JPWO2012008160A1 - 不揮発性記憶装置及びその製造方法 - Google Patents

不揮発性記憶装置及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2012008160A1
JPWO2012008160A1 JP2011541017A JP2011541017A JPWO2012008160A1 JP WO2012008160 A1 JPWO2012008160 A1 JP WO2012008160A1 JP 2011541017 A JP2011541017 A JP 2011541017A JP 2011541017 A JP2011541017 A JP 2011541017A JP WO2012008160 A1 JPWO2012008160 A1 JP WO2012008160A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
oxide layer
metal oxide
tantalum oxide
memory device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2011541017A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4913268B2 (ja
Inventor
健生 二宮
健生 二宮
藤井 覚
覚 藤井
早川 幸夫
幸夫 早川
三河 巧
巧 三河
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2011541017A priority Critical patent/JP4913268B2/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4913268B2 publication Critical patent/JP4913268B2/ja
Publication of JPWO2012008160A1 publication Critical patent/JPWO2012008160A1/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N70/00Solid-state devices having no potential barriers, and specially adapted for rectifying, amplifying, oscillating or switching
    • H10N70/20Multistable switching devices, e.g. memristors
    • H10N70/24Multistable switching devices, e.g. memristors based on migration or redistribution of ionic species, e.g. anions, vacancies
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N70/00Solid-state devices having no potential barriers, and specially adapted for rectifying, amplifying, oscillating or switching
    • H10N70/011Manufacture or treatment of multistable switching devices
    • H10N70/021Formation of switching materials, e.g. deposition of layers
    • H10N70/026Formation of switching materials, e.g. deposition of layers by physical vapor deposition, e.g. sputtering
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N70/00Solid-state devices having no potential barriers, and specially adapted for rectifying, amplifying, oscillating or switching
    • H10N70/011Manufacture or treatment of multistable switching devices
    • H10N70/061Shaping switching materials
    • H10N70/063Shaping switching materials by etching of pre-deposited switching material layers, e.g. lithography
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N70/00Solid-state devices having no potential barriers, and specially adapted for rectifying, amplifying, oscillating or switching
    • H10N70/801Constructional details of multistable switching devices
    • H10N70/821Device geometry
    • H10N70/826Device geometry adapted for essentially vertical current flow, e.g. sandwich or pillar type devices
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N70/00Solid-state devices having no potential barriers, and specially adapted for rectifying, amplifying, oscillating or switching
    • H10N70/801Constructional details of multistable switching devices
    • H10N70/881Switching materials
    • H10N70/883Oxides or nitrides
    • H10N70/8833Binary metal oxides, e.g. TaOx

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Semiconductor Memories (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)
  • Formation Of Insulating Films (AREA)

Abstract

初期化電圧を減少させ、低動作電圧が可能な不揮発性記憶装置を提供する。その不揮発性記憶装置(10)は、半導体基板(100)上に形成された第1電極層(105)と、第1電極層(105)上に形成されたTaOx(0.8≦x≦1.9)で表される組成を有する酸素不足型の第1のタンタル酸化物層(106x)と、第1のタンタル酸化物層(106x)上に形成されたTaOy(2.1≦y)で表される組成を有する第2のタンタル酸化物層(106y)と、第2のタンタル酸化物層(106y)上に形成された第2電極層(107)から構成され、第2のタンタル酸化物層(106y)は複数の柱状体から構成される柱状構造を有する。

