JP3487315B2 - ダイカスト鋳造方法 - Google Patents
ダイカスト鋳造方法Info
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Description
品質の鋳物を得るためのダイカスト鋳造方法に関する。
内の溶融金属を精密な金型キャビティ内に加圧充填して
鋳物を製造する鋳造方法である。このダイカスト鋳造方
法によれば、鋳物の寸法精度が高く、鋳肌が美麗であ
り、多量生産ができ、完全自動化が可能であるという利
点があり、従来から主として融点がアルミニウム合金以
下の低融点金属鋳物の製造に多用されている。しかし、
このダイカスト鋳造方法には、 鋳込みスリーブ内に注入された溶湯が鋳込みスリーブ
内壁で急激に冷却されて凝固片が発生し、この凝固片が
溶湯中に巻き込まれて鋳込まれる、 鋳込みスリーブ内にあった空気が溶湯中に巻き込ま
れ、ブリスタ(巻き込んで加圧されたガスが熱負荷によ
り膨張し膨れが生じる現象)が発生しやすい、 ことなどにより鋳造凝固後の鋳物の機械的強度が低下し
やすいという問題があり、高強度を要求される強度部材
への適用は難しい。
として、特殊ダイカスト鋳造方法がある。この特殊ダイ
カスト鋳造方法には、の鋳込みスリーブ内壁における
凝固片の発生を防ぐことを目的として鋳込みスリーブを
加熱するホットスリーブ法、の鋳込みスリーブ中の空
気が溶湯中に巻き込まれるのを少なくすることを目的と
した縦鋳込み式ダイカスト鋳造方法などがある。またこ
の他にホットチャンバダイカスト鋳造方法があるが、こ
のホットチャンバダイカスト鋳造方法は対象が比較的溶
融温度が低い亜鉛合金やマグネシウム合金の鋳造に限定
されるという問題があり、汎用性がない。しかし上記の
特殊ダイカスト鋳造方法によっても、充填速度が大きく
なると鋳込みスリーブ内溶湯が乱れてガスを巻き込み、
そのまま金型キャビティ内壁で急冷されて欠陥を生じ機
械的性質ほかの特性が悪くなるため、これを防止するた
めには充填速度を極端に小さくする必要があり、その様
に充填速度を小さくすると湯流れ不良が発生するという
問題が生じる。また、デンドライト発達中に未凝固部が
抽出され、図9に示すように肉厚部に偏析が発生し、機
械的性質そのほかの特性が不十分となる。
公平3−47951号公報には、金型を型合せして下部
に湯口を有するキャビティを形成し、この湯口に、シリ
ンダの出口に設けられ、キャビティ内への溶湯の流入を
制限するように絞りを形成するダイを接続させ、このダ
イを備えるシリンダの中心軸線方向の中間部に外部から
の溶湯の供給口を設けると共に、パンチを摺動自在に嵌
合させて鋳造装置を形成し、シリンダの供給口から溶湯
を注入し、溶湯を保持して液相と固相とが共存状態とな
ってからパンチにて押圧して溶湯をダイを通過させてキ
ャビティに押し込むダイカスト鋳造方法の開示がある。
この特公平3−47951公報に示されたダイカスト鋳
造方法によれば、シリンダに供給する溶湯が溶融点直
上の温度であればよいので、一般の鋳造法に比して低温
でよいので省エネルギである、溶湯温度が低いので、
ガスの吸収が少なく、脱ガス処理を要することなく製品
に気孔を殆ど発生しない、溶湯は、液相と固相とが混
在して有形性を備えない状態にてパンチにて一体的に押
上げられ、次いで、絞りを形成するダイ通過時に半溶融
状態において塑性加工を受け、液相と固相とが混合さ
れ、かつ固相が破壊されて鋳造組織が微細になるため、
製品は機械的性質に優れたものとなる、有形性を備え
ない半溶融状態にて加工されるため、鍛造法に比して変
形抵抗が少なく、設備費が低減される、などの効果が奏
されるものとされる。
−47951号公報に示されたダイカスト鋳造方法で
は、鋳込みスリーブ内で半溶融金属の組織を粒状にして
いないため、溶質濃度の差が大きいことにより図10に
