JPWO2011132425A1 - 有機薄膜トランジスタ - Google Patents

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Abstract

少なくともゲート電極、ソース電極、ドレイン電極、絶縁体層及び有機半導体層を有する有機薄膜トランジスタにおいて、ソース電極及びドレイン電極の少なくとも一方が、(a)M(XCR4(CR52COOR6)COOR7)pで示される有機プロトン酸又はその塩によってプロトネーションされた置換又は未置換のポリアニリン複合体及び(b)フェノール性水酸基を有する化合物を含む導電性ポリアニリン組成物からなる有機薄膜トランジスタ。

Description

本発明は、有機薄膜トランジスタに関する。さらに詳しくはソース電極及びドレイン電極の少なくとも一方が、特定の導電性高分子を含む有機薄膜トランジスタに関する。
薄膜トランジスタ(TFT)は、液晶表示装置等の表示用のスイッチング素子として広く用いられている。代表的なTFTは、基板上にゲート電極、絶縁体層、半導体層をこの順に有し、半導体層上に、所定の間隔を空けて形成されたソース電極及びドレイン電極を有している。半導体層がチャネル領域を成しており、ゲート電極に印加される電圧でソース電極とドレイン電極の間に流れる電流が制御されることによってオン/オフ動作する。
従来、このTFTの半導体層は、アモルファスや多結晶のシリコンを用いて作製されていたが、このようなシリコンを用いたTFTの作製に用いられるCVD装置は、非常に高額であり、TFTを用いた表示装置等の大型化は、製造コストの大幅な増加を伴うという問題点があった。また、アモルファスや多結晶のシリコンを成膜するプロセスは非常に高い温度下で行われるので、基板として使用可能な材料の種類が限られてしまうため、軽量な樹脂基板等は使用できないという問題があった。
このような問題を解決するために、アモルファスや多結晶のシリコンに代えて有機物を用いたTFT(以下、有機TFTと略記する場合がある。)が提案されている。有機物でTFTを形成する際に用いる成膜方法として真空蒸着法や塗布法等が知られている。これらの成膜方法によれば、製造コストの上昇を抑えつつ素子の大型化が実現可能になり、成膜時に必要となるプロセス温度を比較的低温にすることができる。このため、有機TFTでは、基板に用いる材料の選択時の制限が少ないといった利点があり、その実用化が期待されており、盛んに研究報告がなされている。
実用的な有機TFTは、高いキャリア移動度、大きな電流のオン/オフ比、優れた保存安定性が必要となる。尚、ここで言うオン/オフ比とは、ゲート電圧をかけたとき(オン)のソース−ドレイン間に流れる電流を、ゲート電圧をかけないとき(オフ)のソース−ドレイン間に流れる電流で割った値であり、オン電流とは通常ゲート電圧を増加させていき、ソース−ドレイン間に流れる電流が飽和したときの電流値(飽和電流)のことである。
TFTの有機半導体層に用いる有機物としては、p型では共役系ポリマーやチオフェン等の多量体(特許文献1〜5等)、ペンタセン等の縮合芳香族炭化水素(特許文献6及び7等)等が、単体又は他の化合物との混合物の状態で用いられている。
これら有機TFTには、ソース電極及びドレイン電極と有機半導体との接触抵抗が大きく、駆動電圧が高いという問題があった。さらに、接触抵抗が大きくなりすぎると電界効果移動度が低下し、オン/オフ比も低下するという欠点があった。
一般に有機TFTは、ゲート電圧の印加によってソース電極からキャリアが注入され、有機半導体にチャネルが形成される。そして、ソース電極とドレイン電極間に電圧(ドレイン電圧)を印加することにより、ソース電極とドレイン電極間に電流(ドレイン電流)が流れるようになる。ゲート電圧により、キャリア注入量が変化しドレイン電流を制御することができる。定量的には、ドレイン電流は下記式(1)及び(2)を用いて表される。式(1)は、線形領域と呼ばれるドレイン電圧が小さい領域で成り立つ式であり、式(2)は飽和領域と呼ばれるドレイン電圧が大きい領域で成り立つ式である。
Figure 2011132425
(式中、I:ドレイン電流、V:ドレイン電圧、V:ゲート電圧、Vth:閾値電圧、μ:電界効果移動度、C:単位面積当たりの絶縁膜容量、L:チャネル長、W:チャネル幅である。)
上記式は、有機半導体とソース電極及びドレイン電極との接合がオーミック接合であり、電荷注入障壁が存在しない理想的な場合には、電界効果移動度μが物質固有の値と近くなる。しかしながら、一般に有機半導体と金属電極との間には接触抵抗が存在する。ドレイン電圧が小さい領域では電流と電圧の関係が(1)の式からのずれを生じ、この領域のスィッチング特性が良好でない。さらに、金属/有機半導体界面での電圧降下が生じ、その分だけ有機半導体にかかる実効的な電圧が低下するため、式(1)及び(2)の電界効果移動度μが小さく算出され、応答速度やオン/オフ比の低下、駆動電圧の上昇等の問題がある。ここで言うキャリアの注入とは、それぞれp型有機TFTの場合は電極からHOMO準位への正孔注入、n型有機TFTの場合はLUMO準位への電子注入を指す。接触抵抗が注入障壁から生じている場合、それをできるだけ低減するために、p型有機TFTにおいては、仕事関数の大きな金属をソース電極及びドレイン電極として用いて正孔の注入障壁の低減が図られている。多くの場合、Au(仕事関数5.1eV化学便覧基礎編II−493頁(改訂3版日本化学会編丸善株式会社発行1983年))が用いられる。しかしながら、有機TFTとして優れた性能を発揮する多くの有機半導体のHOMO準位はAuより大きく、Auを用いたとしても注入障壁が存在するため接触抵抗が発現し、上記のように駆動電圧の高電圧化、低移動度化、オン/オフ比の低下等の問題があった。
この問題を解決するため、特許文献8は、ソース電極及びドレイン電極が、それぞれキャリア中継膜とキャリア伝導膜を含み、有機半導体と接したキャリア中継膜を構成する金属は、その仕事関数が有機半導体のイオン化ポテンシャルの近傍であることを開示する。また、特許文献9は、ソース電極及びドレイン電極と有機半導体膜の間に無機物からなる電荷注入層を挿入した有機薄膜トランジスタを開示する。しかしながら、これら開示の材料を用いたのでは、若干の低電圧化は可能なものの、実用的には不十分な性能であった。
一方、導電性高分子を用いて簡便に電極を製造する試みも実施されており、非特許文献2には、ソース電極・ドレイン電極を、PEDOT:PSSを用いたインクジェットで形成した有機TFTが開示されているが、有機半導体として用いた高分子F8T2との間に接触抵抗が存在することが記載されている。PEDOT:PSSはソース電極及びドレイン電極として課題が残されている。また、大気中で安定である等優れた点を有する導電性ポリマーとして、特許文献10には、活性層に正孔を注入する電極材料として本発明で用いるものと類似の組成物であるポリアニリン(PANI)を用いた例として以下のものが記載されている。即ち、層の厚さ200nmにおいて、50S/cmの比導電率及び1kΩ/□の面抵抗を有するポリアニリンを基板上に塗布膜として形成した有機EL素子が開示されている。しかし、導電性が記載されているのみであり、ポリアニリン組成物の中で、特にどのような材料が電極として優れているかという記載はない。また、特許文献11には、ポリアニリンをゲート電極あるいはソース電極として選択できる有機TFTが記載されている。それらの電極の例としてポリアニリン誘導体が挙げられているが、それらのポリアニリン誘導体の内、どのような材料がデバイス特性を向上させることが可能かについては具体的な記述はない。また、ポリアニリンを電極として用いた特許として特許文献12が挙げられる。その実施例3には、ジオクチルスルホスクシネート等の種々のプロトン酸を用いてプロトン化したポリアニリンを圧縮して得られたペレットの導電性が表1に記載されており、実施例54以降にはCSA((±)−10−カンファースルホン酸)をドーパントとしたポリアニリンを正孔注入電極(陽極)として用いた有機発光ダイオード(有機EL)が開示されている。この実施例54には、ホール−インジェクティングコンタクトとして導電性ポリアニリン透明フィルムを用いたデバイスを流れる電流は、ホール−インジェクティングコンタクトとしてITOを用いて作られたデバイスとほとんど同じであるとの記載があり、低電圧化に関係する正孔注入特性に関しては、改善は見出されていない。
特開平8−228034号公報 特開平8−228035号公報 特開平9−232589号公報 特開平10−125924号公報 特開平10−190001号公報 特開平5−55568号公報 特開2001−94107号公報 特開2004−55652号公報 特開2005−327797号公報 特表2001−506393公報 特開2008−243582公報 特許3384566公報
MarciaM.PayneらJ.Am.Chem.Soc.、127巻、4986頁、2005年 下田達也、川瀬健夫、応用物理、第70巻、第12号、1452頁、2001年
本発明は、前記の課題を解決するためになされたもので、低電圧で駆動でき、応答速度(駆動速度)も高速である有機薄膜トランジスタを提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定の導電性ポリアニリン組成物を含む膜(導電性ポリアニリン膜)を有機薄膜トランジスタ(有機TFT)の半導体層に接して設け、これを少なくともソース電極又はドレイン電極とし、この導電性ポリアニリン組成物を含む層(即ち、ソース電極及び/又はドレイン電極)から正孔を注入することで上記目的を達成できることを見出した。
本発明の有機薄膜トランジスタにおける上記特定の導電性ポリアニリン膜は、(a)特定の有機プロトン酸又はその塩によってプロトネーションされた置換又は未置換のポリアニリン複合体、及び(b)フェノール性水酸基を有する化合物を含む特定の導電性ポリアニリン組成物を含む層である。
本発明で用いる上記特定の導電性ポリアニリン組成物はWO2005/052058号パンフレットに記載されているものであり、その有機溶剤相は基材に均一に塗布することが可能である。少量のフェノール性水酸基を有する化合物を添加した組成物を、ガラス等の基材に塗布して得られる当該導電性ポリアニリン組成物の成形体(膜)は、電気伝導率等の電気的特性が飛躍的に向上することが記載されている。本発明者はさらに鋭意研究を重ねた結果、前記ポリアニリン組成物から形成した膜を有機薄膜トランジスタの少なくともソース電極又はドレイン電極として使用することで、単にその良好な導電性から類推される以上の有機薄膜トランジスタの低電圧化が達成されることを見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、以下の有機薄膜トランジスタが提供される。
