JPWO2012026063A1 - 固体電解質の製造方法 - Google Patents

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Abstract

重合によって導電性高分子となる材料が液媒体中に分散して成る重合液を調製し、該重合液に基体を浸け、重合液と基体とを相対的に揺動させながら電解重合を行うことを含む、固体電解質の製造方法。陽極体表面に誘電体層を形成し、前記固体電解質の製造方法によって、誘電体層が形成された陽極体上に固体電解質層を形成させ、さらにその上に導電体層を導電性ペーストを用いて積層させ、得られた素子を樹脂で封止することによって、固体電解コンデンサを得る。

Description

本発明は、固体電解質の製造方法ならびに固体電解コンデンサの製造方法に関する。より詳細に、本発明は、低溶解度の重合原料を用いた場合でも、特性のバラツキが小さい固体電解質を数少ない重合操作の繰返しで製造する方法ならびにESR等の特性のバラツキが小さい固体電解コンデンサを製造する方法に関する。
固体電解質は、例えば、コンデンサや電池の電極に用いられている。例えば、固体電解コンデンサ素子は、多孔質の陽極体の表面に誘電体層を形成し、その上に固体電解質層および導電体層をこの順で積層することによって作製される。
固体電解質層には、様々なものが使用されている。代表的な固体電解質層としては、導電性高分子からなるものが知られている。導電性高分子からなる固体電解質層は、例えば、重合によって導電性高分子となる材料を含有する溶液において重合を行うことによって製造できる。ところが、重合法で得られる導電性高分子からなる固体電解質層を備えた固体電解コンデンサは、ESRなどの特性のバラツキが大きくなり、低い歩留まりになりやすく、その解決が望まれていた。なお、当該重合法としては化学酸化重合法、気相重合法、電解重合法などがある。
特許文献1は、重合性モノマーと酸化剤と溶媒とを振動を与えて混合し、その直後にコンデンサ素子をこの重合液に浸漬することによって化学酸化重合反応を行うことを含む固体電解コンデンサの製造方法を開示している。
特許文献2は、モノマーに酸化剤を溶解させて重合溶液を得る第一工程と、該重合溶液を撹拌する第二工程と、撹拌後の重合液にコンデンサ素子を浸漬する第三工程とを有する固体電解コンデンサの製造方法を開示している。
導電性高分子からなる固体電解質層の形成においては、特許文献1または特許文献2のように、重合反応開始の直前に重合液の撹拌を行い、重合反応中は重合液を静置するのが一般的である。これは、重合液の液面が乱れると、固体電解質が形成される範囲が不明瞭になり、固体電解質の特性にバラツキを生じ、ひいては固体電解コンデンサの特性のバラツキを大きくすると考えられているためである。
特許文献3または4は、多孔質基体表面に酸化皮膜を形成し、該酸化皮膜上に超音波を照射しながら化学酸化重合または電解酸化重合を行うことによって、導電性高分子からなる固体電解質層を形成する工程を有する固体電解コンデンサの製造方法を開示している。特許文献3または4に記載の製造方法は、キャビテーションが起きず且つコンデンサ素子に損傷を与えない程度の超音波を照射して、多孔質基体の細孔内にモノマーや酸化剤が十分にいきわたるようにして、固体電解質の特性のバラツキを抑制することを狙っている。
特開2002−260964号公報 特開2001−196279号公報 特開2001−135550号公報 特開2000−100665号公報
ところで、固体電解質の製造に用いられる重合液には、重合によって導電性高分子となる材料(以下、「重合原料」と表記することがある。)が含まれている。該重合原料には、重合液に用いられる液媒体(例えば、水など)への溶解度が低いものがある。そのため、低溶解度の重合原料を用いた場合には、低い重合原料濃度の溶液を用いる重合操作を数多く繰り返さないと、十分な量の固体電解質を形成することができない。
そこで、本発明は、低溶解度の重合原料を用いた場合でも、特性のバラツキが小さい固体電解質を数少ない重合操作の繰返しで製造する方法を提供することを課題とするものである。さらに、本発明は、ESR等の特性のバラツキが小さい固体電解コンデンサを製造する方法を提供することを課題とするものである。
