JP2001303150A - 鋳造用金属粒子およびその製造方法並びに金属射出成形法 - Google Patents

鋳造用金属粒子およびその製造方法並びに金属射出成形法

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JP2001303150A
JP2001303150A JP2000121366A JP2000121366A JP2001303150A JP 2001303150 A JP2001303150 A JP 2001303150A JP 2000121366 A JP2000121366 A JP 2000121366A JP 2000121366 A JP2000121366 A JP 2000121366A JP 2001303150 A JP2001303150 A JP 2001303150A
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casting
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metal particles
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Tetsuya Suganuma
徹哉 菅沼
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】チクソインジェクションモールディングの優位
性を発揮させることができる鋳造用金属粒子を提供する
ことを目的とする。 【解決手段】少なくとも2種以上の元素を含む合金から
なり平均粒径が1〜5mmの球状をしていると共に全体
に対して10〜60体積%の初晶組織を有することを特
徴とする鋳造用金属粒子および、固液共存状態の半凝固
スラリを間欠的に加圧することによりノズルから滴出
し、略球状の半凝固粒子を形成し、それをさらに冷却し
て凝固する鋳造用金属粒子の製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋳造に使用される
鋳造用金属粒子と、その鋳造用金属粒子の製造方法なら
びにその鋳造用金属粒子を用いた金属射出成形法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】最近益々、軽量化の要求が強くなり、多
くの部材が従来の鋳鉄製等からアルミニウム合金製、マ
グネシウム合金製等の軽合金製に移行してきていると共
に金属製品の薄肉化が一層進むようになってきた。例え
ば、エンジン部材、自動車のホイール等のみならず、シ
ャーシ部材等にまで軽合金を用いた薄肉製品が使用され
るようになってきた。このような事情もあり、従来以上
に、均一で微細な金属組織をもち、鋳造欠陥等の少な
い、機械的強度に優れた鋳造製品が必要となってきてい
る。
【0003】ところが、従来の重力鋳造や加圧鋳造等の
鋳造方法では、金属溶湯を冷却して液相状態から固相状
態に変態させていため、その際に生じる凝固収縮量(体
積収縮量)が大きく、収縮巣(内部引け)等の鋳造欠陥
を生じ易い。また、金属溶湯は、鋳型内壁に接している
部分から凝固を始め、内部へ樹枝状の初晶組織(デンド
ライト)を成長させていくため、鋳造製品の金属組織は
粗大で不均一になり易い。従って、重力鋳造や加圧鋳造
等の鋳造方法では、鋳造製品の機械的性質の向上を図る
ことも容易ではない。
【0004】そこで、従来の鋳造方法の欠点を改善すべ
く、微細な初晶組織(固相)を含む固液共存状態の半凝
固スラリや半溶融スラリを鋳型に注入して凝固させるレ
オキャスティングやチクソキャスティングやチクソモー
ルディングが行われるようになってきた。これらの鋳造
方法によれば、微細な初晶組織が均一に分散した緻密な
金属組織をもつ金属製品が得られ、また、半凝固状態か
らの状態変化であるため、凝固収縮量が少なくなり、収
縮巣等の鋳造欠陥の発生も抑制できるとされている。ま
た、金属溶湯に較べてスラリの粘性が大きいため、スラ
リは層流状態で注入され、注入時に空気等を巻込み難
く、内部に気孔等が発生することを抑制、防止できると
されている。さらに、このような鋳造方法は、顕熱も小
さいため鋳型の長寿命化等が図れ、凝固時間も短いため
成形サイクルが短くなり、生産性、低コスト性に優れる
とされている。
【0005】ここで、「レオキャスティング」とは、液
相状態の合金溶湯から冷却した固液共存の半凝固スラリ
状態で撹拌し、その半凝固スラリをキャビティに注入し
て凝固させる鋳造方法であり、「チクソキャスティン
グ」とは、レオキャスティングにより得られた鋳塊を加
熱して固液共存状態の半溶融スラリとし、その半溶融ス
ラリをキャビティに注入して凝固させる鋳造方法であ
る。「チクソモールディング」とは、射出成形機等を用