1.少なくともゲート電極、ソース電極、ドレイン電極、絶縁体層及び有機半導体層を有する有機薄膜トランジスタにおいて、
ソース電極及びドレイン電極の少なくとも一方が、下記成分(a)及び(b)を含む導電性ポリアニリン組成物からなる有機薄膜トランジスタ。
(a)下記式(I):
M(XCR(CR COOR)COOR)p (I)
{式中、
Mは、水素原子又は有機若しくは無機遊離基であり、
Xは、酸性基であり、
及びRは、それぞれ独立して水素原子、炭化水素基又はR Si−基(ここで、Rは、炭化水素基であり、3つのRは同一又は異なっていてもよい)であり、
及びRは、それぞれ独立して置換基を有していてもよい炭素数4以上の炭化水素基又は−(RO)q−R10基[ここで、Rは炭化水素基又はシリレン基であり、R10は水素原子、炭化水素基又はR11 Si−(R11は、炭化水素基であり、3つのR11は同一又は異なっていてもよい)であり、qは1以上の整数である]であり、
pは、Mの価数である}で示される有機プロトン酸又はその塩によってプロトネーションされた置換又は未置換のポリアニリン複合体
(b)フェノール性水酸基を有する化合物
2.前記式(I)で示される有機プロトン酸又はその塩が、下記式(II):
M(OSCH(CHCOOR12)COOR13)m (II)
{式中、
Mは、水素原子又は有機若しくは無機遊離基であり、
12及びR13は、それぞれ独立して置換基を有していてもよい炭素数4以上の炭化水素基又は−(R14O)r−R15基[ここで、R14は炭化水素基又はシリレン基であり、R15は水素原子、炭化水素基又はR16 Si−基(ここで、R16は炭化水素基であり、3つのR16は同一又は異なっていてもよい)であり、rは1以上の整数である]であり、
mは、Mの価数である}で示されるスルホコハク酸誘導体である1に記載の有機薄膜トランジスタ。
3.前記(b)フェノール性水酸基を有する化合物が、下記式(A)で表わされる化合物である1又は2に記載の有機薄膜トランジスタ。
Figure 2011132425
(式中、sは0〜5の整数である。
101は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、環形成炭素数3〜10のシクロアルキル基、環形成炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアルキルアリール基又は炭素数7〜20のアリールアルキル基であり、sが2以上の場合、複数のR101は同一又は異なっていてもよい。)
4.前記(b)フェノール性水酸基を有する化合物が、下記式(B)で表される化合物である1又は2に記載の有機薄膜トランジスタ。
Figure 2011132425
(式中、tは0〜7の整数である。
102は、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、環形成炭素数3〜10のシクロアルキル基、環形成炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアルキルアリール基又は炭素数7〜20のアリールアルキル基であり、tが2以上の場合、複数のR102は同一又は異なっていてもよい。)
5.前記(b)フェノール性水酸基を有する化合物が、下記式(C)で表されるである1又は2に記載の有機薄膜トランジスタ。
Figure 2011132425
(式中、uは1〜5の整数である。
103は、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、環形成炭素数3〜10のシクロアルキル基、環形成炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアルキルアリール基、炭素数7〜20のアリールアルキル基又はCOOH基であり、uが2以上の場合、複数のR103は同一又は異なっていてもよい。)
6.前記(b)フェノール性水酸基を有する化合物が、下記式(D)で表される化合物である1又は2に記載の有機薄膜トランジスタ。
Figure 2011132425
(式中、vは0〜6の整数である
104は炭化水素基、ヘテロ原子含有炭化水素基、ハロゲン原子、カルボン酸基、アミノ基、SH基、スルホン酸基、又は水酸基であり、vが2以上の場合、複数のR104は同一又は異なっていてもよい。)
7.前記(b)フェノール性水酸基を有する化合物が、フェノール、o−,m−若しくはp−クレゾール、カテコール、レゾルシノール、クロロフェノール、サリチル酸、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシナフタレン、フェノール樹脂、ポリフェノール及びポリ(ヒドロキシスチレン)からなる群から選択される1種以上である1又は2に記載の有機薄膜トランジスタ。
8.前記有機半導体層のHOMO準位が、AuのHOMO準位より大きい1〜7のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタ。
本発明の有機薄膜トランジスタは、特定の導電性ポリアニリン組成物を含む層を少なくともソース電極又はドレイン電極として用いることにより、有機薄膜トランジスタの有機半導体層に接した正孔注入帯域として機能させることができ、有機薄膜トランジスタ駆動時の正孔注入が促進される結果、低電圧で駆動することができる。
また、本発明によれば、応答速度(駆動速度)が高速な有機薄膜トランジスタを提供できる。
本発明の有機薄膜トランジスタの一実施形態(素子A)を示す図である。 本発明の有機薄膜トランジスタの他の実施形態(素子B)を示す図である。 本発明の有機薄膜トランジスタの他の実施形態(素子C)を示す図である。 本発明の有機薄膜トランジスタの他の実施形態(素子D)を示す図である。 実施例7の有機薄膜トランジスタの出力曲線を示す図である。 比較例2の有機薄膜トランジスタの出力曲線を示す図である。
以下、本発明の有機薄膜トランジスタの素子構成、各層の材料等について説明する。
(素子構成)
本発明の有機薄膜トランジスタは、少なくともゲート電極、ソース電極、ドレイン電極、絶縁体層及び有機半導体層を有する有機薄膜トランジスタにおいて、
ソース電極及びドレイン電極の少なくとも一方が下記成分(a)及び(b)を含む導電性ポリアニリン組成物からなることを特徴とする。
(導電性ポリアニリン組成物)
(a)下記式(I):
M(XCR(CR COOR)COOR)p (I)
{式中、
Mは、水素原子又は有機若しくは無機遊離基であり、
Xは、酸性基であり、
及びRは、それぞれ独立して水素原子、炭化水素基又はR Si−基(ここで、Rは、炭化水素基であり、3つのRは同一又は異なっていてもよい)であり、
及びRは、それぞれ独立して置換基を有していてもよい炭素数4以上の炭化水素基又は−(RO)q−R10基[ここで、Rは炭化水素基又はシリレン基であり、R10は水素原子、炭化水素基又はR11 Si−(R11は、炭化水素基であり、3つのR11は同一又は異なっていてもよい)であり、qは1以上の整数である]であり、
pは、Mの価数である}で示される有機プロトン酸又はその塩(以下、有機プロトン酸又はその塩(I)という)によってプロトネーションされた置換又は未置換のポリアニリン複合体、及び
(b)フェノール性水酸基を有する化合物
本発明の有機薄膜トランジスタは、少なくともゲート電極、ソース電極・ドレイン電極の3端子、絶縁体層、有機半導体層が設けられており、前記有機半導体層とソース電極−ドレイン電極間に電荷注入層(領域)が形成され、ゲート電極に電圧を印加することによってソース−ドレイン間電流を制御する薄膜トランジスタであれば、特に限定されず、公知の素子構成を有するものであってよい。これらのうち、代表的な有機薄膜トランジスタの素子構成として素子A〜Dを図1〜4(図中、1は有機薄膜トランジスタ、10は基板、20はソース電極、30はドレイン電極、40は有機半導体層、50は絶縁体層、60はゲート電極)に示す。このように、電極の位置、層の積層順等によりいくつかの構成が知られており、本発明の有機薄膜トランジスタは、電界効果型トランジスタ(FET:FieldEffectTransistor)構造を有している。有機薄膜トランジスタは、有機半導体層(有機化合物層)と、相互に所定の間隔をあけて対向するように形成されたソース電極及びドレイン電極と、ソース電極・ドレイン電極からそれぞれ所定の距離をあけて形成されたゲート電極とを有し、ゲート電極に電圧を印加することによってソース−ドレイン電極間に流れる電流を制御する。ここで、ソース電極とドレイン電極の間隔は本発明の有機薄膜トランジスタを用いる用途によって決定され、通常は0.1μm〜1mm、好ましくは1μm〜300μmである。
素子A〜Dのうち、図3の素子Cを例としてさらに詳しく説明すると、素子Cの有機薄膜トランジスタ1は、基板10上に、ゲート電極60及び絶縁体層50をこの順に有し、絶縁体層50上に、有機半導体層40が形成され、その上に所定の間隔をあけて形成された一対のソース電極20及びドレイン電極30を有する。有機半導体層40がチャネル領域を成しており、ゲート電極60に印加される電圧でソース電極20とドレイン電極30の間に流れる電流が制御されることによってオン/オフ動作する。本発明の有機薄膜トランジスタでは、特定の導電性ポリアニリン組成物からなるソース電極20及び/又はドレイン電極30を用いることにより、ソース電極20及び/又はドレイン電極30の、有機半導体層との接触部が電荷注入層となり、これらの電極20,30と有機半導体層40との接触抵抗を小さくし、駆動電圧を低くすることができる。尚、特定の導電性ポリアニリン組成物は、正孔注入を改善する目的で使用する為、ソース電極及びドレイン電極の一対の電極のうち少なくとも一方が特定の導電性ポリアニリン組成物からなっていればよい。生産性等の面では、ソース電極、ドレイン電極の両方が、特定の導電性ポリアニリン組成物からなる方が好ましい。
(導電性ポリアニリン組成物)
本発明の有機薄膜トランジスタにおけるソース電極及び/又はドレイン電極の形成に用いられる導電性ポリアニリン組成物を以下に説明する。
本発明において用いられる導電性ポリアニリン組成物は、(a)下記式(I)で示される有機プロトン酸又はその塩によってプロトネーションされた置換又は未置換のポリアニリン複合体、及び(b)フェノール性水酸基を有する化合物を含む。
