JP3246273B2 - 半溶融金属の成形方法 - Google Patents

半溶融金属の成形方法

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JP3246273B2
JP3246273B2 JP13013495A JP13013495A JP3246273B2 JP 3246273 B2 JP3246273 B2 JP 3246273B2 JP 13013495 A JP13013495 A JP 13013495A JP 13013495 A JP13013495 A JP 13013495A JP 3246273 B2 JP3246273 B2 JP 3246273B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半溶融金属の成形方法に
係り、特に、結晶核を有する液相線温度以上の液体状態
の合金、または、結晶核を有する成形温度以上の固液共
存状態の合金を、断熱効果を有する断熱容器の中におい
て、所定の液相率を示す成形温度まで冷却しつつ5秒間
〜60分間保持することにより、液中に微細な初晶を発
生させてから加圧成形する半溶融金属の成形方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】チクソキャスト法は、従来の鋳造法に比
べて鋳造欠陥や偏析が少なく、金属組織が均一で、金型
寿命が長いことや成形サイクルが短いなどの利点があ
り、最近注目されている技術である。この成形法(A)
において使用されるビレットは、半溶融温度領域で機械
攪拌や電磁攪拌を実施するか、あるいは加工後の再結晶
を利用することによって得られた球状化組織を特徴とす
るものである。これに対して、従来鋳造法による素材を
用いて半溶融成形する方法も知られている。これは、例
えば、等軸晶組織を発生しやすいマグネシウム合金にお
いてさらに微細な結晶を生じせしめるためにZrを添加
する方法(B)や炭素系微細化剤を使用する方法(C)
であり、またアルミニウム合金において微細化剤として
Al−5%Ti−1%B母合金を従来の2倍〜10倍程
度添加する方法(D)であり、これら方法により得られ
た素材を半溶融温度域に加熱し初晶を球状化させ成形す
る方法である。また、固溶限以内の合金に対して、固相
線近くの温度まで比較的急速に加熱した後、素材全体の
温度を均一にし局部的な溶融を防ぐために、固相線を超
えて材料が柔らかくなる適当な温度まで緩やかに加熱し
て成形する方法(E)が知られている。一方、ビレット
を半溶融温度領域まで昇温し成形する方法と異なり、球
状の初晶を含む融液を連続的に生成し、ビレットとして
一旦固化することなく、そのままそれを成形するレオキ
ャスト法(F)が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た(A)の方法は攪拌法や再結晶を利用する方法のいず
れの場合も繁雑であり、製造コストが高くなる難点があ
る。また、マグネシウム合金においては(B)の方法の
場合には、Zrが高くコスト的に問題であり、(C)の
方法では、炭化物系微細化剤を使用してその微細化効果
を十分に発揮させるためには、酸化防止元素であるBe
を、例えば、7ppm程度に低く管理する必要があり、
成形直前の加熱処理時に酸化燃焼しやすく、作業上不都
合である。一方、アルミニウム合金においては、単に微
細化剤を添加するだけでは500μm程度であり、10
0μm以下の微細な結晶粒の組織を得ることは容易では
ない。このため、多量に微細化剤を添加する方法(D)
があるが、微細化剤が炉底に沈降しやすく工業的には難
しく、かつコストも高い。さらに(E)の方法では、固
相線を超えてから緩やかに加熱して素材の均一加熱と球
状化を図ることを特徴とするチクソ成形法が提案されて
