JP5158880B2 - 超音波診断装置 - Google Patents

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本発明は、弾性指標を測定可能な超音波診断装置に係わり、特に手ブレ又は体動ブレを検出することにより取得した超音波画像情報から不安定なデータを確実に排除できる弾性指標を測定可能な超音波診断装置に関する。
近年、脳梗塞や、心筋梗塞あるいは狭心症などの虚血性疾患のような循環器系疾患に係る治療患者が急増している。これらの疾患を予防するには、動脈硬化の兆候を早期に察知して、生活習慣を改善することが重要である。動脈硬化状態を非侵襲的に測定する方法として、脈波伝播速度(pulse wave velocity:PWV)や、頸動脈の内膜中膜複合体厚(maximum intima-media thickness:IMT)の測定がよく知られており、臨床的な診断価値も明らかになってきている。
IMTは、内膜と中膜と外膜からなる3層構造を有する動脈壁のうち、内膜と中膜とを合わせた厚さ(即ち、血管腔と内膜との境界から、中膜と外膜との境界までの長さ)をいう。近年の研究により、動脈硬化が進行するほど内膜中膜複合体が厚くなったり血管壁が内側に盛り上がるプラークが形成されたりすることが分かってきている。プラークの組織は、血栓や、脂肪性又は繊維性組織等、様々であり、剥離したプラークは頸動脈の狭窄や脳梗塞や脳虚血等の原因ともなっている。一般に、IMTが肥厚すると動脈硬化の初期、プラークができるとより進んだ状態と判定することができる。
IMTは、超音波検査(頸動脈超音波検査)によって計測できる。即ち、超音波探触子を被検体(患者)の頸部に当接させて、超音波探触子から超音波を送信する。超音波は、被検体内の構造物の表面(異なる組織の界面)において反射されるので、それによって生じる超音波エコーが超音波探触子によって受信され、受信信号に基づいて超音波画像が生成される。
図16は、頸動脈の超音波画像を示す図面である。生成された超音波画像から血管壁における血管腔内膜境界と中膜外膜境界を判定し、ノギス等を用いて両境界間の長さを計測することによりIMTを求めることができる。さらに、検査者(医師等のオペレータ)は、IMTに基づいて動脈硬化の程度を診断し、その結果に基づいて心臓や脳を含む全身の血管状態を推測することができる。
ここで、頸動脈におけるIMTを計測するのは、顔面の動脈に繋がる外頸動脈と脳動脈に繋がる内頸動脈との血管分岐部や頸動脈への血液の取り込み部など血流の方向が変化する領域でプラークが形成され易いため、頸動脈が動脈硬化の好発部位になるからである。
IMT計測は、日本超音波医学会発行の非特許文献1にも採用されたとおり、プラークの厚さあるいは狭窄の程度を計測して動脈硬化の危険度を判定する方法が確立されている。図17は、オリアリー等(O'Leary DH et al)により示されたIMTと脳卒中危険率の関係を表すグラフである。IMTは脳卒中危険率と明らかな相関関係があり、IMTが1.1mm以上になると脳卒中危険率が急増することが分かる。
しかしながら、IMTは頸動脈の形態的変化のみを示す指標であり、脈波伝播速度(PWV)のような血管の性状を示す弾性指標にはならないので、これだけで動脈硬化の程度を評価するのは適当でない。
そこで、近年、頸動脈エコーを使って、血管壁の変位量に基づいた演算により、スティフネスパラメータβ(例えば特許文献1参照)、ストレイン、弾性率のように、血管の性状を示す弾性指標を求める手法が開発されてきている。たとえば、脈波伝播速度(PWV)は、心臓の収縮時点を計測し、頸動脈の脈波と大腿動脈の脈波を体表から検出し、心臓の収縮から脈波の発生までの伝播時間を計算して求めた速度で、動脈の硬さを表すパラメータとなる。
PWVを用いて動脈硬化進展を定量的に診断することができ、また、血管年齢なども推定することができる。予防医学が重視されるようになり、PWVは血管の動的性状を表す新しい予防医学的指標として注目されている。近年では、腕と足首の脈波からPWVを簡単に計測する診断機器が市販されている。さらに、PWVを測定することにより、血管の弾性係数そのものであるスティフネスパラメータβを提示する心臓足首血管指数(CAVI)を表示する計器も提供されている。
図18は、古幡博等が提示した、スティフネスパラメータβの年代別変化を見たグラフである。男女を問わず年齢が増すにつれてスティフネスパラメータβが増大することが分かる。また、弾性指標の変化は、IMTのような形態的変化よりも先に現れると言われており、動脈硬化の早期発見につながることが期待されている。
しかしながら、スティフネスパラメータβ、ストレイン、弾性率のような弾性指標には、(a)運動している血管壁の微小変位に対してトラッキングする必要があること、(b)オペレータの手ブレや被検体の体動ブレ等により探触子が観測場所からずれ易いこと、(c)被検体等の理由により鮮明な画像を得ることが困難な場合には安定した再現性の高いデータが得られにくいこと、などの問題がある。
関連する技術として、特許文献2には、診断に適合する弾性画像を表示させるために、断層画像の輝度情報を用いて弾性画像のエラーを評価して、エラー情報を表示させたり、エラー領域の弾性画像を削除させたりする方法が開示されている。また、特許文献3には、特性値(弾性率)を経時的に求める演算部と、その安定度を逐次求める安定度判定部と、安定度を表現する表現部とを備えた超音波診断装置が開示されている。さらに、特許文献4には、測定部位間の距離変化を示す厚さ変化波形を基準波形と比較し、一致する度合いを示す指標を算出し、最大厚さ変化量や弾性率の信頼性を判定する方法が開示されている。
