JP2003001357A - アルミニウム鋳造鍛造品の製造方法 - Google Patents

アルミニウム鋳造鍛造品の製造方法

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JP2003001357A
JP2003001357A JP2001187156A JP2001187156A JP2003001357A JP 2003001357 A JP2003001357 A JP 2003001357A JP 2001187156 A JP2001187156 A JP 2001187156A JP 2001187156 A JP2001187156 A JP 2001187156A JP 2003001357 A JP2003001357 A JP 2003001357A
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aluminum
forged product
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casting
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Koji Kotani
晃司 小谷
Masatoshi Watabe
正利 渡部
Daisuke Machino
大輔 町野
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Asahi Tec Corp
Hoei Kogyo KK
Hoei Industries Co Ltd
Original Assignee
Asahi Tec Corp
Hoei Kogyo KK
Hoei Industries Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リサイクル材料を原料に用いることが可能で
あり、又、より工程を省略することが可能であって、よ
り引張強さ、耐力、伸びが大きく、機械的性質に優れた
アルミニウム鋳造鍛造品を、より低コスト化に作製可能
な製造方法を提供すること。 【解決手段】 アルミニウム合金からなる鍛造用材料を
鋳造して得たプリフォーム成形体を、鍛造して得られる
アルミニウム鋳造鍛造品の製造方法であって、鍛造が、
プリフォーム成形体を、概ね450℃以上融点温度以下
に加熱して行われるアルミニウム鋳造鍛造品の製造方法
の提供による。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、鍛造工程におい
て、鍛造温度を、通常のアルミニウム合金鍛造温度より
高温で行い、機械的性質を向上させたアルミニウム鋳造
鍛造品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】 地球環境問題の1つである地球温暖化
を防止するために、自動車の燃料消費量低減が、世界的
に強く求められている。そして、その燃料消費量を低減
するためには、自動車の軽量化技術が最も重要であると
いわれる。自動車そのものを軽量化すれば動力源への負
荷が減り、ガソリンエンジンによらず何れの動力源であ
っても燃料使用量を減らすことが可能となるからであ
る。最もアプローチし易い軽量化技術としては軽量化材
料への使用材料の変更が挙げられる。その代表例として
アルミニウム合金材料を用いて、既にエンジンシリンダ
ヘッド、エンジンシリンダブロック等の自動車用部品が
多く製造され使用されている。
【0003】 しかし、これらの多くは所謂鋳造品であ
る。鋳造品は製造し易い利点があるが、機械的強度の向
上には限界があり、同じ自動車用部品であっても、腐食
性が小さく強度や伸びの特性が充分で欠陥の少ないこと
が要求され、安全性に強く関わる部品、例えば足回り部
品等においては、鋳造品の採用が困難であり、代わりに
鍛造品やスクィズ鋳造品(低速射出成形体)等が製造さ
れ使用されるようになってきている。
【0004】 ところが、鍛造品やスクィズ鋳造品には