M(XCR(CR COOR)COOR)p (I)
置換ポリアニリンの置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、ヘキシル基、オクチル基等の直鎖又は分岐の炭化水素基、メトキシ基、フェノキシ基等のアルコキシ基、アリーロキシ基、CF基等のハロゲン含有炭化水素基等が挙げられる。
上記式(I)において、Mは、水素原子又は有機若しくは無機遊離基である。有機遊離基としては、例えば、ピリジニウム基、イミダゾリウム基、アニリニウム基等が挙げられ、無機遊離基としては、例えば、ナトリウム、リチウム、カリウム、セリウム、アンモニウム等が挙げられる。
Xは、酸性基であり、例えば、−SO 基、−PO 2−基、−PO(OH)基、−OPO 2−基、−OPO(OH)基、−COO基等が挙げられ、−SO 基が好ましい。
及びRは、それぞれ独立して水素原子、炭化水素基又はR Si−基(ここで、Rは、炭化水素基であり、3つのRは同一又は異なっていてもよい)である。R及びRが炭化水素基である場合の炭化水素基としては、炭素数1〜24の直鎖若しくは分岐状のアルキル基、環形成炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアルキルアリール基等が挙げられる。
炭素数1〜24の直鎖若しくは分岐状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。環形成炭素数6〜20のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。炭素数7〜20のアルキルアリール基としては、例えば、前記のアルキル基とアリール基を組み合わせた基が挙げられる。
が炭化水素基である場合の炭化水素基としては、R及びRの場合と同様である。
及びRは、それぞれ独立して置換基を有していてもよい炭素数4以上の炭化水素基又は−(RO)q−R10基[ここで、Rは炭化水素基又はシリレン基であり、R10は水素原子、炭化水素基又はR11 Si−(R11は、炭化水素基であり、3つのR11は同一又は異なっていてもよい)であり、qは1以上の整数である]である。
及びRが炭化水素基である場合の炭化水素基としては、直鎖若しくは分岐状のアルキル基(好ましくは炭素数4〜24)、アリール基(好ましくは環形成炭素数6〜20)、アルキルアリール基(好ましくは炭素数7〜20)等が挙げられる。この炭化水素基の好ましい具体例としては、例えば、直鎖又は分岐状のブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、、2−エチルヘキシル基、オクチル基(イソオクチル基等)、デシル基等の炭素数4〜24の直鎖若しくは分岐状のアルキル基が挙げられる。
炭化水素基の置換基として臭素、塩素等のハロゲン原子、水酸基、カルボン酸基、ニトロ基、アミノ基、シアノ基等が挙げられる。
が炭化水素基である場合の炭化水素基としては、直鎖若しくは分岐状のアルキレン基(好ましくは炭素数1〜24)、アリーレン基(好ましくは環形成炭素数6〜20)、アルキルアリーレン基(好ましくは炭素数7〜20)、アリールアルキレン基(好ましくは炭素数7〜20)等である。アルキレン基としては、例えば、メチレン基やエチレン基が挙げられる。アリーレン基としては、例えば、フェニレン基が挙げられる。アルキルアリーレン基、アリールアルキレン基としては、例えば、前記のアルキレン基とアリーレン基を組み合わせた基が挙げられる。
10及びR11が炭化水素基である場合の炭化水素基としては、R及びRの場合と同様である。
qは、1〜10であることが好ましい。
pは、上記Mの価数である。
上記有機プロトン酸又はその塩(I)は、下記式(II)で示されるスルホコハク酸誘導体(以下、スルホコハク酸誘導体(II)という)であることがさらに好ましい。
M(OSCH(CHCOOR12)COOR13)m (II)
上記式(II)において、M及びmは、上記式(I)と同様である。
12及びR13は、それぞれ独立して置換基を有していてもよい炭素数4以上の炭化水素基又は−(R14O)r−R15基[ここで、R14は炭化水素基又はシリレン基であり、R15は水素原子、炭化水素基又はR16 Si−基(ここで、R16は炭化水素基であり、3つのR16は同一又は異なっていてもよい)であり、rは1以上の整数である]である。
12及びR13が炭化水素基である場合の炭化水素基としては、R及びRと同様である。その置換基もR及びRと同様である。
12及びR13において、R14が炭化水素基である場合の炭化水素基としては、上記Rと同様である。また、R12及びR13において、R15及びR16が炭化水素基である場合の炭化水素基としては、上記R及びRと同様である。
12及びR13が−(R14O)r−R15基である場合の具体例としては、R及びRにおける−(RO)q−R10と同様である。
rは、1〜10であることが好ましい。
上記有機プロトン酸又はその塩(I)は、ポリアニリンをプロトネーションする機能を有し、(a)ポリアニリン複合体中においては、ドーパント(カウンターアニオン)として存在している。即ち、本発明の組成物においては、上記有機プロトン酸又はその塩(I)、及び上記(b)フェノール性水酸基を有する化合物の2種類の化合物がドーパントとして機能する。本発明で用いるポリアニリン組成物の仕事関数は約5.0eVで、有機TFTのソース・ドレイン電極として通常用いられるAuと同等のエネルギー準位を有するが、これと有機半導体との組み合わせによってAu以上の正孔注入性が得られることは、予測することができなかった。
上記有機プロトン酸又はその塩(I)は、本発明の組成物中では、陽イオンとして存在していると考えられる。これらの有機プロトン酸又はその塩(I)を用いることにより、有機薄膜トランジスタを作製したときに、接する有機半導体薄膜と相互作用することで、界面に電荷注入を促進させる中間的帯域が形成されるため、通常のエネルギー準位の組み合わせからは予期できない低電圧化効果を発現する。
(a)ポリアニリン複合体において、ポリアニリンと有機プロトン酸又はその塩(I)との組成比については特に限定されないが、ポリアニリンのモノマーユニット/有機プロトン酸又はその塩(I)のモル比は、通常0.1〜2、好ましくは0.1〜0.5である。有機プロトン酸又はその塩(I)の割合が少なすぎると、電気伝導率が高くならない恐れがある。また、多すぎる場合にも、成形品の電気特性を支配するポリアニリンの割合が少なくなり電気伝導率が低下する恐れがある。プロトン酸の分子量により、重量組成比は変化するが、(a)プロトネーションされた置換又は未置換のポリアニリン複合体中に、置換又は未置換のポリアニリンを20質量%〜70質量%を含む複合体である場合に、高い電気特性を示すので好ましい。
本発明で用いる有機プロトン酸又はその塩(I)は、公知の方法を用いて製造することができる。例えば、スルホフタール酸誘導体又は、スルホコハク酸誘導体と、所望のアルコールとの反応により、対応するスルホフタール酸エステル誘導体又は、コハク酸エステル誘導体を得ることができる。また、マレイン酸エステルを亜硫酸水素ナトリウム等でヒドロスルホニル化することによっても、対応するスルホコハク酸エステル誘導体が得られることも知られている。
有機プロトン酸又はその塩(I)は、市販のものを用いることもできる。市販品の例としては、例えば、エーロゾルOT(ジイソオクチルスルホコハク酸ナトリウム(DiisooctylSodiumSulfosuccinate);和光純薬工業社製)、リパール87OP(ライオン株式会社製)等が挙げられる。市販品には、純度の異なるものがあり、必要に応じて選択して利用することができる。
(有機溶剤)
導電性ポリアニリン組成物には、実質的に水と混和しない有機溶剤(以下、水不混和性有機溶剤という)を用いることができる。例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、テトラリン等の炭化水素系溶剤;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン等の含ハロゲン系溶剤;酢酸エチル等のエステル系溶剤等が挙げられ、トルエン、キシレン、クロロホルム、トリクロロエタン、酢酸エチル等が好ましい。通常、ポリアニリンは溶媒に溶解することが稀であり溶媒に分散した形で塗布して薄膜を作製することが多いが、本発明のポリアニリン組成物は有機溶媒に完全に分子レベルで可溶であり、このことが有機薄膜トランジスタを作製したときに、前記有機半導体薄膜との相互作用を促進することができる。
導電性ポリアニリン組成物において、水不混和性有機溶剤中の(a)ポリアニリン複合体の割合は、水不混和性有機溶剤の種類によるが、通常、900g/L以下であり、好ましくは0.01〜300g/L以下の範囲である。(a)ポリアニリン複合体の含有量が多すぎると、溶液状態が保持できなくなり、膜を成形する際の取り扱いが困難になり、膜の均一性が損なわれる恐れがある。また、濃度が小さいと塗布しても実質的に膜を形成しない恐れがある。また、濃度が大きい場合には、溶液の流動性が低下して均一膜にはなりづらい。
ポリアニリンの重量平均分子量は通常1,000g/mol〜1,000,000g/molであり、好ましくは10,000g/mol〜1,000,000g/molであり、さらに好ましくは100,000g/mol〜1,000,000g/molである。高分子量であることにより組成物から得られる電極の強度や延伸性を向上することができる。しかしながら、あまりに高分子量すぎても、溶剤に溶けにくくなり、電極の製造に影響することが考えられる。尚、ポリアニリンの分子量は、ゲルパーミェションクロマトグラフィ(GPC)により測定したものである。分子量が増大すると共役長が長くなり、電気伝導度が大きくなる。また、溶液の粘度も増大するので塗布プロセスにおいて塗布条件を広く設定することが可能となる。
(b)フェノール性水酸基を有する化合物
(b)フェノール性水酸基を有する化合物としては、下記式(A)〜(D)のいずれかで表される構造の化合物を好適に挙げることができる。
Figure 2011132425
式(A)中、sは0〜5の整数である。好ましくは0〜3の整数であり、より好ましくは0又は1である。nが0の場合はフェノールとなる。
101は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、環形成炭素数3〜10のシクロアルキル基、環形成炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアルキルアリール基又は炭素数7〜20のアリールアルキル基である。sが2以上の場合、複数のOR101は異なっていてもよい。
