JPWO2011114965A1 - 高分子アクチュエータを用いた駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ポリマーにイオン液体が含まれた高分子アクチュエータを駆動する際に、曲げ癖を防止でき、内部でのイオン液体の偏りを解消できるようにする。【解決手段】 アクチュエータ32は、電解質層33と第1の電極層34と第2の電極層35を有している。電解質層33はポリマーとその内部に含まれたイオン液体とで構成されている。第1の電極層34がプラス側の電圧が印加されると、破線で示す駆動状態に変形して、突出部材が駆動される。突出部材が駆動される駆動期間以外のときに、第1の電極層34がマイナス側となる逆電圧が与えられて、アクチュエータ32の曲げ癖などが矯正される。【選択図】図4

Description

本発明は、イオン液体を含むポリマーで形成された高分子アクチュエータの駆動装置に係り、特に、アクチュエータの一方向への曲げ癖を解消でき、またイオン液体の染み出しなどを防止できる駆動装置に関する。
高分子アクチュエータの構造の一つとして、イオン液体とポリマーを含む電解質層の両側に電極層が設けられたものが知られている。電極層の間に電圧を印加すると、ポリマー内のイオンの移動や偏りにより、2つの表面に応力差が生じて、撓み変形が発生する。
以下の特許文献1と特許文献2には、高分子アクチュエータの電極層に与えられる電圧の制御方法に関する発明が開示されている。
特許文献1に記載された発明では、高分子アクチュエータに駆動電圧を与えている駆動期間中に、高周波の反転電圧が間欠的に与えられる。これにより、陽イオンの不必要な電気分解を抑制し、耐久性を向上させようというものである。
特許文献2に記載された発明は、高分子アクチュエータを駆動する駆動期間中に、駆動電圧が間欠的に与えられる。これにより、変位の後の戻り減少を抑制するというものである。
特開2009−77578号公報 特開2009−5436号公報
高分子アクチュエータの一方向の撓み変形によって、突出部材などの被駆動部材を動作させる駆動装置は、高分子アクチュエータに突出方向への変形癖が付きやすく、また撓み変形の際に凸側となる表面に、イオン液体の偏りおよび染み出しが生じやすいという問題がある。
特許文献1と特許文献2に記載の発明は、共に高分子アクチュエータを変形させる駆動期間内において、印加電圧を変化させている。このように、駆動期間内でのみ印加電圧を変化させる制御を、一方向への撓み変形によって被駆動部材を動作させる駆動装置に適用したとしても、高分子アクチュエータの駆動方向への変形の癖などを十分に解消できないおそれがある。
本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、高分子アクチュエータを使用した駆動装置において、駆動方向への変形癖を矯正でき、イオン液体の染み出しなどを防止しやすい駆動装置を提供することを目的としている。
本発明は、イオン液体を含むポリマーで形成されて第1の表面と第2の表面に電極層が設けられた高分子アクチュエータを有し、前記高分子アクチュエータの一部が固定され、前記電極層の間に駆動電圧が印加されて前記第1の表面が凹状となる向きに撓み変形したときに、前記高分子アクチュエータによって被駆動部材が動作させられる駆動装置あって、
前記被駆動部材が動作させられている駆動期間以外のときに、前記電極層の間に前記駆動電圧と逆向きの逆電圧が印加されることを特徴とするものである。
本発明の駆動装置は、高分子アクチュエータの一方向の撓み変形で被駆動部材が駆動されるものである。駆動期間以外のときに、高分子アクチュエータに駆動方向と逆向きの逆電圧を与えることで、駆動方向への曲げ癖を防止しやすくなり、またイオン液体の偏りを防止しやすくなる。
例えば、前記被駆動部材が突出部材であり、前記高分子アクチュエータの自由端によって前記突出部材が筐体の表面から突出させられるものである。
複数の突出部材が筐体の表面から突出させられるものは、点字セルなどのドット表示装置として使用される。
ただし、本発明の駆動装置は、携帯機器などで、接触操作部や操作釦を必要なときに筐体の表面から突出させる操作装置、一時的に表示装置を筐体の表面から突出させる表示装置、操作機構などを切換えるモード切換え装置などに使用することも可能である。
例えば、本発明は、電源が投入されたときに、前記逆電圧を与えて、前記高分子アクチュエータを前記第2の表面が凹状となる向きに撓ませる矯正期間が設けられる。または、前記突出部材を押し出す動作が完了した後に、前記逆電圧を与えて、前記高分子アクチュエータを前記第2の表面が凹状となる向きに撓ませる矯正期間が設けられる。
