JPWO2011102062A1 - 振動型慣性力センサ - Google Patents

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Abstract

慣性力の検出感度が、振動型慣性力センサの個体バラツキ、半導体素子の抵抗、容量、MOSFETの製造バラツキ、周辺温度や電源電圧等の環境変化による影響を受けにくく、VGA回路の増幅率の変化がコントロール信号の変化に対して略線型となる振動型慣性力センサを提供する。振動型慣性力センサは、振動子1と、発振回路部2と、検出回路部3とを備える。発振回路部2は、振動子1を共振素子とした閉ループの自励発振回路として機能し、AGC回路24を有している。AGC回路24は、VGA回路と、所定の基準電圧とモニタ信号の電圧とを比較し、比較した結果に基づきコントロール信号を出力する比較回路と、コントロール信号をパルス幅変調信号に変調するパルス幅変調回路とを有し、パルス幅変調信号に基づき、VGA回路の出力のオン状態とオフ状態とを切り替えて駆動信号を変調し、VGA回路の増幅率の大きさを制御する。

Description

本発明は、慣性力を検出する慣性力センサに関し、特に、振動子を用いて慣性力を検出する振動型慣性力センサに関する。
振動型慣性力センサは、例えば、慣性力に基づく角速度を検出する角速度センサとして使用される。振動型慣性力センサは、角速度を検出するための振動子、振動子に駆動信号を供給する発振回路部、及び振動子の角速度を検出する検出回路部を備えている。振動子には、静電駆動・容量検出型、圧電駆動・圧電検出型等がある。振動子は、角速度により振動する振動体、振動体を駆動する駆動手段、振動体の振幅の大きさ(振動子の振動状態)に応じたモニタ信号を発振回路部にフィードバックするモニタ手段、振動体のコリオリ力による振動変位に基づく検出信号を出力する検出手段を備えている。
発振回路部は、振動子を共振素子とした閉ループの自励発振回路として構成され、振動体の振幅の大きさに応じたモニタ信号から駆動信号を生成し、駆動信号を振動子に供給して振動体の駆動を制御する。検出回路部は、振動子の検出手段から入力した検出信号に基づいて、角速度検出信号を生成し、出力する。なお、角速度検出信号は、振動子の角速度の大きさに応じた直流電圧である。
振動型慣性力センサは、発振回路部を自励発振回路として構成することで、角速度の検出感度を安定させているが、振動子の周辺温度や電源電圧等の環境変化や経時変化等により角速度の検出感度が不安定になる場合があった。そこで、振動型慣性力センサにおける、角速度の検出感度を安定させることができる回路構成が特許文献1及び2に開示されている。特許文献1に開示されている振動型慣性力センサは、発振回路部が、振動子のモニタ手段からフィードバックされたモニタ信号の位相を調整するための位相回路と、モニタ信号を増幅する自動利得制御回路(AGC回路)とを有している。そのため、特許文献1に開示されている振動型慣性力センサは、角速度の検出感度の変動がモニタ信号の電圧の変動として現れ、AGC回路がモニタ信号の電圧の変動に基づいて振動子に供給する駆動信号の電圧を制御することで、角速度の検出感度を安定させることができる。
また、特許文献2に開示されている振動型慣性力センサは、発振回路部(帰還増幅部)がAGC回路を有し、AGC回路がモニタ信号から振動体の振動を一定とするような駆動信号を生成し、出力する。そのため、特許文献2に開示されている振動型慣性力センサは、振動子を常に共振状態でしかも一定の振動で振動させることができ、周辺温度が変化した場合でも、角速度の検出感度を安定させることができる。
特開平6−74774号公報 特開2000−283767号公報
AGC回路は、整流回路、比較回路、可変利得増幅回路(VGA回路)で構成されている。整流回路は、AGC回路に入力したモニタ信号を整流し、比較回路は、整流回路で整流したモニタ信号の電圧を、基準電圧と比較し、比較した結果に基づきVGA回路の増幅率(利得)の大きさを制御するコントロール信号を出力する。VGA回路は、比較回路から入力したコントロール信号に基づく増幅率で、AGC回路に入力したモニタ信号を増幅し、駆動信号として出力する。
しかし、従来技術では、特許文献1に開示されるように、VGA回路の増幅率の大きさをVGA回路の電流・電圧で制御するVGA回路を使用するため、VGA回路を構成する半導体の物性により、増幅率が周辺温度や電源電圧等の環境変化によって大きく変化し、VGA回路の増幅率の変化がコントロール信号の変化に対して非線型となる。図12は、従来のVGA回路の構成を示す回路図である。具体的に、図12に示す従来のVGA回路の回路図を用いて説明する。図12に示すVGA回路は、MOSFET100を備え、MOSFET100のゲート端子にコントロール信号(AGCO信号)を入力することで、MOSFET100の相互コンダクタンスGm、Gdsを変化させてVGA回路の増幅率の大きさを制御する。