本発明者らは、重合操作の繰返し回数を減らすために、低溶解度の重合原料を液媒体に分散させてなる重合液を調製し、この重合液を重合に用いることを検討した。ところが、液媒体中に分散している重合原料の微粒子が凝集したり、導電性高分子が異常成長したりして、固体電解質層を度々不均一にすることが判った。
そこで、本発明者らは、この問題を解決するために鋭意検討を行った。その結果、重合によって導電性高分子となる材料が液媒体中に分散されてなる重合液中に基体を浸け、次いで重合液と基体とを相対的に揺動させながら電解重合を行うと、液媒体中に分散している重合原料の微粒子の凝集や導電性高分子の異常成長が抑制されて、特性のバラツキが極めて小さい固体電解質を数少ない重合操作の繰返しで製造できることを見出した。そして、上記のような方法で製造した固体電解質層を備えた固体電解コンデンサはESRなどの特性のバラツキが顕著に小さくなることを見出した。本発明は、これらの知見に基づきさらに検討を重ねることによって完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は以下の態様を含む。
〔1〕 重合によって導電性高分子となる材料が液媒体中に分散して成る重合液を調製し、 該重合液に基体を浸け、 重合液と基体とを相対的に揺動させながら電解重合を行うことを含む、 固体電解質の製造方法。
〔2〕 揺動の周期が1〜240Hzである前記〔1〕に記載の固体電解質の製造方法。
〔3〕 揺動の周期が重合液の液面に定在波を生じさせない周期である前記〔1〕または〔2〕に記載の固体電解質の製造方法。
〔4〕 揺動によって重合液の液面に生じる波の高さが0.01〜1mmである前記〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の固体電解質の製造方法。
〔5〕 揺動が重合液を動かすことによって行われる前記〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の固体電解質の製造方法。
〔6〕 揺動が重合液の液面に対して鉛直な方向の運動成分を含む前記〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の固体電解質の製造方法。
〔7〕 重合によって導電性高分子となる材料が重合性モノマーを含む前記〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載の固体電解質の製造方法。
〔8〕 重合によって導電性高分子となる材料が重合性モノマーおよびドーパントを含む前記〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の固体電解質の製造方法。
〔9〕 重合性モノマーが、チオフェン、ピロール、アニリン、フランまたはそれらの誘導体である、前記〔7〕または〔8〕に記載の固体電解質の製造方法。
〔10〕 基体に這い上がり防止板を取り付けることを含む前記〔1〕〜〔9〕のいずれか1項に記載の固体電解質の製造方法。
〔11〕 這い上がり防止板の厚みおよび這い上がり防止板と基体上面との隙間の合計が、揺動によって重合液の液面に生じる波の高さ以上である前記〔10〕に記載の固体電解質の製造方法。
〔12〕 揺動が、360°以下の角度で正逆回転を繰り返す動き、直線揺動、円心揺動または球心揺動である前記〔1〕〜〔11〕のいずれか1項に記載の固体電解質の製造方法。
〔13〕 重合液の温度を−25〜60℃にする、前記〔1〕〜〔12〕のいずれか1項に記載の固体電解質の製造方法。
〔14〕 重合液の溶媒が水である、前記〔1〕〜〔13〕のいずれか1項に記載の固体電解質の製造方法。
〔15〕 重合液は、分散剤および/または支持電解質をさらに含む前記〔1〕〜〔14〕のいずれか1項に記載の固体電解質の製造方法。
〔16〕 前記〔1〕〜〔15〕のいずれか1項に記載の方法で基体表面上に固体電解質層を形成することを含む固体電解コンデンサの製造方法。
