JPWO2012095940A1 - ホイールとその製造方法 - Google Patents

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光太郎 小野
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昭二 餅川
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Abstract

【課題】軽量であり且つ機械的強さに優れるホイール及びその製造方法を提供すること。【解決手段】本発明は、ディスク部20と、該ディスク部20の周縁に、一体連続又は組立てで設けられた外リム部及び該外リム部に立設された内リム部からなるリム部と、を有するホイール100であって、国際合金記号7000系アルミニウム合金からなるホイール100である。該ホイール100は、国際合金記号7475アルミニウム合金からなる場合、鍛造により成形され、国際合金記号7204アルミニウム合金からなる場合、鍛造又は鋳造により成形されることが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、ホイールとその製造方法に関し、更に詳しくは、軽量であり且つ機械的強さに優れるホイールに関する。
一般に、車両用タイヤには、支持体としての金属性のホイールが備わっている。
近年、ホイールにおいては、大口径化の傾向が著しく、これに伴い重量が増大している。なお、重量の増大は、自動車のバネ下重量も増大させることになる。
このバネ下重量が増大すると、サスペンションの追随性が悪くなり、走行時の振動が増大し、操縦性能を低下させる欠点がある。このため、特に乗用車ではホイールの口径が大きくなっても可及的軽量なホイールが強く求められている。
このようなホイールとしては、例えば、Mg0.8〜1.2%、Cu0.2〜0.5%、Mn0.4〜0.7%、Fe0.3%以下及びCr0.05〜0.25%を含んで残部をアルミニウムとしたアルミニウム合金を鍛造して成るアルミニウム合金製鍛造ロードホイール(例えば、特許文献1参照)、鋳造したマグネシウム合金を歪加工し、再結晶化したマグネシウム合金からなる車両用ホイール(例えば、特許文献2参照)、アルミニウム合金、マグネシウム合金又はカーボンファイバー等の軽量素材からなる車両用ホイール(例えば、特許文献3参照)等が知られている。
また、繊維補強型のホイールとして、繊維強化樹脂からなる複合材料を成形したリム部と金属製のディスク部からなり、リムフランジにU形キャビティ備えたホイールが知られている(例えば、特許文献4参照)。かかるホイールによれば、重量を大幅に低減でき、外部応力の作用を受けたときにリム変形を小さくできる。
ちなみに、補強繊維を二つの配向に沿った予備集成繊維を巻き付けて補強した予備成形物も知られている(例えば、特許文献5参照)。
さらに、航空機用のホイールとしては、アルミニウム合金を鍛造して形成されたものが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
特開2007−210017号公報 特開2007−308780号公報 特開2008−137562号公報 特開平10−6705公報 特開平10−249856公報
マイクル・C・Y・ニウ著、土井憲一・巻島守訳、「航空機構造設計」(有)名古屋航空技術発行、初版1988年、p.484−495
しかしながら、上記特許文献1〜5及び非特許文献1に記載のホイールを含む従来のホイールは、必ずしも、機械的強さが十分に優れるとはいえない。
また、従来のホイールは、十分な機械的強さを担保するために、ホイールの厚みを大きくする必要があるので、ホイール自体の重量が大きくなるという欠点がある。特に、ホイールの口径が大きい場合、重量は極めて大きくなる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、軽量であり且つ機械的強さに優れるホイール及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するため、まず、一般に用いられる国際合金記号6000系アルミニウム合金(以下単に「6000系」ともいう。)の代わりに、強度が優れる国際合金記号2000系アルミニウム合金(以下単に「2000系」ともいう。)及び国際合金記号7000系アルミニウム合金(以下単に「7000系」ともいう。)を用いることを検討した。
アルミニウムハンドブック(第7版、発行日:2007年1月31日、発行者:(法)日本アルミニウム協会)を参照すると表1に示すアルミニウム合金の疲れ強さの記載がある。
(表1)
Figure 2012095940
表1に示すように、2000系及び7000系は、一般に疲れ強さ及び引張強さが優れるため、従来の6000系を2000系及び7000系に代替し、ホイール各部の余肉及び内リム部の厚さを薄くすることで、軽量化が可能となる。
ところが、2000系及び7000系に含まれるCu成分は、アルミニウム金属の強度を向上させる働きがあるが、耐腐食性が劣るという欠点がある。ちなみに、腐食性があるために従来の自動車用のホイールでは2000系及び7000系が用いられていない。
これに対し、更に鋭意検討したところ、アルミニウム合金を、7000系に特定し、且つCu成分の含有率を制限し、更に引張強さ及び0.2%耐力を所定範囲とすることで、耐腐食性を改善できることがわかった。
したがって、これらの要件を満たすホイールとすることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至ったのである。
本発明は、(1)ディスク部と、該ディスク部の周縁に(一体連続又は組立てで)設けられた外リム部及び内リム部からなるリム部と、を有するホイールであって、国際合金記号7000系アルミニウム合金からなるホイールに存する。
本発明は、(2)国際合金記号7475アルミニウム合金からなるホイールであって、鍛造により成形され、Cu含有率が1.2〜1.9wt%であり、JIS−Z2241に準拠する引張強さが450MPa以上であり、JIS−Z2241に準拠する0.2%耐力が400MPa以上であり、JIS−Z2242に準拠するシャルピー衝撃値が18.0J/cm以上である上記(1)記載のホイールに存する。
本発明は、(3)国際合金記号7204アルミニウム合金からなるホイールであって、鍛造により成形され、Cu含有率が0.2wt%以下であり、JIS−Z2241に準拠する引張強さが300MPa以上であり、JIS−Z2241に準拠する0.2%耐力が210MPa以上であり、JIS−Z2242に準拠するシャルピー衝撃値が14.3J/cm以上である上記(1)記載のホイールに存する。
本発明は、(4)国際合金記号7204アルミニウム合金からなるホイールであって、鋳造により成形され、Cu含有率が0.05〜0.2wt%であり、JIS−Z2241に準拠する引張強さが230MPa以上であり、JIS−Z2241に準拠する0.2%耐力が190MPa以上である上記(1)記載のホイールに存する。
本発明は、(5)上記(2)記載のホイールにおける国際合金記号7475アルミニウム合金、上記(3)記載のホイールにおける国際合金記号7204アルミニウム合金、又は、上記(4)記載のホイールにおける国際合金記号7204アルミニウム合金、に対して、金属元素の含有率を加減し、ホイールのデザイン及び機能に対処するようにしたホイールに存する。
本発明は、(6)内リム部のうちのウエル部の厚みが2.8mm以下であり、JIS−D4103に準拠する回転曲げ疲労試験におけるVIA(日本車輌検査協会)が規定する荷重記号690KG条件で100万回転以上を達成する上記(1)〜(5)のいずれか1つに記載のホイールに存する。
本発明は、(7)上記(2)又は(3)に記載のホイールの製造方法であって、鋳造ビレットを450〜500℃で加熱し、金属組織を安定化させるホモ処理工程と、該ホモ処理工程を施した鋳造ビレットを鍛造により成形し、第1リム予備部材が形成された第1加工体とする第1鍛造工程と、該第1加工体の第1リム予備部材を温間スピニングにより加圧延展し、内リム部が形成された第1ホイール前駆体とするスピニング工程と、該第1ホイール前駆体を、熱処理する熱処理工程と、該熱処理工程を施した第1ホイール前駆体を機械加工し、ディスク部及びリム部を形成する第1機械加工工程と、を備えるホイールの製造方法に存する。
本発明は、(8)上記(2)又は(3)に記載のホイールの製造方法であって、鋳造ビレットを450〜500℃で加熱し、金属組織を安定化させるホモ処理工程と、該ホモ処理工程を施した鋳造ビレットを鍛造により成形し、(底部に模様付き又は模様無しから成る)有底円筒状の第1加工体とする第1鍛造工程と、該第1加工体の円筒部を温間スピニングにより加圧延展し、第2ホイール前駆体とするスピニング工程と、該第2ホイール前駆体を、熱処理する熱処理工程と、該熱処理工程を施した第2ホイール前駆体を機械加工し、削り出しによりディスク部、内リム部及び外リム部を形成する第2機械加工工程と、を備えるホイールの製造方法に存する。
本発明は、(9)上記(2)又は(3)に記載のホイールの製造方法であって、鋳造ビレットを450〜500℃で加熱し、金属組織を安定化させるホモ処理工程と、該ホモ処理工程を施した鋳造ビレットを鍛造により成形し、鍛造しろを有する模様付きディスク部と外リム部と第3リム予備部材とが形成された第3加工体とする第2鍛造工程と、該第3加工体の鍛造歪みを除去する歪み取り工程と、該歪み取り工程を施した第3加工体の第3リム予備部材を温間スピニングにより加圧延展し、内リム部が形成された第3ホイール前駆体とするスピニング工程と、該第3ホイール前駆体を、熱処理する熱処理工程と、該熱処理工程を施した第3ホイール前駆体を機械加工し、鍛造しろを除去する第3機械加工工程と、を備えるホイールの製造方法に存する。
本発明は、(10)上記(4)記載のホイールの製造方法であって、溶融したアルミニウム合金を所定の型枠に流し込んで鋳造成形し、ディスク部と外リム部と第4リム予備部材とが形成された第4加工体とする第1鋳造工程と、該第4加工体の第4リム予備部材を温間スピニングにより加圧延展し、内リム部が形成された第4ホイール前駆体とするスピニング工程と、該第4ホイール前駆体を、熱処理する熱処理工程と、該熱処理工程を施した第4ホイール前駆体に機械加工を行う第4機械加工工程と、を備えるホイールの製造方法に存する。
本発明は、(11)上記(4)に記載のホイールの製造方法であって、溶融したアルミニウム合金を所定の型枠に流し込んで鋳造成形し、ディスク部とリム部とが形成された第5ホイール前駆体とする第2鋳造工程と、該第5ホイール前駆体を、熱処理する熱処理工程と、該熱処理工程を施した第5ホイール前駆体に機械加工を行う第4機械加工工程と、を備えるホイールの製造方法に存する。
本発明は、(12)第2鋳造工程後、第5ホイール前駆体のリム部を温間スピニングにより更に加圧延展するスピニング工程を行う上記(11)記載のホイールの製造方法に存する。
