JPWO2012008252A1 - 化学機械研磨パッドおよび化学機械研磨方法 - Google Patents

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Abstract

本発明に係る化学機械研磨パッドは、研磨層を備えた化学機械研磨パッドであって、前記研磨層の研磨に供される表面には凹部が設けられ、前記研磨層は少なくとも前記凹部の内面を含む表層部を有し、前記表層部と交差しない面で前記研磨層を切断した断面を23℃の水に1時間浸漬したときの前記断面における平均開口率D2(%)に対する、前記研磨層を23℃の水に1時間浸漬したときの前記凹部の内面における平均開口率D1(%)の比率(D1/D2)が、0.01以上0.5以下であることを特徴とする。

Description

本発明は、化学機械研磨パッドおよび該化学機械研磨パッドを用いた化学機械研磨方法に関する。
半導体装置の製造において、平坦面を形成することができる手法として、化学機械研磨(Chemical Mechanical Polishing、以下「CMP」ともいう)が注目されている。CMPは、素子や配線が作製されたウエハ表面(被研磨面)を、化学機械研磨パッドの研磨層に押し付けた状態で相互に摺動させながら、化学機械研磨パッド表面にスラリーを流下させて化学機械的に研磨を行う技術である。この化学機械研磨においては、化学機械研磨パッドの性状および特性により、研磨速度、被研磨面のスクラッチ、被研磨面の面内均一性等が大きく変化することが知られている。
化学機械研磨パッドとしては、たとえば、特開平11−70463号公報には、ポリウレタンフォーム等の発泡樹脂からなる化学機械研磨パッドが開示されており、特開2000−34416号公報には、非発泡マトリックス中に水溶性粒子を分散させた化学機械研磨パッドが開示されている。また、特許第3769581号公報には、化学機械研磨パッドの研磨層に良好な研磨特性を発現させるための凹部を設けると共に、該凹部の側面ないし底面等の内面の平滑性を良好にすることでスラリーの流動性を高める技術が開示されている。
しかしながら、前述したような研磨層の表面に凹部が設けられた化学機械研磨パッドは、化学機械研磨工程において長時間に亘ってスラリーに晒された場合には、該凹部の内面からスラリー中に含まれる水分等の成分が進入することによって、該凹部の変形を引き起こすことがあった。研磨層の表面に設けられた凹部が変形すると、化学機械研磨時における被研磨面のスクラッチやスラリーの分配機能および廃棄物の排出機能の低下などの、研磨特性の低下を引き起こすことがあった。
そこで、本発明に係る幾つかの態様は、上記課題を解決することで、長時間に亘ってスラリーに晒された場合であっても良好な研磨特性を維持できる化学機械研磨パッドおよび該化学機械研磨パッドを用いた化学機械研磨方法を提供するものである。
本発明は上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することができる。
[適用例1]
本発明に係る化学機械研磨パッドの一態様は、
研磨層を備えた化学機械研磨パッドであって、
前記研磨層の研磨に供される表面には凹部が設けられ、
前記研磨層は少なくとも前記凹部の内面を含む表層部を有し、
前記表層部と交差しない面で前記研磨層を切断した断面を23℃の水に1時間浸漬したときの前記断面における平均開口率D2(%)に対する、前記研磨層を23℃の水に1時間浸漬したときの前記凹部の内面における平均開口率D1(%)の比率(D1/D2)が0.01以上0.5以下であることを特徴とする。
[適用例2]
適用例1の化学機械研磨パッドにおいて、
前記平均開口率D1(%)が0.1%以上20%以下であることができる。
[適用例3]
適用例1または適用例2の化学機械研磨パッドにおいて、
前記平均開口率D2(%)が10%以上50%以下であることができる。
[適用例4]
適用例1ないし適用例3のいずれか一例の化学機械研磨パッドにおいて、
前記凹部の内面における表面粗さ(Ra)が1μm以上10μm以下であることができる。
[適用例5]
適用例1ないし適用例4のいずれか一例の化学機械研磨パッドにおいて、
前記研磨層の研磨に供される表面を、X線光電子分光法(XPS)によって元素分析することにより算出されるケイ素原子濃度またはフッ素原子濃度が、0.5atom%以上10atom%以下であることができる。
[適用例6]
適用例1ないし適用例5のいずれか一例の化学機械研磨パッドにおいて、
前記凹部の内面を、X線光電子分光法(XPS)によって元素分析することにより算出されるケイ素原子濃度またはフッ素原子濃度が、0.5atom%以上10atom%以下であることができる。
[適用例7]
本発明に係る化学機械研磨方法の一態様は、
適用例1ないし適用例6のいずれか一例の化学機械研磨パッドを用いて化学機械研磨することを特徴とする。
本発明に係る化学機械研磨パッドは、化学機械研磨工程において長時間に亘ってスラリーに晒された場合であっても研磨層に設けられた凹部の内面からのスラリー成分の進入を低減させることができるため、良好な研磨特性を維持できる。また、本発明に係る化学機械研磨方法は、前述した化学機械研磨パッドを用いるため、化学機械研磨工程において長時間に亘ってスラリーに晒された場合であっても常に一定の研磨性能を発揮することができる。
図1は、本実施の形態に係る化学機械研磨パッドを模式的に示す断面図である。 図2は、図1における領域Iの拡大図である。 図3は、化学機械研磨パッド使用後の図1における領域Iの拡大図である。 図4は、本実施の形態に係る化学機械研磨パッドを模式的に示す平面図である。 図5は、第1の変形例に係る化学機械研磨パッドを模式的に示す平面図である。 図6は、第2の変形例に係る化学機械研磨パッドを模式的に示す平面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は、下記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変型例も含む。
1.化学機械研磨パッド
本実施の形態に係る化学機械研磨パッドの構成としては、少なくとも一方の面に研磨層を備えていれば特に限定されない。前記研磨層の研磨に供される表面(以下、「研磨面」ともいう)には、凹部が設けられている。また、前記研磨層は、少なくとも前記凹部の内面を含む表層部を有している。以下、本実施の形態に係る化学機械研磨パッドの一例について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施の形態に係る化学機械研磨パッドの一例を模式的に示した断面図である。図1に示すように、化学機械研磨パッド100は、研磨層10と、研磨層10の研磨装置用定盤14と接触する面側に形成された支持層12と、を含む。
