本発明は、板材を曲げる曲げ加工機[bending machine]に関し、特に、試し曲げを[trial bending(s)]を必要としない曲げ加工機に関する。
下記の特許文献1は、従来の曲げ加工機(プレスブレーキ)を開示している。その曲げ加工機では、パンチを有するパンチ側テーブルがフレームの一側(上側)に設けられ、ダイを有するダイ側テーブルがフレームの他側(下側)に設けられている。パンチをストロークさせて板材に加圧して、パンチとダイとの間で板材の曲げ加工が行われる。パンチのストローク量はパンチ検出器によって検出される。ストローク量は、フレームの熱変形によって変化してしまうことがある。そこで、パンチ検出器によって検出されたストローク量が所望量でない場合は、ストローク量を補正して曲げ加工を正確に行う。
上記曲げ加工機においては、加工される板材の仕様[材質・板厚・形状(曲げ長さ)]毎に試し曲げが行われる。試し曲げを通して加圧力またはストローク量が設定され、設定された加圧力またはストローク量で曲げ加工を行うことで曲げ加工の自動化が可能となる。
このような曲げ加工においては、エアベンディング及びコイニングの2種類の加工方法がある。なお、エアベンディングは、パーシャルベンディング及びボトミングにさらに細分化される。すなわち、曲げ加工は、パーシャルベンディング、ボトミング及びコイニングの3種類の加工方法に分類される。
エアベンディングは加圧力は小さいが曲げ角度のばらつき[dispersion]が大きいので、エアベンディングの精度は高くはない。加工される板材の仕様毎に試し曲げをすることなくエアベンディングによる曲げ角度の精度を向上させる場合は、角度センサが必要となる。しかし、自動化曲げ加工機にはオートツールチェンジャーが装備されているので、角度センサを用いることが難しい。従って、エアベンディングのためには、加工される板材の仕様毎の試し曲げによって最適な加圧力またはパンチのストローク量を設定する必要がある。コイニングは、エアベンディングの加圧力の10〜12倍の加圧力で曲げ加工を行うので精度は高いが、曲げ長さに対して加圧力が非常に大きくなる問題がある。
上述したように、従来の曲げ加工機では、最適な加圧力またはストローク量(良好な加工条件)を設定するために加工される板材の仕様毎に試し曲げが必要であり、加工効率の観点上問題がある。
従って、本発明の目的は、試し曲げを不要にして加工効率を向上させ、かつ、良好な加工条件を実現できる曲げ加工機を提供することにある。
本発明の特徴は、基台部と、該基端部の両端からそれぞれ同方向に延設されたパンチ側フレーム部及びダイ側フレーム部とを有するフレーム、前記パンチ側フレーム部に設けられ、パンチが装着されたパンチホルダ、前記ダイ側フレーム部に設けられ、ダイが装着されたダイホルダ、前記パンチを前記ダイに向けて加圧し、前記ダイと前記パンチとの間で板材を曲げる加圧機構、前記加圧機構に設けられ、前記板材の曲げに必要な前記パンチの移動量を検出する第1たわみ検出器、前記ダイ側フレーム部に支持され、前記パンチの実際の移動量を検出する第2たわみ検出器、及び、前記フレーム2のたわみ量と板材の曲げ長さ・材質・板厚との関係を予め記憶し、前記第1たわみ検出器の検出値から前記第2たわみ検出器の検出値を減算して前記フレームの実たわみ量を算出し、記憶された前記関係に基づいて、これから曲げられる板材を曲げる際の前記フレームの目標たわみ量を取得し、前記実たわみ量が前記目標たわみ量となるように前記加圧機構を制御するよう動作する制御部、を備えた曲げ加工機を提供する。
上記特徴によれば、フレームのたわみ量と板材の曲げ長さ・材質・板厚との関係を制御部が記憶し、第1たわみ検出及び第2たわみ検出器の検出値に基づいて算出されたフレームの実たわみ量が、これから曲げられる板材に対応する(前記関係に基づいて取得された)目標たわみ量となるように。加圧機構が制御される。このため、良好な加工条件で板材を曲ることができ、さらに、板材の試し曲げを必要としない。この結果、板材の曲げ加工の手間を削減できる。
ここで、前記加圧機構が、前記パンチを前記ダイに向けて移動させる加圧用のモータを有し、前記第1たわみ検出器が、前記モータの回転量を検出するエンコーダであり、前記第2たわみ検出器が、前記ダイ側フレーム部に支持フレームを介して支持されたスケールである、ことが好ましい。