本発明は、(13)熱処理工程が、490℃以下にて溶体化処理する溶体化工程と、焼き入れを行う焼入れ工程と、常温で時効処理する常温時効工程と、100〜125℃で過時効処理する第1時効工程と、該第1時効工程における過時効処理の温度よりも10℃以上高い温度で再度過時効処理する第2時効工程と、からなる上記(7)〜(12)のいずれか1つに記載のホイールの製造方法に存する。
本発明は、(14)機械加工工程の後、表面全体の切欠き状の段差を除去すると共に、角部にはR面取を行う表面処理工程を更に備える上記(7)〜(11)のいずれか1つに記載のホイールの製造方法に存する。
本発明は、(15)表面処理工程が、ショットブラスト、サンドブラスト又はバレル研磨である上記(14)記載のホイールの製造方法に存する。
本発明のホイールは、強度に優れる国際合金記号7000系アルミニウム合金からなるものとすることで、ホイール各部の余肉及び内リム部、特にウエル部の厚さを従来のホイールよりも薄くすることができる。
したがって、本発明のホイールによれば、軽量であり且つ機械的強さに優れるものとなる。なお、鍛造で成形する場合は、7000系が、国際合金記号7475アルミニウム合金(以下単に「7475」ともいう。)又は国際合金記号7204アルミニウム合金(以下単に「7204」ともいう。)であることが好ましく、鋳造で成形する場合は、7000系が、7204であることが好ましい。なお、7475又は7204に、更に添加金属を含ませてもよい。
7475を用い、鍛造で成形する場合、Cu含有率を1.2〜1.9wt%とし、JIS−Z2241に準拠する引張強さを450MPa以上とし、JIS−Z2241に準拠する0.2%耐力を400MPa以上とし、JIS−Z2242に準拠するシャルピー衝撃値を18.0J/cm以上とすることで、耐腐食性が優れ、十分な機械的強さを備えるものとすることができる。
また、7204を用い、鍛造で成形する場合、Cu含有率を0.2wt%以下とし、JIS−Z2241に準拠する引張強さを300MPa以上とし、JIS−Z2241に準拠する0.2%耐力を210MPa以上とし、JIS−Z2242に準拠するシャルピー衝撃値を14.3J/cm以上とすることで、耐腐食性が優れ、十分な機械的強さを備えるものとすることができる。
一方、7204を用い、鋳造で成形する場合、Cu含有率を0.05〜0.3wt%とし、JIS−Z2241に準拠する引張強さを230MPa以上とし、JIS−Z2241に準拠する0.2%耐力を190MPa以上とすることで、耐腐食性が優れ、十分な機械的強さを備えるものとすることができる。
本発明のホイールは、内リム部のうちのウエル部の厚みが2.8mm以下であり、JIS−D4103に準拠する回転曲げ疲労試験におけるVIA(日本車輌検査協会)が規定する荷重記号690KG条件で少なくとも100万回転以上を達成する場合、衝撃を受けても亀裂の発生が抑制される。
本発明のホイールの製造方法によれば、所定の温度で熱処理工程(溶体化工程、焼入れ工程、常温時効工程、第1時効工程及び第2時効工程)を経ることで、耐腐食性を確実に防止でき、軽量であり且つ機械的強さに優れるホイールが得られる。
本発明のホイールの製造方法においては、第1〜第4機械加工工程後、表面全体の切欠き状の段差を除去すると共に、角部にはR面取を行う表面処理工程を施すことにより、強靱で意匠性に優れるホイールを得ることができる。
図1の(a)は、本実施形態に係るホイールの一例を示す正面図であり、(b)は、(a)のA−A線で切断した断面図である。 図2は、第1実施形態に係るホイールの製造方法の各工程を示すフローチャートである。 図3の(a)は、第1実施形態に係るホイールの製造方法における第1鍛造工程の加工前を示す概略図であり、(b)は、第1鍛造工程の加工後を示す概略図である。 図4は、第1実施形態に係るホイールの製造方法における第1鍛造工程で得られる第1加工体を示す断面図である。 図5は、第1実施形態に係るホイールの製造方法におけるスピニング工程を示す概略図である。 図6は、第1実施形態に係るホイールの製造方法における第1ホイール前駆体を示す断面図である。 図7は、第1実施形態に係るホイールの製造方法における溶体化工程、第1時効工程及び第2時効工程の温度条件を示すグラフである。 図8は、第2実施形態に係るホイールの製造方法の各工程を示すフローチャートである。 図9は、第2実施形態に係るホイールの製造方法における第1鍛造工程前の処理鋳造ビレットの外観及び第1鍛造工程後の第1加工体の外観を示す概略図である。 図10は、第2実施形態に係るホイールの製造方法におけるスピニング工程前の第1加工体の外観及びスピニング工程後の第2ホイール前駆体の外観を示す概略図である。 図11は、第3実施形態に係るホイールの製造方法の各工程を示すフローチャートである。 図12の(a)は、第3実施形態に係るホイールの製造方法における第2鍛造工程の加工前を示す概略図であり、(b)は、第2鍛造工程の加工後を示す概略図である。 図13は、第3実施形態に係るホイールの製造方法における第2鍛造工程で得られる第3加工体を示す断面図である。 図14の(a)は、第3実施形態に係るホイールの製造方法における歪み取り工程の加工前を示す概略図であり、(b)は、歪み取り工程の加工後を示す概略図である。 図15は、第4実施形態に係るホイールの製造方法の各工程を示すフローチャートである。 図16の(a)〜(d)は、第4実施形態に係るホイールの製造方法における第1鋳造工程を示す概略図であり、(e)は、第1鋳造工程で得られる第4加工体を示す断面図である。 図17は、第5実施形態に係るホイールの製造方法の各工程を示すフローチャートである。 図18の(a)〜(d)は、第5実施形態に係るホイールの製造方法における第2鋳造工程を示す概略図であり、(e)は、第2鋳造工程で得られる第5ホイール前駆体を示す断面図である。 図19の(a)は、第1実施形態に係るホイールの製造方法における第1加工体、第1ホイール前駆体及びホイールを示す概略図であり、(b)は、第2実施形態に係るホイールの製造方法における第2ホイール前駆体及びホイールを示す概略図であり、(c)は、第3実施形態に係るホイールの製造方法における第3加工体、第3ホイール前駆体及びホイールを示す概略図であり、(d)は、第4実施形態に係るホイールの製造方法における第4加工体、第4ホイール前駆体及びホイールを示す概略図であり、(e)は、第5実施形態に係るホイールの製造方法における第5ホイール前駆体及びホイールを示す概略図である。 図20は、第3実施形態に係るホイールの製造方法の変形例を示す概略図である。 図21の(a)は、実施例の評価6における高さ測定の方法を示す概略図であり、(b)は、高さ測定の測定位置を示す概略図であり、(c)は、実施例の評価6における面振れ測定方法を示す概略図である。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
図1の(a)は、本実施形態に係るホイールの一例を示す正面図であり、(b)は、(a)のA−A線で切断した断面図である。
図1の(a)及び(b)に示すように、本実施形態に係るホイール100は、ディスク部20及び該ディスク部20の周縁に設けられたリム部からなる。
また、リム部30は、外リム部9及び内リム部12からなる。なお、内リム部12は、円筒状のウエル部12aを備える。
さらに、ディスク部20は、円盤状のハブ部11と、該ハブ部11から放射状に延びるスポーク部10と、からなる。
ホイール100において、ハブ部11は、緩やかに湾曲した曲面となっていることが好ましい。この場合、押圧時の原材料の流れが一様となるので、金属結晶粒子の粒径がより微細化される。
また、ハブ部11は、表面が緩やかに湾曲した曲面を有する円盤状になっており、ホイール100をボルトで車軸に固定する際のボルトを挿入するためのボルト挿通穴が設けられている。
さらに、隣合うスポーク部10同士の間は、空間となっている。
本実施形態に係るホイール100においては、後述する所定の特性を付与した場合に、7000系が、2000系よりも耐腐食性が優れるため、7000系が用いられる。ちなみに、2014(2000系)は、Cuの含有率が3.9〜5.0%と高いため、防食の観点から好ましくない。
かかる7000系には、Al−Zn−Mg系合金及びAl−Zn−Mg−Cu系合金が含まれ、具体例としては、国際合金記号7003アルミニウム合金、国際合金記号7075アルミニウム合金、国際合金記号7475アルミニウム合金、国際合金記号7204アルミニウム合金等が挙げられる。これらの中でも、0.2%耐力、伸びの観点から、鍛造で成形する場合、7475又は7204を用い、鋳造で成形する場合、7204を用いることが好ましい。
ホイール100は、Cu含有率が上記範囲の7000系からなるものとすることで、ホイール100各部の余肉及び内リム部12、特にウエル部12aの厚さを従来のホイールよりも薄くすることができる。
ホイール100において、ディスク部20、外リム部9及び内リム部12の金属結晶粒子の平均粒径は、30μm以下であることが好ましく、20μm以下であることがより好ましく、15μm以下であることがより一層好ましい。
平均粒径が30μmを超えると、平均粒径が上記範囲内にある場合と比較して、機械的強度が不十分となる場合がある。なお、本明細書において、「平均粒径」は、JIS−H0542の切断法に基づいて測定した値である。また、測定部位は、各部位の中央付近とする。
ホイール100において、内リム部12のうちのウエル部12aの厚みは、2.8mm以下であることが好ましく、2.5mm以下であることがより好ましく、2.2mm以下であることがさらに好ましく、1.8mm〜2.2mmであることがより一層好ましい。
ウエル部12aの厚みが、2.8mmを超えると、厚みが上記範囲内にある場合と比較して、重量が大きくなるので、バネ下荷重が増大し、走行時の振動が増大する。なお、厚みが1.35mm未満であると、機械的強度が不十分となる場合がある。
ここで、ウエル部12aは、応力集中を回避するために、中腹から端部13に向かって徐々に厚くなっている。
ホイール100は、JIS−D4103(ECE124に充当)に準拠する回転曲げ疲労試験におけるVIA(日本車輌検査協会)が規定する荷重記号690KG条件で100万回転以上を達成することが好ましい。この場合、衝撃を受けても亀裂の発生が抑制される。なお、上記規定では、10万回転が合格基準値となっている。
ホイール100は、7475を用い、鍛造で成形する場合、Cu含有率が1.2〜1.9wt%であることが好ましい。Cu含有率が1.2wt%未満であると、Cu含有率が上記範囲内にある場合と比較して、機械的強度が不十分となり、Cu含有率が1.9wt%を超えると、Cu含有率が上記範囲内にある場合と比較して、耐腐食性が低下する傾向がある。
また、7204を用い、鍛造で成形する場合、Cu含有率が0.2wt%以下であることが好ましい。Cu含有率が0.2wt%を超えると、Cu含有率が上記範囲内にある場合と比較して、耐腐食性が低下する傾向がある。
一方、7204を用い、鋳造で成形する場合、Cu含有率が0.05〜0.2wt%であることが好ましい。Cu含有率が0.05wt%未満であると、Cu含有率が上記範囲内にある場合と比較して、機械的強度が不十分となり、Cu含有率が0.2wt%を超えると、Cu含有率が上記範囲内にある場合と比較して、鋳造性、耐腐食性が低下する傾向がある。
