JPWO2012049924A1 - 糸処理装置 - Google Patents

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Abstract

糸の加工性能が高い糸処理装置を提供する。糸処理装置1は、糸導入部11及び糸排出部12を備えた糸通路10、及び、この糸通路10にエアを噴射するエア噴射孔14を有するノズル2と、糸排出部12の先端に位置する排出口12aと対向する衝突体4を備えている。さらに、衝突体4の排出口12aとの対向部分が、凹状に形成されている。

Description

本発明は、糸に流体を噴射して交絡やループ等を生じさせて、糸に嵩高性を付与する糸処理装置に関する。
従来から、合成樹脂等のフィラメントからなる糸に流体を噴射し、フィラメントに交絡やループ等を生じさせることにより、糸に嵩高性を付与する糸処理装置が知られている。
特許文献1,2には、糸導入部及び糸排出部を有する糸通路と、この糸通路内に圧縮空気を噴射するエア噴射孔を備えたノズルと、このノズルの糸排出部と対向するように配置された球状の衝突体とを備えた、糸処理装置がそれぞれ開示されている。
前記特許文献1,2の糸処理装置において、糸導入部から導入された糸は、エアが噴射される糸通路内を通過して糸排出部から排出される。ここで、糸排出部から出たエアは球状の衝突体に衝突してその表面に沿って流れ、このエアの流れに乗って、糸は糸排出部と衝突体との間の隙間を通って排出される。その際に、糸排出部内に生じるエアの流れによってフィラメントにループや交絡等が発生し、糸に嵩高性が付与される。
特表2000−514509号公報(特に、図5、図6、及び、図8) 特開2000−303280号公報
しかし、球状の衝突体を用いた従来の糸処理装置においては、嵩高加工が不十分になることもあり、さらなる改善の余地があった。そこで、本願発明者は、上記原因を解明すべく鋭意検討を行った結果、衝突体の形状が糸処理装置の加工性能に大きく影響を及ぼしており、衝突体の形状を工夫することによって加工性能が向上することを知見した。
本発明の目的は、糸の加工性能が高い糸処理装置を提供することである。
第1の発明の糸処理装置は、糸導入部及び糸排出部を備えた糸通路と、前記糸通路に流体を噴射する流体噴射孔とを有するノズルと、前記糸排出部の排出口が形成された先端面と隙間を空けて対向する面を有する衝突体を備え、前記衝突体の、前記糸排出部の前記先端面と対向する面のうちの、前記排出口との対向部分が、凹状に形成されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、ノズルの排出口と対向する衝突体の対向部分が、凹状に形成されていることから、ノズルの糸排出部と衝突体との間に大きな空間が確保され、この空間内で流体の流れが乱れやすくなる。従って、前記空間内の激しい流体の流れによって糸排出部から排出されるフィラメントにループや交絡が生じやすくなり、糸の加工性能が向上する。また、糸の加工性能が向上するということは、従来よりも速い糸速で加工しても同等以上の加工品質を実現できるということでもあり、生産性が向上するとも言える。
第2の発明の糸処理装置は、前記第1の発明において、前記衝突体の凹状の前記対向部分の内面が、曲面で形成されていることを特徴とするものである。
衝突体の凹状の対向部分の内面が曲面であると、糸排出部から糸とともに排出された流体が、対向部分の内側空間においてその内面に沿って流れるため、流体が局所的に滞留しにくくなり、フィラメントにループや交絡がさらに生じやすくなって、糸の加工性能が向上する。
第3の発明の糸処理装置は、前記第1又は第2の発明において、前記衝突体の前記対向部分は、その中央部において最も凹んだ形状に形成されていることを特徴とするものである。
衝突体の対向部分が、その中央部において最も凹んだ形状になっていると、糸排出部から排出されてきた糸が、凹状の対向部分の最奥部に収束されて衝突する。このように、糸が衝突体の一箇所に集中して衝突することで、その後の糸加工(ループ形成あるいは交絡)が安定し、糸の加工性能が向上する。
第4の発明の糸処理装置は、前記第1の発明において、前記衝突体の前記対向部分の断面形状が、円弧状又は楕円弧状であることを特徴とするものである。
