JP2008224089A - 溶解装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱源から放射される輻射熱をできるだけ低く抑えることができる溶解装置を提供する。
【解決手段】溶解装置2には、傾斜した状態で取り付いた溶解炉9が設けられる。溶解炉9の内部に仕切板14を設け、仕切板14を基準に上流側はボールインゴット6を溶解する溶解ゾーンKaとして用い、下流側はインゴット溶解後の溶湯3を一定温度で保持する保持ゾーンKbとして用いる。溶解炉9にボールインゴット6が投入されると、ボールインゴット6は仕切板14で停止し、この位置で溶解ゾーンKaの熱源である溶解用ヒータ13で過熱されて液状の溶湯3に状態変化する。この溶湯3は溶解ゾーンKaで徐々に溜まっていき、仕切板14を乗り越えるものが保持ゾーンKbに供給される。保持ゾーンKbに送られた溶湯3は、鋳造装置5に送り出されるまで温度保持用ヒータ16で一定温度に保持される。
【選択図】図1
【解決手段】溶解装置2には、傾斜した状態で取り付いた溶解炉9が設けられる。溶解炉9の内部に仕切板14を設け、仕切板14を基準に上流側はボールインゴット6を溶解する溶解ゾーンKaとして用い、下流側はインゴット溶解後の溶湯3を一定温度で保持する保持ゾーンKbとして用いる。溶解炉9にボールインゴット6が投入されると、ボールインゴット6は仕切板14で停止し、この位置で溶解ゾーンKaの熱源である溶解用ヒータ13で過熱されて液状の溶湯3に状態変化する。この溶湯3は溶解ゾーンKaで徐々に溜まっていき、仕切板14を乗り越えるものが保持ゾーンKbに供給される。保持ゾーンKbに送られた溶湯3は、鋳造装置5に送り出されるまで温度保持用ヒータ16で一定温度に保持される。
【選択図】図1
Description
本発明は、固形状の原材料を溶解してこれを液状の溶湯にし、この溶湯を一定温度で保持する溶解装置に関する。
従来、金型鋳造方式の一種として、溶融した金属を金型に圧入することで製品を製造するダイカストが広く用いられている。このダイカストは、精度の高い製品(即ち、鋳物)を短時間に大量生産することが可能であることから、自動車関連部品(例えばエンジンのシリンダブロックやクランクケース、トランスミッションのミッションケースやトランスファーケース等)の製造方式として利用され、近年においては通信機器や建築材料等にも応用の幅が広がってきている。
この種のダイカストは、ダイカスト材料(即ち、インゴット)を溶解して溶解後の金属を鋳造する製造工程を経ることから、一般的なダイカストマシンは、ダイカスト合金を溶融して保持する溶融炉を備える。このような溶融炉の一例は、例えば特許文献1等に開示されている。特許文献1の溶解炉は、例えばバーナ等で過熱が可能な大型のるつぼを持ち、このるつぼの中に球形状を成すボールインゴットを順次投入してこれを溶解し、ボールインゴットの溶解後状態である溶湯を作業者が直に手酌等で汲み上げて鋳造機に送るものである。
特開平11−752号公報
ところで、この種のるつぼは、るつぼ内に投入されたボールインゴットを溶解する必要があることから、バーナでかなりの高温に加熱される。また、るつぼは溶湯を保持しておく役目も担うことから、充分な量の溶湯を確保しておくためにも相対的に大型のものが使用される。このため、溶解炉としてるつぼを用いた場合は、大型物体であるるつぼがかなりの高熱状態をとることになるので、熱源であるるつぼから熱エネルギーとして放射される熱線(遠赤外線)、いわゆる輻射熱が多量となる問題があった。このように輻射熱が多量であると、その分だけ作業場の温度が上昇することになり、これが作業環境の悪化の原因になることから、輻射熱をできるだけ低く抑えたい要望があった。
本発明の目的は、熱源から放射される輻射熱をできるだけ低く抑えることができる溶解装置を提供することにある。
前記問題点を解決するために、本発明では、原材料を溶解してこれを液状の溶湯にし、当該溶湯を製品の成形工程に送出する溶解装置において、前記原材料の通過経路である炉本体の途中に位置し、第1熱源により当該原材料を少量ずつ溶解してこれを前記溶湯とし、前記原材料が固形のまま次工程側へ移動することを規制する規制部を介して前記溶湯のみを次工程に送る少量溶解機構と、前記少量溶解機構から送られた前記溶湯を貯留し、当該溶湯を次工程側に送るまで第2熱源で一定温度に保持する温度保持機構とを備えたことを要旨とする。
この構成によれば、原材料を溶解するに際しては、原材料が少量溶解機構に少量搬入され、搬入された原材料は少量溶解機構内で規制部により次工程側への移動が規制された状態で液体状の溶湯に溶解される。少量溶解機構は、搬入されてきた原材料を都度溶解することによって原材料を少量溶解しつつ、その溶解により生じた溶湯を、規制部を介して次工程側の温度保持機構に順次送り、原材料を少量溶解して規制部を介して溶湯を温度保持機構に送る処理を繰り返し行う。温度保持機構は、少量溶解機構から送られてきた溶湯を製品の成形加工に最適な一定温度で保持し、成形工程時に溶湯が必要となる際に、一定温度で保持しておいた溶湯を成形工程側に適量供給する。
ところで、原材料を溶解する溶解領域は、原材料を溶解する必要がある関係上、極めて高い温度状態をとることになるが、溶解後の溶湯を一定温度で保持する保持領域は、溶湯を一定温度で保持しておければよいことから、溶解領域よりも低い温度状態で済むことになる。このため、本構成のように、原材料を少量溶解機構で逐次少量溶解してそれを温度保持機構で一定温度に保持する構成を用いれば、溶解領域は比較的少スペースで済むことになるので、それに伴って高温領域も狭い範囲で済むことになる。よって、溶解装置で高温状態となる箇所が相対的に少なくなるので、溶解装置から放射される輻射熱をできるだけ低く抑えることが可能となる。
本発明では、前記少量溶解機構は、前記炉本体に供給される前記原材料が前記次工程側に自重で落下するように当該炉本体が下側に傾いて配置された機構であることを要旨とする。
この構成によれば、少量溶解機構の炉構造として例えば溶解した溶湯のうち規制部を乗り越える溶湯を温度保持機構に送る構造をとった場合、溶湯を規制部から乗り越えさせるに際して必要な溶湯量は、例えば炉本体が水平に沿う向きに配置された炉構造をとった場合と比べて少なく済む。このため、少量溶解機構が溶湯を温度保持機構に送るに際しては、溶解すべき溶湯量が比較的少なく済むことになるので、溶湯を温度保持機構に送るまでの処理時間の短時間化が可能となり、溶解時間短時間化に伴って輻射熱の更なる抑制も可能となる。
本発明では、前記少量溶解機構は、前記炉本体が水平に沿う向きに配置された機構であることを要旨とする。
この構成によれば、炉本体内の溶湯が偏った状態で炉本体内に位置する状態にならずに済むことから、炉本体に偏心荷重がかかり難くなるので、炉本体に反りが生じ難くなる。
この構成によれば、炉本体内の溶湯が偏った状態で炉本体内に位置する状態にならずに済むことから、炉本体に偏心荷重がかかり難くなるので、炉本体に反りが生じ難くなる。
本発明では、前記少量溶解機構は、前記原材料を溶解領域で溶解して前記溶湯としたもののうち前記規制部を乗り越えた当該溶湯を前記温度保持機構に送ることを要旨とする。
