JPH1192849A - ロードホイール及びその製造方法 - Google Patents

ロードホイール及びその製造方法

Info

Publication number
JPH1192849A
JPH1192849A JP9251682A JP25168297A JPH1192849A JP H1192849 A JPH1192849 A JP H1192849A JP 9251682 A JP9251682 A JP 9251682A JP 25168297 A JP25168297 A JP 25168297A JP H1192849 A JPH1192849 A JP H1192849A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molten metal
semi
rim
casting
molten
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9251682A
Other languages
English (en)
Inventor
Hajime Itou
哉 伊藤
Yoshio Kaneuchi
良夫 金内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Metals Ltd filed Critical Hitachi Metals Ltd
Priority to JP9251682A priority Critical patent/JPH1192849A/ja
Publication of JPH1192849A publication Critical patent/JPH1192849A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Shaping Metal By Deep-Drawing, Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械的強度が向上したアルミホイール及びこ
のようなアルミホイールを低価格で得ることができる製
造方法を提供する。 【解決手段】 鋳込みスリーブにおいて溶融金属の初晶
を実質的に粒状化させて半溶融状態として金型キャビテ
ィ内に加圧充填し、凝固させて得られたアルミニウムホ
イール素材のリム部にスピニング加工を施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機械的性質に優れ
たアルミニウム合金製ロードホイール及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】最近の省エネルギーの観点から自動車の
軽量化が推進され、自動車のロードホイールも従来のス
チールホイールからアルミホイールが使用されるように
なってきた。このアルミホイールの製造方法としては、
低圧鋳造法(例えば特開平8−243720号)、同8
−318362号参照)、重力鋳造法、高圧鋳造法、鍛
造法又は溶湯鍛造法が知られているが、これらの内で
は、低圧鋳造法又は鍛造法が一般的である。低圧鋳造法
は、デザインの自由度が大でかつ他の方法よりも低価格
のアルミホイールが得られるという利点を有する。しか
るに低圧鋳造法では、鍛造品よりも機械的強度が低く
{但しセンターゲートタイプの鋳造方案(金型の中心に
溶湯の注入口を設置)ではディスク部の強度が低く、サ
イド2ゲートタイプの鋳造方案(金型の両サイドに溶湯
の注入口を設置)ではリム部の強度が低い)、又リム幅
の大なるホイールを製造しにくいという問題がある。鍛
造法は、低圧鋳造品よりも機械的強度が大でしかもリム
幅の大なるホイールを得やすいという利点がある。しか
るに鍛造法によれば、価格高となり又デザインの自由度
が小さいという問題がある。
【0003】また最近では、上述した従来の鋳造法とは
別に、溶湯を半溶融状態にしたビレットをダイカストマ
シンの金型内に圧入する半溶融鋳造法(Semisolid Mol
ding)によりアルミホイールを製造することが検討され
ている。この半溶融鋳造法には、溶湯を完全に冷却して
凝固させたビレットを再加熱して半溶融状態にした後鋳
造するチクソキャスト(Thixo cast)法(例えば特開
平7−74015号)と、溶湯に剪断力を与えながら冷
却し、半溶融状態にして鋳造するレオキャスト(Rhocas
t)法(例えば特開平8−257722号)とがある。
チクソキャスト法は既に実用化されているが、所定の組
成を有するビレットを準備し、これを半溶融温度領域で
例えば電磁攪拌後連続鋳造して、α相を粒状化してから
再加熱して球状化する手法であり、製造コストが高くな
るという問題がある。一方レオキャスト法によれば、ビ
レットを使用しないので、コスト的にはチクソキャスト
法よりも有利である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし従来のレオキャ
スト法では、ブリスタを防止するために充填速度を小さ
くする必要があり、その様に充填速度を小さくすると湯
流れ不良が発生するので、リム部の長さを大きくできな
いし、又リム部の強度が不足するという問題がある。
【0005】したがって、本発明の目的は、全体の機械
的強度が高くしかも低価格のロードホイールを提供する
ことである。
【0006】本発明の他の目的は、低コストでかつ機械
的強度の高いロードホイールを得ることのできる製造方
法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1の発明においては、車軸が装着されるハブ部と
その周囲に設けられたデザイン部を有するディスク部
と、ディスク部の外周部に一体に形成されたリム部とを
有し、全体が重量比でSi6.5〜7.5%、Mg0.