高コストという解決すべき課題があって、適用が極限定
されているのが現状である。サスペンション等の自動車
の足回り部品に好適に用いられる、従来の、例えばA6
061合金等を用いたアルミニウム鍛造品が高コストで
ある理由として、鍛造用材料そのものが高コストであ
り、又、製造工程数が多いこと等が挙げられる。又、例
えばAC4CH合金等を用いたスクィズ鋳造品も、製造
工程数が多い上に射出スピードが遅いため、生産性が上
がらない等で低コスト化出来ていない。
【0005】 一方、一般の鋳造品では溶湯の清浄化等
で欠陥発生の低減に努めても、使用環境の厳しい足回り
部品に適用することは到底困難であることは明らかであ
った。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】 従って、より機械的
強度の高い鍛造品において、コスト低減を望む要求が高
まり、鍛造用材料(以下、鍛造材ともいう)を、溶解し
て鋳造して成形し、プリフォーム成形体を得た後に鍛造
を施す鋳造鍛造による製造方法(以下、鋳造鍛造法とも
いう)により、対応が図られた。
【0007】 鋳造鍛造法を採用することにより、通常
の、所謂展伸材等の鍛造材を丸棒で購入し、作製する金
属製品に応じた長さに切断した後に、この鍛造材を例え
ば鍛造型打ちする鍛造法に比べて、以下に示す利点を導
くことが出来る。先ず、溶解する鍛造材の原料として、
鍛造工程で発生したバリを含む不要な材料を繰り返し利
用することが可能となる。一般に、鍛造法では、製品と
ならないバリは、少なくても型打ち前の原料の約30%
にも達する。即ち、鍛造材は多くても約70%しか製品
に使用されず、大きな無駄が生じているが、これを是正
することが出来る。
【0008】 次に、鋳造して得られるプリフォーム成
形体の形状を、最終製品の形状に合わせて、後の鍛造に
よって強度が向上し得る形状でありながら、鍛造工程
も、より簡略化出来る形状に成形することが可能とな
る。従来の鍛造法では、丸棒の鍛造材を最終製品に応じ
た長さに切断する工程や、最終製品の形状によっては、
鍛造材の曲げ加工工程や、荒打鍛造前の粗鍛造工程が必
要となっていたが、これらを省略出来る。
【0009】 本発明は、上記した鋳造鍛造法を採用し
コスト低減を図るとともに、従来の鍛造法に比較して、
より優れた機械的性質を有するアルミニウム鋳造鍛造品
を作製可能な製造方法を提供することを課題とする。例
えば、リサイクル材料を原料に用いることが可能であっ
て、又、例えば、より工程を省略することが可能であっ
て、より引張強さ、耐力、伸びが大きく、機械的性質に
優れた、低コストなアルミニウム鋳造鍛造品を提供可能
とすることが、本発明の目的である。鍛造工程について
様々な検討が重ねられた結果、以下に示す製造方法によ
り、上記課題を解決し、上記目的を達成出来ることが見
出された。
【0010】
【課題を解決するための手段】 即ち、本発明によれ
ば、アルミニウム合金からなる鍛造用材料を鋳造して得
たプリフォーム成形体を、鍛造して得られるアルミニウ
ム鋳造鍛造品の製造方法であって、鍛造は、プリフォー
ム成形体を、概ね450℃以上融点温度以下に加熱して
行われることを特徴とするアルミニウム鋳造鍛造品の製
造方法が提供される。又、本発明によれば、アルミニウ
ム合金を鋳造して得たプリフォーム成形体を、複数工程
に分けて鍛造して得られるアルミニウム鋳造鍛造品の製
造方法であって、複数工程の最初の鍛造工程は、プリフ
ォーム成形体を、概ね450℃以上融点温度以下に加熱
して行われることを特徴とするアルミニウム鋳造鍛造品
の製造方法が提供される。
【0011】 上記した2つのアルミニウム鋳造鍛造品
の製造方法においては、鍛造は、荒打鍛造と、仕上鍛造
とからなり、荒打鍛造が、プリフォーム成形体を、概ね
450℃以上融点温度以下に加熱して行われることが好
ましい。又、荒打鍛造が、プリフォーム成形体を、仕上
鍛造より高温に加熱して行われることが好ましい。本発
明においては、アルミニウム合金は、珪素0.2〜2.