Description

本発明は、電圧パルスを印加することにより抵抗値が変化する抵抗変化型の不揮発性記憶装置及びその製造方法に関する。
近年、デジタル技術の進展に伴って携帯情報機器や情報家電等の電子機器がより一層高機能化している。これらの電子機器の高機能化に伴い、使用される半導体素子の微細化および高速化が急速に進んでいる。その中でも、フラッシュメモリに代表されるような大容量の不揮発性メモリの用途が急速に拡大している。更に、このフラッシュメモリに置き換わる次世代の新型不揮発性メモリとして、いわゆる抵抗変化型素子を用いた不揮発性記憶装置の研究開発が進んでいる。ここで、抵抗変化型素子とは、電気的信号によって抵抗値が可逆的に変化する性質を有し、さらにはこの抵抗値に対応した情報を不揮発的に記憶することが可能な素子のことをいう。
特許文献1では、酸素含有率の異なるタンタル酸化物層を積層して抵抗変化層に用いた抵抗変化型素子が開示されている。図13に、従来の抵抗変化型素子を搭載した不揮発性記憶装置20を示す。第1配線201が形成された半導体基板200と、この半導体基板200上に第1配線201を覆って形成された第1層間絶縁層202と、この第1層間絶縁層202を貫通して第1配線201と第1電極層205とを電気的に接続するための第1コンタクトホール203が形成され、その内部にタングステンを主成分として埋め込まれた第1コンタクトプラグ204を有している。そして、第1コンタクトプラグ204を被覆して、第1層間絶縁層202上には、第1電極層205、抵抗変化層206、第2電極層207で構成される抵抗変化型素子212が形成されている。この抵抗変化型素子212を被覆して、第2層間絶縁層208が形成され、この第2層間絶縁層208を貫通して、第2電極層207と第2配線211とを電気的に接続するための第2コンタクトホール209が形成され、その内部に第2コンタクトプラグ210が形成されている。第2コンタクトプラグ210を被覆して、第2層間絶縁層208上には、第2配線211が形成されている。
抵抗変化層206は第1のタンタル酸化物層206xと第2のタンタル酸化物層206yの積層構造で構成され、第2のタンタル酸化物層206yの酸素含有率は、第1のタンタル酸化物層206xの酸素含有率より高い。
また、非特許文献1には、遷移金属酸化物を抵抗変化型素子として用いた不揮発性メモリが開示されている。遷移金属酸化物薄膜は、通常絶縁体であり、抵抗値をパルス変化させるためには、初期化処理を行い、高抵抗状態と低抵抗状態を切り替え可能な導電パスを形成できることが示されている。図15は、非特許文献1で示されている初期化電圧と遷移金属酸化物の厚さ依存性を示す図である。遷移金属酸化物としては、NiO、TiO2、HfO2、ZrO2の4種類の特性が示されており、必要な初期化電圧は、遷移金属酸化物の種類に依存し、遷移金属酸化物厚さが厚くなるほど高くなる。このため、初期化電圧を低減させるためには、遷移金属酸化物の厚さを薄膜化することが好ましいことが開示されている。
国際公開第2008/149484号
I. G. Baek et al.,IEDM2004,p.587
不揮発性記憶装置の製造プロセスにおいては、銅やアルミニウムで構成された配線の形成などに約400℃の加熱工程が存在する。このような加熱工程は、図13に示す抵抗変化型素子212を構成する第1電極層205あるいは第2電極層207から抵抗変化層206側に向かって、電極材料の小さな突起(hillock)を発生させる。抵抗変化型素子212の第2電極層207に小さな突起が発生した場合、抵抗変化層に生じる導電パスは、突起を起点として発生する。これは、抵抗変化層側へ発生する突起によって、第2のタンタル酸化物層206yの厚さが部分的に薄くなっているためである。また、抵抗変化型素子212の初期の絶縁状態は、遷移金属酸化物の厚さだけでなく、突起の形状、大きさ、密度によって変動し、且つ初期抵抗値のばらつきも増加する。さらに、突起の形状、大きさ、密度は、電極材料や層間絶縁層のストレス、温度等のプロセス要因に強く依存する為、その制御は非常に困難である。以上のことから、抵抗変化型素子の初期抵抗値を安定させる為には、抵抗変化型素子の電極に小さな突起を発生させない事が望ましい。
抵抗変化型素子の電極材料には、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、パラジウム(Pd)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)等が用いられる。特に、Irは熱膨張係数(coefficient of thermal expansion)が6.4×10-6(℃-1)とPtの熱膨張係数8.8×10-6(℃-1)より小さい。また、Irのヤング率は529×109(N/m2)とPtのヤング率152×109(N/m2)より大きい。これらの物理特性からIrはPtに比べ、熱膨張しにくいため応力がかかりにくく、また応力がかかった場合にも塑性変形が生じ難いため、400℃程度の加熱工程を通しても突起の発生がほとんどない。図14(a)に第2電極層207の材料としてPtを用いた場合の抵抗変化型素子212の断面のTEM(透過型電子顕微鏡)像を示す。図14(a)には、第1電極層205上に第1のタンタル酸化物層206x及び第2のタンタル酸化物層206y、第2電極層207が積層されており、第2電極層の小さな突起によって第2のタンタル酸化物層206yが部分的に薄くなっていることが明らかである。一方、図14(b)は、Irを電極材料に用いた場合の抵抗変化型素子の断面TEM像を示す。図14(b)でも、図14(a)と同様に第1電極層205上に第1のタンタル酸化物層206x及び第2のタンタル酸化物層206y、第2電極層207が積層されている。しかしながら、図14(b)に示した例では、図14(a)とは異なり、第2電極層207に小さな突起が発生せず、第2のタンタル酸化物層の厚さは均一であることがわかる。電極に小さな突起が発生しない場合、初期抵抗値は、金属酸化物層の厚さで制御が可能となり、且つ、ばらつきも大幅に改善される。しかしながら、電極に小さな突起が無いため、第2のタンタル酸化物の厚さが部分的に薄くなる箇所が存在しない。このため、製造直後の抵抗変化型素子の抵抗変化層に導電パスを形成する際に、1回乃至複数回、通常の抵抗変化に用いる駆動電圧より絶対値が高い電圧を抵抗変化膜に印加して行う初期化処理においては、電極に小さな突起がある場合より初期化処理の電圧(初期化電圧)を高くする必要があり、不揮発性記憶装置における低電圧での初期化の妨げとなる。
本発明の目的は、上記の課題を解決するものであり、電極と抵抗変化層の界面に小さな突起を形成しないよう作成した抵抗変化型素子を搭載する不揮発性記憶装置において、初期化電圧を減少させ、低電圧での初期化が可能な不揮発性記憶装置及びその製造方法を提供する事である。
上述した課題を解決するために、本発明に係る不揮発性記憶装置の一形態は、印加される電気パルスの極性に応じて抵抗値が変化する抵抗変化型の不揮発性記憶装置であって、半導体基板上に形成された第1電極層と、前記第1電極層上に形成された抵抗変化層と、前記抵抗変化層上に形成された第2電極層とを備え、前記抵抗変化層は、前記第1電極層上に形成された酸素不足型の第1の金属酸化物層と、前記第1の金属酸化物層上に形成され、前記第1の金属酸化物層の酸素不足度よりも小さい酸素不足度をもつ第2の金属酸化物層とで構成され、前記第2の金属酸化物層は、TaOy(2.1≦y)で表される組成を有するタンタル酸化物層であり、複数の柱状体から構成される柱状構造を有している。
このとき、前記第1の金属酸化物層は、遷移金属の酸化物層であるのが好ましく、さらに、前記第1の金属酸化物層は、TaOx(0.8≦x≦1.9)で表される組成を有するタンタル酸化物層であるのがさらに好ましい。
より詳しくは、前記第2の金属酸化物層は、前記第1の金属酸化物層上に立つ複数の柱状体から構成される柱状構造を有している。ここで、前記複数の柱状体は、柱径が16nmよりも小さい構成であってもよい。
このように、第2の金属酸化物層が複数の柱状体から構成される柱状構造を有することにより、電極に小さな突起が発生しない材料を用いても、不揮発性記憶装置の初期化電圧を低減させることができる。
また、上述した課題を解決するために、本発明に係る不揮発性記憶装置の製造方法の一形態は、印加される電気パルスの極性に応じて抵抗値が変化する抵抗変化型の不揮発性記憶装置の製造方法であって、半導体基板上に、第1電極層を構成する第1電極材料層を形成する第1工程と、前記第1電極材料層上に、抵抗変化層を形成する第2工程と、前記抵抗変化層上に第2電極を構成する第2電極材料層を形成する第3工程とを有し、前記第2工程は、前記第1電極材料層上に酸素不足型の第1の金属酸化物層を形成する第2の1の工程と、前記第1の金属酸化物層上に、前記第1の金属酸化物層の酸素不足度よりも小さい酸素不足度をもつ第2の金属酸化物層を形成する第2の2の工程とを含み、前記第2の2の工程では、スパッタリング法により、前記第2の金属酸化物層として、複数の柱状体から構成される柱状構造を有するタンタル酸化物層を構成するタンタル酸化物材料層を形成する。
ここで、もし、タンタル酸化物層をCVD法やALD法で形成するならば、例えばペンタエトキシタンタル(Ta(OC255)といったタンタル酸化物の原料物質が必要となる。ところが、スパッタリング法によりタンタル酸化物層を形成する本願発明に係る製造方法では、原料をタンタル酸化物やタンタル金属及び酸素ガスとすることができるため、製造コストを下げることができる。
また、前記第2の2の工程において、前記タンタル酸化物材料層を、Ta25で表される組成を有するタンタル酸化物をスパッタターゲットとして用い、スパッタガスとして希ガス元素を用いたスパッタリング法により、形成してもよい。このように、Ta25で表される組成を有するタンタル酸化物を用いたスパッタターゲットを用い、希ガス元素のみを用いたてスパッタリング法を用いることで、抵抗変化特性に優れた、TaOy(2.1≦y)で表される組成を有するタンタル酸化物層を得ることができる。さらに、タンタルをスパッタターゲットとして、スパッタガスに酸素を用いた反応性スパッタ法によりタンタル酸化物材料層を形成する方法とは異なり、スパッタリング時に酸素を用いないため、TaOx(0.8≦x≦1.9)で表される組成を有する第1の金属酸化物層(例えば、第1のタンタル酸化物材料層)がスパッタリング時に酸化されることを防ぐことができる。
また、前記第2の2の工程において、前記タンタル酸化物材料層をスパッタリング法により形成する時の成膜圧力が、0.2Pa以上3Pa以下であってもよい。このように、スパッタリング時の成膜室内の圧力を0.2Pa以上3Pa以下とすることで、目的とする柱状構造を低温で得ることが可能となる。