類似した濃淡で示すような偏析を生じる可能性が大き
く、また、金型キャビティ内に充填されても、組織の微
細化が充分ではないため、まだまだ機械的性質向上の余
地が残されている。また、充填速度が大きくなると鋳込
みスリーブ内溶湯が乱れてガスを巻き込み、そのまま金
型キャビティ内壁で急冷されるためブリスタが発生し、
機械的性質やその他の特性が悪くなるため、これを防止
するためには充填速度を極端に小さくする必要があり、
その様に充填速度を小さくすると湯流れ不良が発生する
という問題がある。本発明は、上記従来の課題を解決
し、湯流れが良好でかつ空気の巻き込みを少なくするこ
とができ、且つ酸化物や凝固片を金型キャビティ内に充
填させないで鋳造できて機械的性質が向上し高強度部材
に用いることが可能な鋳物を得ることができるダイカス
ト鋳造方法を提供することを目的とする。
め、本発明のダイカスト鋳造方法は、鋳込みスリーブ内
溶融金属の温度を液相線近傍から液相線より低く固相線
または共晶線より高い所定の温度まで所定の冷却速度で
低下させることによって、溶融金属の初晶を実質的に粒
状化させて半溶融状態として金型キャビティ内に加圧充
填し、凝固させることを特徴とする。以上の本発明にお
いては、溶融金属の初晶を実質的に粒状化させて半溶融
状態として金型キャビティ内に加圧充填して凝固させる
ので金型キャビティ内への充填が層流による充填とな
り、溶融金属へのガスの巻き込みを防止してブリスタな
どの発生しない機械的性質に優れた鋳物となる。また鋳
込みスリーブ内溶融金属を液相線近傍から液相線より低
く固相線または共晶線より高い所定の温度まで低下させ
る過程で機械攪拌、電磁攪拌その他、固液体共存状態で
せん断を与えることなく、溶融金属の初晶が実質的に粒
状化されて半溶融状態となり、かかる半溶融状態金属を
金型キャビティ内に加圧充填して凝固させるのでブリス
タなどが発生せず機械的性質にも優れた鋳物となる。
(a)金属を溶解して、その溶融金属を液相線近傍の温
度にする工程と、(b)前記溶融金属を鋳込みスリーブ
に移す工程と、(c)該鋳込みスリーブ内溶融金属の温
度を液相線近傍から液相線より低く固相線または共晶線
より高い所定の温度まで所定の冷却速度で低下させるこ
とによって、溶融金属の初晶を実質的に粒状化させて半
溶融状態を得る工程と、(d)初晶が粒状化した前記鋳
込みスリーブ内の半溶融状態金属を金型キャビティ内に
加圧充填する工程と、(e)前記金型キャビティ内に加
圧充填された半溶融状態金属を凝固させる工程を有する
ことを特徴とする。以上の本発明においては、金属を溶
解して液相線近傍の温度で鋳込みスリーブへ移すので鋳
込みスリーブが高熱で損傷することが少なくなるという
利点がある。
357合金では液相線以下10℃付近から液相線より約
40℃程度上までである。それより高いとデンドライト
が成長し、それより低いと注湯前にデンドライトが発生
する。
で冷却し粒状の初晶を得るために注湯したスリーブ内の
溶湯を所定内の冷却速度で冷却する。この冷却速度は
1.7℃/sを越え10℃/s未満程度の冷却速度とす
るのが好ましい。それにより生成する初晶を粒状化する
ことができる。以上のように所定内の冷却速度で冷却す
る具体的方法としては、 (1)スリーブをセラミック等の低熱伝導材とし、スリ
ーブ表面の冷却速度を小さくし、内部の冷却速度が上述
した1.7℃/s〜10℃/sの範囲よりも遅い場合は
必要により外部より冷却する。 (2)金属スリーブの場合は予め加熱して初期温度を高
くする。特にA357材の場合はスリーブの初期温度を
200℃以上とする。その際に溶融金属の内部の冷却速
度が1.7℃/s〜10℃/sの範囲より小さくなる場
合は冷却を行う。 (3)冷却容器をコールドクルーシブルとし、高周波で
溶湯表面を加熱し、容器を冷却しつつ溶湯に熱量を与え