この場合に、前記矯正期間が駆動期間の長さに応じて設定されることが好ましい。また、前記矯正期間が、前記駆動期間の長さを累積した時間に応じて設定されることが好ましい。
例えば、矯正期間は、駆動期間と同じ時間、または駆動期間を累積したのと同じ時間またはその時間以上に設定される。
本発明では、前記矯正期間は、前記電極層の間に、一定の大きさの前記逆電圧が継続して与えられるものであってもよい。
あるいは、前記矯正期間は、前記電極層の間に一定の大きさの前記逆電圧が間欠的に与えられる。または、前記矯正期間は、前記電極層の間に印加される前記逆電圧の大きさが変化させられる。さらに前記矯正期間は、前記逆電圧が印加させられるとともに、前記駆動電圧と同じ向きの電圧が一時的に印加されるものであってもよい。
上記のように、突出部材を駆動していない期間に、高分子アクチュエータを駆動方向と逆向きに撓み変形させることで、駆動方向への曲げ癖を矯正できるようになる。
また、前記矯正期間中に、前記高分子アクチュエータを加熱すると、曲げ癖の矯正を効率よく行えるようになる。
本発明は、前記駆動期間以外のときに、絶対値が定格電圧以上となる前記逆電圧が短時間だけ与えられるものである。
上記のように、絶対値が定格電圧以上となる前記逆電圧が短時間だけ与えられると、高分子アクチュエータの内部でのイオン液体の偏りや染み出しを抑制しやすくなる。
本発明は、前記逆電圧を与える時間を、装置に設けられた電源の電流供給能力に応じて変更することが好ましい。
例えば、電源の電流供給能力が低下したときに、逆電圧を与える時間を短くしたり、逆電圧を与える回数を少なくする。これにより、電源の消耗を抑制できる。
また、本発明は前記逆電圧を与える処理は、装置に設けられたバッテリーを充電している期間に行うことが好ましい。
特に、絶対値が定格電圧以上となる前記逆電圧が短時間だけ間欠的に与える処理は、バッテリーの充電期間に行うことが、バッテリーの消費電力の消耗を抑制できる点で好ましい。
本発明の駆動装置は、高分子アクチュエータの駆動方向への曲げ癖を矯正しやすくなり、またポリマー内のイオン液体の偏りや、染み出しなどを防止しやすくなる。
高分子アクチュエータを使用した駆動装置の実施の形態であるドット表示装置の分解斜視図、 複数の突出部材と高分子アクチュエータとの配置を示す平面図、 ドット表示装置の部分断面図、 高分子アクチュエータの構造と動作を示す説明図、 駆動回路の説明図、 高分子アクチュエータの駆動制御の説明図、 高分子アクチュエータの駆動制御の説明図、 高分子アクチュエータの駆動制御の説明図、 高分子アクチュエータの駆動制御の説明図、 高分子アクチュエータの駆動制御の説明図、 高分子アクチュエータの駆動制御の説明図、
図1には、本発明の高分子アクチュエータの駆動装置の一実施の形態としてドット表示装置1が示されている。このドット表示装置1は視覚障害者に情報を与える点字セルとして使用される。
図1に示すように、ドット表示装置1は、下ケース10と上ケース20とが重ね合わされて薄型の筐体が構成される。筐体の厚さ方向の中心部に、ドット駆動部30が配置されている。ドット駆動部30は下部配線基板40と上部配線基板50とで挟まれて筐体の内部に収納されている。下ケース10と上ケース20は共に合成樹脂材料で形成されており、複数の固定ねじによって互いに固定されている。
図2に示すように、ドット駆動部30には被駆動部材である複数の突出部材31が設けられている。突出部材31は、合成樹脂材料で形成されている。図3に示すように、突出部材31は、突出方向であるZ1方向に向く先端部が曲面形状の接触部31aであり、退行方向であるZ2方向に向く基端部が突出押圧力を受ける被押圧部31bである。突出部材31の胴回りの中間部にはZ1−Z2方向に所定の幅寸法を有する嵌合溝31cが形成されている。
図1に示すように、上ケース20には、複数の穴21が上下に貫通して形成されている。図3に示すように、上ケース20に形成された穴21は、突出部材31がZ1−Z2方向へ移動できる直径寸法を有している。穴21には、Z1−Z2方向の中間部で、内周面から内側に突出するリング状の支持リブ21aが一体に形成されている。突出部材31が、上ケース20の内側から穴21内へZ1方向へ向けて強く挿入されると、嵌合溝31cと支持リブ21aとが凹凸嵌合し、突出部材31が穴21から抜け落ちないようになる。また、突出部材31は、嵌合溝31cの幅寸法の範囲内で、穴21の内部において、Z1−Z2方向へ動くことができる。
図1に示すように、上ケース20の表面は、指で接触する接触面20aである。前記穴21は6個が1組となって、接触面20aに開口している。6個の穴21で第1の表示部D1が構成され、同じく6個の穴21で第2の表示部D2が構成され、同様に第3の表示部D3、第4の表示部D4、第5の表示部D5、および第6の表示部D6が構成されている。
