JP3791395B2 - 成分偏析が小さくかつ均一微細な結晶粒からなるNi基超合金インゴットの製造方法 - Google Patents

成分偏析が小さくかつ均一微細な結晶粒からなるNi基超合金インゴットの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、航空機ジェットエンジンなどのガスタービンに用いる鍛造部品、例えば、タービンディスク、タービンシャフトなどを製造するための素材となる成分偏析が小さくかつ均一微細な結晶粒からなるNi基超合金インゴットの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、航空機ジェットエンジンにおけるタービンディスク、タービンシャフトなどの鍛造部品の破壊はエンジンの致命的故障につながり、多くの人命を失うことになるところから、この部分の製造には特に注意が払われている。
これらタービンディスク、タービンシャフトなどの鍛造部品を製造するための合金として、現在、高温強度、高温耐食性に優れたNi基超合金(スーパーアロイ)が使用されている。このNi基超合金として代表的なものはは、Udimet720LI(商標名、質量%でCr:16.0%,Co:14.7%,Mo:3.0%,W:1.3%,Al:2.5%,Ti:5.0%,C:0.03%,B:0.03%,Zr:0.03%,Ni:残部からなる成分組成)が知られている。
そして、これらタービンディスク、タービンシャフトなどの鍛造部品を製造するには、Ni基超合金を高周波真空溶解して得られたインゴット(以下、高周波真空溶解して得られたインゴットを「VIMインゴット」という)またはNi基超合金を高周波真空溶解し真空鋳造して得られたインゴットをさらにエレクトロスラグ再溶解して得られたインゴット(以下、エレクトロスラグ再溶解して得られたインゴットを「ESRインゴット」という)をさらに真空アーク再溶解することにより不純物、介在物などの少ないインゴットを作り、このインゴットを分塊鍛造した後さらに鍛造を繰り返し行ない、成分偏析が小さくかつ均一微細な組織を有するビレットを作り、このビレットを所定の形状に型鍛造し、最後に時効などの熱処理を施すことにより作られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記VIMインゴットまたはESRインゴットを真空アーク再溶解することにより得られたNi基超合金インゴットは、結晶組織が粗大となることは避けられず、さらにインゴットの中心部と外周部とで成分組成に差が生じて成分偏析が比較的大きくなり、特にAlおよびTiを多く含みγ´相の体積率の高いNi基超合金のインゴットでは成分偏析が大きくなる。この従来の真空アーク再溶解することにより得られたNi基超合金インゴットからジェットエンジンにおける鍛造部品などの素材となるビレットを製造するには鍛造回数を多くしなければならず、時間とコストがかかる。そのために、成分偏析が小さくかつ均一微細な結晶粒からなるNi基超合金インゴットを作製し、この成分偏析が小さくかつ均一微細な結晶粒からなるNi基超合金インゴットを用いてビレットを製造することによりビレット製造のための鍛造回数を減らす試みがなされている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者らも、成分偏析が小さくかつ均一微細な結晶粒からなるNi基超合金インゴットを製造すべく研究を行なった。
その結果、VIMインゴットまたはESRインゴットを従来の真空アーク再溶解に代えて電子ビーム再溶解してNi基超合金溶湯の浅いプールを形成し、この浅い溶湯プールに金属粉末を添加した後ただちに凝固させることにより得られたNi基超合金インゴットは、VIMインゴットまたはESRインゴットを真空アーク再溶解する従来の方法で得られたNi基超合金インゴットと比べて同程度に清浄化することができ、さらにVIMインゴットまたはESRインゴットを真空アーク再溶解する従来の方法で得られたNi基超合金インゴットと比較してインゴットの中心部と周辺部との成分偏析が小さくかつ格段に均一微細な結晶粒からなるNi基超合金インゴットが得られる、という研究結果が得られたのである。