図12に示すVGA回路の増幅率は、抵抗Ra、Rb、Rcと相互コンダクタンスGm、Gdsにより、[{Ra+Rb+(Rc//(Gm+Gds))}/{Rb+(Rc//(Gm+Gds))}]として求めることができる。抵抗Ra、Rb、Rc及び相互コンダクタンスGm、Gdsに影響を与えるMOSFET100の閾値電圧や移動度等は、周辺温度により値が大きく変化するので、図12に示すVGA回路の増幅率は、周辺温度や電源電圧等の環境変化によって大きく変化する。また、MOSFET100のオン抵抗の変化でVGA回路を構成しているため増幅率の変化がコントロール信号の変化に対して非線型となる。そのため、従来のVGA回路を使用したAGC回路を振動型慣性力センサの発振回路部に用いた場合、慣性力(角速度)の検出感度が、振動型慣性力センサの個体バラツキ、半導体素子の抵抗、容量、MOSFETの製造バラツキ、周辺温度や電源電圧等の環境変化により大きく影響を受けるという問題があった。また、従来のVGA回路を使用したAGC回路を振動型慣性力センサの発振回路部に用いた場合、VGA回路の増幅率の変化がコントロール信号の変化に対して非線型となるため、微小範囲でしか線型とみなすことができず、モジュール設計時に使用可能なVGA回路の増幅率の可変範囲が狭くなるという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、慣性力(角速度)の検出感度が、振動型慣性力(角速度)センサの個体バラツキ、半導体素子の抵抗、容量、MOSFETの製造バラツキ、周辺温度や電源電圧等の環境変化による影響を受けにくく、VGA回路の増幅率の変化がコントロール信号の変化に対して略線型となる振動型慣性力センサを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために第1発明に係る振動型慣性力センサは、慣性力を検出する振動子と、該振動子に駆動信号を供給する発振回路部と、前記振動子の慣性力を検出する検出回路部とを備え、前記発振回路部は、前記振動子を共振素子とした閉ループの自励発振回路として機能し、前記振動子の振動状態に応じたモニタ信号を増幅して前記駆動信号を生成し、該駆動信号を前記振動子に供給する自動利得制御回路を有し、該自動利得制御回路は、前記モニタ信号を増幅する増幅回路と、所定の基準電圧と前記モニタ信号の電圧とを比較し、比較した結果に基づき前記増幅回路の増幅率の大きさを制御するコントロール信号を出力する比較回路と、該比較回路から出力した前記コントロール信号を、前記モニタ信号よりも周波数の高いパルス幅変調信号に変調するパルス幅変調回路とを有し、該パルス幅変調回路で変調した前記パルス幅変調信号に基づき、前記増幅回路の出力のオン状態とオフ状態とを切り替えて前記駆動信号を変調し、前記増幅回路の増幅率の大きさを制御する。
第1発明では、振動子と、発振回路部と、検出回路部とを備える振動型慣性力センサにおいて、発振回路部は、自動利得制御回路を有し、振動子を共振素子とした閉ループの自励発振回路として機能する。自動利得制御回路は、増幅回路と、所定の基準電圧とモニタ信号の電圧とを比較し、比較した結果に基づき増幅回路の増幅率の大きさを制御するコントロール信号を出力する比較回路と、比較回路から出力したコントロール信号を、モニタ信号よりも周波数の高いパルス幅変調信号に変調するパルス幅変調回路とを有する。そのため、増幅回路の増幅率の大きさを増幅回路の電流・電圧で制御するのではなく、スイッチ切替周期(パルス幅)で制御する。より詳細には、コントロール信号をパルス幅変調回路で変調したパルス幅変調信号に基づき、増幅回路の出力のオン状態とオフ状態とを切り替えて駆動信号を変調し、増幅回路の増幅率の大きさを制御するので、増幅回路を構成する半導体の物性による影響を小さくすることができる。また、慣性力の検出感度が、振動型慣性力センサの個体バラツキ、半導体素子の抵抗、容量、MOSFETの製造バラツキ、周辺温度や電源電圧等の環境変化による影響を受けにくく、増幅回路の増幅率の変化がコントロール信号の変化に対して略線型となる。したがって、モジュール設計時に使用可能なVGA回路の増幅率の可変範囲は広くなる。
また、第2発明に係る振動型慣性力センサは、第1発明において、前記増幅回路の後段に、前記パルス幅変調信号に基づき、前記増幅回路の出力のオン状態とオフ状態とを切り替えて変調した前記駆動信号を復調する復調回路を備える。
第2発明では、増幅回路の後段に、パルス幅変調信号に基づき、増幅回路の出力のオン状態とオフ状態とを切り替えて変調した駆動信号を復調する復調回路を備えるので、モニタ信号よりも周波数の高いパルス幅変調信号の成分を含まない駆動信号に復調することができ、パルス幅変調信号の成分が検出回路部から検出信号のノイズとして出力されることを回避することができる。
また、第3発明に係る振動型慣性力センサは、第1又は第2発明において、前記比較回路が、所定のコントロール信号の増幅率で、所定の基準電圧と前記モニタ信号の電圧との差を増幅して前記コントロール信号を出力する場合、前記モニタ信号の電圧と所定の基準電圧との比に対する前記増幅回路の増幅率の傾きの絶対値が、略320dB以下である。