図2に示すように、ドット駆動部30では、6個の突出部材31で第1のドットマトリクスM1が構成され、第1のドットマトリクスM1を構成するそれぞれの突出部材31が、第1の表示部D1のそれぞれの穴21に装着されている。同じく第2のドットマトリクスM2を構成する6個の突出部材31が、第2の表示部D2の6箇所の穴21に装着されている。同様に、第3のドットマトリクスM3、第4のドッマトリクスM4,第5のドットマトリクスM5および第6のドットマトリクスM6を構成する突出部材31が、第3の表示部D3、第4の表示部D4、第5の表示部D5および第6の表示部D6の6箇所の穴21に装着されている。
1組のドットマトリクスで1文字の点字が表示される。指を上ケース20の接触面20aに沿ってX1方向へ摺動させるときに、6文字の点字情報を得ることができる。
図2に示すように、第1のドットマトリクスM1では、Y1−Y2方向に延びる第1の縦列V1と第2の縦列V2のそれぞれに、突出部材31が3個ずつ配置されている。したがって、X1−X2方向である横列H1,H2,H3には、それぞれ突出部材31が2個ずつ配列されていることになり、第1のドットマトリクスM1は6個の突出部材31を有している。縦列V1,V2での突出部材31の配列は等ピッチで、横列H1,H2,H3での突出部材31の配列も等ピッチであり、縦列の配列ピッチと横列の配列ピッチは同じである。突出部材31の配列は、第2のドットマトリクスM2、第3のドットマトリクスM3などにおいても同じである。
図2に示すように、それぞれのドットマトリクスM1,M2,M3,・・・に、6個の突出部材31のそれぞれに一対一で対応するアクチュエータ32が設けられている。アクチュエータ32は、その配置場所毎に32a,32b,32c,32d,32e,32fの異なる符合を付して区別しているが、全てのアクチュエータ32は同じ構造でありまた形状と寸法が全て同じである。
図4に、アクチュエータ32の構造が断面図で示されている。アクチュエータ32は、高分子アクチュエータであり、板形状の電解質層33と、電解質層33のZ1側に積層された第1の電極層34と、電解質層33のZ2側に積層された第2の電極層35を有している。電解質層33は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)や、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などのポリマーにイオン液体(電解液)が含まれて構成されている。第1の電極層34と第2の電極層35は、前記ポリマーにイオン液体が含まれ、さらに導電フィラーが含まれている。導電フィラーは、カーボンナノチューブなどの炭素材料で構成される。
アクチュエータ32は、第1の電極層34の板表面34aがZ1側の表面に現れ、第2の電極層35の板表面35aがZ2側の表面に現れている。アクチュエータ32は、板表面34aと板表面35aの長さ寸法と幅寸法が、厚さ寸法よりも十分に大きい板形状である。
例えば、電解質層33に含まれる陽イオンが陰イオンよりも大きい場合に、第1の電極層34と第2の電極層35との間に電位差を与え、第1の電極層34をプラス側にすると、陽イオンが第2の電極層35側に偏って分布し、第2の電極層35側がより大きく膨潤する。このとき、図4に示すように、アクチュエータ32は、Z1側が凹状となるように撓み変形する。それぞれのアクチュエータ32は、基端部36が固定され、自由端である先端部37が、突出部材31の被押圧部31bに対向している。アクチュエータ32が図4に破線で示すように撓むと、先端部37によって突出部材31が持ち上げられ、図3において破線で示すように、突出部材31の接触部31aが上ケース20の接触面20aよりもZ1方向へ突出する。
図2では、第1のドットマトリクスM1内での6個のアクチュエータ32の分類と配置を示している。これは、他のドットマトリクスM2,M3,・・・においても同じである。
図2に示すように、第1の縦列V1の中間に位置する突出部材31に対向しているのが第1の中間アクチュエータ32aで、第2の縦列V2の中間に位置する突出部材31に対向しているのが第2の中間アクチュエータ32bである。第1の縦列V1のY1側の端部に位置する突出部材31に対向しているのが第1の端部アクチュエータ32cであり、第1の縦列V1のY2側の端部に位置する突出部材31に対向しているのが第2の端部アクチュエータ32dである。第2の縦列V2では、Y1側の端部の突出部材31に対向しているのが第3の端部アクチュエータ32eであり、Y2側の端部の突出部材31に対向しているのが第4の端部アクチュエータ32fである。