〔17〕 基体が、表面に誘電体層が形成された固体電解コンデンサ用陽極体である前記〔16〕に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
〔18〕 陽極体が、弁作用金属の焼結体である前記〔17〕に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
〔19〕 弁作用金属が、タンタル、ニオブ、チタン、ジルコニウムまたはこれらのいずれかを含む合金である、前記〔18〕に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
〔20〕 陽極体が多孔質体からなる前記〔17〕〜〔19〕のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
本発明の製造方法によると、液媒体中に分散している重合原料の微粒子の凝集や導電性高分子の異常成長が抑制され、特性のバラツキが極めて小さい固体電解質を数少ない重合操作の繰返しで製造できる。
そして、本発明の方法で製造した固体電解質層を備えた固体電解コンデンサはESRなどの特性のバラツキが著しく小さい。
陽極体を重合液に浸ける方法に関する実施形態の一例を示す図である。
本発明に係る固体電解質の製造方法は、重合によって導電性高分子となる材料が液媒体中に分散して成る重合液を調製し、 該重合液中に基体を浸け、 重合液と基体とを相対的に揺動させながら電解重合を行うことを含むものである。
本発明に用いられる重合液は、重合によって導電性高分子となる材料(重合原料)が液媒体中に分散して成るものである。
重合原料としては、重合性モノマー、ドーパントなどが挙げられる。
重合性モノマーとしては、例えば、チオフェン、ピロール、アニリン、フランおよびそれらの誘導体などが挙げられる。
ドーパントとしては、p−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸鉄、p−トルエンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸およびその塩、ナフタレンスルホン酸およびその塩、イソプロピルナフタレンスルホン酸、イソプロピルナフタレンスルホン酸鉄、イソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルナフタレンスルホン酸およびその塩、アントラキノンスルホン酸およびその塩、リン酸およびその塩などが挙げられる。
さらに、重合液には、エチレングリコール、グリセリンなどの分散剤、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの支持電解質などが含まれていてもよい。
重合液に使用する液媒体としては、通常、水、またはアルコール等の有機溶媒が挙げられる。これらのうち、取り扱いのし易さから、水が好ましい。但し、水には、有機溶媒が必要に応じて混ぜられていてもよい。
重合液における、重合原料の含有量は、前記液媒体に溶解可能な量よりも多くする。重合原料の含有量が多くなれば、1回の重合操作で得られる固体電解質の量が多くなる。含有量の上限は、重合原料が液媒体に分散可能であれば、特に限定されない。
重合液の調製方法は特に限定されない。例えば、液媒体に重合原料等を直接に添加し、撹拌することによって重合原料を分散させることを含む調製方法、重合原料等の有機溶媒溶液を液媒体である水等に添加し、撹拌することによって、重合原料を分散させることを含む調製方法などが挙げられる。
なお、後述する電解重合を行っている間も、重合原料が液媒体中に分散した状態を維持するために、必要であれば重合液の攪拌を行うことができる。重合原料の分散が維持されるならば攪拌の方法は特に制限されない。
基体を浸けるときおよび電解重合を行っているときにおける重合液の温度は、使用する重合原料に合わせて決定すればよく、通常、−25℃〜60℃の範囲である。
次に、本発明の製造方法では、基体を重合液に浸ける。
