JP2015077613A - 鋳造用金属塊状体 - Google Patents

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Abstract

【課題】微細化半凝固組織による均一な半凝固スラリを球状に成形し、これを投入することで、射出成形時における的確な計量・加熱による酸化防止・射出成形後のバリ発生防止等を可能にし、また半凝固スラリの厳密で且つ面倒な温度管理を不要にする。
【解決手段】少なくとも2種以上の元素を含む合金からなる微細化半凝固組織による均一な半凝固スラリを所望の径・重量の球状の鋳塊1に成形凝固して成る。鋳塊1の平均の球径Rは36〜58mmの球状を有し、全体が均一で微細な初晶組織(デンドライト)を含む金属組織の元となる核2によって形成されているものとし、合金は、アルミニウム合金・マグネシウム合金・亜鉛合金・鉄合金のいずれかであるものとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えばアルミニウム合金の押出成形による鋳造品を製造するためのダイカストマシンを使った鋳造成形において、被成形品の重量に対応した半凝固スラリ量をダイカストマシンの投入射出スリーブ内に定量個数形態にて供給可能とするよう所望の定形サイズの球形塊状に凝固成形して成る半凝固スラリ製の鋳造用金属塊状体に関する。
従来より金属材料の鋳造にはダイカストマシンが使用される。ダイカストとは、金型鋳造法のひとつで、溶融したアルミニウム、マグネシウム、亜鉛など非鉄金属の合金を高速、高圧で金型に注入し、成形することにより、高い寸法精度の鋳物を短時間に大量に生産する鋳造方式である。この鋳造で使用するダイカストマシンにおける金型は、鋳造したダイカストを取り出せるように一方の固定金型と他方の可動金型との少なくとも2つの部分よりなっている。これらの固定金型および可動金型それぞれはダイカストマシンの固定ダイプレートおよび可動ダイプレートに取り付けられ、また固定ダイプレート側には投入射出スリーブが設けられており、該投入射出スリーブ内で、先端に射出チップを備えたプランジャが前後にスライドして溶湯を金型内に注入するようになっている。
また、溶解炉と鋳造機とを一体に構成することで溶湯を効率よく金型へ圧入できるようにしたホットチャンバー方式、所謂チクソトロピーと称する半溶融状態の半凝固スラリを射出成形するチクソインジェクションモールディング方式(以下でチクソ成形と略称する)等がある。半凝固スラリの流れはプラスティックの流れに似て連続した等速の流れなので空気を巻き込まずに済み、巣ができないのでキャストインジェクションが可能である。このように半凝固スラリは微細化されている金属組織であるから湯の流れが良いこと、およびこれを使うことによって樹脂のように流れることも解っている。
ところで、マグネシウムと亜鉛は鉄と反応しないため、マグネシウムと亜鉛はホットチャンバーやチクソ成形が可能である。一方、アルミニウムは電極の関係で鉄と反応してしまい、しかも酸化して成形できない。近年においては、アルミニウム合金用のホットチャンバーは市場に存在するがこれには射出機構に耐熱性のセラミックを使っている。しかしアルミニウム合金を使用した場合に確実な成形を可能にするために過度な加圧を掛けると射出機構を構成するセラミック自体の強度が弱いために破壊されてしまう。よってアルミニウム合金用のホットチャンバーでは、プレス圧が多くても約15トン〜20トンまでしか掛けられないのでカメラ部品等の小型の精密品の製造にしか利用できず、プレス圧が最低でも50トン程度であることを必要とする大型の自動車部品の製造では不可能であった。このようにアルミニウム合金ではホットチャンバーやチクソ成形ができないことから、アルミニウム合金についてはダイカストによる成形しかないという結論に至っていた。その中で提案されてきたのが固液共存状態の半凝固スラリという考え方であって、これだと最大50トンのプレス圧でも耐え得るものとなる。