1.1.研磨層
研磨層10の平面形状は、特に限定されないが、例えば円形状であることができる。研磨層10の平面形状が円形状である場合、その大きさは、好ましくは直径150mm〜1200mm、より好ましくは直径500mm〜1000mmである。研磨層10の厚さは、好ましくは0.5mm〜5.0mm、より好ましくは1.0mm〜4.0mm、特に好ましくは1.5mm〜3.5mmである。
図2は、図1における領域Iの拡大図であり、研磨層10の詳細な形状を模式的に示した断面図である。図2に示すように、研磨面20には、複数の凹部16が設けられている。凹部16は、化学機械研磨の際に供給されるスラリーを保持し、これを研磨面20に均一に分配すると共に、研磨屑や使用済みのスラリー等の廃棄物を一時的に滞留させ、外部へ排出するための経路となる機能を有する。
凹部16の断面形状は、特に限定されないが、例えば平坦な側面および底面から形成された形状、多角形形状、U字形状、V字形状等とすることができる。凹部16の深さaは、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.1mm〜2.5mm、特に好ましくは0.2mm〜2.0mmとすることができる。凹部16の幅bは、0.1mm以上、より好ましくは0.1mm〜5.0mm、特に好ましくは0.2mm〜3.0mmとすることができる。研磨面20において、隣接する凹部16の間隔cは、好ましくは0.05mm以上、より好ましくは0.05mm〜100mm、特に好ましくは0.1mm〜10mmとすることができる。また、凹部の幅と隣り合う凹部の間の距離との和であるピッチdは、好ましくは0.15mm以上、より好ましくは0.15mm〜105mm、特に好ましくは0.6mm〜13mmとすることができる。上記範囲の形状を有する凹部16を形成することで、被研磨面のスクラッチ低減効果に優れ、寿命の長い化学機械研磨パッドを容易に製造することができる。
前記各好ましい範囲は、各々の組合せとすることができる。すなわち、例えば、深さaが0.1mm以上、幅bが0.1mm以上、間隔cが0.05mm以上であることが好ましく、深さaが0.1mm〜2.5mm、幅bが0.1mm〜5.0mm、間隔cが0.05mm〜100mmであることがより好ましく、深さaが0.2mm〜2.0mm、幅bが0.2mm〜3.0mm、間隔cが0.1mm〜10mmであることが特に好ましい。
図2に示すように、研磨層10は、表層部10aおよび深層部10bから構成されている。化学機械研磨パッド100の使用前の段階では、表層部10aは、研磨面20および凹部16の内面を含むように形成されている。ところが、化学機械研磨パッド100を使用し続けると、研磨面20を含む表層部10aが徐々に摩耗することで、凹部16の内面を含む表層部10aのみが残存することになる。したがって、研磨層10は、化学機械研磨パッド100の使用段階の如何に関わらず、少なくとも凹部16の内面を含む表層部10aが残存している。なお、本明細書において「凹部の内面」とは、側面および底面のような凹部における内部の面のことをいう。
前記表層部10aは、特に限定されないが、研磨面20または凹部16の内面から100μm以下の領域であることが好ましく、10μm以下の領域であることがより好ましい。なお、深層部10bとは、研磨層10のうち表層部10a以外の領域のことをいう。
本実施の形態に係る化学機械研磨パッド100は、以下のような特徴を備えている。まず、研磨層10を23℃の水に1時間浸漬したときの凹部16の内面における平均開口率(%)をD1とする。一方、研磨層10を表層部10aと交差しない面で切断した断面を準備し、該断面を23℃の水に1時間浸漬したときの前記断面における平均開口率(%)をD2とする。この場合において、本実施の形態に係る化学機械研磨パッド100のD2に対するD1の比率(D1/D2)は、0.01以上0.5以下となる。なお、比率(D1/D2)は、0.1以上0.4以下であることがより好ましい。
本実施の形態に係る化学機械研磨パッド100は、前述したような特徴を備えることにより、以下のような作用効果を奏する。研磨層10における研磨面20は、ドレッシングや摩耗により表層部10aが消失されて、深層部10bを表出させることでより大きな平均開口率を有する面とすることができる。その結果、研磨面20のスラリー保持機能が向上し、研磨速度を向上させることができる。一方、研磨層10における凹部16の内面は、ドレッシングや摩耗によっても平均開口率のより小さい表層部10aが消失されないので、凹部16の内面から研磨層10内部へのスラリー成分の進入を低減させることができる。その結果、研磨層10がスラリー成分を吸収して膨潤することによる凹部16の変形を効果的に防ぐことができ、長時間に亘る化学機械研磨工程においても研磨特性を劣化させることがなく好ましい。比率(D1/D2)が0.5を超える場合、平均開口率D1とD2との差が小さすぎるため、深層部10bを表出させてもスラリー保持機能が向上しないか、あるいはスラリー成分が凹部16の内面から研磨層10内部へと進入することで凹部16の変形を引き起こすことがある。
図3は、図1における領域Iの拡大図であり、化学機械研磨パッド100の使用後における研磨層10の詳細な形状を模式的に示した断面図である。図3に示すように、化学機械研磨パッド100を使用し続けるとドレッシングや摩耗により表層部10aが消失して深層部10b’が表出するが、このとき研磨面20では深層部10b’だけではなく表層部10a’も表出する。このような状態の研磨面20でCMPを行うと、表層部10a’と深層部10b’とで平均開口率が異なるため、研磨面20の部位によりスラリー保持性能の差が生じ、スクラッチ等の研磨傷が発生することがある。
図3に示すような状態において、比率(D1/D2)が前記範囲であると、研磨面20の部位に基づくスラリー保持性能の差を小さくすることができるので、スクラッチ等の研磨傷の発生を低減できる。比率(D1/D2)が0.01未満であると、表層部10a’と深層部10b’との平均開口率の差が大きすぎるため、研磨面20の部位によりスラリー保持性能の差が生じ、スクラッチ等の研磨傷が発生することがある。