この構成によれば、少量溶解機構が原材料を溶解する際、規制部を乗り越えるものが温度保持機構に送られるので、規制部を乗り越えない所定量の溶湯は規制部によって溶湯領域に溜まる状態となる。ところで、熱伝導率は気体を伝導媒体とする場合に比較して液体の方が高伝導率であるという特性があるので、少量溶解機構の溶解領域に所定量の溶湯が溜まっていれば、新たな原材料が供給されてこれを少量溶解する際に、規制部によって溜まった溶湯によって原材料の溶解を効率よく行うことが可能となり、溶解時間の短縮化を図ることが可能となる。
この構成によれば、少量溶解機構が原材料を溶解する際、規制部を乗り越えるものが温度保持機構に送られるので、規制部を乗り越えない所定量の溶湯は規制部によって溶湯領域に溜まる状態となる。ところで、熱伝導率は気体を伝導媒体とする場合に比較して液体の方が高伝導率であるという特性があるので、少量溶解機構の溶解領域に所定量の溶湯が溜まっていれば、新たな原材料が供給されてこれを少量溶解する際に、規制部によって溜まった溶湯によって原材料の溶解を効率よく行うことが可能となり、溶解時間の短縮化を図ることが可能となる。
本発明によれば、熱源から放射される輻射熱をできるだけ低く抑えることができる。
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した溶解装置の第1実施形態を図1〜図10に従って説明する。
金属材を原材料とする金型鋳造装置の一種としては、例えば図1に示すように、溶解した金属を金型に圧入する製造方式、いわゆるダイカストに則って製品製造を行うダイカストマシン1がある。ダイカストマシン1は、マシン構成を大別すると、金属製のダイカスト材料を溶解してこの溶解後の原材料(即ち、溶湯3)を一定温度に保持する溶解装置2と、溶解装置2から送られてきた溶湯3を金型4に圧入して製品を鋳造する鋳造装置5とを備えている。
以下、本発明を具体化した溶解装置の第1実施形態を図1〜図10に従って説明する。
金属材を原材料とする金型鋳造装置の一種としては、例えば図1に示すように、溶解した金属を金型に圧入する製造方式、いわゆるダイカストに則って製品製造を行うダイカストマシン1がある。ダイカストマシン1は、マシン構成を大別すると、金属製のダイカスト材料を溶解してこの溶解後の原材料(即ち、溶湯3)を一定温度に保持する溶解装置2と、溶解装置2から送られてきた溶湯3を金型4に圧入して製品を鋳造する鋳造装置5とを備えている。
溶解装置2には、原材料であるボールインゴット6を少量ずつ溶解(以降、少量溶解と記す)する溶解機構7と、溶解機構7が溶解した溶湯3を鋳造装置5に送るまで一定温度で貯留する温度保持機構8とが設けられている。まずは溶解機構7を説明すると、溶解装置2には、溶解装置2の溶解箇所となる円筒形状の溶解炉9が、その下端が下方を向く傾斜状態で配置されている。即ち、本例の溶解装置2は、溶解炉9が所定角度の傾きを以て配置された傾斜式である。溶解炉9の径サイズRは、球形状のボールインゴット6が1つずつ下方に向かって転がり落下可能な大きさ、即ちボールインゴット6の直径よりも若干量だけ拡径に形成されている。ボールインゴット6は、例えば亜鉛やアルミニウム等から成るダイカスト材料であって、1つひとつが数百グラム(例えば350g、700g等)の大きさを持つものが使用されている。なお、ボールインゴット6が原材料を構成し、溶解機構7が少量溶解機構に相当し、溶解炉9が炉本体に相当する。
溶解炉9の上端には、ボールインゴット6を溶解炉9内へ投入する際の入口となるインゴット導入口10が貫設されている。このインゴット導入口10には、インゴット供給源(図示略)に貯留されたボールインゴット6が溶解炉9に供給される際の通路となる略円筒形状のインゴット供給通路部11が連結されている。インゴット供給通路部11は、溶解炉9との連結部位付近においては垂直方向に沿う向きに延びている。なお、インゴット供給通路部11へのボールインゴット6の供給は、例えば専用の供給装置(図示略)によって自動でインゴット供給通路部11に送られることに限らず、例えば作業者が1つずつ手作業でボールインゴット6をインゴット供給通路部11に投入してもよい。
インゴット供給通路部11の下端位置には、インゴット供給通路部11の通路を開放又は遮断するインゴットシャッタ12が設けられている。インゴットシャッタ12は、図2に示すように、例えば先端が円弧形状を成す略平板のシャッタ部12aが本体部12bに対して直線往復移動可能であって、インゴット供給通路部11の側壁に貫設された導入孔11aを介してシャッタ部12aがインゴット供給通路部11の内部に導入可能である。インゴットシャッタ12は、シャッタ部12aが引き込んで経路開放状態となると、ボールインゴット6を溶解炉9に搬出し、シャッタ部12aが飛び出して経路規制状態となると、溶解炉9へのボールインゴット6の供給を停止する。また、インゴットシャッタ12は、シャッタ部12aが飛び出して経路規制状態となった際、そのシャッタ部12aでインゴット供給通路部11を完全に塞ぐように形成されている。
図1に示すように、溶解炉9の中央寄りの位置には、溶解炉9内に搬入されたボールインゴット6を溶解する際の熱源となる溶解用ヒータ13が設けられている。溶解用ヒータ13は、例えば高周波誘導過熱装置や遠赤外線ヒータ等が用いられ、溶解炉9の中央寄り位置の外周をその周方向全域で取り囲むべく円環形状に形成されている。本例の溶解炉9は、溶解用ヒータ13の配置されている領域がボールインゴット6を主に溶解する主溶解領域、即ちボールインゴット6の溶解ゾーンKaとなっている。なお、溶解用ヒータ13が第1熱源に相当する。
溶解炉9の内部には、溶解炉9の延設方向に対して垂直方向に延びる仕切板14が立設されている。仕切板14は、図3に示すように、溶解炉9の内周面形状に合わせて半円弧形状を成し、インゴット供給通路部11から溶解炉9の内部に搬入されたボールインゴット6をその位置で停止させるとともに、溶解ゾーンKaで溶解した溶湯3をその位置で堰き止めるように働く。本例においては、溶解炉9が傾斜状態で設置されていることから、水平方向に対して傾斜状態をとる溶解炉9の内周面9aと仕切板14とで囲まれる空間が溶湯貯留部15となり、溶解ゾーンKaでボールインゴット6を溶解する際には、溶解後の溶湯3が溶湯貯留部15に逐次貯留されていき、この溶湯貯留部15を乗り越える溶湯3が下流側の温度保持機構8に送られる。なお、仕切板14が規制部に相当する。
図1に示すように、溶解炉9の下端位置には、溶解ゾーンKaから送られてきた溶湯3を、鋳造成形に適した一定温度に過熱保持する温度保持用ヒータ16が設けられている。温度保持用ヒータ16は、溶解用ヒータ13と同じように高周波誘導過熱装置や遠赤外線ヒータ等が用いられ、溶解炉9の下端外周をその周方向全域で取り囲むべく円環形状に形成されている。本例の溶解炉9は、温度保持用ヒータ16の配置されている領域が溶湯3を一定温度に保持する保持領域、即ち溶解ゾーンKaから送られてきた溶湯3を一定温度に保つ保持ゾーンKbとなっている。なお、温度保持用ヒータ16が第2熱源に相当する。