図2に示すように、第1の中間アクチュエータ32aの基端部36から先端部37に延びる中心線は、第1の縦列V1と0度を越え90度未満の角度θを介して斜めに延びている。そして、第1の中間アクチュエータ32aの基端部36は、第1の端部アクチュエータ32cおよび第2の端部アクチュエータ32dのX1側の側辺よりもさらにX1側に突出している。同様に、第2の中間アクチュエータ32bの中心線も、第2の縦列V2に対して角度θで傾いている。第2の中間アクチュエータ32bの基端部36は、第3の端部アクチュエータ32eおよび第4の端部アクチュエータ32fのX2側の側辺よりもさらにX2側に突出している。
そして、隣り合うドットマトリクスどうしでは、第1の中間アクチュエータ32aと第2の中間アクチュエータ32bとがY方向に並んで配置されている。
図1に示す上部配線基板50は、合成樹脂フィルムをベースとする可撓性基板である。上部配線基板50の中央部にX方向に長い切欠き部52が形成されている。上部配線基板50には、前記切欠き部52の内部に向けて一体に延びる第1の中間接続部53aと第2の中間接続部53bが形成されている。第1の中間接続部53aと第2の中間接続部53bは、X方向に間隔を空けて形成されている。上部配線基板50には、切欠き部52のY1側の縁部から切欠き部52に向けて突出する第1の端部接続部53cと第3の端部接続部53eが形成されている。同様に、切欠き部52のY2側の縁部には、第2の端部接続部53dと第4の端部接続部53fが形成されている。
図3に示すように、前記上部配線基板50のそれぞれの接続部53a,53b,53c,53d,53e,53fの先部の下側(Z2側)に、電極部55が設けられている。また上部配線基板50の下面には、それぞれの電極部55に繋がるリード配線がパターン形成されている。
図1に示す下部配線基板40は、樹脂フィルムで形成された可撓性基板である。下部配線基板40は上部配線基板50と上下方向(Z1−Z2方向)に対称な構造である。下部配線基板40には中央部に切欠き部42が形成されている。下部配線基板40から切欠き部42内に第1の中間接続部43aと第2の中間接続部43bが一体に延びている。切欠き部42のY1側には、第1の端部接続部43cと第3の端部接続部43eが形成され、Y2側には、第2の端部接続部43dと第4の端部接続部43fが設けられている。
図3に示すように、下部配線基板40のそれぞれの中間接続部43a,43bおよび端部接続部43c,43d,43e,43fの先部の上側(Z1側)に、電極部45が設けられている。また、下部配線基板40の上面に、それぞれの電極部45に繋がるリード配線がパターン形成されている。
図1に示すように、下ケース10には、それぞれの表示部D1,D2,・・・毎に6個ずつ配列する弾性部12a,12b,12c,12d,12e,12fが形成されている。それぞれの弾性部12a,12b,12c,12d,12e,12fは、基部が下ケース10と一体に形成され、自由端が上下方向(Z1−Z2方向)に弾性変形可能である。それぞれの弾性部12a,12b,12c,12d,12e,12fの自由端に下部押圧部13a,13b,13c,13d,13e,13fが上向きに一体に形成されている。
上ケース20の下面には、下ケース10の下部押圧部13a,13b,13c,13d,13e,13fに個別に対向する上部押圧部25a,25b,25c,25d,25e,25fが下向きの突出して一体に形成されている。これらのうち1つの上部押圧部25dが図3に示されている。
ドット表示装置1の組み立て作業は、最初に全ての突出部材31が上ケース20の穴21にそれぞれ装着される。
その後、ドット駆動部30を構成するアクチュエータ32a,32b,32c,32d,32e,32fとその両側に位置する位置決め部材38,39が、下部配線基板40と上部配線基板50とで挟まれる。さらに下ケース10と上ケース20とで挟まれ、下ケース10と上ケース20とが固定ねじによって、複数箇所で固定される。
図3に示すように、組み立てが完了すると、第2の端部アクチュエータ32dの基端部36が、下部配線基板40の第2の端部接続部43dの先部の電極部45と、上部配線基板50の第2の端部接続部53dの先部の電極部55とで挟まれる。さらに下ケース10の弾性部12dの先部の下部押圧部13dと、上ケース20の上部押圧部25dとで挟まれる。第2の端部アクチュエータ32dの基端部36とその上下に位置する電極部45,55は、弾性部12dの弾性力を受けて、下部押圧部13dと上部押圧部25dとで安定的に保持される。
図3に示すように、第2の端部アクチュエータ32dは、基端部36が保持されているとともに、自由端である先端部37が、突出部材31の被押圧部31bに接触している。下ケース10と上ケース20の内部には、基端部36が保持された第2の端部アクチュエータ32dが、上方向(Z1方向)に撓み変形できる上部空間20bと、下方向(Z2方向)に撓み変形できる下部空間10bとが設けられている。