いるが、通常のデンドライト組織を加熱してもチクソ組
織(初晶デンドライトが球状化されている)には変化し
ない。しかも(A)〜(E)のいずれのチクソ成形法に
おいても半溶融成形するために、一旦液相を固化しその
ビレットを再度半溶融温度領域まで昇温する必要があ
り、従来鋳造法に比べてコスト高になる。また、(F)
の方法では、球状の初晶を含む融液を連続的に生成供給
するため、コスト的、エネルギ的にもチクソキャストよ
りも有利であるが、球状組織と液相からなる金属原料を
製造する機械と最終製品を製造する鋳造機との設備的連
動が繁雑である。本発明は、上述の従来の各方法の問題
点に着目し、ビレットを使用することなく、しかも、繁
雑な方法をとることなく、簡便容易に、微細な初晶を有
する半溶融金属を得て、加圧成形する方法を提供するこ
とを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】このような問題を解決す
るために、本願発明においては、第1の発明では、液相
線温度に対する過熱度が100℃未満に保持した結晶核
の生成を促す元素を含むアルミニウム合金またはマグネ
シウム合金の溶湯を治具を使用せず直接に、断熱効果を
有する断熱容器に注ぎ、5秒間〜60分の間にその断熱
容器内において液相線温度以下でかつ共晶温度あるいは
固相線温度より高い温度まで冷却しつつ微細な球状の初
晶を多数発生させ、該合金を高圧鋳造法もしくは押出し
法もしくは鍛造法であって、高圧鋳造法の場合は20〜
90%、押出し法や鍛造法では0.1〜70%の液相率
を示す成形温度まで冷却した後、該合金を成形用金型に
供給して加圧成形することとした。また、第2の発明で
は、第1の発明における前記合金を、最大固溶限内組成
のアルミニウム合金または最大固溶限以上の組成の亜共
晶アルミニウム合金とした。また、第3の発明では、第
1の発明における前記合金を、最大固溶限内組成のマグ
ネシウム合金とした。さらに、第4の発明では、第2の
発明の該アルミニウム合金を、Bを0.001〜0.0
1%、Tiを0.005〜0.3%を添加した該アルミ
ニウム合金とした。また、第5の発明では、第3の発明
のマグネシウム合金を、Srを0.005%〜0.1%
添加したマグネシウム合金、またはSiを0.01%〜
1.5%およびSrを0.005%〜0.1%添加した
マグネシウム合金、またはCaを0.05%〜0.30
%添加したマグネシウム合金とした。
【0005】
【作用】結晶核を有する液相線以上の液体状態の合金や
結晶核を有する成形温度以上の固液共存状態の合金を、
たとえば、アルミニウム合金溶湯、マグネシウム合金溶
湯を断熱効果を有する断熱容器の中で成形温度まで冷却
しつつ5秒間〜60分間保持することによって、液中に
微細かつ球状化した初晶を発生させ、この半溶融状態の
該合金を成形用金型に供給して加圧成形することによ
り、均質な組織の成形体が得られる。
【0006】
【実施例】以下図面に基づいて本発明の実施例の詳細に
ついて説明する。図1〜図8は本発明の実施例に係り、
図1は最大固溶限以上の組成の亜共晶アルミニウム合金
の半溶融金属の成形方法を示す工程説明図、図2は最大
固溶限内組成のマグネシウム合金あるいはアルミニウム
合金の半溶融金属の成形方法を示す工程説明図、図3は
球状初晶の生成から形成までの工程説明図、図4は図3
に示した各工程の金属組織模式図、図5は代表的なアル
ミニウム合金であるAl−Si系合金平衡状態図、図6
は代表的なマグネシウム合金であるMg−Al系合金平
衡状態図、図7は本発明の成形品の金属組織を示す顕微
鏡写真の模写図、図8は比較例の成形品の金属組織を示
す顕微鏡写真の模写図を示す。
【0007】本発明においては、図1、図2、図5、図
6に示すように、まず(1)液相線温度に対して過熱度
を300℃未満に保持した最大固溶限以上の組成の亜共
晶アルミニウム合金あるいは最大固溶限内組成のマグネ
