JPWO2011141969A1 - 磁界角計測装置およびこれを用いた回転角計測装置 - Google Patents

磁界角計測装置およびこれを用いた回転角計測装置 Download PDF

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Abstract

TMR素子を用いた磁界角検出装置および回転角検出装置において、TMR素子のMR比が高くなっても計測角度の精度が低下することのない磁界角検出装置および回転角検出装置を提供する。固定磁化層をもつTMR素子を有する磁気センサと磁界角検出回路を有する磁界角計測装置において、前記磁界角検出回路は磁気センサのTMR素子にバイアス電圧として定電圧を出力する電源部と、TMR素子の出力電流を検出する電流検出部を有し、電流検出部の入力インピーダンスをゼロとしてTMR素子の端子電圧を一定に保ったままTMR素子電流を計測することにより、磁界角検出装置および回転角検出装置の計測角度の精度を向上する。

Description

本発明は、固定磁化層を有するトンネル磁気抵抗素子(TMR素子)を用いて構成された磁界角計測装置およびこれを用いた回転角計測装置に関する。
磁界の方向(磁界角)を計測する磁界角計測装置や、回転体に取り付けられた磁石の磁界角を計測することにより回転体の回転角度を計測する回転角計測装置においては、磁界の角度を検出するセンサ素子が計測特性を左右する。このような磁界角計測装置や回転角計測装置では、磁気抵抗素子(MR素子)を用いるものが従来から知られていた。
MR素子には、異方性磁気抵抗素子(AMR素子)や、巨大磁気抵抗素子(GMR素子)や、トンネル磁気抵抗素子(TMR素子)などが知られている。これらはいずれも、外部磁界方向(磁界角)や強度が変わると、素子の抵抗値が変化するものである。
磁界角計測装置の計測性能としてS/N比(信号/ノイズ比)が重要な指標である。
MR素子のS/N比は、磁界角度の変化に対する素子抵抗の変化量により支配され、一定の磁界角度変化に対する素子抵抗値の変化率が大きいほどS/N比は向上する。磁界角度変化による抵抗値の最大変化率はMR比と呼ばれ、AMR素子では2%程度、GMR素子は10%程度であるのに対し、TMR素子では50%以上にも達する。
特に、TMR素子は近年、素子に用いるトンネル絶縁層の改良などによりMR比が100%を越えるようになり、600%にも達するTMR素子も報告されている。
TMR素子を用いて回転体の回転角を検出するセンサとしては、例えば特許文献1に記載された磁気エンコーダなどが知られている。
本発明は、TMR素子を用いた磁界角計測装置および回転角計測装置に関し、特にMR比が高いTMR素子を用いた磁界角計測装置およびこれを用いた回転角計測装置に関するものである。
GMR素子の一形態として、直径5nm程度の強磁性体の粒子を絶縁体中に分散させたグラニュラー型GMR素子があり、強磁性体の粒子間を電子がトンネルすることで通電する。外部磁界が変化すると強磁性体粒子中の磁界の向きも変化し、膜の抵抗値が変化する。グラニュラーGMR素子の作用は粒子間のトンネル現象に起因するため、トンネル磁気抵抗素子とされることもあるが、MR比は10%程度に留まる。また、グラニュラー型GMR素子は、固定磁化層を持たない素子であり、本発明では対象としない。
図21に、固定磁化層を持つTMR素子の構造を示す。TMR素子51は、固定磁化層(pinned layer)13と自由磁化層(free layer)11との間にトンネル絶縁層12を挟み込んだ積層構造を有する。固定磁化層13と自由磁化層11は例えばCo、Fe、Niなどを成分とする磁性体からなる。トンネル絶縁層12は酸化アルミ(Al)や酸化マグネシウム(MgO)などの絶縁体からなり、膜厚は0.5〜2nm程度である。
固定磁化層13中の磁化方向22は、角度θpで所定方向に固定されており、外部磁界30によっては変化しない。一方、自由磁化層11中の磁化方向20は、外部磁界方向30の角度θmに合わせて角度θfで変化する。
TMR素子では、固定磁化層13と自由磁化層11の間の抵抗値が、磁化方向の角度差Δθ=θf−θpにより変化する。TMR素子の抵抗値は、自由磁化層11と固定磁化層13の磁化方向の角度差Δθ=0で平行(Parallel)の場合に最小値R(P)になり、磁化方向の角度差Δθ=180°で反平行(Anti-Parallel)の場合に最大値R(AP)になる。TMR素子のMR比(MR)は次式で定義される。
Figure 2011141969
特許文献1に記載された従来技術では、計測しようとする回転体に磁石のN極とS極を交互に配置した回転磁気体を設け、回転体の回転に伴い反転する磁界方向をTMR素子で検出する。その際、TMR素子をブリッジ構成にして磁気エンコーダとして用いている。
図22に4個のTMR素子からなるブリッジ構成60を示す。回転状態の検出対象である回転体には磁石がλピッチで配置されている。これに対応して、TMR素子51a、51b、51c、51dはそれぞれλ/4ピッチの間隔で設置される。したがって、TMR素子51aと51cとはλ/2の間隔で設置されているため、TMR素子51aの位置の磁界方向がθ=θ0の場合、TMR素子51cの位置の磁界方向はθ=θ0+180°となる。したがって、上述の通り、図22のブリッジ構成で励起電圧e0側のTMR素子の抵抗が最大値の時は、0Vのグラウンド(GND)側のTMR素子は最小の抵抗値になる。このようにして、信号端子間電圧(V2−V1)には、回転体の回転状態に応じた信号変化が観測される。
特許文献1に記載の方法で回転体の回転角の計測精度を高めるには、回転体の着磁極数を増やし着磁ピッチを狭めて、微小な回転角変化でも磁界方向が反転するようにする必要があるが、製造コストが増大する。
これに対し、回転体の回転角を計測する場合に、磁石の着磁極数を増やさずに、磁界角度がθ=0と360度の間で変化するのを計測する方法がある。しかし、この場合には磁界角度を精度良く計測することが困難であり、特に100%を越える大きなMR比を持つTMR素子を用いた場合に計測精度の低下が一層顕著になるという課題を発明者は見出した。
特開2000−123328号公報
固定磁化層を有するTMR素子を用いた磁界角計測装置およびこれを用いた回転角計測装置では、磁界角または回転角の計測精度を向上することが困難であり、特に大きなMR比を持つTMR素子を用いた場合に計測精度の低下が一層顕著になるという課題があった。本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明によれば、MR比が高いTMR素子を用いても、高精度な磁界角計測が可能な磁界角計測装置および、これを用いた高精度な回転角計測が可能な回転角計測装置を提供する。
本発明は、磁気センサと磁界角検出回路を有する磁界角計測装置において、前記磁気センサは固定磁化層を有するTMR素子を有し、前記磁界角検出回路は前記磁気センサのTMR素子にバイアス電圧として定電圧を出力する電源部と、前記TMR素子の通電電流を検出する電流検出部を有し、前記電流検出部の入力インピーダンスをゼロとしたことを特徴とする。
