JP2009039277A - 超音波診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】血流部分と内膜部分との境界をより正確に自動的に検出することが可能な超音波診断装置を提供する。
【解決手段】超音波探触子103を駆動し、動脈血管壁を含む被検体組織の計測領域へ超音波を送信する送信部102と、前記超音波が前記被検体において反射することにより得られる反射波を、前記超音波探触子を用いて受信し、受信信号を生成する受信部101と、前記受信信号から前記計測領域内にある被検体組織の、前記超音波の音響線の方向における変位情報を生成し、前記変位情報に基づいて、前記計測領域中における前記動脈血管壁の血流と内膜との境界の位置を決定する第1の境界位置決定部110とを備えた超音波診断装置。
【選択図】図1

Description

本発明は医療用の超音波診断装置に関し、特に動脈血管の血流部分と内膜部分との境界を自動的に決定することのできる超音波診断装置に関する。
超音波診断装置は、超音波を被検体に照射し、そのエコー信号に含まれる情報を解析することにより、被検体内を観察する。従来から広く用いられている超音波診断装置は、エコー信号の強度を対応する画素の輝度に変換することにより、被検体の構造を断層画像として得ている。これにより、被検体の内部の構造を知ることができる。被検体内を非観血的に観察できるため、超音波診断装置はX線CTやMRIと並んで、臨床現場では不可欠な装置となっている。
近年、動脈硬化を患う人が増加しており、動脈硬化を診断するために、超音波診断装置を用いた頸動脈エコーが行われている。動脈硬化が進行すると血管壁が厚くなり血管が狭窄してくる。このため、血管壁の厚さを計測することによって動脈硬化を診断することが可能である。図8に示すように、頸動脈は、内側から順に内膜42、中膜43、外膜の3層を有する構造を備えていることが知られている。頸動脈の外側は体組織45に覆われており、頸動脈は血液が流れる血管内腔41を規定している。
頸動脈エコーでは、この内膜と中膜をあわせた厚さ(内中膜複合体厚:以下IMTと呼ぶ)を計測し、動脈硬化の指標としている。非特許文献1によれば、IMTが1.1mm以上を異常肥厚と診断する。
従来、IMTの計測は手動で行われていた。具体的には、操作者が、上述した方法により得られた断層画像上において、内膜、中膜および外膜の位置を判断し、超音波診断装置に一般的に標準装備されている断層画像上の長さ計測機能を用いて厚さが求められていた。
しかしながら、断層画像に基づいて操作者が血管壁の厚さやIMTを測定する場合、操作者により、画像の認識や識別の仕方に癖があり、操作者による計測値のばらつきが生じる可能性がある。
このため、内膜、中膜および外膜の領域を自動的に検出する方法が提案されている。例えば、特許文献1は、超音波エコーの強度あるいは断層画像の表示に用いられるBモード輝度信号を用いて内膜、中膜および外膜の領域を検出する方法を開示している。また、特許文献2は、組織の硬さの情報に基づいて内膜、中膜および外膜の領域を検出する方法を開示している。
特開平11−318896号公報 国際公開第2004/112568号パンフレット 特開平10−5226号公報 頸動脈エコー、古幡博、ベクトル・コア社、2004、ISBN4−938372−88−6
しかしながら、被験者によっては、内膜のBモード輝度信号が弱かったり、輝度信号にノイズが多く含まれる場合、あるいは、血管内に粥腫などの局所病変が存在する場合がある。これらの場合、特許文献1の方法によって血流と内膜との境界位置や中膜と外膜との境界位置を検出することは困難である。
また、特許文献2の方法を用いる場合、超音波エコーにノイズが多く含まることによって、正確な硬さの情報を求めることができないこともある。この場合、不正確な硬さ情報に基づいて判定された組織の識別も不正確になってしまう。
このように、従来技術によれば、血流部分から得られる超音波エコーが弱く、また、ノイズの影響が大きいということにより、血流と内膜との境界の正確な検出が困難であった。