衝突体の対向部分の断面形状が円弧又は楕円弧である場合、対向部分の内面が曲面となり、且つ、対向部分の中央部において最も凹んだ形状になる。従って、前記第2及び第3の発明で説明したように、流体が局所的に滞留しにくくなってループあるいは交絡が生じやすくなるととともに、ループの形成や交絡が安定して行われるため、糸の加工性能が一層向上する。
第5の発明の糸処理装置は、前記第1〜第4の何れかの発明において、前記衝突体の前記対向部分に、凹部と、前記排出口を含む前記糸排出部の先端面に平行で、且つ、前記凹部を取り囲む平坦部とが形成されていることを特徴とするものである。
衝突体の排出口との対向部分の全体が凹状になっていると、その端部が尖った形状となる。この場合、衝突体に端部形状のばらつきが生じる、あるいは、端部に微細な欠けが生じることがあり、糸の加工に多大な影響が及ぼす。具体的には、糸の張力ばらつきや毛羽発生等の原因となる。しかしながら、本発明では、衝突体の対向部分に、凹部と、この凹部を取り囲むように平坦部が設けられていることから、対向部分の端部形状のばらつきが小さく、また、欠けも生じにくいから、糸の加工が安定する。
第6の発明の糸処理装置は、前記第1〜第5の何れかの発明において、前記ノズルを保持するノズルホルダを有し、前記衝突体は前記ノズルホルダに取り付けられ、さらに、前記ノズルホルダには、前記ノズルの糸排出部と前記衝突体との間を通過して出てきた糸をガイドする糸ガイドが設けられていることを特徴とするものである。
ノズルの糸排出部から排出された糸の走行を安定させるためには、ノズルよりも下流側に糸ガイドを設けることが好ましい。しかし、糸ガイドのノズルに対する位置によって糸の張力が変わることから、糸処理装置とは別に糸ガイドを設ける場合には、糸の張力を適切に設定するために、糸処理装置を設置した後に、さらに、糸ガイドの糸処理装置(ノズル)に対する位置を調整するという面倒な作業が必要となる。本発明においては、ノズル及び衝突体が設けられたノズルホルダに、さらに糸ガイドが設けられて、ノズルや衝突体と糸ガイドが一体となっていることから、糸処理装置を所定の位置に設置するだけで糸ガイドの位置も自動的に定まり、糸ガイドの位置を調整する必要がない。
本発明によれば、ノズルの排出口と対向する衝突体の対向部分が、凹状に形成されていることから、ノズルの糸排出部と衝突体との間に大きな空間が確保され、この空間内で流体の流れが乱れやすくなる。従って、前記空間内の激しい流体の流れによって糸排出部から排出されるフィラメントにループや交絡が生じやすくなり、糸の加工性能が向上する。また、糸の加工性能が向上するということは、従来よりも速い糸速で加工しても同等以上の加工品質を実現できるということでもあり、生産性が向上するとも言える。
本発明の実施形態に係る糸処理装置の正面図である。 図1の糸処理装置の左側面図である。 図1の糸処理装置の一部を断面で示した図である。 (a)は図3に示されるノズル及び衝突体の拡大図、(b)は(a)の衝突体の右側面図である。 変更形態の衝突体の断面図である。 別の変更形態のノズル及び衝突体の断面図である。 実施例及び比較例で使用したノズル及び衝突体を示す図である。
次に、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施形態の糸処理装置の正面図、図2は糸処理装置の左側面図、図3は、図1の糸処理装置の一部を断面で示した図である。また、図4(a)は図3に示されるノズル及び衝突体の拡大図、(b)は(a)の衝突体の右側面図である。尚、以下では、図1、図3における上下左右の方向を上下左右と定義して説明する。図1〜図3に示すように、糸処理装置1は、ノズル2と、このノズル2を保持するノズルホルダ3と、ノズルホルダ3に設けられた衝突体4とを備えている。
まず、ノズル2について説明する。図3、図4(a)に示すように、ノズル2は金属やセラミックス等の硬質材料により筒状に形成され、このノズル2の一端部には径方向に張り出したフランジ部2aが設けられている。また、ノズル2の内部にはノズル2の筒軸方向に延びる糸通路10が形成されている。糸通路10は、ノズル2のフランジ部2a側(右側部分)に形成された糸導入部11と、ノズル2のフランジ部2aと反対側(左側部分)に形成された糸排出部12と、糸導入部11と糸排出部12を繋ぐエア導入部13とを有する。