また、磁界角計測装置において、前記電流検出部は前記TMR素子の通電電流を検出するOPアンプを有し、該OPアンプの入力端子を仮想接地することにより前記電流検出部の入力インピーダンスをゼロとしたことを特徴とする。
また、磁界角計測装置において、前記電源部は前記磁気センサのTMR素子にバイアス電圧としてパルス電圧からなる定電圧を出力することを特徴とする。
また、磁界角計測装置において、前記磁気センサは、前記固定磁化層の磁化方向が互いに90°異なる2つのTMR素子を有することを特徴とする。
また、磁界角計測装置において、前記磁気センサのTMR素子は、第1給電端子と第2給電端子と第1センス端子を有し、前記磁界角検出回路は前記磁気センサのTMR素子にバイアス電圧として定電圧を出力する電源部と前記TMR素子の出力電流を検出する電流検出部とを有し、前記第1センス端子により前記TMR素子の端子電圧を検出し、前記電源部は前記端子電圧が所定の電圧値と一致するようにフィードバック制御を行うことを特徴とする。
また、磁界角計測装置において、前記TMR素子は、前記第1センス端子に加えて第2センス端子を有し、前記第1センス端子及び第2センス端子により前記TMR素子の端子電圧を検出することを特徴とする。
また、磁界角計測装置において、前記電源部は、前記第1センス端子の出力電圧と、基準電圧発生部の出力とを差動入力した差動増幅器を有することを特徴とする。
また、磁界角計測装置において、前記電源部は、パルス電圧を発生することを特徴とする。
また、磁界角計測装置において、前記磁気センサは、前記固定磁化層の磁化方向が互いに90°異なる2つのTMR素子を有することを特徴とする。
さらに、磁気センサと磁界角検出回路を有する磁界角計測装置において、前記磁気センサは固定磁化層を有するTMR素子を有し、前記磁界角検出回路は、電流供給部と、前記TMR素子の出力電流を検出する電流検出部を有し、前記電流供給部は、電圧発生部に接続された電圧入力端子と、前記電流検出部からの電流を入力する電流入力端子と、前記磁気センサへ電流を出力する電流出力端子を有し、前記電流入力端子の通電電流と前記電流出力端子の通電電流が等しく、かつ前記電流出力端子の電圧が前記電圧発生部の電圧に基づき設定され、前記電流供給部の電流入力端子に前記電流検出部が接続され、電流出力端子に前記磁気センサが接続されたことを特徴とする。
さらに、磁界角計測装置において、前記電流供給部は、電界効果トランジスタと、電流供給部OPアンプを有し,前記電流供給部OPアンプの入力端子に,前記電界効果トランジスタの1つの端子と,前記電圧発生部とが接続されていることを特徴とする。
さらに、磁界角計測装置において、前記電流供給部は、ベースに前記電圧発生部の出力電圧を入力したトランジスタを有することを特徴とする。
さらに、磁界角計測装置において、前記電圧発生部がパルス電圧を発生することを特徴とする。
さらに、磁界角計測装置において、前記磁気センサは、前記固定磁化層の磁化方向が互いに90°異なる2つのTMR素子を有することを特徴とする。
さらに、磁界角計測装置において、前記磁界角検出回路は前記電流供給部を2つ有し、前記2つのTMR素子のそれぞれに前記電流供給部が電気的に接続されたことを特徴とする。
さらに、上記磁界角計測装置と、回転体に取り付けられた磁石とを有する回転角計測装置を特徴とする。
以上のように、本発明によれば、磁気センサと磁界角検出回路を有する磁界角計測装置において、磁気センサに固定磁化層を有するTMR素子を有し、磁界角検出回路は磁気センサのTMR素子にバイアス電圧として定電圧を出力する電源部と、TMR素子の通電電流を検出する電流検出部を有し、電流検出部の入力インピーダンスをゼロとしたことにより、TMR素子を有する磁気センサの端子間電圧を常に一定に保つことができ、MR比が高いTMR素子を用いても、高精度な磁界角計測が可能な磁界角計測装置を提供できる。さらに、高精度な磁界角計測装置を用いて、高精度な回転角計測が可能な回転角計測装置を提供できる。
ブリッジ構成を備えたTMR素子の端子間電圧とMR比の関係を示すグラフ 図1におけるTMR素子の端子間電圧差とMR比の関係を示すグラフ TMR素子のMR比と素子バイアス電圧との関係を示すグラフ TMR素子の通電メカニズムを説明する模式図 TMR素子の通電メカニズムを説明する模式図 本発明の実施例1の構成を示す回路図 本発明の実施例2の構成を示す回路図 本発明の実施例3のパルス電源電圧を示すグラフ 本発明の実施例3の構成を示す回路図 本発明の実施例4の構成を示す回路図 本発明の実施例4の磁気センサの構成を示す模式図 本発明の実施例5の構成を示す回路図 本発明の実施例6の構成を示す模式図 本発明の実施例7、8の構成を示すブロック図 本発明の実施例7、8で用いる磁気センサの構成を示す模式図 本発明の実施例9の構成を示す模式図 本発明の実施例9のモータ制御方式を示すブロック図 本発明の実施例10の構成を示すブロック図 図17の詳細な回路構成を示す回路図 図17の変形例を示す回路図 本発明の実施例11の構成を示す回路図 従来例のTMR素子の構成を示す模式図 従来例のTMR素子のブリッジ構成を示す回路図
以下、本発明の実施形態について、各実施例を図面を参照して詳細に説明する。
本発明を用いた磁界角計測装置の実施例1を説明する。ここでは、従来構成の問題の原因を解明した後、本実施例の構成を説明する。
(TMR素子構造)
実施例1においては、図21で説明した構造を持つTMR素子を用いる。実施例1ではトンネル絶縁層としてMgOを用いた。トンネル絶縁層12としてMgOを用いるとMR比が100%以上と高くなる。さらに単結晶のMgOを用いるとMR比は更に高くなる。トンネル絶縁層として酸化アルミ(Al)を用いることもできる。
抵抗の代りにコンダクタンスGを用いて表すと、TMR素子のコンダクタンスは磁化方向が平行の場合(Δθ=0)に最大値G(P)になり、反平行の場合(Δθ=180°)に最小値G(AP)になる。(数1)で定義されるMR比をコンダクタンスを用いて表すと次式になる。
Figure 2011141969
Δθ=0と180の中間では次式に従う。なお、これ以降、固定磁化層の磁化方向θpは、θp=0とおいてΔθ=θと表すことにする。すなわち固定磁化層の磁化方向を角度の基準(原点)として用いる。
Figure 2011141969
ここで、TはTMR係数であり、βgは磁界変化によるコンダクタンス変化率を表す。βgは次式で表される。
Figure 2011141969
(数3)に示したようにcosθに比例するのは抵抗ではなくコンダクタンスである。コンダクタンスの磁界依存項がcosθに比例することは理論的に示されている。GMR素子のようにMR比が10%程度と小さい場合は、抵抗の磁界依存項がcosθに比例するとしても、コンダクタンスの磁界依存項がcosθに比例するとして扱っても、大きな誤差は生じない。しかし、TMR素子のようにMR比が50%を超えるようになると、抵抗の磁界依存項がcosθに比例するとして扱うと大きな誤差が生じる。
