JP2003129349A - 糸条加工ノズル - Google Patents

糸条加工ノズル

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JP2003129349A
JP2003129349A JP2001320527A JP2001320527A JP2003129349A JP 2003129349 A JP2003129349 A JP 2003129349A JP 2001320527 A JP2001320527 A JP 2001320527A JP 2001320527 A JP2001320527 A JP 2001320527A JP 2003129349 A JP2003129349 A JP 2003129349A
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yarn
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alumina
zirconia
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Shigetoshi Ota
成利 太田
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Murata Machinery Ltd
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Murata Machinery Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】最適な材質及び、該材質を混合する際の重量比
率を選定することにより、糸条加工において、糸条の交
絡性や走行性を安定させると共に、耐摩耗性に優れた糸
条加工ノズルを提供すること。 【解決手段】糸条を通すための糸通路を備えた糸条加工
ノズル1(糸導入側部2と糸加工部側部3)は、アルミ
ナとジルコニアとからなり、重量比率において、アルミ
ナの重量比率がジルコニアの重量比率より高いものとす
る、特に、アルミナの重量比率を、65%〜75%とす
るのが、加工後の糸物性、走行する糸との摩擦に対する
糸条加工ノズル1(糸通路)の耐摩耗性の観点から最も
好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加圧流体(圧縮噴
射エアー等)の噴射力によって合成繊維などの糸にルー
プや絡みなどを生じさせ、糸条に嵩高性を持たせる糸条
加工ノズルに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば糸条を形成する合成繊
維フィラメント等を糸通路に通し、加圧流体の噴射力に
よってループや絡みを生じさせ、糸条に嵩高性を持たせ
る糸条加工用ノズルが公知となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記糸条加工用ノズル
は、そのノズルを構成する材質の違いによって、加工後
の糸条の品質に大きな差を生じさせ、例えば、糸条の交
絡性、走行性に違いが現れる。その結果、糸条の交絡
性、走行性を表す要素となる、加工された糸条を巻き取
る際の巻取張力、繊度(糸の太さ)、テナシティ(所定
長さの糸条の引っ張り強さ)、伸度に大きな変化を与え
ることとなる。更に、このノズルを構成する材質の違い
により、糸条加工時間によっては、糸通路における糸条
との摩擦によるノズル自身の耐摩耗性にも違いが現れる
こととなり、材質の選定、混合する際の重量比率によっ
ては、加工開始直後短時間でノズル表面(糸通路)が摩
耗し、糸の加工に影響を及ぼすことが考えられる。
【0004】本発明は上記課題に鑑みてなされたもの
で、最適な材質及び、該材質を混合する際の重量比率を
選定することにより、糸条加工において、糸条の交絡性
や走行性を安定させると共に、耐摩耗性に優れた糸条加
工ノズルを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明では、糸条に絡みやループを形