【0005】
この発明は、かかる研究結果に基づいてなされたものであって、
(1)VIMインゴットまたはESRインゴットを電子ビーム再溶解してNi基超合金溶湯の浅いプールを形成し、得られたNi基超合金溶湯の浅いプールに金属粉末を添加した後ただちに凝固させる成分偏析が小さくかつ均一微細な結晶粒からなるNi基超合金インゴットの製造方法、に特長を有するものである。
【0006】
電子ビーム再溶解により得られたNi基超合金溶湯の浅いプールは、短時間で冷却し凝固しやすく、金属粉末を添加する前に凝固してしまうことがある。そのために、電子ビーム溶解して得られたNi基超合金溶湯の浅いプールに電子ビーム照射を施してプール全体を望ましい温度の溶湯状態に保持しながら金属粉末を添加したのち電子ビーム照射を停止することによりただちに凝固させることが好ましい。
【0007】
したがって、この発明は、
(2)VIMインゴットまたはESRインゴットを電子ビーム再溶解してNi基超合金溶湯の浅いプールを形成し、このNi基超合金溶湯の浅いプールに電子ビームを照射して溶湯状態を保持しながら金属粉末を添加した後ただちに凝固させる成分偏析が小さくかつ均一微細な結晶粒からなるNi基超合金インゴットの製造方法、
(3)VIMインゴットまたはESRインゴットを、電子ビーム再溶解してNi基超合金溶湯の浅いプールを形成し、このNi基超合金溶湯の浅いプールに電子ビームを照射してプール全体を溶湯状態に保持しながら金属粉末を添加した後ただちに凝固させる成分偏析が小さくかつ均一微細な結晶粒からなるNi基超合金インゴットの製造方法、に特徴を有するものである。
【0008】
電子ビーム再溶解により得られたNi基超合金溶湯の浅いプールの表面積が広いと、電子ビームを一度にプール全面に照射することができない場合がある。かかる場合は、電子ビーム溶解して得られたNi基超合金溶湯の浅いプールの一部表面に電子ビームを照射して浅いプールの一部を望ましい温度の溶湯状態に保持し、望ましい温度の溶湯状態にある部分に金属粉末を添加しながら電子ビーム照射の位置および金属粉末の添加位置を移動させ、それによってプール全面に金属粉末を添加し、ついで電子ビーム照射を停止したのちただちに凝固させるようにすることが好ましい。電子ビームの照射位置および金属粉末の添加位置をプール全面に渡って移動させるには、電子ビーム照射のための電子ビーム銃および金属粉末を貯蔵しているホッパーを水平に回転移動または平行移動させても良く、また凝固して得られたインゴットを回転させることによりインゴットの上端に形成されたプールを回転させても良く、また電子ビーム銃および金属粉末を貯蔵しているホッパーを水平に回転移動または平行移動すると共にインゴットの上端に形成されたプールの回転を行なっても良く、いずれにしても電子ビーム銃および金属粉末を貯蔵しているホッパーをインゴットの上端に形成されたプールに対して相対的に移動させれば良い。
【0009】
したがって、この発明は、
(4)VIMインゴットまたはESRインゴットを電子ビーム再溶解してNi基超合金溶湯の浅いプールを形成し、このNi基超合金溶湯の浅いプールの一部表面に電子ビーム照射して一部を溶湯状態に保持し、この一部溶湯状態にあるNi基超合金溶湯に金属粉末を添加した後ただちに凝固させる操作を移動してプール全面に施す成分偏析が小さくかつ均一微細な結晶粒からなるNi基超合金インゴットの製造方法、に特徴を有するものである。
【0010】
前記Ni基超合金溶湯に添加する金属粉末は、VIMインゴットまたはESRインゴットの成分組成と同一成分組成を有するNi基超合金粉末であることが好ましいが、Ni基超合金溶湯に添加する金属粉末はVIMインゴットまたはESRインゴットと同一成分組成のNi基超合金粉末に限定されるものではなく、Ni基超合金溶湯に添加する金属粉末はVIMインゴットまたはESRインゴットの成分組成から外れた成分組成を有するNi基超合金粉末であってもよい。またVIMインゴットまたはESRインゴットを構成する元素の要素粉末を混合した混合粉末であっても良い。これら金属粉末の添加量は、最終インゴットの体積に対して10体積%以下とし、Ni基超合金の所望の成分組成から外れないように添加することが必要である。また、Ni基超合金溶湯に添加する金属粉末の粒度は、Ni基超合金インゴットの目標とする結晶粒径により異なり、特に限定されるものではないが、粒径:16〜65μmであることが好ましい。
