JPWO2011099103A1 - 超音波診断装置および内中膜複合体厚の測定方法 - Google Patents

超音波診断装置および内中膜複合体厚の測定方法 Download PDF

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Abstract

本発明の超音波診断装置は、探触子を駆動し被検体の血管へ超音波を送信する送信処理及び探触子によって受信した被検体の血管からの反射超音波から受信信号を生成する受信処理を行う超音波信号処理部と、受信信号から断層像を構築する断層像処理部と、受信信号又は断層像より血管の内腔内膜境界及び中膜外膜境界を検出する境界検出部と、境界検出部で検出された内腔内膜境界及び中膜外膜境界の間隔を血管壁厚値として算出する血管壁厚算出部と、受信信号又は断層像の検出された内腔内膜境界及び中膜外膜境界の位置における信号上又は画像情報上の特徴に基づき血管壁厚値の信頼性を判定する信頼性判定部と、信頼性判定部の判定結果に基づき血管壁厚値を内中膜複合体厚と確定する制御部とを備える。

Description

本発明は、超音波診断装置とそれを用いた内中膜複合体厚の測定方法に関するものである。
超音波診断装置を用いた動脈硬化の診断において、頸動脈の内中膜複合体厚(IMT:Initima−Media Thickness、以下IMTと略す)は初期の粥状硬化を知る重要な指標として知られている。IMTは、頚動脈の血管壁の内膜と中膜の複合体の厚さのことである。内中膜複合体は、図18に示すように、血管内腔と外膜との間に見える層で、検査では、この血管内腔と内膜の境界(以下、内腔内膜境界と記述)と中膜と外膜の境界(以下、中膜外膜境界)を検出し、その厚さを計測する。例えば、特許文献1は、このIMTを自動的に計測する方法を開示している。
IMTの計測においては、図18に示すように頚動脈に沿ってIMT計測範囲を設定し、この間の最大厚(maxIMT)や平均厚(meanIMT)を計測することが一般に行われている。例えば、非特許文献1では、IMT計測範囲の長さとして1cmが推奨されている。
特開2008−168016号公報
Journal of the American Society of Echocardiography February 2008(93ページ〜111ページ)
従来例の超音波診断装置には、検出対象部である頚動脈の状態を測定しようとする場合、十分に訓練を積んだ熟練者でなければ、正確な測定を行いにくいという課題があった。
つまり、従来例において、頚動脈の状態を測定しようとする場合には、頚動脈の中心線を縦方向に切断できる位置に、探触子を当てなければならない。
適切な位置に探触子を当てることができて頚動脈の状態を正しく測定できる画像が表示されたとしても、操作者が探触子を手に持って操作するため、その正しい位置を保持しながら測定することは容易ではない。
さらに、心臓の拍動に応じて頚動脈内部を流れる血流が変化することによって、頚動脈の径や頚動脈壁の厚みは常に変化している。つまり、操作者が探触子を正しい位置に保持したときに、かならずしも頚動脈の状態が測定すべきタイミングではない場合もありうる。
そこで本発明は、正確な測定が行える探触子の位置、タイミングになったときに、頚動脈の状態の測定を行うことができるようにすることを目的とするものである。
本発明の超音波診断装置は、振動子を有する探触子が接続可能な超音波診断装置であって、前記探触子を駆動し被検体の血管へ超音波を送信する送信処理及び前記探触子によって受信した前記被検体の血管からの反射超音波から受信信号を生成する受信処理を行う超音波信号処理部と、前記受信信号から断層像を構築する断層像処理部と、前記受信信号又は前記断層像より前記血管の内腔内膜境界及び中膜外膜境界を検出する境界検出部と、前記境界検出部で検出された内腔内膜境界及び中膜外膜境界の間隔を血管壁厚値として算出する血管壁厚算出部と、前記受信信号又は前記断層像の前記検出された内腔内膜境界及び中膜外膜境界の位置における信号上又は画像情報上の特徴に基づき前記血管壁厚値の信頼性を判定する信頼性判定部と、前記信頼性判定部の判定結果に基づき前記血管壁厚値を内中膜複合体厚と確定する制御部とを備える。この構成により、適切な測定状態でIMT値を測定することができ、信頼性の高い測定値を得ることができる。
ある好ましい実施形態において、前記信号上の特徴は、信号強度および信号強度の分布の少なくとも一方を含む。この構成により、受信信号の信号強度や信号強度の分布からIMT値の信頼性を判定することができるようになり、適切な測定状態でIMT値を測定することができ、信頼性の高い測定値を得ることができる。
ある好ましい実施形態において、前記画像情報上の特徴は、輝度、輝度の分布および形体の少なくとも1つを含む。この構成により、断層像の輝度や輝度の分布及び形体からIMT値の信頼性を判定することができるようになり、適切な測定状態でIMT値を測定することができ、信頼性の高い測定値を得ることができる。
ある好ましい実施形態において、前記受信信号又は前記断層像の前記検出された内腔内膜境界及び中膜外膜境界の位置における信号上又は画像情報上の特徴から、前記受信信号が前記血管の長軸方向の中心を通る断面近傍から取得されているかどうかの判定、または、前記受信信号が前記血管の長軸方向の中心を通る断面近傍から取得されている確からしさを表す評価値の算出を行う血管中心判定部を更に備え、前記信頼性判定部は、前記血管中心判定部で前記受信信号が前記血管の長軸方向の中心を通る断面近傍から取得されていると判定されたとき、もしくは、前記評価値が所定の基準値を超えているときに前記血管壁厚値の信頼性が高いと判定し、または、前記評価値が高いときほど、前記血管壁厚値の信頼性が高いと判定する。この構成により、受信信号が前記血管の長軸方向の中心を通る断面近傍から取得されていると判定することによって、適切な測定状態になったことを判定でき、信頼性の高い測定値を得ることができる。
ある好ましい実施形態において、前記血管中心判定部は、前記受信信号又は前記断層像の前記検出された内腔内膜境界及び中膜外膜境界の信号上又は画像情報上に、内腔内膜境界及び中膜外膜境界に特有の信号強度の分布又は輝度の分布が存在しているかを評価することにより、前記受信信号が前記血管の長軸方向の中心を通る断面近傍から取得されているかを判定する。この構成により、受信信号が前記血管の長軸方向の中心を通る断面近傍から取得されていると適切に判定できるようになり、信頼性の高い測定値を得ることができる。
ある好ましい実施形態において、前記血管中心判定部は更に、前記受信信号又は前記断層像の前記検出された内腔内膜境界及び中膜外膜境界の位置の信号上又は画像情報上に、内腔内膜境界及び中膜外膜境界に特有の信号強度の分布又は輝度の分布が存在している部分の長さを評価することにより、前記受信信号が前記血管の長軸方向の中心を通る断面近傍から取得されているかを判定する。この構成により、受信信号が前記血管の長軸方向の中心を通る断面近傍から取得されていると更に適切に判定できるようになり、信頼性の高い測定値を得ることができる。
ある好ましい実施形態において、血管の拍動状態を検出して血管の拍動を正しく捉えているかどうかの判定、または、前記血管の拍動状態を検出して血管の拍動を正しく捉えている確からしさを表す評価値の算出を行う拍動検出部を更に備え、前記信頼性判定部は、前記拍動検出部で血管の拍動を正しく捉えていると判定されたとき、もしくは、前記評価値が所定の基準値を超えているときに前記血管壁厚値の信頼性が高いと判定し、または、前記評価値が高いときほど、前記血管壁厚値の信頼性が高いと判定する。この構成により、血管の拍動を正しく捉えているかを判定することによって、適切な測定状態になったことを判定でき、信頼性の高い測定値を得ることができる。
ある好ましい実施形態において、前記拍動検出部は、血管の内径の変化から前記血管の拍動状態を検出し、前記血管の内径の変化が脈波状であるときに血管の拍動を正しく捉えていると判定する。この構成により、血管の拍動を正しく捉えていると適切に判定できるようになり、信頼性の高い測定値を得ることができる。
ある好ましい実施形態において、前記拍動検出部が、前記血管の内径の変化の特徴量を検出することによって拍動状態を検出する。この構成により、血管の拍動を正しく捉えていると更に適切に判定できるようになり、信頼性の高い測定値を得ることができる。
ある好ましい実施形態において、前記拍動検出部が、前記血管の内径の変化波形と、あらかじめ登録されたモデル波形との相関により拍動状態を検出する。この構成により、血管の拍動を正しく捉えていると更に適切に判定できるようになり、信頼性の高い測定値を得ることができる。
ある好ましい実施形態において、前記拍動検出部は、心拍中の特定のタイミングを検出する心拍期検出部を更に有し、検出したタイミングの前後何れか又は両方で血管の拍動を正しく捉えているかどうかの判定、または、検出したタイミングの前後何れか又は両方で血管の拍動を正しく捉えている確からしさを表す評価値の算出を行い、前記信頼性判定部は、前記拍動検出部で前記心拍期検出部で検出したタイミングの前後何れか又は両方で血管の拍動を正しく捉えていると判定されたとき、もしくは、前記評価値が所定の基準値を超えているときに前記血管壁厚値の信頼性が高いと判定し、または、前記評価値が高いときほど、前記血管壁厚値の信頼性が高いと判定する。この構成により、心拍によってIMT値が変化する中でIMT値が最大になるタイミングで測定することができ、信頼性の高い測定値を得ることができる。
