JP2000239938A - 流体噴射ノズル - Google Patents

流体噴射ノズル

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JP2000239938A
JP2000239938A JP11040544A JP4054499A JP2000239938A JP 2000239938 A JP2000239938 A JP 2000239938A JP 11040544 A JP11040544 A JP 11040544A JP 4054499 A JP4054499 A JP 4054499A JP 2000239938 A JP2000239938 A JP 2000239938A
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hole
compressed air
nozzle
thread
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Kenji Iwashita
岩下憲二
Masahiro Okesaku
正広 桶作
Hiroyuki Nagai
宏行 長井
Kenkichi Nose
健吉 能勢
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Hokuriku Seikei Industrial Co Ltd
Teijin Frontier Knitting Co Ltd
Original Assignee
Hokuriku Seikei Industrial Co Ltd
Teijin Modern Yarn Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軸心方向に糸条が通過する糸条走行路を形
成し、外側面から糸条走行路内に糸条の走行方向に傾斜
して設けた圧空噴射孔を有する流体噴射ノズルにおい
て、構造が簡単で、圧空噴射による糸条の推進力を減少
させることなく、糸条への嵩高付与加工性能を増加させ
ること。 【解決手段】流体噴射ノズル本体に、その外側面から糸
条走行路内に糸条の走行方向に傾斜して設けた圧空噴射
孔を、外側面から糸条走行路に向けて漸次縮径した。こ
れによって、圧縮空気の圧力損失が軽減されて糸条に吹
き付けられる圧縮空気の流速が速くなり、糸条への嵩高
付与加工性能を増加させる。また、糸条走行路を、中央
の細孔部と、その細孔部の糸条入口側と糸条出口側にそ
れぞれ円錐状の内孔を有する導入孔部と導出孔部によっ
て形成し、その導出孔部の円錐状内孔面をノズル本体の
外側面方向に膨出せしめた。これによって、糸条との接
触部分は非常に小さくなり、糸条と導出孔との接触抵抗
による糸切れの頻度を格段に低減することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軸心に形成された
糸条走行路内を走行する合成繊維フィラメントのような
糸条に一方向ないし複数方向から圧縮空気を噴射するこ
とにより、糸条にループや絡みを生じさせ、それにより
糸条に嵩高性をもたせるための流体噴射ノズルに関す
る。
【0002】
【従来の技術】このような流体噴射ノズルの例として、
特開昭52−21446号公報に開示されているノズル
がある。このノズルは中心孔と圧縮空気導入口を有する
胴体部に挿入された糸導管を有するニードル部材と胴体
部の糸条出口側に取り付けられたべンチュリー部材とか
ら形成されている。このタイプのノズルは構造が複雑で
あり、実用にあたってはニードル位置の調整を必要とす
るため錘間バラツキや斑を起しやすいという欠点があっ
た。
【0003】また、他の例として、特開昭53−194
46号公報には、糸条走行路と圧空噴射孔を一体型とし
た、ニードル位置の調整が不要で取り扱い性に優れた流
体噴射ノズルが開示されている。しかしながら、嵩高付
与加工性能が劣り、また加工速度の増加に伴ってその加
工性能が悪化するため生産性が低いという欠点がある。
