第2のパルス受信信号として出力する。第2の増幅器204は第2のパルス受信信号を所定のレベルまで電力増幅し、第2の直交検波器702へ出力する。第2の直交検波器702は送信部100内の発振器101からの発振信号と第2のパルス受信信号とを直交検波(IQ検波)し、第2のパルスIQ信号を傾斜角度演算部300へ出力する。
図12は、実施の形態7による電波の、車体と路面との間の複数反射を示す図である。
図12(a)に示すように、路面から反射した電波が、送信アンテナ103と第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202を含む車体から再び放射(反射)され、再び路面で反射して、第1の受信アンテナ201及び第2の受信アンテナ202で受信されるような場合、送信アンテナ103から第1の受信アンテナ201までの伝播経路の経路長が伝播経路401の経路長L1から伝播経路403の経路長L3となる。同様に、送信アンテナ103から第2の受信アンテナ202までの伝播経路の経路長が伝播経路402の経路長L2から伝播経路404の経路長L4となる。従って、図12(b)に示すように、第1のパルスIQ信号及び第2のパルスIQ信号には、1回反射した反射電波の振幅と位相、2回反射した電波の振幅と位相、3回反射した電波の振幅と位相というように、反射回数に応じた反射電波の振幅と位相とが時系列的に順次重複されていく。
図12(a)に示すように、路面から反射した電波が、送信アンテナ103と第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202を含む車体から再び放射(反射)され、再び路面で反射して、第1の受信アンテナ201及び第2の受信アンテナ202で受信されるような場合、送信アンテナ103から第1の受信アンテナ201までの伝播経路の経路長が伝播経路401の経路長L1から伝播経路403の経路長L3となる。同様に、送信アンテナ103から第2の受信アンテナ202までの伝播経路の経路長が伝播経路402の経路長L2から伝播経路404の経路長L4となる。従って、図12(b)に示すように、第1のパルスIQ信号及び第2のパルスIQ信号には、1回反射した反射電波の振幅と位相、2回反射した電波の振幅と位相、3回反射した電波の振幅と位相というように、反射回数に応じた反射電波の振幅と位相とが時系列的に順次重複されていく。
そこで、傾斜角度演算部300内のサンプルユニット902が、送信部100内のパルス信号発生器901からのパルス信号と同期して、第1のパルスIQ信号の振幅と位相及び第2のパルスIQ信号の振幅と位相を時系列的にサンプルし、所定回数反射した反射電波の振幅と位相を、時系列的に重複された複数反射電波から分離して取得する。ここでは、傾斜角度の精度を確保するために、1回反射した反射電波の振幅と位相のみを分離して取得することとする。振幅位相演算器301は、第1のパルスIQ信号及び第2のパルスIQ信号のそれぞれ1回反射成分についてそれぞれの振幅と位相から位相差を導出する。
傾斜角度演算器302は、この位相差から傾斜角度を算出する。
傾斜角度演算器302は、この位相差から傾斜角度を算出する。
サンプルユニット902として、比較的高速のAD(アナログ/ディジタル)コンバータを用いて1つのパルスIQ信号の振幅と位相を時系列的に全て取得してもよい。又は、比較的低速のADコンバータを用いてパルスIQ信号毎に振幅と位相のサンプル位置をスライドさせながら取得し収集することにより、等価的にパルスIQ信号の振幅と位相を時系列的に全て取得してもよい。
図13は、サンプルユニット902によるパルス送信信号のサンプリングを示す図であり、比較的低速のADコンバータを用いる場合について説明する。例として、パルス信号発生器901から変調器802への送信用の変調周波数を10MHzとし、パルス信号発生器901からサンプルユニット902への受信用のサンプル周波数を9.99MHzとする。両者の周波数差により、サンプルユニット902でのパルスIQ信号に対するサンプル位置は0.1nsec(=1/9.99MHz−1/10MHz)ずつ時系列方向にスライドすることとなる。このスライドしたサンプルデータを収集することにより、10GHz(=1/0.1nsec)相当の高速のADコンバータでサンプルすることと等価になる。
また、送信用の変調周波数である10MHzのデューティを50%とすると、パルスIQ信号のパルス幅は50nsecなので、パルス幅内を等価的に全てサンプルするためには、500発のパルスIQ信号に対してサンプル位置をスライドさせていく必要がる。さらに、車体から路面までの往復の経路長を考慮すると、さらに多くのサンプル位置をスライドさせる必要がある。具体的には、車体から路面までの距離を15cmとすると、伝播時間は往復で1nsecとなるので、サンプル位置をスライドさせる回数は10(=1nsec/0.1nsec)回必要となる。これ以外にも、9.99MHzでサンプルするADコンバータ(サンプルユニット902に相当する)から第1及び第2の受信アンテナ201,202までの位相長、10MHzで変調された送信信号を出力する変調器802から送信アンテナ103までの位相長、及び10MHzと9.99MHzの同期時間等を考慮する必要がある。
また、送信用の変調周波数である10MHzのデューティを50%とすると、パルスIQ信号のパルス幅は50nsecなので、パルス幅内を等価的に全てサンプルするためには、500発のパルスIQ信号に対してサンプル位置をスライドさせていく必要がる。さらに、車体から路面までの往復の経路長を考慮すると、さらに多くのサンプル位置をスライドさせる必要がある。具体的には、車体から路面までの距離を15cmとすると、伝播時間は往復で1nsecとなるので、サンプル位置をスライドさせる回数は10(=1nsec/0.1nsec)回必要となる。これ以外にも、9.99MHzでサンプルするADコンバータ(サンプルユニット902に相当する)から第1及び第2の受信アンテナ201,202までの位相長、10MHzで変調された送信信号を出力する変調器802から送信アンテナ103までの位相長、及び10MHzと9.99MHzの同期時間等を考慮する必要がある。
以上のように、車両傾斜検知装置1は車両の傾斜によって変化する電波伝搬距離の偏位を位相の偏位として高精度に検出し精度よく車両傾斜角度を算出できるという効果がある。また、温度又は風があっても影響を受けず精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。さらに、エンジン等の騒音の影響を受けずに精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。また、受信信号レベルが変動しても、パルスIQ信号の位相差から傾斜角度を算出するので精度よく傾斜角度を測定できるという効果がある。また、路面からの複数の反射電波があっても傾斜角度を精度よく検知できるという効果がある。なお、1回反射成分から位相差を検出できればパルス信号でなくてもよい。
実施の形態8.
図14はこの発明の実施の形態8による車両傾斜検知装置1の構成を示すブロック図である。この車両傾斜検知装置1は、上記実施の形態1(図1に示す)と上記実施の形態7(図11に示す)を組み合わせた構成であり、送信部100と受信部200と傾斜角度演算部300とを備えている。送信部100は、パルス信号発生器901と変調器802と発振器101と増幅器102と送信アンテナ103とを備えている。受信部200は、第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202と第1の増幅器203と第2の増幅器204と切り替え器601と直交検波器701とを備えている。傾斜角度演算部300は、サンプルユニット902と振幅位相演算器301と傾斜角度演算器302とを備えている。
図14はこの発明の実施の形態8による車両傾斜検知装置1の構成を示すブロック図である。この車両傾斜検知装置1は、上記実施の形態1(図1に示す)と上記実施の形態7(図11に示す)を組み合わせた構成であり、送信部100と受信部200と傾斜角度演算部300とを備えている。送信部100は、パルス信号発生器901と変調器802と発振器101と増幅器102と送信アンテナ103とを備えている。受信部200は、第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202と第1の増幅器203と第2の増幅器204と切り替え器601と直交検波器701とを備えている。傾斜角度演算部300は、サンプルユニット902と振幅位相演算器301と傾斜角度演算器302とを備えている。
次に動作について説明する。送信部100内の変調器802は、発振器101の出力する所定の周波数の発振信号を、パルス信号発生器901の出力する連続したパルス信号でパルス変調しパルス送信信号として増幅器102を介して送信アンテナ103へ出力する。パルス送信信号は送信アンテナ103から電波として放射される。
受信部200は、電波を第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202とでそれぞれ受信し、第1のパルス受信信号と第2のパルス受信信号とを得る。パルス受信信号は第1及び第2の増幅器203,204を介して切り替え器601に入力され、交互に切り替えて直交検波器701へ出力される。直交検波器701は、第1のパルス受信信号又は第2のパルス受信信号と発振器101からの発振信号とで直交検波(IQ検波)し、第1のパルスIQ信号又は第2のパルスIQ信号のそれぞれの振幅値と位相値を算出して傾斜角度演算部300へ出力する。
傾斜角度演算部300内のサンプルユニット902は、送信部100内のパルス信号発生器901からのパルス信号と同期して、第1のパルスIQ信号の振幅と位相又は第2のパルスIQ信号の振幅と位相を交互に時系列的にサンプルし、所定回数反射した反射電波の振幅と位相を、時系列的に重複された複数反射電波から分離して取得する。振幅位相演算器301は、第1のパルスIQ信号又は第2のパルスIQ信号の1回反射成分についてそれぞれの振幅と位相から位相差を導出する。傾斜角度演算器302は、この位相差から傾斜角度を算出する。
サンプルユニット902として、上記実施の形態7と同様に、比較的高速のADコンバータを用いても良いし、比較的低速のADコンバータを用いても良い。比較的低速のADコンバータを用いる場合には、上記実施の形態7における図13の説明と同じ動作である。
以上のように、車両傾斜検知装置1は車両の傾斜によって変化する電波伝搬距離の偏位を位相の偏位として高精度に検出し精度よく車両傾斜角度を算出できるという効果がある。また、温度又は風があっても影響を受けず精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。さらに、エンジン等の騒音の影響を受けずに精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。また、受信信号レベルが変動しても、パルスIQ信号の位相差から傾斜角度を算出するので精度よく傾斜角度を測定できるという効果がある。また、切り替え器601から直交検波器701までを同一線路とするので、切り替え器601から直交検波器701までの間において、第1のパルス受信信号と第2のパルス受信信号が通過する位相長が同一となり、傾斜角度を精度よく検知することができるという効果が得られる。また、単一の直交検波器を用いて直交検波することにより、直交検波器ごとの振幅および位相等の特性のばらつきによる誤差を排除することが可能となり、傾斜角度を精度よく検知することができるという効果が得られる。また、路面からの複数の反射電波があっても傾斜角度を精度よく検知できるという効果がある。なお、1回反射成分から位相差を検出できればパルス信号でなくてもよい。
実施の形態9.
図15はこの発明の実施の形態9による車両傾斜検知装置1の構成を示すブロック図である。この車両傾斜検知装置1は、上記実施の形態2(図5に示す)と上記実施の形態7(図11に示す)を組み合わせたものであり、送信部100と受信部200と傾斜角度演算部300とを備えている。送信部100は、パルス信号発生器901と変調器802と発振器101と移相器501と利得制御器502と送信用切り替え器602と増幅器102と送信アンテナ103とを備えている。受信部200は、第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202と第1の増幅器203と第2の増幅器204と第1の切り替え器603と第2の切り替え器604と第1の直交検波器701と第2の直交検波器702とを備えている。傾斜角度演算部300は、サンプルユニット902と振幅位相演算器301と傾斜角度演算器302とを備えている。
図15はこの発明の実施の形態9による車両傾斜検知装置1の構成を示すブロック図である。この車両傾斜検知装置1は、上記実施の形態2(図5に示す)と上記実施の形態7(図11に示す)を組み合わせたものであり、送信部100と受信部200と傾斜角度演算部300とを備えている。送信部100は、パルス信号発生器901と変調器802と発振器101と移相器501と利得制御器502と送信用切り替え器602と増幅器102と送信アンテナ103とを備えている。受信部200は、第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202と第1の増幅器203と第2の増幅器204と第1の切り替え器603と第2の切り替え器604と第1の直交検波器701と第2の直交検波器702とを備えている。傾斜角度演算部300は、サンプルユニット902と振幅位相演算器301と傾斜角度演算器302とを備えている。
次に動作について説明する。送信部100では、発振器101の出力する所定の周波数と振幅と位相とを持った発振信号を移相器501にて位相を回転させた送信信号にし、利得制御器502にて所定のレベルに設定し、送信用切り替え器602を介して、変調器802に出力する。この送信信号を、変調器802にてパルス信号発生器901の出力する連続したパルス信号でパルス変調してパルス送信信号にし、増幅器102を介して送信アンテナ103へ出力する。移相器501による位相の回転方法はアナログ的でもディジタル的でも良く、一周期分(360°)を回転させる。パルス送信信号は送信アンテナ103から電波として放射される。
第1の受信アンテナ201は送信部100から放射された電波を受信し、第1のパルス受信信号として出力する。第1の増幅器203は第1のパルス受信信号を所定のレベルまで電力増幅し、第1の切り替え器603を介して第1の直交検波器701へ出力する。第1の直交検波器701は送信部100内の発振器101からの発振信号と第1のパルス受信信号とを直交検波(IQ検波)し、第1のパルスIQ信号を傾斜角度演算部300へ出力する。
同様に、第2の受信アンテナ202は送信部100から放射された電波を受信し、第2のパルス受信信号として出力する。第2の増幅器204は第2のパルス受信信号を所定のレベルまで電力増幅し、第2の切り替え器604を介して第2の直交検波器702へ出力する。第2の直交検波器702は送信部100内の発振器101からの発振信号と第2のパルス受信信号とを直交検波(IQ検波)し、第2のパルスIQ信号を傾斜角度演算部300へ出力する。
また、前述とは別の動作として、送信用切り替え器602では、位相を回転させた送信信号を第1の切り替え器603及び第2の切り替え器604を介して、それぞれ第1の直交検波器701及び第2の直交検波器702へ入力し、送信部100内の発振器101からの発振信号とで直交検波(IQ検波)し、それぞれ第3のパルスIQ信号及び第4のパルスIQ信号を傾斜角度演算部300へ出力する。
傾斜角度演算部300内のサンプルユニット902は、送信部100内のパルス信号発生器901からのパルス信号と同期して、第3のパルスIQ信号及び第4のパルスIQ信号をサンプル取得する。
振幅位相演算器301は、サンプルユニット902がサンプル取得した第3のパルスIQ信号及び第4のパルスIQ信号により第1の直交検波器701及び第2の直交検波器702のそれぞれの位相の回転リニアリティ特性を取得し、正規の位相回転特性へ補正する自己校正データを用意する。この自己校正データを参照して、第1のパルスIQ信号及び第2のパルスIQ信号のそれぞれの振幅と位相から位相差を導出する。傾斜角度演算器302は、この位相差から傾斜角度を算出する。傾斜角度の算出には、位相を回転させた送信信号の位相状態ごとに得られる位相差の1周期分の平均値を用いることができる。また、位相を回転させた送信信号の位相状態ごとに得られる位相差のうち、所定の位相状態における位相差を用いるようにしてもよい。なお、第1及び第2の直交検波器701,702の位相の回転リニアリティ特性と振幅位相演算器301の正規の位相回転特性への補正については、上記実施の形態2における図6と同じである。
振幅位相演算器301は、サンプルユニット902がサンプル取得した第3のパルスIQ信号及び第4のパルスIQ信号により第1の直交検波器701及び第2の直交検波器702のそれぞれの位相の回転リニアリティ特性を取得し、正規の位相回転特性へ補正する自己校正データを用意する。この自己校正データを参照して、第1のパルスIQ信号及び第2のパルスIQ信号のそれぞれの振幅と位相から位相差を導出する。傾斜角度演算器302は、この位相差から傾斜角度を算出する。傾斜角度の算出には、位相を回転させた送信信号の位相状態ごとに得られる位相差の1周期分の平均値を用いることができる。また、位相を回転させた送信信号の位相状態ごとに得られる位相差のうち、所定の位相状態における位相差を用いるようにしてもよい。なお、第1及び第2の直交検波器701,702の位相の回転リニアリティ特性と振幅位相演算器301の正規の位相回転特性への補正については、上記実施の形態2における図6と同じである。
通常は、傾斜角度演算部300では、サンプルユニット902にて送信部100内のパルス信号発生器901からのパルス信号と同期して、第1のパルスIQ信号の振幅と位相及び第2のパルスIQ信号の振幅と位相を時系列的にサンプルし、所定回数反射した反射電波の振幅と位相を、時系列的に重複された複数反射電波から分離して取得する。そして、振幅位相演算器301では、第1のパルスIQ信号及び第2のパルスIQ信号の1回反射成分についてそれぞれの振幅と位相から位相差を導出し、傾斜角度演算器302にてこの位相差から傾斜角度を算出する。
サンプルユニット902として、上記実施の形態7と同様に、比較的高速のADコンバータを用いても良いし、比較的低速のADコンバータを用いても良い。比較的低速のADコンバータを用いる場合には、上記実施の形態7における図13の説明と同じ動作である。
以上のように、車両傾斜検知装置1は車両の傾斜によって変化する電波伝搬経路の偏位を位相差の偏位として高精度に検出し精度よく車両傾斜角度を算出できるという効果がある。また、温度又は風があっても影響を受けず精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。さらに、エンジン等の騒音の影響を受けずに精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。また、受信信号レベルが変動しても、IQ信号の位相から傾斜角度を算出するので精度よく傾斜角度を測定できるという効果がある。また、直交検波器の位相の回転リニアリティ特性が良くなくても自己校正データを参照して補正することが可能となり、精度よく傾斜角度を求めることができるという効果がある。また、路面からの複数の反射電波があっても傾斜角度を精度よく検知できるという効果がある。なお、1回反射成分から位相差を検出できればパルス信号でなくてもよい。
実施の形態10.
図16はこの発明の実施の形態10による車両傾斜検知装置1の構成を示すブロック図である。この車両傾斜検知装置1は、上記実施の形態3(図7に示す)と上記実施の形態7(図11に示す)を組み合わせた構成であり、送信部100と受信部200と傾斜角度演算部300とを備えている。送信部100は、パルス信号発生器901と変調器802と発振器101と移相器501と利得制御器502と送信用切り替え器602と増幅器102と送信アンテナ103とを備えている。受信部200は、第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202と第1の増幅器203と第2の増幅器204と第1の切り替え器601と第2の切り替え器603と直交検波器701とを備えている。傾斜角度演算部300は、サンプルユニット902と振幅位相演算器301と傾斜角度演算器302とを備えている。
図16はこの発明の実施の形態10による車両傾斜検知装置1の構成を示すブロック図である。この車両傾斜検知装置1は、上記実施の形態3(図7に示す)と上記実施の形態7(図11に示す)を組み合わせた構成であり、送信部100と受信部200と傾斜角度演算部300とを備えている。送信部100は、パルス信号発生器901と変調器802と発振器101と移相器501と利得制御器502と送信用切り替え器602と増幅器102と送信アンテナ103とを備えている。受信部200は、第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202と第1の増幅器203と第2の増幅器204と第1の切り替え器601と第2の切り替え器603と直交検波器701とを備えている。傾斜角度演算部300は、サンプルユニット902と振幅位相演算器301と傾斜角度演算器302とを備えている。
次に動作について説明する。送信部100では、発振器101の出力する所定の周波数と振幅と位相とを持った発振信号を移相器501にて位相を回転させた送信信号にし、利得制御器502にて所定のレベルに設定し、第1の切り替え器602を介して、変調器802に出力する。この送信信号を、変調器802にてパルス信号発生器901の出力する連続したパルス信号でパルス変調してパルス送信信号にし、増幅器102を介して送信アンテナ103へ出力する。移相器501による位相の回転方法はアナログ的でもディジタル的でも良く、一周期分(360°)を回転させる。パルス送信信号は送信アンテナ103から電波として放射される。
受信部200は、電波を第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202とでそれぞれ受信し第1のパルス受信信号と第2のパルス受信信号とを得る。パルス受信信号は第1及び第2の増幅器203,204を介して第1の切り替え器601に入力され、交互に切り替えて第2の切り替え器603を介して直交検波器701へ入力される。直交検波器701は第1のパルス受信信号又は第2のパルス受信信号のそれぞれの振幅値と位相値を算出して傾斜角度演算部300へ出力する。
また、前述とは別の動作として、送信用切り替え器602では、位相を回転させた送信信号を第2の切り替え器603を介して、直交検波器701へ入力し、送信部100内の発振器101からの発振信号とで直交検波(IQ検波)し、第3のパルスIQ信号を傾斜角度演算部300へ出力する。
傾斜角度演算部300内のサンプルユニット902は、送信部100内のパルス信号発生器901からのパルス信号と同期して、第3のパルスIQ信号をサンプル取得する。
振幅位相演算器301は、サンプルユニット902がサンプル取得した第3のパルスIQ信号により直交検波器701の位相の回転リニアリティ特性を取得し、正規の位相回転特性へ補正する自己校正データを用意する。この自己校正データを参照して、第1のパルスIQ信号及び第2のパルスIQ信号のそれぞれの振幅と位相から位相差を導出する。傾斜角度演算器302は、この位相差から傾斜角度を算出する。傾斜角度の算出には、位相を回転させた送信信号の位相状態ごとに得られる位相差の1周期分の平均値を用いることができる。また、位相を回転させた送信信号の位相状態ごとに得られる位相差のうち、所定の位相状態における位相差を用いるようにしてもよい。なお、直交検波器701の位相の回転リニアリティ特性と振幅位相演算器301の正規の位相回転特性への補正については、上記実施の形態2における図6と同じである。
振幅位相演算器301は、サンプルユニット902がサンプル取得した第3のパルスIQ信号により直交検波器701の位相の回転リニアリティ特性を取得し、正規の位相回転特性へ補正する自己校正データを用意する。この自己校正データを参照して、第1のパルスIQ信号及び第2のパルスIQ信号のそれぞれの振幅と位相から位相差を導出する。傾斜角度演算器302は、この位相差から傾斜角度を算出する。傾斜角度の算出には、位相を回転させた送信信号の位相状態ごとに得られる位相差の1周期分の平均値を用いることができる。また、位相を回転させた送信信号の位相状態ごとに得られる位相差のうち、所定の位相状態における位相差を用いるようにしてもよい。なお、直交検波器701の位相の回転リニアリティ特性と振幅位相演算器301の正規の位相回転特性への補正については、上記実施の形態2における図6と同じである。
通常は、傾斜角度演算部300では、サンプルユニット902にて送信部100内のパルス信号発生器901からのパルス信号と同期して、第1のパルスIQ信号の振幅と位相又は第2のパルスIQ信号の振幅と位相を交互に時系列的にサンプルし、所定回数反射した反射電波の振幅と位相を、時系列的に重複された複数反射電波から分離して取得する。
そして、振幅位相演算器301では、第1のパルスIQ信号又は第2のパルスIQ信号の1回反射成分についてそれぞれの振幅と位相から位相差を導出し、傾斜角度演算器302にてこの位相差から傾斜角度を算出する。
そして、振幅位相演算器301では、第1のパルスIQ信号又は第2のパルスIQ信号の1回反射成分についてそれぞれの振幅と位相から位相差を導出し、傾斜角度演算器302にてこの位相差から傾斜角度を算出する。
サンプルユニット902として、上記実施の形態7と同様に、比較的高速のADコンバータを用いても良いし、比較的低速のADコンバータを用いても良い。比較的低速のADコンバータを用いる場合には、上記実施の形態7における図13の説明と同じ動作である。
ここで、図17を用いて、実施の形態10に係る車両傾斜検知装置1のデータ取得タイミングの一例を説明する。図17は、受信アンテナと位相のデータの並びを示す図である。この例では、移相器501を4Bit(16とおり)とし、2つの受信アンテナ201,202を車両前方アンテナと車両後方アンテナとして用いた場合の、全ての組み合わせ状態におけるデータ取得タイミングを示す。また、サンプルユニット902(ADコンバータ)が1つの位相状態かつ前方及び後方のアンテナ状態に対して、2000サンプルずつのデータを取得することとし、前方と後方のアンテナ切り替え及び位相状態の切り替えに1000サンプル相当の時間を設定した場合、全ての組み合わせ状態における1回当たりのデータ取得時間は9.6msecとなる。
以上のように、車両傾斜検知装置1は車両の傾斜によって変化する電波伝搬経路の偏位を位相差の偏位として高精度に検出し精度よく車両傾斜角度を算出できるという効果がある。また、温度又は風があっても影響を受けず精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。さらに、エンジン等の騒音の影響を受けずに精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。また、受信信号レベルが変動しても、IQ信号の位相から傾斜角度を算出するので精度よく傾斜角度を測定できるという効果がある。また、切り替え器601から直交検波器701までを同一線路とするので、切り替え器601から直交検波器701までの間において、第1のパルス受信信号と第2のパルス受信信号が通過する位相長が同一となり、傾斜角度を精度よく検知することができるという効果が得られる。また、単一の直交検波器を用いて直交検波することにより、直交検波器ごとの振幅および位相等の特性のばらつきによる誤差を排除することが可能となり、傾斜角度を精度よく検知することができるという効果が得られる。また、直交検波器の位相の回転リニアリティ特性が良くなくても自己校正データを参照して補正することが可能となり、精度よく傾斜角度を求めることができるという効果がある。また、路面からの複数の反射電波があっても傾斜角度を精度よく検知できるという効果がある。なお、1回反射成分から位相差を検出できればパルス信号でなくてもよい。
実施の形態11.
