JP2001252754A - アルミホイール及びその製造方法 - Google Patents

アルミホイール及びその製造方法

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JP2001252754A
JP2001252754A JP2000064518A JP2000064518A JP2001252754A JP 2001252754 A JP2001252754 A JP 2001252754A JP 2000064518 A JP2000064518 A JP 2000064518A JP 2000064518 A JP2000064518 A JP 2000064518A JP 2001252754 A JP2001252754 A JP 2001252754A
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semi
rim
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casting
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Yoshio Kaneuchi
良夫 金内
Hajime Itou
哉 伊藤
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Hitachi Metals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 全体の機械的強度が高くデザイン面の意匠性
に優れたアルミホイールおよびその製造方法を提供す
る。 【解決手段】 車軸が装着されるハブ部とその周囲に設
けられたデザイン部を有するディスク部と、その外周部
にリム部とを有するアルミホイールの製造方法であっ
て、(a)半溶融状態である半溶融合金を得る工程と、
(b)前記半溶融合金をディスク部形状に形成された金
型キャビティ内に加圧充填してディスク部を作成する工
程と、(c)前記ディスク部と別途作成されたリム部と
を接合する工程と、を含むことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機械的性質および
意匠性に優れたアルミニウム合金製のアルミホイールお
よびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近の省エネルギーの観点から自動車の
軽量化が推進され、自動車のアルミホイールも従来のス
チールホイールからアルミホイールが使用されるように
なってきた。このアルミホイールの製造方法としては、
低圧鋳造法(例えば特開平8−243720号、同8−
318362号参照)、重力鋳造法、高圧鋳造法、鍛造
法又は溶湯鍛造法が知られているが、これらの内では、
低圧鋳造法又は鍛造法が一般的である。低圧鋳造法は、
デザインの自由度が大でかつ他の方法よりも低価格のア
ルミホイールが得られるという利点を有する。しかるに
低圧鋳造法では、鍛造品よりも機械的強度が低く(但し
センターゲートタイプの鋳造方案(金型の中心に溶湯の
注入口を設置)ではディスク部の強度が低く、サイド2
ゲートタイプの鋳造方案(金型の両サイドに溶湯の注入
口を設置)ではリム部の強度が低い)、又リム幅の大な
るホイールを製造しにくいという問題がある。鍛造法
は、低圧鋳造品よりも機械的強度が大でしかもリム幅の
大なるホイールを得やすいという利点がある。しかるに
鍛造法によれば、価格高となり又デザインの自由度が小
さいという問題がある。
【0003】上記の問題を解決するために、ホイールの
デザイン部を含むディスク部とリム部を別途作成し、各
々を接合するアルミホイールの製造方法がある。通常リ
ム部とディスク部との2つを接合するものは2ピースホ
イールと呼ばれ、リム部をさらに内リム部と外リム部に
分割して、ディスク部と接合するものは3ピースホイー