ある好ましい実施形態において、前記拍動検出部が、前記受信信号から前記被検体の組織の動きを検出して拍動状態を検出し、前記心拍期検出部が、前記拍動状態から心拍中の特定のタイミングを検出する。この構成により、心拍によってIMT値が変化する中で適切なIMT値の測定タイミングをECGなどの付加機能を用いることなく検出できるので、信頼性の高い測定値を、測定が容易で操作性よく得ることができる。
ある好ましい実施形態において、前記心拍期検出部が、心電図の波形から前記タイミングを検出する。この構成により、ECGを用いることによって心拡張末期をより精度よく検出できるので、信頼性の高い測定値を得ることができる。
ある好ましい実施形態において、前記心拍期検出部で検出するタイミングが、心拡張末期である。この構成により、心拡張末期を検出することによって適切なIMT値の測定タイミングを検出できるので、信頼性の高い測定値を得ることができる。
ある好ましい実施形態において、前記心拍期検出部で検出するタイミングが、心拡張末期から所定の時間だけ遅延したタイミングである。この構成により、心拡張末期から所定時間遅延したときにIMT値が最大になるので、そのタイミング検出できるので、信頼性の高い測定値を得ることができる。
ある好ましい実施形態において、前記受信信号又は前記断層像が前記被検体の血管の長軸方向断面を含んでいるかどうかの判定、または、前記受信信号又は前記断層像が前記被検体の血管の長軸方向断面を含んでいる確からしさを表す評価値の算出を行う長軸判定部を更に備え、前記信頼性判定部は、前記長軸判定部で前記受信信号又は前記断層像が前記被検体の血管の長軸方向断面を含んでいると判定されたとき、もしくは、前記評価値が所定の基準値を超えているときに前記血管壁厚値の信頼性が高いと判定し、または、前記評価値が高いときほど、前記血管壁厚値の信頼性が高いと判定する。この構成により、受信信号又は断層像が血管の長軸方向断面を含んでいるかを判定することによって、適切な測定状態になったことを判定でき、信頼性の高い測定値を得ることができる。
ある好ましい実施形態において、前記血管壁厚値の時間変動の度合いの小ささから前記血管壁厚値が安定しているか否かの判定、または、前記血管壁厚値の時間変動の度合いの小ささから前記血管壁厚値が安定している確からしさを表す評価値の算出を行う安定性判定部を更に備え、前記信頼性判定部は、前記安定性判定部で前記血管壁厚値が安定していると判定されたとき、もしくは、前記評価値が所定の基準値を超えているときに前記血管壁厚値の信頼性が高いと判定し、または、前記評価値が高いときほど、前記血管壁厚値の信頼性が高いと判定する。この構成により、血管壁厚値の時間変動の度合いの小ささから血管壁厚値の安定性を判定することによって、適切な測定状態になったことを判定でき、信頼性の高い測定値を得ることができる。
ある好ましい実施形態において、前記信頼性判定部による判定結果と前記断層像処理部で構築した断層像とを合成する画像合成部をさらに備え、前記画像合成部で合成した画像を表示する。この構成により、適切な測定状態になっているかどうかが視覚的にわかるため、測定結果とその信頼性を操作者が確認できるようになり、操作性が向上する。
ある好ましい実施形態において、前記被検体の血管からの受信信号または前記断層像処理部で構築された断層像情報と、前記境界検出部で検出した境界とを用いて、前記血管中心判定処理あるいは前記拍動性判定処理あるいは前記長軸判定部あるいは前記安定性判定処理に用いる判定基準を決定する判定基準決定部を更に備える。この構成により、被検体の組織性状に応じて血管中心判定、拍動判定、長軸判定および安定性判定が実施できるため、IMT測定の精度および信頼性が向上する。
ある好ましい実施形態において、前記超音波信号処理部は前記送信処理および前記受信処理を複数回行うことにより、複数の受信信号を逐次生成し、前記断層像処理部は前記複数の受信信号から複数の断層像を逐次構築し、前記境界検出部は、前記複数の受信信号又は前記複数の断層像のそれぞれより前記血管の内腔内膜境界及び中膜外膜境界を逐次検出し、前記血管壁厚算出部は、前記逐次検出される血管の内腔内膜境界及び中膜外膜境界から前記血管壁厚値を逐次算出し、前記信頼性判定部は、前記逐次算出される血管壁厚値の信頼性を逐次判定し、前記制御部は、前記信頼性判定部の判定結果に基づき前記血管壁厚値を内中膜複合体厚と確定し、少なくとも前記逐次構築される断層像を表示する。
ある好ましい実施形態において、前記制御部は、前記信頼性判定部で判定された結果に基づいて、前記逐次表示される断層像をフリーズさせる。この構成により、適切な測定状態時の画像をフリーズさせることができる。
ある好ましい実施形態において、前記断層像、前記血管壁厚値および前記信頼性判定部の判定結果をフレームとして、逐次記録するフレーム記録部と、前記フレーム記録部に記録された複数のフレームの全てまたはサブセットのうちから最も信頼性が高いフレームを選択する最適フレーム選択部とを更に備え、前記制御部は、前記最適フレーム選択部で選択されたフレームにおける前記血管壁厚算出部の算出結果を内中膜複合体厚と確定する。この構成により、IMT測定において信頼性のある測定結果を得ることができる。
ある好ましい実施形態において、前記制御部は、前記血管壁厚値の信頼性が既定値より高いフレームを一定数以上前記フレーム記録部に記録したときに、前記逐次表示される断層像をフリーズさせる。この構成により、IMT測定において信頼性のある測定結果が得られたときに画像をフリーズさせることができる。
ある好ましい実施形態において、前記制御部は、前記血管壁厚値の信頼性が既定値より高いフレームを一定数連続して前記フレーム記録部に記録したときに、前記逐次表示される断層像をフリーズさせる。この構成により、IMT測定において信頼性のある測定結果が得られたときに画像をフリーズさせることができる。
ある好ましい実施形態において、前記最適フレーム選択部は、前記の一定数連続して前記フレーム記録部に記録された信頼性が規定値より高い当該フレームのうちから、最も信頼性が高いフレームを選択する。この構成により、IMT測定において更に信頼性のある測定結果を得ることができる。
本発明の内中膜複合体厚の測定方法は、探触子によって受信した被検体の血管からの反射超音波から受信信号を生成する受信処理を行い、前記受信信号から断層像を構築し、前記受信信号又は前記断層像より前記血管の内腔内膜境界及び中膜外膜境界を検出し、前記検出された内腔内膜境界及び中膜外膜境界の間隔を血管壁の厚みとして算出し、前記受信信号又は前記断層像の前記検出された内腔内膜境界及び中膜外膜境界の位置における信号上又は画像情報上の特徴に基づき前記血管壁の厚みの信頼性を判定し、この判定された結果に基づいて血管壁の厚みの算出結果を測定値と決定する。この構成により、適切な測定状態でIMT値を測定することができ、信頼性の高い測定値を得ることができる。
本発明の内中膜複合体厚の測定方法は、探触子によって受信した被検体の血管からの反射超音波から受信信号を生成する受信処理を行い、前記受信信号から断層像を構築し、前記受信信号又は前記断層像より前記血管の内腔内膜境界と中膜外膜境界を検出し、前記検出された内腔内膜境界及び中膜外膜境界の間隔を血管壁の厚みとして算出し、前記血管の拍動状態を検出し、前記受信信号又は前記断層像の前記検出された内腔内膜境界及び中膜外膜境界の位置における信号上又は画像情報上の特徴から、前記受信信号が前記血管の長軸方向の中心を通る断面近傍から取得されているかを判定し、前記血管の拍動状態から血管の拍動を正しく捉えているかを判定し、これらの前記受信信号が前記血管の長軸方向の中心を通る断面近傍から取得されているか及び前記血管の拍動を正しく捉えているかの判定結果から前記血管壁の厚みの信頼性を判定し、この判定された結果に基づいて前記血管壁の厚み算出結果を測定値と決定する。この構成により、適切な測定状態になったことの判定精度が向上し、適切な測定状態でIMT値を測定することができ、信頼性の高い測定値を得ることができ
本発明の超音波診断装置およびIMT測定方法によれば、内腔内膜境界と中膜外膜境界との2種の境界を検出したこと、血管の拍動を正しく捉えることができたことを判定することによって、探触子のあてかたなどIMT測定において適切な状態で対象となる血管を捉えているかどうか判定し、そのときに心拍中でIMT値を測定するのに適したタイミングのときに測定したIMT値を測定値として決定するので、信頼性の高いIMTの測定値を得ることができ、動脈硬化などの診断における精度や操作性が向上するという効果を有する。