2〜0.4%を含み、残部がアルミニウムと不可避の不
純物からなるアルミニウム合金で鋳造されたロードホイ
ールであって、デザイン部は実質的に球状化された基地
組織を有し、リム部は実質的に繊維状の基地組織を有す
る、という技術的手段を採用した。第1の発明において
は、ディスク部が実質的に粒状化された基地組織を有し
かつリム部は実質的に繊維状の基地組織を有するので機
械的強度の高いロードホイールとなる。
【0008】さらに第2の発明においては、(a)Al
−Si−Mg系合金を溶解して、その溶湯を液相線近傍
の温度にする工程と、(b)前記溶湯を鋳込みスリーブ
に移し、この鋳込みスリーブ内の溶融金属の温度を液相
線近傍から液相線より低く固相線または共晶線より高い
所定の温度まで所定の冷却速度で低下させ、溶融金属の
初晶を実質的に粒状化させて半溶融状態を得る工程と、
(c)初晶が粒状化した前記鋳込みスリーブ内の半溶融
状態金属を金型キャビティ内に加圧充填する工程と、
(d)前記金型キャビティ内に加圧充填された半溶融状
態合金を凝固させて、デイスク部とその外周部に一体に
形成されたリム部とを有するホイール素材を作成する工
程と、(e)ホイール素材を回転させながらリム部をし
ごくスピニング加工を行う工程と、を有することを特徴
とする。第2の発明によれば、金属を溶解して液相線近
傍の温度で鋳込みスリーブへ移すので鋳込みスリーブが
高熱で損傷することが少なくなり、また鋳込みスリーブ
内溶融金属を液相線近傍から液相線より低く固相線また
は共晶線より高い所定の温度まで低下させる過程で機械
撹拌、電磁撹拌その他、固液体共存状態でせん断を与え
ることなく、溶融金属の初晶が実質的に粒状化されて半
溶融状態となり、かかる半溶融状態金属を金型キャビテ
ィ内に加圧充填して凝固させるのでブリスタなどが発生
せず、しかもリム部がスピニング成形されるので全体の
機械的強度の高いロードホイールが得られる。
【0009】本発明において液相線近傍の温度は例えば
AC4CH合金では液相線以下10℃付近から液相線よ
り約40℃程度上までである。それより高いとデンドラ
イトが成長し、それより低いと注湯前にデンドライトが
発生する。
【0010】また溶融金属をスリーブ中で半溶融状態ま
で冷却し粒状の初晶を得るために注湯したスリーブ内の
溶湯を所定内の冷却速度で冷却する。この冷却速度は1
0℃/s未満程度の冷却速度とするのが好ましい。それ
により生成する初晶を粒状化することができる。以上の
ように所定内の冷却速度で冷却する具体的方法として
は、 (1)スリーブをセラミック等の低熱伝導材とし、スリ
ーブ表面の冷却速度を小さくし、内部の冷却速度が上述
した10℃/s以下の範囲よりも遅い場合は必要により
外部より冷却する。 (2)金属スリーブの場合は予め加熱して初期温度を高
くする。特にAC4CH材の場合スリーブの初期温度を
200℃以上とする。その際に溶融金属の内部の冷却速
度が10℃/sより小さくなる場合は冷却を行う。 (3)冷却容器をコールドクルーシブルとし、高周波で
溶湯表面を加熱し、容器を冷却しつつ溶湯に熱量を与え
ることにより溶湯表面の冷却速度を制御すると共に溶湯
内部を所定の冷却速度で冷却する。 以上の本発明においては鋳込みスリーブ内で粒状化した
半溶融状態金属を金型キャビティ内に充填する途中で球
状化することが好ましい。それにより粒子も微細とな
り、湯流れもさらに良好となる。
【0011】その場合溶融金属を流動化することにより
球状化することができ、溶融金属を流動化する手段とし
ては例えば溶融金属を電磁撹拌する手段が挙げられる。
また、金型キャビティ内に充填される際の溶湯の流動に
よっても、組織は粒状から球状に変化する。また、本発
明においては鋳込みスリーブ内で半溶融状態金属の固相
率を30〜60%に制御することが好ましい。それによ
り溶融金属にチキソトロピー性を付与することができ、
しかも湯流れを良好に保つことができる。すなわち半溶
融状態金属の固相率を30%以上とすることにより溶融
金属にチキソトロピー性を付与することができ一方半溶
融状態金属の固相率を60%未満とすることにより粘性
が過度に高くなることを防止して湯流れを良好に保つこ
とができる。
【0012】また、本発明においては鋳込みスリーブ内
筒部の少なくともその一部を低熱伝導材とすると共にス
リーブを冷却することが好ましい。それにより溶融金属
の冷却速度を制御して初晶を粒状にすることができる。
すなわち鋳込みスリーブ内筒部の少なくともその一部を
低熱伝導材とすることにより溶融金属が熱を奪われるこ
とが少なくなり、鋳込みスリーブを予熱しなくても半溶
融で粒状の組織が得られる。上記の低熱伝導材として鋳