一方、特許文献5には、カラードプラの血流最大値上書きモードで手ブレを検出したらリセットをかけるという手ブレの検出手段を有する超音波診断装置が開示されているが、さらに具体的な検出方法等については全く開示されていない。
このように、安定したデータとエラーデータを判定することで、オペレータが信頼性のあるデータを取得できるようにする発明が種々開示されているが、実際には、弾性指標を算出するために要求される精度が高すぎて、オペレータが納得できる判定が行われているとはいえないので、弾性指標の安定取得には大きな課題がある。
特許第4091365号公報 特開2007−312958号公報 国際公開第2006/068079号パンフレット 特開2007−006914号公報 特開平8−140974号公報
「超音波による頸動脈病変の標準的評価法(案)」日本超音波医学会会誌 (Jpn J Med Ultrasonics) 2008年6月 Vol. 35 No. 2 p.202-209
そこで、上記の点に鑑み、本発明の課題は、手ブレ又は体動ブレを検出することにより取得した超音波画像情報から不安定なデータを確実に排除できる弾性指標を測定可能な超音波診断装置を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明の1つの観点に係る超音波診断装置は、被検体内の心拍に同期して動く生体組織に超音波を送信すると共に受信する複数の超音波トランスデューサを含む超音波探触子と、
前記超音波探触子に複数の駆動信号を供給すると共に、前記超音波探触子から出力される複数の受信信号を処理することにより受信データを生成する送受信手段と、
前記送受信手段によって生成された受信データを格納する格納手段と、
前記格納手段に格納されている受信データに基づいて、Bモード画像に対応する受信データを生成すると共に、前記格納手段に格納されている受信データから特徴量を読み出し、1つまたは複数のMモード画像に対応する受信データを生成する画像データ生成手段と、
前記画像データ生成手段によって生成されたMモード画像に対応する受信データを用いて手ブレまたは体動ブレを検出する検出手段と、
前記検出手段によって手ブレまたは体動ブレが検出されたMモード画像に対応する受信データを用いて前記超音波探触子と前記被検体との相対的位置の変化量を検出し、前記変化量を用いて前記Mモード画像に対応する受信データの確度を判断する判断手段と、
前記判断手段によって確度が高いと判断された1つまたは複数のMモード画像に対応する受信データの内から選択されたMモード画像に対応する受信データを用いて前記生体組織の変位量を測定し、前記変位量を用いて弾性特性を計算する弾性特性計算手段と、
を備える。
本発明の他の1つの観点に係る超音波診断装置は、被検体内の心拍に同期して動く生体組織に超音波を送信すると共に受信する複数の超音波トランスデューサを含む超音波探触子と、
前記超音波探触子に複数の駆動信号を供給すると共に、前記超音波探触子から出力される複数の受信信号を処理することにより受信データを生成する送受信手段と、
前記送受信手段によって生成された受信データを格納する格納手段と、
前記格納手段に格納されている受信データに基づいて、Bモード画像に対応する受信データを生成すると共に、前記格納手段に格納されている受信データから特徴量を読み出し、1つまたは複数のMモード画像に対応する受信データを生成する画像データ生成手段と、
前記1つのMモード画像に対応する受信データ、または、前記複数のMモード画像に対応する受信データの内から選択されたMモード画像に対応する受信データを用いて前記生体組織の変位量を測定し、前記変位量から弾性特性を計算する弾性特性計算手段と、
前記選択されたMモード画像に対応する受信データを用いて手ブレまたは体動ブレを検出する検出手段と、
前記検出手段によって手ブレまたは体動ブレが検出されたMモード画像に対応する受信データを用いて前記超音波探触子と前記被検体との相対的位置の変化量を検出し、前記変化量を用いて前記弾性特性計算手段によって計算された弾性特性の確度を判断する判断手段と、
を備える。
また、本発明の上記超音波診断装置において、前記検出手段は、前記Mモード画像に対応する受信データで且つ前記超音波探触子を被検体に当接させた際の前記超音波探触子と前記弾性特性を計算する箇所との間の生体組織に対応する受信データを用いて手ブレまたは体動ブレを検出するものであることが好ましい。
また、本発明の上記超音波診断装置において、前記判断手段で前記変化量を用いて確度を判断する際に、前記相対的位置の変化量がある閾値より大きい拍は確度が低いと判断することが好ましい。
また、本発明の上記超音波診断装置において、前記判断手段における相対的位置の変化量を、Mモード画像のフレーム間の差分画像又はパターンマッチング法で検出することも可能である。
また、本発明の上記超音波診断装置において、前記判断手段によって検出した前記相対的位置の変化量を、前記弾性特性計算手段によって測定した前記生体組織の変位量から減算することで前記生体組織の変位量を補正する機能を備え、前記弾性特性計算手段は、前記機能によって補正された後の生体組織の変位量を用いて弾性特性を計算することも可能である。
本発明によれば、手ブレ又は体動ブレを検出することにより取得した超音波画像情報から不安定なデータを確実に排除できる弾性指標を測定可能な超音波診断装置を提供することができる。