【0004】また、特開昭54−68436号公報に
は、糸条走行路と圧空噴射孔の中心軸との角度、すなわ
ち、圧空噴射孔の中心軸傾斜角θが嵩高付与加工性能を
大きく左右することが開示されている。しかしながら、
圧空噴射孔の傾斜角θを小さくすると、糸条の推進力が
増しノズルへの糸条の供給張力は高くなるが、糸条への
衝撃力が減少し糸条交絡能が低下する。逆に傾斜角θが
大きいと糸条への衝撃力が増し糸条交絡能は増加する
が、糸条の推進力が減少しノズルへの糸の供給張力が低
くなるために高速度での加工では加工安定性の低下を招
く。そのため、傾斜角θの調整によって、糸条の推進力
を損なうことなく糸条交絡能を増加することには成功し
ていない。
【0005】さらに、特開昭63−288222号公報
には、嵩高付与加工性能・加工速度の増加を達成するた
めに圧空噴射孔をラバール型にすることで圧空噴射孔か
ら糸条走行路内へ吹き出す空気流の流速を増加させる試
みが開示されているが、このノズルは一体型ノズルとし
てはノズル製造が難しいという欠点がある。
【0006】また、さらに特公平2−39466号公報
には、走行する糸状との摩擦によって発生する静電気に
よる加工ムラを防ぐために、導電性のセラミックス材を
用いた実質的に図13に示す構造のものが開示されてい
る。
【0007】この図13において、圧空導入口61を有
するケーシング内に収納されたセラミック製ノズル本体
1を有し、一本ないし複数本のマルチフィラメント糸条
Sを入口2から導入し、出口3から糸条Sを交絡状態で
導出するもので、ノズルの軸心方向には、糸状Sを走行
させるための糸条走行路4が形成されている。この糸条
走行路4は、入口2から一本ないし分離された状態で導
入される多数本の糸条を受け入れて走行させるための円
錐状内孔を有する導入孔部41と、この導入孔部41に
続いて、ノズルの外側面から糸状Sの走行方向に傾斜し
た圧空噴射孔5を開口した細孔部42と、交絡した糸状
Sを導出するための円錐状内孔を有する導出孔部43と
からなる。この図に示すノズルは、色々改良されてはい
るが、圧空噴射孔部で空気の圧力損失があるため、より
高速の交絡加工に対応できないという欠点があった。
【0008】このように、繊維フィラメントのような糸
条を交絡させるための流体噴射ノズルは改良されてはき
たが、交絡による嵩高加工性能をより向上させるニーズ
は高い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、軸心方向に糸条が通過する糸条走行路を形
成し、外側面から糸条走行路内に糸条の走行方向に傾斜
して設けた圧空噴射孔を有する流体噴射ノズルにおい
て、構造が簡単で、圧空噴射による糸条の推進力を減少
させることなく、糸条への嵩高付与加工性能を増加させ
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手殴】本発明は、流体噴射ノズ
ル本体に、その外側面から糸条走行路内に糸条の走行方
向に傾斜して設けた圧空噴射孔を、外側面から糸条走行
路に向けて漸次縮径したものである。これによって、図
13にも見られる従来の全長にわたって同一断面積を有
する圧空噴射孔を有する流体噴射ノズルに比べ、圧縮空
気の圧力損失が軽減されて糸条に吹き付けられる圧縮空
気の流速が速くなり、糸条への嵩高付与加工性能を増加
させる。
【0011】また、本願の他の発明は、糸条走行路を、
中央の細孔部と、その細孔部の糸条入口側と糸条出口側
にそれぞれ円錐状の内孔を有する導入孔部と導出孔部に
よって形成し、その導出孔部の円錐状内孔面をノズル本
体の外側面方向に膨出せしめたものである。このよう
に、糸条走行路の細孔部からノズル出口にかけての導出
孔をこのように構成することにより、糸条との接触部分
は非常に小さくなり、糸条と導出孔との接触抵抗による
糸切れの頻度を格段に低減することができる。
【0012】さらに、本発明の流体噴射ノズルは、高硬
度耐摩耗性でしかも、導電性を有する硬質合金、サーメ