溶解炉9の保持ゾーンKbには、保持ゾーンKbで保持状態にある溶湯3を鋳造装置5に供給するか否かの切り換えを行う溶湯シャッタ17が設けられている。溶湯シャッタ17は、図4に示すように、例えば円柱棒形状を成すシャッタ部17aが本体部17bに対して直線往復移動可能であって、溶解炉9の下端上壁に貫設された導入孔9bを介してシャッタ部17aが溶解炉9の内部に導入可能である。溶湯シャッタ17は、シャッタ部17aが飛び出して、溶解炉9の下端底部に貫設された流出孔18にシャッタ部17aが挿込状態となると、保持ゾーンKbの溶湯3が鋳造装置5に流出することを規制し、シャッタ部17aが引き込んで流出孔18から抜け出ると、保持ゾーンKbの溶湯3を鋳造装置5に供給する。
溶解炉9において保持ゾーンKbには、保持ゾーンKbに貯留された溶湯3の温度(以下、溶湯温度と記す)を検出する温度センサ19が設けられている。保持ゾーンKbの溶湯温度は、温度センサ19によって逐次監視され、温度保持用ヒータ16がその時々の溶湯温度に応じた作動状態で駆動されることによって、保持ゾーンKbの溶湯3が鋳造成形(成形工程)に適した一定温度に保持される。例えば、保持ゾーンKbの溶湯温度が低下した際には、温度保持用ヒータ16が高温駆動状態となって保持ゾーンKbの溶湯3を高温保持し、一方で保持ゾーンKbの溶湯温度が上昇した際には、温度保持用ヒータ16がそれまでよりも低温駆動状態となって保持ゾーンKbの溶湯3を適温に保つ。
溶解炉9において保持ゾーンKbには、保持ゾーンKbに貯留された溶湯3の湯面20を検出する2つの湯面センサ21,22が設けられ、本例においては湯面20が下限域になったか否かを検出する第1湯面センサ21と、湯面20が上限域になったか否かを検出する第2湯面センサ22とからなる。本例においては、保持ゾーンKbの溶湯3が下限域に達したことが第1湯面センサ21で検出されると、インゴットシャッタ12が所定タイミングで駆動してボールインゴット6が溶解ゾーンKaに一定間隔をおいて例えば2〜3つずつ供給され、これらボールインゴット6が溶解ゾーンKaで溶解用ヒータ13により溶解されて保持ゾーンKbの溶湯3が補充される。また、保持ゾーンKbの溶湯3が上限域に達したことが第2湯面センサ22で検出されると、インゴットシャッタ12が停止状態となってインゴット供給が停止され、ボールインゴット6が溶解され過ぎて保持ゾーンKbの溶湯3が溶解ゾーンKa側に溢れ出ることが防止される。
溶解炉9において溶解ゾーンKaの上流位置には、溶湯3のこぼれを監視する湯こぼれ防止センサ23が設けられている。溶解ゾーンKaでボールインゴット6が溶解され過ぎて、溶湯3が溶解炉9に溢れ過ぎたことが湯こぼれ防止センサ23で検出されると、溶湯3が溶解炉9から溢れ出してしまうことを防止すべく、溶解用ヒータ13が停止されるとともに、インゴットシャッタ12も停止状態となって溶解ゾーンKaへボールインゴット6が供給されることも停止される。
鋳造装置5は、溶解装置2の溶湯3が内部に投入される筒形状の鋳造機シリンダ24と、この鋳造機シリンダ24に対してその内部で往復動可能に取り付けられた鋳造機プランジャ25とを備えている。鋳造機シリンダ24の上壁には、溶解装置2が送り出す溶湯3を鋳造機シリンダ24の内部に投入する投入孔24aが貫設されている。また、鋳造機シリンダ24の先端には、縮径の充填口24bを介して精密鋳型の金型4が接続されている。この種の金型4は、基本的に固定型及び可動型から成り、これらを型合わせした際にできる型内の掘り込み面や空間によって製品形状が決まる。
鋳造装置5は、鋳造前段階では鋳造機プランジャ25が手前側に引き戻された状態をとる。そして、金型4の固定型と可動型とがセットされると、溶解装置2は溶湯シャッタ17を駆動して流出孔18を開放状態とし、溶解炉9の保持ゾーンKbに貯留された溶湯3を、鋳造装置5の投入孔24aを介して鋳造機シリンダ24内に投入する。鋳造機シリンダ24内への溶湯投入後、鋳造装置5は鋳造機プランジャ25を奥に押し込み、鋳造機シリンダ24内の溶湯3を、圧力をかけた状態で充填口24bを介して金型4に充填する。金型4に充填された溶湯3は金型4内で所定形状をとって冷却されることにより製品成型され、成型工程に際しては以上の鋳造作業が繰り返し行われる。
ダイカストマシン1には、金型成型時に生じたスクラップや廃材等のオーバーフロー26を原材料として溶解炉9に搬送するオーバーフローリターン装置27が設けられている。本例のオーバーフローリターン装置27は、金型4で生じるオーバーフロー26を収納部27aで受け、それを溶解炉9のインゴット導入口10付近まで持ち上げつつ、所定タイミングでオーバーフロー26を溶解炉9に投入する装置である。なお、オーバーフローリターン装置27がオーバーフロー26を溶解炉9内に投入するタイミングは、インゴットシャッタ12によるボールインゴット供給と同期していてもよいし、或いはオーバーフロー26を持ち上げる度に溶解炉9に投入するものでもよい。
図5に示すように、溶解装置2には、溶解装置2のコントロールユニットとしてコントローラ28が設けられている。このコントローラ28は、コントローラ28を統括制御するCPU29や、各種制御プログラム及びデータ群が格納されたメモリ30等から成る。コントローラ28の入力側には、温度センサ19、第1湯面センサ21、第2湯面センサ22及び湯こぼれ防止センサ23が接続され、出力側には、インゴットシャッタ12、溶解用ヒータ13、溶湯シャッタ17、温度保持用ヒータ16及びオーバーフローリターン装置27が接続されている。また、コントローラ28は、電気配線を介して鋳造装置5のコントロール系と電気接続され、鋳造装置5の作動状態を見ることが可能となっている。
メモリ30には、溶解炉9に少量ずつボールインゴット6(オーバーフロー26も含む)を入れてこれを溶解ゾーンKaで少量溶解するとともに、溶解後の溶湯3を保持ゾーンKbで一定温度に保持しつつ、成形工程時にこれを鋳造装置5に供給する溶解制御プログラムが格納されている。コントローラ28は、メモリ30に格納された溶解制御プログラムに従い溶解処理を行い、温度センサ19、湯面センサ21,22、湯こぼれ防止センサ23から取得する検出値に基づき、溶解用ヒータ13、インゴットシャッタ12、温度保持用ヒータ16や溶湯シャッタ17及びオーバーフローリターン装置27を駆動して溶解処理を行う。
次に、以上のように構成された本例の溶解装置2の動作を説明する。
まず、ダイカストマシン1に電源が投入されると、溶解装置2及び鋳造装置5がともに起動状態となる。溶解装置2のコントローラ28は、自身が起動状態となると、溶解用ヒータ13及び温度保持用ヒータ16を駆動状態にしてこれらを発熱させる。ここで、溶解炉9でボールインゴット6を素早くスムーズに溶解するにはボールインゴット6を高温で加熱する必要があるが、溶解後の溶湯3を一定温度で保持する場合は、この時の過熱温度は溶解時よりも低い温度でよい。このため、コントローラ28は、溶解用ヒータ13及び温度保持用ヒータ16を駆動する際、溶解用ヒータ13を高温状態で駆動し、温度保持用ヒータ16をこれよりは低い温度で駆動する。