本発明による超音波診断装置の実施の形態1を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1の詳細なブロック図である。 (a)血管中心を捉えたスキャンと内腔内膜境界及び中膜外膜境界の描出との関係を説明する図であり、(b)血管中心を捉えていないスキャンと内腔内膜境界及び中膜外膜境界の描出との関係を説明する図である。 (a)診断対象の頚動脈の構成を示す図であり、(b)頚動脈の内径変化波形を示す図である。 実施の形態1の動作を示すフローチャートである。 頚動脈の内径変化波形を詳細に示す図である。 (a)頚動脈のモデル波形と内径変化波形との相関を説明する図であり、(b)モデル波形を時間軸上で伸展させる方法を説明する図である。 (a)診断対象の頚動脈の構成を示す図であり、(b)頚動脈の内径変化波形と検出した心拡張末期のタイミングを示す図である。 血管の内径変化波形とIMT値の変化波形との関係を示した図である。 血管を正しく捉えられている場合とそうでない場合の頚動脈の内径変化波形を示す図である。 本発明による超音波診断装置の実施の形態2を示す詳細なブロック図である。 本発明による超音波診断装置の実施の形態3を示す詳細なブロック図である。 実施の形態3の動作を示すフローチャートである。 本発明による超音波診断装置の実施の形態4を示す詳細なブロック図である。 実施の形態4の動作を示すフローチャートである。 本発明による超音波診断装置の実施の形態5を示す詳細なブロック図である。 実施の形態5の動作を示すフローチャートである。 診断対象の頚動脈の構成とIMTの計測範囲を説明する図である。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1に係る超音波診断装置のブロック図である。本実施の形態の超音波診断装置101は、超音波信号処理部2、断層像処理部3、血管壁厚算出部4、拍動検出部5、信頼性判定部6、制御部7および画像合成部8を備えている。
探触子1は超音波振動子を有し、超音波振動子を通じて超音波を被検体に送信するとともに被検体からの反射超音波を受信して電気信号に変換する。超音波信号処理部2は、探触子1を脱着可能な構成になっていて、この探触子1の超音波振動子に所定のタイミングで駆動パルスを供給し、探触子1が超音波を送信するように駆動する送信処理を行う。また、探触子1から電気信号を受け取り、その電気信号の増幅、検波などの、超音波断層像の構築などに必要な受信処理を行い、受信信号を生成する。
通常、超音波信号処理部2は送信処理を繰り返し連続して行い、逐次受信信号を生成する。このため、以下の処理は、生成された受信信号に対して逐次行われる。
断層像処理部3は超音波信号処理部2で生成した受信信号を受け取り、受信信号の座標変換などを行って、超音波画像の二次元画像である断層像を逐次構築する。血管壁厚算出部4は、測定対象となる被検体の血管の血管壁の厚みを算出する。拍動検出部5は、血管の拍動状態を正しく検出できているかどうかを検出し判定する。
信頼性判定部6は、測定対象となる血管の壁厚などを測定するに際し、観測状態や測定値が測定結果として信頼できるかどうかを、断層像処理部3、血管壁厚算出部4および拍動検出部5の測定・処理結果をもとに判定する。
制御部7は、各ブロックを制御するとともに、信頼性判定部6で判定した測定結果を、測定した内中膜複合体厚として確定し保存したり、そのときの画像をフリーズ(静止)したりする処理を行う。
画像合成部8は、表示器9と接続可能に構成されており、信頼性判定部6で判定された測定結果と、断層像処理部3で構成された断層像とを、接続された表示器9で表示できるように合成する。表示器9は、画像合成部8に接続され、その画像信号を表示するモニタである。
次に、本発明の実施の形態1に係る超音波診断装置の詳細なブロック図である図2を用いて実施の形態1に係る超音波診断装置の詳細について説明する。図2は図1の構成を詳細に記したものであり、図1で説明した構成は適宜説明を割愛する。
血管壁厚検出部4は、境界検出部41とIMT算出部42とを有する。境界検出部41は、IMT計測範囲(図18参照)を含む範囲において、測定対象となる血管の内腔内膜境界と中膜外膜境界との2種の血管境界を検出する。IMT算出部42は境界検出部41で検出した内腔内膜境界と中膜外膜境界との間の距離をIMTとして算出する。なお、この際、IMT計測範囲における当該距離の最大値を取ればmaxIMTが、平均値を取ればmeanIMTが算出されるが、本発明はこれらに限定するものではない。
血管中心判定部31は、断層像処理部3で構築された断層像と境界検出部41で検出した血管境界とから、血管境界の位置で断層像に内腔内膜境界及び中膜外膜境界が明瞭に描出されているかどうかや、断層像において内腔内膜境界及び中膜外膜境界が明瞭に描出されている部分の長さ等を評価することにより、探触子1を被検体にあてた位置が測定対象である血管の中心近傍を捉えているかどうかを判定する。
拍動検出部5は、拍動情報処理部51、拍動性判定部52および心拍期検出部53を有する。拍動情報処理部51は、超音波信号処理部2で生成した受信信号を処理して、測定対象である血管が拍動しているかどうかを判定するための情報を抽出する。拍動性判定部52は、拍動情報処理部51で処理・抽出された情報から、血管が拍動しているかどうかを判定する。心拍期検出部53は、心拍における特定のタイミングを検出する。たとえば、心拡張末期、すなわち、心臓が収縮後拡張して血流が最小になるタイミングなどを検出する。
ここで、IMT値を正確に、かつ再現性よく測定するための条件について説明する。
まず第一の条件として、血管の断面はほぼ円形であるため、血管壁の厚みを正しく測定するためには、探触子1を被検体にあてた位置が血管の中心近傍(いわば円形の中心近傍)を捉らえているかを判定する必要がある。なぜならIMT値は血管の内腔内膜境界と中膜外膜境界との間隔として算出されるが、そのためには血管の両境界が明瞭に描出されていることが必要だからである。その判定を血管中心判定部31が行う。
これについて図3を用いてより詳細に説明する。図3は血管の断面と探触子1で送受信されるエコーの進路との位置関係を表す模式図である。
エコーは組織境界など音響インピーダンスに差異がある境界で反射するが、境界面に90度に近い角度であたるほど強く反射し、明瞭な反射エコー信号が得られる。よって図3(a)に示すように探触子1を被検体にあてた位置が血管の中心近傍を捉えているとき、すなわちエコー進路が血管の中心近傍を通るとき、エコーは血管の内腔内膜境界及び中膜外膜境界に垂直にあたり、両境界で強く明瞭な反射エコーが得られる。
一方、図3(b)に示すようにエコー進路が血管の中心近傍を通らない場合は、エコーが血管の両境界に垂直にあたらないため、弱く不明瞭な反射エコーしか得られない。そのため内腔内膜境界及び中膜外膜境界がぼやけて分離されずに描出されたり、内腔内膜境界が描出されなかったりする。
したがって、血管境界の位置で断層像に内腔内膜境界及び中膜外膜境界が明瞭に描出されているかを評価することによって、探触子1を被検体にあてた位置が血管の中心近傍を捉えているかを判定することができる。なお、上述の二種の境界が明瞭に描出される中心近傍とは、実測長としては、探触子1から送信される超音波の音響線(図3において破線で示す)から血管断面の中心までの距離が0.5mm以内程度に相当するが、厳密に限定されるものではない。
より具体的には、検出された血管境界位置およびその周辺部位の断層像データにおいて、図18のように、検出された内腔内膜境界位置の血管内腔側から内中膜側にかけて輝度の立ち上がりが存在するか、検出された中膜外膜境界位置の内中膜側から外膜側にかけて輝度の立ち上がりが存在するか、及び、検出された内腔内膜境界位置と中膜外膜境界位置の間に輝度の落ち込みがあるか等を評価することによって、血管境界の位置で断層像に内腔内膜境界及び中膜外膜境界が明瞭に描出されているか否かを判定することができる。
また、上述のように、断層像に内腔内膜境界及び中膜外膜境界が明瞭に描出されている部分の長さも、探触子1を被検体にあてた位置が血管の中心近傍を捉えているかどうかの判定に用いることができる。この場合、IMT計測範囲(図18参照)の全域あるいは一定の割合以上で上述の二種の境界が明瞭に描出されていることが、判定の目安となる。例えば、IMT計測範囲が1cmで、上述の一定の割合が75%の場合、1cmのうち7.5mmが血管の中心を捉えていると判定するための長さの基準ということになる。
次に第二の条件として、血管はその内部を流れる血流の量や流速に対応して伸縮する。心臓の収縮期には血流速度が最大となり、そのとき血管の内径が最大になるとともに、血管壁の厚みが最小になる。そして心臓の拡張期では血流が最小になるので、血管の内径が最小になり、血管壁の厚みが最大になる。つまり、心拍に同期して血管壁の厚みが変化するので、測定するタイミングによってIMT値も変化する。
図を用いて説明すると、図4に示すように、図4(a)のA―Bの2点間距離、つまり、血管の内径は、心臓からの血液の拍出により時間的に変化し、図4(b)に示すような脈波状の波形が観測されることが知られている。
ECGのR波トリガタイミング(図4(b)の下の波形)を基準に考えると、一旦内径は小さくなり、その後、急激に大きくなり、徐々にもとの径に戻っていく。より正確には正常血管の場合、徐々にもとの径に戻っていく際にDicrotic peakというピークが生じ、内径変化波形は二つの正のピークを持つ。
IMT値は血管壁の厚みが最大になったときに測定するのが理想的であるので、心拍を考慮して測定するタイミングを決める必要があり、そのタイミングを心拍期検出部53が検出する。