他のアクチュエータ32の保持構造は、図3に示した第2の端部アクチュエータ32dの保持構造と同じである。
すなわち、第1の中間アクチュエータ32aの基端部36は、下部配線基板40の第1の中間接続部43aに設けられた電極部45と、上部配線基板50の第1の中間接続部53aに設けられた電極部55とで挟まれ、さらに、下ケース10の下部押圧部13aと上ケース20の上部押圧部25aとで挟持されて保持される。第1の中間アクチュエータ32aの先端部37が突出部材31の被押圧部31bに接触している。そして、第1の中間アクチュエータ32aは、下ケース10と上ケース20の内部で上下に撓み変形可能である。
第2の中間アクチュエータ32bの基端部36は、下部配線基板40の第2の中間接続部43bの電極部45と、上部配線基板50の第2の中間接続部53bの電極部55に挟持され、さらに、下ケース10の下部押圧部13bと上ケース20の上部押圧部25bとで挟持される。同様に、第1の端部アクチュエータ32c、第3の端部アクチュエータ32e、第4の端部アクチュエータ32fは、下部配線基板40の端部接続部43c,43e,43fの電極部45と、上部配線基板50の端部接続部53c,53e,53fの電極部55で挟まれ、さらに下ケース10の下部押圧部13c,13e,13fと上ケース20の上部押圧部25b,25e,25fとで挟持される。
図5に、それぞれのアクチュエータ32に電圧を与える電源回路61が示されている。この電源回路61はHブリッジであり、スイッチ動作を行う4つの能動素子Q1,Q2,Q3,Q4が設けられている。制御部62によって、4つの能動素子Q1,Q2,Q3,Q4が選択されて切換えられることで、アクチュエータ32の第1の電極層34と第2の電極層35とに電圧が印加される。この電源回路61は、全てのアクチュエータ32に個別に設けられている。
前記ドット表示装置1の動作は、図1に示す表示部D1の穴21に位置する第1のドットマトリクスM1を構成する突出部材31を選択して突出させる。その制御は、第1のドットマトリクスM1に位置する6個のアクチュエータ32a,32b,32c,32d,32e,32fのいずれかを選択し、通電することで行われる。図4に示すように、選択されたアクチュエータ32の第1の電極層34と第2の電極層35とに電圧を与え、第1の電極層34側をプラス側の電位とすることで、陽イオンが第2の電極層35側へ移動し、第2の電極層35側が膨潤して、アクチュエータ32が破線で示す向きに撓み変形する。この撓み力で、突出部材31が上ケース20の接触面20aから突出する。1つの表示部D1の6個のドットのいずれかを突出させることで、点字の1文字が表現される。
同様に、第2の表示部D2に位置する第2のドットマトリクスM2を駆動して、1文字の点字表示を行う。これを表示部D3,D4,D5,D6においても同様に行い、接触面20aを指で例えばX1方向へなぞることで、6文字分の点字情報を得ることができる。表示部D6の点字情報までを読み取った後に、表示を切り替えて表示部D1ないしD6に新たな点字情報を表示させ、再び指をX1方向へなぞり、これを繰り返すことで、視覚障害者などに長い点字情報を与えることが可能になる。
図6以下は、アクチュエータ32への電圧印加の制御例を示している。図6以下では、第1の電極層34にプラス側の電位が与えられ、第2の電極層35にマイナス側の電位が与えられる駆動電圧の印加を「+V」で示し、第1の電極層34にマイナス側の電位が与えられ、第2の電極層35にプラス側の電位が与えられる逆電圧の印加を「−V」で示している。
図6に示す制御例では、電源が投入された後でドット表示装置1の動作が開始する前に、第1の矯正期間T1が設定される。第1の矯正期間T1では、制御部62によって全ての電源回路61が制御され、全てのアクチュエータ32に対し、逆電圧「−V」が与えられる。全てのアクチュエータ32は、図4の破線とは逆向きで、第2の電極層35の板表面35aが凹状となる向きに撓み変形する。このとき、それぞれのアクチュエータ32の先端部37は、突出部材31から離れて下ケース10側に向けて変位する。
図6では、第1の矯正期間T1の後に、いずれか選択されたアクチュエータ32に駆動電圧「+V」が与えられる。この駆動期間をT2で示している。駆動期間T2では、図4に示すように、アクチュエータ32は第1の電極層34の板表面34aが凹状となる向きに撓み変形し、先端部37で突出部材31が押され、突出部材31の接触部31aが、上ケース20の接触面20aから突出する。また、駆動期間T2が経過した後に、第2の矯正期間T3が設けられ、アクチュエータ32に逆電圧「−V」が与えられて、アクチュエータ32は、先端部37がZ2方向へ向くように変形させられる。
