JPWO2012099073A1 - ガラスロール、ガラスロール製造装置、およびガラスロール製造方法 - Google Patents

ガラスロール、ガラスロール製造装置、およびガラスロール製造方法 Download PDF

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Abstract

ガラスロール(10)は、巻芯(30)に巻回されたガラスシート(20)からなる。シート(20)は、その幅方向側縁部(22)を巻芯(30)の軸方向にずらしながら巻かれている。よって、ロール(10)の幅(L1)は、シート(20)の幅(L2)より大きい。シート(20)は、幅方向に厚さムラを有する。厚い部分同士が上下に重なるようにシート(20)が巻かれると、シート(20)が割れやすい。シート(20)を幅方向にずらしながら巻くと、厚い部分と薄い部分とが交互に重なるので、シート(20)の割れを抑制できる。シート(20)を幅方向にずらすために、1対のローラ(220,230)がシート(20)を挟む力又はローラ(250)が巻芯(30)に対してシート(20)を押し付ける力をシート(20)の幅方向に異なるものとする。巻芯(30)を軸方向にずらしながらシート(20)を巻いてもよい。

Description

本発明は、帯状のガラスシートを巻回してなるガラスロール、ガラスロール製造装置、およびガラスロール製造方法に関する。
従来から、帯状シートを巻回してなるシートロールが知られている(例えば、特許文献1参照)。このシートロールにおいて、帯状シートの幅方向側縁部は巻回軸方向にずれながら巻回されている。よって、帯状シートの幅方向に厚さムラがある場合に、厚い部分と薄い部分とが交互に積層され、巻圧が均一で巻姿が良好なシートロールを作製できるとしている。
日本国特開平10−212059号公報
ところで、上記特許文献1では、帯状シートの種類について言及がないが、帯状シートは、写真感光材料が塗布されたものであるので、樹脂シートであると考えられる。
一方で、近年、帯状のガラスシートを巻回してなるガラスロールが検討されている。このガラスロールは、例えば、液晶パネルや有機ELパネルなどの表示パネル、太陽電池などを、ロール・ツー・ロール方式で製造するために用いられる。
ガラスシートは、従来の樹脂シートに比べて、可撓性が低い。加えて、ガラスシートは、熱処理炉内で溶融ガラスを長手方向に移動させて帯状に成形されるので、長手方向の厚さムラに比べて、幅方向の厚さムラが大きい傾向にある。これらのため、ガラスシートは、巻回されたときに、樹脂シートに比べて割れやすい。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、ガラスシートの割れを抑制可能なガラスロール、ガラスロール製造装置、およびガラスロール製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を解決するため、本発明は、帯状のガラスシートを巻回してなるガラスロールにおいて、
前記ガラスシートの幅方向側縁部が、巻回軸方向にずれながら巻回されている、ガラスロールを提供する。
また、本発明は、帯状のガラスシートを巻回する時、前記ガラスシートの幅方向側縁部を巻回軸方向にずらしながら巻回できるガラスロール製造装置であって、
前記ガラスシートを巻き取る巻芯と、
前記巻芯に対する前記ガラスシートの幅方向側縁部の位置を検出する検出部と、
前記ガラスシートの張力の幅方向分布を調節するための調節部と、
前記検出部の検出結果に基づいて、前記調節部を制御する制御部とを備える、ガラスロール製造装置を提供する。
また、本発明は、帯状のガラスシートを巻回する時、前記ガラスシートの幅方向側縁部を巻回軸方向にずらしながら巻回するガラスロール製造方法であって、
前記ガラスシートを巻き取る巻芯に対する前記ガラスシートの幅方向側縁部の位置を検出する検出工程と、
該検出工程での検出結果に基づいて、前記ガラスシートの張力の幅方向分布を調節する調節工程とを有する、ガラスロール製造方法を提供する。
本発明によれば、ガラスシートの割れを抑制可能なガラスロール、ガラスロール製造装置、およびガラスロール製造方法を提供することができる。
図1Aは、第1の実施形態におけるガラスロールおよび巻芯の断面図である。 図1Bは、図1Aの変形例の断面図である。 図2は、第2の実施形態におけるガラスロールおよび巻芯の断面図である。 図3は、第3の実施形態におけるガラスロール製造装置および搬送装置の斜視図である。 図4は、図3の側面図である。 図5は、第3の実施形態におけるガラスロール製造装置の要部の正面図である。 図6は、第4の実施形態におけるガラスロール製造装置の要部の正面図である。 図7は、第5の実施形態におけるガラスロール製造装置の要部の正面図である。 図8は、第6の実施形態におけるガラスロール製造装置の要部の正面図である。 図9は、第7の実施形態におけるガラスロール製造装置の要部の斜視図である。 図10は、第8の実施形態におけるガラスロール製造装置の要部の斜視図である。 図11は、第9の実施形態におけるガラスロール製造方法のフローチャートである。 図12は、第9の実施形態におけるガラスシートの1巻当たりのずれ量の決定方法の説明図である。 図13は、第10の実施形態におけるガラスロール製造方法のフローチャートである。 図14は、実施例1〜3におけるガラスシートの厚さの幅方向分布のグラフである。 図15は、実施例1におけるガラスロールの積層厚さの幅方向分布の算出結果を示すグラフである。 図16は、実施例2におけるガラスロールの積層厚さの幅方向分布の算出結果を示すグラフである。 図17は、実施例3におけるガラスロールの積層厚さの幅方向分布の算出結果を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明するが、本発明は、下記の実施形態に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、下記の実施形態に種々の変形および置換を加えることができる。
[第1の実施形態]
本実施形態は、帯状のガラスシートを巻回してなるガラスロールに関する。
図1Aは、第1の実施形態におけるガラスロールおよび巻芯の断面図である。図1Bは、図1Aの変形例の断面図である。
ガラスロール10は、帯状のガラスシート20を巻回してなる。図1Aおよび図1Bに示すガラスシート20は、巻芯30に巻回されているが、巻芯30は、ガラスロール10の作製後に、ガラスロール10から引き抜かれても良い。即ち、ガラスロール10の内側には、巻芯30が有っても無くても良い。
ガラスシート20は、巻回時や巻回後に擦り傷などが生じるのを防止するため、合紙(間紙)や樹脂シートと重ねて、巻芯30に巻回されても良い。合紙(間紙)や樹脂シートは、ガラスロール10を保護するため、ガラスロール10の内周および/または外周を覆っていて良い。
ガラスシート20は、用途に応じたガラスで構成される。例えば、液晶ディスプレイ用ガラス基板として用いられる場合、ガラスシート20は、アルカリ金属酸化物を実質的に含まない無アルカリガラスで構成されることが好ましい。用途によっては、例えば、ソーダライムガラス、石英ガラスなどの一般的なガラスを使用可能である。