このようにすれば、第1たわみ検出器がパンチを移動させるモータのエンコーダで、第2たわみ検出器がパンチの移動量を検出するスケールであるので、フレームの実たわみ量を板材を曲げる時に直接に検出できる。このため、制御部がモータを正確に制御することができる。
また、前記制御部が、前記第1たわみ検出器及び前記第2たわみ検出器の検出値から前記フレームの前記実たわみ量を算出するたわみ演算器と、前記関係が定義されたデータテーブルを記憶するメモリとを有している、ことが好ましい。
このようにすれば、たわみ演算器がフレームの実たわみ量を算出し、上述した関係が定義されたデータテーブルがメモリに記憶されるので、フレームの実たわみ量と板材との関係を正確に把握することができる。このため、試し曲げを行うことなく板材を良好に曲げることができる。
曲げ加工機の一実施形態の全体正面図である。
前記曲げ加工機の制御部のブロック図である。
前記曲げ加工機の駆動制御のフローチャートである。
前記制御部に格納されたテーブルである。
曲げ加工機の一実施形態を以下に説明する。曲げ加工機1は、フレーム2と、加圧機構[pressing mechanism]3と、検出機構[detection mechanism]4と、制御部[controller]5とを備えている。
フレーム2は、所定長さの基台部[base section]21と、基台部21の両端から一体的にそれぞれ延設されたパンチ側フレーム部[punch-side frame section]23及びダイ側フレーム部[die-side frame section]25とによって構成されている。パンチ側フレーム部23及びダイ側フレーム部25は、基台部21から同方向に向けてそれぞれ立設されている。パンチ側フレーム部23には、パンチ6及び加圧機構3が設けられている。ダイ側フレーム部25には、ダイ7が設けられている。
加圧機構3は、パンチ側フレーム部23に支持されたボールネジ30と、加圧用のモータ32[motor 32 for pressing]とを備えている。ボールネジ30は、その軸方向に沿って直線的に移動可能である。ボールネジ30の先端には、連結ブラケット31が取り付けられている。連結ブラケット31には、パンチホルダ8が取り付けられている。パンチ6は、パンチホルダ8の先端に取り付けられている。ボールネジ30の移動によってパンチ6が板材を加圧し、パンチ6及びダイ7の間で板材が曲げられる。パンチ6の移動はモータ32によって行われる。
モータ32は、その出力側に減速ギア33を有している。減速ギア33には、ナット34が連結されている。ナット34には、ボールネジ30が螺合して貫通している。モータ32によってナット34が正逆方向に回転されると、ボールネジ30は送り/戻り方向[feeding/reversing direction]に直線的に移動する。そして、ボールネジ30の送り方向への移動によって板材が加圧され、板材が曲げられる。この場合、ナット34の回転に伴ってボールネジ30のネジが従動的に回転しないように機械的機構によってネジの回転を規制する必要がある。このため、回転規制ユニット38が加圧機構3に設けられている。
モータ32の回転は、制御部5によって制御される。また、モータ32の回転数はエンコーダ11によって検出される。エンコーダ11は、第1たわみ検出器[first deflection detector]であり、モータ32の回転数を検出することでパンチ6のダイ7に向かう実際のストローク量が検出される。なお、エンコーダ11によって検出されるストローク量には、板材への加圧時のフレーム2のたわみ量が含まれてしまう。エンコーダ11の検出結果は、制御部5に出力される。
さらに、加圧機構3には高速移動用のモータ36[motor 36 for high-speed feeding]が設けられている。モータ36は、板材を挟む直前位置までパンチ6を高速に移動させる。モータ36は、減速ギア35を介して連結ブラケット31に連結されている。
ダイ7は、ダイホルダ10に取り付けられている。ダイホルダ10は、フレーム2のダイ側フレーム部25に取り付けられている。ダイホルダ10は、ダイ7がパンチ6と対向するようにダイ側フレーム部25に取り付けられている。検出機構4は、フレーム2上のダイホルダ10側に配置されている。