ット、超硬質合金、さらには、セラミックス材料から一
体成形することにより、糸条との摩擦による静電気の発
生を防止し、且つノズルの耐摩耗性を維持できる。とく
に、油剤濃度の低い糸条に、水分を供給することなく、
嵩高付与加工を行う際の、糸条とノズル構成材料との摩
擦によって静電気が発生することによる大きいループの
発生と、嵩高付与加工性の低下を排除できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の流体噴射ノズルの
実施形態を実施例を示す添付図によって説明する。この
図に示すものは、単に一例にすぎず、本発明の技術思想
の範囲内で、ノズル本体の各部形状や材料を種々変更組
み合わせた流体噴射ノズルとすることができる。
【0014】図1は、この発明のアルミナ−炭化物から
なる流体噴射ノズル本体10の要部断面を示す。この本
体10を有する流体噴射ノズルの基本的な機能は、図1
3に示す従来例と同様であって、一本ないし複数本のマ
ルチフィラメント糸条Sを入口2から導入し、出口3か
ら糸条Sを交絡状態で導出するもので、ノズル本体の軸
心方向には、糸状Sを走行させるための糸条走行路4が
形成されている。この糸条走行路4は円錐状内孔を有す
る導入孔部41と、この導入孔部41に続いて、ノズル
本体の外側面から糸状Sの走行方向に傾斜した圧空噴射
孔5を開口した細孔部42と、交絡した糸状Sを導出す
るための導出孔部43とからなる。
【0015】本発明においては、圧空噴射孔5は、ノズ
ル外側面の圧縮空気流入側から糸条走行路の細孔部42
に向けて漸次縮径したテーパ孔を形成している。図2
は、この圧空噴射孔5の断面拡大図である。同図におい
て、αは、この圧空噴射孔5の縮径の程度を示す開口角
である。この開口角αが大きくなるほど圧力損失は軽減
されて圧縮空気流速は速くなり、糸条交絡能は改善され
る。しかしながら、圧力損失が軽減されるのに伴って、
圧縮空気消費量も増加してしまう。従って、開口角α
は、導出孔部43における糸条交絡能とこの圧縮空気消
費量のバランスによって決められなければならない。
【0016】この縮径の程度を示す開口角αは、0゜<
α≦20゜の範囲でバランス良く糸条交絡能を増加させ
ることができ、さらに好ましくは4゜≦α≦10゜の範
囲で、噴射した圧空の効率を示す圧縮空気消費量に対す
る糸条交絡能の比を最大にすることができる。開口角α
が20゜を超えると圧縮空気消費量が著しく増加するこ
とになり不経済である。
【0017】また、ノズルの軸心に対する圧空噴射孔5
の中心軸の傾斜角θは、45゜≦θ≦60゜の範囲で糸
の推進力を損なうことなく糸条材の交絡能を増加させる
ことができ、さらに、47゜≦θ≦53゜の範囲で最も
糸条交絡能を増加させることができる。しかも、このテ
ーパ状の圧空噴射孔は、圧縮空気の吹出し角度をθ1と
すると θ1=θ±α/2 の式に相当するθ1の幅があるために、糸の推進力を損
なうことなく糸条交絡能を増加させることができる。こ
のことは、嵩高付与のための加工速度を増加できること
を意味する。
【0018】なお、圧空噴射孔1の内面の仕上げ精度
は、噴射気流の流体抵抗をできるだけ少なくするため
に、面粗度を10s以内とし、より好ましくは5s以内
にすることにより、圧力損失の少ない噴射気流が得られ
る。
【0019】また、圧空噴射孔1と糸条走行路4とが交
接する圧空噴射孔先端のエッヂ部は、バリが存在しない
ことが必要であり、なおかつ面ダレやチッピング(欠
け)やスポット等の傷をできるだけ小さくする必要があ
る。この面ダレやチッピングやスポット等の傷の長さ、
または幅、あるいは深さをlとし、圧空噴射孔中心軸の
ノズル本体外面から糸条走行路内面までの長さをLとし
た場合に、lの大きさはLの250分の1(l≦L/2
50)以下とし、より好ましくはl≦L/500にする
ことにより、バラツキのない噴射気流が得られる。
【0020】なお、傷の大きさlを標準的な寸法の圧空
噴射ノズルで補足説明すると、圧空噴射孔の中心軸の長
さが5mmの場合には、lは20μm以下、より好まし