ここで、7204は、アルミニウム合金の中でも、熱処理工程中の焼入れ工程に水冷又は空冷が可能な特殊な合金であり、鍛造または鋳造でホイールの成形が可能である。
7204において、Cu、Mg、Znは硬化元素で強度を上げる成分であり、Zrは焼入れ性を良くする元素であり空冷する場合に有効である。また、Ti、Crは組織の微細化に寄与する元素であり、Siは伸び率に関与する元素である。但し、Znは鋳造を難しくする要因であるため控えめに扱う。
7475において、Cu、Mg、Znは硬化元素で強度を上げる成分である。また、シャルピー値を向上させるためには組織の緻密さを向上させる必要があり、特にFe及びSi成分の不純物混入を防止することが必要である。
なお、ホイールのデザイン及び機能と、上述した金属の特性とから、7475又は7204に対して、金属元素の含有率を加減し、ホイールのデザイン及び機能に対処するようにしてもよい。かかる金属元素は、特に限定されない。
ホイール100は、7475を用い、鍛造で成形する場合、JIS−Z2241に準拠する引張強さが450MPa以上であることが好ましく、JIS−Z2241に準拠する0.2%耐力が400MPa以上であることが好ましく、JIS−Z2242に準拠するシャルピー衝撃値が18.0J/cm以上であることが好ましい。
これらの特性を備えることにより、7475を鍛造成形することにより得られるホイール100は、高濃度のCuを含んでいても耐腐食性が優れ、十分な機械的強さを備えるものとなる。
また、7204を用い、鍛造で成形する場合、JIS−Z2241に準拠する引張強さが300MPa以上であることが好ましく、JIS−Z2241に準拠する0.2%耐力が210MPa以上であることが好ましく、JIS−Z2242に準拠するシャルピー衝撃値が14.3J/cm以上であることが好ましい。
これらの特性を備えることにより、7204を鍛造成形することにより得られるホイール100は、高濃度のCuを含んでいても耐腐食性が優れ、十分な機械的強さを備えるものとなる。
一方、7204を用い、鋳造で成形する場合、JIS−Z2241に準拠する引張強さが230MPa以上であることが好ましく、270MPa以上であることがより好ましく、400MPa以上であることがさらに好ましい。
また、JIS−Z2241に準拠する0.2%耐力が190MPa以上であることが好ましい。
これらの特性を備えることにより、7204を鋳造成形することにより得られるホイール100は、一定量のCuを含んでいても耐腐食性が優れ、十分な機械的強さを備えるものとなる。
ホイール100は、JIS−Z2241に準拠する伸度が8%以上であることが好ましい。なお、伸度は材料の引張試験で材料の伸びる割合であり、試験片の始めの標点距離をLとし、破断後の標点距離をLとすると、伸度は、下記式で示される。
δ=[(L−L)/L]×100
これは破断するまでの伸び率を示すものであり、ホイールの形状が維持される範囲を示している。
ホイール100は、JIS−Z2243に準拠するブリネル硬度が65HB以上であることが好ましい。
(ホイールの製造方法の第1実施形態)
次に、ホイールの製造方法の第1実施形態について説明する。なお、第1実施形態に係るホイールの製造方法において、アルミニウム合金は、特に限定されないが、7475又は7204を用いることが好ましい。
第1実施形態に係るホイールの製造方法は、鍛造により成形される。このため、第1実施形態に係るホイールの製造方法により得られるホイールは、機械的強度がより向上する。
図2は、第1実施形態に係るホイールの製造方法の各工程を示すフローチャートである。
図2に示すように、第1実施形態に係るホイールの製造方法は、鋳造ビレットを加熱し、金属組織を安定化させるホモ処理工程S1と、該ホモ処理工程S1を施した鋳造ビレットを鍛造により成形し、第1リム予備部材が形成された第1加工体とする第1鍛造工程S2aと、該第1加工体の第1リム予備部材を温間スピニングにより加圧延展し、内リム部が形成された第1ホイール前駆体とするスピニング工程S3と、該第1ホイール前駆体を、溶体化処理する溶体化工程S4と、焼き入れを行う焼入れ工程S5と、常温で時効処理する常温時効工程S6と、過時効処理する第1時効工程S7と、該第1時効工程S7における過時効処理の温度よりも10℃以上高い温度で再度過時効処理する第2時効工程S8と、該第2時効工程S8を施した第1ホイール前駆体を機械加工し、ディスク部20及びリム部30を形成する第1機械加工工程S9aと、該第1機械加工工程S9a後、表面全体の切欠き状の段差を除去すると共に、角部にはR面取を行う表面処理工程S10と、を備える。なお、熱処理工程は、溶体化工程S4、焼入れ工程S5、常温時効工程S6、第1時効工程S7及び第2時効工程S8からなる。
第1実施形態に係るホイールの製造方法によれば、所定の温度で熱処理工程(溶体化工程S4、焼入れ工程S5、常温時効工程S6、第1時効工程S7及び第2時効工程S8)を経ることで、耐腐食性を確実に防止でき、軽量であり且つ機械的強さに優れるホイールが得られる。
以下、各工程について更に詳細に説明する。
(ホモ処理工程)
ホモ処理工程S1は、鋳造ビレットを加熱し、金属組織を安定化させる工程である。すなわち、ホモ処理工程S1においては、市販の円柱状の鋳造ビレットが所定の温度で略一昼夜に亘り加熱される。これにより、鋳造組成の欠陥が除去され、金属結晶粒子が均質化される。特に、7475又は7204からなる鋳造ビレットを用いる場合は、粒界に析出物が存在しているので、粒界の組成を安定化させるホモ処理工程S1を施すことが好ましい。
ホモ処理工程S1における処理温度は、450〜500℃であることが好ましく、450℃以上480℃未満であることがより好ましい。
処理温度が450℃未満であると、処理温度が上記範囲内にある場合と比較して、金属結晶粒子の均質化が不十分となり、処理温度が500℃を超えると、処理温度が上記範囲内にある場合と比較して、金属結晶粒子が軟化し、再結晶を引き起こす恐れがある。
(第1鍛造工程)
第1鍛造工程S2aは、ホモ処理工程S1を施した鋳造ビレット(以下便宜的に「処理鋳造ビレット」という。)を鍛造により成形し、第1リム予備部材が形成された第1加工体とする工程である。なお、鍛造は、所定の推力を有するプレス機で円柱状の鋳造ビレットを押圧し、大まかなホイールの形状に成形する加工法である。
図3の(a)は、第1実施形態に係るホイールの製造方法における第1鍛造工程の加工前を示す概略図であり、(b)は、第1鍛造工程の加工後を示す概略図である。
図3の(a)に示すように、第1鍛造工程S2aにおいては、上金型2及び下金型3を備えるプレス機の下金型3の上に、処理鋳造ビレット1が載置される。
そして、加温条件下、図3の(b)に示すように、上金型2を下降させ、処理鋳造ビレット1を加圧圧縮し、上金型2と下金型3との間に挟み込む。上金型2及び下金型3の間に挟み込むことにより、処理鋳造ビレット1が所望の形状に成形され、第1加工体4となる。
このように、第1実施形態に係るホイールの製造方法における第1鍛造工程S2aにおいては、熱間(鍛造)による閉塞鍛造により、鍛造が施される。
このときの加温条件は、処理鋳造ビレットの温度が400〜550℃、好ましくは413〜500℃、より好ましくは450〜490℃となるようにし、金型の温度が400℃前後、好ましくは350〜420℃となるようにする。これにより、処理鋳造ビレットの塑性変形が容易になり鍛造による加工歪みが減少する。
また、加圧する圧力条件は、9.8×10kN〜88.2×10kNとなるようにすることが好ましい。
図4は、第1実施形態に係るホイールの製造方法における第1鍛造工程で得られる第1加工体を示す断面図である。
図4に示すように、第1加工体4は、ディスク部前駆体4aと、該ディスク部前駆体4aに連続する第1リム予備部材4bとが一体に成型されている。なお、ディスク部前駆体4aからはディスク部20が形成され、第1リム予備部材4bからは外リム部9及び内リム部12が形成されることになる。
ここで、第1実施形態に係るホイールの製造方法の第1鍛造工程S2aにおいては、鋳造ビレットと得られるホイールとの高さの比(以下「鍛錬比」という。)が、下記式を満たすように鍛造することが好ましい。この場合、ホイールの金属結晶粒子の粒径が極端に微細化されることになる。
H1/H2≧4.0
式中、H1は、処理鋳造ビレット1の鍛造が施される方向の高さを意味し(図3の(a)参照)、H2は、ホイールの鍛造が施された方向の高さを意味する(図1の(b)参照)。なお、かかる鍛錬比は、4〜12であることがより好ましく、6〜12であることが更に好ましく、6〜8であることが特に好ましい。
(スピニング工程)
スピニング工程S3は、第1加工体4の第1リム予備部材4bを温間スピニングにより加圧延展し、内リム部が形成された第1ホイール前駆体とする工程である。具体的には、第1リム予備部材4bに対して、スピンさせながら、絞り込むことにより、ディスク部20の周縁に垂直方向に立設された内リム部12を形成する工程である。スピニング加工は種々の分野で利用されるフローフォーミングの一種であり、材料を回転させながら側面を押圧する回転自在な押圧ローラーを備えており、該押圧ローラーを材料の回転軸に対して平行に移動させながら材料を延展する加工である。押圧ローラーの回転面は材料の回転軸に対して垂直方向若しくは傾斜した方向で用いられる。延展する際に塑性変形が生じ鍛錬効果があり、合金組織の微細化が行われるので材料強度が向上し、例えばリム部では肉厚をより薄くすることが可能で軽量化できる。
図5は、第1実施形態に係るホイールの製造方法におけるスピニング工程を示す概略図である。
図5に示すように、スピニング工程S3においては、スピニング受け金型15に第1加工体4を配置し、スピニング押し金型16を押し当てて第1加工体4を固定し回転させる。
そして、第1加工体4の第1リム予備部材4bの外周部にローラー17を押し当て第1リム予備部材4bを延展することにより、図1に示す内リム部12が形成された第1ホイール前駆体54が得られる。
図6は、第1実施形態に係るホイールの製造方法における第1ホイール前駆体を示す断面図である。
図6に示すように、得られる第1ホイール前駆体54は、第1加工体4の周縁に、内リム部12が形成されている。
ここで、スピニング工程S3においては、第1加工体4を100℃〜200℃に加温した条件下で温間スピニングが施される。温間スピニングを行うことにより内リム部12の再結晶化が防止される。なお、スピニング工程S3後は、内部歪みを除去するために熱処理工程が施される。
(溶体化工程)
溶体化工程S4は、スピニング工程S3で得られた第1ホイール前駆体54を、溶体化処理する工程である。ここで、溶体化処理とは、物質相互の溶解度は温度が高くなるにつれて一般に増大する原理を利用して、材料を融点直下の温度に加熱し、なるべく多量の溶質化合物を溶かし込んだ後、急冷する熱処理のことをいう。
図7は、第1実施形態に係るホイールの製造方法における溶体化工程、第1時効工程及び第2時効工程の温度条件を示すグラフである。
