JPWO2012002113A1 - 透明導電体、有機el素子及び有機光電変換素子 - Google Patents

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Abstract

高い導電性と透明性を兼ね備えてかつ、フレキシブルな有機EL素子、有機太陽電池といった有機電子素子を形成した際に、良好な特性を得られる新規の透明導電体を提供するにあたり、透明基板上に、カーボンナノチューブを含有する透明導電層を有する透明導電体であって、該透明導電層は分光波長400〜700nmでの平均透過率が70%以上であり、かつ、25℃50%RHでのシート抵抗値が10Ω/□未満であり、更に、該透明導電層表面の算術平均粗さRaが10nm以下で、かつ、十点平均粗さRzが40nm以下であることを特徴とする。

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子)、有機太陽電池といった有機電子素子等に用いられる透明導電体に関し、特に、透明支持体の上に透明導電層を設けた透明導電体であって、有機電子素子の駆動電圧や効率、寿命といった素子性能を向上させることができる透明導電体に関する。
近年、有機EL素子や有機太陽電池といった有機電子素子が注目されており、このような素子において、透明支持体の上に透明導電層を設けた透明導電体は必須の構成技術となっている。
従来、透明導電体は、ガラスや透明なプラスチックフィルム等の透明基板上に、インジウム−スズの複合酸化物(ITO)膜を真空蒸着法やスパッタリング法で製膜したITO透明導電性支持体が、その導電性や透明性といった性能の点から、主に使用されてきた。しかし、真空蒸着法やスパッタリング法を用いた透明導電体は生産性が悪いため製造コストが高いことや、可撓性に劣るためフレキシブル性が求められる素子用途には適用できないことが問題であった。
これに対し導電性ポリマーを適当な溶媒に溶解または分散した塗液を用い、塗布や印刷によって透明導電層を形成する方法(例えば特許文献1参照)が提案されている。しかし、真空成膜法によるITO等の金属酸化物透明導電性支持体に較べると、透明性、導電性とも著しく低下するという課題があった。さらに、これを用いて有機EL素子といった有機電子素子を形成した場合、透明導電体自身の低導電性に加え、該透明導電体上に設けられる機能層との界面抵抗が高いと思われる挙動(例えば、有機EL素子では駆動電圧の上昇)が見られ、素子としての性能が低下するという課題があった。
一方近年では、カーボンナノチューブやグラフェン等の炭素材料を用いた透明導電膜の開発が活発になっている。
炭素は、ダイヤモンド、グラファイト、フラーレンおよびカーボンナノチューブを含む、4つの知られた一般的構造を有する。結晶構造は、原子の格子配列を指す。カーボンナノチューブは、単層または多層を有して成長した管状構造であり、複数の六角形で形成された、巻かれたシートとして考えることができ、シートは、そのそれぞれの炭素原子を3つの隣接炭素原子と結合させることにより形成される。カーボンナノチューブは、約数オングストロームから数百ナノメートルの直径を有する。カーボンナノチューブは、チューブ軸に対する炭素原子の六方格子の配向およびチューブ直径に従い、金属と類似した導電体として、または半導体として機能し得る。
カーボンナノチューブは、2本のグラファイトロッド間のアーク放電により初めて(例えば、非特許文献1参照)生成された。この手法は、主に多層カーボンナノチューブを生成した。後に、主に単層カーボンナノチューブを生成する方法(例えば、非特許文献2参照)が発見および報告された。
またこれら炭素材料は、カーボンナノチューブの金属性/半導体性の存在と、金属性カーボンナノチューブ分子内での高い移動度が実験的も検証されており(例えば、非特許文献3参照)、最近では導電性ポリマー層とカーボンナノチューブの層を順不動に有する事を特徴とする透明導電膜(特許文献2参照)が開示された。
単層カーボンナノチューブを含有する透明導電膜(特許文献3参照)、更にはカーボンナノチューブを含む薄膜に分子半導体を併用する透明導電膜(特許文献4参照)等が開示されているが、何れも現状では、カーボンナノチューブ自体の純度の問題及び分子間の界面抵抗の問題などでITOのシート抵抗に及ばないばかりか、透明導電膜の表面平滑性も十分ではなく、導電性と表面平滑性を高いレベルで両立させることのできる技術は得られていない。この為有機電子デバイス用の電極として用いた場合、十分な性能が得られてなく、実用化に至っていなかった。本願は、これらを鑑みなされたものである。
特開平6−273964号公報 特開2009−211978号公報 特表2010−506824号公報 特表2008−544946号公報
Sumio Iijima、Nature、Vol.354、1991年11月7日、56〜58 D.S.Bethuneら、Nature、Vol.363、605ページ(1993) T.W.Ebbesenら:Nature、Vol.382、1996年7月4日、54〜56
本発明の目的は、前記事情に鑑みてなされたものであり、高い導電性と透明性を兼ね備えてかつ、フレキシブルな有機EL素子、有機太陽電池といった有機電子素子を形成した際に、良好な特性を得られる新規の透明導電体に関するものであり、本発明の構成を好適に用いることにより初めて塗布型プロセスにより、金属グリッド等を用いない、実質的に全面透明な大面積面電極を提供でき、且つ有機EL素子、有機太陽電池と言った有機電子素子として良好な特性を得る事が出来るものである。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
1.透明基板上に、カーボンナノチューブを含有する透明導電層を有する透明導電体であって、該透明導電層は分光波長400〜700nmでの平均透過率が70%以上であり、かつ、25℃50%RHでのシート抵抗値が10Ω/□未満であり、更に、該透明導電層表面の算術平均粗さRaが10nm以下で、かつ、十点平均粗さRzが40nm以下であることを特徴とする透明導電体。
2.前記透明導電層が、更に、ポルフィリン化合物、フタロシアニン化合物、及び、グラフェン化合物から選ばれる少なくとも1つのπ共役系化合物を含有することを特徴とする前記1記載の透明導電体。
3.前記透明導電層が、更に導電性ポリマーを含有することを特徴とする前記1又は2記載の透明導電体。
4.前記導電性ポリマーが、水酸基を有することを特徴とする前記3記載の透明導電体。
5.前記1〜4のいずれか1項記載の透明導電体の透明導電層の上に、少なくとも有機燐光性発光層を設けたことを特徴とする有機EL素子。
6.前記1〜4のいずれか1項記載の透明導電体の透明導電層の上に、少なくとも有機発電層を設けたことを特徴とする有機光電変換素子。
本発明によれば、高い導電性と透明性を兼ね備えてかつ、フレキシブルな有機EL素子、有機太陽電池といった有機電子素子を形成した際に、良好な特性を得られる新規の透明導電体を得ることができた。また、本発明の構成を好適に用いることにより初めて塗布型プロセスにより、金属グリッド等を用いない、実質的に全面透明な大面積面電極を提供でき、且つ有機EL素子、有機太陽電池と言った有機電子素子として良好な特性を得る事が出来た。
本発明に係る有機電子素子の断面図である。
以下本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<基板>
本発明では、基板として、プラスチックフィルム、プラスチック板、ガラスなどを用いることができ、軽量性と柔軟性の観点から透明プラスチックフィルムを用いることが好ましい。
プラスチックフィルム及びプラスチック板の原料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル類、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、EVAなどのポリオレフィン類、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのビニル系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリサルホン(PSF)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド、ポリイミド、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)などを用いることができる。中でも好ましいのは、PETおよびPENである。
前記透明導電体及び有機電子素子において、基板は、表面平滑性に優れているものが好ましい。表面の平滑性は算術平均粗さRaが5nm以下かつ最大高さRzが50nm以下であることが好ましく、Raが2nm以下かつRzが30nm以下であることがより好ましく、さらに好ましくはRaが1nm以下かつRzが20nm以下である。基板の表面は、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、放射線硬化性樹脂等の下塗り層を付与して平滑化してもよいし、研磨などの機械加工によって平滑にすることもできる。ここで、表面の平滑性は、原子間力顕微鏡(AFM)等による測定から、表面粗さ規格(JIS B 0601−2001)に従い、求めることができる。