本発明はこのような従来技術の課題を解決し、血流部分と内膜部分との境界をより正確に自動的に検出することが可能な超音波診断装置を提供することを目的とする。
本発明の超音波診断装置は、超音波探触子を駆動し、動脈血管壁を含む被検体組織の計測領域へ超音波を送信する送信部と、前記超音波が前記被検体において反射することにより得られる反射波を、前記超音波探触子を用いて受信し、受信信号を生成する受信部と、前記受信信号から前記計測領域内にある被検体組織の、前記超音波の音響線の方向における変位情報を生成し、前記変位情報に基づいて、前記計測領域中における前記動脈血管壁の血流と内膜との境界の位置を決定する第1の境界位置決定部とを備える。
ある好ましい実施形態において、前記第1の境界位置決定部は、前記音響線上に設定した基準位置の所定の期間における変位波形と、前記音響線上に設定した複数の測定対象位置の前記所定の期間における変位波形をそれぞれ算出し、前記基準位置における変位波形と前記複数の測定対象位置における変位波形とに基づいて前記計測領域中における前記動脈血管壁の血流と内膜との境界の位置を決定する。
ある好ましい実施形態において、前記基準位置は、前記動脈血管壁の外膜に位置している。
ある好ましい実施形態において、前記第1の境界位置決定部は、前記受信信号の振幅情報を受け取り、前記音響線上において、もっとも大きい振幅が得られる位置を前記基準位置として設定する。
ある好ましい実施形態において、前記第1の境界位置決定部は、受信信号の位相情報に基づき、前記所定の期間における前記測定対象位置および前記基準位置の変位波形を算出する変位量推定部と、前記基準位置における変位波形と前記複数の測定対象位置における変位波形との相関値を算出する相関算出部と、前記測定対象位置ごとに求められた相関値から、境界の位置を決定する判定部とを含む。
ある好ましい実施形態において、前記第1の境界位置決定部は、受信信号の位相情報に基づき、前記所定の期間における前記測定対象位置および前記基準位置の変位波形を算出する変位量推定部と、前記基準位置における変位波形と前記複数の測定対象位置における変位波形との差の時間積分を求める積分部と、前記測定対象位置ごとに求められた積分値から、境界の位置を決定する判定部とを含む。
ある好ましい実施形態において、超音波診断装置は、前記受信信号の振幅情報から前記音響線上の位置による前記信号強度の変化率を算出する変化率算出部、および、前記変化率に基づき前記動脈血管壁の中膜と外膜との境界の位置を決定する判定部を含む第2の境界位置決定部をさらに備える。
ある好ましい実施形態において、超音波診断装置は、前記第1の境界位置決定部が決定した前記血流と内膜との境界の位置、および、前記第2の境界位置決定部が決定した前記中膜と外膜との境界の位置に基づいて、内中膜複合体厚を算出する厚さ算出部をさらに備える
ある好ましい実施形態において、超音波診断装置は、前記受信信号に基づいて前記計測領域の断層画像を示す信号を生成する断層画像処理部と、前記断層画像を表示する表示部とをさらに備え、前記決定した血流と内膜との境界の位置を前記断層画像に重畳させて前記表示部に表示する。
ある好ましい実施形態において、超音波診断装置は、前記受信信号に基づいて前記計測領域内の計測位置間の弾性率を算出する弾性率値算出部をさらに備え、前記算出した弾性率値の二次元マッピング画像を前記表示部に表示する。
本発明によれば、超音波エコーによる受信信号から計測領域内にある被検体組織の音響線の方向における変位情報を生成し、変位情報に基づいて、計測領域内の血流部分と血管壁の内膜部分との境界を決定する。このため、操作者による計測値のばらつきが生じることなく、IMTを求めることができる。
以下、本発明による超音波診断装置の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明による超音波診断装置の一実施形態の構成を示すブロック図である。