いて切削チップ等の粒子状の合金原料を固液共存状態と
してキャビティに注入して凝固させるものである。ま
た、チクソモールディングやチクソキャスティングは、
溶解炉等の設備が不要で作業環境や省エネルギ等に優れ
る。特に、マグネシウム合金等の金属製品を成形する場
合、金属射出成形法を用いると、大掛りな防火対策等を
施さずに比較的小型の設備で鋳造を行うことができるこ
とから、チクソモールディングが普及してきている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、低コスト
で、軽量な大型薄肉製品等を得る上で非常に有効と考え
られるチクソモールディングであるが、これまでその優
位性が十分には発揮されていなかった。その理由として
考えられるものを次に説明する。従来のチクソモールデ
ィングでは、金属射出成形機のホッパーにマグネシウム
合金の切削チップを投入して射出成形を行っていた。こ
の投入する切削チップは、鋳塊を数mm程度の大きさの
長粒状に切削した細片である。従って、その凝固組織は
樹枝状のデンドライトである。たとえ、レオキャスティ
ングした鋳塊を用いたとしても、鋳塊は大きな塊である
ため、全体的な冷却速度が遅く、レオ状態(半凝固スラ
リ)に含まれていた微細な初晶が成長して粗大組織とな
ってしまう。また、その鋳塊の外部と内部とでは冷却速
度が異なるため、形成される金属組織が異なり、全体的
に不均一な組織となる。従って、その鋳塊から得られる
切削チップも金属組織が各切削チップ毎にバラバラとな
り、その内部に含まれる初晶組織も粗大組織であった
り、樹枝状であったり、初晶組織とそれを包囲する他の
組織との割合が非常に不均一であったりしていた。
【0007】このような、切削チップが金属射出成形機
のホッパーに投入されると、切削チップの形状が不均一
で歪(いびつ)であると共に、そこに含まれる初晶組織
の形状や分布も一定しないため、シリンダ内への切削チ
ップの充填性が悪いと共にシリンダ内での流動性も非常
に悪くなってしまう。そこで、従来、流動性を確保する
ために、切削チップの融点前後まで加熱して射出成形を
行っていた。しかし、このような加熱(過熱)を行う
と、切削チップが半溶融スラリというよりも通常の金属
溶湯に近い状態となるため、結局、チクソモールディン
グの特長が損われる結果となっていた。そして、その結
果得られる鋳造製品も、当然に、金属組織が不均一で収
縮巣やマイクロポア等の鋳造欠陥を有することになり、
チクソモールディングの特長が鋳造製品に十分に現れな
かった。
【0008】また、高温の金属溶湯に近い低粘度状態
で、鋳型のキャビティ内に射出されるため、鋳型の合せ
部でバリが発生したり、鋳型寿命が短くなったり、加熱
エネルギが増大したりして、歩留りの低下や鋳造製品の
コストアップ等を招いてしまっていた。このように本発
明者は、従来、チクソモールディングの優位性が発揮さ
れない理由が鋳造用金属粒子(切削チップ)にあると考
えて、チクソモールディングを行う上で最適な鋳造用金
属粒子とは如何なるものか、また、その鋳造用金属粒子
は如何に製造すべきかを検討することとした。
【0009】そこで、本発明者は、先ず、従来公報を調
査し、次のような関連する公報を抽出した。 特開平7−316611号公報や特開平8−1094
20号公報には、金属溶湯を加圧しながら多孔質材料中
やストレーナ中を通過させることにより製造される、初
晶組織を内包していると思われる金属粒化物の製造方法
が開示されている。ところが、それらの公報には、その
金属粒化物の形状や金属組織等について詳細な開示は何
らされていなかった。また、その実施例中でも、通常の
ダイキャストにその金属粒化物も使用しているに過ぎ
ず、チクソモールディングに適するものか否かは不明で
ある。さらに、そこに開示されている方法では、金属溶
湯を連続的に加圧しているため、多孔質材料中やストレ
ーナ中を通過して形成される金属粒化物の形状は不安定
となり、均一な形状や組織をもった金属粒化物を得るこ
とは容易ではない。また、スラリーを多孔質材料中やス
トレーナ中を通過させる際に固相がトラップされて液相
分離が起り、組成が変化するため、目標とするスラリー
粒子が得られない。 特開平11−123502号公報には、半溶融スラリ
をダイスの押出孔から押出して所定長さに切断し、金属
射出成形用ペレットを得る方法が開示されている。しか
し、この製造方法により得られるペレットは長粒状であ
るため、金属射出成形機のシリンダ内への充填性等が良
くない。また、チクソモールディングを行う上での適切
な形状(大きさ)や金属組織に関する開示も何らされて
いない。 特開平1−309937号公報や特許2681801
号公報には、アトマイズ法により半凝固スラリから金属
粒子を得る方法が開示されている。しかし、このような