図7に示すように、溶体化処理S4においては、第1ホイール前駆体54に対し、490℃以下、好ましくは450〜490℃の温度で、約2時間、溶体化処理M1が施される。
(焼入れ工程)
焼入れ工程S5は、強制的に短時間で冷却することにより、焼き入れを行う工程である。
焼入れ工程S5においては、溶体化工程S4を経た第1ホイール前駆体54に対して強制的に冷却処理M2を施し、焼入れを4〜5分行う。なお、焼入れは、空冷であっても、水冷であってもよい。なお、水冷で行う場合は、50℃〜60℃の温水焼入れが好ましい。この場合、ブリネル硬度がより安定する。また、7204を用いる場合は、空冷を行うことが可能である。この場合、内部に歪みが残らないというメリットがある。
焼入れ工程S5を経ることにより、第1ホイール前駆体54は、金属組織が安定化され、引張強度と伸び値及びシャルピー値がバランス良く向上する。
(常温時効工程、第1時効工程及び第2時効工程)
常温時効工程S6は、焼入れ工程S5を施した第1ホイール前駆体54を、常温で24〜48時間、時効処理する工程である。なお、常温とは、20℃±15℃をいい、JIS−Z8703に規定されている。
第1時効工程S7は、過時効処理する工程であり、第2時効工程S8は、第1時効工程S7における過時効処理の温度よりも10℃以上高い温度で再度過時効処理する工程である。ここで、過時効処理とは、溶体化した材料を適度の温度で再加熱する熱処理をいう。これにより、過飽和に溶け込んでいた溶質化合物が微細な析出物を形成し、材料は著しく硬くなる。
図7に示すように、第1時効工程S7においては、焼入れ工程S5を施した第1ホイール前駆体54に対し、常温で時効処理を施した後、100〜125℃の温度で、3〜8時間、第1過時効処理M3が施される。
そして、第2時効工程S8においては、第1時効工程S7を施した第1ホイール前駆体54に対し、第1時効工程S7における過時効処理の温度よりも10℃以上高い温度、好ましくは150〜180℃の温度で、6〜24時間、第2過時効処理M4が施される。
その後、第1ホイール前駆体54を室温まで空冷M5する。
これらのことにより、第1ホイール前駆体54は、金属組織が強化される。
(第1機械加工工程)
第1機械加工工程S9aは、第2時効工程S8で得られた第1ホイール前駆体54を機械加工して、ディスク部20及びリム部30を形成する工程である。
第1機械加工工程S9aにおいては、削り出しの方法として、穴開け加工や切削加工が施される。
穴開け加工は、マシニングセンターによるいわゆるミーリング加工である。穴開け加工により、第1ホイール前駆体54に模様が形成され、その結果、円盤状のハブ部11及び該ハブ部11から放射状に延びるスポーク部10からなるディスク部20が形成される。
切削加工は、ホイールの略全体を旋盤等で削る仕上げの加工である。切削加工により、ホイールのディスク部及び外リム部が形成され、且つ内リム部の形状が整えられる。
なお、第1機械加工工程S9aにおいては、第1ホイール前駆体54のディスク部前駆体4aを削って、ディスク部20を形成するだけでなく、僅かな凹凸等の模様を表面に形成することにより、デザインをホイールに付与したり、ホイールに空部を設け更に軽量化したりすることも可能である。
(表面処理工程)
表面処理工程S10は、第1機械加工工程S9aを施した第1ホイール前駆体54に対し、表面加工を行い、表面全体の切欠き状の段差を除去すると共に、角部にはR面取を行う工程である。なお、7000系は切欠き疲れ強さが低い傾向にあるため、表面処理工程S10を施すことがより好ましい。
ここで、表面加工は、ショットブラスト、サンドブラスト又はバレル研磨であることが好ましい。かかる表面加工により、バリの除去、表面研削、梨地加工のような模様付け等を施すことができる。
これらの中でも、表面加工としては、ショットブラストを施すことが好ましい。なお、ショットブラスト加工において、投射方法としては、機械式、空気式、湿式等が挙げられ、投射材としては、金属粒子、高分子粒子、砂等が挙げられる。
これにより、図1の(a)及び(b)に示すような意匠性に優れるホイールが得られる。なお、必要に応じて、表面処理工程S10の後、化学的表面処理、鍍金、塗装等を施してもよい。
第1実施形態に係るホイールは、例えば、車両用に好適に用いられる。また、車両用としては、自動車用のみならず、二輪車用、一輪車用、モノレール用、リニアモーターカー用のホイールとして利用できる。これらの他にも、リム径が13インチ〜25インチのホイールに好適に用いられる。例えば、リム径13インチのF1用、リム径20インチのラリーカー用、リム径は23インチの大型旅客機の車輪用に好適に用いられる。
特に、自動車用に用いると、自動車を軽量化できるので、ガソリン等による環境負荷を低減でき、低コスト化も可能である。
(ホイールの製造方法の第2実施形態)
次に、ホイールの製造方法の第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態に係るホイールの製造方法において、アルミニウム合金は、特に限定されないが、7475又は7204を用いることが好ましい。
第2実施形態に係るホイールの製造方法は、鍛造により成形される。このため、第2実施形態に係るホイールの製造方法により得られるホイールは、機械的強度がより向上する。
図8は、第2実施形態に係るホイールの製造方法の各工程を示すフローチャートである。
図8に示すように、第2実施形態に係るホイールの製造方法は、鋳造ビレットを加熱し、金属組織を安定化させるホモ処理工程S1と、該ホモ処理工程S1を施した鋳造ビレットを鍛造により成形し、有底円筒状の第1加工体とする第1鍛造工程S2aと、該第1加工体の円筒部を温間スピニングにより加圧延展し、第2ホイール前駆体とするスピニング工程S3と、該第2ホイール前駆体を、溶体化処理する溶体化工程S4と、焼き入れを行う焼入れ工程S5と、常温で時効処理する常温時効工程S6と、過時効処理する第1時効工程S7と、該第1時効工程S7における過時効処理の温度よりも10℃以上高い温度で再度過時効処理する第2時効工程S8と、該第2時効工程S8を施した第2ホイール前駆体を機械加工し、削り出しによりディスク部20、内リム部12及び外リム部9を形成する第2機械加工工程S9bと、該第2機械加工工程S9b後、表面全体の切欠き状の段差を除去すると共に、角部にはR面取を行う表面処理工程S10と、を備える。なお、上記有底円筒状の第1加工体は、底部に模様が付いていてもいなくてもよい。
第2実施形態に係るホイールの製造方法は、第1リム予備部材の代わりに、円筒部に対し、スピニング工程S3を施して第2ホイール前駆体を製造し、第1機械加工工程S9aの代わりに、ディスク部、内リム部及び外リム部を削り出しで形成する第2機械加工工程S9bを施すこと以外は、第1実施形態に係るホイールの製造方法と同じである。すなわち、ホモ処理工程S1、第1鍛造工程S2a、熱処理工程及び表面処理工程S10は第1実施形態に係るホイールの製造方法と同じである。
第2実施形態に係るホイールの製造方法によれば、第1実施形態に係るホイールの製造方法と同様に、所定の温度で熱処理工程を経ることで、耐腐食性を確実に防止でき、軽量であり且つ機械的強さに優れるホイールが得られる。
第2実施形態に係るホイールの製造方法においては、まず、ホモ処理工程S1が行われる。
かかるホモ処理工程S1においては、第1実施形態に係るホイールの製造方法におけるホモ処理工程S1と同様に、鋳造ビレットを加熱し、金属組織の安定化が行われる。
図9は、第2実施形態に係るホイールの製造方法における第1鍛造工程前の処理鋳造ビレットの外観及び第1鍛造工程後の第1加工体の外観を示す概略図である。
図9に示すように、第1鍛造工程S2aにおいては、円柱状の処理鋳造ビレットに対し、第1鍛造工程S2aが施され、円筒部14bを備える有底円筒状の第1加工体14が得られる。
(スピニング工程)
スピニング工程S3は、第1鍛造工程S2aで得られた第1加工体14の円筒部14bに対し温間スピニングを施すことにより、円筒部14bを延展し第2リム予備部材が形成された第2ホイール前駆体とする工程である。
図10は、第2実施形態に係るホイールの製造方法におけるスピニング工程前の第1加工体の外観及びスピニング工程後の第2ホイール前駆体の外観を示す概略図である。
図10に示すように、スピニング工程S3においては、有底円筒状の第1加工体14の円筒部14bに対し、温間スピニングを施し、円筒部14bを内リム部相当の長さになるまで延ばす。これにより、十分な長さの第2リム予備部材が形成された第2ホイール前駆体53が得られる。
(溶体化工程、焼入れ工程、常温時効工程、第1時効工程及び第2時効工程)
そして、第2実施形態に係るホイールの製造方法においては、第1ホイール前駆体の代わりに、スピニング工程S3で得られた第2ホイール前駆体を用いて、第1実施形態に係るホイールの製造方法と同じように、溶体化工程S4、焼入れ工程S5、常温時効工程S6、第1時効工程S7及び第2時効工程S8が施される。
(第2機械加工工程)
第2機械加工工程S9bは、第2時効工程S8で得られた第2ホイール前駆体を機械加工して、削り出しによりディスク部、内リム部及び外リム部を形成する工程である。
第2機械加工工程S9bにおいては、削り出しの方法として、穴開け加工や切削加工が施される。
穴開け加工は、マシニングセンターによるいわゆるミーリング加工である。穴開け加工により、第2ホイール前駆体53に模様が形成され、その結果、円盤状のハブ部11及び該ハブ部11から放射状に延びるスポーク部10からなるディスク部20が形成される。
切削加工は、ホイールの略全体を旋盤等で削る仕上げの加工である。切削加工により、内リム部及び外リム部が形成され、同時に、ディスク部の形状が整えられる。
なお、第2機械加工工程S9bにおいては、第2ホイール前駆体53を削って、ディスク部20、内リム部12及び外リム部9を形成するだけでなく、僅かな凹凸等の模様を表面に形成することにより、デザインをホイールに付与したり、ホイールに空部を設け更に軽量化したりすることも可能である。
(表面処理工程)
そして、第2実施形態に係るホイールの製造方法においては、第1実施形態に係るホイールの製造方法と同じように、表面処理工程S10を経ることにより、図1の(a)及び(b)に示すようなホイールが得られる。
(ホイールの製造方法の第3実施形態)
次に、ホイールの製造方法の第3実施形態について説明する。なお、第3実施形態に係るホイールの製造方法において、アルミニウム合金は、特に限定されないが、7475又は7204を用いることが好ましい。
第3実施形態に係るホイールの製造方法は、鍛造により成形される。このため、第3実施形態に係るホイールの製造方法により得られるホイールは、機械的強度がより向上する。
図11は、第3実施形態に係るホイールの製造方法の各工程を示すフローチャートである。
