JPH11138248A - 半凝固成形法及びそれに用いる半凝固金属スラリーの作製方法 - Google Patents

半凝固成形法及びそれに用いる半凝固金属スラリーの作製方法

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JPH11138248A
JPH11138248A JP24961998A JP24961998A JPH11138248A JP H11138248 A JPH11138248 A JP H11138248A JP 24961998 A JP24961998 A JP 24961998A JP 24961998 A JP24961998 A JP 24961998A JP H11138248 A JPH11138248 A JP H11138248A
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slurry
molten metal
metal
semi
container
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JP24961998A
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English (en)
Inventor
Shunzo Aoyama
俊三 青山
Chi Riyuu
馳 劉
Toshiyuki Sakazawa
敏行 坂澤
Kazutoshi Kondo
和利 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ahresty Corp
Original Assignee
Ahresty Corp
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  • Manufacture Of Metal Powder And Suspensions Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 格別に複雑な工程を必要とせず簡単な装置・
設備でもって、微細で且つほぼ均一な非樹枝状(球状)
の初晶粒子を有する半凝固金属スラリーを容易に安定し
て半凝固金属スラリーを作製できると共に、上記作製し
た半凝固金属スラリーを成形機の加圧スリーブに簡便に
装填して加圧成形することが可能な半凝固成形法を提供
すること。 【解決手段】 溶融金属に、当該溶融金属が冷却されて
いる過程であって当該溶融金属の少なくとも一部が液相
線温度以下になる時に運動を加え、その後に当該溶融金
属を冷却して半凝固させる半凝固金属スラリーの作製方
法において、溶融金属を、スラリー作製容器中に注ぎ入
れることにより、当該溶融金属の少なくとも一部を液相
線温度以下にしつつ当該溶融金属に運動を加え、スラリ
ー作製容器ごと成形機の加圧スリーブに装填するように
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、ダイカスト機等の
高圧成形機を用いた成形法のうち、金属の半溶融/半凝
固加工法の1つである半凝固成形法(レオキャスト法と
も称される。)、及びそれに用いる半凝固金属スラリー
の作製方法に関するものである。因みに、半凝固成形法
(レオキャスト法)は、溶融金属を固液共存域まで冷却
して半凝固状態となし、その半凝固金属スラリーを成形
機の加圧スリーブに装填して製品を成形(鋳造)する方
法をいう。
【0002】
【従来の技術】半凝固成形法(レオキャスト法)に用い
る金属スラリーは、初晶が液状マトリックスにより互い
に分離した状態に維持し、その初晶粒子ができるだけ微
細で且つ均一な非樹枝状であること、好ましくは球状で
あることが望ましい。そうすれば、高い固相率で低粘度
の半凝固状態で成形(鋳造)することが可能となり、成
形された製品の収縮巣の発生を抑制し得ると共に成形製
品の機械的強度を向上させることができる。
【0003】そこで、本願人は先に、特開平8−187
547号公報に開示されたごとき鋳造用金属スラリーの
製造方法を提案した。この方法によれば、比較的容易に
微細で且つほぼ均一な非樹枝状(球状)の初晶粒子を得
ることができるが、溶融金属を流下させるための冷却体
上に溶融金属の一部が凝固して残りやすく、その為にダ
イカスト機の加圧スリーブに装填する際の半凝固金属ス
ラリーの供給量が変化してしまう問題を生じる。また、
冷却体の温度が変化すると、作製された半凝固金属スラ
リーの温度がばらつき成形品の性状・品質が一定しない
という問題も生じる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来技術の他
にも、初晶が互いに独立粒状化した金属スラリーを作製
する技術がいくつか提案されているが、いずれも金属ス
ラリーの作製条件を経験的に求めているだけであった。
その為に、実際に金属スラリーを作製する段になると、
装置自体が複雑で大規模なものになったり、溶融金属の
温度管理が非常に難しかったり、また作製した金属スラ
リーが作製過程で汚染されたり等、克服すべき多くの課
題をかかえていた。この様な現状にあって、本願発明者
等はいくつかの基礎的な実験により、初晶が粒状化する
機構を見出し、その結果、今まで経験的に求めていた金
属スラリーの作製条件を理論的に求めることが可能とな
った。ここに本発明の意義がある。
【0005】本発明の目的は、格別に複雑な工程を必要
とせず簡単な装置・設備でもって、微細で且つほぼ均一
な非樹枝状(球状)の初晶粒子を有する半凝固金属スラ
リーを容易に安定して作製することが可能な半凝固金属
スラリーの作製方法を提供すると共に、上記方法により
作製した半凝固金属スラリーを連続的に成形機の加圧ス
リーブに簡便に装填して加圧成形することが可能な半凝
固成形法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】斯る目的を達成する本発
明の半凝固金属スラリーの作製方法は、溶融金属に、当
該溶融金属が冷却されている過程であって当該溶融金属
の少なくとも一部が液相線温度以下になる時に運動を加
え、その後に当該溶融金属を冷却して半凝固させる半凝
固金属スラリーの作製方法において、溶融金属を、スラ
リー作製容器中に注ぎ入れることにより、当該溶融金属
の少なくとも一部を液相線温度以下にしつつ当該溶融金
属に運動を加えるようにした事を特徴としたものであ
る。この際、スラリー作製容器として、金属製の缶様に
形成されたものを用いることが好ましい。そして、溶融
金属をスラリー作製容器中に注ぎ入れる際に、当該スラ
リー作製容器を冷却しながら溶融金属を注ぎ入れること
が好ましい。この場合、冷却したスラリー作製容器中に
溶融金属を注ぎ入れた後は当該スラリー作製容器の冷却
を停止するようにすることが好ましい。具体的には、ス
ラリー作製容器を冷却用ホルダーで包み込むことにより
冷却せしめ、その状態でスラリー作製容器中に溶融金属
を注ぎ入れた後に当該スラリー作製容器を上記冷却用ホ
ルダーから取り外すことにより当該スラリー作製容器の
冷却を停止するようにする。また、スラリー作製容器を
冷却する場合には、スラリー作製容器を冷却用ホルダー
で包み込むか又は当該スラリー作製容器に気体又は液体
を吹き付けるか、或いは当該スラリー作製容器を気体又
は液体に浸漬するか、若しくはこれらの方法を2種類以
上組み合わせることにより冷却する方法などが考えられ
が、いずれの方法にあってもスラリー作製容器の中央部
分を下部分及び上部分よりも冷却するようにすることが