ることにより溶湯表面の冷却速度を制御すると共に溶湯
内部を所定の冷却速度で冷却する。 以上の本発明においては鋳込みスリーブ内で粒状化した
半溶融状態金属を金型キャビティ内に充填する過程で球
状化するのがよい。それにより粒子も微細となり、湯流
れもさらに良好となる。
球状化することができ、溶融金属を流動化する手段とし
ては例えば溶融金属を電磁攪拌する手段が挙げられる。
また、金型キャビティ内に充填される際の溶湯の流動に
よっても、組織は粒状から球状に変化する。また、以上
の本発明においては鋳込みスリーブ内で半溶融状態金属
の固相率を30〜60%に制御する。それにより溶融金
属にチキソトロピー性を付与することができ、しかも湯
流れを良好に保つことができる。すなわち半溶融状態金
属の固相率を30%以上とすることにより溶融金属にチ
キソトロピー性を付与することができ一方半溶融状態金
属の固相率を60%未満とすることにより粘性が過度に
高くなることを防止して湯流れを良好に保つことができ
る。
ーブ内筒部の少なくともその一部を低熱伝導材とすると
共にスリーブを冷却することが良い。それにより溶融金
属の冷却速度を制御して初晶を粒状にすることができ
る。すなわち鋳込みスリーブ内筒部の少なくともその一
部を低熱伝導材とすることにより溶融金属が熱を奪われ
ることが少なくなり、鋳込みスリーブを予熱しなくても
半溶融で粒状の組織が得られる。以上の低熱伝導材とし
て鋳込みスリーブの内壁部にサイアロンを用いることに
より、溶融金属が濡れ難いという利点が得られる。
ーブ内の半溶融状態金属を層流状態で金型キャビティ内
に加圧充填し、その後高圧を付与することが良い。それ
により、半溶融状態金属へのガスの巻き込みを防止し
て、ブリスタの発生を防止することができる。また、金
型キャビティ内を、少なくとも半溶融状態金属を充填時
に減圧雰囲気および/または不活性ガス雰囲気とした
り、前記鋳込みスリーブ内を不活性ガス雰囲気とするの
が好ましい。その様にすることにより、材料が半溶融状
態を保つよう温度コントロールすることができると共に
表面の酸化が防止され、特別な表面層除去法を実施する
ことなく良好な製品を得ることが出来る。
おいては、前記鋳込みスリーブの外筒部の少なくとも一
部に導電体を複数個配置し、前記導電体の外部の誘導コ
イルにより磁場を形成し、前記鋳込みスリーブ内溶融金
属を液相線近傍から液相線より低く固相線または共晶線
より高い所定の温度まで低下させ、加熱または保温する
と共に攪拌した後、前記金型キャビティ内に加圧充填す
るのが好ましい。それにより半溶融状態の材料および導
電部には電磁誘導による電流が発生し、それらの誘導電
流と磁場の相互作用による電磁体積力が被融解物を鋳込
スリーブ表面から遠ざける方向に作用して材料と鋳込ス
リーブの接触を防止する方向に働く。このため接触によ
る温度低下が少なく溶融金属表面における凝固片の発生
が少くなると共に溶融金属の温度低下が少なく、しかも
温度分布が均一になって充填される。また鋳込みスリー
ブ自身の温度上昇が抑えられることにより鋳込みスリー
ブの変形が少なくなり鋳込みスリーブの機械精度を維持
することができる。
流れを層流にして空気の巻き込みを少なく、且つ酸化物
や凝固片を金型キャビティ内に充填させないで鋳造する
事が可能となる。鋳込みスリーブ内溶融金属の温度を液
相線近傍から液相線より低く固相線または共晶線より高
い所定の温度まで所定の冷却速度で低下させ、溶融金属
の初晶を実質的に粒状化させて半溶融状態とすると、粒
状の初晶と共晶温度以上の液体とによるチキソトロピー
を得ることができる。チキソトロピーとは、粒状の固体
と液体とがある割合で混ざったものが示す性質であり、
振動や剪断力により液化し、放置しておくと固化する現
象である。
なると力を加えると完全な溶湯状態に比較して層流で流
れる傾向が強くなり、スリーブから金型への充填時のガ