本発明に用いられる基体は、生成する固体電解質を物理的に保持可能なものであれば特に制限されない。従来の電解重合法において用いられているものを基体として使用することもできる。基体は電解を行うためにある程度の導電性を有する材料で形成されていることが好ましい。
固体電解コンデンサの製造においては、基体として、表面に誘電体層が形成された固体電解コンデンサ用陽極体を用いる。該陽極体は、多孔質の焼結体からなるものが好ましい。この焼結体は、弁作用金属の焼結体または導電性酸化物の焼結体であることが好ましく、弁作用金属の焼結体であることがより好ましい。前記弁作用金属としては、タンタル、ニオブ、チタン、ジルコニウムおよびそれらのいずれかを含む合金などが挙げられる。前記導電性酸化物としては、酸化ニオブなどが挙げられる。陽極体には、陽極リードとの接続を容易にするために、陽極部を形成しておくことが好ましい。陽極部は、陽極体の一部に陰極部を構成しない部分を残したもの、あるいは、陽極体から引き出されている陽極リード線でもよい。陽極体の大きさは求められる固体電解コンデンサの大きさに応じて適宜選択できる。
誘電体層は、例えば、前記陽極体の表面を陽極酸化することによって形成される。陽極酸化の方法は特に制限されない。多孔質体からなる陽極体を用いた場合には誘電体層は多孔質体の細孔内の表面にも誘電体層が形成される。
重合液に基体を浸ける方法は、従来の電解重合法における浸け方と同じでよい。固体電解コンデンサの製造においては、陽極部を除いた陽極体全体が浸かるようにするのが好ましい。
また、陽極体を重合液に浸ける際に、基体に這い上がり防止板を取り付けることができる。這い上がり防止板は、中央に陽極部を貫通させることができる孔が穿たれた板である。陽極部を該孔に嵌め合せることによって、重合液が表面張力によって陽極部に這い上がるのを防止できる。這い上がり防止板を取り付けた陽極体を用いる場合は、図1に示すように、少なくとも陽極体1の全体が、好ましくは這い上がり防止板3の下面3aが重合液40に漬かるようにする。陽極部(陽極リード線)2における這い上がり防止板3が嵌合された部位よりも上方の部分が重合液40に漬からないようにするのが好ましい。這い上がり防止板3は、陽極体1の上面1aに対して隙間dを介して配置されている。この隙間dの寸法は、20μm〜200μmが好ましい。この工程において、重合液40は、陽極リード線2の表面上をしみ上がろうとするが、這い上がり防止板3によってこのしみ上がりが防止されるので、陽極リード線2における這い上がり防止板3が嵌合された部位よりも上方の部分には、固体電解質層が形成されない。
また、後述する揺動によって液面に波が生じることがある。そのような場合は、揺動によって生じる波の高さ(以下、「波高」と表記することがある。)を考慮して、基体の浸漬深さを調整するのが好ましい。固体電解コンデンサを製造する場合、前述の這い上がり防止板の厚み及び隙間dの合計は、好ましくは波高以上であることが好ましい。このようにすると、這い上がり防止板の上面が重合液に沈まず、かつ、基体上面が重合液から出ないようにすることができる。
次に、本発明の製造方法では、重合液と基体とを相対的に揺動させながら電解重合を行う。
電解重合は、常法に従って電圧の印加を行えばよい。電解重合では、定電圧法、定電流法、電位掃引法、またはそれらの方法を組み合わせた方法を用いることができる。
本発明における、揺動としては、360°以下の角度で正逆回転を繰り返す動き、一定ストロークの往復運動(直線揺動)、回転する動きに円弧に沿った動きを加えた動き(円心揺動)、回転する動きに球面に沿った動きを加えた動き(球心揺動)が挙げられる。
本発明においては、重合液と基体とが相対的に揺動するならば、重合液または基体のいずれを動かしてもよいが、重合液を動かす方が重合液の撹拌と揺動とを兼ねることができるので好ましい。
例えば、重合液中で周期的に往復運動をする平面板や攪拌羽を動作させることによって前述の揺動または攪拌を行うことができる。
揺動の周期は、好ましくは1〜240Hz、より好ましくは3〜120Hz、さらに好ましくは10〜60Hzである。この範囲内であれば、導電性高分子の異常成長を抑制でき、且つ基体に損傷を与えない。
