JPH0987771A - 半溶融Al−Mg合金の製造方法 - Google Patents

半溶融Al−Mg合金の製造方法

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JPH0987771A
JPH0987771A JP7252762A JP25276295A JPH0987771A JP H0987771 A JPH0987771 A JP H0987771A JP 7252762 A JP7252762 A JP 7252762A JP 25276295 A JP25276295 A JP 25276295A JP H0987771 A JPH0987771 A JP H0987771A
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智 佐藤
Mitsuru Adachi
充 安達
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の機械攪拌法や電磁攪拌法によらず、簡
便容易に、かつ、低コストで微細かつ球状のチクソ組織
を有する成形体が得られる半溶融Al−Mg合金の製造
方法を提案するものである。 【解決手段】 結晶核を有する液相線温度以上の液体状
態の半溶融Al−Mg合金、または、結晶核を有する成
形温度以上の固液共存状態の半溶融Al−Mg合金を、
断熱効果を有する断熱容器の中において、所定の液相率
を示す成形温度まで冷却しつつ5秒間〜60分間保持す
ることにより、液中に微細な初晶を該半溶融Al−Mg
合金液中に晶出させ、該半溶融Al−Mg合金を成形用
金型に供給して加圧成形するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半溶融Al−Mg合
金の製造方法に係り、特に、結晶核を有する液相線温度
以上の液体状態のAl−Mg合金、または、結晶核を有
する成形温度以上の固液共存状態のAl−Mg合金を,
断熱効果を有する断熱容器の中において、所定の液相率
を示す成形温度まで冷却しつつ5秒間〜60分間保持す
ることにより、液中に微細な初晶を発生させる加圧成形
用の半溶融Al−Mg合金の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】チクソキャスト法は、従来の鋳造法に比
べて鋳造欠陥や偏析が少なく、金属組織が均一で、金型
寿命が長いことや成形サイクルが短いなどの利点があ
り、最近注目されている技術である。この成形法(A)
において使用されるビレットは、半溶融温度領域で機械
撹拌や電磁撹拌を実施するか、あるいは加工後の再結晶
を利用することによって得られた球状化組織を特徴とす
るものである。これに対して、従来鋳造法による素材を
用いて半溶融成形する方法も知られている。これは、例
えば、等軸晶を発生しやすいマグネシウム合金において
さらに微細な結晶を生じせしめるためにZrを添加する
方法(B)や炭素系微細化剤を使用する方法(C)であ
り、またアルミニウム合金において微細化剤としてAl
−5%Ti−1%B母合金を従来の2倍〜10倍程度添
加する方法(D)であり、これらの方法により得られた
素材を半溶融温度域に加熱し初晶を球状化させ成形する
方法である。また、固溶限以内の合金に対して、固相線
近くの温度まで比較的急速に加熱した後、素材全体の温
度を均一にし局部的な溶融を防ぐために、固相線を越え
て材料が柔らかくなる適当な温度まで緩やかに加熱して
成形する方法(E)が知られている。一方、ビレットを
半溶融温度領域まで昇温し成形する方法と異なり、球状
初晶を含む融液を連続的に生成し、ビレットとして一旦
固化することなく、そのままそれを成形するレオキャス
ト法(F)が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た(A)の方法は撹拌法や再結晶を利用する方法のいず
れの場合も煩雑であり、製造コストが高くなる難点があ