込みスリーブの内壁部にサイアロンを用いることによ
り、溶融金属が濡れ難いという利点が得られる。
【0013】更に、本発明においては鋳込みスリーブ内
の半溶融状態金属を層流状態で金型キャビティ内に加圧
充填し、その後高圧を付与することが良い。それによ
り、半溶融状態金属へのガスの巻き込みを防止して、ブ
リスタの発生を防止することができる。また、金型キャ
ビティ内を、少なくとも半溶融状態金属を充填時に減圧
雰囲気および/または不活性ガス雰囲気としたり、前記
鋳込みスリーブ内を不活性ガス雰囲気とするのが好まし
い。その様にすることにより、材料が半溶融状態を保つ
よう温度コントロールすることができると共に表面の酸
化が防止され、特別な表面層除去法を実施することなく
良好な製品を得ることが出来る。
【0014】更にまた、本発明においては、前記鋳込み
スリーブの外筒部の少なくとも一部に導電体を複数個配
置し、前記導電体の外部の誘導コイルにより磁場を形成
し、前記鋳込みスリーブ内溶融金属を液相線近傍から液
相線より低く固相線または共晶線より高い所定の温度ま
で低下させ、加熱または保温すると共に撹拌した後、前
記金型キャビティ内に加圧充填するのが好ましい。それ
により半溶融状態の材料および導電部には電磁誘導によ
る電流が発生し、それらの誘導電流と磁場の相互作用に
よる電磁体積力が被融解物を鋳込スリーブ表面から遠ざ
ける方向に作用して材料と鋳込スリーブの接触を防止す
る方向に働く。このため接触による温度低下が少なく溶
融金属表面における凝固片の発生が少くなると共に溶融
金属の温度低下が少なく、しかも温度分布が均一になっ
て充填される。また鋳込みスリーブ自身の温度上昇が抑
えられることにより鋳込みスリーブの変形が少なくなり
鋳込みスリーブの機械的精度を維持することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下本発明の詳細を添付図面によ
り説明する。図1は本発明の一実施例に係るアルミホイ
ールの断面図である。図1において、アルミホイール1
は、車軸孔2aを有するハブ2とその周囲に設けられた
デザイン部3を有するデイスク部4を有する。5はデイ
スク部4の外周部(デザイン側)に、デイスク部4と共
に鋳造によって一体に形成されたリム部である。このア
ルミホイールは、Al−Si−Mg系合金からなり、デ
イスク部4は、図6に示すように実質的に球状化された
基地組織を有し、リム部5は、図7に示すように実質的
に繊維状の基地組織を有する。
【0016】上記のAl−Si−Mg系合金としては、
重量%で、Si6.5〜7.5%、Mg0.2〜0.4
%を含む、残部が実質的にアルミニウムと不可避の不純
物からなる組成を有するものを用い得る。各成分の作用
と含有量の限定理由は次の通りである。Siの含有量は
6.5〜7.5%とする。Siは湯流れ性を良くするた
めに添加するが、6.5%未満ではその効果がなく、
7.5%を越えると靱性を低下させる。Mgの含有量は
0.2〜0.4%とする。MgはとSiと共にMg2
iを析出させ、機械的強度を向上させ、熱処理性を付与
するが、0.2%未満ではその効果がなく、0.4%を
越えると靱性が低下する。
【0017】また本発明で用いるAl−Si−Mg系合
金は次の成分を含有してもよい。Fe、Zn、Cr、N
i、Tiは、下記範囲内の含有量であれば、合金の基地
を強化し、強度を向上するが、その含有量が多いと、加
工性を低下させる。すなわち、Fe:0.20%以下、
Mn:0.10%以下、Zn:0.10%以下、Cr:
0.05%以下、Ni:0.05%以下、Ti:0.2
0%以下である。PbとSnは、各々0.05%以下の
含有量であれば、被削性を向上するが、その含有量が多
いと靱性が低下する。CuはAl合金の基地に固溶して
強度を高めるが、その含有量が0.2%を越えると、鋳
造性が低下し、又塑性加工性も低下する。SrとSbは
鋳造組織の共晶Siを微細化するために添加されるが
(改良処理剤として作用する)、その含有量は、Sr:
0.012%以下、Sb:0.06%以下がよい。
【0018】次に本発明のアルミホイールの製造法を添
付図面に基いて説明する。図2は本発明の製造方法を実
施するための装置の一例を示す断面図、図3は図2のA
−A断面図である。製造装置10は、ラドル11内の溶
融金属12を受け取り、半溶融金属を形成する鋳込みス
リーブ13と、この半溶融金属を金型20に向って押し
出す先端プランジャチップ14aを設けたプランジャ1
4を有する。鋳込みスリーブ13は、セラミックス等の
絶縁体16とその内部に放射状に埋め込まれたオーステ
ナイト系ステンレス鋼等の導電体からなる冷却パイプ1
