JP4934321B2 - 鋳鉄方法及び鋳鉄用金型 - Google Patents

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Description

本発明は鋳鉄方法及び鋳鉄用金型に関し、更に詳細には金型内のキャビティに注湯した鋳鉄溶湯を凝固して鋳鉄製品を鋳造するとき、前記鋳鉄製品内に他部よりも冷却速度の速い易冷却部分が存在する鋳鉄製品を鋳造する鋳鉄方法及び鋳鉄用金型に関する。
フェライト量が多く靭性に優れた球状黒鉛鋳鉄から成る鋳鉄製品は、例えば下記特許文献1に知られている。かかる鋳鉄製品は、強靭性を有するため、自動車部品等の幅広い用途に用いられている。
かかる球状黒鉛鋳鉄から成る鋳鉄製品の鋳造では、樹脂製粘結剤(バインダー)をコーティングした砂等を用いて形成した砂型を使用している。
しかし、砂型を用いた鋳造では、砂型の造型機は勿論のこと、砂の回収、冷却、搬送、混錬再製等の砂処理設備が必要である。
しかも、鋳鉄溶湯を砂型に注湯して得た鋳鉄製品は、鉄合金の状態図において、オーステナイト相が晶出する温度以下で且つオーステナイト相がパーライト相に変態するA1変態温度以下の室温近傍にまで砂型内で冷却してから取り出すため、砂型に注湯してから取り出しまでの時間が著しく長く、その生産性が問題となりつつある。
一方、鋳鉄製品の生産性を向上させるべく、水冷構造又は銅等の高熱伝導材から成る金型に鋳鉄溶湯を注湯して得た鋳鉄製品を、金型内でA1変態温度以下の室温近傍まで急速冷却して取り出す鋳鉄方法も知られている。
特許第2730959号公報(特許請求の範囲、第3頁左欄)
急速冷却可能な金型を用いた鋳鉄方法では、砂型を用いた鋳鉄方法に比較して、金型に注湯してから金型から鋳鉄製品を取し出すまでの時間を著しく短縮できる。
更に、金型は、再使用可能であるため、砂処理設備を不要にでき、そのプロセスを簡単化できる。
しかしながら、鋳鉄溶湯を金型に注湯して得た鋳鉄製品は、一般的に過冷された共晶黒鉛を有する低強度の片状黒鉛鋳鉄や、フェライト量が少なく靭性の低下した低グレードの球状黒鉛鋳鉄のものである。
かかる鋳鉄製品を、フェライト量が多く、靭性に優れた鋳鉄製品とするには、熱処理が不可欠である。このため、金型を用いた鋳鉄方法であっても、その生産性を著しく向上することは困難である。
唯、金型を用いた鋳鉄方法では、鋳鉄製品を金型から取り出すまでの時間を著しく短縮でき、且つ砂処理設備を不要化できる等の多くの利点を有する。
また、従来、同一金型から単一種の鋳鉄製品を鋳造しているが、複数種相当の鋳鉄製品を鋳造できれば、保有金型数の低減等の効率化を図ることができる。
このため、本発明者等は、金型を用いてフェライト量が多く且つ靭性に優れた鋳鉄製品を鋳造するには、その冷却速度が重要であると考えて検討した。その結果、金型に注湯した鋳鉄溶湯が凝固して得られた鋳鉄製品を冷却して、鋳鉄製品の温度が室温よりも高温の所定温度に到達したとき、金型を型開きして鋳鉄製品を取り出した後、この鋳鉄製品を金型内での冷却速度よりも遅い冷却速度で徐冷することによって、金型を用いてフェライト量が多く且つ靭性に優れた鋳鉄製品を鋳造できることを知った。
しかしながら、鋳鉄製品には、その形状や構造によって他部に比較して冷却され易い部分が形成される。
例えば、二股状に分岐された二股状部が形成されるキャリパボディを鋳造する一対の金型では、その縦断面図である図15(a)及び横断面図である図15(b)に示す様に、一対の金型100,102及び突出ピン104によって形成されるキャビティ106に注湯した鉄合金の溶湯を凝固した鋳鉄製品108のうち、二股状部の先端部108a,108aは、比較的他の部分よりも断面が薄肉であるので、他部よりも冷却速度が速い。
このため、鋳鉄製品108の先端部108a,108aが型開き温度に到達したとき、他部の温度は型開き温度に到達せず、一対の金型100,102を型開きできない。
したがって、鋳鉄製品108の他部の温度が型開き温度に到達したとき、図16(a)に示す様に、一対の金型100,102を型開きし、図16(b)に示す様に、突出ピン104によって鋳鉄製品108を一対の金型100,102から突出する。
この様に、冷却速度差を有する鋳鉄製品では、通常、冷却速度が遅い部分の温度によって金型の型開きを行うため、冷却終了後に得られる鋳鉄製品内に硬度等のバラツキが発生し易いことが判明した。
そこで、本発明の課題は、金型内のキャビティに注湯した鋳鉄溶湯の冷却過程で、鋳鉄製品の形状や構造に因る冷却速度差が発生し易い鋳鉄製品を鋳造する際に、得られる鋳鉄製品内の硬度等のバラツキを可及的に小さくできる鋳鉄方法及び鋳鉄用金型を提供することにある。
本発明に係る鋳鉄方法は、金型内のキャビティに注湯した鋳鉄溶湯を凝固して鋳鉄製品を鋳造するとき、前記鋳鉄製品内に他部よりも冷却速度の速い易冷却部分が存在する鋳鉄製品を鋳造する際に、該金型内で冷却する鋳鉄製品の易冷却部分の冷却速度を緩和すべく、前記易冷却部分の外周面とキャビティの内壁面との間に隙間を形成して金型への熱引きを阻止した後、前記鋳鉄製品の他部の温度が、室温よりも高温の所定温度に到達したとき、前記金型を型開きして鋳鉄製品を取り出して、前記鋳鉄製品の全体を金型内での冷却速度よりも遅い冷却速度で徐冷する鋳鉄方法であって、金型として、鋳鉄製品の易冷却部分の外周面と接触するキャビティの内壁面を形成する部分を、金型の他部に対し独立して移動可能に形成した移動型を有し、該移動型が、前記鋳鉄製品を一対の金型のパーティング面から突出させる突出ピンを兼ねる移動型である分割金型を用い、前記鋳鉄製品の易冷却部分の外周面とキャビティの内壁面との間の隙間を、先端面が、前記易冷却部分の外周面に接触している金型のキャビティ内壁面の少なくとも一部を構成する前記突出ピンを後退して形成することを特徴とする。