好ましい。また、溶融金属をスラリー作製容器中に注ぎ
入れる時に、傾けたスラリー作製容器を起こしながら、
傾斜したスラリー作製容器の内周面に沿って溶融金属を
注ぎ入れるようにした方が良い。更に、前記方法におい
て、溶融金属をスラリー作製容器中に注ぎ入れた後に攪
拌するようにしても良い。また、前記方法において、給
湯用樋に常に一定量の溶融金属が残留するように窪みを
設け、該給湯用樋上を通過する溶融金属が上記窪み中に
残留した溶融金属に接触することにより急冷されてスラ
リー作製容器中に注ぎ入れられた時に該溶融金属の少な
くとも一部が液相線温度以下になるように溶融金属をス
ラリー作製容器中に注ぎ入れるようにしても良い。更
に、前記方法において、溶解容器に1成形(1ショッ
ト)分の金属塊を入れ、該溶解容器内で上記金属塊を急
速溶解してそのままスラリー作製容器中に注ぎ入れるよ
うにしても良い。また、本発明に係る半凝固成形法は、
半凝固金属スラリーを成形機の加圧スリーブに装填して
加圧成形する半凝固成形法であって、金属製の缶様に形
成したスラリー作製容器中に溶融金属を注ぎ入れる時に
は当該スラリー作製容器を冷却手段で冷却し、スラリー
作製容器中に溶融金属を注ぎ入れた後は当該スラリー作
製容器の冷却を停止して自然放熱により自然冷却せし
め、所定の固相率になった時点で当該半凝固金属スラリ
ーを上記スラリー作製容器と一緒に成形機の加圧スリー
ブに装填して加圧成形するようにした事を特徴としたも
のである。この場合、加圧スリーブが水平状に配置され
た横射出方式の成形機を用いても良いが、加圧スリーブ
が鉛直状に配置された縦射出方式の成形機を用いて、該
加圧スリーブに半凝固金属スラリーをスラリー作製容器
と一緒に装填するようにした方が良い。ここで、本明細
書の説明において「液相線温度以下になる時」とは、最
初に液相線温度を通過する時を言うものである。
【0007】溶融金属は、冷却される過程において、液
相線温度より下がった後に少し上昇し再び下降する過冷
現象と称する挙動を示す。この現象は、溶融金属の初晶
の凝固核が液相線温度より下がった温度で急激に生成
し、この時に放出される潜熱により加熱され、結果とし
て温度が上昇するために起こる。しかし乍ら、本願発明
者等は、溶融金属に液相線温度付近で適当な運動を加え
ると、過冷することなく初晶の凝固核晶出が促進され、
過冷現象(液相線温度以下の温度になること)がなくな
ることを見出した。そして更に、この状態(過冷現象が
ない状態)から溶融金属を徐々に冷却すると、その金属
組織はデンドライト状の成長をせずに粒状の結晶形態と
なることを見出した。この事は、一般的に溶融金属は、
過冷により凝固組織がデンドライト状に成長するが、過
冷がなくなることによりデンドライト状の成長がなくな
ったものと考えられ、従来技術では明らかになっていな
かった点である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る半凝固金属ス
ラリーの作製方法及び半凝固成形法について、図面を参
照しながら詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例
に決して限定されるものではない。本発明を適用し得る
溶融金属(鋳造用金属)としては、アルミニウムやその
合金、またはマグネシウム合金,亜鉛合金,銅またはそ
の合金,鉄系の合金,等の金属を例示することができる
が、これらに限定されるものではない。
【0009】これらの溶融金属を液体の状態で定量し、
それぞれの溶融金属に応じた所定の温度範囲にある時、
具体的には、当該溶融金属が冷却されている過程であっ
て、且つ当該溶融金属をスラリー作製容器中に注ぎ入れ
ることにより当該溶融金属の少なくとも一部が液相線温
度以下になるような温度範囲にある時に当該溶融金属に
運動を加え、その後に当該溶融金属を自然放熱により自
然冷却して半凝固状態の金属スラリーとなす。そうし
て、所定の固相率になった時点で、この半凝固金属スラ
リーをスラリー作製容器と共に成形機の加圧スリーブに
装填して加圧成形する。ちなみに、溶融金属をスラリー
作製容器中に注ぎ入れることによって当該溶融金属に運
動を加える際に、その溶融金属が液相線温度以下になる
割合が多いほど且つ冷却速度が速いほど、初晶粒子が均
一に粒状化し微細な粒状組織が得られるようになる。
【0010】スラリー作製容器1は、1成形(1ショッ
ト)に必要な溶融金属量を収容し得る程度の容積を有し
その中で作製された半凝固金属スラリーと一緒に成形機
の加圧スリーブ内に容易に装填し得るような形状・構造
に形成する。即ち、成形機の加圧スリーブ内径より少し
小さい外径を有する金属製の缶様(例えば、ジュース等
の飲料用缶の様に)形成する。具体的には、薄い金属板
を用いて深絞り加工またはインパクト成形等により、成
形機の加圧スリーブ内径より少し小さい外径を有する上
部を開放した有底筒形状に形成するものである。
【0011】スラリー作製容器1の材質としては、その
内部で生成された半凝固金属スラリーとともに成形機の
加圧スリーブ内に装填しても成形機に対しては勿論のこ
と成形品や後処理等に悪影響を及ぼさないような材料で
あれば何等の制限もないが、作製される半凝固金属スラ
リーが例えばアルミニウム合金系である場合にはアルミ
ニウム合金系の金属材料を用いて形成することが望まし
い。そうすることによって、実際に製品を成型する時に
生じる押し湯部分(ビスケット)を再溶解して再利用す
る際に、溶融金属の成分が変動して規格外れになること
を防止することができ、その結果、押し湯部分(ビスケ
ット)の再利用が容易となり、コストの低減化を期する
ことが可能となる。
【0012】そして、スラリー作製容器1中に溶融金属
を注ぎ入れる際には、そのスラリー作製容器1を冷却す
るようにした方が良い。即ち、スラリー作製容器1を冷
却しながら溶融金属を注ぎ入れることにより、スラリー
作製容器1自体の温度が熱容量に基づく冷却能力を失
い、後続して注ぎ入れられ運動している溶融金属に対し
て液相線温度以下に冷却することができず、従って比較
的デンドライト組織となりやすいスラリー作製容器1の
上部領域においてデンドライト組織の発生を防ぐことが
可能となると共に、スラリー作製容器1中に注ぎ入れた
溶融金属が液相線温度以下になる量の割合が多く且つ液
相線温度以下になる冷却速度を速めることができる。そ
の結果、初晶粒子が均一に粒状化し微細な粒状組織が得
られるようになる。この様に、スラリー作製容器1を冷
却しながら溶融金属を注ぎ入れることにより、当該溶融
金属の少なくとも一部を液相線温度以下の温度にしつつ
当該溶融金属に運動を加えるようにするものである。
尚、スラリー作製容器1に溶融金属の注ぎ入れが完了し
溶融金属の運動が停止した後は、スラリー作製容器1を
冷却しても初晶粒子の粒状化に及ぼす影響がほとんどな
くなりスラリー作製容器1を冷却する意味がなくなるの
で、スラリー作製容器1の冷却を停止して良い。また、
スラリー作製容器1中で作製された半凝固金属スラリー
の温度分布のばらつきをできるだけ少なくするために
は、スラリー作製容器1の冷却を停止するか、或いはス
ラリー作製容器1を保温するようにした方が良い。
【0013】スラリー作製容器1を冷却する場合、スラ
リー作製容器の外側を冷却用ホルダー2で包み込むよう
にしたり、又はスラリー作製容器の外周にエアーなどの
気体又は水などの液体をかけたり吹き付けるようにした
り、或いはスラリー作製容器を気体で冷却雰囲気化され
た中に浸漬するか又は水や低融点金属などの液体に浸漬
したり、若しくはこれらの方法を2種類以上適宜組み合
わせて用いる。この際、スラリー作製容器1を冷却する