−OR101の置換位置はフェノール性水酸基に対し、メタ位、又はパラ位であることが好ましい。−OR101の置換位置をメタ位又はパラ位とすることにより、フェノール性水酸基の立体障害が低減され、導電性ポリアニリン組成物の導電性をより高めることができる。
炭素数1〜20(好ましくは炭素数1〜6)のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ターシャルブチル基等が挙げられる。炭素数1〜20のアルケニル基としては、上述したアルキル基の分子内に不飽和結合を1個有する基が挙げられる。環形成炭素数3〜20のシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。環形成炭素数6〜20のアリール基としては、フェニル、ナフチル等が挙げられる。
炭素数7〜20のアルキルアリール基、及び炭素数7〜20のアリールアルキル基としては、上述したアルキル基とアリール基を組み合わせて得られる基等が挙げられる。
式(A)で表わされるフェノール性化合物の具体例としては例えば、フェノール、カテコール、レゾルシノール、メトキシフェノール、エトキシフェノール、プロポキシフェノール、イソプロポキシフェノール、ブチルオキシフェノール、イソブチルオキシフェノール、ターシャルブチルオキシフェノールが挙げられる。
Figure 2011132425
式(B)中、tは0〜7の整数である。好ましくは0〜3の整数であり、より好ましくは0又は1である。
102は、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、環形成炭素数3〜10のシクロアルキル基、環形成炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアルキルアリール基又は炭素数7〜20のアリールアルキル基である。tが2以上の場合、複数のR102は異なっていてもよい。R102の具体例としては、式(A)で挙げた基が挙げられる。炭素数1〜20のアルキルチオ基のおけるアルキル基の具体例としては、式(A)で挙げた基が挙げられる。
式(B)で表わされるフェノール性化合物の具体例としては、例えば、ヒドロキシナフタレンが挙げられる。
Figure 2011132425
式(C)中、uは1〜5の整数である。好ましくは1〜3であり、より好ましくは1である。
103は、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、環形成炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアルキルアリール基、炭素数7〜20のアリールアルキル基又はCOOH基である。uが2以上の場合、複数のR103は異なっていてもよい。R103の具体例としては、式(A)で挙げた基が挙げられる。炭素数1〜20のアルキルチオ基のおけるアルキル基の具体例としては、式(A)で挙げた基が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
式(C)で表わされる化合物の具体例としては、例えば、o−,m−若しくはp−クレゾール、o−,m−若しくはp−エチルフェノール、o−,m−若しくはp−プロピルフェノール、o−,m−若しくはp−ブチルフェノール、o−,m−若しくはp−クロロフェノール、サリチル酸、ヒドロキシ安息香酸が挙げられる。
Figure 2011132425
式(D)中、vは0〜6の整数である。vは0であることが好ましい。
104は炭化水素基、ヘテロ原子含有炭化水素基、ハロゲン原子、カルボン酸基、アミノ基、SH基、スルホン酸基、又は水酸基であり、vが2以上の場合、複数のR104は同一であっても異なっていてもよい。
炭化水素基としては、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、環形成炭素数3〜10のシクロアルキル基、環形成炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアルキルアリール基又は炭素数7〜20のアリールアルキル基等が挙げられる。好適例は式(A)と同じである。ヘテロ原子としては硫黄原子、酸素原子、窒素原子やハロゲン原子が挙げられる。
式(D)で表わされるフェノール性化合物は、互いに隣接しない2以上の水酸基を有することが好ましい。
また、式(D)で表されるフェノール性化合物の具体例としては、例えば、1,6ナフタレンジオール、2,6ナフタレンジオール、2,7ナフタレンジオールが挙げられる。
式(A)〜式(D)以外の化合物として、フェノール樹脂、ポリフェノール及びポリ(ヒドロキシスチレン)を好ましく挙げることができる。
これらの(b)フェノール性水酸基を有する化合物を用いることにより、電気伝導度の大きな薄膜を得ることができ、有機薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極として直接使用することが可能となる。物質の電気伝導度は式:
σ=enμ
(ここでσは電気伝導度、eは電気素量、nはキャリア密度、μは移動度である)で表されるが、詳細な検討の結果、前記電気伝導度の増大は、キャリア密度及び移動度の両方の増大によることがわかった。キャリア密度の増大が、有機薄膜トランジスタを作製したときに、ソース電極及び/又はドレイン電極がこれと接する有機半導体薄膜と相互作用を増大させることで低電圧化効果を一層増大させることがわかった。
(b)フェノール性水酸基を有する化合物の添加量は、上記(a)プロトネーションされた置換又は未置換のポリアニリン複合体に対して、通常0.01〜1000質量%、好ましくは0.5〜500質量%の範囲である。また、組成物の溶液全体に占める(b)フェノール性水酸基を有する化合物のモル濃度は、好ましくは0.01mol/L〜5mol/Lの範囲である。さらに好ましくは0.05mol/L〜1mol/Lの範囲である。
(b)フェノール性水酸基を有する化合物は、電気伝導度を増大させる効果を有する。一般的には(b)フェノール性水酸基を有する化合物の濃度が低い領域では、その濃度が高いほど電気伝導度が増大する傾向にあるが、多すぎると補助材としての(b)フェノール性水酸基を有する化合物の方がポリアニリン本体より多く膜中に存在することになり、濃度が高い領域では逆に濃度とともに電気伝導度が減少する恐れがある。また、組成物の均一性が損なわれたり、揮発除去する際に多大な熱や時間等の労力を必要とし、結果として、電気特性が損なわれた材料となるおそれがある。
(a)ポリアニリン複合体、及び(b)フェノール性水酸基を有する化合物を含む本発明で用いる組成物(導電性ポリアニリン組成物)は、水不混和性有機溶剤に溶解した状態で得られる(a)ポリアニリン複合体に、(b)フェノール性水酸基を有する化合物を添加して得ることができる。具体的には、(b)フェノール性水酸基を有する化合物を、固体状態又は液状で加えても、水不混和性溶剤中に溶解又は懸濁した状態で添加してもよい。好ましくは、添加後も溶解した状態になるように適切な溶剤添加法を選択する。
本発明で用いる導電性ポリアニリン組成物には、上記成分の他、有機TFTのソース電極あるいはドレイン電極としての機能を損なわない範囲で目的に応じて他の樹脂、無機材料、導電性材料、硬化剤、又は可塑剤等を添加してもよい。
他の樹脂は、例えば、バインダー基材や可塑剤、マトリックス基材等の目的で添加され、その具体例としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、塩素化ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリビニルアルコール等が挙げられる。好ましくは塩素化ポリオレフィンである。
また樹脂の代わりに、あるいは樹脂と共に、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂を形成し得る前駆体を用いてもよい。
無機材料は、例えば、強度、表面硬度、寸法安定性その他の機械的物性の向上等の目的で添加され、その具体例としては、例えば、シリカ(二酸化ケイ素)、チタニア(酸化チタン)、アルミナ(酸化アルミニウム)等が挙げられる。
導電性材料はポリアニリン組成物の導電性を更に向上させる必要がある場合に用いられる。その具体例としてはAg、Au、Cu、Fe、Al、Ti等の金属微粒子、ITOやC(カーボン)等の粒子が挙げられる。
硬化剤は、例えば、強度、表面硬度、寸法安定性その他の機械的物性の向上等の目的で添加され、その具体例としては、例えば、フェノール樹脂等の熱硬化剤、アクリレート系モノマーと光重合性開始剤による光硬化剤等が挙げられる。
可塑剤は、例えば、引張強度や曲げ強度等の機械的特性の向上等の目的で添加され、その具体例としては、例えば、フタル酸エステル類やリン酸エステル類等が挙げられる。
尚、本発明に用いるポリアニリン組成物において、(b)フェノール性水酸基を有する化合物は、溶媒ではなく、ドーパントとして存在している。(b)フェノール性水酸基を有する化合物がドーパントであることは、(1)(b)フェノール性水酸基を有する化合物を添加した本発明の組成物から製造した成形体は、これを添加しない成形体に比べて電気伝導率が非常に高いことから、(b)フェノール性水酸基を有する化合物が残存していることは明らかである。即ち、(b)フェノール性水酸基を有する化合物が単なる溶剤であれば、成形体を形成するときに、熱を加えることによって容易に揮発して除去される。しかしながら、ドーパントとして存在しているときには帯電しており、そのためポリアニリンから除去するには、大きなエネルギーを必要とし、揮発させる程度の加熱では除去されないのである。
導電性ポリアニリン組成物を有機半導体層等の基材に塗布する方法としては、キャスト法、スプレー法、ディップコート法、ドクターブレード法、バーコード法、スピンコート法、スクリーン印刷、グラビア印刷法等、公知の一般的な方法を用いることができる。水不混和性有機溶剤を除去するには、加熱して有機溶剤を揮発させればよい。水不混和性有機溶剤を揮発させる方法としては、例えば、空気気流下250℃以下、好ましくは50〜200℃の温度で加熱し、さらに、必要に応じて、減圧下に加熱する。尚、加熱温度及び加熱時間は、特に制限されず、用いる材料に応じて適宜選択すればよい。導電性ポリアニリン組成物を有機半導体層等の基材に塗布して電極を形成する方法として具体的には、例えば、後述する実施例で示すような、ディスペンサを用いて塗布する方法が挙げられる。