第3発明では、比較回路が、所定のコントロール信号の増幅率で、所定の基準電圧とモニタ信号の電圧との差を増幅してコントロール信号を出力する場合、モニタ信号の電圧と所定の基準電圧との比に対する増幅回路の増幅率の傾きの絶対値が、略320dB以下であるので、発振回路部の動作が安定した範囲で慣性力を検出することができる。なお、比較回路が、所定のコントロール信号の増幅率で、所定の基準電圧とモニタ信号の電圧との差を増幅してコントロール信号を出力し、増幅回路の増幅率の大きさを制御する場合、コントロール信号の増幅率に代わる指標として、モニタ信号の電圧と所定の基準電圧との比に対する増幅回路の増幅率の傾きを用いることができる。モニタ信号の電圧と所定の基準電圧との比は、モニタ信号相対値と呼ばれ、モニタ信号の電圧が所定の基準電圧に調整された場合の値は1となる。モニタ信号相対値に対する増幅回路の増幅率の傾きは常に負であり、当該傾きの絶対値はコントロール信号の増幅率に相当する。
本発明に係る振動型慣性力センサは、振動子と、発振回路部と、検出回路部とを備え、発振回路部は、自動利得制御回路を有し、振動子を共振素子とした閉ループの自励発振回路として機能する。自動利得制御回路は、増幅回路と、所定の基準電圧とモニタ信号の電圧とを比較し、比較した結果に基づき増幅回路の増幅率の大きさを制御するコントロール信号を出力する比較回路と、比較回路から出力したコントロール信号を、モニタ信号よりも周波数の高いパルス幅変調信号に変調するパルス幅変調回路とを有する。そのため、増幅回路の増幅率の大きさを増幅回路の電流・電圧で制御するのではなく、スイッチ切替周期(パルス幅)で制御する。より詳細には、コントロール信号をパルス幅変調回路で変調したパルス幅変調信号に基づき、増幅回路の出力のオン状態とオフ状態とを切り替えて駆動信号を変調し、増幅回路の増幅率の大きさを制御するので、増幅回路を構成する半導体の物性による影響を小さくすることができる。また、慣性力の検出感度が、振動型慣性力センサの個体バラツキ、半導体素子の抵抗、容量、MOSFETの製造バラツキ、周辺温度や電源電圧等の環境変化による影響を受けにくく、増幅回路の増幅率の変化がコントロール信号の変化に対して略線型となる。したがって、モジュール設計時に使用可能なVGA回路の増幅率の可変範囲は広くなる。
本発明の実施の形態に係る振動型慣性力センサの構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係る振動型慣性力センサのAGC回路の構成を示すブロック図である。 MOSFETの相互コンダクタンスGm、Gdsを変化させて増幅率の大きさを制御するVGA回路の構成を示す回路図である。 MOSFETの相互コンダクタンスGm、Gdsを変化させて増幅率の大きさを制御するVGA回路を使用した場合の、コントロール信号の電圧に対するVGA回路の増幅率の変化を示す例示図である。 本発明の実施の形態に係る振動型慣性力センサのPWM回路の構成を示す回路図である。 AGCO信号及びノコギリ波と、AGCO信号の変調信号との関係を示す例示図である。 本発明の実施の形態に係る振動型慣性力センサのPWM回路の別の構成を示す回路図である。 矩形波、ノコギリ波A、サンプルホールド回路の状態、ステップ応答回路の出力信号、ノコギリ波B、第2コンパレータの出力信号である変調信号のそれぞれのタイミングを示すタイミングチャートである。 本発明の実施の形態に係る振動型慣性力センサのVGA回路の構成を示す回路図である。 PWM回路によりVGA回路の出力信号を変調する場合の、コントロール信号の電圧に対するVGA回路の増幅率の変化を示す例示図である。 本発明の実施の形態に係る振動型慣性力センサの別の構成を示すブロック図である。 従来のVGA回路の構成を示す回路図である。 モニタ信号の電圧と所定の基準電圧との比と、VGA回路の増幅率との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態に係る振動型慣性力センサについて、図面を用いて具体的に説明する。以下の実施の形態は、特許請求の範囲に記載された発明を限定するものではなく、実施の形態の中で説明されている特徴的事項の組み合わせの全てが解決手段の必須事項であるとは限らないことは言うまでもない。
図1は、本発明の実施の形態に係る振動型慣性力センサの構成を示すブロック図である。本発明の実施の形態に係る振動型慣性力センサは、慣性力に基づく角速度を検出する角速度センサとして使用されるものとして以下説明する。図1に示す振動型慣性力センサは、角速度(慣性力)を検出する振動子1、振動子1に駆動信号を供給する発振回路部2、振動子1の角速度を検出する検出回路部3を備えている。
振動子1は、静電駆動・容量検出型であって、振動体11、振動体11を駆動する駆動手段12、振動体11の振幅の大きさ(振動子1の振動状態)に応じたモニタ信号を発振回路部2にフィードバックするモニタ手段13、振動体11のコリオリ力による振動変位に基づく検出信号を出力する検出手段14を有している。振動体11は、シリコン材料、ガラス材料等からなる振動基板により構成されている。