また、従来のダイカストマシンによる射出成形では、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛など非鉄金属の合金を溶融状態にして投入射出スリーブ内に流し込むので、的確な計量や温度管理が困難である。また、チクソ成形では加熱を行い固液共存する半溶融状態の半凝固スラリにしてから投入射出スリーブ内に流し込むのであるが、これもまた半凝固スラリ自体の連続した流動性のために的確な計量が面倒且つ困難である。しかもチクソ成形では、半凝固スラリの温度管理を厳密にしないと半凝固状態が維持できない。
さらに、半溶融状態の半凝固スラリを投入射出スリーブから直接流し込んだ場合、半凝固スラリの計量誤差によって投入量が多いとその余剰分によってバリが発生する。一旦バリが発生するとそこに熱が加わってくるから金型の温度が上がり、その結果、半凝固スラリは流れ易くなるのでその分だけさらに出て行くことになり、新たなバリを発生させてしまう。
そのため、従来においては、特許文献1に開示されているように、チクソ成形を行う際の効率の良い原料および製法を提供するために、少なくとも2種以上の元素を含む合金からなり、平均粒径が1〜5mmの球状をしていると共に全体に対して10〜60体積%の初晶組織を有して成る鋳造用金属粒子および、固液共存状態の半凝固スラリを間欠的に加圧することによりノズルから滴出し、略球状の半凝固粒子を形成し、それをさらに冷却して凝固する工程から成る鋳造用金属粒子の製法が提案されている。
特開2001−303150号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている鋳造用金属粒子では、粒径が1〜5mmのペレットに成形されているため小さすぎて取り扱いが面倒であり、しかも加熱したときには直ぐに酸化物となってしまい成形ができない。このようにチクソ成形においてこのペレット(1〜5mm)は溶解すると直ぐに酸化してしまう。そのためペレット状の鋳造用金属粒子は加熱塔の中に投入するに際し、酸化しない程度の雰囲気の中で成形を行う必要があるが、ペレット自体が上記したように1〜5mmと非常に小さいので加熱時にすぐに固化し酸化して黒くなってしまう。しかも、正確な計量もできない。
そこで、本発明は叙上のような従来存した諸事情に鑑み創出されたもので、微細化半凝固組織による均一な半凝固スラリを球状に成形し、これを投入することで、射出成形時における的確な計量を可能とし、また加熱による酸化防止、射出成形後のバリ発生防止等を可能にし、さらに半凝固スラリの厳密で且つ面倒な温度管理を不要とする鋳造用金属塊状体を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明にあっては、少なくとも2種以上の元素を含む合金からなる微細化半凝固組織による均一な半凝固スラリを所望の径・重量の球状の鋳塊1に成形凝固して成ることを特徴とする。
鋳塊1は、その平均の球径Rが36〜58mmの球状を有し、全体が均一で微細な初晶組織(デンドライト)を含む金属組織の元となる核2によって形成されているものとすることができる。
合金は、アルミニウム合金・マグネシウム合金・亜鉛合金・鉄合金のいずれかであるものとすることができる。
以上のように構成された本発明に係る鋳造用金属塊状体にあって、半凝固スラリを所望の径・重量、例えば平均の球径Rが36〜58mmの球状となった鋳塊1に成形凝固して成り、球の中心から鋳塊1の表面までの距離が全ての方向で一定であるため、加熱成形時においては、同じ加熱時間でも鋳塊1の外壁側と鋳塊1の内部とでは略均一に軟化し、球全体が均一な半凝固組織となるので酸化されない。これによりダイカストやホットチャンバーやチクソ成形を行う場合における最適な鋳造管理を可能にさせる。
一方、球状以外の形状であると中心から表面までの距離が方向によって異なるため、短い距離だと柔らかくなっても長い距離では硬い状態となってしまう。特に柱状・スティック形状のような鋳塊では、方向によって厚さ・距離が異なるから加熱による熱伝導の差異で周面から内側に向けて潰れてゆき不均一なスティック形状となってしまう。このような鋳塊を量産してもそれぞれが歪んだ形状となってしまい、最適な鋳造製品が得られないものとなる。
また、鋳塊1は球であるとグラム数が正確に維持できるので射出の条件が一定となる。すなわち各鋳塊1は所望径の球に形成されることで各鋳塊1の重量は一定になるから、鋳塊1の個数を数えるだけで正確な計量を可能にさせる。これにより鋳塊1を使った加熱成形時において、被成形品の全体重量に相当する分の鋳塊1の個数を使用するだけで良く、しかも余分な量が生じないためにバリを発生させない。