ガラスシート20は、例えば、フロート法、フュージョンダウンドロー法、スリットダウンドロー法、リドロー法などで作製される。フロート法は、溶融スズ上に連続的に供給された溶融ガラスを、溶融スズ上で所定方向に流動させて帯状に成形する方法である。フュージョンダウンドロー法は、樋の左右上縁から溢れ出た溶融ガラスを、樋の下縁で合流させ、下方に引き伸ばして帯状に成形する方法である。スリットダウンドロー法は、スリットを通過した溶融ガラスを、下方に引き伸ばして帯状に成形する方法である。リドロー法は、フロート法などで成形されたガラスを再加熱しながら薄く引き延ばして成形する方法である。フロート法などで帯状に成形されたガラスは、徐冷された後、必要に応じて、所定寸法に切断され、ガラスシート20となる。
本発明者らの知見によると、上記の成形方法などで作製されたガラスシート20には、幅方向にほぼ一定の厚さムラが発生し、長手方向には厚さムラがほとんどない。
ガラスシート20の平均厚さは、0.3mm以下であることが好ましい。平均厚さを0.3mm以下とすることで、ガラスシート20に良好な可撓性を付与でき、ガラスシート20の巻回時に生じる曲げ応力を軽減することができ、ガラスシート20の破損を抑制することができる。
ガラスシート20の内周面または/および外周面には、機能膜が成膜されていても良い。機能膜は、目的に応じた材料で構成され、金属材料、無機材料、有機材料などで構成される。機能膜の種類としては、例えば、導電性膜、絶縁性膜、保護膜などが挙げられる。機能膜の成膜方法としては、例えばスパッタ法、真空蒸着法、CVD法、液状物を塗布して乾燥する方法などが用いられる。また、ガラスシート20の内周面または外周面には、樹脂フィルムが貼り付けられていても良い。
巻芯30は、例えば円筒状や円柱状に形成されており、図1Bに示すように、巻芯30の軸方向両端部には、円板状や角板状のフランジ40が設けられていても良い。
フランジ40は、ガラスロール10よりも大きな外径を有し、支持台の載置面に載置されたときに、ガラスロール10が自重で割れないように、ガラスロール10を載置面から離間して支持する。ガラスロール10とフランジ40との間には、衝撃を吸収する緩衝材50が設けられて良い。
緩衝材50は、ガラスロール10の形状に応じて形状を自由に変更できる物質(例えばスポンジやウールなど)で構成され、ガラスロール10の幅方向側縁部22とフランジ40との間を埋める。緩衝材50やフランジ40は、巻芯30に巻回されたガラスロール10が輸送中にずれるのを制限する。
次に、ガラスロール10の巻きずれについて、図1Aおよび図1Bを再度参照して説明する。
ガラスシート20の幅方向側縁部22は、巻回軸方向(即ち、巻芯30の軸方向)にずれながら巻回され、ガラスシート20の幅方向側縁部22のずれ方向は、所定方向に維持される。ガラスシート20には、長手方向の厚さムラはほとんどなく、幅方向にほぼ一定の厚さムラが存在する。
幅方向側縁部22が巻回軸方向にずれながら巻回されると、ガラスシート20の厚い部分に薄い部分が重なるようになるので、厚い部分同士や薄い部分同士が重なる場合に比べて、発生する応力(テンションを含む)が軽減される。よって、ガラスシート20の割れを抑制することができる。
また、幅方向側縁部22が巻回軸方向にずれながら巻回されているので、幅方向側縁部22にかかる応力を軽減することができる。よって、幅方向側縁部22にある微細な欠点(例えば、切断時の欠けなど)を起点とする割れを抑制することができる。
ガラスロール10の幅(L1)は、ガラスシート20の幅(L2)+15mm以上であることが好ましい。これによって、上記効果が十分に得られる。
ガラスシート20の幅方向側縁部22のずれ方向は、所定方向(図中、右方向)に維持されている。そのため、ガラスロール10において、竹の子状の巻きずれが生じている。このように、ずれ方向が所定方向に維持されていると、ガラスシート20の巻き取り作業が容易である。
ガラスシート20の1巻(1周)当たりの巻回軸方向へのずれ量の絶対値は、一定であっても変化しても良い。即ち、ガラスロール10の端面の断面形状は、直線状でも、曲線状でも良く、特に限定されない。
[第2の実施形態]
上記の第1の実施形態では、ガラスシート20の幅方向側縁部22のずれ方向が、所定方向に維持されていた。
これに対し、本実施形態では、ガラスシート20の幅方向側縁部22のずれ方向が、巻回の途中で反転している。
なお、本実施形態において、ずれ方以外のガラスロールの構成は、第1の実施形態と同一であるので、説明を省略する。
図2は、第2の実施形態におけるガラスロールおよび巻芯の断面図である。図2に示すように、ガラスシート20の幅方向側縁部22は、第1の実施形態と同様に、巻回軸方向(即ち、巻芯30の軸方向)にずれながら巻回されている。よって、ガラスシート20の幅方向に厚さムラがある場合に、厚い部分に薄い部分が重なるようになるので、厚い部分同士や薄い部分同士が重なる場合に比べて、発生する応力(テンションを含む)が軽減される。よって、ガラスシート20の割れを抑制することができる。
また、幅方向側縁部22が巻回軸方向にずれているので、幅方向側縁部22にかかる応力を軽減することができる。よって、幅方向側縁部22にある微細な欠点(例えば、切断時の欠けなど)を起点とする割れを抑制することができる。
ガラスロール110の幅(L3)は、ガラスシート20の幅(L2)+15mm以上であることが好ましい。これによって、上記効果が十分に得られる。
ガラスシート20の幅方向側縁部22のずれ方向は、巻回の途中で反転している(図2中、左方向から右方向に反転している)。このように、巻回の途中でずれ方向が反転していると、1巻(1周)当たりの巻回軸方向へのずれ量の絶対値が同じ場合に、第1の実施形態のガラスロール110の幅(L1)に比べ、本実施形態のガラスロール110の幅(L3)は短くなる。このため、ガラスロール110の搬送が容易である。なお、ずれ方向の反転回数に制限はなく、複数回であっても良い。
ガラスシート20の1巻(1周)当たりの巻回軸方向へのずれ量の絶対値は、一定であっても変化しても良い。即ち、ガラスロール110の端面の断面形状は、V字状でも、ジグザグ状でも、放物線状でも良く、特に限定されない。
[第3の実施形態]
本実施形態は、帯状のガラスシート20を巻回する時、ガラスシート20の幅方向側縁部22を巻回軸方向にずらしながら巻回できるガラスロール製造装置に関する。なお、本実施形態のガラスロール製造装置は、ガラスシート20の幅方向側縁部22を揃えて巻回するために用いられても良い。
図3は、第3の実施形態におけるガラスロール製造装置および搬送装置の斜視図である。図4は、図3の側面図である。図3および図4において、X軸は、搬送装置300で搬送中のガラスシート20の長手方向(即ち、搬送方向)と平行な軸である。Y軸は、搬送装置300で搬送中のガラスシート20の幅方向と平行な軸である。Z軸は、搬送装置300で搬送中のガラスシート20の厚さ方向と平行な軸である。
ガラスロール製造装置200は、上記の巻芯30の他、バッファ部210(図4参照)、接触ローラ220、送出ローラ230、ガイド部材240(図4参照)、押し付けローラ250(図4参照)、各種センサ262〜266、測定部270、検出部280、制御部290を備える。ガラスロール製造装置200の上流側には、搬送装置300が隣設されている。
搬送装置300は、ガラスシート20を平坦に支持しながら移動させる装置である。搬送装置300は、フロート法などでガラスシート20を製造する製造装置(不図示)、または、ガラスロールからガラスシート20を巻き出す装置(不図示)と、ガラスロール製造装置200との間に設けられている。
搬送装置300は、X軸に沿って間隔をおいて複数設けられる搬送ローラ302、304などで構成される。各搬送ローラ302、304の軸方向は、Y軸と平行に配置されており、モータなどの回転駆動源によって回転され、ガラスシート20をバッファ部210に向けて搬送する。
