JP2014172088A - 連続鋳造用溶解銅原料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】溶解炉21と、この溶解炉21内の銅溶湯3に接続された鋳型30と、を備えた連続鋳造装置20により、鋳塊1を連続的に製造する際に溶解炉21内に供給される連続鋳造用溶解銅原料10であって、銅の含有量が99.96mass%以上、酸素の含有量が20massppm以下とされ、外形が球形状をなし、最大径Rmaxと最小径Rminとの比Rmax/Rminが、1.0≦Rmax/Rmin≦1.5の範囲内とされ、1個当りの重量が5g以上3000g以下の範囲内に設定されている。
【選択図】図1
Description
しかしながら、断面積の大きな鋳塊を製出した後に熱間加工や冷間加工を行って線材、棒材、管材、板材等を製出する場合、鋳塊のサイズによって得られる長さが制限されることになり、長尺の線材、棒材、管材、板材等を得ることができなかった。また、生産効率が悪いといった問題があった。
特許文献1の図1には、鋳造炉の側壁に鋳型が取り付けられ、この鋳型から棒状の鋳塊を水平方向に引き出して連続鋳造する方法が開示されている。
特許文献1の図2には、鋳造炉に貯留された溶湯に上方から鋳型の一部を浸漬し、この鋳型から棒状の鋳塊を上方に引き出して連続鋳造する方法が開示されている。
特許文献1の図3には、鋳造炉の底壁に鋳型が取り付けられ、この鋳型から棒状の鋳塊を下方に引き出して連続鋳造する方法が開示されている。
このような構成とされた連続鋳造装置においては、鋳塊の製出量に応じて銅原料を溶解炉内に追加投入する必要がある。従来、追加投入される銅原料として電気銅や電気銅の切断品等が用いられていた。なお、電気銅や電気銅の切断品等は、1枚当りの重量が数kg〜数百kgとされていた。電気銅をさらに小さく切断することは、コストが高くなり、工業的には困難であった。
また、溶解炉に投入した際に溶解炉中の溶湯温度及び溶湯量が大きく変動しまい、鋳造を安定して実施できないおそれがあった。
さらに、電気銅や電気銅の切断品等は、簡単な構成で移送する機構を設けることができず、溶解炉への投入を自動で実施することは非常に困難であった。
また、外形が球形状をなし、最大径Rmaxと最小径Rminとの比Rmax/Rminが、1.0≦Rmax/Rmin≦1.5の範囲内とされているので、転がり抵抗が小さく、この連続鋳造用溶解銅原料を転がして溶解炉内に投入することができる。よって、簡単な構造で連続鋳造用溶解銅原料の自動投入を行うことが可能となる。
さらに、1個当りの重量が5g以上3000g以下の範囲内に設定されているので、連続鋳造用溶解銅原料を投入しても、溶湯温度及び溶湯量が大きく変動せず、鋳造を安定して実施することが可能となる。
なお、本発明に係る連続鋳造用溶解銅原料は、外形が概略球状をなしていて転がり抵抗が比較的小さくされていればよく、樽形状をなしていてもよいし、一部に平坦面が存在していてもよい。
この場合、銅の含有量が高く、酸素の含有量が低く抑えられているので、被覆材として脱酸剤を用いることなく、銅溶湯の酸素濃度を低く抑えることができ、無酸素銅又は無酸素銅に添加元素を添加した銅合金の鋳塊を製造することができる。
本実施形態である連続鋳造用溶解銅原料10は、溶解炉21と、この溶解炉21内の銅溶湯3に接続された鋳型30と、を備えた連続鋳造装置20によって、無酸素銅又は無酸素銅に添加元素を添加した銅合金からなる鋳塊1を連続的に製造する際に、溶解炉21内に順次添加されるものである。
図1に示す連続鋳造装置20は、溶解炉21と、この溶解炉21の上方に配置され、その下端が溶解炉21内の銅溶湯3に浸漬された鋳型30と、鋳型30の上方に配置された引抜き機36と、溶解炉21内に連続鋳造用溶解銅原料10を供給する原料供給機40と、を備えている。
ここで、溶解炉21内の銅溶湯3の湯面は、酸化防止剤又は脱酸剤からなる被覆材5によって被覆されている。本実施形態では、被覆材5として木炭を使用している。