本発明の実施形態1に係る弾性指標を測定可能な超音波診断装置の構成を示すブロック図である。 本実施形態に係る超音波診断装置の動作を、スティフネスパラメータβを算定する場合を弾性特性の計算例として説明するためのフロー図である。 手ブレ又は体動ブレを検出する方法を説明するための概念図である。 頚動脈のBモード画像を示す図である。 図4に示す縦のラインのMモード画像を示す図である。 図5に示すMモード画像からフレーム間の差分をとった画像を示す図である。 測定対象を頸動脈の前壁と後壁としたもので、画面をフリーズしたときのディスプレイにおける画像例を示す図面である。 Mモード画像に関心時刻を設定しトラッキング点を設定した状態を示すディスプレイの表示画面である。 収縮期血圧Psと拡張期血圧Pdを入力してスティフネスパラメータβを表示させた表示画面である。 Mモード画像と共に示した関心時刻におけるトラッキング部位の情報から求めたIMTの値を併記した表示画面の例を表した図面である。 血管壁の変化状態を説明する線図である。 実施形態1において4個のトラッキング点を設定したときの表示例を表す図面である。 図8で設定した関心時刻における受信データの深さ方向の輝度プロファイルを示す図面である。 トラッキング点の自動判定方法を説明する線図である。 本発明の実施形態2による超音波診断装置における手ブレ又は体動ブレを補正する方法を説明するための模式図である。 頸動脈の超音波画像を示す図面である。 IMTと脳卒中危険率の関係を表すグラフである。 スティフネスパラメータβの年代別変化を見たグラフである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。
(実施形態1)
本発明の実施形態1による超音波診断装置は、被検体内の心拍に同期して一定の周期で動く生体組織の変位量を高精度測定し、前記変位量から弾性特性を計算する機能を備え、超音波プローブと前記生体組織の間の受信信号から、前記超音波プローブと被検体の相対的位置の変化(検者の手ブレと被検者の体動ブレ)を検出し、その相対的位置の変化量を用いて前記機能によって計算された弾性特性の確度を推定する機能を備えている。ここでいう生体組織は、例えば血管、心臓、頚動脈である。
図1は、本発明の実施形態1に係る弾性指標を測定可能な超音波診断装置の構成を示すブロック図である。
本発明の実施形態1に係る超音波診断装置は、超音波を送受信する複数の超音波トランスデューサを含む超音波探触子200と、超音波診断装置本体を含んで構成される。
超音波探触子200は、コンベックスタイプ、リニアスキャンタイプ、又は、セクタスキャンタイプ等の、被検体表面に当接させて用いられるプローブである。超音波探触子200は、1次元又は2次元のトランスデューサアレイを構成する複数の超音波トランスデューサを備えている。
各超音波トランスデューサは、例えば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛:Pb(lead) zirconate titanate)に代表される圧電セラミックや、PVDF(ポリフッ化ビニリデン:polyvinylidene difluoride)に代表される高分子圧電素子等の圧電性を有する材料(圧電体)の両端に電極を形成した振動子によって構成される。これらの超音波トランスデューサは、印加される駆動信号に基づいて、頸動脈血管などの被検体に向けて超音波を送信すると共に、被検体において反射された超音波エコーを受信して、受信信号を出力する。
超音波診断装置本体には、各種情報の入力を行うキーボードやポインティングデバイスなどの入力部101、超音波探触子200における超音波の送受信を制御する送信回路103及び受信回路115、送受信制御部102、画像を表示するディスプレイ105、さらに、システム全体を支配して適切な動作を行うように調整するシステム制御部111、受信回路115から出力される受信データを格納する格納手段としての受信データ用メモリ113、受信データに基づいてBモード画像やMモード画像を表す画像データを生成する断層画像形成部117、受信データ用メモリ113に格納された受信データを使って手ブレ及び体動ブレを検出する手ブレ・体動検出部104、手ブレ・体動がある拍の判断部106、受信データ用メモリ113に格納された受信データを使ってトラッキングを行い目的の弾性特性を算出する弾性特性計算部107、画像データや測定結果を表示する画面を形成する画像プロセッサ121、画面をディスプレイ105に表示するための信号を形成する表示処理部119、などを備える。
送受信制御部102は、送信回路103と受信回路115を介して超音波探触子200の超音波ビームの送信方向および超音波エコーの受信方向を順次設定するもので、設定された送信方向に応じて送信遅延パターンを選択する送信制御機能と、設定された受信方向に応じて受信遅延パターンを選択する受信制御機能とを有している。
ここで、送信遅延パターンとは、複数の超音波トランスデューサから送信される超音波によって所望の方向に超音波ビームを形成するために各超音波トランスデューサの駆動信号に与えられる遅延時間のパターンであり、受信遅延パターンとは、複数の超音波トランスデューサによって受信される超音波によって所望の方向からの超音波エコーを抽出するために受信信号に与えられる遅延時間のパターンである。送受信制御部102に付属する格納装置には、複数種類の送信遅延パターン及び複数種類の受信遅延パターンが格納されており、送受信方向に応じて選択的に利用される。
送信回路103は、複数のチャンネルを備えており、複数の超音波トランスデューサにそれぞれ印加される複数の駆動信号を生成する。その際に、送受信制御部102によって選択された送信遅延パターンに基づいて、複数の駆動信号にそれぞれの遅延時間を与えることができる。送信回路103は、複数の超音波トランスデューサから送信される超音波が超音波ビームを形成するように複数の駆動信号の遅延量を調節して、超音波探触子200に供給するようにしても良いし、複数の超音波トランスデューサから一度に送信される超音波が被検体の撮像領域全体に届くように構成した複数の駆動信号を超音波探触子200に供給するようにしても良い。