前記平均開口率D1(%)は、0.1%以上20%以下であることが好ましく、1%以上15%以下であることがより好ましい。平均開口率D1が前記範囲であると、凹部16の内面から研磨層10内部へのスラリー成分の進入を低減させる効果が得られやすい。したがって、砥粒の水分散体であるスラリーを使用した化学機械研磨時においても、凹部16の内面から研磨層10内部へのスラリー成分の進入が低減されるため、凹部16の変形を防ぐことができる。その結果、化学機械研磨工程における被研磨面のスクラッチが低減されると共に、スラリーの分配機能および廃棄物の排出機能が損なわれないため、安定した研磨特性を維持できる場合がある。また、化学機械研磨工程を経ることで研磨層10が磨耗した場合であっても、凹部16の内面は磨耗により消失しないので、凹部16の内面から研磨層10内部へのスラリー成分の進入を低減させることができる。その結果、研磨層10がスラリー成分を吸収して膨潤することによる凹部16の変形を効果的に防ぐことができ、長時間に亘る化学機械研磨工程においても研磨特性を劣化させることがなく好ましい。
前記平均開口率D1(%)は、以下のようにして測定することができる。まず、23℃の水を容器に入れる。次いで、研磨層10をその水に1時間浸漬させる。このとき、研磨層10に水溶性粒子が含まれている場合には、該水溶性粒子が水に溶け出すことにより開口部が形成される。その後、凹部16の内面のうち任意の3点(例えば、1mm×1mmの矩形の範囲)を選定し、マイクロスコープ(例えば、株式会社キーエンス製、型式「VH−6300」)を用いてその範囲を175倍に拡大した画像を得る。得られた画像を画像処理ソフト(例えば、Image Analyzer V20LAB Ver.1.3)により処理して、前記3点の開口部の面積をそれぞれ求め、その平均値を算出する。そして、下記式(1)により平均開口率D1(%)を算出する。
平均開口率D1(%)=(開口部の面積の平均値/画像全体の面積)×100…(1)
前記平均開口率D2(%)は、10%以上50%以下であることが好ましく、20%以上40%以下であることがより好ましい。平均開口率D2(%)が前記範囲であると、ドレッシングや摩耗により表層部10aを消失させて深層部10bを表出させることで、研磨面20をより大きな平均開口率を有する面とすることができる。その結果、研磨面20のスラリー保持機能が向上し、研磨速度を向上させることができる。また、平均開口率D2(%)が前記範囲であると、深層部10bの構造自体が強固となり、凹部16を形成した場合であっても凹部16の形状がそのまま保持される。これにより、被研磨面の平坦性を向上できる場合がある。
前記平均開口率D2(%)は、以下のようにして測定することができる。まず、研磨層10の表層部10aと交差しない面で、該研磨層10を切断することにより断面を作製する。このようにして作製された断面の具体例としては、図2に示すような場合(すなわち、研磨面20を含む表層部10aが残存している場合)には、例えば、研磨面20に対して略平行な面で切断した断面22が挙げられる。一方、図3に示すような場合(すなわち、研磨面20を含む表層部10aが消失して深層部10b’が表出している場合)には、例えば、研磨面20に対して略平行な面で切断した断面24、研磨面20に対して略垂直な面で切断した断面26、凹部16とその隣り合う凹部16との間を斜め方向に切断した断面28が挙げられる。なお、研磨層10の表層部10aと交差しない面で切断した断面の例を図2および図3を用いて具体的に説明したが、研磨層10の表層部10aと交差しない面で切断した断面であれば、該断面は前記具体例に限定されないことは言うまでもない。このようにして作製された断面は、深層部10bの断面となる。次いで、23℃の水を容器に入れて、得られた断面をその水に1時間浸漬させる。これ以降は、前述した平均開口率D1(%)と同様の方法を用いることで、平均開口率D2(%)を求めることができる。
本実施の形態に係る化学機械研磨パッドは、X線光電子分光法(XPS)による元素分析において、研磨層の研磨に供される表面にX線を照射して発生する光電子を前記研磨層の研磨に供される表面に対して90°の光電子取出し角度で測定することにより算出される、ケイ素原子濃度またはフッ素原子濃度が、0.5atom%以上10atom%以下であることが好ましい。すなわち、図1に示す化学機械研磨パッド100であれば、表層部10aにおけるケイ素原子濃度またはフッ素原子濃度が、0.5atom%以上10atom%以下であることが好ましいということができる。
なお、表層部10aにおけるケイ素原子濃度は、1atom%以上9atom%以下であることが好ましく、1.5atom%以上7atom%以下であることがより好ましい。また、表層部10aにおけるフッ素原子濃度は、1atom%以上9atom%以下であることが好ましく、1.5atom%以上7atom%以下であることがより好ましい。表層部10aにおけるケイ素原子濃度またはフッ素原子濃度が前記範囲であると、表層部10aにおける疎水性と親水性のバランスが良好となるため、研磨工程におけるスラリー保持機能を損なうことなく、表層部10aから深層部10bへスラリーが浸透することを妨げることができる。
表層部10aにおけるケイ素原子濃度とフッ素原子濃度との合計は、上述した効果が得られやすい観点から、0.5atom%以上10atom%以下であることが好ましく、1atom%以上9atom%以下であることがより好ましい。
本実施の形態に係る化学機械研磨パッド100が、凹部16の内面におけるケイ素原子濃度またはフッ素原子濃度が0.5atom%以上10atom%以下となる表層部10aを備える場合、研磨工程において研磨面20が磨耗したとしても、該内面に存在する表層部10aは磨耗により消失しない。したがって、かかる凹部16に存在する表層部10aは、研磨工程においてスラリーが凹部16の内面から深層部10bへ浸透することを妨げることができる。その結果、深層部10bが水分を吸収して膨潤することによる凹部16の変形を効果的に抑制することができ、長期間に亘る研磨工程においても研磨特性を低下させることがなく好ましい。
また、研磨層10の深層部10bにおけるケイ素原子濃度およびフッ素原子濃度は、研磨工程における被研磨物の汚染を抑制する観点から、0atom%以上0.1atom%以下であることが好ましい。なお、深層部10bは、上述した観点からケイ素およびフッ素を含有しないことがより好ましい。
深層部10bにおけるケイ素原子濃度およびフッ素原子濃度は、たとえば以下のようにして求めることができる。まず、研磨層10の研磨に供される表面にアルゴンイオンエッチングを行い、研磨層10の表層部10aを完全に除去して深層部10bを露出させる。次いで、XPSを用いて深層部10bの表面にX線を照射して、発生した光電子を深層部10bに対して90°の光電子取出し角度で測定することにより、深層部10bにおけるケイ素原子濃度およびフッ素原子濃度を算出することができる。