7からなる内筒15と、その周囲に設けられた誘導コイ
ル19が埋設された外筒18とを有する。金型20(図
4参照)は、基板21にホルダ22を介して固定された
テーパリング23及び固定金型24と、可動板29にホ
ルダ28を介して支持された可動金型25及びスライド
コア27とを有する。可動板29は一端が基板21に固
設されたガイド30に沿って固定金型24に対して進退
自在に支持され、スライドコア27をシリンダ31によ
り移動自在に支持されている。26はキャビティであ
り、固定金型24、可動金型25、スライドコア27間
に形成されている。
【0019】次に上記装置による動作を説明する。所定
の組成を有する合金を溶解して、その溶湯を液相線(6
26℃)近傍の温度(620〜630℃)に維持してお
き、この溶湯をラドル11から鋳込みスリーブ13内に
注入する。この時冷却パイプ17に冷却媒体(例えば水
又は空気)を供給することにより、溶湯を液相線近傍の
温度から液相線より低く固相線又は共晶線より高い温度
(580℃程度)まで冷却させる。これにより合金溶湯
は初晶が粒状化された半溶融状態となる。また溶湯の半
溶融化の過程では、誘導コイル19に通電することによ
り、半溶融溶湯を電磁的に攪拌する。次いでプランジャ
14を作動させて、キャビティ26内に半溶融化した溶
湯を射出充填する。そしてキャビティ26内に注入され
た溶湯が凝固した後、型開きを行ってアルミホイール素
材1aを金型20から取出し、スピニング加工を行う。
このスピニング加工は、図5に示すように上記素材1a
をマンドレル6に装着し、リム部5aの外周面に押圧具
8の先端を当接し、マンドレル6を回転しながら押圧具
8を図示矢印B方向に移動させることにより行われる。
このスピニング加工により、リム部5aが塑性変形し、
図中一点鎖線で示すようなリム部5が形成される。この
スピニング加工により、鋳造時では球状化されていた基
地組織が繊維状組織となり、もってリム部の機械的強度
が向上する。また上記リム部5aの高さ(h1)は製品
のリム部の高さ(h2)よりも低くできるので、鋳造時
の流動長が短くなり、鋳造欠陥が発生しにくくなる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。図1に示
す装置を用いて、アルミホイールの製造を行う。先ず、
Si6.99%、Mg0.30%、Fe0.10%、T
i0.08%、Sr0.010%、残部Alからなる組
成を有する合金を溶解して液相線(620℃)近傍の約
630℃の温度に保持する。次に、この合金溶湯12を
ラドル11により、鋳込みスリーブ13に移す。そし
て、図6に示すような粒状の組織となるように、鋳込み
スリーブ2内で液相線近傍から液相線より低く固相線ま
たは共晶線より高い、約580℃の温度まで低下させ
る。上記合金では鋳込みスリーブ13内の冷却速度は、
0.5〜8℃/sが良く、好ましくは1〜4℃/sが良
い。これにより、合金溶湯12は初晶が粒状化した半溶
融状態となる。このときの結晶粒は、円形度(粒の長径
と短径の比)の平均が0.63、円相当径(粒面積から
算出した疑似円の直径)の平均が80μmである。
【0021】次に、初晶が粒状化したの半溶融金属を金
型のキャビティ26内に、プランジャ14により、層流
状態を維持して加圧充填する。組織は、加圧充填する過
程のゲート6Bで、粒状のものがいっそう微細化し、且
つ球状に変わる。このゲート通過直後の組織を図7に示
す。球の大きさの平均は、結晶粒は、円形度(粒の長径
と短径の比)の平均が0.72、円相当径(粒面積から
算出した疑似円の直径)の平均が40μmである。半溶
融金属の組織は、鋳込みスリーブ内で粒状化された後、
金型キャビティ内に充填後、円形度(粒の長径と短径の
比)が大きくなり、円相当径(粒面積から算出した疑似
円の直径)は小さくなり、結晶は微細でより真円に近く
なっている。鋳込みスリーブ13内での半溶融金属の固
相率は、Al−Si−Mg系アルミニウム合金の状態図
と温度から30〜60%にする。
【0022】鋳込みスリーブ13内で半溶融金属とし
て、これを金型のキャビティ26内に加圧充填して凝固
させ、金型を型開きをすれば、アルミホイール素材が得
られる。図5に示すようにこの素材のリム部にスピニン
グ加工を施した後、この素材を540℃前後の高温に加
熱し、鋳造時の偏析をいっそう無くして均一にすると同
時に晶出相、析出相などを母相に十分溶かし込んだ過飽
和固溶体とする溶体化処理を行う。次に、過飽和固溶体
を160℃前後の比較的低温に再度加熱、保持し、析出
を促進する時効硬化処理を行う。図8にスピニング加工
後のリム部の組織を示す。また比較のために、リム部の