ノズル2の右端部に位置するフランジ部2aの端面には糸31が導入される導入口11aが開口しており、糸導入部11は、前記導入口11aから先端側(図中左側)に向かうほど内径が縮小する先細り状に形成されている。一方、フランジ部2aと反対側の、ノズル2の左端面には糸通路10内に導入された糸31が排出される排出口12aが開口しており、糸排出部12は、排出口12aに向かうほど内径が拡大する末広がり形状に形成されている。先細りの糸導入部11や末広がりの糸排出部12の形状としては、例えば、テーパー状や、テーパー状よりも開口端における広がりの程度(曲率)が大きいラッパ状などを採用することができる。一例として、本実施形態では、糸導入部11がラッパ状、糸排出部12がテーパー状となっている。
ノズル2の筒軸方向中央部には、糸通路10のエア導入部13へ開口したエア噴射孔14(流体噴射孔)が設けられている。尚、図4(a)ではエア噴射孔14が1つしか示されていないが、実際は、複数(例えば、3つ)のエア噴射孔14がノズル2の周方向等間隔位置にそれぞれ配置されている。また、エア噴射孔14は、ノズル2の半径方向(糸通路10と直交する方向)に対して、糸通路10の先端側(左側)へ傾斜して延びており、糸通路10へエアを噴射したときに左方へ向かう強いエア流を発生させることができるようになっている。
次に、ノズルホルダ3について説明する。図1〜図3に示すように、ノズルホルダ3は、やや上下に長い直方体形状に形成されている。このノズルホルダ3の上側部分には、ノズルホルダ3を水平に貫通する装着孔20が形成されている。尚、この装着孔20には上述したノズル2が挿入されるが、装着孔20の径はノズル2のフランジ部2aの外径よりは小さくなっている。そのため、装着孔20にノズル2の左端部が右側の開口から挿入装着される一方で、ノズル2の右端部に設けられたフランジ部2aは装着孔20に挿入されずにノズルホルダ3の右側面に当接し、これにより、ノズル2はノズルホルダ3に対して位置決めされる。また、図1に示すように、ノズルホルダ3には、装着孔20に挿入されたノズル2が右方へ飛び出るのを防止する規制部材22が取り付けられる。
ノズルホルダ3の内部には上下に延びるエア供給孔21が形成されており、このエア供給孔21は図示しないエア供給源に接続される。また、ノズル2がノズルホルダ3の装着孔20に装着されたときには、ノズル2に形成されたエア噴射孔14がエア供給孔21と連通し、エア供給孔21から供給されたエアが、エア噴射孔14から糸通路10へ噴射されることになる。
次に、衝突体4について説明する。図3、図4に示すように、衝突体4はほぼ円板状の外形を有する部材であり、金属やセラミックス等の硬質材料で形成されている。この衝突体4は、ノズルホルダ3に装着されたノズル2の左端面(糸排出部12の排出口12aが形成された先端面)と、わずかな隙間を空けて対向している。
衝突体4の、ノズル2の左端面と対向する右面のうちの、排出口12aに対向する中央部には凹部4aが形成されている。この凹部4aの内面は、ノズル2の中心軸を含む平面における断面が、円弧状の曲面となっている。また、凹部4aは、糸排出部12の先端面と平行な平坦面を有する平坦部4bによって取り囲まれている。
尚、衝突体4をノズル2の排出口12aと対向する位置に保持する構成は特に限定されるものではないが、本実施形態では一例として以下のような構成を採用している。まず、図1に示すように、ノズルホルダ3の下部左側面に取付ベース部材23がボルト等により固定され、この取付ベース部材23にブロック状のホルダ24の下部が鉛直面内において回動自在に連結されている。また、ホルダ24には連結棒25の一端が固定され、連結棒25の他端には衝突体4が固定されている。この構成では、図3に二点鎖線で示されるように、ホルダ24が取付ベース部材23に対して回動したときに、衝突体4も一体に回動し、衝突体4は、ノズルホルダの排出口12aと対向する位置(実線で示される位置)と、排出口12aから離れた退避位置(二点鎖線で示される位置)にわたって移動可能である。そして、衝突体4を退避位置に移動させることにより、ノズル2内への糸通しを容易に行うことができるようになっている。
尚、ノズル2の糸排出部12から排出された後の糸31の走行を安定させるために、ノズル2よりも下流側に糸ガイドを設けることが好ましい。しかし、糸ガイドのノズル2に対する位置によってノズル下流側の糸の張力が変わる。そのため、糸処理装置1とは別に糸ガイドを設ける場合には、糸の張力を適切に設定するために、糸処理装置を設置した後に、さらに、糸ガイドの糸処理装置1(ノズル2)に対する位置を調整するという面倒な作業が必要となる。