本明細書において、ケイ素原子濃度およびフッ素原子濃度とは、XPSにより測定される炭素原子の原子番号以上の原子番号を持つ全ての原子数定量値の合計を100atom%としたときのケイ素またはフッ素の原子数の比率をそれぞれ表したものである。研磨層10に存在するケイ素原子濃度およびフッ素原子濃度は、XPSを用いることによって測定されるが、XPSの原理は概ね以下の通りである。
XPSは、X線の照射により試料から放出される光電子のエネルギーを測定する分光法である。光電子は、大気中ではすぐに分子と衝突して散乱されてしまうため、装置を真空にしておく必要がある。また、固体試料の奥深くで放出された光電子は、試料内で散乱されて表面から脱出することができない。したがって、XPSは、試料表面からのみの光電子を測定することになるので、表面分析法として有効である。
観測される光電子の運動エネルギーEは、hν−Eから、さらに電子を試料表面の外に移すためのエネルギーφを引いた値、すなわち、
E=hν−E−φ …(2)
と表すことができる。但し、h:プランク定数、ν:振動数、E:電子の結合エネルギーである。上記式(2)から、Eの値は励起源のX線のエネルギーにより異なることが分かる。電子エネルギーの測定法は、特に限定されないが、代表的なものとして電子を静電場中に導き一定軌道を描くもののみを検出する静電場型がある。
XPSにより、電子の結合エネルギーEを測定することができる。かかる結合エネルギーは、基本的に元素固有の値であるから元素の種類を特定することができる。また、光電子スペクトルの強度から各元素を定量することもできる。
ところで、入射されたX線は試料の表面から内部へと進入するが、励起された光電子の平均自由工程が0.1nm〜数nmと小さいため、試料の表面近傍からのみ光電子を放出することになる。これにより、試料の表面近傍の分析が可能となる。しかしながら、試料の表面近傍に形成された層が数層に亘り存在するような場合において、該層の微量な組成を観測しようとしても正確に検出できないことがある。XPSでは、表面から数十Åを平均化した組成の相対量を観測しているからである。このように表面から数層の組成を観測する場合には、光電子の脱出深さの角度依存性を利用することができる。すなわち、光電子は等方的に試料の表面から放出されるが、光電子取出し角度によって光電子の固体表面からの脱出深さが異なる。この現象を利用すると、光電子取出し角度を試料表面に対して90°とすることで脱出深さが最大となり、試料の表面におけるより深い部分の情報を得ることができる。なお、「光電子取出し角度」とは、試料表面と検出器とがなす角度のことをいう。
XPSに用いる装置としては、試料の表面に存在する元素の定性、定量、および化学状態を分析できるものであれば特に限定されないが、例えばアルバック・ファイ社製の型式「Quantum2000」等が挙げられる。
また、凹部16の内面の表面粗さ(Ra)は、1μm以上10μm以下であることが好ましい。凹部16の内面の表面粗さ(Ra)が前記範囲にあれば、化学機械研磨の際にスクラッチの原因となるような凹凸が凹部16の内面に実質的に存在しない状態であるといえる。凹部16の内面に凹凸、特に大きな凸部(例えば、凹部16の形成時に生じる削り残し)が存在する場合には、CMPの際に該凸部が脱離することで、被研磨面のスクラッチを引き起こすことがある。さらに、この脱離した凸部が研磨中の圧力や摩擦熱等により圧縮される等して形成される異物や、脱離した凸部と研磨屑、スラリー中の固形分等とが作用して形成される異物によってもスクラッチを引き起こすことがある。また、ドレッシング時においても前記凸部が脱離して同様な不具合を招くことがある。
また、凹部16の内面の表面粗さ(Ra)が前記範囲にあると、スクラッチを防止できることに加えて、前記凹部としての機能、特にスラリーを研磨面に分配する機能および廃棄物を外部へ排出する機能が効率良く発揮される。
凹部内面の表面粗さ(Ra)は、以下のようにして測定することができる。まず、使用前の化学機械研磨パッドの研磨層に設けられた凹部の内面のうち任意の部位について、表面粗さ測定機(例えば、株式会社ミツトヨ製、「SURFTEST」)を用いて、速度0.5mm/s、基準長さ0.8mmの条件で縦方向および横方向についてそれぞれ5区間の粗さ曲線を2回測定する。得られた粗さ曲線から、平均線から測定曲線までの偏差の絶対値の平均を、凹部内面の表面粗さ(Ra)とする。
図4は、本実施の形態に係る化学機械研磨パッド100の平面図である。図4に示すように、凹部16は、研磨面20の中心から外縁方向へ向かって徐々に直径の拡大する複数の同心円状に形成することができる。
図5は、第1の変形例に係る化学機械研磨パッド200の平面図であり、図4に対応する図である。第1の変形例に係る化学機械研磨パッド200は、環状に設けられた複数の凹部16の他に、研磨面20の中心から外縁方向に向かって放射状に伸びる複数の凹部17および凹部18をさらに含む点で化学機械研磨パッド100とは異なる。ここで、中心部とは、研磨層の重心を中心とした半径50mmの円で囲まれた領域をいう。凹部17および凹部18は、この「中心部」のうち任意の位置から外縁方向に伸びていればよく、その形状は、例えば直線状もしくは円弧状またはこれらを組み合わせた形状であってもよい。凹部17および凹部18の断面形状は、上述した凹部16と同様であることができる。第1の変形例に係る化学機械研磨パッド200のその他の構成については、図1ないし図3を用いて説明した研磨層10の構成と同様であるので説明を省略する。
図6は、第2の変形例に係る化学機械研磨パッド300の平面図であり、図4に対応する図である。第2の変形例に係る化学機械研磨パッド300は、環状に設けられた複数の凹部16の他に、研磨面20の中心から外縁方向に向かって放射状に伸びる複数の凹部19をさらに含む点で上述した化学機械研磨パッド100とは異なる。凹部19の断面形状は、上述した凹部16と同様であることができる。第2の変形例に係る化学機械研磨パッド300のその他の構成については、図1ないし図3を用いて説明した研磨層10の構成と同様であるので説明を省略する。
以上凹部の平面形状について説明したが、凹部の平面形状は、上記の実施形態に特に限定されず、被研磨対象により適宜最適な形状とすることができる。凹部の平面形状は、例えば、三角形、四角形、五角形等の多角形状や、楕円状、螺旋状等としてもよい。また、研磨面に設けられる凹部の数も特に限定されない。
研磨層10は、本願発明の目的を達成することができる限りどのような素材から構成されていてもよい。前述したように、凹部16は、化学機械研磨時にスラリーを保持し、研磨屑を一時的に滞留させる機能を有する。化学機械研磨時にスラリーの保持能および研磨速度を長時間に亘って保持するためには、化学機械研磨時において研磨層10には空孔が形成されていることが好ましい。このため、研磨層10は、水溶性粒子が分散された非水溶性マトリックスからなる素材、または空孔が分散された非水溶性マトリックスからなる素材、例えば発泡体等であることが好ましい。