のに求められる冷却能力は、スラリー作製容器1中に注
ぎ入れる時の溶融金属の温度やその量(成形品を成形す
るのに必要な量)等によって選択される。即ち、スラリ
ー作製容器1中に注ぎ入れる時の溶融金属の温度が液相
線温度に近かったり、スラリー作製容器中に注ぎ入れる
溶融金属の量がスラリー作製容器1の熱容量に比べて少
ない場合には、スラリー作製容器を積極的に冷却する必
要がないか、冷却する場合でもスラリー作製容器の外周
を少しエアーブローする程度で大きな効果を得ることが
できるが、スラリー作製容器1中に注ぎ入れる時の溶融
金属の温度が比較的高かったり、スラリー作製容器中に
注ぎ入れる溶融金属の量が多い場合には、冷却用ホルダ
ー2でスラリー作製容器1の外周を包み込むと同時に底
部からエアーブローを行なうなどして、スラリー作製容
器1を冷却する冷却能力及び冷却速度を高めるようにす
る。そうすれば、スラリー作製容器1中の溶融金属の温
度分布を均一化しやすくなると共に、より微細な粒状組
織が得られるようになる。
【0014】冷却用ホルダー2としては、スラリー作製
容器1を包み込むことができる構造であればどのように
構成しても良く、図1に示した第1実施例のものは、そ
の内側にスラリー作製容器1を密着状に嵌合装入させて
支持し得るように、スラリー作製容器1の外径と適合す
る内径を有し且つ外周には冷却水等の冷却媒体の出入口
21a,21bを設けて冷却水等の冷却媒体を循環させるこ
とができる冷却室21を備えた二重筒形状に形成すると
共に、底部にも冷却媒体の出入口21a,21bを有する冷
却室21を備えた底部材29を設置して形成したもので
ある。そして、少なくともスラリー作製容器1中に溶融
金属を注ぎ入れている間中、冷却室21内に冷却水等の
冷却媒体を循環供給してスラリー作製容器1を積極的に
冷却しつづけ、スラリー作製容器1中に溶融金属を注ぎ
入れた後は、スラリー作製容器1を冷却用ホルダー2か
ら取り外すなどして当該スラリー作製容器1の冷却を停
止することが好ましい。
【0015】この際、スラリー作製容器1中に注ぎ込ま
れた溶融金属Mは、スラリー作製容器における中央部分
が下部分及び上部分よりも温度が高くなるので、中央部
分を下部分及び上部分よりも冷却するようにすることが
好ましい。具体的には図2に示した第2実施例のごと
く、冷却用ホルダー2の冷却室21を構成している内壁
の下部分及び上部分の内周面にリング状に凹溝22を形
成せしめてスラリー作製容器1の下部分及び上部分にお
ける接触面積を中央部分よりも減らしたり、或いは図3
に示した第3実施例のごとく、冷却用ホルダー2の冷却
室21を構成している内壁の肉厚を、下部分23a及び
上部分23bの肉厚を中央部分23cより厚く形成する
ことにより、スラリー作製容器1の中央部分を下部分及
び上部分よりも冷却するようにすることが考えられる。
【0016】また、スラリー作製容器1中に溶融金属M
を注ぎ入れる場合、図4に示すごとく、予めスラリー作
製容器1を傾けておき、傾けたスラリー作製容器1を起
こしながら、傾斜したスラリー作製容器1の内周面1a
に沿って溶融金属Mを注ぎ入れるようにした方が良い。
そうすれば、溶融金属Mをスラリー作製容器1中に注ぎ
入れる時に溶融金属Mをスラリー作製容器1により確実
に接触させることができるので、注ぎ入れている溶融金
属Mの多くの部分を液相線温度以下に冷却することが可
能となり、従って粒状組織をより均一且つ微細にするこ
とができる。この際、スラリー作製容器1を、図示例の
ごとく冷却用ホルダー2に装着するなどして冷却する必
要があり、溶融金属Mの注ぎ入れが完了するまでの間ス
ラリー作製容器1を冷却するを継続することにより全体
をより確実に粒状組織化することができるようになる。
【0017】また、スラリー作製容器1中に溶融金属を
注ぎ入れてる時に、スラリー作製容器1の温度が高くな
る等の理由により最後の方に注ぎ込まれる溶融金属が液
相線温度より高い温度の状態で注ぎ入れが終了して運動
も停止してしまう場合には、溶融金属をスラリー作製容
器1中に注ぎ入れた後に、スラリー作製容器1内の(上
部の)溶融金属が液相線温度以下になる時に、当該溶融
金属を攪拌するようにする。当該溶融金属を攪拌する場
合、例えば電磁攪拌により、電磁攪拌の方向を適当時間
毎に反転させて渦の発生を抑えると同時に、攪拌効果を
向上させるようにすることが好ましい。
【0018】次に、溶融金属をスラリー作製容器に注ぎ
入れて半凝固金属スラリーを作製する具体的な方法を、
図面に基づいて説明する。図5に示した第1実施例のも
のは、溶融金属Mを汲取り容器3で汲み取り、その溶融
金属Mを汲取り容器3中でもって所定の温度まで冷却し
つつ溶融金属Mをスラリー作製容器1中に注ぎ入れた時
に少なくともその一部が液相線温度以下になるように、
スラリー作製容器1中に注ぎ入れるようにしたものであ
る。即ち、汲取り容器3として複数個のラドルを用い、
これらを回転リング4の周縁に等間隔に傾転可能に配設
して例えば時計回り方向に回転自在に設備せしめ、各汲
取り容器(ラドル)3に順次所用量(例えば、1成形
(1ショット)に必要な量。以下同じ。)の溶融金属を
図面上左側の位置で保持炉(図示せず)から樋又は給湯
管5を介して汲み入れ、これが図面上の右側の位置まで
移動する間に順次汲取り容器(ラドル)3内の溶融金属
が所定の温度まで冷却されるタイミング、すなわち溶融
金属Mをスラリー作製容器1内に注ぎ入れた時に溶融金
属の少なくとも一部が液相線温度以下になる温度タイミ
ングに合わせて、汲取り容器(ラドル)3を傾転させて
その中の溶融金属Mをスラリー作製容器1内に注ぎ入れ
るようにしたものである。
【0019】また、図6に示した第2実施例のものは、
汲取り容器3として複数個のラドルを用い、これらを無
端ベルト6にアーム7を介して等間隔に傾転可能に配設
して図面上例えば時計回り方向に回転自在に設備せし
め、各汲取り容器(ラドル)3に順次所用量の溶融金属
を図面上左側の位置で保持炉に接続された樋又は給湯管
5を通して汲み入れ、これが図面上の右側の位置まで移
動する間に順次汲取り容器(ラドル)3内の溶融金属が
所定の温度まで冷却されるタイミング、すなわち溶融金
属Mをスラリー作製容器1内に注ぎ入れた時に溶融金属
の少なくとも一部が液相線温度以下になる温度タイミン
グに合わせて、汲取り容器(ラドル)3を傾転させてそ
の中の溶融金属Mをスラリー作製容器1内に注ぎ入れる
ようにしたものである。
【0020】更に、図7に示した第3実施例のものは、
汲取り容器3として底部に吸込み口8が開口形成され上
部に減圧通路9が形成された吸引容器を用いて、この汲
取り容器(吸引容器)3で保持炉内の溶融金属M1を所
用量吸い込み(aの状態)、汲取り容器(吸引容器)3
内の溶融金属が所定の温度まで冷却されるタイミング、
すなわち溶融金属Mをスラリー作製容器1内に注ぎ入れ
た時に溶融金属の少なくとも一部が液相線温度以下にな
る温度タイミングに合わせて、吸込み口8から中の溶融
金属Mをスラリー作製容器1内に注ぎ入れる(bの状
態)ようにしたものである。
【0021】また、図8に示した第4実施例のものは、
溶融金属Mを溶湯貯留槽10に補給して置き、溶湯貯留
槽10内の溶融金属が所定の温度まで冷却されるタイミ
ングに合わせて、溶融金属Mをスラリー作製容器1内に
注ぎ入れた時に溶融金属の少なくとも一部が液相線温度
以下になるように、注湯口12から溶融金属Mをスラリ
ー作製容器1内に注ぎ入れるようにしたものである。こ
の溶湯貯留槽10は、ヒータ11’等を具備せしめた温
度制御器11内に設置するか或いはそれ自身で温度制御
可能なように形成し、内部に所用量の溶融金属を収容す