まず、ダイカストマシン1に電源が投入されると、溶解装置2及び鋳造装置5がともに起動状態となる。溶解装置2のコントローラ28は、自身が起動状態となると、溶解用ヒータ13及び温度保持用ヒータ16を駆動状態にしてこれらを発熱させる。ここで、溶解炉9でボールインゴット6を素早くスムーズに溶解するにはボールインゴット6を高温で加熱する必要があるが、溶解後の溶湯3を一定温度で保持する場合は、この時の過熱温度は溶解時よりも低い温度でよい。このため、コントローラ28は、溶解用ヒータ13及び温度保持用ヒータ16を駆動する際、溶解用ヒータ13を高温状態で駆動し、温度保持用ヒータ16をこれよりは低い温度で駆動する。
また、溶解開始時は、図6に示すように、保持ゾーンKbに充分な溶湯3が供給されていないことから、第1湯面センサ21は保持ゾーンKbの溶湯3が下限域以下であることを検出する。なお、図6においては、溶湯貯留部15に前回作動時の溶湯3が残存した状態とする。コントローラ28は、第1湯面センサ21の検出値に基づき保持ゾーンKbの溶湯3が下限域以下であることを認識すると、図7に示すように、閉状態のインゴットシャッタ12を所定時間の間において開状態とすることによって、ボールインゴット6を溶解炉9内に例えば2〜3つ程度投入する。このとき、コントローラ28は、オーバーフローリターン装置27にオーバーフロー26が存在していれば、このオーバーフロー26も同時に溶解炉9に投入する。
溶解炉9の投入されたボールインゴット6(オーバーフロー26も含む)は、図8に示すように、傾斜状態の溶解炉9の内部傾斜面を転がり落ちて溶解ゾーンKaに至り、仕切板14によって並んで停止する状態をとる。そして、溶解ゾーンKaに送られたボールインゴット6は、溶解用ヒータ13によって過熱されて液状の溶湯3に溶解される。即ち、本例においては、2〜3つのボールインゴット6をその都度溶解、つまりボールインゴット6が少量溶解される。溶解ゾーンKaに生じる溶湯3は、図9に示すように、仕切板14及び内周面9aよってできる溶湯貯留部15に溜まっていき、その貯留増加に伴って仕切板14を乗り越える溶湯3が保持ゾーンKbに送り出される。
コントローラ28は、インゴットシャッタ12を駆動してボールインゴット6を溶解炉9内に投入した際、その投入後の経過時間をカウントし、その経過時間が設定時間に到達しても、保持ゾーンKbの溶湯3が上限域に達していないことを第2湯面センサ22で検出すると、インゴットシャッタ12を再度駆動してボールインゴット6を溶解炉9内に追加投入する。コントローラ28は、保持ゾーンKbの溶湯3が上限域に到達するまでボールインゴット6の少量溶解を継続して行い、保持ゾーンKbの溶湯3が上限域に到達したことを第2湯面センサ22で検出すると、インゴットシャッタ12の開閉動作を一旦停止する。
コントローラ28は、溶解ゾーンKaから保持ゾーンKbに流れ出た溶湯3を、保持ゾーンKbの領域で温度保持用ヒータ16によって一定温度に過熱保持する。このとき、コントローラ28は、温度センサ19の検出値を基に保持ゾーンKbの溶湯温度を逐次監視し、溶湯温度が低くなれば温度保持用ヒータ16を高温駆動し、一方で溶湯温度が高くなれば温度保持用ヒータ16を低温駆動して溶湯温度を一定値に保持する。
コントローラ28は、鋳造装置5から溶湯供給要求を受けると、図10に示すように、溶湯シャッタ17を所定時間の間において開状態として、保持ゾーンKbにある溶解炉9の流出孔18を開放する。溶解炉9の流出孔18が開放状態となると、保持ゾーンKbに貯留された溶湯3が流出孔18から鋳造装置5の鋳造機シリンダ24に流れ込み、鋳造装置5に溶湯3が供給される。鋳造装置5は、溶解装置2から溶湯3の供給を受けると、その溶湯供給の完了とともに、引き出し状態にある鋳造機プランジャ25を押し出し駆動し、金型4に溶湯3を充填して製品製造を行う。
コントローラ28は、鋳造装置5への溶湯投入に伴い保持ゾーンKbの溶湯3が減少していってこれが下限域に到達したことを第1湯面センサ21で検出すると、インゴットシャッタ12を再駆動して溶解ゾーンKaにボールインゴット6を送ってボールインゴット6の少量溶解を再度行う。そして、コントローラ28は、保持ゾーンKbの溶湯3が上限域に到達したことを第2湯面センサ22で検出するまでこの少量溶解を繰り返し行い、保持ゾーンKbの溶湯3を補充する。コントローラ28は、鋳造装置5への溶湯投入によって保持ゾーンKbの溶湯3が減少する度に、以上の補充動作を繰り返し行う。
ところで、溶解炉9でボールインゴット6を溶解する箇所、即ち溶解炉9の溶解ゾーンKaは、ボールインゴット6を溶解する箇所である関係上、非常に温度の高い箇所とならざるを得ず、ここは非常に輻射熱が高くなる。しかし、本例のようにボールインゴット6を少量ずつ溶解する少量溶解方式を用いれば、その分だけインゴット溶解に必要な領域が少なく済むことから、溶解炉9の溶解ゾーンKaができる限り少領域化する。このように、溶解ゾーンKaが少領域化すれば、その分だけ高温箇所も減少することになるので、本例の構成を用いれば溶解炉9から放射される輻射熱が相対的に低く抑制される。
また、本例の溶解ゾーンKaには、板形状の仕切板14を用いて溶湯貯留部15が形成されているので、溶解ゾーンKaで溶解した溶湯3の一部は、この溶湯貯留部15に溜まった状態となる。ところで、熱伝導率は例えば気体を伝導媒体にする場合に比べ、液体を伝導媒体とした方が伝導率値は高い。このため、本例のように溶解ゾーンKaに溶湯貯留部15が存在していれば、ボールインゴット6を溶解するに際しては、ボールインゴット6が溶湯3で、即ち液状原材料に浸された状態で溶解されるので、ボールインゴット6をより効果的に溶解することが可能となり、溶解時間の短時間化を図ることも可能となる。
更に、本例の溶解炉9は傾斜状態をとることから、溶解ゾーンKaに仕切板14で溶湯貯留部15を形成したとしても、この種の溶湯貯留部15の体積量は例えば溶解炉9を水平配置した場合に比べて少なく済む。よって、ボールインゴット6を溶解ゾーンKaで溶解するに際して仕切板14を乗り越える溶湯3が保持ゾーンKbに送られる溶湯供給方式を採用しても、少ない溶解量で溶湯3を保持ゾーンKbに流出させることが可能となる。このため、保持ゾーンKbへ溶湯3を効率よく送ることが可能となり、保持ゾーンKbに溶湯3を貯留する際に要する貯留時間も少なく済む。
本実施形態の構成によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(1)ダイカスト材料を溶解するに際しては、このダイカスト材料を溶解炉9の溶解ゾーンKaで少量溶解してこれを保持ゾーンKbで保持し、充分な溶湯3が保持ゾーンKbに貯留されるまでこの少量溶解を繰り返す溶解方式を用いた。このため、溶解ゾーンKaは少量溶解を行うのみの大きさで済むことになり、非常に高温と成らざるを得ない溶解ゾーンKaが非常に狭い領域で済む。よって、溶解装置2で高温状態となる箇所が相対的に少なくなるので、溶解装置2から放射される輻射熱をできるだけ低く抑えることができる。また、溶解装置2の輻射熱が低減すれば、溶解装置2が設置された溶解作業室の室内温度が高温化し難くなるので、溶解作業場の作業環境を改善することもできる。