また、本発明に係る不揮発性記憶装置の他の一形態は、印加される電気パルスの極性に応じて抵抗値が変化する抵抗変化型の不揮発性記憶装置であって、半導体基板上に形成された第1電極層と、前記第1電極層上に形成された抵抗変化層と、前記抵抗変化層上に形成された第2電極層とを備え、前記抵抗変化層は、前記第1電極層上に形成された第2の金属酸化物層と、前記第2の金属酸化物層上に形成され、前記第2の金属酸化物層の酸素不足度よりも大きい酸素不足度をもつ第1の金属酸化物層とで構成され、前記第2の金属酸化物層は、TaOy(2.1≦y)で表される組成を有するタンタル酸化物層であり、複数の柱状体から構成される柱状構造を有している。
このとき、前記第1の金属酸化物層は、遷移金属の酸化物層であるのが好ましく、さらに、前記第1の金属酸化物層は、TaOx(0.8≦x≦1.9)で表される組成を有するタンタル酸化物層であるのがさらに好ましい。
より詳しくは、前記第2の金属酸化物層は、前記第1電極層上に立つ複数の柱状体から構成される柱状構造を有している。ここで、前記複数の柱状体は、柱径が16nmよりも小さい構成であってもよい。
このような構成とすることにより、第2の金属酸化物層を構成する酸素不足度が小さい第2の金属酸化物材料層の上に、第1の金属酸化物を構成する酸素不足度が大きい第1の金属酸化物材料層を形成するため、第2の金属酸化物材料層を形成した後に大気に暴露しても、酸素不足度が小さい第2の金属酸化物材料層の表面には自然酸化膜が形成されず、第2の金属酸化物層と第1の金属酸化物との接する面において自然酸化膜の影響を排除でき、導電パスの形成を安定させることかが可能となる。さらに、第2の金属酸化物層を柱状構造とすることにより、不揮発性記憶装置の初期化電圧を低減させることができる。
また、上述した課題を解決するために、本発明に係る不揮発性記憶装置の製造方法の他の一形態は、印加される電気パルスの極性に応じて抵抗値が変化する抵抗変化型の不揮発性記憶装置の製造方法であって、半導体基板上に、第1電極層を構成する第1電極材料層を形成する第1工程と、前記第1電極材料層上に、抵抗変化層を形成する第2工程と、前記抵抗変化層上に第2電極を構成する第2電極材料層を形成する第3工程とを有し、前記第2工程は、前記第1電極層上に第2の金属酸化物層を形成する第2の1の工程と、前記第2の金属酸化物層上に、前記第2の金属酸化物層の酸素不足度よりも大きい酸素不足度をもつ第1の金属酸化物層を形成する第2の2の工程とを含み、前記第2の1の工程では、スパッタリング法により、前記第2の金属酸化物層として、組成がTaOy(2.1≦y)で、かつ、複数の柱状体から構成される柱状構造を有するタンタル酸化物層を構成するタンタル酸化物材料層を形成する。
ここで、もし、タンタル酸化物層をCVD法やALD法で形成するならば、例えばペンタエトキシタンタル(Ta(OC255)といったタンタル酸化物の原料物質が必要となる。ところが、スパッタリング法によりタンタル酸化物層を形成する本願発明に係る製造方法では、原料をタンタル酸化物やタンタル金属及び酸素ガスとすることができるため、製造コストを下げることができる。
ここで、前記第2の1の工程において、前記タンタル酸化物材料層を、Ta25で表される組成を有するタンタル酸化物をスパッタターゲットとして用いたスパッタリング法により、形成し、且つ、前記タンタル酸化物材料層をスパッタリング法により形成する時の成膜圧力が、0.2Pa以上3Pa以下であってもよい。このように、成膜圧力を0.2Pa以上3Pa以下としたスパッタリング法によりタンタル酸化物材料層を形成することで、目的とする柱状構造を低温で得ることが可能となる。
本発明によれば、初期化電圧を減少させ、低電圧での初期化が可能な不揮発性記憶装置及びその製造方法が提供される。
図1は、本発明の第1実施形態に係る不揮発性記憶装置の概略構成を示す断面図である。 図2(a)から(j)は、本発明の第1実施形態に係る不揮発性記憶装置の製造方法の工程を示す断面図であって、図2(a)は基板上に第1配線を形成する工程を示す図、図2(b)は第1層間絶縁層を形成する工程を示す図、図2(c)は第1コンタクトホールを形成する工程を示す図、図2(d)から図2(e)は第1コンタクトプラグを形成する工程を示す図、図2(f)は第1電極材料層と第1のタンタル酸化物材料層を形成する工程を示す図、図2(g)は第2のタンタル酸化物材料層を形成する工程を示す図、図2(h)は第2電極材料層を形成する工程を示す図、図2(i)はマスクを用いたパターニングとドライエッチングによる加工により、第1電極層と、第1のタンタル酸化物層と、第2のタンタル酸化物層と、第2電極層とで構成される抵抗変化型素子を形成する工程を示す図、図2(j)は第2層間絶縁層と、第2コンタクトホールと、第2コンタクトプラグと、第2配線とを形成する工程を示す図である。 図3(a)から(f)は、図2(g)で示した製造方法により得られる、本発明の第1実施形態に関わる第2のタンタル酸化物材料層の斜視SEM像であり、図3(a)はスパッタリング時の成膜圧力を0.2Paとして得られた第2のタンタル酸化物材料層の斜視SEM像、図3(b)はスパッタリング時の成膜圧力を0.3Paとして得られた第2のタンタル酸化物材料層の斜視SEM像、図3(c)はスパッタリング時の成膜圧力を0.7Paとして得られた第2のタンタル酸化物材料層の斜視SEM像、図3(d)はスパッタリング時の成膜圧力を0.95Paとして得られた第2のタンタル酸化物材料層の斜視SEM像、図3(e)はスパッタリング時の成膜圧力を1.3Paとして得られた第2のタンタル酸化物材料層の斜視SEM像、図3(f)はスパッタリング時の成膜圧力を3Paとして得られた第2のタンタル酸化物材料層の斜視SEM像である。 図4(a)から(c)は、スパッタリング法により得られるタンタル酸化物材料層の斜視SEM像であり、図4(a)はスパッタリング時の成膜圧力を0.05Paとして得られた第2のタンタル酸化物材料層の斜視SEM像、図4(b)はスパッタリング時の成膜圧力を0.1Paとして得られる第2のタンタル酸化物材料層の斜視SEM像、図4(c)はスパッタリング時の成膜圧力を5Paとして得られる第2のタンタル酸化物材料層の斜視SEM像である。 図5は、本発明の第1実施形態に係る、第2のタンタル酸化物材料層をスパッタリング法により形成する工程における成膜圧力と、不揮発性記憶装置の初期化電圧との関係を示す図である。 図6は、従来の不揮発性記憶装置に搭載された抵抗変化型素子の製造工程の一部を示す図であり、図6(a)は第1電極材料層上に第1のタンタル酸化物材料層を形成する工程を示す図、図6(b)は第1のタンタル酸化物材料層上に第2のタンタル酸化物材料層を形成する工程を示す図である。 図7は、図6で示した製造方法により形成された、第1のタンタル酸化物材料層と第2のタンタル酸化物材料層の積層膜の斜視SEM像である。 図8は、第2のタンタル酸化物材料層の柱径と、不揮発性記憶装置の初期化電圧との関係を示す図である。 図9は、本発明の第1実施形態に関わる第2のタンタル酸化物材料層の価電子帯スペクトルをXPS法により測定した結果を示す図である。 図10は、本発明の第1実施形態に関わる第2のタンタル酸化物材料層を、XRD法により測定した結果を示す図である。 図11は、本発明の第2実施形態に係る不揮発性記憶装置の概略構成を示す断面図である。 図12(a)から(e)は、本発明の第2実施形態に係る不揮発性記憶装置の製造方法の工程を示す断面図であって、図12(a)は第1電極材料層を形成する工程を示す図、図12(b)は第2のタンタル酸化物材料層を形成する工程を示す図、図12(c)は第1のタンタル酸化物材料層と第2電極材料層を形成する工程を示す図、図12(d)はマスクを用いたパターニングとドライエッチングによる加工により、第1電極層と、第2のタンタル酸化物層と、第1のタンタル酸化物層と、第2電極層とで構成される抵抗変化型素子を形成する工程を示す図、図12(e)は第2層間絶縁層と、第2コンタクトホールと、第2コンタクトプラグと、第2配線とを形成する工程を示す図である。 図13は、特許文献1で示されている従来の抵抗変化型素子を搭載した、不揮発性記憶装置の概略構成を示す断面図である。 図14(a)及び(b)は、従来の抵抗変化型素子の断面TEM像であり、図14(a)は第2電極層を白金とした抵抗変化型素子の断面TEM像、図14(b)は第2電極層をイリジウムとした抵抗変化型素子の断面TEM像である。 図15は、非特許文献1で示されている、従来の抵抗変化型素子の初期化電圧と遷移金属酸化物膜の厚さの関係を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。本発明は、請求の範囲だけによって限定される。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、本発明の課題を達成するのに必ずしも必要ではないが、より好ましい形態を構成するものとして説明される。
(第1実施形態)
[不揮発性記憶装置の構成]
図1は、本発明の第1実施形態に係る不揮発性記憶装置10の概略構成を示す断面図である。不揮発性記憶装置10は、第1配線101が形成された半導体基板100と、この半導体基板100上に第1配線101を覆って形成されたシリコン酸化膜等(厚さ:500〜1000nm)で構成された第1層間絶縁層102と、この第1層間絶縁層102を貫通して第1配線101と第1電極層105とを電気的に接続するための第1コンタクトホール103(直径:50〜300nm)が形成され、その内部にタングステンを主成分として埋め込まれた第1コンタクトプラグ104を有している。そして、第1コンタクトプラグ104を被覆して、第1層間絶縁層102上には、窒化タンタル等で構成された第1電極層105(厚さ:5〜100nm)、抵抗変化層106(厚さ:20〜100nm)、貴金属(Pt、Ir、Pd等の少なくとも一つ)で構成された第2電極層107(厚さ:5〜100nm)で構成される抵抗変化型素子112が形成されている。この抵抗変化型素子112を被覆して、シリコン酸化膜(厚さ:500〜1000nm)で構成された第2層間絶縁層108が形成され、この第2層間絶縁層108を貫通して、第2電極層107と第2配線111とを電気的に接続するための第2コンタクトホール109(直径:50〜300nm)が形成され、その内部にタングステンを主成分とした第2コンタクトプラグ110が形成されている。第2コンタクトプラグ110を被覆して、第2層間絶縁層108上には、第2配線111が形成されている。