ルと呼ばれる。これらの利点として軽量化やデザインに
自由度がある点が挙げられ、検討・製造が行われてい
る。
【0004】表1に示すように、ディスク部の製造方法
においては主に3つに分類される。通常、アルミホイー
ルは車体にとりつけるパーツとして非常に意匠性が高く
評価されるため、複雑な形状を具備させることが重要な
のはいうまでもない。プレス品は利点として機械的性質
がよく非常に安価に製造できるが、複雑な意匠性をもた
せることは難しい。また、鋳造素材に鍛造を施す溶湯鍛
造法もあるが、これは鋳造品と鍛造品の中間的なものあ
る。この方法ではデザイン部の機械的特性をある程度向
上できるが意匠性もある程度しか向上できない。アルミ
ホイールは重要保安部材であるためダイカスト製造では
複雑形状のディスク形状である金型キャビティ内で引け
巣等が発生するため通常採用されない。車両の外観はア
ルミホイール形状にも大きく影響されるため、ディスク
部の製造には鋳造品が一般に使用されている。なお鋳造
法で一体成形する場合を除き、リム部はコストを低減す
るため展伸材がよく用いられる
【0005】
【表1】
【0006】また最近では、上述した従来の鋳造法とは
別に、溶湯を半溶融状態にしたビレットをダイカストマ
シンの金型内に圧入する半溶融鋳造法(Semisolid Mol
ding)によりアルミホイールを製造することが検討され
ている。この半溶融鋳造法には、溶湯を完全に冷却して
凝固させたビレットを再加熱して半溶融状態にした後鋳
造するチクソキャスト(Thixo cast)法(例えば特開
平7−74015号)と、溶湯に剪断力を与えながら冷
却し、半溶融状態にして鋳造するレオキャスト(Rhocas
t)法(例えば特開平8−257722号)とがある。
チクソキャスト法は既に実用化されているが、所定の組
成を有するビレットを準備し、これを半溶融温度領域で
例えば電磁攪拌後連続鋳造して、α相を粒状化してから
再加熱して球状化する手法であり、製造コストが高くな
るという問題がある。一方レオキャスト法によれば、ビ
レットを使用しないので、コスト的にはチクソキャスト
法よりも有利である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の製造方法で
は以下のような問題がある。鋳造法で製造したデザイン
部は表1に記載したとおり意匠性には優れているが機械
的性質が鍛造品に比べ若干劣るという問題がある。対し
て上記したようにプレス品や鍛造品では良好な機械的性
質が得られても意匠性に乏しい。また、半溶融鋳造法で
もブリスタを防止するために充填速度を小さくする必要
があり、その様に充填速度を小さくすると湯流れ不良が
発生するので、アルミホイールを作成する場合にはリム
部の長さを大きくできないし、又リム部の強度が不足す
るという問題がある。本発明の目的は、全体の機械的強
度が高いとともにデザイン面の意匠性に優れたアルミホ
イールおよびその製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明においては、 車軸が装着されるハブ部とそ
の周囲に設けられたデザイン部を有するディスク部と、
その外周部にリム部とを有するアルミホイールの製造方
法であって、(a)半溶融状態である半溶融合金を得る
工程と、(b)前記半溶融合金をディスク部形状に形成
された金型キャビティ内に加圧充填してディスク部を作
成する工程と、(c)前記ディスク部と別途作成された
リム部とを接合する工程と、を含むことを特徴とするア
ルミホイールの製造方法を採用したものである。この製
造方法を用いることで意匠性に優れるとともに非常に機
械的性質が高いディスク部と、安価でかつ機械的性質が
高いリム部とを有するアルミホイールとすることが可能
である。
【0009】本製法では上記の方法でディスク部を鋳造
するため、鍛造方法、プレス成形と比較して格段に意匠
性のよいデザイン面を成形することが可能である。ディ
スク面のみの鋳造であるため、リム部またはリム成形部