検出機構4は、ダイ側フレーム部25に支持された支持フレーム41と、支持フレーム41に取り付けられたスケール42とで構成されている。板材を曲げるときに加圧力の反力がフレーム2に作用しても、支持フレーム41には反力が作用しないように検出機構4は構成されている。スケール42は、パンチホルダ8近傍に配置されており、ダイホルダ10に対するパンチホルダ8の相対位置を検出する。スケール42は、フレーム2に直接固定されずに支持フレーム41を介してフレーム2に取り付けられている。支持フレーム41には反力が作用しないので、スケール42は、フレーム2のたわみ量を含まないパンチ6の実際の移動量を検出できる。即ち、スケール42は、板材への加圧時のパンチ6の実際の移動量を検出する第2たわみ検出器である。スケール42の検出結果は、制御部5に出力される。
制御部5は、たわみ演算器[deflection calculator]51とデータテーブル53とを備えている。制御部5は、モータ32及びモータ36を制御する。たわみ演算器51は、板材への加圧時におけるフレーム2のたわみ量を算出する。フレーム2のたわみ量は、エンコーダ11(第1たわみ検出器)の検出値からスケール42(第2たわみ検出器)の検出値を減算することで算出される。具体的には、フレーム2のたわみ量は、(エンコーダ11の検出値)−(スケール42の検出値)として得られる。
データテーブル53は、制御部5のメモリ56(後述)に記憶されている。データテーブル53では、算出されたフレーム2のたわみ量と、板材の曲げ長さ・材質・板厚との関係が記録されている。制御部5は、板材の曲げ長さ・材質・板厚に対応するフレーム2のたわみ量を求め、このたわみ量となるようにモータ32を制御する。
図2は制御部5を示すブロック図である。制御部5では、入力インタフェース54、出力インタフェース55、及び、メモリ56がデータバス57によってCPU58に接続されている。上述したたわみ演算器51は、これらのコンポーネントで構成されていると言える。また、データバス57には、上述したエンコーダ11、スケール42、モータ32、及び、モータ36も接続されている。
入力インタフェース54は、種々のデータをCPU58に入力するものであり、例えば、入力インタフェース54にはキーボードや外部ディスクドライブが接続される。出力インタフェース55は、CPU58のデータを出力するものであり、例えば、出力インタフェース55にはディスプレイやプリンタが接続される。メモリ56には、入力インタフェース54から入力されたデータや加工プログラム、上述したデータテーブル53が記憶される。また、エンコーダ11やスケール42の検出結果は、データバス57を介してCPU58に入力される。モータ32及びモータ36は、データバス57を介して、CPU58から出力されるコマンドによって制御される。
次に、ボトミング加工時における、フレーム2のたわみ量に基づく曲げ加工の加圧力制御について説明する。
まず、フレーム2のたわみ量δと加圧力Fとの関係が、ロードセル等の荷重センサを用いて測定される。加圧力Fが小さい場合には構造的なガタや変形等がフレーム2のたわみ量δとなって表れるので、フレーム2のたわみ量δと加圧力Fとの関係は、指数関数δ=a×Fb(a,bは定数)で表すことができる。これに対し、加圧力Fが大きい場合には、フレーム2のたわみ量δと加圧力Fとの関係は、一次関数δ=c×F+d(c,dは定数)で表わされる。即ち、たわみ量δと加圧力Fと関係は、δ=a×Fb[Fが小さいとき]、又は、c×F+d[Fが大きいとき]・・・(I)と表される。また、たわみ量δと加圧力Fと関係は、F=(δ/a)1/b[Fが小さいとき]、又は、(δ−d)/c[Fが大きいとき]・・・(II)とも表される。
