JP4011925B2 - 固体電解コンデンサ素子およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は、導体の外表面に固体電解質層が形成されている固体電解コンデンサ素子、およびこの固体電解コンデンサ素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電子回路においては、コンデンサが幅広く利用されている。コンデンサの中でも固体電解コンデンサは、比較的小型で大容量であることから電力回路等によく用いられている。
【0003】
この種従来の固体電解コンデンサ素子の一例を図5に示す。この固体電解コンデンサ素子(以下、単に「コンデンサ素子」という)100は、タンタルなどの弁作用金属の粉末により形成された多孔質の導体1を有しており、この導体1における外表面および各孔内には、たとえばTa2O5などからなる誘電体層12,12′と、たとえばMnO2などからなる固体電解質層104,104′とが形成されている。この導体1には、陽極としての金属ワイヤ2が埋設されて一体化されており、この金属ワイヤ2は、導体1の上面1aから延出している。また、固体電解質層104の外表面の一部には、バッファ層8および陰極としての金属層9が形成されている。
【0004】
このようなコンデンサ素子100の固体電解質層104,104′は、通常、誘電体層12,12′を形成した導体1を、材料溶液としての硝酸マンガン溶液に浸漬させて引き上げた後、加熱処理を行うといった作業を複数回繰り返すことによって形成される。このとき、硝酸マンガン溶液が金属ワイヤ2にしみ上がって、固体電解質層が金属ワイヤ2の表面にまで連続して形成されてしまった場合には、このコンデンサ素子100を通電した際に短絡してしまう。そこで、これを防止すべく、硝酸マンガン溶液中に導体1を浸漬させる前に、しみ上がり防止用の嵌合部材103を金属ワイヤ2に嵌合させる。このような嵌合部材103は、たとえば、4ふっ化エチレン重合体など、撥水性を有する樹脂により形成されており、平面形状が真円形状となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記導体1は、上述したように、多孔質とされており、硝酸マンガン溶液中に浸漬させた導体1を引き上げた際には、硝酸マンガン溶液がその自重により導体1の内部を浸透して下方に移動しやすくなるが、嵌合部材103を導体1の上面1aに対して隙間を介して配置することによって、この隙間に対して、硝酸マンガン溶液を、その表面張力により保持させることができる。これにより、導体1の上面1aにおける嵌合部材103と対向する領域において、固体電解質層104の厚みが薄くなるのを防止することができる。
【0006】
しかしながら、導体1の上面1aが長矩形状など、一方向における寸法が長くなるように形成されているような場合では、導体1の上面1aにおいて、真円形状を呈した嵌合部材103が対向していない領域が広くなってしまう。この領域上では、硝酸マンガン溶液中に浸漬させた導体1を引き上げた際に、硝酸マンガン溶液を保持することができないため、固体電解質層104の厚みが薄くなってしまう。このような場合、たとえばこのコンデンサ素子100を樹脂により封止するなどの際に、固体電解質層104の厚みが薄い部分が破損してしまい、コンデンサ素子100の特性においてインピーダンスや漏れ電流が大きくなり、適当な絶縁性が得られない、あるいは所望の電気容量が得られない等の不都合が生じてしまう。
【0007】
本願発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、品質の向上を図ることのできる固体電解コンデンサ素子およびその製造方法を提供することをその課題とする。
【0008】
【発明の開示】
上記課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
【0009】