成するために、前記糸条を通す糸通路と、該糸通路に開
口した加圧流体噴射口とを備えた糸条加工ノズルであっ
て、アルミナとジルコニアとからなることを特徴として
いる。この発明では、硬度の高いアルミナと、粒子が細
かく、凹凸の少ないジルコニアとを適切な重量比率にて
混合することにより、糸条の交絡性及び走行性(物
性)、耐摩耗性に優れたノズルが得られる。
【0006】請求項2記載の発明では、上記アルミナと
ジルコニアとの重量比率において、アルミナの重量比率
がジルコニアの重量比率より高いことを特徴としてい
る。この発明では、アルミナの重量比率を高くしている
ことにより、糸条加工ノズルの耐摩耗性が向上する。
【0007】請求項3記載の発明では、上記アルミナと
ジルコニアとの重量比率において、アルミナの重量比率
が60%乃至85%とし、残りをジルコニアとしたこと
を特徴としている。この発明では、糸条加工ノズルの耐
摩耗性がより向上する。
【0008】請求項4記載の発明では、上記アルミナと
ジルコニアとの重量比率において、アルミナの重量比率
が65%乃至75%とし、残りをジルコニアとしたこと
を特徴としている。この発明では、加工開始直後の糸条
の物性が適正な範囲内となる。
【0009】請求項5記載の発明は、上記加圧流体噴射
口を境とする糸導入側部と糸加工部側部とから構成され
るものであり、前記加工部側部と前記糸導入側部とが付
き合わされて付き合わせ部分が形成され、その付き合わ
部分に一体化処理が施されていることを特徴としてい
る。この発明では、糸条加工ノズルの加工、特に該糸通
路に開口した加圧流体噴射口の加工を容易にすると共
に、糸加工部側部と前記糸導入側部とを隙間なく一体化
せしめて、油剤や塵埃等の侵入、堆積を防止する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
を用いて説明するが、本発明の趣旨を超えない限り、何
ら本実施の形態に限定されるものではない。
【0011】図1は、本発明の糸条加工ノズル1の側面
図、図2は糸条加工ノズル1を示す側面断面図、図3は
糸導入側部2の正面図、図4は糸条加工ノズル1の斜視
図、図5は糸条加工ノズル1に鞘糸及び芯糸を導入した
状態を示す図である。
【0012】まず、全体構造について説明する。本発明
に係る糸条加工ノズル1は、糸送り手段として例えば図
示しない送りローラ等により送り込まれた糸条(フィラ
メント)を通すための糸通路と、該糸通路に開口したエ
アー(加圧流体)噴射口とを備えたものであり、噴射口
からの噴射エアーの乱気流の作用と、前記糸通路を構成
する糸条加工ノズル1の内壁への衝突とにより糸条を加
工するものである。そして、糸条加工ノズル1は、図示
しないホルダ等の支持部材により覆われて所定位置にて
支持されている。本発明の糸条加工ノズル1について本
実施形態では、図1、図2に示すように加圧糸導入側部
2と糸加工部側部3との2部構成としたものを例に挙げ
て説明する。糸導入側部2は図1及び図2中において前
方(図1及び図2における左側を前方とする。以下同
様)から先端部2a、中間部2b、係止部2c、を連設
する構成としており、それぞれほぼ円筒形状で、先端部
2a、中間部2b、係止部2cの順に径が大きくなり、
先端部2aの前端にほぼ円錐状に形成された傾斜端面2
1を有している。また、先端部2aと中間部2bの接合
部は円錐状に形成されている。
【0013】また、該糸導入側部2の中心部には先端部
2a、中間部2b、係止部2cに跨る糸挿入孔20が穿
設されている。該糸挿通孔20は、前方より導入管路2
0a、連結路20b、入口路20cが連設する構成とさ
れ、先端部2a付近に位置するほぼ円筒形状の導入管路
20aは傾斜端面21の前端側に貫通しており、導入管
路20aの後方は連結路20bに連通して、連結路20
bは後方に向かって半径の大きくなる円錐形状とし、連
結路2bの後方は前記中間部2bの後方位置付近で入口
路20cに連通し、更に入口路20c後方に向かって半
径の大きくなる円錐形状で、後端は該糸導入側部2の後