(数2)と(数3)とからコンダクタンス変化率βgとMR比であるMRとの関係式が次のように求まる。
Figure 2011141969
(数5)からわかるように、例えばMR比=2(200%)の場合、コンダクタンス変化率βgは100%に達することがわかる。GMR素子のコンダクタンス変化率は10%程度なので、TMR素子は磁界によるコンダクタンス変化が10倍大きいことがわかる。
(磁界角計測装置の測定精度)
ここで、特にMR比が大きいTMR素子を用いた磁界角計測装置で測定精度が劣化していた理由を説明する。図22のブリッジ構成60における、TMR素子51cの両端電圧(以下素子バイアス電圧と呼ぶ)について、外部磁界角度θが0の場合、前述の通りTMR素子51aの抵抗値はR(P)、TMR素子51cの抵抗値はR(AP)であるから、信号端子61の電圧V1、すなわちTMR素子51cの素子バイアス電圧V1は、次式で表される。
Figure 2011141969
e0はブリッジの励起電圧である。一方、外部磁界角度θが180°(θ=180°)の場合は、次式で表される。
Figure 2011141969
一例として、MR比が200%で、ブリッジ励起電圧e0が0.4Vの場合を考えると、V1(θ=0)=0.3V、V1(θ=180°)=0.1Vとなる。自由磁化層の磁化方向20は外部磁界方向30と等しいから、このことは、外部磁界方向30によりTMR素子3のバイアス電圧が0.1〜0.3Vの範囲で変化することを示す。以下、V1(θ=x)をV1(x)と記す。
図1はV1(0)とV1(180°)をMR比の関数としてプロットしたグラフ、図2は素子バイアス電圧の変動量V1(0)−V1(180°)をMR比の関数としてプロットしたグラフである。
図1の横軸の値は、MR比100%を「1」、MR比200%を「2」と表した。図22からわかるように、V1(0)とV1(180°)はそれぞれθ=0と180°の時のTMR素子51cの素子バイアス電圧すなわち端子間電圧に等しい。プロットには(数6)、(数7)を用いた。図1、図2ともに、縦軸は電圧をブリッジ励起電圧e0で除して正規化した値をプロットした。例えば、図中「0.5」は電圧が「0.5×e0」であることを示す。
図2に示すように、MR比が10%程度と小さい場合は、素子バイアス電圧の変動量はほとんどゼロである。しかし、MR比が100%を越えると(図5、図6の横軸で「MR比>1」の領域)、素子バイアス電圧の変動量V1(0)−V1(180°)は約0.3e0を越え、ブリッジ励起電圧の1/3程度まで変動することがわかる。
(MR比のバイアス電圧依存性)
図3はTMR素子のMR比とバイアス電圧E(素子両端印加電圧E)との関係の一例を示すグラフである。例えば下記文献により知られている様に、MR比はバイアス電圧Eで大きく変化する。
"Japanese Journal of Applied Physics, Vol. 44, No. 19, 2005, pp. L 587-L 589"
MR比がバイアス電圧に依存して変化するのはTMR素子の特徴であり、これは次の理由による。TMR素子における固定磁性層と自由磁性層間の伝導現象は、それぞれの磁性層からトンネル絶縁層にしみ出した波動関数の相互作用に起因する。図4A、図4Bは上部の電子エネルギーバンド図に、電子のスピンを含めた波動関数Φ1、Φ2を下部に書き加えた模式図である。2つの波動関数が同一方向のスピンを持つ場合(図4A)は、2つの波動関数が結合し、固定磁性層と自由磁性層との間に電子の通り道が形成され電流が流れる。一方、2つの波動関数のスピンが異なる場合(図4B)は、波動関数が重なっても結合せず打ち消しあうため、電子が流れず高抵抗状態になる。
ここで、素子バイアス電圧を高めると、基底状態の波動関数以外に励起状態の波動関数の寄与が増える。励起状態の異なる波動関数間では反平行スピンであっても必ずしも打ち消し合わないため、完全な高抵抗状態にならず電流が流れるようになる。このようにして、素子バイアス電圧が増加すると、R(AP)の抵抗値が減少するためにMR比が減少する。
(測定精度の劣化原因)
以上の点を踏まえ、TMR素子を用いた磁界角計測装置での測定精度劣化の原因を説明する。TMR素子を用いた磁界角計測装置では、(数3)の関係を基にしてコンダクタンス変化(あるいは抵抗値変化)から磁界角度θを求める。しかしながら、磁界方向によりMR比が変化すると、(数5)に従ってコンダクタンス変化率βgも変化するので、(数3)のcosθの比例係数が変化する。このため、コンダクタンス変化量から磁界角度を算出しようとすると誤差が発生する。これが、測定精度劣化の一原因である。(数6)、(数7)からわかるように、この問題はMR比が高くなるほど顕著になる。
また、ブリッジ構成を用いないで、一定電流をTMR素子に流して両端電圧を測定する方法を用いても、磁界方向により両端電圧が変化するので同様にして測定精度が劣化する。
さらに、一定電圧をTMR素子に印加して検出抵抗により素子電流を測定する場合でも、電流が変化すると検出抵抗による電圧降下量が変化するため、TMR素子の両端電圧が変化するので前記と同じ問題が生じていた。
(本発明の磁界角計測装置)
図5に本発明による実施例1の磁界角計測装置の構成を示す。磁界角計測装置はTMR素子51を有する磁気センサ301と磁界角検出回路302で構成される。71は磁気センサ301の第1給電端子、72は第2給電端子である。
磁界角検出回路302はTMR素子51に一定電圧を供給する電源部311と、電流検出部321とを有する。電流検出部321はOPアンプ(演算増幅器)323を用いた電流フォロワー回路(電流−電圧変換回路とも呼ばれる)で構成している。なお、本発明の図面において下向き三角形は共通電圧への接地を意味する。324は帰還抵抗、326は信号出力端子である。
実施例1の電流検出部321の特徴は、TMR素子51のグラウンド側端子がOPアンプ323の仮想接地端子に接続されていることである。このため、TMR素子51のグラウンド側端子は素子電流にかかわらず接地電圧になる。ここで、仮想接地端子とはOPアンプの回路構成において、電位が接地端子と同電位になる端子をいう。図5に示すように、OPアンプ323の出力端子を入力端子(−)に接続し、OPアンプ323の入力端子(+)を接地すると、上記のように両入力端子電圧は等しく0Vになる。ここで仮想接地時の基準電圧は0V以外の一定電圧であっても良い。接地電圧はどのように設定してもよいが実施例1では0Vに設定した。
電源部311からは一定電圧が供給されているから、このような回路構成にすることで、素子電流の大きさによらずTMR素子51のバイアス電圧は一定に保たれる。したがってMR比が一定になるので、(数4)で定義されるコンダクタンス変化率も一定になり、精度良く磁界角を求めることができる。