ここで、抵抗変化層106は、第1電極層105上に形成された酸素不足型の第1の金属酸化物層(ここでは、第1のタンタル酸化物層106x)と、第1の金属酸化物層上に形成され、第1の金属酸化物層の酸素不足度よりも小さい酸素不足度をもつ第2の金属酸化物層(ここでは、第2のタンタル酸化物層106y)とで構成される。具体的には、本実施形態では、抵抗変化層106は、Taをタンタル、Oを酸素、xおよびyを0.8≦x≦1.9、2.1≦yを満たす正の数としたときに、第1電極層105の上に形成され、Taに対するOの組成比をxとしたときにTaOxで構成される酸素不足型の第1のタンタル酸化物層106xと、第1のタンタル酸化物層106xの上に形成され、Taに対するOの組成比をyとしたときにTaOyで構成される第2のタンタル酸化物層106yとで構成されており、且つ第2のタンタル酸化物層106yは複数の柱状体から構成される柱状構造を有していることを特徴とする。より詳しくは、第2のタンタル酸化物層106yは、第1のタンタル酸化物層106x上に立つ複数の柱状体から構成される柱状構造を有している。
ここで、「酸素不足型」の酸化物とは、化学量論的な組成を有する酸化物と比較して酸素の含有量(原子比:総原子数に占める酸素原子数の割合)が少ない酸化物をいう。タンタル酸化物では、化学量論的な酸化物の組成はTa25であって、タンタル(Ta)と酸素(O)の原子数の比率(O/Ta)は2.5である。したがって、酸素不足型のタンタル酸化物において、タンタル(Ta)と酸素(O)の原子比は0より大きく、2.5より小さいことになる。
また、「酸素不足度」とは、金属酸化物において、その化学量論的組成(stoichiometric composition)の金属酸化物を構成する酸素の量に対し、不足している酸素の割合をいう。例えば、金属がタンタル(Ta)の場合、化学量論的な金属酸化物の組成はTaであって、このとき、酸素不足度は0%(ちなみに、酸素含有率(O/(Ta+O))は71.4%)となる。また、例えば、TaO1.5の場合、酸素不足度は、(2.5−1.5)/2.5=40%(ちなみに、酸素含有率(O/(Ta+O))は60%)となる。
かかる構成とすることで、図13に示したような、第2のタンタル酸化物層206yが柱状構造を有していない従来の不揮発性記憶装置20に比べて、初期化電圧を低減させることが可能である。
不揮発性記憶装置10は、第1電極層105を基準にして、第2電極層107に負の電圧パルスを印加することにより、抵抗変化型素子112を高抵抗状態から低抵抗状態に変化(低抵抗化)させ、第2電極層107に正の電圧パルスを印加することにより、抵抗変化型素子112を低抵抗状態から高抵抗状態に変化(高抵抗化)させることができる。低抵抗化は、第2電極層107に印加された負電圧パルスにより、第2のタンタル酸化物層106y中の酸素イオンが第2のタンタル酸化物層106y中から追い出され、第2のタンタル酸化物層106yの少なくとも一部(例えば導電パス)の領域の酸素不足度が増加することにより発生するものと考えられる。一方、高抵抗化は、第2電極層107に印加された正電圧パルスにより、第1のタンタル酸化物層106x中の酸素イオンが第2のタンタル酸化物層106y中に取り込まれ、第2のタンタル酸化物層106y(特に導電パス)の酸素不足度が減少することにより発生するものと考えられる。
なお、図1には、抵抗変化型素子112以外の構成要素も示したが、本発明に係る不揮発性記憶装置は、少なくとも抵抗変化型素子を備える装置であればよく、必ずしも、基板、配線、コンタクトプラグ等を備える必要はない。つまり、本発明に係る不揮発性記憶装置は、少なくとも、半導体基板100上に形成された2つの電極層(第1電極層105、第2電極層107)と、それら2つの電極層に挟まれた2つの金属酸化物層(ここでは、酸素不足度が大きい第1のタンタル酸化物層106x、酸素不足度が小さい第2のタンタル酸化物層106y)とから構成され、第2の金属酸化物層(ここでは、第2のタンタル酸化物層106y)が複数の柱状体から構成される柱状構造を有することを特徴とする記憶装置である。
標準電極電位の低さはその材料の酸化還元のされやすさに対応するため、各層の標準電極電位を適切に選択することによって、抵抗変化の起こりやすさを調整できる。そのため、2つの電極層の材料については次のことが言える。つまり、第2のタンタル酸化物層106yと接する第2電極層107は、例えば、Au(金)、Pt(白金)、Ir(イリジウム)、Pd(パラジウム)、Cu(銅)及びAg(銀)等、タンタルより標準電極電位が高い材料のうちの1つまたは複数の材料を用いて構成され、一方、第1のタンタル酸化物層106xと接する第1電極層105は、第2電極層107を構成する材料より標準電極電位が低い材料(例えば、W、Ni、あるいはTaN等)で構成されることが好ましい。このような構成とすることにより、第2電極層107と接する第2のタンタル酸化物層106y内で抵抗変化現象を安定に起こすことができる。
つまり、タンタルの酸化・還元のしやすさを示す標準電極電位は−0.6eVなので、白金やイリジウムの標準電極電位よりも低いことから、白金やイリジウムから構成される第2電極層107と抵抗変化層106との界面で、抵抗変化層106の酸化・還元反応が起こり、酸素の授受が行われて、抵抗変化現象が発現する。このことから、第2電極層107と第2の金属酸化物層の界面近傍の第2の金属酸化物層中において、酸化還元反応が発生しやすくなり、安定した抵抗変化現象が得られる。
以上のように、酸素不足型の第1の金属酸化物層と、第1の金属酸化物層よりも酸素不足度が小さい第2の金属酸化物層による積層構造を抵抗変化層106として構成することにより、可逆的に安定した書き換え特性を有する、抵抗変化現象を利用した不揮発性記憶装置を得ることができる。
なお、第2の金属酸化物層よりも酸素不足度が大きい第1の金属酸化物層を構成する金属としては、タンタル以外の金属でもよい。その金属としては、チタン(Ti)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、タングステン(W)等の遷移金属が好ましい。遷移金属は複数の酸化状態をとることができるため、異なる抵抗状態を酸化還元反応により実現することが可能である。
つまり、第1の金属酸化物層を構成する第1の金属(例えば、第1の遷移金属)と、第2の金属酸化物層を構成する第2の金属(つまり、タンタル)とは、異なる材料を用いてもよい。この場合、第2の金属酸化物層が、第1の金属酸化物層よりも酸素不足度が小さい、つまり抵抗が高くなる構成が好ましい。このような構成とすることにより、抵抗変化時に第1電極層105および第2電極層107間に印加された電圧は、第2の金属酸化物層により多くの電圧が分配され、第2の金属酸化物層中で発生する酸化還元反応がより起こしやすくなる。
また、第1の遷移金属と第2の遷移金属とが互いに異なる材料を用いる場合、第2の遷移金属の標準電極電位は、第1の遷移金属の標準電極電位より低い方が好ましい。標準電極電位は、その値が高いほど酸化しにくい特性を表す。第2の金属酸化物層に、第1の金属酸化物層より標準電極電位が低い金属の酸化物を形成することにより、第2の金属酸化物層中でより酸化還元反応が発生しやすくなる。抵抗変化現象は、抵抗が高い第2の金属酸化物層中に形成された微小なフィラメント(導電パス)中で酸化還元反応が起こってその抵抗値が変化し、発生すると考えられるからである。例えば、第1の金属酸化物層に、酸素不足型のタングステン酸化物または酸素不足型の鉄酸化物を用い、第2の金属酸化物層にTaOy(2.1≦y)を用いることにより、安定した抵抗変化動作が得られる。タングステンと鉄の標準電極電位は、それぞれ0.1eV、−0.037eVであり、いずれもタンタルの標準電極電位−0.6eVより高いからである。なお、この標準電極電位に関するデータは、非特許文献2“CRC Press.、 Handbook of Chemistry and Physics、 84th Edition、 2003 p1219−1222”に記載されているものである。
[不揮発性記憶装置の製造方法]
図2(a)から(j)は本発明の第1実施形態に係る、不揮発性記憶装置10の要部の製造方法を示す断面図である。これらを用いて、不揮発性記憶装置10の要部の製造方法について説明する。なお、ここでは、第1の金属酸化物層および第2の金属酸化物層のいずれもがタンタル酸化物で構成される場合における不揮発性記憶装置10の製造方法を説明する。
図2(a)に示すように、第1配線101を形成する工程において、トランジスタや下層配線などが形成されている半導体基板100上に、例えばアルミで構成された導電層(厚さ:400〜600nm)をスパッタリング法により形成し、これを所望のマスクを用いたパターニングとドライエッチングによる加工により第1配線101を形成する。第1配線101は、ダマシン法で形成された銅配線でもよい。
次に、図2(b)に示すように、第1層間絶縁層102を形成する工程において、第1配線101を被覆して半導体基板100上に絶縁層としてのプラズマTEOS(プラズマ・テトラエトキシシラン)をCVD(化学気相成長)法により形成した後、表面を平坦化することで第1層間絶縁層102(厚さ:500〜1000nm)を形成する。第1層間絶縁層102については、プラズマTEOSを用いたが、配線間の寄生容量の低減のためにフッ素含有酸化物(例えば、フッ素含有酸化ケイ素(FSG))やlow−k材料(低誘電率の絶縁材料)を用いてもよい。
次に、図2(c)に示すように、第1コンタクトホール103を形成する工程において、所望のマスクを用いたパターニングとドライエッチングによる加工により、第1層間絶縁層102を貫通して第1配線101に接続される第1コンタクトホール103(直径:50〜300nm)を形成する。ここでは、第1配線101の幅が第1コンタクトホール103より小さい場合には、マスク合わせずれの影響により第1配線101と第1コンタクトプラグ104の接触する面積が変わり、例えばセル電流が変動する。これを防止する観点から、第1配線101の幅は第1コンタクトホール103より大きな外形としている。
次に、図2(d)に示すように、第1コンタクトプラグ104を形成する工程において、まず下層に密着層及び拡散バリアとして機能するチタン(Ti)/チタン窒化物(TiN)層(厚さ:各々5〜30nm)をそれぞれスパッタリング法/CVD法で成膜した後、上層にコンタクトプラグの主たる構成要素となるタングステン(W、厚さ:200〜400nm)をCVD法で成膜する。このとき、第1コンタクトホール103は後に第1コンタクトプラグ104となる積層構造の導電層104’(W/Ti/TiN構造)で充填される。
次に、図2(e)に示すように、第1コンタクトプラグ104を形成する工程において、化学的機械研磨法(CMP法)を用いてウエハ全面を平坦化研磨し、第1層間絶縁層102上の不要な導電層104’を除去して、第1コンタクトホール103の内部に第1コンタクトプラグ104を形成する。