(有機半導体層)
本発明の有機薄膜トランジスタにおける有機半導体層に用いられる有機半導体は特に制限されるものではない。公知の有機薄膜トランジスタに用いられる有機半導体を用いることができる。以下に具体例を示す。
(有機半導体層に使用される材料)
高い電界効果移動度が得られるため、通常、結晶性の材料が用いられる。具体的には、次のような材料を例示することができる。
(1)ナフタレン、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、ヘキサセン、ヘプタセン、ピセン、コロネン、クリセン、ピレン、ペンゾピレン、コランヌレン、オバレン、トリフェニレン、フェナントレン、ペンタフェン、ヘリセン等の置換基を有していてもよい縮合多環芳香族類
(2)例えば1、4−ビススチリルベンゼン、1,4−ビス(2−メチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(3−メチルスチリル)ベンゼン(4MSB)、1,4−ビス(4−メチルスチリル)ベンゼン、ポリフェニレンビニレン等C−CH=CH−Cで表されるスチリル構造を有する化合物、このような化合物のオリゴマーやポリマー
(3)以下に示すチオフェン環を含む化合物
ア.α−4T、α−5T、α−6T、α−7T、α−8Tの誘導体等の置換基を有してもよいチオフェンオリゴマー
イ.ポリヘキシルチオフェン、フルオレン−ビチオフェンコポリマー(F8T2)等のチオフェン系高分子等のチオフェン系高分子
ウ.ビスベンゾチオフェン誘導体、α,α’−ビス(ジチエノ[3,2−b:2’,3’−d]チオフェン)、ジチエノチオフェン−チオフェンのコオリゴマー、ペンタチエノアセン等の縮合オリゴチオフェン、特にチエノベンゼン骨格又はジチエノベンゼン骨格を有する化合物、ジベンゾチエノベンゾチオフェン誘導体が好ましい。
(4)セレノフェンオリゴマー、無金属フタロシアニン、銅フタロシアニン、鉛フタロシアニン、チタニルフタロシアニン、白金ポルフィリン、ポルフィリン、ベンゾポルフィリン等のポルフィリン類、テトラチアフルバレン(TTF)及びその誘導体、ルブレン及びその誘導体等
(5)テトラシアノキノジメタン(TCNQ)、11,11,12,12−テトラシアノナフト−2,6−キノジメタン(TCNNQ)らのキノイドオリゴマー、C60、C70、PCBM等のフラーレン類、N,N’−ジフェニル−3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸ジイミド、N,N’−ジオクチル−3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸ジイミド(C8−PTCDI)、NTCDA、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボキシルジイミド(NTCDI)等のテトラカルボン酸類等が挙げられる。
(6)フラン、ジベンゾフラン、ピロール、イミダゾール等のその他の置換基を有してもよい複素芳香族化合物及びそれを母体にした縮合体芳香環化合物
(7)アヌレン、アズレン、シクロペンタジエニルアニオン、シクロヘプタトリエニルカチオン(トロピリウムイオン)、トロポン、メタロセン、アセプレイアジレン等の置換基のついてもよい非ベンゼン系芳香族化合物及びそれを母体にした縮合体芳香環化合物
これらの化合物の内、HOMO準位が大きい(即ちイオン化ポテンシャル(Ip)が大きなもの)ほど、低電圧化の効果が高い。即ち大きなHOMO準位を持つ化合物は正孔の注入障壁が高く、高電圧化しやすいが、本発明のポリアニリン組成物を接して用いることにより、注入障壁を低下せしめる効果が大きいためである。前述のようにp型の有機薄膜トランジスタにおいて、ソース、ドレイン電極としてAuが標準的に用いられ、有機半導体のHOMO準位がAuの仕事関数より大きい場合に有機薄膜トランジスタの駆動電圧が高電圧化する。従って、AuよりHOMO準位が大きく、正孔の注入障壁の高い有機半導体を用いる有機薄膜トランジスタにおいて、本発明のポリアニリン組成物をソース、ドレイン電極として用いることが特に好ましく、低電圧化の効果が顕著である。Auの仕事関数の値が5.1eVであるので、有機半導体のHOMO準位はそれ以上の値を持つ材料を用いることが望ましい。上記を満足する有機半導体材料としては以下のものが挙げられる。
置換基を有していてもよいナフタレン、アントラセン、テトラセン、ピセン、コロネン、クリセン、ピレン、ペンゾピレン、コランヌレン、オバレン、トリフェニレン、フェナントレン、ペンタフェン、ヘリセン、ジベンゾアントラセン、ジベンゾクリセン、ジベンゾピセン等の直線的に縮合した芳香環数が四個以下の化合物、
置換基を有していてもよいC−CH=CH−Cで表されるスチリル構造を有する化合物、このような化合物の5つ以下のオリゴマー、ビスベンゾチオフェン誘導体、α,α’−ビス(ジチエノ[3,2−b:2’,3’−d]チオフェン)、ジチエノチオフェン−チオフェンのコオリゴマー、ペンタチエノアセン等の縮合オリゴチオフェン特にチエノベンゼン骨格又はジチエノベンゼン骨格を有する化合物、ジベンゾチエノベンゾチオフェン誘導体、フラン、ジベンゾフラン、ピロール、イミダゾール等のその他の置換基を有していてもよい複素芳香族化合物及びそれを母体にした縮合体芳香環化合物、アヌレン、アズレン、シクロペンタジエニルアニオン、シクロヘプタトリエニルカチオン(トロピリウムイオン)、トロポン、メタロセン、アセプレイアジレン等の置換基を有していてもよい非ベンゼン系芳香族化合物及びそれを母体にした縮合体芳香環化合物において、直線的に縮合した芳香環数が四個以下の化合物
これら芳香環が直線的に縮合した数を4個以下に制限した材料は、共役長が短くHOMO準位が大きい。これらの有機半導体と導電性ポリアニリン組成物とが接合することにより相互作用が生じて低電圧化が達成される。相互作用は導電性ポリアニリン組成物中の有機プロトン酸又はその塩(I)が主たる担い手になるので、別のドーパントである(b)フェノール性水酸基を有する化合物を添加しなくても低電圧効果は発現する。(b)フェノール性水酸基を有する化合物を添加することによって導電性ポリアニリン組成物の導電性が劇的に向上し、電極としての電圧降下が小さく抑えられるのに加えて、(b)フェノール性水酸基を有する化合物が有機プロトン酸又はその塩(I)と有機半導体との相互作用をさらに促進する。
(基板)
本発明は、ゲート電極等を通常基板上に形成する。基板は、有機薄膜トランジスタの構造を支持する役目を担うものであり、材料としてはガラスの他、金属酸化物や窒化物等の無機化合物、プラスチックフィルム(PET、PES、PC等)や金属基板又はこれら複合体や積層体等も用いることが可能である。また、基板以外の構成要素により有機薄膜トランジスタの構造を十分に支持し得る場合には、基板を使用しないことも可能である。また、基板の材料としてはシリコン(Si)ウエハが用いられることが多い。この場合、Si自体をゲート電極兼基板として用いることができる。また、Siの表面を酸化し、SiOを形成して絶縁層として活用することも可能である。この場合、基板兼ゲート電極のSi基板にリード線接続用の電極として、Au等の金属層を成膜することもある。
(ゲート電極)
本発明の有機薄膜トランジスタにおけるゲート電極の材料としては、導電性材料であれば特に限定されず、白金、金、銀、ニッケル、クロム、銅、鉄、錫、アンチモン鉛、タンタル、インジウム、パラジウム、テルル、レニウム、イリジウム、アルミニウム、ルテニウム、ゲルマニウム、モリブデン、タングステン、酸化スズ・アンチモン、酸化インジウム・スズ(ITO)、フッ素ドープ酸化亜鉛、亜鉛、炭素、グラファイト、グラッシーカーボン、銀ペースト及びカーボンペースト、リチウム、ベリリウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、マンガン、ジルコニウム、ガリウム、ニオブ、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、アルミニウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム混合物、リチウム/アルミニウム混合物等が用いられ、これらはスパッタ法もしくは真空蒸着法により成膜する。
ゲート電極はまた、上記の導電性材料を含む、溶液、ペースト、インク、分散液等の流動性電極材料を用いて形成してもよい。また、上記流動性電極材料中の溶媒や分散媒体としては、有機半導体へのダメージを抑制するため、水を60質量%以上、好ましくは90質量%以上含有する溶媒又は分散媒体であることが好ましい。金属微粒子を含有する分散物としては、例えば、公知の導電性ペースト等を用いてもよいが、通常粒子径が0.5nm〜50nm、1nm〜10nmの金属微粒子を含有する分散物であると好ましい。この金属微粒子の材料としては、例えば、白金、金、銀、ニッケル、クロム、銅、鉄、錫、アンチモン鉛、タンタル、インジウム、パラジウム、テルル、レニウム、イリジウム、アルミニウム、ルテニウム、ゲルマニウム、モリブデン、タングステン、亜鉛等を用いることができる。
これらの金属微粒子を、主に有機材料からなる分散安定剤を用いて、水や任意の有機溶剤である分散媒中に分散した分散物を用いて電極を形成するのが好ましい。このような金属微粒子の分散物の製造方法としては、ガス中蒸発法、スパッタリング法、金属蒸気合成法等の物理的生成法や、コロイド法、共沈法等の、液相で金属イオンを還元して金属微粒子を生成する化学的生成法が挙げられ、特開平11−76800号公報、同11−80647号公報、同11−319538号公報、特開2000−239853号公報等に示されたコロイド法、特開2001−254185号公報、同2001−53028号公報、同2001−35255号公報、同2000−124157号公報、同2000−123634号公報等に記載されたガス中蒸発法が好ましい。
これらの金属微粒子分散物を用いてゲート電極を成形し、溶媒を乾燥させた後、必要に応じて100℃〜300℃、好ましくは150℃〜200℃の範囲で形状様に加熱することにより、金属微粒子を熱融着させ、目的の形状を有する電極パターンを形成できる。