スの巻き込みが少なくなる。すなわち組織が粒状化して
有る程度固相が存在すれば力が加わったとき粒状化した
固相の移動と液体の移動が同時に起こり、固液が共に移
動する現象が生じる。これによって、鋳造品の欠陥が少
なくなり、ガス含有量が低下して熱処理してもブリスタ
は発生しない。一方、組織が粒状化していない場合には
力がかかると固相同士が引っかかって流動せず、固相間
の溶湯即ち未凝固部だけが先に飛び出す現象が現れる。
このため、偏析や空気の巻き込みが生じる。
溶湯をスリーブに入れることだけでは得られず組織の粒
状化と固相率がある程度以上高くなる必要があり(概ね
30%以上)、反面ある程度以上固相率が高くなると
(概ね60%以上)粘性が高くなり、湯流れが悪くなる
という問題が生じる。
方法に用いる縦型のダイカスト鋳造装置,図1(b)は
キャビティを有する金型の要部断面図である。縦型のダ
イカスト鋳造装置の加圧力は100MPaであり、鋳込
みスリーブ2内径は50mm、外径80mmである。金
型キャビティ6は、上金型4と下金型5で型合せを行
い、自動車用の懸架装置部品であるステアリングナック
ルが鋳造できるよう形成している。
A357合金(ASTM:AlSi7%Mg)の鋳造を
行う。先ず、A357合金組成を溶解して液相線(62
0℃)近傍の約630℃の温度にする。次に、このA3
57合金溶湯1Aをラドル41により、ラドル15の注
湯口に配置した濾過部材42を通して鋳込みスリーブ2
に移す。そして、図7に示すような粒状の組織となるよ
うに、鋳込みスリーブ2内で液相線近傍から液相線より
低く固相線または共晶線より高い、約580℃の温度ま
で低下させる。A357合金では鋳込みスリーブ2内の
冷却速度は、0.5〜8℃/sが良く、好ましくは1〜
4℃/sが良い。これにより、A357合金溶湯1Bは
初晶が粒状化した半溶融状態となる。このときの結晶粒
は、円形度(粒の長径と短径の比)の平均が0.63、
円相当径(粒面積から算出した疑似円の直径)の平均が
80μmである。
金属1Bを金型キャビティ6内に、プランジャ3によ
り、層流状態を維持して加圧充填する。組織は、加圧充
填する過程のゲート6Bで、粒状のものがいっそう微細
化し、且つ球状に変わる。このゲート通過直後の組織を
図8に示す。球の大きさの平均は、結晶粒は、円形度
(粒の長径と短径の比)の平均が0.72、円相当径
(粒面積から算出した疑似円の直径)の平均が40μm
である。半溶融金属の組織は、鋳込みスリーブ内で粒状
化された後、金型キャビティ内に充填後、円形度(粒の
長径と短径の比)が大きくなり、円相当径(粒面積から
算出した疑似円の直径)は小さくなり、結晶は微細でよ
り真円に近くなっている。鋳込みスリーブ2内での半溶
融金属1Bの固相率は、Al−Si−Mg系アルミニウ
ム合金の状態図と温度から30〜60%にする。
て、これを金型キャビティ6内に加圧充填して凝固さ
せ、金型を型開きをすれば、ステアリングナックル素材
を得ることができる。その後、この素材を540℃前後
の高温に加熱し、鋳造時の偏析をいっそう無くして均一
にすると同時に晶出相、析出相などを母相に十分溶かし
込んだ過飽和固溶体とする熱処理を行う。次ぎに、過飽
和固溶体を160℃前後の比較的低温に再度加熱、保持
し、析出を促進する時効硬化処理を行う。鋳込みスリー
ブ内の半溶融金属の固相率を変え、熱処理を施して得ら
れたステアリングナックルの機械的性質を、表1に示
す。
込みスリーブから金型キャビティ内に充填したものは、
熱処理後、小さいブリスタが発生し、伸びが小さい。比
較例1のものでは、靱性が要求されるようなステアリン
グナックルには向かない。また、比較例5の半溶融金属
の固相率65%で鋳込みスリーブから金型キャビティ内
に充填したものは、図6に示すような不廻りが発生し、
製品とすることができない。