図18はこの発明の実施の形態11による車両傾斜検知装置1の構成を示すブロック図である。この車両傾斜検知装置1は、上記実施の形態7(図11に示す)に対して上記実施の形態4(図8に示す)のような符号信号を用いる構成を組み合わせたものであり、送信部100と受信部200と傾斜角度演算部300とを備えるものである。送信部100は、パルス信号発生器901と符号信号発生器801と変調器802と発振器101と増幅器102と送信アンテナ103とを備えている。受信部200は、第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202と第1の増幅器203と第2の増幅器204と第1の直交検波器701と第2の直交検波器702と第1の相関演算器803と第2の相関演算器804とを備えている。傾斜角度演算部300は、サンプルユニット902と振幅位相演算器301と傾斜角度演算器302とを備えている。
図18はこの発明の実施の形態11による車両傾斜検知装置1の構成を示すブロック図である。この車両傾斜検知装置1は、上記実施の形態7(図11に示す)に対して上記実施の形態4(図8に示す)のような符号信号を用いる構成を組み合わせたものであり、送信部100と受信部200と傾斜角度演算部300とを備えるものである。送信部100は、パルス信号発生器901と符号信号発生器801と変調器802と発振器101と増幅器102と送信アンテナ103とを備えている。受信部200は、第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202と第1の増幅器203と第2の増幅器204と第1の直交検波器701と第2の直交検波器702と第1の相関演算器803と第2の相関演算器804とを備えている。傾斜角度演算部300は、サンプルユニット902と振幅位相演算器301と傾斜角度演算器302とを備えている。
次に動作について説明する。送信部100内の変調器802は、発振器101の出力する所定の周波数の発振信号を、符号信号発生器801の出力する所定の符号又はIDによる符号信号とパルス信号発生器901の出力する連続したパルス信号とで変調し、パルス送信信号とする。このパルス送信信号は増幅器102を介して送信アンテナ103へ出力され、送信アンテナ103から電波として放射される。
第1の受信アンテナ201は送信部100から放射された電波を受信し、第1のパルス受信信号として出力する。第1の増幅器203は第1のパルス受信信号を所定のレベルまで電力増幅し、第1の直交検波器701へ出力する。第1の直交検波器701は送信部100内の発振器101からの発振信号と第1のパルス受信信号とを直交検波(IQ検波)した第1のベースバンド信号のIQ信号(第1のパルスIQ信号)を第1の相関演算器803へ出力する。第1の相関演算器803は第1のIQ信号と符号信号発生器801からの符号信号とを相関演算し、第1のパルス相関値の振幅と位相を傾斜角度演算部300へ出力する。
同様に、第2の受信アンテナ202は送信部100から放射された電波を受信し、第2のパルス受信信号として出力する。第2の増幅器204は第2のパルス受信信号を所定のレベルまで電力増幅し、第2の直交検波器702へ出力する。第2の直交検波器702は送信部100内の発振器101からの発振信号と第2のパルス受信信号とを直交検波(IQ検波)した第2のベースバンド信号のIQ信号(第2のパルスIQ信号)を第2の相関演算器804へ出力する。第2の相関演算器804は第2のIQ信号と符号信号発生器801からの符号信号とを相関演算し、第2のパルス相関値の振幅と位相を傾斜角度演算部300へ出力する。
傾斜角度演算部300内のサンプルユニット902は、送信部100内のパルス信号発生器901からのパルス信号と同期して、第1のパルス相関値の振幅と位相及び第2のパルス相関値の振幅と位相を時系列的にサンプルし、所定回数反射した反射電波の振幅と位相を、時系列的に重複された複数反射電波から分離して取得する。そして、振幅位相演算器301では、第1のパルス相関値及び第2のパルス相関値の1回反射成分についてそれぞれの振幅と位相から位相差を導出し、傾斜角度演算器302にてこの位相差から傾斜角度を算出する。
サンプルユニット902として、上記実施の形態7と同様に、比較的高速のADコンバータを用いても良いし、比較的低速のADコンバータを用いても良い。比較的低速のADコンバータを用いる場合には、上記実施の形態7における図13の説明と同じ動作である。
以上のように、車両傾斜検知装置1は車両の傾斜によって変化する電波伝搬経路の偏位を位相差の偏位として高精度に検出し精度よく車両傾斜角度を算出できるという効果がある。また、温度又は風があっても影響を受けず精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。さらに、エンジン等の騒音の影響を受けずに精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。また、受信信号レベルが変動しても、IQ信号の位相から傾斜角度を算出するので精度よく傾斜角度を測定できるという効果がある。また、路面からの複数の反射電波があっても傾斜角度を精度よく検知できるという効果がある。さらに、送信信号を符号変調しているので、車両用レーダ装置から放射された電波、他の装置から放射された電波など同一周波数をもつ電波を受信アンテナで受信しても位相干渉による誤差を抑圧できるので、精度良く傾斜角度を測定できるという効果が得られる。なお、1回反射成分から位相差を検出できればパルス信号でなくてもよい。
実施の形態12.
図19はこの発明の実施の形態12による車両傾斜検知装置1の構成を示すブロック図である。この車両傾斜検知装置1は、上記実施の形態4(図8に示す)と上記実施の形態7(図11に示す)を組み合わせた構成であり、送信部100と受信部200と傾斜角度演算部300とを備えている。送信部100は、パルス信号発生器901と符号信号発生器801と変調器802と発振器101と増幅器102と送信アンテナ103とを備えている。受信部200は、第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202と第1の増幅器203と第2の増幅器204と切り替え器601と直交検波器701と相関演算器803とを備えている。傾斜角度演算部300は、サンプルユニット902と振幅位相演算器301と傾斜角度演算器302とを備えている。
図19はこの発明の実施の形態12による車両傾斜検知装置1の構成を示すブロック図である。この車両傾斜検知装置1は、上記実施の形態4(図8に示す)と上記実施の形態7(図11に示す)を組み合わせた構成であり、送信部100と受信部200と傾斜角度演算部300とを備えている。送信部100は、パルス信号発生器901と符号信号発生器801と変調器802と発振器101と増幅器102と送信アンテナ103とを備えている。受信部200は、第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202と第1の増幅器203と第2の増幅器204と切り替え器601と直交検波器701と相関演算器803とを備えている。傾斜角度演算部300は、サンプルユニット902と振幅位相演算器301と傾斜角度演算器302とを備えている。
次に動作について説明する。送信部100内の変調器802は、発振器101の出力する所定の周波数の発振信号を、符号信号発生器801の出力する所定の符号又はIDによる符号信号とパルス信号発生器901の出力する連続したパルス信号とで変調し、パルス送信信号とする。パルス送信信号は増幅器102を介して送信アンテナ103へ出力され、送信アンテナ103から電波として放射される。
受信部200は、放射された電波を第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202とでそれぞれ受信し第1のパルス受信信号と第2のパルス受信信号とを得る。パルス受信信号は第1及び第2の増幅器203,204を介して切り替え器601に入力され、交互に切り替えて直交検波器701に入力される。直交検波器701は第1のパルス受信信号又は第2のパルス受信信号と発振器101からの発振信号とで直交検波された第1のパルスベースバンド信号又は第2のパルスベースバンド信号を算出し、相関演算器803へ出力する。相関演算器803は、第1のパルスベースバンド信号又は第2のパルスベースバンド信号と符号信号発生器801からの符号信号とで第1のパルス相関値の振幅と位相、又は第2のパルス相関値の振幅と位相を相関演算して傾斜角度演算部300へ出力する。
傾斜角度演算部300内のサンプルユニット902は、送信部100内のパルス信号発生器901からのパルス信号と同期して、第1のパルス相関値の振幅と位相又は第2のパルス相関値の振幅と位相を交互に時系列的にサンプルし、所定回数反射した反射電波の振幅と位相を、時系列的に重複された複数反射電波から分離して取得する。そして、振幅位相演算器301では、第1のパルス相関値又は第2のパルス相関値の1回反射成分についてそれぞれの振幅と位相から位相差を導出し、傾斜角度演算器302にてこの位相差から傾斜角度を算出する。
サンプルユニット902として、上記実施の形態7と同様に、比較的高速のADコンバータを用いても良いし、比較的低速のADコンバータを用いても良い。比較的低速のADコンバータを用いる場合には、上記実施の形態7における図13の説明と同じ動作である。
以上のように、車両傾斜検知装置1は車両の傾斜によって変化する電波伝搬経路の偏位を位相差の偏位として高精度に検出し精度よく車両傾斜角度を算出できるという効果がある。また、温度又は風があっても影響を受けず精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。さらに、エンジン等の騒音の影響を受けずに精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。また、受信信号レベルが変動しても、IQ信号の位相から傾斜角度を算出するので精度よく傾斜角度を測定できるという効果がある。また、切り替え器601から直交検波器701までを同一線路とするので、切り替え器601から直交検波器701までの間において、第1のパルス受信信号と第2のパルス受信信号が通過する位相長が同一となり、傾斜角度を精度よく検知することができるという効果が得られる。また、単一の直交検波器を用いて直交検波することにより、直交検波器ごとの振幅および位相等の特性のばらつきによる誤差を排除することが可能となり、傾斜角度を精度よく検知することができるという効果が得られる。また、路面からの複数の反射電波があっても傾斜角度を精度よく検知できるという効果がある。さらに、送信信号を符号変調しているので、車両用レーダ装置から放射された電波、他の装置から放射された電波など同一周波数をもつ電波を受信アンテナで受信しても位相干渉による誤差を抑圧できるので、精度良く傾斜角度を測定できるという効果が得られる。なお、1回反射成分から位相差を検出できればパルス信号でなくてもよい。
実施の形態13.
図20はこの発明の実施の形態13による車両傾斜検知装置1の構成を示すブロック図である。この車両傾斜検知装置1は、上記実施の形態5(図9に示す)と上記実施の形態7(図11に示す)を組み合わせた構成であり、送信部100と受信部200と傾斜角度演算部300とを備えている。送信部100は、パルス信号発生器901と符号信号発生器801と変調器802と発振器101と移相器501と利得制御器502と送信用切り替え器602と増幅器102と送信アンテナ103とを備えている。受信部200は、第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202と第1の増幅器203と第2の増幅器204と第1の切り替え器603と第2の切り替え器604と第1の直交検波器701と第2の直交検波器702と第1の相関演算器803と第2の相関演算器804とを備えている。傾斜角度演算部300は、サンプルユニット902と振幅位相演算器301と傾斜角度演算器302とを備えている。
図20はこの発明の実施の形態13による車両傾斜検知装置1の構成を示すブロック図である。この車両傾斜検知装置1は、上記実施の形態5(図9に示す)と上記実施の形態7(図11に示す)を組み合わせた構成であり、送信部100と受信部200と傾斜角度演算部300とを備えている。送信部100は、パルス信号発生器901と符号信号発生器801と変調器802と発振器101と移相器501と利得制御器502と送信用切り替え器602と増幅器102と送信アンテナ103とを備えている。受信部200は、第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202と第1の増幅器203と第2の増幅器204と第1の切り替え器603と第2の切り替え器604と第1の直交検波器701と第2の直交検波器702と第1の相関演算器803と第2の相関演算器804とを備えている。傾斜角度演算部300は、サンプルユニット902と振幅位相演算器301と傾斜角度演算器302とを備えている。
次に動作について説明する。送信部100では、発振器101の出力する所定の周波数を持った発振信号を移相器501にて位相を回転させた送信信号にし、利得制御器502にて所定のレベルに設定し、第1の切り替え器602を介して、変調器802に出力する。この送信信号を、変調器802にて、パルス信号発生器901からの所定の符号又はIDによる符号信号とパルス信号発生器901の出力する連続したパルス信号とで変調してパルス送信信号にし、増幅器102を介して送信アンテナ103へ出力する。移相器501による位相の回転方法はアナログ的でもディジタル的でも良く、一周期分(360°)を回転させる。パルス送信信号は送信アンテナ103から電波として放射される。
第1の受信アンテナ201は送信部100から放射された電波を受信し、第1のパルス受信信号として出力する。第1の増幅器203は第1のパルス受信信号を所定のレベルまで電力増幅し、第1の切り替え器603を介して第1の直交検波器701へ出力する。第1の直交検波器701は送信部100内の発振器101からの発振信号と第1のパルス受信信号とを直交検波(IQ検波)した第1のパルスベースバンド信号のIQ信号(第1のパルスIQ信号)を第1の相関演算器803へ出力する。第1の相関演算器803は第1のパルスIQ信号と符号信号発生器801からの符号信号とを相関演算し、第1のパルス相関値の振幅と位相を傾斜角度演算部300へ出力する。
同様に、第2の受信アンテナ202は送信部100から放射された電波を受信し、第2のパルス受信信号として出力する。第2の増幅器204は第2のパルス受信信号を所定のレベルまで電力増幅し、第2の切り替え器604を介して第2の直交検波器702へ出力する。第2の直交検波器702は送信部100内の発振器101からの発振信号と第2のパルス受信信号とを直交検波(IQ検波)した第2のパルスベースバンド信号のIQ信号(第2のパルスIQ信号)を第2の相関演算器804へ出力する。第2の相関演算器804は第2のパルスIQ信号と符号信号発生器801からの符号信号とを相関演算し、第2のパルス相関値の振幅と位相を傾斜角度演算部300へ出力する。
また、前述とは別の動作として、送信用切り替え器602では、位相を回転させた送信信号を第1の切り替え器603及び第2の切り替え器604を介して、それぞれ第1の直交検波器701及び第2の直交検波器702へ入力し、送信部100内の発振器101からの発振信号と直交検波(IQ検波)し、それぞれ第3のパルスベースバンド信号のIQ信号(第3のパルスIQ信号)及び第4のパルスベースバンド信号のIQ信号(第4のパルスIQ信号)を、それぞれ第1の相関演算器803及び第2の相関演算器804へ入力する。
なお、第1及び第2の相関演算器803,804は、第3のパルスIQ信号及び第4のパルスIQ信号については符号信号発生器801からの符号信号との相関演算は行わず、第3のパルスIQ信号及び第4のパルスIQ信号をそれぞれ第3のパルス相関値の振幅と位相及び第4のパルス相関値の振幅と位相として傾斜角度演算部300へ出力する。
なお、第1及び第2の相関演算器803,804は、第3のパルスIQ信号及び第4のパルスIQ信号については符号信号発生器801からの符号信号との相関演算は行わず、第3のパルスIQ信号及び第4のパルスIQ信号をそれぞれ第3のパルス相関値の振幅と位相及び第4のパルス相関値の振幅と位相として傾斜角度演算部300へ出力する。
傾斜角度演算部300内のサンプルユニット902は、送信部100内のパルス信号発生器901からのパルス信号と同期して、第3のパルス相関値の振幅と位相及び第4のパルス相関値の振幅と位相を取得する。
振幅位相演算器301は、サンプルユニット902がサンプル取得した第3のパルス相関値の振幅と位相及び第4のパルス相関値の振幅と位相から第1の直交検波器701及び第2の直交検波器702のそれぞれの位相の回転リニアリティ特性を取得し、正規の位相回転特性へ補正する自己校正データを用意する。この自己校正データを参照して、第1のパルス相関値の振幅と位相及び第2のパルス相関値の振幅と位相から位相差を導出する。
傾斜角度演算器302は、この位相差から傾斜角度を算出する。傾斜角度の算出には、位相を回転させた送信信号の位相状態ごとに得られる位相差の1周期分の平均値を用いることができる。また、位相を回転させた送信信号の位相状態ごとに得られる位相差のうち、所定の位相状態における位相差を用いるようにしてもよい。なお、第1及び第2の直交検波器701,702の位相の回転リニアリティ特性と振幅位相演算器301の正規の位相回転特性への補正については、上記実施の形態2における図6と同じである。
振幅位相演算器301は、サンプルユニット902がサンプル取得した第3のパルス相関値の振幅と位相及び第4のパルス相関値の振幅と位相から第1の直交検波器701及び第2の直交検波器702のそれぞれの位相の回転リニアリティ特性を取得し、正規の位相回転特性へ補正する自己校正データを用意する。この自己校正データを参照して、第1のパルス相関値の振幅と位相及び第2のパルス相関値の振幅と位相から位相差を導出する。
傾斜角度演算器302は、この位相差から傾斜角度を算出する。傾斜角度の算出には、位相を回転させた送信信号の位相状態ごとに得られる位相差の1周期分の平均値を用いることができる。また、位相を回転させた送信信号の位相状態ごとに得られる位相差のうち、所定の位相状態における位相差を用いるようにしてもよい。なお、第1及び第2の直交検波器701,702の位相の回転リニアリティ特性と振幅位相演算器301の正規の位相回転特性への補正については、上記実施の形態2における図6と同じである。
通常は、傾斜角度演算部300では、サンプルユニット902にて送信部100内のパルス信号発生器901からのパルス信号と同期して、第1のパルス相関値の振幅と位相及び第2のパルス相関値の振幅と位相を時系列的にサンプルし、所定回数反射した反射電波の振幅と位相を、時系列的に重複された複数反射電波から分離して取得する。そして、振幅位相演算器301では、第1のパルス相関値及び第2のパルス相関値の1回反射成分についてそれぞれの振幅と位相から位相差を導出し、傾斜角度演算器302にてこの位相差から傾斜角度を算出する。
サンプルユニット902として、上記実施の形態7と同様に、比較的高速のADコンバータを用いても良いし、比較的低速のADコンバータを用いても良い。比較的低速のADコンバータを用いる場合には、上記実施の形態7における図13の説明と同じ動作である。
以上のように、車両傾斜検知装置1は車両の傾斜によって変化する電波伝搬経路の偏位を位相差の偏位として高精度に検出し精度よく車両傾斜角度を算出できるという効果がある。また、温度又は風があっても影響を受けず精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。さらに、エンジン等の騒音の影響を受けずに精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。また、受信信号レベルが変動しても、IQ信号の位相から傾斜角度を算出するので精度よく傾斜角度を測定できるという効果がある。また、位相の回転リニアリティ特性が良くなくても自己校正データを参照して直交検波器で補正することが可能となり、精度よく傾斜角度を求めることができるという効果がある。また、路面からの複数の反射電波があっても傾斜角度を精度よく検知できるという効果がある。さらに、送信信号を符号変調しているので、車両用レーダ装置から放射された電波、他の装置から放射された電波など同一周波数をもつ電波を受信アンテナで受信しても位相干渉による誤差を抑圧できるので、精度良く傾斜角度を測定できるという効果が得られる。なお、1回反射成分から位相差を検出できればパルス信号でなくてもよい。
実施の形態14.