そこで、図1、図2に示すように、本実施形態では、ノズルホルダ3に固定された取付ベース部材23に、ノズル2から排出された糸をガイドする糸ガイド26が取付部材27を介して設けられている。即ち、ノズル2及び衝突体4が設けられたノズルホルダ3に、さらに糸ガイド26が設けられて、ノズル2や衝突体4と糸ガイド26が一体となっている。そして、図1の右方からノズル2内に通されて糸排出部12から排出される糸が、図1の手前側(図2では右側)に位置する糸ガイドを経由して上方へ案内される。上記のように、糸ガイド26がノズルホルダ3と一体となっていることで、糸処理装置1を所定の位置に設置するだけで糸ガイド26の位置も自動的に定まり、糸ガイド26のノズル2に対する位置を調整する必要がない。
次に、本実施形態の糸処理装置1の、嵩高加工時における作用について説明する。まず、図1〜図3に示すように、ノズル2に設けられた糸導入部11の導入口11aから、合成樹脂等のフィラメントからなる糸31が導入され、エア導入部13へ導かれる。また、エア導入部13には、図示しないエア供給源から供給されたエアがエア噴射孔14から噴射される。
エア導入部13に噴射されたエアは糸排出部12から排出され、さらに、排出口12aに対向して配置されている衝突体4に衝突し、このときのエアの流れに乗って、糸31は衝突体4と糸排出部12との間の隙間から排出される。このとき、糸排出部12内の激しいエアの流れによって糸31の構成フィラメントがほぐされ、さらに、個々のフィラメントが激しく運動することによってループや交絡等が発生することで、糸31に嵩高性が付与される。
ここで、前述したように、本実施形態の糸処理装置1においては、衝突体4の排出口12aと対向する面には凹部4aが形成されている。そのため、ノズル2の糸排出部12と衝突体4との間に大きな空間が確保され、この空間内でエアの流れが乱れやすくなる。従って、激しいエアの流れによって糸排出部12から排出されたフィラメントにループや交絡が生じやすくなることから、糸の加工性能が向上する。また、糸処理装置1の加工性能が向上するということは、従来よりも速い糸速で加工を行っても、従来と同等の加工品質が得られるということでもあり、生産性が向上し、また、ある単位長さの糸を加工するのに必要なエアの消費量が少なくなる。
また、本実施形態では、衝突体4の凹部4aが断面円弧状の連続的な曲面で形成されている。凹部4aが曲面で形成されていると、糸排出部12から糸とともに排出されたエアが、凹部4a内の空間においてその内面に沿って流れるため、エアが局所的に滞留しにくくなり、フィラメントにループや交絡がさらに生じやすくなる。また、断面円弧状の凹部4aは、その中央部(ノズル2の中心軸が通る位置)において最も凹んだ形状になり、糸排出部12から排出されてきた糸は、凹部4aの最奥部に収束されて衝突する。このように、糸が衝突体4の一箇所に集中して衝突することで、その後の糸加工(ループ形成あるいは交絡)が安定して行われ、糸の加工性能が向上する。
また、本実施形態では、衝突体4の排出口12aとの対向部分には、凹部4aと、この凹部を取り囲むように平坦部4bが設けられている。この場合、衝突体4の対向部分の全体が凹状に形成されて、端部(外周部)が尖っている場合(後で挙げる変更形態の図5(e))と比べて、衝突体4の前記対向部分の端部(外周部)形状のばらつきが小さくなり、また、欠けも生じにくいから、糸の加工が安定する。尚、衝突体4の外径をD、凹部4aの径をd、平坦部4bの幅をtとしたとき、D=d+2tとなるが、この平坦部4bの幅tは、0≦t≦5(mm)の範囲で決定されることが好ましい。
尚、本発明は前述の実施形態に限られるものではなく、下記に例示するように、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で適宜変更を加えることができる。
1]衝突体4の、ノズル2の排出口12aとの対向部分の凹形状は、前記実施形態の断面円弧状に限られるものではない。例えば、図5に示すように、凹部4aの断面形状として、(a)楕円弧状、(b)鍋底状、(c)台形状、(d)円錐状等を採用することもできる。