スピニング加工を省略した以外は上記と同様の条件でア
ルミホイールを製造した。このようにして得られたアル
ミホイールの機械的性質を、表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】表1から、本発明によれば、比較例のもの
よりリム部の機械的強度が向上したアルミホイールが得
られることがわかる。
【0025】
【発明の効果】以上、説明した通り、本発明によれば、
鋳込みスリーブにおいて溶融金属の初晶を実質的に粒状
化させて半溶融状態として金型キャビティ内に加圧充填
し、凝固させた後特定の部位にスピニング加工を施すの
で、機械的強度が高くしかも低コストのアルミニウムホ
イールを得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るアルミホイールの断面
図である。
【図2】本発明の製造方法を実施するための装置の要部
断面図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】図2に示す金型の断面図である。
【図5】本発明のスピニング加工を説明するためのアル
ミホイール素材の要部断面図である。
【図6】鋳込みスリーブ内の半溶融金属の粒状の組織を
示す金属組織の模式図である。
【図7】金型キャビティ内に充填凝固後の球状の組織を
示す金属組織の模式図である。
【図8】リム部の金属組織の模式図である。
【符号の説明】
1:アルミホイール、4:デイスク部、5:リム部、
6:マンドレル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B60B 3/00 B60B 3/00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車軸が装着されるハブ部とその周囲に設
    けられたデザイン部を有するディスク部の外周部に一体
    的に形成されたリム部とを有し、全体が重量比でSi
    6.5〜7.5%、Mg0.2〜0.4%を含み、残部
    が実質的にAlからなるアルミニウム合金で鋳造された
    ロードホイールにおいて、デザイン部は実質的に球状化
    された基地組織を有し、リム部は実質的に繊維状の基地
    組織を有することを特徴とするロードホイール。
  2. 【請求項2】 (a)Al−Si−Mg系合金を溶解し
    て、その溶融金属を液相線近傍の温度にする工程と、
    (b)前記溶融金属を鋳込みスリーブに移し、鋳込みス
    リーブ内溶融金属の温度を液相近傍から液相線より低く
    固相線または共晶線より高い所定の温度まで所定の冷却
    速度で低下させ、溶融金属の初晶を実質的に粒状化させ
    て半溶融状態を得る工程と、(C)初晶が粒状化した前
    記鋳込みスリーブ内の半溶融状態金属を金型キャビティ
    内に加圧充填する工程と、(d)前記金型キャビティ内
    に加圧充填された半溶融状態金属を凝固させて、ディス
    ク部とその外周部に一体に形成されたリム部とを有する
    ホイール素材を作成する工程と、(e)ホイール素材を
    回転させながらリム部をしごくスピニング加工を行う工
    程とを含むことを特徴とするロードホイールの製造方
    法。
JP9251682A 1997-09-17 1997-09-17 ロードホイール及びその製造方法 Pending JPH1192849A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9251682A JPH1192849A (ja) 1997-09-17 1997-09-17 ロードホイール及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9251682A JPH1192849A (ja) 1997-09-17 1997-09-17 ロードホイール及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1192849A true JPH1192849A (ja) 1999-04-06

Family

ID=17226451

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9251682A Pending JPH1192849A (ja) 1997-09-17 1997-09-17 ロードホイール及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1192849A (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001191160A (ja) * 1999-06-08 2001-07-17 Soc De Technol Michelin 車両の転動システムのためのホイールのような金属製構成要素を製造する方法、およびかかるホイール