また、本発明に係る鋳鉄方法は、金型内のキャビティに注湯した鋳鉄溶湯を凝固して鋳鉄製品を鋳造するとき、前記鋳鉄製品内に他部よりも冷却速度の速い易冷却部分が存在する鋳鉄製品を鋳造する際に、該金型内で冷却する鋳鉄製品の易冷却部分の冷却速度を緩和すべく、前記易冷却部分の外周面とキャビティの内壁面との間に隙間を形成して金型への熱引きを阻止した後、前記鋳鉄製品の他部の温度が、室温よりも高温の所定温度に到達したとき、前記金型を型開きして鋳鉄製品を取り出して、前記鋳鉄製品の全体を金型内での冷却速度よりも遅い冷却速度で徐冷する鋳鉄方法であって、金型として、前記鋳鉄製品の内部に筒状部を形成すべく金型の他部に対して独立して移動可能に形成した中子と、該中子の後端部に形成されたシリンダー状部のロッドに接続され、前記鋳鉄製品の易冷却部分の外周面と先端面が接触し、金型の他部および前記中子に対し独立して移動可能に形成したピンとを有する金型を用い、前記鋳鉄製品の易冷却部分の外周面とキャビティの内壁面との間の隙間を、前記易冷却部分の外周面に接触しているピンを後退して形成すると共に、前記鋳鉄製品の他部の温度が、室温よりも高温の前記所定温度に到達したとき、前記中子およびピンを前記金型から抜き出し、さらに前記金型を型開きして鋳鉄製品を取り出すことを特徴とする。
また、本発明に係る鋳鉄用金型は、鋳鉄製品を鋳造する金型内のキャビティに注湯した鋳鉄溶湯が凝固するとき、前記鋳鉄製品内に他部よりも冷却され易い易冷却部分が存在する鋳鉄製品を鋳造する鋳鉄用金型であり、該金型内で冷却される鋳鉄製品の易冷却部分の外周面と接触する金型のキャビティ内壁面の少なくとも一部を形成する金型部分が後退し、前記易冷却部分の外周面とキャビティの内壁面との間に形成された隙間によって、前記金型への熱引きが阻止されて、前記易冷却部分の冷却速度が緩和されるように、前記金型部分が金型の他部に対し独立して移動可能な移動型として形成され、且つ前記鋳鉄製品の他部の温度が、室温よりも高温の所定温度に到達したとき、前記鋳鉄製品の全体を金型内での冷却速度よりも遅い冷却速度で徐冷できるように、前記鋳鉄製品の全体を金型から取出可能に形成されている鋳鉄用金型であって、前記移動型が、前記鋳鉄製品を一対の金型のパーティング面から突出させる突出ピンを兼ねる移動型として形成されていることを特徴とする。
また本発明に係る鋳鉄用金型は、鋳鉄製品を鋳造する金型内のキャビティに注湯した鋳鉄溶湯が凝固するとき、前記鋳鉄製品内に他部よりも冷却され易い易冷却部分が存在する鋳鉄製品を鋳造する鋳鉄用金型であり、該金型内で冷却される鋳鉄製品の易冷却部分の外周面と接触する金型のキャビティ内壁面の少なくとも一部を形成する金型部分が後退し、前記易冷却部分の外周面とキャビティの内壁面との間に形成された隙間によって、前記金型への熱引きが阻止されて、前記易冷却部分の冷却速度が緩和されるように、前記金型部分が金型の他部に対し独立して移動可能な移動型として形成され、且つ前記鋳鉄製品の他部の温度が、室温よりも高温の所定温度に到達したとき、前記鋳鉄製品の全体を金型内での冷却速度よりも遅い冷却速度で徐冷できるように、前記鋳鉄製品の全体を金型から取出可能に形成されている鋳鉄用金型であって、前記移動型は、前記鋳鉄製品の内部に筒状部を形成すべく金型の他部に対して独立して移動可能に形成した中子と、該中子の後端部に形成されたシリンダー状部のロッドに接続され、前記鋳鉄製品の易冷却部分の外周面と先端面が接触し、金型の他部および前記中子に対し独立して移動可能に形成したピンとを具備し、前記隙間が、前記ピンを後退することによって形成され、前記鋳鉄製品の他部の温度が、室温よりも高温の前記所定温度に到達したとき、前記中子およびピンが前記金型から抜き出されることを特徴とする。
本発明によれば、型開き前に金型内で冷却している鋳鉄製品の易冷却部分の外周面とキャビティの内壁面との間に隙間を形成して金型への熱引きを防止することによって、鋳鉄製品の易冷却部分の冷却速度を緩和し、他部との冷却速度差を可及的に小さくできる。このため、鋳鉄製品の形状や構造に基づく冷却速度差に因って発生する鋳鉄製品内の硬度等のバラツキを可及的に小さくできる。
更に、鋳鉄製品の他部が室温以上の所定温度に冷却されたとき、鋳鉄製品の全体を冷却速度の速い金型から取り出して、金型内での冷却速度よりも遅い冷却速度で徐冷することによって、冷却が終了した鋳鉄製品に熱処理を施した場合と同等の効果を得ることができる。
従って、本発明では、金型から取り出す鋳鉄製品の温度を変更することによって、異なった種類(特性)の鋳鉄製品を得ることができる。
例えば、金型を型開きして鋳鉄製品を取り出す温度を、鉄合金の状態図において、オーステナイト相がパーライト相に変態するA1変態温度よりも低い温度まで冷却すると、冷却終了して得られた鋳鉄製品のパーライト化率が高くなり、フェライト量が低下するものの、抗張力及び耐力に優れた鋳鉄製品を得ることができる。
一方、金型内の鋳鉄製品が、鉄合金の状態図において、オーステナイト相と黒鉛とが共に晶出する共晶温度以下で且つオーステナイト相がパーライト相に変態するA1変態温度以上の温度に到達したとき、金型から鋳鉄製品を取り出し、金型内での冷却速度よりも遅い冷却速度で徐冷すると、フェライト量及び黒鉛球状化率を向上でき、優れた靭性を呈する鋳鉄製品を、熱処理を施すことなく得ることができる。A1変態温度の近傍の鋳鉄製品を徐冷できたことによるものと考えられる。
本発明では、金型内のキャビティに注湯した鋳鉄溶湯(以下、単に溶湯と称することがある)を凝固して得られた鋳鉄製品を冷却し、金型の型開き前に、形状や構造に基づく冷却速度差を有する鋳鉄製品の易冷却の外周面とキャビティの内壁面との間に隙間を形成して、易冷却部分の冷却速度を緩和することが大切である。
かかる隙間の形成によって、金型への熱引きを防止して鋳鉄製品の易冷却部分の冷却速度を緩和し、鋳鉄製品の他部における冷却速度との冷却速度差を可及的に少なくできる。
ここで、鋳鉄製品の易冷却部分の外周面とキャビティの内壁面との間に隙間を形成することなく冷却すると、冷却完了して得られた鋳鉄製品は、その内部に硬度等のバラツキを有するものとなり易い。