図21はこの発明の実施の形態14による車両傾斜検知装置1の構成を示すブロック図である。この車両傾斜検知装置1は、上記実施の形態6(図10に示す)と上記実施の形態7(図11に示す)を組み合わせた構成であり、送信部100と受信部200と傾斜角度演算部300とを備えている。送信部100は、パルス信号発生器901と符号信号発生器801と変調器802と発振器101と移相器501と利得制御器502と送信用切り替え器602と増幅器102と送信アンテナ103とを備えている。受信部200は、第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202と第1の増幅器203と第2の増幅器204と第1の切り替え器601と第2の切り替え器603と直交検波器701と相関演算器803とを備えている。
図21はこの発明の実施の形態14による車両傾斜検知装置1の構成を示すブロック図である。この車両傾斜検知装置1は、上記実施の形態6(図10に示す)と上記実施の形態7(図11に示す)を組み合わせた構成であり、送信部100と受信部200と傾斜角度演算部300とを備えている。送信部100は、パルス信号発生器901と符号信号発生器801と変調器802と発振器101と移相器501と利得制御器502と送信用切り替え器602と増幅器102と送信アンテナ103とを備えている。受信部200は、第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202と第1の増幅器203と第2の増幅器204と第1の切り替え器601と第2の切り替え器603と直交検波器701と相関演算器803とを備えている。
次に動作について説明する。送信部100では、発振器101の出力する所定の周波数を持った発振信号を移相器501にて位相を回転させた送信信号にし、利得制御器502にて所定のレベルに設定し、第1の切り替え器602を介して、変調器802に出力する。この送信信号を、変調器802にて、パルス信号発生器901からの所定の符号又はIDによる符号信号とパルス信号発生器901の出力する連続したパルス信号とで変調してパルス送信信号にし、増幅器102を介して送信アンテナ103へ出力する。移相器501による位相の回転方法はアナログ的でもディジタル的でも良く、一周期分(360°)を回転させる。パルス送信信号は送信アンテナ103から電波として放射される。
受信部200は、放射された電波を第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202とでそれぞれ受信し第1のパルス受信信号と第2のパルス受信信号とを得る。パルス受信信号は第1及び第2の増幅器203,204にて所定のレベルまで電力増幅され、第1の切り替え器601に入力され、交互に切り替えて第2の切り替え器603を介して直交検波器701に入力される。直交検波器701は第1のパルス受信信号又は第2のパルス受信信号と発振器101からの発振信号とで直交検波(IQ検波)された第1のパルスベースバンド信号のIQ信号又は第2のパルスベースバンド信号のIQ信号(第1のパルスIQ信号又は第2のパルスIQ信号)を算出し、相関演算器803へ出力する。相関演算器803は、第1のパルスベースバンド信号又は第2のパルスベースバンド信号と符号信号発生器801からの符号信号とで第1のパルス相関値の振幅と位相、又は第2のパルス相関値の振幅と位相を相関演算して傾斜角度演算部300へ出力する。
また、前述とは別の動作として、送信用切り替え器602では、位相を回転させた送信信号を第2の切り替え器603を介して、直交検波器701へ入力し、送信部100内の発振器101からの発振信号と直交検波(IQ検波)し、第3のパルスベースバンド信号のIQ信号(第3のパルスIQ信号)を相関演算器803へ入力する。
なお、相関演算器803は、第3のパルスIQ信号については符号信号発生器801からの符号信号との相関演算は行わず、第3のパルスIQ信号を第3のパルス相関値の振幅と位相として傾斜角度演算部300へ出力する。
なお、相関演算器803は、第3のパルスIQ信号については符号信号発生器801からの符号信号との相関演算は行わず、第3のパルスIQ信号を第3のパルス相関値の振幅と位相として傾斜角度演算部300へ出力する。
傾斜角度演算部300内のサンプルユニット902は、送信部100内のパルス信号発生器901からのパルス信号と同期して、第3のパルス相関値の振幅と位相を取得する。
振幅位相演算器301は、サンプルユニット902がサンプル取得した第3のパルス相関値の振幅と位相により直交検波器701の位相の回転リニアリティ特性を取得し、正規の位相回転特性へ補正する自己校正データを用意する。この自己校正データを参照して、第1のパルス相関値の振幅と位相及び第2のパルス相関値の振幅と位相から位相差を導出する。傾斜角度演算器302は、この位相差から傾斜角度を算出する。傾斜角度の算出には、位相を回転させた送信信号の位相状態ごとに得られる位相差の1周期分の平均値を用いることができる。また、位相を回転させた送信信号の位相状態ごとに得られる位相差のうち、所定の位相状態における位相差を用いるようにしてもよい。なお、直交検波器701の位相の回転リニアリティ特性と振幅位相演算器301の正規の位相回転特性への補正については、上記実施の形態2における図6と同じである。
振幅位相演算器301は、サンプルユニット902がサンプル取得した第3のパルス相関値の振幅と位相により直交検波器701の位相の回転リニアリティ特性を取得し、正規の位相回転特性へ補正する自己校正データを用意する。この自己校正データを参照して、第1のパルス相関値の振幅と位相及び第2のパルス相関値の振幅と位相から位相差を導出する。傾斜角度演算器302は、この位相差から傾斜角度を算出する。傾斜角度の算出には、位相を回転させた送信信号の位相状態ごとに得られる位相差の1周期分の平均値を用いることができる。また、位相を回転させた送信信号の位相状態ごとに得られる位相差のうち、所定の位相状態における位相差を用いるようにしてもよい。なお、直交検波器701の位相の回転リニアリティ特性と振幅位相演算器301の正規の位相回転特性への補正については、上記実施の形態2における図6と同じである。
通常は、傾斜角度演算部300では、サンプルユニット902にて送信部100内のパルス信号発生器901からのパルス信号と同期して、第1のパルス相関値の振幅と位相及び第2のパルス相関値の振幅と位相を時系列的にサンプルし、所定回数反射した反射電波の振幅と位相を、時系列的に重複された複数反射電波から分離して取得する。そして、振幅位相演算器301では、第1のパルス相関値及び第2のパルス相関値の1回反射成分についてそれぞれの振幅と位相から位相差を導出し、傾斜角度演算器302にてこの位相差から傾斜角度を算出する。
サンプルユニット902として、上記実施の形態7と同様に、比較的高速のADコンバータを用いても良いし、比較的低速のADコンバータを用いても良い。比較的低速のADコンバータを用いる場合には、上記実施の形態7における図13の説明と同じ動作である。
以上のように、車両傾斜検知装置1は車両の傾斜によって変化する電波伝搬経路の偏位を位相差の偏位として高精度に検出し精度よく車両傾斜角度を算出できるという効果がある。また、温度又は風があっても影響を受けず精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。さらに、エンジン等の騒音の影響を受けずに精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。また、受信信号レベルが変動しても、IQ信号の位相から傾斜角度を算出するので精度よく傾斜角度を測定できるという効果がある。また、切り替え器601から直交検波器701までを同一線路とするので、切り替え器601から直交検波器701までの間において、第1のパルス受信信号と第2のパルス受信信号が通過する位相長が同一となり、傾斜角度を精度よく検知することができるという効果が得られる。また、単一の直交検波器を用いて直交検波することにより、直交検波器ごとの振幅および位相等の特性のばらつきによる誤差を排除することが可能となり、傾斜角度を精度よく検知することができるという効果が得られる。また、位相の回転リニアリティ特性が良くなくても自己校正データを参照して直交検波器で補正することが可能となり、精度よく傾斜角度を求めることができるという効果がある。また、路面からの複数の反射電波があっても傾斜角度を精度よく検知できるという効果がある。さらに、送信信号を符号変調しているので、車両用レーダ装置から放射された電波、他の装置から放射された電波など同一周波数をもつ電波を受信アンテナで受信しても位相干渉による誤差を抑圧できるので、精度良く傾斜角度を測定できるという効果が得られる。なお、1回反射成分から位相差を検出できればパルス信号でなくてもよい。
実施の形態15.
図22は、この発明の実施の形態15による車両傾斜検知装置1の構成を示すブロック図である。上述した実施の形態2では、送信アンテナ103に位相を回転させた送信信号を入力するものを示したが、送信アンテナ103に入力する送信信号は位相を回転させていない信号であってもよい。図22に示すように、実施の形態15の車両傾斜検知装置1においては、発振器101の出力を送信用切り替え器602に入力している。そして、送信用切り替え器602の2つの出力のうち、一方の出力を増幅器102を介して送信アンテナ103へ入力し、傾斜角度の測定に用いる。また、他方の出力を移相器501に入力し、移相器501の出力を利得制御器502を介して第1の切り替え器603および第2の切り替え器604に入力し、位相の回転リニアリティ特性の取得に用いる。このようにしても、実施の形態2と同様の効果を得ることができる。
図22は、この発明の実施の形態15による車両傾斜検知装置1の構成を示すブロック図である。上述した実施の形態2では、送信アンテナ103に位相を回転させた送信信号を入力するものを示したが、送信アンテナ103に入力する送信信号は位相を回転させていない信号であってもよい。図22に示すように、実施の形態15の車両傾斜検知装置1においては、発振器101の出力を送信用切り替え器602に入力している。そして、送信用切り替え器602の2つの出力のうち、一方の出力を増幅器102を介して送信アンテナ103へ入力し、傾斜角度の測定に用いる。また、他方の出力を移相器501に入力し、移相器501の出力を利得制御器502を介して第1の切り替え器603および第2の切り替え器604に入力し、位相の回転リニアリティ特性の取得に用いる。このようにしても、実施の形態2と同様の効果を得ることができる。
なお、上述した実施の形態3,5,6,9,10,13および14についても、上記と同様にして、位相を回転させていない送信信号を用いて傾斜角度を測定するとともに、位相を回転させた送信信号を用いて位相の回転リニアリティ特性を取得することができる。
実施の形態16.
図23はこの発明の車両傾斜検知装置のアンテナ配置の構成を示す図である。二等辺三角形の底辺の各頂点に第1の受信アンテナ1202と第2の受信アンテナ1203を設置し、残りの頂点に送信アンテナ1201を設置している。
図23はこの発明の車両傾斜検知装置のアンテナ配置の構成を示す図である。二等辺三角形の底辺の各頂点に第1の受信アンテナ1202と第2の受信アンテナ1203を設置し、残りの頂点に送信アンテナ1201を設置している。
図24は本発明のアンテナを三角形に配置したときの傾斜角度と位相差とアンテナ高さの関係を説明する説明図である。具体的には、図23に示したアンテナ配置のときの傾斜角度と位相差の関係を示す図である。図24中の直線1301は車高又はアンテナの高さが高いときの関係を示し、破線1302は車高又はアンテナの高さが低いときの関係を示している。アンテナの高さが偏位しても傾斜角度と位相差の関係は偏位しない。
図25は送信アンテナと受信アンテナを直線上に配置したときの傾斜角度と位相差の関係を示した図である。図示は省略するが、ここでは送信アンテナを中心として直線上に送信アンテナと第1の受信アンテナと第2の受信アンテナを設置している。図25中の直線1401は車高又はアンテナの高さが高いときの関係を示し、破線1402は車高又はアンテナの高さが低いときの関係を示している。アンテナの高さが偏位すると同じ傾斜角度でも位相差が異なる。
また、図23では二等辺三角形の各頂点にアンテナを配置した場合について述べたが、正三角形の各頂点に送信アンテナと第1の受信アンテナと第2の受信アンテナを設置しても同様の結果となる。
送信部、受信部等については、上記実施の形態1から上記実施の形態15までのいずれかに記載された構成であればよい。
以上のように、車両傾斜検知装置は車両の傾斜によって変化する電波伝搬距離の偏位を位相の偏位として高精度に検出し精度よく車両傾斜角度を算出できるという効果がある。
また、温度又は風があっても影響を受けず精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。さらに、エンジン等の騒音の影響を受けずに精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。また、二等辺三角形の各頂点にアンテナを設置するとアンテナを直線上に設置したときよりも車高の偏位による位相差の偏位を抑圧できるので、傾斜角度を精度よく算出できるという効果がある。
また、温度又は風があっても影響を受けず精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。さらに、エンジン等の騒音の影響を受けずに精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。また、二等辺三角形の各頂点にアンテナを設置するとアンテナを直線上に設置したときよりも車高の偏位による位相差の偏位を抑圧できるので、傾斜角度を精度よく算出できるという効果がある。
実施の形態17.
図26はこの発明の実施の形態17における車両傾斜検知装置のアンテナ配置の構成を示す図である。受信アンテナを3つ以上用いた場合における実施の形態の一例である。四角形の各頂点に第1の受信アンテナ1501と第2の受信アンテナ1502と第3の受信アンテナ1503と第4の受信アンテナ1504とを設置し、この四角形の対角線の好転に送信アンテナ1505を配置する。第1の受信アンテナ1501と第2の受信アンテナ1502をつなぐ直線と車両の前後方向が略平行で、第1の受信アンテナ1501と第3の受信アンテナ1503をつなぐ直線と車両の左右(幅)方向が略平行になるように設置したとする。受信部が受信アンテナを4個備える場合には、送信アンテナを中心とした四角形の各頂点に受信アンテナを配置することになる。
図26はこの発明の実施の形態17における車両傾斜検知装置のアンテナ配置の構成を示す図である。受信アンテナを3つ以上用いた場合における実施の形態の一例である。四角形の各頂点に第1の受信アンテナ1501と第2の受信アンテナ1502と第3の受信アンテナ1503と第4の受信アンテナ1504とを設置し、この四角形の対角線の好転に送信アンテナ1505を配置する。第1の受信アンテナ1501と第2の受信アンテナ1502をつなぐ直線と車両の前後方向が略平行で、第1の受信アンテナ1501と第3の受信アンテナ1503をつなぐ直線と車両の左右(幅)方向が略平行になるように設置したとする。受信部が受信アンテナを4個備える場合には、送信アンテナを中心とした四角形の各頂点に受信アンテナを配置することになる。
図27はこの発明の実施の形態17における車両傾斜検知装置1の構成を示すブロック図である。送信部1600は、送信アンテナ1505から電波を受信し、受信部1700は第1の受信アンテナ1501と第2の受信アンテナ1502で受信した受信信号から算出した振幅と位相を傾斜角度演算部1900へ出力する。受信部1800は、第3の受信アンテナ1503と第4の受信アンテナ1504で受信した受信信号から算出した振幅と位相を傾斜角度演算部1900へ出力する。
受信アンテナを3つ以上備える場合、傾斜角度演算部は、第1の受信アンテナ及び第2の受信アンテナ以外の受信信号も更に用いて傾斜角度を算出することになる。例えば、第3の受信アンテナで受信した第3の受信信号は、その後の扱いは第1の受信信号と同様の処理をすることになる。ここで、受信アンテナすべての組み合わせを行ってもよいし、一方、組み合わせの一部を用いてもよい。
送信部1600は、上記実施の形態1から上記実施の形態15までのいずれかに記載された構成である。また、受信部1700と受信部1800とは上記実施の形態1から上記実施の形態15までのいずれかに記載された構成である。傾斜角度演算部1900内の振幅位相演算器(不図示)は受信部1700から算出された位相差と受信部1800から算出された位相差の平均値から傾斜角度を算出する。
図28と図29はこの発明の実施の形態17による前後方向の傾斜角度と位相差の関係を説明した図である。具体的には、図28は車両が左右方向に傾斜していないときの前後方向の傾斜角度と位相差の関係を示している。図28中の実線2001は受信部1700から算出された値で、破線2002は受信部1800から算出された値で、実線2001と破線2002は一致する。また、図29は車両が左右方向に傾斜しているときの前後方向の傾斜角度と位相差の関係を示している。図29中の実線2101は受信部1700から算出された値で、破線2102は受信部1800から算出された値を示しており、実線2101と破線2102は一致していない。点線2103は実線2101と破線2102の平均値から算出して得られた直線であり、左右方向に傾斜していないときに得られる実線2001及び破線2002と一致する。
また、傾斜角度演算部1900は、同様に第1の受信アンテナ1501と第3の受信アンテナ1503でそれぞれ受信した受信信号から得られた振幅及び位相と、第2の受信アンテナ1502と第4の受信アンテナ1504でそれぞれ受信した受信信号から得られた振幅及び位相とから左右方向の傾斜角度を算出する。さらに、上記の信号処理を同時に実施すれば、前後方向と左右方向の傾斜角度を同時に算出できる。
以上のように、車両傾斜検知装置は車両の左右方向の傾斜の影響を受けずに前後方向の傾斜を精度よく算出できるという効果がある。また、車両の前後方向の傾斜の影響を受けずに左右方向の傾斜を精度よく算出できるという効果がある。さらに、車両の前後方向の傾斜と左右方向の傾斜を同時に精度よく検出できるという効果がある。
なお、上記実施の形態1〜実施の形態17に係る車両傾斜検知装置1は、風および騒音等があっても、傾斜角度を精度よく検知することができるという効果があるため、車速センサ等を補助的に使用する必要がない。
先立って説明した従来方法では、走行中に求める傾斜角度は、超音波センサが風および騒音等の影響を受けることに起因して精度が良くない。このため、車速センサの計測値から走行中か停止中かを判断して停止中に傾斜角度を計測していた。また、車速センサの計測値も車輪の空転および滑走などにより誤差が生じるため、精度が良くなかった。これに対し、本発明では超音波等に比べて耐雑音性に優れた電波を用い、かつ、車両の傾斜角度を求める際に適切な電波の位相差で表現できる周波数を用いたので、車速センサを用いることなく精度よく傾斜角度を検知することができる。
先立って説明した従来方法では、走行中に求める傾斜角度は、超音波センサが風および騒音等の影響を受けることに起因して精度が良くない。このため、車速センサの計測値から走行中か停止中かを判断して停止中に傾斜角度を計測していた。また、車速センサの計測値も車輪の空転および滑走などにより誤差が生じるため、精度が良くなかった。これに対し、本発明では超音波等に比べて耐雑音性に優れた電波を用い、かつ、車両の傾斜角度を求める際に適切な電波の位相差で表現できる周波数を用いたので、車速センサを用いることなく精度よく傾斜角度を検知することができる。
また、上記実施の形態1〜実施の形態17に係る車両傾斜検知装置1が求めた傾斜角度の情報を基に、車両のヘッドライトの光軸制御を自動で行うシステムを構成してもよい。
例えば、車両傾斜検知装置に対して、位相の時間変化量から車両の走行および停止状態を判定する車両状態判定部と、傾斜角度演算部で算出された傾斜角度の時間変化量から路面の局所的な凹凸を検知する路面状態判定部と、車両状態判定部の判定結果および路面状態判定部の検知結果を用いて傾斜角度を補正した結果を出力する出力信号演算部を追加すれば、補正した傾斜角度で車両のヘッドライトの光軸を調整することができるようになる。
例えば、車両傾斜検知装置に対して、位相の時間変化量から車両の走行および停止状態を判定する車両状態判定部と、傾斜角度演算部で算出された傾斜角度の時間変化量から路面の局所的な凹凸を検知する路面状態判定部と、車両状態判定部の判定結果および路面状態判定部の検知結果を用いて傾斜角度を補正した結果を出力する出力信号演算部を追加すれば、補正した傾斜角度で車両のヘッドライトの光軸を調整することができるようになる。
上述した以外にも、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
以上のように、この発明に係る車両傾斜検知装置は、周囲環境の影響を受けずに精度よく傾斜角度を算出するようにしたので、自動車用のヘッドライトの光軸制御を自動で行うシステムなどに用いるのに適している。
1 車両傾斜検知装置、100,1600 送信部、101 発振器、102 増幅器、103,1201,1505 送信アンテナ、200,1700,1800 受信部、201,202,1202,1203,1501〜1504 受信アンテナ、203,204 増幅器、300,1900 傾斜角度演算部、301 振幅位相演算器、302 傾斜角度演算器、401〜404 伝播経路、501 移相器、502 利得制御器、601〜604 切り替え器、701,702 直交検波器、801 符号信号発生器、802 変調器、803,804 相関演算器、901 パルス信号発生器、902 サンプルユニット、1301,1401,2001,2101 直線、1302,1402,2002,2102 破線、2103 点線、L1〜L4 経路長。
この発明は、自動車などの車両の傾斜角度を自動的に検知するための車両傾斜検知装置に関するものである。特に、この車両傾斜検知装置は車両用ヘッドライトの光軸制御を自動で行うシステムにおいて適したものである。
従来技術に係る車両傾斜検知装置として、例えば、特許文献1に示す装置がある。超音波送信部は地面(路面)に向けて超音波を送信する。地面で反射した超音波を異なる位置で設置した超音波受信部で受信する。送信から受信までの時間を計測し、各信号受信部における受信時間差又は位相差を算出し、車両の傾斜角度を検知する。
また、従来技術に係る車両傾斜検知装置として、例えば、特許文献2に示す装置がある。電波送信部は電波を地面に向けて放射し、電波受信部は路面で反射した電波を2箇所の受信アンテナで受信する。演算部は受信した2信号の位相差を合成処理により算出し、車両の傾斜角度を検知する。
また、従来技術に係る車両傾斜検知装置として、例えば、特許文献3に示す装置がある。車両の前後方向に2個の超音波送受信センサが設置されている。超音波送信部は地面に向けて超音波を送信する。地面で反射した超音波を超音波受信部で受信し、送信から受信までの時間を計測する。超音波送受信センサの前後方向の設置間隔と超音波送受信センサ間の受信時間差又は位相差から2個の超音波送受信センサの高さ変位から車両の傾斜角度を検知する。車速センサで計測した車速から車両の走行状態及び停止状態を判定し、走行中に算出された傾斜角度を優先的に用いて平均処理した傾斜角度平均値を出力する。
また、従来技術に係る車両傾斜検知装置として、例えば、特許文献4に示す装置がある。電波送信部は電波を地面に向けて放射し、電波受信部は路面で反射した電波を2箇所の受信アンテナで受信する。それぞれの受信信号は送信信号とで直交検波してそれぞれのベースバンド信号となる。このそれぞれのベースバンド信号の振幅と位相に基づいて演算処理により位相差を導出し車両の傾斜角度を検知する。
特許文献1に記載の従来の車両傾斜検知装置は以上のように構成されているので、温度変化、風、及び騒音の影響を受け位相差が変化し、傾斜角度を精度良く検知できないという課題があった。
また、特許文献2に記載の従来の車両傾斜検知装置は以上のように構成されているので、異なる2つの受信アンテナで受信した2つの受信信号のレベルのバラツキの影響を受け算出した位相差が変化し、傾斜角度を精度良く検知できないという課題があった。
また、特許文献3に記載の従来の車両傾斜検知装置は以上のように構成されるので、車輪の空転や滑走による車速センサの計測誤差によって誤判定する可能性があり傾斜角度を精度良く検知できないという課題があった。さらに車速センサと車両傾斜検知装置との配線が必要となり省スペース化及び省配線化できないという課題があった。
また、走行及び停止しか判定できず、高速道路走行中における道路の繋ぎ目や、踏み切りなど、局所的に生じる路面の急激な凹凸の変化を検出できないので、平均値処理しても傾斜角度を精度よく検知できないという課題があった。
また、走行及び停止しか判定できず、高速道路走行中における道路の繋ぎ目や、踏み切りなど、局所的に生じる路面の急激な凹凸の変化を検出できないので、平均値処理しても傾斜角度を精度よく検知できないという課題があった。
また、特許文献4に記載の従来の車両傾斜検知装置は以上のように構成されるので、直交検波器ごとの振幅および位相などの特性のばらつきによる誤差が生じてしまい、2つのベースバンド信号に基づく位相差が正しく出力されないために、傾斜角度を精度よく検知できないという課題があった。
また、2箇所の受信アンテナに接続されるそれぞれの直交検波器の位相特性としてリニアリティ(直線性)特性が良くない場合、2つのベースバンド信号の位相値が正しく出力されないために位相差も正しいものとはならず、傾斜角度を精度よく検知できないという課題があった。
さらに、地面から反射した電波が、電波送信部を含む車体から再び放射(反射)され、再び路面から反射した電波を2箇所の受信アンテナで受信すると、2つのベースバンド信号に基づく位相差に1回反射及び2回反射又は複数の反射電波の位相差が含まれるので傾斜角度を精度よく検知できないという課題があった。
また、2箇所の受信アンテナに接続されるそれぞれの直交検波器の位相特性としてリニアリティ(直線性)特性が良くない場合、2つのベースバンド信号の位相値が正しく出力されないために位相差も正しいものとはならず、傾斜角度を精度よく検知できないという課題があった。
さらに、地面から反射した電波が、電波送信部を含む車体から再び放射(反射)され、再び路面から反射した電波を2箇所の受信アンテナで受信すると、2つのベースバンド信号に基づく位相差に1回反射及び2回反射又は複数の反射電波の位相差が含まれるので傾斜角度を精度よく検知できないという課題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、温度変化、風、及び騒音があっても傾斜角度を精度よく検知することができる車両傾斜検知装置を得ることを目的とする。