前記基板には、大気中の酸素、水分を遮断する目的でガスバリア層を設けるのが好ましい。ガスバリア層の形成材料としては、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム等の金属酸化物、金属窒化物が使用できる。これらの材料は、水蒸気バリア機能のほかに酸素バリア機能も有する。特にバリア性、耐溶剤性、透明性が良好な窒化シリコン、酸化窒化シリコンが好ましい。また、バリア層は必要に応じて多層構成とすることも可能である。ガスバリア層の形成方法は、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法を用いることができる。前記ガスバリア層を構成する各無機層の厚みに関しては特に限定されないが、典型的には1層あたり5nm〜500nmの範囲内であることが好ましく、さらに好ましくは1層あたり10nm〜400nmである。ガスバリア層は基板の少なくとも一方の面に設けられ、両面に設けられるのがより好ましい。
さらに前記基板の表面は、ハードコート層等による保護層処理がされていてもよい。ハードコート層は、光ラジカル発生材、ラジカル重合性の単官能および/又は多官能モノマーの混合物を所望の膜厚に均一に塗布したのち、必要なエネルギー量の紫外光を照射することによってラジカル重合させることにより得られる、透明かつ高硬度のポリマー層である。
<下引き層>
本発明の透明導電体は、基板表面にシランカップリング剤を塗布することにより形成された下引き層を有していることが好ましい。
下引層に使用可能なシランカップリング剤としては、例えば、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルメトキシシラン・塩酸塩、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、アミノシラン、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、オクタデシルジメチル[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロリド、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン等が挙げられる。中でもメルカプト基、ジアルキルアミノ基のいずれかの基を分子内に有する物が好ましく、具体的にはγ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルメトキシシラン・塩酸塩、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が特に好ましい。
シランカップリング剤を用いて下引層を形成するには、シランカップリング剤を水や有機溶剤等に溶かし、塗布した後に乾燥させる。溶媒は、シランカップリング剤を単に溶かすだけでなく、無機基材への展開性、濡れ性等に影響する。水を使用する場合は、アミノシランの場合は溶解し易く、pH調節は必要ないが、その他のシランカップリング剤はpH4付近の水を使用下することが好ましい。
乾燥は、室温〜100℃の温度で、2〜30分程度が好ましい。乾燥によって、シランカップリング剤と機材が化学反応を起こし、シランカップリング剤の有機官能基が機材表面の外に配向し、その上にパターン状に形成するカーボンナノチューブを含有する透明導電層と相互作用し、接着性を向上させると考えられる。
<導電層>
本発明のカーボンナノチューブを含有する透明導電層は、少なくともカーボンナノチューブを含有してなり、単一の層であっても複数の層であっても何れも好適に使用できる。
またカーボンナノチューブを含有してなる層は、カーボンナノチューブのみで形成されていても良く、その他の化合物と混合されてもいても良いが、カーボンナノチューブ分子間抵抗を軽減する為に、π共役系化合物を含有させる事が好ましい。
またカーボンナノチューブは、ITOの様に透明面電極としての機能を有しており、本発明の好ましい透明導電膜の形態は、以下の形態の何れかを構成として含有している事が好ましい。
カーボンナノチューブを主成分とする単一層
カーボンナノチューブを主成分とする複数層
カーボンナノチューブを主成分とするグリッド電極と導電性ポリマー層
カーボンナノチューブを主成分とする面電極と導電性ポリマー層等を挙げることができる。以下、本発明で好適に使用できるカーボンナノチューブについて説明する。
(カーボンナノチューブ(以後CNTともいう))
本発明の透明導電層に使用するのに適したカーボンナノチューブは、当業者に知られた任意の方法(レーザ・アブレーション、CVD、アーク放電)によって形成することができる。カーボンナノチューブは、カーボンナノチューブではない炭素質不純物(グラファイト、非晶質、ダイヤモンド、非管状フラーレン、多層カーボンナノチューブ)又は金属不純物を最小限にしか又は全く有さないことが好ましい。金属不純物及び炭素質不純物のレベルが減少するのに伴って、透明度が著しく増大することが判っている。金属不純物及び炭素質不純物の量が減少するのに伴って、層均一性、表面粗さ、及び粒子の低減によって証明される皮膜品質も改善され、CNT成分としては50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、90質量%以上が特に好ましく、95質量%以上が最も好ましい。
高電子伝導性を達成するために、単層カーボンナノチューブ(SWCNT:single wall carbon nano tube)がカーボンナノチューブの最も好ましいタイプではある。
またCNTは金属性及び半導体性の物が混在してなり、何れも好適に使用できるが、単一特性品の合成・単離などは好ましい態様である。特に有機太陽電池(OPV)に於いては、金属特性起因の赤外吸収が効率特性上好ましくない事から、赤外吸収が著しく小さい半導体特性のCNTを主成分とした透明導電膜が良好である。また合成直後のSWCNTは、SWCNTの表面が、不純物の酸洗浄、アニーリング、又は指向性官能化を介して共有結合的に官能化されていないが、本発明では、上記の様に高い純度が好ましいのは勿論であるが、その目的上、官能化されたSWCNTが好ましく用いられる。好ましい官能基は、カルボン酸、カルボン酸アニオン(カルボン酸塩)、ヒドロキシル、硫黄含有基、カルボニル、リン酸塩、硝酸塩、又はこれらの親水性種の組合せから選択される親水性種である。このような官能化は、特定のポリマーマトリックス中のSWCNTの相容性を改善することができ好ましい。
最も好ましい共有結合的な表面官能基は、カルボン酸又はカルボン酸塩、又はこれらの混合物(以後、単にカルボン酸と呼ぶ)である。カルボン酸に基づく官能化の場合、SWCNT上の好ましい官能化炭素レベルは0.5〜100原子パーセントである。この場合、1原子パーセントの官能化炭素は、SWCNT中の100個の炭素毎に1つが、共有結合された官能基を有することを意味する。官能化炭素は、ナノチューブ上のいかなる場所に存在していてもよい(開いた又は閉じた端部、外側又は内側の側壁)。既に述べたように、好ましくは、官能化は、SWCNTの外面上で行われる。より好ましくは、官能化パーセント範囲は、0.5〜50原子パーセントであり、最も好ましくは0.5〜5原子パーセントである。
これらの原子パーセント範囲内でSWCNTが官能化されることにより、一般的な塗布手段によって高導電性透明皮膜を形成するのに必要な固形分濃度で、安定した分散体を調製するのが可能になる。この方法は、実質的に水性の分散体中の極めて効果的な分散を可能とし、そして分散剤を必要としない溶液を形成できる。また本発明で最も好まし素材は官能化により、カーボンナノチューブの電子特性を著しく変化させることなしに、所望の分散体を提供するものであり、透過率は70%が本発明の透明導電膜には必要である。この透過率は、厚さ1マイクロメーター未満の薄い塗膜を製造することによって達成することができ、より好ましくは厚さ500nm未満、特に好ましくは厚さ200nm未満、最も好ましくは100nm未満の厚みである。官能化は多数のルートによって実施することができる。典型的には原材料(官能化されていない)SWCNTは、混合物であってよい強酸化剤(塩酸、フッ化水素酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、オレウム、硝酸、クエン酸、シュウ酸、クロロスルホン酸、リン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、氷酢酸、一塩基性有機酸、二塩基性有機酸、過マンガン酸カリウム、過硫酸塩、セレート、臭素酸塩、過酸化水素、重クロム酸塩)の浴に添加される。硫酸、硝酸、過マンガン酸、及びクロロスルホン酸が、酸化及び官能化の有効性に基づき好ましい。1時間〜数日間のプロセス時間にわたって適宜に撹拌しながら、SWCNTと強酸化剤とのこの混合物の環流に際して、20〜120℃の温度が用いられるのが典型的である。このプロセスが終了すると、生SWCNTは今や官能化SWCNTである。残留する酸化剤は、官能化SWCNT(主としてカルボン酸官能化)の粉末が、乾燥するまで行われる適宜の加熱後に残されるように、分離技術(濾過洗浄、遠心分離、横流濾過)を介して除去される。