湯流れが良く、ブリスタの発生も少なく、引張強さ、耐
力、伸びとも優れている。ステアリングナックルなどの
自動車用の懸架装置部品を製造すれば、より高い信頼性
と軽量化を図ることができる。また、鋳込みスリーブ2
内筒部の一部を低熱伝導材のサイアロンとすれば、半溶
融金属1Bを保温して、熱を奪うことが少なく、鋳込み
スリーブ2を予熱することなく半溶融で粒状の組織が得
られる。更に、金型キャビティ6内を溶融金属充填時に
減圧雰囲気とすれば、湯流れが更に良くなり、半溶融金
属を金型キャビティの末端まで充填せれる。鋳込みスリ
ーブ2内に不活性ガスを供給すれば、溶融金属の酸化を
防止して、更に健全な鋳物を得ることができる。
スト鋳造方法に用いる横型のダイカスト鋳造装置の要部
断面図であり、図3は図2の20部の断面図である。図
2に図2で横型のダイカスト鋳造装置は、要部として、
溶融金属1を受ける鋳込みスリーブ22と、油圧装置に
て駆動されるプランジャ3と、このプランジャ3が左方
に移動して鋳込みスリーブ22内の溶融金属1を充填す
る金型キャビティ6とからなる。図3で、鋳込みスリー
ブ12の内筒はサイアロン製セラミックの絶縁体8から
なり、この絶縁体8には、不連続なオーステナイト系ス
テンレス管からなる導電体9が不連続に埋め込み、導電
体9中には冷却水が貫流している。実施例では水冷する
場合を示すが、水冷に代えて空冷しても差し支えない。
これにより、鋳込みスリーブ12の導電体、誘導コイル
で電磁体積力を発生させつつ、鋳込みスリーブ中の半溶
融金属を、内壁と接触しない状態として金型キャビティ
内に充填すれることができ、凝固片の発生が少なく、溶
融金属の温度低下が少なく、また、温度分布が均一にな
って充填される。
0MPaであり、鋳込みスリーブ12内径は50mm、
外径80mmである。金型キャビティ6は、可動金型4
と固定金型5で型合せを行い、自動車用のステアリング
ナックルが鋳造できるよう形成している。この横型のダ
イカスト鋳造装置を用いて、実施例1と同様にしてA3
57材の鋳造を行い、且つ熱処理を行う。以上により作
製したステアリングナックルの機械的性質を、従来から
行われている低圧鋳造法により作製した場合と比較し
て、表2に示す。
スタの発生も少なく、引張強さ、耐力、伸びとも、従来
の低圧鋳造法の比較例7に比較して、優れたステアリン
グナックルが得られることがわかる。そして、自動車用
の懸架装置部品を製造すれば、より高い信頼性と軽量化
を図ることができる。製作する鋳物部品の特性に応じ
て、本実施例で説明したダイカスト鋳造装置に代え、図
4に示すダイカスト鋳造装置を用いることもできる。
イカスト鋳造方法は、鋳込みスリーブにおいて溶融金属
の初晶を実質的に粒状化させて半溶融状態として金型キ
ャビティ内に加圧充填し、凝固させるので、湯流れを層
流にして空気の巻き込みを少なくし、且つ酸化物や凝固
片を金型キャビティ内に充填させないで鋳造することが
でき、得られる製品の機械的性質が向上して、自動車用
のステアリングナックルなどの懸架装置やアルミニウム
ホイールなど、高強度部材を鋳造することが可能であ
る。
の縦型のダイカスト鋳造装置の要部断面図である。
例の横型のダイカスト鋳造装置の要部断面図である。
例の電磁体積力発生機構のない横型のダイカスト鋳造装
置の要部断面図である。
である。
示す金属顕微鏡写真である。
組織を示す金属顕微鏡写真である。
ある。
析を示す組織の金属顕微鏡写真である。
込みスリーブ、3:プランジャ、 4:可動金型、
5:固定金型、6:製品キャビティ、 7:誘導
コイル、 8:絶縁体、9:導電体、 1
0:冷却水パイプ、 11:冷却水、12:冷却水通
路、 15:ラドル、 22:内筒部 、2
3:サイアロン、 24:外筒部。
Claims (11)
- 【請求項1】鋳込みスリーブ内溶融金属の温度を液相線