さらに、ドーピング等で導電率を向上させた公知の導電性ポリマーを用いることも好ましく、例えば、導電性ポリアニリン、導電性ポリピロール、導電性ポリチオフェン(ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸の錯体等)、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)とポリスチレンスルホン酸の錯体等も好適に用いられる。上記導電性ポリアニリンは、ゲート電極には導電性があればよく、本発明でソース・ドレイン電極に用いる導電性ポリアニリンに限らない。
(ソース電極・ドレイン電極)
本発明の有機薄膜トランジスタにおける、ソース電極とドレイン電極の少なくとも一方は、上記導電性ポリアニリン組成物から形成したポリアニリン膜がその役割を果たす。但し、ポリアニリン膜の電気抵抗が高い場合には、その上をさらに電気抵抗の低い材料で被覆したり、電気抵抗の低い材料を隣接して設置し補助電極とすることにより、給電時の電力ロスを避けることが可能である。このような電気抵抗の低い材料としては、上記ゲート電極に用いた材料を同様に用いることができる。
前記補助電極の形成方法としては、例えば、蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタリング、大気圧プラズマ法、イオンプレーティング、化学気相蒸着、電着、無電解メッキ、スピンコーティング、印刷又はインクジェット等の手段が挙げられる。また、補助電極は必要に応じてパターニングされていてもよく、パターニングする方法としては、上記の方法を用いて形成した導電性薄膜を、公知のフォトリソグラフ法やリフトオフ法を用いて電極形成する方法、アルミニウムや銅等の金属箔上に熱転写、インクジェット等により、レジストを形成しエッチングする方法がある。また、導電性ポリマーの溶液あるいは分散液、金属微粒子を含有する分散液等を直接インクジェット法によりパターニングしてもよく、塗工膜からリソグラフやレーザーアブレーション等により形成してもよい。さらに導電性ポリマーや金属微粒子を含有する導電性インク、導電性ペースト等を凸版、凹版、平版、スクリーン印刷等の印刷法でパターニングする方法も用いることができる。
このようにして形成された補助電極の膜厚は好ましくは0.2nm〜10μm、さらに好ましくは4nm〜300nmの範囲である。この好ましい範囲内であれば、膜厚が薄いことにより抵抗が高くなったり電圧降下を生じることがない。また、厚すぎないため膜形成に時間がかからず、保護層や有機半導体層等他の層を積層する場合に、段差が生じることが無く積層膜が円滑に形成できる。
導電性ポリアニリン組成物から形成しないソース電極又はドレイン電極は公知の材料から形成できる。
(絶縁体層)
本発明の有機薄膜トランジスタにおける絶縁体層の材料としては、電気絶縁性を有し薄膜として形成できるものであれば特に限定されず、金属酸化物(珪素の酸化物を含む)、金属窒化物(珪素の窒化物を含む)、高分子、有機低分子等の、室温での電気抵抗率が10Ωcm以上の材料を用いることができ、特に、比誘電率の高い無機酸化物皮膜が好ましい。
金属酸化物としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタン、酸化スズ、酸化バナジウム、チタン酸バリウムストロンチウム、ジルコニウム酸チタン酸バリウム、ジルコニウム酸チタン酸鉛、チタン酸鉛ランタン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、フッ化バリウムマグネシウム、ランタン酸化物、フッ素酸化物、マグネシウム酸化物、ビスマス酸化物、チタン酸ビスマス、ニオブ酸化物、チタン酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ストロンチウムビスマス、五酸化タンタル、タンタル酸ニオブ酸ビスマス、トリオキサイドイットリウム及びこれらを組合せたものが挙げられ、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタンが好ましい。また、窒化ケイ素(Si、SixNy(x、y>0))、窒化アルミニウム等の金属窒化物も好適に用いることができる。
さらに、絶縁体層は、アルコキシド金属を含む前駆物質で形成されていてもよく、この前駆物質の溶液を、例えば基板に被覆し、これを熱処理を含む化学溶液処理をすることにより絶縁体層が形成される。前記アルコキシド金属における金属としては、例えば、遷移金属、ランタノイド、又は主族元素から選択され、具体的には、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、チタン(Ti)、ビスマス(Bi)、タンタル(Ta)、ジルコニウム(Zr)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、鉛(Pb)、ランタン(La)、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)、フランシウム(Fr)、ベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ニオブ(Nb)、タリウム(Tl)、水銀(Hg)、銅(Cu)、コバルト(Co)、ロジウム(Rh)、スカンジウム(Sc)及びイットリウム(Y)等が挙げられる。また、前記アルコキシド金属におけるアルコキシドとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール等を含むアルコール類、及びメトキシエタノール、エトキシエタノール、プロポキシエタノール、ブトキシエタノール、ペントキシエタノール、ヘプトキシエタノール、メトキシプロパノール、エトキシプロパノール、プロポキシプロパノール、ブトキシプロパノール、ペントキシプロパノール、ヘプトキシプロパノールを含むアルコキシアルコール類等から誘導されるものが挙げられる。
本発明において、上記のような材料で絶縁体層を構成すると、絶縁体層中に分極が発生しやすくなり、トランジスタ動作のしきい電圧を低減することができる。また、上記材料の中でも、特に、Si、SixNy、SiONx(x、y>0)等の窒化ケイ素で絶縁体層を形成することもできる。
有機化合物を用いた絶縁体層としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリレート、光ラジカル重合系、光カチオン重合系の光硬化性樹脂、アクリロニトリル成分を含有する共重合体、ポリビニルフェノール、ポリビニルアルコール、ノボラック樹脂、及びシアノエチルプルラン等を用いることもできる。
その他、ワックス、ポリエチレン、ポリクロロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリオキシメチレン、ポリビニルクロライド、ポリフッ化ビニリデン、ポリメチルメタクリレート、ポリサルホン、ポリイミドシアノエチルプルラン、ポリ(ビニルフェノール)(PVP)、ポリ(メチルメタクレート)(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、ポリオレフィン、ポリアクリルアミド、ポリ(アクリル酸)、ノボラック樹脂、レゾール樹脂、ポリイミド、ポリキシリレン、エポキシ樹脂に加え、プルラン等の高い誘電率を持つ高分子材料を使用することも可能である。
絶縁体層に用いる有機化合物材料、高分子材料として、特に好ましいのは撥水性を有する有機化合物であり、撥水性を有することにより絶縁体層と有機半導体層との相互作用を抑え、有機半導体が本来保有している凝集性を利用して有機半導体層の結晶性を高めデバイス性能を向上させることができる。このような例としては、YasudaらJpn.J.Appl.Phys.Vol.42(2003)pp.6614−6618に記載のポリパラキシリレン誘導体やJanosVeresらChem.Mater.、Vol.16(2004)、pp.4543−4555に記載のものが挙げられる。また、図1及び図4に示すようなトップゲート構造をとる場合、このような有機化合物を絶縁体層の材料として用いると、有機半導体層に与えるダメージを小さくして成膜することができるため有効な方法である。
前絶縁体層は、前述したような無機又は有機化合物材料を複数用いた混合層であってもよいし、それらの材料の積層構造体であってもよい。この場合、必要に応じて誘電率の高い材料と撥水性を有する材料を混合したり、積層することによりデバイスの性能を制御することもできる。
また、前記絶縁体層は、陽極酸化膜からなっていてもよいし、又は該陽極酸化膜を含んで構成されていてもよい。陽極酸化膜は封孔処理されていることが好ましい。陽極酸化膜は、陽極酸化が可能な金属を公知の方法により陽極酸化することにより形成される。陽極酸化処理可能な金属としては、アルミニウム又はタンタルを挙げることができ、陽極酸化処理の方法には特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。陽極酸化処理を行なうことにより、酸化被膜が形成される。陽極酸化処理に用いられる電解液としては、多孔質酸化皮膜を形成することができるものならばいかなるものでも使用でき、一般には、硫酸、燐酸、蓚酸、クロム酸、ホウ酸、スルファミン酸、ベンゼンスルホン酸等あるいはこれらを2種類以上組み合わせた混酸又はそれらの塩が用いられる。陽極酸化の処理条件は使用する電解液により種々変化するので一概に特定し得ないが、一般的には、電解液の濃度が1〜80質量%、電解液の温度5〜70℃、電流密度0.5〜60A/cm、電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分の範囲が適当である。好ましい陽極酸化処理は、電解液として硫酸、リン酸又はホウ酸の水溶液を用い、直流電流で処理する方法であるが、交流電流を用いることもできる。これらの酸の濃度は5〜45質量%であることが好ましく、電解液の温度20〜50℃、電流密度0.5〜20A/cmで20〜250秒間電解処理するのが好ましい。
絶縁体層の厚さは、層の厚さが薄いと有機半導体に印加される実効電圧が大きくなるので、デバイス自体の駆動電圧、閾電圧を下げることができるが、逆にソース−ゲート間のリーク電流が大きくなる恐れがある。通常1nm〜5μm、好ましくは5nm〜2μm、さらに好ましくは100nm〜1μmである。