バッファ部210(図4参照)は、上流側の装置(例えば、搬送装置300)と下流側の装置(例えば、接触ローラ220、送出ローラ230)との間でのガラスシート20の移動速度の差を補償し、ガラスシート20の上流側にかかる応力と下流側にかかる応力を別々に制御するため、ガラスシート20の撓みを許容する。バッファ部210は、ガラスシート20の搬送方向に並ぶ2つのベルトコンベア212、214を含んでいる。
2つのベルトコンベア212、214は、ガラスシート20の前端部を平坦に支持して、接触ローラ220と、送出ローラ230との間に通した後、ガラスシート20の撓みを許容するため、それぞれ、図4に示すように、互いに反対側の端部を中心として、下方に回動される。
バッファ部210と、巻芯30との間には、ガラスシート20を挟んで巻芯30に向けて送り出す接触ローラ220および送出ローラ230が設けられている。接触ローラ220および送出ローラ230は、ガラスシート20を挟持することで、下流側のガラスシート20のテンション(張力)が上流側の装置に伝達するのを抑制している。
接触ローラ220は、モータなどの回転駆動源222(図3参照)によって回転され、制御部290の制御下で、回転数制御(速度制御)される。接触ローラ220の回転数などで、ガラスシート20の巻き取り速度や、ガラスシート20のバッファ部210での撓み量が決まる。
接触ローラ220の軸方向は、Y軸と平行に配置されている。接触ローラ220の外径は、送出ローラ230の外径と、同一であっても異なっても良い。
送出ローラ230は、ガラスシート20の損傷を抑制するため、回転自在に構成されている。送出ローラ230は、ガラスシート20の通過に伴って従動的に回転する。なお、送出ローラ230は、回転駆動源によって回転されても良く、この場合、送出ローラ230の回転トルクは、ガラスシート20の損傷を抑制できる程度に、十分に小さく設定される。
ガイド部材240は、接触ローラ220と送出ローラ230との間を通過したガラスシート20の前端部を巻芯30に向けて案内するものである。ガイド部材240は、ガラスシート20の前端部が巻芯30に固定された後、ガラスシート20の損傷を抑制するため、図4に示すように、ガラスシート20から離間される。尚、図4では図示していないが、ガイド部材240がガラスシート20の前端部を巻芯30に向けて案内する際にエッジ検出センサ284と干渉しないように、ガイド部材240には切り欠けが設けられている。
巻芯30は、ガラスシート20を巻き取るものであって、その軸方向はY軸と平行に配置されている。巻芯30は、モータなどの回転駆動源32(図3参照)によって回転され、制御部290の制御下で、トルク制御されている。巻芯30の回転トルクなどで、巻芯30に巻き取られるガラスシート20の張力が決まる。巻芯30の近傍には、押し付けローラ250が設けられている。
なお、本実施形態の制御部290は、巻芯30の回転トルクを制御し、接触ローラ220の回転数を制御するとしたが、巻芯30の回転数を制御して、接触ローラ220の回転トルクを制御しても良い。
押し付けローラ250(図4参照)は、巻芯30と平行に配置され、巻芯30に接近、離間可能に構成されている。押し付けローラ250は、ガラスシート20の前端部を巻芯30に押し付けて、前端部が巻芯30に両面テープなどで固定された後、ガラスシート20の損傷を抑制するため、ガラスシート20から離間される。押し付けローラ250の数は、複数個(図4には1つのみ図示)であって良い。
押し付けローラ250は、ガラスシート20の前端部を巻芯30に押し付けて、前端部が巻芯30に両面テープなどで固定された後、ガラスロール10を強固に巻くために接近、もしくは押し付け続けても良い。
撓み量検出センサ262は、バッファ部210におけるガラスシート20の撓み量を検出する。撓み量検出センサ262は、バッファ部210の上方に設けられている。撓み量検出センサ262としては、例えばレーザ変形計や超音波変位計が用いられる。撓み量検出センサ262は、所定時間毎に検出結果を制御部290に送信する。
ロール径検出センサ264(図4参照)は、巻芯30に巻き取られたガラスシート20のロール径(外径)を検出する。ロール径検出センサ264は、巻芯30の外周面に対向して設けられ、巻芯30の外周面から所定距離の位置に配置される。ロール径検出センサ264としては、例えばレーザ変形計や超音波変位計などが用いられる。ロール径検出センサ264は、所定時間毎に検出結果を制御部290に送信する。
前後端検出センサ266は、ガラスシート20の前端縁および後端縁を検出する。前後端検出センサ266は、バッファ部210の上方に設けられている。前後端検出センサ266としては、例えばレーザ変形計や超音波変位計などが用いられる。前後端検出センサ266は、所定時間毎に検出結果を制御部290に送信する。
測定部270は、ガラスシート20の厚さの幅方向分布を測定する手段である。測定部270としては、レーザ変位計や超音波変位計、光干渉計などが用いられる。測定部270は、例えば搬送装置300の上方および/または下方に設けられる。測定部270は、所定時間毎に測定結果を制御部290に送信する。
検出部280は、巻芯30に対するガラスシート20の側端縁の位置を検出し、検出結果を制御部290に送信する。この検出および送信は、所定時間毎に行われる。検出部280は、例えば、側端検出センサ282やエッジ検出センサ284などで構成される。側端検出センサ282やエッジ検出センサ284は、単独で用いられても、組み合わせて用いられても良い。
側端検出センサ282は、巻芯30上でのガラスシート20の側端縁の位置を検出するセンサである。側端検出センサ282は、例えば、巻芯30の外周面に対向して設けられ、巻芯30の外周面から所定距離の位置に配置される。側端検出センサ282としては、例えば2次元変位計などが用いられる。2次元変位計は、巻芯30の軸方向と平行な線状ビームを、ガラスシート20に照射し、その反射光を2次元CCDカメラで受光して、巻芯30上でのガラスシート20の側端縁の位置や形状(段差形状)を検出する。
エッジ検出センサ284は、巻芯30と、巻芯30に巻き取られる前のガラスシート20の側端縁との相対位置を検出するセンサである。エッジ検出センサ284は、例えば、接触ローラ220および送出ローラ230と、巻芯30との間に設けられる。エッジ検出センサ284としては、例えばラインセンサなどが用いられる。ラインセンサは、複数の送信素子と、複数の受信素子とを、ガラスシート20を挟むように対向配置して構成され、送信素子から送信した超音波や電磁波を受信素子で受信することで、ガラスシート20の側端縁の位置を検出する。この検出結果に基づいて、制御部290は、巻芯30上でのガラスシート20の側端縁の位置を算出することが可能である。
制御部290は、コンピュータなどで構成される。制御部290は、詳しくは後述するが、各種センサ262〜266の検出結果、測定部270の測定結果、検出部280の検出結果に基づいて、各種の動作を制御する。
例えば、制御部290は、検出部280の検出結果に基づいて、ガラスシート20の張力の幅方向分布を調節するための調節部を制御する。ガラスシート20の張力の幅方向分布が変わると、ガラスシート20の幅方向側縁部22が巻回軸方向(即ち、巻芯30の軸方向)にずれるので、図1A、図1Bに示すガラスロール10や図2に示すガラスロール110が作製可能である。
なお、本実施形態では、接触ローラ220、送出ローラ230、および接触ローラ220と送出ローラ230との間におけるガラスシート20の挟圧の分布を調節するための第1の挟圧調節部が本発明の調節部に相当する。
図5は、第3の実施形態におけるガラスロール製造装置の要部の正面図である。