ボトミングに必要な加圧力は、実際の曲げ加工とは別個に加工テストによって求められる。加工テストは、曲げ加工機1の初期設定時に行われるもので、板材の仕様毎に行われる試し曲げではない。図4は板材[板厚・材質]とフレームのたわみ量との関係を表すデータテーブル53を示している。加工テストでは、板材(A、B、・・)[仕様:板厚(t1,t2、・・)・材質(m1、m2、・・)]毎に曲げ長さL(L1=0.5、L2=1.0、L3=2.0、・・・[単位:m])を用意し、加工後の曲げ角度が90°±15°となるフレーム2のたわみ量δが測定される。本実施形態では、図4に示されるように、データテーブル53は板材毎に作成され、各データテーブル53には上述した板材毎にたわみ量δが記憶されている。なお、板材の種類もパラメータとして扱って、一つのデータテーブル53が作成されてもよい。
測定されたフレーム2のたわみ量δが、上述した式(II)によってそれぞれ加圧力Fに換算される。例えば、板材Aに関しては、FAL1、FAL2、・・・が算出される(板材B、・・・についても同様)。さらに、換算された加圧力Fが、それぞれ単位長さ[1m]あたりの換算加圧力F’=F/Lにさらに変換される。例えば、板材Aに関しては、F’AL1、F’AL2、・・・が算出される(板材B、・・・についても同様)。そして、板材(A、B、・・)毎に、全ての曲げ長さL(L1、L2、L3、・・・)に関する単位長さあたりの加圧力F’の平均値Zが求められる。例えば、板材A[(t1,m1)]に関しては、F’AL1、F’AL2、・・・F’ALn、の平均値がZAとして算出される(板材B、・・についても同様)。これらの平均値は、板材(A、B、・・・)毎に、単位長さあたりの必要加圧力Z(ZA、ZB、・・・)として制御部5に記憶される。
次に、上述したデータテーブル53を用いた曲げ加工(ボトミング)の制御について、図3に示されるフローチャートを参照しつつ説明する。
まず、加工される板材のデータが制御部5に入力される(ステップS11)。板材のデータは曲げ長さ・板厚・材質である。制御部5は、入力されたデータに基づいて、ボトミングに必要な目標加圧力Ftを、算出式Ft=Ld×Zによって算出する。ここで、Ldは、ステップS11で入力されたデータでの曲げ長さである。Zは、ステップS11で入力されたデータの板材[板厚・材質]に対応する、必要加圧力であり、上述した加工テストによって制御部5に記憶されている。
次に、制御部5は、算出された目標加圧力Ftに基づいて、フレーム2の目標たわみ量δtを上記式(I)を用いて算出する(ステップS12)。即ち、ステップS11で算出された目標加圧力Ftに基づいて、フレーム2の目標たわみ量δtが決定される。換言すれば、フレーム2が目標たわみ量δtを有するとき、板材に目標加圧力Ftが作用しているとみなせる。
制御部5は、加圧用のモータ32を駆動して加圧する(ステップS13)。このとき、エンコーダ11及びスケール42の検出結果が制御部5に出力される。加圧によるフレーム2のたわみ量が測定される(ステップS14)。エンコーダ11の検出値からスケール42の検出値を減算した値、即ち、フレーム2の実際のたわみ量δに基づいて、モータ32がフィードバック制御される。具体的には、フレーム2の実際のたわみ量δが目標たわみ量δtと一致するように、モータ32がフィードバック制御される。
ステップS12で決定された目標たわみ量δtと、ステップS14で測定されたたわみ量δとが一致したとき、即ち、実際の加圧力Fが目標加圧力Ftと一致したときに、制御部5はモータ32を停止し(ステップS15)、板材の曲げ加工が終了する。ステップS12で決定された目標たわみ量δtとステップS14で測定されたたわみ量δとが一致しない場合は、制御フローはステップS13に戻って制御部5によるモータ32の駆動が継続される。
本実施形態では、制御部5は、フレーム2のたわみ量と板材の曲げ長さ・材質・板厚との関係のデータを記憶しており、記憶したデータに基づいて板材の曲げ長さ・材質・板厚に対応するフレーム2の目標たわみ量を求め、フレーム2の実際のたわみ量が目標たわみ量となるようにモータ32を制御する。このため、良好な加工条件で板材を曲げることができ、板材の試し曲げが不要となり、板材の曲げ加工の手間を削減できる。
また、本実施形態では、加圧用のモータ32のエンコーダ11とパンチ6の移動量を検出するスケール42とによってフレーム2のたわみ量を検出するので、フレーム2のたわみ量を板材の加工時に直接的に検出できる。このため、制御部5は、モータ32を正確に制御することができる。