くは10μm以下の寸法ということになる。
【0021】このように、前記エッヂ部をシャープエッ
ヂに近づけることにより、圧縮空気の吹出し角度θ1
が、θ1=θ±α/2の範囲内でコントロールされバラ
ツキのない安定した糸条の推進力と糸条交絡能が発揮さ
れる。
【0022】本発明において、テーパ状の圧空噴射孔5
の配設位置は、通常、図1に示すように、糸条走行路4
の直線状細孔部42の末端に近づけて形成するが、図3
に示すように、出口側の導出孔部43と細孔部42の連
接部44、あるいは、図4に示すように導出孔部43内
の細孔部2に近い部分に開口することもできる。
【0023】また、本発明の従来構造と異なる点の第2
は、出口3側に形成した導出孔部43の円錐形状の内面
45の形状が、外側面方向に膨出した中太り形状として
いることである。これによって、図示するように、交絡
した糸条S1と導出孔部43の内面45とが接触しない
部分が形成され、糸条の接触抵抗を低減させることにな
る。また、ノズル内面に汚れが付着した場合でも嵩高付
与加工性能の低下を軽減することができる。
【0024】導出孔部43の内面45の膨出の程度は、
糸条Sがノズルの糸条走行路の細孔部42から出て、導
出孔部43内を経由して、ノズルの出口3から導出され
るまでの間、ノズルの内面との接触箇所が、精々、導出
孔部43と細孔部42との連接部44のみになるような
曲率をもった球面または曲面とすることができる。
【0025】以下に、前記図2に示す圧空噴射孔5を円
周方向に3箇所分配配設した本体構造を有する流体噴射
ノズル19を図5の製造工程に適用した例によって、そ
の効果を具体的に説明する。
【0026】図5において、マルチフィラメント糸条A
はフィードローラー17を経て、場合によっては水を付
与され流体噴射ノズル19に入り、マルチフィラメント
糸条Bはフィードローラー18を経て流体噴射ノズル1
9に入る。流体噴射ノズル19によって糸条A,Bは互
いに絡められ、デリベリローラー20によって引き出さ
れて巻取パッケージ22に巻き取られる。
【0027】糸条A,Bはオーバーフィード状態で流体
噴射ノズル19に導かれる。本工程においてフィードロ
ーラー17の表面速度をVA、フィードローラー18の
表面速度をVB、デリベリローラー20の表面速度を
V、巻取パッケージ22の表面速度をVWとすると糸条
AおよびBのオーバーフィード率AOF、BOFと巻き
取り倍率WDRとは以下の関係がある。
【0028】AOF=100×(VA−V)/V >0 BOF=100×(VB−V)/V >0 VB>VA WDR=100×(VW−V)/V 一般的に上記の様な流体噴射ノズルによる嵩高付与加工
において、そのノズル出口領域張力T1と巻取張力T2
に糸条交絡能の良し悪しが反映されることが知られてお
り、これらの張力が大きいほど、糸条の絡み強度が強く
ループ構造の安定性が優れている。実施例においては張
力T1、T2を測定することによって流体噴射ノズルの
嵩高付与加工性能の尺度とする。また、図6に示したよ
うに、嵩高付与加工性能が低下すると加工糸に形成され
たループの大きさが大きくなる。そのため加工糸の中心
から2.5mm以上のループの数(ルーズループ数)
を、図5の工程において毛羽カウンター21により測定
することで嵩高付与加工性能の尺度とした。
【0029】実施例1 糸条A,B;いずれもナイロン70デニール、32フィ
ラメント 流体噴射ノズル: 圧空噴射孔テーパ開口角α=0゜〜25゜ 傾斜角θ=45゜ 導出孔部形状=図13と同じ(直線円錐形状) 供給圧縮空気圧力AP:AP=8kg/cm2 加工速度V;350m/min オーバーフィード率:AOF=12%, BOF=45
% 巻取倍率;WDR=9% ノズル後領域の張力T1と圧縮空気消費量比を図7のグ
ラフに示す。なお、圧縮空気消費量比はテーパ開口角α
=0の場合の消費量を1とした。
【0030】図7によると従来の圧空噴射孔が同一径の
細孔(α=0゜)の場合に比べ本発明のテーパ状圧空噴