本発明によれば、微細化半凝固組織による均一な半凝固スラリによって球状に成形しておき、所定量となる適数個の投入によって、射出成形時における的確な計量を可能とし、また加熱による酸化防止、射出成形後のバリ発生防止等を可能にし、さらに半凝固スラリの厳密で且つ面倒な温度管理を不要とする。
すなわち、これは本発明に係る鋳造用金属塊状体が、少なくとも2種以上の元素を含む合金からなる微細化半凝固組織による均一な半凝固スラリを所望の径・重量の球状の鋳塊1に成形凝固して成るからであり、これにより、例えばダイカストマシンによってアルミニウム合金製の鋳造品である被成形品を製造する際には、投入射出スリーブ内に当該被成形品の全体重量に相当する分の個数のアルミニウム合金の鋳塊1を加熱して投入すれば、鋳塊1自体は半凝固の微細化組織は維持されている状態であるので、アルミニウム合金自体を酸化させず且つバリを発生させない状態となって、金属組織が微細で機械的性質等に優れるアルミ鋳造品を容易に製造することができる。
また、本発明に係る鋳塊1は、例えば被成形品の重量に略対応した大きさの球とすることで鍛造プレスが可能となり、比熱の温度制御も簡単にできる。さらに、鋳造品を製造する際には鋳塊1を加熱するだけで良く、従来のように大きな炉で湯を溶かして温度管理する必要性がないため省エネとなる。しかも従来のような給湯機ではいつも温度や流れの速さ等が変わるために湯や空気を巻き込むことで巣ができてしまうのに対して、本発明では溶湯で流し込むのではないので鋳造品等内に湯や空気を巻き込むことがない。
また、本発明では、射出成形機のシステムでアルミ鋳造が可能となる。すなわち、半凝固スラリの流れはプラスチックの流れに似て連続した等速の流れなので空気を巻き込まないために巣ができない。よって、本発明に係る鋳塊1を、アルミニウム合金の固液相分離を表した平衡曲線、すなわち濃度と温度との相関を表す状態図において、液相(580℃)になる直前の半凝固微細化組織が維持される状態の温度570℃まで加熱して使用すれば、樹脂のような定量なものが供給され且つ樹脂のような流れをするから射出成形機のような今までの技術が全て使える。しかも、鉄とアルミニウムとの複合化材料、例えば相互に積層した極薄な積層構造材や、車両等のエンジン機構等の実現も可能となる。
鋳塊1は、その平均の球径Rが36〜58mmの球状を有し、全体が均一で微細な初晶組織(デンドライト)を含む金属組織の元となる核2によって形成されているので、これら平均の球径Rの異なる鋳塊1の個数や組み合わせ等を適宜調整して加熱するだけで、例えばカメラ部品等の小型の精密品から大型の自動車部品に至るまで機械的性質等に優れるアルミ鋳造品を容易に製造することができる。
合金は、アルミニウム合金・マグネシウム合金・亜鉛合金・鉄合金のいずれかであるので、金属組織が微細で機械的性質等に優れるアルミニウム合金・マグネシウム合金・亜鉛合金・鉄合金のいずれかの鋳造品を容易に製造することができる。
尚、上記の課題を解決するための手段、発明の効果の項それぞれにおいて付記した符号は、図面中に記載した構成各部を示す部分との参照を容易にするために付したもので、図面中の符号によって示された構造・形状に本発明が限定されるものではない。
本発明を実施するための一形態における鋳塊の一部の拡大断面図を含む正面図である。 同じく鋳塊の成形工程を説明するための工程ブロック図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の一形態を詳細に説明すると、図において示される符号1は、本発明に係る鋳造用金属塊状体を構成する鋳塊であり、該鋳塊1は、アルミニウム合金・マグネシウム合金・亜鉛合金のいずれかの溶解可能な合金を電磁攪拌して微細化半凝固組織による均一な半凝固スラリとし、当該半凝固スラリを所望の径・重量の球状に成形凝固(固化)して成るものである。