次いで、本発明では、鋳鉄製品の他部の温度が、室温よりも高温の所定温度に到達したとき、金型を型開きして鋳鉄製品を取り出して、鋳鉄製品の全体を金型内での冷却速度よりも遅い冷却速度で徐冷することが大切である。
この金型から取り出した鋳鉄製品の冷却速度を、金型内での冷却速度以上で冷却する場合には、得られた鋳鉄製品は金型内で急速冷却して得た鋳鉄製品と同等のものとなる。
かかる金型を型開きして鋳鉄製品を取り出す温度(以下、型開き温度と称することがある)について、図1に示す鉄―炭素合金の状態図に基づいて説明する。図1に示す状態図において、鉄が3.5重量%の溶湯では、約1240℃で凝固を開始して、鉄に炭素が固溶したオーステナイト(γ)相が晶出する。溶湯の凝固は1147℃で完了し、凝固体にはオーステナイト相とセメンタイト(Fe3C)、或いは黒鉛とオーステナイト相とが同時に晶出する。
この凝固体が更に冷却されると、738〜727℃以下では、オーステナイト相がパーライト相に変態する。本発明では、このオーステナイト相がパーライト相に変態する温度をA1変態温度と称する。
本発明における型開き温度を、図1に示す鉄合金の状態図において、オーステナイト相と黒鉛とが共に晶出する共晶温度以下で且つオーステナイト相がパーライト相に変態するA1変態温度以上の温度とすることによって、鋳鉄製品の易冷却部分の冷却速度を緩和して、鋳鉄製品の他部との冷却速度差を可及的に小さくした後、鋳鉄製品の全体を徐冷することによって、鋳鉄製品の冷却が終了したとき、鋳鉄製品の全体をフェライト量及び黒鉛球状化率が多く、優れた靭性を呈する鋳鉄製品を、熱処理を施すことなく得ることができる。
この型開き温度としては、具体的には、1147〜727℃とすることが好ましく、特に1147〜850℃とすることが、得られる鋳鉄製品のフェライト量を70%以上とすることができ好ましい。
かかる型開き温度を1147℃を越える温度とすると、金型内で溶湯の凝固が不完全となり易い傾向にある。
一方、型開き温度を、A1変態温度、具体的には727℃よりも低温とすると、金型を型開きして鋳鉄製品の全体を徐冷して得られる鋳鉄製品は、その硬度が高く且つフェライト量が低下するものの、抗張力及び耐力に優れている。
鋳鉄製品の易冷却部分の外周面とキャビティの内壁面との間に隙間を形成する時期(以下、隙間形成時期と称することがある)、及び金型を型開きして鋳鉄製品を取り出す時期は、原則として鋳鉄製品の温度で判断することが最適であるが、鋳造の都度、鋳鉄製品の温度を直接測定することは困難である。このため、金型内の鋳鉄製品の温度と溶湯を金型に注湯してからの経過時間との関係を測定し、金型への溶湯の注湯からの経過時間に基いて、隙間形成時期及び金型からの鋳鉄製品の取出時期を管理することが容易である。
本発明において、金型に注湯する溶湯とする鉄合金は、鉄―炭素合金を用いることが好ましく、特に、炭素(C)3.1〜3.9重量%、珪素(Si)2.0〜3.0重量%、マンガン(Mn)0.3重量%以下、燐(P)0.03重量%以下、クロム(Cr)0.10重量%以下、マグネシウム(Mg)0.018〜0.060重量%、残余鉄及び不純物から成り、且つCE値(炭素当量)4.0〜4.7重量%の鉄合金を好適に用いることができる。
ここで、炭素(C)が3.1重量%未満では、炭化物が析出し易くパーライトが多くなり、鋳鉄性が低下する傾向がある。他方、炭素(C)が3.9重量%を越えると、キッシュ黒鉛が析出し、黒鉛が偏って析出して、鎖状黒鉛が析出され易い傾向にある。
珪素(Si)が2.0重量%未満では、炭化物が析出し易くパーライトが多くなる傾向があり、他方、3.0重量%を越えると、キッシュ黒鉛が析出し、黒鉛が偏って析出して、鎖状黒鉛が析出され易い傾向にある。
マンガン(Mn)が0.3重量%を越えると、パーライトが多くなる傾向にあり、燐(P)が0.03重量%を越える場合、クロム(Cr)が0.10重量%を越える場合には、ステダイトによって脆くなり易くなる傾向にある。
マグネシウム(Mg)が0.018重量%未満では、黒鉛が球状化しなくなる傾向にあり、他方、0.060重量%を越えると、引け巣の発生や炭化物が析出し易くなる傾向にある。
また、CE値(炭素当量)が4.0重量%未満では、炭化物が析出し易くパーライトが多くなり、鋳鉄性が低下する傾向がある。他方、CE値(炭素当量)が4.7重量%を越えると、キッシュ黒鉛が析出し、黒鉛が偏って析出して、鎖状黒鉛が析出され易い傾向にある。
かかる組成の溶湯を金型に注湯する際に、Si量で0.05〜0.225重量%のFe−Siを注湯接種することによって、黒鉛の微細化を図ることができる。Fe−Siの注湯接種量をSi量で0.05重量%未満とすると,黒鉛が微細化され難くなる傾向にあり、0.225重量%を越える量を注湯接種しても、黒鉛の微細化の程度は飽和に達しており、未溶解物が発生し易くなる傾向にある。
本発明で用いる金型としては、湯口から注湯された溶湯が重力によってキャビティ内に充填される重力鋳鉄用金型を、構造が簡単であるため好適に用いることができる。
ところで、従来の鋳鉄用金型としては、水冷構造又は銅等の高熱伝導材から成る金型が用いられている。かかる従来の鋳鉄用金型では、キャビティに充填された溶湯の冷却速度が著しく速く、金型に溶湯を注湯してから10秒程度でA1変態温度よりも充分に低温にまで冷却されるため、鋳鉄製品の易冷却部分の外周面とキャビティの内壁面との間に隙間を形成する隙間形成時期、及び金型からの鋳鉄製品の取出時期を管理することは困難である。
このため、本発明で用いる金型としては、かかる隙間形成時期及び取出時期を制御し得る冷却特性、具体的には、水冷構造又は銅等の高熱伝導材から成る従来の金型の冷却速度よりも緩和された冷却速度の金型を用いる。
かかる金型としては、炭素(C)が0.45重量%の鋼(S45C)から成る金型を好適に用いることができる。この金型には、水冷構造を設けることを要しない。従って、従来の水冷構造を具備する金型よりも構造が簡単となり、製造コストも安価となる。