る。また、Al−Mg合金のようなアルミニウム合金に
おいては、単に微細化剤を添加するだけでは、結晶粒の
大きさは500μm程度であり、100μm以下の微細
な結晶粒の組織を得ることは容易ではない。このため、
多量に微細化剤を添加する方法(D)があるが、微細化
剤が炉底に沈降しやすく工業的には難しく、かつコスト
も高い。さらに、(E)の方法では固相線を越えてから
緩やかに加熱して素材の均一加熱と球状化を図ることを
特徴とするチクソ成形法が提案されているが、通常のデ
ンドライト組織を加熱してもチクソ組織(初晶デンドラ
イトが球状化されている)には変化しない。しかも
(A)〜(E)のいずれのチクソ成形法においても半溶
融成形するために、一旦液相を固化しそのビレットを再
度半溶融温度領域まで昇温する必要があり、従来鋳造法
に比べてコスト高になる。また、(F)の方法では、球
状の初晶を含む融液を連続的に生成供給するため、コス
ト的、エネルギ的にもチクソキャストより有利である
が、球状組織と液相とからなる金属原料を製造する機械
と最終製品を製造する鋳造機との設備的連動が煩雑であ
る。本発明は、上述の従来の各方法の問題点に着目し、
ビレットを使用することなく、しかも、煩雑な方法をと
ることなく、簡便容易に、加圧成形するための微細な初
晶を有する半溶融Al−Mg合金の製造方法を提供する
ことを目的とするものである。
【0004】
【問題点を解決するための手段】このような問題点を解
決するために、本発明においては、第1の発明では、結
晶核を有する液相線温度以上の液体状態のAl−Mg合
金、または、結晶核を有する成形温度以上の固液共存状
態のAl−Mg合金を、断熱効果を有する断熱容器の中
において、所定の液相率を示す成形温度まで冷却しつつ
5秒間〜60分間保持することにより、液中に微細な初
晶を該Al−Mg合金液中に晶出させることとした。ま
た、第2の発明では、第1の発明における結晶核の生成
方法を、液相線温度に対して過熱度を300℃未満に保
持された合金溶湯を該合金の融点よりも低い温度の治具
に接触させることとした。さらに、第3の発明では、第
2の発明の治具を、金属製治具または非金属製治具、あ
るいは半導体を含む非金属材料を表面に塗布した金属製
治具、もしくは半導体を含む非金属材料を複合させた金
属製治具とし、かつ、該治具の内部あるいは外部から該
治具を冷却させることができるようにした。また、第4
の発明では、結晶核の生成を、治具または断熱容器のい
ずれか、もしくは両方に接触するAl−Mg合金溶湯に
振動を与えることとした。第5の発明では、第1の発明
や第2の発明のAl−Mg合金を、固溶限以下のMgを
含む亜共晶Al−Mg合金とした。また、第6の発明で
は、第5の発明の亜共晶Al−Mg合金を、Siを0.
3%〜2.5%添加したAl−Mg合金とした。また、
第7の発明では、第5の発明や第6の発明の亜共晶Al
−Mg合金を、Beを0.0005%〜0.003%添
加したAl−Mg合金とした。さらに、第8の発明で
は、第5の発明ないし第7の発明の亜共晶Al−Mg合
金を、Bを0.0005%〜0.01%、Tiを0.0
03%〜0.3%添加したAl−Mg合金とした。そし
て、第9の発明では、第8の発明の亜共晶Al−Mg合
金溶湯を、液相線温度に対する過熱度を100℃未満に
保持し、治具を使用することなく直接断熱容器に注ぐよ
うにした。
【0005】
【発明の実施の形態】結晶核を有する液相線以上の液体
状態のAl−Mg合金や結晶核を有する成形温度以上の
固液共存状態のAl−Mg合金を、断熱効果を有する断
熱容器の中で成形温度まで冷却しつつ5秒間〜60分間
保持することによって、液中に微細な粒状の初晶を発生
させた半溶融Al−Mg合金が得られる。この半溶融状
態の該合金を成形用金型に供給して加圧成形することに
より、均質な組織の成形体が得られる。
【0006】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例の詳細
について説明する。図1〜図6は本発明の実施例に係