ると共に、底部に注湯口12を設け、その注湯口12を
開閉栓13で開閉操作することにより溶湯貯留槽10内
の溶融金属Mをスラリー作製容器1内に注ぎ入れできる
ように構成されている。この際、注湯口12部で溶融金
属が凝固して該注湯口12が閉塞されるのを防止するた
めに、開閉栓13の内部を加熱するか、或いは注湯口1
2を加熱することが好ましい。
【0022】そして、図9に示した第5実施例のもの
は、給湯用樋14を備えた溶湯貯留槽10に溶融金属M
を補給して置き、溶湯貯留槽10内の溶融金属が所定の
温度まで冷却されるタイミングに合わせて、溶融金属M
をスラリー作製容器1内に注ぎ入れた時に溶融金属の少
なくとも一部が液相線温度以下になるように、給湯用樋
14を通して溶融金属Mをスラリー作製容器1内に注ぎ
入れるようにしたものである。この溶湯貯留槽10は、
ヒータ11’等を具備せしめた温度制御器11内に設置
するか或いはそれ自身で温度制御可能なように形成する
と共に、内部に汲み置いた溶融金属Mを収容フロート1
5を少しずつ下降させることにより、給湯用樋14から
スラリー作製容器1内に所用量注ぎ入れられるように構
成されている。この時、給湯用樋14内で溶融金属Mが
凝固しないように給湯用樋14をヒータ14’等で加熱
保温することが好ましい。
【0023】また、格別に図示しなかったが、上述した
第5実施例の変形例として、溶湯貯留槽10内に収容し
た溶融金属Mを所定の温度(スラリー作製容器1に注ぎ
入れるのに適した温度)よりも高温に制御し、溶湯貯留
槽10内の溶融金属Mが給湯用樋14を通過する間に少
なくともその一部が液相線温度以下になるように給湯用
樋14でもってコントロール(冷却)して、スラリー作
製容器1に注ぎ入れるようにしても良い。
【0024】また、図10に示した第6実施例のもの
は、断熱性を有する給湯用樋16に、常に一定量の溶融
金属が残留するように窪み17を設け、この給湯用樋1
6上を通過する溶融金属Mが上記窪み17中に残留した
溶融金属と接触することにより急冷され、その結果、ス
ラリー作製容器1中に注ぎ入れられた時に該溶融金属M
の少なくとも一部が液相線温度以下になるようにスラリ
ー作製容器1中に注ぎ入れるようにしたものである。即
ち、保持炉に接続された樋又は給湯管5から所用量の溶
融金属を順次給湯用樋16上に流下させて、その溶融金
属を窪み17内に残留した溶融金属に接触させることに
より所定の温度に冷却しながら、そのままその溶融金属
Mをスラリー作製容器1内に注ぎ入れることにより運動
を加えるようにしたものである。
【0025】最後に、図11に示した第7実施例のもの
は、溶解容器18に1成形(1ショット)分の金属塊
M’を入れ、この溶解容器18内で上記金属塊M’を急
速溶解してそのままスラリー作製容器1中に注ぎ入れる
ようにしたものである。即ち、溶解容器18を、底部を
開放した略円筒形状に形成すると共にその外周部分に例
えば高周波コイル19を組み込んで構成し、この溶解容
器18内に1成形(1ショット)分の金属塊M’をその
まま或いは予熱して入れ、上記高周波コイル19に通電
して内部の金属塊M’を高周波加熱により急速溶解す
る。そして、溶解した溶融金属Mを、スラリー作製容器
1内に注ぎ入れた時に溶融金属の少なくとも一部が液相
線温度以下になるように冷却して、樋20を介してスラ
リー作製容器1中に注ぎ入れるようにしたものである。
【0026】かくして、溶融金属を所定のタイミング
(温度範囲)においてスラリー作製容器中に注ぎ入れる
ことにより少なくともその一部が液相線温度以下になる
ように冷却して当該溶融金属に運動を加えた後に、当該
溶融金属をスラリー作製容器中でもって適当な冷却速度
でもって冷却する。この際、当該溶融金属の冷却速度が
速すぎると、スラリー作製容器内で作製される半凝固金
属スラリー中の温度分布のばらつきが生じやすく、半凝
固金属スラリー中の温度分布のばらつきが生じると、ス
ラリー作製容器中で半凝固金属スラリーの固相率が場所
によってばらつきを生じる。この様な半凝固金属スラリ
ーをそのまま用いて成形すると、流動性が部分的に異な
るために、成形機の加圧スリーブで充填加圧中にその流
れが乱れて空気を巻き込んだり、或いは固相率のばらつ
きに伴う凝固速度の違いによる収縮巣欠陥が発生しやす
くなるので、金属スラリー作製の最終段階では当該溶融
金属の冷却速度を遅くすることが好ましい。具体的に
は、溶融金属に運動を加えた後に当該溶融金属をスラリ
ー作製容器中でもって冷却する場合、当該溶融金属を3
℃/秒以下、好ましくは0.4℃/秒以下の冷却速度で
冷却することが好ましい。そうすれば、初晶を晶出・成
長させ且つ球状化を図ることができ、ほぼ均一に粒状化
した初晶が安定して得られると同時に、スラリー作製容
器中で作製された半凝固金属スラリーの温度を、レオキ
ャスト成形に最適な温度範囲に比較的長い時間保持する
ことが出来る。従って、スラリー作製容器中で作製され
た半凝固金属スラリーを成形機の加圧スリーブに供給す
るタイミングを成形機の成形サイクルに合わせることが
容易となると共に、成形機の成形サイクルが多少乱れた
場合でも、ほぼ一定の固相率の半凝固金属スラリーを成
形機の加圧スリーブに供給することが出来るようにな
る。
【0027】
【実施例】<実施例1>溶融金属として、成形用アルミ
ニウム合金のJIS規格品である「AC4C」を使用し
た。因みに、本実施例で用いた「AC4C」の熱分析よ
り求めた液相線温度は約610℃である。スラリー作製
容器として、断熱材で内径63mm・高さ100mmに
形成した円筒の底部に200℃に保持した鉄製ブロック
を設置したものを用い、このスラリー作製容器に溶融金
属(AC4C)を620℃で注入し、上記鉄製ブロック
上面からの距離が異なる部位(d=2,10,20,4
0,70,90mm)の温度をそれぞれスラリー作製容
器の中央部において測定し、溶融金属を自然放熱により
自然冷却して、その溶融金属が520℃になった時点で
水中に投入して急冷し、各温度測定部位における金属組
織を観察し、運動を加えた後の溶融金属の初晶晶出時の
冷却速度が初晶形態に及ぼす影響を調べた。この時にえ
られた金属組織(ミクロ組織)の顕微鏡写真を図12に
示す。この金属組織(ミクロ組織)を示す顕微鏡写真に
おいて、白っぽく見える部分が初晶であり、黒っぽく見
える部分が共晶部分である。
【0028】これらの金属組織を観察すると、初晶の形
態が鉄製ブロック上面からの距離dによって異なってい
る。すなわち、d<10mmの領域では細かなデンドラ
イトとなり、d=10〜30mmの領域ではデンドライ
トの一部に粒状の転移が起こり、30<d<80mmの
領域では粒状化組織となり、d=90mmでは粗いデン
ドライト組織になっている。この様に、初晶の形態が鉄
製ブロック上面からの距離dによって異なるのは、スラ
リー作製容器内部における溶融金属の冷却速度の違いに
起因するものであることは明らかである。
【0029】図13に、本実施例における各部位の冷却
速度(冷却時間に対する溶融金属の温度変化)を示す。
この図13を見ると、鉄製ブロック上面からの距離dが
大きくなるにしたがって冷却速度が減少している。そこ
で、液相温度(610℃)から共晶析出開始温度(57
7℃)の範囲の平均冷却速度を計算して、鉄製ブロック
上面からの距離dに関してプロットしたグラフを図14
に示す。このグラフは、初晶の形態によって4つの領域
に区分けすることができる。即ち、(I)は細かなデン
ドライト組織になる冷却速度(Ts>2.75℃/秒)
の領域であり、(II)はデンドライト組織と粒状組織の
転移範囲となる冷却速度(2.75℃/秒>Ts>0.