次に、図2(f)に示すように、第1電極材料層105’と第1の金属酸化物層の一例としての第1のタンタル酸化物材料層106x’とを形成する工程において、第1コンタクトプラグ104を被覆して、第1層間絶縁層102上に、タンタル窒化物(TaN)で構成された第1電極材料層105'(厚さ:20〜50nm)をスパッタリング法で形成する。続いて、第1電極材料層105'上に、第1のタンタル酸化物材料層106x'をスパッタリング法により形成する。第1のタンタル酸化物材料層106x’の形成には、タンタルからなるスパッタターゲットを酸素ガス雰囲気中でスパッタリングする、反応性スパッタ法を用いた。第1のタンタル酸化物材料層の厚さは分光エリプソメトリ法を用いて測定され、その厚さは40〜50nmであった。スパッタリング条件は、パワー1000W、成膜圧力0.05Pa、アルゴンガス流量20sccm、酸素ガス流量23sccmとした。第1のタンタル酸化物材料層の組成(TaOxにおけるxの値)は、同じ条件で形成した厚さ100nmの第1のタンタル酸化物材料層106x’をRBS法(ラザフォード後方散乱分析装置)により測定した結果、x=1.6であった。
次に、図2(g)に示すように、第2の金属酸化物層の一例としての第2のタンタル酸化物材料層106y’を形成する工程において、第1のタンタル酸化物材料層106x’上に、第2のタンタル酸化物材料層106y’を形成する。第2のタンタル酸化物材料層106y’の形成には、Ta25で表される組成を有するタンタル酸化物をスパッタターゲットとして用い、スパッタガスに希ガス元素としてのアルゴン(Ar)のみを用いたRFマグネトロンスパッタリング法により形成した。スパッタリングの条件は、RF出力を200Wとし、基板温度を室温とした。スパッタリング時の成膜圧力はアルゴンガス流量とコンダクタンスバルブにより調整する。第1のタンタル酸化物材料層106x'と積層して抵抗変化を起こすのに有効な第2のタンタル酸化物材料層106y’の厚さは3〜10nmであり、その厚さは分光エリプソメトリを用いて測定した。ここで、図2(g)に示す製造方法により形成される第2のタンタル酸化物材料層106y’は、本実験で用いたスパッタ装置において、成膜圧力が0.2〜3Paのとき、複数の柱状体から構成される柱状構造を有している。ここで、成膜した第2のタンタル酸化物材料層106y’が複数の柱状体から構成される柱状構造を有する成膜圧力条件は、スパッタ装置に依存し、実験的に求めることができる。
次に、図2(h)に示すように、第2電極材料層107’を形成する工程において、前記第2のタンタル酸化物材料層106y'上に第2電極材料層107'としてのイリジウム(Ir)をスパッタリング法により形成した。
次に、図2(i)に示すように、抵抗変化型素子112を形成する工程において、マスクを用いたパターニングとドライエッチングによる加工により、第1電極材料層105’と、第1のタンタル酸化物材料層106x’と、第2のタンタル酸化物材料層106y'と、第2電極材料層107’とを加工することで、第1電極層105と、第1のタンタル酸化物層106xと、第2のタンタル酸化物層106yと、第2電極層107とで構成される抵抗変化型素子112を形成した。なお、抵抗変化特性に優れる貴金属はエッチングが困難であるので、貴金属を第2電極材料層107’として用いた場合には、これをハードマスクとして抵抗変化型素子を形成することもできる。
最後に、図2(j)に示す様に、抵抗変化型素子112を被覆して、第2層間絶縁層108(厚さ:500〜1000nm)が形成され、図2(a)から(e)と同様の製造方法で、その第2コンタクトホール109及び第2コンタクトプラグ110を形成した。その後第2コンタクトプラグ110を被覆して、第2配線111を形成して、不揮発性記憶装置10が完成した。
図3(a)から(f)は、図2(g)で示した製造方法を用いて得られる酸化物材料層の斜視SEM(走査型電子顕微鏡)像であり、図3(a)はスパッタリング時の成膜圧力を0.2Paとして得られるタンタル酸化物材料層106y’の斜視SEM像、図3(b)はスパッタリング時の成膜圧力を0.3Paとして得られるタンタル酸化物材料層106y’の斜視SEM像、図3(c)はスパッタリング時の成膜圧力を0.7Paとして得られるタンタル酸化物材料層106y’の斜視SEM像、図3(d)はスパッタリング時の成膜圧力を0.95Paとして得られるタンタル酸化物材料層106y’の斜視SEM像、図3(e)はスパッタリング時の成膜圧力を1.3Paとして得られるタンタル酸化物材料層106y’の斜視SEM像、図3(f)はスパッタリング時の成膜圧力を3Paとして得られるタンタル酸化物材料層106y’の斜視SEM像である。
また、図4(a)から(c)は、図2(g)で示した製造方法におけるスパッタリングの圧力範囲外の成膜圧力条件を用いて得られた、タンタル酸化物材料層の斜視SEM像である。すなわち、図4(a)はスパッタリング時の成膜圧力を0.05Paとして得られるタンタル酸化物材料層の斜視SEM像、図4(b)はスパッタリング時の成膜圧力を0.1Paとして得られるタンタル酸化物材料層の斜視SEM像、図4(c)はスパッタリング時の成膜圧力を5Paとして得られるタンタル酸化物材料層の斜視SEM像である。また、図4(a)から(c)に示したタンタル酸化物材料層の成膜圧力以外の形成条件は、図2(g)で示した工程における形成条件と同一である。
なお、図3(a)から(f)及び図4(a)から(c)に示す斜視SEM像では、柱状構造の有無の確認が容易となるよう、タンタル酸化物材料層の厚さが30nm程度となるように成膜時間を調整した。
図3(a)から(f)に示した斜視SEM像では、第2のタンタル酸化物材料層106y’は、複数の柱状体が立った状態で並んだ構造をしていることが確認できる。つまり、本実施の形態における不揮発性記憶装置10を構成する第2のタンタル酸化物層106yは、上述した製法プロセスにて第2のタンタル酸化物層を形成することにより、第1のタンタル酸化物層106x上に立つ複数の柱状体から構成される柱状構造を有していることが確認できる。したがって0.2Pa以上3Pa以下の圧力範囲では基板温度を室温としても第2のタンタル酸化物層106yは柱状構造を有することがわかる。また、図4(a)から(c)に示すように、0.2Pa以上3Pa以下の成膜圧力範囲外である、成膜圧力が0.05Pa、0.1Pa、あるいは5Paの条件で形成したタンタル酸化物材料層では柱状構造が確認できなかった。
図5は、第2のタンタル酸化物材料層106y’を形成する工程におけるスパッタリングの成膜圧力と、不揮発性記憶装置10の初期化電圧との関係を示す図である。図5に示した例では、第2のタンタル酸化物層106yの膜厚を5nmとした。図5に示すように、第2のタンタル酸化物材料層106y’が柱状構造となる0.2Pa以上3Pa以下の成膜圧力条件では、不揮発性記憶装置10の初期化電圧を低減させることができる。また、図5から、初期化電圧を低減させるためのより好ましい第2のタンタル酸化物材料層106y’の形成条件は、第2のタンタル酸化物材料層106y’をスパッタリングにより形成する際の成膜圧力が0.7Pa以上3Pa以下の範囲であることがわかる。
図6(a)及び(b)は、特許文献1に示された従来の第1のタンタル酸化物材料層206x’及び第2のタンタル酸化物材料層206y’の製造方法を説明する図である。特許文献1に示された第1のタンタル酸化物材料層206x’の製造には、第1のタンタル酸化物材料層206x’を酸素プラズマ中において酸化する方法(プラズマ酸化法)が用いられていた。図6(a)は第1電極材料層205’上に、図2(f)で示す工程と同じ条件により第1のタンタル酸化物材料層206x’を50nm形成する工程を示す図であり、その後、図6(b)に示す工程において、膜厚が5nmである第2のタンタル酸化物材料層206y’を、プラズマ酸化法により形成した。図7は、図6(a)及び(b)に示した製造方法により作成した第1のタンタル酸化物材料層206x’と第2のタンタル酸化物材料層206y’の積層膜の斜視SEM像である。図7に示したように、従来の製造方法により形成した第1のタンタル酸化物材料層206x’及び第2のタンタル酸化物材料層206y’の積層構造では柱状構造が確認されない。
図8に、本実施の形態における不揮発性記憶装置10の初期化電圧と、図2(g)で示した製造方法により得られる第2のタンタル酸化物材料層106y’の柱径(pillar diameter)との関係を示す。ここで、柱径とは柱状構造を構成する各柱の直径の平均値である。柱径の導出はSEM像を用いて行い、任意の距離内に含まれる柱(柱状体)の本数から導出した。たとえば、SEM像において、任意に選択した100nmに存在する柱状体の本数を目視で数え、100nm÷本数を算出することで、1本の柱状体あたりの平均的な幅、つまり、柱径を算出した。また、柱状構造を有していない第2のタンタル酸化物材料層の柱径を0nmと定義した。
図8の白丸(○)で示した点は、第2のタンタル酸化物材料層206y’をプラズマ酸化により形成した従来の不揮発性記憶装置20の初期化電圧である。また、図8の+で示した点は、第2のタンタル酸化物材料層のスパッタリング時の成膜圧力を変化させて形成した不揮発性記憶装置の初期化電圧である。なお、図8の+で示した点のうち、柱径が9.8〜16nmの点は、第2のタンタル酸化物材料層106y’が柱状構造となる0.2Pa以上3Pa以下の成膜圧力条件で第2のタンタル酸化物材料層106y’が作成された不揮発性記憶装置のデータである。
図8から、第2のタンタル酸化物材料層106y’を柱状構造(すなわち、第2のタンタル酸化物材料層106y’の柱径が0nmより大きい)とした不揮発性記憶装置10を作成することにより、初期化電圧を低減させることができることがわかる。つまり、本実施の形態における不揮発性記憶装置10を構成する第2のタンタル酸化物層106yを構成する複数の柱状体の夫々の柱径は、16nmよりも小さい、より限定的には、9.8nmよりも大きく、かつ、16nmよりも小さい。そして、このような柱径の柱状体から構成される第2のタンタル酸化物層106yの構造により、従来よりも初期化電圧が低減される。また、本発明の不揮発性記憶装置10は、第2のタンタル酸化物材料層206y’をプラズマ酸化により形成した従来の抵抗変化型素子212を搭載した不揮発性記憶装置20よりも、0.2V以上初期化電圧を低減させている。
なお、このように初期化電圧が低減されるメカニズムは以下のように推定される。本実施形態の不揮発性記憶装置10では、第2のタンタル酸化物材料層106yが柱状体から構成される柱状構造を有するので、第2のタンタル酸化物材料層106yと第2電極層との界面に凹凸が形成される。そのため、不揮発性記憶装置10を初期化するための電圧を印加した場合に、第2のタンタル酸化物材料層106yと第2電極層との界面に形成されたその凹凸に電界が集中しやすくなる。その結果、より低い電圧で、初期化が起こる(第2のタンタル酸化物材料層106yに導電パスが形成される)と考えられる。
図9は、第2のタンタル酸化物材料層106y’をXPS法により測定した結果である。XPS(X線光電子分光)法による測定結果からは、本実施の形態における第2のタンタル酸化物材料層106y’には、Ta25で表される組成を有するタンタル酸化物の酸素欠損に由来する準位(還元準位、2.5eV近傍)が、微弱ではあるが確認できた。これらの結果から、本実施の形態の第2のタンタル酸化物材料層106y’は、Ta25で表される組成を有するタンタル酸化物が還元された組成を有していることがわかる。