素子電流をIdとすると、電流検出部321の出力信号電圧Vsigは−Id×Rdとなる。電源部311の出力電圧をE0とすると、TMR素子51のコンダクタンスはId/E0として求まるので、(数3)により磁界角度θを求めることが出来る。
なお、(数3)においてGoとTの2つの定数が未知であるが、外部磁界角度をθ=0とθ=180°の2つに設定した状態でコンダクタンスG(0)、G(180°)をそれぞれ測定することにより、両者の差から定数Tが求まり、両者の平均から定数G0が求まる。
このように、TMR素子51の一方を一定電圧Eoを供給する電源部311に接続し、他方を入力インピーダンスがゼロの電流検出部321に接続することで、精度の良い磁界角計測装置を実現できる。ここで「インピーダンスがゼロ」とは、実質的なインピーダンス0を意味する。すなわち厳密な意味で0である必要はなく、ある程度の幅の値を持っていても良い。
次に、本発明の実施例2を図6について説明する。図6は実施例1における磁界角検出回路302の他の回路構成を示す。実施例2では、磁界角検出回路302は電源部311と電流検出部321とで構成される。電源部311は基準電圧発生部316で構成され、電圧Vbを発生する。電流検出部321はOPアンプ323と帰還抵抗324とで構成されている。OPアンプ323の各入力端子には、磁気センサ301の給電端子電圧と電源部311の出力電圧とが入力される。
図6の構成では、OPアンプ323の機能により磁気センサ301の端子電圧は電源部311の発生電圧Vbと等しくなる。また、電流検出部321の信号出力端子326の出力信号電圧Vsigは(Rd×i0+Vb)になる。ここで、Rdは帰還抵抗324の抵抗値であり、i0は磁気センサ301のTMR素子電流である。
実施例2の構成によれば、TMR素子を有する磁気センサ301の素子電流の大きさによらず、磁気センサ301の端子間電圧はVbで一定に保たれるので、高MR比のTMR素子を用いた場合でも、高精度に磁界角度を計測できる。
また、図6の構成では全ての信号が正電圧となるため、OPアンプなどの電源は正電圧のもののみで低コストに実現できるという利点がある。さらに、電流検出部321の入力端子に流れる電流(i0)の大きさにかかわらず、入力端子の電圧がVbで一定であるから、実施例1と同じくこの入力端子の入力インピーダンスはゼロである。
実施例2の構成では、電流検出部321の入力端子がOPアンプ323の入力端子に接続されることで、電位Vbに仮想接地されている。これにより、TMR素子を有する磁気センサ301の端子間電圧を一定にする事ができる。
実施例3はパルス電圧電源を用いた検出回路の例を示す。図7に示したようなパルス電圧を出力する電源部を用いる。
すなわち、図7に示す様に、磁界角検出回路では、0Vを出力している時刻t0での電流計測値(ゼロ点電流)Izと、素子バイアス電圧E0を出力している時刻t1での電流計測値Idmとを計測し、両者の差分(Idm−Iz)を計算する。このようにすることで、磁界角検出回路部のドリフトやオフセットをリアルタイムに除去できるので高精度な計測が可能になる。
この場合の回路構成を図8に示す。図8は、図5における電源部311を電源部311aに置き換えたものである。磁界角検出回路302に図7に示すパルス電圧を出力する電源部311aを設け、TMR素子51への印加電圧をパルス化すると、TMR素子51への投入電力が減少して素子の発熱が抑制されるため、素子電流のドリフトが低減され高精度で再現性のよい計測結果を得ることができる。さらに、TMR素子51への投入電力が減るために素子劣化が起こりにくくなり、この点でも好ましい。
パルス幅は1μs〜10msが好ましく、パルスデューティ比、すなわち(パルス幅/パルス周期)は0.01〜0.5が好ましい。パルスのデューティ比は、TMR素子への投入電力の平均値に影響するので、適切な値に設定することが重要である。実施例3では、パルス幅を100μs、パルス周期を1msに設定し、デューティ比を0.1に設定した。
このようにして、検出電流にドリフトがなくなり、高精度な角度計測結果が得られるようになった。次に説明する実施例4の図9の回路構成においても、電源部311の出力電圧をパルス化することにより、同様の効果が得られる。
次に、本発明の実施例4の磁界角計測装置を図9を用いて説明する。TMR素子51は素子バイアス電圧が1V以下と小さい場合が多い。さらに、図3に示したように、バイアス電圧が小さいほど高いMR比が得られるので、磁界角度計測のS/N比を高める目的ではバイアス電圧を小さく設定する方が好ましい。
好ましいバイアス電圧はTMR素子の設計、特にトンネル絶縁層の膜厚に依存するが、例えば図3に示した特性のTMR素子では0.1〜0.3V程度となる。
このようにバイアス電圧が低いと、寄生抵抗での電圧降下が問題になる。ここで、寄生抵抗とは、磁界角検出回路の電源部311→TMR素子51→電流検出部321に至る経路上におけるTMR素子51のトンネル接合部(図2の自由磁化層11−トンネル絶縁層12−固定磁化層13の部分)の抵抗以外の抵抗であり、以下のものが含まれる。
(a)磁界角検出回路302とTMR素子間の配線抵抗
(b)TMR素子パッケージ内の端子とウエハ上のパッドとのワイヤボンディング抵抗
(c)TMR素子が形成されたウエハ内のパッドとトンネル接合部の間の配線の配線抵抗
(d)電源部311の出力インピーダンス及び電流検出部321の入力インピーダンス
例えば、寄生抵抗が20Ωで素子電流が2mAで、バイアス電圧が0.1Vの場合、寄生抵抗による電圧降下は40mVであり、バイアス電圧の40%にも達する。すなわち、トンネル接合部に印加されるバイアス電圧は60mVに減少してしまう。したがって、図3の特性によりMR比が変化してしまうため、磁界角度計測に誤差が発生する。本実施例の磁界角計測装置は、このような課題を含めて解決するものである。
磁界角計測装置はTMR素子51と磁界角検出回路302で構成される。TMR素子51は、第1給電端子71と第2給電端子72に加えて、第1センス端子75と第2センス端子76とを備える。磁界角検出回路302の電源部311は、第1給電端子71に電圧を出力する出力端子に加えて、第1センス端子75と第2センス端子76との出力を入力する入力端子を備える。
第2センス端子76の電圧信号は基準電圧発生部316に接続される。基準電圧発生部316は所望の電圧値Vrefを発生して入力信号に重畳したものを出力する。
基準電圧発生部316の出力と、第1センス端子75に入力された信号とをそれぞれ差動増幅器315に入力する。差動増幅器315の出力は、電力増幅器317に入力され、電力増幅器317の出力がTMR素子51の第1給電端子71に出力される。実施例4では電力増幅器の電圧増幅率を1とした。