り、図1はAl−Mg合金の半溶融金属の製造から成形
までを示す工程説明図、図2は粒状初晶の生成から成形
までの工程説明図、図3は図2に示した各工程の金属組
織模式図、図4はAl−Mg2元合金平衡状態図、図5
は本発明例の金属組織を示す顕微鏡写真の模写図、図6
は比較例の金属組織を示す顕微鏡写真の模写図である。
【0007】本発明においては,図1,図4に示すよう
に,まず、(1)液相線に対して過熱度を300℃未満
に保持したAl−Mg合金の溶湯を、その合金の融点よ
りも低い温度の治具に接触させて液中に結晶核を発生さ
せ、あるいは、(2)液相線温度に対する過熱度は10
0℃未満に保持した結晶核の生成を促す元素を含むAl
−Mg合金の溶湯を、治具を使用せず直接に断熱効果を
有する断熱容器に注ぎ、その断熱容器内において、所定
の液相率まで,液相線温度以下でかつ共晶温度あるいは
固相線温度より高い温度の状態に5秒間〜60分間保持
することで微細な粒状の初晶を多数発生させ、所定の液
相率の半溶融Al−Mg合金を得る。所定の液相率と
は、加圧成形に適する液相の量比を意味し、ダイカスト
鋳造、スクイズ鋳造などの高圧鋳造では液相率は20%
〜90%、好ましくは30%〜70%(30%未満では
素材の成形性が劣り、70%以上では素材が柔らかいた
めハンドリングが難しいばかりでなく、均一な組織が得
難くなる)とし、押出法や鍛造法では0.1%〜70
%、好ましくは0.1%〜50%(50%以上では組織
の不均一が生じる惧れがある)とする。また、本発明で
いう断熱容器とは、金属性容器または非金属性容器とす
るか、あるいは半導体を含む非金属材料を表面に塗布し
た金属性容器、もしくは半導体を含む非金属材料を複合
させた金属性容器とし、かつ、該容器の内部あるいは外
部から該容器の加熱または冷却が可能なものである。
【0008】具体的には以下のとおりの手順により作業
を進める。図2および図3の工程[1]においてラドル
10内に入れられた完全液体である金属Mを工程[2]
において,(a)冷却用治具20を用いて低温溶湯(必
要に応じて結晶核生成を促進する元素を添加)から結晶
核を発生させ断熱効果を有するセラミック製容器30
(セラミックコ−ティング容器30A)に注ぐ、また
は、(b)微細組織生成促進元素を含む融点直上の低温
溶湯を直接、断熱効果を有する断熱容器30(または3
0A)に注ぐ、のいずれかの方法により多数の結晶核を
含む液相線直下の合金を得る。つぎに工程[3]におい
て、該断熱容器30(または30A)において該合金を
半溶融状態で保持する。この間、導入された結晶核から
超微細な非デンドライト状初晶が生成し([3]−
a)、融体の温度低下に伴う固相率の増加につれて粒状
の初晶として成長する([3]−c)。このようにして
得られた所定の液相率を有する金属Mを、例えば[3]
−dのようにダイキャストの射出スリ−ブ40に挿入し
た後ダイカストマシンの金型キャビティ50a内で加圧
成形して成形品を得る。
【0009】図1、図2、図3に示す本発明と従来のチ
クソキャスト法、レオキャスト法、の違いは図より明ら
かである。すなわち、本発明では従来法のように、半溶
融温度領域で晶出した初晶を機械撹拌や電磁撹拌で強制
的に破砕微細化することはなく、液中に導入された結晶
核を起点として半溶融温度領域での温度低下および共晶
温度での保持時間とともに晶出、成長する多数の初晶が
合金自身が持っている熱量により(必要に応じて外部か
ら加熱保持されることも有りうる)連続的に粒状化され
るものであり、また、チクソキャスト法におけるビレッ
トの再昇温による半溶融化の工程が省かれているため極
めて簡便な方法である。上述した各工程、すなわち図1
に示す冷却用治具20への注湯工程、初晶の生成、粒状
化工程のそれぞれにおいて設定された鋳造条件、粒状化
条件および第2の発明、第6の発明、第7の発明、第8
の発明および第9の発明で示した数値限定理由について
以下に説明する。
【0010】鋳造温度が融点に対して300℃以上高け