方法で得られる金属粒子は、その大きさが数十から数百
μm程度の微粉末であり、金属射出成形機等に充填する
と、ブリッジを起しやすく、充填性がかえって悪化して
しまう。また、微粉末とすることにより、環境安全面等
から取扱いが面倒となってしまう。特に、マグネシウム
合金系は、燃焼、爆発等の危険性も高い。さらに、表面
積が増加することにより、使用する金属合金の酸化が進
み易すくなり、成形品の機械的性質の低下等を招いたい
り、使用する金属合金の種類によっては、防燃設備等が
別途必要になったりして好ましくない。
【0010】本発明は、このような事情に鑑みて為され
たものある。つまり、チクソモールディングを行うに際
して、その原料として適した形状および組織をもつ鋳造
用金属粒子を提供することを目的とする。また、そのよ
うな鋳造用金属粒子を効率よく製造することができる製
造方法を提供することを目的とする。さらに、その鋳造
用金属粒子を用いて、生産性や成形品の品質向上を図る
ことができる金属射出成形法を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者は、この
課題を解決すべく鋭意研究し、試行錯誤すると共に各種
系統的実験を重ねた結果、粒径と初晶組織の割合に着目
することにより、チクソモールディングに適した鋳造用
金属粒子を開発するに至ったものである。また、その鋳
造用金属粒子の製造に適した製造方法を開発すると共
に、得られた鋳造用金属粒子を用いて機械的性質等に優
れる射出成形品を得ることができる金属射出成形法を開
発するに至ったものである。
【0012】(鋳造用金属粒子)すなわち、本発明の鋳
造用金属粒子は、少なくとも2種以上の元素を含む合金
からなり平均粒径が1〜5mmの球状をしていると共に
全体に対して10〜60体積%の初晶組織を有すること
を特徴とする。
【0013】鋳造用金属粒子が、平均粒径1〜5mmの
球状をしているため、金属射出成形機への充填性等に優
れ、ブリッジ等も起こしがたい。また、適当な大きさで
あるため、安全性も高く、取扱いも容易である。そし
て、その鋳造用金属粒子を加熱して半溶融スラリを形成
する場合、ほぼ均一な球状をしているため、全体的に熱
が伝達され易い。また、初晶組織の割合も全体に対して
10〜60体積%と適度で均一であるため、その初晶組
織(固相)を包囲するように、いわゆるネットワーク状
に均一に液相が出現し易い。これらにより、液相線温度
より十分に低い温度で良好な流動性を示す半溶融スラリ
が得られ、鋳型のキャビティ内への注入等が容易とな
る。特に、低温領域で良好な流動性を示すようになるた
め、過熱の心配が少なく、初晶組織の成長を抑制でき
る。このため、その鋳造用金属粒子を使用してチクソモ
ールディングを行うと、その本来の利点を活かすことが
できる。つまり、初晶組織が微細にかつ均一に分散し、
凝固収縮量や鋳造欠陥等が少ない鋳造製品が得られる。
そして、その鋳造製品は、機械的性質や寸法精度等に優
れる。
【0014】また、余分な過熱が不要であるため、省エ
ネルギも達成できる。また、低温域で適度な粘性をもつ
半溶融スラリが得られるため、鋳型の合せ部からのバリ
の発生を抑制できて歩留りが高まると共に鋳型の寿命も
延び、鋳造製品のコスト低減を図ることもできる。この
ように、本発明に係る鋳造用金属粒子を用いると、チク
ソモールディング本来の特徴を十分に活かすことができ
る。ここで、鋳造用金属粒子の平均粒径を1〜5mmと
したのは、5mmを越えると、金属射出成形機の内部で
充填性が低下し、また加熱時の熱伝達性が低下し、また
半溶融スラリにしたときに液相の出現が不均一となり、
また巻込まれるガス量等が増加したりするからである。
また、このような状態で射出成形等が行われると、鋳造
欠陥が現れやすくなり、鋳造製品の機械的性質の低下等
を招くからである。
【0015】一方、1mm未満では取扱に不便であると
共に、微細になる程ブリッジ等を起して、充填性がかえ
って低下することにもなる。また、表面積が増加して、
鋳造用金属粒子の表面が酸化され易くなり、ひいては、
鋳造製品の品質低下に繋がる。また、かさ密度の増大に
より、例えば、金属射出成形機のスクリュの駆動トルク
が増大して射出成形性が低下する。また、使用する合金
の種類によっては、表面酸化が急激に進行して発火する
恐れもあるため、それを防止するために大掛りな防燃設
備等が必要となる。なお、ここで鋳造用金属粒子の平均
粒径は、多数の粒子の外観写真から画像処理をして求め
ることができる。そして、充填性、取扱性等の点から、
平均粒径が2〜3mmであると、より好ましい。初晶組
織の割合を10〜60体積%としたのは、10体積%未
満では半溶融スラリの特長を引出すことが困難だからで
ある。一方、60体積%を越えると、半溶融スラリの粘
度が大きくなり過ぎて流動性や鋳造性(湯回り)が低下