(1)ダイカスト材料を溶解するに際しては、このダイカスト材料を溶解炉9の溶解ゾーンKaで少量溶解してこれを保持ゾーンKbで保持し、充分な溶湯3が保持ゾーンKbに貯留されるまでこの少量溶解を繰り返す溶解方式を用いた。このため、溶解ゾーンKaは少量溶解を行うのみの大きさで済むことになり、非常に高温と成らざるを得ない溶解ゾーンKaが非常に狭い領域で済む。よって、溶解装置2で高温状態となる箇所が相対的に少なくなるので、溶解装置2から放射される輻射熱をできるだけ低く抑えることができる。また、溶解装置2の輻射熱が低減すれば、溶解装置2が設置された溶解作業室の室内温度が高温化し難くなるので、溶解作業場の作業環境を改善することもできる。
(2)溶解方式として少量溶解を用いれば、背景技術で述べたような大きな溶解炉を持たずに済むので、その分だけ溶解装置2を小型化することができる。また、例えば仮に溶解装置2を一旦停止させてこれを再作動する場合を考えると、本例のような少量溶解を採用すれば、その時に溶解させる溶解量は少なく済むことから、溶解装置2が鋳造装置5に溶湯3を送り出すまでに要する処理時間も少なく済み、これは省エネルギー化にも効果が高い。
(3)溶解装置2として溶解炉9が傾いて配置される傾斜式を採用したので、溶解炉9の内面と仕切板14とでできる溶湯貯留部15の体積が相対的に小さくなる。このため、溶解ゾーンKaでダイカスト材料を溶解してこの溶湯3を保持ゾーンKbに送るべく仕切板14から乗り越えさせる際に、その時に必要となる溶湯量が少なく済むことになり、溶解処理を開始してから短い時間で溶湯3を保持ゾーンKbに送ることができる。よって、保持ゾーンKbに溶湯3を貯留する際に必要な溶解時間を短時間化することができ、溶解時間の短時間化に伴い輻射熱の放熱時間も短く抑えることができる。
(5)溶解ゾーンKaでボールインゴット6を溶解する際、溶解炉9の内面と仕切板14とでできる溶湯貯留部15には溶湯3が常時貯留される状態となる。よって、溶解ゾーンKaでボールインゴット6を溶解するに際しては、熱伝導率の高い液体を媒体にボールインゴット6の溶解が行われることになるので、ボールインゴット6を効率良く溶解することができ、溶解時間の更なる短時間化に効果が高い。
(6)溶解装置2には、成形工程時に発生するスクラップ等のオーバーフロー26を溶解工程に戻してこれを再利用するオーバーフローリターン装置27を設けたので、ダイカスト原材料を効率良く使用することができ、鋳造品の生産性を向上することができる。
(7)インゴット供給通路部11には、ボールインゴット6を決められたタイミングで溶解炉9内に投入するインゴットシャッタ12を設けたので、ボールインゴット6とオーバーフロー26とを搬送経路途中で絡み難くすることができ、溶解装置2が溶解動作時に途中で停止(作動エラー)してしまうような状況を生じ難くすることができる。
(8)溶解炉9に湯こぼれ防止センサ23を設けたので、溶解炉9がボールインゴット6を溶解する際、溶湯3が溶解炉9の上端開口からこぼれ落ちてしまう状況を生じ難くすることができる。
(9)溶解炉9に各々使用目的の異なる分離した溶解ゾーンKaと保持ゾーンKbとを設けたので、保持ゾーンKbで溶湯3を鋳造に好適な一定温度に保持することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態を図11に従って説明する。なお、第2実施形態は、第1実施形態のダイカスト材料の形状を変更したのみの構成であることから、同一部分は同一符号を付して詳しい説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態を図11に従って説明する。なお、第2実施形態は、第1実施形態のダイカスト材料の形状を変更したのみの構成であることから、同一部分は同一符号を付して詳しい説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
図11に示すように、本例のダイカスト材料には、直方体形状を成す角状インゴット31が使用されている。この種の角状インゴット31は、例えばボールインゴット6に比べて体積が数倍程度の大きさを持つものが一般的であって、ボールインゴット6に比較して形状加工等に手間を要さないことから、広く一般的に使用されている。角状インゴット31を用いた場合、角状インゴット31を溶解炉9に投入する際の投入方式は、作業者が自らの手で投入する手動投入や、例えばロボットを用いて投入する自動投入のどちらの方式を用いてもよい。なお、角状インゴット31が原材料を構成する。
コントローラ28は、溶解処理の実行時において、保持ゾーンKbの溶湯3が下限域に達したことを第1湯面センサ21で検出すると、保持ゾーンKbに溶湯3の補充が必要であると認識し、少量溶解を行うべくそれまで停止状態にあった溶解用ヒータ13を駆動状態にする。このとき、オーバーフローリターン装置27にオーバーフロー26が存在していれば、これも溶解炉9内に投入される。これにより、溶解ゾーンKaに位置する角状インゴット31(オーバーフロー26も含む)が溶解用ヒータ13によって溶解されて溶湯3に状態変化し、これら溶湯3のうち仕切板14を乗り越えるものが保持ゾーンKbに流出して、保持ゾーンKbに溶湯3が補充される。
また、コントローラ28は、溶解処理の実行時において、保持ゾーンKbの溶湯3が上限域に達したことを第2湯面センサ22で検出すると、保持ゾーンKbへの溶湯3の補充が不要であると認識し、駆動状態にある溶解用ヒータ13を停止する。また、この時は、オーバーフローリターン装置27にオーバーフロー26が存在していても、これを溶解炉9内に投入しない。これにより、溶解ゾーンKaに存在する角状インゴット31の溶解が停止され、保持ゾーンKbへの溶湯供給が停止される。
従って、第2実施形態の構成によれば、第1実施形態の(1)〜(9)に記載の効果に加え、以下の効果を得ることができる。
(10)角状インゴット31は広く一般的に使用されているダイカスト材料であるが、本例の溶解装置2を採用すれば、このような一般的なダイカスト材料に対しても対応することができる。
(10)角状インゴット31は広く一般的に使用されているダイカスト材料であるが、本例の溶解装置2を採用すれば、このような一般的なダイカスト材料に対しても対応することができる。
(第3実施形態)
次に、本発明を具体化した第3実施形態を図12〜図16に従って説明する。なお、第3実施形態は、第1及び第2実施形態の溶解炉9の配置状態を変更したのみの構成であることから、同実施形態も異なる部分についてのみ説明する。
次に、本発明を具体化した第3実施形態を図12〜図16に従って説明する。なお、第3実施形態は、第1及び第2実施形態の溶解炉9の配置状態を変更したのみの構成であることから、同実施形態も異なる部分についてのみ説明する。