分散体及び塗布用組成物のpHも重要である。pHがより塩基性になる(カルボン酸基のpKaを上回る)につれて、カルボン酸はイオン化され、これによりカルボン酸アニオンを、安定性を助成することができる嵩高な反発性の基にする。好ましいpHは、3〜10pHである。より好ましいpHは3〜6である。
SWCNTの長さは20nm〜1m、より好ましくは20nm〜50μm、特に好ましくは100nm〜50μmである。SWCNTは、個々のSWCNTとして、又はSWCNTバンドルとして存在することができる。透明導電層内のSWCNTの直径は、0.05nm〜5nmが好ましく、より好ましくは0.5nm〜4nm、特に好ましくは1〜3nmである。バンドルの直径は、1nm〜1μmであってよい。好ましくはこのようなバンドルの直径は50nm未満、特に好ましくは20nm未満であり、長さ20nm〜50mmで、長いほど好ましい。電子の輸送を容易にするために、より大きい表面積が達成され、そして、より小さなバンドル・サイズを有し、これにより、バンドルの内側に位置していてアクセスすることができないSWCNTの表面を露出させることにより、より大きい有効表面積が達成されることが重要である。SWCNTの端部は、適宜のサイズの半球形バッキーボールによって閉じられていることが好ましいが、SWCNTの端部の両方または片方のみが開いていてもよい。
本発明では0.05〜10質量%(500〜100000)ppmの範囲のSWCNT固形分濃度を有する水性分散体を形成することが好ましく、この様な態様のために、官能化したSWCNT(上記のように製造されるか又は供給元から購入される)を用いる事は好ましい態様である。このような固形分濃度とすることで、ロール塗布やインクジェット印刷を容易に行うことができる。官能化したSWCNTは液粘度を最小限に抑える点で優位である。官能化SWCNTは、粉末/フレーク形態を成しており、分散にエネルギーを必要とする。典型的な分散プロセスは、数分間から1時間にわたって高剪断混合装置(ホモジナイザー、マイクロ流動化装置、カウル・ブレード高剪断ミキサー、自動媒体ミル、ボールミル)を使用する。この点でも官能化SWCNTは分散が容易で優位であり、標準的な超音波処理及び浴超音波処理で十分であることを見いだした。典型的には、脱イオン水中1000ppmのSWCNT分散体が、2〜24時間にわたって浴超音波装置によって形成される(親水性官能化レベルに依存する)。分散プロセス後、pHは所望の範囲に調節することができる。大きな粒子を除去するために、遠心分離又は濾過プロセスが用いられる。結果として得られる分散体は、静止状態で数か月にわたって安定となる(親水性官能化レベルに依存する)。
本発明の透明導電層は、乾燥塗膜質量約0.1〜約1000mg/mの官能化SWCNTを含有することが好ましく、より好ましくは、0.5〜約500mg/m、特に好ましくは1〜300mg/m、最も好ましくは5〜100mg/mの官能化SWCNTを含有する。乾燥塗膜中のこのようなSWCNT範囲は、標準的な塗布方法によって容易に到達することができ、最良の透過特性をもたらし、そして、最も望ましいシート抵抗を達成するためのコストを最小限に抑える。実際の乾燥塗膜質量は、採用される特定の導電性官能化SWCNTの特性によって、そして特定の用途に対する要件によって決定され、これらの要件は、例えば、層の導電率、透明度、光学濃度、コストなどを含んでよい。
本発明の好ましい導電性SWCNTとしては、カーボンナノチューブの任意の位置に、カルボン酸、カルボン酸アニオン(カルボン酸塩)、ヒドロキシル、硫黄含有基、カルボニル、リン酸塩、硝酸塩等の置換基の付加したカーボンナノチューブである。これらの、カーボンナノチューブは本発明の透明導電層形成にとって好ましい物である。
更に好ましい態様は、官能基が下記一般式で表される。
R−SO
式中、Rは、SWCNTの格子内部の炭素であり、xは1〜3であってよく、そしてZは、水素原子、又は、Na、Mg、K、Ca、Zn、Mn、Ag、Au、Pd、Pt、Fe、Coのような金属の金属カチオンであってよく、そしてyは1又は1/n(n:金属の価数)であってよい。上記一般式は、スルホン酸、スルホン酸、及び/又はスルホン酸、及び/又は対応するアニオン又はこれらの混合物を含有してよい。共有結合表面官能化のための最も好ましい硫黄含有基は、スルホン酸又はスルホン酸塩又はこれらの混合物(以後、単にスルホン酸と呼ぶ)である。共有結合スルホン酸が、硫黄含有基のなかで、最良のカーボンナノチューブ分散体を提供する。
また本発明では、SWCNTの分散の為に、分散剤を使用する事も出来る。本発明に於ける分散剤量は少ないほど好ましく、SWCNTの質量の5質量%未満である。最も好ましは1質量%未満である。分散剤量が低下するのに伴って、電子伝導率は上昇する。分散剤は公知のものを何れも好適に使用することができるが、好ましい分散剤は、オクチルフェノールエトキシレート(TX−100)、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリ(スチレンスルホネート)、ナトリウム塩、ポリ(ビニルピロリドン)、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのブロック・コポリマー(Pluronics又はPoloxamers)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(Brij 78、Brij 700)、及び臭化セチルトリメチルアンモニウム又は臭化ドデシルトリメチルアンモニウムである。これらの分散剤は、電子伝導性に対する影響が少なく好ましい。これらの分散剤を必要最低量で使用することで、カーボンナノチューブを効果的に分散することができる。これらの分散剤の好適な混合物を利用することができる。
以上の様なカーボンナノチューブを単独又は複数併用して用いる事も好ましい態様であるが、本発明では特にπ共役系化合物と併用して用いる事が特に好ましい態様である。
<π共役系化合物>
本発明で好ましく用いられるπ共役系化合物は、ポルフィリン化合物、フタロシアニン化合物、及び、グラフェン化合物である。
π共役系化合物とは、芳香族π電子を7つ以上有する化合物を意味する。具体的なポルフィリン化合物の一般式を化合物1及び3に、フタロシアニン化合物の一般式を化合物2及び4に示す。
本発明で用いるグラフェン、もしくはグラファイトから単原子層グラファイトを剥離させるプロセスにより合成されるグラフェンが複数重なった層状グラフェンは、数枚から20枚程度の単原子層グラフェンが重なったシート状の炭素材料であり、典型的には厚さ2〜10nm程度、幅1〜5mm程度の平面シート状のカーボンフィルムである。グラファイトとの大きな違いは一回単原子層ずつ剥がしてから再度積層化しているため膜垂直方向、すなわち積層方向に規則性が無いことが特徴である。グラファイト結晶では単原子層グラファイトがABCABCと3回ごとに同じ位置に来る六方晶構造を取り、グラフェン間の重なり具合は完全な規則性を有している。さらにグラフェン間の距離も厳密に一定(0.335nm)の面間距離を有している。他方、層状グラフェンにおいてはグラフェン単原子層シートがランダムに重なっているため面間距離は一定でなく、グラファイトに比べて増大している。また、層状グラフェンは、柔軟なシート構造を有しているため結晶グラファイトと異なりどのような構造形態でも取ることが出きるカーボン材料である。
更に、サブナノメーターの白金クラスターがグラフェンシート状に担持された新規な電極材料がある。数枚の単原子層グラフェンが積層しており、グラフェンの面間距離はグラファイトと比べて増加している。
この、白金/グラフェンのサイズは1nm以下の非常に小さいサイズのクラスターでありこれまで用いられている数(2〜4)nmサイズの白金粒子と比較して約1/10のサイズの非常に小さいクラスター状物質である。また、白金原子がグラフェンと共有結合を作り表面拡散などしない程度に強く結合しているため、このような小さくても安定な白金超微粒子が固定されている。
更に、本発明の透明導電層は、導電性ポリマー及び水酸基含有化合物を含有する事が特に好ましい。
この様な導電性ポリマー及び水酸基含有化合物は、上述したようにCNTと同一の層で用いる事も好ましいが、CNTを主成分とした層を設けた上層として設ける事が特に好ましい。
この様な態様としては、CNTを主成分とした層をグリッド電極に導電性ポリマー及び水酸基含有化合物を含有する均一層を設けた面電極として形成する場合、CNTを主成分とした均一な面電極の上に更に導電性ポリマー及び水酸基含有化合物を含有する均一層を設けた面電極として用いる場合の何れも好適に使用でき特に後者が好ましい態様である。
<導電性ポリマー>
導電性高分子化合物としては、ポリフェニレンビニレン、ポリチオフェン、ポリ(チオフェンビニレン)、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリ(p−フェニレン)、ポリアニリンの基本骨格を持つものが好ましい(xは1以上の整数であることが好ましい。)。
ポリフェニレンビニレンおよびその誘導体の好ましい具体例を示す(n、m、k、jは0以上の整数、xは2以上の整数である。)。
ポリチオフェンおよびその誘導体の好ましい具体例を示す(n、mは0以上の整数、kは1以上の整数、xは2以上の整数である。)。