本実施形態の超音波診断装置は、受信部101、送信部102、遅延合成部104、検波部105、断層画像処理部106、振幅情報処理部107、位相情報処理部108、第1の境界位置検出部110、第2の境界位置検出部109、弾性率算出部111、厚さ算出部112および画像合成部113を備える。また、操作者が超音波診断装置に指令を与えるためのユーザインターフェース120と、ユーザインターフェース120からの指令に基づき、これらの各構成要素を制御するマイコンなどからなる制御部121とを備えている。
なお、図1に示す各構成要素は必ずしも独立したハードウエアによって構成される必要はない。例えば、位相情報処理部108、第1の境界位置検出部110、第2の境界位置検出部109、弾性率算出部111および厚さ算出部112などは、マイコンおよびソフトウェアにより構成され、各部の機能が実現されていてもよい。
好ましくは、制御部121には、心電計122が接続され、心電波形など心周期に関する情報を受け取る。これにより、心電波形をトリガーとして心周期に一致したタイミングで計測を行うように超音波診断装置の各部を制御することができる。
送信部102および受信部101には超音波を被検体へ向けて送信し、被検体から超音波エコーを受信するための探触子103が接続される。超音波診断装置は専用の探触子103を備えていてもよいし、汎用の探触子を探触子103として用いてもよい。探触子103内には複数の圧電素子が配置され、遅延合成部104による圧電素子の選択、および、圧電変換素子に電圧を与えるタイミングの設定によって、送受信する超音波の偏向角およびフォーカスを制御する。
送信部102は、制御部121の指令を受けて、指定されたタイミングで探触子103を駆動する高圧信号を発生する。探触子103は、送信部102で発生した送信信号を超音波に変換して被検体に照射する。
被検体内部から反射してきた超音波エコーは、探触子103を用いて電気信号に変換され、受信部101により増幅されることによって受信信号が生成する。前述したように受信部101は、遅延合成部104による探触子103の圧電変換素子の選択によって、定められた位置(フォーカス)または方向(偏向角)からの超音波のみを検出することができる。
送信部102、受信部101および遅延合成部104のこのような動作により、探触子103から照射する超音波が被検体組織の計測領域を超音波で走査し、1フレーム分の受信信号を得る。被検体の1心周期中にこの走査を繰り返し、複数のフレーム分の受信信号を得る。たとえば、百数十フレーム分の受信信号を取得する。
断層画像処理部106はフィルタ、対数増幅器および検波器などを含み、受信部101から受け取った受信信号を信号強度に応じた輝度情報を有する信号に変換する。これにより、被検体組織の計測領域における断層画像を示す信号が得られる。
振幅情報処理部107は、受信信号から振幅情報を求め、第1の境界位置決定部110および第2の境界位置決定部109へ出力する。
検波部105は受信信号を直交検波する。位相情報処理部108は、直交検波された受信信号の位相情報を生成し、第1の境界位置決定部110へ出力する。
第1の境界位置決定部110は、位相情報処理部108から計測領域内にある被検体組織の超音波の音響線の方向における変位情報を生成し、変位情報に基づいて、被検体計測領域中における動脈血管壁の血流と内膜との境界の位置を決定する。第2の境界位置決定部109は、振幅情報処理部107から受信信号の振幅情報を受け取り、振幅情報に基づいて、動脈血管壁の中膜と外膜との境界の位置を決定する。外膜と血管外組織との境界の位置をさらに決定してもよい。
厚さ算出部112は、第1の境界位置決定部110で決定した動脈血管壁の血流と内膜との境界の位置、および、第2の境界位置決定部109で決定した動脈血管壁の中膜と外膜との境界の位置に基づき、IMTを算出する。