発振回路部2は、振動子1を共振素子とした閉ループの自励発振回路として機能し、CV変換回路21、信号増幅回路22、フィルタ回路23及びAGC回路(自動利得制御回路)24を有している。なお、本発明の実施の形態に係るAGC回路24は、後述するように出力信号を変調(パルス幅変調)する。
発振回路部2は、振動子1の駆動手段12及びモニタ手段13と接続され、モニタ手段13からモニタ信号がCV変換回路21にフィードバックされる。モニタ手段13からフィードバックされたモニタ信号は、振動体11の振幅の大きさに応じた静電容量に基づくモニタ信号である。そのため、CV変換回路21は、振動体11の振幅の大きさに応じた静電容量に基づくモニタ信号を、静電容量の変化量に対応した電圧に基づくモニタ信号に変換する。信号増幅回路22は、CV変換回路21で変換したモニタ信号を、所定の増幅率(利得)で増幅し、フィルタ回路23は、信号増幅回路22で増幅したモニタ信号から所定の信号を取り除く。AGC回路24は、フィルタ回路23から入力したモニタ信号を増幅し、振動子1の駆動信号として駆動手段12に供給する。
検出回路部3は、検出回路31、信号処理回路32及び信号調整回路33を有している。
検出回路31は、振動子1の検出手段14から入力した検出信号を、振動体11のコリオリ力による振動変位に対応した電圧に基づく検出信号に変換し、出力する。信号処理回路32は、検出回路31から入力した検出信号から、角速度の大きさに応じた角速度信号を取り出す等の信号処理を行う。信号調整回路33は、信号処理回路32で信号処理された検出信号に対して位相の調整等を行い、角速度検出信号として出力する。
上述したように発振回路部2は、AGC回路24でモニタ信号を増幅し、増幅したモニタ信号を振動子1の駆動信号として駆動手段12に供給する。図2は、本発明の実施の形態に係る振動型慣性力センサのAGC回路24の構成を示すブロック図である。図2に示すように、AGC回路24は、整流回路241、比較・平滑化回路242、PWM回路(パルス幅変調回路)243、VGA回路(可変利得増幅回路)244を備えている。なお、VGA回路244は、PWM回路243でパルス幅変調したAGCO信号(パルス幅変調信号)に基づいて増幅率の大きさを制御することが可能である。
整流回路241は、フィルタ回路23から入力したモニタ信号を整流して直流電圧であるモニタ信号の電圧(RECT電圧)に変換し、出力する。比較・平滑化回路242は、整流回路241が出力したRECT電圧と、振動子1の基準振幅に対応する所定の基準電圧(VCTRL電圧)とを比較し、比較した結果に基づきVGA回路244の増幅率(利得)の大きさを制御するコントロール信号(AGCO信号)を出力する。なお、比較・平滑化回路242は、必要に応じてAGCO信号を平滑化して出力する。ここで、RECT電圧は、振動子1のモニタ手段13がモニタ信号を出力した時点の振動子1の振幅に対応している。そのため、振動子1の振幅における制御誤差ΔVは、(式1)で表すことができる。
ΔV=RECT−VCTRL ・・・(式1)
なお、(式1)において、RECTはモニタ信号の電圧(RECT電圧)、VCTRLは基準電圧(VCTRL電圧)である。
制御誤差ΔVは、AGCO信号と(式2)に示す関係を有している。
AGCO=ΔV×Gctrl+VDD/2 ・・・(式2)
AGCOはコントロール信号(AGCO信号)、Gctrl(>0)はコントロール信号に基づく増幅率、VDDはAGC回路24の駆動電圧である。
ここで、例えば、VGA回路の増幅率の大きさをVGA回路の電流・電圧で制御するVGA回路を使用した場合、VGA回路を構成する半導体の物性により、VGA回路の増幅率が周辺温度や電源電圧等の環境変化によって大きく変化する。また、MOSFETのオン抵抗の変化でVGA回路を構成しているため増幅率の変化がAGCO信号の変化に対して非線型となる。なお、以下では、VGA回路の増幅率の大きさをVGA回路の電流・電圧で制御するVGA回路のうち、MOSFETの相互コンダクタンスGm、Gdsを変化させて増幅率の大きさを制御するVGA回路を使用した場合について説明する。図3は、MOSFETの相互コンダクタンスGm、Gdsを変化させて増幅率の大きさを制御するVGA回路の構成を示す回路図である。図3に示すVGA回路101は、電流源102、PチャネルMOSFET103、104、105、106、107、108、抵抗109、110を備えている。PチャネルMOSFET103のゲート端子にAGCO信号、PチャネルMOSFET104のゲート端子に制御基準電圧、PチャネルMOSFET105及びPチャネルMOSFET108のゲート端子にモニタ信号(入力信号)が、それぞれ入力されている。駆動信号(出力信号)は、PチャネルMOSFET105及びPチャネルMOSFET107のドレイン端子と抵抗109との間に設けた端子111から出力される。