さらに、制御部5がたわみ演算器51及びたわみ量と板材の材質・板厚・曲げ長さとの関係を示すデータテーブル53を有しているので、フレーム2のたわみ量と板材との関係を正確に把握することができ、試し曲げを行うことなく板材を良好に加工することができる。
本発明の特徴は、基台部と、該基端部の両端からそれぞれ同方向に延設されたパンチ側フレーム部及びダイ側フレーム部とを有するフレーム、前記パンチ側フレーム部に設けられ、パンチが装着されたパンチホルダ、前記ダイ側フレーム部に設けられ、ダイが装着されたダイホルダ、前記パンチを前記ダイに向けて加圧し、前記ダイと前記パンチとの間で板材を曲げる加圧機構、前記加圧機構に設けられ、前記板材の曲げに必要な前記パンチのストローク量を検出する第1たわみ検出器、前記ダイ側フレーム部に支持され、前記パンチの実際の移動量を検出する第2たわみ検出器、及び、前記フレームのたわみ量と板材の曲げ長さ・材質・板厚との関係を予め記憶し、前記第1たわみ検出器の検出値から前記第2たわみ検出器の検出値を減算して前記フレームの実たわみ量を算出し、記憶された前記関係に基づいて、これから曲げられる板材を曲げる際の前記フレームの目標たわみ量を取得し、前記実たわみ量が前記目標たわみ量となるように前記加圧機構を制御するよう動作する制御部、を備えた曲げ加工機を提供する。
上記特徴によれば、フレームのたわみ量と板材の曲げ長さ・材質・板厚との関係を制御部が記憶し、第1たわみ検出及び第2たわみ検出器の検出値の基づいて算出されたフレームの実たわみ量が、これから曲げられる板材に対応する(前記関係に基づいて取得された)目標たわみ量となるように、加圧機構が制御される。このため、良好な加工条件で板材を曲ることができ、さらに、板材の試し曲げを必要としない。この結果、板材の曲げ加工の手間を削減できる。
モータ32の回転は、制御部5によって制御される。また、モータ32の回転量はエンコーダ11によって検出される。エンコーダ11は、第1たわみ検出器[first deflection detector]であり、モータ32の回転量を検出することでパンチ6のダイ7に向かう実際のストローク量が検出される。なお、エンコーダ11によって検出されるストローク量には、板材への加圧時のフレーム2のたわみ量が含まれてしまう。エンコーダ11の検出結果は、制御部5に出力される。
制御部5は、たわみ演算器[deflection calculator]51とデータテーブル53とを備えている。制御部5は、モータ32及びモータ36を制御する。たわみ演算器51は、板材への加圧時におけるフレーム2の実たわみ量を算出する。フレーム2の実たわみ量は、エンコーダ11(第1たわみ検出器)の検出値からスケール42(第2たわみ検出器)の検出値を減算することで算出される。具体的には、フレーム2の実たわみ量は、(エンコーダ11の検出値)−(スケール42の検出値)として得られる。
データテーブル53は、制御部5のメモリ56(後述)に記憶されている。データテーブル53には、フレーム2のたわみ量と、板材の曲げ長さ・材質・板厚との関係が記録されている。制御部5は、データテーブル53に基づいて、板材の曲げ長さ・材質・板厚に対応するフレーム2の目標たわみ量を求め、たわみ演算器51によって算出された実たわみ量が目標たわみ量となるようにモータ32を制御する。
測定されたフレーム2のたわみ量δが、上述した式(II)によってそれぞれ加圧力Fに換算される。例えば、板材Aに関しては、FAL1、FAL2、・・・が算出される(板材B、・・・についても同様)。さらに、たわみ量δから換算された加圧力Fが、それぞれ単位長さ[1m]あたりの換算加圧力F’=F/Lにさらに変換される。例えば、板材Aに関しては、F’AL1、F’AL2、・・・が算出される(板材B、・・・についても同様)。そして、板材(A、B、・・)毎に、全ての曲げ長さL(L1、L2、L3、・・・)に関する単位長さあたりの加圧力F’の平均値Zが求められる。例えば、板材A[(t1,m1)]に関しては、F’AL1、F’AL2、・・・F’ALn、の平均値がZAとして算出される(板材B、・・についても同様)。これらの平均値は、板材(A、B、・・・)毎に、単位長さあたりの必要加圧力Z(ZA、ZB、・・・)として制御部5に記憶される。