するからである。ここでは、初晶組織の割合を体積%で
示したが、固液共存状態の固相率と同義であり、鋳造用
金属粒子の断面組織では面積率として表される。この初
晶組織の割合は、流動性の点から20〜50体積%であ
るとより好ましい。
【0016】また、この初晶組織が、略球状をしており
平均粒径が10〜200μmであると、好適である。
【0017】初晶組織が略球状をしていると、半溶融ス
ラリにおける流動性が良好となり、鋳造製品においても
略球状の初晶組織が均一に分散した金属組織を得ること
ができ、鋳造製品の機械的性質の向上を図る上で好まし
い。ここで、その平均粒径を10〜200μmとしたの
は、10μm未満の微細化を図るためには、組織や製造
プロセス上の制御条件が大きくなり、きわめてコスト高
となり、200μmを越えると、組織の微細化による機
械的性質の向上が期待できなくなるからである。なお、
この初晶組織の平均粒径は、粒子の断面組織写真から画
像処理して求めることができる。そして、流動性や鋳造
製品の機械的性質の向上を一層図るべく、初晶組織の平
均粒径は、10〜100μmであるとより好ましく、さ
らには10〜50μmであると、一層好ましい。
【0018】(鋳造用金属粒子の製造方法)本発明の鋳
造用金属粒子の製造方法は、少なくとも2種以上の元素
を含む固液共存状態の半凝固スラリを形成する半凝固ス
ラリ形成行程と、該半凝固スラリ形成行程により形成さ
れた半凝固スラリを間欠的に加圧することによりノズル
から滴出して略球状の半凝固粒子を形成する半凝固粒子
形成行程と、該半凝固粒子形成行程により得られた半凝
固粒子をさらに冷却して全体的に凝固させる凝固行程
と、からなることを特徴とする。
【0019】半凝固スラリを間欠的に加圧してノズルか
ら滴出しているため、半凝固粒子のサイズ、初晶組織
(固相)の割合を容易に変更でき、例えば、前述した平
均粒径1〜5mmで初晶組織の割合が10〜60体積%
の鋳造用金属粒子を容易に製造できる。より具体的に
は、例えば、加圧量とノズルの孔径と半凝固スラリの固
相率等を適宜調整することにより、鋳造用金属粒子のサ
イズ、初晶組織の割合を大きな自由度の範囲で変更でき
る。それに、半凝固スラリは金属溶湯よりも粘性が大き
いため、ノズルの孔径を多少大きくしても、半凝固スラ
リが連続的に漏出するといったことが起らず、ノズルの
孔径を大きくできることにより、固相のトラップによる
液相分離や固相(初晶組織)の目詰りを抑制、防止でき
る。しかも、その半凝固粒子はノズルから滴出する際、
表面張力により略球状となるから、球状の鋳造用金属粒
子を得る上で好都合である。また、加圧間隔を調整する
ことにより、生産量の調整も容易である。
【0020】(金属射出成形法)本発明の金属射出成形
法は、少なくとも2種以上の元素を含む合金からなり平
均粒径が1〜5mmの球状をしていると共に全体に対し
て10〜60体積%の初晶組織を有する鋳造用金属粒子
を加熱して固液共存状態の半溶融スラリを形成する半溶
融スラリ形成行程と、該半溶融スラリ形成行程により形
成された半溶融スラリをキャビティ内に射出する射出行
程と、を含むことを特徴とする。
【0021】前述の鋳造用金属粒子を用いた金属射出成
形により、チクソモールディング本来の利点を引出すこ
とができる。つまり、金属射出成形機への充填性やその
内部での流動性が良好となり、また、合金の固相線上の
低温でも固相(初晶組織)と液相とが均一に分布した半
溶融スラリが得られ、初晶組織の成長を抑制しつつその
半溶融スラリを鋳型内のキャビティに注入できる。この
ため、本発明の金属射出成形法によれば、均一で微細な
金属組織をもち機械的性質に優れた鋳造製品が得られ
る。また、比較的低温で適度な粘性の半溶融スラリがキ
ャビティに注入されることにより、凝固収縮量が小さく
て鋳造欠陥を抑制・防止でき、また、凝固速度が速いた
め射出成形サイクルを短縮できて生産性の向上も図れ、
また、鋳型の合せ部からのバリ等も少なく、歩留り向上
も図れる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態を挙げ
て、本発明をさらに詳しく説明する。 (鋳造用金属粒子)鋳造用金属粒子を構成する合金は、
少なくとも2種以上の元素からなれば良く、全ての元素
が金属元素である必要はない。例えば、アルミニウム合
金系であれば、Alと、第二元素であるSi、Mg、C
u、Zn、Ni、Li等とからなるものがあり、マグネ
シウム合金系であれば、Mgと、第二元素であるAl、
Zn、Li、Ca、Sn、Ag等とからなるものがあ
り、共晶型の合金であれば良い。実用合金の場合であれ
ば、鋳造用合金やダイキャスト用合金に限らず、展伸用
合金においても本発明の鋳造用金属粒子を構成できる。
もっとも、これらは一例に過ぎず、原理的にみても、ア
ルミニウム合金系やマグネシウム合金系に限られるもの