等まで溶湯を充填させる必要がないので非常に薄肉であ
る余肉の無い意匠性に優れたディスク部が製造可能であ
る。また、低圧鋳造や、チクソキャスト、レオキャスト
と異なり、リム部は単体で製造したものを接合するので
鋳造欠陥、余肉が極めて少なく、寸法精度もよいリム部
とすることが可能である。ディスク部は実質的に粒状化
された基地組織を有する。ディスク部とリム部との間の
接合部とは特に接合方法に限定されず広義の意味を持
つ。例えばリベット等で接合しても良いし、溶接や圧接
で接合しても良い。高機械的特性を有するアルミホイー
ルとするためT6処理等の溶体化処理を行うことが望ま
しい。溶体化処理はディスク部をリム部に接合する前に
ディスク部のみ行っても良いし、接合した後に行っても
よい。15インチ以下のアルミホイールを製造する場
合、比較的に強度の規格が低いため組成等を変えてやる
ことで熱処理を省くことも可能である。
【0010】リム部は展伸加工を施したアルミニウム合
金製リムを用いることが好ましい。鋳造リムよりも信頼
性が高く、延性に優れたリム部とすることが可能であ
り、走行中に強い衝撃を受けても変形のみで欠損するこ
とを抑制することが可能である。ディスク部とリム部の
接合は例えば摩擦圧接、ビス止め、電子ビーム溶接、電
気溶接、ロウ付、拡散接合等、適宜選択が可能である。
また、2ピースホイール、3ピースホイール等、特に限
定されないで使用することができる。
【0011】本製法では金属を溶解して液相線近傍の温
度で鋳込むので、鋳込む際に使用する鋳込みスリーブが
高熱で損傷することが少なくなり、また鋳込みスリーブ
内溶融金属を液相線近傍から液相線より低く固相線また
は共晶線より高い所定の温度まで低下させる過程で機械
撹拌、電磁撹拌その他、固液体共存状態でせん断を与え
ることなく、溶融金属の初晶が実質的に球状化されて半
溶融状態となり、かかる半溶融合金を金型キャビティ内
に加圧充填して凝固させるのでディスク部のような複雑
なキャビティ内でもブリスタなどが発生せず機械的強度
の高いアルミホイールが得られる。ここでいう実質的に
粒状化されているとはデンドライト相とならない球形状
のものを指す。
【0012】ホイールは回転運動を行うため、一様に均
一な強度を具備するディスク部とする必要がある。ディ
スク部は軽量のためだけでなく車体の意匠性を考慮して
不均一な形状に設計されている。よって特にディスク部
の軽量化を計った場合には箇所ごとの強度が異なるやす
い。本発明のようにディスク部を上記製造方法で鋳造す
る際にはディスク部の組織形状を均一にすることが望ま
しく、溶湯の凝固をディスク部の中心に対して略均一に
行う必要がある。溶湯が軸を中心に均一に充填されるよ
うディスク部形状である金型キャビティは回転軸を縦方
向とし、半溶融金属をキャビティに注湯する注湯口は軸
中心部を含むようにすることで略均一に溶湯が周り、組
織を均一にすることが可能である。
【0013】本発明において液相線近傍の温度は例えば
AC4CH合金では液相線以下10℃付近から液相線よ
り約40℃程度上までである。それより高いとデンドラ
イトが成長し、それより低いと注湯前にデンドライトが
発生する。
【0014】高機械特性を目的とするAl合金として
は、重量%で、Si6.0〜8.0%、Mg0.1〜
1.0%、必要によりCu0.6%以下を含み、残部が
実質的にアルミニウムと不可避の不純物からなる組成を
有するものを用い得る。各成分の作用と含有量の限定理
由は次の通りである。Siの含有量は6.0〜8.0%
とする。Siは湯流れ性を良くするために添加するが、
6.0%未満ではその効果がなく、8.0%を越えると
靱性を低下させる。Mgの含有量は0.1〜1.0%と
する。MgはSiと共にMgSiを析出させ、機械的
強度を向上させ、熱処理性を付与するが、0.1%未満
ではその効果がなく、1.0%を越えると靱性が低下す
る。好ましくは0.2〜0.4%である。CuはAl合
金の基地に固溶して強度を高めるが、その含有量が0.