4℃/秒)の領域であり、(III)は粒状組織ができる
冷却速度(Ts<0.4℃/秒)の領域であり、そして
(IV)は粗大化したデンドライト組織になる冷却速度の
領域である。
【0030】これらの観察結果から、溶融金属を、3℃
/秒以下、好ましくは0.4℃/秒以下の冷却速度で冷
却することにより、デンドライト組織がない全体的に粒
状化した半凝固金属スラリーが得られることが明らかに
なった。尚、(I)並びに(II)の領域で生成したデン
ドライト形状の初晶は、再度半凝固温度範囲に加熱する
ことによりデンドライト組織が粒状化して、(III)の
領域で生成された金属組織と同じ大きさの粒状組織にな
る。
【0031】<実施例2>前記実施例1と同様に、溶融
金属として「AC4C」を使用し、スラリー作製容器1
としては、図15に示すごとく内径75mm・高さ85
mm・肉厚0.7mmに形成したアルミニウム製缶を用
い、その周囲を厚さ約10mmの鉄製円筒を半割して形
成した冷却用ホルダー2(2a,2b)で分離自在に包
み込むように保持すると共に、底部をエアーでブローで
きるようにエアーブロー可能な冷却用ベース25を配設
せしめて構成した。尚、図中の符号26は、2つに分割
形成した冷却用ホルダー2a,2bを左右方向に開閉さ
せるためのアームであり、符号27はスラリー作製容器
(缶)1の底部をエアーでブローできるように下から支
えるための脚を示す。そして、このスラリー作製容器1
中に上記溶融金属を620℃で82mmの高さまで注ぎ
入れた。スラリー作製容器1中に注ぎ入れた後、冷却用
ホルダー2を取り外して、スラリー作製容器1中の溶融
金属を自然放熱により自然冷却し、冷却用ホルダー2の
有無、すなわち溶融金属をスラリー作製容器1中注ぎ入
れる際に冷却用ホルダー2を用いた場合と用いなかった
場合の溶融金属の冷却速度の違い、並びに溶融金属の温
度分布を調べた。その結果を、図16並びに下記の表1
及び表2に示す。
【0032】図16は、冷却用ホルダー2の有無による
溶融金属の冷却速度の違いを示したものであり、(a)
は中央部分(スラリー作製容器内底部から40mmの位
置)で測定し、(b)は上部分(スラリー作製容器内底
部から78mmの位置)で測定したものである。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】これらの図16及び表1,表2から、次の
ことが理解される。第1に、冷却用ホルダーを使用する
ことにより半凝固金属スラリーを作製する時間が短縮さ
れ、従ってスラリー作製工程中に保持するスラリー作製
容器(缶)の個数を少ないものとすることが可能とな
り、その結果、スラリー作製工程中にトラブルが発生し
仮に停止した場合でも、無駄になる金属スラリーの量を
少なくすることができる。第2に、成形時における半凝
固金属スラリーの温度分布がほとんど変わらず、成形時
における半凝固金属スラリーの粘性のばらつきが大きく
なるようなことがなく、キャビティ内に同じ流動条件で
充填することができるため、成形品の品質(内部及び外
観上の品質)が安定する。
【0036】次に、上記各部分における溶融金属が58
5℃(スラリー作製容器の内底面から40mmの位置で
測定した温度)になった時点で水中に投入して急冷した
金属組織を観察した。この時に得られた金属組織を図1
7及び図18に示す。図17(a)は、冷却用ホルダー
を使用しないで作製した場合のマクロ組織を示し、
(b)は同スラリー作製容器の上部領域におけるミクロ
組織、(c)は同スラリー作製容器の中部領域における
ミクロ組織をそれぞれ示す。また、図18(a)は冷却
用ホルダーを使用して作製した場合のマクロ組織を示
し、(b)は同スラリー作製容器の上部領域におけるミ
クロ組織を示す。これらの金属組織を観察すると、冷却
用ホルダーを使用しない場合には、全体的に初晶粒径が
大きくなり、且つ溶融金属をスラリー作製容器中に注ぎ
入れている間にスラリー作製容器が温められて液相線温
度よりも高い状態で注ぎ込まれることになるので、特に
スラリー作製容器の上部において一部がデンドライト組
織になってしまうことが理解される。これに対して、冷
却用ホルダーを使用してスラリー作製容器を冷却しなが
ら溶融金属を注ぎ入れた場合には、全体的に初晶組織が
細かくなり、且つスラリー作製容器の上部においてもデ
ンドライト組織がなく完全に粒状化していることが分か
る。
【0037】<実施例3>前記実施例1と同様に、溶融
金属としてAC4Cを使用し、スラリー作製容器として
は、内径98mm・高さ230mm・肉厚1mmに形成
したアルミニウム製缶を用いた。このスラリー作製容器
(缶)を断熱板上に設置して、630℃の溶融金属を2
20mmの高さまで注ぎ入れ、中の溶融金属が半凝固状
態になるまで自然放熱により自然冷却し、その溶融金属
が585℃(スラリー作製容器(缶)の底部から110
mmの位置で測定した温度)になった時点で、スラリー
作製容器(缶)ごと水中に没入させて急冷し、それを断
面して金属組織のマクロ組織を観察した。その結果を、
図19に示す。
【0038】比較として、同様のスラリー作製容器
(缶)を水中に浸漬させた状態で同様の溶融金属を同量
注ぎ入れその後水中から引き上げて断熱板上で半凝固状
態になるまで自然冷却したものと、同様のスラリー作製
容器(缶)を断熱板上に設置して外周側面をエアーブロ
ーしながら同様の溶融金属を同量注ぎ入れた後、電磁攪
拌装置を用いて2秒間隔で攪拌方向を反転させながら2
0秒間攪拌し中の溶融金属が半凝固状態になるまで自然
冷却したものを、それぞれ上記と同様にスラリー作製容
器(缶)ごと水中に没入して急冷し、スラリー作製容器
(缶)の上部領域における金属組織のマクロ組織を観察
した。その結果を、図20の(a)と(b)にそれぞれ
示す。
【0039】これらマクロ組織を観察した結果、スラリ
ー作製容器(缶)を断熱板上に設置したままの状態で溶
融金属を注ぎ入れた場合には、全体的に初晶の組織が大
きくなりスラリー作製容器(缶)の下部領域では粒状化
しているが、上部1/3以上の領域ではデンドライト組
織になってしまう(図19参照)のに対し、スラリー作
製容器(缶)を水中に浸漬して冷却した状態で溶融金属
を注ぎ入れた場合には、ミクロ組織が全体的に細かくス
ラリー作製容器(缶)の上部においてもデンドライト組
織がなく完全に粒状化しており(図20の(a)参
照)、またスラリー作製容器(缶)を断熱板上に設置し
て外周側面をエアーブローして冷却しながら溶融金属を
注ぎ入れその後攪拌した場合には、初晶組織は比較的大
きいがスラリー作製容器(缶)の上部においてもデンド
ライト組織がなく完全に粒状化している(図20の