尚、本発明で用いる金型には、従来の金型に使用されていた塗型剤は用いることができる。
本発明で用いる金型は、注湯した鋳鉄溶湯が凝固した鋳鉄製品をキャビティ内に保持しつつ、鋳鉄製品の易冷却部分の外周面とキャビティの内壁面との間に隙間を形成できるものであることが必要である。
かかる金型としては、鋳鉄製品の易冷却部分の外周面に接触している金型のキャビティ内壁面の少なくとも一部を後退して隙間を形成する金型を好適に用いることができる。
この金型としては、鋳鉄製品の易冷却部分の外周面と接触するキャビティの内壁面を形成する部分を、金型の他部に対し独立して移動可能に形成した分割金型を用いることができる。
かかる分割金型の一例を、二股状に分岐された二股状部が形成されるキャリパボディを鋳造する分割金型の縦断面図である図2(a)及び横断面図である図2(b)に示す。図2(a)(b)に示す分割金型は、一対の金型10,12、突出ピン14、及び移動型20によって形成されている。この移動型20は、一対の金型10,12を形成する他部に対して独立して移動可能に金型10に設けられており、一対の金型10,12のパーティング面に沿って移動する。
かかる図2(a)に示す分割金型では、一対の金型10,12、移動型20及び突出ピン14によってキャビティ16が形成される。このキャビティ16のうち、鋳鉄製品18の二股状部の先端部18a,18aを形成するB部分は、キャビティ16に注湯された鉄合金の溶湯が凝固して形成された鋳鉄製品18の他部よりも薄肉な部分であって、冷却速度の速い易冷却部分である。かかるB部分を形成するキャビティ16の内壁面の一部は、金型10に設けられた移動型20,20によって形成される。
一対の金型10,12内に形成されたキャビティ16内に注湯された鉄合金の溶湯が凝固して形成された鋳鉄製品18のうち、キャビティ16のB部分によって形成された先端部18a,18aは、前述した様に、鋳鉄製品18の他部よりも冷却速度が速い易冷却部分である。このため、一対の金型10,12の型開き前に、図3(a)に示す様に、B部分の内壁面の一部を形成する移動型20がスライドして、先端部18aの外周面との間に隙間22を形成する。かかる隙間22を形成することによって金型10,12への熱引きを阻止でき、先端部18aに移動型20が接触していた場合に比較して、先端部18aの冷却速度を緩和できる。このため、鋳鉄製品18の先端部18aと他部との冷却速度差を可及的に小さくできる。
かかる隙間22を形成する時期は、溶湯をキャビティに注湯してからの経過時間で管理することが好ましい。
例えば、鋳鉄製品18の先端部18a,18aの温度変化について、溶湯をキャビティに注湯してから、鉄合金の状態図において、オーステナイト相と黒鉛とが共に晶出する共晶温度以下で且つオーステナイト相がパーライト相に変態するA1変態温度以上の所望温度に到達するまでの時間を計測しておき、溶湯をキャビティに注湯してから所定時間経過して時点で、移動型20を移動して隙間22を形成する。
或いは、鋳鉄製品18の先端部18a,18aと本体部との硬度を測定し、先端部18a,18aの硬度が本体部と略等しくなるように、移動型20の移動時期を調整してもよい。
次いで、鋳鉄製品18の他部が室温以上の所定温度に到達し、図3(b)に示す様に、一対の金型10,12を型開きし、図3(c)に示す様に、金型12に設けられた突出ピン14によって一対の金型10,12のパーティング面から突出された鋳鉄製品18の全体は略同一温度に冷却されている。
更に、かかる鋳鉄製品18を空気中で徐冷することによって、硬度等のバラツキを可及的に小さい鋳鉄製品18を得ることができる。
尚、移動型20を金型10から抜き出してもよいが、図3(a)に示す様に、移動型20を金型10から抜き出すことなく隙間22を形成することによって、隙間22内の空気が金型10外の空気と置換され難いため、隙間22の温度を一定に保持でき、鋳鉄製品18の先端部18aの冷却速度を充分に緩和できる。
図2及び図3に示す分割金型に代えて、図4(a)(b)に示す一対の金型を用いることができる、図4(a)は、この一対の金型の縦断面図であり、図4(b)は、この一対の金型の横断面図である。
図4(a)(b)に示す一対の金型10,12では、鋳鉄製品18の先端部18a,18aの各外周面と先端面が接触するピン24,24を具備する。このピン24,24は、一対の金型10,12を形成する他部に対して独立して移動可能に金型10に設けられており、一対の金型10,12のパーティング面に沿って移動する。
かかるピン24も、一対の金型10,12内で冷却される鋳鉄製品18に対し、図5に示す様に、スライドして先端部18aの外周面との間に隙間26を形成する。かかる隙間26を形成することによって、先端部18aにピン24が接触していた場合に比較して、先端部18aの冷却速度を緩和できる。
かかる隙間26を形成する時期も、図2及び図3に示す分割金型の場合と同様にして、鉄合金の溶湯をキャビティに注湯してから所定時間経過して時点で、ピン24をスライドして隙間26を形成する。
また、金型12に設けられた突出ピン14の先端面と当接する鋳鉄製品18の当接面側に他部よりも冷却され易い易冷却部である薄肉部18bが形成される場合には、図6(a)に示す様に、突出ピンを兼ね備えた移動型28を設けてもよい。この移動型28は、一対の金型10,12のパーティング面に対して直交する方向に移動可能に設けられている。
図6(a)に示す一対の金型10,12内に形成されたキャビティ16内に注湯された溶湯が凝固して形成された鋳鉄製品18のうち、キャビティ16のB部分によって形成された他部よりも薄肉部18bに対し、図6(b)に示す様に、移動型28がスライドして、先端部18aの外周面との間に隙間30を形成する。かかる隙間30を形成することによって、薄肉部18bの冷却速度を緩和し、鋳鉄製品18の他部との冷却速度差を可及的に小さくできる。
次いで、鋳鉄製品18の他部が室温以上の所定温度に到達したとき、図6(c)に示す様に、一対の金型10,12を型開きし、図6(d)に示す様に、移動型28によって一対の金型10,12のパーティング面から鋳鉄製品18を突出する。