US7258402B2 (en) * 2001-02-13 2007-08-21 Campagnolo S.R.L. Method for producing a bicycle wheel rim, apparatus for implementing the method and bicycle wheel rim obtained thereby
JP2007210027A (ja) * 2006-02-13 2007-08-23 Honda Motor Co Ltd バルジ成形方法及び中空成形体
CN100404714C (zh) * 2005-12-31 2008-07-23 云南冶金集团总公司 汽车轮毂用铝硅镁合金材料及制备方法
WO2009072222A1 (ja) * 2007-12-05 2009-06-11 Goshi Giken Co.Ltd. 半凝固金属製品の成形金型構造および半凝固金属製品の成形方法及び半凝固金属製品
WO2013080833A1 (ja) * 2011-11-30 2013-06-06 古河スカイ株式会社 金属の成形方法およびその成形品
JP5492337B1 (ja) * 2013-09-05 2014-05-14 北芝電機株式会社 高周波誘導溶解炉
KR101481170B1 (ko) * 2008-08-07 2015-01-09 현대자동차주식회사 알루미늄 휠 제조용 알루미늄 발포금속 필터 및 그제조방법
CN104815922A (zh) * 2015-03-23 2015-08-05 刘兴军 镁合金汽车轮毂成型装置及成型工艺
CN105861887A (zh) * 2016-04-01 2016-08-17 江苏大学 一种重载轮毂用抗疲劳原位铝基复合材料及其制备方法
JP2022013538A (ja) * 2020-06-29 2022-01-18 ヤマハ発動機株式会社 鞍乗型車両用ホイールの製造方法

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001191160A (ja) * 1999-06-08 2001-07-17 Soc De Technol Michelin 車両の転動システムのためのホイールのような金属製構成要素を製造する方法、およびかかるホイール
US7258402B2 (en) * 2001-02-13 2007-08-21 Campagnolo S.R.L. Method for producing a bicycle wheel rim, apparatus for implementing the method and bicycle wheel rim obtained thereby
US7651654B2 (en) 2001-02-13 2010-01-26 Campagnolo S.R.L. Method for producing a bicycle wheel rim, apparatus for implementing the method and bicycle wheel rim obtained thereby
CN100404714C (zh) * 2005-12-31 2008-07-23 云南冶金集团总公司 汽车轮毂用铝硅镁合金材料及制备方法
JP2007210027A (ja) * 2006-02-13 2007-08-23 Honda Motor Co Ltd バルジ成形方法及び中空成形体
WO2009072222A1 (ja) * 2007-12-05 2009-06-11 Goshi Giken Co.Ltd. 半凝固金属製品の成形金型構造および半凝固金属製品の成形方法及び半凝固金属製品
KR101481170B1 (ko) * 2008-08-07 2015-01-09 현대자동차주식회사 알루미늄 휠 제조용 알루미늄 발포금속 필터 및 그제조방법
WO2013080833A1 (ja) * 2011-11-30 2013-06-06 古河スカイ株式会社 金属の成形方法およびその成形品
JP5276238B1 (ja) * 2011-11-30 2013-08-28 古河スカイ株式会社 金属の成形方法およびその成形品