図9に示したように、実施例4の構成では、第1センス端子75は差動増幅器315の入力端子に入力されており、第2センス端子76は基準電圧発生部316を経由して差動増幅器315の入力端子に接続されている。差動増幅器315の入力端子には電流は流れ込まないので、いずれのセンス端子にも電流は流れない。したがって、配線などによる電圧降下は無視できるので、TMR素子51のトンネル接合部間電圧を正確に検出できる。TMR素子の第2給電端子72は電流検出部321に接続される。電流検出部321は、実施例1と同様に入力インピーダンスがゼロの回路で構成する。
本構成では、TMR素子の第1センス端子75と第2センス端子76間の電圧が、基準電圧発生部316の設定電圧値Vrefと等しくなるようにフィードバックされて電圧が印加される。したがって、TMR素子51の接合部に印加されるバイアス電圧がVrefに保たれる。
図10は、TMR素子51を構成するウエハ260上の配線を示す模式図である。図示したように、TMR素子51を有する磁気センサ301において、第1給電端子71に対応するウエハパッド262aと第1センス端子75に対応するウエハパッド262cとは各々別の配線経路でTMR素子51のトンネル接合部252に接続されている。同様にして、第2給電端子72に対応するウエハパッド262bと第2センス端子76に対応するウエハパッド262dとは各々別の配線経路でトンネル接合部252に接続されている。
このため、電流が流れる第1給電端子71〜トンネル接合部252間で電圧降下が発生した場合でも、第1センス端子75と第2センス端子76はトンネル接合部252の電圧を検出できる。265はウェハパッド262a〜262dとパッケージ端子261a〜261dを結ぶボンディング・ワイヤである。
なお、本実施例では、図10に示すように、TMR素子51のウエハ上の配線を分離する構成を示したが、配線抵抗が無視できる大きさの場合には、ウエハ上の配線を分離しなくてもよいことは言うまでもない。
次に、図11により本発明による磁界角計測装置の実施例5を説明する。図11は図9において基準電圧発生部316を基準電圧発生部316aに置き換えたものである。本実施例においては、基準電圧発生部316aでパルス電圧を発生させる。
このようにすると、TMR素子51に投入される電力がパルスのデューティ比に応じて低下するため、TMR素子51の発熱が抑制され、素子電流のドリフトが低減され高精度で再現性のよい計測結果を得ることができる。さらに、TMR素子51への投入電力が減るために素子劣化が起こりにくくなり、この点でも好ましい。
次に、図12により本発明の磁界角計測装置を用いた回転角計測装置について、実施例6を説明する。回転角計測装置はTMR素子を有する磁気センサ301と磁界角検出回路302と、被計測対象である回転体121に設けた磁石202で構成される。回転体121が回転軸226を中心に回転すると磁石202も回転する。磁石202が発生する磁界方向を計測することで、回転体201の回転角度を計測できる。実施例6に用いる磁気センサ301と磁界角検出回路302は図9に記載のものと同様の構成が用いられる。
磁気センサ301内のTMR素子は、回転体の回転軸の延長線上の位置に配置するのが特に好ましい。この配置では磁石202が発生する磁界角度と回転体121の回転角とが一致するため、回転体121の回転角を精度良く計測できるためである。
磁石202が発生する磁界強度は、TMR素子の設置場所での磁界強度が10mT以上になるようにすると好ましい。このような磁界強度にすると、TMR素子が磁界に関して飽和状態で動作する。すなわち、自由磁化層11内のスピンが全て磁界方向に沿って配列する。このため、環境温度などの影響で磁界強度が多少変化しても、磁界の方向が正しく求まる。したがって、回転体の回転角が精度良く計測できる。
磁石202としては、フェライト磁石でもよいし、ネオジウム磁石やサマリウム・コバルト磁石を用いても良い。本実施例ではネオジウム磁石を用いた。
次に、図13、図14を用いて、本発明の磁界角計測装置に関する実施例7を説明する。実施例7ではTMR素子を2個用いて、0〜360°の全角度範囲の磁界角を計測できる。
図13は実施例7の磁界角計測装置を含む回転角測定装置の全体構成を示すブロック図であり、磁気センサ301内には、2つのTMR素子51a、51bが配置されている。磁界角計測装置は磁気センサ301と磁界角検出回路302とで構成される。
図14は磁気センサ301であるTMR素子パッケージの配置を示す模式図である。TMR素子ウェハ260aは固定磁化層の磁化方向22の角度が0であるのに対し、TMR素子ウェハ260bの固定磁化層の磁化方向22の角度θpは90°に設定してある。それぞれの素子には、図10と同様に、第1給電端子、第2給電端子、第1センス端子、第2センス端子に対応したパッケージ端子261が設けられており、これらがTMR素子ウェハ260a、260bのウェハパッド262とボンディング・ワイヤ265で接続されている。
TMR素子50bでは固定磁化層の磁化方向22が90°ずれているので、そのコンダクタンスの磁界角度依存性は、(数3)に(θ−90°)を代入したものになる。すなわち、
Figure 2011141969
したがって、TMR素子51aとTMR素子51bの素子電流をそれぞれ測定してコンダクタンスを求め、磁界非依存項G0を取り除けば、cosθとsinθが得られるため、ArcTan変換(逆正接変換)により磁界角θを求めることが出来る。
次に、実施例7の磁界角計測装置の構成を図13に即して説明する。磁界角検出回路302は、TMR素子51aに対応した電源部311Aと電流検出部321Aと、TMR素子51bに対応した電源部311Bと電流検出部321Bとを有し、さらに信号処理部331とパラメータ記憶部332を有する。
電源部311Aと電流検出部321Aの構成は図9と同じである。すなわち、電源部311AはTMR素子51aの各端子に接続され、TMR素子51aのトンネル接合部252に印加されるバイアス電圧が一定値になるように印加電圧をフィードバックする。そして、電流検出部321AはTMR素子51aに流れる素子電流Id(A)を測定する。
電源部311Bと電流検出部321Bの構成も図9と同じである。同様にして、電流検出部321BはTMR素子51bに流れる素子電流Id(B)を測定する。
素子電流はTMR素子のコンダクタンスに比例するから、(数3)、(数8)からわかるように、それぞれの素子電流は次式で表される。
Figure 2011141969
ここで、e0は、電源部A311A、電源部B311B内の基準電圧発生部316に設定された基準電圧である。TMR素子51A、51Bに印加されるバイアス電圧はe0に等しい。なお、TMR素子51A、TMR素子51Bに印加するバイアス電圧は等しい値e0に設定することで、信号処理が簡略化される。
素子電流Id(A)とId(B)の値に対応した信号を信号処理部331に入力する。信号処理部331では、素子電流から(数9)の定数項e0G0を減算した値を算出して、それぞれId’(A)、Id’(B)とする。減算すべき定数項e0G0の値を求める方法は後述する。このようにすると、(数9)からわかるように、ArcTan処理(逆正接処理)により磁界角度θが次式で求まる。