更に、内部に筒状部が形成された鋳鉄製品18を鋳造する際には、中子を具備する一対の金型を用いる。この一対の金型の一例を図7(a)(b)に示す。図7(a)は中子を具備する一対の金型の縦断面図であり、図7(b)はその横断面図である。
図7(a)(b)に示す一対の金型10,12は、鋳鉄製品18の内部に筒状部32を形成すべく、円柱状の中子34の先端部が、鋳鉄製品18の二股状部の先端部18a,18aを形成するキャビティ16の間を通過してキャビティ16内に挿入されている。
この中子34の後端部側に形成された、シリンダー状部34aには、ロッド36の先端部に設けられたピストン36aが挿入されている。
かかるロッド36の後端部36bに固着された板上体38には、ピン40の後端部が固着されている。このピン40の先端面は、鋳鉄製品18の先端部18aを形成するキャビティ16のB部分を形成する内壁面の一部を構成する。
かかるピン40は、図7(b)に示す様に、二本設けられており、ピン40,40の各先端面は、鋳鉄製品18の先端部18a,18aの各々を形成するキャビティ16の内壁面の一部を構成している。この部分をB部分として示している。
図7(a)(b)に示す一対の金型10,12内に形成されたキャビティ16内に注湯された鉄合金の溶湯が凝固して形成された鋳鉄製品18のうち、キャビティ16のB部分によって形成された先端部18aに対し、図8(a)に示す様に、中子34の後端部側は形成されたシリンダー状部34aに挿入されたピストン36aが中子34の後端側に移動し、ロッド36の後端部36bに固着された板上体38に後端部が固着されているピン40もロッド36と共に移動する。このピン40が移動する際には、中子34は移動しない。
かかるピン40の移動によって、鋳鉄製品18の先端部18aとの間に隙間42が形成される。かかる隙間42を形成することによって、先端部18aの冷却速度を緩和し、鋳鉄製品18の他部との冷却速度差を可及的に小さくできる。
次いで、鋳鉄製品18の他部が室温以上の所定温度に到達したとき、図8(b)に示す様に、中子34及びピン40の全体を一対の金型10,12から引き抜いた後、図8(c)に示す様に、一対の金型10,12の型開きして鋳鉄製品18を取り出す。
この様に金型から取り出した鋳造製品を、その金型内での冷却速度よりも遅い冷却速度で徐冷することが大切である。
この金型から取り出した鋳鉄製品の冷却速度を、鋳鉄製品を金型内での冷却速度と同等以上とすると、冷却された鋳鉄製品は、パーライト化率が高くなり、フェライト量が低下したものとなる。
かかる徐冷は、金型から取り出した鋳鉄製品を室温下で放冷することによって達成できる。
この様に、水冷構造を有しない金型内での鋳鉄製品の冷却速度を、室温下で鋳鉄製品を放冷する場合よりも速くできるのは以下のように考えられる。
本発明では、金型内で冷却される鋳鉄製品の易冷却部分に対し、易冷却部分の外周面とキャビティの内壁面との間に隙間を形成して、易冷却部分の冷却速度を緩和した後、鋳鉄製品の他部の温度が、室温よりも高温の所定温度に到達したとき、金型を型開きするため、金型は注湯後短時間で型開きされて、冷却途中で高温状態にある鋳鉄製品を取り出される。このため、水冷構造を有しない金型でも、注湯された溶湯の凝固及び鋳鉄製品に因る型温度の上昇が抑制された状態で冷却されており、次に注湯される溶湯の凝固及び鋳鉄製品を取り出す取出温度までの熱量を充分に吸収し得る熱容量を有する。
また、溶湯及び鋳鉄製品から金型への伝熱は、鋳鉄製品から空気への伝熱に比較して良好である。
したがって、冷却状態の金型に注湯された溶湯が凝固された鋳鉄製品の冷却速度は、室温下で鋳鉄製品を放冷する場合よりも速くなる。
尚、金型での鋳鉄製品の冷却速度が、室温下で鋳鉄製品を放冷する場合と同等以下であるときは、溶湯を注湯した金型及び鋳鉄製品を取り出した金型の一方又は両方に冷風等を吹き付けて強制冷却を施してもよい。
以上、説明してきた本発明に係る鋳鉄方法によれば、フェライト量が多く靭性に優れた、球状黒鉛鋳鉄から成る鋳鉄製品を迅速に得ることができる。
特に、金型を型開きして鋳鉄製品を取り出す温度を、1147〜850℃とすることによって、鋳鉄製品の金属組織顕微鏡写真で測定したフェライト量が70%以上であると共に、粒径5μm以上の黒鉛粒子数が900個/mm2以上であり、且つ黒鉛粒子のうち、球状黒鉛粒子が占める黒鉛球状化率が70%以上である鋳鉄製品を得ることができる。この鋳鉄製品は、FCD450に相当するものであり、自動車部品等に用いられる。
ここで、金型を型開きして鋳鉄製品を取り出す温度を、727℃〜850℃未満とした場合には、鋳鉄製品の金属組織顕微鏡写真で測定したフェライト量が60〜70%であると共に、粒径5μm以上の黒鉛粒子数が900個/mm2以上であり、且つ黒鉛粒子のうち、球状黒鉛粒子が占める黒鉛球状化率が70%以上である鋳鉄製品を得ることができる。この鋳鉄製品は、FCD550に相当するものである。
後述する様に、FCD450に相当する2.5kg程度の鋳鉄製品を、水冷構造を具備しないS45C材の金型を用いて本発明に係る鋳鉄方法によって鋳造すると、金型に溶湯を注湯してから70秒程度で型開きして鋳鉄製品を取り出し放冷することによって得ることができる。
これに対し、FCD450に相当する2.5kg程度の鋳鉄製品を、従来の水冷構造の金型を用いた鋳鉄方法で得るには、水冷構造の金型から冷却された鋳鉄製品を取り出すまでの所要時間は約10秒程度であるが、取り出された鋳鉄製品に熱処理を施すことが必要であり、この熱処理に約45分程度必要である。
また、FCD450に相当する2.5kg程度の鋳鉄製品を従来の砂型を用いて鋳造すると、砂型に溶湯を注湯してから冷却された鋳鉄製品を取り出すまでに約45分程度必要である。
この様に、本発明に係る鋳鉄方法によれば、従来の水冷構造又は銅等の高熱伝導材から成る金型を用いた鋳鉄方法や砂型を用いた鋳鉄方法に比較して、短時間でフェライト量が多く靭性に優れた、球状黒鉛鋳鉄から成る鋳鉄製品を迅速に得ることができる。