れば、あるいは治具20の表面温度が融点以上の場合で
は、(1)結晶の核発生が少なく、しかも、(2)断熱
効果を有する断熱容器に注がれた時の溶湯Mの温度が液
相線よりも高いために残存する結晶核の割合も低く、初
晶のサイズが大きくなる。このため、鋳造温度は液相線
に対する過熱度が300℃未満とし、治具の表面温度
は、合金の融点よりも低くする。なお、液相線に対する
過熱度を100℃未満とすることにより、また、治具2
0の温度を合金Mの融点よりも50℃以上低くすること
により、より微細な初晶サイズとすることができる。治
具20に溶湯Mを接触させる方法としては、治具の表面
を溶湯Mを移動させる場合(傾斜した治具20へ溶湯を
流す)と溶湯中を治具20が移動する場合の2種類があ
る。なお、ここで言う治具とは、溶湯が流下する際に冷
却作用を溶湯に与えるものを言うが、これに代えて、例
えば、給湯機の筒状パイプを使用してもよい。液相線直
下に低下した溶湯を保持する断熱容器30は、発生した
初晶を粒状にし所定時間後に希望する液相率にするため
に、断熱効果を有するものとする。その材質は限定され
るものでなく、保温性を有し、しかも、溶湯との濡れ性
が悪いものが好ましい。また、通気性のあるセラミック
容器を断熱容器30として使用する場合には、半溶融合
金の酸化を防止するために、容器外部を所定の雰囲気
(不活性雰囲気、減圧雰囲気など)にすることができ
る。また、酸化防止を図るためにあらかじめ金属溶湯に
Beを添加することが望ましい。なお、断熱容器30の
形状は筒状に限定されるものではなく、その後の成形法
に適した形状が可能である。また、断熱容器でなくセラ
ミック製の射出スリ−ブへ直接投入するようにしてもよ
い。その断熱容器30での保持時間が5秒未満であれ
ば、希望する液相率を示す温度にすることが容易ではな
く、また粒状の初晶を生成することが困難である。一
方、保持時間が60分を越えると生成した粒状初晶や共
晶組織が粗くなり機械的性質が低下する。このため保持
時間は5秒〜60分とする。なお、高圧鋳造では、成形
直前の液相率が20%未満であれば成形時の変形抵抗が
高く良好な品質の成形品を得ることが容易でない。ま
た、90%を越えると均一な組織を有する成形品を得る
ことができない。このため、前述したとおり成形時の液
相率は20%〜90%とすることが好ましい。さらに、
実質の液相率を30%〜70%にすることにより、さら
に均質でかつ高品質の成形材を容易に加圧成形できる。
加圧成形する手段としては、スクイズ鋳造法やダイキャ
スト鋳造法に代表される高圧鋳造法に限定されるもので
はなく、押出法、鍛造法などの加圧成形する種々の方法
が含まれる。
【0011】溶湯Mを接触させる治具20は、溶湯の温
度を低下させることができるものであればその材質を限
定するものではないが、特に熱伝導率の高い銅、銅合
金、アルミニウム、アルミニウム合金などの金属で、し
かも一定の温度以下に維持できるように冷却管理された
治具20は結晶核を多く生成するので好ましい。なお、
溶湯Mが治具20に接触した時に固体状に金属が治具2
0に付着するのを防ぐために非金属材料を塗布するのは
効果的である。塗布する方法としては、機械的、化学
的、あるいは物理的方法のいずれでも構わない。
【0012】Siは、生成した粒状初晶の球状化を促進
するために添加する。Siは、0.3%未満では粒状化
促進効果が期待できず、また2.5%を越えて添加して
も機械的性質を悪くするばかりで球状化の効果をそれ以
上期待できないため、Siは0.3%〜2.5%とす
る。治具20により溶湯Mを冷却する過程で、特にAl
−Mg合金のような酸化しやすい合金では、酸化物の巻
き込みが発生したり、溶湯が樋状の冷却治具を流下する
途中で厚い酸化皮膜を形成して流動性が低下する。この
ような溶湯の酸化を防止するために、Beを添加する。
Beは、0.0005%未満では酸化防止効果は小さ
く、0.003%を越えて添加してもそれ以上の酸化防
止効果は期待できずコストが高くなるので、Beは0.