次に、拍動の判定について説明する。血管壁の厚みなどを測定する場合、その血管を探触子で正しく捉えられているかを評価する必要がある。通常、生体であれば血管、特に動脈は拍動している。拍動性判定部52は、血管が拍動しているかいないかを検出するのではなく、探触子のあて方などが血管の情報を正しく測定できる状態になっているかどうかを、血管の拍動を正しく捉えられているかどうかで判定する。
次に実施の形態1の動作について図2と図5を用いて説明する。図5は実施の形態1の典型的な動作を表すフローチャートである。
まずステップS101では超音波信号処理部2で、超音波信号の送信制御、受信制御を行って、探触子1を駆動することにより超音波を送信し、被検体から反射して探触子1で受信した反射超音波を、一般的な超音波診断装置同様に信号処理を行って受信信号(受信エコーデータ)を生成する。
そしてステップS102で、断層像処理部3がこの受信エコーデータを処理して断層像を構築する。ここで生成される断層像データは被検体の内臓などさまざまなものが対象となるが、ここでは血管、特に頚動脈の画像とそのデータを中心に処理するものとして説明する。
また、超音波信号処理部2から出力される受信エコーデータは、血管壁厚検出部4と拍動検出部5にも送られる。
ステップS103で、血管壁厚検出部4の境界検出部41では、超音波信号処理部2から出力された受信エコー信号の振幅や位相を基に、境界検出部41が血管の内腔内膜境界と中膜外膜境界を検出する。
これは、あらかじめ設定された対象画像範囲内(ROI)の各点について行う。ROIは通常、IMT計測範囲(図18参照)に対応させて設定される。
続いてステップS104で、境界検出部41で検出した内腔内膜境界と中膜外膜境界の位置情報から、IMT算出部42で、内中膜の厚さ、すなわち、IMT値を算出する。
また、境界検出部41が血管の内腔内膜境界および中膜外膜境界の検出結果を血管中心判定部31へ送ると、ステップS105で、血管中心判定部31は、断層像処理部3からの断層像と、境界検出結果とから、現在探触子で捉えられている血管の受信信号が、血管の中心近傍の受信信号であるか否かを判定する。
一方、超音波信号処理部2から出力される受信信号は拍動検出部5にも送られる。
ステップS106では拍動検出部5で、対象とする血管の拍動を検出し、その波形が血管の拍動を正しく捉えているものかどうかを判定する。
まず、拍動情報処理部51では、図4(a)に示すように、対象となる血管の前壁と後壁上に測定点A、Bを設定し、受信エコーデータの振幅や位相を解析することで、測定点A、Bの動きを追跡する。動脈は心拍によって収縮拡張を繰り返しており、このため測定点A、B間の距離は、図4(b)に示す周期的な動きをするので、これを血管の内径変化波形として検出する。
以上のようにして、心電装置などの装置と被検体との間の特別な接続を必要とせず、探触子を被検体に当てるだけの簡単な操作で、血管の内径変化波形を得ることができる。
次に、拍動性判定部52で、拍動情報処理部51で得た内径変化波形が、血管の拍動を正しく捉えているかどうかを、この内径変化波形が脈波状になっているかどうか評価することによって判定する。
判定する方法として、方法(1)内径変化波形の単純な特徴量に着目する方法と方法(2)内径変化波形の基準(モデル)波形との一致度に着目する方法などが考えられる。
まず、方法(1)波形の単純な特徴量に着目する方法について、図6を用いて説明する。振幅やピークのタイミングが通常の人間がとりうる範囲に入っているかを判定するもので、その特徴量のパラメータとしては、下記があげられる。
・ 最大振幅、最小振幅:それぞれ図6のAmax, Amin
・ 最大振幅(Amax)になるタイミング:Tmax
・ 最小振幅(Amin)になるタイミング:Tmin
・ 一心拍周期:TR
上記パラメータは、図6に示す波形で、一例として、Amaxが1 mm弱、Aminがマイナス値、TRが1秒程度、Tmin < Tmaxである場合、拍動性を判定できることが実験で確認されている。
次に、もうひとつの判定方法として、方法(2)内径変化波形の基準(モデル)波形との一致度に着目する方法について、図7を用いて説明する。
基準となるモデル波形を作成し、その波形と測定された内径変化波形との整合度合いを相関係数を算出することにより判定する。モデル波形は複数人の人間の内径波形のデータを集める等して作成しておく。
具体的には、モデル波形と測定された内径変化波形との両者の相関係数を算出する。モデル波形と測定波形の時間長が異なる場合は、図7(b)に示すように、モデル波形と測定波形とを時間軸上に伸縮して時間長を同一にして相関係数を算出する。図7(b)では、モデル波形長よりも測定波形長が長い場合を示している。モデル波形と、ある被験者の内径変化波形との周期、つまり、1心拍周期は一致しないことが殆どなので、図7(b)に示すように時間方向に伸縮させる。
このように拍動性を判定する2種の方法のうち、いずれか一方のみで判定することも可能であり、両方とも行うことも可能である。一方のみであればその処理時間が短縮され、両方行うことによって波形の一致度判定精度をより高めることができる。
ここまでは、波形の評価による判定であるが、IMT値を正確に測定するためには、上述したように、測定するタイミングが重要である。
そこで、R波のタイミング(心拡張末期)を検出する必要がある。
心拍期検出部53では、図8に示すように、対象となる血管の前壁と後壁上に設定された測定点A、Bにおいて、拍動に伴う測定点Aの移動状態を追跡波形TAとして検出し、その変化量、つまり微分波形TA’を求める。この微分波形TA’を擬似的なR波のタイミングとし、IMT測定のタイミングとして参照できるようにする。
前述したように、心拡張末期付近のタイミングが、IMTの値が最大になるときであり、その心拡張末期のタイミングを検出することによって、最適なタイミングでIMT値を測定することができる。
また、厳密にいえば、IMT値が最大値となる理想的なタイミングは図9に示すように心拡張末期(心電図ではR波のタイミングに相当)から所定の時間遅延したタイミングであるので、この遅延時間を考慮してIMT値の測定タイミングを決めることによって、より確度の高い測定を行うことができる。
この構成によれば、ECGなどの装置を用いることなく、IMT測定に最適なタイミング検出することができる。
なお、一心拍中において、IMT値を測定するためのタイミングとしては必ずしも心拡張末期である必要はなく、処理の遅延時間や処理方法に応じて任意のタイミングを検出できるようにしておけば汎用性が高まる。
ここで、図10に、診断において血管を正しく捉えられている場合と、正しく捉えられていない場合の波形を示す。
aからeまでの各ポイントで拡張末期を検出しているが、a、b、cのポイントは血管を正しく捉えられていないポイントで、d、eは血管を正しく捉えているポイントである。
d、eは、内径変化波形の評価による拍動性判定と心拡張末期検出の双方が正しく検出されたポイントであるが、a、b、cのように、診断において血管を捜そうとするなどして探触子を移動させた場合など、心拡張末期ではないポイントを検出してしまったとしても内径変化波形の評価により血管を正しく捉えられていないことを判定している。
つまり、拍動性判定部52では、拍動情報処理部51で検出した内径変化波形の評価結果と、心拍期検出部53で検出した心拡張末期のタイミングの両方を参照することによって、血管が拍動していること、すなわち、探触子により血管が正しく捉えられていることを判定する精度を向上させている。
最後に、信頼性判定部6にて、ステップS107で血管中心判定部31と拍動検出部5で検出し判定された拍動性とを評価することによって、IMT算出部42で算出したIMT値の信頼性を判定し、ステップS108で測定結果として妥当であるかの判定を行う。IMT値が信頼性ありと判定されたら、ステップS109で制御部7が、このIMT値を、IMT測定値として決定する。信頼性なしと判定された場合は、ステップS101に戻って測定を継続する。
また、信頼性ありの判定となったとき、信頼性判定部6は制御部7を介して画像をフリーズする処理を行うことによって、IMT測定において信頼性のある測定結果とその血管断層像画像を得ることができる。
信頼性判定部6での判定は、診断対象である現在捉えられている血管が、IMT測定結果を決定するために妥当な状態かどうかからIMT値の信頼性判定するもので、血管中心判定部31での判定結果と、拍動性判定部52での判定結果とに基づいて信頼性の判定を行う。
より具体的には、血管中心判定部31で探触子1の位置が血管の中心近傍を捉えていると判定されたとき、信頼性判定部6はIMT値の信頼性が高いと判定する。また、拍動性判定部52で血管の拍動を正しく捉えていると判定されたとき、信頼性判定部6はIMT値の信頼性が高いと判定する。そしてこれらが満たされたとき、信頼性判定部6はIMT測定結果を決定するのに十分な信頼性があると判定する。