図4は、MOSFETの相互コンダクタンスGm、Gdsを変化させて増幅率の大きさを制御するVGA回路を使用した場合の、コントロール信号の電圧に対するVGA回路の増幅率の変化を示す例示図である。図4は、横軸がコントロール信号(AGCO信号)の電圧、縦軸がVGA回路の増幅率である。また、AGC回路の駆動電圧VDDを4.5V、5.0V、5.5Vと、周辺温度を−40℃、25℃、105℃とそれぞれ変化させた場合のAGCO信号の電圧に対するVGA回路の増幅率の変化を示している。
図4から分かるように、VGA回路の増幅率の変化はAGCO信号の変化(電圧)に対して非線型であり、VGA回路の増幅率は周辺温度や電源電圧等の環境変化によるバラツキが大きい。周辺温度や電源電圧等の環境変化によるVGA回路の増幅率の変化が大きく、VGA回路の増幅率の変化がAGCO信号の変化(電圧)に対して非線型となる場合、(式2)に示す関係から振動子1の振幅における制御誤差ΔVに与える影響が大きい。そのため、VGA回路を使用したAGC回路を振動型慣性力センサの発振回路部に用いた場合、振動型慣性力センサの角速度(慣性力)の検出感度は、振動型慣性力センサの個体バラツキ、半導体素子の抵抗、容量、MOSFETの製造バラツキ、周辺温度や電源電圧等の環境変化により大きく影響を受ける。
そこで、本発明の実施の形態に係る振動型慣性力センサは、図2に示すようにAGC回路24の比較・平滑化回路242の後段にPWM回路243を備え、PWM回路243で変調したAGCO信号(パルス幅変調信号)に基づいて、VGA回路244の出力のオン状態とオフ状態とを切り替えて出力信号(駆動信号)を変調してVGA回路244の増幅率の大きさを制御する。そのため、VGA回路244には、後述するようにPWM回路243でパルス幅変調したAGCO信号(パルス幅変調信号)に基づいて、VGA回路244の出力のオン状態とオフ状態とを切り替えて出力信号(駆動信号)を変調することができるスイッチ回路を備えている。
図5は、本発明の実施の形態に係る振動型慣性力センサのPWM回路243の構成を示す回路図である。図5に示すように、PWM回路243は、コンパレータ243aを有しており、コンパレータ243aに、PWM回路243内部で発生させた500kHzのノコギリ波と、AGCO信号とを入力して比較することで、AGCO信号の大きさ(信号レベル)に応じてパルス幅(デューティー比)を変化させた500kHzの矩形波をAGCO信号の変調信号(パルス幅変調信号)として出力する。
図6は、AGCO信号及びノコギリ波と、AGCO信号の変調信号との関係を示す例示図である。図6には、500kHzのノコギリ波N、信号レベルが最大のAGCO信号(AGCO(H))、信号レベルが定常時のAGCO信号(AGCO(M))、信号レベルが最小のAGCO信号(AGCO(L))、それぞれの信号レベルのAGCO信号に対応したAGCO信号の変調信号M(H)、M(M)、M(L)が図示されている。なお、信号レベルが最大のAGCO信号(AGCO(H))は、VGA回路244の最大増幅率に、信号レベルが最小のAGCO信号(AGCO(L))は、VGA回路244の最小増幅率にそれぞれ対応している。
信号レベルが最大のAGCO信号の変調信号M(H)は、ノコギリ波Nの波形に対し信号レベルが最大のAGCO信号(AGCO(H))の信号レベルとなる点Aまでパルス幅が存在する。信号レベルが定常時のAGCO信号の変調信号M(M)は、ノコギリ波Nの波形に対し信号レベルが定常時のAGCO信号(AGCO(M))の信号レベルとなる点Bまでパルス幅が存在する。信号レベルが最小のAGCO信号の変調信号M(L)は、ノコギリ波Nの波形に対し信号レベルが最小のAGCO信号(AGCO(L))の信号レベルとなる点Cまでパルス幅が存在する。
さらに、VGA回路244の増幅率の変化がコントロール信号(AGCO信号)の変化に対して対数略線型となるように、AGCO信号とノコギリ波によりパルス幅変調するPWM回路243の別の構成及び動作について説明する。図7は、本発明の実施の形態に係る振動型慣性力センサのPWM回路243の別の構成を示す回路図である。図7に示す回路図では、PWM回路243以外に説明のためにVGA回路244も図示している。図7に示すPWM回路243は、第1コンパレータ71、ステップ応答回路72、第2コンパレータ73を備えている。ステップ応答回路72は、インバータ721、スイッチ回路722、723、724、抵抗725、コンデンサ726、サンプルホールド回路727、電圧源728を備えている。なお、VGA回路244は、演算増幅器であるオペアンプ244a、スイッチ回路244bを備えている。
図7に示すPWM回路243は、VGA回路244の増幅率の変化がAGCO信号の変化に対して対数略線型となるように、AGCO信号とノコギリ波によりパルス幅変調する。第1コンパレータ71にはAGCO信号及び500kHzのノコギリ波Aが、ステップ応答回路72には第1コンパレータ71の出力信号及び矩形波が、第2コンパレータ73にはサンプルホールド回路727の出力信号及び500kHzのノコギリ波Bがそれぞれ入力されている。図8は、矩形波、ノコギリ波A、サンプルホールド回路727の状態、ステップ応答回路72の出力信号、ノコギリ波B、第2コンパレータ73の出力信号であるAGCO信号の変調信号のそれぞれのタイミングを示すタイミングチャートである。