シウム合金、アルミニウム合金の溶湯を、その合金の融
点よりも低い温度の治具の表面に接触させて液中に結晶
核を発生させ、あるいは(2)液相線温度に対する過熱
度は100℃未満に保持した結晶核の生成を促す元素を
含むアルミニウム合金、マグネシウム合金の溶湯を治具
を使用せず直接に、断熱効果を有する断熱容器に注ぎ、
その断熱容器内において液相線温度以下でかつ共晶温度
あるいは固相線温度より高い温度の状態に5秒間〜60
分間保持することで微細な球状の初晶を多数発生させ、
所定の液相率で成形する。所定の液相率とは、加圧成形
に適する液相の量比を意味し、ダイカスト鋳造、スクイ
ズ鋳造などの高圧鋳造では液相率は20%〜90%、好
ましくは30%〜70%(30%未満では素材の成形性
が劣り、70%以上では素材が軟いためハンドリングが
難しいばかりでなく、均一な組織が得にくくなる)と
し、押出法や鍛造法では、0.1%〜70%、好ましく
は0.1%〜50%(50%以上では組織の不均一が生
じる惧れがある)とする。また、本発明でいう断熱容器
とは、金属製容器または非金属製容器とするか、あるい
は半導体を含む非金属材料を表面に塗布した金属製容
器、もしくは半導体を含む非金属材料を複合させた金属
製容器とし、かつ、該容器の内部あるいは外部から該容
器の加熱または冷却が可能なものである。
【0008】具体的には以下のとおりの手順により作業
を進める。図3および図4の工程[1]においてラドル
10内に入れられた完全液体である金属Mを工程[2]
において、(a)冷却用治具20を用いて低温溶湯(必
要に応じて結晶核生成を促進する元素も添加)から結晶
核を発生させ断熱効果を有するセラミック製容器30に
注ぐ、または、(b)微細組織生成促進元素を含む融点
直上の低温溶湯を直接、断熱効果を有する断熱容器30
(セラミックコーティング金属容器30A)に注ぐ、の
いずれかの方法により多数の結晶核を含む液相線直下の
合金を得る。つぎに工程[3]において、該断熱容器3
0(または30A)において該合金を半溶融状態で保持
する。この間、導入された結晶核から極微細で等方的な
デントライト状の初晶が生成し([3]−a)、融体の
温度低下に伴う固相率の増加につれて球状の初晶として
成長する([3]−c)。このようにし得られた所定の
液相率を有する金属Mを例えば[3]−dのようにダイ
キャストの射出スリーブ40に挿入した後ダイカストマ
シンの金型キャビティ50a内で加圧成形して成形品を
得る。
【0009】図1、図2、図3、図4に示す本発明と従
来のチクソキャスト法、レオキャスト法、の違いは図よ
り明らかである。すなわち、本発明では従来法のように
は、半溶融温度領域で晶出したデンドライト状の初晶を
機械攪拌や電磁攪拌で強制的に破砕球状化することはな
く、液中に導入された結晶核を起点として半溶融温度領
域での温度低下とともに晶出、成長する多数の初晶が合
金自身が持っている熱量により(必要に応じて外部から
加熱保持されることもありうる)連続的に球状化される
ものであり、また、チクソキャスト法におけるビレット
の再昇温による半溶融化の工程が省かれているため極め
て簡便な方法である。上述した各工程、すなわち、図1
に示す冷却用治具20への注湯工程、初晶の生成、球状
工程、成形工程のそれぞれにおいて設定された鋳造条
件、球状化条件および成形条件や第2の発明、第7の発
明、第8の発明、第9の発明、第10の発明で示した数
値限定理由について以下に説明する。
【0010】鋳造温度が融点に対して300℃以上高け
れば、あるいは治具20の表面温度が融点以上の場合で
は、(1)結晶の核発生が少なく、しかも、(2)断熱
効果を有する断熱容器に注がれた時の溶湯Mの温度が液
相線よりも高いために残存する結晶核の割合も低く、初
晶のサイズが大きくなる。このため、鋳造温度は液相線
に対する過熱度が300℃未満とし、治具の表面温度