(b)参照)ことが分かる。
【0040】これらの事から、スラリー作製容器(缶)
に注ぎ入れる溶融金属の量が多くなる場合には、溶融金
属をスラリー作製容器(缶)中に注ぎ入れている間に当
該溶融金属から奪う熱量を多くする必要があり、具体的
には例えば上記した実施例のようにスラリー作製容器
(缶)を水中に浸漬して冷却した状態で溶融金属を注ぎ
入れることによって、スラリー作製容器(缶)中に注ぎ
入れている溶融金属(の少なくとも一部)をより効果的
に液相線温度以下に冷却することが可能となると共に、
より微細な金属組織が得られるようになることが理解さ
れる。また、溶融金属をスラリー作製容器(缶)中に注
ぎ入れた後溶融金属の少なくとも一部が液相線温度にな
る時に溶融金属を攪拌することにより運動を加えること
によっても、全体の組織を粒状化することができること
も理解される。
【0041】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明に係る半凝固
金属スラリーの作製方法によれば、格別に複雑な工程を
必要とせず簡単な装置・設備でもって、微細で且つほぼ
均一な非樹枝状(球状)の初晶粒子を有する半凝固金属
スラリーを容易に安定して作製することが出来る。
【0042】この際、請求項2に記載した半凝固金属ス
ラリーの作製方法のように、スラリー作製容器を金属製
の缶様に形成すれば、スラリー作製容器を安価に製作・
供給することができると共に、スラリー作製工程中にお
いて複数個のスラリー作製容器の温度をそれぞれ容易に
均一化し一定にすることが出来る。従って、スラリー作
製工程中における温度再現性が向上し、高品質の半凝固
金属スラリーを安定して作製することが出来る。しか
も、スラリー作製容器として金属製の缶を用いれば、そ
の中に収容された溶融金属の凝固率に関係なく金属スラ
リーの取り扱いが容易となると共に、スラリー作製工程
から成形機の加圧スリーブへの装填までトラブルの発生
要因が少なくなり、従って安全且つ安定して作業を行な
うことが出来るようになる。
【0043】また、請求項3に記載した半凝固金属スラ
リーの作製方法のように、溶融金属をスラリー作製容器
中に注ぎ入れる際に、当該スラリー作製容器を冷却しな
がら注ぎ入れることによって当該溶融金属の少なくとも
一部を確実に液相線温度以下の温度にしつつ当該溶融金
属に運動を加えるようにすれば、スラリー作製容器が比
較的低温に維持されることになるので、溶融金属をスラ
リー作製容器中に注ぎ入れている間中当該溶融金属を冷
却することができ、よってスラリー作製容器中に注ぎ入
れることにより運動を加えている時に溶融金属の温度が
液相線温度以下になる量の割合が多くなると同時に液相
線温度以下になる時の冷却速度も速くなり、その結果、
微細で且つほぼ均一な非樹枝状(球状)の初晶粒子を有
する半凝固金属スラリーをより効率良く作製することが
可能となる。
【0044】そして、請求項4に記載した半凝固金属ス
ラリーの作製方法のように、スラリー作製容器を冷却し
ながら溶融金属を注ぎ入れた後に、当該スラリー作製容
器の冷却を停止するようにすれば、半凝固金属スラリー
を作製する最終段階において溶融金属の冷却速度を遅く
することが出来るので、スラリー作製容器中の溶融金属
ないしは半凝固金属スラリーの温度分布が均一化される
と共に、時間当たりの温度降下量が少なくなる。その結
果、成形機による成形タイミングの幅、すなわち半凝固
金属スラリーを成形機の加圧スリーブに装填するタイミ
ングの幅を大きく設定することが可能となり、よって成
形作業工程に余裕が生じると同時に、成形条件(半凝固
金属スラリーを成形機の加圧スリーブに装填する時の温
度)を同じに保ち、高品質の製品を安定して成形するこ
とが出来るようになる。
【0045】また、請求項5に記載した半凝固金属スラ
リーの作製方法のように、スラリー作製容器を冷却用ホ
ルダーで包み込むか又は当該スラリー作製容器に気体又
は液体を吹付けるか或いは気体又は液体に浸漬するか若
しくはこれらを2種類以上組み合わせることにより当該
スラリー作製容器を冷却すれば、どのような形状・大き
さのスラリー作製容器でも容易且つ効果的に冷却させる
ことが出来ると共に、スラリー作製容器中に注ぎ入れた
溶融金属の量に応じて冷却の加減を容易に調整すること
が出来る。
【0046】更に、特に請求項6に記載した半凝固金属
スラリーの作製方法のように、スラリー作製容器を冷却
用ホルダーで包み込むことにより冷却せしめ、この冷却
したスラリー作製容器中に溶融金属を注ぎ入れた後に当
該スラリー作製容器を上記冷却用ホルダーから取外すこ
とにより当該スラリー作製容器の冷却を停止すれば、ス
ラリー作製容器を冷却する際の切替えを容易且つ確実に
行なえると共に、スラリー作製容器を容易且つ安定的に
再現性良く冷却することが可能となる。
【0047】また、請求項7に記載した半凝固金属スラ
リーの作製方法のように、傾けたスラリー作製容器を起
こしながら、傾斜したスラリー作製容器の内周面に沿っ
て溶融金属を注ぎ入れるようにすれば、溶融金属をスラ
リー作製容器中に注ぎ入れる時に溶融金属をスラリー作
製容器により確実に接触させることができるので、注ぎ
入れている溶融金属の多くの部分を確実に液相線温度以
下に冷却することが可能となり、従って、全体的に微細
で且つほぼ均一な非樹枝状(球状)の初晶粒子を有する
半凝固金属スラリーをより効率的に且つ安定して作製す
ることが可能となる。しかも、この半凝固金属スラリー
の作製方法によれば、スラリー作製容器中に注ぎ入れら
れた溶融金属は、スラリー作製容器内にそのまま保持さ
れ半凝固金属スラリーとなって成形機の加圧スリーブに
供給されるので、半凝固金属スラリーの作製工程から成
形機の加圧スリーブへの装填まで容量(重量)の変化が
生じず、従って溶融金属量の変化に基づく温度のばらつ
きも生じず、定量性並びに性状・品質の安定性に優れた
半凝固金属スラリーを容易に作製することが出来る。更
に、この半凝固金属スラリーの作製方法によれば、溶融
金属をスラリー作製容器中に注ぎ入れる時に溶融金属の
注ぎ入れ高さ位置を低くすることができるので、溶融金
属の注ぎ入れに伴って起こる空気の巻き込みと酸化物の
生成を抑制して半凝固金属スラリーの品質低下を防ぐこ
とが出来ると共に、注ぎ入れる時にその溶融金属を効果
的に冷却することが出来、スラリー作製容器の肉厚を薄
く形成することも可能となる。
【0048】そして、請求項8に記載した半凝固金属ス
ラリーの作製方法のように、スラリー作製容器の中央部
分を下部分及び上部分よりも冷却するようにすれば、溶