図8に示すタイミングチャートに基づいてPWM回路243の動作を説明する。まず、矩形波(周期2T)が“H”から“L”に転じて“L”の状態を保持している期間、スイッチ回路724はオフ状態であるが、スイッチ回路723はオン状態となる。このとき、第1コンパレータ71の出力信号により、スイッチ回路722もオン状態になるので、スイッチ回路722、723及び抵抗725を介してコンデンサ726が電圧源728によって充電される。矩形波が“H”の状態を保持している期間は、コンデンサ726の両端がグランドに接地されているため、矩形波が“H”から“L”に転じた時点からコンデンサ726が充電される。また、コンデンサ726は、抵抗725の抵抗値とコンデンサ726の容量値とで決定される時定数に従い充電され、電圧源728の電圧V1に漸近するステップ応答特性を有する。
コンデンサ726の充電は、ノコギリ波Aに対してAGCO信号の電圧が反転し、第1コンパレータ71の出力信号(図示せず)が反転するまで続く。第1コンパレータ71の出力信号が反転するとスイッチ回路722がオフ状態となり、コンデンサ726への充電が止まる。例えば、任意の電圧VAがAGCO信号として第1コンパレータ71に入力されたとき、図8に示すようにノコギリ波AがGND(グランド)から電圧VAに至るまで第1コンパレータ71の出力信号は反転しないため、コンデンサ726は電圧VBに至るまでのt秒間充電される。さらに、コンデンサ726に充電された電圧VBは、矩形波が“L”の状態を保持している期間はサンプルホールド回路727でトラッキングされ、矩形波が“H”の状態を保持している期間はサンプルホールド回路727でホールドされる。
第1コンパレータ71及びステップ応答回路72は、AGCO信号を(式3)に示す指数関数に変換することを目的としている。
VB=V1×{1−e^(−t/τ))} ・・・(式3)
ここで、τは抵抗725の抵抗値とコンデンサ726の容量値とで決定される時定数である。tはノコギリ波AがGND(グランド)から、AGCO信号として入力される任意の電圧VAに至るまでの時間である。
第2コンパレータ73は、ステップ応答回路72の出力信号と、500kHzのノコギリ波Bとを比較することで信号レベルに応じてパルス幅を変化させた500kHzの矩形波をAGCO信号の変調信号として出力する。
500kHzのノコギリ波は、抵抗、コンデンサ、コンパレータから構成されるマルチバイブレータタイプの発振回路で生成される。そのため、抵抗、コンデンサの値が周辺温度により大きく変化すると、ノコギリ波も周辺温度や電源電圧等の環境変化によって大きく変化し、PWM回路243の出力信号である変調信号も周辺温度や電源電圧等の環境変化によって大きく変化することになる。しかし、図7に示すPWM回路243では、AGCO信号をステップ応答回路72の抵抗725とコンデンサ726とのステップ応答を利用して指数関数に変換するので、周辺温度や電源電圧等の環境変化によるノコギリ波の生成への影響を小さくすることができる。
次に、VGA回路244は、図5又は図7に示すPWM回路243でパルス幅変調したAGCO信号(パルス幅変調信号)に基づいて、駆動信号を変調することが可能な構成を有している。図9は、本発明の実施の形態に係る振動型慣性力センサのVGA回路244の構成を示す回路図である。図9に示すように、VGA回路244は、フィルタ回路23から入力したモニタ信号(入力信号)を増幅するオペアンプ244a、オペアンプ244aの出力端子に設けられたスイッチ回路244bを備えている。オペアンプ244aは、反転増幅回路を構成しており、抵抗R2/抵抗R1で定まる増幅率でフィルタ回路23から入力したモニタ信号を増幅する。スイッチ回路244bは、AGCO信号の変調信号でオン状態とオフ状態とを切り替えることで、オペアンプ244aで所定の増幅率で増幅したモニタ信号を変調し、変調したモニタ信号を駆動信号(出力信号)として振動子1の駆動手段12に供給する。なお、スイッチ回路244bは、図7に示したようにオペアンプ244aの入力端子側に設けても良い。
AGCO信号の変調信号は、図6に示すように、AGCO信号の信号レベルが定常時に比べて大きい場合にはパルス幅が広がり、スイッチ回路244bがオン状態となる時間が長くなる。スイッチ回路244bがオン状態となる時間が長くなることにより、駆動信号に含まれるオペアンプ244aの出力信号の割合が高くなり、VGA回路244の増幅率が大きくなる。
逆に、AGCO信号の変調信号は、図6に示すように、AGCO信号の信号レベルが定常時に比べて小さい場合にはパルス幅が狭まり、スイッチ回路244bがオフ状態となる時間が長くなる。スイッチ回路244bがオフ状態となる時間が長くなることにより、駆動信号に含まれるオペアンプ244aの出力信号の割合が低くなり、VGA回路244の増幅率が小さくなる。