【0011】
したがって、この発明は、
(5)Ni基超合金溶湯に添加する金属粉末は、Ni基超合金粉末である前記(1)、(2)、(3)または(4)記載の成分偏析が小さくかつ均一微細な結晶粒からなるNi基超合金インゴットの製造方法、
(6)Ni基超合金溶湯に添加する金属粉末は、Ni基超合金溶湯と同じ成分組成を有するNi基超合金粉末である前記(1)、(2)、(3)または(4)記載の成分偏析が小さくかつ均一微細な結晶粒からなるNi基超合金インゴットの製造方法、に特徴を有するものである。
【0012】
金属粉末を添加するNi基超合金溶湯のプールの好ましい温度は、表面温度が固相線温度を越えた温度から液相線温度+30℃の範囲内に制御されていることが好ましい。その理由は、固相線温度以下では溶湯が固化して金属粉末の添加による微細な結晶粒の生成効果がなくなるので好ましくなく、一方、液相線温度+30℃を越えた温度で金属粉末を添加しても結晶発生の核となる金属粉末が溶融して消滅するかあるいは結晶粒が大きく成長するので好ましくないからである。
したがって、この発明は、
(7)前記金属粉末を添加するNi基超合金溶湯のプールの表面温度は、固相線温度を越えた温度〜液相線温度+30℃の範囲内に制御されている前記(1)、(2)、(3)または(4)記載の成分偏析が小さくかつ均一微細な結晶粒からなるNi基超合金インゴットの製造方法、に特徴を有するものである。
【0013】
なお、この発明で使用するNi基超合金は、いかなる成分組成のNi基超合金であっても良いが、この発明の方法で製造したNi基超合金インゴットを航空機ジェットエンジンにおけるタービンディスク、タービンシャフトなどの鍛造部品の素材として使用することを考えると、質量%で、Cr:5.0〜30.0%,Co:1.0〜30.0%,Mo:0.5〜20.0%,W:0.5〜15.0%,Nb:0.5〜10.0%,Al:0.1〜8.0%,Ti:0.1〜8.0%,Fe:40%以下(ただし、0も含む)、Mn:2.0%以下(ただし、0も含む)、Si:2.0%以下(ただし、0も含む)、C:0.01〜0.3%,B:0.001〜0.1%を含有し、さらにZr:0.01〜1.0%,Hf:0.01〜5.0%,Ta:0.5〜10.0%およびRe:0.01〜6.0%のうちの1種または2種以上を含有し、残部がNiおよび不可避不純物からなる成分組成のNi基超合金であることが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
この発明の成分偏析が小さくかつ均一微細な結晶粒からなるNi基超合金インゴットの製造方法を図面に基づいて説明する。
図1は、この方法を実施するための溶解鋳造装置の断面概略図である。図1において、1は水冷銅鋳型、2はVIMインゴットまたはESRインゴット、21は電子ビーム再溶解して得られたNi基超合金インゴット、3は再溶解用電子ビーム、31は照射用電子ビーム、4は金属粉末、5はVIMインゴットまたはESRインゴットを電子ビーム再溶解して得られたNi基超合金溶湯のプール、6は冷却水流通キャビティ、7は金属粉末を供給するホッパー、8は電子ビーム再溶解して得られたNi基超合金溶湯である。
【0015】
VIMインゴットまたはESRインゴット2を電子ビーム3により溶解し、得られたNi基超合金溶湯8を水冷銅鋳型1に充填して浅いプール5を形成し、このプール5の上から金属粉末4を添加して微細な核を発生させ、ただちに凝固させることにより微細な結晶粒を有するインゴットの一部を形成し、同時に凝固部分をA方向に引抜き必要に応じてB方向に回転させながらインゴット21を形成する。プール5の深さは浅いことが好ましく、0.5〜10mmの範囲内にあることが好ましい。その理由は、プール5の深さが0.5mm未満では凝固する時間が短すぎて金属粉末を添加する前に凝固するので好ましくなく、一方、プール5の深さが10mmを越えると、プールの内部まで金属粉末を添加して微細な核を発生させる作用が働かないことによるものである。