6%を越えると、鋳造性が低下し、又塑性加工性も低下
する。
【0015】また本発明で用いるAl−Si−Mg系合
金は次の成分を含有してもよい。Fe、Zn、Cr、N
i、Tiは、下記範囲内の含有量であれば、合金の基地
を強化し、強度を向上するが、その含有量が多いと、加
工性を低下させる。すなわち、Fe:0.20%以下、
Mn:0.10%以下、Zn:0.10%以下、Cr:
0.05%以下、Ni:0.05%以下、Ti:0.2
0%以下である。PbとSnは、各々0.05%以下の
含有量であれば、被削性を向上するが、その含有量が多
いと靱性が低下する。SrとSbは鋳造組織の共晶Si
を微細化するために添加されるが(改良処理剤として作
用する)、その含有量は、Sr:0.012%以下、S
b:0.06%以下がよい。
【0016】溶融金属をスリーブ中で半溶融状態まで冷
却し粒状の初晶を得るために注湯したスリーブ内の溶湯
を所定内の冷却速度で冷却する。この冷却速度は10℃
/s未満程度の冷却速度とするのが好ましい。それによ
り生成する初晶を粒状化することができる。以上のよう
に所定内の冷却速度で冷却する具体的方法としては、 (1)スリーブをセラミック等の低熱伝導材とし、スリ
ーブ表面の冷却速度を小さくし、内部の冷却速度が上述
した10℃/s以下の範囲よりも遅い場合は必要により
外部より冷却する。 (2)金属スリーブの場合は予め加熱して初期温度を高
くする。特にAC4CH材の場合スリーブの初期温度を
200℃以上とする。その際に溶融金属の内部の冷却速
度が10℃/sより小さくなる場合は冷却を行う。 (3)冷却容器をコールドクルーシブルとし、高周波で
溶湯表面を加熱し、容器を冷却しつつ溶湯に熱量を与え
ることにより溶湯表面の冷却速度を制御すると共に溶湯
内部を所定の冷却速度で冷却する。 以上の本発明においては鋳込みスリーブ内で粒状化した
半溶融状態金属を金型キャビティ内に充填する途中で球
状化することが好ましい。それにより粒子も微細とな
り、湯流れもさらに良好となる。
【0017】その場合溶融金属を流動化することにより
球状化することができ、溶融金属を流動化する手段とし
ては例えば溶融金属を電磁撹拌する手段が挙げられる。
また、金型キャビティ内に充填される際の溶湯の流動に
よっても、組織は粒状から球状に変化する。また、本発
明においては鋳込みスリーブ内で半溶融状態金属の固相
率を30〜60%に制御することが好ましい。それによ
り溶融金属にチキソトロピー性を付与することができ、
しかも湯流れを良好に保つことができる。すなわち半溶
融状態金属の固相率を30%以上とすることにより溶融
金属にチキソトロピー性を付与することができ一方半溶
融状態金属の固相率を60%未満とすることにより粘性
が過度に高くなることを防止して湯流れを良好に保つこ
とができる。
【0018】また、本発明においては鋳込みスリーブ内
筒部の少なくともその一部を低熱伝導材とすると共にス
リーブを冷却することが好ましい。それにより溶融金属
の冷却速度を制御して初晶を粒状にすることができる。
すなわち鋳込みスリーブ内筒部の少なくともその一部を
低熱伝導材とすることにより溶融金属が熱を奪われるこ
とが少なくなり、鋳込みスリーブを予熱しなくても半溶
融で粒状の組織が得られる。上記の低熱伝導材として鋳
込みスリーブの内壁部にサイアロンを用いることによ
り、溶融金属が濡れ難いという利点が得られる。
【0019】更に、本発明においては鋳込みスリーブ内
の半溶融状態金属を層流状態で金型キャビティ内に加圧
充填し、その後高圧を付与することが良い。それによ
り、半溶融状態金属へのガスの巻き込みを防止して、ブ
リスタの発生を防止することができる。また、金型キャ
ビティ内を、少なくとも半溶融状態金属を充填時に減圧
雰囲気および/または不活性ガス雰囲気としたり、前記
鋳込みスリーブ内を不活性ガス雰囲気とするのが好まし
い。その様にすることにより、材料が半溶融状態を保つ
よう温度コントロールすることができると共に表面の酸