接触ローラ220および送出ローラ230は、協働して、ガラスシート20を挟んで、巻芯30に向けて送り出す。接触ローラ220および送出ローラ230は、互いに平行に配置されている。
接触ローラ220の軸方向は、Y軸と平行に配置されている。接触ローラ220の軸方向両端部には、それぞれ、回転軸226が設けられている。一方の回転軸226は、回転駆動源222に接続されており、他方の回転軸226は、軸受け227に回転自在に支持されている。
送出ローラ230は、所定方向に間隔をおいて配置される複数のローラ部232で構成されている。この構成によれば、送出ローラ230とガラスシート20との接触面積が低減されるので、ガラスシート20を巻回軸方向にずらすのが容易であり、また、ガラスシート20の損傷が低減される。
複数のローラ部232は、ガラスシート20を巻回軸方向にずらすのをより容易にするため、独立に回転可能に構成されている。複数のローラ部232は、それぞれ、軸受け237を介して、フレーム238に支持されている。なお、複数のローラ部232は、一体に回転するように、互いに連結されていても良い。
複数のローラ部232は、同じ外径でも異なる外径でも良く、また、同じ長さでも異なる長さでも良い。
第1の挟圧調節部410は、接触ローラ220と送出ローラ230との間におけるガラスシート20の挟圧の分布を調節するためのものである。ガラスシート20の挟圧の分布が変わると、ガラスシート20の張力の幅方向分布が変わるので、ガラスシート20の幅方向側縁部22が巻回軸方向(即ち、巻芯30の軸方向)にずれる。
例えば、巻芯30に対してガラスシート20を右方向(図5中矢印Yの負方向)にずらすには、右方向に向かうに従って、ガラスシート20の挟圧が高くなるように設定する。また、巻芯30に対してガラスシート20を左方向(図5中矢印Yの正方向)にずらすには、左方向に向かうに従って、ガラスシート20の挟圧が高くなるように設定する。このように、巻芯30に対してガラスシート20をずらす方向に向かうに従って、ガラスシート20の挟圧が高くなるように設定する。
第1の挟圧調節部410は、空気圧シリンダや液圧シリンダなどのシリンダ412、414を含む。各シリンダ412、414は、フレーム238を介して、送出ローラ230を、接触ローラ220に向けて押圧する。
各シリンダ412、414の圧力が大きくなるほど、ガラスシート20の挟圧が大きくなる。また、各シリンダ412、414の圧力差が大きくなるほど、ガラスシート20の挟圧の勾配が急になる。各シリンダ412、414の圧力は、制御部290の制御下で、独立に制御される。
ちなみに、シリンダの数に制限はなく、1つであっても良い。この場合、フレーム238は、一端部が他端部を中心として回動するように構成され、その回動源として、シリンダが用いられる。
なお、第1の挟圧調節部410は、挟圧を調節するため、送出ローラ230を接触ローラ220に向けて押圧する代わりに、接触ローラ220を送出ローラ230に向けて押圧しても良いし、接触ローラ220および送出ローラ230を互いに接近する方向に押圧しても良い。
制御部290は、検出部280の検出結果に基づいて、第1の挟圧調節部410(詳細には、シリンダ412、414の圧力)を制御する。これによって、ガラスシート20を所定のずらし方で巻回することが可能である。ガラスシート20のずらし方は、測定部270の測定結果などに基づいて決定される。この決定方法は、後述の第9および第10の実施形態で説明する。
次に、上記構成とした、ガラスロール製造装置200の動作について説明する。下記の各種の動作は、制御部290の制御下で実施される。
先ず、制御部290は、バッファ部210のベルトコンベア212、214、および接触ローラ220の回転駆動源222の駆動を開始する。そうすると、バッファ部210は、ガラスシート20の前端部を平坦に支持しながら、接触ローラ220に向けて送り出す。接触ローラ220は、送出ローラ230と協働して、ガラスシート20を挟んで巻芯30に向けて送り出す。接触ローラ220と送出ローラ230との間を通り抜けたガラスシート20の前端部は、ガイド部材240上を巻芯30に向けて移動される。
この過程で、制御部290は、前後端検出センサ266からガラスシート20の前端縁を検出した旨の信号を受信するので、その後、接触ローラ220の回転数などに基づいて、ガラスシート20の前端縁と巻芯30との位置関係をチェックする。制御部290は、ガラスシート20の前端縁が巻芯30に到達したことを検知すると、ガラスシート20の前端部を押し付けローラ250で巻芯30に押し付け、前端部が巻芯30に両面テープなどで固定される。
次いで、制御部290は、ガラスシート20の損傷を抑制するため、図4に示すように、ガラスシート20から押し付けローラ250およびガイド部材240を離間させる。また、制御部290は、バッファ部210においてガラスシート20を撓ませるため、図4に示すように、2つのベルトコンベア212、214を、それぞれ、互いに反対側の端部を中心として下方に回動させる。バッファ部210は、ガラスシート20の撓みを許容することで、上流側の装置(例えば、搬送装置300)と下流側の装置(例えば、接触ローラ220、送出ローラ230)との間でのガラスシート20の移動速度の差を補償する。
次いで、制御部290は、巻芯30の回転駆動源32の駆動を開始して、巻芯30の回転トルクを制御する。巻芯30の回転トルクなどで、巻芯30に巻き取られるガラスシート20の張力が決まる。制御部290は、ロール径検出センサ264の検出結果に基づいて、ロール径が大きくなるにつれ、ガラスシート20の張力が小さくなるよう、巻芯30の回転トルクを制御する。これによって、巻芯30に巻き取られたガラスシート20が潰れ難くなる。
一方で、制御部290は、接触ローラ220の回転数を制御する。接触ローラ220の回転数などで、ガラスシート20の巻き取り速度が決まり、また、ガラスシート20のバッファ部210での撓み量が決まる。制御部290は、撓み量検出センサ262の検出結果に基づいて、バッファ部210でのガラスシート20の撓み量が所定の範囲となるように、接触ローラ220の回転数を制御する。
また、制御部290は、検出部280の検出結果に基づいて、ガラスシート20の張力の幅方向分布を調節するための調節部(詳細には、第1の挟圧調節部410)を制御する。ガラスシート20の張力の幅方向分布が変わると、ガラスシート20の幅方向側縁部22が巻回軸方向にずれるので、図1A、図1Bに示すガラスロール10や図2に示すガラスロール110が作製可能である。
その後、制御部290は、前後端検出センサ266からガラスシート20の後端縁を検出した旨の信号を受信すると、接触ローラ220の回転数などに基づいて、ガラスシート20の後端縁と巻芯30との位置関係をチェックする。制御部290は、ガラスシート20の後端縁が巻芯30に到達したことを検知すると、巻芯30や接触ローラ220、バッファ部210の動作を初期状態に戻す。
[第4の実施形態]
本実施形態によるガラスロール製造装置は、調節部として、押し付けローラ250の他、押し付けローラ250と巻芯30との間におけるガラスシート20の挟圧の分布を調節するための第2の挟圧調節部を備える。
なお、本実施形態において、調節部以外の構成は、上記第3の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
図6は、第4の実施形態におけるガラスロール製造装置の要部の正面図である。