図6に示すように、駆動期間T2の終了と連続して第2の矯正期間T3に移行する。または駆動期間T2が経過した後に、駆動期間T2よりも短い時間を空けてから第2の矯正期間T3に移行してもよい。
電源投入直後に第1の矯正期間T1を設けて、アクチュエータ32を駆動方向と逆向きに変形させることで、アクチュエータ32を構成するポリマーの駆動方向への曲げ癖を矯正することができる。全てのアクチュエータ32に第1の矯正期間T1を設けることで、駆動されていない突出部材31が上ケース20の接触面20aから突出していたとしても、これを矯正することができる。
また、駆動期間T2の後に第2の矯正期間T3を設けることで、駆動期間T2中において図4で破線で示すように、駆動方向への曲げ癖が発生しても、直ちにこれを除去することができる。
ここで、曲げ癖とは、アクチュエータ32を構成しているポリマーに機械的な曲げ応力が残留する場合と、第1の電極層34と第2の電極層35との間での陽イオンと陰イオンの偏りが解消されずに、イオンの偏りに起因して内部に応力が残る場合の双方を意味する。
矯正期間T1とT3で逆電圧「−V」を印加させ、ポリマーを駆動時とは逆の向きに強制的に曲げ変形させることで、ポリマーの機械的な応力の残留を解消できる。また駆動期間T2とは逆の電圧「−V」を印加させることで、アクチュエータ32の内部でのイオン液体の偏りを解消でき、突状に曲げられたアクチュエータの表面にイオン液体が滲み出るなどの問題も解消できるようになる。
図6に示す第1の矯正期間T1と第2の矯正期間T3は、駆動期間T2の長さに応じて設定することが好ましい。駆動期間T2が長くなったときには、矯正期間T3を長めに確保することにより駆動方向への曲げ癖を解消しやすくなり、駆動していない突出部材31が操作面20aから突出するのを防止できるようになる。また、矯正期間T3は、その直前の駆動期間T2と同じ時間、またはそれ以上の時間であることが好ましい。
第1の矯正期間T1は、電源が投入されてから装置全体が動作完了の状態になるまでのいわゆる起動時間にあわせて設定される。例えば数ミリ秒から数秒に設定される。
図2に示すように、ドットマトリクスに設けられた複数の突出部材31がアクチュエータによって選択的に駆動される装置では、いずれかのアクチュエータが駆動されているときに他のアクチュエータが駆動されていないことが多い。このような場合に、いずれかのアクチュエータが駆動されている駆動期間T2に、休止しているアクチュエータについて矯正期間T3を設定して、逆電圧−Vを印加する制御が可能である。それぞれのアクチュエータ毎に、駆動期間T2と矯正期間T3を積算し、アクチュエータ毎に駆動期間T2と矯正期間T3のどちらかが極端に長くなる偏りが生じないように、矯正期間T3の時間が調整されることが好ましい。
図7に示す制御例では、電源投入後の第1の矯正期間T4と、駆動期間T2の直後に設けられる第2の矯正期間T5において、アクチュエータ32に逆電圧「−V」が短時間で間隔を空けて間欠的に印加される。この制御例では、矯正期間T4,T5において、アクチュエータ32の電解質層33内に電圧を断続的に与えることができ、イオンの偏りを防止し、イオンを均一に分散させやすくなる。この場合も、矯正期間T4とT5のそれぞれの長さを、駆動期間T2に応じて設定することが好ましい。例えば、駆動期間T2が長くなった場合には矯正期間T4とT5を長く設定する。このときの矯正期間T5は駆動期間T2と同じ時間に設定してもよいし、駆動期間T2よりも長くしてもよい。さらには、矯正期間T4とT5のそれぞれにおいて、パルス状の逆電圧「−V」を印加する累積時間(逆電圧のパルス長の累積時間)も、駆動期間T2に応じて設定することが好ましい。
図8に示す制御例では、電源投入時や駆動期間T2の直後に、矯正期間T6が設定される。この矯正期間T6では、アクチュエータ32にパルス状の逆電圧「−V」が間隔を空けて間欠的に与えられる。またパルス状の逆電圧「−V」の休止期間のうちのP1,P2で示す期間に、駆動電圧「+V」と同じ極性の電圧が与えられる。期間P1,P2の電圧の大きさは駆動期間T2での駆動電圧「+V」と同じでもよいが、駆動電圧「+V」よりも低いことが好ましい。また、駆動電圧「+V」のパルスの休止期間の全てにおいて期間P1,P2と同じ電圧が与えられてもよい。
図8の制御例では、矯正期間T6において、電解質層33に作用する電位差の極性を交互に変えることができるため、イオンの偏りを均一化しやすくなる。
図9に示す制御例では、電源投入時や駆動期間T2の直後に、矯正期間T7が設定される。この矯正期間T7では、逆電圧「−V」の大きさが段階的に変化させられている。