あるいは、血管中心判定部31で探触子1の位置が血管の中心近傍を捉えている確からしさを表す評価値を算出し、拍動性判定部52で血管の拍動を正しく捉えている確からしさを表す評価値を算出し、信頼性判定部6では、血管中心判定部31で算出された評価値と拍動性判定部52で算出された評価値からIMT値の信頼性を表す評価値を算出し、この評価値が既定の基準値を超えている場合に信頼性があると判定するようにしてもよい。本願明細書において評価値が既定の基準値を超えている場合とは、信頼性があると判定される値の範囲が基準値より大きい場合、および、信頼性が高いと判定される値の範囲が基準値より小さい場合を含む。つまり、信頼性があると判定される所定の値の範囲は基準値より大きい場合と小さい場合とがある。したがって、評価値の取り方によっては、評価値が基準値よりも小さい場合に信頼性があると判定される場合、および、評価値が基準値よりも大きい場合に信頼性があると判定される場合がある。いずれの場合も、評価値が、信頼性があると判定される所定の値の範囲内にあれば信頼性があると判定される。
このとき血管中心判定部31で算出する評価値は、例えば、上述の内腔内膜境界及び中膜外膜境界が明瞭に描出されている部分の長さが大であるほど評価値が大きくなるように、あるいは、上述の検出された内腔内膜境界位置や中膜外膜境界位置の周辺における断層像の輝度の立ち上がりや落ち込みが大きいほど評価値が大きくなるように、定めればよい。また、拍動性判定部52で算出する評価値は、例えば、上述のモデル波形と測定された内径変化波形の相関が大きいほどが大きくなるように定めればよい。
このとき、血管中心判定部31の結果のみで判定することもでき、拍動性判定部52の結果のみで判定することもできる。両方の判定結果を参照することによって、その判定精度を向上させることができる。その一方で、片方だけの判定でも診断状況によっては判定可能であるので、装置の用途、コスト、物量などに応じて、ソフトウエアを適宜選択することも可能である。
ステップS110では画像合成部8で、この信頼性判定部6で判定された結果に基づいて決定されたIMT測定値と、断層像処理部3で構築された断層像とを合成して、表示器9に出力することによって診断画像と測定結果を操作者が確認できるようになる。
なお、図5では血管中心判定処理(ステップS105)、拍動性判定処理(ステップS106)の順に実行するようになっているが、これらは順不同である。
また、本実施の形態では血管中心判定部31は、断層像処理部3で構築された断層像と境界検出部41で検出した血管境界を用いて、探触子1を被検体にあてた位置が血管の中心を捉らえているかを判定したが、超音波信号処理部2の出力である受信エコー信号を断層像処理部3を経由せず血管中心判定部31へ直接入力するような構成をとることで、断層像の代わりに超音波信号処理部2が出力する受信エコー信号の振幅を用いることも可能である。これにより、断層像を構築する際の設定やパラメータに依存せずに判定を実施できる。
(実施の形態2)
次に実施の形態2について図11を用いて説明する。なお、典型的な動作のフローチャートは図5と同様になる。
図11は本発明の実施の形態2に係る超音波診断装置のブロック図である。本実施の形態の超音波診断装置102は、超音波信号処理部2、断層像処理部3、血管壁厚算出部4、拍動検出部50、信頼性判定部6、制御部7および画像構成部8を備えている。
図2を用いて説明した実施の形態1との差異は、拍動検出部5の代わりに、拍動情報処理部51、拍動性判定部52、ECG信号処理部54および心拍期検出手部55を有する拍動検出部50を備えた点である。
拍動情報処理部51、拍動性判定部52は実施の形態1と同様の機能を有するので、ここでは説明を割愛する。
図11において、ECGを用いた拍動検出について説明する。図11では、拍動検出部50にECG信号処理部54を設け、ECGパッド12で検出した被検体の心電図信号を増幅し、信号波形を解析してR波信号などの検出を行い、心拍期検出手部55で、ECG信号処理部54で検出した心拍タイミングを検出する。実施の形態1でも説明したようにIMT測定ではR波のタイミング(心拡張末期)に基づき、IMT値が最大となるタイミングを検出する。
ECGを用いることによって、心拡張末期を含む心拍タイミングを正確に検出することができるので、拍動性判定の確度が向上する。
実施の形態1と実施の形態2とは、ECGの有無が主な差異の1つである。ECGを用いることによって、実施の形態1で説明した拡張末期検出部53の血管の内径変化から間接的に心拡張末期を検出する構成に比べ、心電信号を直接観測するのでより精度高く心拡張末期のタイミングを検出できる。よってIMTの測定精度が高まるという効果を有するが、ECGは被検体(患者)の手首、足首、胸にECGパッドを貼っての測定が必要で、その測定に際しては安静にしていなければならない。
一方、実施の形態1では、ECGが不要であるため、患者の首にある頚動脈に超音波探触子をあてるだけでIMT値を測定することができるので、実施の形態2のECGを用いるものよりも測定における容易性・操作性がより高まるという効果がある。
すなわち、実施の形態1では、測定の操作性を優先すべきときに利用し、実施の形態2では測定の精度をさらに向上させるべきときに利用するのが効果的である。
具体的には、実施の形態1の構成による超音波診断装置は、まず循環器系の疾患の可能性があるかどうかの初期診断などで手軽に測定することができるので、健康診断など、診断場所を選ばずに診断が求められる場合などに利用するとよい。
一方、実施の形態2の構成による超音波診断装置は、循環器系の疾患について、診断環境の整った場所で、より精度高い診断が必要である場合に利用するとよい。
このように、本発明よれば、診断におけるIMT測定の容易性・操作性向上、測定精度の向上、両方の効果を併せ持つ超音波診断装置を提供することができる。
(実施の形態3)
次に、図12と図13を用いて、本発明の実施の形態3について説明する。図12は本発明の実施の形態3に係る超音波診断装置のブロック図、図13は本発明の実施の形態3の典型的な動作を表すフローチャートである。
本実施の形態3の超音波診断装置103は、超音波信号処理部2、断層像処理部3、血管壁厚算出部4、拍動検出部5、信頼性判定部6、制御部7、画像合成部8、長軸判定部20、安定性判定部21、および血管中心判定部31を備えている。
実施の形態1との差異は、長軸判定部20と安定性判定部21を備え、信頼性判定部6にて、長軸判定部20と安定性判定部21の判定結果を用いる点である。
さらに、もう一つの差異は、これらの判定結果や血管中心判定および拍動性判定の結果を表示器9に表示する点である。
探触子1は実施の形態1と同等であり、超音波信号処理部2、断層像処理部3、血管中心判定部31、血管壁厚検出部4、拍動検出部5で行われる処理は実施の形態1と同等である。
まずステップS201、S202、S203、S204では、それぞれ実施の形態1のステップS101、S102、S103、S104と同様に処理する。
本実施の形態では、断層像処理部3から出力される断層像情報は、長軸判定部20にも送られる。ステップS211では長軸判定部20で、断層像情報に含まれる輝度情報を元に、取得している断層像情報に血管の長軸方向断面を含んでいるかを判定する。ここで、例えばIMT計測範囲(図18参照)において断層像情報の輝度分布から血管の長軸方向であると判定されたとき、断層像情報に血管の長軸方向断面を含んでいると判定できる。あるいは、IMT計測範囲における断層像情報の輝度分布や、IMT計測範囲に占める血管の長軸方向であると判定された範囲の割合などから、断層像情報に血管の長軸方向断面を含んでいる確からしさを表す度合いを(長軸を含むか否かの二値ではなく)判定するようにもできる。
次に、安定性判定部21の処理について説明する。本実施の形態では、血管壁厚検出部4から出力される境界検出結果と血管壁厚の情報は、安定性判定部21にも送られる。ステップ212で安定性判定部21は、境界検出部41で検出された境界を基にIMT算出部42で算出されたIMT値の、所定の期間における時間変動から、探触子1の動きや被験体の動きなどの外乱によるIMT値の変動の度合いを求め、算出されたIMT値の安定性を判定する。ここでは、IMT算出部42でIMT値を算出するタイミングが心拡張末期であるとして説明する。
IMT算出部42で算出されたIMT値は一心拍ごとに安定性判定部21に送られる。安定性判定部21では、所定の心拍数間、算出されたIMT値を蓄積する。そして、例えば、蓄積した複数のIMT値間の差分を所定の値と比較し、これより小さい場合に探触子1の動きや被験体の動きなどによるIMT値の変動の度合いは小さく、算出されたIMT値は安定していると判定する。あるいは、蓄積した複数のIMT値間の差分が小さいほど算出されたIMT値は安定しているというように、IMT値の安定性の度合いを(安定か否かの二値ではなく)判定するようにもできる。
続いてステップS205、S206では、それぞれ実施の形態1のステップS105、S106と同様に処理する。
次に、本実施の形態における信頼性判定部6の処理について説明する。ステップS207では信頼性判定部6で、(a)長軸判定部20の判定結果と、(b)血管中心判定部31の判定結果と、(c)拍動情報処理部51と心拍期検出部53から出力される情報を用いて、拍動性判定部52で血管の拍動を判定した結果と、(d)安定性判定部21の判定結果とを評価することによって、IMT算出部42で算出したIMT値の信頼性を判定し、ステップS208で測定結果として妥当であるかの判定を行う。IMT値が信頼性ありと判定されたら、ステップS209で制御部7が、このIMT値を、IMT測定値として決定する。このとき画像をフリーズする処理を行ってもよい。信頼性なしと判定された場合は、ステップS201に戻って測定を継続する。