尚、図5(a)〜(d)のうち、(a)の楕円弧状の凹部4aは、前記実施形態の円弧状の凹部(図4参照)と同様に、その内面が曲面で形成されているため、エアがその内面に沿って流れて局所的に滞留しにくく、糸にループや交絡が生じやすい。また、(a)の楕円弧状と(d)の円錐状では、その中央部において最も凹んでいるため、糸が衝突体の最奥部に集中して衝突することで、その後の糸加工が安定して行われる。
また、前記実施形態の図4のように、凹部4aが衝突体4の排出口12a側の面の一部にのみ設けられ、凹部4aの周囲が平坦部4bで取り囲まれている必要は必ずしもなく、図5(e)のように、衝突体4の排出口12a側の面全体が凹部4aとなっていてもよい。
2]ノズル2は、前記実施形態の図4(a)のような形状のものには限られない。例えば、図6(a)に示すように、糸導入部11がテーパー状、糸排出部12がラッパ状のものであってもよい。あるいは、図6(b)に示すように、糸導入部11が径の変化しないストレート状のものであってもよい。
3]前記実施形態では衝突体4がノズルホルダ3に対して移動(回動)可能に構成されていたが、衝突体4がノズルホルダ3に対して固定されていてもよい。
次に、本発明の具体的な実施例について、比較例と比較して説明する。
(1)ノズル及び衝突体の仕様
実施例及び比較例で使用した、4種類のノズルの仕様を表1に、6種類の衝突体の仕様を表2に示す。また、これらのノズルと衝突体の組み合わせを図7に示す。
Figure 2012049924
Figure 2012049924
表1のNo.1ノズルとNo.2ノズルは、図7左側の(1)に示されるノズルである。また、表2のNo.3ノズルとNo.4ノズルは、図7右側の(2)に示されるノズルである。但し、表1に示すように、No.1ノズルとNo.2ノズルではエア噴射孔の径が異なっており、適用される糸の太さ範囲が若干ずれている(No.1ノズルは細い糸用、No.2ノズルは太い糸用)。また、No.3ノズルとNo.4ノズルについても同様である。
また、表2に示されるように、衝突体については、ノズルの排出口との対向部分が凹状に形成された、本発明を適用した実施例である3種類の衝突体(Cup)と、比較例としての2種類の球状の衝突体(Ball)と1種類の平板状の衝突体(Plate)の、計6種類を使用している。図7では(a),(e)が13mmの球状衝突体、(b)、(f)が6mmの球状衝突体、(c)、(g)が平板衝突体、(d)、(h)が本発明の凹状衝突体である。また、6種類の衝突体は全てセラミックス製となっている。
(2)衝突体形状の違いによる加工性能の比較検討
衝突体形状の違いにより、糸処理装置の加工性能がどのように変わるかについて検討した。即ち、表1のノズルと表2の衝突体を組み合わせ、糸の材質、及び、糸の太さを変えてそれぞれ実験を行い、それぞれのケースについてノズル下流側(排出側)の糸張力を測定した。
尚、ここでは、コア糸とエフェクト糸を異なる供給速度でそれぞれノズルに供給して加工を行う、コア&エフェクト加工によって行った。また、ノズル下流側の糸速(排出側糸速)を4段階で変化させるとともに、コア糸とエフェクト糸のそれぞれについてのオーバーフィード量(ノズルへの供給糸量(供給側糸速)の、排出糸量(排出側糸速)に対する過剰率)を一定にしたときの、排出側の糸張力(単位:gr)を測定した。ポリエステル糸(PET)で、糸太さが150デニール、300デニール、600デニール、及び、750デニールのそれぞれにおける、排出側の糸張力測定結果を表3〜表6に示す。また、ナイロン糸(PA6)で糸太さが140dの場合の、排出側の糸張力測定結果を表7に示す。尚、表3〜表7においては、表1の4種類のノズルの中から、糸の太さに対応したノズルを適宜選択して使用している。
Figure 2012049924
Figure 2012049924
Figure 2012049924
Figure 2012049924
Figure 2012049924
一般に、排出側の糸張力が高くなるほど糸の交絡が強くなることが知られている。つまり、排出側の糸張力が高いほど、良好な加工が得られていると判断することができる。この点、表3〜表7に示されるように、糸の材質、糸の太さ、及び、ノズルの種類にかかわらず、本発明の凹状の衝突体(Cup)を用いたケース(実施例)では、球状衝突体(Ball)や平板状の衝突体(Plate)を用いたケース(比較例)と比較して、排出側の糸張力が高くなっている。つまり、凹状の衝突体を使用することで、糸処理装置の糸の加工性能がかなり向上していることがわかる。