巻芯30は、ガラスシート20を巻き取るものであって、その軸方向はY軸と平行に配置されている。巻芯30の軸方向両端部には、それぞれ、回転軸31が設けられている。一方の回転軸31には、回転駆動源32が接続されており、他方の回転軸31は、軸受け33に回転自在に支持されている。
押し付けローラ250は、巻芯30と平行に配置され、ガラスシート20を巻芯30に押し付けるものである。押し付けローラ250は、回転自在に構成されており、ガラスシート20の通過に伴って従動的に回転する。
押し付けローラ250は、ガラスシート20の前端部を巻芯30に押し付けて、両面テープなどで固定した後、上記第3の実施形態とは異なり、ガラスシート20を巻芯30に押し付け続ける。
押し付けローラ250は、所定方向に間隔をおいて配置される複数のローラ部252で構成されている。この構成によれば、押し付けローラ250とガラスシート20との接触面積が低減されるので、ガラスシート20を巻回軸方向にずらすのが容易であり、また、ガラスシート20の損傷が低減される。
複数のローラ部252は、ガラスシート20を巻回軸方向にずらすのをより容易にするため、独立に回転可能に構成されている。複数のローラ部252は、それぞれ、軸受け257を介して、フレーム258に支持されている。なお、複数のローラ部252は、一体に回転するように、互いに連結されていても良い。
複数のローラ部252は、同じ外径でも異なる外径でも良く、また、同じ長さでも異なる長さでも良い。
第2の挟圧調節部420は、押し付けローラ250と巻芯30との間におけるガラスシート20の挟圧の分布を調節するためのものである。ガラスシート20の挟圧の分布が変わると、ガラスシート20の張力の幅方向分布が変わるので、ガラスシート20の幅方向側縁部22が巻回軸方向(即ち、巻芯30の軸方向)にずれる。
例えば、巻芯30に対してガラスシート20を右方向(図6中矢印Yの負方向)にずらすには、右方向に向かうに従って、ガラスシート20の挟圧が高くなるように設定する。また、巻芯30に対してガラスシート20を左方向(図6中矢印Yの正方向)にずらすには、左方向に向かうに従って、ガラスシート20の挟圧が高くなるように設定する。このように、巻芯30に対してガラスシート20をずらす方向に向かうに従って、ガラスシート20の挟圧が高くなるように設定する。
第2の挟圧調節部420は、空気圧シリンダや液圧シリンダなどのシリンダ422、424を含む。各シリンダ422、424は、フレーム258などを介して、押し付けローラ250を、巻芯30に向けて押圧する。
各シリンダ422、424の圧力が大きくなるほど、ガラスシート20の挟圧が大きくなる。また、各シリンダ422、424の圧力差が大きくなるほど、ガラスシート20の挟圧の勾配が急になる。各シリンダ422、424の圧力は、制御部290の制御下で、独立に制御される。
ちなみに、シリンダの数に制限はなく、1つであっても良い。この場合、フレーム258は、一端部が他端部を中心として回動するように構成され、その回動源として、シリンダが用いられる。
制御部290は、検出部280の検出結果に基づいて、第2の挟圧調節部420(詳細には、シリンダ422、424の圧力)を制御する。これによって、ガラスシート20を所定のずらし方で巻回することが可能である。ガラスシート20のずらし方は、測定部270の測定結果などに基づいて決定される。この決定方法は、後述の第9および第10の実施形態で説明する。
なお、本実施形態の押し付けローラ250は、巻芯30の近傍に設置され、巻芯30にガラスシート20を押し付けるものであるとしたが、巻芯30と、接触ローラ220および送出ローラ230との間に設けられ、ガラスシート20の一方の主面を下方または上方に押圧するものであっても良い。この押圧の分布が変わると、ガラスシート20の張力の幅方向分布が変わるので、ガラスシート20の幅方向側縁部22が巻回軸方向(即ち、巻芯30の軸方向)にずれる。押圧の分布を調節する手段としては、第2の挟圧調節部420と同様の構成のものが用いられる。
[第5の実施形態]
本実施形態によるガラスロール製造装置は、調節部として、搬送装置300に対して、巻芯30を相対的に移動させるための第1の移動機構を備える。
なお、本実施形態において、調節部以外の構成は、上記第3の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
図7は、第5の実施形態におけるガラスロール製造装置の要部の正面図である。なお、図7において、図6と同一構成には、同一符号を付して説明を省略する。
巻芯30は、ガラスロール製造装置に隣設される搬送装置300によって搬送されたガラスシート20を巻き取るものである。巻芯30の回転駆動源32および軸受け33は、フレーム35を介して連結されている。フレーム35には、連結部材37を介して、側端検出センサ282が連結されている。
第1の移動機構430は、搬送装置300に対して、巻芯30を相対的に移動させるための機構である。例えば、第1の移動機構430は、搬送装置300に対して、巻芯30をY軸方向(巻芯30の軸方向)に相対的に移動させるための機構である。
第1の移動機構430は、図7に示すように、ガイド機構432を備える。ガイド機構432は、リニアガイド(所謂LMガイドを含む)などで構成される。ガイド機構432は、サーボモータ434の回転運動を、ボールネジなどで直線運動に変換して、フレーム35を介して、巻芯30をY軸方向に移動させる。
このように、巻芯30がY軸方向に相対的に移動されると、ガラスシート20の張力の幅方向分布が変わるので、ガラスシート20の幅方向側縁部22が巻回軸方向(即ち、巻芯30の軸方向)にずれる。
例えば、巻芯30に対してガラスシート20を右方向(図7中矢印Yの負方向)にずらすには、巻芯30が左方向(図7中矢印Yの正方向)に移動される。また、巻芯30に対してガラスシート20を左方向にずらすには、巻芯30が右方向に移動される。このように、巻芯30に対してガラスシート20をずらす方向と逆向きに、巻芯30が移動される。
制御部290は、検出部280の検出結果に基づいて、第1の移動機構430(詳細には、サーボモータ434の出力)を制御する。これによって、ガラスシート20を所定のずらし方で巻回することが可能である。ガラスシート20のずらし方は、測定部270の測定結果などに基づいて決定される。この決定方法は、後述の第9および第10の実施形態で説明する。
なお、本実施形態では、第1の移動機構430は、巻芯30をY軸方向に移動させるための機構であるとしたが、巻芯30をX軸またはZ軸の回りに回動させるための機構であっても良い。また、第1の移動機構430は、巻芯30を移動させる代わりに、搬送装置300を移動させても良いし、巻芯30および搬送装置300の両方を移動させても良い。また、第1の移動機構430は、搬送装置300の代わりに、バッファ部210に対して、巻芯30を相対的に移動させても良い。いずれの場合であっても、ガラスシート20の張力の幅方向分布が変わるので、ガラスシート20の幅方向側縁部22が巻回軸方向(即ち、巻芯30の軸方向)にずれる。
[第6の実施形態]
本実施形態によるガラスロール製造装置は、調節部として、接触ローラ220、送出ローラ230の他、搬送装置300に対して、接触ローラ220および送出ローラ230を相対的に移動させるための第2の移動機構を備える。
なお、本実施形態において、調節部以外の構成は、上記第3の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
図8は、第6の実施形態におけるガラスロール製造装置の要部の正面図である。図8において、図5と同一構成には同一符号を付して説明を省略する。
接触ローラ220および送出ローラ230は、互いに平行に配置されており、協働して、ガラスシート20を挟んで、巻芯30に向けて送り出す。