すなわち、本願発明により提供される固体電解コンデンサ素子の製造方法は、第1の方向の第1寸法がこれと直交する第2の方向の第2寸法よりも長いとされた長矩形状の上面を有し、かつこの上面から金属ワイヤが延出している導体を形成する導体形成工程と、嵌合部材を上記金属ワイヤに嵌合させる嵌合工程と、上記導体の外表面を覆うように固体電解質層を形成する固体電解質層形成工程とを含む固体電解コンデンサ素子の製造方法であって、上記嵌合工程では、上記嵌合部材として、上記第1の方向の長軸寸法および上記第2の方向の短軸寸法がそれぞれ、上記導体の上面における上記第1寸法および上記第2寸法と同等となる楕円形に形成されているものを用い、上記金属ワイヤの一側面にV溝状のノッチを形成するとともに上記嵌合部材の中心に形成した上記金属ワイヤの径よりも小径の貫通孔を上記ノッチに係合させて上記嵌合部材の回転を防止しつつ、この嵌合部材を上記導体の上面に対して隙間を介して配置し、上記固体電解質層形成工程では、少なくとも上記導体の全体と上記嵌合部材の下面とを、上記固体電解質層を形成するための材料溶液中に浸漬してこれを引き上げる作業が含まれることを特徴としている。また、本願発明によって提供される固体電解コンデンサ素子は、第1の方向の第1寸法がこれと直交する第2の方向の第2寸法よりも長いとされた長矩形状の上面を有し、かつこの上面から金属ワイヤが延出している導体と、上記金属ワイヤに嵌合する嵌合部材と、上記導体の外表面を覆う固体電解質層と、を含む固体電解コンデンサであって、上記嵌合部材は、上記第1の方向の長軸寸法および上記第2の方向の短軸寸法がそれぞれ上記導体の上面の第1寸法および第2寸法と同等となる楕円形をしているとともに、上記金属ワイヤの一側面にはV字形のノッチが形成されている一方、上記嵌合部材は、その中心に形成した上記金属ワイヤの径よりも小径の貫通孔が上記ノッチに係合することにより、回転が防止されつつ上記導体の上面に対して隙間を介して配置され、この隙間は、上記固体電解質層によって埋められていることを特徴とする。
【0010】
本願発明によれば、上記嵌合部材は、上記導体の長矩形状の上面に対して隙間を介して配置されているので、上記材料溶液中に浸漬した上記導体の全体と上記嵌合部材の下面とを引き上げた際には、材料溶液を、その表面張力によって上記隙間に保持することができる。これにより、上記導体の上面における嵌合部材と対向する領域に対して充分な厚みの固体電解質層を形成することができる。また、嵌合部材は、上記第1の方向の長軸寸法および上記第2の方向の短軸寸法がそれぞれ、上記導体の上面における上記第1寸法および上記第2寸法と同等もしくは略同等となる楕円形に形成されているので、充分な厚みの固体電解質層を、導体の上面のほぼ全域にわたって形成することが可能となる。したがって、従来例のように、固体電解質層が破損するのを防止することができるので、固体電解コンデンサ素子の品質を向上させることができる。
【0012】
また、上記導体の上面における角部近傍は、上記嵌合部材が対向していない微小な領域となる。上記浸漬作業を行う際には、この領域から、上記隙間内に材料溶液が入り込みやすい。したがって、この隙間内の全体にわたって材料溶液を充填させうるので、隙間内に気泡が残って固体電解質層に孔部ができてしまうのを防止することができる。
【0015】
さらに、固体電解コンデンサ素子の製造過程において、上記嵌合部材と上記導体の上面との間の位置関係がずれるのを防止することができるので、固体電解コンデンサ素子の品質を確実に向上することができる。
【0016】
本願発明のその他の特徴および利点については、以下に行う発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
【0018】
図1は、本願発明に係る固体電解コンデンサ素子の製造方法により製造された固体電解コンデンサ素子の一例を示す概略斜視図である。図2は、図1における金属ワイヤを拡大して示す概略斜視図、図3は、図1における嵌合部材を拡大して示す概略断面図である。また、図4は、図1における固体電解質層を形成する工程を説明するための図である。なお、これらの図において、従来例を示す図5に表された部材、部分等と同等のものにはそれぞれ同一の符号を付してある。
【0019】
図1に示す固体電解コンデンサ素子(以下、単に「コンデンサ素子」という)Aは、多孔質の導体1と、この導体1の上面1aから先端部21が延出した金属ワイヤ2と、この金属ワイヤ2の先端部21に嵌合されたリング状の嵌合部材3と、導体1における各孔内および外表面に形成された誘電体層12′および誘電体層12ないし固体電解質層4′および固体電解質層4とを備えている。また、固体電解質層4の外表面の一部には、さらに、バッファ層8および金属層9が形成されている。
【0020】
上記導体1は、たとえばタンタル、アルミニウムあるいはニオブなどの弁作用金属の粉末により形成されており、その上面1aは、第1の方向(図1におけるx方向)の第1寸法Lが、x方向と直交する第2の方向(図1におけるy方向)の第2寸法Wよりも長くなるように形成されている。本実施形態では、導体1は、その上面1aが長矩形状を呈した直方体状に形成されている。