射孔(α>0゜)の場合には大幅にノズル後領域の張力
T1が増加することがわかる。開口角αが大きくなるに
つれ張力T1は増加していくが、αが15゜を超えると
低下していく。一方、圧縮空気消費量はαが大きくなる
に従って増加し、αが10゜を超えると張力T1はほと
んど変わらずに圧縮空気消費量だけが増加してしまう。
以上のように、圧空噴射孔のテーパ開口角αは、好まし
くは0゜<α≦20゜、さらに好ましくは4゜≦α≦1
0゜の範囲で最も効率的に嵩高付与加工性能を増加させ
ることができる。
【0031】実施例2 糸条A,B:いずれもナイロン70デニール、32フィ
ラメン卜 流体噴射ノズル: 圧空噴射孔テーパ開口角α=7゜ 傾斜角θ=45゜〜65゜ 導出孔部形状=図13と同じ 供給圧縮空気圧力AP:AP=8kg/cm2 加工速度V:350m/min オーバーフィード率:AOF=12%,BOF=45% 巻取倍率:WDR=9% 毛羽カウンター:測定位置=糸軸より2.5mm 図8にこの実施例2の結果であるノズル後領域張力T
1、巻取張力T2、ルーズループ数比を示し、図9に糸
条Bのオーバーフィード率BOFを増加させた場合の断
糸限界比(限界オーバーフィード率比)を示す。なお、
図8のルーズループ数比は圧空噴射孔傾斜角θ=45゜
のときのルーズループ数を1とし、図9の限界オーバー
フィード率比では、傾斜角θ=45゜のときの限界オー
バーフィード率を1とした。
【0032】まず、図8のノズル後領域の張力T1は圧
空噴射孔中心軸の傾斜角θが50゜付近で最大となり6
0゜を超えると低下してしまう。巻取張力T2は傾斜角
θの増加に伴い増加していくが、50゜以上では変化し
なくなる。また、ルーズループ数はθが50゜付近で最
小となり、その前後で増加する。
【0033】一方、図9に示す限界オーバーフィード率
比は、傾斜角θが45゜〜55゜の範囲では率比0.8
〜1.0を保っているが、θが60゜を超えると低下し
てしまう。θが60゜より大きいと糸条の推進力が低下
し加工が不安定化してしまうのである。また、θが45
゜より小さいと逆に糸条への衝撃力が低下し糸条交絡能
の低下を招く。以上のように、圧空噴射孔の中心軸傾斜
角θは好ましくは45゜≦θ≦60゜、さらに好ましく
は47゜≦θ≦53゜の範囲で最も嵩高付与加工性能が
高くなっていることがわかる。
【0034】実施例3 糸条A,B:いずれもナイロン80デニール、72フィ
ラメント 流体噴射ノズル: 圧空噴射孔テーパ開口角α=7゜ 傾斜角θ=50゜ 導出孔部形状=図13と同じ 供給圧縮空気圧力AP:AP=8kg/cm2 加工速度V:250m/min オーバーフィード率:AOF=8%, BOF=30% 巻取倍率:WDR=5% この実施例においては、図5の工程において糸条A,B
それぞれのフィードローラー17,18と流体噴射ノズ
ル19間の張力(以下供給張力TA,TB)を測定する
ことでノズル19の糸条に対する推進力を調査した。
【0035】比較のために、実施例3において、流体噴
射ノズルとして、圧空噴射孔テーパ開口角αが0゜の細
孔、傾斜角θ=50゜のノズルを使用した。
【0036】以上の結果を表1に示す。表1に明らかな
ようにノズル出口領域の張力T1、巻取張力T2は適用
例の方が比較例よりも高くなっており、比較例に比べ本
発明によるノズルの方が嵩高付与加工性能が優ることを
示している。また、糸条A,Bの供給張力TA,TBに
ついても比較例より適用例の方が高いことから、本発明
のノズルは糸条の推進力が高いことを示している。
【0037】
【表1】 実施例4 糸条A,B:いずれもナイロン70デニール、32フィ
ラメント 流体噴射ノズル: 圧空噴射孔テーパ開口角α=7゜ 傾斜角θ=50゜ 導出孔部形状=図13と同じ 供給圧縮空気圧力AP:AP=8kg/cm2 加工速度V:340m/min〜550m/min オーバーフィード率:AOF=12%, BOF=45
% 巻取倍率:WDR=9% 毛羽カウンター:測定位置=糸軸より2.5mm 比較例として、図13と同じ本体形状で圧空噴射孔の開