ではない。
【0023】もっとも、この鋳造用金属粒子を構成する
合金が、アルミニウム合金またはマグネシウム合金であ
ると、好適である。アルミニウム合金やマグネシウム合
金からなる鋳造用金属粒子を用いることにより、軽量な
鋳造製品の成形が可能となり、特に、軽量化の要求が強
い大型薄肉製品等を鋳造する場合に好ましい。なお、特
に、マグネシウム合金からなる鋳造用金属粒子を用いて
金属射出成形を行うと、大型の鋳造設備や防燃設備等を
設けずにマグネシウム合金製品を容易に得られる。いず
れにしても、適切に組成と温度調整を行えば、初晶組織
と共晶組織等をもつ鋳造用金属粒子が得られる。そし
て、この鋳造用金属粒子を加熱すると、合金の固相線以
上の温度で、先ず、共晶組織が溶解して、その液相が初
晶組織をネットワーク状に包囲する固液共存状態の半溶
融スラリを得ることができる。
【0024】(鋳造用金属粒子の製造方法) 半凝固スラリ形成行程は、少なくとも2種以上の元素
からなり初晶組織(固相)を含む固液共存状態の半凝固
スラリを形成する工程である。半凝固スラリは、合金溶
湯の冷却過程で形成される。合金溶湯の形成とその後の
初晶組織の形成とを連続的に一つの装置中で行うと、設
備の小型化を図れ、効率的である。例えば、鋳塊を高周
波誘導加熱装置(インダクションヒータ:IH)で完全
に加熱溶解してから局部的に冷却コイル等で冷却するこ
とにより、初晶組織を含む半凝固スラリを形成できる。
また、半溶融スラリは、例えば、レオキャスティングに
より得た鋳塊を加熱し、部分的に溶解して形成しても良
い。
【0025】この半凝固スラリ形成行程は、その半凝固
スラリを強制攪拌することにより非樹枝状の初晶組織を
形成する行程であると、好適である。半凝固スラリ形成
行程で半凝固スラリを強制攪拌すると、その剪断力によ
り樹枝状の初晶組織(デンドライト)が粉砕され、非樹
枝状(略球状)の初晶組織が容易に形成され、微細均一
な組織が得られる。この半溶融スラリ形成行程で得られ
た非樹枝状の初晶組織は、半凝固粒子や鋳造用金属粒子
に引継がれ、最終的には鋳造製品に引継がれる。この結
果、均一で緻密な金属組織をもった鋳造製品が得られる
こととなる。なお、この強制攪拌は、機械的攪拌、電磁
的攪拌等の他、スラリに剪断力を付与する手段であれ
ば、特に拘らない。
【0026】半凝固粒子形成行程は、前述の半凝固ス
ラリを間欠的に加圧することによりノズルから滴出して
略球状の半凝固粒子を形成する工程である。この半凝固
スラリの間欠的な加圧は、周期的でも、非周期的でも良
い。また、間欠的な加圧は、半凝固スラリ上に介在させ
た不活性ガスの気圧変動等を利用して間接的に加圧して
も良いし、ピストン等で半凝固スラリを直接的に加圧し
ても良い。その加圧するアクチュエータとして、例え
ば、電磁アクチュエータを利用できる。つまり、アクチ
ュエータに周期的な電圧信号を印加することにより、半
凝固スラリを周期的(間欠的に)に加圧できる。
【0027】ノズルは、細管状のものでも良いし、半凝
固スラリの容器の底部に設けた孔でも良い。また、半凝
固スラリは金属溶湯と比較すると粘性が大きいため、そ
の孔径が大きくても不用意に半凝固スラリが垂れたりし
ない。そして、孔径を大きくできるため、固相の初晶組
織を含む半凝固スラリが通過するにも拘らず、固相のト
ラップや液相分離を起さず、また、ノズルの目詰りを防
止できる。
【0028】凝固行程は、前述の半凝固粒子をさらに
冷却して全体的に凝固させる工程である。例えば、不活
性ガス等を半凝固粒子に向けて噴射することにより行う
ことができる。半凝固粒子は、通常、数mm程度の粒径
であるため、実質的に急冷に近い状態で鋳造用金属粒子
となる。このため、半凝固粒子に含まれていた微細な初
晶組織が殆ど成長することなく、微細な初晶組織をもつ
鋳造用金属粒子が得られることとなる。そして、この冷
却速度は、102℃/sec以上、例えば、102〜10
3K/secとすると好適である。従来の切削チップの
原材である鋳塊の冷却速度(101〜102K/sec程
度)に較べてかなり高速で冷却されるため、得られる鋳
造用金属粒子の金属組織微細化を図る上で好ましい。
【0029】(金属射出成形法)この金属射出成形法
は、一般的な金属射出成形機を用いて行うことができ
る。特定形状の特定金属組織をもつ鋳造用金属粒子を用
いることにより、半溶融スラリ形成行程をより低温で行
うことができ、低温であるため、初晶組織の成長も抑制
できる。また、低温状態の半溶融スラリを鋳型のキャビ
ティ内へ射出できるので、凝固収縮量も少なく、鋳造欠
陥の少ない射出成形品を得ることができる。なお、この
半溶融スラリ形成行程における加熱には、例えば、誘導
加熱装置を用いることができる。
【0030】
【実施例】以下に、実施例を挙げて、本発明についてよ