ポリ(チオフェンビニレン)およびその誘導体の好ましい具体例を示す(n、m、k、jは0以上の整数、xは2以上の整数である。)。
ポリアセチレンおよびその誘導体の好ましい具体例を示す(n、mは0以上の整数、xは2以上の整数である。)。
ポリピロールおよびその誘導体の好ましい具体例を示す(nは0以上の整数、kは1以上の整数、xは1以上の整数である。)。
ポリフルオレンおよびその誘導体の好ましい具体例を示す(n、mは0以上の整数、xは1以上の整数である。)。
ポリ(p−フェニレン)およびその誘導体の好ましい具体例を示す(n、mは0以上の整数、x、yは1以上の整数である。)。
ポリアニリンおよびその誘導体の好ましい具体例を示す(nは0以上の整数、xは2以上の整数である。)。
本発明の導電性ポリマーはπ共役系化合物とポリアニオンとを含んで成る導電性ポリマーであることが好ましい。こうした導電性ポリマーは、後述するπ共役系化合物を形成する前駆体モノマーを、適切な酸化剤と酸化触媒と後述のポリアニオンの存在下で化学酸化重合することによって容易に製造できる。
(ポリアニオン)
前記ポリアニオンは、置換若しくは未置換のポリアルキレン、置換若しくは未置換のポリアルケニレン、置換若しくは未置換のポリイミド、置換若しくは未置換のポリアミド、置換若しくは未置換のポリエステル及びこれらの共重合体であって、アニオン基を有する構成単位とアニオン基を有さない構成単位とからなるものである。
前記ポリアニオンは、π共役系化合物を溶媒に可溶化させる可溶化高分子である。また、ポリアニオンのアニオン基は、π共役系化合物に対するドーパントとして機能して、π共役系化合物の導電性と耐熱性を向上させる。
前記ポリアニオンのアニオン基としては、π共役系化合物への化学酸化ドープが起こりうる官能基であればよいが、中でも、製造の容易さ及び安定性の観点からは、一置換硫酸エステル基、一置換リン酸エステル基、リン酸基、カルボキシ基、スルホ基等が好ましい。さらに、官能基のπ共役系化合物へのドープ効果の観点より、スルホ基、一置換硫酸エステル基、カルボキシ基がより好ましい。
前記ポリアニオンの具体例としては、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリアクリル酸エチルスルホン酸、ポリアクリル酸ブチルスルホン酸、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ポリイソプレンスルホン酸、ポリビニルカルボン酸、ポリスチレンカルボン酸、ポリアリルカルボン酸、ポリアクリルカルボン酸、ポリメタクリルカルボン酸、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸、ポリイソプレンカルボン酸、ポリアクリル酸等が挙げられる。
これらの単独重合体であってもよいし、2種以上の共重合体であってもよい。また、化合物内にフッ素を有するポリアニオンであっても良い。具体的には、パーフルオロスルホン酸基を含有するナフィオン(Dupont社製)、カルボン酸基を含有するパーフルオロ型ビニルエーテルからなるフレミオン(旭硝子社製)などをあげることができる。
これらのうち、スルホ基を有する化合物であると、導電性ポリマー含有層を塗布、乾燥することによって形成した後に、100℃以上200℃以下の温度で加熱処理を施した場合、この塗布膜の洗浄耐性や溶媒耐性が著しく向上することから、より好ましい。さらに、これらの中でも、ポリスチレンスルホン酸、ポリイソプレンスルホン酸、ポリアクリル酸エチルスルホン酸、ポリアクリル酸ブチルスルホン酸が好ましい。これらのポリアニオンは、バインダー樹脂との相溶性が高く、また、得られる導電性ポリマーの導電性をより高くできる。
ポリアニオンの重合度は、モノマー単位が10〜100000個の範囲であることが好ましく、溶媒溶解性及び導電性の点からは、50〜10000個の範囲がより好ましい。
ポリアニオンの製造方法としては、例えば、酸を用いてアニオン基を有さないポリマーにアニオン基を直接導入する方法、アニオン基を有さないポリマーをスルホ化剤によりスルホン酸化する方法、アニオン基含有重合性モノマーの重合により製造する方法が挙げられる。
アニオン基含有重合性モノマーの重合により製造する方法は、溶媒中、アニオン基含有重合性モノマーを、酸化剤及び/又は重合触媒の存在下で、酸化重合又はラジカル重合によって製造する方法が挙げられる。具体的には、所定量のアニオン基含有重合性モノマーを溶媒に溶解させ、これを一定温度に保ち、それに予め溶媒に所定量の酸化剤及び/又は重合触媒を溶解した溶液を添加し、所定時間で反応させる。その反応により得られたポリマーは溶媒によって一定の濃度に調整される。この製造方法において、アニオン基含有重合性モノマーにアニオン基を有さない重合性モノマーを共重合させてもよい。アニオン基含有重合性モノマーの重合に際して使用する酸化剤及び酸化触媒、溶媒は、π共役系化合物を形成する前駆体モノマーを重合する際に使用するものと同様である。得られたポリマーがポリアニオン塩である場合には、ポリアニオン酸に変質させることが好ましい。アニオン酸に変質させる方法としては、イオン交換樹脂を用いたイオン交換法、透析法、限外ろ過法等が挙げられ、これらの中でも、作業が容易な点から限外ろ過法が好ましい。
こうした導電性ポリマーは市販の材料も好ましく利用できる。例えば、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸からなる導電性ポリマー(PEDOT/PSSと略す)が、H.C.Starck社からCleviosシリーズとして、Aldrich社からPEDOT/PSSの483095、560596として、Nagase Chemtex社からDenatronシリーズとして市販されている。また、ポリアニリンが、日産化学社からORMECONシリーズとして市販されている。本発明において、こうした剤も好ましく用いることが出来る。
2nd.ドーパントとして水溶性有機化合物を含有してもよい。該水溶性有機化合物には特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、酸素含有化合物が好適に挙げられる。該酸素含有化合物としては、酸素を含有する限り特に制限はなく、例えば、水酸基含有化合物、カルボニル基含有化合物、エーテル基含有化合物、スルホキシド基含有化合物などが挙げられる。該水酸基含有化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、グリセリンなどが挙げられ、これらの中でも、エチレングリコール、ジエチレングリコールが好ましい。前記カルボニル基含有化合物としては、例えば、イソホロン、プロピレンカーボネート、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。前記エーテル基含有化合物としては、例えば、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、などが挙げられる。前記スルホキシド基含有化合物としては、例えば、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよいが、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、ジエチレングリコールから選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。
<水酸基含有非導電性ポリマー>
本発明における水酸基含有非導電性ポリマーとしては、ポリマー(A)が好ましい。ポリマー(A)の主たる共重合成分は下記モノマーM1、M2、M3からなり、共重合成分の50mol%以上の成分が該モノマーのいずれか、あるいは、合計が50mol%以上ある共重合ポリマーである。該モノマー成分の合計が80mol%以上であることがより好ましく、さらに、いずれか単独のモノマーから形成されたホモポリマーであっても良く、また、好ましい実施形態である。
モノマーM1 CH=C(X)O−R−OH
モノマーM2 CH=C(X)COO−R−OH
モノマーM3 CH=C(X)CONH−R−OH
式中、X〜Xは、水素原子またはメチル基、R〜Rはそれぞれ独立に、炭素数5以下のアルキレン基を示す。
中でもモノマーM1の重合体が特に好ましい。更に具体的には、モノマーM1においてXは水素原子が好ましい。またRは特にエチレン基が好ましい。
ポリマー(A)においては、水系溶媒に可溶である範囲において、他のモノマー成分が共重合されていてもかまわないが、親水性の高いモノマー成分であることがより好ましい。また、ポリマー(A)は数平均分子量1000以下の含有量が0〜5%であることが好ましい。低分子成分が少ないことで、素子の保存性や、導電層に対して垂直方向の導電性に障壁があるような挙動をより低下させることができる。
このポリマー(A)の数平均分子量1000以下の含有量を0〜5%とする方法としては、再沈殿法、分取GPCに、リビング重合による単分散のポリマーを合成等により、低分子量成分を除去する、または低分子量成分の生成を抑制する方法を用いることができる。