受信回路115は、複数のチャンネルを備えており、複数の超音波トランスデューサからそれぞれ出力される複数のアナログの受信信号を受信して増幅し、ディジタルの受信信号に変換する。さらに、受信回路115は、送受信制御部102によって選択された受信遅延パターンに基づいて、複数の受信信号にそれぞれの遅延時間を与え、それらの受信信号を加算することにより、受信フォーカス処理を行う。この受信フォーカス処理によって、超音波エコーの焦点が絞り込まれた受信信号(受信データ)が形成される。
次に、受信回路115は、受信データに対して包絡線検波あるいは直交検波などの検波処理を施した後に、STC(Sensitivity Time gain Control:センシティビティ・タイム・ゲイン・コントロール)によって超音波の反射位置の深度に応じて距離による減衰の補正をする。
直交検波処理は、超音波Φの角周波数と実質的に同じ角周波数ωを有し、位相が互いに90度ずれている信号cosωt及びsinωtを、それぞれ超音波Φに掛け合わせてダウンコンバートを行う処理である。測定された受信データには超音波Φの実数成分のみが含まれているが、直交検波処理を施すことによって、複素ベースバンド信号V=x+jyを生成することができる。
すなわち、直交検波を施すことによって得られる複素ベースバンド信号Vは、互いに直交するI相成分(実数成分)xとQ相成分(虚数成分)yとを有し、振幅A=(x+y1/2と位相θ=tan-1(y/x)の情報を持つことになる。したがって、直交検波を用いた場合には、より多くの情報に基づきより正確な弾性特性を算出することができる。
こうして処理された受信データは、複数フレーム分の超音波画像に対応する受信データを蓄積するためのメモリ容量を有する受信データ用メモリ113に順次格納される。
断層画像形成部117は、受信データ用メモリ113から読み出された受信データを入力して、入力された受信データに対して、対数圧縮やゲイン調整等のプリプロセス処理、及び、受信データを通常のテレビジョン信号の走査方式に従う画像データに変換する走査線変換処理を施して画像データを生成し、生成された画像データを画像プロセッサ121に出力する。
手ブレ・体動検出部104は、受信データ用メモリ113から読み出された受信データを入力して、入力された受信データを用いて検者の手ブレ及び被検者の体動ブレを検出する。
手ブレ・体動がある拍の判断部106は、手ブレ・体動検出部104によって検出された検者の手ブレ及び被検者の体動ブレを含む受信データを用いてその受信データの確度を判断し、判断された情報を画像プロセッサ121に出力する。
弾性特性計算部107は、受信データ用メモリ113から読み出された受信データを入力して、入力された受信データを用いて弾性特性を計算し、計算された弾性特性を画像プロセッサ121に出力する。
画像プロセッサ121は、入力される画像データ、手ブレ又は体動ブレに関する情報、弾性特性データ等に基づいて、超音波画像や測定結果などを表示する画面を表す画像データを生成して表示処理部119に出力する。表示処理部119は、画面を表示するためのビデオ信号を生成してディスプレイ105に送り、ディスプレイ105は、超音波画像や測定結果などを含む画面を表示する。
以上において、システム制御部111、断層画像形成部117、手ブレ・体動検出部104、手ブレ・体動がある拍の判断部106、弾性特性計算部107、画像プロセッサ121、表示処理部119などは、中央演算装置(CPU)とCPUに各種の処理を行わせるためのソフトウエアとによって構成される。ソフトウエアは、図示しない格納部に格納されている。なお、これらは、ディジタル回路又はアナログ回路で構成してもよい。
図2は、本実施形態に係る超音波診断装置の動作を、スティフネスパラメータβを算定する場合を弾性特性の計算例として説明するためのフロー図である。
オペレータ(検者)が、入力部101からBモード画像とMモード画像とを一緒に表示することを設定すると(ステップS01)、システム制御部111が、送信回路103と受信回路115を制御して、頸部に当接された超音波探触子200を稼働させて、所定の時間だけ頸動脈の超音波画像を取得する。
超音波探触子200のトランスデューサアレイは、たとえば走査方向が頸動脈の血流方向に合致するように配置され、血管の前壁と後壁の血管壁からの超音波エコーを捕らえて受信信号を出力する。受信回路115は、超音波探触子200から出力される受信信号に基づいて受信データを生成し、受信回路115によって生成された所定量の受信データが、受信データ用メモリ113に格納される。
次に、断層画像形成部117が、受信データ用メモリ113から頸動脈の超音波画像に対応する受信データの取得を開始して(ステップS02)、被検体内の組織に関する断層画像情報であるBモード画像データを生成し、画像プロセッサ121と表示処理部119を介してディスプレイ105にBモード画像を表示する。この際、このBモード画像が手ブレ又は体動ブレを含む画像であるか否かが手ブレ・体動検出部104及び手ブレ・体動がある拍の判断部106によって判断される。この判断手法の詳細について図3乃至図6を参照しつつ説明する。
図3は、手ブレ又は体動ブレを検出する方法を説明するための概念図である。