画像合成部113は、断層画像処理部106から被検体組織の計測領域における断層画像を示す信号を受け取る。また、第1の境界位置検出部110および第2の境界位置検出部109から検出した境界の位置情報を受け取り、厚さ算出部112から求めたIMTを受け取る。そして、境界の位置情報に基づき、決定した境界を示す線を断層画像に重畳した画像信号を生成し、表示部114へ出力する。さらに境界間の厚さを示す数値を生成し、表示部114へ出力する。
また、画像合成部113は、各計測点間の弾性率値を弾性率算出部111から受け取り、弾性率値に応じた色調や諧調で弾性率の計測領域における分布を示す二次元マッピングデータを生成し、表示部へ出力する。表示部114は画像合成部113から出力されるデータを表示する。
ユーザインターフェース120は、操作者が超音波診断装置に指令を与えるための入力部である。具体的には、ユーザインターフェース120はキーボードやトラックボール、マウスなどの入力デバイスである。操作者は、ユーザインターフェース120を用いて、弾性率を算出するための関心領域(ROI)を設定したり、境界位置決定部109で決定する境界や厚さ算出部112で求める境界間の厚さを選択する。
次に、第1の境界位置決定部110および第2の境界位置決定部109を詳細に説明する。本発明では、超音波エコーによる受信信号から計測領域内にある被検体組織の音響線の方向における変位情報を生成し、変位情報に基づいて、計測領域内の血流部分と血管壁の内膜部分との境界を決定する。
動脈血管は1心周期ごとに拡張・収縮を繰り返す。このため、計測に用いる超音波の音響線が血管の軸を通るように超音波を送信する場合、音響線方向に血管壁の各組織は周期的に変位する。これに対し、血液は、動脈血管の内腔を一方向、具体的には、心臓から被検体の末端へ向かう方向へ移動する。また、血液の移動によって超音波の反射波は散乱しやすい。このため、超音波エコーを解析し、基準時刻において計測領域内に設定した測定対象位置の変位を求めると、血管壁の各組織からは、比較的大きな振幅で変位波形を得ることができる。これに対して、血流部分から得られる超音波エコーは強度が弱く、また、ノイズの影響が大きい上に心周期に一致した変位波形を得ることができない。
したがって、計測領域内に設定した測定対象位置の変位情報を利用することによって計測領域内の血流部分と血管壁の内膜部分とを識別することが可能であり、また、血流部分と内膜部分との境界を決定することができる。
このような原理に基づき境界を決定するために、第1の境界位置決定部110は、図2(a)に示すように、最大値決定部110a、と変位量推定部110bと、相関算出部110cと判定部110dとを含む。最大値決定部110aは、血管壁の変位波形として基準となる波形を取得するべき位置を定める。具体的には、最大値決定部110aは、振幅情報処理部107から受信信号の振幅情報を受け取り、基準となる時刻、例えば、1心周期の開始時刻において、測定領域を走査する超音波の各音響線上で受信信号の最も大きい振幅が得られる対象位置を基準位置として決定する。このような基準位置では受信信号の振幅が大きいため、ノイズの影響が相対的に小さく、比較的正確な変位波形が得られる。本願発明者の詳細な実験によれば、受信信号の振幅は、血管壁の外膜において最も大きくなる。
変位量推定部110bは、受信信号から各測定対象位置の変位を1心周期間中追跡し、変位波形を生成する。各測定対象位置の変位波形が得られる限り受信信号をどのように処理してもよいが、できるだけ高い精度で測定対象位置の変位を求めることが好ましい。例えば、特許文献3に開示されている位相差トラッキング法は高精度で測定対象位置の変位を推定し、変位波形を生成することができる。したがって、本実施形態では、位相情報処理部108から受信信号の位相情報を受け取り、位相差トラッキング法によって各測定対象位置の変位波形を生成する。血管の拡張・収縮は心周期に一致した周期で生じるので、1心周期ごとに各測定対象位置は初期位置に戻る。よって、変位波形は1心周期以下の期間で生成する。