融金属を自然冷却する時に生じる溶融金属内部での温度
分布のばらつきを抑制して、スラリー作製容器内部にお
ける溶融金属の温度分布の更なる均一化を図ることが容
易となり、よってスラリー作製容器内部における溶融金
属の温度が安定して、半凝固金属スラリーの作製条件を
一定にすることが可能となる。その結果、全体的に微細
で且つほぼ均一な非樹枝状(球状)の初晶粒子を有する
半凝固金属スラリーをより安定的に作製することが可能
となる。
【0049】また、請求項9に記載した半凝固金属スラ
リーの作製方法のように、溶融金属をスラリー作製容器
中に注ぎ入れた後に攪拌するようにすれば、スラリー作
製容器中に溶融金属を注ぎ入れてる時に、溶融金属の温
度低下が不十分で液相線温度より高い温度の状態で注ぎ
入れが終了して注ぎ入れによる運動が停止してしまう場
合でも、デンドライト組織の発生を抑制して全体を粒状
化することが可能となる。
【0050】また、請求項10に記載した半凝固金属ス
ラリーの作製方法のように、給湯用樋に常に一定量の溶
融金属が残留するように窪みを設け、該給湯用樋上を通
過する溶融金属が上記窪み中に残留した溶融金属に接触
することにより急冷されてスラリー作製容器中に注ぎ入
れられた時に該溶融金属の少なくとも一部が液相線温度
以下になるようにすれば、溶融金属の定量を比較的高い
温度で行なうことが出来、その結果、溶融金属を定量す
る際に溶融金属が凝固してしまうようなトラブルがなく
なり、適切な溶融金属をスラリー作製容器中に安定して
給湯することが出来るようになる。しかも、スラリー作
製容器中に注ぎ入れられた時にその溶融金属をスラリー
作製容器中に注ぎ入れた時に少なくともその一部を確実
に液相線温度以下にすることが可能となると共に、液相
線温度以下になる溶融金属の割合を多くすることが出来
る。
【0051】更に、特に請求項11に記載した半凝固金
属スラリーの作製方法のように、溶解容器に1成形(1
ショット)分の金属塊を入れ、該溶解容器内で上記金属
塊を急速溶解してそのままスラリー作製容器中に注ぎ入
れるようにすれば、溶融金属を容易に液相線温度以下に
することが出来ると同時に、加熱方式のため途中で凝固
するようなこともなくなり、作製した成形機の加圧スリ
ーブに安定して供給することが可能となる。しかも、こ
の半凝固金属スラリーの作製方法によれば、溶解炉や保
持炉等の溶融金属を貯留しておくための設備が不要とな
り、その分作業環境が良くなると共に、マグネシウム合
金等の酸化が激しくて安定しない金属を用いる場合で
も、安全且つ安定して半凝固金属スラリーを作製し成形
機の加圧スリーブに供給することが出来るようになる。
【0052】そして、請求項12に記載した半凝固成形
法のように、金属製の缶様に形成したスラリー作製容器
中に溶融金属を注ぎ入れる時には当該スラリー作製容器
を冷却手段で冷却し、スラリー作製容器中に溶融金属を
注ぎ入れた後は当該スラリー作製容器の冷却を停止して
自然放熱により自然冷却せしめ、所定の固相率になった
時点で当該半凝固金属スラリーを上記スラリー作製容器
と一緒に成形機の加圧スリーブに装填して加圧成形する
ようにすれば、微細で且つほぼ均一な非樹枝状(球状)
の初晶粒子を有する半凝固金属スラリーを安定して作製
しつつ成形機の加圧スリーブに簡便に装填して、高品質
の成形品を安定して成形することが可能となる。即ち、
金属製の缶様に形成されたスラリー作製容器ごと成形機
の加圧スリーブに装填して加圧成形することが可能なの
で、スラリー作製容器の取り扱い操作が容易となり、且
つスラリー作製容器の内部に離型剤を塗布したり半凝固
金属スラリーが内部に残ることを心配する必要がなくな
ると共に、半凝固金属スラリーの作製工程から成形機の
加圧スリーブへの装填まで安定した成形条件(半凝固金
属スラリーの定量性・成形時の温度等)を維持すること
が容易となり、高品質の成形品を安定して成形すること
が可能となる。しかも、成形品の成形性に応じて半凝固
金属スラリーの凝固率を低くすることが可能となる。
【0053】そして、請求項13に記載した半凝固成形
法のように、加圧スリーブが鉛直状に配置された縦射出
方式の成形機を用い、その加圧スリーブに半凝固金属ス
ラリーをスラリー作製容器ごと装填するようにすれば、
半凝固金属スラリーを成形機の加圧スリーブに装填した
後も(加圧するまでは)その形状をそのまま維持するこ
とが出来ると共に、そのままでは加圧スリーブに装填で
きないほど半凝固金属スラリーの固相率が低い状態でも
加圧スリーブに装填することが可能となる。従って、比
較的薄肉製品や大きな形状の製品など通常の半凝固成形
法では湯回り等の成形性が悪くて成形不可能な製品で
も、固相率を下げてその粘性を下げることにより流動性
を向上させて成形することが出来るような操作が可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るスラリー作製容器及び冷却用ホ
ルダーの実施の1例を示す模式図。
【図2】 本発明に係る冷却用ホルダーの第2実施例を
示す断面模式図。
【図3】 本発明に係る冷却用ホルダーの第3実施例を
示す断面模式図。
【図4】 本発明に係る半凝固金属スラリーを作製する
過程の実施の一例を示す断面模式図。
【図5】 本発明に係る半凝固金属スラリーの作製方法
を実施する装置の第1実施例を示す模式図。
【図6】 本発明に係る半凝固金属スラリーの作製方法
を実施する装置の第2実施例を示す模式図。
【図7】 本発明に係る半凝固金属スラリーの作製方法
を実施する装置の第3実施例を示す断面模式図。
【図8】 本発明に係る半凝固金属スラリーの作製方法
を実施する装置の第4実施例を示す断面模式図。
【図9】 本発明に係る半凝固金属スラリーの作製方法
を実施する装置の第5実施例を示す断面模式図。
【図10】 本発明に係る半凝固金属スラリーの作製方
法を実施する装置の第6実施例を示す断面模式図。
【図11】 本発明に係る半凝固金属スラリーの作製方
法を実施する装置の第7実施例を示す断面模式図。
【図12】 本発明の実施例1において、スラリー作製
容器内の各部位における溶融金属の金属組織(ミクロ組
織)を示す顕微鏡写真。
【図13】 同実施例1において、スラリー作製容器内
の各部位における冷却時間に対する溶融金属の温度変化
を示した冷却曲線。
【図14】 同実施例1において、液相温度(610
℃)から共晶析出開始温度(577℃)の範囲の平均冷
却速度を計算し、鉄製ブロック上面からの距離dに関し
てプロットしたグラフ。
【図15】 本発明の実施例2を説明するための断面模
式図。
【図16】 本発明の実施例2において冷却用ホルダー