また、前記絶縁体層と有機半導体層の間に、任意の配向処理を施してもよい。その好ましい例としては、絶縁体層表面に撥水化処理等を施し絶縁体層と有機半導体層との相互作用を低減させ有機半導体層の結晶性を向上させる方法であり、具体的には、シランカップリング剤、例えば、オクタデシルトリクロロシラン、トリクロロメチルシラザンや、アルカン燐酸、アルカンスルホン酸、アルカンカルボン酸等の自己組織化配向膜材料を、液相又は気相状態で、絶縁膜表面に接触させ自己組織化膜を形成後、適度に乾燥処理を施す方法が挙げられる。また、液晶の配向に用いられるように、絶縁膜表面にポリイミド等で構成された膜を設置し、その表面をラビング処理する方法も好ましい。
前記絶縁体層の形成方法としては、真空蒸着法、分子線エピタキシャル成長法、イオンクラスタービーム法、低エネルギーイオンビーム法、イオンプレーティング法、CVD法、スパッタリング法、特開平11−61406号公報、同11−133205号公報、特開2000−121804号公報、同2000−147209号公報、同2000−185362号公報に記載の大気圧プラズマ法等のドライプロセスや、スプレーコート法、スピンコート法、ブレードコート法、ディップコート法、キャスト法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法等の塗布による方法、印刷やインクジェット等のパターニングによる方法等のウェットプロセスが挙げられ、材料に応じて選択できる。ウェットプロセスは、無機酸化物の微粒子を、任意の有機溶剤又は水に、必要に応じて界面活性剤等の分散補助剤を用いて分散した液を塗布、乾燥する方法や、酸化物前駆体、例えば、アルコキシド体の溶液を塗布、乾燥する、いわゆるゾルゲル法が用いられる。
本発明の有機薄膜トランジスタにおける有機半導体層の膜厚は、特に制限されることはないが、通常、0.5nm〜1μmであり、2nm〜250nmであると好ましい。また、有機半導体層の形成方法は特に限定されることはなく公知の方法を適用でき、例えば、分子線蒸着法(MBE法)、真空蒸着法、化学蒸着、材料を溶媒に溶かした溶液のディッピング法、スピンコーティング法、キャスティング法、バーコート法、ロールコート法等の印刷、塗布法及びベーキング、エレクトロポリマラインゼーション、分子ビーム蒸着、溶液からのセルフ・アセンブリ、及びこれらを組合せた手段により、前記したような有機半導体層の材料を用いて形成することができる。有機半導体層の結晶性を向上させると電界効果移動度が向上するため、気相からの成膜(蒸着、スパッタ等)を用いる場合は成膜中の基板温度を高温で保持することが望ましい。その温度は50〜250℃が好ましく、70〜150℃であるとさらに好ましい。また、成膜方法に関わらず成膜後にアニーリングを実施すると高性能デバイスが得られるため好ましい。アニーリングの温度は50〜200℃が好ましく、70〜200℃であるとさらに好ましく、時間は10分〜12時間が好ましく、1〜10時間であるとさらに好ましい。
本発明の有機薄膜トランジスタの形成方法は、特に限定されず公知の方法によればよいが、所望の素子構成に従い、基板投入、ゲート電極形成、絶縁体層形成、有機半導体層形成、電荷注入層形成、ソース電極形成、ドレイン電極形成までの一連の素子作製工程を全く大気に触れることなく形成すると、大気との接触による大気中の水分や酸素等による素子性能の阻害を防止できるため好ましい。やむをえず、一度大気に触れさせなければならないときは、有機半導体層成膜以後の工程は大気に全く触れさせない工程とし、有機半導体層成膜直前には、有機半導体層を積層する面(例えば素子Bの場合は絶縁層に一部ソース電極・ドレイン電極が積層された表面)を紫外線照射、紫外線/オゾン照射、酸素プラズマ、アルゴンプラズマ等で清浄化・活性化した後、有機半導体層を積層することが好ましい。さらに、例えば、大気中に含まれる酸素、水等の有機半導体層に対する影響を考慮し、有機薄膜トランジスタ素子の外周面の全面又は一部に、ガスバリア層を形成してもよい。ガスバリア層を形成する材料としては、この分野で常用されるものを使用でき、例えば、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリクロロトリフロロエチレン等が挙げられる。さらに、前記絶縁体層で例示した、絶縁性を有する無機物も使用できる。
以下、実施例、比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されない。
尚、ポリアニリンの分子量測定は、ゲルパーミェションクロマトグラフィ(GPC)により決定した。具体的には、カラムとしてTOSOH TSK−GEL GMHHR−Hを使用し、0.01MのLiBr/N−メチルピロリドン溶液を使用し、60℃、流速0.35mL/分で測定を行った。試料は、0.2g/L溶液を100μL注入し、260nmのUVにて検出した。標準として、PS換算法にて平均分子量を算出した。
製造例1:導電性ポリアニリン組成物の製造
(1)プロトネーションされたポリアニリン複合体の製造
機械式攪拌機、滴下ロートを備える1Lのガラスフラスコに、トルエン100mLを入れ、エーロゾルOT(ジイソオクチルスルホコハク酸ナトリウム;和光純薬工業社製)3.6gとアニリン(和光純薬工業社製)3.74gを溶解させた。この溶液を撹拌しながら、1N塩酸300mLを加え、氷水浴にてフラスコを冷却した。ここに、過硫酸アンモニウム5.36gを1N塩酸100mLに溶解した溶液を、上記滴下ロートより滴下してアニリンの重合を開始させた。フラスコを氷水浴で冷却しながら重合反応させ、18時間後に撹拌を停止した。反応溶液を分液ロートに移し、二層に分離した反応溶液から水相を廃棄し、トルエン有機相をイオン交換水で2回、1N塩酸溶液で2回洗浄した。目的物を含むトルエン溶液から揮発分(有機溶剤)を減圧留去して、プロトネーションされた固形状のポリアニリン複合体を得た。
(2)ポリアニリン複合体の分子量及び組成
(2−1)分子量の測定
上記(1)で得たポリアニリン複合体を、再度トルエンに溶解し、ポリアニリン複合体を50g/Lの割合で含むトルエン溶液を調製した。この溶液5mLを1N水酸化ナトリウム水溶液10mLと接触混合することにより、両溶液に不溶な非導電性ポリアニリン(所謂、エメラルディン塩基状態)を析出させた。この非導電性ポリアニリンをろ別して乾燥し、NMP(N−メチルピロリドン)溶媒を用いてGPC測定した結果、PS換算重量平均分子量が614,000g/molと非常に高分子量体であることがわかった。
(2−2)ポリアニリンとジイソオクチルスルホコハク酸ナトリウムの組成比
ポリアニリン複合体に含まれる硫黄原子及び窒素原子のモル数の比から、ポリアニリン複合体のドープ率(ポリアニリンとジイソオクチルスルホコハク酸ナトリウムの組成比)が算出できる。具体的には高周波燃焼法及びCHNコーダー法にて、ポリアニリン複合体中の硫黄原子のモル数(S)と窒素原子のモル数(N)をそれぞれ測定し、SをNで割った値をドープ率と定義した。
上記(1)で得たポリアニリン複合体0.25gをトルエン4.75g、イソプロピルアルコール0.25gに溶解し、その溶液にヘキサンを250mL加えて攪拌を行った。その後、No.5Cのろ紙にて自然ろ過し、採取した固形分を減圧乾燥することで、ドープ率測定用ポリアニリンを調製した。このサンプルを高周波燃焼法及びCHNコーダー法にて分析し、上述の手順でドープ率を算出したところ、0.43であった。
(3)導電性ポリアニリン組成物の製造
上記(1)で得たポリアニリン複合体を、再度トルエンに溶解し、ポリアニリン複合体を50g/Lの割合で含むトルエン溶液1mLに、m−クレゾール1mmolを添加して、m−クレゾールの濃度が約0.2mol/Lである、導電性ポリアニリン組成物(1)を得た。
(4)導電性ポリアニリン成形体の製造
上記(3)で得た導電性ポリアニリン組成物を、ガラス基板上、14mm×52mmの範囲に展開し、空気気流下80℃で30分間乾燥し、厚さ15μmの導電性塗布膜を作製し、ロレスターGP(三菱化学社製;四探針法による抵抗率計)を用いて固有伝導率を測定した。得られた塗布膜の固有伝導率は、318S/cmであった。また、塗布膜を、大気中で、光電子分光装置(理研計器(株)製AC−3)にて、HOMO準位を測定したところ4.9eVであった。
実施例1(有機薄膜トランジスタの製造)
ガラス基板を、中性洗剤、純水、アセトン及びエタノールで各30分超音波洗浄し、さらにオゾン洗浄を行った。スパッタ法にて金(Au)を成膜して厚さ40nmのゲート電極を形成した。次いで、この基板を熱CVD装置の成膜部にセットした。一方、原料の蒸発部には、絶縁体層の原料であるポリパラキシレン誘導体[ポリパラ塩化キシレン(パリレン)](商品名;diX−C、第三化成社製)250mgをシャーレに入れて設置した。熱CVD装置を真空ポンプで5Paまで減圧した後、蒸発部を180℃、重合部を680℃まで加熱して2時間放置し、ゲート電極上に厚さ1μmの絶縁体層を形成した。次に、絶縁体層が形成された基板を真空蒸着装置(ULVAC社製、EX−400)に設置し、絶縁体層上に1,4−ビス(4−メチルスチリル)ベンゼン(4MSB)を0.05nm/sの蒸着速度で成膜し、厚さ50nmの有機半導体層を形成した。次いで、有機半導体層上に、製造例1で調製した導電性ポリアニリン組成物(1)を、ディスペンサを用いて塗布し、厚さ200nmのソース・ドレイン電極を作製した。このとき、ソース電極及びドレイン電極の間隔(チャンネル長L)は300μmであった。また、ソース電極とドレイン電極の幅(チャンネル幅W)は5mmとなるように成膜し、図3に示す構成の有機薄膜トランジスタを作製した。
得られた有機薄膜トランジスタのゲート電極に0〜−100Vのゲート電圧を印加し、ソース−ドレイン間に電圧を印加して電流を流した。得られた有機薄膜トランジスタは、正孔が有機半導体層のチャンネル領域(ソース−ドレイン間)に誘起され、p型トランジスタとして動作した。その結果、電流飽和領域でのソース−ドレイン電極間の電流のオン/オフ比は1.8×10であった。有機薄膜トランジスタの正孔の電界効果移動度μS及び閾値電圧VTを式(2)より算出したところμS=0.09cm/Vs、VT=−17Vであった。また、前述の式(1)から、線形領域において電界効果移動度μLを算出するとμL=0.085cm/Vsであった。また、得られた上記の4MSBの蒸着膜を大気中光電子分光装置(理研計器(株)製AC−3)にて、HOMO準位を測定したところ5.6eVであった。
実施例2
上記製造例1(3)において、m−クレゾールの添加量を0.2mmolとしm−クレゾールの濃度が約0.9mol/Lである導電性ポリアニリン組成物(2)を用いた以外は製造例1(4)と同様にして導電性塗布膜を得た。得られた塗布膜をガラス基板から分離することで、自立型のフィルムとした。得られた自立型フィルムの固有伝導率は、59S/cmであった。そこで導電性ポリアニリン組成物(2)を用いて実施例1と同様にして有機薄膜トランジスタを作製した。得られた有機薄膜トランジスタの各特性を実施例1と同様に測定した。結果を表1に示す。