図10に示す制御例では、アクチュエータ32の駆動期間T2以外の期間に、電極層34と電極層35との間に逆電圧「−Va」の短時間TaのパルスPa,Paが与えられる。逆電圧「−Va」の絶対値は、アクチュエータを駆動する定格電圧「+V」の絶対値よりも十分に大きく、絶対値が1.5倍以上または2倍以上である。また1つのパルスPaの長さTaは、0.1秒未満である。
このように、駆動側と逆向きの大きな電圧を与えることで、アクチュエータ32の内部のイオンの偏り、およびイオン液体の偏りを矯正し、イオン液体が第2の電極35側に偏ったり、第2の電極層35の板表面35aから滲み出るのを防止する効果を高くできる。また絶対値が定格電圧以上の大きさの逆電圧「−Va」を与える時間を0.1秒未満の短時間とすることで、高電圧による電気分解が促進されるのを阻止しやすくなる。
なお、携帯機器などのように電池容量に制限がある装置では、電池残量が少なくなったときに、前記のいずれかの逆電圧を与える処理を行わないようにあるいはその期間を短縮するように制御できる。
例えば、図7、図8、図9の制御例において、電池残量が少なくなった場合に、駆動期間T2の直前に設定される矯正期間を短くしたり、矯正期間を設けずに制御することもできる。この間に、駆動期間および短く設定した矯正期間を累積して記憶してき、電池が交換されたりACアダプタがつながれたりして電源の電流供給能力が回復したときに、記憶していた駆動期間や矯正期間の累積時間に応じて、矯正期間を設定することができる。
また、機器のバッテリーを充電している期間中は、十分に電流を供給できることができるため、前記のいずれかの逆電圧を与える処理を優先的に行うことができる。充電器などにセットされて機器が使用されないことが予測されるときには、累積した駆動期間に応じた矯正期間を十分に確保することができる。特に、図10に示すように絶対値が定格電圧以上の大きさの逆電圧「−Va」を間欠的に与える制御や、図7、図8のような逆電位の間欠的なパルス電圧を与える制御は、第1の電極層34と第2の電極層35との間に瞬時に流れる電流が多くなり、電流の消費量が大きくなる。よって、図10または図7,8に示す制御は、バッテリーの充電期間などに行われることが好ましい。
また、それぞれのアクチュエータ32にヒータを併設し、図11に示すように、アクチュエータ32に逆電圧「−V」を印加する矯正期間T8のときに、ヒータへの通電期間Thを設けて、アクチュエータ32を加熱してもよい。加熱状態で矯正動作を行うことで、曲げ癖やイオンの偏りを短時間で矯正しやすくなる。
1 ドット表示装置
10 下ケース
12a,12b,12c,12d,12e,12f 弾性部
13a,13b,13c,13d,13e,13f 下部押圧部
20 上ケース
21 穴
30 ドット駆動部
31 突出部材
32 アクチュエータ
32a 第1の中間アクチュエータ
32b 第2の中間アクチュエータ
32c 第1の端部アクチュエータ
32d 第2の端部アクチュエータ
32e 第3の端部アクチュエータ
32f 第4の端部アクチュエータ
33 電解質層
34 第1の電極層
35 第2の電極層
36 基端部
37 先端部
40 下部配線基板
43a 第1の中間接続部
43b 第2の中間接続部
43c 第1の端部接続部
43d 第2の端部接続部
43e 第3の端部接続部
43f 第4の端部接続部
45 電極部
50 上部配線基板
53a 第1の中間接続部
53b 第2の中間接続部
53c 第1の端部接続部
53d 第2の端部接続部
53e 第3の端部接続部
53f 第4の端部接続部
55 電極部
D 表示部
M ドットマトリクス
T1,T3,T4,T5,T6,T7,T8 矯正期間
T2 駆動期間
特許文献2に記載された発明は、高分子アクチュエータを駆動する駆動期間中に、駆動電圧が間欠的に与えられる。これにより、変位の後の戻り現象を抑制するというものである。
図1に示す下部配線基板40は、合成樹脂フィルムで形成された可撓性基板である。下部配線基板40は上部配線基板50と上下方向(Z1−Z2方向)に対称な構造である。下部配線基板40には中央部に切欠き部42が形成されている。下部配線基板40から切欠き部42内に第1の中間接続部43aと第2の中間接続部43bが一体に延びている。切欠き部42のY1側には、第1の端部接続部43cと第3の端部接続部43eが形成され、Y2側には、第2の端部接続部43dと第4の端部接続部43fが設けられている。