検者が超音波探触子200を被検者の例えば頸部に当接させると、超音波探触子200と血管202との間201からの受信信号が得られ、この受信信号が受信データ用メモリ113に格納され、受信データ用メモリ113から読み出された受信データにより、検者の手ブレ及び被検者の体動ブレを検出し、この検出した手ブレ等を含む受信データを用いて受信信号の信頼性(確度)を判断(推定)する。
図3に示すように、血管202は、血管前壁203と、血管後壁205と、血管前壁203と血管後壁205の間に位置する血管腔204を有している。血管壁の弾性特性を高精度に検出しようとすると、血管の径変化や血管壁の厚さ変化を高精度に計測する必要があるため、前記受信信号の信頼性に関する情報が有用となる。
図4は、頚動脈のBモード画像を示す図である。このBモード画像は、前述したディスプレイ105に表示したBモード画像である。このBモード画像は、図3に示すような血管前壁203、血管腔204、血管後壁205が写し出されている。
図5は、図4に示す縦のラインのMモード画像を示す図である。このMモード画像は、4拍目に手ブレを加えている。手ブレ時には、血管後壁の輝度値が低くなっており、血管後壁の変位量の高精度測定が不可能であることがわかる。
図6は、図5に示すMモード画像から時間的に連続したフレーム間の差分をとり、フィルタ処理を行い、輝度調整を行った画像を示している。図5を見ると、血管部は拍動で常に動いているため手ブレの確認が難しいが、血管部とプローブ間の組織部(図3に示す参照符号201に相当)では動きが無いため、手ブレの確認が容易であり、その組織部では非常にSN良く、手ブレ部や手ブレ拍を検知できることがわかる。なお、ここでは、手ブレをフレーム間の差分画像で検出しているが、パターンマッチング法等を用いて検出する場合も、血管部とプローブ間の組織部では動きによるノイズが少ないため、好適に手ブレを検出することができる。
図4乃至図6に示す処理は、手ブレ・体動検出部104によって行われる。つまり、手ブレ・体動検出部104においては、図6に示すように、フレーム間の差分をとり、その差分画像から手ブレを検出している。このようにすることで図5に示すMモード画像の4拍目のデータが手ブレを含むことを検出できる。次に、この検出した手ブレ等を含む受信データから超音波探触子200と被検体との相対的位置の変化量を検出し、この検出した変化量(即ち手ブレ及び体動ブレの量)から受信信号の信頼性(確度)を判断部106によって判断(推定)する。ここでいう相対的位置の変化量は、図5に示す4拍目の手ブレ検出部における組織の位置と、手ブレの無い拍(1拍、2拍又は3拍)における対応する組織の位置との変化量に相当し、この変化量は図5に示すMモード画像から検出することができる。
この判断部106による判断方法は、例えば、この検出された相対的位置の変化量が所定の閾値以上の場合は手ブレ又は体動ブレが発生した拍の受信データであると判断し、前記変化量が所定の閾値より小さい場合は手ブレ又は体動ブレが発生しなかった拍の受信データであると判断する。所定の閾値として相対的位置の変化量を0.1mmとすることが好ましい。その理由は、超音波の中心周波数は1〜15MHz程度であるが、特に代表的には7.5MHzが想定され、波長に直すと約0.2mmであり、半波長(0.1mm)未満の手ブレであると、エイリアシングの影響を受けにくく、弾性特性の測定に影響しにくいからである。
次に、医師などの検者は、表示された1つまたは複数のBモード画像から各画面に亘り受信データが乱れていないライン位置を幾つか見付けて、入力部101を操作して1つまたは複数の関心ラインを設定する(ステップS03)。関心ラインは、画像と一緒に表示されたポインティングデバイスなどを利用して設定することができる。設定された関心ラインの位置は、画像に重ねた縦線などによって明瞭に表示することが好ましい。なお、簡便のため、Bモード画像を1つだけ表示して、受信データに乱れのない部分を見付けるようにしてもよい。
断層画像形成部117は、設定された関心ラインごとに、関心ラインに対応する位置における所定期間に亘る受信データを受信データ用メモリ113から読み出して、所定期間に亘るMモード画像データを時間軸に沿って順次生成し、画像プロセッサ121と表示処理部123を介してディスプレイ107に関心ラインに対応した1つまたは複数のMモード画像を表示する(ステップS03)。検者は、表示された画像が経時的に変化する間に、解析に利用できそうな適当な画面を見付けたときに、入力部101を操作してシステム制御部111に指示信号を送り、Mモード画像の画面をフリーズする(ステップS04)。
図7は、測定対象を頸動脈の前壁と後壁としたもので、画面をフリーズしたときのディスプレイ105における画像例を示す図面である。図7においては、上側に1つのBモード画像が表示され、下側に2つのMモード画像が表示されている。Bモード画像において2本の関心ラインが設定されており、左側のMモード画像は、実線で示す関心ラインにおける受信データから形成されたものであり、右側のMモード画像は、点線で示す関心ラインにおける受信データから形成されたものである。また、画面の左上部には、測定条件などの情報が表示されている。また、表示されたMモード画像において手ブレ又は体動ブレが発生している画像がある場合は、その旨が画面に表示され、手ブレ又は体動ブレが発生している画像がない場合は、その旨が画面に表示される。これとともに警報音によって手ブレ又は体動ブレの有無を検者に知らせても良い。また、手ブレ等が発生している画像(即ち手ブレ等あり)と表示された場合は、図2に示すステップS02からステップS04の動作をもう一度やり直す。なお、手ブレ等ありのMモード画像を用いて弾性特性を計測すると、その弾性特性の確度は低いものとなる。