実施例3
上記製造例1(3)において、m−クレゾールの代わりにフェノール1mmolを用い、フェノールの濃度が約0.9mol/Lである導電性ポリアニリン組成物(3)を用いた以外は製造例1(4)と同様にして導電性塗布膜を得た。得られた塗布膜の固有伝導率は171S/cmであった。そこで導電性ポリアニリン組成物(3)を用いて実施例1と同様にして有機薄膜トランジスタを作製した。得られた有機薄膜トランジスタの各特性を実施例1と同様に測定した。結果を表1に示す。
実施例4
上記製造例1(3)においてクレゾールの代わりに4−メトキシフェノール1mmolを用い、4―メトキシフェノールの濃度が約0.2mol/Lである導電性ポリアニリン組成物(4)を用いた以外は製造例1(4)と同様にして導電性塗布膜を得た。得られた塗布膜の固有伝導率は48S/cmであった。そこで導電性ポリアニリン組成物(4)を用いて実施例1と同様にして有機薄膜トランジスタを作製した。得られた有機薄膜トランジスタの各特性を実施例1と同様に測定した。結果を表1に示す。
実施例5
上記製造例1(3)においてクレゾールの代わりに4−メトキシフェノール4mmolを使用し、4―メトキシフェノールの濃度が約1.0mol/Lである導電性ポリアニリン組成物(5)を用いた以外は製造例1(4)と同様にして導電性塗布膜を得た。得られた塗布膜の固有伝導率は279S/cmであった。そこで導電性ポリアニリン組成物(5)を用いて実施例1と同様にして有機薄膜トランジスタを作製した。得られた有機薄膜トランジスタの各特性を実施例1と同様に測定した。結果を表1に示す。
実施例6
上記製造例1(3)においてクレゾールの代わりに2−ナフトール1mmolを使用し、2―ナフトールの濃度が約0.2mol/Lである導電性ポリアニリン組成物(6)を用いた以外は製造例1(4)と同様にして導電性塗布膜を得た。得られた塗布膜の固有伝導率は122S/cmであった。そこで導電性ポリアニリン組成物(6)を用いて実施例1と同様にして有機薄膜トランジスタを作製した。得られた有機薄膜トランジスタの各特性を実施例1と同様に測定した。結果を表1に示す。
実施例7
有機半導体層を形成する有機半導体として3,10−ジドデシルジベンゾ[a,h]アントラセンを用いた以外は実施例1と同様にして有機薄膜トランジスタを作製した。得られた有機薄膜トランジスタの各特性を実施例1と同様に測定した。結果を表1に示す。
また、得られた有機薄膜トランジスタの出力曲線を図5に示す。図5から、ドレイン電圧が0V近傍領域(丸で囲われた部分)では、出力曲線が直線であり接触抵抗が低減されたことが判明した。
有機半導体の蒸着膜のHOMO準位を製造例1(4)と同様に測定すると5.7eVであった。
比較例1
実施例1と同様にして有機半導体層として4MSBまで成膜した。次いで、金属マスクを通して金を50nmの膜厚で成膜することにより、互いに接しないソース電極及びドレイン電極を、間隔(チャンネル長L)が300μmになるように形成した。そのときソース電極とドレイン電極の幅(チャンネル幅W)は5mmとなるように成膜して有機薄膜トランジスタを作製した。得られた有機薄膜トランジスタの各特性を評価した。結果を表1に示す。
比較例2
実施例7と同様にして、有機半導体層として3,10−ジドデシルジベンゾ[a,h]アントラセンまで成膜した。次いで、金属マスクを通して金を50nmの膜厚で成膜することにより、互いに接しない電荷注入層並びにソース電極及びドレイン電極を、間隔(チャンネル長L)が300μmになるように形成した。そのときソース電極とドレイン電極の幅(チャンネル幅W)は5mmとなるように成膜して有機薄膜トランジスタを作製した。得られた有機薄膜トランジスタの各特性を評価した。結果を表1に示す。
また、得られた有機薄膜トランジスタの出力曲線を図6に示す。図6から、ドレイン電圧が0V近傍領域(丸で囲われた部分)では、出力曲線が折れ曲がり直線から外れ、接触抵抗が大きく、式(1)の特性から逸脱していることがわかった。
Figure 2011132425
実施例及び比較例から明らかなように、特定の導電性ポリアニリン組成物をソース、ドレイン電極に用いた本発明の有機薄膜トランジスタは、低電圧駆動を達成でき、移動度についても高いものが得られることがわかった。
本発明の有機薄膜トランジスタは、ソース電極及びドレイン電極の少なくとも一方に特定の導電性ポリアニリン組成物を用いることにより、駆動電圧が低く、応答速度(駆動速度)が高速で、トランジスタとして高い性能を示す。
上記に本発明の実施形態及び/又は実施例を幾つか詳細に説明したが、当業者は、本発明の新規な教示及び効果から実質的に離れることなく、これら例示である実施形態及び/又は実施例に多くの変更を加えることが容易である。従って、これらの多くの変更は本発明の範囲に含まれる。
この明細書に記載の文献の内容を全てここに援用する。

Claims (8)

  1. 少なくともゲート電極、ソース電極、ドレイン電極、絶縁体層及び有機半導体層を有する有機薄膜トランジスタにおいて、
    ソース電極及びドレイン電極の少なくとも一方が、下記成分(a)及び(b)を含む導電性ポリアニリン組成物からなる有機薄膜トランジスタ。
    (a)下記式(I):
    M(XCR(CR COOR)COOR)p (I)
    {式中、
    Mは、水素原子又は有機若しくは無機遊離基であり、
    Xは、酸性基であり、
    及びRは、それぞれ独立して水素原子、炭化水素基又はR Si−基(ここで、Rは、炭化水素基であり、3つのRは同一又は異なっていてもよい)であり、
    及びRは、それぞれ独立して置換基を有していてもよい炭素数4以上の炭化水素基又は−(RO)q−R10基[ここで、Rは炭化水素基又はシリレン基であり、R10は水素原子、炭化水素基又はR11 Si−(R11は、炭化水素基であり、3つのR11は同一又は異なっていてもよい)であり、qは1以上の整数である]であり、
    pは、Mの価数である}で示される有機プロトン酸又はその塩によってプロトネーションされた置換又は未置換のポリアニリン複合体
    (b)フェノール性水酸基を有する化合物
  2. 前記式(I)で示される有機プロトン酸又はその塩が、下記式(II):
    M(OSCH(CHCOOR12)COOR13)m (II)
    {式中、
    Mは、水素原子又は有機若しくは無機遊離基であり、
    12及びR13は、それぞれ独立して置換基を有していてもよい炭素数4以上の炭化水素基又は−(R14O)r−R15基[ここで、R14は炭化水素基又はシリレン基であり、R15は水素原子、炭化水素基又はR16 Si−基(ここで、R16は炭化水素基であり、3つのR16は同一又は異なっていてもよい)であり、rは1以上の整数である]であり、
    mは、Mの価数である}で示されるスルホコハク酸誘導体である請求項1に記載の有機薄膜トランジスタ。
  3. 前記(b)フェノール性水酸基を有する化合物が、下記式(A)で表わされる化合物である請求項1又は2に記載の有機薄膜トランジスタ。
    Figure 2011132425
    (式中、sは0〜5の整数である。
    101は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、環形成炭素数3〜10のシクロアルキル基、環形成炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアルキルアリール基又は炭素数7〜20のアリールアルキル基であり、sが2以上の場合、複数のR101は同一又は異なっていてもよい。)
  4. 前記(b)フェノール性水酸基を有する化合物が、下記式(B)で表される化合物である請求項1又は2に記載の有機薄膜トランジスタ。
    Figure 2011132425
    (式中、tは0〜7の整数である。
    102は、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、環形成炭素数3〜10のシクロアルキル基、環形成炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアルキルアリール基又は炭素数7〜20のアリールアルキル基であり、tが2以上の場合、複数のR102は同一又は異なっていてもよい。)
  5. 前記(b)フェノール性水酸基を有する化合物が、下記式(C)で表されるである請求項1又は2に記載の有機薄膜トランジスタ。
    Figure 2011132425
    (式中、uは1〜5の整数である。
    103は、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、環形成炭素数3〜10のシクロアルキル基、環形成炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアルキルアリール基、炭素数7〜20のアリールアルキル基又はCOOH基であり、uが2以上の場合、複数のR103は同一又は異なっていてもよい。)
  6. 前記(b)フェノール性水酸基を有する化合物が、下記式(D)で表される化合物である請求項1又は2に記載の有機薄膜トランジスタ。
    Figure 2011132425
    (式中、vは0〜6の整数である
    104は炭化水素基、ヘテロ原子含有炭化水素基、ハロゲン原子、カルボン酸基、アミノ基、SH基、スルホン酸基、又は水酸基であり、vが2以上の場合、複数のR104は同一又は異なっていてもよい。)
  7. 前記(b)フェノール性水酸基を有する化合物が、フェノール、o−,m−若しくはp−クレゾール、カテコール、レゾルシノール、クロロフェノール、サリチル酸、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシナフタレン、フェノール樹脂、ポリフェノール及びポリ(ヒドロキシスチレン)からなる群から選択される1種以上である請求項1又は2に記載の有機薄膜トランジスタ。
  8. 前記有機半導体層のHOMO準位が、AuのHOMO準位より大きい請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタ。
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