図10は、柱状構造を有する第2のタンタル酸化物材料層106y’をXRD(X線回折)法により分析した結果である。なお、図10に示した第2のタンタル酸化物材料層106y’の形成条件には、成膜圧力を0.3Paあるいは3Paとして、スパッタ出力を200W、基板温度を室温として行った。また、このXRD法により測定した第2のタンタル酸化物材料層106y’の膜厚は30nmである。また、XRD法の測定は、リガク製ATX−Eを用いた薄膜法により行い、加速電圧と放電電流をそれぞれ50kV、250mAとした。さらに、XRD法における入射角を1°とし、2θスキャン速度を4deg/minとした。図10に示した結果ではTa25に起因するXRDピークの強度は非常に弱く、上述した条件で形成した第2のタンタル酸化物材料層106y’は結晶性(つまり、縦方向の配向性をもつ結晶構造)を有していないと断定できる。
つまり、以下の理由により、第2のタンタル酸化物材料層106y’は結晶性(つまり、縦方向の配向性をもつ結晶構造)を有していないと考えられる。いわゆるThorntonによる薄膜微細構造モデルによれば、スパッタリング法で酸化物を結晶化する一般的な温度は、その酸化物の融点の3割以上であることが必要とされるので、この不揮発性記憶装置10では、Ta25の融点(1468℃(=1741K))の3割に相当する基板温度(249℃(=1741×0.3K))が必要とされる。ところが、本実施形態では、基板温度を室温にした状態で、スパッタリング法によって第2のタンタル酸化物材料層106y’を形成した。さらに、タンタル酸化物材料層が縦方向の配向性をもつ結晶構造を有する場合には、XRDピークの強度として、少なくとも1000cpsになると考えられるが、本分析結果では、XRDピークの強度は160cps程度であった。以上のことから、第2のタンタル酸化物材料層106y’は結晶性(つまり、縦方向の配向性をもつ結晶構造)を有していないと考えられる。したがって、本実施の形態における第2のタンタル酸化物材料層106y’は柱状構造を有しているが、必ずしも結晶性(つまり、縦方向の配向性をもつ結晶構造)を有している必要はない。
(第2実施形態)
[不揮発性記憶装置の構成]
図11は、本発明の第2実施形態における不揮発性記憶装置11の断面図である。図11において、図1と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。図11に示すように、第2実施形態の不揮発性記憶装置11と、第1実施形態の不揮発性記憶装置10とは、第1の金属酸化物層(例えば、第1のタンタル酸化物層106x)と第2の金属酸化物層(例えば、第2のタンタル酸化物層106y)の配置の違いにあり、上下の配置を逆にした構成となっている。本実施形態の不揮発性記憶装置11においては、第2の金属酸化物層(例えば、第2のタンタル酸化物層106y)の上に、第1の金属酸化物層(例えば、第1のタンタル酸化物層106x)が形成され、抵抗変化層106を構成している。以下、第1の金属酸化物層および第2の金属酸化物層のいずれもがタンタル酸化物で構成される場合における不揮発性記憶装置11の製造方法を説明する。
[不揮発性記憶装置の製造方法]
図12(a)から(e)は本発明の第2実施形態における不揮発性記憶装置11の要部の製造方法を示す断面図である。これらを用いて、本第2実施形態の不揮発性記憶装置11の主要部の製造方法について説明する。なお、図12(a)より前の工程は、図2(a)〜(e)と同様であるので、説明を省略する。
次に、図12(a)に示すように、第1電極材料層105’を形成する工程において、第1コンタクトプラグ104を被覆して、第1層間絶縁層102上に、後に第1電極層105となる、イリジウム(Ir)で構成された第1電極材料層105’を形成した。
次に、図12(b)に示すように、第2の金属酸化物層の一例としての第2のタンタル酸化物材料層106y’を形成する工程において、第1電極材料層105’上に第2のタンタル酸化物材料層106y’を形成する。第2のタンタル酸化物材料層106y’の形成には、Ta25で表される組成を有するタンタル酸化物をスパッタターゲットとして用い、スパッタガスに希ガス元素としてのアルゴン(Ar)のみを用いたRFマグネトロンスパッタリング法により形成した。スパッタリングの条件は、RF出力を200Wとし、基板温度を室温とした。スパッタリング時の成膜圧力はアルゴンガス流量とコンダクタンスバルブにより調整され、その圧力は0.2〜3Paであった。抵抗変化を起こすのに有効な第2のタンタル酸化物材料層106y’の厚さは3〜10nmであり、その厚さは分光エリプソメトリを用いて測定した。ここで、図12(b)に示す製造方法により形成される第2のタンタル酸化物材料層106y’は複数の柱状体から構成される柱状構造を有している。より詳しくは、第2のタンタル酸化物材料層106y’は、第1電極層105上に立つ複数の柱状体から構成される柱状構造を有している。
次に、図12(c)に示すように、第1の金属酸化物層の一例としての第1のタンタル酸化物材料層106x’と第2電極材料層107’とを形成する工程において、第2のタンタル酸化物材料層106y’上に、第1のタンタル酸化物材料層106x'をスパッタリング法により形成した。第1のタンタル酸化物材料層106x’の形成には、タンタルで構成されたスパッタターゲットを酸素ガス雰囲気中でスパッタリングする、反応性スパッタ法を用いた。第1のタンタル酸化物材料層の厚さは分光エリプソメトリ法を用いて測定され、その厚さは40〜50nmであった。スパッタリング条件は、パワー1000W、成膜圧力0.05Pa、アルゴンガス流量20sccm、酸素ガス流量23sccmとした。第1のタンタル酸化物材料層の組成(TaOxにおけるxの値)は、同じ条件で形成した厚さ100nmの第1のタンタル酸化物材料層106x’をRBS法により測定した結果、x=1.6であった。続いて、第1のタンタル酸化物材料層106x’上に、タンタル窒化物(TaN)で構成された第2電極材料層107'(厚さ:20〜50nm)をスパッタリング法で形成した。
次に、図12(d)に示すように、抵抗変化型素子112を形成する工程において、マスクを用いたパターニングとドライエッチングによる加工により、第1電極材料層105’と、第2のタンタル酸化物材料層106y’と、第1のタンタル酸化物材料層106x'と、第2電極材料層107’とを加工することで、第1電極層105と、第2のタンタル酸化物層106yと、第1のタンタル酸化物層106xと、第2電極層107とで構成される抵抗変化型素子112を形成した。
最後に、図12(e)に示す様に、抵抗変化型素子112を被覆して、第2層間絶縁層108(厚さ:500〜1000nm)が形成され、図2(c)から図2(e)に示したものと同様の製造方法で、第2コンタクトホール109及び第2コンタクトプラグ110を形成する。その後第2コンタクトプラグ110を被覆して、図2(a)で示したもの同様の製造方法により第2配線111を形成して、不揮発性記憶装置11が完成する。なお、このように完成した本第2実施形態における不揮発性記憶装置11の第2のタンタル酸化物層106yの特性(成膜圧力と構造及び初期化電圧との関係など)は、第1実施形態における第2のタンタル酸化物層106yと同じである。
本第2実施形態に示した不揮発性記憶装置11では、第2のタンタル酸化物材料層106y’上に第1のタンタル酸化物材料層106x’を形成できるため、第2のタンタル酸化物材料層106y’を形成後に素子を大気に暴露しても、酸素不足度の小さい第2のタンタル酸化物材料層106y’の表面には自然酸化膜が形成されず、第2のタンタル酸化物層106yと第1のタンタル酸化物層106xとの接する面において自然酸化膜の影響を排除でき、導電パスの形成を安定させることが可能となる。
以上、本発明に係る不揮発性記憶装置及びその製造方法について、第1及び第2実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではない。本発明の主旨を逸脱しない範囲で、これらの実施形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、これらの実施形態における構成要素を任意に組み合わせて実現される形態も、本発明に含まれる。
たとえば、抵抗変化型素子を積み上げた立体構造を有する不揮発性記憶装置であって、図1に示された第1実施形態における不揮発性記憶装置10と、図11に示された第2実施形態における不揮発性記憶装置11とが、交互に、あるいは、規則的に、積み上げられた立体構造を有する不揮発性記憶装置も、本発明に含まれる。
また、上述した実施形態において、第1電極層と第2電極層間に挟まれるタンタル酸化物層は、これ以外に例えば微量の他元素が含まれていても構わない。抵抗値の微調整等で、他元素を少量、意図的に含めることも可能であり、このような場合も本発明の範囲に含まれるものである。例えば、抵抗変化層に窒素を添加すれば、抵抗変化層の抵抗値が上がり、抵抗変化の反応性を改善できる。
また、スパッタリングにて抵抗変化層を形成した際に、残留ガスや真空容器壁からのガス放出などにより、意図しない微量の元素が抵抗変化層に混入することがあるが、このような微量の元素が抵抗膜に混入した場合も本発明の範囲に含まれることは当然である。
本発明の不揮発性記憶装置およびその製造方法は、電極に小さな突起が存在しない抵抗変化型素子の導電パス形成を容易にし、不揮発性記憶装置の初期化電圧が低減できることから、不揮発性記憶装置が低電圧で動作するという効果を有しており、抵抗変化型素子用いたReRAM等の不揮発性記憶装置及びその製造方法として有効である。
10 本発明の第1実施形態に係る不揮発性記憶装置
11 本発明の第2実施形態に係る不揮発性記憶装置
20 従来の不揮発性記憶装置
100、200 半導体基板
101、201 第1配線
102、202 第1層間絶縁層
103、203 第1コンタクトホール
104、204 第1コンタクトプラグ
104’ 導電層
105、205 第1電極層
105’、205’ 第1電極材料層
106、206 抵抗変化層
106x、206x 第1のタンタル酸化物層(第1の金属酸化物層)
106x’、206x’ 第1のタンタル酸化物材料層(第1の金属酸化物材料層)
106y、206y 第2のタンタル酸化物層(第2の金属酸化物層)
106y’、206y’ 第2のタンタル酸化物材料層(第2の金属酸化物材料層)
107、207 第2電極層
107’ 第2電極材料層
108、208 第2層間絶縁層
109、209 第2コンタクトホール
110、210 第2コンタクトプラグ
111、211 第2配線
112、212 抵抗変化型素子