更に、本発明では、従来の水冷構造又は銅等の高熱伝導材から成る金型に比較して、金型での鋳鉄製品の冷却速度が緩和された金型を用いることができ、水冷構造等の特殊構造を不要にできるため、金型の構造を簡単化した安価な金型用いることができ、鋳鉄製品の製造コストの低減を図ることができる。
また、本発明に係る鋳鉄方法によれば、従来の砂型を用いる鋳鉄方法に比較して、砂型の造型機、砂の回収、冷却、搬送、混錬再製等の砂処理設備を不要化でき、鋳鉄プラントの設備投資を低減できる。
(1)金型:重力鋳鉄用金型として、炭素(C)が0.45重量%の鋼(S45C)から成る金型を作成した。この金型には、水冷構造を設けなかった。かかる金型で鋳造できる鋳鉄製品は、二股状部が形成されたキャリパボディである。
本実施例で用いる金型は、図2(a)(b)に示す分割金型であって、一対の金型10,12、突出ピン14、及び移動型20によって形成されている。移動型20は、金型10に設けられており、キャリパボディの二股状部を形成するキャビティ16の先端部を形成する、この移動型20は、一対の金型10,12のパーティング面に沿って移動する。
(2)溶湯:炭素(C)3.1〜3.9重量%、珪素(Si)2.0〜3.0重量%、マンガン(Mn)0.3重量%以下、燐(P)0.03重量%以下、クロム(Cr)0.10重量%以下、マグネシウム(Mg)0.018〜0.060重量%、微量の硫黄(S)、銅(Cu)から成り、且つCE値(炭素当量)4.0〜4.7重量%の鉄合金を溶融して溶湯とした。この鉄合金の凝固完了温度は1145℃であり、A1変態温度は730〜727℃である。
(3)金型内での鋳鉄製品の冷却曲線
作成した金型の湯口に溶湯を注湯し、その際に、Si量で0.20重量%のFe−Siを注湯接種した。
また、この金型に溶湯を注湯して鋳造製品を鋳造する捨て打ちを4回行なった後、金型の湯口から挿入した熱伝対によって、金型内の鋳鉄製品本体部の温度を測定して冷却曲線を求めた。結果を図9のグラフとして示す。
図9に示すグラフは、金型の湯口に溶湯の注入開始からの経過時間と鋳鉄製品の温度との関係を示す。
図9に示すグラフから明らかな様に、金型の湯口から注湯された溶湯は、注湯開始から40秒後に凝固し、金型内の鋳鉄製品は600℃近傍まで経時時間に対して直線的に冷却されることを示しているため、金型内の鋳鉄製品は、その鉄合金のA1変態温度近傍においても、溶湯が凝固した直後と略同等の冷却速度で冷却される。
尚、鋳鉄製品が600℃に冷却されるまでの冷却曲線の直線の傾きから鋳鉄製品の金型内での冷却速度を求めると、4.5℃/秒(800℃まで)〜1.17℃/秒(800〜600℃)である。
(4)移動型20の移動開始時期
鋳鉄製品であるキャリパボディの二股状部の先端部とキャリパボディの本体部との硬度を測定し、先端部の硬度が本体部と略等しくなるように移動型20の移動時期を決定した。
実施例1で作成した金型に溶湯を注湯して鋳造製品を鋳造する捨て打ちを4回行なった後、この金型の湯口に、炭素(C)3.47重量%、珪素(Si)2.71重量%、マンガン(Mn)0.21重量%以下、燐(P)0.02重量%、クロム(Cr)0.04重量%、硫黄(S)0.007重量%、マグネシウム(Mg)0.023重量%、銅(Cu)0.04重量%から成り、且つCE値(炭素当量)4.37重量%の鉄合金を溶融して得た溶湯を注湯した。その際に、Si量で0.20重量%のFe−Siを注湯接種した。Fe−Siを注湯接種した溶湯のオーステナイト相と黒鉛とが共に晶出する共晶温度は1148℃であり、オーステナイト相がパーライト相に変態するA1変態温度が727℃である。
金型の湯口に溶湯の注湯開始から40秒後に移動型20を移動し、鋳鉄製品であるキャリパボディの二股状部の先端部外周面とキャビティの内壁面との間に隙間を形成した。
次いで、金型の湯口に溶湯の注湯開始から109秒後に型開きして鋳鉄製品を取り出し、室温下で空冷した。この鋳鉄製品の金型からの取出温度は、図9に示すグラフから930℃である。また、空冷における鋳鉄製品の冷却速度は、2.17℃/秒(800℃まで)〜0.67℃/秒(800〜600℃)であって、金型内での鋳鉄製品の冷却速度[4.5℃/秒(800℃まで)〜1.17℃/秒(800〜600℃)]よりも遅い。
冷却された鋳鉄製品であるキャリパボディの二股状部の先端部と本体中央部とについて、材料組織及び硬度について測定した。
材料組織については、二股状部の先端部(A)と本体中央部(B)との各部位から採取したサンプルの表面を顕微鏡で100倍に拡大し、所定範囲に存在する5μm以上の黒鉛粒子数を数えると共に、5μm以上の黒鉛粒子数の総数に対する黒鉛球状化率を測定した。この黒鉛球状化率は、JIS G5502 12.6の黒鉛球状化率判定試験方法に準拠して行った。
得られた鋳鉄製品においては、先端部(A)では、5μm以上の黒鉛粒子数の総数が1335個/mm2で且つ黒鉛球状化率は80.4%であり、本体中央部(B)では、5μm以上の黒鉛粒子数の総数が1098個/mm2で且つ黒鉛球状化率は75.9%であった。
サンプルの表面を100倍に拡大した顕微鏡組織写真を図10に示す。図10に示すAは二股状部の先端部のものであり、Bは本体中央部のものである。
更に、二股状部の先端部(A)と本体中央部(B)との各部位から採取したサンプルをナイタール液に浸漬してエッチング処理を施した後、サンプル表面を顕微鏡で100倍に拡大し、フェライト量(%)を調査した。このフェライト量は、JIS G5502 12.6の基地組織判定方法に準拠して測定した。
エッチング処理を施したサンプル表面を100倍に拡大した顕微鏡組織写真を図11に示す。図11に示すAは二股状部の先端部のものであり、Bは本体中央部のものである。
図11に示す顕微鏡組織写真において、球状の黒い部分が黒鉛であり、その周囲を覆う白い部分がフェライト相である。フェライト量(%)は、視野の異なる5箇所で測定し、その測定値の平均値を採用した。