端に貫通し、連結路20b及び入口路20cにより入口
部20iを形成している。
【0014】そして、本発明においては、図1乃至図4
に示すように、糸導入側部2の付き合わせ面となる、先
端部2aの傾斜端面21には複数(実施形態においては
3つの)エアー導入溝22・22…が設けられている。
エアー導入溝22・22…は図3(図3は先端部2aの
正面図で、中間部2b及び係止部2cは図示されていな
い。)に示すように先端部2aの傾斜端面21上のほぼ
等間隔に放射状に設けられ、その中心部において前記導
入管路20a(糸通路)の前端に連通している。また、
該エアー導入溝22・22…は図4に示すように、傾斜
端面21の壁面に、その断面形状を円形又は非円形状に
穿設されている。
【0015】一方、前記糸加工部側部3は加工部3a、
係止部3bにより構成されている。加工部3aはほぼ円
筒形状をしており、その後端側が後方に向かって半径の
小さくなる円錐状に形成されており、続いて前方側に向
かって加工部3aの内包側に付き合わせ面となる傾斜端
面31を有して受け部32を形成しており、該傾斜端面
31は前述した前記糸導入側部2の先端側2aの傾斜端
面21とほぼ形状が合うように付き合わされる構成とな
っている。更に、接着剤40を両傾斜端面21・31の
間に介在させており、これにより、糸条加工ノズル1の
加工、特に該糸通路に開口した加圧流体噴射口の加工を
容易にし、糸加工部側部3と前記糸導入側部2とを隙間
なく一体化せしめて、油剤や塵埃等の侵入、堆積を防止
する。該油剤や塵埃等の侵入、堆積の防止により、糸条
の交絡性の低下を防止でき、加工後の糸物性の向上が図
れる。
【0016】そして、該糸加工部側部3の中心部には糸
挿通孔30が穿設されている。該糸挿通孔30は、後方
より送出管路30a、糸加工路30bが連設する構成と
され、送出管路30aは傾斜端面31の前端側に貫通し
ており、送出管路30aの前方は糸加工路30bに連通
して、糸加工路30bは前方に向かって半径の大きくな
るテーパー状とし、前端は該糸加工部側部3の前端に貫
通している。ここで、前述の如く該糸導入側部2の傾斜
端面21にはエアー導入溝22・22…が設けられてい
るので、上記一体化された状態では、導入管路20a、
入口部20i、送出管路30a及び加工路30bからな
る糸通路と、該糸通路に開口し、加工部3aの内包側の
傾斜端面31、エアー導入溝22・22…からなるエア
ー噴射口とが形成されている。
【0017】尚、糸条加工ノズル1を構成する上記糸導
入側部2及び該糸加工部側部3の材質としては、アルミ
ナとジルコニアとが使用される。これは、硬度の高いア
ルミナを使用することにより、上記糸通路における糸と
の摩擦に対する耐久力(ノズル1の耐摩耗性)に寄与
し、他方、分子の粒子が細かく、表面の凹凸の少ないジ
ルコニアを使用することにより、糸条加工ノズル1表面
を研磨により鏡面にすることができ、糸の走行の特性に
寄与するからである。これらを混合する重量比率を適切
に選択することにより、加工される糸の交絡性、走行性
等の特性及びノズル1の耐摩耗性を向上させることがで
きる。
【0018】以上の如く構成された本発明の糸条加工ノ
ズルにおいて、例えば糸導入側部2の糸挿通孔20に合
成繊維等のフィラメントヤーンが送り込まれる。この
時、図5に示すように糸挿通孔20内には、鞘糸50と
芯糸51が導入される。芯糸51は水分を含んだ状態で
送り込まれる。
【0019】そして、加圧流体は前記エアー導入溝(エ
アー吹き出し口)22・22…内を通って、導入管路2
0a(又は送出管路30a)内に噴出される。この時、
図示しない送りローラ等により、後方の糸導入側部2内
の糸挿通孔20内に送り込まれる前記鞘糸50及び芯糸
51が、噴出される噴射エアーにより、導入管路20a
から送出管路30aを通過して前方の糸加工路30b内
に勢いよく送り出される。
【0020】そして、前記送出管路30aから糸加工路
30b内で、噴射エアーの乱気流の作用によりその構成
フィラメントがほぐされつつ、送出管通路30a、糸加