【0016】
電子ビームは、図1では2個の電子ビーム銃(図示せず)を用いているが、1個の電子ビーム銃を用いてVIMインゴットまたはESRインゴット2の溶解とNi基超合金溶湯のプール5の表面照射を交互に繰り返すこともできる。また、電子ビームは磁界により絞ることも分散させることもでき、更に曲げることもできるから電子ビーム中の設置位置は任意の位置でよい。
【0017】
実施例1
Ni−16.0%Cr−14.7%Co−3.0%Mo−1.3%W−2.5%Al−5.0%Ti−0.03%C−0.03%B−0.03%Zrからなる組成のNi基超合金を高周波真空溶解し、真空鋳造してVIMインゴットを作製し、得られたVIMインゴットをさらにエレクトロスラグ溶解してESRインゴットを作製し、このESRインゴットを図1に示されるように70KWの電子ビームで溶解し、得られた溶湯を内径:200mmのキャビティを有する水冷銅鋳型に充填して水冷銅鋳型内に深さ:2mmの溶湯プールを形成し、この溶湯プールに別の電子ビーム銃から70KWの電子ビームをプール表面に照射してプールの表面温度が1350℃(=液相線温度+15℃)の溶湯状態を保持しつつ溶湯状態にあるプールに、平均粒径:32μmを有しESRインゴットと同じ成分組成を有するNi基超合金粉末を添加しながら凝固させ、同時に凝固したインゴットを回転速度:10rpm、引抜き速度:2mm/minで回転させながら凝固したインゴット水冷銅鋳型から引抜くことにより直径:200mm、高さ:500mmの寸法を有するNi基超合金インゴットを作製した。
【0018】
従来例1
実施例1で用意したESRインゴットを通常の真空アーク溶解することにより直径:200mm、高さ:500mmの寸法を有するNi基超合金インゴットを作製した。
【0019】
このようにして実施例1及び従来例1で得られたNi基超合金インゴットを軸を含む面で2分割し、インゴットのボトム、トップのそれぞれについてインゴットの断面の中央部、中央と外周の中間部および外周部における成分組成及び平均結晶粒径を測定し、その結果を表1〜2に示した。
【0020】
【表1】
Figure 0003791395
【0021】
【表2】
Figure 0003791395
【0022】
表1〜2に示される結果から、実施例1で得られた表1に示されるNi基超合金インゴットの結晶粒は、従来例1で得られた表2に示されるNi基超合金インゴットに較べて格段に均一微細であることがわかる。
また、一般に、航空機ジェットエンジンにおけるタービンディスク、タービンシャフトなどの素材となるNi基超合金インゴットはインゴットの中央部と外周部における成分偏析が少ないことが必要であり、特に偏析しやすいAlおよびTiの中央部と外周部における成分組成の成分偏析が小さいことが必要であるが、実施例1で得られたNi基超合金インゴットは中央部と外周部における成分組成の差が最大で0.2%であるのに対し、従来例1で得られたNi基超合金インゴットのトップ部におけるTiの濃度差は0.5%も有り、実施例1で得られたNi基超合金インゴットは従来例1で得られたNi基超合金インゴットに比べて成分偏析が格段に少ないことが分かる。
【0023】
実施例2
実施例1で作製したVIMインゴットを図1に示されるように70KWの電子ビームで溶解し、得られた溶湯を内径:200mmのキャビティを有する水冷銅鋳型に充填して水冷銅鋳型内に深さ:2mmの溶湯プールを形成し、この溶湯プールに別の電子ビーム銃から70KWの電子ビームをプール表面に照射してプールの表面温度が1350℃(=液相線温度+15℃)の溶湯状態を保持しつつ溶湯状態にあるプールに、平均粒径:2μmを有しESRインゴットと同じ成分組成を有するNi基超合金粉末を添加しながら凝固させ、同時に凝固したインゴットを回転速度:10rpm、引抜き速度:2mm/minで回転させながら凝固したインゴット水冷銅鋳型から引抜くことにより直径:200mm、高さ:500mmの寸法を有するNi基超合金インゴットを作製した。
【0024】
従来例2
実施例1で作製したVIMインゴットを通常の真空アーク溶解することにより直径:200mm、高さ:500mmの寸法を有するNi基超合金インゴットを作製した。