図11に示すように、第3実施形態に係るホイールの製造方法は、鋳造ビレットを加熱し、金属組織を安定化させるホモ処理工程S1と、該ホモ処理工程S1を施した鋳造ビレットを鍛造により成形し、鍛造しろを有するディスク部と外リム部と第3リム予備部材とが形成された第3加工体とする第2鍛造工程S2bと、該第3加工体の鍛造歪みを除去する歪み取り工程S11と、該歪み取り工程S11を施した第3加工体の第3リム予備部材を温間スピニングにより加圧延展し、内リム部が形成された第3ホイール前駆体とするスピニング工程S3と、該第3ホイール前駆体を、溶体化処理する溶体化工程S4と、焼き入れを行う焼入れ工程S5と、常温で時効処理する常温時効工程S6と、過時効処理する第1時効工程S7と、該第1時効工程S7における過時効処理の温度よりも10℃以上高い温度で再度過時効処理する第2時効工程S8と、該第2時効工程S8を施した第3ホイール前駆体を機械加工し、鍛造しろを除去する第3機械加工工程S9cと、該第3機械加工工程S9c後、表面全体の切欠き状の段差を除去すると共に、角部にはR面取を行う表面処理工程S10と、を備える。
第3実施形態に係るホイールの製造方法は、第3ホイール前駆体の製造方法が、第2鍛造工程S2b及び歪み取り工程S11を経ること、並びに、第1機械加工工程S9aの代わりに、第3機械加工工程S9cを施すこと以外は、第1実施形態に係るホイールの製造方法と同じである。すなわち、ホモ処理工程S1、スピニング工程S3、熱処理工程及び表面処理工程S10は第1実施形態に係るホイールの製造方法と同じである。
第3実施形態に係るホイールの製造方法によれば、第1実施形態に係るホイールの製造方法と同様に、所定の温度で熱処理工程を経ることで、耐腐食性を確実に防止でき、軽量であり且つ機械的強さに優れるホイールが得られる。
第3実施形態に係るホイールの製造方法においては、まず、ホモ処理工程S1が行われる。
かかるホモ処理工程S1においては、第1実施形態に係るホイールの製造方法におけるホモ処理工程S1と同様に、鋳造ビレットを加熱し、金属組織の安定化が行われる。
次に、処理鋳造ビレットに対し、第2鍛造工程S2bが施される。
(第2鍛造工程)
第2鍛造工程S2bは、ホモ処理工程S1を施した処理鋳造ビレットを鍛造により成形し、鍛造しろを有するディスク部と外リム部と第3リム予備部材とが形成された第3加工体とする工程である。なお、第3実施形態に係るホイールの製造方法における第2鍛造工程S2bにおいては、鍛造でディスク部を形成する。このため、鍛造しろが同時に形成される。
図12の(a)は、第3実施形態に係るホイールの製造方法における第2鍛造工程の加工前を示す概略図であり、(b)は、第2鍛造工程の加工後を示す概略図である。
図12の(a)に示すように、第2鍛造工程S2bにおいては、上金型21及び下金型31を備えるプレス機の下金型31の上に、処理鋳造ビレット1が載置される。なお、上金型21及び下金型31の形状が異なり、ディスク部を形成するための模様が設けられた形状となっていること以外は、第1実施形態に係るホイールの製造方法における第1鍛造工程S2aと同じである。
そして、加温条件下、図12の(b)に示すように、上金型21を下降させ、処理鋳造ビレット1を加圧圧縮し、上金型21と下金型31との間に挟み込む。上金型21及び下金型31の間に挟み込むことにより、処理鋳造ビレット1が所望の形状に成形され、ディスク部及び外リム部を備える第3加工体6となる。
図13は、第3実施形態に係るホイールの製造方法における第2鍛造工程で得られる第3加工体を示す断面図である。
図13に示すように、第3加工体6は、円盤状のハブ部11と、該ハブ部11から放射状に延びるスポーク部10と、スポーク部10の裏面側に形成された鍛造しろ6cとからなるディスク部20と、該ディスク部20と、ディスク部20の面方向に延設された外リム部9と、ディスク部20の周縁に立設された第3リム予備部材6bと、が一体に成型されている。なお、第3リム予備部材6bからは内リム部12が形成されることになる。
(歪み取り工程)
歪み取り工程S11は、第2鍛造工程S2bで得られた第3加工体6の鍛造歪みを除去する工程である。具体的には、第3加工体6を押圧することにより、特にスポーク部10、外リム部9及び第3リム予備部材6bに生じる鍛造による加工歪みを除去する工程である。なお、スポーク部10は、最も過激な応力を受ける箇所となるので、歪み取り工程S11を施すことが好ましい。
図14の(a)は、第3実施形態に係るホイールの製造方法における歪み取り工程の加工前を示す概略図であり、(b)は、歪み取り工程の加工後を示す概略図である。
図14の(a)に示すように、歪み取り工程S11においては、ホイールのリム径が大きくなることを想定した形状の上金型22及びノックアウト部23aとノックアウト部23aを支持する下金型23とを備えるプレス機のノックアウト部23aの上に、第3加工体6が載置される。
そして、加温条件下、図14の(b)に示すように、上金型22を下降させ、第3加工体6を加圧圧縮し、上金型22とノックアウト部23a(下金型23)との間に挟み込む。すなわち、スポーク部10をホイール回転軸と平行な方向に押圧する。これにより、第3加工体6の鍛造しろ6cが垂直方向に押圧されるとともに、スポーク部10が押圧され径方向(水平方向)に延伸する。
第3実施形態に係るホイールの製造方法においては、歪み取り工程S11を備えることにより、鍛造歪みを除去することができ、ホイールの耐久性が向上する。なお、ホイールのリム径が19インチの場合、水平方向に延伸されるスポーク部の断面の径は、4mm以下であることが好ましい。
(スピニング工程)
スピニング工程S3は、歪み取り工程を施した第3加工体6の第3リム予備部材6bを温間スピニングにより加圧延展し、内リム部を形成する工程である。なお、第1加工体4の代わりに、第3加工体6を用いること以外は、第1実施形態に係るホイールの製造方法におけるスピニング工程S3と同様である。
スピニング工程S3により、第3加工体6の第3リム予備部材6bが、内リム部12となる。
こうして、第3加工体6に内リム部12が形成された第3ホイール前駆体が得られる。
(溶体化工程、焼入れ工程、常温時効工程、第1時効工程及び第2時効工程)
そして、第3実施形態に係るホイールの製造方法においては、第1ホイール前駆体の代わりに、スピニング工程S3で得られた第3ホイール前駆体を用いて、第1実施形態に係るホイールの製造方法と同じように、溶体化工程S4、焼入れ工程S5、常温時効工程S6、第1時効工程S7及び第2時効工程S8が施される。
(第3機械加工工程)
第3機械加工工程S9cは、第2時効工程S8で得られた第3ホイール前駆体を機械加工し、鍛造しろ6cを除去したディスク部20を形成する工程である。
第3機械加工工程S9cにおいては、切削加工が施される。
切削加工は、ホイールの略全体をマシニングセンターや旋盤等で削る加工である。切削加工により、鍛造しろ6cが除去され、その結果、円盤状のハブ部11及び該ハブ部11から放射状に延びるスポーク部10からなるディスク部20が形成される。
また、同時に、仕上げの切削加工により、ホイールのディスク部、内リム部、外リム部の形状が整えられる。
なお、第3機械加工工程S9cにおいては、切削加工の他に、穴開け加工を施してもよい。また、第3機械加工工程S9cにおいては、凹凸等の模様を表面に形成することにより、デザインをホイールに付与したり、ホイールに空部を設け更に軽量化したりすることも可能である。
(表面処理工程)
そして、第3実施形態に係るホイールの製造方法においては、第1実施形態に係るホイールの製造方法と同じように、表面処理工程S10を経ることにより、図1の(a)及び(b)に示すようなホイールが得られる。
(ホイールの製造方法の第4実施形態)
次に、ホイールの製造方法の第4実施形態について説明する。なお、第4実施形態に係るホイールの製造方法において、アルミニウム合金は、特に限定されないが、7204を用いることが好ましい。
第4実施形態に係るホイールの製造方法は、鋳造により成形される。このため、耐腐食性の観点から、ホイールにおけるCu含有率を0.05〜0.3wt%、好ましくは、0.05〜0.2wt%とする必要がある。これにより、十分な機械的強度を有するものとなる。
図15は、第4実施形態に係るホイールの製造方法の各工程を示すフローチャートである。
図15に示すように、第4実施形態に係るホイールの製造方法は、溶融したアルミニウム合金を所定の型枠に流し込んで鋳造成形し、ディスク部と外リム部と第4リム予備部材とが形成された第4加工体とする第1鋳造工程S12aと、該第4加工体の第4リム予備部材を温間スピニングにより加圧延展し、内リム部が形成された第4ホイール前駆体とするスピニング工程S3と、該第4ホイール前駆体を、溶体化処理する溶体化工程S4と、焼き入れを行う焼入れ工程S5と、常温で時効処理する常温時効工程S6と、過時効処理する第1時効工程S7と、該第1時効工程S7における過時効処理の温度よりも10℃以上高い温度で再度過時効処理する第2時効工程S8と、該第2時効工程S8を施した第4ホイール前駆体に機械加工を行う第4機械加工工程S9dと、該第4機械加工工程S9d後、表面全体の切欠き状の段差を除去すると共に、角部にはR面取を行う表面処理工程S10と、を備える。
第4実施形態に係るホイールの製造方法は、ホモ処理工程S1及び第1鍛造工程S2aの代わりに、第1鋳造工程S12aを施し、第1機械加工工程S9aの代わりに、第4機械加工工程S9dを施すこと以外は、第1実施形態に係るホイールの製造方法と同じである。すなわち、スピニング工程S3、熱処理工程及び表面処理工程S10は第1実施形態に係るホイールの製造方法と同じである。
第4実施形態に係るホイールの製造方法によれば、第1実施形態に係るホイールの製造方法と同様に、所定の温度で熱処理工程を経ることで、耐腐食性を確実に防止でき、軽量であり且つ機械的強さに優れるホイールが得られる。
(第1鋳造工程)
第1鋳造工程S12aは、溶融したアルミニウム合金を所定の型枠に流し込んで鋳造成形し、ディスク部と外リム部と第4リム予備部材とが形成された第4加工体とする工程である。
図16の(a)〜(d)は、第4実施形態に係るホイールの製造方法における第1鋳造工程を示す概略図であり、(e)は、第1鋳造工程で得られる第4加工体を示す断面図である。
まず、図16の(a)に示すように、第1鋳造工程S12aにおいては、上金型41、横型42及び下金型43からなる鋳造機の型枠に、溶融した7000系を流し込んで鋳造成形する。
このとき、溶融した7000を流し込む速度は、65〜90mm/minとすることが好ましい。
流し込む速さが65mm/min未満であると、速さが上記範囲内にある場合と比較して、金属結晶粒子の結晶粒径が不均一となる傾向にあり、流し込む速さが90mm/minを超えると、速さが上記範囲内にある場合と比較して、第4加工体が破損しやすくなる虞がある。
鋳造機に流し込まれた7000系は、その後、550℃以上で6時間以上加熱されることにより、均質化される。
ここで、上記冷却は、急冷することが好ましい。この場合、結晶粒が細かくなるメリットがある。
次に、図16の(b)に示すように、横型42を外し、上金型41を上昇させることにより、図16の(c)に示すように、下金型43を外し、最後に図16の(d)に示すように、上金型41から第4加工体を取り外し、湯口切りを施すことにより、図16の(e)に示す第4加工体7が得られる。