1.2.支持層
支持層12は、化学機械研磨パッド100において、研磨装置用定盤14に研磨層10を支持するために用いられる。支持層12は、接着層であってもよいし、接着層を両面に有するクッション層であってもよい。
接着層は、例えば粘着シートからなることができる。粘着シートの厚さは、50μm〜250μmであることが好ましい。50μm以上の厚さを有することで、研磨層10の研磨面20側からの圧力を十分に緩和することができ、250μm以下の厚さを有することで、凹凸の影響を研磨性能に与えない程度に均一な厚みを有する化学機械研磨パッド100が得られる。
粘着シートの材質としては、研磨層10を研磨装置用定盤14に固定することができれば特に限定されないが、研磨層10より弾性率の低いアクリル系またはゴム系の材質であることが好ましい。
粘着シートの接着強度は、化学機械研磨パッド100を研磨装置用定盤14に固定することができれば特に限定されないが、「JIS Z0237」の規格で粘着シートの接着強度を測定した場合、その接着強度が好ましくは3N/25mm以上、より好ましくは4N/25mm以上、特に好ましくは10N/25mm以上である。
クッション層は、研磨層10よりも硬度が低い材質からなれば、その材質は特に限定されず、多孔質体(発泡体)または非多孔質体であってもよい。クッション層としては、例えば、発泡ポリウレタン等を成形した層が挙げられる。クッション層の厚さは、好ましくは0.1mm〜5.0mm、より好ましくは0.5mm〜2.0mmである。
2.化学機械研磨パッドの製造方法
本実施の形態に係る化学機械研磨パッドは、例えば金型を用いた成型方法や、研磨層の表面を非発泡性の材料でコーティングすることにより製造することができる。以下、化学機械研磨パッドの製造方法の一例について説明する。
まず、ポリウレタンフォーム等の発泡樹脂ブロックを作製した後、それをスライスする。次いで、切削等の手段によりその発泡樹脂ブロックの表面に凹部を作製した後、さらにその表面に非発泡性の材料を塗布する。かかる製造方法によれば、凹部の内面に前記材料が塗布されることで表層部が形成され、前述の化学機械研磨パッドを製造することができる。
また、本実施の形態に係る化学機械研磨パッドは、ポリウレタンを少なくとも含有する組成物を用意する工程と、金型を用いて前記組成物を成型する工程と、を含む方法によっても製造することができる。なお、前記金型の表面は、前述の化学機械研磨パッドを効率的に製造する観点から、ケイ素およびフッ素から選択される少なくとも1種の元素を含有する材料で被覆されていることが好ましい。以下、金型を用いた化学機械研磨パッドの製造方法の一例について説明する。
まず、研磨層を成型するための金型を用意する。金型の材質は、特に限定されないが、例えば、アルミニウム、炭素鋼、工具鋼、セラミック等が挙げられる。使用する金型の表面形状は、平坦でも構わないが、「1.化学機械研磨パッド」の項で説明したような凹部形状を成型するための凹部パターンを備えていることが好ましい。金型に凹部パターンを備えることで、成型された研磨層に前記凹部パターンを効率良く転写することができる。
前記凹部パターンの形状は、特に限定されず、例えば平面視において螺旋状、環状、格子状等であることができる。前記凹部パターンの平面形状が環状である場合には、該環の直径は1mm〜1100mmであることが好ましく、1mm〜1000mmであることがより好ましく、2mm〜850mmであることが特に好ましい。また、前記凹部パターンの平面形状が螺旋状、環状または格子状である場合には、凹部の幅は0.1mm〜5.0mmであることが好ましく、0.2mm〜3.0mmであることがより好ましい。凹部の深さは、凹部パターンの形状に拘わらず、0.1mm〜2.5mmであることが好ましく、0.2mm〜2.0mmであることがより好ましく、0.2mm〜1.5mmであることが特に好ましい。これらの凹部パターンは、一本線または一個のみで形成されていてもよいし、二本以上の線または二個以上で形成されていてもよい。
また、金型表面の算術表面粗さ(Ra)は、金型からの研磨層の剥離性を向上させる観点から、20μm以下であることが好ましく、15μm以下であることがより好ましい。金型表面の算術表面粗さは、例えば光学式表面粗さ測定装置や接触式表面粗さ測定装置等を使用して測定することができる。前記光学式表面粗さ測定装置としては、例えば三次元表面構造解析顕微鏡、走査型レーザー顕微鏡、電子線表面形態解析装置等が挙げられる。前記接触式表面粗さ測定装置としては、例えば触針式表面粗さ計等が挙げられる。
次いで、ポリウレタンを少なくとも含有する組成物を用意する。ポリウレタンとしては、特に限定されないが、熱可塑性ポリウレタンを用いることが好ましい。かかる組成物には、必要に応じて、水溶性粒子、架橋剤、架橋助剤、有機フィラー、無機フィラー等の添加剤を添加してもよい。
次いで、前記金型に前記組成物を充填し、圧縮成型、押出成型等の手段により研磨層を成型する。前記組成物に架橋剤が添加されている場合には、好ましくは160℃〜220℃、より好ましくは170℃〜210℃の温度に前記金型をあらかじめ加熱しておき、架橋させて成型すればよい。一方、前記組成物に架橋剤が添加されていない場合には、可塑化した組成物をプレス機または射出成形機で成型し冷却固化させる方法、またはTダイを備えたエクストルーダーを用いて可塑化・シート化する方法を用いて成型すればよい。使用する金型の表面形状が平坦である場合には、成型後に切削等の手段により凹部を形成すればよい。
最後に、得られた研磨層の表面に非発泡性の材料を塗布する。これにより、研磨層の表面(研磨面、凹部の内面)に表層部を形成することができる。塗布することのできる非発泡性の材料としては、ケイ素およびフッ素から選択される少なくとも1種の元素を含有する材料が好ましく、具体的には、シリコン、シリコーン、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、ケイ酸、炭化ケイ素、ケイ酸塩、ケイ素樹脂、有機シラン、シロキシド、シリルヒドリド、シレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、フッ素樹脂、金属フッ化物、非金属フッ化物から選択される少なくとも1種を含有する組成物が挙げられる。
なお、金型を用いる場合には、前述したようにあらかじめ金型表面にケイ素およびフッ素から選択される少なくとも1種の元素を含有する材料を塗布しておき、研磨層を成型する方法が効率的であり好ましい。