【0021】
上記金属ワイヤ2は、導体1を構成する金属と同種の金属により形成されており、その基端部22が導体1に埋設されて一体化されている。
【0022】
上記嵌合部材3は、たとえば4ふっ化エチレン重合体など、撥水性を有する樹脂により形成されており、導体1の上面1aに対して隙間d(図4参照)を介して配置されている。この嵌合部材3は、上記x方向の最大寸法(以下、「長さ寸法」という)L′および上記y方向の最大寸法(以下、「幅寸法」という)W′がそれぞれ、導体1の上面1aにおける上記第1寸法Lおよび第2寸法Wと同等もしくは略同等となるように形成されている。また、このような嵌合部材3においては、導体1の上面1aにおける見かけの面積に対する面積比が、0.7〜0.9程度となることが好ましい。本実施形態の嵌合部材3は、その平面形状が楕円形状を呈しており、長軸寸法および短軸寸法がそれぞれ、上記長さ寸法Lおよび幅寸法Wと対応している。なお、嵌合部材3の平面形状は、楕円形状に限ることはなく、これを、たとえば長矩形状あるいはひし形状などとしてもよい。
【0023】
また、このコンデンサ素子Aには、金属ワイヤ2を中心として嵌合部材3が回転するのを防止するための回転防止手段が備えられている。より詳細には、嵌合部材3は、図3からよくわかるように、金属ワイヤ2に嵌合するための貫通孔31の径が金属ワイヤ2の径よりも小となるように形成されている。一方、金属ワイヤ2は、図2に示すように、円柱状を呈しており、嵌合部材3が配置されるべき部位の一側面には、嵌合部材3の内周縁31′を係止させるためのV溝状のノッチ23が形成されている。これらのことにより、嵌合部材3は、図3に示すように、内周縁31′の近傍が弾性的に変形されつつ金属ワイヤ2に嵌合させられ、弾性的に変形した部分の一部が元の状態に戻って、内周縁31′がノッチ23に係合する。したがって、内周縁31′におけるノッチ23に係合した部分を再び弾性変形させることができる程度以上の力が嵌合部材3に負荷されない限り、嵌合部材3は、金属ワイヤ2を中心として回転しない。
【0024】
上記誘電体層12′および誘電体層12はそれぞれ、上記導体1における各孔の壁面および外表面を酸化することによって形成されたものであり、たとえばTa2O5からなる。これら誘電体層12,12′は、誘電体として機能するものであり、固体電解コンデンサ素子Aの容量は、この誘電体層12,12′の総面積および厚みにより決定される。
【0025】
上記固体電解質層4ならびに固体電解質層4′はそれぞれ、導体1の外表面を誘電体層12の上から覆うように、ならびに誘電体層12′を形成した後においてなお残存する導体1の空洞部分を埋めるように形成したものであり、たとえばマンガンの酸化物層(MnO2)からなる。
【0026】
上記バッファ層8は、グラファイトなどにより構成されており、固体電解質層4と金属層9との間の接触点抵抗が大きい場合に、これらの間の抵抗を小さくする目的で設けられる。たとえば、固体電解質層4がMnO2により構成され、金属層9がAgなどにより構成されている場合などにバッファ層8が設けられる。そのため、バッファ層8は、必要に応じて設けられる任意のものである。
【0027】
上記金属層9は、たとえばメッキ処理を施してAgなどの導体層を形成することにより設けられる。
【0028】
次に、上記構成を有するコンデンサ素子Aの製造方法について簡単に説明する。
【0029】
まず、上記導体1を形成する。この工程では、上記した弁作用金属の粉末を圧縮成形し、これを高真空状態において焼結することによって多孔質焼結体としての導体1を得る。
【0030】
なお、導体1には、上記したように、金属ワイヤ2が設けられているが、この金属ワイヤ2は、導体1を形成する過程において圧縮形成を行う際にその基端部22を同時に埋設し、あるいは圧縮形成を行った後に導体1内にその基端部22を埋設することによって、導体1と一体化される。
【0031】
次いで、上記誘電体層12,12′を形成する。誘電体層12,12′は、導体1を陽極酸化することによって形成される。導体1の陽極酸化に際しては、たとえば、陰極として機能する金属容器内にリン酸溶液を保持し、この溶液内に導体1を陽極として浸漬した状態において、導体1と金属容器との間を通電することによって行なわれる。これにより、導体1におけるリン酸溶液と接する部分、すなわち導体1の外表面およびその内部の各孔の壁面11aは、その表層がそれぞれ、弁作用金属の酸化物からなる誘電体層12および誘電体層12′となる。