図1に示すように、下ケース10には、それぞれの表示部D1,D2,・・・毎に6個ずつ配列する弾性部12a,12b,12c,12d,12e,12fが形成されている。それぞれの弾性部12a,12b,12c,12d,12e,12fは、基端部が下ケース10と一体に形成され、自由端が上下方向(Z1−Z2方向)に弾性変形可能である。それぞれの弾性部12a,12b,12c,12d,12e,12fの自由端に下部押圧部13a,13b,13c,13d,13e,13fが上向きに一体に形成されている。
矯正期間T1とT3で逆電圧「−V」を印加させ、ポリマーを駆動時とは逆の向きに強制的に曲げ変形させることで、ポリマーの機械的な応力の残留を解消できる。また駆動期間T2とは逆の電圧「−V」を印加させることで、アクチュエータ32の内部でのイオン液体の偏りを解消でき、凸状に曲げられたアクチュエータの表面にイオン液体が滲み出るなどの問題も解消できるようになる。
図6に示す第1の矯正期間T1と第2の矯正期間T3は、駆動期間T2の長さに応じて設定することが好ましい。駆動期間T2が長くなったときには、矯正期間T3を長めに確保することにより駆動方向への曲げ癖を解消しやすくなり、駆動していない突出部材31が接触面20aから突出するのを防止できるようになる。また、矯正期間T3は、その直前の駆動期間T2と同じ時間、またはそれ以上の時間であることが好ましい。
図10に示す制御例では、アクチュエータ32の駆動期間T2以外の期間に、電極層34と電極層35との間に逆電圧「−Va」の短時間TaのパルスPa,Paが与えられる。逆電圧「−Va」の絶対値は、アクチュエータ32を駆動する定格電圧「+V」の絶対値よりも十分に大きく、絶対値が1.5倍以上または2倍以上である。また1つのパルスPaの長さTaは、0.1秒未満である。
このように、駆動側と逆向きの大きな電圧を与えることで、アクチュエータ32の内部のイオンの偏り、およびイオン液体の偏りを矯正し、イオン液体が第2の電極層35側に偏ったり、第2の電極層35の板表面35aから滲み出るのを防止する効果を高くできる。また絶対値が定格電圧以上の大きさの逆電圧「−Va」を与える時間を0.1秒未満の短時間とすることで、高電圧による電気分解が促進されるのを阻止しやすくなる。

Claims (14)

  1. イオン液体を含むポリマーで形成されて第1の表面と第2の表面に電極層が設けられた高分子アクチュエータを有し、前記高分子アクチュエータの一部が固定され、前記電極層の間に駆動電圧が印加されて前記第1の表面が凹状となる向きに撓み変形したときに、前記高分子アクチュエータによって被駆動部材が動作させられる駆動装置あって、
    前記被駆動部材が動作させられている駆動期間以外のときに、前記電極層の間に前記駆動電圧と逆向きの逆電圧が印加されることを特徴とする駆動装置。
  2. 前記被駆動部材が突出部材であり、前記高分子アクチュエータの自由端によって前記突出部材が筐体の表面から突出させられる請求項1記載の駆動装置。
  3. 電源が投入されたときに、前記逆電圧を与えて、前記高分子アクチュエータを前記第2の表面が凹状となる向きに撓ませる矯正期間が設けられる請求項1または2記載の駆動装置。
  4. 前記被駆動部材の動作が完了した後に、前記逆電圧を与えて、前記高分子アクチュエータを前記第2の表面が凹状となる向きに撓ませる矯正期間が設けられる請求項1ないし3のいずれかに記載の駆動装置。
  5. 前記矯正期間が駆動期間の長さに応じて設定される請求項3または4記載の駆動装置。
  6. 前記矯正期間が、前記駆動期間の長さを累積した時間に応じて設定される請求項5記載の駆動装置。
  7. 前記矯正期間は、前記電極層の間に、一定の大きさの前記逆電圧が継続して与えられる請求項3ないし6のいずれかに記載の駆動装置。
  8. 前記矯正期間は、前記電極層の間に一定の大きさの前記逆電圧が間欠的に与えられる請求項3ないし6のいずれかに記載の駆動装置。
  9. 前記矯正期間は、前記電極層の間に印加される前記逆電圧の大きさが変化させられる請求項3ないし6のいずれかに記載の駆動装置。
  10. 前記矯正期間は、前記逆電圧が印加させられるとともに、前記駆動電圧と同じ向きの電圧が一時的に印加される請求項3ないし6のいずれかに記載の駆動装置。
  11. 前記矯正期間中に、前記高分子アクチュエータを加熱する請求項3ないし10のいずれかに記載の駆動装置。
  12. 前記駆動期間以外のときに、絶対値が定格電圧以上となる前記逆電圧を短時間だけ与える処理が行われる請求項1または2記載の駆動装置。
  13. 前記逆電圧を与える時間を、装置に設けられた電源の電流供給能力に応じて変更する請求項1または2記載の駆動装置。
  14. 前記逆電圧を与える処理は、装置に設けられたバッテリーを充電している期間に行う請求項1または2記載の駆動装置。
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