は、合金の融点よりも低くする。なお、液相線に対する
過熱度を100℃未満とすることにより、また、治具2
0の温度を合金Mの融点よりも50℃以上低くすること
により、より微細な初晶サイズとすることができる。治
具20に溶湯Mを接触させる方法としては、治具の表面
を溶湯Mを移動させる場合(傾斜した治具20へ溶湯を
流す)と溶湯中を治具20が移動する場合の2種類があ
る。なお、ここで言う治具とは、溶湯が流下する際に冷
却作用を溶湯に与えるものを言うが、これに代えて、例
えば、給湯機の筒状パイプを使用してもよい。液相線直
下に低下した溶湯を保持する断熱容器30は、発生した
初晶を球状にし所定時間後に希望する液相率にするため
に、断熱効果を有するものとする。その材質は限定され
るものではなく、保温性を有し、しかも、溶湯との濡れ
性が悪いものが好ましい。また、通気性のあるセラミッ
ク容器を断熱容器30として使用する場合、マグネシウ
ム合金では酸化・燃焼しやすいため、容器外部を所定の
雰囲気(不活性雰囲気、減圧雰囲気など)にすることが
望ましい。また、酸化防止を図るためにあらかじめ金属
溶湯にBe、Caを添加することが望ましい。なお、断
熱容器30の形状は筒状に限定されるものではなく、そ
の後の成形法に適した形状が可能である。また、断熱容
器でなくセラミック製の射出スリーブへ直接投入するよ
うにしてもよい。その断熱容器30での保持時間が5秒
未満であれば、希望する液相率を示す温度にすることが
容易ではなく、また球状の初晶を生成することが困難で
ある。一方、保持時間が60分を超えると生成した球状
初晶や共晶組織が粗くなり機械的性質が低下する。この
ため保持時間は5秒〜60分とする。なお、高圧鋳造で
は成形直前の液相率が20%未満であれば成形時の変形
抵抗が高く良好な品質の成形品を得ることが容易でな
い。また90%を超えると均一な組織を有する成形品を
得ることができない。このため、前述したとおり成形時
の液相率は20%〜90%とすることが好ましい。さら
に、実質の液相率を30%〜70%にすることにより、
さらに均質でかつ高品質の成形材を容易に加圧成形でき
る。また、共晶組成に近いAl−Si系合金を成形する
場合、断熱容器内において共晶Siを発生させ、液相率
を80%以内に低下させる必要がある時は、Siの改良
元素であるNaやSrなどを添加することは、共晶Si
を微細化し延性を向上させるのに好都合である。加圧成
形する手段としては、スクイズ鋳造法やダイキャスト鋳
造法に代表される高圧鋳造法に限定されるものではな
く、押出法、鍛造法などの加圧成形する種々の方法が含
まれる。
【0011】溶湯Mを接触させる治具20は、溶湯の温
度を低下させることができるものであればその材質を限
定するものではないが、特に熱伝導率の高い銅、銅合
金、アルミニウム、アルミニウム合金などの金属で、し
かも一定の温度以下に維持できるように冷却管理された
治具20は結晶核を多く生成するので好ましい。なお、
溶湯Mが治具20に接触した時に固体状に金属が治具2
0に付着するのを防ぐために非金属材料を塗布するのは
効果的である。塗布する方法としては、機械的、化学
的、あるいは物理的方法のいずれでも構わない。
【0012】治具20に溶湯Mを接触させることにより
結晶核を多数含む液相線以下の半溶融合金を得ることは
可能であるが、(1)さらに多数の結晶核を発生させ均
一で微細な球状組織を得るために、あるいは、(2)液
相線に対する過熱度を100℃未満にした溶湯を用い
て、治具に接触させることなく結晶核を多数含む液相線
以下の半溶融合金を得るために、アルミニウム合金にお
いてはTi、Bを添加し、またマグネシウム合金におい
てはSr、Si、Caを添加する。Tiが0.005%
未満では微細化効果は小さく、0.30%を超えれば粗
大なTi化合物発生し延性が低下するので、Tiは0.