右側のMモード画像には内壁部分に乱れが見られるが、左側のMモード画像は、ノイズが少なく解析に利用できそうな良質な画像である。なお、図7では、Mモード画像がほぼ1拍分の期間しか表示されていないが、判定をしやすくするために、Mモード画像を3拍分程度の期間において表示することがより好ましい。また、画面フリーズ時に表示されるBモード画像は、フリーズボタンを押したタイミングのものであってもよいし、予め決められた1心拍中の適当なタイミングのものであってもよい。
複数のMモード画像が表示されている場合には、画像がフリーズされた後に、検者が、入力部101を操作して、弾性特性計測に用いられるMモード画像を選択する(ステップS05)。この場合は、各Mモード画像において手ブレ又は体動ブレの有無を表示し、検者が手ブレ等の無いMモード画像を選択しても良いし、手ブレ等の有るMモード画像は表示されないようにしておいても良い。利用されるMモード画像が決まると、断層画像形成部117は、そのMモード画像を拡大してディスプレイ105に表示し、他の画像を縮小してディスプレイ105に表示する。
次に、検者は、Mモード画像中にトラッキング開始時刻とトラッキング終了時刻を指定して関心時刻範囲を設定する(ステップS06)。さらに、検者は、Mモード画像中の血管前壁内膜―血管腔境界部にトラッキング点を設定し(ステップS07)、さらに、血管後壁血管腔―内膜境界部にトラッキング点を設定する(ステップS08)。なお、トラッキング部位としては、血管前壁における外膜と中膜との境界、血管前壁における内膜と血管腔との境界、血管後壁における血管腔と内膜との境界、および、血管後壁における中膜と外膜との境界との内の少なくとも1つを含めることができる。
図8は、Mモード画像に関心時刻を設定しトラッキング点を設定した状態を示すディスプレイ105の表示画面である。関心時刻を設定するときの表示画面には、設定時刻におけるBモード画像がリアルタイムに表示されるので、ノイズ状況を確認することができる。
さらに、検者は、入力部101を操作して、カフ型血圧計で測定した最高血圧及び最低血圧を入力する(ステップS09)。これらの血圧値は、それぞれ収縮期血圧Ps及び拡張期血圧Pdとして利用される。これに応答して、弾性特性計算部107は、設定されたトラッキング点から内膜−血管腔境界を特徴付ける輝度変化点を追跡してトラッキングする。トラッキングは、断層像のパターンマッチング法、ゼロクロス点法、組織ドプラ法、位相差トラッキング法等、いろいろな方法により対象点を画定しながら行うことができるが、どの手法によってもよいことはいうまでもない。
弾性特性計算部107は、指定領域をトラッキングしている間に、図11に示す収縮期の最大血管径Ds及び拡張期の最小血管径Ddを求めて、次式からスティフネスパラメータβを算出する。図11は、血管壁の時間軸に沿った変化を示す図である。
β={Log(Ps/Pd)}/(Ds/Dd−1)
スティフネスパラメータβの演算結果は、表示画面中のMモード画像の近傍に表示する(ステップS10)。
図9は、収縮期血圧Psと拡張期血圧Pdを入力してスティフネスパラメータβを表示させた表示画面を示す。Mモード画像には、血管の前壁と後壁について内膜−血管腔境界をトラッキングした軌跡が表示されている。入力した血圧や算出されたスティフネスパラメータβは数値で表示されている。これとともに、表示されたスティフネスパラメータβが手ブレ又は体動ブレが発生していない画像によって計算された確度の高い弾性特性であることが表示される。また、手ブレ等が発生している画像によって計算された確度の低いスティフネスパラメータβは表示されないようにしても良いし、確度の情報と共に確度の低いスティフネスパラメータβが表示されるようにしても良い。
なお、設定されたトラッキング部位の情報を用いて、IMT(内膜中膜複合体厚)、血管径、最小血管径対最大血管径の比などを算出し、弾性特性と共に表示部に表示させるようにしてもよい。図10は、Mモード画像と共に示した関心時刻におけるトラッキング部位の情報から求めたIMTの値を併記した表示画面の例を表した図面である。
本実施形態の超音波診断装置によれば、手ブレ又は体動ブレを含むMモード画像を確実に排除して弾性特性を計算することにより、確度の低い弾性特性の結果が得られることを防止することができる。従って、確度の高い弾性特性の結果を安定して確実に得ることができる。
つまり、高精度の測定が必要であり、ノイズの影響を受けやすい弾性特性であるので、弾性特性の確度の情報は重要である。本発明を用いると、測定手法等に問題があり確度に問題がある弾性特性を、第一段階で検者が自覚をもって排除することできる。
本発明により、超音波診断装置において弾性特性を算定するためのトラッキングを開始する前に、医師等の検者が、信頼できる弾性特性を得ることができるデータか否かを判断したり、適切なデータ部分を選択することができる。本実施形態の超音波診断装置を使用することにより、確度の高い弾性率などの弾性特性を安定して取得することができるので、従来と比較して信頼性の高い結果を得ることができる。
本実施形態に係る超音波診断装置では、2ライン分のMモード画像の内から1つを関心ラインとして選択して弾性指標を求めたが、たとえば5ライン程度の候補から連続性の高い2〜3個のラインを選択して弾性特性を算出し、それらの平均値を血管の弾性特性としてもよい。その場合には、5つのMモード画像が表示され、その中から2〜3個のMモード画像を選択してスティフネスパラメータβを求める。指示画面にはMモード画面ごとのスティフネスパラメータβと平均して求めたスティフネスパラメータβが表示される。この際、弾性特性の確度が低いスティフネスパラメータβは平均の計算から除外される。