第4実施形態に係るホイールの製造方法における第4加工体7は、円盤状のハブ部11と、該ハブ部11から放射状に延びるスポーク部10とからなるディスク部20と、該ディスク部20と、ディスク部20の面方向に延設された外リム部9と、ディスク部20の周縁に立設された第4リム予備部材7bとが一体に成型されている。なお、第4リム予備部材7bにおいては、内リム部12上端のいわゆるフランジ部が略形成されており、後のスピニング工程において、ウエル部相当部位のみ或いはウエル部相当部位からフランジ部まで延展することにより、内リム部12が形成されることになる。
(スピニング工程、溶体化工程、焼入れ工程、常温時効工程、第1時効工程、第2時効工程)
そして、第4実施形態に係るホイールの製造方法においては、第1加工体4の代わりに、第4加工体7を用いて、第1実施形態に係るホイールの製造方法と同じように、スピニング工程S3、溶体化工程S4、焼入れ工程S5、常温時効工程S6、第1時効工程S7及び第2時効工程S8が施される。
(第4機械加工工程)
第4機械加工工程S9dは、第2時効工程S8で得られた第4ホイール前駆体に機械加工を行う工程である。
第4機械加工工程S9dにおいては、切削加工が施される。
切削加工は、ホイールの略全体をマシニングセンターや旋盤等で削る加工である。切削加工により、ホイールのディスク部、内リム部、外リム部の形状が整えられる。
なお、第4機械加工工程S9dにおいては、切削加工の他に、穴開け加工を施してもよい。また、第4機械加工工程S9dにおいては、凹凸等の模様を表面に形成することにより、デザインをホイールに付与したり、ホイールに空部を設け更に軽量化したりすることも可能である。
(表面処理工程)
そして、第4実施形態に係るホイールの製造方法においては、第1実施形態に係るホイールの製造方法と同じように、表面処理工程S10を経ることにより、図1の(a)及び(b)に示すようなホイールが得られる。
(ホイールの製造方法の第5実施形態)
次に、ホイールの製造方法の第5実施形態について説明する。なお、第5実施形態に係るホイールの製造方法において、アルミニウム合金は、特に限定されないが、7204を用いることが好ましい。
第5実施形態に係るホイールの製造方法は、鋳造により成形される。このため、耐腐食性の観点から、ホイールにおけるCu含有率を0.05〜0.3wt%、好ましくは、0.05〜0.2wt%とする必要がある。これにより、十分な機械的強度を有するものとなる。
図17は、第5実施形態に係るホイールの製造方法の各工程を示すフローチャートである。
図17に示すように、第5実施形態に係るホイールの製造方法は、溶融したアルミニウム合金を所定の型枠に流し込んで鋳造成形し、ディスク部とリム部とが形成された第5ホイール前駆体とする第2鋳造工程S12bと、該第5ホイール前駆体を、溶体化処理する溶体化工程S4と、焼き入れを行う焼入れ工程S5と、常温で時効処理する常温時効工程S6と、過時効処理する第1時効工程S7と、該第1時効工程S7における過時効処理の温度よりも10℃以上高い温度で再度過時効処理する第2時効工程S8と、該第2時効工程S8を施した第5ホイール前駆体に機械加工を行う第4機械加工工程S9dと、該第4機械加工工程S9d後、表面全体の切欠き状の段差を除去すると共に、角部にはR面取を行う表面処理工程S10と、を備える。
第5実施形態に係るホイールの製造方法は、第1鋳造工程S12a及びスピニング工程S3の代わりに、第2鋳造工程S12bを備えること以外は、第4実施形態に係るホイールの製造方法と同じである。すなわち、熱処理工程、第4機械加工工程S9d及び表面処理工程S10は第4実施形態に係るホイールの製造方法と同じである。
第5実施形態に係るホイールの製造方法によれば、第1実施形態に係るホイールの製造方法と同様に、所定の温度で熱処理工程を経ることで、耐腐食性を確実に防止でき、軽量であり且つ機械的強さに優れるホイールが得られる。
(第2鋳造工程)
第2鋳造工程S12bは、溶融したアルミニウム合金を所定の型枠に流し込んで鋳造成形し、ディスク部と内リム部及び外リム部からなるリム部とが形成された第5ホイール前駆体とする工程である。
図18の(a)〜(d)は、第5実施形態に係るホイールの製造方法における第2鋳造工程を示す概略図であり、(e)は、第2鋳造工程で得られる第5ホイール前駆体を示す断面図である。
まず、図18の(a)に示すように、第2鋳造工程S12bにおいては、上金型51、横型52及び下金型53からなる鋳造機の型枠に、溶融した7000系を流し込んで鋳造成形する。なお、上金型51及び下金型51の形状が異なり、リム部を形成するための模様が設けられた形状となっていること以外は、第4実施形態に係るホイールの製造方法における第2鋳造工程S12aと同じである。
次に、図18の(b)に示すように、横型52を外し、上金型51を上昇させることにより、図18の(c)に示すように、下金型53を外し、最後に図18の(d)に示すように、上金型51から第5ホイール前駆体を取り外し、湯口切りを施すことにより、図18の(e)に示す第5ホイール前駆体8が得られる。
第5実施形態に係るホイールの製造方法における第5ホイール前駆体8は、円盤状のハブ部11及び該ハブ部11から放射状に延びるスポーク部10からなるディスク部20と、ディスク部20の面方向に延設された外リム部9と、ディスク部20の周縁に立設された内リム部12と、が一体に成型されている。
(溶体化工程、焼入れ工程、常温時効工程、第1時効工程、第2時効工程、機械加工及び表面処理工程)
そして、第5実施形態に係るホイールの製造方法においては、第4実施形態に係るホイールの製造方法と同様に、溶体化工程S4、焼入れ工程S5、常温時効工程S6、第1時効工程S7、第2時効工程S8、機械加工S9d及び表面処理工程S10を経ることにより、図1の(a)及び(b)に示すようなホイールが得られる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、本実施形態に係るホイールにおいては、ディスク部20が、円盤状のハブ部11と、該ハブ部11から放射状に延びるスポーク部10と、からなるデザインとなっているが、これに限定されず、螺旋状、ディッシュ状、風車状等のデザインとしてもよい。
第1〜第5実施形態に係るホイールの製造方法においては、いずれも焼入れ工程S5を施しているが、焼入れ工程S5は、必ずしも施す必要はない。
第1〜第5実施形態に係るホイールの製造方法においては、いずれも常温時効工程S6を施しているが、常温時効工程S6は、必ずしも施す必要はない。
第1〜第5実施形態に係るホイールの製造方法においては、いずれも表面処理工程S10を施しているが、表面処理工程S10は、必ずしも施す必要はない。
第1実施形態に係るホイールの製造方法の第1鍛造工程S2a及び第3実施形態に係るホイールの製造方法の第2鍛造工程S2bにおいて、プレス機で鋳造ビレットを押圧する回数は、複数回であってもよい。
第1実施形態に係るホイールの製造方法の第1鍛造工程S2a及び第3実施形態に係るホイールの製造方法の第2鍛造工程S2bにおいては、閉塞鍛造で行っているが、自由鍛造、型鍛造、揺動鍛造、押出し鍛造、セクション鍛造(回転鍛造)等であってもよい。なお、型鍛造にはプレス鍛造、ハンマー鍛造が含まれる。
また、鍛造条件は、熱間鍛造で行っているが、温間鍛造、冷間鍛造、等温鍛造等であってもよい。
第1実施形態に係るホイールの製造方法の第1鍛造工程S2aにおいては、鍛造する際に、ディスク部を形成していないが、完全ではない仮のディスク部の模様は形成してもよい。これにより、後の第1機械加工工程において、ディスク部20を形成する際の負担が軽減される。なお、浅い模様付けは、例えば、揺動鍛造等が好ましく利用できる。
第1〜第5実施形態に係るホイールの製造方法においては、ディスク部20と、外リム部9と、内リム部12とが一体化した1ピースホイールとなっているが、2ピース或いは3ピースホイールであってもよい。
例えば、外リム部及び内リム部を別途制作し、ディスク部に周縁部に取着座を設けて該取着部に外リム部及び内リム部を螺着、摩擦圧接、リベット等によるかしめ手段で装着してもよい。この場合、それぞれが鍛造又は鋳造により成形されることになる。
ここで、第1〜第5実施形態に係るホイールの製造方法の概略と該ホイールの製造方法の変形例とを示す。
図19の(a)は、第1実施形態に係るホイールの製造方法における第1加工体、第1ホイール前駆体及びホイールを示す概略図であり、(b)は、第2実施形態に係るホイールの製造方法における第2ホイール前駆体及びホイールを示す概略図であり、(c)は、第3実施形態に係るホイールの製造方法における第3加工体、第3ホイール前駆体及びホイールを示す概略図であり、(d)は、第4実施形態に係るホイールの製造方法における第4加工体、第4ホイール前駆体及びホイールを示す概略図であり、(e)は、第5実施形態に係るホイールの製造方法における第5ホイール前駆体及びホイールを示す概略図である。
すなわち、図19の(a)に示す第1実施形態に係るホイールの製造方法おいては、鍛造により第1加工体4が形成され、温間スピニングにより第1ホイール前駆体54が形成され、機械加工による削り出しによりホイール100が形成される。
図19の(b)に示す第2実施形態に係るホイールの製造方法おいては、セクション鍛造により第2ホイール前駆体53が形成され、機械加工によりホイール100が形成される。
図19の(c)に示す第3実施形態に係るホイールの製造方法おいては、鍛造により第3加工体6が形成され、温間スピニングにより第3ホイール前駆体55が形成され、機械加工によりホイール100が形成される。
図19の(d)に示す第4実施形態に係るホイールの製造方法おいては、鋳造により第4加工体7が形成され、温間スピニングにより第4ホイール前駆体56が形成され、機械加工によりホイール100が形成される。なお、第4加工体7の内リムの長さは完成したホイール100の内リムの長さより少し短く形成されており、温間スピニングにより延展される。延展される際に塑性変形が行われ鍛錬効果が生じ、組織が微細化され材料強度が向上するためリムをより薄く形成することができるので軽量化が図れる利点がある。
図19の(e)に示す第5実施形態に係るホイールの製造方法おいては、鋳造により第5ホイール前駆体8が形成され、機械加工によりホイール100が形成される。
図20は、第3実施形態に係るホイールの製造方法の変形例を示す概略図である。
図20に示す第3実施形態に係るホイールの製造方法の変形例は、閉塞鍛造の代わりに、揺動鍛造を行っている点で相違する。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
7475からなる円柱状の鋳造ビレット(直径204mm、高さ219mm、重量20kg)を準備した。7475に示される成分を表2に示す。
(表2)
Figure 2012095940
まず、上記鋳造ビレットを温度480℃未満(好ましくは450℃)で略一昼夜、金属組成を均質化させるホモ処理を行った(ホモ処理工程S1)。
次に、鋳造ビレットの温度が413℃〜490℃、金型の温度が350℃〜420℃となるようにして加圧力7000トンの推力を有するプレス機で2段階の鍛造を行い、第3加工体6とした(第2鍛造工程S2b、図12の(a)及び(b)参照)。