り具体的に説明する。 (鋳造用金属粒子の製造方法)先ず、本発明に係るアル
ミニウム合金製の鋳造用金属粒子の製造方法について、
図1を用いて説明する。アルミニウム合金(組成:Al
−4.5%Cu、融点:650℃(液相線)〜540℃
(固相線))の合金溶湯をセラミック製坩堝111に投
入した後、セラミック製坩堝111の外周を巻回する高
周波誘導加熱コイルを備えたインダクションヒータ11
2(高周波誘導加熱装置)で加熱する。そして、温度を
630〜560℃に設定して初晶組織(固相)を出現さ
せ、固液共存状態の半凝固スラリ113を形成する。
【0031】このとき、セラミック製坩堝111の中央
には、回転と上下振動を行える回転振動子114が中央
に配設されている。この回転振動子114は、モータと
アクチュエータとを組合わせた回転・振動駆動源により
駆動されている。このとき、例えば、モータ回転を50
0〜3000rpmとして運転すると良い。なお、この
振動源として、電磁アクチュエータや偏心カム等を用い
ても良い。この回転振動子114が回転すると、半凝固
スラリが強制攪拌され、樹枝状の初晶組織が剪断力で粉
砕されて、略球状の初晶組織が形成されるようになる。
この略球状の初晶組織を含む半凝固スラリはセラミック
製坩堝111の底部に集り、セラミック製坩堝111の
底部から下方に延びるノズル115へと導かれる。この
ノズル115は孔径2〜3mmであり、外周はインダク
ションヒータ112により前記600℃前後の設定温度
±10℃に温度調整がなされている。
【0032】なお、インダクションヒータ112は独立
式であり、セラミック製坩堝111の上部側とノズル1
15側とで加熱調整ができ、最適な温度に調整できるよ
うになっている。ところで、前述の回転振動子114の
下端はテーパ状となっており、そのテーパ面がノズル1
15の上部開口周端に当接するようになっている。そし
て、回転振動子114が回転・振動駆動源により上下振
動させられて、ノズル115の上部開口は間欠的に開閉
される。
【0033】ここで、セラミック製坩堝111は、正圧
状態の不活性ガス(Arガス)が内部に充填されたケー
ス110内に載置されている。そのArガスにより半凝
固スラリが押圧された状態となっているため、回転振動
子114の上下振動によりノズル115から略球状の初
晶組織を含んだ所望の半凝固スラリが滴出され、半凝固
粒子10が得られる。こうして得られた半凝固粒子10
は、ケース110の下方に接続されたケース120内を
落下していく。このとき、ケース120の上方両側に設
けられたガス噴射ノズル22から、下方向きにArガス
が吹付けられ半凝固粒子10は強制冷却される。なお、
半凝固粒子10の粒径は2〜3mm程度あるため、素早
く冷却される。このため、半凝固粒子10は、均一微細
な略球状の初晶組織は維持したまま凝固し、鋳造用金属
粒子20となる。
【0034】こうして得られた多数の鋳造用金属粒子2
0は、ケース120の底部にあるロート123を通って
金属射出成形機4のホッパー411へ移される。なお、
この鋳造用金属粒子の製造装置1は、ケース110とケ
ース120との内部がArガス雰囲気であるため、製造
された鋳造用金属粒子20の酸化を防止できる。このた
め、鋳造用金属粒子の製造装置1は、アルミニウム合金
製の鋳造用金属粒子に限らず、後述するマグネシウム合
金製の鋳造用金属粒子の製造にも最適なものである。も
っとも、鋳造用金属粒子20の粒径は2〜3mm程度あ
るため、半凝固粒子10を空冷することとしても、発火
等のおそれはない。
【0035】図2に、鋳造用金属粒子の製造装置1の一
部を置換した別の鋳造用金属粒子の製造装置2(置換部
のみを図示)を示す。この製造装置2では、先ず、鉄製
坩堝211で鋳塊をインダクションヒータ212により
加熱して合金溶湯を形成しておく。次に、その合金溶湯
をその鉄製坩堝211の下方に延びるノズル215内に
導き、ノズル215の外周を巻回する冷却コイル216
により冷却する。そして、そのノズル215内で形成さ
れた初晶組織を回転振動子214により粉砕して、略球
状の初晶組織にする。このような状況で回転振動子21
4が上下振動を行うことにより、適切な割合で略球状の
初晶組織を含んだ半凝固スラリがノズル215の下部開
孔から滴出され、半凝固粒子10が形成される。これ後
の冷却・凝固は、図1に示した鋳造用金属粒子の製造装
置1と同様にして為される。
【0036】図3に、鋳造用金属粒子の製造装置1の一
部を置換した鋳造用金属粒子の製造装置3(置換部のみ
を図示)を示した。この製造装置3は、大径の有底円筒
状をした鉄製坩堝311の底部にノズル315を複数設
けたものである。インダクションヒータ312により加
熱、温度調整がされた半凝固スラリ313の上部には、
円盤状の回転振動子314が配設される。この回転振動
子314が上下振動することにより、半凝固スラリ31