再沈殿法は、ポリマーが溶解可能な溶媒へ溶解し、ポリマーを溶解した溶媒より溶解性の低い溶媒中へ滴下することにより、ポリマーを析出させ、モノマー、触媒、オリゴマー等の低分子量成分を除去する方法である。
また、分取GPCは例えばリサイクル分取GPCLC−9100(日本分析工業社製)、ポリスチレンゲルカラムで、ポリマーを溶解した溶液をカラムに通すことにより分子量で分けることができ、所望の低分子量をカットすることができる方法である。
リビング重合は、開始種の生成が経時で変化せず、また停止反応等の副反応が少なく、分子量の揃ったポリマーが得られる。分子量はモノマーの添加量により調整できるため、例えば分子量を2万のポリマーを合成すれば、低分子量体の生成を抑制することができる。生産適正から、再沈殿法、リビング重合が好ましい。
本発明のポリマー(A)の分子量は3,000〜2,000,000の範囲が好ましく、より好ましくは4,000〜500,000、更に好ましくは5000〜100000の範囲内である。本発明のポリマー(A)の分子量分布は1.01〜1.30が好ましく、より好ましくは1.01〜1.25である。数平均分子量1000以下の含有量はGPCにより得られた分布において、数平均分子量1000以下の面積を積算し、分布全体の面積で割ることで割合を換算した。リビング重合溶剤は、反応条件化で不活性であり、モノマー、生成するポリマーを溶解できれば特に制限はないが、アルコール系溶媒と水の混合溶媒が好ましい。リビングラジカル重合温度は、使用する開始剤によって異なるが、一般に−10〜250℃、好ましくは0〜200℃、より好ましくは10〜100℃で実施される。
<水系溶媒>
本発明において、水系溶媒とは、50質量%以上が水である溶媒を表す。もちろん、他の溶媒を含有しない純水であっても良い。水系溶媒の水以外の成分は、水に相溶する溶剤であれば特に制限はないが、アルコール系の溶媒を好ましく用いることができ、中でも、沸点が比較的水に近いイソプロピルアルコールを用いることが形成する膜の平滑性などには有利である。
本発明の導電性ポリマー及び水酸基含有非導電性ポリマーを含む分散液は、導電層の導電性、透明性、平滑性を同時に満たす範囲において、さらに他の透明な非導電性ポリマーや添加剤を含有してもよい。
透明な非導電性ポリマーとしては、天然高分子樹脂または合成高分子樹脂から広く選択して使用することができ、水溶性高分子又は水性高分子エマルジョンが特に好ましい。水溶性高分子としては、天然高分子のデンプン、ゼラチン、寒天等、半合成高分子のヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、合成高分子のポリビニルアルコール、ポリアクリル酸系高分子、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン等が、水性高分子エマルジョンとしては、アクリル系樹脂(アクリルシリコン変性樹脂、フッ素変性アクリル樹脂、ウレタン変性アクリル樹脂、エポキシ変性アクリル樹脂等)、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂等が、使用することができる。
また、前記水性高分子エマルジョンの合成高分子樹脂としては、透明な熱可塑性樹脂(例えば、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリメチルメタクリレート、ニトロセルロース、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、フッ化ビニリデン)や、熱・光・電子線・放射線で硬化する透明硬化性樹脂(例えば、メラミンアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル変性シリケート等のシリコーン樹脂)を使用することができる。
添加剤としては、可塑剤、酸化防止剤や硫化防止剤などの安定剤、界面活性剤、溶解促進剤、重合禁止剤、染料や顔料などの着色剤などが挙げられる。更に、塗布性などの作業性を高める観点から、溶媒(例えば、水や、アルコール類、グリコール類、セロソルブ類、ケトン類、エステル類、エーテル類、アミド類、炭化水素類等の有機溶媒)を含んでいてもよい。
以下にCNTのグリッド電極を設けて、均一面の導電ポリマー層を設ける場合を詳述するが、CNTをも均一な面電極とする場合には、第二導電層の形成方法に準じて作製する事で好適に作製する事が出来る。
本発明の透明導電層はカーボンナノチューブを含有する第一導電層と、導電性ポリマーを含有する第二導電層から構成されることが好ましい。導電層の形成方法としては、前記下引き層を有する基板上に印刷方式により、カーボンナノチューブのペーストの細線パターンを印刷、焼成して、第一導電層を形成することが好ましい。前記基板と該基材上に形成された第一導電層とを覆うように、第二導電層の塗布液を塗布することにより、第一導電層の無い細線パターンの間にも電極を展開することが出来る。
(第一導電層)
まず基板上に第一導電層として、カーボンナノチューブからなる細線パターンを形成する。細線パターンは、カーボンナノチューブの分散液を用い、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法等の印刷法により形成できる。各印刷の方式は、一般的に電極パターン形成に使われる手法が本発明に関しても適用可能である。具体的な例として、グラビア印刷法については特開2009−295980号公報、特開2009−259826号公報、特開2009−96189号公報、特開2009−90662号公報記載の方法等が、グラビア印刷法については特開2004−268319号公報、特開2003−168560号公報記載の方法等が、スクリーン印刷法については特開2010−34161号公報、特開2010−10245号公報、特開2009−302345号公報記載の方法等が例として挙げられる。
又同様にCNTの均一層を設けた後に、酸素プラズマエッチング等でパターン化する方式も好適に使用できる。またこの様に作製する事で、印刷法よりグリッド高さを低くすることが可能であり、実質的に透明な電極作製の観点で有利で好ましい。
第一導電層における細線の線幅は任意であるが、10〜400μmが好ましく、20〜200μmがさらに好ましく、30〜120μmがより好ましい。細線の高さは、0.001〜2.0μmが好ましく、0.005〜1.5μmがより好ましい。
第一導電層の細線部の表面比抵抗は、5Ω/□以下であることが好ましく、1Ω/□以下であることがより好ましい。表面比抵抗は、例えば、JIS K6911、ASTM D257、等に準拠して測定することができ、また市販の表面抵抗率計を用いて簡便に測定することができる。
(第二導電層)
さらに、第二導電層として、パターン形成された第一導電層を被覆するように、導電性ポリマーからなる分散液を塗布、乾燥して膜形成する。第二導電層の塗布は、前述のグラビア印刷法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法等の印刷方法に加えて、ロールコート法、バーコート法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、キャスティング法、ダイコート法、ブレードコート法、バーコート法、グラビアコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、ドクターコート法、インクジェット法等の塗布法を用いることができる。
第二導電層は、さらに導電性ポリマーの導電性増強効果を有する水酸基含有非導電性ポリマーを含むことが好ましい。これにより、高い導電性、高い透明性、耐水性を同時に満たすことができる。
このような積層構造を有する本発明の導電層を形成することで、金属または金属酸化物細線、あるいは導電性ポリマー層単独では得ることのできない高い導電性を、電極面内において均一に得ることができる。
第二導電層の導電性ポリマーと水酸基含有非導電性ポリマーとの比率は、導電性ポリマーを100質量部とした時、水酸基含有非導電性ポリマーが30質量部から900質量部であることが好ましく、電流リーク防止、水酸基含有非導電性ポリマーの導電性増強効果、透明性の観点から、水酸基含有非導電性ポリマーが100質量部以上であることがより好ましい。
第二導電層の乾燥膜厚は1nmから200nmであることが好ましい。導電性の点から、10nm以上であることがより好ましく、電極の表面平滑性の点から、100nm以上であることがさらに好ましい。また、透明性の点から、50nm以下であることがより好ましい。
第二導電層を塗布した後、適宜乾燥処理を施すことができる。乾燥処理の条件として特に制限はないが、基材や導電層が損傷しない範囲の温度で乾燥処理することが好ましい。例えば、80℃から150℃で10秒から10分の乾燥処理をすることができる。本発明において、乾燥終了後、さらに熱処理を行う事で、水酸基含有非導電性ポリマーの架橋反応を促進、完了させることができる。これにより電極の洗浄耐性、溶媒耐性が著しく向上し、さらに素子性能が向上する。特に、有機EL素子においては、駆動電圧の低減、寿命の向上といった効果が得られる。