また、本実施形態に係る超音波診断装置では、弾性特性としてスティフネスパラメータβを用いたが、弾性特性としてストレインレートや弾性率を選択することもできる。ただし、ストレインレートや弾性率を算出する場合には、血管壁の厚さ、特に、内膜中膜複合体厚(IMT)が問題となるので、図12に示すように、トラッキング点を、血管前壁における外膜と中膜との境界、血管前壁における内膜と血管腔との境界、血管後壁における血管腔と内膜との境界、および、血管後壁における中膜と外膜との境界の4カ所に設定する。前壁及び後壁それぞれの外膜−中膜境界、内膜−血管腔境界をトラッキングして得た観測値から、血管厚さの微小変化を計測し、血管厚さの最大値Tdと最小値Tsを求める。
これらの値を用いて、ストレインレートは、(Td−Ts)/Tdで求めることができ、弾性率Eは、E=(Ps−Pd)/{(Td−Ts)/Td}で求めることができる。さらに高度なアルゴリズムを用いる場合には、前壁及び後壁それぞれの外膜と中膜の境界と内膜と血管腔の境界との間をさらに複数に分割して、各領域の弾性率を計測するようにしてもよい。また、弾性特性計算部107は、設定されたトラッキング部位について、IMT、血管径、および、最小血管径対最大血管径の比の内の少なくとも1つを算出し、弾性指標と共にディスプレイ105に表示させるようにしてもよい。
また、本実施形態に係る超音波診断装置においては、Mモード画像の横軸に位置情報を表すようにしたが、速度情報を表すようにしてもよい。その場合に、トラッキング点は、Bモード画像上で設定するか、又は、位置情報を含むMモード画像を一緒に表示して設定するようにする。
また、トラッキング点の設定は、Mモード画像で選択した関心時刻における輝度プロファイルを用いて自動的に行うこともできる。図13は、図8で設定した関心時刻における受信データの深さ方向の輝度プロファイルを示す図面である。図の左端がプローブの位置で、右に進むにつれて深くなる。
図14は、トラッキング点の自動判定方法を説明する線図である。トラッキング点として選択しようとする血管腔−血管前壁境界は、中央部分の黒抜け部として検出される血管腔位置からプローブの方向に向かって辿るときに輝度がある閾値を超えさらに頂上を過ぎた後に再び閾値に達した点をもって判定することができる。一方、血管腔−血管後壁境界は、中央部から深くなる方向に辿るときに、最初に閾値に到達した点をもって判定することができる。なお、図では同じ閾値を使っているが、前壁境界と後壁境界を異なる閾値で判定するようにしてもよい。
(実施形態2)
図15は、本発明の実施形態2による超音波診断装置における手ブレ又は体動ブレを補正する方法を説明するための模式図である。
実施形態1は、手ブレ又は体動ブレを含まない受信データを用いて弾性特性を計算するものであるのに対し、実施形態2は、手ブレ又は体動ブレを含む受信データについては手ブレ又は体動ブレのブレ量を補正した受信データを用いて弾性特性を計算するものである。この点以外は、実施形態1と同一であるので、同一部分の説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
本実施形態では、図1に示す手ブレ・体動がある拍の判断部106によって手ブレ又は体動ブレがあると判断した場合に以下のような補正を行う。
図15(A),(B)に示すように、時間t=0のときの血管径は、図11に示す収縮期の最大血管径Dsに相当し、時間t=ΔTのときの血管径は、図11に示す拡張期の最小血管径Ddに相当する。図15(A)は、時間t=ΔTのときに手ブレ又は体動ブレが無かった状態を示しており、図15(B)は、時間t=ΔTのときに手ブレ又は体動ブレが有った状態を示している。
スティフネスパラメータβを算出する際に、図15(B)に示すように、時間t=ΔTのとき、超音波探触子200と被検体との相対的位置の変化量である手ブレ又は体動ブレのブレ量M、トラッキングベクトルT、Tをパターンマッチング等の手法により求める。そして、拍動ベクトルB、BをB=T−Mの式によって求める。このように生体組織の変位量からブレ量Mを減算することで求められた拍動ベクトルB、Bは、手ブレ又は体動ブレのブレ量Mの補正が加えられたものとなり、手ブレ又は体動ブレが発生しなかった図15(A)に相当する。
また、超音波診断装置には、血管後壁に比べて血管前壁が検出しにくいという性質があるため、B=Bと仮定して、Bのみに上記の補正を加えて拍動ベクトルB、Bを求めても良い。
上記実施形態2によれば、手ブレ又は体動ブレを含むMモード画像については手ブレ又は体動ブレのブレ量を補正して弾性特性を計算することにより、手ブレ等があっても確度の高い弾性特性の結果を安定して確実に得ることができる。
本発明により、被検体に向けて超音波を送信し被検体からの超音波エコーを受信して超音波画像データを生成する超音波診断装置において、手ブレ又は体動ブレを検出することにより取得した超音波画像情報から不安定なデータを確実に排除できる弾性指標を測定可能な超音波診断装置を提供することができる。
101 入力部
102 送受信制御部
103 送信回路
104 手ブレ・体動検出部
105 ディスプレイ
106 手ブレ・体動がある拍の判断部
107 弾性特性計算部
111 システム制御部
113 受信データ用メモリ
115 受信回路
117 断層画像形成部
119 表示処理部
121 画像プロセッサ
200 超音波探触子
201 超音波探触子と血管との間
202 血管
203 血管前壁
204 血管腔
205 血管後壁

Claims (13)

  1. 被検体内の心拍に同期して動く生体組織に超音波を送信すると共に受信する複数の超音波トランスデューサを含む超音波探触子と、