5質量%を含有することが好ましく、鍛造用材料は、珪
素0.4〜0.8質量%、マグネシウム0.8〜1.2
質量%、銅0.15〜0.4質量%、クロム0.04〜
0.35質量%を含有するアルミニウム合金であること
が好ましい。又、上記した融点温度が概ね652℃であ
る合金を用いることも好ましい。本発明によれば、上記
したアルミニウム鋳造鍛造品の製造方法を用いて製造さ
れる車両用足回り部品が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】 以下に、アルミニウム鋳造鍛造
品の製造方法について、実施の形態を具体的に説明する
が、本発明は、これらに限定されて解釈されるものでは
なく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者
の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得る
ものである。
【0013】 本発明は、アルミニウム合金からなる鍛
造用材料を鋳造して得たプリフォーム成形体を、鍛造し
て得られるアルミニウム鋳造鍛造品の製造方法に関する
発明である。例えば、鍛造時に生じる不用なバリを原料
として含め溶解し鋳造することが出来る。又、プリフォ
ーム成形体の形状は、限定されず、丸棒でも構わない
が、例えば、最終製品に対し、鍛造による強度向上効果
を得つつ、製造工程を、より簡略化可能であるような、
より好ましい加工率になる形状とすることが可能であ
る。
【0014】 本発明においては、鍛造工程が、プリフ
ォーム成形体を、概ね450℃以上融点温度以下に加熱
して行われるところに特徴がある。そして、鍛造工程
は、荒打鍛造工程と仕上鍛造工程とからなり、荒打鍛造
が、プリフォーム成形体を、概ね450℃以上融点温度
以下に加熱して行われることが好ましく、荒打鍛造の後
の仕上鍛造は、荒打鍛造より低温で、例えば、通常のア
ルミニウム合金に適用される鍛造温度である、概ね37
0〜450℃で行われることも好ましい。
【0015】 このような従来より高い温度条件で鍛造
を行うことにより、被鍛造物たるプリフォーム成形体を
チクソ(半溶融)状態にすることも出来、又、アルミニ
ウム合金が珪素及びマグネシウムを含有するものであれ
ばMg2Siを固溶状態にすることが出来、その結果、
鍛造して得られる製品に、従来の鍛造温度により作製さ
れる製品と同等以上の機械的強度を付与することが出来
る。従って、本発明のアルミニウム鋳造鍛造品の製造方
法は、原料コスト、及び、製造コストの低減を図ること
が可能でありながら、例えば、使用環境が厳しく優れた
機械的性質が要求される車両用の足回り部品を好適に作
製することが出来る。
【0016】 以下、本発明のアルミニウム鋳造鍛造品
の製造方法について、図面を参酌しながら、具体的に説
明する。図1は、本発明のアルミニウム鋳造鍛造品の製
造方法を含む製造工程の一実施例を示すブロックフロー
図である。アルミニウム鋳造鍛造品の製造工程は、例え
ば、原料たる鍛造材8を溶解して溶湯3を得る溶解工程
11と、溶湯3を鋳造して鋳造成形されたプリフォーム
成形体6を得る鋳造工程14と、プリフォーム成形体6
を鍛造して鍛造品4を得る荒打鍛造工程16及び仕上鍛
造工程20と、鍛造品4をバリ抜きして鍛造製品とする
トリミング工程18とを備えてなる。
【0017】 上記した工程に加えて、例えば、鋳造工
程14により作製されるプリフォーム成形体6の温度を
荒打鍛造工程16に適する温度に下げる冷却工程15
や、鍛造してトリミングした鍛造製品の機械的性質を向
上させ、金属製品7を得る熱処理工程19等を備えるこ
とも好ましい。
【0018】 鍛造材8としては、珪素0.2〜2.5
質量%を含んだアルミニウム合金が知られており、例え
ば、日本工業規格H4140によるAl−Mg−Si系
熱処理型アルミニウム合金展伸材A6061(以下、単
にA6061合金ともいう)を挙げて、図1のブロック
フロー図の先頭から順に説明する。尚、鍛造材8は、A
6061合金に限定されるものではない。
【0019】 A6061合金の標準組成は、純アルミ
ニウムの他に、例えば、マグネシウム1.0質量%、珪
素0.6質量%、銅0.25質量%、及び、クロム0.