Claims (15)

  1. 印加される電気パルスの極性に応じて抵抗値が変化する抵抗変化型の不揮発性記憶装置であって、
    半導体基板上に形成された第1電極層と、
    前記第1電極層上に形成された抵抗変化層と、
    前記抵抗変化層上に形成された第2電極層とを備え、
    前記抵抗変化層は、前記第1電極層上に形成された酸素不足型の第1の金属酸化物層と、前記第1の金属酸化物層上に形成され、前記第1の金属酸化物層の酸素不足度よりも小さい酸素不足度をもつ第2の金属酸化物層とで構成され、
    前記第2の金属酸化物層は、TaOy(2.1≦y)で表される組成を有するタンタル酸化物層であり、複数の柱状体から構成される柱状構造を有している、
    不揮発性記憶装置。
  2. 前記第1の金属酸化物層は、遷移金属の酸化物層である、
    請求項1に記載の不揮発性記憶装置。
  3. 前記第1の金属酸化物層は、TaOx(0.8≦x≦1.9)で表される組成を有するタンタル酸化物層である、
    請求項2に記載の不揮発性記憶装置。
  4. 前記第2の金属酸化物層は、前記第1の金属酸化物層上に立つ複数の柱状体から構成される柱状構造を有している、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の不揮発性記憶装置。
  5. 前記複数の柱状体は、柱径が16nmよりも小さい、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の不揮発性記憶装置。
  6. 印加される電気パルスの極性に応じて抵抗値が変化する抵抗変化型の不揮発性記憶装置の製造方法であって、
    半導体基板上に、第1電極層を構成する第1電極材料層を形成する第1工程と、
    前記第1電極材料層上に、抵抗変化層を形成する第2工程と、
    前記抵抗変化層上に第2電極を構成する第2電極材料層を形成する第3工程とを有し、
    前記第2工程は、
    前記第1電極材料層上に酸素不足型の第1の金属酸化物層を形成する第2の1の工程と、
    前記第1の金属酸化物層上に、前記第1の金属酸化物層の酸素不足度よりも小さい酸素不足度をもつ第2の金属酸化物層を形成する第2の2の工程とを含み、
    前記第2の2の工程では、スパッタリング法により、前記第2の金属酸化物層として、複数の柱状体から構成される柱状構造を有するタンタル酸化物層を構成するタンタル酸化物材料層を形成する、
    不揮発性記憶装置の製造方法。
  7. 前記第2の2の工程において、前記タンタル酸化物材料層を、Ta25で表される組成を有するタンタル酸化物をスパッタターゲットとして用い、スパッタガスとして希ガス元素を用いたスパッタリング法により、形成する、
    請求項6に記載の不揮発性記憶装置の製造方法。
  8. 前記第2の2の工程において、前記タンタル酸化物材料層をスパッタリング法により形成する時の成膜圧力は、0.2Pa以上3Pa以下である、
    請求項6又は請求項7に記載の不揮発性記憶装置の製造方法。
  9. 印加される電気パルスの極性に応じて抵抗値が変化する抵抗変化型の不揮発性記憶装置であって、
    半導体基板上に形成された第1電極層と、
    前記第1電極層上に形成された抵抗変化層と、
    前記抵抗変化層上に形成された第2電極層とを備え、
    前記抵抗変化層は、前記第1電極層上に形成された第2の金属酸化物層と、前記第2の金属酸化物層上に形成され、前記第2の金属酸化物層の酸素不足度よりも大きい酸素不足度をもつ第1の金属酸化物層とで構成され、
    前記第2の金属酸化物層は、TaOy(2.1≦y)で表される組成を有するタンタル酸化物層であり、複数の柱状体から構成される柱状構造を有している、
    不揮発性記憶装置。
  10. 前記第1の金属酸化物層は、遷移金属の酸化物層である、
    請求項9に記載の不揮発性記憶装置。
  11. 前記第1の金属酸化物層は、TaOx(0.8≦x≦1.9)で表される組成を有するタンタル酸化物層である、
    請求項10に記載の不揮発性記憶装置。
  12. 前記第2の金属酸化物層は、前記第1電極層上に立つ複数の柱状体から構成される柱状構造を有している、
    請求項9〜11のいずれか1項に記載の不揮発性記憶装置。
  13. 前記複数の柱状体は、柱径が16nmよりも小さい、
    請求項9〜12のいずれか1項に記載の不揮発性記憶装置。
  14. 印加される電気パルスの極性に応じて抵抗値が変化する抵抗変化型の不揮発性記憶装置の製造方法であって、
    半導体基板上に、第1電極層を構成する第1電極材料層を形成する第1工程と、
    前記第1電極材料層上に、抵抗変化層を形成する第2工程と、
    前記抵抗変化層上に第2電極を構成する第2電極材料層を形成する第3工程とを有し、
    前記第2工程は、
    前記第1電極層上に第2の金属酸化物層を形成する第2の1の工程と、
    前記第2の金属酸化物層上に、前記第2の金属酸化物層の酸素不足度よりも大きい酸素不足度をもつ第1の金属酸化物層を形成する第2の2の工程とを含み、
    前記第2の1の工程では、スパッタリング法により、前記第2の金属酸化物層として、組成がTaOy(2.1≦y)で、かつ、複数の柱状体から構成される柱状構造を有するタンタル酸化物層を構成するタンタル酸化物材料層を形成する、
    不揮発性記憶装置の製造方法。
  15. 前記第2の1の工程において、前記タンタル酸化物材料層を、Ta25で表される組成を有するタンタル酸化物をスパッタターゲットとして用いたスパッタリング法により、形成し、且つ、前記タンタル酸化物材料層をスパッタリング法により形成する時の成膜圧力は、0.2Pa以上3Pa以下である、
    請求項14に記載の不揮発性記憶装置の製造方法。
JP2011541017A 2010-07-14 2011-07-13 不揮発性記憶装置及びその製造方法 Active JP4913268B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011541017A JP4913268B2 (ja) 2010-07-14 2011-07-13 不揮発性記憶装置及びその製造方法