熱処理は、50℃以上200℃以下の温度で、30分以上行う事が好ましい。50℃未満では、反応促進効果が小さく、200℃を超える場合、素材への熱的ダメージが増えるためか、効果が小さくなる。処理温度としては80℃以上150℃以下であることがより好ましく、処理時間としては1時間以上であることがより好ましい。処理時間の上限は特にないが、生産性の観点から24時間以下であることが好ましい。熱処理は、導電層を塗布、乾燥した後、オンラインで行ってもよく、オフラインで行ってもよい。オフラインで行う場合、さらに減圧下で行う事が、水分の乾燥促進にもつながり、好ましい。
本発明において、酸触媒を用いて水酸基含有非導電性ポリマーの架橋反応を促進、完了させることができる。酸触媒としては、塩酸、硫酸や硫酸アンモニウムを用いることができる。また導電性ポリマーにドーパントとして用いるポリアニオンにおいて、スルホ基含有ポリアニオンを使用することで、ドーパントと触媒を兼用することができる。また、酸触媒の使用と合わせて、前述の熱処理を行う事ができ、処理時間の短縮にもつながり、好ましい。
<有機電子素子の構成>
本発明に係る有機電子素子について図を用いて説明する。図1において、基板(10)上に対向する第一電極(11)と第二電極(12)を有し、第一電極(11)と第二電極(12)電極間に少なくとも1層の有機機能層(13)を有する。本発明において第一電極(11)は、カーボンナノチューブを含有する第一導電層(14)と、導電性ポリマーと水酸基含有非導電性ポリマーとからなる第二導電層(15)を含み、導電性ポリマーと水酸基含有非導電性ポリマーからなる第二導電層は、カーボンナノチューブを含有する第一導電層の隙間に充填されている。
本発明に係る有機機能層(13)としては、有機発光層、有機光電変換層、液晶ポリマー層など特に限定無く挙げることができるが、本発明は、機能層が薄膜でかつ電流駆動系の素子である有機発光層、有機光電変換層である場合において、特に有効である。
<有機機能層構成>
(有機EL素子)
〔有機発光層〕
本発明において有機発光層を有する有機電子素子は、有機発光層に加えて、ホール注入層、ホール輸送層、電子輸送層、電子注入層、ホールブロック層、電子ブロック層などの有機発光層と併用して発光を制御する層を有しても良い。本発明の導電性ポリマー含有層はホール注入層として働くことも可能であるので、ホール注入層を兼ねることも可能だが、独立にホール注入層を設けても良い。
構成の好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
(i)(第一電極部)/発光層/電子輸送層/(第二電極部)
(ii)(第一電極部)/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/(第二電極部)
(iii)(第一電極部)/正孔輸送層/発光層/正孔ブロック層/電子輸送層/(第二電極部)
(iv)(第一電極部)/正孔輸送層/発光層/正孔ブロック層/電子輸送層/陰極バッファー層/(第二電極部)
(v)(第一電極部)/陽極バッファー層/正孔輸送層/発光層/正孔ブロック層/電子輸送層/陰極バッファー層/(第二電極部)
ここで、発光層は、発光極大波長が各々430〜480nm、510〜550nm、600〜640nmの範囲にある単色発光層であってもよく、また、これらの少なくとも3層の発光層を積層して白色発光層としたものであってもよく、さらに発光層間には非発光性の中間層を有していてもよい。本発明の有機EL素子としては、白色発光層であることが好ましい。
また、本発明において有機発光層に使用できる発光材料またはドーピング材料としては、アントラセン、ナフタレン、ピレン、テトラセン、コロネン、ペリレン、フタロペリレン、ナフタロペリレン、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、クマリン、オキサジアゾール、ビスベンゾキサゾリン、ビススチリル、シクロペンタジエン、キノリン金属錯体、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、トリス(5−フェニル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、アミノキノリン金属錯体、ベンゾキノリン金属錯体、トリ−(p−ターフェニル−4−イル)アミン、1−アリール−2,5−ジ(2−チエニル)ピロール誘導体、ピラン、キナクリドン、ルブレン、ジスチルベンゼン誘導体、ジスチルアリーレン誘導体、及び各種蛍光色素及び希土類金属錯体、燐光発光材料等があるが、これらに限定されるものではない。またこれらの化合物のうちから選択される発光材料を90〜99.5質量部、ドーピング材料を0.5〜10質量部含むようにすることも好ましい。有機発光層は上記の材料等を用いて公知の方法によって作製されるものであり、蒸着、塗布、転写などの方法が挙げられる。この有機発光層の厚みは0.5〜500nmが好ましく、特に、0.5〜200nmが好ましい。
〔第二電極部〕
本発明に係る第二電極は有機EL素子においては陰極となる。本発明に係る第二電極部は導電材単独層であっても良いが、導電性を有する材料に加えて、これらを保持する樹脂を併用してもよい。第二電極部の導電材としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。
これらの中で、電子注入性及び酸化等に対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が好適である。陰極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。また、陰極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nm〜5μm、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。
第二電極部の導電材として金属材料を用いれば第二電極側に来た光は反射されて第一電極部側にもどる。第一電極部のカーボンナノチューブは光の一部を後方に散乱、あるいは反射するが第二電極部の導電材として金属材料を用いることで、この光が再利用可能となりより取り出しの効率が向上する。
<有機光電変換素子>
有機光電変換素子は、第一電極部、バルクヘテロジャンクション構造(p型半導体層およびn型半導体層)を有する光電変換層(以下、バルクヘテロジャンクション層とも呼ぶ)、第二電極部が積層された構造を有する。
光電変換層と第二電極部との間に電子輸送層などの中間層を有しても良い。
〔光電変換層〕
光電変換層は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する層であって、p型半導体材料とn型半導体材料とを一様に混合したバルクヘテロジャンクション層を構成している。p型半導体材料は、相対的に電子供与体(ドナー)として機能し、n型半導体材料は、相対的に電子受容体(アクセプター)として機能する。ここで、電子供与体及び電子受容体は、“光を吸収した際に、電子供与体から電子受容体に電子が移動し、正孔と電子のペア(電荷分離状態)を形成する電子供与体及び電子受容体”であり、電極のように単に電子を供与あるいは受容するものではなく、光反応によって、電子を供与あるいは受容するものである。
p型半導体材料としては、種々の縮合多環芳香族化合物や共役系化合物が挙げられる。
縮合多環芳香族化合物としては、例えば、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、ヘキサセン、ヘプタセン、クリセン、ピセン、フルミネン、ピレン、ペロピレン、ペリレン、テリレン、クオテリレン、コロネン、オバレン、サーカムアントラセン、ビスアンテン、ゼスレン、ヘプタゼスレン、ピランスレン、ビオランテン、イソビオランテン、サーコビフェニル、アントラジチオフェン等の化合物、及びこれらの誘導体や前駆体が挙げられる。
共役系化合物としては、例えば、ポリチオフェン及びそのオリゴマー、ポリピロール及びそのオリゴマー、ポリアニリン、ポリフェニレン及びそのオリゴマー、ポリフェニレンビニレン及びそのオリゴマー、ポリチエニレンビニレン及びそのオリゴマー、ポリアセチレン、ポリジアセチレン、テトラチアフルバレン化合物、キノン化合物、テトラシアノキノジメタン等のシアノ化合物、フラーレン及びこれらの誘導体あるいは混合物を挙げることができる。
また、特にポリチオフェン及びそのオリゴマーのうち、チオフェン6量体であるα−セクシチオフェンα,ω−ジヘキシル−α−セクシチオフェン、α,ω−ジヘキシル−α−キンケチオフェン、α,ω−ビス(3−ブトキシプロピル)−α−セクシチオフェン、等のオリゴマーが好適に用いることができる。
その他、高分子p型半導体の例としては、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリピロール、ポリパラフェニレンスルフィド、ポリチオフェン、ポリフェニレンビニレン、ポリカルバゾール、ポリイソチアナフテン、ポリヘプタジイン、ポリキノリン、ポリアニリンなどが挙げられ、更には特開2006−36755号公報などの置換−無置換交互共重合ポリチオフェン、特開2007−51289号公報、特開2005−76030号公報、J.Amer.Chem.Soc.,2007,p4112、J.Amer.Chem.Soc.,2007,p7246などの縮環チオフェン構造を有するポリマー、WO2008/000664、Adv.Mater.,2007,p4160、Macromolecules,2007,Vol.40,p1981などのチオフェン共重合体などを挙げることができる。