25質量%を含むものである。鍛造材8として、バリ
材、バリ溜まり、不良品等の不用材料を含んでも構わな
いが、その場合には、後に溶解して得られる溶湯3の成
分分析を発光分光分析法等により行うことが好ましい。
【0020】 溶解工程11は、鍛造材8を加熱して液
体金属、即ち、溶湯3にする。加熱するための燃料は、
材料によって、液体、固体、気体を問わない。電気抵
抗、電気誘導、アーク等の電気系の発熱源や、あるい
は、レーザー、電子ビーム等の電子系の加熱方法を用い
ても構わない。又、溶解に用いる炉の形状も、るつぼ
型、みぞ型、回転型等、加熱方法に合わせてより好まし
いものを採用すればよい。
【0021】 アルミニウム合金は、温度を、約680
〜780℃程度に維持して溶解し、溶湯3を得ることが
出来る。原料に、バリ材等の不用材料を含んでいる場合
には、得られた溶湯3の不純物を、より少なくするため
に清浄化処理を施すことが好ましい。
【0022】 鋳造工程14は、鋳型に溶湯3を注入
し、凝固後に固体金属として鋳造品、即ち、プリフォー
ム成形体6を得る工程である。鋳型により、最終製品に
近い形状のプリフォーム成形体6を得ることも可能であ
るが、その後の鍛造工程による機械的特性向上効果と鍛
造工程の簡略化によるコスト低減とのバランスを取り、
プリフォーム成形体6の形状を決定することが好まし
い。
【0023】 鋳造工程14の方法は限定されない。例
えば、所謂低圧鋳造法を用いることにより、最終の金属
製品7の機械的特性を、より高めることが出来る。低圧
鋳造法とは、一般に、気体圧力等で溶湯容器内へ加圧す
るか、若しくは、鋳型側から真空で吸引して、低圧力で
溶湯3を鋳型内へ充填し、成形して、鋳造品を得るとい
う方法である。鋳造により得られたプリフォーム成形体
6は、例えば、磁気探傷器、超音波探傷器等により、内
部に欠陥がないことを検査することが好ましい。鍛造用
材料は、必ずしも鋳造性に優れる材料ではないため、鍛
造型打ちする前において、内部欠陥が生じていないこと
を確認しておくことが、品質管理上、より好ましいから
である。
【0024】 鋳造成形後、プリフォーム成形体6の温
度が荒打鍛造工程16に適した温度に下がったときに、
荒打鍛造し、次いで、仕上鍛造工程20に適した温度に
下がったときに、仕上鍛造し、鍛造品4を得ることが肝
要である。こうすることで、通常の鍛造装置で必要とな
る、常温の鍛造用材料を鍛造型打ちに要求される一定の
温度範囲に昇温するための昇温工程、及び、熱が不要と
なり、溶解時に費やした熱が有効利用され、製造コスト
削減に寄与する。
【0025】 アルミニウム合金においては、荒打鍛造
工程16において要求される被鍛造物(プリフォーム成
形体6)の温度は、通常の温度より高温である概ね45
0℃以上融点温度以下であることが好ましい。A606
1合金の場合には、融点は概ね652℃である。又、仕
上鍛造工程20においては、被鍛造物の温度は、荒打鍛
造工程16より低温にすることが好ましく、例えば、通
常、アルミニウム合金の鍛造時に要求される概ね370
〜450℃である。荒打鍛造工程16及び仕上鍛造工程
20の手段は限定されないが、A6061合金を用い
て、例えば金属製品7として車両用足回り部品を作製す
る場合には、2000〜4000トンのプレス機を用い
ることが出来る。尚、鍛造工程は、荒打及び仕上の2回
に分けることに限定されず、1回の鍛造のみで構成する
ことも、より製造工程が簡素になるので好ましい。
【0026】 鍛造品4は、例えば冷却工程17によっ
て冷やされた後に、例えばトリミング工程18よって鍛
造製品とバリ材に分離される。鍛造製品は、その後、例
えば熱処理工程19によってT3〜T6等の溶体化時効
処理が施され、機械的特性の向上が図られて最終の金属
製品7となる。高い引張強さと硬度が要求されるA60
61合金を用いた車両用足回り部品の場合には、熱処理
として、例えばT4及びT6処理が望ましい。
【0027】 本発明の、アルミニウム鋳造鍛造品の製
造方法では、原料を溶かして溶湯を得た後に鋳造して得
られるプリフォーム成形体の形状を、鍛造による強度向
上の効果を得ながら、従来の鍛造材である丸棒より最終
製品の形状に近づけることが可能であるため、従来の鍛
造工程のように、押出、切断、加熱、粗鍛造、荒鍛造、
仕上鍛造、といった工程を経ずに、より簡略化出来、製
造コストの低減が図ることが可能である。
【0028】 以下に、本発明のアルミニウム鋳造鍛造
品の製造方法に好適に用いられるアルミニウム合金につ
いて説明する。鋳造鍛造に用いられるアルミニウム合金
に含まれる微量金属の主なものは、珪素、マグネシウ