化が防止され、特別な表面層除去法を実施することなく
良好な製品を得ることが出来る。
【0020】更にまた、本発明においては、前記鋳込み
スリーブの外筒部の少なくとも一部に導電体を複数個配
置し、前記導電体の外部の誘導コイルにより磁場を形成
し、前記鋳込みスリーブ内溶融金属を液相線近傍から液
相線より低く固相線または共晶線より高い所定の温度ま
で低下させ、加熱または保温すると共に撹拌した後、前
記金型キャビティ内に加圧充填するのが好ましい。それ
により半溶融状態の材料および導電部には電磁誘導によ
る電流が発生し、それらの誘導電流と磁場の相互作用に
よる電磁体積力が被融解物を鋳込スリーブ表面から遠ざ
ける方向に作用して材料と鋳込スリーブの接触を防止す
る方向に働く。このため接触による温度低下が少なく溶
融金属表面における凝固片の発生が少くなると共に溶融
金属の温度低下が少なく、しかも温度分布が均一になっ
て充填される。また鋳込みスリーブ自身の温度上昇が抑
えられることにより鋳込みスリーブの変形が少なくなり
鋳込みスリーブの機械的精度を維持することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下本発明の詳細を添付図面によ
り説明する。図1は本発明の一実施例に係るアルミホイ
ールの断面図である。図1において、アルミホイール1
a、1bは、車軸孔を有するハブとその周囲に設けられ
たデザイン部を有するデイスク部11a,11bを有す
る。12a,12bはディスク部11a,11bの外周
部(デザイン側)に形成されたリム部であり、ディスク
部とは別途製造されたものを接合した。図1(a)は摩
擦圧接法による接合部13aを有するものであり、図1
(b)はビス止めによる接合部13bを有するものであ
る。このアルミホイールは、Al−Si−Mg系合金か
らなり、ディスク部11a,11bは、図5に示すよう
に実質的に球状化された基地組織を有していた。リム部
12a,12bは図4(a)に示す遠心鋳造機4により
リム素材を鋳造した。まず遠心鋳造装置4の溶湯供給口
43へ溶湯を充填し、モータ41に連結されている鋳型
42へ溶湯を落下させた。前記鋳型42の内径はφ280
〜330mm×高さ100〜150mmであり、リム素材12c
が均等な厚さ5〜8mmである円筒形状になるように遠
心鋳造を行った。遠心鋳造時、鋳型42のモータ41で
の回転数は250〜350rpmであり、鋳型3内面に
はArガスを導入して酸素濃度を5%以下として酸化の
防止を図った。次に、図4(b)に示すロール5を用い
てリム素材に塑性加工を施し、所望のリム部12とし
た。
【0022】図2、3は本発明のディスク部の製造方法
を実施するための装置の一例を示す断面図である。図2
は半溶融金属を鋳込むための鋳込み装置を示し、図3は
該装置が溶湯を鋳込む金型を示したものである。製造装
置3は、保持炉内の溶融金属18を搬送し、半溶融金属
を形成する鋳込みスリーブと、この半溶融金属を金型2
に向って押し出すプランジャ14を有する。鋳込みスリ
ーブは、セラミックス等の絶縁体16とその外部に具備
されるオーステナイト系ステンレス鋼等の導電体の冷却
手段17からなる内筒15と、その周囲に設けられた誘
導コイル19とを有する。図3の金型2は、基板21に
下ホルダ22を介して固定された固定金型23と、可動
板26に上ホルダ25を介して支持された可動金型24
を有する。可動板26は端部がガイド27に沿って固定
金型23に対して進退自在に支持されている。28はキ
ャビティであり、固定金型23、可動金型24、プラン
ジャ14により形成されている。
【0023】次に上記装置による動作を説明する。所定
の組成を有する合金を溶解して、その溶湯を液相線(6
26℃)近傍の温度(620〜630℃)に維持してお
き、この溶湯をラドルから鋳込みスリーブ内に注入す
る。この時冷却手段17に冷却媒体(例えば水又は空
気)を供給することにより、溶湯を液相線近傍の温度か