図12に示すように、本例の溶解装置2は、溶解炉9が水平に沿う向きに配置された水平式をとっている。また、本例のインゴット導入口10は、溶解炉9の上壁においてインゴット供給通路部11側の端部に貫設されている。このインゴット導入口10とインゴット供給通路部11との間には、溶解炉9及びインゴット供給通路部11を連結する筒形状のインゴット予熱通路部32が設けられている。インゴット予熱通路部32は、ボールインゴット6をインゴット供給通路部11から溶解炉9内の溶解ゾーンKaに送る手前でこのボールインゴット6を予め所定温度まで過熱しておく予熱領域、即ちボールインゴット6の予熱ゾーンKcとなっている。
インゴット予熱通路部32の経路終端位置には、インゴット予熱通路部32の通路を開放又は遮断する第2インゴットシャッタ33が設けられている。第2インゴットシャッタ33は、ボールインゴット6をシャッタ位置で停止させつつ溶解ゾーンKa内の高温気流を予熱ゾーンKcに送り込む機能を持たせる必要があることから、シャッタ部33aが例えば溶湯シャッタ17のシャッタ部17aのような棒形状を成している。第2インゴットシャッタ33は、インゴット予熱通路部32の側壁に貫設された導入孔32aを介してシャッタ部33aがインゴット予熱通路部32の内部に導入可能である。
また、本例のオーバーフローリターン装置27には、鋳造装置5側から送り上げられてきたオーバーフロー26を一時収納する収納部屋27bと、これに並設するインゴット供給通路部11とを連結するオーバーフロー用シュート27cが設けられている。このオーバーフロー用シュート27cは、収納部屋27bに送り上げられたオーバーフロー26をインゴット供給通路部11に送る際の搬送経路となるものである。なお、オーバーフローリターン装置27は、収納部屋27bにオーバーフロー26が送られる度に、これをインゴット供給通路部11に送る動作をとる。
溶解炉9の内部底面には、インゴット予熱通路部32に対して向き合う位置に傾斜部34が形成されている。この傾斜部34は、流出孔18側(溶解炉9の先端側)に向かうに従って下側に傾く斜面形状をとるとともに、インゴット予熱通路部32から溶解炉9内に投入されたボールインゴット6の進行方向を溶解炉9の先端側に変えて、ボールインゴット6を仕切板14に向かわせる役目を担っている。また、本例の溶湯貯留部15は、水平方向に対して立設する仕切板14と、溶解ゾーンKaの溶解炉9の内周面9aと、同じく溶解ゾーンKaの溶解炉9の側面9cとによって囲まれる空間から形成されている。
コントローラ28は、図13に示す動作初期状態からダイカスト材料の少量溶解を行うに際して、まずは図14に示すように、第2インゴットシャッタ33を開閉して、予熱ゾーンKcで予熱状態にあるボールインゴット6を溶解炉9の内部に投入する。予熱ゾーンKcから溶解炉9内に投入されたボールインゴット6は、図15に示すように、溶解炉9内を落下して傾斜部34に当接し、この傾斜部34によって仕切板14に向かって転がる動きをとって溶解ゾーンKaに送られる。溶解ゾーンKaに位置したボールインゴット6は、溶解用ヒータ13によって過熱されて液状の溶湯3に溶解される。溶解ゾーンKaに生じる溶湯3は、図16に示すように、溶解ゾーンKaの溶湯貯留部15に溜まっていき、その貯留量増加に伴って仕切板14を乗り越える溶湯3が保持ゾーンKbに送り出される。
コントローラ28は、第2インゴットシャッタ33を駆動させた後、図15に示すように、インゴットシャッタ12を駆動して、インゴット供給通路部11内で待機しているボールインゴット6を、1つ予熱ゾーンKcに供給する。この予熱ゾーンKcは第2インゴットシャッタ33でインゴット通過は規制されているものの、溶解ゾーンKaの大気が予熱ゾーンKcに至るように部屋自体は導通している。このため、予熱ゾーンKcに位置したボールインゴット6は、過熱ゾーンKbから送られてくる高温大気で過熱され、溶解はしないものの一定温度まで予熱される。
コントローラ28は、第2インゴットシャッタ33を開閉動作させてボールインゴット6を溶解炉9内に投入した後、その投入後からの経過時間を計測する。コントローラ28は、この経過時間が閾値以上となっても第2湯面センサ22で溶湯3を検出しないと、保持ゾーンKbの溶湯3が未だ上限域に到達せず更なる溶湯3の補充が必要であると認識し、第2インゴットシャッタ33を駆動して少量溶解を再度行う。コントローラ28は、保持ゾーンKbの溶湯3が上限域に到達したことを第2湯面センサ22で検出するまでこの少量溶解を繰り返し行い、保持ゾーンKbの溶湯3を適量になるまで補充する。
従って、第3実施形態の構成によれば、第1実施形態の(1)〜(9)に記載の効果に加え、以下の効果を得ることができる。
(11)溶解装置2として溶解炉9が水平配置された水平式を採用したので、溶解炉9に偏った荷重が加わり難くなり、溶解炉9に反りを生じ難くすることができる。
(11)溶解装置2として溶解炉9が水平配置された水平式を採用したので、溶解炉9に偏った荷重が加わり難くなり、溶解炉9に反りを生じ難くすることができる。
(12)溶解装置2に、ボールインゴット6を溶解する前段階でこれを予熱する予熱ゾーンKcを設けた。このため、ボールインゴット6を一層効率良く溶解することができ、溶解時間の更なる短時間化や輻射熱の更なる低減化に効果が高い。
(13)溶解ゾーンKaの手前位置に第2インゴットシャッタ33が存在するので、ボールインゴット6が溶解ゾーンKaに投入される際には、ボールインゴット6が溶湯3の近傍位置から投入される。ところで、搬送されてきた固体のボールインゴット6がそのまま高温の溶湯3に投入されると、この時のボールインゴット6は充分に予熱されていないので、ボールインゴット6の表面に存在する水分が溶湯3の熱で急激に膨張して、溶解炉9の室内圧力が急激に変化してしまい、これは溶解装置2に過度の負荷がかかる要因となる。しかし、本例はボールインゴット6が第2インゴットシャッタ33で一旦止められ、その位置で溶湯3の輻射熱で予熱されてボールインゴット6の表面の水分が除去され、その位置から溶解炉9に投入される搬入動作をとるので、ボールインゴット6は溶湯3の輻射熱で予熱されつつ低い投入高さから溶解炉9に投入される。このため、ボールインゴット6と溶湯3とを急激反応させずに済み、溶解装置2に過度の負荷を生じ難くすることができる。
(14)溶解装置2に水平式を採用すれば、傾斜式の時のようにボールインゴット6を溶解炉9の内面を転動させる動作は取らせないので、傾斜式の場合の懸念事項であったボールインゴット6が転動途中で止まるというような状況が生じ難くなり、より確実にボールインゴット6を溶解ゾーンKaに送ることができる。
(第4実施形態)
次に、本発明を具体化した第4実施形態を図17〜図21に従って説明する。なお、第3実施形態は、第3実施形態の溶解炉水平配置式の溶解装置2でこの時に使用するダイカスト材料の形状を変更したのみの構成であることから、同実施形態も異なる部分についてのみ説明する。
次に、本発明を具体化した第4実施形態を図17〜図21に従って説明する。なお、第3実施形態は、第3実施形態の溶解炉水平配置式の溶解装置2でこの時に使用するダイカスト材料の形状を変更したのみの構成であることから、同実施形態も異なる部分についてのみ説明する。