また、この発明は、受信信号レベルのばらつきがあっても傾斜角度を精度よく検知することができる車両傾斜検知装置を得ることを目的とする。
また、この発明は車速センサを用いることなく傾斜角度を精度よく検知することができる車両傾斜検知装置を得ることを目的とする。
また、この発明は、局所的に生じる路面の凹凸があっても傾斜角度を精度よく検知することができる車両傾斜検知装置を得ることを目的とする。
また、この発明は、直交検波器ごとの特性のばらつきにより生じる誤差を排除し、傾斜角度を精度よく検知することができる車両傾斜検知装置を得ることを目的とする。
また、この発明は、2箇所の受信アンテナに接続されるそれぞれの直交検波器の位相特性としてリニアリティ(直線性)特性が良くない場合でも、傾斜角度を精度よく検知することができる車両傾斜検知装置を得ることを目的とする。
さらに、この発明は、路面からの複数の反射電波があっても傾斜角度を精度よく検知することができる車両傾斜検知装置を得ることを目的とする。
この発明に係る車両傾斜検知装置は、車両に設置され、所定の周波数の発振信号の位相を回転させた送信信号を送信アンテナから電波にして放射する送信部と、地面で反射した電波を第1の受信アンテナで受信した第1の受信信号と、地面で反射した電波を第2の受信アンテナで受信した第2の受信信号とを交互に切り替えて出力する第1の切り替え部と、第1の切り替え部からの第1の受信信号又は第2の受信信号と送信部から得る送信信号とを切り替えて出力する第2の切り替え部と、第2の切り替え部からの第1の受信信号と発振信号とを直交検波して第1の振幅及び位相、並びに第2の切り替え部からの第2の受信信号と発振信号とを直交検波して第2の振幅及び位相を交互に取り出すと共に、第2の切り替え部からの送信信号と発振信号とを直交検波して第3の振幅及び位相を取り出す直交検波部と、第3の振幅及び位相から算出する直交検波部の位相の回転リニアリティ特性を参照し、第1の振幅及び位相と第2の振幅及び位相とに基づいて車両の地面に対する傾斜角度を算出する傾斜角度演算部とを備えたものである。
この発明に係る車両傾斜検知装置は、車両に設置され、所定の周波数の発振信号の位相を回転させた送信信号を送信アンテナから電波にして放射する送信部と、地面で反射した電波を第1の受信アンテナで受信した第1の受信信号と送信部から得る送信信号とを切り替えて出力する第1の切り替え部と、地面で反射した電波を第2の受信アンテナで受信した第2の受信信号と送信部から得る送信信号とを切り替えて出力する第2の切り替え部と、第1の切り替え部からの第1の受信信号と発振信号とを直交検波して第1の振幅及び位相、並びに第1の切り替え部からの送信信号と発振信号とを直交検波して得た第3の振幅及び位相を得る第1の直交検波部と、第2の切り替え部からの第2の受信信号と発振信号とを直交検波して第2の振幅及び位相、並びに第2の切り替え部からの送信信号と発振信号とを直交検波して得た第4の振幅及び位相を得る第2の直交検波部と、第3の振幅及び位相から算出する第1の直交検波部の位相の回転リニアリティ特性、並びに第4の振幅及び位相から算出する第2の直交検波部の位相の回転リニアリティ特性を参照し、第1の振幅及び位相と第2の振幅及び位相とに基づいて車両の地面に対する傾斜角度を算出する傾斜角度演算部とを備えたものである。
この発明に係る車両傾斜検知装置は、車両に設置され、所定の周波数の発振信号をパルス変調して送信アンテナから電波にして放射する送信部と、地面で反射した電波を第1の受信アンテナで受信した第1のパルス受信信号と、地面で反射した電波を第2の受信アンテナで受信した第2のパルス受信信号とを交互に切り替えて出力する切り替え部と、切り替え部からの第1のパルス受信信号又は第2のパルス受信信号と発振信号とを直交検波して第1の振幅及び位相と第2の振幅及び位相とを交互に取り出す直交検波部と、第1の振幅及び位相を複数反射電波から1回反射した反射電波を分離して時系列的にサンプリングして得た値と、第2の振幅及び位相を複数反射電波から1回反射した反射電波を分離して時系列的にサンプリングして得た値とに基づいて車両の地面に対する傾斜角度を算出する傾斜角度演算部とを備えたものである。
この発明に係る車両傾斜検知装置は、車両に設置され、所定の周波数の発振信号をパルス変調して送信アンテナから電波にして放射する送信部と、地面で反射した電波を第1の受信アンテナで受信した第1のパルス受信信号と発振信号とを直交検波して第1の振幅及び位相を得る第1の直交検波部と、地面で反射した電波を第2の受信アンテナで受信した第2のパルス受信信号と発振信号とを直交検波して第2の振幅及び位相を得る直交検波部と、第1の振幅及び位相を複数反射電波から1回反射した反射電波を分離して時系列的にサンプリングして得た値と、第2の振幅及び位相を複数反射電波から1回反射した反射電波を分離して時系列的にサンプリングして得た値とに基づいて車両の地面に対する傾斜角度を算出する傾斜角度演算部とを備えたものである。
この発明によれば、車両の傾斜によって変化する電波伝搬距離の偏位を位相の変化として高精度に検出し精度よく車両傾斜角度を算出できるという効果がある。また、温度変化又は風があっても影響を受けず精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。また、エンジン等の騒音の影響を受けずに精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。さらに、受信信号レベル差が変動しても、直交検波により求まるIQ信号の位相から傾斜角度を算出するので精度よく傾斜角度を測定できるという効果が得られる。
また、2つの受信アンテナからの受信信号を交互に切り替えて、単一の直交検波器を用いて発振信号と受信信号を直交検波するようにしたので、直交検波器ごとの振幅および位相等の特性のばらつきによる誤差を排除することが可能となり、精度よく傾斜角度を求めることができる。
また、自己校正機能として、発振器からの発振信号の位相を回転させた送信信号を受信信号相当として直接直交検波部に入力し、このときの直交検波により求まるIQ信号の位相特性を取得するようにしたので、直交検波部の位相の回転リニアリティ特性が良くなくても補正することが可能となり、精度よく傾斜角度を求めることができる。
さらに、送信信号をパルス変調し、2つの受信アンテナからパルス変調されたそれぞれの受信信号を直交検波して求まるパルス変調されたそれぞれのIQ信号に対して、時系列的にサンプリングするようにしたので、時間軸上で地面からの1回反射によるIQ信号の位相値と複数反射によるIQ信号の位相値とを分離することが可能となり、1回反射成分の位相値から位相差を演算処理することによって精度よく傾斜角度を求めることができる。
以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による車両傾斜検知装置1の構成を示すブロック図である。車両の傾斜角度を検出する車両傾斜検知装置1は送信部100と受信部200と傾斜角度演算部300とを備えている。送信部100は、発振器101と増幅器102と送信アンテナ103とを備えている。受信部200は、第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202と第1の増幅器203と第2の増幅器204と切り替え器601と直交検波器701とを備えている。傾斜角度演算部300は、振幅位相演算器301と傾斜角演算器302を備えている。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による車両傾斜検知装置1の構成を示すブロック図である。車両の傾斜角度を検出する車両傾斜検知装置1は送信部100と受信部200と傾斜角度演算部300とを備えている。送信部100は、発振器101と増幅器102と送信アンテナ103とを備えている。受信部200は、第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202と第1の増幅器203と第2の増幅器204と切り替え器601と直交検波器701とを備えている。傾斜角度演算部300は、振幅位相演算器301と傾斜角演算器302を備えている。
なお、送信アンテナ103と第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202とは直線上に設置する、三角形の各頂点に設置するなどいかなる配置をしてもよい。また、送信アンテナ103と第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202は同一の高さになるように設置する、異なる高さになるよう設置するなどいかなる設置をしてもよい。さらに、送信アンテナ103と第1の受信アンテナ201の間隔Aと、送信アンテナ103と第2の受信アンテナ202の間隔Bの関係について、間隔Aと間隔Bとが等間隔でも等間隔でなくてもどちらでもよい。
次に動作について説明する。送信部100は増幅器102を介して発振器101から所定の周波数と振幅と位相とを持った送信信号を送信アンテナ103に入力する。送信アンテナ103に入力された送信信号は電波として放射される。周波数帯としては、24GHz帯域及び24GHzから29GHzの帯域の送信信号がある。例えば、電波法令に認許された周波数帯への適応として、特定小電力無線局の24GHz帯(24.05〜24.25GHz)を用いたり、超広域帯レーダの26GHz帯(24.25GHz〜29.0GHz)を用いたりすればよい。
受信部200は、電波を第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202とでそれぞれ受信し、第1の受信信号と第2の受信信号とを得る。受信信号は第1及び第2の増幅器203,204を介して切り替え器601に入力され、交互に切り替えて直交検波器701へ出力される。直交検波器701は、第1の受信信号又は第2の受信信号のそれぞれの振幅値と位相値を算出して傾斜角度演算部300へ出力する。切り替え器601から直交検波器701までを同一線路にすることにより、切り替え器601から直交検波器701までの間において、第1の受信信号と第2の受信信号が通過する位相長を同一にする。また、単一の直交検波器を用いて直交検波することにより、直交検波器ごとの振幅および位相等の特性のばらつきによる誤差を排除する。
傾斜角度演算部300は、振幅値と位相値とから傾斜角度を算出する。
より具体的には、送信部100内の発振器101が、予め設定した周波数と振幅と位相をもつ信号を送信信号として増幅器102へ出力する。増幅器102は送信信号を所定のレベルまで電力増幅し送信アンテナ103へ出力する。送信アンテナ103は送信信号を電波として空間へ放射する。送信アンテナ103は指向性アンテナ、アレイアンテナ、ホーンアンテナ、パッチアンテナ等いかなるアンテナを用いてもよい。また、放射する電波は、垂直偏波、水平偏波、円偏波等いかなる電波を放射してもよい。
放射された電波は地面で反射し受信手段200内の異なる位置に設置された第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202でそれぞれ受信され、第1の受信信号と第2の受信信号として出力される。受信アンテナは指向性アンテナ、アレイアンテナ、ホーンアンテナ、パッチアンテナ等いかなるアンテナを用いてもよい。
第1の受信アンテナ201内の第1の増幅器203は、第1の受信信号を所定のレベルまで電力増幅し切り替え器601を介して直交検波器701へ出力する。第2の増幅器204は第2の受信信号を切り替え器601を介して直交検波器701へ出力する。直交検波器701は、発振器101からの発振信号を基準信号として第1の受信信号又は第2の受信信号を直交検波(IQ検波)し、IQ信号を振幅位相演算器301へ出力する。
IQ信号は基準信号の0度成分によって得られるI信号と90度成分によって得られるQ信号の2信号で構成される。I信号とQ信号の逆正接は第1の受信信号と第2の受信信号の位相差に相当する。I信号とQ信号の二乗和の平方根は第1の受信信号と第2の受信信号の振幅の積に相当する。
傾斜角度演算部300内の振幅位相演算器301は、交互に得られた第1の受信信号のIQ信号(第1のIQ信号)と第2の受信信号のIQ信号(第2のIQ信号)とから両受信信号の位相差を導出し、傾斜角度演算器302へ出力する。傾斜角度演算器302は第1のIQ信号と第2のIQ信号の位相差から車両の傾斜角度を算出し出力する。
傾斜角度演算部300内の振幅位相演算器301は、交互に得られた第1の受信信号のIQ信号(第1のIQ信号)と第2の受信信号のIQ信号(第2のIQ信号)とから両受信信号の位相差を導出し、傾斜角度演算器302へ出力する。傾斜角度演算器302は第1のIQ信号と第2のIQ信号の位相差から車両の傾斜角度を算出し出力する。
図2は、実施の形態1による電波の伝播経路を説明する説明図である。より具体的には、送信アンテナ103から放射された電波が路面で反射し第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202へ伝播する経路を示した説明図である。送信アンテナ103と第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202は、同一平面上かつ送信アンテナ103を中心として車両に等間隔に直線配置されている。送信アンテナ103から第1の受信アンテナ201までの伝播経路401の経路長をL1、送信アンテナ103から第2の受信アンテナ202までの伝播経路の経路長をL2とおくと、車両と路面が平行のときの経路長L1,L2は等しくなる。これに対して、車両が路面に対して傾斜すると経路長L1,L2はそれぞれ変化し、経路差が生じる。
経路差(L1−L2)と波長λとIQ信号から算出した位相差φには以下の関係式が成り立つ。
φ=2π×(L1―L2)/λ (1)
φ=2π×(L1―L2)/λ (1)
図3は、実施の形態1による傾斜角度と位相差の関係を説明する図である。横軸を車両の路面に対する傾斜角度、縦軸を位相差とおくと、傾斜角度と位相差には一対一の関係があり、位相差から傾斜角度を算出することができる。
また、図4は複数の周波数に対して振幅位相演算器301でIQ信号から算出される位相差の関係を説明する図である。横軸を周波数とし、縦軸を位相差とする。周波数が高くなると波長が短くなり上式(1)中の波長λが小さくなる。そのため、経路長が一定でも周波数が高くなると位相差は大きくなり、周波数と位相差には図4中の直線に示した関係が成り立つ。
そこで、任意の周波数を選択して送信する場合又は周波数を時分割で送信する場合には、振幅位相演算器301でIQ信号から周波数毎に得た各位相差を、傾斜角度演算器302がこれら各位相差のプロット点から直線近似を行い、図4に示した直線を線形近似により導出する。傾斜角度演算器302はこの近似直線から所定の周波数における位相差を算出し、算出した位相差から傾斜角度を算出する。算出した位相差と傾斜角度の関係は図3で説明したものと同じ関係がある。
以上のように、車両傾斜検知装置1は車両の傾斜によって変化する電波伝搬経路の偏位を位相差の偏位として高精度に検出し精度よく車両傾斜角度を算出できるという効果がある。また、温度又は風があっても影響を受けず精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。さらに、エンジン等の騒音の影響を受けずに精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。また、受信信号レベルが変動しても、IQ信号の位相から傾斜角度を算出するので精度よく傾斜角度を測定できるという効果がある。また、切り替え器601から直交検波器701までを同一線路とするので、切り替え器601から直交検波器701までの間において、第1の受信信号と第2の受信信号が通過する位相長が同一となり、傾斜角度を精度よく検知することができるという効果が得られる。また、単一の直交検波器を用いて直交検波することにより、直交検波器ごとの振幅および位相等の特性のばらつきによる誤差を排除することが可能となり、傾斜角度を精度よく検知することができるという効果が得られる。
実施の形態2.
図5はこの発明の実施の形態2による車両傾斜検知装置1の構成を示すブロック図である。車両傾斜検知装置1は送信部100と受信部200と傾斜角度演算部300とを備えている。送信部100は、発振器101と移相器501と利得制御器502と送信用切り替え器602と増幅器102と送信アンテナ103とを備えている。受信部200は、第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202と第1の増幅器203と第2の増幅器204と第1の切り替え器603と第2の切り替え器604と第1の直交検波器701と第2の直交検波器702とを備えている。傾斜角度演算部300は振幅位相演算器301と傾斜角度演算器302を備えている。
なお、図5において、他の図と同一の符号を付したものは、同一又はこれに相当するものであり、このことは他の実施の形態においても共通することである。また、明細書全文に表れている構成要素の形容は、あくまで例示であってこれらの記載に限定されるものではない。
図5はこの発明の実施の形態2による車両傾斜検知装置1の構成を示すブロック図である。車両傾斜検知装置1は送信部100と受信部200と傾斜角度演算部300とを備えている。送信部100は、発振器101と移相器501と利得制御器502と送信用切り替え器602と増幅器102と送信アンテナ103とを備えている。受信部200は、第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202と第1の増幅器203と第2の増幅器204と第1の切り替え器603と第2の切り替え器604と第1の直交検波器701と第2の直交検波器702とを備えている。傾斜角度演算部300は振幅位相演算器301と傾斜角度演算器302を備えている。
なお、図5において、他の図と同一の符号を付したものは、同一又はこれに相当するものであり、このことは他の実施の形態においても共通することである。また、明細書全文に表れている構成要素の形容は、あくまで例示であってこれらの記載に限定されるものではない。
次に動作について説明する。送信部100において、発振器101から出力された所定の周波数と振幅と位相とを持つ発振信号は、移相器501により位相を回転させた送信信号にされる。位相の回転方法はアナログ的でもディジタル的でも良く、一周期分(360°)を回転させる。利得制御器502は位相の回転した送信信号を所定のレベルに設定し、送信用切り替え器602及び増幅器102を介して送信アンテナ103へ出力する。送信アンテナ103に入力された送信信号は電波として放射される。
第1の受信アンテナ201は送信部100から放射された電波を受信し、第1の受信信号として出力する。第1の増幅器203は第1の受信信号を所定のレベルまで電力増幅し、第1の切り替え器603を介して第1の直交検波器701へ出力する。第1の直交検波器701は送信部100内の発振器101からの発振信号と第1の受信信号とを直交検波(IQ検波)し、第1のIQ信号を傾斜角度演算部300へ出力する。
同様に、第2の受信アンテナ202は送信部100から放射された電波を受信し、第2の受信信号として出力する。第2の増幅器204は第2の受信信号を所定のレベルまで電力増幅し、第2の切り替え器604を介して第2の直交検波器702へ出力する。第2の直交検波器702は送信部100内の発振器101からの発振信号と第2の受信信号とを直交検波(IQ検波)し、第2のIQ信号を傾斜角度演算部300へ出力する。
また、前述とは別の動作として、送信用切り替え器602では、位相を回転させた送信信号を第1の切り替え器603及び第2の切り替え器604を介して、それぞれ第1の直交検波器701及び第2の直交検波器702へ入力し、それぞれ第3のIQ信号及び第4のIQ信号を傾斜角度演算部300へ出力する。
傾斜角度演算部300内の振幅位相演算器301は、第3のIQ信号及び第4のIQ信号により第1の直交検波器701及び第2の直交検波器702のそれぞれの位相の回転リニアリティ特性を取得し、正規の位相回転特性へ補正する自己校正データを用意する。この自己校正データを参照して、第1のIQ信号及び第2のIQ信号のそれぞれの振幅及び位相から位相差を導出する。傾斜角度演算器302は、この位相差から傾斜角度を算出する。傾斜角度の算出には、位相を回転させた送信信号の位相状態ごとに得られる位相差の1周期分の平均値を用いることができる。また、位相を回転させた送信信号の位相状態ごとに得られる位相差のうち、所定の位相状態における位相差を用いるようにしてもよい。
図6は、第1及び第2の直交検波器701,702それぞれの位相の回転リニアリティ特性(補正前)と正規の位相回転特性(補正後)の一例を示すI/Qコンスタレーションである。図6中の実線1101で示す直交検波器の位相の回転リニアリティ特性がよくない場合でも、破線1102で示す正規の位相回転特性へ補正することにより、精度良く傾斜角度を算出することができる。
以上のように、車両傾斜検知装置1は車両の傾斜によって変化する電波伝搬経路の偏位を位相差の偏位として高精度に検出し精度よく車両傾斜角度を算出できるという効果がある。また、温度又は風があっても影響を受けず精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。さらに、エンジン等の騒音の影響を受けずに精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。また、受信信号レベルが変動しても、IQ信号の位相から傾斜角度を算出するので精度よく傾斜角度を測定できるという効果がある。また、直交検波器の位相の回転リニアリティ特性が良くなくても自己校正データを参照して補正することが可能となり、精度よく傾斜角度を求めることができるという効果がある。
実施の形態3.
図7はこの発明の実施の形態3による車両傾斜検知装置1の構成を示すブロック図である。この車両傾斜検知装置1は、上記実施の形態1(図1に示す)と上記実施の形態2(図5に示す)を組み合わせた構成であり、送信部100と受信部200と傾斜角度演算部300とを備えている。送信部100は、発振器101と移相器501と利得制御器502と送信用切り替え器602と増幅器102と送信アンテナ103とを備えている。受信部200は、第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202と第1の増幅器203と第2の増幅器204と第1の切り替え器601と第2の切り替え器603と直交検波器701とを備えている。傾斜角度演算部300は振幅位相演算器301と傾斜角度演算器302を備えている。
図7はこの発明の実施の形態3による車両傾斜検知装置1の構成を示すブロック図である。この車両傾斜検知装置1は、上記実施の形態1(図1に示す)と上記実施の形態2(図5に示す)を組み合わせた構成であり、送信部100と受信部200と傾斜角度演算部300とを備えている。送信部100は、発振器101と移相器501と利得制御器502と送信用切り替え器602と増幅器102と送信アンテナ103とを備えている。受信部200は、第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202と第1の増幅器203と第2の増幅器204と第1の切り替え器601と第2の切り替え器603と直交検波器701とを備えている。傾斜角度演算部300は振幅位相演算器301と傾斜角度演算器302を備えている。
次に動作について説明する。送信部100において、発振器101から出力された所定の周波数と振幅と位相とを持つ発振信号は、移相器501により位相を回転させた送信信号にされる。位相の回転方法はアナログ的でもディジタル的でも良く、一周期分(360°)を回転させる。利得制御器502は位相の回転した送信信号を所定のレベルに設定し、送信用切り替え器602及び増幅器102を介して送信アンテナ103へ出力する。送信アンテナ103に入力された送信信号は電波として放射される。
受信部200は、電波を第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202とでそれぞれ受信し第1の受信信号と第2の受信信号とを得る。受信信号は第1及び第2の増幅器203,204を介して第1の切り替え器601に入力され、交互に切り替えて第2の切り替え器603を介して直交検波器701へ入力される。直交検波器701は第1の受信信号又は第2の受信信号のそれぞれの振幅値と位相値(第1のIQ信号又は第2のIQ信号)を算出して傾斜角度演算部300へ出力する。
また、前述とは別の動作として、第1の切り替え器601では、位相を回転させた送信信号を第2の切り替え器603を介して、直交検波器701へ入力し、第3のIQ信号を傾斜角度演算部300へ出力する。
傾斜角度演算部300内の振幅位相演算器301は、第3のIQ信号により直交検波器701の位相の回転リニアリティ特性を取得し、正規の位相回転特性へ補正する自己校正データを用意する。この自己校正データを参照して、第1のIQ信号及び第2のIQ信号のそれぞれの振幅値及び位相値から位相差を導出する。傾斜角度演算器302は、この位相差から傾斜角度を算出する。傾斜角度の算出には、位相を回転させた送信信号の位相状態ごとに得られる位相差の1周期分の平均値を用いることができる。また、位相を回転させた送信信号の位相状態ごとに得られる位相差のうち、所定の位相状態における位相差を用いるようにしてもよい。
以上のように、車両傾斜検知装置1は車両の傾斜によって変化する電波伝搬経路の偏位を位相差の偏位として高精度に検出し精度よく車両傾斜角度を算出できるという効果がある。また、温度又は風があっても影響を受けず精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。さらに、エンジン等の騒音の影響を受けずに精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。また、受信信号レベルが変動しても、IQ信号の位相から傾斜角度を算出するので精度よく傾斜角度を測定できるという効果がある。また、切り替え器601から直交検波器701までを同一線路とするので、切り替え器601から直交検波器701までの間において、第1の受信信号と第2の受信信号が通過する位相長が同一となり、傾斜角度を精度よく検知することができるという効果が得られる。また、単一の直交検波器を用いて直交検波することにより、直交検波器ごとの振幅および位相等の特性のばらつきによる誤差を排除することが可能となり、傾斜角度を精度よく検知することができるという効果が得られる。また、直交検波器の位相の回転リニアリティ特性が良くなくても自己校正データを参照して補正することが可能となり、精度よく傾斜角度を求めることができるという効果がある。
実施の形態4.