図10は、PWM回路243で変調したパルス幅変調信号に基づき、VGA回路244の出力信号(駆動信号)を変調した場合の、コントロール信号の電圧に対するVGA回路244の増幅率の変化を示す例示図である。図10は、横軸がコントロール信号(AGCO信号)の電圧、縦軸がVGA回路244の増幅率である。また、AGC回路24の駆動電圧VDDを4.5V、5.0V、5.5Vと、周辺温度を−40℃、25℃、105℃とそれぞれ変化させた場合のAGCO信号の電圧に対するVGA回路244の増幅率の変化を示している。
図10から分かるように、VGA回路244の増幅率の変化はAGCO信号の変化(電圧)に対して略線型であり、VGA回路244の増幅率は、図3に示すVGA回路101の増幅率に比べて周辺温度や電源電圧等の環境変化によるバラツキが小さい。周辺温度や電源電圧の変化によるVGA回路244の増幅率の変化が小さく、VGA回路244の増幅率の変化がAGCO信号の変化(電圧)に対して略線型となる場合、(式2)に示す関係から周辺温度や電源電圧の変化が振動子1の振幅における制御誤差ΔVに与える影響は小さく、PWM回路243及びVGA回路244を使用したAGC回路24を振動型慣性力センサの発振回路部2に用いた場合、振動型慣性力センサの角速度(慣性力)の検出感度は、振動型慣性力センサの個体バラツキ、半導体素子の抵抗、容量、MOSFETの製造バラツキ、周辺温度や電源電圧等の環境変化による影響が小さくなる。
以上のように、本発明の実施の形態に係る振動型慣性力センサは、AGC回路24が、モニタ信号を増幅するVGA回路244と、所定の基準電圧(VCTRL電圧)とRECT電圧(モニタ信号の電圧)とを比較し、比較した結果に基づきVGA回路244の増幅率の大きさを制御するAGCO信号を出力する比較・平滑化回路242と、比較・平滑化回路242から出力したAGCO信号を、モニタ信号よりも周波数の高いパルス幅変調信号に変調するPWM回路243とを有するので、VGA回路244の増幅率の大きさをVGA回路244の電流・電圧で制御するのではなく、スイッチ切替周期(パルス幅)で制御する。より詳細には、PWM回路243でパルス幅変調したAGCO信号(パルス幅変調信号)に基づき、VGA回路244の出力のオン状態とオフ状態とを切り替えて駆動信号を変調し、VGA回路244の増幅率の大きさを制御するので、VGA回路244を構成する半導体の物性による影響を小さくすることができる。また、角速度(慣性力)の検出感度が、振動型慣性力センサの個体バラツキ、半導体素子の抵抗、容量、MOSFETの製造バラツキ、周辺温度や電源電圧等の環境変化による影響を受けにくく、VGA回路244の増幅率の変化がAGCO信号の変化に対して略線型となる。したがって、モジュール設計時に使用可能なVGA回路244の増幅率の可変範囲は従来の振動型慣性力センサに比べて広くなる。
なお、本発明の実施の形態に係る振動型慣性力センサは、VGA回路244の後段に復調回路を備えても良い。図11は、本発明の実施の形態に係る振動型慣性力センサの別の構成を示すブロック図である。図11に示すように、発振回路部2は、AGC回路24(VGA回路244)の後段に復調回路25を備えている。復調回路25は、AGC回路24(VGA回路244)から出力された変調した駆動信号を復調して、パルス幅変調信号の成分を含まない駆動信号として出力する。復調回路25は、例えばローパスフィルタ回路で構成され、重畳している500kHzの信号成分を駆動信号から取り除いて、変調した駆動信号を復調する。
通常、駆動信号の周波数は15kHz程度であり、パルス幅変調信号の周波数である500kHzより低いため、復調回路25を備えていない場合であっても、振動子1を変調された駆動信号で駆動することは可能である。しかし、変調された駆動信号に重畳している500kHzの信号成分(高周波)が検出回路部3に入力されると、500kHzの信号成分(高周波)が検出回路部3で検出した角速度検出信号のノイズとして出力される場合がある。そこで、本発明の実施の形態に係る振動型慣性力センサの別の構成では、VGA回路244の後段に復調回路25を備え、復調回路25でパルス幅変調信号である500kHzの信号成分(高周波)を含まない駆動信号に復調することで、500kHzの信号成分(高周波)が検出回路部3で検出した角速度検出信号のノイズとして出力されることを回避することができる。なお、復調回路25は、AGC回路24の外部に備える場合に限定されるものではなく、VGA回路244の後段であれば、AGC回路24の内部に設けても良い。