    前記超音波探触子に複数の駆動信号を供給すると共に、前記超音波探触子から出力される複数の受信信号を処理することにより受信データを生成する送受信手段と、
    前記送受信手段によって生成された受信データを格納する格納手段と、
    前記格納手段に格納されている受信データに基づいて、Bモード画像に対応する受信データを生成すると共に、前記格納手段に格納されている受信データから特徴量を読み出し、1つまたは複数のMモード画像に対応する受信データを生成する画像データ生成手段と、
    前記画像データ生成手段によって生成されたMモード画像に対応する受信データを用いて手ブレまたは体動ブレを検出する検出手段と、
    前記検出手段によって手ブレまたは体動ブレが検出されたMモード画像に対応する受信データを用いて前記超音波探触子と前記被検体との相対的位置の変化量を検出し、前記変化量を用いて前記Mモード画像に対応する受信データの確度を判断する判断手段と、
    前記判断手段によって確度が高いと判断された1つまたは複数のMモード画像に対応する受信データの内から選択されたMモード画像に対応する受信データを用いて前記生体組織の変位量を測定し、前記変位量を用いて弾性特性を計算する弾性特性計算手段と、
    を備える超音波診断装置。
  2. 被検体内の心拍に同期して動く生体組織に超音波を送信すると共に受信する複数の超音波トランスデューサを含む超音波探触子と、
    前記超音波探触子に複数の駆動信号を供給すると共に、前記超音波探触子から出力される複数の受信信号を処理することにより受信データを生成する送受信手段と、
    前記送受信手段によって生成された受信データを格納する格納手段と、
    前記格納手段に格納されている受信データに基づいて、Bモード画像に対応する受信データを生成すると共に、前記格納手段に格納されている受信データから特徴量を読み出し、1つまたは複数のMモード画像に対応する受信データを生成する画像データ生成手段と、
    前記1つのMモード画像に対応する受信データ、または、前記複数のMモード画像に対応する受信データの内から選択されたMモード画像に対応する受信データを用いて前記生体組織の変位量を測定し、前記変位量から弾性特性を計算する弾性特性計算手段と、
    前記選択されたMモード画像に対応する受信データを用いて手ブレまたは体動ブレを検出する検出手段と、
    前記検出手段によって手ブレまたは体動ブレが検出されたMモード画像に対応する受信データを用いて前記超音波探触子と前記被検体との相対的位置の変化量を検出し、前記変化量を用いて前記弾性特性計算手段によって計算された弾性特性の確度を判断する判断手段と、
    を備える超音波診断装置。
  3. 請求項1または2において、前記検出手段は、前記Mモード画像に対応する受信データで且つ前記超音波探触子を被検体に当接させた際の前記超音波探触子と前記弾性特性を計算する箇所との間の生体組織に対応する受信データを用いて手ブレまたは体動ブレを検出するものである超音波診断装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項において、前記判断手段で前記変化量を用いて確度を判断する際に、前記相対的位置の変化量がある閾値より大きい拍は確度が低いと判断する超音波診断装置。
  5. 請求項2において、前記弾性特性計算手段によって計算する際に用いられる弾性特性の拍間の平均の計算から、前記判断手段によって弾性特性の確度が低いと判断された弾性特性の拍を除外する超音波診断装置。
  6. 請求項5において、前記弾性特性計算手段によって計算された弾性特性を示す画像を作成し、前記画像を前記Bモード画像に重ねて表示する表示手段をさらに具備する超音波診断装置。
  7. 請求項2において、前記弾性特性計算手段によって計算された弾性特性を示す画像を前記Mモード画像の各拍で作成し、前記判断手段によって判断された確度の高い弾性特性はMモード画像に重ねて表示し、前記判断手段によって判断された確度の低い弾性特性は表示しない表示手段をさらに具備する超音波診断装置。
  8. 請求項1乃至3のいずれか一項において、前記判断手段における相対的位置の変化量を、Mモード画像のフレーム間の差分画像又はパターンマッチング法で検出する超音波診断装置。
  9. 請求項4において、前記相対的位置の変化量の閾値が、0.1mm以上である超音波診断装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項において、前記検出手段は、前記Mモード画像に対応する受信データを用いてMモード画像のフレーム間の差分画像またはMモード画像のフレーム間のパターンマッチングにより手ブレまたは体動ブレを検出するものである超音波診断装置。
  11. 請求項1乃至10のいずれか一項において、前記弾性特性計算手段が、スティフネスパラメータβ、ストレインレート、および、弾性率の内の少なくとも1つを弾性特性として計算する超音波診断装置。
  12. 請求項1または2において、前記生体組織が、血管、心臓、および、頚動脈のいずれかである超音波診断装置。
  13. 請求項1乃至12のいずれか一項において、前記判断手段によって検出した前記相対的位置の変化量を、前記弾性特性計算手段によって測定した前記生体組織の変位量から減算することで前記生体組織の変位量を補正する機能を備え、前記弾性特性計算手段は、前記機能によって補正された後の生体組織の変位量を用いて弾性特性を計算する超音波診断装置。
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