図8はこの発明の実施の形態4による車両傾斜検知装置1の構成を示すブロック図である。車両傾斜検知装置1は送信部100と受信部200と傾斜角度演算部300とを備えている。送信部100は、符号信号発生器801と変調器802と発振器101と増幅器102と送信アンテナ103とを備えている。受信部200は、第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202と第1の増幅器203と第2の増幅器204と切り替え器601と直交検波器701と相関演算器803とを備えている。傾斜角度演算部300は振幅位相演算器301と傾斜角度演算器302を備えている。
図8はこの発明の実施の形態4による車両傾斜検知装置1の構成を示すブロック図である。車両傾斜検知装置1は送信部100と受信部200と傾斜角度演算部300とを備えている。送信部100は、符号信号発生器801と変調器802と発振器101と増幅器102と送信アンテナ103とを備えている。受信部200は、第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202と第1の増幅器203と第2の増幅器204と切り替え器601と直交検波器701と相関演算器803とを備えている。傾斜角度演算部300は振幅位相演算器301と傾斜角度演算器302を備えている。
次に動作について説明する。送信部100内の変調器802は、発振器101の出力する所定の周波数の発振信号を、符号信号発生器801の出力する所定の符号又はIDによる符号信号で変調し、増幅器102を介して送信アンテナ103へ出力する。符号信号で変調された発振信号は送信アンテナ103から電波として放射される。送信アンテナ103は指向性アンテナ、アレイアンテナ、ホーンアンテナ、パッチアンテナ等いかなるアンテナを用いてもよい。また、放射する電波は、垂直偏波、水平偏波、円偏波等いかなる電波を放射してもよい。
符号信号発生器801は、予め設定した符号又はIDの情報を符号信号として出力する。この符号はM系列、GOLD系列、直交系列等の符号の組み合わせで構成する。符号信号発生器801が生成する符号信号は、送信部100内の変調器802と受信部200内の相関演算器803に入力される。
発振器101は、予め設定した周波数を生成して発振信号として変調器802と受信部200内の直交検波器701へ出力する。変調器802は発振信号を搬送波として符号信号でBPSK(Binary Phase Shift Keying)変調して増幅器102に変調信号として出力する。増幅器102は変調信号を所定のレベルまで電力増幅し送信アンテナ103へ出力する。送信アンテナ103は電波として空間へ放射する。
受信部200は、放射された電波を第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202とでそれぞれ受信し第1の受信信号と第2の受信信号とを得る。受信信号は第1及び第2の増幅器203,204にて所定のレベルまで電力増幅され、切り替え器601に入力され、交互に切り替えて直交検波器701へ出力される。直交検波器701は第1の受信信号又は第2の受信信号と発振器101からの発振信号とで直交検波(IQ検波)された第1のベースバンド信号のIQ信号又は第2のベースバンド信号のIQ信号(第1のIQ信号又は第2のIQ信号)を算出し、相関演算器803へ出力する。相関演算器803は、第1のIQ信号又は第2のIQ信号と符号信号発生器801からの符号信号とで相関演算を行って、第1の相関値の振幅と位相、又は第2の相関値の振幅と位相を得て、傾斜角度演算部300へ出力する。
より具体的には、相関演算器803は、符号信号発生器801により生成された符号信号と直交検波器701が算出した第1のIQ信号又は第2のIQ信号との相関演算を行う。相関演算は符号信号一周期分の相関を演算し、I成分に対応する相関値IとQ成分に対応する相関値Qを計算する。相関値Iと相関値Qの二乗和の平方根は受信信号の振幅に相当し、相関値Iと相関値Qの逆正接は第1の受信信号の位相に相当する。相関演算器803は、演算したこの第1の相関値の振幅と位相、又は第2の相関値の振幅と位相を振幅位相演算器301に出力する。
傾斜角度演算部300内の振幅位相演算器301は、第1の相関値の振幅と位相、又は第2の相関値の振幅と位相を交互に得て位相差を算出し、傾斜角度演算器302にてこの位相差から傾斜角度を算出する。第1の相関値の位相及び第2の相関値の位相の位相差と傾斜角度とには上記実施の形態1における図3と同様の一対一の関係があり、傾斜角度が算出できる。
また、受信部200内の相関演算器803が第1のIQ信号と第2のIQ信号を用いて相関演算を行って相関値の振幅と位相を算出し、傾斜角度演算部300内の傾斜角度演算器302が相関値から傾斜角度を算出してもよい。このとき、算出された振幅と位相は、第1の相関値の振幅と第2の相関値の振幅の積、第1の相関値の位相と第2の相関値の位相の位相差に相当する。
以上のように、車両傾斜検知装置1は車両の傾斜によって変化する電波伝搬距離の偏位を位相の偏位として高精度に検出し精度よく車両傾斜角度を算出できるという効果がある。また、温度又は風があっても影響を受けず精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。さらに、エンジン等の騒音の影響を受けずに精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。また、受信信号レベルが変動しても、相関値の位相差から傾斜角度を算出するので精度よく傾斜角度を測定できるという効果がある。また、切り替え器601から直交検波器701までを同一線路とするので、切り替え器601から直交検波器701までの間において、第1の受信信号と第2の受信信号が通過する位相長が同一となり、傾斜角度を精度よく検知することができるという効果が得られる。また、単一の直交検波器を用いて直交検波することにより、直交検波器ごとの振幅および位相等の特性のばらつきによる誤差を排除することが可能となり、傾斜角度を精度よく検知することができるという効果が得られる。さらに、送信信号を符号変調しているので、車両用レーダ装置から放射された電波、他の装置から放射された電波など同一周波数をもつ電波を受信アンテナで受信しても位相干渉による誤差を抑圧できるので、精度良く傾斜角度を測定できるという効果が得られる。
実施の形態5.
図9はこの発明の実施の形態5による車両傾斜検知装置1の構成を示すブロック図である。車両傾斜検知装置1は送信部100と受信部200と傾斜角度演算部300とを備えている。送信部100は、符号信号発生器801と変調器802と発振器101と移相器501と利得制御器502と送信用切り替え器602と増幅器102と送信アンテナ103とを備えている。受信部200は、第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202と第1の増幅器203と第2の増幅器204と第1の切り替え器603と第2の切り替え器604と第1の直交検波器701と第2の直交検波器702と第1の相関演算器803と第2の相関演算器804とを備えている。傾斜角度演算部300は振幅位相演算器301と傾斜角度演算器302を備えている。
図9はこの発明の実施の形態5による車両傾斜検知装置1の構成を示すブロック図である。車両傾斜検知装置1は送信部100と受信部200と傾斜角度演算部300とを備えている。送信部100は、符号信号発生器801と変調器802と発振器101と移相器501と利得制御器502と送信用切り替え器602と増幅器102と送信アンテナ103とを備えている。受信部200は、第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202と第1の増幅器203と第2の増幅器204と第1の切り替え器603と第2の切り替え器604と第1の直交検波器701と第2の直交検波器702と第1の相関演算器803と第2の相関演算器804とを備えている。傾斜角度演算部300は振幅位相演算器301と傾斜角度演算器302を備えている。
次に動作について説明する。送信部100では、発振器101の出力する所定の周波数の発振信号を移相器501にて位相を回転させた送信信号にし、利得制御器502にて所定のレベルに設定し、送信用切り替え器602を介して、変調器802に出力する。この送信信号を、変調器802にて符号信号発生器801の出力する所定の符号又はIDによる符号信号で変調し、増幅器102を介して送信アンテナ103へ出力する。移相器501による位相の回転方法はアナログ的でもディジタル的でも良く、一周期分(360°)を回転させる。符号変調された送信信号は送信アンテナ103から電波として放射される。
第1の受信アンテナ201は送信部100から放射された電波を受信し、第1の受信信号として出力する。第1の増幅器203は第1の受信信号を所定のレベルまで電力増幅し、第1の切り替え器603を介して第1の直交検波器701へ出力する。第1の直交検波器701は送信部100内の発振器101からの発振信号と第1の受信信号とを直交検波(IQ検波)し、第1のベースバンド信号のIQ信号(第1のIQ信号)を第1の相関演算器803へ出力する。第1の相関演算器803は、第1のIQ信号を符号信号発生器801からの符号信号と相関演算し、第1の相関値の振幅及び位相を傾斜角度演算部300へ出力する。
同様に、第2の受信アンテナ202は送信部100から放射された電波を受信し、第2の受信信号として出力する。第2の増幅器204は第2の受信信号を所定のレベルまで電力増幅し、第2の切り替え器604を介して第2の直交検波器702へ出力する。第2の直交検波器702は送信部100内の発振器101からの発振信号と第2の受信信号とを直交検波(IQ検波)し、第2のベースバンド信号のIQ信号(第2のIQ信号)を第2の相関演算器804へ出力する。第2の相関演算器804は、第2のIQ信号を符号信号発生器801からの符号信号と相関演算し、第2の相関値の振幅及び位相を傾斜角度演算部300へ出力する。
また、前述とは別の動作として、送信用切り替え器602では、位相を回転させた送信信号を第1の切り替え器603及び第2の切り替え器604を介して、それぞれ第1の直交検波器701及び第2の直交検波器702へ入力し、送信部100内の発振器101からの発振信号とで直交検波(IQ検波)し、それぞれ第3のベースバンド信号のIQ信号(第3のIQ信号)及び第4のベースバンド信号のIQ信号(第4のIQ信号)を、それぞれ第1の相関演算器803及び第2の相関演算器804へ入力する。
なお、第1及び第2の相関演算器803,804は、第3のIQ信号及び第4のIQ信号については符号信号発生器801からの符号信号との相関演算は行わず、第3のIQ信号及び第4のIQ信号をそれぞれ第3の相関値の振幅と位相及び第4の相関値の振幅と位相として傾斜角度演算部300へ出力する。
なお、第1及び第2の相関演算器803,804は、第3のIQ信号及び第4のIQ信号については符号信号発生器801からの符号信号との相関演算は行わず、第3のIQ信号及び第4のIQ信号をそれぞれ第3の相関値の振幅と位相及び第4の相関値の振幅と位相として傾斜角度演算部300へ出力する。
傾斜角度演算部300内の振幅位相演算器301は、第3の相関値の振幅と位相及び第4の相関値の振幅と位相により第1の直交検波器701及び第2の直交検波器702それぞれの位相の回転リニアリティ特性を取得し、正規の位相回転特性へ補正する自己校正データを用意する。この自己校正データを参照して、第1の相関値の振幅と位相及び第2の相関値の振幅と位相から位相差を導出する。傾斜角度演算器302は、この位相差から傾斜角度を算出する。傾斜角度の算出には、位相を回転させた送信信号の位相状態ごとに得られる位相差の1周期分の平均値を用いることができる。また、位相を回転させた送信信号の位相状態ごとに得られる位相差のうち、所定の位相状態における位相差を用いるようにしてもよい。なお、第1及び第2の直交検波器701,702の位相の回転リニアリティ特性と振幅位相演算器301の正規の位相回転特性への補正については、上記実施の形態2における図6と同じである。
また、受信部200内の第1の相関演算器803(又は第2の相関演算器804でもよい)は、第1のIQ信号と第2のIQ信号を用いて相関演算を行って相関値の振幅と位相を算出し、傾斜角度演算部300内の傾斜角度演算器302が相関値から傾斜角度を算出してもよい。このとき、算出された振幅と位相は、第1の相関値の振幅と第2の相関値の振幅の積、第1の相関値の位相と第2の相関値の位相の位相差に相当する。
以上のように、車両傾斜検知装置1は車両の傾斜によって変化する電波伝搬距離の偏位を位相の偏位として高精度に検出し精度よく車両傾斜角度を算出できるという効果がある。また、温度又は風があっても影響を受けず精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。さらに、エンジン等の騒音の影響を受けずに精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。また、受信信号レベルが変動しても、相関値の位相差から傾斜角度を算出するので精度よく傾斜角度を測定できるという効果がある。また、直交検波器の位相の回転リニアリティ特性が良くなくても自己校正データを参照して補正することが可能となり、精度よく傾斜角度を求めることができるという効果がある。さらに、送信信号を符号変調しているので、車両用レーダ装置から放射された電波、他の装置から放射された電波など同一周波数をもつ電波を受信アンテナで受信しても位相干渉による誤差を抑圧できるので、精度良く傾斜角度を測定できるという効果が得られる。
実施の形態6.
図10はこの発明の実施の形態6による車両傾斜検知装置1の構成を示すブロック図である。この車両傾斜検知装置1は、上記実施の形態4(図8に示す)と上記実施の形態5(図9に示す)を組み合わせた構成であり、送信部100と受信部200と傾斜角度演算部300とを備えている。送信部100は、符号信号発生器801と変調器802と発振器101と移相器501と利得制御器502と送信用切り替え器602と増幅器102と送信アンテナ103とを備えている。受信部200は、第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202と第1の増幅器203と第2の増幅器204と第1の切り替え器601と第2の切り替え器603と直交検波器701と相関演算器803とを備えている。
傾斜角度演算部300は振幅位相演算器301と傾斜角度演算器302を備えている。
図10はこの発明の実施の形態6による車両傾斜検知装置1の構成を示すブロック図である。この車両傾斜検知装置1は、上記実施の形態4(図8に示す)と上記実施の形態5(図9に示す)を組み合わせた構成であり、送信部100と受信部200と傾斜角度演算部300とを備えている。送信部100は、符号信号発生器801と変調器802と発振器101と移相器501と利得制御器502と送信用切り替え器602と増幅器102と送信アンテナ103とを備えている。受信部200は、第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202と第1の増幅器203と第2の増幅器204と第1の切り替え器601と第2の切り替え器603と直交検波器701と相関演算器803とを備えている。
傾斜角度演算部300は振幅位相演算器301と傾斜角度演算器302を備えている。
次に動作について説明する。送信部100では、発振器101の出力する所定の周波数の発振信号を移相器501にて位相を回転させた送信信号にし、利得制御器502にて所定のレベルに設定し、送信用切り替え器602を介して、変調器802に出力する。この送信信号を、変調器802にて符号信号発生器801の出力する所定の符号又はIDによる符号信号で変調し、増幅器102を介して送信アンテナ103へ出力する。移相器501による位相の回転方法はアナログ的でもディジタル的でも良く、一周期分(360°)を回転させる。符号変調された送信信号は送信アンテナ103から電波として放射される。
受信部200は、放射された電波を第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202とでそれぞれ受信し第1の受信信号と第2の受信信号とを得る。受信信号は第1及び第2の増幅器203,204にて所定のレベルまで電力増幅され、第1の切り替え器601に入力され、交互に切り替えて第2の切り替え器603を介して直交検波器701に入力される。直交検波器701は第1の受信信号又は第2の受信信号と発振器101からの発振信号とで直交検波(IQ検波)された第1のベースバンド信号のIQ信号又は第2のベースバンド信号のIQ信号(第1のIQ信号又は第2のIQ信号)を算出し、相関演算器803へ出力する。相関演算器803は、第1のIQ信号又は第2のIQ信号と符号信号発生器801からの符号信号とで相関演算を行って、第1の相関値の振幅と位相、又は第2の相関値の振幅と位相を得て、傾斜角度演算部300へ出力する。
また、前述とは別の動作として、送信用切り替え器602では、位相を回転させた送信信号を第2の切り替え器603を介して、直交検波器701へ入力し、送信部100内の発振器101からの発振信号と直交検波(IQ検波)し、第3のベースバンド信号のIQ信号(第3のIQ信号)を相関演算器803へ入力する。
なお、相関演算器803は、第3のIQ信号については符号信号発生器801からの符号信号との相関演算は行わず、第3のIQ信号を第3の相関値の振幅と位相として傾斜角度演算部300へ出力する。
なお、相関演算器803は、第3のIQ信号については符号信号発生器801からの符号信号との相関演算は行わず、第3のIQ信号を第3の相関値の振幅と位相として傾斜角度演算部300へ出力する。
傾斜角度演算部300内の振幅位相演算器301は、第3の相関値の振幅と位相により直交検波器701の位相の回転リニアリティ特性を取得し、正規の位相回転特性へ補正する自己校正データを用意する。この自己校正データを参照して、第1の相関値の振幅と位相、又は第2の相関値の振幅と位相から位相差を導出する。傾斜角度演算器302は、この位相差から傾斜角度を算出する。傾斜角度の算出には、位相を回転させた送信信号の位相状態ごとに得られる位相差の1周期分の平均値を用いることができる。また、位相を回転させた送信信号の位相状態ごとに得られる位相差のうち、所定の位相状態における位相差を用いるようにしてもよい。なお、直交検波器701の位相の回転リニアリティ特性と振幅位相演算器301の正規の位相回転特性への補正については、上記実施の形態2における図6と同じである。
また、受信部200内の相関演算器803は、第1のIQ信号と第2のIQ信号を用いて相関演算を行って相関値の振幅と位相を算出し、傾斜角度演算部300内の傾斜角度演算器302が相関値から傾斜角度を算出してもよい。このとき、算出された振幅と位相は、第1の相関値の振幅と第2の相関値の振幅の積、第1の相関値の位相と第2の相関値の位相の位相差に相当する。
以上のように、車両傾斜検知装置1は車両の傾斜によって変化する電波伝搬距離の偏位を位相の偏位として高精度に検出し精度よく車両傾斜角度を算出できるという効果がある。温度又は風があっても影響を受けず精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。さらに、エンジン等の騒音の影響を受けずに精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。また、受信信号レベルが変動しても、相関値の位相差から傾斜角度を算出するので精度よく傾斜角度を測定できるという効果がある。また、切り替え器601から直交検波器701までを同一線路とするので、切り替え器601から直交検波器701までの間において、第1の受信信号と第2の受信信号が通過する位相長が同一となり、傾斜角度を精度よく検知することができるという効果が得られる。また、単一の直交検波器を用いて直交検波することにより、直交検波器ごとの振幅および位相等の特性のばらつきによる誤差を排除することが可能となり、傾斜角度を精度よく検知することができるという効果が得られる。また、直交検波器の位相の回転リニアリティ特性が良くなくても自己校正データを参照して補正することが可能となり、精度よく傾斜角度を求めることができるという効果がある。さらに、送信信号を符号変調しているので、車両用レーダ装置から放射された電波、他の装置から放射された電波など同一周波数をもつ電波を受信アンテナで受信しても位相干渉による誤差を抑圧できるので、精度良く傾斜角度を測定できるという効果が得られる。
実施の形態7.