相関算出部110cは、基準位置における変位波形と、その他の測定対象位置における変位波形との相関値(相関係数)を相関関数を用いてそれぞれ求める。これにより、測定対象位置ごとに相関値が求まる。前述したように、基準位置および測定対象位置は1心周期中の基準時刻において、計測領域内を走査する超音波の音響線上に設定される。
基準位置は外膜中に設定されるため、外膜と同じように拡張・収縮する血管壁中に設定された測定対象位置における変化波形は、基準位置の変化波形とよく波形が一致し、相関値が高い。これに対して、血流部分に設定された測定対象位置における変化波形は、血管壁と運動の関連がないため、基準位置の変化波形と一致せず、相関値も低くなる。したがって、相関値が急激に低下する測定対象位置が、血流部分と血管壁の内膜との境界であると推定される。
判定部110dは、このような理論に基づき、測定対象位置ごとに求められた相関値から、相関値が急激に低下する測定対象位置を決定する。急激に低下する測定対象位置の判定は、例えば閾値を用いてもよい。より具体的には、0.85以上0.9以下の閾値を設定し、相関値が閾値よりも小さくなる測定対象位置を決定してもよい。あるいは、相関値の測定対象位置による変化率を求め、変化率が0となる測定対象位置を決定してもよい。このようにして、血流部分と内膜との境界位置を自動的に決定することができる。
以下、具体的な計測例を示しながら、さらに第1の境界位置決定部110の説明を続ける。図3(a)は、計測領域内の断層画像の一例を示している。図3(a)の断層画像において、横方向は計測領域内を走査する超音波の音響線の位置を示しており、縦方向は音響線上に設定した測定対象位置による深さを示している。図3(a)に示すように15番目の音響線上において、設定した基準位置Rおよび所定の間隔で設定した測定対象位置AからDにおける変位波形を図3(b)の左側に示す。図3(b)において、横軸は時間を示し、縦軸は測定対象位置または基準位置の変位量を示している。それぞれの変位波形は、1心周期分が示されている。図3(b)の右側には、測定対象位置AからDと基準位置とにおける変位波形の相関図を示している。図3(b)から明らかなように、測定対象位置C、Dにおける変位波形は、基準位置Rにおける変位波形と類似しており、相関値も0.9以上である。これに対して、測定対称位置A、Bにおける変位波形は、基準位置Rにおける変位波形と大きく異なっており、相関値も0.2以下である。これらの結果から、測定対象位置A、Bの変位は基準点Rの変位とは異なっており、測定対象位置Rと異なる組織に測定対象位置A、Bが設定されていることが分かる。
図4(a)は、15番目以降の音響線において、基準位置の変位波形とその他の測定対象位置の波形との相関値を求め、相関値と測定対象位置による深さとの関係を示している。また図4(b)は、15番目の音響線における相関値と測定対象位置による深さとの関係を示している。図4(a)から明らかなように、いずれの音響線においても、80番目の測定対象位置付近より浅い領域では相関値が急激に小さくなっており、また、80番目の測定対象位置付近より深い領域では、相関値は1に近い値になっている。このことから、音響線が異なっていても、ほぼ同じ位置に血流と内膜との境界が位置しており、計測中のノイズなどの影響を受けることなく、正しい界面の位置を検出することができることが分かる。図4(b)において丸印で示すように、相関値は、80番目の測定対象位置付近において急激に変化しており、80番目の測定対象位置付近に血流と内膜との境界が位置していることが分かる。例えば、0.95を閾値として設定した場合、82番目の測定対象位置に血流と内膜との境界が位置していると決定することができる。
このように測定対象位置の変位情報を利用することによって、計測領域内の血流部分と血管壁の内膜部分とを識別し、精度よく境界の位置を決定することができる。また、相関を求める期間を長くすることによって、ノイズの影響を低減することができる。したがって、より精度よく境界の位置を決定したい場合には、相関を1心周期の間得られた変位波形を用いて相関値を算出することが好ましい。一方、ノイズの影響が小さい場合には、相関を求める期間を短くし、演算量を低減することも可能である。