ム、銅、マンガンである。
【0029】 珪素は、含有させることによって、流動
性を高め、引け巣性を改善するのに役立ち、又、マグネ
シウムとの混在でMg2Siとして析出し、伸び、引張
り強さ、耐力等の機械的強度の改善にも寄与する元素で
ある。珪素は、アルミニウム合金中に0.4〜0.8質
量%含むことが好ましい。珪素が0.2質量%未満で
は、溶湯からの鋳造性が低下するので好ましくなく、
0.8質量%より多い場合には、鍛造加工性が低下する
ので好ましくない。
【0030】 マグネシウムは、含有させることによっ
て、珪素との混在でMg 2Siとしてマトリックス中に
析出し、伸び、引張り強さ、耐力等の機械的強度を改善
する元素である。マグネシウムは、アルミニウム合金中
に0.8〜1.2質量%含むことが好ましい。マグネシ
ウムが0.8質量%未満では、強度不足となるので好ま
しくなく、1.2質量%より多い場合には、鍛造欠陥が
起き易くなるので好ましくない。
【0031】 銅は、これを含有させることによって、
強度改善を図ることが出来る元素である。銅を含有させ
た鍛造品では、冷却後に常温放置し、時間をかけて結晶
を析出させる、所謂時効処理で発現するAl−Cu、又
は、Al−Cu−Mg系の析出物を得ることが出来、こ
れらによって、上記のような析出したMg 2Siによる
強度改善作用を促進させることで強度が向上する。銅
は、アルミニウム合金中に0.15〜0.4質量%含む
ことが好ましい。銅が0.15質量%未満では、強度の
向上に寄与しないので好ましくなく、0.4質量%より
多い場合には、耐腐食性が低下し長期にわたり強度を維
持出来なくなるので好ましくない。
【0032】 クロムは、含有させることによって、ア
ルミニウム合金が再結晶し、結晶粒が成長するのを抑制
する元素である。その結果、アルミニウム合金中の組織
が微細に維持され、強度が保たれる。例えば、自動車等
の車両用足回り部品等に適用する場合には、長期にわた
って伸び、引張り強さ、耐力等の機械的強度が保持され
ることが必要なので、クロムを微量、即ち、0.04〜
0.35質量%程度を含有させることが好ましい。
【0033】
【実施例】 以下、本発明を実施例により説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0034】(実施例) 図2は、アルミニウム鋳造鍛
造品の一実施例を示す図で、車両用足回り部品のナック
ルステアリングである。原料としてA6061合金材料
を用意し、次の工程に従い、このナックルステアリング
を製造した。
【0035】 原料を所定の溶解温度で溶解し溶湯を得
た後に、最終のナックルステアリングの形状に対し、所
望の加工率となるような形状に型を取ったプリフォーム
成形体を、所定の鋳型温度によって成形した。次いで、
荒打鍛造温度500℃(表面温度)にて鍛造プレスによ
り所定の荒打鍛造荷重をかけて型打ちし荒鍛造品を得
た。次に、仕上鍛造温度430℃(表面温度)にて、再
度、鍛造プレスにより所定の仕上鍛造荷重をかけて型打
ちした。最後にトリミングで形状を整え、雰囲気炉を用
いて、溶体化処理として550℃で3時間の加熱を行っ
た後に冷却し、時効化処理として180℃で6時間の加
熱を行い、製品としてナックルステアリングを得た。
【0036】 得られた製品のナックルステアリング3
体(製品No.1〜3)から、それぞれ図2に示す試験
片採取位置A〜Gにおいて試験片を切り出し、機械的性
質として引張り強さ、耐力、伸びを測定した。その結果
を表1に示す。尚、引張強さ、耐力、及び、伸びという
機械的特性は、日本工業規格Z2201で規定されてい
る試験法に従って求めたものであり、耐力とは0.2%
耐力を指す。
【0037】
【表1】
【0038】(比較例) 荒打鍛造温度を430℃、仕
上鍛造温度を430℃とした以外は、実施例と同様にし
てナックルステアリングを製造した。得られた製品のナ
ックルステアリング3体(製品No.11〜13)か
ら、実施例と同様に、試験片を切り出し、機械的性質と
して引張り強さ、耐力、伸びを測定した。その結果を表
2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】 実施例の結果より、本発明のアルミニウ
ム鋳造鍛造品の製造方法により作製されたアルミニウム
鋳造鍛造品の機械的性質は、引張り強さ、耐力、伸びの
全てにおいて、優れていることが確認出来た。又、比較
例の結果とあわせて、本発明のアルミニウム鋳造鍛造品
の製造方法により作製されたアルミニウム鋳造鍛造品の
機械的性質は、従来の、本発明より低い鍛造温度で製造