図11はこの発明の実施の形態7による車両傾斜検知装置1の構成を示すブロック図である。車両傾斜検知装置1は送信部100と受信部200と傾斜角度演算部300とを備えている。送信部100は、パルス信号発生器901と変調器802と発振器101と増幅器102と送信アンテナ103とを備えている。受信部200は、第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202と第1の増幅器203と第2の増幅器204と第1の直交検波器701と第2の直交検波器702とを備えている。傾斜角度演算部300は、サンプルユニット902と振幅位相演算器301と傾斜角度演算器302とを備えている。
図11はこの発明の実施の形態7による車両傾斜検知装置1の構成を示すブロック図である。車両傾斜検知装置1は送信部100と受信部200と傾斜角度演算部300とを備えている。送信部100は、パルス信号発生器901と変調器802と発振器101と増幅器102と送信アンテナ103とを備えている。受信部200は、第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202と第1の増幅器203と第2の増幅器204と第1の直交検波器701と第2の直交検波器702とを備えている。傾斜角度演算部300は、サンプルユニット902と振幅位相演算器301と傾斜角度演算器302とを備えている。
次に動作について説明する。送信部100内の変調器802は、発振器101の出力する所定の周波数の発振信号を、パルス信号発生器901の出力する連続したパルス信号でパルス変調しパルス送信信号として増幅器102を介して送信アンテナ103へ出力する。パルス送信信号は送信アンテナ103から電波として放射される。送信アンテナ103は指向性アンテナ、アレイアンテナ、ホーンアンテナ、パッチアンテナ等いかなるアンテナを用いてもよい。また、放射する電波は、垂直偏波、水平偏波、円偏波等いかなる電波を放射してもよい。
第1の受信アンテナ201は送信部100から放射された電波を受信し、第1のパルス受信信号として出力する。第1の増幅器203は第1のパルス受信信号を所定のレベルまで電力増幅し、第1の直交検波器701へ出力する。第1の直交検波器701は送信部100内の発振器101からの発振信号と第1のパルス受信信号とを直交検波(IQ検波)し、第1のパルスIQ信号を傾斜角度演算部300へ出力する。
同様に、第2の受信アンテナ202は送信部100から放射された電波を受信し、第2のパルス受信信号として出力する。第2の増幅器204は第2のパルス受信信号を所定のレベルまで電力増幅し、第2の直交検波器702へ出力する。第2の直交検波器702は送信部100内の発振器101からの発振信号と第2のパルス受信信号とを直交検波(IQ検波)し、第2のパルスIQ信号を傾斜角度演算部300へ出力する。
図12は、実施の形態7による電波の、車体と路面との間の複数反射を示す図である。
図12(a)に示すように、路面から反射した電波が、送信アンテナ103と第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202を含む車体から再び放射(反射)され、再び路面で反射して、第1の受信アンテナ201及び第2の受信アンテナ202で受信されるような場合、送信アンテナ103から第1の受信アンテナ201までの伝播経路の経路長が伝播経路401の経路長L1から伝播経路403の経路長L3となる。同様に、送信アンテナ103から第2の受信アンテナ202までの伝播経路の経路長が伝播経路402の経路長L2から伝播経路404の経路長L4となる。従って、図12(b)に示すように、第1のパルスIQ信号及び第2のパルスIQ信号には、1回反射した反射電波の振幅と位相、2回反射した電波の振幅と位相、3回反射した電波の振幅と位相というように、反射回数に応じた反射電波の振幅と位相とが時系列的に順次重複されていく。
図12(a)に示すように、路面から反射した電波が、送信アンテナ103と第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202を含む車体から再び放射(反射)され、再び路面で反射して、第1の受信アンテナ201及び第2の受信アンテナ202で受信されるような場合、送信アンテナ103から第1の受信アンテナ201までの伝播経路の経路長が伝播経路401の経路長L1から伝播経路403の経路長L3となる。同様に、送信アンテナ103から第2の受信アンテナ202までの伝播経路の経路長が伝播経路402の経路長L2から伝播経路404の経路長L4となる。従って、図12(b)に示すように、第1のパルスIQ信号及び第2のパルスIQ信号には、1回反射した反射電波の振幅と位相、2回反射した電波の振幅と位相、3回反射した電波の振幅と位相というように、反射回数に応じた反射電波の振幅と位相とが時系列的に順次重複されていく。
そこで、傾斜角度演算部300内のサンプルユニット902が、送信部100内のパルス信号発生器901からのパルス信号と同期して、第1のパルスIQ信号の振幅と位相及び第2のパルスIQ信号の振幅と位相を時系列的にサンプルし、所定回数反射した反射電波の振幅と位相を、時系列的に重複された複数反射電波から分離して取得する。ここでは、傾斜角度の精度を確保するために、1回反射した反射電波の振幅と位相のみを分離して取得することとする。振幅位相演算器301は、第1のパルスIQ信号及び第2のパルスIQ信号のそれぞれ1回反射成分についてそれぞれの振幅と位相から位相差を導出する。
傾斜角度演算器302は、この位相差から傾斜角度を算出する。
傾斜角度演算器302は、この位相差から傾斜角度を算出する。
サンプルユニット902として、比較的高速のAD(アナログ/ディジタル)コンバータを用いて1つのパルスIQ信号の振幅と位相を時系列的に全て取得してもよい。又は、比較的低速のADコンバータを用いてパルスIQ信号毎に振幅と位相のサンプル位置をスライドさせながら取得し収集することにより、等価的にパルスIQ信号の振幅と位相を時系列的に全て取得してもよい。
図13は、サンプルユニット902によるパルス送信信号のサンプリングを示す図であり、比較的低速のADコンバータを用いる場合について説明する。例として、パルス信号発生器901から変調器802への送信用の変調周波数を10MHzとし、パルス信号発生器901からサンプルユニット902への受信用のサンプル周波数を9.99MHzとする。両者の周波数差により、サンプルユニット902でのパルスIQ信号に対するサンプル位置は0.1nsec(=1/9.99MHz−1/10MHz)ずつ時系列方向にスライドすることとなる。このスライドしたサンプルデータを収集することにより、10GHz(=1/0.1nsec)相当の高速のADコンバータでサンプルすることと等価になる。
また、送信用の変調周波数である10MHzのデューティを50%とすると、パルスIQ信号のパルス幅は50nsecなので、パルス幅内を等価的に全てサンプルするためには、500発のパルスIQ信号に対してサンプル位置をスライドさせていく必要がる。さらに、車体から路面までの往復の経路長を考慮すると、さらに多くのサンプル位置をスライドさせる必要がある。具体的には、車体から路面までの距離を15cmとすると、伝播時間は往復で1nsecとなるので、サンプル位置をスライドさせる回数は10(=1nsec/0.1nsec)回必要となる。これ以外にも、9.99MHzでサンプルするADコンバータ(サンプルユニット902に相当する)から第1及び第2の受信アンテナ201,202までの位相長、10MHzで変調された送信信号を出力する変調器802から送信アンテナ103までの位相長、及び10MHzと9.99MHzの同期時間等を考慮する必要がある。
また、送信用の変調周波数である10MHzのデューティを50%とすると、パルスIQ信号のパルス幅は50nsecなので、パルス幅内を等価的に全てサンプルするためには、500発のパルスIQ信号に対してサンプル位置をスライドさせていく必要がる。さらに、車体から路面までの往復の経路長を考慮すると、さらに多くのサンプル位置をスライドさせる必要がある。具体的には、車体から路面までの距離を15cmとすると、伝播時間は往復で1nsecとなるので、サンプル位置をスライドさせる回数は10(=1nsec/0.1nsec)回必要となる。これ以外にも、9.99MHzでサンプルするADコンバータ(サンプルユニット902に相当する)から第1及び第2の受信アンテナ201,202までの位相長、10MHzで変調された送信信号を出力する変調器802から送信アンテナ103までの位相長、及び10MHzと9.99MHzの同期時間等を考慮する必要がある。
以上のように、車両傾斜検知装置1は車両の傾斜によって変化する電波伝搬距離の偏位を位相の偏位として高精度に検出し精度よく車両傾斜角度を算出できるという効果がある。また、温度又は風があっても影響を受けず精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。さらに、エンジン等の騒音の影響を受けずに精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。また、受信信号レベルが変動しても、パルスIQ信号の位相差から傾斜角度を算出するので精度よく傾斜角度を測定できるという効果がある。また、路面からの複数の反射電波があっても傾斜角度を精度よく検知できるという効果がある。なお、1回反射成分から位相差を検出できればパルス信号でなくてもよい。
実施の形態8.
図14はこの発明の実施の形態8による車両傾斜検知装置1の構成を示すブロック図である。この車両傾斜検知装置1は、上記実施の形態1(図1に示す)と上記実施の形態7(図11に示す)を組み合わせた構成であり、送信部100と受信部200と傾斜角度演算部300とを備えている。送信部100は、パルス信号発生器901と変調器802と発振器101と増幅器102と送信アンテナ103とを備えている。受信部200は、第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202と第1の増幅器203と第2の増幅器204と切り替え器601と直交検波器701とを備えている。傾斜角度演算部300は、サンプルユニット902と振幅位相演算器301と傾斜角度演算器302とを備えている。
図14はこの発明の実施の形態8による車両傾斜検知装置1の構成を示すブロック図である。この車両傾斜検知装置1は、上記実施の形態1(図1に示す)と上記実施の形態7(図11に示す)を組み合わせた構成であり、送信部100と受信部200と傾斜角度演算部300とを備えている。送信部100は、パルス信号発生器901と変調器802と発振器101と増幅器102と送信アンテナ103とを備えている。受信部200は、第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202と第1の増幅器203と第2の増幅器204と切り替え器601と直交検波器701とを備えている。傾斜角度演算部300は、サンプルユニット902と振幅位相演算器301と傾斜角度演算器302とを備えている。
次に動作について説明する。送信部100内の変調器802は、発振器101の出力する所定の周波数の発振信号を、パルス信号発生器901の出力する連続したパルス信号でパルス変調しパルス送信信号として増幅器102を介して送信アンテナ103へ出力する。パルス送信信号は送信アンテナ103から電波として放射される。
受信部200は、電波を第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202とでそれぞれ受信し、第1のパルス受信信号と第2のパルス受信信号とを得る。パルス受信信号は第1及び第2の増幅器203,204を介して切り替え器601に入力され、交互に切り替えて直交検波器701へ出力される。直交検波器701は、第1のパルス受信信号又は第2のパルス受信信号と発振器101からの発振信号とで直交検波(IQ検波)し、第1のパルスIQ信号又は第2のパルスIQ信号のそれぞれの振幅値と位相値を算出して傾斜角度演算部300へ出力する。
傾斜角度演算部300内のサンプルユニット902は、送信部100内のパルス信号発生器901からのパルス信号と同期して、第1のパルスIQ信号の振幅と位相又は第2のパルスIQ信号の振幅と位相を交互に時系列的にサンプルし、所定回数反射した反射電波の振幅と位相を、時系列的に重複された複数反射電波から分離して取得する。振幅位相演算器301は、第1のパルスIQ信号又は第2のパルスIQ信号の1回反射成分についてそれぞれの振幅と位相から位相差を導出する。傾斜角度演算器302は、この位相差から傾斜角度を算出する。
サンプルユニット902として、上記実施の形態7と同様に、比較的高速のADコンバータを用いても良いし、比較的低速のADコンバータを用いても良い。比較的低速のADコンバータを用いる場合には、上記実施の形態7における図13の説明と同じ動作である。
以上のように、車両傾斜検知装置1は車両の傾斜によって変化する電波伝搬距離の偏位を位相の偏位として高精度に検出し精度よく車両傾斜角度を算出できるという効果がある。また、温度又は風があっても影響を受けず精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。さらに、エンジン等の騒音の影響を受けずに精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。また、受信信号レベルが変動しても、パルスIQ信号の位相差から傾斜角度を算出するので精度よく傾斜角度を測定できるという効果がある。また、切り替え器601から直交検波器701までを同一線路とするので、切り替え器601から直交検波器701までの間において、第1のパルス受信信号と第2のパルス受信信号が通過する位相長が同一となり、傾斜角度を精度よく検知することができるという効果が得られる。また、単一の直交検波器を用いて直交検波することにより、直交検波器ごとの振幅および位相等の特性のばらつきによる誤差を排除することが可能となり、傾斜角度を精度よく検知することができるという効果が得られる。また、路面からの複数の反射電波があっても傾斜角度を精度よく検知できるという効果がある。なお、1回反射成分から位相差を検出できればパルス信号でなくてもよい。
実施の形態9.
図15はこの発明の実施の形態9による車両傾斜検知装置1の構成を示すブロック図である。この車両傾斜検知装置1は、上記実施の形態2(図5に示す)と上記実施の形態7(図11に示す)を組み合わせたものであり、送信部100と受信部200と傾斜角度演算部300とを備えている。送信部100は、パルス信号発生器901と変調器802と発振器101と移相器501と利得制御器502と送信用切り替え器602と増幅器102と送信アンテナ103とを備えている。受信部200は、第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202と第1の増幅器203と第2の増幅器204と第1の切り替え器603と第2の切り替え器604と第1の直交検波器701と第2の直交検波器702とを備えている。傾斜角度演算部300は、サンプルユニット902と振幅位相演算器301と傾斜角度演算器302とを備えている。
図15はこの発明の実施の形態9による車両傾斜検知装置1の構成を示すブロック図である。この車両傾斜検知装置1は、上記実施の形態2(図5に示す)と上記実施の形態7(図11に示す)を組み合わせたものであり、送信部100と受信部200と傾斜角度演算部300とを備えている。送信部100は、パルス信号発生器901と変調器802と発振器101と移相器501と利得制御器502と送信用切り替え器602と増幅器102と送信アンテナ103とを備えている。受信部200は、第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202と第1の増幅器203と第2の増幅器204と第1の切り替え器603と第2の切り替え器604と第1の直交検波器701と第2の直交検波器702とを備えている。傾斜角度演算部300は、サンプルユニット902と振幅位相演算器301と傾斜角度演算器302とを備えている。
次に動作について説明する。送信部100では、発振器101の出力する所定の周波数と振幅と位相とを持った発振信号を移相器501にて位相を回転させた送信信号にし、利得制御器502にて所定のレベルに設定し、送信用切り替え器602を介して、変調器802に出力する。この送信信号を、変調器802にてパルス信号発生器901の出力する連続したパルス信号でパルス変調してパルス送信信号にし、増幅器102を介して送信アンテナ103へ出力する。移相器501による位相の回転方法はアナログ的でもディジタル的でも良く、一周期分(360°)を回転させる。パルス送信信号は送信アンテナ103から電波として放射される。
第1の受信アンテナ201は送信部100から放射された電波を受信し、第1のパルス受信信号として出力する。第1の増幅器203は第1のパルス受信信号を所定のレベルまで電力増幅し、第1の切り替え器603を介して第1の直交検波器701へ出力する。第1の直交検波器701は送信部100内の発振器101からの発振信号と第1のパルス受信信号とを直交検波(IQ検波)し、第1のパルスIQ信号を傾斜角度演算部300へ出力する。
同様に、第2の受信アンテナ202は送信部100から放射された電波を受信し、第2のパルス受信信号として出力する。第2の増幅器204は第2のパルス受信信号を所定のレベルまで電力増幅し、第2の切り替え器604を介して第2の直交検波器702へ出力する。第2の直交検波器702は送信部100内の発振器101からの発振信号と第2のパルス受信信号とを直交検波(IQ検波)し、第2のパルスIQ信号を傾斜角度演算部300へ出力する。
また、前述とは別の動作として、送信用切り替え器602では、位相を回転させた送信信号を第1の切り替え器603及び第2の切り替え器604を介して、それぞれ第1の直交検波器701及び第2の直交検波器702へ入力し、送信部100内の発振器101からの発振信号とで直交検波(IQ検波)し、それぞれ第3のパルスIQ信号及び第4のパルスIQ信号を傾斜角度演算部300へ出力する。
傾斜角度演算部300内のサンプルユニット902は、送信部100内のパルス信号発生器901からのパルス信号と同期して、第3のパルスIQ信号及び第4のパルスIQ信号をサンプル取得する。
振幅位相演算器301は、サンプルユニット902がサンプル取得した第3のパルスIQ信号及び第4のパルスIQ信号により第1の直交検波器701及び第2の直交検波器702のそれぞれの位相の回転リニアリティ特性を取得し、正規の位相回転特性へ補正する自己校正データを用意する。この自己校正データを参照して、第1のパルスIQ信号及び第2のパルスIQ信号のそれぞれの振幅と位相から位相差を導出する。傾斜角度演算器302は、この位相差から傾斜角度を算出する。傾斜角度の算出には、位相を回転させた送信信号の位相状態ごとに得られる位相差の1周期分の平均値を用いることができる。また、位相を回転させた送信信号の位相状態ごとに得られる位相差のうち、所定の位相状態における位相差を用いるようにしてもよい。なお、第1及び第2の直交検波器701,702の位相の回転リニアリティ特性と振幅位相演算器301の正規の位相回転特性への補正については、上記実施の形態2における図6と同じである。
振幅位相演算器301は、サンプルユニット902がサンプル取得した第3のパルスIQ信号及び第4のパルスIQ信号により第1の直交検波器701及び第2の直交検波器702のそれぞれの位相の回転リニアリティ特性を取得し、正規の位相回転特性へ補正する自己校正データを用意する。この自己校正データを参照して、第1のパルスIQ信号及び第2のパルスIQ信号のそれぞれの振幅と位相から位相差を導出する。傾斜角度演算器302は、この位相差から傾斜角度を算出する。傾斜角度の算出には、位相を回転させた送信信号の位相状態ごとに得られる位相差の1周期分の平均値を用いることができる。また、位相を回転させた送信信号の位相状態ごとに得られる位相差のうち、所定の位相状態における位相差を用いるようにしてもよい。なお、第1及び第2の直交検波器701,702の位相の回転リニアリティ特性と振幅位相演算器301の正規の位相回転特性への補正については、上記実施の形態2における図6と同じである。
通常は、傾斜角度演算部300では、サンプルユニット902にて送信部100内のパルス信号発生器901からのパルス信号と同期して、第1のパルスIQ信号の振幅と位相及び第2のパルスIQ信号の振幅と位相を時系列的にサンプルし、所定回数反射した反射電波の振幅と位相を、時系列的に重複された複数反射電波から分離して取得する。そして、振幅位相演算器301では、第1のパルスIQ信号及び第2のパルスIQ信号の1回反射成分についてそれぞれの振幅と位相から位相差を導出し、傾斜角度演算器302にてこの位相差から傾斜角度を算出する。
サンプルユニット902として、上記実施の形態7と同様に、比較的高速のADコンバータを用いても良いし、比較的低速のADコンバータを用いても良い。比較的低速のADコンバータを用いる場合には、上記実施の形態7における図13の説明と同じ動作である。
以上のように、車両傾斜検知装置1は車両の傾斜によって変化する電波伝搬経路の偏位を位相差の偏位として高精度に検出し精度よく車両傾斜角度を算出できるという効果がある。また、温度又は風があっても影響を受けず精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。さらに、エンジン等の騒音の影響を受けずに精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。また、受信信号レベルが変動しても、IQ信号の位相から傾斜角度を算出するので精度よく傾斜角度を測定できるという効果がある。また、直交検波器の位相の回転リニアリティ特性が良くなくても自己校正データを参照して補正することが可能となり、精度よく傾斜角度を求めることができるという効果がある。また、路面からの複数の反射電波があっても傾斜角度を精度よく検知できるという効果がある。なお、1回反射成分から位相差を検出できればパルス信号でなくてもよい。
実施の形態10.
図16はこの発明の実施の形態10による車両傾斜検知装置1の構成を示すブロック図である。この車両傾斜検知装置1は、上記実施の形態3(図7に示す)と上記実施の形態7(図11に示す)を組み合わせた構成であり、送信部100と受信部200と傾斜角度演算部300とを備えている。送信部100は、パルス信号発生器901と変調器802と発振器101と移相器501と利得制御器502と送信用切り替え器602と増幅器102と送信アンテナ103とを備えている。受信部200は、第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202と第1の増幅器203と第2の増幅器204と第1の切り替え器601と第2の切り替え器603と直交検波器701とを備えている。傾斜角度演算部300は、サンプルユニット902と振幅位相演算器301と傾斜角度演算器302とを備えている。
図16はこの発明の実施の形態10による車両傾斜検知装置1の構成を示すブロック図である。この車両傾斜検知装置1は、上記実施の形態3(図7に示す)と上記実施の形態7(図11に示す)を組み合わせた構成であり、送信部100と受信部200と傾斜角度演算部300とを備えている。送信部100は、パルス信号発生器901と変調器802と発振器101と移相器501と利得制御器502と送信用切り替え器602と増幅器102と送信アンテナ103とを備えている。受信部200は、第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202と第1の増幅器203と第2の増幅器204と第1の切り替え器601と第2の切り替え器603と直交検波器701とを備えている。傾斜角度演算部300は、サンプルユニット902と振幅位相演算器301と傾斜角度演算器302とを備えている。
次に動作について説明する。送信部100では、発振器101の出力する所定の周波数と振幅と位相とを持った発振信号を移相器501にて位相を回転させた送信信号にし、利得制御器502にて所定のレベルに設定し、第1の切り替え器602を介して、変調器802に出力する。この送信信号を、変調器802にてパルス信号発生器901の出力する連続したパルス信号でパルス変調してパルス送信信号にし、増幅器102を介して送信アンテナ103へ出力する。移相器501による位相の回転方法はアナログ的でもディジタル的でも良く、一周期分(360°)を回転させる。パルス送信信号は送信アンテナ103から電波として放射される。
受信部200は、電波を第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202とでそれぞれ受信し第1のパルス受信信号と第2のパルス受信信号とを得る。パルス受信信号は第1及び第2の増幅器203,204を介して第1の切り替え器601に入力され、交互に切り替えて第2の切り替え器603を介して直交検波器701へ入力される。直交検波器701は第1のパルス受信信号又は第2のパルス受信信号のそれぞれの振幅値と位相値を算出して傾斜角度演算部300へ出力する。
また、前述とは別の動作として、送信用切り替え器602では、位相を回転させた送信信号を第2の切り替え器603を介して、直交検波器701へ入力し、送信部100内の発振器101からの発振信号とで直交検波(IQ検波)し、第3のパルスIQ信号を傾斜角度演算部300へ出力する。
傾斜角度演算部300内のサンプルユニット902は、送信部100内のパルス信号発生器901からのパルス信号と同期して、第3のパルスIQ信号をサンプル取得する。
振幅位相演算器301は、サンプルユニット902がサンプル取得した第3のパルスIQ信号により直交検波器701の位相の回転リニアリティ特性を取得し、正規の位相回転特性へ補正する自己校正データを用意する。この自己校正データを参照して、第1のパルスIQ信号及び第2のパルスIQ信号のそれぞれの振幅と位相から位相差を導出する。傾斜角度演算器302は、この位相差から傾斜角度を算出する。傾斜角度の算出には、位相を回転させた送信信号の位相状態ごとに得られる位相差の1周期分の平均値を用いることができる。また、位相を回転させた送信信号の位相状態ごとに得られる位相差のうち、所定の位相状態における位相差を用いるようにしてもよい。なお、直交検波器701の位相の回転リニアリティ特性と振幅位相演算器301の正規の位相回転特性への補正については、上記実施の形態2における図6と同じである。
振幅位相演算器301は、サンプルユニット902がサンプル取得した第3のパルスIQ信号により直交検波器701の位相の回転リニアリティ特性を取得し、正規の位相回転特性へ補正する自己校正データを用意する。この自己校正データを参照して、第1のパルスIQ信号及び第2のパルスIQ信号のそれぞれの振幅と位相から位相差を導出する。傾斜角度演算器302は、この位相差から傾斜角度を算出する。傾斜角度の算出には、位相を回転させた送信信号の位相状態ごとに得られる位相差の1周期分の平均値を用いることができる。また、位相を回転させた送信信号の位相状態ごとに得られる位相差のうち、所定の位相状態における位相差を用いるようにしてもよい。なお、直交検波器701の位相の回転リニアリティ特性と振幅位相演算器301の正規の位相回転特性への補正については、上記実施の形態2における図6と同じである。
通常は、傾斜角度演算部300では、サンプルユニット902にて送信部100内のパルス信号発生器901からのパルス信号と同期して、第1のパルスIQ信号の振幅と位相又は第2のパルスIQ信号の振幅と位相を交互に時系列的にサンプルし、所定回数反射した反射電波の振幅と位相を、時系列的に重複された複数反射電波から分離して取得する。
そして、振幅位相演算器301では、第1のパルスIQ信号又は第2のパルスIQ信号の1回反射成分についてそれぞれの振幅と位相から位相差を導出し、傾斜角度演算器302にてこの位相差から傾斜角度を算出する。
そして、振幅位相演算器301では、第1のパルスIQ信号又は第2のパルスIQ信号の1回反射成分についてそれぞれの振幅と位相から位相差を導出し、傾斜角度演算器302にてこの位相差から傾斜角度を算出する。
サンプルユニット902として、上記実施の形態7と同様に、比較的高速のADコンバータを用いても良いし、比較的低速のADコンバータを用いても良い。比較的低速のADコンバータを用いる場合には、上記実施の形態7における図13の説明と同じ動作である。
ここで、図17を用いて、実施の形態10に係る車両傾斜検知装置1のデータ取得タイミングの一例を説明する。図17は、受信アンテナと位相のデータの並びを示す図である。この例では、移相器501を4Bit(16とおり)とし、2つの受信アンテナ201,202を車両前方アンテナと車両後方アンテナとして用いた場合の、全ての組み合わせ状態におけるデータ取得タイミングを示す。また、サンプルユニット902(ADコンバータ)が1つの位相状態かつ前方及び後方のアンテナ状態に対して、2000サンプルずつのデータを取得することとし、前方と後方のアンテナ切り替え及び位相状態の切り替えに1000サンプル相当の時間を設定した場合、全ての組み合わせ状態における1回当たりのデータ取得時間は9.6msecとなる。
以上のように、車両傾斜検知装置1は車両の傾斜によって変化する電波伝搬経路の偏位を位相差の偏位として高精度に検出し精度よく車両傾斜角度を算出できるという効果がある。また、温度又は風があっても影響を受けず精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。さらに、エンジン等の騒音の影響を受けずに精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。また、受信信号レベルが変動しても、IQ信号の位相から傾斜角度を算出するので精度よく傾斜角度を測定できるという効果がある。また、切り替え器601から直交検波器701までを同一線路とするので、切り替え器601から直交検波器701までの間において、第1のパルス受信信号と第2のパルス受信信号が通過する位相長が同一となり、傾斜角度を精度よく検知することができるという効果が得られる。また、単一の直交検波器を用いて直交検波することにより、直交検波器ごとの振幅および位相等の特性のばらつきによる誤差を排除することが可能となり、傾斜角度を精度よく検知することができるという効果が得られる。また、直交検波器の位相の回転リニアリティ特性が良くなくても自己校正データを参照して補正することが可能となり、精度よく傾斜角度を求めることができるという効果がある。また、路面からの複数の反射電波があっても傾斜角度を精度よく検知できるという効果がある。なお、1回反射成分から位相差を検出できればパルス信号でなくてもよい。
実施の形態11.