図17に示すように、溶解炉9の内部において溶解ゾーンKaの略中間位置には、溶解ゾーンKaを2部屋に区画する仕切シャッタ35が設けられている。この仕切シャッタ35は、溶解ゾーンKaを2つの各々独立した部屋として区画する役目を担うことから、シャッタ部35aが例えばインゴットシャッタ12のシャッタ部12aのような先端円弧平板形状を成している。仕切シャッタ35は、溶解炉9の上壁に貫設された導入孔9dを介してシャッタ部35aが溶解炉9の内部に導入可能である。また、本例の溶解ゾーンKaは、溶解ゾーンKaの流路上流側を第1溶解ゾーンKa1とし、溶解ゾーンKaの流路下流側を第2溶解ゾーンKa2とし、第1溶解ゾーンKa1が実際のインゴット溶解領域となる。
溶解装置2には、ダイカスト材料である角状インゴット31を溶解炉9内の溶解ゾーンKaに搬送する材料搬送用ロボット36が設けられている。材料搬送用ロボット36は、先端の把持部36aで角状インゴット31を把持することが可能であって、コントローラ28によって動作制御が行われる。本例の材料搬送用ロボット36は、把持部36aで角状インゴット31を持ちつつ、これをインゴット導入口10から溶解炉9内に投入し、角状インゴット31を持った状態でこれを溶解ゾーンKaの溶湯貯留部15に溜まった溶湯3に浸して溶解する。
また、オーバーフロー用シュート27cの経路終端位置には、オーバーフロー用シュート27cの通路を開放又は遮断するオーバーフローシャッタ37が設けられている。オーバーフローシャッタ37は、オーバーフロー用シュート27cを流れ落ちてくる種々形状の異なるオーバーフロー26をそのシャッタ位置で確実に止める必要があることから、シャッタ部37aが例えばインゴットシャッタ12のシャッタ部12aのような先端円弧平板形状を成している。オーバーフローシャッタ37は、オーバーフロー用シュート27cの上壁に貫設された導入孔27dを介してオーバーフロー用シュート27cの内部に導入可能である。
コントローラ28は、図18に示す動作初期状態からダイカスト材料の少量溶解を行う際、図19に示すように、材料搬送用ロボット36にその把持部36aで角状インゴット31を持たせた状態で、その角状インゴット31をインゴット導入口10から溶解炉9の内部、即ち第1溶解ゾーンKaに投入させる。このとき、材料搬送用ロボット36は、角状インゴット31を溶解炉9内に搬入するに際して、角状インゴット31を予め決められた量だけ溶解炉9内に挿し込む。また、コントローラ28は、材料搬送用ロボット36にインゴット投入動作を行わせる際、仕切シャッタ35を開状態にして第1溶解ゾーンKaと第2溶解ゾーンKaとの間の仕切りを無くし、これら2部屋を連通状態にし、しかもオーバーフローシャッタ37も開閉動作させて、角状インゴット31とともにオーバーフロー26も溶解炉9に投入する。
ところで、溶解炉9の溶湯貯留部15に残存していた溶湯3は、溶解用ヒータ13に過熱されて高温液状となる。溶解ゾーンKaに投入された角状インゴット31は、この溶湯貯留部15の溶湯3に浸されることによって少量溶解されて溶湯3に状態変化し、その溶湯3が溶解ゾーンKaの溶湯貯留部15に溜まっていく。そして、溶解ゾーンKaに生じる溶湯3は、図20に示すように、角状インゴット31の溶解に伴って貯留量が増加し、その貯留量増加に伴って仕切板14を乗り越える溶湯3が保持ゾーンKbに送り出される。
コントローラ28は、材料搬送用ロボット36を駆動して角状インゴット31を溶解炉9内に投入した後、その投入後からの経過時間を計測する。コントローラ28は、この経過時間が閾値以上となっても第2湯面センサ22で溶湯3を検出しないと、保持ゾーンKbの溶湯3が未だ上限域に到達せず更なる溶湯3の補充が必要であると認識し、図21に示すように、材料搬送用ロボット36を再駆動して角状インゴット31を溶けた分だけ更に奥に挿入しつつ、オーバーフローシャッタ37を開閉してオーバーフロー26を溶解炉9内に投入する。これにより、溶解ゾーンKaにダイカスト材料が補充されることになり、少量溶解が再度行われる。コントローラ28は、保持ゾーンKbの溶湯3が上限域に到達したことを第2湯面センサ22で検出するまでこの少量溶解を繰り返し行い、保持ゾーンKbの溶湯3を適量になるまで補充する。
また、コントローラ28は、保持ゾーンKbの溶湯3が上限域に到達したことを第2湯面センサ22で検出すると、溶湯3の補充は充分であると認識し、少量溶解を停止すべく仕切シャッタ35を閉状態にする。これにより、溶解ゾーンKaが第1溶解ゾーンKa1と第2溶解ゾーンKa2とに区画され、実際の溶解箇所である第1溶解ゾーンKa1が、保持ゾーンKb側に位置する第2溶解ゾーンKa2から分離する。従って、第2溶解ゾーンKa2の溶湯3がそれ以上増加する状態にはならず、保持ゾーンKb側に乗り越える溶湯3も発生しないことから、保持ゾーンKbへの溶湯供給が停止する。
従って、第4実施形態の構成によれば、第1実施形態の(1)〜(9)に記載の効果に加え、以下の効果を得ることができる。
(15)溶解装置2として水平式を採用するに際して、ダイカスト材料が角状インゴット31であっても、これに対応することができる。
(15)溶解装置2として水平式を採用するに際して、ダイカスト材料が角状インゴット31であっても、これに対応することができる。
なお、実施形態はこれまでの構成に限定されず、以下の態様に変更してもよい。
・ 第1〜第4実施形態において、ダイカスト材料は必ずしも亜鉛に限定されず、例えばアルミニウム、銅、マグネシウム等でもよい。但し、ダイカスト材料としてマグネシウムを用いる場合は、溶解炉9内に防燃ガスを充填する必要がある。また、溶解原材料は、金属であってもこれは必ずしもダイカストに用いられる金属に限らず、ダイカスト材料以外の他の金属でもよいし、またこれは金属ではなく樹脂でもよい。
・ 第1〜第4実施形態において、ダイカスト材料は必ずしも亜鉛に限定されず、例えばアルミニウム、銅、マグネシウム等でもよい。但し、ダイカスト材料としてマグネシウムを用いる場合は、溶解炉9内に防燃ガスを充填する必要がある。また、溶解原材料は、金属であってもこれは必ずしもダイカストに用いられる金属に限らず、ダイカスト材料以外の他の金属でもよいし、またこれは金属ではなく樹脂でもよい。
・ 第1〜第4実施形態において、規制部は必ずしも板形状を成す仕切板14に限定されず、溶湯3を堰き止められれば形状は特に限定されない。また、仕切板14は円弧形状に限定されず、これも適宜設計変更可能である。
・ 第1〜第4実施形態において、シャッタ系の部品のシャッタ形状は先端円弧平板形状や棒形状に限定されず、これは適宜変更可能であるし、しかもこれらシャッタ部品は機能毎に複数存在するが、採用するシャッタ部品もその都度自由に選択可能である。
・ 第1〜第4実施形態において、仕切板14は、必ずしも板形状に限定されず、例えば複数の細かな導通路が存在する網形状でもよい。
・ 第1〜第4実施形態において、溶湯シャッタ17のシャッタ部17aが挿し込まれる流出孔18の周囲に漏れ防止材を介装してもよい。この場合、溶湯シャッタ17で流出孔18を閉状態としている際に、流出孔18から溶湯3が漏れ出てしまう状況を発生し難くすることができる。
・ 第1〜第4実施形態において、溶湯シャッタ17のシャッタ部17aが挿し込まれる流出孔18の周囲に漏れ防止材を介装してもよい。この場合、溶湯シャッタ17で流出孔18を閉状態としている際に、流出孔18から溶湯3が漏れ出てしまう状況を発生し難くすることができる。