工路30b等の糸通路を構成する糸条加工ノズル1の内
壁に衝突して、且つ、図示のように、下流側の、糸加工
路30bから出た両糸50・51の糸道をほぼ直角方向
に屈曲させていることにより、更に激しく運動して、フ
ィラメントの絡みやループが形成され、嵩高性を増し、
そして、両糸50・51が絡み合い1本の糸となって糸
加工路30bから外方に送り出されるのである。尚、本
実施形態のように糸条加工に使用する加圧流体は一般的
に圧縮された噴射エアーを用いるが、水分等を含んだ加
圧流体を用いることも可能である。
【0021】このように、送出管路30aの前方にほぼ
円錐形状の糸加工路30bを連通する構成としているの
で、該送出管路30a内で圧縮され高速に噴出される噴
射エアーが、糸加工路30b内で一気に半径の広がる方
向に流出し、両糸50・51を効果的に絡ませ、ループ
を形成させるので、嵩高性を充分に加えることが可能と
なる。
【0022】次に、上述した加工ノズルの糸加工原理に
基づいて、糸条加工ノズル1(糸導入側部2及び該糸加
工部側部3)においてアルミナ、ジルコニアの重量比率
を各々変更し、その変更毎に各々加工開始直後、加工開
始72時間後の加工された糸物性(交絡性、糸の走行
性)と加工前の糸(原糸)とを、巻取張力、繊度、テナ
シティ、伸度の観点から測定した結果を下の表1に示
す。尚、以下の測定の加工条件としては、鞘糸50及び
芯糸51として、ナイロン160D/96f(繊度が1
60デニールでフィラメント数が96本)を使用し、加
工速度を350m/分、ノズル(噴射エアー)圧力を
0.9MPaとしている。更に、鞘糸50、鞘糸51は
加工速度に対して各々50%、22%のオーバーフィー
ド率で糸条加工ノズル1に供給されている。また、アル
ミナ、ジルコニアの重量比率は、糸条加工ノズル1の加
工前、加工後にかかわらず、ほぼ変化しないため、ノズ
ル1を加工する前に、両者を混合した際の重量比率をそ
のままノズル1における両者の重量比率とする。
【0023】
【表1】
【0024】ここで、表中の巻取張力は、糸の交絡が強
いほど高くなるものであり、巻取張力が高いほど糸の性
能はよいと判断する。繊度は、加工後の値が大きいほど
糸の交絡は強い。この測定では糸を加工速度以上にオー
バーフィードして糸条加工ノズル1に供給しているた
め、加工後の繊度が大きいほど、ノズル1の性能が高く
交絡が強いといえる。テナシティは、糸の交絡が強いほ
ど鞘糸50は芯糸51の中にも潜り込み、強力に寄与で
きないので、テナシティは低下することとなる。従っ
て、テナシティの低いものほど交絡は強いといえる。伸
度は、交絡が強いほど原糸(加工前の糸)のもつ本来の
伸度より鞘糸50、芯糸51の交絡で加工後の糸は低下
することとなり、従って、伸度が低いものほど交絡は強
いといえる。
【0025】表1を見てみると、アルミナ、ジルコニア
の重量比率が各々40%、60%の場合、例えば、巻取
張力において、31.0から21.0への変化から分か
るように、糸加工開始直後の各数値に対して、加工開始
直後72時間後の各数値共大幅に変化し、しかも糸物性
の劣化の傾向にある。この場合、加工時間経過に伴っ
て、各糸加工錘間、機台間の特性のバラツキは大きくな
ることが憂慮される。
【0026】また、アルミナの重量比率を高く(ジルコ
ニアの重量比率を小さく)すればするほど、糸加工開始
直後の各数値と糸加工開始72時間後の各数値との差
(糸物性の劣化の度合い)が小さく、時間経過に伴う糸
物性の変化が小さいという結果が得られた。例えば、ア
ルミナ、ジルコニアの重量比率が各々40%、60%の
場合、巻取張力において、31.0から21.0へ10
g変化しているのに対し、アルミナ、ジルコニアの重量
比率が各々80%、20%の場合、巻取張力では、2
6.5から25.0への1.5gの変化にとどまってい
る。測定の結果、アルミナの重量比率をジルコニアの重
量比率よりも大きくしたあたりから結果は良好なものと
なった。
【0027】しかしながら、アルミナの重量比率を高く
(ジルコニアの重量比率を小さく)すればするほど、糸
加工開始直後の各数値共糸物性は劣化の傾向を示してい