得られた鋳鉄製品においては、二股状部の先端部(A)では、フェライト量が77.8%であり、本体中央部(B)では、フェライト量が90.6%であった。
また、二股状部の先端部(A)と本体中央部(B)との各部位から採取したサンプルについて、市販されている硬度計を用いてHRB硬度を測定した。得られた鋳鉄製品では、二股状部の先端部(A)のHRB硬度は90.0であり、本体中央部(B)のHRB硬度は84.5であった。
この様に、得られた鋳鉄製品では、二股状部の先端部(A)と本体中央部(B)とは、材料組織及び硬度に若干の相違が認められるが、FCD450に相当する材料である。
実施例2と同様にしてキャリパボディの鋳鉄製品を鋳造した。この鋳造の際に、金型の湯口に溶湯の注湯開始から金型の型開きするまでの離型時間を下記表1に示す様に、種々変更して行い、取り出した鋳鉄製品を室温下で空冷した。この金型の型開きした際の鋳鉄製品温度(離型製品温度)を表1に併せて示した。この際に、移動型20を移動する移動時期は、実施例1と同時期とした。
冷却が終了した鋳鉄製品の二股状部の先端部(A)及び本体中央部(B)の各々から採取したサンプルの各々について、実施例2と同様にして黒鉛粒数、HRB硬度、黒鉛球状化率、フェライト量を測定した結果を、下記表2に示す。
更に、鋳鉄製品の各々について、抗張力、耐力及び伸びについても測定し、下記表3に示す。
表1、表2及び表3から明らかな様に、No.2、No.3及びNo.4の水準では、金型に注湯する溶湯のA1変態温度以上である1060℃(No.2)、930℃(No。3)又は765℃(No.4)で金型から鋳鉄製品を取り出し、空冷することによって、二股状部の先端部(A)及び本体中央部(B)において、フェライト量が60%以上であると共に、粒径5μm以上の黒鉛粒子数が900個/mm2以上であり、且つ黒鉛粒子のうち、球状黒鉛粒子が占める黒鉛球状化率が70%以上である鋳鉄製品を得ることができる。特に、鋳鉄製品の取出温度を850℃以上としたNo.2及びNo.3の水準では、本体中央部(B)において、フェライト量が90%以上の鋳鉄製品を得ることができ、就中、鋳鉄製品の取出温度を1000℃以上としたNo.2の水準では、二股状部の先端部(A)及び本体中央部(B)においても、フェライト量が90%以上の鋳鉄製品を得ることができる。
これに対し、金型からの鋳鉄製品の取出温度を、溶湯のA1変態温度である727℃未満の温度としたNo.1及びNo.5の水準では、二股状部の先端部(A)では、フェライト量が60%未満の鋳鉄製品であった。かかる鋳鉄製品では、No.2、No.3及びNo.4の水準に比較してHRB硬度が上昇するものの、フェライト量が低下する傾向にある。
また、表3に示す抗張力、耐力及び伸びの各々について、離型製品温度で整理すると、図12〜図14に示すようになる。かかる図12〜図14において、図12は離型製品温度と得られた鋳造製品の抗張力との関係を示すグラフ、図13は離型製品温度と得られた鋳造製品の耐力との関係を示すグラフ、及び図14は離型製品温度と得られた鋳造製品の伸びとの関係を示すグラフを各々示すである。この図12〜図14には、共晶温度及びA1変態温度を表示すると共に、球状黒鉛鋳鉄JIS規格で定められているFCD450及びFCD500の下限値を表示した。
この球状黒鉛鋳鉄JIS規格で定められているのFCD450及びFCD500の規格値を下記表4に示す。
図12〜図14に示す様に、オーステナイト相と黒鉛とが共に晶出する共晶温度以下で且つオーステナイト相がパーライト相に変態するA1変態温度以上の温度で離型することによって、FCD450に相当する鋳造製品を得ることができる。
一方、離型製品温度がA1変態温度よりも低温とすると、得られた鋳造製品は、FCD450よりもフェライト量が低下するものの、硬度が高くなるFCD500相当の鋳造製品となる。
この様に、成形型から鋳造製品を取り出す離型製品温度を調整することによって、FCD450に相当する鋳造製品とFCD500に相当する鋳造製品とを得ることができる。
鉄―炭素合金の状態図を示す。 本発明に係る鋳鉄用金型の一例を説明する断面図である。 図2に示す鋳鉄用金型の動作を説明する断面図である。 本発明に係る鋳鉄用金型の他の例を説明する断面図である。 図4に示す鋳鉄用金型の動作を説明する断面図である。 本発明に係る鋳鉄用金型の他の例を説明すると共に、その動作を説明する断面図である。 本発明に係る鋳鉄用金型の他の例を説明する断面図である。 図7に示す鋳鉄用金型の動作を説明する断面図である。 金型の湯口に溶湯の注入開始からの経過時間と鋳鉄製品の本体部の温度との関係を示すグラフである。 金型内で鋳鉄製品が930℃に冷却されたとき、金型から取り出して空冷して得た鋳造製品から採取したサンプルのエッチング前の顕微鏡組織写真である。 図10のサンプルにエッチングを施した後の顕微鏡写真である。 離型製品温度と得られた鋳造製品の抗張力との関係を示すグラフである。 離型製品温度と得られた鋳造製品の耐力との関係を示すグラフである。 離型製品温度と得られた鋳造製品の伸びとの関係を示すグラフである。 従来の鋳鉄用金型を説明する断面図である。 図15に示す鋳鉄用金型の動作を説明する断面図である。
符号の説明
10,12 金型
14 突出ピン
16 キャビティ
18 鋳鉄製品
18a 先端部
18b 薄肉部
20,28,30 移動型
22,26,42 隙間
24,40 ピン
32 筒状部
34a シリンダー状部
34 中子
36a ピストン
36 ロッド
36b 後端部
38 板上体

Claims (11)

  1. 金型内のキャビティに注湯した鋳鉄溶湯を凝固して鋳鉄製品を鋳造するとき、前記鋳鉄製品内に他部よりも冷却速度の速い易冷却部分が存在する鋳鉄製品を鋳造する際に、
    該金型内で冷却する鋳鉄製品の易冷却部分の冷却速度を緩和すべく、前記易冷却部分の外周面とキャビティの内壁面との間に隙間を形成して金型への熱引きを阻止した後、