Figure 2011141969
ここで、θ=atan2(y、x)は、引数x、yが正か負かに応じて、θ=0〜360°(または−180〜180°)の値を適切に出力する関数である。例えば、x、yともに正の場合は、atan2(y、x)=ArcTan(y/x)であり、x、yともに負の場合は、atan2(y、x)=ArcTan(y/x)+180°である。以上のようにして、磁界角度θが求まる。
次に、(数9)の定数項e0G0の算出方法を説明する。回転体を一定速度で回転させ、N回転(N≧1)した期間において、素子電流Id(A)、Id(B)を何点かサンプリングする。サンプリング点数は100点以上にすると精度が良くなる。サンプリングしたId(A)値、Id(B)値のそれぞれについて平均値を求めると、cosθ、sinθの対称性から第2項はゼロになるので、次式を得る。
Figure 2011141969
ここで、average(x)は、平均値を求める処理を表す。このようにして、定数項e0G0を求めることができる。求めたe0G0値は、パラメータ記憶部332に格納しておき、上述のId(A)からId’(A)を算出する処理に用いる。
(数9)中の係数e0Tは、以下の理由から求める必要がない。その理由は、(数10)のatan2(y、x)処理が、例えばArcTan(y/x)のように比の逆正接を算出する処理であるため、係数e0Tが互いに打ち消しあうためである。
次に、再び図13を用いて、実施例7の磁界角計測装置を用いた回転角計測装置を実施例8について説明する。実施例8では、回転軸226を回転中心として回転する回転体121に取り付けられた磁石202と、磁気センサ301、磁界角検出回路302とで構成される。
磁気センサ301は回転体121の回転軸226の延長線上に配置するのが好ましい。この配置だと、磁石202が発生する磁界の角度と実際の回転角とが一致するため、回転体の回転角を精度良く計測できるためである。
磁石202が発生する磁界強度は、TMR素子から構成された磁気センサ301の設置場所での磁界強度が10mT以上になるようにすると好ましい。このような磁界強度にすると、TMR素子が磁界に関して飽和状態で動作する。すなわち、自由磁化層11内のスピンが全て磁界方向に沿って配列する。このため、環境温度などの影響で磁界強度が多少変化しても、磁界の方向が正しく求まる。したがって、回転体の回転角が精度良く計測できる。
磁石202としては、フェライト磁石でもよいし、ネオジウム磁石やサマリウム・コバルト磁石を用いても良い。本実施例ではネオジウム磁石を用いた。
実施例7の磁界角計測装置で述べたように、本構成の磁気センサ301と磁界角検出回路302とで、磁気センサ301の地点での磁界角度を0〜360°の全範囲にわたって高精度に計測できる。したがって、回転体121に設置された磁石202が発生する磁界方向を計測することで回転体121の回転角を高精度に計測することが出来る。
次に、図15を用いて、本発明による回転角計測装置をモータに適用した実施例9を説明する。本実施例はモータ部100と回転角検出部200とで構成される。
モータ部100は、複数の固定磁極と複数の回転磁極との磁気的作用により複数の回転磁極が回転することにより回転トルクを発生するものであって、複数の固定磁極を構成するステータ110及び複数の回転磁極を構成するロータ120から構成される。ステータ110は、ステータコア111と、ステータコイル112から構成されている。ロータ120は、ステータ110の内周側に空隙を介して対向配置され、回転可能に支持されている。本実施例では、モータ100として、三相交流式の表面磁石型同期モータを用いている。
筐体は、円筒状のフレーム101の軸方向両端部に設けられた第1ブラケット102および第2ブラケット103から構成されている。第1ブラケット101の中空部には軸受106が、第2ブラケット103の中空部には軸受107がそれぞれ設けられている。これらの軸受は回転軸121を回転可能なように支持している。
フレーム101と第1ブラケット102との間には環状に設けられたOリングからなるシール部材(図示せず)が設けられている。シール部材はフレーム101と第1ブラケット102によって軸方向及び径方向から挟み込まれて圧縮される。これにより、フレーム101と第1ブラケット102との間を封止しフロント側を防水する。また、フレーム101と第2ブラケット103との間もシール部材により防水されている。
次に、回転角検出部200の構成を説明する。回転角検出部200は、磁界角を計測する磁界センサ・モジュール201とセンサ磁石202とで構成されている。回転角検出部200はハウジング203と第2ブラケット103とで囲まれた空間に設置されている。センサ磁石202は回転軸121と連動して回転する軸に設置されており、回転軸121が回転位置を変えると、それに応じて発生する磁界方向が変化する。この磁界方向を磁界センサ・モジュール201で検出することにより回転軸121の回転角(回転位置)を計測できる。
磁界センサ・モジュール201は、回転軸121の回転軸226上に設置すると、センサ磁石202が発生する磁界の空間分布に誤差が少なくなるので好ましい配置である。センサ磁石202は、2極着磁された2極磁石、あるいは4極以上に着磁された多極磁石である。磁界センサ・モジュール201は、実施例7の図13、図14に示す磁気センサと磁界角検出回路部で構成され、磁界角検出回路部は信号処理部を有する。
磁気センサは、磁界の方向に応じて出力信号が変化するものであり、実施例9では、固定磁化層の磁化ベクトル22の角度θpを互いに90°ずらしたTMR素子を2個有するものを用いた。
磁界センサ・モジュール201はハウジング203に設置されている。ハウジング203は磁束方向に影響を与えないように、アルミニウムや樹脂など磁化率が0.1以下の材料で構成するのが好ましい。実施例9ではアルミニウムで構成した。
なお、磁界センサ・モジュール201はモータ部に対して固定されていればよく、ハウジング203以外の構成要素に固定してももちろん構わない。モータ部に対して固定されていれば、回転軸121の回転角が変化してセンサ磁石202の方向が変化した場合、磁界センサ・モジュール201での磁界方向変化を検出することで回転軸121の回転角を検出することが出来るからである。
磁界センサ・モジュール201にはセンサ配線208が接続されている。センサ配線208により磁界センサ201の出力信号を伝送する。
図16は、本実施例である回転角計測装置のモータ部の制御システムを示す。磁界センサ・モジュール201からの信号は電子コントロール・ユニット(ECU)411に入力され、ECU411は駆動部412に制御コマンドを送信する。駆動部412はモータ部100のステータ110に適切な電圧波形を出力することで、ロータ121の回転速度や回転軸位置などを制御する。