接触ローラ220の軸方向は、Y軸と平行に配置されている。接触ローラ220の回転駆動源222および軸受け227は、フレーム228を介して連結されている。フレーム228は、シリンダ412、414などを介して、別のフレーム238に連結されている。なお、シリンダ412、414は無くても良く、この場合、フレーム228とフレーム238とは一体に構成される。
第2の移動機構440は、搬送装置300に対して、接触ローラ220および送出ローラ230を相対的に移動させるための機構である。例えば、第2の移動機構440は、搬送装置300に対して、接触ローラ220および送出ローラ230をY軸方向(それぞれの軸方向)に相対的に移動させるための機構である。
第2の移動機構440は、図8に示すように、ガイド機構442を備える。ガイド機構442は、リニアガイド(所謂LMガイドを含む)などで構成される。ガイド機構442は、サーボモータ444の回転運動を、ボールネジなどを介して、直線運動に変換して、フレーム228をY軸方向に移動させる。これによって、接触ローラ220および送出ローラ230がY軸方向に移動される。
このように、接触ローラ220および送出ローラ230がY軸方向に相対的に移動されると、ガラスシート20の張力の幅方向分布が変わるので、ガラスシート20の幅方向側縁部22が巻回軸方向(即ち、巻芯30の軸方向)にずれる。
例えば、巻芯30に対してガラスシート20を右方向(図8中矢印Yの負方向)にずらすには、接触ローラ220および送出ローラ230が右方向に移動される。また、巻芯30に対してガラスシート20を左方向(図8中矢印Yの正方向)にずらすには、接触ローラ220および送出ローラ230が左方向に移動される。このように、巻芯30に対してガラスシート20をずらす方向と同じ向きに、接触ローラ220および送出ローラ230が移動される。
制御部290は、検出部280の検出結果に基づいて、第2の移動機構440(詳細には、サーボモータ444の出力)を制御する。これによって、ガラスシート20を所定のずらし方で巻回することが可能である。ガラスシート20のずらし方は、測定部270の測定結果などに基づいて決定される。この決定方法は、後述の第9および第10の実施形態で説明する。
なお、本実施形態では、第2の移動機構440は、接触ローラ220および送出ローラ230をY軸方向に移動させるための機構であるとしたが、接触ローラ220および送出ローラ230をX軸またはZ軸の回りに回動させるための機構であっても良い。また、第2の移動機構440は、接触ローラ220および送出ローラ230を移動させる代わりに、搬送装置300を移動させても良いし、両方を移動させても良い。また、第2の移動機構440は、搬送装置300の代わりに、バッファ部210に対して、接触ローラ220および送出ローラ230を相対的に移動させても良い。いずれの場合であっても、ガラスシート20の張力の幅方向分布が変わるので、ガラスシート20の幅方向側縁部22が巻回軸方向(即ち、巻芯30の軸方向)にずれる。
[第7の実施形態]
本実施形態によるガラスロール製造装置は、調節部として、巻芯30に対して、巻芯30に巻き取られる前のガラスシート20を幅方向に移動させるための一対の移動部材を備える。
なお、本実施形態において、調節部以外の構成は、上記第3の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
図9は、第7の実施形態におけるガラスロール製造装置の要部の斜視図である。
一対の移動部材450は、巻芯30に対して、巻芯30に巻き取られる前のガラスシート20を幅方向に移動させるための部材である。一対の移動部材450は、ガラスシート20を挟むように配置されており、接触ローラ220や送出ローラ230と、巻芯30との間に設けられる。
各移動部材450は、外周面がガラスシート20の幅方向側縁部22に接触している。各移動部材450は、中心軸の回りに回転自在となっており、ガラスシート20の通過に伴って、従動的に回転する。各移動部材450は、シリンダや直動モータなどの駆動源によって移動され、ガラスシート20を幅方向に移動させる。
このように、巻芯30に対してガラスシート20が幅方向に移動されると、ガラスシート20の張力の幅方向分布が変わるので、ガラスシート20の幅方向側縁部22が巻回軸方向(即ち、巻芯30の軸方向)にずれる。
例えば、巻芯30に対してガラスシート20を右方向(図9中矢印Yの負方向)にずらすには、一対の移動部材450が右方向に移動される。また、巻芯30に対してガラスシート20を左方向(図9中矢印Yの正方向)にずらすには、一対の移動部材450が左方向に移動される。このように、巻芯30に対してガラスシート20をずらす方向と同じ向きに、一対の移動部材450が移動される。
制御部290は、検出部280の検出結果に基づいて、一対の移動部材450の駆動源の出力を制御する。これによって、ガラスシート20を所定のずらし方で巻回することが可能である。ガラスシート20のずらし方は、測定部270の測定結果などに基づいて決定される。この決定方法は、後述の第9および第10の実施形態で説明する。
[第8の実施形態]
本実施形態によるガラスロール製造装置は、調節部として、送出ローラ230の他、図3〜図5に示す接触ローラ220に対応する接触ローラ460を備える。
なお、本実施形態において、調節部以外の構成は、上記第3の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
図10は、第8の実施形態におけるガラスロール製造装置の要部の斜視図である。
接触ローラ460は、送出ローラ230と協働して、ガラスシート20を挟んで巻芯30に向けて送り出す。接触ローラ460および送出ローラ230は、ガラスシート20を挟持することで、下流側のガラスシート20の張力が上流側の装置に伝達するのを抑制している。
接触ローラ460は、所定方向に間隔をおいて設けられる複数のローラ部462を含んでいる。複数のローラ部462は、同じ外径でも異なる外径でも良く、また、同じ長さでも異なる長さでも良い。
複数のローラ部462は、それぞれ、モータなどの回転駆動源によって独立に回転され、制御部290の制御下で、回転数制御されている。各ローラ部462の回転数が変わると、ガラスシート20の張力の幅方向分布が変わるので、ガラスシート20の幅方向側縁部22が巻回軸方向(即ち、巻芯30の軸方向)にずれる。
制御部290は、検出部280の検出結果に基づいて、各ローラ部462の回転数を制御する。これによって、ガラスシート20を所定のずらし方で巻回することが可能である。ガラスシート20のずらし方は、測定部270の測定結果などに基づいて決定される。この決定方法は、後述の第9および第10の実施形態で説明する。
[第9の実施形態]
本実施形態は、帯状のガラスシート20を巻回しながら、ガラスシート20の幅方向側縁部22を巻回軸方向(即ち、巻芯30の軸方向)にずらすガラスロール製造方法に関する。
図11は、第9の実施形態に係るガラスロール製造方法のフローチャートである。図11に示す各ステップは、制御部290の制御下で実現される。
ステップS10において、制御部290は、ガラスシート20の平均厚さや幅、巻数、ガラスロール10の幅の上限値などに関するデータを、ユーザによる入力を受け付ける入力装置(例えば、キーボード)から取得する。ガラスロール10の幅の上限値は、ガラスシート20の幅や巻数、巻芯30の幅、ガラスの物性、ガラスロール製造装置の構成などから決定される。