【0025】
このようにして実施例2及び従来例2で得られたNi基超合金インゴットを軸を含む面で2分割し、インゴットのボトム、トップのそれぞれについてインゴットの断面の中央部、中央・外周中間部および外周部における成分組成及び平均結晶粒径を測定したところ、前記表1〜2に示した結果とほぼ同じ結果が得られた。
【0026】
【発明の効果】
この発明の方法によると、インゴットの場所による成分偏析が小さくかつ全体にわたって均一微細な結晶粒からなるNi基超合金インゴットを得ることができるから、インゴットの鍛造回数を減らすことができ、また従来粉末冶金法でしか作ることができないと言われていたAlおよびTiを多く含みγ´相の体積率の高いNi基超合金を用いて成分偏析が小さくかつ全体にわたって均一微細な結晶粒からなるインゴットを製造することができるなど産業上優れた効果をもたらすものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の成分偏析が小さくかつ均一微細な結晶粒からなるNi基超合金インゴットを製造する方法を説明するための断面概略説明図である。
【符号の説明】
1:水冷銅鋳型、2:VIMインゴットまたはESRインゴット、21:電子ビーム再溶解して得られたNi基超合金インゴット、3:再溶解用電子ビーム、31:照射用電子ビーム、4:金属粉末、5:Ni基超合金溶湯のプール、6:冷却水流通キャビティ、7:ホッパー、8:電子ビーム再溶解して得られたNi基超合金溶湯。

Claims (7)

  1. Ni基超合金を高周波真空溶解して得られたインゴット(以下、VIMインゴットという)またはNi基超合金を高周波真空溶解したのちエレクトロスラグ再溶解して得られたインゴット(以下、ESRインゴットという)を、電子ビーム再溶解してNi基超合金溶湯の浅いプールを形成し、得られたNi基超合金溶湯の浅いプールに金属粉末を添加した後ただちに凝固させることを特長とする成分偏析が小さくかつ均一微細な結晶粒からなるNi基超合金インゴットの製造方法。
  2. VIMインゴットまたはESRインゴットを電子ビーム再溶解してNi基超合金溶湯の浅いプールを形成し、このNi基超合金溶湯の浅いプールに電子ビームを照射して溶湯状態を保持しながら金属粉末を添加した後ただちに凝固させることを特長とする成分偏析が小さくかつ均一微細な結晶粒からなるNi基超合金インゴットの製造方法。
  3. VIMインゴットまたはESRインゴットを電子ビーム再溶解してNi基超合金溶湯の浅いプールを形成し、このNi基超合金溶湯の浅いプール全面に電子ビームを照射してプール全体を溶湯状態に保持しながら金属粉末を添加した後ただちに凝固させることを特長とする成分偏析が小さくかつ均一微細な結晶粒からなるNi基超合金インゴットの製造方法。
  4. VIMインゴットまたはESRインゴットを電子ビーム再溶解してNi基超合金溶湯の浅いプールを形成し、このNi基超合金溶湯の浅いプールの一部表面に電子ビームを照射して一部を溶湯状態に保持し、この一部溶湯状態にあるNi基超合金溶湯に金属粉末を添加した後ただちに凝固させる操作を移動してプール全面に施すことを特長とする成分偏析が小さくかつ均一微細な結晶粒からなるNi基超合金インゴットの製造方法。
  5. Ni基超合金溶湯に添加する金属粉末は、Ni基超合金粉末であることを特長とする請求項1、2、3または4記載の成分偏析が小さくかつ均一微細な結晶粒からなるNi基超合金インゴットの製造方法。
  6. Ni基超合金溶湯に添加する金属粉末は、Ni基超合金溶湯と同じ成分組成を有するNi基超合金粉末であることを特長とする請求項1、2、3または4記載の成分偏析が小さくかつ均一微細な結晶粒からなるNi基超合金インゴットの製造方法。
  7. 金属粉末を添加するNi基超合金溶湯の浅いプールの表面温度は、固相線温度を越えた温度〜液相線温度+30℃の範囲内に制御されていることを特長とする請求項1,2,3または4記載の成分偏析が小さくかつ均一微細な結晶粒からなるNi基超合金インゴットの製造方法。
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