ら液相線より低く固相線又は共晶線より高い温度(58
0℃程度)まで冷却させる。これにより合金溶湯は初晶
が粒状化された半溶融状態となる。また溶湯の半溶融化
の過程では、誘導コイル19に通電することにより、半
溶融溶湯を電磁的に攪拌する。次いでプランジャ14を
作動させて、キャビティ28内に半溶融化した溶湯を射
出充填する。そしてキャビティ28内に注入された溶湯
が凝固した後、型開きを行ってディスク部を金型23、
24から取出す。このディスク部を別途製造したリム部
と接合した。
【0024】
【実施例】図1に示す装置を用いて、アルミホイールの
製造を行う。先ず、Si6.99%、Mg0.30%、
Fe0.10%、Ti0.08%、Sr0.010%、
残部Alからなる組成を有する合金を溶解して液相線
(620℃)近傍の約630℃の温度に保持する。次
に、この合金溶湯18を保持炉より、鋳込みスリーブ1
3に搬送する。そして、図5に示すような粒状の組織と
なるように、鋳込みスリーブ内で液相線近傍から液相線
より低く固相線または共晶線より高い、約580℃の温
度まで低下させる。上記合金では鋳込みスリーブ内の冷
却速度は、0.5〜8℃/sが良く、好ましくは1〜4
℃/sが良い。これにより、合金溶湯18は初晶が粒状
化した半溶融状態となる。このときの結晶粒は、円形度
(粒の長径と短径の比)の平均が0.63、円相当径
(粒面積から算出した疑似円の直径)の平均が80μm
である。
【0025】次に、初晶が粒状化したの半溶融金属を金
型のキャビティ28内に、プランジャ14により、層流
状態を維持して加圧充填する。組織は、加圧充填する過
程で、粒状のものがいっそう微細化し、且つ球状に変わ
る。球の大きさの平均は、結晶粒は、円形度(粒の長径
と短径の比)の平均が0.72、円相当径(粒面積から
算出した疑似円の直径)の平均が40μmである。半溶
融金属の組織は、鋳込みスリーブ内で粒状化された後、
金型キャビティ内に充填後、円形度(粒の長径と短径の
比)が大きくなり、円相当径(粒面積から算出した疑似
円の直径)は小さくなり、結晶は微細でより真円に近く
なっている。鋳込みスリーブ内での半溶融金属の固相率
は、Al−Si−Mg系アルミニウム合金の状態図と温
度から30〜60%にする。
【0026】鋳込みスリーブ内で半溶融金属として、こ
れを金型のキャビティ28内に加圧充填して凝固させ、
金型を型開きをすれば、アルミホイール素材が得られ
る。この素材を540℃前後の高温に加熱し、鋳造時の
偏析をいっそう無くして均一にすると同時に晶出相、析
出相などを母相に十分溶かし込んだ過飽和固溶体とする
溶体化処理を行う。次に、過飽和固溶体を160℃前後
の比較的低温に再度加熱、保持し、析出を促進する時効
硬化処理を行う。前記の条件により、3mm以下の肉厚
部が5%以上をしめるディスク部を作成した。ディスク
部の機械的性質を測定した結果を表2に示す。
【0027】
【表2】
【0028】上記の要領で作成したディスク部と別途作
成したリム部とを接合した。前記リム部の作成はまず図
4の(a)に示す遠心鋳造装置により外径φ300mm
×厚さ8mmに鋳造した。遠心鋳造時、鋳型42のモー
タ41での回転数は300rpmであり、鋳型3内面に
はArガスを導入して酸素濃度を5%以下として酸素を
防止しリム加工部を製造した。次に(b)に示すロール
5の組成加工によりアルミホイールのリム部12を得
た。前記リム部とディスク部を摩擦圧接により接合し所
望のアルミホイールを得た。
【0029】(比較例1)比較のために実施例1のディ
スク部の外径にスピニング加工用のリム加工部を有する
形状の金型キャビティを用い、それ以外は実施例と同様
に一体に鋳造した。実施例1と同様の条件で製造したに
もかかわらず鋳造不良が確認された。実施例と異なりス
ピニング加工用のリム部にまで溶湯を充填する必要があ
るため、溶湯添加量が増大するが、ディスク部のデザイ
ン部の薄肉化を計ると溶湯の湯流れ性が阻害されるた
め、薄肉化に限界がある。本実施例のように2ピース又