さらに、ポルフィリンや銅フタロシアニン、テトラチアフルバレン(TTF)−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)錯体、ビスエチレンテトラチアフルバレン(BEDTTTF)−過塩素酸錯体、BEDTTTF−ヨウ素錯体、TCNQ−ヨウ素錯体、等の有機分子錯体、C60、C70、C76、C78、C84等のフラーレン類、SWNT等のカーボンナノチューブ、メロシアニン色素類、ヘミシアニン色素類等の色素等、さらにポリシラン、ポリゲルマン等のσ共役系ポリマーや特開2000−260999号に記載の有機・無機混成材料も用いることができる。
これらのπ共役系材料のうちでも、ペンタセン等の縮合多環芳香族化合物、フラーレン類、縮合環テトラカルボン酸ジイミド類、金属フタロシアニン、金属ポルフィリンよりなる群から選ばれた少なくとも1種が好ましい。また、ペンタセン類がより好ましい。
ペンタセン類の例としては、国際公開第03/16599号パンフレット、国際公開第03/28125号パンフレット、米国特許第6,690,029号明細書、特開2004−107216号公報等に記載の置換基をもったペンタセン誘導体、米国特許出願公開第2003/136964号明細書等に記載のペンタセンプレカーサ、J.Amer.Chem.Soc.,vol127.No14.4986等に記載の置換アセン類及びその誘導体等が挙げられる。
これらの化合物の中でも、溶液プロセスが可能な程度に有機溶剤への溶解性が高く、かつ乾燥後は結晶性薄膜を形成し、高い移動度を達成することが可能な化合物が好ましい。そのような化合物としては、J.Amer.Chem.Soc.,vol.123、p9482、J.Amer.Chem.Soc.,vol.130(2008)、No.9、2706等に記載のトリアルキルシリルエチニル基で置換されたアセン系化合物、及び米国特許出願公開第2003/136964号明細書等に記載のペンタセンプレカーサ、特開2007−224019号公報等に記載のポルフィリンプレカーサー等のような、プレカーサータイプの化合物(前駆体)が挙げられる。
これらの中でも、後者のプリカーサータイプの方が好ましく用いることができる。
これは、プリカーサータイプの方が、変換後に不溶化するため、バルクヘテロジャンクション層の上に正孔輸送層・電子輸送層・正孔ブロック層・電子ブロック層等を溶液プロセスで形成する際に、バルクヘテロジャンクション層が溶解してしまうことがなくなるため、前記の層を構成する材料とバルクヘテロジャンクション層を形成する材料とが混合することがなくなり、一層の効率向上・寿命向上を達成することができるためである。
p型半導体材料としては、p型半導体材料前駆体に熱・光・放射線・化学反応を引き起こす化合物の蒸気に晒す、等の方法によって化学構造変化を起こし、p型半導体材料に変換された化合物であることが好ましい。中でも熱によって科学構造変化を起こす化合物が好ましい。
n型半導体材料の例としては、フラーレン、オクタアザポルフィリン、p型半導体のパーフルオロ体(パーフルオロペンタセンやパーフルオロフタロシアニン等)、ナフタレンテトラカルボン酸無水物、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、ペリレンテトラカルボン酸無水物、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド等の芳香族カルボン酸無水物やそのイミド化物を骨格として含む、高分子化合物が挙げられる。
中でも、フラーレン含有高分子化合物が好ましい。フラーレン含有高分子化合物としては、フラーレンC60、フラーレンC70、フラーレンC76、フラーレンC78、フラーレンC84、フラーレンC240、フラーレンC540、ミックスドフラーレン、フラーレンナノチューブ、多層ナノチューブ、単層ナノチューブ、ナノホーン(円錐型)等を骨格に持つ高分子化合物が挙げられる。フラーレン含有高分子化合物では、フラーレンC60を骨格に持つ高分子化合物(誘導体)が好ましい。
フラーレン含有ポリマーとしては、大別してフラーレンが高分子主鎖からペンダントされたポリマーと、フラーレンが高分子主鎖に含有されるポリマーとに大別されるが、フラーレンがポリマーの主鎖に含有されている化合物が好ましい。
これは、フラーレンが主鎖に含有されているポリマーは、ポリマーが分岐構造を有さないため、固体化した際に高密度なパッキングができ、結果として高い移動度を得ることができるためではないかと推定される。
電子受容体と電子供与体とが混合されたバルクヘテロジャンクション層の形成方法としては、蒸着法、塗布法(キャスト法、スピンコート法を含む)等を例示することができる。
本発明の光電変換素子を、太陽電池などの光電変換材料として用いる形態としては、光電変換素子を単層で利用してもよいし、積層して(タンデム型)利用してもよい。
また、光電変換材料は、環境中の酸素、水分等で劣化しないために、公知の手法によって封止することが好ましい。
以下実施例により本発明を説明するが本発明はこれにより限定されるものではない。
実施例1
〔透明導電体B−1の作製;比較例〕
SWCNT:Carbon Solutions社によって供給されたP3 SWCNT製品を、両面にガスバリア層を設けた厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム支持体上に、目付け量が75mg/mとなるように、スピンコーターを用いて塗布し、乾燥させた。続いて、塗布層にカレンダー処理を施し、透明導電体B−1を作製した。
〔透明導電体B−2〜4の作製;比較例〕
SWCNT:Carbon Solutions社によって供給されたP3 SWCNT製品と、PEDOT/PSS CLEVIOS PH510(固形分1.89%)(H.C.Starck社製)とを表1の比率に従い混合して用いた以外は透明導電体B−1と同様に透明導電体B−2〜4を作製した。
〔透明導電体A−1〜9の作製;本発明〕
SWCNT:Carbon Solutions社によって供給されたP3 SWCNT製品と、表1に示すπ共役系化合物とを表1の比率に従い混合して用いた以外は透明導電体B−1と同様に透明導電体A−1〜9を作製した。
表1に示すグラフェンは、厚さ2〜5nm、幅1〜5μmの平面シート状のカーボンフィルムである。また、ポルフィリンA〜Dは下記に示す。
《透明電極の測定及び評価》
下記方法で、作製した各透明導電体の導電層の表面比抵抗について測定し評価した。
(表面比抵抗)
表面比抵抗は、ダイアインスツルメンツ製抵抗率計ロレスタGPを用いて透明導電体の表面比抵抗を四端子法で測定した。
(透過率)
透明性の評価として、東京電色社製 HAZE METER NDH5000を用いて、全光線透過率を測定し、数値を求めた。
(粗さRa、Rz)
作製した透明導電層を非接触3次元表面粗さ計(WYKO NT9300)の20倍測定で、PSIモードで測定し、Ra、Rzデータを求めた。
《有機EL素子の作製》
作製した各透明導電層パターンにおいて、パターン辺長2inch角、及び10inch(1inchは、2.540cmである)角の正方形タイル状透明パターン一個が中央に配置される様に切り出し、第一電極(陽極)に用いて、以下の手順でそれぞれ有機EL素子を作製した。
切り出した透明導電層パターンを市販の真空蒸着装置内にセットし、真空蒸着装置内の蒸着用るつぼの各々に、各層の構成材料を各々素子作製に最適の量を充填した。蒸着用るつぼはモリブデン製またはタングステン製の抵抗加熱用材料で作製されたものを用いた。
次いで、以下の手順で各発光層を設けた。
まず、真空度1×10−4Paまで減圧した後、α−NPDの入った前記蒸着用るつぼに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒で蒸着し、30nmの正孔輸送層を設けた。
Ir−1が13質量%、Ir−14が3.7質量%の濃度になるように、Ir−1、Ir−14及び化合物1−7を蒸着速度0.1nm/秒で共蒸着し、発光極大波長が622nm、厚さ10nmの緑赤色燐光発光層を形成した。
次いで、E−66が10質量%になるように、E−66及び化合物1−7を蒸着速度0.1nm/秒で共蒸着し、発光極大波長が471nm、厚さ15nmの青色燐光発光層を形成した。
その後、M−1を膜厚5nmに蒸着して正孔阻止層を形成し、更にCsFを膜厚比で10%になるようにM−1と共蒸着し、厚さ45nmの電子輸送層を形成した。
形成した電子輸送層の上に、第一電極用外部取り出し端子およびパターン辺長2inch角、及び10inch(1inchは、2.540cmである)角の第二電極(陰極)形成用材料としてAlを5×10−4Paの真空下にてマスク蒸着し、厚さ100nmの第二電極を形成した。
さらに、第一電極及び第二電極の外部取り出し端子が形成できるように、端部を除き第二電極の周囲に接着剤を塗り、ポリエチレンテレフタレートを基材としAlを厚さ300nmで蒸着した可撓性封止部材を貼合した後、熱処理で接着剤を硬化させ封止膜を形成し、発光エリア2inch角、及び10inch角の有機EL素子を作製した。