また、使用する金型には、ケイ素およびフッ素から選択される少なくとも1種の元素を含有する材料を塗布する以外の表面処理を任意で行うことができる。任意の表面処理としては、例えば、電気メッキ、溶融メッキ、拡散メッキ、蒸着メッキ、無電解メッキ、溶射、化成処理、火炎焼き入れ、高周波焼き入れ、侵炭、窒化、電子ビーム焼き入れ、レーザー焼き入れ、ショットピーニングが挙げられる。
3.化学機械研磨パッドを用いた化学機械研磨方法
本実施の形態に係る化学機械研磨方法は、前述の化学機械研磨パッドを用いて化学機械研磨することを特徴とする。前述の化学機械研磨パッドは、化学機械研磨工程において長時間に亘ってスラリーに晒された場合であっても研磨層に設けられた凹部の内面からのスラリー成分の進入を低減させることができるため、良好な研磨特性を維持できる。本実施の形態に係る化学機械研磨方法は、このような化学機械研磨パッドを用いるため、化学機械研磨工程において長時間に亘ってスラリーに晒された場合であっても常に一定の研磨性能を発揮することができる。
本実施の形態に係る化学機械研磨方法においては、市販の化学機械研磨装置を用いることができる。市販の化学機械研磨装置としては、例えば、型式「EPO−112」、型式「EPO−222」(以上、株式会社荏原製作所製);型式「LGP−510」、型式「LGP−552」(以上、ラップマスターSFT社製);型式「Mirra」(アプライドマテリアル社製)等が挙げられる。
また、スラリーとしては、研磨対象(銅膜、絶縁膜、低誘電率絶縁膜等)に応じて適宜最適なものを選択することができる。
4.実施例
4.1.実施例1
熱可塑性ポリウレタン(BASF社製、商品名「エラストラン1174D」)35質量部、熱可塑性ポリウレタン(BASF社製、商品名「エラストランNY97A」)35質量部、水溶性粒子としてβ−サイクロデキストリン(塩水港精糖株式会社製、商品名「デキシーパールβ−100」)30質量部を、180℃に加熱されたルーダーにて混練して熱可塑性ポリウレタン組成物を得た。次いで、幅0.5mm、高さ1.4mm、ピッチ1.5mmの同心円状のリブを有し、表面が約1μmのシリコン系樹脂コーティングが施された材質S55Cの金型を準備した。この金型に得られた組成物を充填し、180℃で圧縮成型を行うことにより、幅0.5mm、深さ1.4mm、ピッチ1.5mmの凹部を有する、直径845mm、厚さ3.1mmの円盤形状の化学機械研磨パッドを得た。得られた化学機械研磨パッドの表面には、欠けは認められず、成型性は良好であった。
前記化学機械研磨パッドを23℃の水に1時間浸漬した後、研磨面に形成された凹部の内面のうち任意の3点(1mm×1mmの矩形の範囲)を選定し、マイクロスコープ(株式会社キーエンス製、型式「VH−6300」)を用いてその範囲を175倍に拡大した画像をそれぞれ得た。得られた画像を画像処理ソフト(例えば、Image Analyzer V20LAB Ver.1.3)により処理して、前記3点の開口部の面積それぞれ求め、その平均値を算出した。その値から、下記式(1)により平均開口率D1(%)を算出した。その結果を表1に示す。
平均開口率D1(%)=(開口部の面積の平均値/画像全体の面積)×100…(1)
また、得られた化学機械研磨パッドの表層部とは交差しない任意の面で切断して断面を作製し、該断面をミクロトームで平滑にした。その後、得られた断面を23℃の水に1時間浸漬した後、該断面のうち任意の3点(1mm×1mmの矩形の範囲)を選定し、マイクロスコープ(株式会社キーエンス製、型式「VH−6300」)を用いてその範囲を175倍に拡大した画像をそれぞれ得た。これ以降の操作については、前記平均開口率D1(%)の算出方法と同様にして、平均開口率D2(%)を求めた。その結果を表1に示す。
研磨面に形成された凹部の内面の任意の部位について、表面粗さ測定機(株式会社ミツトヨ製、「SURFTEST」)を使用し、速度0.5mm/s、基準長さ0.8mmの条件で縦方向および横方向についてそれぞれ5区間の粗さ曲線を各2回測定した。得られた粗さ曲線から、平均線から測定曲線までの偏差の絶対値の平均を表面粗さ(Ra)として求めた。その結果を表1に示す。
得られた化学機械研磨パッドにおける研磨層の表層部の任意3点において、X線光電子分光装置(アルバック・ファイ社製、型式「Quantum2000」)を用いて測定することにより算出された、ケイ素原子濃度およびフッ素原子濃度の平均値を表1に示す。
また、X線光電子分光装置内において、化学機械研磨パッドの研磨層における表層部に対して、加速電圧が5kVの条件で5分間アルゴンイオンエッチングを行った。得られた被エッチング面(深層部)の任意3点において、X線光電子分光装置を用いて測定することにより算出された、ケイ素原子濃度およびフッ素原子濃度の平均値を表1に示す。
上記の製造方法により作製した化学機械研磨パッドを化学機械研磨装置(アプライドマテリアル製、「Applied Reflexion LK」)に装着し、下記の条件で繰り返し研磨試験を行った。下記の条件で行った10枚目の研磨試験における研磨速度の評価結果と200枚目の研磨試験における研磨速度の評価結果を表1に示す。なお、研磨速度が200nm/分以上である場合には研磨特性が良好であると判断し「○」と記載した。研磨速度が200nm/分未満である場合には研磨特性が不良であると判断し「×」と記載した。
<初期ドレッシング>
・定盤回転数:120rpm
・脱イオン水供給量:100mL/分
・研磨時間:600秒
<研磨速度評価>
12インチPETEOS膜付きウエハを被研磨体として以下の条件にて化学機械研磨を行った。なお、PETEOS膜とは、テトラエチルシリケート(TEOS)を原料とし、促進条件としてプラズマを利用した化学気相成長法で成膜した酸化ケイ素膜である。
・定盤回転数:120rpm
・研磨ヘッド回転数:36rpm
・研磨ヘッド押し付け圧:240hPa
・スラリー供給量:300mL/分
・研磨時間:60秒
・スラリー:CMS1101(JSR株式会社製)
前記被研磨体である12インチPETEOS膜付きウエハにつき、直径方向に両端からそれぞれ5mmの範囲を除いて均等にとった33点について化学機械研磨前後のPETEOS膜の厚さを測定した。この測定結果から、下記式(3)および(4)により研磨速度を算出した。
研磨量(nm)=研磨前の膜厚(nm)−研磨後の膜厚(nm) …(3)
研磨速度(nm/分)=33点の研磨量の平均値(nm)/研磨時間(分) …(4)