実施例9によれば、図13の構成により磁界方向を精度良く計測することができるので、図15、図16の構成において、ロータ121の回転角を精度良く計測できる。そのため、駆動部412で高精度の制御が可能になる。これにより、エネルギー効率の良いモータを実現できる。あるいは、命令角度(指示角度)に正確に応答する高精度なモータを実現できる。
なお、磁界センサ・モジュール201を磁気センサ301のみで構成し、磁界角検出回路302をECU411内に構成してもよい。
次に、本発明による磁界角計測装置の実施例10を図17〜図19を用いて説明する。図17に示したように、実施例10の磁界角計測装置は、磁気センサ301と磁界角検出回路302とで構成される。磁気センサ301はTMR素子パッケージを用いる。
実施例10の磁界角検出回路302は、電流供給部341と電圧発生部346と電流検出部321とで構成される。電流供給部341は、電流入力端子343、電流出力端子344、電圧入力端子345を有する。
電流供給部341は以下のように構成される。すなわち、電流出力端子344から出力される電流i2は電流入力端子343に入力される電流i1に等しく、かつ、電流出力端子344の出力電圧Vbは電圧入力端子345に入力される電圧Vbinにより設定される。
ここで、電圧入力端子の入力電圧Vbinにより出力電圧Vbが「設定される」とは、入力値Vbinと出力値Vbとが一義的な対応関係にあることを意味する。具体的には、入力電圧Vbinと出力電圧Vbとが等しい場合や、入力電圧Vbinに比例した値が出力電圧Vbとして出力される場合などがある。
図17において、電流供給部341の電流出力端子344に磁気センサ301の端子を接続する。電流入力端子343に電流検出部321を接続する。電圧入力端子345には電圧発生部346を接続する。
このように構成すると、磁気センサ301、すなわちTMR素子パッケージの端子に印加される電圧は一定値Vbに保つことができ、磁気センサ301に流れる電流i2は電流供給部341の電流入力端子電流i1に等しいので、電流検出部321で計測できる。したがって、TMR素子の端子電圧を一定に保ったままTMR素子電流を計測できるので、高MR比のTMR素子を用いても高精度に磁界角度を計測することができる。
図17に記載の電流i1,i2の矢印の方向は,電流出力端子344の電圧が正極性で,電流供給部341から磁気センサ301に向かって正の電流が流れる場合を想定して記載した。電流出力端子344の電圧が負極性の場合には,磁気センサ301から電流供給部341に向かって電流が流れるが,この場合は,電流出力端子344から負の電流が流れ出すと考え,さらに電流入力端子343に負の電流が流れ込むと考えればよい。すなわち,本実施例の構成は,電流出力端子344から出力される電流の向き(すなわち電流値の正・負)によらず,成立し,所望の効果が得られるものである。
次に、図18を用いて電流供給部341の詳細な構成を説明する。図18は、電流供給部341をOPアンプ351と電界効果トランジスタ(FET)352とで構成した例である。OPアンプ351の一方の入力端子は電流出力端子344の電圧がフィードバックされる構成になっている。
電圧入力端子345には電圧発生部346が接続されている。電流入力端子343には電流検出部321が接続されており、電流出力端子344には磁気センサ301が接続されている。
電圧入力端子345の電圧Vbを入力するとOPアンプ351の機能により、電流出力端子344の電圧がVbに等しくなる。また、OPアンプ351の信号入力端子は入力インピーダンスが無限大と見なせるので、電流入力端子電流i1と電流出力端子電流i2とは等しくなる。すなわち、電流供給部の機能が満たされていることがわかる。
電流検出部321は実施例10では、電流フォロア回路で構成されている。信号出力端子326の出力電圧は、Rd×i1=Rd×i2となる。このようにして、磁気センサ301に流れる電流i2を計測できる。
図19は電流供給部341の別の回路を示す。図19ではトランジスタ348を用いて電流供給部341aを実現している。トランジスタ348のベースを電圧入力端子345に接続し、エミッタを電流出力端子344に接続し、コレクタを電流入力端子343に接続する。このようにすると、電圧入力端子345の入力電圧Vb0と電流出力端子344の端子電圧Vb2との間には、Vb2=Vb0−Vbeの関係が成り立つ。Vbeはトランジスタの接合特性で支配されるベース−エミッタ間電圧であり、約0.7Vの一定電圧である。したがって、電流出力端子344の端子電圧はVb2に一定に保たれ、かつ電流i2は電流入力端子343の通電電流i1に等しい。
なお、Vbeは、大きな温度変化などで多少変化するため、図19の構成の方が高性能であるが、トランジスタ1個で構成され低コストにできるという利点がある。
本発明の磁界角計測装置の実施例11を図20を用いて説明する。実施例11は、実施例10の図17に示した磁界角検出回路302の構成において、電流検出部321として電流ミラー回路を用いたものである。電流ミラー回路とは2つの端子の通電電流i1とi3が等しくなるような回路であり、いくつかの構成が知られている。
図20に示したように、電流検出部321を電流ミラー回路326で構成すると、電流i1とi3とが等しくなる。電流i3の大きさは、検出抵抗Rdにより電圧に変換され、信号出力端子326の出力電圧Vsigは(Rd×i3)となる。
図18で説明したように、電流供給部341はi1と磁気センサ301の通電電流i2とが等しくなるように動作する。したがって、電流i3を測定することで磁気センサ301の通電電流i2を計測できる。
前述の通り、電流供給部341の働きにより磁気センサ301への印加電圧は一定値Vbに保たれるので、高MR比のTMR素子を用いた磁気センサ301を用いても、高精度に磁界角度を計測することができる。
図17、図18、図20において、電圧発生部346でパルス電圧を発生させると、TMR素子で構成される磁気センサ301にパルス電圧が印加される。このようにすると、TMR素子に投入される電力が、パルスのデューティ比に応じて低下するため、素子の発熱が抑制され、素子電流のドリフトが低減され高精度で再現性のよい計測結果を得ることができる。さらに、TMR素子への投入電力が減るために素子劣化が起こりにくくなり、この点でも好ましい。
実施例10および実施例11においては、磁界角計測装置について説明したが、図12や図13に示したものと同様に、実施例10および実施例11の磁界角計測装置を回転体121に設置された磁石202と組み合わせることにより、回転体121の回転角を高精度に計測する回転角計測装置が実現できる。
11・・・自由磁化層
12・・・トンネル絶縁層
13・・・固定磁化層
51・・・TMR素子
71・・・第1給電端子
72・・・第2給電端子
75・・・第1センス端子
76・・・第2センス端子
121・・・回転体
200・・・回転角検出部