3は複数のノズル315から押出されて多数の半凝固粒
子31が一度に得られる。従って、この製造装置3によ
れば、鋳造用金属粒子20の生産性が著しく向上する。
なお、回転振動子314の上下振動により半凝固スラリ
313が押圧されるようになっているから、半凝固スラ
リ313の上面からArガス等により加圧する必要はな
い。この後の冷却・凝固は、図1に示した鋳造用金属粒
子の製造装置1と同様にして為される。
【0037】(金属射出成形法)次に、前述の製造方法
により得られた鋳造用金属粒子20を用いた金属射出成
形法について説明する。この金属射出成形法は、図4に
示す金属射出成形機4を用いて行うことができる。以
下、順を追って説明する。先ず、金属射出成形機4のホ
ッパー411に鋳造用金属粒子20を投入する。ホッパ
ー411に投入された鋳造用金属粒子20は、その自重
により加熱シリンダ422内に落下していく。加熱シリ
ンダ422は、その外周に巻回されたバンドヒータ42
3により加熱される。加熱シリンダ422には熱伝対
(図示なし)が埋込まれていて、加熱シリンダ422お
よびノズル424内の温度管理ができるようになってい
る。例えば、ノズル424付近に存在する半溶融スラリ
の温度が600℃前後の設定温度±10℃となるよう
に、バンドヒータ423による加熱が制御されている。
【0038】加熱シリンダ422内にはスクリュー42
1が配設されており、駆動ユニット412内の油圧モー
タにより駆動される。そして、ホッパー411から落下
してきた鋳造用金属粒子20は、順次、スクリュー42
1の溝を通ってノズル424側へと送られる。このと
き、鋳造用金属粒子20はバンドヒータ423により加
熱されながらノズル424側に送られるので、ノズル4
24近傍で半溶融スラリが形成されるようになってい
る。なお、このとき従来例に比べて比較的低温で良好な
流動性を示すので、油圧モータによる駆動トルクは少な
くできる。また、従来の650℃前後に比して半溶融ス
ラリは比較的低温であるため、鋳造用金属粒子20中の
初晶組織があまり成長することはない。微細な略球状の
初晶組織が液相中に均一に分散した半溶融スラリは、ノ
ズル424から金型431と金型432とにより形成さ
れたキャビティ433内に注入される。なお、この注入
は、スクリュー421が駆動ユニット412内の油圧ピ
ストンにより押圧されることにより為される。
【0039】そして、金型431、432内で半溶融ス
ラリが冷却・凝固されて、所望形状の成形品(鋳造製
品)が得られる。ホッパー411の周囲はArガス雰囲
気であり、鋳造用金属粒子20の酸化が防止されるよう
になっている。この金属射出成形機4は、後述のマグネ
シウム合金製品を射出成形する場合にも好適な装置であ
り、Arガス雰囲気とすることにより防燃効果もある。
なお、鋳造用金属粒子20と金属射出成形機4とによ
り、微細な金属組織をもつ射出成形品を容易に得られる
ところにチクソモールディングの利点があるが、前述の
鋳造用金属粒子の製造装置1と金属射出成形機4とを組
合わせることが可能である。
【0040】(マグネシウム合金製の鋳造用金属粒子)
次に、マグネシウム合金製の鋳造用金属粒子を製造する
場合について説明する。基本的に、前述のアルミニウム
合金製の鋳造用金属粒子と同様に製造すれば良い。但
し、当然ながら合金組成により温度条件が異なり、ま
た、酸化や燃焼を防止することに十分な注意を払う必要
がある。ここで用いたマグネシウム合金(組成:Mg−
9%Al−0.7%Zn)は融点600(液相線)〜4
70(固相線)℃であり、チクソモールディングの特長
をより引出す上で好適な材料と言える。
【0041】具体的に述べると、前述のセラミック製坩
堝111内での半凝固スラリの温度を580〜490℃
の間で530℃前後になるようにした。また、金属射出
成形機4の加熱シリンダ422内の半溶融スラリの温度
が530±10℃となるように保持した。ちなみに、従
来法による切削チップで推奨されている成形温度は、5
80〜610℃である。これら一連の工程を図5に示
す。
【0042】(試験結果および評価) 前述の製造装置1により製造したアルミニウム合金製
鋳造用金属粒子の組織の模式図を図6(a)に示す。こ
れから、微細な略球状の初晶組織がほぼ均一に分散して
おり、その周囲を共晶組織がネットワーク状に取巻いて
いることが解る。なお、この鋳造用金属粒子の粒径は約
3mmであり、この図から求めた初晶組織の面積率は、
約40%程度であった。比較のため、従来法による半溶
融インゴットから製作した切削チップの金属組織の模式
図を図6(b)に示した。
【0043】次に、マグネシウム合金製の鋳造用金属
粒子について、初晶組織の体積%と半溶融スラリの流動
性との相関を図7に示す。なお、本発明の鋳造用金属粒