口角α=0゜の細孔、傾斜角θ=50゜のノズルを使用
した。
【0038】図10、図11、図12にそれぞれ実施例
4と比較例のノズル後領域の張力T1、巻取張力T2、
及びルーズループ数比を示す。なお、図12のルーズル
ープ数比は、比較例のノズルにおいて加工速度340m
/minで加工した場合のルーズループ数を1とした。
【0039】まず、図10、図11のノズル後領域張力
T1と巻取張力T2において、実施例4、比較例ともに
加工速度の増加に伴い張力は低下していくものの、実施
例4は比較例2に比べ大幅に張力が高いため、比較例の
加工速度340m/minと同等の嵩高付与加工性能を
実施例4では加工速度500m/minで得ることがで
きる。また、図12に示したルーズループ数比において
は、比較例は加工速度の増加に伴い急激にルーズループ
数が増加していく。
【0040】実施例5 糸条A,B:いずれもナイロン70デニール、32フィ
ラメント 流体噴射ノズル:導電性セラミックス製 圧空噴射孔テーパ開口角α=7゜、傾斜角θ=50゜ 導出孔部形状=図13と同じ 供給圧縮空気圧力AP:AP=8kg/cm2 加工速度V:400m/min オーバーフィード率:AOF=12%,BOF=45% 巻取倍率:WDR=9% 水付与なし 毛羽カウンター:測定位置=糸軸より2.5mm 比較例としてノズルの構成材料としてアルミナ系の絶縁
性セラミックスを用いた他は、実施例5と同様に実施し
た。
【0041】ルーズループ数の比は、実施例5の場合が
1.0に対して、比較例の場合は、1.3であった。な
お、加工速度を400m/minより速くするのに従い
比較例のルーズループ数の比は1.3よりさらに大きく
なる傾向があることが判明した。これにより、ノズルの
構成材料として導電性セラミックを使用した場合の方
が、嵩高付与加工性に優れていることがわかる。
【0042】実施例6 糸条A,B:いずれもナイロン80デニール、72フィ
ラメント 流体噴射ノズル:糸条走行路導出孔部として膨出形状の
ものを使用 圧空噴射孔テーパ開口角α=7゜、傾斜角θ=50゜ 供給圧縮空気圧力AP:AP=8kg/cm2 加工速度V:250m/min オーバーフィード率:AOF=8%,BOF=30% 巻取倍率:WDR=5% この条件下での糸切れ回数を調査して、ノズル内面に汚
れが付着した場合の嵩高付与加工性能の低下の程度の尺
度とした。比較のために、糸状走行路導出孔部が図13
と同じ直線円錐状のものを使用し、それ以外は実施例6
と同様にした。
【0043】実施例6の場合は、糸切れ回数/延べ日数
の比は2/56であるのに対して、比較例の場合は、9
/56であった。このことから、実施例6が、比較例に
対して、長時間の加工時における嵩高付与加工性が優れ
ていることがわかる。
【0044】なお、前記実施例1〜5において、図1に
示す本体構造を有する流体噴射ノズルを使用した場合は
膨出形状の導出孔部との相乗効果により、高速加工の条
件下でも糸切れトラブルが少なく優れた交絡加工糸が得
られる。
【0045】
【発明の効果】本発明の流体噴射ノズルは、下記の性能
を発揮できる。
【0046】1.糸条走行路内の糸条に吹き付ける空気
流速が早くなるために嵩高付与加工性能を高くすること
ができるとともに、圧縮空気の圧力損失が少ないので、
多彩な交絡条件の変更が可能となり、より付加価値の高
い交絡加工糸を得ることができる。
【0047】2.ノズル内面に汚れが付着した場合の嵩
高性付与加工性能の低下を軽減することができ、ルーズ
ループ数が減少し、後加工における取り扱い性に優れた
嵩高加工糸が得られる。
【0048】3.水分を付与しない状況でも、糸切れ頻
度が少なく、ルーズループ数が少ない嵩高加工性に優れ
た流体噴射ノズルとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の流体噴射ノズルの実施例の要部を断
面によって示す。
【図2】 図1に示す圧空噴射孔の拡大図である。
【図3】 圧空噴射孔の取り付け箇所の変更例を示す。