ここで信頼性判定部6における信頼性の判定処理ついてより具体的に説明すると、まず、(1)長軸判定部20で上述のように例えばIMT計測範囲において断層像情報に血管の長軸方向断面を含んでいると判定されたとき、信頼性判定部6はIMT値の信頼性が高いと判定する。また、(2)安定性判定部21で上述のようにIMT値の変動の度合いが所定の値より小さく安定していると判定されたとき、信頼性判定部6はIMT値の信頼性が高いと判定する。さらに実施の形態1と同様に、(3)血管中心判定部31で探触子1の位置がIMT測定するのに十分に血管の中心近傍を捉えていると判定されたとき、及び、(4)拍動性判定部52で血管の拍動を正しく捉えていると判定されたとき、信頼性判定部6はIMT値の信頼性が高いと判定する。そして上記(1)〜(4)の四つの判定のすべて又は所定の数が満たされたとき、信頼性判定部6はIMT測定結果を決定するのに十分な信頼性があると判定する。
あるいは、(5)長軸判定部20で上述の断層像情報に血管の長軸方向断面を含んでいる確からしさを表す度合いを評価値として算出し、(6)安定性判定部21で上述のIMT値の安定性の度合いを評価値として算出し、さらに実施の形態1と同様に、(7)血管中心判定部31で探触子1の位置が血管の中心近傍を捉えている確からしさを表す評価値を算出し、(8)拍動性判定部52で血管の拍動を正しく捉えている確からしさを表す評価値を算出し、信頼性判定部6では、上記(5)〜(8)の四つの評価値からIMT値の信頼性を表す評価値を算出し、この評価値が既定の基準値を超えている場合に信頼性があると判定するようにしてもよい。
ステップS210では画像合成部8で、この信頼性判定部6で決定されたIMT測定値と、断層像処理部3で構築された断層像とを合成するとともに、信頼性判定部6の判定結果を断層像処理部3で構築された断層像と合成して、表示器9に出力する。これにより、血管の長軸方向の血管中心を通る断面で計測できているかどうかが視覚的にわかるため、測定結果とその信頼性を操作者が確認できるようになり、操作性が向上する。
なお、信頼性判定部6の判定結果は断層像と合成させず単独で文字や記号などを用いて表示することも可能である。
また、長軸判定部20の判定結果や、血管中心判定部31の判定結果、拍動性判定部52の判定結果及び安定性判定部21の判定結果を表示器9に表示することも可能である。各判定結果を表示することにより、IMT測定の信頼性が低かった場合に、どのような原因で信頼性が低いのかを、ユーザが知ることが出来るため操作性の向上につながる。
以上のように、本実施の形態において、長軸判定部20により、取得している断層像情報に血管の長軸方向断面を含んでいるかを判定し、その結果を信頼性判定に用いることにより、血管の長軸方向の中心断面から取得された受信信号であるかの判定精度が向上し、IMT測定の信頼性が向上する。
また、安定性判定部21により、IMT値の変動度合いからその安定性を判定し、その結果を信頼性判定に用いることにより、探触子1の動きや被験体の動きなどの影響が少ないIMT値を測定値として採用でき、IMT測定の精度が向上する。
また、本実施の形態では長軸判定部20は断層像処理部3が送出する断層像情報を用いて取得している断層像情報が被験体の血管の長軸方向断面を含んでいるか否かを判定したが、超音波信号処理部2が出力する受信エコー信号の振幅を用いることも可能である。これにより、断層像を構築する際の設定やパラメータに依存せずに判定を実施できる。
さらに、本実施の形態では、血管中心判定部31は断層像処理部3が送出する断層像情報を用いて血管の長軸方向の中心断面から取得された受信信号であるかを判定したが、超音波信号処理部2が出力する受信エコー信号の振幅を用いることも可能である。これにより、断層像を構築する際の設定やパラメータに依存せずに判定を実施できる。
なお、図13では長軸判定処理(ステップS211)、安定性判定処理(ステップS212)、血管中心判定処理(ステップS205)、拍動性判定処理(ステップS206)の順に実行するようになっているが、これらは順不同である。
なお、本実施の形態では、長軸判定部20と安定性判定部21をともに備える構成としたが、長軸判定部20のみ、または安定性判定部21のみを備える構成とすることも可能である。
(実施の形態4)
次に、図14と図15を用いて、本発明の実施の形態4について説明する。図14は本発明の実施の形態4に係る超音波診断装置のブロック図、図15は本発明の実施の形態4の典型的な動作を表すフローチャートである。
本実施の形態4の超音波診断装置104は、超音波信号処理部2、断層像処理部3、血管壁厚算出部4、拍動検出部5、信頼性判定部6、制御部7、画像合成部8、長軸判定部20、安定性判定部21、血管中心判定部31および判定基準決定部22を備えている。
実施の形態3との差異は、血管中心判定および拍動性判定および長軸判定および安定性判定の判定基準を、ROI内の輝度信号の特徴に応じて可変にする判定基準決定部22を備えた点である。
探触子1は実施の形態1と同等であり、超音波信号処理部2、断層像処理部3、血管中心判定部31、血管壁厚検出部4、拍動検出部5で行われる処理は実施の形態1と同等である。また、長軸判定部20、安定性判定部21の処理は実施の形態3と同等である。
まずステップS301、S302、S303、S304では、それぞれ実施の形態1のステップS101、S102、S103、S104と同様に処理する。
次に、判定基準決定部22について説明する。判定基準決定部22は、ステップS313で制御部7からの制御信号でトリガがかかると、ステップS314で、断層像処理部3で得られる断層像情報と境界検出部41から得られる検出結果とを用いて、境界付近の輝度信号の特徴を示す値を算出する。この特徴量に応じて、長軸判定部20、安定性判定部21、血管中心判定部31、拍動性判定部52で判定に用いる所定の値を変更することで、判定基準を決定する。
続いてステップS311、S312、S305、S306では、それぞれ実施の形態3のステップS211、S212及び実施の形態1のステップS105、S106と同様に処理する。
ステップS307では信頼性判定部6で、判定基準決定部22で決定された閾値を用いた長軸判定部20、安定性判定部21、血管中心判定部31、拍動性判定部52の判定結果により、算出されたIMT値の信頼性を判定する。
被験体の血管や血管周辺の組織性状に応じて断層像の描出の度合いが変化した場合に、単一の判定基準を用いていると、被検体によって判定基準が甘すぎたり、厳しすぎるという状況が生じ、IMT測定の精度および信頼性が低下する。そこで、本実施の形態のように、判定基準決定部22を備えることにより、被検体の組織性状に応じて血管中心判定、拍動判定、長軸判定および安定性判定が実施できるため、IMT測定の精度および信頼性が向上する。
信頼性判定部6で判定したIMT値の信頼性に対して、ステップS308で測定結果として妥当であるかの判定を行う。IMT値が信頼性ありと判定されたら、ステップS309で制御部7が、このIMT値を、IMT測定値として決定する。このとき画像をフリーズする処理を行ってもよい。信頼性なしと判定された場合は、ステップS301に戻って測定を継続する。
ステップS310では、実施の形態3のステップS210と同様に処理する。
なお、本実施の形態では制御部7からの制御信号をトリガとしているが、例えば、長軸判定部20により、取得している断層像が血管の長軸方向断面を含んでいると判定されたタイミングをトリガとしても良い。これにより、長軸方向の断層像を取得した後にスムーズにIMT計測が実施できる。
また、入力部を備えて、ユーザからの入力をトリガとしてもよい。これにより、IMT計測に関して十分な知識を持つユーザに判定基準を選択させることも可能である。
なお、図15では長軸判定処理(ステップS311)、安定性判定処理(ステップS312)、血管中心判定処理(ステップS305)、拍動性判定処理(ステップS306)の順に実行するようになっているが、これらは順不同である。
なお、本実施の形態では長軸判定部20、安定性判定部21をともに備える構成としたが、どちらか一方のみを備えることも可能である。
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5に係る超音波診断装置のブロック図である図16を用いて実施の形態5に係る超音波診断装置105について説明する。なお、図2と同じ符号を付与したブロックは実施の形態1と同等であり、説明を割愛する。
信頼性判定部60は、測定対象となる血管の壁厚などを測定するに際し、観測状態や測定値の信頼度、すなわち測定結果としてどの程度信頼できるのかの度合いを、断層像処理部3、血管壁厚算出部4および拍動検出部5の測定・処理結果をもとに判定する。フレーム記録部61は、信頼性判定部60で判定された信頼度を、IMT算出部42で算出されたIMT値及び断層像処理部3で構成された断層像とともに、フレームとして記録する。最適フレーム選択部62は、フレーム記録部61に記録されたフレームの全てまたはサブセットのうちから最も信頼度が高いフレームを選択する。