また、振動型慣性力センサの個体バラツキ、半導体素子の抵抗、容量、MOSFETの製造バラツキ、周辺温度や電源電圧等の環境変化による影響を受けにくくするために、従来、振動子の振幅における制御誤差に対してコントロール信号の増幅率を十分大きな値に設定する必要があった。(式2)の関係から分かるように、振動子1の振幅における制御誤差ΔVに対してコントロール信号の増幅率Gctrlを十分大きな値に設定することにより、振動子1の振幅における制御誤差ΔVは相対的に小さくなり、振動型慣性力センサの個体バラツキ、半導体素子の抵抗、容量、MOSFETの製造バラツキ、周辺温度や電源電圧等の環境変化による影響により振動子1の振幅における制御誤差ΔVも小さくなる。比較・平滑化回路242が、所定のコントロール信号の増幅率で、所定の基準電圧とモニタ信号の電圧との差を増幅してコントロール信号を出力する場合、コントロール信号の増幅率Gctrlに代わる指標として、モニタ信号の電圧と所定の基準電圧との比(モニタ信号の電圧/所定の基準電圧)に対するVGA回路244の増幅率の傾きを用いることができる。図13は、モニタ信号の電圧と所定の基準電圧との比と、VGA回路244の増幅率との関係を示すグラフである。図13に示すモニタ信号の電圧と所定の基準電圧との比とVGA回路244の増幅率との関係は、シミュレーションにより求めた結果である。モニタ信号の電圧と所定の基準電圧との比は、モニタ信号相対値と呼ばれ、モニタ信号の電圧が所定の基準電圧に調整された場合の値は1となる。モニタ信号相対値に対するVGA回路244の増幅率の傾きは常に負であり、当該傾きの絶対値はコントロール信号の増幅率Gctrlに相当する。図13に示すモニタ信号相対値に対するVGA回路244の増幅率の傾きの絶対値は、318.53dBで略320dB以下である。つまり、本実施の形態に係る振動型慣性力センサでは、コントロール信号の増幅率Gctrlが略320dB以下となるように設定することができる。
本発明の実施の形態に係る振動型慣性力センサは、上述したように振動型慣性力センサの個体バラツキ、半導体素子の抵抗、容量、MOSFETの製造バラツキ、周辺温度や電源電圧等の環境変化による影響を受けにくくするために、モニタ信号相対値に対するVGA回路244の増幅率の傾きの絶対値(コントロール信号の増幅率Gctrl)を略320dBより大きくなるように設定する必要はない。本発明の実施の形態に係る振動型慣性力センサでは、モニタ信号相対値に対するVGA回路244の増幅率の傾きの絶対値(コントロール信号の増幅率Gctrl)を略320dB以下となるように設定した場合であっても、振動型慣性力センサの個体バラツキ、半導体素子の抵抗、容量、MOSFETの製造バラツキ、周辺温度や電源電圧等の環境変化による影響を受けることなく角速度を検出することができる。また、従来の振動型慣性力センサは、振動子の振幅における制御誤差に対してコントロール信号の増幅率の値を大きくしすぎることで発振回路部の動作が不安定になる問題を有していたが、本発明の実施の形態に係る振動型慣性力センサでは、モニタ信号相対値に対するVGA回路244の増幅率の傾きの絶対値(コントロール信号の増幅率Gctrl)が略320dB以下となるように設定することができるので、発振回路部2の動作が安定した範囲で角速度を検出することができる。
1 振動子
2 発振回路部
3 検出回路部
11 振動体
12 駆動手段
13 モニタ手段
14 検出手段
21 CV変換回路
22 信号増幅回路
23 フィルタ回路
24 AGC回路(自動利得制御回路)
25 復調回路
31 検出回路
32 信号処理回路
33 信号調整回路
241 整流回路
242 比較・平滑化回路(比較回路)
243 PWM回路(パルス幅変調回路)
244 VGA回路(可変利得増幅回路)

Claims (3)

  1. 慣性力を検出する振動子と、
    該振動子に駆動信号を供給する発振回路部と、
    前記振動子の慣性力を検出する検出回路部と
    を備え、
    前記発振回路部は、前記振動子を共振素子とした閉ループの自励発振回路として機能し、前記振動子の振動状態に応じたモニタ信号を増幅して前記駆動信号を生成し、該駆動信号を前記振動子に供給する自動利得制御回路を有し、
    該自動利得制御回路は、
    前記モニタ信号を増幅する増幅回路と、
    所定の基準電圧と前記モニタ信号の電圧とを比較し、比較した結果に基づき前記増幅回路の増幅率の大きさを制御するコントロール信号を出力する比較回路と、
    該比較回路から出力した前記コントロール信号を、前記モニタ信号よりも周波数の高いパルス幅変調信号に変調するパルス幅変調回路と
    を有し、
    該パルス幅変調回路で変調した前記パルス幅変調信号に基づき、前記増幅回路の出力のオン状態とオフ状態とを切り替えて前記駆動信号を変調し、前記増幅回路の増幅率の大きさを制御することを特徴とする振動型慣性力センサ。
  2. 前記増幅回路の後段に、前記パルス幅変調信号に基づき、前記増幅回路の出力のオン状態とオフ状態とを切り替えて変調した前記駆動信号を復調する復調回路を備えることを特徴とする請求項1に記載の振動型慣性力センサ。
  3. 前記比較回路が、所定のコントロール信号の増幅率で、所定の基準電圧と前記モニタ信号の電圧との差を増幅して前記コントロール信号を出力する場合、前記モニタ信号の電圧と所定の基準電圧との比に対する前記増幅回路の増幅率の傾きの絶対値が、略320dB以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の振動型慣性力センサ。
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