201・・・磁界角計測装置
202・・・磁石
226・・・回転軸
252・・・トンネル接合部
301・・・磁気センサ
302・・・磁界角検出回路
311・・・電源部
315・・・差動増幅器
316・・・基準電圧発生部
321・・・電流検出部
323・・・OPアンプ
326・・・信号出力端子
328・・・電流ミラー回路
341・・・電流供給部
343・・・電流入力端子
344・・・電流出力端子
345・・・電圧入力端子
346・・・電圧発生部
筐体は、円筒状のフレーム101の軸方向両端部に設けられた第1ブラケット102および第2ブラケット103から構成されている。第1ブラケット101の中空部には軸受106が、第2ブラケット103の中空部には軸受107がそれぞれ設けられている。これらの軸受は回転121を回転可能なように支持している。
次に、回転角検出部200の構成を説明する。回転角検出部200は、磁界角を計測する磁界センサ・モジュール201とセンサ磁石202とで構成されている。回転角検出部200はハウジング203と第2ブラケット103とで囲まれた空間に設置されている。センサ磁石202は回転121と連動して回転する軸に設置されており、回転121が回転位置を変えると、それに応じて発生する磁界方向が変化する。この磁界方向を磁界センサ・モジュール201で検出することにより回転121の回転角(回転位置)を計測できる。
磁界センサ・モジュール201は、回転121の回転軸226上に設置すると、センサ磁石202が発生する磁界の空間分布に誤差が少なくなるので好ましい配置である。センサ磁石202は、2極着磁された2極磁石、あるいは4極以上に着磁された多極磁石である。磁界センサ・モジュール201は、実施例7の図13、図14に示す磁気センサと磁界角検出回路部で構成され、磁界角検出回路部は信号処理部を有する。
なお、磁界センサ・モジュール201はモータ部に対して固定されていればよく、ハウジング203以外の構成要素に固定してももちろん構わない。モータ部に対して固定されていれば、回転121の回転角が変化してセンサ磁石202の方向が変化した場合、磁界センサ・モジュール201での磁界方向変化を検出することで回転121の回転角を検出することが出来るからである。

Claims (16)

  1. 磁気センサと磁界角検出回路を有する磁界角計測装置において、前記磁気センサは固定磁化層を有するTMR素子を有し、前記磁界角検出回路は前記磁気センサのTMR素子にバイアス電圧として定電圧を出力する電源部と、前記TMR素子の通電電流を検出する電流検出部を有し、前記電流検出部の入力インピーダンスをゼロとしたことを特徴とする磁界角計測装置。
  2. 請求項1に記載された磁界角計測装置において、前記電流検出部は前記TMR素子の通電電流を検出するOPアンプを有し、該OPアンプの入力端子を仮想接地することにより前記電流検出部の入力インピーダンスをゼロとしたことを特徴とする磁界角計測装置。
  3. 請求項1または2に記載された磁界角計測装置において、前記電源部は前記磁気センサのTMR素子にバイアス電圧としてパルス電圧からなる定電圧を出力することを特徴とする磁界角計測装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載された磁界角計測装置において、前記磁気センサは、前記固定磁化層の磁化方向が互いに90°異なる2つのTMR素子を有することを特徴とする磁界角計測装置。
  5. 請求項1に記載された磁界角計測装置において、前記磁気センサのTMR素子は、第1給電端子と第2給電端子と第1センス端子を有し、前記磁界角検出回路は前記磁気センサのTMR素子にバイアス電圧として定電圧を出力する電源部と前記TMR素子の出力電流を検出する電流検出部とを有し、前記第1センス端子により前記TMR素子の端子電圧を検出し、前記電源部は前記端子電圧が所定の電圧値と一致するようにフィードバック制御を行うことを特徴とする磁界角計測装置。
  6. 請求項5に記載された磁界角計測装置において、前記TMR素子は、前記第1センス端子に加えて第2センス端子を有し、前記第1センス端子及び第2センス端子により前記TMR素子の端子電圧を検出することを特徴とする磁界角計測装置。
  7. 請求項5に記載された磁界角計測装置において、前記電源部は、前記第1センス端子の出力電圧と、基準電圧発生部の出力とを差動入力した差動増幅器を有することを特徴とする磁界角計測装置。
  8. 請求項5乃至7のいずれか1項に記載された磁界角計測装置において、前記電源部は、パルス電圧を発生することを特徴とする磁界角計測装置。
  9. 請求項5乃至8のいずれか1項に記載された磁界角計測装置において、前記磁気センサは、前記固定磁化層の磁化方向が互いに90°異なる2つのTMR素子を有することを特徴とする磁界角計測装置。
  10. 磁気センサと磁界角検出回路を有する磁界角計測装置において、前記磁気センサは固定磁化層を有するTMR素子を有し、前記磁界角検出回路は、電流供給部と、前記TMR素子の出力電流を検出する電流検出部を有し、前記電流供給部は、電圧発生部に接続された電圧入力端子と、前記電流検出部からの電流を入力する電流入力端子と、前記磁気センサへ電流を出力する電流出力端子を有し、前記電流入力端子の通電電流と前記電流出力端子の通電電流が等しく、かつ前記電流出力端子の電圧が前記電圧発生部の電圧に基づき設定され、前記電流供給部の電流入力端子に前記電流検出部が接続され、電流出力端子に前記磁気センサが接続されたことを特徴とする磁界角計測装置。
  11. 請求項10に記載された磁界角計測装置において、前記電流供給部は、電界効果トランジスタと、電流供給部OPアンプを有し,前記電流供給部OPアンプの入力端子に,前記電界効果トランジスタの1つの端子と,前記電圧発生部とが接続されていることを特徴とする磁界角計測装置。
  12. 請求項10に記載された磁界角計測装置において、前記電流供給部は、ベースに前記電圧発生部の出力電圧を入力したトランジスタを有することを特徴とする磁界角計測装置。
  13. 請求項10乃至12のいずれか1項に記載された磁界角計測装置において、前記電圧発生部がパルス電圧を発生することを特徴とする磁界角計測装置。
  14. 請求項10乃至12のいずれか1項に記載された磁界角計測装置において、前記磁気センサは、前記固定磁化層の磁化方向が互いに90°異なる2つのTMR素子を有することを特徴とする磁界角計測装置。
  15. 請求項14に記載された磁界角計測装置において、前記磁界角検出回路は前記電流供給部を2つ有し、前記2つのTMR素子のそれぞれに前記電流供給部が電気的に接続されたことを特徴とする磁界角計測装置。
  16. 請求項1乃至15のいずれか1項に記載された磁界角計測装置と、回転体に取り付けられた磁石とを有することを特徴とする回転角計測装置。
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