また、10枚目の研磨試験における研磨速度と200枚目の研磨試験における研磨速度との比(以下、「研磨速度比」ともいう)を下記式(5)により求めて、研磨速度比が0.95以上である場合には研磨特性が維持されており良好であると判断し「○」と記載した。研磨速度比が0.95未満である場合には研磨特性が維持できず不良であると判断し「×」と記載した。
研磨速度比=(200枚目の研磨試験における研磨速度)/(10枚目の研磨試験における研磨速度) …(5)
<スクラッチの評価>
被研磨体としてシリコン基板上にPETEOS膜を500nm積層させた後、「SEMATECH 854」マスクパターン加工し、その上に25nmのタンタル膜、1100nmの銅膜を順次積層させたテスト用の基板を用いて被研磨体とした。被研磨体を変更したこと以外は、前記<研磨速度評価>と同様の条件で化学機械研磨を行った。研磨処理後の被研磨面をウエハ欠陥検査装置(KLAテンコール社製、型式「KLA2351」)を使用して、ウエハ全面におけるスクラッチの個数を測定した。なお、スクラッチの評価には、研磨枚数が10枚目と200枚目のウエハを用いた。上記の条件で行った10枚目の研磨試験におけるスクラッチの評価結果と200枚目の研磨試験におけるスクラッチの評価結果を表1に示す。なお、スクラッチの個数が20個以下である場合には、研磨特性が良好であると判断し「○」と記載した。スクラッチの個数が20個を超える場合には研磨特性が不良であると判断し「×」と記載した。
4.2.実施例2
熱可塑性ポリウレタン(BASF社製、商品名「エラストラン1174D」)40質量部、熱可塑性ポリウレタン(BASF社製、商品名「エラストランNY97A」)40質量部、水溶性粒子としてβ−サイクロデキストリン(塩水港精糖株式会社製、商品名「デキシーパールβ−100」)20質量部を180℃に加熱されたルーダーにて混練して熱可塑性ポリウレタン組成物を得たこと以外は、実施例1と同様にして化学機械研磨パッドを作製した。得られた化学機械研磨パッドの研磨層特性および評価結果を表1に示す。
4.3.実施例3
熱可塑性ポリウレタン(BASF社製、商品名「エラストラン1174D」)を20質量部、熱可塑性ポリウレタン(BASF社製、商品名「エラストランNY97A」)を20質量部、水溶性物質としてβ−サイクロデキストリン(塩水港精糖株式会社製、商品名「デキシーパールβ−100」)60質量部とし、シリコン化合物を含有するスプレー式の離型剤(シルウントザイラッハ社製、商品名「パーマリース10」)を金型の表面に15g噴霧し成型したこと以外は、実施例1と同様にして化学機械研磨パッドを作製した。得られた化学機械研磨パッドの研磨層特性および評価結果を表1に示す。
4.4.実施例4
実施例1で用いた金型と同形状、表面無処理の金型を準備し、シリコン化合物を含有するスプレー式の離型剤(シルウントザイラッハ社製、商品名「パーマリース10」)をその表面に15g塗布した。この金型を用いること以外は、実施例2と同様にして化学機械研磨パッドを作製した。得られた化学機械研磨パッドの研磨層特性および評価結果を表1に示す。
4.5.実施例5
フッ素コーティングした反応容器に、フィルタリングしたポリエーテル系プレポリマー(ユニロイヤル社製、商品名「アジプレンL−325」)100質量部、およびフィルタリングしたシリコーン系界面活性剤(東レ・ダウシリコーン社製、商品名「SH192」)3質量部を混合し、反応温度を80℃に調整した。フッ素コーティングした撹拌機を用いて、回転数900rpmで反応系内に気泡を取り込むように約4分間激しく撹拌を行った。そこへ予め120℃の温度で溶融させ、フィルタリングした4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)(イハラケミカル社製、商品名「イハラキュアミンMT」)を26質量部添加した。約1分間撹拌を続けた後、実施例1で用いた金型へ反応溶液を充填し、110℃で加熱して化学機械研磨パッドを作製した。得られた化学機械研磨パッドの研磨層特性および評価結果を表1に示す。
4.6.実施例6
リブを有していない表面が平坦な金型を準備した。この金型に実施例2で得られた熱可塑性ポリウレタン組成物を充填し、180℃で圧縮成型し、化学機械研磨パッドの母体を得た。得られた母体をサンダー処理した後、切削加工により凹部を形成することで、幅0.5mm、深さ1.4mm、ピッチ1.5mmの凹部を有する、直径845mm、厚さ3.1mmの円盤形状の化学機械研磨パッドを得た。さらに、得られた化学機械研磨パッドの研磨層の研磨に供される表面に、シリコン化合物を含有するスプレー(シルウントザイラッハ社製、商品名「パーマリース10」)を2g噴霧した。このようにして、目的とする化学機械研磨パッドを作製した。得られた化学機械研磨パッドの研磨層特性および評価結果を表1に示す。
4.7.実施例7
シリコン化合物を含有するスプレー(シルウントザイラッハ社製、商品名「パーマリース10」)を3g噴霧したこと以外は、実施例6と同様にして化学機械研磨パッドを作製した。得られた化学機械研磨パッドの研磨層特性および評価結果を表1に示す。
4.8.実施例8
表面が約5μmのフッ素系樹脂コーティングが施された材質S55Cの金型を使用したこと以外は、実施例2と同様にして化学機械研磨パッドを作製した。得られた化学機械研磨パッドの研磨層特性および評価結果を表1に示す。
4.9.実施例9
フッ素系化合物を含有するスプレー(株式会社ネオス製、商品名「フリリース20」)を2g噴霧したこと以外は、実施例6と同様にして化学機械研磨パッドを作製した。得られた化学機械研磨パッドの研磨特性および評価結果を表1に示す。
4.10.実施例10
シリコン化合物およびフッ素化合物を含有するスプレー(株式会社ネオス製、商品名「フリリース11F」)を2g噴霧したこと以外は、実施例6と同様にして化学機械研磨パッドを作製した。得られた化学機械研磨パッドの研磨特性および評価結果を表1に示す。
4.11.比較例1
リブを有していない表面が平坦な金型を準備した。この金型に実施例1で得られた熱可塑性ポリウレタン組成物を充填し、180℃で圧縮成型し、化学機械研磨パッドの母体を得た。得られた母体をサンダー処理した後、切削加工により凹部を形成することで、幅0.5mm、深さ1.4mm、ピッチ1.5mmの凹部を有する、直径845mm、厚さ3.1mmの円盤形状の化学機械研磨パッドを得た。得られた化学機械研磨パッドの研磨特性および評価結果を表1に示す。
4.12.比較例2
リブを有していない表面が平坦な金型を準備した。この金型に実施例3で得られた熱可塑性ポリウレタン組成物を充填し、180℃で圧縮成型し、化学機械研磨パッドの母体を得た。得られた母体をサンダー処理した後、切削加工により凹部を形成することで、幅0.5mm、深さ1.4mm、ピッチ1.5mmの凹部を有する、直径845mm、厚さ3.1mmの円盤形状の化学機械研磨パッドを得た。得られた化学機械研磨パッドの研磨特性および評価結果を表1に示す。