次に、第3加工体6を加温条件下、プレス機で鍛造歪みの除去を行った(歪み取り工程S11、図14の(a)及び(b)参照)。
そして、第3加工体6の温度が150〜200℃となるように加温して、第3加工体6に対し温間スピニングを施し、第3ホイール前駆体とした(スピニング工程S3)。
次に、第3ホイール前駆体に対し、温度450℃で、2時間、溶体化処理を施し(溶体化工程S4)、その後、50〜60℃の温水による焼入れを4〜5分行い(焼入れ工程S5)、常温時効を24時間行い、再び加熱して徐々に昇温させ、温度100℃〜130℃で6時間、第1過時効処理を施し(第1時効工程S7)、続けて、温度150℃〜180℃で9〜24時間、第2過時効処理を施した(第2時効工程S8)。
次に、得られた第3ホイール前駆体の鍛造しろ6cを切削加工により除去し、ホイール全体を削り出して形状を整えることにより、ディスク部、内リム部、外リム部を形成した(第2機械加工工程S9b)。
空冷後、表面全体の切欠き状の段差を除去すると共に、角部にはR面取を行うため、ショットブラストを施した(表面処理工程S10)。
こうして、図1の(a)及び(b)に示すようなホイールを得た。
得られたホイールは、スポーク部の幅は7.4mmで、平均高さは24.8mmであった。また、重量は7.9kgであった。なお、従来の6151を用いたホイールが9.8kgであるので、約20%の重量が軽減されている。
(実施例2)
7204を準備した。7204に示される成分を表3に示す。
(表3)
Figure 2012095940
7475アルミニウム合金からなる円柱状の鋳造ビレットの代わりに、同サイズの7204アルミニウム合金からなる円柱状の鋳造ビレットを用いたこと以外は実施例1と同様にして、同形状のホイールを得た。
(実施例3)
焼入れ工程において、温水による焼き入れの代わりに、室温に保持しながら強い気流を全体に与える強制的空冷による焼き入れをしたこと以外は、実施例2と同様にして施し、ホイールを得た。
(実施例4)
7204を700〜750℃で溶融し溶融原料とし、連続鋳造法により鋳造型に流し込んだ。そして、温度が300℃になるまで自然冷却し、図16に示す要領で、第4加工体を得た(第1鋳造工程S12a、図16の(a)〜(e)参照)。
その後のスピニング工程、溶体化工程、焼入れ工程、常温時効工程、第1時効工程、第2時効工程、第1機械加工工程及び表面処理工程は、実施例1と同様にして施し、ホイールを得た。なお、焼入れ工程においては、50〜60℃の温水による焼き入れを行っている。
(実施例5)
焼入れ工程において、温水による焼き入れの代わりに、室温に保持しながら強い気流を全体に与える強制的空冷による焼き入れをしたこと以外は、実施例4と同様にして施し、ホイールを得た。
(比較例1)
7475からなる円柱状の鋳造ビレットの代わりに、同サイズの2014からなる円柱状の鋳造ビレットを用いたこと以外は実施例1と同様にして、同形状のホイールを得た。
(比較例2)
7475からなる円柱状の鋳造ビレットの代わりに、同サイズの6151からなる円柱状の鋳造ビレットを用い、溶体化処理の条件を温度540℃で4時間とし、水に浸漬する焼き入れを3〜4分とし、時効処理の条件を温度180℃で8時間としたこと以外は実施例1と同様にして、ホイールを得た。なお、6151は強度、耐食性に優れているので時効処理は1回としている。
得られたホイールのスポーク部の幅は7.6mmで、平均高さは26.5mmで、ウエル部の厚さは3.0mmであった。また、重量は9.8kgであった。
(比較例3)
AC4C(6000系)を用い、鋳造によりホイールを成形し、溶体化処理の条件を温度540℃で4時間とし、水に浸漬する焼き入れを3〜4分とし、時効処理の条件を温度180℃で8時間としたこと以外は、実施例2と同様にして、ホイールを得た。なお、AC4CはJIS規格であり、国際合金記号はISO:AlSi7Mgである。
得られたホイールのスポーク部の幅は9mmで、平均高さは28mmで、ウエル部の厚さは3.8mmであった。また、重量は8.96kgであった。
実施例1〜5及び比較例1〜3で得られたホイールの一覧を表4に示す。
(表4)
Figure 2012095940
(評価1)
実施例1〜3及び比較例1〜3で得られたホイールのスポーク部、ウエル部、内フランジ部、外フランジ部、ハブ部に対して、JIS−Z2241に準じて引張強さ、耐力、伸び、シャルピー衝撃値を測定した。なお、内フランジ部は、内リム部の端部に相当し、外フランジ部は、外リム部の端部に相当する。
得られた値を表5に示す。なお、表5中「−」は測定していないことを意味する。
(表5)
Figure 2012095940
表5に示すように、JIS−Z2241に準じた強度試験においては、実施例1の7475を用いたホイールが最も優れていることが判明した。特に、実施例3の空冷を施したホイールは、歪みが残留しやすいスポーク部であっても高い数値を示した。
この結果から、7000系においては、塑性変形を超える微細結晶粒超塑性現象が生じていると考えられる。
また、実施例1のホイールの強度と、一般に用いられる比較例2の6151を用いたホイールの強度とを対比すると、実施例1のホイールは、比較例2のホイールの1.5倍の強度を有しており、0.2%耐力も又同様の倍率を示している。このため、従来のホイール(比較例2)の代わりに、本発明のホイール(実施例1)を用いる場合、最大34%は軽量化が可能となる。
なお、実施例4及び5で得られたホイールについても同様の評価を行ったところ、比較例3の鋳造で得られたAC4Cホイールと略同等な結果であった。
上記伸び及びシャルピー値は、金属組織を更に微細化することにより、向上するものと考えられる。金属組織の微細化の方法としては、低圧鋳造を行うこと、鋳造後の冷却効果を早めることと、Zr成分の添加量を増やし焼き入れ性を向上させることで強制空冷の効果を高めること、成分元素としてはTi、Bを添加剤として用いること等が挙げられる。
(評価2)
実施例1及び2で得られたホイールに対して、JIS−H8711に準じて、応力腐食割れ(Cリング)試験を行った。
促進液として、純水1Lに対して、酸化クロム(無水クロム酸)36g、二酸化カリウム(重クロム酸カリウム)30g、塩化ナトリウム3gを混合した溶液を用いた。応力腐食割れ(Cリング)試験においては、連続浸漬法と交互浸漬法を採用した。
その結果、実施例1のホイールについては、900時間経過しても異常が認められなかった。また、実施例2のホイールについては、42日経過しても異常が認められなかった。
(評価3)
実施例1で得られたホイールに対して、JIS−D4103(ECE124に充当)に準じて回転曲げ疲労試験を行った。軽車両用であるため曲げモーメントは、1170N・mとした。なお、乗用車に於ける最大負荷としてVIA690KG条件での規定値が10万回である。
その結果、実施例1のホイールは、規定値の90倍に当たる904万回を達成した。また、亀裂等の欠陥は生じていない。
また、実施例4及び5で得られたホイールに対して、JIS−D4103(ECE124に充当)に準じて回転曲げ疲労試験を行った。軽車両用であるため曲げモーメントは、1170N・mとした。
その結果、実施例4及び5のホイールは、100万回を達成した。また、亀裂等の欠陥は生じていない。
(評価4)
実施例4及び5で得られたホイールを用い、焼入れ工程(水冷又は空冷)の際の焼き入れ時間とブリネル硬度(HB)の関係を調査した。水冷は50〜60℃の温水を使用した。
得られた値を表6に示す。
(表6)
Figure 2012095940
表6に示す結果より、溶体化工程における焼入れを空冷で行うと、焼入れ直後に歪みが残らないというメリットがあり、水冷で行うと、ブリネル硬度がより安定するというメリットがあることがわかった。
(評価5)
実施例3のホイールにおいて、リム部、内フランジ部、スポーク部、外フランジ部、ハブ部等から採取した14箇所の材料強度試験結果の最大値、最小値及び平均値を表7に示す。
(表7)
Figure 2012095940
表7の結果より、シャルピー値は平均値で36.5J/cmとかなり高い数値を示していた。
(評価6)
実施例3及び比較例2で得られた(熱処理工程後の)ホイールについて、高さ測定と、面振れ測定とを行った。
図21の(a)は、実施例の評価6における高さ測定の方法を示す概略図であり、(b)は、高さ測定の測定位置を示す概略図であり、(c)は、実施例の評価6における面振れ測定方法を示す概略図である。
また、同様にして、鍛造工程後、スピニング工程後、焼入れ工程後の加工体、ホイール前駆体についても測定した。
1.図21の(a)に示すように、高さ測定においては、外リム9の外フランジ面と、センターカバー取り付け面との距離H3を測定した。なお、測定箇所は、図21の(b)に示す5箇所とした。
2.図21の(c)に示すように、面振れ測定においては、ホイールを垂直回転軸60に装着し、回転させたときの外フランジ面の振れをダイヤルゲージ61にて測定した。
得られた結果を表8及び表9に示す。
(表8)
Figure 2012095940
(表9)
Figure 2012095940
表8及び表9の結果より、実施例3のホイールは、比較例2のホイールに比べて、面振れが平均値で約1/3程度に抑えられることが確認できた。
本発明のホイールは、車両用、航空機用車、現在実用化のため開発が行われているリニアモータを用いた鉄道用車両等の用途に好適に用いられる。特に、車両用に用いると、バネ下重量を軽減することにより、車両を軽量化することができる。このため、ガソリン等による環境負荷を低減できる。
また、車両等に用いた場合、走行時にホイールのリム或いはディスク部に衝撃が発生しても、破損することが防止され、たとえ、亀裂が生じたとしても、耐力及び伸びが大きいので亀裂が一気に大きくならない。なお、亀裂が生じた場合、タイヤ空気圧が徐々に減少するので、操縦者が異常に気付き、大きな事故につながらない等、安全性の高いホイールを提供できる。
1・・・処理鋳造ビレット(鋳造ビレット)
2,21,22,41,51・・・上金型
3,23,31,43,53・・・下金型
4,14・・・第1加工体
4a・・・ディスク部前駆体
4b・・・第1リム予備部材(リム予備部材)
6・・・第3加工体
6b・・・第3リム予備部材(リム予備部材)
6c・・・鍛造しろ
7・・・第4加工体
7b・・・第4リム予備部材(リム予備部材)
8・・・第5ホイール前駆体(ホイール前駆体)
9・・・外リム部
10・・・スポーク部
11・・・ハブ部
12・・・内リム部
12a・・・ウエル部
13・・・端部
14b・・・円筒部
15・・・スピニング受け金型
16・・・スピニング押し金型
17・・・ローラー
20・・・ディスク部
23a・・・ノックアウト部
30・・・リム部
42,52・・・横型
53・・・第2ホイール前駆体(ホイール前駆体)
53b・・・第2リム予備部材(リム予備部材)
54・・・第1ホイール前駆体
55・・・第3ホイール前駆体(ホイール前駆体)
56・・・第4ホイール前駆体(ホイール前駆体)
60・・・垂直回転軸