子を用いた実施例は実線で示し、従来の切削チップを用
いた比較例は破線で示した(以下、同様である)。この
グラフから、初晶組織の割合が60体積%程度までは半
溶融スラリの流動性が良好であるが、60体積%を越え
るあたりから流動性が急激に低下することが解る。
【0044】同様にマグネシウム合金製の鋳造用金属
粒子について、金属射出成形機4の加熱シリンダ422
への充填性および粒子の流動性とその粒径との相関を図
8(a)に示した。このグラフから、粒径が1〜5mm
のときに、充填性と流動性との両方に優れることが解
る。
【0045】同様にマグネシウム合金製の鋳造用金属
粒子について、射出成形品の鋳造欠陥とその粒径との相
関を図8(b)に示した。このグラフから、粒径が1〜
5mmのときに、鋳造欠陥が比較例よりも少なくなって
いることが解る。
【0046】同様にマグネシウム合金製の鋳造用金属
粒子について、射出成形品の強度特性および組織微細化
とその粒径との相関を図8(c)に示した。このグラフ
から、粒径が1〜5mmのときに、引張強度が比較例を
上回っていることが解る。また、粒径が1〜5mmのと
きに、金属組織が比較例よりかなり微細化されているこ
とが解る。
【0047】
【発明の効果】本発明の鋳造用金属粒子を用いれば、チ
クソモールディング本来の利点を引出すことができ、鋳
造製品の金属組織微細化や機械的性質向上等を図れる。
【0048】また、本発明の鋳造用金属粒子の製造方法
によれば、その鋳造用金属粒子を効率よく生産できる。
【0049】また、本発明の金属射出成形法によれば、
金属組織が微細で機械的性質等に優れる射出成形品を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の鋳造用金属粒子の製造装置を模式的に
示した図である。
【図2】本発明の鋳造用金属粒子の製造装置に係る変形
例を示した図である。
【図3】本発明の鋳造用金属粒子の製造装置に係る他の
変形例を示した図である。
【図4】本発明の金属射出成形法に係る金属射出成形機
を模式的に示したである。
【図5】鋳造用金属粒子から射出成形品までの一連の工
程を示した工程図である。
【図6】本発明の鋳造用金属粒子の金属組織の模式図で
あり、同図(a)は実施例の金属組織の模式図であり、
同図(b)は比較例の金属組織の模式図である。
【図7】本発明の鋳造用金属粒子について、初晶組織の
体積%と半溶融スラリの流動性との関係を示す相関図で
ある。
【図8】本発明の鋳造用金属粒子について、粒径が及す
影響を示す相関図であり、同図(a)は粒径と充填性お
よび流動性との相関を示す図であり、同図(b)は粒径
と鋳造欠陥との相関を示す図であり、同図(c)は粒径
とそれから得られた成形品の強度および組織との相関を
示す図である。
【符号の説明】
20 鋳造用金属粒子 10 半凝固粒子 115 ノズル 433 キャビティ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも2種以上の元素を含む合金から
    なり平均粒径が1〜5mmの球状をしていると共に全体
    に対して10〜60体積%の初晶組織を有することを特
    徴とする鋳造用金属粒子。
  2. 【請求項2】前記初晶組織は、略球状をしており平均粒
    径が10〜200μmである請求項1記載の鋳造用金属
    粒子。
  3. 【請求項3】前記合金は、アルミニウム合金またはマグ
    ネシウム合金である請求項1記載の鋳造用金属粒子。
  4. 【請求項4】少なくとも2種以上の元素を含む固液共存
    状態の半凝固スラリを形成する半凝固スラリ形成行程
    と、 該半凝固スラリ形成行程により形成された半凝固スラリ
    を間欠的に加圧することによりノズルから滴出して略球
    状の半凝固粒子を形成する半凝固粒子形成行程と、 該半凝固粒子形成行程により得られた半凝固粒子をさら
    に冷却して全体的に凝固させる凝固行程と、 からなることを特徴とする鋳造用金属粒子の製造方法
  5. 【請求項5】前記半凝固スラリ形成行程は、さらに、前
    記半凝固スラリを強制攪拌することにより非樹枝状の初
    晶組織を形成する行程である請求項4記載の鋳造用金属
    粒子の製造方法。
  6. 【請求項6】少なくとも2種以上の元素を含む合金から
    なり平均粒径が1〜5mmの球状をしていると共に全体
    に対して10〜60体積%の初晶組織を有する鋳造用金
    属粒子を加熱して固液共存状態の半溶融スラリを形成す
    る半溶融スラリ形成行程と、 該半溶融スラリ形成行程により形成された半溶融スラリ
    をキャビティ内に射出する射出行程と、 を含むことを特徴とする金属射出成形法。
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