近傍から液相線より低く固相線または共晶線より高い所
定の温度まで所定の冷却速度で低下させることによっ
て、溶融金属の初晶を実質的に粒状化させて半溶融状態
として金型キャビティ内に加圧充填し、凝固させること
を特徴とするダイカスト鋳造方法。 - 【請求項2】(a)金属を溶解して、その溶融金属を液
相線近傍の温度にする工程と、(b)前記溶融金属を鋳
込みスリーブに移す工程と、(c)該鋳込みスリーブ内
溶融金属の温度を液相線近傍から液相線より低く固相線
または共晶線より高い所定の温度まで所定の冷却速度で
低下させることによって、溶融金属の初晶を実質的に粒
状化させて半溶融状態を得る工程と、(d)初晶が粒状
化した前記鋳込みスリーブ内の半溶融状態金属を金型キ
ャビティ内に加圧充填する工程と、(e)前記金型キャ
ビティ内に加圧充填された半溶融状態金属を凝固させる
工程とよりなることを特徴とするダイカスト鋳造方法。 - 【請求項3】 請求項1または請求項2記載のダイカス
ト鋳造方法において、前記鋳込みスリーブ内で粒状化し
た半溶融状態金属を金型キャビティ内に充填する過程で
球状化するダイカスト鋳造方法。 - 【請求項4】請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載
のダイカスト鋳造方法において、前記鋳込みスリーブ内
で半溶融状態金属の固相率を30〜60%に制御するダ
イカスト鋳造方法。 - 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれか一に記
載のダイカスト鋳造方法において、前記鋳込みスリーブ
内筒部の少なくともその一部を低熱伝導材とするダイカ
スト鋳造方法。 - 【請求項6】 請求項5記載のダイカスト鋳造方法にお
いて、前記低熱伝導材がサイアロンであるダイカスト鋳
造方法。 - 【請求項7】 請求項1乃至請求項6のいずれか一に記
載のダイカスト鋳造方法において、前記鋳込みスリーブ
内の半溶融状態金属を層流状態で金型キャビティ内に加
圧充填し、その後高圧を付与するダイカスト鋳造方法。 - 【請求項8】請求項1乃至請求項7のいずれか一に記載
のダイカスト鋳造方法において、前記金型キャビティ内
を、少なくとも半溶融状態金属の充填時に減圧雰囲気お
よび/または不活性ガス雰囲気とするダイカスト鋳造方
法。 - 【請求項9】 請求項1乃至請求項8のいずれか一に記
載のダイカスト鋳造方法において、前記鋳込みスリーブ
内を不活性ガス雰囲気とするダイカスト鋳造方法。 - 【請求項10】 請求項1乃至請求項9のいずれか一に
記載のダイカスト鋳造方法において溶融金属の初晶を実
質的に粒状化させて半溶融状態にした後、半溶融状態金
属を電磁攪拌によって球状化させ、前記金型キャビティ
内に加圧充填するダイカスト鋳造方法。 - 【請求項11】 請求項1乃至請求項9のいずれか一に
記載のダイカスト鋳造方法において、前記鋳込みスリー
ブの外筒部の少なくとも一部に導電体を複数個配置し、
前記導電体の外部の誘導コイルにより磁場を形成し、前
記鋳込みスリーブ内溶融金属を液相線近傍から液相線よ
り低く固相線または共晶線より高い所定の温度まで低下
させ、加熱または保温すると共に、前記導電体の電磁誘
導による誘導電流と磁場の相互作用により前記溶融金属
を前記鋳込みスリーブ表面から遠ざける方向に作用させ
ることを特徴とするダイカスト鋳造方法。
Priority Applications (4)
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JP06242895A JP3487315B2 (ja) | 1995-03-22 | 1995-03-22 | ダイカスト鋳造方法 |
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