005%〜0.30%とする。BはTiと相俟って微細
化を促進するが0.001%未満であれば微細化効果は
小さく、0.02%を超えて添加してもそれ以上の効果
を期待できないので、Bは0.001%〜0.02%と
する。Srが0.005%未満であれば、微細化効果は
小さく、0.1%を超えて添加してもそれ以上の効果を
期待できないのでSrは0.005%〜0.1%とす
る。0.005%〜0.1%のSrに0.01%〜1.
5%のSiを複合添加することにより、Sr単独添加よ
りもさらに微細な結晶粒が得られる。Caが0.05%
未満では微細化効果は小さく、0.30%を超えて添加
してもそれ以上の効果を期待できないのでCaは0.0
5%〜0.30%とする。なお、治具20を用いずに微
細球状の初晶を得る場合には、液相線に対する過熱度を
100℃未満にするのは、断熱効果を有する断熱容器3
0に注いだ合金を、結晶核を有する液体状態、または結
晶核を有する成形温度以上の固液共存状態にするためで
ある。注がれた断熱容器30内の溶湯の温度が高けれ
ば、所定の液相率まで温度が低下するために時間がかか
りすぎ能率が悪い。また注がれた溶湯Mの湯面が酸化さ
れたり、あるいは燃焼したりするために不都合である。
表1に成形前の半溶融金属の条件および成形材の品質を
示す。成形は図3に示すように半溶融金属をスリーブ内
に挿入し、その後スクイズ鋳造機を用いて行なった。成
形条件は、加圧力950kgf/cm2 、射出速度1.
5m/s、製品キャビティ形状100×150×10、
金型温度230℃とした。
【0013】
【表1】
【0014】比較例1では、溶湯Mを接触させる治具2
0の温度が高すぎるために結晶核の発生が少なく、この
ために微細球状の初晶が得られず、図7に示すような粗
大な不定形の初晶しか得られない。比較例2では鋳造温
度が高すぎるために、セラミック製容器30内において
残存する結晶核がほとんどないため比較例1と同様な現
象を示す。比較例3では保持時間が長いために液相率が
少なく外観がよくない。また、初晶サイズも大きい。比
較例4ではセラミック製容器30内での保持時間が短く
しかも液相率が高いために、デンドライト状の初晶しか
得られず、また液相率が高いために成形品内部の成分偏
析が多い。比較例5では断熱効果の小さい金属容器を使
用したために、断熱容器30の内壁に生成したデンドラ
イト状の凝固層が容器中心部に生成された球状初晶に混
在することになり、偏析を含む不均質な組織を示す。比
較例6では液相率が高いために比較例4と同様な現象を
示す。比較例7では治具20を使用しない場合である
が、微細化剤を含まない合金であるため、結晶核の発生
が少なく、比較例1と同様な現象を示す。一方、本発明
例8〜17では、図7に示すような150μm以下の微
細な球状の初晶を有する均質な組織が得られ、しかも良
好な外観の成形体が得られる。
【0015】
【発明の効果】以上説明したことからも明らかなよう
に、本発明に係る半溶融金属の成形方法では、(1)結
晶核を有する液相線温度以上の液体状態の合金、また
は、結晶核を有する成形温度以上の固液共存状態の合金
を、断熱効果を有する断熱容器の中において、所定の液
相率を示す成形温度まで冷却しつつ5秒間〜60分間保
持することにより、あるいは(2)液相線温度に対して
過熱度を300℃未満に保持された合金溶湯を該合金の
融点よりも低い温度の治具の表面に接触させることによ
り結晶核を発生させて、微細かつ球状化した初晶を該合
金の液中に発生させ、所定の液相率になった半溶融状態
の該合金を成形用金型に供給して加圧成形することによ
り、従来の機械攪拌法、電磁攪拌法によらず、簡便容易
に、かつ、低コストで微細かつ球状の組織を有する成形
体が得られる。また、液相線温度に対する過熱度は10
0℃未満に保持した結晶核の生成を促す元素を含むアル
ミニウム合金溶湯、マグネシウム合金溶湯を治具を使用
せず直接に、断熱容器の中に注ぎ、所定の液相率を示す
成形温度まで冷却しつつ5秒間〜60分間保持すること