は3ピースホイールとしてディスク部を別個に鋳造とし
ないとさらなる軽量化は達成できない。重量を実施例と
比較したところ比較例1よりも実施例のアルミホイール
の重量の方が軽量であることを確認した。また、ディス
ク部とスピニング加工した後のリム部の機械的特性を表
1に併記する。
【0030】(比較例2)低圧鋳造法を用いて実施例と
同形のディスク部を有するアルミホイール(リム一体型
のワンピースホイール)を作成した。このようにして得
られたディスク部の機械的特性を表1に示す。比較例2
のものは実施例のものと比べ、デザイン部およびリム部
の両方で機械的強度が低いことがわかる。本発明のアル
ミホイールと異なり軽量化を意図した薄肉化を計りつつ
保安上十分な強度を有するアルミホイールを製造するこ
とが困難であった。
【0031】
【発明の効果】以上、説明した通り、本発明によれば、
鋳込みスリーブにおいて溶融金属の初晶を実質的に粒状
化させて半溶融状態として金型キャビティ内に加圧充填
し、凝固させた後、別途製造したリム部と接合するの
で、機械的強度がディスク部、リム部ともに高くしかも
意匠性の良いアルミニウムホイールを得ることが可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るアルミホイールの断面
図である。
【図2】本発明の製造方法を実施するための鋳込み装置
の要部断面図である。
【図3】本発明の製造方法を実施するための金型装置の
要部断面図である。
【図4】本発明の一実施例に係わるリム部の成形のため
の装置である。
【図5】鋳込みスリーブ内の半溶融金属の粒状の組織を
示す金属組織の模式図である。
【符号の説明】
1:アルミホイール、11:ディスク部、12:リム
部、13:接合部、2:金型、3:鋳込み装置、4:遠
心鋳造機、5:ローラ、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B22D 27/04 B22D 27/04 G 27/09 27/09 A B60B 3/04 B60B 3/04 A C22C 21/02 C22C 21/02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車軸が装着されるハブ部とその周囲に設
    けられたデザイン部を有するディスク部と、その外周部
    にリム部とを有するアルミホイールの製造方法であっ
    て、(a)半溶融状態である半溶融合金を得る工程と、
    (b)前記半溶融合金をディスク部形状に形成された金
    型キャビティ内に加圧充填してディスク部を作成する工
    程と、(c)前記ディスク部と別途作成されたリム部と
    を接合する工程と、を含むことを特徴とするアルミホイ
    ールの製造方法。
  2. 【請求項2】 半溶融合金を得る工程が、Al合金を溶
    解して溶融金属とし、その溶融金属を液相線近傍の温度
    にした後、前記溶融金属の温度を液相近傍から液相線よ
    り低く固相線または共晶線より高い所定の温度まで所定
    の冷却速度で低下させ、溶融金属の初晶を実質的に粒状
    化させて半溶融状態とする請求項1に記載のアルミホイ
    ールの製造方法。
  3. 【請求項3】 車軸が装着されるハブ部とその周囲に設
    けられたデザイン部を有するディスク部の外周部に一体
    的に形成されたリム部とを有し、全体が重量比でSi
    6.0〜8.0%、Mg0.1〜1.0%、必要により
    Cu0.6%以下を含み、残部が実質的にAlからなる
    アルミニウム合金で鋳造されたアルミホイールにおい
    て、デザイン部は実質的に球状化された基地組織を有
    し、かつデザイン部とリム部の間に接合部が存在するこ
    とを特徴とするアルミホイール。
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