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010160125 2010-07-14
JP2010160125 2010-07-14
JP2011541017A JP4913268B2 (ja) 2010-07-14 2011-07-13 不揮発性記憶装置及びその製造方法
PCT/JP2011/004022 WO2012008160A1 (ja) 2010-07-14 2011-07-13 不揮発性記憶装置及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP4913268B2 JP4913268B2 (ja) 2012-04-11
JPWO2012008160A1 true JPWO2012008160A1 (ja) 2013-09-05

Family

ID=45469174

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011541017A Active JP4913268B2 (ja) 2010-07-14 2011-07-13 不揮発性記憶装置及びその製造方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US20120112153A1 (ja)
JP (1) JP4913268B2 (ja)
CN (1) CN102473708A (ja)
WO (1) WO2012008160A1 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8779406B2 (en) * 2012-01-23 2014-07-15 Panasonic Corporation Nonvolatile memory element and method for manufacturing the same
WO2014025434A2 (en) * 2012-05-15 2014-02-13 The Regents Of The University Of Michigan Complementary resistive switching in single resistive memory devices
US9231204B2 (en) * 2012-09-28 2016-01-05 Intel Corporation Low voltage embedded memory having conductive oxide and electrode stacks
KR20140042986A (ko) * 2012-09-28 2014-04-08 삼성전자주식회사 단위 셀이 단일 소자로 구성된 메모리 소자 및 그 제조방법
CN103066206B (zh) * 2012-12-25 2016-03-23 清华大学 一种阻变式存储单元及其形成方法
US8921821B2 (en) 2013-01-10 2014-12-30 Micron Technology, Inc. Memory cells
KR102410289B1 (ko) 2014-12-18 2022-06-17 인텔 코포레이션 국소화된 필라멘트 채널을 포함하는 저항성 메모리 셀, 그것을 포함하는 디바이스, 및 그것의 제조 방법
KR102297852B1 (ko) 2014-12-24 2021-09-03 인텔 코포레이션 저항성 메모리 셀 및 그것의 전구체, 그 제조 방법과 그것을 포함하는 디바이스
CN108123036A (zh) * 2017-12-26 2018-06-05 德淮半导体有限公司 利用后端制程实现的器件及其制造方法
US11171177B2 (en) * 2019-01-09 2021-11-09 Intel Corporation Phase change memory devices with enhanced vias

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3768357B2 (ja) * 1998-12-01 2006-04-19 富士通株式会社 高誘電体キャパシタの製造方法
JP4978988B2 (ja) * 2006-06-12 2012-07-18 日本電信電話株式会社 金属酸化物素子
DE602008006652D1 (de) * 2007-06-05 2011-06-16 Panasonic Corp Nicht flüchtiges speicherelement, verfahren zu seiner herstellung sowie nicht flüchtige halbleitervorrichtung mit dem nicht flüchtigen speicherelement
US7692951B2 (en) * 2007-06-12 2010-04-06 Kabushiki Kaisha Toshiba Resistance change memory device with a variable resistance element formed of a first and a second composite compound
WO2010038423A1 (ja) * 2008-10-01 2010-04-08 パナソニック株式会社 不揮発性記憶素子並びにそれを用いた不揮発性記憶装置
JP5120967B2 (ja) * 2009-12-25 2013-01-16 シャープ株式会社 可変抵抗素子

Also Published As

Publication number Publication date
US20120112153A1 (en) 2012-05-10
JP4913268B2 (ja) 2012-04-11
WO2012008160A1 (ja) 2012-01-19
CN102473708A (zh) 2012-05-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4913268B2 (ja) 不揮発性記憶装置及びその製造方法
US8766233B2 (en) Semiconductor device with variable resistance element and method for manufacturing the same
JP5417445B2 (ja) 半導体記憶装置の製造方法
JP4722236B2 (ja) 不揮発性記憶装置及びその製造方法
JP5518250B2 (ja) 不揮発性記憶装置の製造方法
US8450182B2 (en) Method of manufacturing non-volatile semiconductor memory element and method of manufacturing non-volatile semiconductor memory device
US8530321B2 (en) Variable resistance element and manufacturing method thereof
JP5340508B1 (ja) 抵抗変化型不揮発性記憶装置及びその製造方法
JP5236841B1 (ja) 半導体記憶素子の製造方法
JP5432423B2 (ja) 不揮発性記憶素子及びその製造方法
JP5242864B1 (ja) 不揮発性記憶素子の製造方法
US8574957B2 (en) Method for manufacturing nonvolatile semiconductor memory element
JP5148025B2 (ja) 不揮発性半導体記憶素子の製造方法
US9768379B2 (en) Non volatile resistive memory cell and its method of making
JP5346144B1 (ja) 不揮発性記憶装置およびその製造方法
JP2014103326A (ja) 不揮発性記憶素子およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111227

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120118

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4913268

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150127

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250