鋳塊1は、図1に示すように、平均の球径Rが36〜58mmの球状で全体が均一で微細な初晶組織(デンドライト)を含む金属組織の元となる核2によって形成されており、不図示のダイカストマシンの投入射出スリーブ内に被成形品の全体重量に相当する分の個数の鋳塊1を加熱して投入することによって所定の被成形品を鋳造可能にする。鋳塊1は、投入射出スリーブの投入口の開口径・投入路の内径が例えば径40mm、50mm、60mmの場合、これらよりも小さな球径Rを有する。例えば投入射出スリーブの投入口の開口径・投入路の内径が40mmの場合では球径R=36mm(最小値)、投入射出スリーブの投入口の開口径・投入路の内径が60mmの場合では球径R=36mm(最小値)から球径R=58mm程度までを目安としている。また、球径Rが36mm(最小値)以下であっても酸化しない程度の大きさであれば良いが、球径Rが58mm以上となってあまり大きすぎると核2がばらつく。よって、鋳塊1の平均の球径Rは36〜58mmであることが好適である。なお、鋳塊1を球状にする他に、例えば中心から各面までの距離が略同じとした多面体構造でも良い。
鋳塊1の加熱投入に際し、例えばアルミニウム合金の場合には、当該アルミニウム合金の固液相分離を表した平衡曲線、すなわち濃度と温度との相関を表す状態図において、当該鋳塊1を液相(580℃)になる直前の温度570℃まで加熱してダイカストマシンの投入射出スリーブ内に投入すれば良い。鋳塊1自体は、半凝固の微細化組織は維持されている状態であるので、アルミニウム合金自体を酸化させず且つバリを発生させない状態で、半凝固スラリをダイカストマシンの投入射出スリーブに投入して加圧鋳造したのと同じような金属組織が微細で機械的性質等に優れる鋳造品が製造される。なお、マグネシウム合金や亜鉛合金の場合も同じような鋳塊1の加熱投入方式で鋳造品が製造される。
本発明に係る鋳塊1を製造する際の前記電磁攪拌は例えば回転方向移動磁界、軸方向移動磁界を永久磁石の回転等によって溶湯を非接触で且つその全体に亘って均一でしかも強力に攪拌するものである。図示による説明を省略するが、具体的な電磁撹拌装置としては、溶湯に回転運動を発生させるためにカップを収容する容器外周面に沿って設けられた回転磁界発生コイルと、溶湯に軸方向運動を発生させるためのカップを収容する容器外周面軸方向に沿って設けられた軸方向移動磁界発生コイルとを併用してなるものとできる。この結果、溶湯中には、回転運動と軸方向運動とが重畳した強力な流速運動が生じ、当該溶湯は強力かつ均一に撹拌される。特に、電磁撹拌装置は溶湯中に大きな速度勾配を形成できるため、当該溶湯中に介在物粒子の凝集および肥大化を促進し、また制御できる。これによって、磁界発生コイルの通電時間、磁界の周波数、投入する電力等によって液相と固相との比率を自由に変更でき、例えば溶湯をナノサイズ球状結晶による断片化された低粘性の半凝固組織にすることが可能となる。なお、特開2000−152600号公報に開示されているように、カップ内の溶融金属に回転磁界を与えるコイルを、カップの軸に対して捩るように鉄心に斜めに配置して、三相交流の通電によりねじれ磁場を印加し、回転磁場と同時に軸方向の進行磁場を与える誘導型電磁駆動装置を使用しても良い。
なお、鋳塊1を形成する合金成分としては、アルミニウム合金・マグネシウム合金・亜鉛合金等の非鉄金属の他に鉄合金等でも良く、電磁攪拌可能な成分であればあらゆる合金にも対応できる。
次に、以上のように構成される鋳塊1の成形手順について図2に示すフローチャートを兼ねた工程ブロック図に基づき詳細に説明する。なお、不図示の溶融保持炉には例えばアルミニウム合金等の溶解温度、例えば640℃の溶湯となって保持されている。また、電磁攪拌装置の収容部内部には例えば半割楕円殻形状の耐熱性のSUSカップが収容可能となっている。
先ず、溶湯投入工程A(ステップS1)で、溶融保持炉からSUSカップにラドルでアルミニウム合金の溶湯を投入する。このときSUSカップ内壁には、結晶成長の元となる核2が吸着してデンドライトが成長し始める。