また、一般に、相関関数を用いた相関値の算出は演算量が多くなり、計算処理能力の高いコンピュータなどの演算装置が必要となる。このため、相関値を求める代わりに、基準位置における変位波形と、その他の測定対象位置における変位波形との差分を時間積分し積分値に基づいて、境界を決定してもよい。2つの変位波形が類似する場合、その差の時間積分値は小さくなり、2つの変位波形が完全に一致する場合には積分値はゼロとなる。したがって積分値を評価することによって境界を決定できる。
具体的には、図2(b)に示すように、第1の境界位置決定部110は、最大値決定部110aと、変位量推定部110bと、積分部110eと、判定部110fとを含んでいてもよい。積分部110eは、基準位置における変位波形とその他の測定対象位置における変位波形との差の時間積分を求める。判定部110fは、求めた積分値から境界の位置を決定する。
図5(a)は、15番目以降の音響線において、基準位置の変位波形とその他の測定対象位置の波形との差の時間積分を求め、積分値と測定対象位置による深さとの関係を示している。また図5(b)は、15番目の音響線における積分値と測定対象位置による深さとの関係を示している。図5(a)から明らかなように、いずれの音響線においても、80番目の測定対象位置付近より浅い領域では積分値が比較的大きくばらついているが、80番目の測定対象位置付近より深い領域では、積分値はゼロに近くなっている。図5(b)において丸印で示すように、積分値は、80番目の測定対象位置付近において急激に小さくなり、80番目の測定対象位置付近に血流と内膜との境界が位置していることが分かる。例えば、深い位置から積分値を示す曲線が急激に増加する位置を閾値や変化率(微分値)を用いて決定することにより、血流と内膜との境界が位置していると決定することができる。この方法によれば、演算量が少なく済むため、高性能の演算装置を搭載していない超音波診断装置においても正確に血流と内膜との境界を決定することができる。
このようにして、本発明の超音波診断装置は、血流と内膜との境界を第1の境界位置決定部110により決定する。血管の中膜と外膜との境界あるいは外膜と体組織との境界は、超音波エコーの強度に基づいて決定する。具体的には、図2(c)に示すように、第2の境界位置決定部109は、振幅情報処理部107から受信信号の振幅情報を受け取り、音響線上の位置による信号強度の変化率を算出する変化率算出部109aおよび、変化率に基づき前記動脈血管壁の中膜と外膜との境界の位置を決定する判定部109bを含む。図6に示すように、受信信号の強度は中膜43と外膜44との境界、および、外膜44と体組織45との境界54において、極大61、62を持つ。したがって、強度の変化率を求めると、強度の極大61、62となる位置において、変化率は、ゼロとなる(丸印63、64)。判定部109bは、変化率がゼロとなる位置を検出することによって、中膜43と外膜44との境界53、および、外膜44と体組織45との境界54を決定することができる。ノイズなどの影響により、強度の極大61、62が2つ以上存在する場合には、中膜43と外膜44との境界53および外膜44と体組織45との境界54を検出すべき領域を弾性率の分布情報など他の情報から制限し、制限された領域内において、変化率がゼロとなる位置を検出することができる。
図7は、本実施形態の超音波診断装置を用いて動脈壁を含む被検体の計測を行った場合において表示部114に表示される画像の一例を示している。図7に示すように、表示部114には、計測領域の断層画像70が表示される。断層画像は動脈の血管腔41、内膜42、中膜43、外膜44および体組織45が示されている。また、断層画像70には弾性率を計測する領域である関心領域80が表示されている。関心領域80の位置や大きさは、操作者がユーザインターフェース120(図1)を用いて任意に設定できる。