作製した各有機EL素子について、KEITHLEY製ソースメジャーユニット2400型を用いて、直流電圧を印加して輝度が300cd/mになるよう発光させ、発光状態を以下の基準で目視評価し、結果を表1に示す。
○ :全面が均一に発光している
○△:全面が発光しているが中心部分が僅かに暗い
△ :端部は明るく発光しているが中心部は明らかに暗い
△×:端部は発光しているが中心部は発光していない
× :端部が僅かに発光している又は全面発光しない
整流比は、各有機EL素子に、+3V/−3Vの電圧を印加した時の電流値を測定し、下記の計算式により整流比を求め、下記基準で評価し結果を表1に示す。電極間リークがあると、整流比が低い値となる。
整流比=+3V印加時の電流値/−3V印加時の電流値
表1に示した結果から明らかなように、本発明の構成を取らない透明導電体では、導電性が低い。また、本発明の構成を取らない透明導電体を用いて作製した有機EL素子は、電流リークにより発光しなかったり、導電性が低い為発光しなかったり、電界集中による不均一な発光になる。一方、本発明の透明導電体は、導電性に優れており、より大きな画素の発光も確認できた。また本発明の透明導電体を用いた有機EL素子は、導電性ポリマー層による電流リーク防止と導電部の面内電流分布均一化の効果により、いずれも発光エリア内で均一に発光することができる。
実施例2
〔透明導電体A−11〜19の作製〕
SWCNT:Carbon Solutionsによって供給されたP3 swcnt製品と、π共役系化合物とを表2の比率に従い混合して用い、両面にガスバリア層を設けた厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム支持体上に、目付け量が75mg/mとなるように、スピンコーターを用いて塗布し、乾燥させた。続いて、塗布層にカレンダー処理を施し、透明導電フィルムを作製した。
更に下記の方法で調製した導電性ポリマー液P−1を乾燥膜厚が30nmとなるようにスピンコーターにて形成し、80℃で30分加熱し、2層型の透明導電膜を作製した以外は、実施例1と同様に透明導電体A−11〜19を作製した。
(導電性ポリマー液P−1の調製)
(ポリ(2−ヒドロキシエチルアクリレート)の合成)
50ml三口フラスコに2−ブロモイソブチリルブロミド(7.3g、35mmol)とトリエチルアミン(2.48g、35mmol)及びTHF(20ml)を加え、アイスバスにより内温を0℃に保持した。この溶液内にオリゴエチレングリコール(10g、23mmol、エチレングリコールユニット7〜8、Laporte Specialties社製)の33%THF溶液30mlを滴下した。30分攪拌後、溶液を室温にし、更に4時間攪拌した。THFをロータリーエバポレーターにより減圧除去後、残渣をジエチルエーテルに溶解し、分液ロートに移した。水を加えエーテル層を3回洗浄後、エーテル層をMgSOにより乾燥させた。エーテルをロータリーエバポレーターにより減圧留去し、開始剤1を8.2g(収率73%)得た。
開始剤1(500mg、1.02mmol)、2−ヒドロキシエチルアクリレート(4.64g、40mmol、東京化成社製)、50:50 v/v% メタノール/水混合溶媒の5mlをシュレンク管に投入し、減圧下液体窒素に10分間シュレンク管を浸した。シュレンク管を液体窒素から出し、5分後に窒素置換を行った。この操作を3回行った後、窒素下で、ビピリジン(400mg、2.56mmol)、CuBr(147mg、1.02mmol)を加え、20℃で攪拌した。30分後、ろ紙とシリカを敷いた4cm桐山ロート上に反応溶液を滴下し、減圧で反応溶液を回収した。ロータリーエバポレーターにより溶媒を減圧留去後、50℃で3時間減圧乾燥した。その結果、数平均分子量13100、分子量分布1.17、数平均分子量<1000の含量0%、の水溶性バインダー樹脂1を2.60g(収率84%)得た。
構造、分子量は各々H−NMR(400MHz、日本電子社製)、GPC(Waters2695、Waters社製)で測定した。
<GPC測定条件>
装置:Wagers2695(Separations Module)
検出器:Waters 2414 (Refractive Index Detector)
カラム:Shodex Asahipak GF−7M HQ
溶離液:ジメチルホルムアミド(20mモルLiBr)
流速:1.0ml/min
温度:40℃
得られた水溶性バインダー樹脂1を純水に溶解し、固形分50%の水溶性バインダー樹脂1水溶液を調製した。
次いで、下記のようにして導電性ポリマー液P−1を調製した。
(導電性ポリマー液P−1)
水溶性バインダー樹脂1水溶液(固形分50%水溶液) 0.14g
PEDOT/PSS CLEVIOS PH510(固形分1.89%)
(H.C.Starck社製) 1.59g
得られた透明導電体A−11〜19について、実施例1と同様な評価をして、結果を表2に示す。
表2に示した結果から明らかなように、本発明の構成として、CNTの下層に導電性ポリマーを上層に用いた構成により、整流比が非常に良好な均一な発光を示す事が確認された。又更に高い透過率と高い導電性をより良好なレベルで両立しており、より好ましい態様である。
実施例3
実施例1のB−1とA−8を用いて以下の方法で、光電変換素子B−1及び光電変換素子A−8を作製した。
<電子輸送層の製膜>
TiOx前駆体をゾルゲル法で調製した。
先ず、100ml三口フラスコに2−メトキシエタノール12.5mlと、6.25mmolのチタニウムテトライソプロポキシドとを入れ、氷浴中で10分間冷却した。次に、12.5mmolのアセチルアセトンをゆっくり加えて、氷浴中で10分間撹拌した。次に、混合溶液を80℃で2時間加熱後、1時間還流した。最後に、室温まで冷却し、TiOx前駆体を得た。なお、上記工程は全て窒素雰囲気で行った。
次いで、この150mmolのTiOx前駆体溶液をB−1とA−8の透明導電層上にスピンコート(回転速度2000rpm、回転時間60s)した。次に、不要部分を拭き取って除去した後、グローブボックスから空気中に取り出し、室温で30分間放置してTiOx前駆体を加水分解させた。次に、TiOx前駆体を150℃で1時間加熱処理して30nmのTiOx層(アモルファス酸化物半導体層)を得た。
<バルクヘテロジャンクション層の製膜>
次に、酸化物半導体層の上にプレックスコアOS2100(ポリ3−アルキルチオフェン、プレックストロにクス社製)とNanom Spectra E100H(フェニル−C61−酪酸メチル、フロンティアカーボン社製)を質量比5:4で混合した1.8質量%クロロベンゼン溶液をスピンコート(800rpm、60s)し、不要部分を拭き取って除去した後、150度で10分間加熱して、有機半導体層(有機光電変換層)を100nm成膜した。
<正孔輸送層の製膜>
次に、有機半導体層の上にH.C.Starck社製、Baytron P4083(PEDOT:PEDOT/PSS)をスピンコート(4000rpm,60s)し、150度で10分間加熱して正孔輸送層を40nm成膜した。
<対電極の製膜>
次に、導電性ポリマー層の上にAg電極層として、銀ナノ粒子ペースト分散液(アルバックマテリアル社製 L−Ag1T)をスクリーン印刷によって、前記の透明導電層パターンと直交するように1cm巾のラインを二本印刷し、120度で10分の加熱乾燥を行うことで電極層を形成し、有機光電変換素子1を得た。
得られた有機光電素子1は、再び前記グローブボックスに入れた後、封止剤(ナガセケムテックス株式会社製、UV RESIN XNR5570−B1)を用いて厚さ30μmの厚さのアルミニウムホイルと封止を行ったのち、大気中に取り出し、光電変換効率の測定を行った。
光電変換素子A−8は、光電変換素子B−1に較べ、1.5倍の効率を示した。
10 基板
11 第一電極
12 第二電極
13 有機機能層
14 第一導電層
15 第二導電層

Claims (6)

  1. 透明基板上に、カーボンナノチューブを含有する透明導電層を有する透明導電体であって、該透明導電層は分光波長400〜700nmでの平均透過率が70%以上であり、かつ、25℃50%RHでのシート抵抗値が10Ω/□未満であり、更に、該透明導電層表面の算術平均粗さRaが10nm以下で、かつ、十点平均粗さRzが40nm以下であることを特徴とする透明導電体。
  2. 前記透明導電層が、更に、ポルフィリン化合物、フタロシアニン化合物、及び、グラフェン化合物から選ばれる少なくとも1つのπ共役系化合物を含有することを特徴とする請求項1記載の透明導電体。
  3. 前記透明導電層が、更に導電性ポリマーを含有することを特徴とする請求項1又は2記載の透明導電体。
  4. 前記導電性ポリマーが、水酸基を有することを特徴とする請求項3記載の透明導電体。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項記載の透明導電体の透明導電層の上に、少なくとも有機燐光性発光層を設けたことを特徴とする有機EL素子。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項記載の透明導電体の透明導電層の上に、少なくとも有機発電層を設けたことを特徴とする有機光電変換素子。
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