0005%〜0.003%とする。治具20に溶湯Mを
接触させることにより結晶核を多数含む液相線以下の半
溶融合金を得ることは可能であるが、(1)さらに多数
の結晶核を発生させ均一で微細な組織を得るために、あ
るいは、(2)液相線に対する過熱度を100℃未満に
した溶湯を用いて、治具に接触させることなく結晶核を
多数含む液相線以下の半溶融合金を得るために、Ti,
Bを添加する。Tiは、0.005%未満では微細化効
果は小さく、0.3%を越えれば粗大なTi化合物を生
じ延性が低下するので、Tiは0.005%〜0.3%
とする。Bは、Tiと相まって微細化を促進するが、
0.001%未満であれば微細化効果は小さく、0.0
2%を越えて添加してもそれ以上の効果を期待できない
ので、0.001%〜0.02%とする。なお、本発明
のAl−Mg合金は,強度改善のために、1%以下のM
nおよび0.5%以下のCuを添加することができる。
治具20を用いずに微細な初晶を得る場合には、液相線
に対する過熱度を100℃未満にするのは、断熱効果を
有する断熱容器30に注いだ合金を、結晶核を有する液
体状態、または結晶核を有する成形温度以上の固液共存
状態にするためである。注がれた断熱容器30内の溶湯
の温度が高ければ、一度生成した結晶核の再溶解あるい
は初晶の粗大化が起こり、希望する半溶融組織が得られ
ない。また、所定の液相率まで温度が低下するために時
間がかかりすぎ能率が悪く、注がれた溶湯Mの湯面が酸
化されるため不都合である。表1に半溶融金属の製造条
件および組織観察による評価の結果を示す。
【0013】
【表1】
【0014】比較例9では、溶湯Mを接触させる治具2
0の温度が高すぎるために結晶核の発生が少なく、この
ために微細な初晶が得られず、粗大な初晶となる。比較
例10では、鋳造温度が高すぎるために、セラミック製
容器30内において残存する結晶核がほとんどなく、比
較例9と同様な現象を示す。比較例11では、保持時間
が長いために液相率が少なく成形には適さない。また,
初晶サイズも大きい。比較例12では、セラミック容器
30内での保持時間が短くしかも液相率が高いために、
粗大な初晶しか得られず、また液相率が高いために成分
偏析が多く発生する。比較例13は、高温溶湯を直接断
熱容器へ注ぎそのまま凝固させたものであり、図6に示
すようにデンドライト状の粗大な初晶が多く見られる。
一方、本発明例1〜8では、図5に示すような、加圧成
形に適する約100μm以下の微細な粒状の初晶を有す
る均質な組織が得られる。
【0015】
【発明の効果】以上説明したことからも明らかなよう
に、本発明に係る半溶融Al−Mg合金の製造方法で
は、(1)結晶核を有する液相線温度以上の液体状態の
合金、または、結晶核を有する成形温度以上の固液共存
状態の合金を、断熱効果を有する断熱容器の中におい
て、所定の液相率を示す成形温度まで冷却しつつ5秒間
〜60分間保持することにより、あるいは(2)液相線
温度に対して過熱度を300℃未満に保持された合金溶
湯を該合金の融点よりも低い温度の治具に接触させるこ
とにより結晶核を発生させて、微細かつ粒状化した初晶
を該合金の液中に発生させ、所定の液相率まで保持す
る。その後半溶融状態の該合金を成形用金型に供給して
加圧成形することにより、従来の機械撹拌法、電磁撹拌
法によらず、簡便容易に、かつ、低コストで微細かつ粒
状の組織を有する成形体が得られる。また、液相線温度
に対する過熱度は100℃未満に保持した結晶核の生成
を促す元素を含むAl−Mg合金溶湯を治具を使用せず
直接に、断熱容器の中に注ぎ、所定の液相率を示す成形
温度まで冷却しつつ5秒間〜60分間保持することによ
り、同様に、微細かつ粒状化した初晶を発生させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るAl−Mg合金の半溶融金属の成
形方法を示す工程説明図である。
【図2】本発明に係る粒状初晶の生成から成形までの工
程説明図である。
【図3】図2に示した各工程の金属組織模式図である。