制御部70は、各ブロックを制御するとともに、信頼性判定部60で判定された結果に基づいて、最適フレーム選択部62で選択されたフレームの測定結果を測定値として確定したり、画像をフリーズさせて選択されたフレームの測定結果と断層像を表示するように制御したりする。
画像合成部80は、表示器9を接続可能な構成であり、最適フレーム選択部で選択されたフレームの測定結果と断層像とを、接続された表示器9で表示できるように合成する。
次に実施の形態5の動作について図16と図17を用いて説明する。図17は実施の形態5の典型的な動作を表すフローチャートである。
まず、探触子1、超音波信号処理部2、断層像処理部3、血管中心判定部31、境界検出部41とIMT算出部42を含む血管壁厚検出部4、拍動情報処理部51と拍動性判定部52と心拍期検出部53を含む拍動検出部5の動作は、実施の形態1と同様である。ステップS401、S402、S403、S404、S405、S406では、それぞれ実施の形態1のステップS101、S102、S103、S104、S105、S106と同様に処理する。
次に、ステップ407で信頼性判定部60にて、血管中心判定部31と拍動性判定部52で検出し判定された拍動性とを評価することによって、IMT算出部42で算出したIMT値の信頼性を判定し、測定結果としてどの程度妥当であるかの度合いを表す信頼度の判定を行う。このとき、血管中心判定部31で探触子1の位置が血管の中心近傍を捉えている確からしさを表す評価値を算出し、拍動性判定部52で血管の拍動を正しく捉えている確からしさを表す評価値を算出し、信頼性判定部60では、これらの評価値が高いほど算出されたIMT値の信頼度は高いと判定する。血管中心判定部31及び拍動性判定部52における評価値の算出方法は、実施の形態1で述べた内容と同様であるので説明を割愛する。そしてステップS415で、判定された信頼度を、IMT算出部42で算出したIMT値及び断層像処理部3で構成された断層像とともに、フレーム記録部61にフレームとして記録する。
ステップS416については後述する。
最後に、ステップS417で最適フレーム選択部62にて、制御部7からの指示により、フレーム記録部61に記録されたフレームを読み出して、その全てまたはサブセットのうち最も信頼度が高いフレームが選択されるとともに、制御部7が、選択されたフレームのIMT値を、IMT測定値として決定する。制御部7が上記指示をする具体的なタイミングの一例としては、ユーザ操作あるいは後述する信頼性判定部60による判定により、制御部7を介して画像がフリーズされたときが挙げられる。
この際ステップS416にあるように、信頼性判定部60は、一定の条件が満たされたときに、制御部7を介して画像をフリーズする処理を行うよう構成することができる。具体的には、信頼度が既定値より高いフレームを一定数以上フレーム記録部61に記録したとき、あるいは、信頼度が既定値より高いフレームを一定数連続してフレーム記録部61に記録したときに、フリーズするとよい。特に後者の場合、信頼度が高いフレームが連続することは安定して適切に計測できていると言え、最適フレーム選択部62は当該連続フレームのうちから、最も信頼度が高いフレームを選択するのが望ましい。フリーズ条件が満たされていない場合は、ステップS401に戻って測定を継続する。
なお、図17では血管中心判定処理(ステップS405)、拍動性判定処理(ステップS406)の順に実行するようになっているが、これらは順不同である。
以上で説明した構成により、IMT測定において信頼性のある測定結果とその血管断層像画像を得ることができる。
なお、信頼性判定部60での判定では、血管中心判定部31の結果のみで判定することもでき、拍動性判定部52の結果のみで判定することもできるが、両方の判定結果を参照することによって、その判定精度を向上させることができること、また、装置の用途、コスト、物量などに応じて、ソフトウエアを適宜選択することも可能なことは、実施の形態1と同様である。
さらに、実施の形態3で述べた長軸判定部20や安定性判定部21も備えるように超音波診断装置105を構成し、信頼性判定部60は、血管中心判定部31と拍動性判定部52に加えて、長軸判定部20や安定性判定部21の判定結果も使用して、IMT算出部42で算出したIMT値の信頼性を判定するように構成することもできる。このとき信頼性判定部60では、探触子1の位置が血管の中心近傍を捉えている確からしさを表す評価値と血管の拍動を正しく捉えている確からしさを表す評価値に加えて、長軸判定部20で断層像情報に血管の長軸方向断面を含んでいる確からしさを表す評価値を算出し、安定性判定部21でIMT値の安定性の度合いを表す評価値を算出し、信頼性判定部60では、これら四つの評価値が高いほどIMT値の信頼度は高いと判定する。長軸判定部20及び安定性判定部21における評価値の算出方法は、実施の形態3で述べた内容と同様であるので説明を割愛する。これにより、さらに信頼性判定の性能を向上させることが可能となる。
また、実施の形態4で述べた判定基準決定部22も備えるように超音波診断装置105を構成し、制御部7からの制御信号などをトリガとして、長軸判定部20、安定性判定部21、血管中心判定部31、拍動性判定部52で判定に用いる所定の値を変更することで、判定基準を決定するように構成することもできる。この場合の判定基準決定部22の動作とその効果は実施の形態4と同様であるので説明を割愛する。
ステップS410では画像合成部80で、信頼性判定部60で判定された結果に基づいて決定された、最適フレーム選択部62において選択されたフレームのIMT測定値と断層像とを合成して、表示器9に出力することによって診断画像と測定結果を操作者が確認できるようになる。
なお、図示しないが、実施の形態2と同様に、拍動検出部5の代わりに、ECGパッド12を用いて拍動検出部50を備える構成とすることも可能である。この場合の図16との差異や各々の特徴は、実施の形態1と実施の形態2との関係と同じであるので、詳細な説明は割愛する。
このように、本発明よれば、診断におけるIMT測定の容易性・操作性向上、測定精度の向上、両方の効果を併せ持つ超音波診断装置を提供することができる。
本発明にかかる超音波診断装置および内中膜複合体厚(IMT)の測定方法は、探触子のあて方などIMT測定において適切な状態とタイミングで対象となる血管の測定を行っているかどうかを判定してそのときのIMT値を測定値として決定するので、信頼性の高いIMTの測定値を得ることができる。よって、動脈硬化などの診断における精度や操作性が向上するという効果を有し、超音波診断装置とそれを用いたIMTの測定方法として有用である。
1 探触子
2 超音波信号処理部
3 断層像処理部
4 血管壁厚算出部
5 拍動検出部
6 信頼性判定部
7 制御部
8 画像合成部
9 表示器
10 血管
11 被検体皮膚表面
12 ECGパッド
20 長軸判定部
21 安定性判定部
22 判定基準決定部
31 血管中心判定部
41 境界検出部
42 IMT算出部
50 拍動検出部
51 拍動情報処理部
52 拍動性判定部
53 心拍期検出部
54 ECG信号処理部
55 心拍期検出部
60 信頼性判定部
61 フレーム記録部
62 最適フレーム選択部
70 制御部
80 画像合成部
101、102、103、104、105 超音波診断装置

Claims (27)

  1. 振動子を有する探触子が接続可能な超音波診断装置であって、
    前記探触子を駆動し被検体の血管へ超音波を送信する送信処理及び前記探触子によって受信した前記被検体の血管からの反射超音波から受信信号を生成する受信処理を行う超音波信号処理部と、
    前記受信信号から断層像を構築する断層像処理部と、
    前記受信信号又は前記断層像より前記血管の内腔内膜境界及び中膜外膜境界を検出する境界検出部と、
    前記境界検出部で検出された内腔内膜境界及び中膜外膜境界の間隔を血管壁厚値として算出する血管壁厚算出部と、
    前記受信信号又は前記断層像の前記検出された内腔内膜境界及び中膜外膜境界の位置における信号上又は画像情報上の特徴に基づき前記血管壁厚値の信頼性を判定する信頼性判定部と、
    前記信頼性判定部の判定結果に基づき前記血管壁厚値を内中膜複合体厚と確定する制御部と
    を備える超音波診断装置。
  2. 前記信号上の特徴は、信号強度および信号強度の分布の少なくとも一方を含む請求項1に記載の超音波診断装置。
  3. 前記画像情報上の特徴は、輝度、輝度の分布および形体の少なくとも1つを含む請求項1に記載の超音波診断装置。
  4. 前記受信信号又は前記断層像の前記検出された内腔内膜境界及び中膜外膜境界の位置における信号上又は画像情報上の特徴から、前記受信信号が前記血管の長軸方向の中心を通る断面近傍から取得されているかどうかの判定、または、前記受信信号が前記血管の長軸方向の中心を通る断面近傍から取得されている確からしさを表す評価値の算出を行う血管中心判定部を更に備え、
    前記信頼性判定部は、前記血管中心判定部で前記受信信号が前記血管の長軸方向の中心を通る断面近傍から取得されていると判定されたとき、もしくは、前記評価値が所定の基準値を超えているときに前記血管壁厚値の信頼性が高いと判定し、または、前記評価値が高いときほど、前記血管壁厚値の信頼性が高いと判定する請求項1から3のいずれかに記載の超音波診断装置。