る。特に、アルミナ、ジルコニアの重量比率が各々70
%、30%の場合と80%、20%の場合の糸加工開始
時の変化を比較すると、例えば巻取張力は1.5g低下
し、伸度は0.4%増加する等、各々劣化の傾向が増大
しており、糸加工開始直後の糸物性という観点から判断
すると、アルミナ、ジルコニアの重量比率80%、20
%は好ましいとは言い難く、アルミナの重量比率85%
を超えたあたりでは、糸加工開始直後の糸物性の劣化の
度合いが著しいものとなった。この測定からは、アルミ
ナ、ジルコニアの重量比率が各々70%、30%の場合
は、糸加工開始直後、72時間経過後いずれの数値共適
当な範囲内であり、測定の結果、アルミナの重量比率7
5%までが良好であった。これは、分子の粒子が細か
く、表面の凹凸の少ないジルコニアをある程度含有して
いることにより、研磨加工によってノズル1(糸通路)
表面を凹凸の少ない鏡面としているため、糸の走行を円
滑にして、走行性を向上させたと考えられる。
【0028】次に、上述した、糸条加工ノズル1(該糸
導入側部2、該糸加工部側部3)においてアルミナ、ジ
ルコニアの重量比率の違いによる糸条加工ノズル1の硬
度を比較した結果を以下の表2に示す。
【0029】
【表2】
【0030】更に、上述した硬度の比較の場合と同様の
パターンで、アルミナ、ジルコニアの重量比率を変更
し、それぞれ、1ヶ月運転(糸加工)を行った後の糸条
加工ノズル1(糸通路の)摩耗状況を以下の表3に示
す。
【0031】
【表3】
【0032】上表に示す通り、1ヶ月運転(糸加工)を
行った後、アルミナ、ジルコニアの重量比率が各々40
%、60%の場合、図5のA部(ハッチング部分)に糸
との摩擦による傷が発生した。また、アルミナ、ジルコ
ニアの重量比率が各々60%、40%とした場合には、
アルミナ、ジルコニアの重量比率各々40%、60%の
場合と同様に図5A部に傷が発生したが、摩耗(傷)の
度合いは小さなものであった。次に、アルミナの重量比
率65%あたりから傷の発生は抑えられ、更に、アルミ
ナ、ジルコニアの重量比率が各々70%、30%及び8
0%、20%の場合はほとんど目立った傷は発生しなか
った。これらの結果から、糸条加工ノズル1におけるア
ルミナの含有量(重量比率)を高くするほど、糸条加工
ノズル1の耐摩耗性は向上し、しかもジルコニアの重量
比率よりもアルミナの重量比率が高くなるよう混合する
ことにより良好な結果が得られた。これは、表2に示す
ように、アルミナの重量比率が高いほど、糸条加工ノズ
ル1の硬度は高くなっていることから、アルミナ自身の
硬度の高さが糸条加工ノズル1の硬度に寄与しているた
めであると考えられる。これにより、糸通路の傷の発生
箇所での異物の堆積を抑制することができ、糸物性への
影響を最小限にし、糸の走行性、交絡性を安定させるこ
とができる。
【0033】これらの結果より、糸加工における糸物性
という観点からは、アルミナの重量比率85%以下で、
残りをジルコニアとした場合が好ましく、糸条加工ノズ
ル1の耐摩耗性という観点をも加味して総合的に評価す
れば、糸条加工ノズル1におけるアルミナ、ジルコニア
の重量比率としては、アルミナの重量比率を60%〜8
5%として残りをジルコニアとするのが好ましく、より
好ましくは、アルミナの重量比率を65%〜75%とし
て残りをジルコニアとするのがよいといえる。
【0034】ここで、上記実施形態以外に、一体化処理
については、これに限定されるものではなく、焼き付け
加工により、例えば、両傾斜端面21・31のいずれか
に接着用の塗料を塗布した後に、傾斜端面31は前述し
た前記糸導入側部2の先端側2aの傾斜端面21と形状
を合わせて付き合わせ部分を形成し、前記塗料を塗布し
た箇所を高温に加熱して塗膜を硬化させることにより一
体化処理されたものでもよい。更には、始めから一体構
造のノズルとし、糸導入側部と糸加工部側部とを形成
し、該一体構造のものにおいて、エアー噴射口のための
孔を後から穿設したものや、ノズルを糸導入側部材と糸
加工部側部材とから構成される分割式とし、該糸導入側