また、関心領域80内において、第1の境界位置決定部110が決定した血流−内膜境界線75と第2の境界位置決定部109が決定した中膜−外膜境界線76が表示されている。上述したように血流−内膜境界線75は1心周期ごとに求められるため、断層画像70も1心周期ごとに更新されることが好ましい。
前述したように第1の境界位置決定部110および第2の境界位置決定部109は、1心周期中の基準時刻に設定した測定対象位置のどこが境界であるかを決定する。したがって、決定した境界は、1心周期中の任意のフレームの断層画像70上に表示することができる。IMTの値を動脈硬化症の診断に利用する場合には、血管壁が最も厚くなる時刻において、血流−内膜境界線75および中膜−外膜境界線76を表示しIMTを計測することが好ましい。具体的には、心拡張末期、つまりR波が観測される時刻のフレームの断層画像70を表示し、断層画像70上に血流−内膜境界線75および中膜−外膜境界線76を表示することが好ましい。
表示部114の画面にはさらに断層画像70上において設定した関心領域80内の弾性率値が断層画像71に重畳され、二次元マッピング表示されている。弾性率値は、カラーバー73で示される弾性率値に応じた色調または諧調で表示されている。第1の境界位置決定部110が決定した血流−内膜境界線75’と第2の境界位置決定部109が決定した中膜−外膜境界線76’を断層画像71上に表示してもよい。
また、表示部114の画面にはカーソル81上における境界線75と境界線76との距離であるIMTの値77が表示される。
本実施形態によれば、被検体組織の音響線の方向における変位情報を生成し、変位情報に基づいて、計測領域内にある、動脈血管の血流と内膜との境界を決定する。このため、操作者による計測値のばらつきが生じることなく、血管壁の厚さやIMTを求めることができる。特に、血管壁中に設定される信号強度の強い測定対象位置における変位波形を基準として、各測定対象位置における変位波形との相関値、あるいは、基準位置と各測定対象位置とにおける変位波形の差の時間積分値を求め、相関値あるいは積分値が大きく変化する位置を決定する。所定の期間に得られた変位波形を用いてこれらの値を求めるため、ノイズによる影響を低減することが可能となり、精度良く境界を決定することができる。
なお、上記実施形態の超音波診断装置は、断層画像処理部106と振幅情報処理部107とを備えているが、断層画像処理部106から出力されるBモード画像信号を振幅情報として利用してもよい。また、変位量推定部110bは第1の境界位置決定部110に設けられているが、弾性率算出部111に変位量推定部110bが含まれていてもよい。
本発明は医療用の超音波診断装置に好適に用いられ、特に、動脈血管の診断に用いる超音波診断装置に好適に用いられる。
本発明による超音波診断装置の実施形態を示すブロック図である。 (a)および(b)は、図1に示す超音波診断装置の第1の境界位置決定部の構成を示すブロック図であり、(c)は、第2の境界位置決定部の構成を示すブロック図である。 (a)は、断層画像上に設定した測定対象位置および基準位置を示しており、(b)は、測定対象位置および基準位置における変位波形と、基準位置および測定対象位置における変位波形の相関図である。 (a)は、15番目以降の音響線上における相関値と測定対象位置で示した深さとの関係を示すグラフであり、(b)は、15番目の音響線上における相関値と測定対象位置で示した深さとの関係を示すグラフである。 (a)は、15番目以降の音響線上における積分値と測定対象位置で示した深さとの関係を示すグラフであり、(b)は、15番目の音響線上における積分値と測定対象位置で示した深さとの関係を示すグラフである。 血管壁組織の分布と、対応する位置における受信信号の強度およびその変化率の分布を示す図である。 図1の超音波診断装置を用いて動脈壁を含む被検体の計測を行った場合において、表示部に表示される画像の一例を示している。 血管壁組織の構成を示す模式図である。
符号の説明
101 受信部
102 送信部