【0032】
次いで、金属ワイヤ2の先端部21における所定の部位に上記ノッチ23を形成する。この工程は、たとえば、金属ワイヤ2に対して刃先角度が80度〜100度程度の刃物を押し当てるなどして、容易に行なわれる。なお、この工程は、誘電体層12を形成する工程の前に行っても良い。
【0033】
次いで、図3に示すように、上記嵌合部材3を金属ワイヤ2の先端部21に嵌合させていき、嵌合部材3の内周縁31′の一部をノッチ23に係合させる。これにより、嵌合部材3は、導体1の上面1aに対して隙間dを介して配置される。なお、この嵌合工程においては、嵌合部材3の長手方向が導体1の上面1aの長手方向に対応するようにする。
【0034】
次いで、上記固体電解質層4,4′を形成する。この固体電解質層形成工程は、誘電体層12,12′を形成した導体1を、たとえば硝酸マンガン溶液などの材料溶液中に浸漬させて引き上げる浸漬処理を行った後、加熱処理を行うといった一連の処理を複数回繰り返すことによって形成される。ここで、導体1を材料溶液に浸漬する際には、図4に示すように、少なくとも上記導体1の全体と上記嵌合部材3の下面3aとが材料溶液40に漬かるようにし、より詳細には、金属ワイヤ2における嵌合部材3が嵌合された部位よりも上方の部分が材料溶液40に漬からないようにするのが好ましい。このとき、嵌合部材3は、上述したように、導体1の上面1aに対して隙間dを介して配置されているので、導体1を材料溶液40から引き上げた際に、材料溶液は、その表面張力によって隙間d内に保持される。この隙間dの寸法は、たとえば、導体1の上面1aの一辺の長さが0.5mm〜3.5mmの場合、20μm〜30μmとされているのが好ましい。
【0035】
この工程において、材料溶液40は、金属ワイヤ2の表面上をしみ上がろうとするが、上記嵌合部材3によってこのしみ上がりが防止されるので、金属ワイヤ2の先端部21における嵌合部材3が嵌合された部位よりも上方の部分には、固体電解質層4が形成されない。
【0036】
次いで、上記バッファ層8および陰極金属層9を形成し、上記コンデンサ素子Aが形成される。
【0037】
本実施の形態では、嵌合部材3は、上記x方向に沿った長さ寸法L′および上記y方向に沿った幅寸法W′がそれぞれ、導体1の上面1aにおける上記長さ寸法Lおよび幅寸法Wと同等もしくは略同等となるように形成されているので、上記固体電解質層形成工程において、上記浸漬処理を行う際に、導体1の上面1a上のほぼ全域にわたって材料溶液を保持することができる。これにより、導体1の上面1a上のほぼ全域に対して、充分な厚みの固体電解質層4を形成することができる。
【0038】
嵌合部材3はまた、金属ワイヤ2を中心として回転するのが防止されているので、嵌合部材3を金属ワイヤ2の先端部21に嵌合させた後、固体電解質層4を形成するまでの間において、導体1の上面1aに対する配置がずれることがないので、導体1の上面1aに対して固体電解質層4を上記した形態となるように確実に形成することができる。
【0039】
また、嵌合部材3の平面形状は楕円形状、そして導体1の上面1aは長矩形状を呈しているので、上記固体電解質層形成工程における上記浸漬処理の際に、材料溶液は、導体1の上面1aにおける上記嵌合部材3が対向していない微小な領域から隙間d間に入り込みやすくなるため、この隙間dに気泡などが残って、導体1の上面1a上の固体電解質層4に孔部ができるのを防止することができる。
【0040】
このようにして形成されたコンデンサ素子Aでは、上記したように、充分な厚みの固体電解質層4を、導体1の上面1aのほぼ全域に対して形成できるので、固体電解質層4が破損することによって、コンデンサ素子Aの特性においてインピーダンスや漏れ電流が大きくなるのを防止することができる。
【0041】
もちろん、本願発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した事項の範囲内でのあらゆる設計変更はすべて本願発明の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係る固体電解コンデンサ素子の製造方法により製造された固体電解コンデンサ素子の一例を示す概略斜視図である。
【図2】図1における金属ワイヤを拡大して示す概略斜視図である。
【図3】図1における嵌合部材を拡大して示す概略断面図である。
【図4】図1における固体電解質層を形成する工程を説明するための図である。