また、本実施形態では、図1に示すように、モールド31の軸方向長さが冷却ジャケット32よりも長く設定されており、モールド31の両端が冷却ジャケット32から突出するように配置されている。特に、モールド31の下端側は冷却ジャケット32から大きく突出しており、この突出したモールド31の下端部分が、溶解炉21内の銅溶湯3に浸漬されている。
この原料供給機40は、連続鋳造用溶解銅原料10を貯留するホッパ41と、このホッパ41の下部に設けられた供給口42と、この供給口42に連結された供給樋43と、供給口42に配設されたゲート部44と、このゲート部44の動作を制御するゲート制御部45と、溶解炉21の原料投入部25の湯面高さを検知する湯面検知手段48と、を備えている。
供給樋43は、図1に示すように、溶解炉21側に向かうに従い漸次下方に向かうように傾斜して配置されており、本実施形態である連続鋳造用溶解銅原料10がこの供給樋43内を転がり、溶解炉21の原料投入部25に投入されるように構成されている。
また、本実施形態である連続鋳造用溶解銅原料10は、1個当りの重量が5g以上3000g以下の範囲内に設定されている。
具体的には、連続鋳造用溶解銅原料10を、樽形状をなすように構成したり、表面の一部に平坦面を形成したりすることにより、転がり抵抗を調整することが好ましい。
ここで、溶解炉21内の銅溶湯3が消費されて湯面が低下すると、湯面検知手段48からのデータに基づいてゲート制御部45がゲート部44を動作させ、原料供給機40から、連続鋳造用溶解銅原料10が供給される。
このようにして、棒状の鋳塊1が連続的に鋳造されることになる。
また、連続鋳造用溶解銅原料10の投入時に、湯面変動も抑制されるため、被覆材5によって湯面を安定して被覆することができ、銅溶湯3への酸素の混入を抑制でき、酸素濃度の上昇を抑えることが可能となる。
例えば、本実施形態においては、図1に示す原料供給機を用いて、連続鋳造用溶解銅原料を供給するものとして説明したが、他の構造の原料供給機に、本発明の連続鋳造用溶解銅原料を適用してもよい。
この連続鋳造装置120においても、原料供給機40によって、本実施形態の連続鋳造用溶解銅原料10を溶解炉121に供給することにより、溶湯温度及び溶湯量の変動を抑制して安定した鋳造を実施することが可能となる。
この連続鋳造装置220においても、原料供給機40によって、本実施形態の連続鋳造用溶解銅原料10を溶解炉221に供給することにより、溶湯温度及び溶湯量の変動を抑制して安定した鋳造を実施することが可能となる。
さらに、断面円形の棒状鋳塊を製造するものとして説明したが、これに限定されることはなく、断面多角形の棒状鋳塊であってもよいし、内周孔を有する管状鋳塊であってもよいし、板状をなす鋳塊であってもよい。
また、本実施形態では、冷却ジャケットを備えた鋳型を使用するものとして説明したが、鋳型の構造に限定はなく、例えばモールド内に二重管からなる水冷プローブを挿入した鋳型であってもよい。
3 銅溶湯
5 被覆材
10 連続鋳造用溶解銅原料
20 連続鋳造装置
21 溶解炉
30 鋳型
Claims (2)
- 溶解炉と、この溶解炉内の銅溶湯に接続された鋳型と、を備えた連続鋳造装置により、無酸素銅又は無酸素銅に添加元素を添加した銅合金からなる鋳塊を連続的に製造する際に、前記溶解炉内に供給される連続鋳造用溶解銅原料であって、
銅の含有量が99.96mass%以上とされるとともに、酸素の含有量が20massppm以下とされており、
外形が球形状をなし、最大径Rmaxと最小径Rminとの比Rmax/Rminが、1.0≦Rmax/Rmin≦1.5の範囲内とされ、
1個当りの重量が5g以上3000g以下の範囲内に設定されていることを特徴とする連続鋳造用溶解銅原料。 - 銅の含有量が99.99mass%以上とされるとともに、酸素の含有量が10massppm以下とされていることを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造用溶解銅原料。
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