さらに、揺動の周期は、重合液の液面に定在波を生じさせない周期であることが好ましい。定在波が生じると、波高が場所によって異なってしまうので、基体の浸漬位置の調製などが必要になる。
揺動は、重合液の液面に対して鉛直な方向の運動成分を含むことが好ましい。揺動に鉛直方向の運動成分があると、重合液の液媒体中に分散している重合原料の微粒子が基体または生成中の固体電解質に付着し難い。また、揺動によって重合液の液面に生じる波の高さは、好ましくは0.01〜1mm、より好ましくは0.03〜0.3mmである。液面付近で行われる重合では、この波高を、揺動の重合液の液面に対して鉛直な方向の運動成分とみなすことが出来る。
電解重合終了後、重合液から基体を引き上げ、必要に応じて、洗浄や乾燥を行うことができる。また、重合液の調製、基体の重合液への浸漬、および電解重合の一連操作は、複数回繰返して行うことができる。
以上のようにして、基体表面上に特性のバラツキが極めて小さい固体電解質層を形成することができる。
本発明の固体電解コンデンサの製造方法では、本発明の固体電解質の製造方法によって、表面に誘電体層が形成された固体電解コンデンサ用陽極体の表面上に固体電解質層を形成することが好ましい。そして、固体電解質層の上に導電体層が通常積層される。導電体層としては、導電性カーボン層、導電性金属層などがある。導電体層としては、導電性カーボン層と導電性金属層とが積層されたものが好ましい。また、固体電解質層に接する導電体層は導電性カーボン層であることが好ましい。固体電解質層および導電体層は、通常、陽極部を除いた陽極体の外周面を覆うように形成される。固体電解質層および導電体層によって陰極部が構成される。
以上のようにして得られた固体電解コンデンサ素子を、公知の方法に従って、リードフレームに接続し、樹脂等によって封入する。このようにして得られた固体電解コンデンサは必要に応じてエージングを行うことができる。また、固体電解質層を形成した後や導電体層を形成した後などに、修復化成処理を行うことができる。このエージングや修復化成処理によって、上記製造工程で熱的および/または機械的負荷が掛かった誘電体層の修復を行うことができる。
本発明の製造方法で得られる固体電解コンデンサは、例えば、CPUや電源回路などの高容量のコンデンサを必要とする回路に好ましく用いることができる。これらの回路は、パソコン、サーバー、カメラ、ゲーム機、AV機器、携帯端末などの各種デジタル機器や、各種電源などの電子機器に利用可能である。本発明の製造方法で得られる固体電解コンデンサはESR等の物性のバラツキが極めて小さいことから、これを搭載することによって、設計がしやすい安定した電子回路および電子機器を得ることができる。
次に実施例および比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。なお、これらは本発明を説明するための単なる例示であって、本発明はこれらによって制限されるものではない。
(実施例1)
1)重合液の調製
3,4−エチレンジオキシチオフェン0.4質量部、アントラキノンスルホン酸0.3質量部、水30質量部およびエチレングリコール70質量部を混ぜ合わせ、3,4−エチレンジオキシチオフェンが液媒体中に分散してなる重合液を得た。
重合液を重合容器(底面はステンレス製、側面はガラス製、幅220mm、奥行き140mm、液深20mm)に入れ、液温を20℃に調節した。
重合容器の下にマグネチックスターラー(株式会社アイシス、リモ−トマルチ60+20C型)を設置し、重合容器の中に、太さ5mmφ×長さ14mmの攪拌子を、間隔33mmで6×4列で24個配置した。前記マグネチックスターラーは、撹拌子を連続回転させるモードと、撹拌子を90°の角度で正逆回転を繰り返す動きをさせるモードとを有するものである。
2)陽極体の作製
ニオブ粉(CV値410000μF・V/g、酸素含有量2.2質量%、窒素含有量0.83質量%)を0.15mmφのタンタルリード線と共に成形した。その後、1240℃で焼成して、大きさ0.43mm×0.53mm×0.8mmの焼結体を得、これを陽極体とした。なお、タンタルリード線は、焼結体の0.43mm×0.53mmの面の中央に植設され、焼結体内部に長さ0.6mmが埋まり、外部に長さ10mmが露出していた。