次いで、ステップS11において、制御部290は、ガラスシート20の厚さの幅方向分布に関するデータを測定部270から取得する。ガラスシート20の厚さの幅方向分布は、長手方向所定箇所(1箇所)で測定されたものであって良い。なお、制御部290は、ガラスシート20の厚さの幅方向分布に関するデータを、ステップS10と同様に、入力装置から取得しても良い。
測定部270は、ガラスロール製造装置200の一部であって、オンラインで、ガラスシート20の厚さの幅方向分布を測定する。なお、測定部270は、ガラスロール製造装置200の外部に設置されていても良く、オフラインで、ガラスシート20の厚さの幅方向分布を測定しても良い。
次いで、ステップS12において、制御部290は、ガラスシート20の厚さの幅方向分布に基づいて、ガラスシート20の1巻(1周)当たりの巻回軸方向へのずれ量(以下、単に「1巻当たりのずれ量」という)を決定する。本実施形態において、1巻当たりのずれ量(ずれ方向を含む)は一定であるとする。
例えば、制御部290は、1巻当たりのずれ量を決定するため、巻数と同数のガラスシート20を積層してなる積層体500(図12参照)の積層厚さの幅方向分布を算出し、積層厚さの変動幅を算出する。積層厚さの変動幅は、積層体500の厚さ方向から見たとき、全てのガラスシート20が重なっている部分502についてのみ算出する。
以下、この算出によって1巻当たりのずれ量の目標値を導出する方法ついて説明する。1巻当たりのずれ量(mm)の候補値をA(図12参照)とし、Aの値を、所定の間隔で変化させた場合の積層厚さの変動幅をそれぞれ計算する。すなわち、1巻当たりのずれ量(mm)の候補値をA=B×k(k=0、1、2、3、・・・、M−1、M)とし、kのそれぞれの値について、積層体500の積層厚さの幅方向分布を算出し、積層厚さの変動幅を計算する。式中、Bは所定の定数(mm)であり、例えば0.3〜1.0mmの値をとることが好ましい。kは0以上の整数であり、kの最大値であるMは、積層体500の幅が、ステップS10で入力されたガラスロール10の幅の上限値を超えないように設定される。kのそれぞれの値について算出された上記積層厚さの変動幅のうち最小の値をとるkの値をkminとすると、B×kminの値が、1巻当たりのずれ量の目標値とされる。
次いで、ステップS13において、制御部290は、ステップS12で決定された目標の1巻当たりのずれ量で、ガラスシート20の巻回を実施すべく、検出部280の検出結果を参照しながら、調節部を制御する。調節部としては、例えば第3〜第8の実施形態に記載の調節手段を、単独で、または組み合わせて用いることができる。調節手段の組合せの種類に制限はない。
なお、本実施形態では、制御部290は、巻数と同数のガラスシート20を積層してなる積層体の厚さの幅方向分布を算出して、目標の1巻当たりのずれ量を決定するとしたが、これに加えて、別の条件を考慮しても良い。
以下、別の条件について説明する。巻回を終了したガラスシートの積層厚さの変動幅が小さい場合であっても、巻回途中での積層厚さの変動幅が大きく、巻回途中で割れが発生することがある。このような巻回を回避するため、別の条件として、制御部290は、巻数よりも少ない数のガラスシート20を積層してなる積層体の積層厚さの幅方向分布をAの最適値で算出し、積層厚さの変動幅が予め登録された許容範囲内であることを確認しても良い。積層厚さの変動幅が許容範囲外の場合、制御部290は、Aの次善値で同様の確認を行う。制御部290は、これを繰り返し行って、許容範囲内となるAの値を、1巻当たりのずれ量の目標値としても良い。
また、別の条件として、制御部290は、処理負荷を軽減するため、k=0のときの積層厚さの変動幅を最初に算出し、k=0のときの積層厚さの変動幅が予め登録された許容範囲内であれば、kの最適値を求めることなく、1巻当たりのずれ量を0としても良い。
[第10の実施形態]
上記の第9の実施形態では、ガラスシート20の1巻当たりのずれ量が一定であった。
これに対し、本実施形態では、ガラスシート20の1巻当たりのずれ量が可変である。
図13は、第10の実施形態におけるガラスロール製造方法のフローチャートである。図13に示す各ステップは、制御部290の制御下で実現される。
ステップS20において、制御部290は、ガラスシート20の平均厚さ、幅、巻数、1巻当たりのずれ量の上限値(>0)および下限値(<0)、ガラスロール10、110の幅の上限値などに関するデータを、ユーザによる入力を受け付ける入力装置から取得する。1巻当たりのずれ量の上限値(>0)および下限値(<0)、ならびに、ガラスロール10、110の幅の上限値は、それぞれ、ガラスシート20の幅や巻数、巻芯30の幅、ガラスの物性、ガラスロール製造装置の構成などから決定される。なお、1巻当たりのずれ量の正負は、ずれ方向を表す。
次いで、ステップS21において、制御部290は、巻数nについてn=0とした後、ステップS22に進み、n=n+1とする。
次いで、ステップS23において、制御部290は、n巻目(nは1以上の整数)のガラスシート20の厚さの幅方向分布に関するデータを測定部270から取得する。n巻目のガラスシート20の厚さの幅方向分布に関するデータとは、巻芯30がn巻目の巻回を開始するガラスシート20の位置の厚さの幅方向分布に関するデータのことをいう。
n巻目のガラスシート20の厚さの幅方向分布に関するデータは、例えば以下の2つの方法で制御部290が決定、取得することができる。
第1の方法は、ガラスシート20の前端部とガラスシートのデータを測定した位置との間の長手方向における距離C(mm)を制御部290が計算し、次の式(1)を満たすCに対応する厚さの幅方向分布に関するデータをn巻目のガラスシート20の厚さの幅方向分布に関するデータとして取得する方法である。
Figure 2012099073
式中、Rは巻芯30の外径(mm)、Dはガラスシート20の平均厚さ(mm)を示す。
第2の方法は、ガラスシート20の1巻目を巻芯30が開始するタイミングからn巻目を開始するタイミング迄の時間T(sec)を制御部290が計算し、次の式(2)を満たすTに対応する厚さの幅方向分布に関するデータをn巻目(nは1以上の整数)のガラスシート20の厚さの幅方向分布に関するデータとして取得する方法である。
Figure 2012099073
式中、vはガラスシート20の、測定部270により厚さの幅方向分布に関するデータを測定される位置から巻芯30に接触する位置迄の間の平均搬送速度(m/sec)、T=0は巻芯30がガラスシート20の1巻目を開始する時点を示す。
第1の方法、第2の方法はあくまで例であり、他の方法であってもn巻目のガラスシート20の厚さの幅方向分布に関するデータを測定部270から取得できる方法であれば、それを用いてもよい。
次いで、ステップS24において、制御部290は、n巻目(nは1以上の整数)のガラスシート20の厚さの幅方向分布に基づいて、n巻目のガラスシート20の1巻当たりのずれ量を決定する。1巻当たりのずれ量は、下記の(1)〜(2)の条件を全て満たすように決定される。(1)1巻当たりのずれ量がステップS20で取得された上限値と下限値との間に収まる。(2)n巻目のガラスシート20を巻き終わったときのロール幅がステップS20で取得された上限値を超えない。
前記(1)及び(2)の条件を満たすので、ガラスシート20の割れを抑制可能なガラスロールが作成される。
次いで、ステップS25において、制御部290は、ステップS24で決定された1巻当たりのずれ量で、n巻目のガラスシート20の巻回を実施すべく、検出部280の検出結果を参照しながら、調節部を制御する。調節部としては、例えば第3〜第8の実施形態に記載の調節手段を、単独で、または組み合わせて用いることができる。調節手段の組合せの種類に制限はない。