電磁攪拌による微細組織化工程B(ステップS2)で、SUSカップを電磁攪拌装置の収容部内部に投入し電磁攪拌を行うことにより溶湯を半凝固スラリに成形する。この電磁攪拌の動作は前述したように、溶湯に回転運動を発生させるためにSUSカップを収容する容器外周面に沿って設けられた回転磁界発生コイルと、溶湯に軸方向運動を発生させるためのSUSカップを収容する容器外周面軸方向に沿って設けられた軸方向移動磁界発生コイルとを併用して実行される。このときSUSカップ内壁から核2が容易に剥がれて、SUSカップ中央側にたくさんの核2が集積してゆき、全体として均一な微細化組織となった半凝固スラリが形成される。なお、核2から樹枝状の初晶組織(デンドライト)が成長しても半凝固スラリを電磁攪拌装置により強制攪拌することで、その剪断力により樹枝状の初晶組織(デンドライト)が粉砕され、非樹枝状(略球状)の初晶組織が容易に形成され、微細均一な組織が得られる。
球成形工程C(ステップS3)で、SUSカップ内の半凝固スラリを球成形用金型内に投入して冷却固化することで、中央部分から表面にかけて核2が均一に集積した球状の鋳塊1が形成される。なお、球成形用金型は例えば半割りの金型枠によって構成されており、一方の金型枠と他方の金型枠とが合致されることで、平均の球径Rが36〜58mmの球型凹部を中央で形成し、上側にはこの球型凹部内部に半凝固スラリを投入するための上方に向けて略ラッパ状の末広がりとなった投入口が形成され、下側には球型凹部内部に投入された半凝固スラリから発生するガスを廃棄、逃げ込ませるためのガス抜き部が形成されるものとなっている。
凝固後の取出工程D(ステップS4)で、球成形用金型を冷却して内部の半凝固スラリを凝固(固化)した後、球成形用金型を半割り分解して中の鋳塊1を取り出す。そして、上部の投入口および下部のガス抜き部それぞれによって固化形成された不要な部位を切断し且つ余分なバリを削ることで球状の鋳塊1が形成される。このとき、鋳塊1の表面だけに酸化膜ができ、内部全体が核2によって均一に分散された凝固状態となる(図1参照)。而して、本発明に係る鋳塊1が完成し、本フローは終了する。
以下、本発明に係る鋳塊1を使用してのダイカストマシンによる被成形品の鋳造成形手順について説明する。なお、ダイカストマシンは、図示による説明を省略するが、例えば固定金型を有する固定ダイプレートと、可動金型を有する可動ダイプレートとを備え、これら固定金型と可動金型とが合わさることで両金型内の形状に応じた形態に鋳塊1が型締めされるものとなっている。
先ず、例えばヒータ等で凝固状態の鋳塊1を加熱する。この加熱に際し、鋳塊1を液相(580℃)になる直前の温度570℃まで加熱する。このとき鋳塊1は固液共存状態である半凝固の微細化組織は維持されている半溶融状態となる。
次に、加熱した鋳塊1を、ダイカストマシンの固定ダイプレート側から固定金型に貫入した投入射出スリーブの投入口から投入する。投入に際し、被成形品の重量に対応した鋳塊1の個数分のみ投入すれば良い。すなわち、決められた量しか使用しない鍛造と同じ原理になる。上記したように最小値36mm(投入射出スリーブの投入口の開口径・投入路の内径が40mmの場合)〜58mm(投入射出スリーブの投入口の開口径・投入路の内径が60mmの場合)程度までを目安としている。被成形品の重さと同じ重量となる適数個の鋳塊1を入れると、余分な量が無いため、製品成形時にバリが発生しない。
次いで、投入射出スリーブ内を前後にスライド移動する射出チップによって、加熱した鋳塊1が加圧押出されて、互いに突合わされている固定金型、可動金型それぞれの中に供給され、両金型の内部形状に応じた形態に鋳塊1が型締め成形される。その後、固定金型、可動金型それぞれを開放して成形後の鋳造製品を取り出せば良い。
A…溶湯投入工程 B…微細組織化工程
C…球成形工程 D…凝固後の取出工程
R…球径
1…鋳塊 2…核

Claims (3)

  1. 少なくとも2種以上の元素を含む合金からなる微細化半凝固組織による均一な半凝固スラリを所望の径・重量の球状の鋳塊に成形凝固して成ることを特徴とする鋳造用金属塊状体。
  2. 鋳塊は、その平均の球径が36〜58mmの球状を有し、全体が均一で微細な初晶組織を含む金属組織の元となる核によって形成されている請求項1記載の鋳造用金属塊状体。
  3. 合金は、アルミニウム合金・マグネシウム合金・亜鉛合金・鉄合金のいずれかであるものとする請求項1または2記載の鋳造用金属塊状体。
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