    前記鋳鉄製品の他部の温度が、室温よりも高温の所定温度に到達したとき、前記金型を型開きして鋳鉄製品を取り出して、前記鋳鉄製品の全体を金型内での冷却速度よりも遅い冷却速度で徐冷する鋳鉄方法であって、
    金型として、鋳鉄製品の易冷却部分の外周面と接触するキャビティの内壁面を形成する部分を、金型の他部に対し独立して移動可能に形成した移動型を有し、該移動型が、前記鋳鉄製品を一対の金型のパーティング面から突出させる突出ピンを兼ねる移動型である分割金型を用い、
    前記鋳鉄製品の易冷却部分の外周面とキャビティの内壁面との間の隙間を、先端面が、前記易冷却部分の外周面に接触している金型のキャビティ内壁面の少なくとも一部を構成する前記突出ピンを後退して形成することを特徴とする鋳鉄方法。
  2. 金型内のキャビティに注湯した鋳鉄溶湯を凝固して鋳鉄製品を鋳造するとき、前記鋳鉄製品内に他部よりも冷却速度の速い易冷却部分が存在する鋳鉄製品を鋳造する際に、
    該金型内で冷却する鋳鉄製品の易冷却部分の冷却速度を緩和すべく、前記易冷却部分の外周面とキャビティの内壁面との間に隙間を形成して金型への熱引きを阻止した後、
    前記鋳鉄製品の他部の温度が、室温よりも高温の所定温度に到達したとき、前記金型を型開きして鋳鉄製品を取り出して、前記鋳鉄製品の全体を金型内での冷却速度よりも遅い冷却速度で徐冷する鋳鉄方法であって、
    金型として、前記鋳鉄製品の内部に筒状部を形成すべく金型の他部に対して独立して移動可能に形成した中子と、該中子の後端部に形成されたシリンダー状部のロッドに接続され、前記鋳鉄製品の易冷却部分の外周面と先端面が接触し、金型の他部および前記中子に対し独立して移動可能に形成したピンとを有する金型を用い、
    前記鋳鉄製品の易冷却部分の外周面とキャビティの内壁面との間の隙間を、前記易冷却部分の外周面に接触しているピンを後退して形成すると共に、前記鋳鉄製品の他部の温度が、室温よりも高温の前記所定温度に到達したとき、前記中子およびピンを前記金型から抜き出し、さらに前記金型を型開きして鋳鉄製品を取り出すことを特徴とする鋳鉄方法。
  3. 金型から取り出した鋳鉄製品を室温下で放冷する請求項1または2記載の鋳鉄方法。
  4. 金型から鋳鉄製品を取り出す温度を、キャビティに注湯した鉄合金の状態図において、オーステナイト相と黒鉛とが共に晶出する共晶温度以下で且つ前記オーステナイト相がパーライト相に変態するA1変態温度以上の温度とする請求項1〜3のいずれか一項記載の鋳鉄方法。
  5. 金型を型開きして鋳鉄製品を取り出す温度を、1147〜727℃とする請求項4記載の鋳鉄方法。
  6. 金型を型開きして前記鋳鉄製品を取り出す温度を、キャビティに注湯した鉄合金の状態図において、オーステナイト相がパーライト相に変態するA1変態温度未満の温度とする請求項1〜3のいずれか一項記載の鋳鉄方法。
  7. 金型を型開きして前記鋳鉄製品を取り出す鋳鉄製品の温度を、727℃未満とする請求項6記載の鋳鉄方法。
  8. 金型として、湯口から注湯された鋳鉄溶湯が重力によってキャビティ内に充填される重力鋳鉄用金型を用いる請求項1〜7のいずれか一項記載の鋳鉄方法。
  9. 鋳鉄製品を鋳造する金型内のキャビティに注湯した鋳鉄溶湯が凝固するとき、前記鋳鉄製品内に他部よりも冷却され易い易冷却部分が存在する鋳鉄製品を鋳造する鋳鉄用金型であり、
    該金型内で冷却される鋳鉄製品の易冷却部分の外周面と接触する金型のキャビティ内壁面の少なくとも一部を形成する金型部分が後退し、前記易冷却部分の外周面とキャビティの内壁面との間に形成された隙間によって、前記金型への熱引きが阻止されて、前記易冷却部分の冷却速度が緩和されるように、前記金型部分が金型の他部に対し独立して移動可能な移動型として形成され、
    且つ前記鋳鉄製品の他部の温度が、室温よりも高温の所定温度に到達したとき、前記鋳鉄製品の全体を金型内での冷却速度よりも遅い冷却速度で徐冷できるように、前記鋳鉄製品の全体を金型から取出可能に形成されている鋳鉄用金型であって、
    前記移動型が、前記鋳鉄製品を一対の金型のパーティング面から突出させる突出ピンを兼ねる移動型として形成されていることを特徴とする鋳鉄用金型。
  10. 鋳鉄製品を鋳造する金型内のキャビティに注湯した鋳鉄溶湯が凝固するとき、前記鋳鉄製品内に他部よりも冷却され易い易冷却部分が存在する鋳鉄製品を鋳造する鋳鉄用金型であり、
    該金型内で冷却される鋳鉄製品の易冷却部分の外周面と接触する金型のキャビティ内壁面の少なくとも一部を形成する金型部分が後退し、前記易冷却部分の外周面とキャビティの内壁面との間に形成された隙間によって、前記金型への熱引きが阻止されて、前記易冷却部分の冷却速度が緩和されるように、前記金型部分が金型の他部に対し独立して移動可能な移動型として形成され、
    且つ前記鋳鉄製品の他部の温度が、室温よりも高温の所定温度に到達したとき、前記鋳鉄製品の全体を金型内での冷却速度よりも遅い冷却速度で徐冷できるように、前記鋳鉄製品の全体を金型から取出可能に形成されている鋳鉄用金型であって、
    前記移動型は、前記鋳鉄製品の内部に筒状部を形成すべく金型の他部に対して独立して移動可能に形成した中子と、該中子の後端部に形成されたシリンダー状部のロッドに接続され、前記鋳鉄製品の易冷却部分の外周面と先端面が接触し、金型の他部および前記中子に対し独立して移動可能に形成したピンとを具備し、
    前記隙間が、前記ピンを後退することによって形成され、前記鋳鉄製品の他部の温度が、室温よりも高温の前記所定温度に到達したとき、前記中子およびピンが前記金型から抜き出されることを特徴とする鋳鉄用金型。
  11. 金型が、湯口から注湯された鋳鉄溶湯が重力によってキャビティ内に充填される重力鋳鉄用金型である請求項9または10記載の鋳鉄用金型。
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