このような陽極体192個をリード線先端で支持体に固定し、以降の処理を、各陽極体に対して同時に行った。なお、支持体に固定された各陽極体は、間隔2.54mmで64×3列で配置させ、それらのリード線の植設面が上面となっており、かつ、同一平面内にあるようにした。
陽極体と、リード線の植え付け根本から約5mm上の部分までとを、70℃の1質量%燐酸水溶液に浸け、8Vで3時間電解化成した。次にそれを水洗し、乾燥させて、表面に誘電体層が形成された陽極体を得た。
3)固体電解質層の形成
この誘電体層が形成された陽極体を、20質量%3,4−エチレンジオキシチオフェンのエタノール溶液に、リード線植設面と液面とが同じ高さになる位置まで浸漬した。
次に、前記エチレンジオキシチオフェンのエタノール溶液に浸漬した陽極体を、前記重合容器に入れた重合液に、リード線植設面と液面とが同じ高さになる位置まで浸漬し、電解重合を行った。該電解重合では、定電流電源の陽極に陽極体のリード線を電気的に接続し、前記電源の陰極に重合容器の底面を電気的に接続し、1個の陽極体に流れる電流量を、最初の15分間(0〜15分)は1μA、次の15分間(15〜30分)は4μA、その後の30分間(30〜60分)は3μAとなるように調整した。ただし、前記電源より供給される電圧の最大値は10Vに制限した。
また、前記電解重合中は、前記マグネチックスターラーを、撹拌子を90°の角度で正逆回転を繰り返す動きをさせるモードで、設定周期を約850rpmにして、作動させることによって、重合液と前記陽極体とが相対的に揺動するようにした。この揺動によって発生した波の高さは0.2mmであった。定在波は観察されなかった。揺動の周期は、平均で約28Hzであった。なお、重合容器側面に印した目盛に基づいて液面の位置をルーペで1分間観察し、最高液面と最低液面との差を本発明における波高とした。また、電解重合を行っている間、陽極体の周囲の重合液中に3,4−エチレンジオキシチオフェンの微小粒子が浮遊しているのが肉眼で観察された。
前記エチレンジオキシチオフェンのエタノール溶液への浸漬から重合液を揺動させながらの電解重合までの一連操作をさらに5回(合計6回)繰り返し、陽極体の誘電体層上に導電性高分子からなる固体電解質層を形成した。
固体電解質層の形成された各陽極体表面を観察したところ、導電性高分子の異常成長は見つからなかった。
4)固体電解コンデンサ素子の作製
次いで、固体電解質層が形成された陽極体を再化成し、誘電体層を修復した。再化成は、7Vで15分間行った以外は前記誘電体層形成における化成処理と同じ手法で行った。
次いで、再化成を行った陽極体のリード線植設面以外の面の固体電解質層上に、カーボンペーストと銀ペーストを順次塗布して導電体層を設けて、コンデンサ素子を作製した。
5)固体電解コンデンサの組立
次に、リードフレームにコンデンサ素子を載置し、リードフレームの陽極端子にコンデンサ素子のタンタルリード線を電気的に接続し、リードフレームの陰極端子にコンデンサ素子の導電体層を電気的に接続した。これを、トランスファー成形によってエポキシ樹脂で、大きさ1.6mm×0.8mm×0.8mmとなるように封入した。封入後、エージングを行った。良品(LC値0.05CVμA以下、ESR100mΩ未満)として183個の定格2.5V、容量22μFのニオブ固体電解コンデンサが得られた。得られたコンデンサの平均容量は、21.6μFであった。
(比較例1)
電解重合中にマグネチックスターラーを動作させなかったこと以外は、実施例1と同じ手法で固体電解コンデンサを作製した。 電解重合中、重合液に揺動は見られず、また、3,4−エチレンジオキシチオフェンの粒子の浮遊も観察されなかった。また、各陽極体の固体電解質層を観察したところ導電性高分子の異常成長は見つからなかったが、固体電解質層が十分に形成されておらず、まだらで不均一であった。
得られた固体電解コンデンサには、良品が無く、平均容量は14μFであった。当該電解重合6回の繰返しでは不十分であり、良好な固体電解質層を得るには、より多くの回数の電解重合の繰返しが必要と考えられる。