【図4】本発明に係るAl−Mg2元系平衡状態図であ
る。
【図5】本発明の金属組織を示す顕微鏡写真である。
【図6】比較例の金属組織を示す顕微鏡写真である。
【符号の説明】
10 ラドル 20 治具 30 断熱容器(セラミック製容器) 30A セラミックコ−ティング金属容器 40 射出スリ−ブ 50 金型 50a 金型キャビティ M 金属(溶湯) t 温度 T 時間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 21/06 C22C 21/06 // B22D 17/00 B22D 17/00 Z

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶核を有する液相線温度以上の液体状
    態のAl−Mg合金、または、結晶核を有する成形温度
    以上の固液共存状態のAl−Mg合金を、断熱効果を有
    する断熱容器の中において、所定の液相率を示す成形温
    度まで冷却しつつ5秒間〜60分間保持することによ
    り、液中に微細な初晶を該合金液中に晶出させることを
    特徴とする加圧成形用の半溶融Al−Mg合金の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 結晶核の生成方法は、液相線温度に対し
    て過熱度を300℃未満に保持された合金溶湯を該合金
    の融点よりも低い温度の治具の表面に接触させることと
    する請求項1記載の半溶融Al−Mg合金の製造方法。
  3. 【請求項3】 溶湯に接触させる治具は、金属製治具ま
    たは非金属製治具、あるいは半導体を含む非金属材料を
    表面に塗布した金属製治具、もしくは半導体を含む非金
    属材料を複合させた金属製治具とし、かつ、該治具の内
    部あるいは外部から該治具を冷却させることができるよ
    うにした請求項2記載の半溶融Al−Mg合金の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 結晶核の生成を、治具または断熱容器の
    いずれか、もしくは両方に接触するAl−Mg合金溶湯
    に振動を与えることとする請求項1記載または請求項2
    記載の半溶融Al−Mg合金の製造方法。
  5. 【請求項5】 Al−Mg合金を、最大固溶限以下のM
    gを含む亜共晶Al−Mg合金とした請求項1記載また
    は請求項2記載の半溶融Al−Mg合金の製造方法。
  6. 【請求項6】 Al−Mg合金を、Siを0.3%〜
    2.5%を添加したAl−Mg合金とした請求項5記載
    の半溶融Al−Mg合金の製造方法。
  7. 【請求項7】 Al−Mg合金を、Beを0.0005
    %〜0.003%添加したAl−Mg合金とした請求項
    5記載または請求項6記載の半溶融Al−Mg合金の製
    造方法。
  8. 【請求項8】 Al−Mg合金を、Bを0.001%〜
    0.02%、Tiを0.005%〜0.3%添加したA
    l−Mg合金とした請求項5記載ないし請求項7記載の
    半溶融Al−Mg合金の製造方法。
  9. 【請求項9】 液相線温度に対する過熱度を100℃未
    満に保持したAl−Mg合金溶湯を、治具を使用するこ
    となく直接断熱容器に注ぐ請求項8記載の半溶融Al−
    Mg合金の製造方法。
JP7252762A 1995-05-29 1995-09-29 半溶融Al−Mg合金の製造方法 Pending JPH0987771A (ja)

Priority Applications (8)

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JP7252762A JPH0987771A (ja) 1995-09-29 1995-09-29 半溶融Al−Mg合金の製造方法
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