部材の一端面に溝を形成すると共に、該糸加工部側部材
の一端面を前記糸導入側部材の一端面と密閉状に係合さ
せて、エアー吹き出し口(噴射口)を形成し、両者をホ
ルダ、ピン等により固定する構成としたものでもよい。
【0035】また、本実施形態では糸挿通孔20内に
は、化学繊維などのフィラメントヤーンの鞘糸50と芯
糸51を導入しているが、天然繊維等のスパンヤーンを
導入してもよいし、1本の糸のみを導入したり、糸種の
異なる複数の糸を導入してもよい。また、芯糸51は必
ずしも水分を含んだ状態で送り込まれることに限定され
ず、水分を含まない状態で送り込まれてもよい。
【0036】また、本発明は、上記した糸条加工ノズル
1に限られるものではなく、糸送り手段として例えば図
示しない送りローラ等により送り込まれた糸条(フィラ
メント)を通すための糸通路と、該糸通路に開口したエ
アー(加圧流体)噴射口とを備えたものであり、噴射口
からの噴射エアーの乱気流の作用と、前記糸通路を構成
する糸条加工ノズルの内壁への衝突とにより糸条を加工
するものであれば、適用できるものである。
【0037】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されるので、
以下のような効果を奏する。
【0038】請求項1記載の発明によれば、適切な糸条
の交絡性及び走行性、耐摩耗性に優れたノズルが得られ
る。
【0039】請求項2記載の発明によれば、糸条加工ノ
ズルの耐摩耗性が向上し、時間経過に伴う加工後の糸条
の物性の劣化の度合いが小さくなる。
【0040】請求項3記載の発明によれば、糸条加工ノ
ズルの耐摩耗性がより向上する。
【0041】請求項4記載の発明によれば、加工開始直
後の糸条の物性がより適正な範囲内となる。
【0042】請求項5記載の発明によれば、糸加工部側
部と前記糸導入側部とを隙間なく一体化せしめて、油剤
や塵埃等の侵入、堆積を防止することにより、糸条の交
絡性及び走行性の低下を防止でき、加工後の糸物性の向
上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の糸条加工ノズルの側面図である。
【図2】糸条加工ノズルを示す側面断面図である。
【図3】糸導入側部材の正面図である。
【図4】糸条加工ノズルの斜視図である。
【図5】糸条加工ノズルに鞘糸及び芯糸を導入した状態
を示す図である。
【符号の説明】
1 糸条加工ノズル 2 糸導入側部 3 糸加工部側部 20 糸挿通孔 20a 導入管路 20b 連結路 22 エアー導入溝 30 送出管路 30a 糸挿通路 30b 加工路 40 接着部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】糸条に絡みやループを形成するために、前
    記糸条を通す糸通路と、該糸通路に開口した加圧流体噴
    射口とを備えた糸条加工ノズルであって、アルミナとジ
    ルコニアとからなることを特徴とする糸条加工ノズル。
  2. 【請求項2】上記アルミナとジルコニアとの重量比率に
    おいて、アルミナの重量比率がジルコニアの重量比率よ
    り高い請求項1記載の糸条加工ノズル。
  3. 【請求項3】上記アルミナとジルコニアとの重量比率に
    おいて、アルミナの重量比率が60%乃至85%とし、
    残りをジルコニアとした請求項2記載の糸条加工ノズ
    ル。
  4. 【請求項4】上記アルミナとジルコニアとの重量比率に
    おいて、アルミナの重量比率が65%乃至75%とし、
    残りをジルコニアとした請求項2記載の糸条加工ノズ
    ル。
  5. 【請求項5】上記加圧流体噴射口を境とする糸導入側部
    と糸加工部側部とから構成されるものであり、前記加工
    部側部と前記糸導入側部とが付き合わされて付き合わせ
    部分が形成され、その付き合わ部分に一体化処理が施さ
    れている請求項1乃至4のうちいずれか一項記載の糸条
    加工ノズル。
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