【図5】従来の固体電解コンデンサ素子の一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 導体
2 金属ワイヤ
3 嵌合部材
4 固体電解質層
23 ノッチ
A 固体電解コンデンサ素子
Claims (4)
- 第1の方向の第1寸法がこれと直交する第2の方向の第2寸法よりも長いとされた長矩形状の上面を有し、かつこの上面から金属ワイヤが延出している導体を形成する導体形成工程と、嵌合部材を上記金属ワイヤに嵌合させる嵌合工程と、上記導体の外表面を覆うように固体電解質層を形成する固体電解質層形成工程とを含む固体電解コンデンサ素子の製造方法であって、
上記嵌合工程では、上記嵌合部材として、上記第1の方向の長軸寸法および上記第2の方向の短軸寸法がそれぞれ、上記導体の上面における上記第1寸法および上記第2寸法と同等となる楕円形に形成されているものを用い、上記金属ワイヤの一側面にV溝状のノッチを形成するとともに上記嵌合部材の中心に形成した上記金属ワイヤの径よりも小径の貫通孔を上記ノッチに係合させて上記嵌合部材の回転を防止しつつ、この嵌合部材を上記導体の上面に対して隙間を介して配置し、
上記固体電解質層形成工程では、少なくとも上記導体の全体と上記嵌合部材の下面とを、上記固体電解質層を形成するための材料溶液中に浸漬してこれを引き上げる作業が含まれることを特徴とする、固体電解コンデンサ素子の製造方法。 - 第1の方向の第1寸法がこれと直交する第2の方向の第2寸法よりも長いとされた長矩形状の上面を有し、かつこの上面から金属ワイヤが延出している導体を形成する導体形成工程と、嵌合部材を上記金属ワイヤに嵌合させる嵌合工程と、上記導体の外表面を覆うように固体電解質層を形成する固体電解質層形成工程とを含む固体電解コンデンサ素子の製造方法であって、
上記嵌合工程では、上記嵌合部材として、上記第1の方向の長軸寸法および上記第2の方向の短軸寸法がそれぞれ、上記導体の上面における上記第1寸法および上記第2寸法と対応し、上記導体の上面における見かけの面積に対する面積比が0.7〜0.9となるように形成されているものを用い、上記金属ワイヤの一側面にV溝状のノッチを形成するとともに上記嵌合部材の中心に形成した上記金属ワイヤの径よりも小径の貫通孔を上記ノッチに係合させて上記嵌合部材の回転を防止しつつ、この嵌合部材を上記導体の上面に対して隙間を介して配置し、
上記固体電解質層形成工程では、少なくとも上記導体の全体と上記嵌合部材の下面とを、上記固体電解質層を形成するための材料溶液中に浸漬してこれを引き上げる作業が含まれることを特徴とする、固体電解コンデンサ素子の製造方法。 - 第1の方向の第1寸法がこれと直交する第2の方向の第2寸法よりも長いとされた長矩形状の上面を有し、かつこの上面から金属ワイヤが延出している導体と、上記金属ワイヤに嵌合する嵌合部材と、上記導体の外表面を覆う固体電解質層と、を含む固体電解コンデンサであって、
上記嵌合部材は、上記第1の方向の長軸寸法および上記第2の方向の短軸寸法がそれぞれ上記導体の上面の第1寸法および第2寸法と同等となる楕円形をしているとともに、上記金属ワイヤの一側面にはV字形のノッチが形成されている一方、上記嵌合部材は、その中心に形成した上記金属ワイヤの径よりも小径の貫通孔が上記ノッチに係合することにより、回転が防止されつつ上記導体の上面に対して隙間を介して配置され、この隙間は、上記固体電解質層によって埋められていることを特徴とする、固体電解コンデンサ素子。 - 第1の方向の第1寸法がこれと直交する第2の方向の第2寸法よりも長いとされた長矩形状の上面を有し、かつこの上面から金属ワイヤが延出している導体と、上記金属ワイヤに嵌合する嵌合部材と、上記導体の外表面を覆う固体電解質層と、を含む固体電解コンデンサであって、
上記嵌合部材は、上記第1の方向の長軸寸法および上記第2の方向の短軸寸法がそれぞれ上記導体の上面における上記第1寸法および上記第2寸法と対応し、上記導体の上面における見かけの面積に対する面積比が0.7〜0.9となるように形成されているとともに、上記金属ワイヤの一側面にはV字形のノッチが形成されている一方、上記嵌合部材は、その中心に形成した上記金属ワイヤの径よりも小径の貫通孔が上記ノッチに係合することにより、回転が防止されつつ上記導体の上面に対して隙間を介して配置され、この隙間 は、上記固体電解質層によって埋められていることを特徴とする、固体電解コンデンサ素子。
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