図18はこの発明の実施の形態11による車両傾斜検知装置1の構成を示すブロック図である。この車両傾斜検知装置1は、上記実施の形態7(図11に示す)に対して上記実施の形態4(図8に示す)のような符号信号を用いる構成を組み合わせたものであり、送信部100と受信部200と傾斜角度演算部300とを備えるものである。送信部100は、パルス信号発生器901と符号信号発生器801と変調器802と発振器101と増幅器102と送信アンテナ103とを備えている。受信部200は、第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202と第1の増幅器203と第2の増幅器204と第1の直交検波器701と第2の直交検波器702と第1の相関演算器803と第2の相関演算器804とを備えている。傾斜角度演算部300は、サンプルユニット902と振幅位相演算器301と傾斜角度演算器302とを備えている。
図18はこの発明の実施の形態11による車両傾斜検知装置1の構成を示すブロック図である。この車両傾斜検知装置1は、上記実施の形態7(図11に示す)に対して上記実施の形態4(図8に示す)のような符号信号を用いる構成を組み合わせたものであり、送信部100と受信部200と傾斜角度演算部300とを備えるものである。送信部100は、パルス信号発生器901と符号信号発生器801と変調器802と発振器101と増幅器102と送信アンテナ103とを備えている。受信部200は、第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202と第1の増幅器203と第2の増幅器204と第1の直交検波器701と第2の直交検波器702と第1の相関演算器803と第2の相関演算器804とを備えている。傾斜角度演算部300は、サンプルユニット902と振幅位相演算器301と傾斜角度演算器302とを備えている。
次に動作について説明する。送信部100内の変調器802は、発振器101の出力する所定の周波数の発振信号を、符号信号発生器801の出力する所定の符号又はIDによる符号信号とパルス信号発生器901の出力する連続したパルス信号とで変調し、パルス送信信号とする。このパルス送信信号は増幅器102を介して送信アンテナ103へ出力され、送信アンテナ103から電波として放射される。
第1の受信アンテナ201は送信部100から放射された電波を受信し、第1のパルス受信信号として出力する。第1の増幅器203は第1のパルス受信信号を所定のレベルまで電力増幅し、第1の直交検波器701へ出力する。第1の直交検波器701は送信部100内の発振器101からの発振信号と第1のパルス受信信号とを直交検波(IQ検波)した第1のベースバンド信号のIQ信号(第1のパルスIQ信号)を第1の相関演算器803へ出力する。第1の相関演算器803は第1のIQ信号と符号信号発生器801からの符号信号とを相関演算し、第1のパルス相関値の振幅と位相を傾斜角度演算部300へ出力する。
同様に、第2の受信アンテナ202は送信部100から放射された電波を受信し、第2のパルス受信信号として出力する。第2の増幅器204は第2のパルス受信信号を所定のレベルまで電力増幅し、第2の直交検波器702へ出力する。第2の直交検波器702は送信部100内の発振器101からの発振信号と第2のパルス受信信号とを直交検波(IQ検波)した第2のベースバンド信号のIQ信号(第2のパルスIQ信号)を第2の相関演算器804へ出力する。第2の相関演算器804は第2のIQ信号と符号信号発生器801からの符号信号とを相関演算し、第2のパルス相関値の振幅と位相を傾斜角度演算部300へ出力する。
傾斜角度演算部300内のサンプルユニット902は、送信部100内のパルス信号発生器901からのパルス信号と同期して、第1のパルス相関値の振幅と位相及び第2のパルス相関値の振幅と位相を時系列的にサンプルし、所定回数反射した反射電波の振幅と位相を、時系列的に重複された複数反射電波から分離して取得する。そして、振幅位相演算器301では、第1のパルス相関値及び第2のパルス相関値の1回反射成分についてそれぞれの振幅と位相から位相差を導出し、傾斜角度演算器302にてこの位相差から傾斜角度を算出する。
サンプルユニット902として、上記実施の形態7と同様に、比較的高速のADコンバータを用いても良いし、比較的低速のADコンバータを用いても良い。比較的低速のADコンバータを用いる場合には、上記実施の形態7における図13の説明と同じ動作である。
以上のように、車両傾斜検知装置1は車両の傾斜によって変化する電波伝搬経路の偏位を位相差の偏位として高精度に検出し精度よく車両傾斜角度を算出できるという効果がある。また、温度又は風があっても影響を受けず精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。さらに、エンジン等の騒音の影響を受けずに精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。また、受信信号レベルが変動しても、IQ信号の位相から傾斜角度を算出するので精度よく傾斜角度を測定できるという効果がある。また、路面からの複数の反射電波があっても傾斜角度を精度よく検知できるという効果がある。さらに、送信信号を符号変調しているので、車両用レーダ装置から放射された電波、他の装置から放射された電波など同一周波数をもつ電波を受信アンテナで受信しても位相干渉による誤差を抑圧できるので、精度良く傾斜角度を測定できるという効果が得られる。なお、1回反射成分から位相差を検出できればパルス信号でなくてもよい。
実施の形態12.
図19はこの発明の実施の形態12による車両傾斜検知装置1の構成を示すブロック図である。この車両傾斜検知装置1は、上記実施の形態4(図8に示す)と上記実施の形態7(図11に示す)を組み合わせた構成であり、送信部100と受信部200と傾斜角度演算部300とを備えている。送信部100は、パルス信号発生器901と符号信号発生器801と変調器802と発振器101と増幅器102と送信アンテナ103とを備えている。受信部200は、第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202と第1の増幅器203と第2の増幅器204と切り替え器601と直交検波器701と相関演算器803とを備えている。傾斜角度演算部300は、サンプルユニット902と振幅位相演算器301と傾斜角度演算器302とを備えている。
図19はこの発明の実施の形態12による車両傾斜検知装置1の構成を示すブロック図である。この車両傾斜検知装置1は、上記実施の形態4(図8に示す)と上記実施の形態7(図11に示す)を組み合わせた構成であり、送信部100と受信部200と傾斜角度演算部300とを備えている。送信部100は、パルス信号発生器901と符号信号発生器801と変調器802と発振器101と増幅器102と送信アンテナ103とを備えている。受信部200は、第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202と第1の増幅器203と第2の増幅器204と切り替え器601と直交検波器701と相関演算器803とを備えている。傾斜角度演算部300は、サンプルユニット902と振幅位相演算器301と傾斜角度演算器302とを備えている。
次に動作について説明する。送信部100内の変調器802は、発振器101の出力する所定の周波数の発振信号を、符号信号発生器801の出力する所定の符号又はIDによる符号信号とパルス信号発生器901の出力する連続したパルス信号とで変調し、パルス送信信号とする。パルス送信信号は増幅器102を介して送信アンテナ103へ出力され、送信アンテナ103から電波として放射される。
受信部200は、放射された電波を第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202とでそれぞれ受信し第1のパルス受信信号と第2のパルス受信信号とを得る。パルス受信信号は第1及び第2の増幅器203,204を介して切り替え器601に入力され、交互に切り替えて直交検波器701に入力される。直交検波器701は第1のパルス受信信号又は第2のパルス受信信号と発振器101からの発振信号とで直交検波された第1のパルスベースバンド信号又は第2のパルスベースバンド信号を算出し、相関演算器803へ出力する。相関演算器803は、第1のパルスベースバンド信号又は第2のパルスベースバンド信号と符号信号発生器801からの符号信号とで第1のパルス相関値の振幅と位相、又は第2のパルス相関値の振幅と位相を相関演算して傾斜角度演算部300へ出力する。
傾斜角度演算部300内のサンプルユニット902は、送信部100内のパルス信号発生器901からのパルス信号と同期して、第1のパルス相関値の振幅と位相又は第2のパルス相関値の振幅と位相を交互に時系列的にサンプルし、所定回数反射した反射電波の振幅と位相を、時系列的に重複された複数反射電波から分離して取得する。そして、振幅位相演算器301では、第1のパルス相関値又は第2のパルス相関値の1回反射成分についてそれぞれの振幅と位相から位相差を導出し、傾斜角度演算器302にてこの位相差から傾斜角度を算出する。
サンプルユニット902として、上記実施の形態7と同様に、比較的高速のADコンバータを用いても良いし、比較的低速のADコンバータを用いても良い。比較的低速のADコンバータを用いる場合には、上記実施の形態7における図13の説明と同じ動作である。
以上のように、車両傾斜検知装置1は車両の傾斜によって変化する電波伝搬経路の偏位を位相差の偏位として高精度に検出し精度よく車両傾斜角度を算出できるという効果がある。また、温度又は風があっても影響を受けず精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。さらに、エンジン等の騒音の影響を受けずに精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。また、受信信号レベルが変動しても、IQ信号の位相から傾斜角度を算出するので精度よく傾斜角度を測定できるという効果がある。また、切り替え器601から直交検波器701までを同一線路とするので、切り替え器601から直交検波器701までの間において、第1のパルス受信信号と第2のパルス受信信号が通過する位相長が同一となり、傾斜角度を精度よく検知することができるという効果が得られる。また、単一の直交検波器を用いて直交検波することにより、直交検波器ごとの振幅および位相等の特性のばらつきによる誤差を排除することが可能となり、傾斜角度を精度よく検知することができるという効果が得られる。また、路面からの複数の反射電波があっても傾斜角度を精度よく検知できるという効果がある。さらに、送信信号を符号変調しているので、車両用レーダ装置から放射された電波、他の装置から放射された電波など同一周波数をもつ電波を受信アンテナで受信しても位相干渉による誤差を抑圧できるので、精度良く傾斜角度を測定できるという効果が得られる。なお、1回反射成分から位相差を検出できればパルス信号でなくてもよい。
実施の形態13.
図20はこの発明の実施の形態13による車両傾斜検知装置1の構成を示すブロック図である。この車両傾斜検知装置1は、上記実施の形態5(図9に示す)と上記実施の形態7(図11に示す)を組み合わせた構成であり、送信部100と受信部200と傾斜角度演算部300とを備えている。送信部100は、パルス信号発生器901と符号信号発生器801と変調器802と発振器101と移相器501と利得制御器502と送信用切り替え器602と増幅器102と送信アンテナ103とを備えている。受信部200は、第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202と第1の増幅器203と第2の増幅器204と第1の切り替え器603と第2の切り替え器604と第1の直交検波器701と第2の直交検波器702と第1の相関演算器803と第2の相関演算器804とを備えている。傾斜角度演算部300は、サンプルユニット902と振幅位相演算器301と傾斜角度演算器302とを備えている。
図20はこの発明の実施の形態13による車両傾斜検知装置1の構成を示すブロック図である。この車両傾斜検知装置1は、上記実施の形態5(図9に示す)と上記実施の形態7(図11に示す)を組み合わせた構成であり、送信部100と受信部200と傾斜角度演算部300とを備えている。送信部100は、パルス信号発生器901と符号信号発生器801と変調器802と発振器101と移相器501と利得制御器502と送信用切り替え器602と増幅器102と送信アンテナ103とを備えている。受信部200は、第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202と第1の増幅器203と第2の増幅器204と第1の切り替え器603と第2の切り替え器604と第1の直交検波器701と第2の直交検波器702と第1の相関演算器803と第2の相関演算器804とを備えている。傾斜角度演算部300は、サンプルユニット902と振幅位相演算器301と傾斜角度演算器302とを備えている。
次に動作について説明する。送信部100では、発振器101の出力する所定の周波数を持った発振信号を移相器501にて位相を回転させた送信信号にし、利得制御器502にて所定のレベルに設定し、第1の切り替え器602を介して、変調器802に出力する。この送信信号を、変調器802にて、パルス信号発生器901からの所定の符号又はIDによる符号信号とパルス信号発生器901の出力する連続したパルス信号とで変調してパルス送信信号にし、増幅器102を介して送信アンテナ103へ出力する。移相器501による位相の回転方法はアナログ的でもディジタル的でも良く、一周期分(360°)を回転させる。パルス送信信号は送信アンテナ103から電波として放射される。
第1の受信アンテナ201は送信部100から放射された電波を受信し、第1のパルス受信信号として出力する。第1の増幅器203は第1のパルス受信信号を所定のレベルまで電力増幅し、第1の切り替え器603を介して第1の直交検波器701へ出力する。第1の直交検波器701は送信部100内の発振器101からの発振信号と第1のパルス受信信号とを直交検波(IQ検波)した第1のパルスベースバンド信号のIQ信号(第1のパルスIQ信号)を第1の相関演算器803へ出力する。第1の相関演算器803は第1のパルスIQ信号と符号信号発生器801からの符号信号とを相関演算し、第1のパルス相関値の振幅と位相を傾斜角度演算部300へ出力する。
同様に、第2の受信アンテナ202は送信部100から放射された電波を受信し、第2のパルス受信信号として出力する。第2の増幅器204は第2のパルス受信信号を所定のレベルまで電力増幅し、第2の切り替え器604を介して第2の直交検波器702へ出力する。第2の直交検波器702は送信部100内の発振器101からの発振信号と第2のパルス受信信号とを直交検波(IQ検波)した第2のパルスベースバンド信号のIQ信号(第2のパルスIQ信号)を第2の相関演算器804へ出力する。第2の相関演算器804は第2のパルスIQ信号と符号信号発生器801からの符号信号とを相関演算し、第2のパルス相関値の振幅と位相を傾斜角度演算部300へ出力する。
また、前述とは別の動作として、送信用切り替え器602では、位相を回転させた送信信号を第1の切り替え器603及び第2の切り替え器604を介して、それぞれ第1の直交検波器701及び第2の直交検波器702へ入力し、送信部100内の発振器101からの発振信号と直交検波(IQ検波)し、それぞれ第3のパルスベースバンド信号のIQ信号(第3のパルスIQ信号)及び第4のパルスベースバンド信号のIQ信号(第4のパルスIQ信号)を、それぞれ第1の相関演算器803及び第2の相関演算器804へ入力する。
なお、第1及び第2の相関演算器803,804は、第3のパルスIQ信号及び第4のパルスIQ信号については符号信号発生器801からの符号信号との相関演算は行わず、第3のパルスIQ信号及び第4のパルスIQ信号をそれぞれ第3のパルス相関値の振幅と位相及び第4のパルス相関値の振幅と位相として傾斜角度演算部300へ出力する。
なお、第1及び第2の相関演算器803,804は、第3のパルスIQ信号及び第4のパルスIQ信号については符号信号発生器801からの符号信号との相関演算は行わず、第3のパルスIQ信号及び第4のパルスIQ信号をそれぞれ第3のパルス相関値の振幅と位相及び第4のパルス相関値の振幅と位相として傾斜角度演算部300へ出力する。
傾斜角度演算部300内のサンプルユニット902は、送信部100内のパルス信号発生器901からのパルス信号と同期して、第3のパルス相関値の振幅と位相及び第4のパルス相関値の振幅と位相を取得する。
振幅位相演算器301は、サンプルユニット902がサンプル取得した第3のパルス相関値の振幅と位相及び第4のパルス相関値の振幅と位相から第1の直交検波器701及び第2の直交検波器702のそれぞれの位相の回転リニアリティ特性を取得し、正規の位相回転特性へ補正する自己校正データを用意する。この自己校正データを参照して、第1のパルス相関値の振幅と位相及び第2のパルス相関値の振幅と位相から位相差を導出する。
傾斜角度演算器302は、この位相差から傾斜角度を算出する。傾斜角度の算出には、位相を回転させた送信信号の位相状態ごとに得られる位相差の1周期分の平均値を用いることができる。また、位相を回転させた送信信号の位相状態ごとに得られる位相差のうち、所定の位相状態における位相差を用いるようにしてもよい。なお、第1及び第2の直交検波器701,702の位相の回転リニアリティ特性と振幅位相演算器301の正規の位相回転特性への補正については、上記実施の形態2における図6と同じである。
振幅位相演算器301は、サンプルユニット902がサンプル取得した第3のパルス相関値の振幅と位相及び第4のパルス相関値の振幅と位相から第1の直交検波器701及び第2の直交検波器702のそれぞれの位相の回転リニアリティ特性を取得し、正規の位相回転特性へ補正する自己校正データを用意する。この自己校正データを参照して、第1のパルス相関値の振幅と位相及び第2のパルス相関値の振幅と位相から位相差を導出する。
傾斜角度演算器302は、この位相差から傾斜角度を算出する。傾斜角度の算出には、位相を回転させた送信信号の位相状態ごとに得られる位相差の1周期分の平均値を用いることができる。また、位相を回転させた送信信号の位相状態ごとに得られる位相差のうち、所定の位相状態における位相差を用いるようにしてもよい。なお、第1及び第2の直交検波器701,702の位相の回転リニアリティ特性と振幅位相演算器301の正規の位相回転特性への補正については、上記実施の形態2における図6と同じである。
通常は、傾斜角度演算部300では、サンプルユニット902にて送信部100内のパルス信号発生器901からのパルス信号と同期して、第1のパルス相関値の振幅と位相及び第2のパルス相関値の振幅と位相を時系列的にサンプルし、所定回数反射した反射電波の振幅と位相を、時系列的に重複された複数反射電波から分離して取得する。そして、振幅位相演算器301では、第1のパルス相関値及び第2のパルス相関値の1回反射成分についてそれぞれの振幅と位相から位相差を導出し、傾斜角度演算器302にてこの位相差から傾斜角度を算出する。
サンプルユニット902として、上記実施の形態7と同様に、比較的高速のADコンバータを用いても良いし、比較的低速のADコンバータを用いても良い。比較的低速のADコンバータを用いる場合には、上記実施の形態7における図13の説明と同じ動作である。
以上のように、車両傾斜検知装置1は車両の傾斜によって変化する電波伝搬経路の偏位を位相差の偏位として高精度に検出し精度よく車両傾斜角度を算出できるという効果がある。また、温度又は風があっても影響を受けず精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。さらに、エンジン等の騒音の影響を受けずに精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。また、受信信号レベルが変動しても、IQ信号の位相から傾斜角度を算出するので精度よく傾斜角度を測定できるという効果がある。また、位相の回転リニアリティ特性が良くなくても自己校正データを参照して直交検波器で補正することが可能となり、精度よく傾斜角度を求めることができるという効果がある。また、路面からの複数の反射電波があっても傾斜角度を精度よく検知できるという効果がある。さらに、送信信号を符号変調しているので、車両用レーダ装置から放射された電波、他の装置から放射された電波など同一周波数をもつ電波を受信アンテナで受信しても位相干渉による誤差を抑圧できるので、精度良く傾斜角度を測定できるという効果が得られる。なお、1回反射成分から位相差を検出できればパルス信号でなくてもよい。
実施の形態14.