次いで、ステップS26において、制御部290は、n=所定値(ステップS20において入力した巻数)の式が満たされるか否かをチェックする。式が満たされない場合(ステップS26、NO)、ステップS22に戻り、ステップS22以降の処理を続行する。一方、式が満たされた場合(ステップS26、YES)、今回の処理を終了する。
なお、ステップS23〜ステップS25の処理の繰り返しの順序に関しては、例えば、ステップS23がn=1からn=所定値まで繰り返し行われた後に、ステップS24が実施されて良い。また、ステップS24がn=1からn=所定値まで繰り返し行われた後に、ステップS25が実施されて良い。
以下に、実施例などにより本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1では、ガラスシート(幅500mm、平均厚さ0.1mm)を直径300mmの巻芯に100回巻回積層したときの積層厚さの巻回軸方向分布を算出した。ガラスシートの厚さは長手方向に均一とし、ガラスシートの厚さの幅方向分布は、図14に示す分布とした。
ガラスシートの幅方向側縁部は、図1Aや図1Bに示す例と同様に、所定方向にずれながら巻回積層されており、1巻当たりのずれ量は一定(1mm)とした。
図15は、実施例1におけるガラスシートの積層厚さの巻回軸方向分布の算出結果を示すグラフである。図15において、実施例1のデータを実線で示し、比較のため、ガラスシートの幅方向側縁部を揃えて巻回積層したときのデータを点線で示す。
図15から、ガラスシートを巻回軸方向にずらしながら巻回積層すると、積層厚さの変動幅を低減できることがわかる。これは、ガラスシートの厚い部分に薄い部分が重なっていることを意味するので、ガラスシートの割れを抑制できることを意味する。
(実施例2)
実施例2では、ガラスシート(幅500mm、平均厚さ0.1mm)を巻芯に100回巻回積層したときの積層厚さの巻回軸方向分布を算出した。ガラスシートの厚さは長手方向に均一とし、ガラスシートの厚さの幅方向分布は、図14に示す分布とした。
ガラスシートの幅方向側縁部は、図2に示す例と同様に、巻回軸方向にずれながら巻回積層されており、ずれ方向が途中で反転している。また、ガラスロールの側端面は、放物線状の断面形状とし、ガラスロールの幅はガラスシートの幅+100mmとした。
図16は、実施例2におけるガラスシートの積層厚さの巻回軸方向分布の算出結果を示すグラフである。図16において、実施例2のデータを実線で示し、比較のため、ガラスシートの幅方向側縁部を揃えて巻回積層したときのデータを点線で示す。
図16から、ガラスシートを巻回軸方向にずらしながら巻回積層すると、積層厚さの変動幅を低減できることがわかる。これは、ガラスシートの厚い部分に薄い部分が重なっていることを意味するので、ガラスシートの割れを抑制できることを意味する。
(実施例3)
実施例3では、ガラスシート(幅500mm、平均厚さ0.1mm)を巻芯に100回巻回積層したときの積層厚さの巻回軸方向分布を算出した。ガラスシートの厚さは長手方向に均一とし、ガラスシートの厚さの幅方向分布は、図14に示す分布とした。
ガラスシートの幅方向側縁部は、図2に示す例と同様に、巻回軸方向にずれながら巻回積層されており、ずれ方向が途中で反転している。また、ガラスロールの側端面は、放物線状の断面形状とし、ガラスロールの幅はガラスシートの幅+50mmとした。
図17は、実施例3におけるガラスシートの積層厚さの巻回軸方向分布の算出結果を示すグラフである。図17において、実施例3のデータを実線で示し、比較のため、ガラスシートの幅方向側縁部を揃えて巻回積層したときのデータを点線で示す。
図17から、ガラスシートを巻回軸方向にずらしながら巻回積層すると、積層厚さの変動幅を低減できることがわかる。これは、ガラスシートの厚い部分に薄い部分が重なっていることを意味するので、ガラスシートの割れを抑制できることを意味する。
本発明を詳細に、また特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく、様々な変更や修正を加えることができることは、当業者にとって明らかである。
本出願は、2011年1月20日出願の日本特許出願2011−010241に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
10、110 ガラスロール
20 ガラスシート
22 幅方向側縁部
30 巻芯
200 ガラスロール製造装置
220 接触ローラ
230 送出ローラ
250 押し付けローラ
280 検出部
290 制御部
300 搬送装置
410 第1の挟圧調節部
420 第2の挟圧調節部
430 第1の移動機構
440 第2の移動機構
450 移動部材

Claims (10)

  1. 帯状のガラスシートを巻回してなるガラスロールにおいて、
    前記ガラスシートの幅方向側縁部が、巻回軸方向にずれながら巻回されている、ガラスロール。
  2. 前記ガラスロールの幅は、前記ガラスシートの幅+15mm以上である、請求項1に記載のガラスロール。
  3. 前記ガラスシートの幅方向側縁部のずれ方向が、所定方向に維持されている、請求項1または2に記載のガラスロール。
  4. 前記ガラスシートの幅方向側縁部のずれ方向が、巻回の途中で反転している、請求項1または2に記載のガラスロール。
  5. 前記ガラスシートの平均厚さが0.3mm以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のガラスロール。
  6. 帯状のガラスシートを巻回する時、前記ガラスシートの幅方向側縁部を巻回軸方向にずらしながら巻回できるガラスロール製造装置であって、
    前記ガラスシートを巻き取る巻芯と、
    前記巻芯に対する前記ガラスシートの幅方向側縁部の位置を検出する検出部と、
    前記ガラスシートの張力の幅方向分布を調節するための調節部と、
    前記検出部の検出結果に基づいて、前記調節部を制御する制御部とを備える、ガラスロール製造装置。
  7. 前記調節部は、前記巻芯に巻き取られる前のガラスシートに接触する接触ローラと、該接触ローラと協働して、前記ガラスシートを挟んで前記巻芯に向けて送り出す送出ローラと、前記接触ローラと前記送出ローラとの間における前記ガラスシートの挟圧の分布を調節するための第1の挟圧調節部とを備える、請求項6に記載のガラスロール製造装置。
  8. 前記調節部は、前記巻芯に前記ガラスシートを押し付ける押し付けローラと、前記押し付けローラと前記巻芯との間における前記ガラスシートの挟圧の分布を調節するための第2の挟圧調節部とを備える、請求項6に記載のガラスロール製造装置。
  9. 前記巻芯は、前記ガラスロール製造装置に隣設される搬送装置によって搬送された前記ガラスシートを巻き取るものであって、
    前記調節部は、前記搬送装置に対して、前記巻芯を相対的に移動させるための移動機構を備える、請求項6に記載のガラスロール製造装置。
  10. 帯状のガラスシートを巻回する時、前記ガラスシートの幅方向側縁部を巻回軸方向にずらしながら巻回するガラスロール製造方法であって、
    前記ガラスシートを巻き取る巻芯に対する前記ガラスシートの幅方向側縁部の位置を検出する検出工程と、
    該検出工程での検出結果に基づいて、前記ガラスシートの張力の幅方向分布を調節する調節工程とを有することを特徴とするガラスロール製造方法。
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