されたアルミニウム鋳造鍛造品と比較して、特に、伸び
においては、バラツキが少ない上に、顕著な向上がみら
れることが確認出来た。
【0041】
【発明の効果】 以上説明したように、本発明によれ
ば、例えば、リサイクル材料を原料に用いることが可能
であり、又、より工程を省略可能であり、製造コストの
低減が可能である製造方法を用いて、引張強さ、耐力、
伸びが大きく、従来より機械的性質に優れたアルミニウ
ム鋳造鍛造品を提供することが可能である。従って、こ
のアルミニウム鋳造鍛造品の製品として、例えば、車両
用足回り部品等が広く供給されれば、車両の軽量化を通
して自動車等の燃費が低減され、その結果、排出二酸化
炭素が削減され、地球温暖化防止に貢献するといった効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るアルミニウム鋳造鍛造品の製造
方法の一実施例を示すブロックフロー図である。
【図2】 本発明に係るアルミニウム鋳造鍛造品の一実
施例を示す図で、車両用足回り部品の側面図である。
【符号の説明】
3…溶湯、4…鍛造品、6…プリフォーム成形体、7…
金属製品、8…鍛造材、11…溶解工程、14…鋳造工
程、15…冷却工程、16…荒打鍛造工程、17…冷却
工程、18…トリミング工程、19…熱処理工程、20
…仕上鍛造工程。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22F 1/00 630 C22F 1/00 630A 630K 682 682 691 691B (72)発明者 渡部 正利 三重県員弁郡員弁町上笠田2781 豊栄工業 株式会社内 (72)発明者 町野 大輔 三重県員弁郡員弁町上笠田2781 豊栄工業 株式会社内 Fターム(参考) 4E087 BA04 BA20 BA24 CA11 CB01 DA04 DB02 DB14 DB24 HA28 HA82

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム合金からなる鍛造用材料を
    鋳造して得たプリフォーム成形体を、鍛造して得られる
    アルミニウム鋳造鍛造品の製造方法であって、 前記鍛造は、前記プリフォーム成形体を、略450℃以
    上融点温度以下に加熱して行われることを特徴とするア
    ルミニウム鋳造鍛造品の製造方法。
  2. 【請求項2】 アルミニウム合金を鋳造して得たプリフ
    ォーム成形体を、複数工程に分けて鍛造して得られるア
    ルミニウム鋳造鍛造品の製造方法であって、 前記複数工程の最初の鍛造工程は、前記プリフォーム成
    形体を、略450℃以上融点温度以下に加熱して行われ
    ることを特徴とするアルミニウム鋳造鍛造品の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記鍛造は、荒打鍛造と、仕上鍛造とか
    らなり、 前記荒打鍛造が、前記プリフォーム成形体を、略450
    ℃以上融点温度以下に加熱して行われる請求項1又は2
    に記載のアルミニウム鋳造鍛造品の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記荒打鍛造が、前記プリフォーム成形
    体を、前記仕上鍛造より高温に加熱して行われる請求項
    3に記載のアルミニウム鋳造鍛造品の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記アルミニウム合金が、珪素0.2〜
    2.5質量%を含有する請求項2に記載のアルミニウム
    鋳造鍛造品の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記鍛造用材料が、珪素0.4〜0.8
    質量%、マグネシウム0.8〜1.2質量%、銅0.1
    5〜0.4質量%、クロム0.04〜0.35質量%を
    含有するアルミニウム合金である請求項1に記載のアル
    ミニウム鋳造鍛造品の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記融点温度が、略652℃である請求
    項1又は3に記載のアルミニウム鋳造鍛造品の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7に記載のアルミニウム鋳造
    鍛造品の製造方法を用いて製造される車両用足回り部
    品。
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