また、表3〜表7からも分かるように、一般的に、糸速が低いほうが、排出側の糸張力が高くなり、糸の加工が良好になる傾向にある。この点について、球状衝突体や平板状の衝突体を用いた場合には、ある一定以上の加工品質(一定以上の糸張力)を実現しようとすると、糸速を低くせざるを得ないが、本発明の凹状の衝突体を用いることによって、球状や平板状と同等以上の品質の糸をより速い糸速で生産することができ、生産性が大きく向上する。
例えば、表5において、球状衝突体(Ball)や平板衝突体(Plate)では350m/minの低速まで糸速を落としてようやく11グラムの張力となっているのに対し、凹状衝突体(Cup)では500m/minまで糸速を上げても11グラム超の張力となり、球状衝突体や平板衝突体の低速での加工と同等以上の品質が得られることがわかる。
(3)凹状衝突体の凹部径について
次に、凹状衝突体の凹部径(図7に示される寸法d)を変えたときの糸の加工性能について検討した。ここでは、表2に示されている、凹部の径が11mm、20mm、及び、24mmの3種類の衝突体と、比較例としての平板状の衝突体を使用し、また、糸の太さを変えて実験を行った。糸の材質がPETで、糸太さが150デニール、300デニール、及び、600デニールのそれぞれについての、排出側の糸張力測定結果を表8〜表10に示す。
Figure 2012049924
Figure 2012049924
Figure 2012049924
表8〜表10に示すように、糸太さ及びノズルの種類にかかわらず、凹部の径が11mm〜24mmの範囲で、平板状の衝突体を使用した場合と比べて糸張力が高くなっており、加工性能が向上している。
尚、衝突体の凹部を、対向する排出口の径に対して極端に小さくする、あるいは、極端に大きくした場合には、加工性能向上の効果は小さいと考えられる。これに関して、表8〜表10には、ノズルの排出口径(K)と衝突体の凹部径(d)との比率(ε=K/d)という無次元化したパラメータが記載されており、少なくとも、εが0.25〜1.18の範囲内で、加工性能が良好となることがわかる。
1 糸処理装置
2 ノズル
3 ノズルホルダ
4 衝突体
4a 凹部
4b 平坦部
10 糸通路
11a 導入口
12 糸排出部
12a 排出口
14 エア噴射孔
26 糸ガイド
31 糸

Claims (6)

  1. 糸導入部及び糸排出部を備えた糸通路と、前記糸通路に流体を噴射する流体噴射孔とを有するノズルと、
    前記糸排出部の排出口が形成された先端面と隙間を空けて対向する面を有する衝突体を備え、
    前記衝突体の、前記糸排出部の前記先端面と対向する面のうちの、前記排出口との対向部分が、凹状に形成されていることを特徴とする糸処理装置。
  2. 前記衝突体の凹状の前記対向部分の内面が、曲面で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の糸処理装置。
  3. 前記衝突体の前記対向部分は、その中央部において最も凹んだ形状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の糸処理装置。
  4. 前記衝突体の前記対向部分の断面形状が、円弧状又は楕円弧状であることを特徴とする請求項1に記載の糸処理装置。
  5. 前記衝突体の前記対向部分に、凹部と、前記排出口を含む前記糸排出部の先端面に平行で、且つ、前記凹部を取り囲む平坦部とが形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の糸処理装置。
  6. 前記ノズルを保持するノズルホルダを有し、
    前記衝突体は前記ノズルホルダに取り付けられ、
    さらに、前記ノズルホルダには、前記ノズルの糸排出部と前記衝突体との間を通過して出てきた糸をガイドする糸ガイドが設けられていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の糸処理装置。
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