103 探触子
104 遅延合成部
105 検波部
106 断層画像処理部
107 振幅情報処理部
108 位相情報処理部
109 第2の境界位置決定部
110 第1の境界位置決定部
111 弾性率算出部
112 厚さ算出部
113 画像合成部
114 表示部
120 ユーザインターフェース
121 制御部
122 心電計
123 血圧計

Claims (10)

  1. 超音波探触子を駆動し、動脈血管壁を含む被検体組織の計測領域へ超音波を送信する送信部と、
    前記超音波が前記被検体において反射することにより得られる反射波を、前記超音波探触子を用いて受信し、受信信号を生成する受信部と、
    前記受信信号から前記計測領域内にある被検体組織の、前記超音波の音響線の方向における変位情報を生成し、前記変位情報に基づいて、前記計測領域中における前記動脈血管壁の血流と内膜との境界の位置を決定する第1の境界位置決定部と、
    を備えた超音波診断装置。
  2. 前記第1の境界位置決定部は、前記音響線上に設定した基準位置の所定の期間における変位波形と、前記音響線上に設定した複数の測定対象位置の前記所定の期間における変位波形をそれぞれ算出し、
    前記基準位置における変位波形と前記複数の測定対象位置における変位波形とに基づいて前記計測領域中における前記動脈血管壁の血流と内膜との境界の位置を決定する請求項1に記載の超音波診断装置。
  3. 前記基準位置は、前記動脈血管壁の外膜に位置している請求項2に記載の超音波診断装置。
  4. 前記第1の境界位置決定部は、前記受信信号の振幅情報を受け取り、前記音響線上において、もっとも大きい振幅が得られる位置を前記基準位置として設定する最大値決定部を含む請求項3に記載の超音波診断装置。
  5. 前記第1の境界位置決定部は、
    受信信号の位相情報に基づき、前記所定の期間における前記測定対象位置および前記基準位置の変位波形を算出する変位量推定部と、
    前記基準位置における変位波形と前記複数の測定対象位置における変位波形との相関値を算出する相関算出部と、
    前記測定対象位置ごとに求められた相関値から、境界の位置を決定する判定部と、
    を含む請求項4に記載の超音波診断装置。
  6. 前記第1の境界位置決定部は、
    受信信号の位相情報に基づき、前記所定の期間における前記測定対象位置および前記基準位置の変位波形を算出する変位量推定部と、
    前記基準位置における変位波形と前記複数の測定対象位置における変位波形との差の時間積分を求める積分部と、
    前記測定対象位置ごとに求められた積分値から、境界の位置を決定する判定部と、
    を含む請求項4に記載の超音波診断装置。
  7. 前記受信信号の振幅情報から前記音響線上の位置による前記信号強度の変化率を算出する変化率算出部、および、前記変化率に基づき前記動脈血管壁の中膜と外膜との境界の位置を決定する判定部を含む第2の境界位置決定部をさらに備えた請求項4から6のいずれかに記載の超音波診断装置。
  8. 前記第1の境界位置決定部が決定した前記血流と内膜との境界の位置、および、前記第2の境界位置決定部が決定した前記中膜と外膜との境界の位置に基づいて、内中膜複合体厚を算出する厚さ算出部をさらに備えた請求項7に記載の超音波診断装置。
  9. 前記受信信号に基づいて前記計測領域の断層画像を示す信号を生成する断層画像処理部と、
    前記断層画像を表示する表示部と、
    をさらに備え、
    前記決定した血流と内膜との境界の位置を前記断層画像に重畳させて前記表示部に表示する請求項8に記載の超音波診断装置。
  10. 前記受信信号に基づいて前記計測領域内の計測位置間の弾性率を算出する弾性率値算出部をさらに備え、
    前記算出した弾性率値の二次元マッピング画像を前記表示部に表示する請求項9に記載の超音波診断装置。
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