図21はこの発明の実施の形態14による車両傾斜検知装置1の構成を示すブロック図である。この車両傾斜検知装置1は、上記実施の形態6(図10に示す)と上記実施の形態7(図11に示す)を組み合わせた構成であり、送信部100と受信部200と傾斜角度演算部300とを備えている。送信部100は、パルス信号発生器901と符号信号発生器801と変調器802と発振器101と移相器501と利得制御器502と送信用切り替え器602と増幅器102と送信アンテナ103とを備えている。受信部200は、第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202と第1の増幅器203と第2の増幅器204と第1の切り替え器601と第2の切り替え器603と直交検波器701と相関演算器803とを備えている。
図21はこの発明の実施の形態14による車両傾斜検知装置1の構成を示すブロック図である。この車両傾斜検知装置1は、上記実施の形態6(図10に示す)と上記実施の形態7(図11に示す)を組み合わせた構成であり、送信部100と受信部200と傾斜角度演算部300とを備えている。送信部100は、パルス信号発生器901と符号信号発生器801と変調器802と発振器101と移相器501と利得制御器502と送信用切り替え器602と増幅器102と送信アンテナ103とを備えている。受信部200は、第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202と第1の増幅器203と第2の増幅器204と第1の切り替え器601と第2の切り替え器603と直交検波器701と相関演算器803とを備えている。
次に動作について説明する。送信部100では、発振器101の出力する所定の周波数を持った発振信号を移相器501にて位相を回転させた送信信号にし、利得制御器502にて所定のレベルに設定し、第1の切り替え器602を介して、変調器802に出力する。この送信信号を、変調器802にて、パルス信号発生器901からの所定の符号又はIDによる符号信号とパルス信号発生器901の出力する連続したパルス信号とで変調してパルス送信信号にし、増幅器102を介して送信アンテナ103へ出力する。移相器501による位相の回転方法はアナログ的でもディジタル的でも良く、一周期分(360°)を回転させる。パルス送信信号は送信アンテナ103から電波として放射される。
受信部200は、放射された電波を第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202とでそれぞれ受信し第1のパルス受信信号と第2のパルス受信信号とを得る。パルス受信信号は第1及び第2の増幅器203,204にて所定のレベルまで電力増幅され、第1の切り替え器601に入力され、交互に切り替えて第2の切り替え器603を介して直交検波器701に入力される。直交検波器701は第1のパルス受信信号又は第2のパルス受信信号と発振器101からの発振信号とで直交検波(IQ検波)された第1のパルスベースバンド信号のIQ信号又は第2のパルスベースバンド信号のIQ信号(第1のパルスIQ信号又は第2のパルスIQ信号)を算出し、相関演算器803へ出力する。相関演算器803は、第1のパルスベースバンド信号又は第2のパルスベースバンド信号と符号信号発生器801からの符号信号とで第1のパルス相関値の振幅と位相、又は第2のパルス相関値の振幅と位相を相関演算して傾斜角度演算部300へ出力する。
また、前述とは別の動作として、送信用切り替え器602では、位相を回転させた送信信号を第2の切り替え器603を介して、直交検波器701へ入力し、送信部100内の発振器101からの発振信号と直交検波(IQ検波)し、第3のパルスベースバンド信号のIQ信号(第3のパルスIQ信号)を相関演算器803へ入力する。
なお、相関演算器803は、第3のパルスIQ信号については符号信号発生器801からの符号信号との相関演算は行わず、第3のパルスIQ信号を第3のパルス相関値の振幅と位相として傾斜角度演算部300へ出力する。
なお、相関演算器803は、第3のパルスIQ信号については符号信号発生器801からの符号信号との相関演算は行わず、第3のパルスIQ信号を第3のパルス相関値の振幅と位相として傾斜角度演算部300へ出力する。
傾斜角度演算部300内のサンプルユニット902は、送信部100内のパルス信号発生器901からのパルス信号と同期して、第3のパルス相関値の振幅と位相を取得する。
振幅位相演算器301は、サンプルユニット902がサンプル取得した第3のパルス相関値の振幅と位相により直交検波器701の位相の回転リニアリティ特性を取得し、正規の位相回転特性へ補正する自己校正データを用意する。この自己校正データを参照して、第1のパルス相関値の振幅と位相及び第2のパルス相関値の振幅と位相から位相差を導出する。傾斜角度演算器302は、この位相差から傾斜角度を算出する。傾斜角度の算出には、位相を回転させた送信信号の位相状態ごとに得られる位相差の1周期分の平均値を用いることができる。また、位相を回転させた送信信号の位相状態ごとに得られる位相差のうち、所定の位相状態における位相差を用いるようにしてもよい。なお、直交検波器701の位相の回転リニアリティ特性と振幅位相演算器301の正規の位相回転特性への補正については、上記実施の形態2における図6と同じである。
振幅位相演算器301は、サンプルユニット902がサンプル取得した第3のパルス相関値の振幅と位相により直交検波器701の位相の回転リニアリティ特性を取得し、正規の位相回転特性へ補正する自己校正データを用意する。この自己校正データを参照して、第1のパルス相関値の振幅と位相及び第2のパルス相関値の振幅と位相から位相差を導出する。傾斜角度演算器302は、この位相差から傾斜角度を算出する。傾斜角度の算出には、位相を回転させた送信信号の位相状態ごとに得られる位相差の1周期分の平均値を用いることができる。また、位相を回転させた送信信号の位相状態ごとに得られる位相差のうち、所定の位相状態における位相差を用いるようにしてもよい。なお、直交検波器701の位相の回転リニアリティ特性と振幅位相演算器301の正規の位相回転特性への補正については、上記実施の形態2における図6と同じである。
通常は、傾斜角度演算部300では、サンプルユニット902にて送信部100内のパルス信号発生器901からのパルス信号と同期して、第1のパルス相関値の振幅と位相及び第2のパルス相関値の振幅と位相を時系列的にサンプルし、所定回数反射した反射電波の振幅と位相を、時系列的に重複された複数反射電波から分離して取得する。そして、振幅位相演算器301では、第1のパルス相関値及び第2のパルス相関値の1回反射成分についてそれぞれの振幅と位相から位相差を導出し、傾斜角度演算器302にてこの位相差から傾斜角度を算出する。
サンプルユニット902として、上記実施の形態7と同様に、比較的高速のADコンバータを用いても良いし、比較的低速のADコンバータを用いても良い。比較的低速のADコンバータを用いる場合には、上記実施の形態7における図13の説明と同じ動作である。
以上のように、車両傾斜検知装置1は車両の傾斜によって変化する電波伝搬経路の偏位を位相差の偏位として高精度に検出し精度よく車両傾斜角度を算出できるという効果がある。また、温度又は風があっても影響を受けず精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。さらに、エンジン等の騒音の影響を受けずに精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。また、受信信号レベルが変動しても、IQ信号の位相から傾斜角度を算出するので精度よく傾斜角度を測定できるという効果がある。また、切り替え器601から直交検波器701までを同一線路とするので、切り替え器601から直交検波器701までの間において、第1のパルス受信信号と第2のパルス受信信号が通過する位相長が同一となり、傾斜角度を精度よく検知することができるという効果が得られる。また、単一の直交検波器を用いて直交検波することにより、直交検波器ごとの振幅および位相等の特性のばらつきによる誤差を排除することが可能となり、傾斜角度を精度よく検知することができるという効果が得られる。また、位相の回転リニアリティ特性が良くなくても自己校正データを参照して直交検波器で補正することが可能となり、精度よく傾斜角度を求めることができるという効果がある。また、路面からの複数の反射電波があっても傾斜角度を精度よく検知できるという効果がある。さらに、送信信号を符号変調しているので、車両用レーダ装置から放射された電波、他の装置から放射された電波など同一周波数をもつ電波を受信アンテナで受信しても位相干渉による誤差を抑圧できるので、精度良く傾斜角度を測定できるという効果が得られる。なお、1回反射成分から位相差を検出できればパルス信号でなくてもよい。
実施の形態15.
図22は、この発明の実施の形態15による車両傾斜検知装置1の構成を示すブロック図である。上述した実施の形態2では、送信アンテナ103に位相を回転させた送信信号を入力するものを示したが、送信アンテナ103に入力する送信信号は位相を回転させていない信号であってもよい。図22に示すように、実施の形態15の車両傾斜検知装置1においては、発振器101の出力を送信用切り替え器602に入力している。そして、送信用切り替え器602の2つの出力のうち、一方の出力を増幅器102を介して送信アンテナ103へ入力し、傾斜角度の測定に用いる。また、他方の出力を移相器501に入力し、移相器501の出力を利得制御器502を介して第1の切り替え器603および第2の切り替え器604に入力し、位相の回転リニアリティ特性の取得に用いる。このようにしても、実施の形態2と同様の効果を得ることができる。
図22は、この発明の実施の形態15による車両傾斜検知装置1の構成を示すブロック図である。上述した実施の形態2では、送信アンテナ103に位相を回転させた送信信号を入力するものを示したが、送信アンテナ103に入力する送信信号は位相を回転させていない信号であってもよい。図22に示すように、実施の形態15の車両傾斜検知装置1においては、発振器101の出力を送信用切り替え器602に入力している。そして、送信用切り替え器602の2つの出力のうち、一方の出力を増幅器102を介して送信アンテナ103へ入力し、傾斜角度の測定に用いる。また、他方の出力を移相器501に入力し、移相器501の出力を利得制御器502を介して第1の切り替え器603および第2の切り替え器604に入力し、位相の回転リニアリティ特性の取得に用いる。このようにしても、実施の形態2と同様の効果を得ることができる。
なお、上述した実施の形態3,5,6,9,10,13および14についても、上記と同様にして、位相を回転させていない送信信号を用いて傾斜角度を測定するとともに、位相を回転させた送信信号を用いて位相の回転リニアリティ特性を取得することができる。
実施の形態16.
図23はこの発明の車両傾斜検知装置のアンテナ配置の構成を示す図である。二等辺三角形の底辺の各頂点に第1の受信アンテナ1202と第2の受信アンテナ1203を設置し、残りの頂点に送信アンテナ1201を設置している。
図23はこの発明の車両傾斜検知装置のアンテナ配置の構成を示す図である。二等辺三角形の底辺の各頂点に第1の受信アンテナ1202と第2の受信アンテナ1203を設置し、残りの頂点に送信アンテナ1201を設置している。
図24は本発明のアンテナを三角形に配置したときの傾斜角度と位相差とアンテナ高さの関係を説明する説明図である。具体的には、図23に示したアンテナ配置のときの傾斜角度と位相差の関係を示す図である。図24中の直線1301は車高又はアンテナの高さが高いときの関係を示し、破線1302は車高又はアンテナの高さが低いときの関係を示している。アンテナの高さが偏位しても傾斜角度と位相差の関係は偏位しない。
図25は送信アンテナと受信アンテナを直線上に配置したときの傾斜角度と位相差の関係を示した図である。図示は省略するが、ここでは送信アンテナを中心として直線上に送信アンテナと第1の受信アンテナと第2の受信アンテナを設置している。図25中の直線1401は車高又はアンテナの高さが高いときの関係を示し、破線1402は車高又はアンテナの高さが低いときの関係を示している。アンテナの高さが偏位すると同じ傾斜角度でも位相差が異なる。
また、図23では二等辺三角形の各頂点にアンテナを配置した場合について述べたが、正三角形の各頂点に送信アンテナと第1の受信アンテナと第2の受信アンテナを設置しても同様の結果となる。
送信部、受信部等については、上記実施の形態1から上記実施の形態15までのいずれかに記載された構成であればよい。
以上のように、車両傾斜検知装置は車両の傾斜によって変化する電波伝搬距離の偏位を位相の偏位として高精度に検出し精度よく車両傾斜角度を算出できるという効果がある。
また、温度又は風があっても影響を受けず精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。さらに、エンジン等の騒音の影響を受けずに精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。また、二等辺三角形の各頂点にアンテナを設置するとアンテナを直線上に設置したときよりも車高の偏位による位相差の偏位を抑圧できるので、傾斜角度を精度よく算出できるという効果がある。
また、温度又は風があっても影響を受けず精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。さらに、エンジン等の騒音の影響を受けずに精度よく傾斜角度を算出できるという効果がある。また、二等辺三角形の各頂点にアンテナを設置するとアンテナを直線上に設置したときよりも車高の偏位による位相差の偏位を抑圧できるので、傾斜角度を精度よく算出できるという効果がある。
実施の形態17.
図26はこの発明の実施の形態17における車両傾斜検知装置のアンテナ配置の構成を示す図である。受信アンテナを3つ以上用いた場合における実施の形態の一例である。四角形の各頂点に第1の受信アンテナ1501と第2の受信アンテナ1502と第3の受信アンテナ1503と第4の受信アンテナ1504とを設置し、この四角形の対角線の好転に送信アンテナ1505を配置する。第1の受信アンテナ1501と第2の受信アンテナ1502をつなぐ直線と車両の前後方向が略平行で、第1の受信アンテナ1501と第3の受信アンテナ1503をつなぐ直線と車両の左右(幅)方向が略平行になるように設置したとする。受信部が受信アンテナを4個備える場合には、送信アンテナを中心とした四角形の各頂点に受信アンテナを配置することになる。
図26はこの発明の実施の形態17における車両傾斜検知装置のアンテナ配置の構成を示す図である。受信アンテナを3つ以上用いた場合における実施の形態の一例である。四角形の各頂点に第1の受信アンテナ1501と第2の受信アンテナ1502と第3の受信アンテナ1503と第4の受信アンテナ1504とを設置し、この四角形の対角線の好転に送信アンテナ1505を配置する。第1の受信アンテナ1501と第2の受信アンテナ1502をつなぐ直線と車両の前後方向が略平行で、第1の受信アンテナ1501と第3の受信アンテナ1503をつなぐ直線と車両の左右(幅)方向が略平行になるように設置したとする。受信部が受信アンテナを4個備える場合には、送信アンテナを中心とした四角形の各頂点に受信アンテナを配置することになる。
図27はこの発明の実施の形態17における車両傾斜検知装置1の構成を示すブロック図である。送信部1600は、送信アンテナ1505から電波を受信し、受信部1700は第1の受信アンテナ1501と第2の受信アンテナ1502で受信した受信信号から算出した振幅と位相を傾斜角度演算部1900へ出力する。受信部1800は、第3の受信アンテナ1503と第4の受信アンテナ1504で受信した受信信号から算出した振幅と位相を傾斜角度演算部1900へ出力する。
受信アンテナを3つ以上備える場合、傾斜角度演算部は、第1の受信アンテナ及び第2の受信アンテナ以外の受信信号も更に用いて傾斜角度を算出することになる。例えば、第3の受信アンテナで受信した第3の受信信号は、その後の扱いは第1の受信信号と同様の処理をすることになる。ここで、受信アンテナすべての組み合わせを行ってもよいし、一方、組み合わせの一部を用いてもよい。
送信部1600は、上記実施の形態1から上記実施の形態15までのいずれかに記載された構成である。また、受信部1700と受信部1800とは上記実施の形態1から上記実施の形態15までのいずれかに記載された構成である。傾斜角度演算部1900内の振幅位相演算器(不図示)は受信部1700から算出された位相差と受信部1800から算出された位相差の平均値から傾斜角度を算出する。
図28と図29はこの発明の実施の形態17による前後方向の傾斜角度と位相差の関係を説明した図である。具体的には、図28は車両が左右方向に傾斜していないときの前後方向の傾斜角度と位相差の関係を示している。図28中の実線2001は受信部1700から算出された値で、破線2002は受信部1800から算出された値で、実線2001と破線2002は一致する。また、図29は車両が左右方向に傾斜しているときの前後方向の傾斜角度と位相差の関係を示している。図29中の実線2101は受信部1700から算出された値で、破線2102は受信部1800から算出された値を示しており、実線2101と破線2102は一致していない。点線2103は実線2101と破線2102の平均値から算出して得られた直線であり、左右方向に傾斜していないときに得られる実線2001及び破線2002と一致する。
また、傾斜角度演算部1900は、同様に第1の受信アンテナ1501と第3の受信アンテナ1503でそれぞれ受信した受信信号から得られた振幅及び位相と、第2の受信アンテナ1502と第4の受信アンテナ1504でそれぞれ受信した受信信号から得られた振幅及び位相とから左右方向の傾斜角度を算出する。さらに、上記の信号処理を同時に実施すれば、前後方向と左右方向の傾斜角度を同時に算出できる。
以上のように、車両傾斜検知装置は車両の左右方向の傾斜の影響を受けずに前後方向の傾斜を精度よく算出できるという効果がある。また、車両の前後方向の傾斜の影響を受けずに左右方向の傾斜を精度よく算出できるという効果がある。さらに、車両の前後方向の傾斜と左右方向の傾斜を同時に精度よく検出できるという効果がある。
なお、上記実施の形態1〜実施の形態17に係る車両傾斜検知装置1は、風および騒音等があっても、傾斜角度を精度よく検知することができるという効果があるため、車速センサ等を補助的に使用する必要がない。
先立って説明した従来方法では、走行中に求める傾斜角度は、超音波センサが風および騒音等の影響を受けることに起因して精度が良くない。このため、車速センサの計測値から走行中か停止中かを判断して停止中に傾斜角度を計測していた。また、車速センサの計測値も車輪の空転および滑走などにより誤差が生じるため、精度が良くなかった。これに対し、本発明では超音波等に比べて耐雑音性に優れた電波を用い、かつ、車両の傾斜角度を求める際に適切な電波の位相差で表現できる周波数を用いたので、車速センサを用いることなく精度よく傾斜角度を検知することができる。
先立って説明した従来方法では、走行中に求める傾斜角度は、超音波センサが風および騒音等の影響を受けることに起因して精度が良くない。このため、車速センサの計測値から走行中か停止中かを判断して停止中に傾斜角度を計測していた。また、車速センサの計測値も車輪の空転および滑走などにより誤差が生じるため、精度が良くなかった。これに対し、本発明では超音波等に比べて耐雑音性に優れた電波を用い、かつ、車両の傾斜角度を求める際に適切な電波の位相差で表現できる周波数を用いたので、車速センサを用いることなく精度よく傾斜角度を検知することができる。
また、上記実施の形態1〜実施の形態17に係る車両傾斜検知装置1が求めた傾斜角度の情報を基に、車両のヘッドライトの光軸制御を自動で行うシステムを構成してもよい。
例えば、車両傾斜検知装置に対して、位相の時間変化量から車両の走行および停止状態を判定する車両状態判定部と、傾斜角度演算部で算出された傾斜角度の時間変化量から路面の局所的な凹凸を検知する路面状態判定部と、車両状態判定部の判定結果および路面状態判定部の検知結果を用いて傾斜角度を補正した結果を出力する出力信号演算部を追加すれば、補正した傾斜角度で車両のヘッドライトの光軸を調整することができるようになる。
例えば、車両傾斜検知装置に対して、位相の時間変化量から車両の走行および停止状態を判定する車両状態判定部と、傾斜角度演算部で算出された傾斜角度の時間変化量から路面の局所的な凹凸を検知する路面状態判定部と、車両状態判定部の判定結果および路面状態判定部の検知結果を用いて傾斜角度を補正した結果を出力する出力信号演算部を追加すれば、補正した傾斜角度で車両のヘッドライトの光軸を調整することができるようになる。
上述した以外にも、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
1 車両傾斜検知装置、100,1600 送信部、101 発振器、102 増幅器、103,1201,1505 送信アンテナ、200,1700,1800 受信部、201,202,1202,1203,1501〜1504 受信アンテナ、203,204 増幅器、300,1900 傾斜角度演算部、301 振幅位相演算器、302 傾斜角度演算器、401〜404 伝播経路、501 移相器、502 利得制御器、601〜604 切り替え器、701,702 直交検波器、801 符号信号発生器、802 変調器、803,804 相関演算器、901 パルス信号発生器、902 サンプルユニット、1301,1401,2001,2101 直線、1302,1402,2002,2102 破線、2103 点線、L1〜L4 経路長。
Claims (19)
- 車両に設置され、所定の周波数の発振信号を送信アンテナから電波にして放射する送信部と、
地面で反射した前記電波を第1の受信アンテナで受信した第1の受信信号と、前記地面で反射した前記電波を第2の受信アンテナで受信した第2の受信信号とを交互に切り替えて1本の第1の線路に出力する切り替え部と、
前記切り替え部から前記1本の第1の線路を通して送られてくる前記第1の受信信号又は前記第2の受信信号と前記発振信号とを直交検波して得た第1の振幅値及び第1の位相値と第2の振幅値及び第2の位相値とを交互に切り換えて1本の第2の線路に出力する直交検波部と、
前記直交検波部から前記1本の第2の線路を通して送られてくる前記第1の振幅値及び前記第1の位相値と、前記第2の振幅値及び前記第2の位相値とに基づいて前記車両の前記地面に対する傾斜角度を算出する傾斜角度演算部とを備えたことを特徴とする車両傾斜検知装置。 - 車両に設置され、所定の周波数の発振信号の位相を回転させた送信信号を送信アンテナから電波にして放射する送信部と、
地面で反射した前記電波を第1の受信アンテナで受信した第1の受信信号と前記送信部から得る前記送信信号とを切り替えて出力する第1の切り替え部と、
前記地面で反射した前記電波を第2の受信アンテナで受信した第2の受信信号と前記送信部から得る前記送信信号とを切り替えて出力する第2の切り替え部と、
前記第1の切り替え部からの前記第1の受信信号と前記発振信号とを第1の直交検波部により直交検波して得た第1の振幅値と第1の位相値、及び前記第2の切り替え部からの前記第2の受信信号と前記発振信号とを第2の直交検波部により直交検波して得た第2の振幅値と第2の位相値を取り出すと共に、
前記第1の切り替え部からの前記送信信号と前記発振信号とを当該第1の直交検波部により直交検波して得た第3の振幅値と第3の位相値、及び前記第2の切り替え部からの前記送信信号と前記発振信号とを当該第2の直交検波部により直交検波して得た第4の振幅値と第4の位相値を取り出す受信部と、
前記第3の振幅値と前記第3の位相値から算出する前記第1の直交検波部の位相の回転リニアリティ特性、及び前記第4の振幅値と前記第4の位相値から算出する前記第2の直交検波部の位相の回転リニアリティ特性を参照し、前記第1の振幅値及び前記第1の位相値と前記第2の振幅値及び前記第2の位相値とに基づいて前記車両の前記地面に対する傾斜角度を算出する傾斜角度演算部とを備えたことを特徴とする車両傾斜検知装置。 - 車両に設置され、所定の周波数の発振信号をパルス変調して送信アンテナから電波にして放射する送信部と、
地面で反射した前記電波を第1の受信アンテナで受信した第1のパルス受信信号と前記発振信号とを第1の直交検波部により直交検波して得た第1の振幅値と第1の位相値、及び前記地面で反射した前記電波を第2の受信アンテナで受信した第2のパルス受信信号と前記発振信号とを第2の直交検波部により直交検波して得た第2の振幅値と第2の位相値を取り出す受信部と、
前記第1の振幅値及び前記第1の位相値をサンプリングして得た値と、前記第2の振幅値及び前記第2の位相値をサンプリングして得た値とに基づいて前記車両の前記地面に対する傾斜角度を算出する傾斜角度演算部とを備えたことを特徴とする車両傾斜検知装置。 - 送信部は、所定の帯域内で任意の周波数を選択して送信する、または、所定の帯域内で異なる周波数を有する送信信号を時分割で送信することを特徴とする請求項1記載の車両傾斜検知装置。
- 送信部は、所定の帯域内で任意の周波数を選択して送信する、または、所定の帯域内で異なる周波数を有する送信信号を時分割で送信することを特徴とする請求項2記載の車両傾斜検知装置。
- 送信部は、所定の帯域内で任意の周波数を選択して送信する、または、所定の帯域内で異なる周波数を有する送信信号を時分割で送信することを特徴とする請求項3記載の車両傾斜検知装置。
- 送信部のパルス変調周波数と傾斜角度演算部のサンプル周波数とを同じ周波数、又は異なる周波数とすることを特徴とする請求項3記載の車両傾斜検知装置。
- 送信部が放射する電波の周波数は、24GHz帯又は26GHz帯としたことを特徴とする請求項1記載の車両傾斜検知装置。
- 送信部が放射する電波の周波数は、24GHz帯又は26GHz帯としたことを特徴とする請求項2記載の車両傾斜検知装置。
- 送信部が放射する電波の周波数は、24GHz帯又は26GHz帯としたことを特徴とする請求項3記載の車両傾斜検知装置。
- 送信部が放射する電波は、円偏波としたことを特徴とする請求項1記載の車両傾斜検知装置。
- 送信部が放射する電波は、円偏波としたことを特徴とする請求項2記載の車両傾斜検知装置。
- 送信部が放射する電波は、円偏波としたことを特徴とする請求項3記載の車両傾斜検知装置。
- 受信部は、受信アンテナを3つ以上備え、
傾斜角度演算部は、第1の受信アンテナ及び第2の受信アンテナ以外の前記受信アンテナの受信信号も更に用いて傾斜角度を算出することを特徴とする請求項1記載の車両傾斜検知装置。 - 受信部は、受信アンテナを3つ以上備え、
傾斜角度演算部は、第1の受信アンテナ及び第2の受信アンテナ以外の前記受信アンテナの受信信号も更に用いて傾斜角度を算出することを特徴とする請求項2記載の車両傾斜検知装置。 - 受信部は、受信アンテナを3つ以上備え、
傾斜角度演算部は、第1の受信アンテナ及び第2の受信アンテナ以外の前記受信アンテナの受信信号も更に用いて傾斜角度を算出することを特徴とする請求項3記載の車両傾斜検知装置。 - 受信部が受信アンテナを4つ備える場合には、送信アンテナを中心とした四角形の各頂点に前記受信アンテナを配置したことを特徴とする請求項14記載の車両傾斜検知装置。
- 受信部が受信アンテナを4つ備える場合には、送信アンテナを中心とした四角形の各頂点に前記受信アンテナを配置したことを特徴とする請求項15記載の車両傾斜検知装置。
- 受信部が受信アンテナを4つ備える場合には、送信アンテナを中心とした四角形の各頂点に前記受信アンテナを配置したことを特徴とする請求項16記載の車両傾斜検知装置。
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