61・・・ダイヤルゲージ
100・・・ホイール
H1,H2,H3・・・高さ
M1・・・溶体化処理
M2・・・焼入れ処理
M3・・・第1過時効処理
M4・・・第2過時効処理
M5・・・空冷
S1・・・ホモ処理工程
S2a・・・第1鍛造工程
S2b・・・第2鍛造工程
S3・・・スピニング工程
S4・・・溶体化工程
S5・・・焼入れ工程
S6・・・常温時効工程
S7・・・第1時効工程
S8・・・第2時効工程
S9a・・・第1機械加工工程
S9b・・・第2機械加工工程
S9c・・・第3機械加工工程
S9d・・・第4機械加工工程
S10・・・表面処理工程
S11・・・歪み取り工程
S12a・・・第1鋳造工程
S12b・・・第2鋳造工程
本発明は、(1)ディスク部と、該ディスク部の周縁に(一体連続又は組立てで)設けられた外リム部及び内リム部からなるリム部と、を有する国際合金記号7475アルミニウム合金からなるホイールであって、鍛造により成形され、Cu含有率が1.2〜1.9wt%であり、JIS−Z2241に準拠する引張強さが450MPa以上であり、JIS−Z2241に準拠する0.2%耐力が400MPa以上であり、JIS−Z2242に準拠するシャルピー衝撃値が18.0J/cm 以上であるホイールに存する。
本発明は、(2)国際合金記号7475アルミニウム合金に対して、金属元素の含有率を加減し、ホイールのデザイン及び機能に対処するようにした上記(1)記載のホイールに存する。
本発明は、()内リム部のうちのウエル部の厚みが2.8mm以下であり、JIS−D4103に準拠する回転曲げ疲労試験におけるVIA(日本車輌検査協会)が規定する荷重記号690KG条件で100万回転以上を達成する上記(1)又は(2)に記載のホイールに存する。
本発明は、()上記()に記載のホイールの製造方法であって、鋳造ビレットを450〜500℃で加熱し、金属組織を安定化させるホモ処理工程と、該ホモ処理工程を施した鋳造ビレットを鍛造により成形し、第1リム予備部材が形成された第1加工体とする第1鍛造工程と、該第1加工体の第1リム予備部材を温間スピニングにより加圧延展し、内リム部が形成された第1ホイール前駆体とするスピニング工程と、該第1ホイール前駆体を、熱処理する熱処理工程と、該熱処理工程を施した第1ホイール前駆体を機械加工し、ディスク部及びリム部を形成する第1機械加工工程と、を備えるホイールの製造方法に存する。
本発明は、()上記()に記載のホイールの製造方法であって、鋳造ビレットを450〜500℃で加熱し、金属組織を安定化させるホモ処理工程と、該ホモ処理工程を施した鋳造ビレットを鍛造により成形し、(底部に模様付き又は模様無しから成る)有底円筒状の第1加工体とする第1鍛造工程と、該第1加工体の円筒部を温間スピニングにより加圧延展し、第2ホイール前駆体とするスピニング工程と、該第2ホイール前駆体を、熱処理する熱処理工程と、該熱処理工程を施した第2ホイール前駆体を機械加工し、削り出しによりディスク部、内リム部及び外リム部を形成する第2機械加工工程と、を備えるホイールの製造方法に存する。
本発明は、()上記()に記載のホイールの製造方法であって、鋳造ビレットを450〜500℃で加熱し、金属組織を安定化させるホモ処理工程と、該ホモ処理工程を施した鋳造ビレットを鍛造により成形し、鍛造しろを有する模様付きディスク部と外リム部と第3リム予備部材とが形成された第3加工体とする第2鍛造工程と、該第3加工体の鍛造歪みを除去する歪み取り工程と、該歪み取り工程を施した第3加工体の第3リム予備部材を温間スピニングにより加圧延展し、内リム部が形成された第3ホイール前駆体とするスピニング工程と、該第3ホイール前駆体を、熱処理する熱処理工程と、該熱処理工程を施した第3ホイール前駆体を機械加工し、鍛造しろを除去する第3機械加工工程と、を備えるホイールの製造方法に存する。
本発明は、()熱処理工程が、490℃以下にて溶体化処理する溶体化工程と、焼き入れを行う焼入れ工程と、常温で時効処理する常温時効工程と、100〜125℃で過時効処理する第1時効工程と、該第1時効工程における過時効処理の温度よりも10℃以上高い温度で再度過時効処理する第2時効工程と、からなる上記()〜()のいずれか1つに記載のホイールの製造方法に存する。
本発明は、()機械加工工程の後、表面全体の切欠き状の段差を除去すると共に、角部にはR面取を行う表面処理工程を更に備える上記()〜()のいずれか1つに記載のホイールの製造方法に存する。
本発明は、()表面処理工程が、ショットブラスト、サンドブラスト又はバレル研磨である上記()記載のホイールの製造方法に存する。

Claims (15)

  1. ディスク部と、該ディスク部の周縁に設けられた外リム部及び内リム部からなるリム部と、を有するホイールであって、
    国際合金記号7000系アルミニウム合金からなるホイール。
  2. 国際合金記号7475アルミニウム合金からなるホイールであって、
    鍛造により成形され、
    Cu含有率が1.2〜1.9wt%であり、
    JIS−Z2241に準拠する引張強さが450MPa以上であり、
    JIS−Z2241に準拠する0.2%耐力が400MPa以上であり、
    JIS−Z2242に準拠するシャルピー衝撃値が18.0J/cm以上である請求項1記載のホイール。
  3. 国際合金記号7204アルミニウム合金からなるホイールであって、
    鍛造により成形され、
    Cu含有率が0.2wt%以下であり、
    JIS−Z2241に準拠する引張強さが300MPa以上であり、
    JIS−Z2241に準拠する0.2%耐力が210MPa以上であり、
    JIS−Z2242に準拠するシャルピー衝撃値が14.3J/cm以上である請求項1記載のホイール。
  4. 国際合金記号7204アルミニウム合金からなるホイールであって、
    鋳造により成形され、
    Cu含有率が0.05〜0.2wt%であり、
    JIS−Z2241に準拠する引張強さが230MPa以上であり、
    JIS−Z2241に準拠する0.2%耐力が190MPa以上である請求項1記載のホイール。
  5. 請求項2記載のホイールにおける国際合金記号7475アルミニウム合金、請求項3記載のホイールにおける国際合金記号7204アルミニウム合金、又は、請求項4記載のホイールにおける国際合金記号7204アルミニウム合金、に対して、金属元素の含有率を加減し、
    ホイールのデザイン及び機能に対処するようにしたホイール。
  6. 前記内リム部のうちのウエル部の厚みが2.8mm以下であり、
    JIS−D4103に準拠する回転曲げ疲労試験におけるVIA(日本車輌検査協会)が規定する荷重記号690KG条件で100万回転以上を達成する請求項1〜5のいずれか1項に記載のホイール。
  7. 請求項2又は3に記載のホイールの製造方法であって、
    鋳造ビレットを450〜500℃で加熱し、金属組織を安定化させるホモ処理工程と、
    該ホモ処理工程を施した鋳造ビレットを鍛造により成形し、第1リム予備部材が形成された第1加工体とする第1鍛造工程と、
    該第1加工体の第1リム予備部材を温間スピニングにより加圧延展し、内リム部が形成された第1ホイール前駆体とするスピニング工程と、
    該第1ホイール前駆体を、熱処理する熱処理工程と、
    該熱処理工程を施した第1ホイール前駆体を機械加工し、ディスク部及びリム部を形成する第1機械加工工程と、
    を備えるホイールの製造方法。
  8. 請求項2又は3に記載のホイールの製造方法であって、
    鋳造ビレットを450〜500℃で加熱し、金属組織を安定化させるホモ処理工程と、
    該ホモ処理工程を施した鋳造ビレットを鍛造により成形し、有底円筒状の第1加工体とする第1鍛造工程と、
    該第1加工体の円筒部を温間スピニングにより加圧延展し、第2ホイール前駆体とするスピニング工程と、
    該第2ホイール前駆体を、熱処理する熱処理工程と、
    該熱処理工程を施した第2ホイール前駆体を機械加工し、削り出しによりディスク部、内リム部及び外リム部を形成する第2機械加工工程と、
    を備えるホイールの製造方法。
  9. 請求項2又は3に記載のホイールの製造方法であって、
    鋳造ビレットを450〜500℃で加熱し、金属組織を安定化させるホモ処理工程と、
    該ホモ処理工程を施した鋳造ビレットを鍛造により成形し、鍛造しろを有する模様付きディスク部と外リム部と第3リム予備部材とが形成された第3加工体とする第2鍛造工程と、
    該第3加工体の鍛造歪みを除去する歪み取り工程と、
    該歪み取り工程を施した第3加工体の第3リム予備部材を温間スピニングにより加圧延展し、内リム部が形成された第3ホイール前駆体とするスピニング工程と、
    該第3ホイール前駆体を、熱処理する熱処理工程と、
    該熱処理工程を施した第3ホイール前駆体を機械加工し、鍛造しろを除去する第3機械加工工程と、
    を備えるホイールの製造方法。
  10. 請求項4記載のホイールの製造方法であって、
    溶融したアルミニウム合金を所定の型枠に流し込んで鋳造成形し、ディスク部と外リム部と第4リム予備部材とが形成された第4加工体とする第1鋳造工程と、
    該第4加工体の第4リム予備部材を温間スピニングにより加圧延展し、内リム部が形成された第4ホイール前駆体とするスピニング工程と、
    該第4ホイール前駆体を、熱処理する熱処理工程と、
    該熱処理工程を施した第4ホイール前駆体に機械加工を行う第4機械加工工程と、
    を備えるホイールの製造方法。
  11. 請求項4記載のホイールの製造方法であって、
    溶融したアルミニウム合金を所定の型枠に流し込んで鋳造成形し、ディスク部とリム部とが形成された第5ホイール前駆体とする第2鋳造工程と、
    該第5ホイール前駆体を、熱処理する熱処理工程と、
    該熱処理工程を施した第5ホイール前駆体に機械加工を行う第4機械加工工程と、
    を備えるホイールの製造方法。
  12. 前記第2鋳造工程後、前記第5ホイール前駆体のリム部を温間スピニングにより更に加圧延展するスピニング工程を行う請求項11記載のホイールの製造方法。
  13. 前記熱処理工程が、
    490℃以下にて溶体化処理する溶体化工程と、
    焼き入れを行う焼入れ工程と、
    常温で時効処理する常温時効工程と、
    100〜125℃で過時効処理する第1時効工程と、
    該第1時効工程における過時効処理の温度よりも10℃以上高い温度で再度過時効処理する第2時効工程と、
    からなる請求項7〜12のいずれか1項に記載のホイールの製造方法。
  14. 前記機械加工工程の後、表面全体の切欠き状の段差を除去すると共に、角部にはR面取を行う表面処理工程を更に備える請求項7〜11のいずれか1項に記載のホイールの製造方法。
  15. 前記表面処理工程が、ショットブラスト、サンドブラスト又はバレル研磨である請求項14記載のホイールの製造方法。
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