4.13.比較例3
リブを有していない表面が平坦な金型を準備した。この金型に実施例5で得られた組成物を充填し、110℃で加熱して化学機械研磨パッドの母体を得た。得られた母体をサンダー処理した後、切削加工により凹部を形成することで、幅0.5mm、深さ1.4mm、ピッチ1.5mmの凹部を有する、直径845mm、厚さ3.1mmの円盤形状の化学機械研磨パッドを得た。得られた化学機械研磨パッドの研磨特性および評価結果を表1に示す。
4.14.比較例4
熱可塑性ポリウレタン組成物を作製する際にβ−サイクロデキストリンを添加しなかったこと以外は、実施例2と同様にして化学機械研磨パッドを作製した。得られた化学機械研磨パッドの研磨特性および評価結果を表1に示す。
Figure 2012008252
4.15.評価結果
実施例1〜実施例10で作製された化学機械研磨パッドは、いずれも凹部の内面を含む表層部を備えており、いずれも平均開口率D2に対する平均開口率D1の比率(D1/D2)が0.01以上0.5以下であった。これらの化学機械研磨パッドを使用した研磨速度評価によれば、化学機械研磨を繰り返し200枚行っても10枚目の研磨速度とほぼ同等の研磨速度が得られた。また、これらの化学機械研磨パッドを使用したスクラッチ評価によれば、化学機械研磨を繰り返し200枚行ってもスクラッチの個数を20個以下に抑制することができた。このことから、凹部の内面を含む表層部を備え、かつ平均開口率D2に対する平均開口率D1の比率(D1/D2)が0.01以上0.5以下である化学機械研磨パッドによれば、該凹部の内面からのスラリー成分の進入を低減させることができるため、化学機械研磨を繰り返し行っても研磨特性が維持されたと考えることができる。
比較例1および比較例2で作製された化学機械研磨パッドは、平均開口率D2に対する平均開口率D1の比率(D1/D2)が0.5を超えている。比較例1および比較例2のスクラッチ評価によれば、化学機械研磨を繰り返し200枚行った場合、いずれの例においてもスクラッチ数が20個を超えてしまうことが判った。この理由は、比較例1および比較例2で作製された化学機械研磨パッドは、凹部の内面を含む表層部を備えていないため、化学機械研磨を繰り返し行うことにより凹部の内面からスラリー成分が徐々に進入し、該凹部が変形することで研磨特性が徐々に低下したためと考えられる。
比較例3で作製された化学機械研磨パッドは、平均開口率D1とD2の関係がD1=D2であり、かつ製法上凹部の内面を含む表層部を備えていない。比較例3の研磨速度評価によれば、化学機械研磨を繰り返し200枚行った場合、10枚目よりも大幅に低下することが判った。また、比較例3のスクラッチ評価によれば、化学機械研磨を繰り返し200枚行った場合、スクラッチ数が20個を超えてしまうことが判った。この理由としては、比較例3で作製された化学機械研磨パッドは、平均開口率D1とD2の関係がD1=D2であり、かつ凹部の内面を含む表層部を備えていないため、化学機械研磨を繰り返し行うことにより該凹部の内面からスラリー成分が徐々に進入し、該凹部が変形することで研磨特性が徐々に低下したためと考えられる。
比較例4で作製された化学機械研磨パッドの凹部内面における平均開口率D1は、0%であった。すなわち、開口部は全く観察されなかった。この化学機械研磨パッドによれば、化学機械研磨1枚目から良好な研磨速度が得られなかった。この理由としては、凹部内面だけでなく研磨層表面においても開口部が全く存在しないため、化学機械研磨時のスラリー保持機能が低下し、研磨速度の低下を引き起こしたものと考えられる。
以上の結果から、凹部の内面を含む表層部を備えており、かつ、平均開口率D2に対する平均開口率D1の比率(D1/D2)が0.01以上0.5以下である化学機械研磨パッドによれば、該凹部の内面からのスラリー成分の進入を低減させることができるため、化学機械研磨を繰り返し行っても研磨特性が保持されることが判った。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
10…研磨層、10a・10a’…表層部、10b・10b’…深層部、12…支持層、14…研磨装置用定盤、16・17・18・19…凹部、20…研磨面、22・24・26・28…断面、100・200・300…化学機械研磨パッド

Claims (7)

  1. 研磨層を備えた化学機械研磨パッドであって、
    前記研磨層の研磨に供される表面には凹部が設けられ、
    前記研磨層は少なくとも前記凹部の内面を含む表層部を有し、
    前記表層部と交差しない面で前記研磨層を切断した断面を23℃の水に1時間浸漬したときの前記断面における平均開口率D2(%)に対する、前記研磨層を23℃の水に1時間浸漬したときの前記凹部の内面における平均開口率D1(%)の比率(D1/D2)が、0.01以上0.5以下であることを特徴とする、化学機械研磨パッド。
  2. 前記平均開口率D1(%)が0.1%以上20%以下であることを特徴とする、請求項1に記載の化学機械研磨パッド。
  3. 前記平均開口率D2(%)が10%以上50%以下であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の化学機械研磨パッド。
  4. 前記凹部の内面における表面粗さ(Ra)が1μm以上10μm以下であることを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の化学機械研磨パッド。
  5. 前記研磨層の研磨に供される表面を、X線光電子分光法(XPS)によって元素分析することにより算出されるケイ素原子濃度またはフッ素原子濃度が、0.5atom%以上10atom%以下であることを特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の化学機械研磨パッド。
  6. 前記凹部の内面を、X線光電子分光法(XPS)によって元素分析することにより算出されるケイ素原子濃度またはフッ素原子濃度が、0.5atom%以上10atom%以下であることを特徴とする、請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の化学機械研磨パッド。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の化学機械研磨パッドを用いて化学機械研磨することを特徴とする、化学機械研磨方法。
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