(比較例2)
マグネチックスターラーの動作モードを、撹拌子を200rpmで連続回転させるモードに切り替えた以外は、実施例1と同じ手法にて固体電解コンデンサを作製した。3,4−エチレンジオキシチオフェンの微小粒子の浮遊状態は実施例1と同程度であった。ただし、重合液の液面は平滑なままで揺動は観察されなかった。また、各陽極体の固体電解質層を観察したところ、表面が不均一で、半数以上に導電性高分子の異常成長が観察された。これは、3,4−エチレンジオキシチオフェンの微粒子が陽極体表面に付着し、そのまま重合してしまったものと考えられる。
得られた固体電解コンデンサには、良品は無く、平均容量は15μFであった。このように、一定方向の流れを生じる撹拌では導電性高分子の異常成長が生じてしまうことがわかる。
1:陽極体
1a: 陽極体の上面
2:リード線
3:這い上がり防止板
3a:這い上がり防止板の下面
40:重合液
d:陽極体と這い上がり防止板との間の隙間

Claims (20)

  1. 重合によって導電性高分子となる材料が液媒体中に分散して成る重合液を調製し、
    該重合液に基体を浸け、
    重合液と基体とを相対的に揺動させながら電解重合を行うことを含む、
    固体電解質の製造方法。
  2. 揺動の周期が1〜240Hzである請求項1に記載の固体電解質の製造方法。
  3. 揺動の周期が重合液の液面に定在波を生じさせない周期である請求項1に記載の固体電解質の製造方法。
  4. 揺動によって重合液の液面に生じる波の高さが0.01〜1mmである請求項1に記載の固体電解質の製造方法。
  5. 揺動が重合液を動かすことによって行われる請求項1に記載の固体電解質の製造方法。
  6. 揺動が重合液の液面に対して鉛直な方向の運動成分を含む請求項1に記載の固体電解質の製造方法。
  7. 重合によって導電性高分子となる材料が重合性モノマーを含む請求項1に記載の固体電解質の製造方法。
  8. 重合によって導電性高分子となる材料が重合性モノマーおよびドーパントを含む請求項1に記載の固体電解質の製造方法。
  9. 重合性モノマーが、チオフェン、ピロール、アニリン、フランまたはそれらの誘導体である、請求項7に記載の固体電解質の製造方法。
  10. 基体に這い上がり防止板を取り付けることを含む請求項1に記載の固体電解質の製造方法。
  11. 這い上がり防止板の厚みおよび這い上がり防止板と基体上面との隙間の合計が、揺動によって重合液の液面に生じる波の高さ以上である請求項10に記載の固体電解質の製造方法。
  12. 揺動が、360°以下の角度で正逆回転を繰り返す動き、直線揺動、円心揺動または球心揺動である請求項1に記載の固体電解質の製造方法。
  13. 重合液の温度を−25〜60℃にする、請求項1に記載の固体電解質の製造方法。
  14. 重合液の溶媒が水である、請求項1に記載の固体電解質の製造方法。
  15. 重合液は、分散剤および/または支持電解質をさらに含む請求項1に記載の固体電解質の製造方法。
  16. 請求項1に記載の方法で基体表面上に固体電解質層を形成することを含む固体電解コンデンサの製造方法。
  17. 基体が、表面に誘電体層が形成された固体電解コンデンサ用陽極体である請求項16に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  18. 陽極体が、弁作用金属の焼結体である請求項17に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  19. 弁作用金属が、タンタル、ニオブ、チタン、ジルコニウムまたはこれらのいずれかを含む合金である、請求項18に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  20. 陽極体が多孔質体からなる請求項17に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
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