の有無による溶融金属の冷却速度の違いを示すグラフで
あり、(a)は中央部分(スラリー作製容器内底部から
40mmの位置)で測定し、(b)は上部分(スラリー
作製容器内底部から78mmの位置)で測定したもので
ある。
【図17】 実施例2において冷却用ホルダーを使用し
ないで作製した場合の金属組織を示し、(a)はマクロ
組織を示し、(b)はスラリー作製容器の上部領域にお
けるミクロ組織の顕微鏡写真、(c)はスラリー作製容
器の中部領域におけるミクロ組織の顕微鏡写真。
【図18】 実施例2において冷却用ホルダーを使用し
て作製した場合の金属組織を示し、(a)はマクロ組織
を示し、(b)はスラリー作製容器の上部領域における
ミクロ組織の顕微鏡写真。
【図19】 実施例3における金属組織を示し、(a)
はスラリー作製容器の上部領域におけるマクロ組織、
(b)はスラリー作製容器の中部領域におけるマクロ組
織、(c)はスラリー作製容器の下部領域におけるマク
ロ組織である。
【図20】 (a)はスラリー作製容器(缶)を水中に
浸漬して冷却した状態で溶融金属を注ぎ入れて作製した
金属組織のマクロ組織を示し、(b)はスラリー作製容
器(缶)を断熱板上に設置して外周側面をエアーブロー
して冷却しながら溶融金属を注ぎ入れその後攪拌して作
製した金属組織のマクロ組織を示す。
【符号の説明】
1:スラリー作製容器 2:冷却用ホルダ
ー M:溶融金属
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 和利 東京都板橋区板橋4−51−2 アーレステ ィ板橋寮

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融金属に、当該溶融金属が冷却され
    ている過程であって当該溶融金属の少なくとも一部が液
    相線温度以下になる時に運動を加え、その後に当該溶融
    金属を冷却して半凝固させる半凝固金属スラリーの作製
    方法において、溶融金属を、スラリー作製容器中に注ぎ
    入れることにより、当該溶融金属の少なくとも一部を液
    相線温度以下にしつつ当該溶融金属に運動を加えるよう
    にした事を特徴とする半凝固金属スラリーの作製方法。
  2. 【請求項2】 前記スラリー作製容器が、金属製の缶
    様に形成されている事を特徴とした請求項1記載の半凝
    固金属スラリーの作製方法。
  3. 【請求項3】 前記請求項1記載の方法において、溶
    融金属をスラリー作製容器中に注ぎ入れる際に、当該ス
    ラリー作製容器を冷却しながら溶融金属を注ぎ入れるこ
    とにより、当該溶融金属の少なくとも一部を液相線温度
    以下の温度にしつつ当該溶融金属に運動を加えるように
    した事を特徴とする半凝固金属スラリーの作製方法。
  4. 【請求項4】 前記請求項3記載の方法において、ス
    ラリー作製容器を冷却しながら溶融金属を注ぎ入れた後
    に、当該スラリー作製容器の冷却を停止するようにした
    事を特徴とする半凝固金属スラリーの作製方法。
  5. 【請求項5】 前記請求項3記載の方法において、ス
    ラリー作製容器を冷却用ホルダーで包み込むか又は当該
    スラリー作製容器に気体又は液体を吹き付けるか或いは
    気体又は液体に浸漬するか若しくはこれらを2種類以上
    組み合わせることにより当該スラリー作製容器を冷却す
    るようにした事を特徴とする半凝固金属スラリーの作製
    方法。
  6. 【請求項6】 前記請求項4記載の方法において、ス
    ラリー作製容器を冷却用ホルダーで包み込むことにより
    冷却せしめ、該スラリー作製容器中に溶融金属を注ぎ入
    れた後に当該スラリー作製容器を上記冷却用ホルダーか
    ら取り外すことにより当該スラリー作製容器の冷却を停
    止するようにした事を特徴とする半凝固金属スラリーの
    作製方法。
  7. 【請求項7】 前記請求項1又は3記載の方法におい
    て、傾けたスラリー作製容器を起こしながら、傾斜した
    スラリー作製容器の内周面に沿って溶融金属を注ぎ入れ
    るようにした事を特徴とする半凝固金属スラリーの作製
    方法。
  8. 【請求項8】 前記請求項3記載の方法において、ス
    ラリー作製容器の中央部分を下部分及び上部分よりも冷
    却するようにした事を特徴とする半凝固金属スラリーの
    作製方法。
  9. 【請求項9】 前記請求項1又は3記載の方法におい
    て、溶融金属をスラリー作製容器中に注ぎ入れた後に攪
    拌するようにした事を特徴とする半凝固金属スラリーの
    作製方法。
  10. 【請求項10】 前記請求項1記載の方法において、
    給湯用樋に常に一定量の溶融金属が残留するように窪み
    を設け、該給湯用樋上を通過する溶融金属が上記窪み中
    に残留した溶融金属に接触することにより急冷されてス
    ラリー作製容器中に注ぎ入れられた時に該溶融金属の少
    なくとも一部が液相線温度以下になるように溶融金属を
    スラリー作製容器中に注ぎ入れるようにした事を特徴と
    する半凝固鋳造用金属スラリーの作製方法。
  11. 【請求項11】 前記請求項1記載の方法において、
    溶解容器に1成形(1ショット)分の金属塊を入れ、該
    溶解容器内で上記金属塊を急速溶解してそのままスラリ
    ー作製容器中に注ぎ入れるようにした事を特徴とする半
    凝固鋳造用金属スラリーの作製方法。
  12. 【請求項12】 半凝固金属スラリーを成形機の加圧
    スリーブに装填して加圧成形する半凝固成形法であっ
    て、金属製の缶様に形成したスラリー作製容器中に溶融
    金属を注ぎ入れる時には当該スラリー作製容器を冷却手
    段で冷却し、スラリー作製容器中に溶融金属を注ぎ入れ
    た後は当該スラリー作製容器の冷却を停止して自然放熱
    により自然冷却せしめ、所定の固相率になった時点で当
    該半凝固金属スラリーを上記スラリー作製容器と一緒に
    成形機の加圧スリーブに装填して加圧成形するようにし
    た事を特徴とする半凝固成形法。
  13. 【請求項13】 前記請求項12記載の半凝固成形法
    において、加圧スリーブが鉛直状に配置された縦射出方
    式の成形機を用い、該加圧スリーブに半凝固金属スラリ
    ーをスラリー作製容器と一緒に装填する事を特徴とした
    半凝固成形法。
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