・ 第1〜第4実施形態において、第3実施形態に記載の予熱ゾーンKcは、第1実施形態、第2実施形態及び第4実施形態にも展開可能である。
・ 第1〜第4実施形態において、溶解装置2で生成した溶湯3を鋳造装置5に送る際の機構は、溶湯シャッタ17を用いた構造に限らず、例えば保持ゾーンKbにスライド式の開閉扉を設け、この扉を開閉動作することによって溶解装置2の溶湯3を鋳造装置5に送ってもよい。
・ 第1〜第4実施形態において、溶解装置2で生成した溶湯3を鋳造装置5に送る際の機構は、溶湯シャッタ17を用いた構造に限らず、例えば保持ゾーンKbにスライド式の開閉扉を設け、この扉を開閉動作することによって溶解装置2の溶湯3を鋳造装置5に送ってもよい。
・ 第1〜第4実施形態において、保持ゾーンKbの溶湯3が下限域以下となったことが第1湯面センサ21で検出された際の動作は、既に過熱駆動状態にある溶解ゾーンKaにダイカスト材料を供給する動作と、そのタイミングで溶解用ヒータ13の駆動を開始しつつダイカスト材料を投入する動作とのどちらを採用してもよい。また、保持ゾーンKbの溶湯3が上限域に到達したことが第2湯面センサ22で検出された際の動作は、溶解用ヒータ13は駆動状態のままでダイカスト材料の供給のみを停止する動作と、溶解用ヒータ13の駆動を停止しつつしかもダイカスト材料の投入も停止する動作とのどちらを採用してもよい。
・ 第1〜第4実施形態において、オーバーフローリターン装置27の構造は実施形態で適宜入れ替え可能である。
・ 第4実施形態において、溶解ゾーンKaを2部屋に区画する仕切シャッタ35は必ずしも必要ではない。仕切シャッタ35を省略した場合、溶解ゾーンKaでの溶解処理を停止するには、例えばその溶解停止タイミングで角状インゴット31を持ち上げる動作をとらせることでこれに対応する。
・ 第4実施形態において、溶解ゾーンKaを2部屋に区画する仕切シャッタ35は必ずしも必要ではない。仕切シャッタ35を省略した場合、溶解ゾーンKaでの溶解処理を停止するには、例えばその溶解停止タイミングで角状インゴット31を持ち上げる動作をとらせることでこれに対応する。
・ 溶解装置2は、この種のダイカストマシン1に搭載されることに限らず、溶解機構を必要とする他の製品成形マシンに搭載してもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(1)請求項1〜4のいずれかにおいて、前記少量溶解機構に供給される前の前記原材料を予熱し、当該予熱を行った後の前記原材料を前記少量溶解機構に送る原材料予熱機構を備えた。この構成によれば、例えば固形状の原材料の表面に水分が存在する状態で仮にこれが溶湯に投入されると、固形状の原材料の表面に存在する水分が溶湯の熱で急激に膨張して溶解装置に負担のかかる状況が生じ得ることも考えられるが、本構成は原材料を予熱して原材料表面の水分を蒸発させてから少量溶解機構に投入されるので、水分の急激膨張という現象が生じ難くなり、溶解装置に過度の負荷をかけ難くすることが可能となる。
(2)請求項1〜4及び前記技術的思想(1)のいずれかにおいて、前記原材料予熱機構は、前記原材料を前記少量溶解機構に送る手前で保持することによって当該原材料を予熱するとともに、前記原材料を前記少量溶解機構に送る際に前記原材料が勢いよく前記少量溶解機構の溶湯に投入されることを防止する飛跳防止機構も兼ねる。この構成によれば、固形状の原材料の表面に水分が存在する状態で仮にこれが溶湯に勢いよく投入されると、固形状の原材料の表面に存在する水分が溶湯の熱で急激に膨張して溶解装置に過度の負担がかかる状況が生じ易いが、本構成の原材料予熱機構は飛跳防止機構も兼ねるので、水分の付着した原材料が勢いよく溶湯に投入される可能性が低くなり、溶解装置に負荷を一層かけ難くすることが可能となる。
(3)請求項1〜4及び前記技術的思想(1),(2)のいずれかにおいて、前記成形工程時に発生するオーバーフローを前記少量溶解機構に再度送るオーバーフローリターン機構を備えた。この構成によれば、成形工程時に発生するスクラップ等のオーバーフローを原材料として再度使用するので、原材料を効率よく使用することができる。
(4)請求項1〜4及び前記技術的思想(1)〜(3)のいずれかにおいて、前記少量溶解機構は、前記温度保持機構に貯留された前記溶湯の溶湯量を検出する検出手段と、溶解前の前記原材料を前記少量溶解機構の溶解領域に搬出する搬出手段と、前記検出手段の検出量に基づき、前記温度保持機構の前記溶湯量が溶湯供給必要レベルまで減少した際、前記搬出手段を駆動して前記原材料を前記少量溶解機構の前記溶解領域に搬出し、前記温度保持機構の前記溶湯量が溶湯供給不要レベルまで増加した際、前記溶解を停止又は弱作動させる制御手段とを備えた。この構成によれば、好適なタイミングで原材料を少量溶解機構に供給することが可能となる。
(5)原材料を溶解してこれを液状の溶湯にし、当該溶湯を製品の成形工程に送出する原材料の溶解方法において、前記原材料の通過経路である炉本体の途中に位置し、第1熱源により当該原材料を少量ずつ溶解してこれを前記溶湯とし、前記原材料が固形のまま次工程側へ移動することを規制する規制部を介して前記溶湯のみを次工程に送る少量溶解工程と、前記少量溶解工程後の前記溶湯を貯留し、当該溶湯を次工程側に送るまで第2熱源で一定温度に保持する温度保持工程とを備えたことを特徴とする原材料の溶解方法。
2…溶解装置、3…溶湯、6…原材料を構成するボールインゴット、7…少量溶解機構としての溶解機構、8…温度保持機構、9…炉本体としての溶解炉、13…第1熱源としての溶解用ヒータ、14…規制部としての仕切板、16…第2熱源としての温度保持用ヒータ、31…原材料を構成する角状インゴット、Ka…溶解領域としての溶解ゾーン。
Claims (4)
- 原材料を溶解してこれを液状の溶湯にし、当該溶湯を製品の成形工程に送出する溶解装置において、
前記原材料の通過経路である炉本体の途中に位置し、第1熱源により当該原材料を少量ずつ溶解してこれを前記溶湯とし、前記原材料が固形のまま次工程側へ移動することを規制する規制部を介して前記溶湯のみを次工程に送る少量溶解機構と、
前記少量溶解機構から送られた前記溶湯を貯留し、当該溶湯を次工程側に送るまで第2熱源で一定温度に保持する温度保持機構と
を備えたことを特徴とする溶解装置。 - 前記少量溶解機構は、前記炉本体に供給される前記原材料が前記次工程側に自重で落下するように当該炉本体が下側に傾いて配置された機構であることを特徴とする請求項1に記載の溶解装置。
- 前記少量溶解機構は、前記炉本体が水平に沿う向きに配置された機構であることを特徴とする請求項1に記載の溶解装置。
- 前記少量溶解機構は、前記原材料を溶解領域で溶解して前記溶湯としたもののうち前記規制部を乗り越えた当該溶湯を前記温度保持機構に送ることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の溶解装置。
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