US9662741B2 (en) 2011-11-30 2017-05-30 Uacj Corporation Metal forming method and formed product
JP5492337B1 (ja) * 2013-09-05 2014-05-14 北芝電機株式会社 高周波誘導溶解炉
JP2015053110A (ja) * 2013-09-05 2015-03-19 北芝電機株式会社 高周波誘導溶解炉
WO2015002327A1 (ja) * 2013-09-05 2015-01-08 北芝電機株式会社 高周波誘導溶解炉
CN104815922A (zh) * 2015-03-23 2015-08-05 刘兴军 镁合金汽车轮毂成型装置及成型工艺
CN105861887A (zh) * 2016-04-01 2016-08-17 江苏大学 一种重载轮毂用抗疲劳原位铝基复合材料及其制备方法
US10781507B2 (en) 2016-04-01 2020-09-22 Jiangsu University Anti-fatigue in-situ aluminum-based composite material for heavy-load hubs and preparation method therefor
JP2022013538A (ja) * 2020-06-29 2022-01-18 ヤマハ発動機株式会社 鞍乗型車両用ホイールの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0733421B1 (en) Die casting method
EP0090253B1 (en) Fine grained metal composition
CN105583396B (zh) 一种制造半固态轻合金铸件的低压铸造一步法
CN106756301B (zh) 一种半固态流变成形大型汽车用高强韧铝合金轮毂的制造方法
JPH1192849A (ja) ロードホイール及びその製造方法
CN102994784A (zh) 强磁场复合变质剂细化过共晶铝硅合金中相组织的方法
JP3520994B1 (ja) 固液共存状態金属スラリの製造装置
JP3743586B2 (ja) ディファレンシャルギヤケースおよびその製造方法
CN108097854B (zh) 一种大型金属构件高均匀性短流程成形方法
JP3496833B1 (ja) 固液共存状態金属材料の製造方法
JP3949208B2 (ja) 連続鋳造体を製造するための金属の再溶解方法およびそれに用いる装置
JPH10158772A (ja) ロッカーアームおよびその製造方法
JP3487315B2 (ja) ダイカスト鋳造方法
JP2001252754A (ja) アルミホイール及びその製造方法
JP3246296B2 (ja) 半溶融金属の成形方法
Lakshmi et al. Induction reheating of A356. 2 aluminum alloy and thixocasting as automobile component
JP3246363B2 (ja) 半溶融金属の成形方法
CN113399642B (zh) 一种匀加速压室孕育半固态流变的压铸方法
Ivanchev et al. Rheo-processing of semi-solid metal alloys: a new technology for manufacturing automotive and aerospace components: research in action
JPS62501548A (ja) 連続鋳造法
JPH0910893A (ja) 半溶融成形用金属の製造装置
US3744997A (en) Metallurgical grain refinement process
JP4215226B2 (ja) 自動車用サスペンション部材
JP4414950B2 (ja) 半溶融鋳造用金属ビレット、及び半溶融鋳造用金属ビレットの製造方法
Bernard The Continuous Rheoconversion Process: Scale-up and Optimization

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040810

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060510

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060817

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070209