  5. 前記血管中心判定部は、前記受信信号又は前記断層像の前記検出された内腔内膜境界及び中膜外膜境界の信号上又は画像情報上に、内腔内膜境界及び中膜外膜境界に特有の信号強度の分布又は輝度の分布が存在しているかを評価することにより、前記受信信号が前記血管の長軸方向の中心を通る断面近傍から取得されているかを判定する請求項4に記載の超音波診断装置。
  6. 前記血管中心判定部は更に、前記受信信号又は前記断層像の前記検出された内腔内膜境界及び中膜外膜境界の位置の信号上又は画像情報上に、内腔内膜境界及び中膜外膜境界に特有の信号強度の分布又は輝度の分布が存在している部分の長さを評価することにより、前記受信信号が前記血管の長軸方向の中心を通る断面近傍から取得されているかを判定する請求項5に記載の超音波診断装置。
  7. 血管の拍動状態を検出して血管の拍動を正しく捉えているかどうかの判定、または、前記血管の拍動状態を検出して血管の拍動を正しく捉えている確からしさを表す評価値の算出を行う拍動検出部を更に備え、
    前記信頼性判定部は、前記拍動検出部で血管の拍動を正しく捉えていると判定されたとき、もしくは、前記評価値が所定の基準値を超えているときに前記血管壁厚値の信頼性が高いと判定し、または、前記評価値が高いときほど、前記血管壁厚値の信頼性が高いと判定する請求項1から6のいずれかに記載の超音波診断装置。
  8. 前記拍動検出部は、血管の内径の変化から前記血管の拍動状態を検出し、前記血管の内径の変化が脈波状であるときに血管の拍動を正しく捉えていると判定する請求項7に記載の超音波診断装置。
  9. 前記拍動検出部が、前記血管の内径の変化の特徴量を検出することによって拍動状態を検出する請求項8に記載の超音波診断装置。
  10. 前記拍動検出部が、前記血管の内径の変化波形と、あらかじめ登録されたモデル波形との相関により拍動状態を検出する請求項8に記載の超音波診断装置。
  11. 前記拍動検出部は、心拍中の特定のタイミングを検出する心拍期検出部を更に有し、検出したタイミングの前後何れか又は両方で血管の拍動を正しく捉えているかどうかの判定、または、検出したタイミングの前後何れか又は両方で血管の拍動を正しく捉えている確からしさを表す評価値の算出を行い、
    前記信頼性判定部は、前記拍動検出部で前記心拍期検出部で検出したタイミングの前後何れか又は両方で血管の拍動を正しく捉えていると判定されたとき、もしくは、前記評価値が所定の基準値を超えているときに前記血管壁厚値の信頼性が高いと判定し、または、前記評価値が高いときほど、前記血管壁厚値の信頼性が高いと判定する請求項7から10のいずれかに記載の超音波診断装置。
  12. 前記拍動検出部が、前記受信信号から前記被検体の組織の動きを検出して拍動状態を検出し、前記心拍期検出部が、前記拍動状態から心拍中の特定のタイミングを検出する請求項11に記載の超音波診断装置。
  13. 前記心拍期検出部が、心電図の波形から前記タイミングを検出する請求項11に記載の超音波診断装置。
  14. 前記心拍期検出部で検出するタイミングが、心拡張末期である請求項11から13のいずれかに記載の超音波診断装置。
  15. 前記心拍期検出部で検出するタイミングが、心拡張末期から所定の時間だけ遅延したタイミングである請求項11から13までのいずれかに記載の超音波診断装置。
  16. 前記受信信号又は前記断層像が前記被検体の血管の長軸方向断面を含んでいるかどうかの判定、または、前記受信信号又は前記断層像が前記被検体の血管の長軸方向断面を含んでいる確からしさを表す評価値の算出を行う長軸判定部を更に備え、
    前記信頼性判定部は、前記長軸判定部で前記受信信号又は前記断層像が前記被検体の血管の長軸方向断面を含んでいると判定されたとき、もしくは、前記評価値が所定の基準値を超えているときに前記血管壁厚値の信頼性が高いと判定し、または、前記評価値が高いときほど、前記血管壁厚値の信頼性が高いと判定する請求項1から15のいずれかに記載の超音波診断装置。
  17. 前記血管壁厚値の時間変動の度合いの小ささから前記血管壁厚値が安定しているか否かの判定、または、前記血管壁厚値の時間変動の度合いの小ささから前記血管壁厚値が安定している確からしさを表す評価値の算出を行う安定性判定部を更に備え、
    前記信頼性判定部は、前記安定性判定部で前記血管壁厚値が安定していると判定されたとき、もしくは、前記評価値が所定の基準値を超えているときに前記血管壁厚値の信頼性が高いと判定し、または、前記評価値が高いときほど、前記血管壁厚値の信頼性が高いと判定する請求項1から16のいずれかに記載の超音波診断装置。
  18. 前記信頼性判定部による判定結果と前記断層像処理部で構築した断層像とを合成する画像合成部をさらに備え、
    前記画像合成部で合成した画像を表示する請求項1から17のいずれかに記載の超音波診断装置。
  19. 前記被検体の血管からの受信信号または前記断層像処理部で構築された断層像情報と、前記境界検出部で検出した境界とを用いて、前記血管中心判定処理あるいは前記拍動性判定処理あるいは前記長軸判定部あるいは前記安定性判定処理に用いる判定基準を決定する判定基準決定部を更に備える請求項4、7、16および17のいずれかに記載の超音波診断装置。
  20. 前記超音波信号処理部は前記送信処理および前記受信処理を複数回行うことにより、複数の受信信号を逐次生成し、
    前記断層像処理部は前記複数の受信信号から複数の断層像を逐次構築し、
    前記境界検出部は、前記複数の受信信号又は前記複数の断層像のそれぞれより前記血管の内腔内膜境界及び中膜外膜境界を逐次検出し、
    前記血管壁厚算出部は、前記逐次検出される血管の内腔内膜境界及び中膜外膜境界から前記血管壁厚値を逐次算出し、
    前記信頼性判定部は、前記逐次算出される血管壁厚値の信頼性を逐次判定し、
    前記制御部は、前記信頼性判定部の判定結果に基づき前記血管壁厚値を内中膜複合体厚と確定し、
    少なくとも前記逐次構築される断層像を表示する請求項1から19のいずれかに記載の超音波診断装置。
  21. 前記制御部は、前記信頼性判定部で判定された結果に基づいて、前記逐次表示される断層像をフリーズさせる請求項20に記載の超音波診断装置。
  22. 前記断層像、前記血管壁厚値および前記信頼性判定部の判定結果をフレームとして、逐次記録するフレーム記録部と、
    前記フレーム記録部に記録された複数のフレームの全てまたはサブセットのうちから最も信頼性が高いフレームを選択する最適フレーム選択部とを更に備え、
    前記制御部は、前記最適フレーム選択部で選択されたフレームにおける前記血管壁厚算出部の算出結果を前記内中膜複合体厚と確定する請求項20または21に記載の超音波診断装置。
  23. 前記制御部は、前記血管壁厚値の信頼性が既定値より高いフレームを一定数以上前記フレーム記録部に記録したときに、前記逐次表示される断層像をフリーズさせる請求項22に記載の超音波診断装置。
  24. 前記制御部は、前記血管壁厚値の信頼性が既定値より高いフレームを一定数連続して前記フレーム記録部に記録したときに、前記逐次表示される断層像をフリーズさせる請求項22に記載の超音波診断装置。
  25. 前記最適フレーム選択部は、前記の一定数連続して前記フレーム記録部に記録された信頼性が規定値より高い当該フレームのうちから、最も信頼性が高いフレームを選択する請求項24に記載の超音波診断装置。
  26. 探触子によって受信した被検体の血管からの反射超音波から受信信号を生成する受信処理を行い、
    前記受信信号から断層像を構築し、
    前記受信信号又は前記断層像より前記血管の内腔内膜境界及び中膜外膜境界を検出し、
    前記検出された内腔内膜境界及び中膜外膜境界の間隔を血管壁の厚みとして算出し、
    前記受信信号又は前記断層像の前記検出された内腔内膜境界及び中膜外膜境界の位置における信号上又は画像情報上の特徴に基づき前記血管壁の厚みの信頼性を判定し、
    この判定された結果に基づいて前記血管壁の厚みの算出結果を測定値と決定する内中膜複合体厚の測定方法。
  27. 探触子によって受信した被検体の血管からの反射超音波から受信信号を生成する受信処理を行い、
    前記受信信号から断層像を構築し、
    前記受信信号又は前記断層像より前記血管の内腔内膜境界と中膜外膜境界を検出し、
    前記検出された内腔内膜境界及び中膜外膜境界の間隔を血管壁の厚みとして算出し、
    前記血管の拍動状態を検出し、
    前記受信信号又は前記断層像の前記検出された内腔内膜境界及び中膜外膜境界の位置における信号上又は画像情報上の特徴から、前記受信信号が前記血管の長軸方向の中心を通る断面近傍から取得されているかを判定し、
    前記血管の拍動状態から血管の拍動を正しく捉えているかを判定し、
    これらの前記受信信号が前記血管の長軸方向の中心を通る断面近傍から取得されているか及び前記血管の拍動を正しく捉えているかの判定結果から前記血管壁の厚みの信頼性を判定し、
    この判定された結果に基づいて前記血管壁の厚み算出結果を測定値と決定する内中膜複合体厚の測定方法。
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