【図4】 圧空噴射孔の取り付け箇所の他の変更例を示
す。
【図5】 本発明の流体噴射ノズルを適用した嵩高付与
加工装置の例を示す。
【図6】 交絡した糸条の嵩高性を説明する図である。
【図7】 加工張力と圧縮空気消費量比の圧空噴射孔の
開口角度との関係を示す。
【図8】 加工張力とルーズループ数比の圧空噴射孔の
傾斜角度との関係を示す。
【図9】 限界オーバーフィード率比の圧空噴射孔の傾
斜角度θとの関係を示す。
【図10】 本発明の流体噴射ノズルによる加工張力と
の関係を比較例と比較した図である。
【図11】 従来技術と本発明の流体噴射ノズルによる
加工張力と加工速度との関係を比較例と対比して示す図
である。
【図12】 本発明の流体噴射ノズルによるルーズルー
プ数比と加工速度依存性との関係を比較例と対比して示
す。
【図13】 従来の流体噴射ノズルの例を示す。
【符号の説明】
1 従来の流体噴射ノズル本体 2 ノズル入口 3 ノズル出口 4 糸条走行路 41 糸条走行路の導入孔部 42 糸条走行路の
細孔部 43 糸条走行路の導出孔部 44 導出孔部と細
孔部の連接部 45 導出孔部43の円錐形状の内面45 5 圧空噴射孔 6 ケーシング 61 圧空導入口 10 本発明の流体噴射ノズル本体 17,18 フィードローラー 19 流体噴射ノズル 20 デリベリローラー 21 毛羽カウンター 22 巻取パッケージ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長井 宏行 愛媛県松山市北吉田町77番地 帝人株式会 社松山事業所内 (72)発明者 能勢 健吉 石川県小松市今江町6丁目349番地 帝人 加工糸株式会社内 Fターム(参考) 4L036 AA01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸心方向に糸条を走行させる導入孔部と
    細孔部及び導出孔部とからなる糸条走行路と、糸条走行
    路内の糸条の走行方向に傾斜して圧縮空気を噴射する圧
    空噴射孔を設けたノズル本体を有する流体噴射ノズルに
    おいて、前記本体に設けた圧空噴射孔の内径を外側面か
    ら糸条走行路に向けて漸次縮径した流体噴射ノズル。
  2. 【請求項2】 圧空噴射孔の開口角αが、0°<α≦2
    0°である請求項1に記載の流体噴射ノズル。
  3. 【請求項3】 圧空噴射孔の中心軸の傾斜角θが、45
    ゜≦θ≦60゜である請求項1または2に記載の流体噴
    射ノズル。
  4. 【請求項4】 軸心方向に糸条を走行させる糸条導入孔
    部と細孔部及び糸条導出孔部とからなる糸条走行路を有
    し、糸条走行路内の糸条の走行方向に傾斜して圧縮空気
    を噴射する圧空噴射孔を形成した流体噴射ノズルにおい
    て、糸条導入孔部と糸条導出孔部の内孔を円錐状に形成
    するとともに、糸条導出孔部の円錐状内孔を外側面方向
    に膨出し、糸条と糸条導出孔部の内孔面との接触面を少
    なくした流体噴射ノズル。
  5. 【請求項5】 全体を耐摩擦性を有する高硬度で、且
    つ、糸条との摩擦によって静電気を帯びない導電性材料
    で一体的に形成した請求項1から4のいずれかに記載の
    流体噴射ノズル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103510231A (zh) * 2013-09-25 2014-01-15 吴江唯奇布业有限公司 一种络筒纱线毛羽减少装置
KR101400819B1 (ko) 2012-12-20 2014-06-02 주식회사 삼우에코 모터 냉각장치
US10573493B2 (en) 2009-10-26 2020-02-25 Applied Materials, Inc. Inductively coupled plasma apparatus

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