により、同様に、微細かつ球状化した初晶を発生させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】最大固溶限以上の組成の亜共晶アルミニウム合
金の半溶融金属の成形方法を示す工程説明図である。
【図2】最大固溶限内組成のマグネシウム合金あるいは
アルミニウム合金の半溶融金属の成形方法を示す工程説
明図である。
【図3】球状初晶の生成から成形までの工程説明図であ
る。
【図4】図3に示した各工程の金属組織模式図である。
【図5】代表的なアルミニウム合金であるAl−Si系
合金平衡状態図である。
【図6】代表的なマグネシウム合金であるMg−Al系
合金平衡状態図である。
【図7】本発明の成形品の金属組織を示す顕微鏡写真の
模写図である。
【図8】比較例の成形品の金属組織を示す顕微鏡写真の
模写図である。
【符号の説明】
10 ラドル 20 治具 30 断熱容器(セラミック製容器) 30A セラミックコーティング金属容器 40 射出スリーブ 50 金型 50a 金型キャビティ M 金属(溶湯) t 温度 T 時間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−187547(JP,A) 特開 平7−100612(JP,A) 特開 平7−32113(JP,A) 特開 平1−96341(JP,A) 特開 平6−279889(JP,A) 特開 平5−261504(JP,A) 特開 平8−103859(JP,A) 特開 平8−60267(JP,A) 特開 平7−164108(JP,A) 欧州特許392998(EP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 1/02 B22D 17/00 - 17/32 B22D 27/00 - 27/20

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液相線温度に対する過熱度が100℃未
    満に保持した結晶核の生成を促す元素を含むアルミニウ
    ム合金またはマグネシウム合金の溶湯を治具を使用せず
    直接に、断熱効果を有する断熱容器に注ぎ、5秒間〜6
    0分の間にその断熱容器内において液相線温度以下でか
    つ共晶温度あるいは固相線温度より高い温度まで冷却し
    つつ微細な球状の初晶を多数発生させ、該合金を高圧鋳
    造法もしくは押出し法もしくは鍛造法であって、高圧鋳
    造法の場合は20〜90%、押出し法や鍛造法では0.
    1〜70%の液相率を示す成形温度まで冷却した後、該
    合金を成形用金型に供給して加圧成形することを特徴と
    する半溶融金属の成形方法。
  2. 【請求項2】 前記合金を、最大固溶限内組成のアルミ
    ニウム合金または最大固溶限以上の組成の亜共晶アルミ
    ニウム合金とした請求項1記載の半溶融金属の成形方
    法。
  3. 【請求項3】 前記合金を、最大固溶限内組成のマグネ
    シウム合金とした請求項1記載の半溶融金属の成形方
    法。
  4. 【請求項4】 該アルミニウム合金を、Bを0.001
    〜0.01%、Tiを0.005〜0.3%を添加した
    該アルミニウム合金とした請求項2記載の半溶融金属の
    成形方法。
  5. 【請求項5】 マグネシウム合金を、Srを0.005
    %〜0.1%添加したマグネシウム合金、またはSiを
    0.01%〜1.5%およびSrを0.005%〜0.
    1%添加したマグネシウム合金、またはCaを0.05
    %〜0.30%添加したマグネシウム合金とした請求項
    3記載の半溶融金属の成形方法。
JP13013495A 1995-05-29 1995-05-29 半溶融金属の成形方法 Expired - Lifetime JP3246273B2 (ja)

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