JPWO2007080870A1 - 超音波診断装置 - Google Patents

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Abstract

本発明の超音波診断装置は、超音波探触子を駆動する送信部102と、超音波が被検体において反射することにより得られる超音波エコーを、超音波探触子を用いて受信し、受信信号を生成する受信部103と、受信信号から被検体の各組織の動きを追跡し、追跡位置情報を出力する組織追跡部105と、血管の半径および壁厚を求める半径および壁厚算出部と、外部から得られる被検体の血圧に関する情報、追跡位置情報、血管の半径および壁厚から血管の血管壁の径方向弾性率および周方向弾性率を求める組織性状値算出部108と、径方向弾性率および周方向弾性率を表示する表示部107とを備える。送信部および受信部の動作により超音波を送受信している場合、組織性状値算出部は追跡位置情報および血圧に関する情報に基づいて径方向弾性率を逐次求め、表示部が径方向弾性率を表示する。超音波の送受信を停止している場合には、組織性状値率算出部は追跡位置情報、血圧に関する情報および血管の半径および壁厚に基づいて周方向弾性率を求め、表示部が周方向弾性率を表示する。

Description

本発明は、超音波診断装置に関し、特に、被検体組織の動きを追跡し、追跡波形から被検体組織の弾性率を求める超音波診断装置に関する。
超音波診断装置は、超音波を被検体に照射し、そのエコー信号に含まれる情報を解析することにより、被検体を非侵襲的に検査する。従来から広く用いられている超音波診断装置は、エコー信号の強度を対応する画素の輝度に変換することにより、被検体の構造を断層画像として得ている。これにより、被検体の内部の構造を知ることができる。
これに対し、近年、エコー信号の主に位相を解析することによって、被検体の組織の動きを精密に測定し、組織の歪みや弾性率、粘性率などの物理的(性状)特性を求めることが試みられている。
特許文献1は、一定間隔で送受信された超音波のエコー信号の位相差を用いて、被検体の局所領域の瞬間的な移動量を求め、移動量を加算していくことによって、被検体組織を高精度に追跡する方法を開示している。図3を用いて、特許文献1に開示された被検体組織の追跡方法を説明する。被検体の同一個所に向けてΔTの間隔で超音波パルスを送信し、得られた反射エコーを電気信号に変換した受信信号をそれぞれy(t)、y(t+ΔT)とする。tは送信時刻を0とした受信時間である。探触子からある距離(深度)xに位置する計測点から得られるエコー信号とその受信時刻txとの間には、音速をCとすると、下記式(1)の関係が成り立つ。
tx=x/(C/2) ・・・ (1)
このときy(tx)とy(tx+ΔT)との間の位相差をΔθ、tx付近での超音波の中心周波数をfとすると、この期間ΔTにおける計測点の移動量Δxは、以下の式(2)で表される。
Δx=−C・Δθ/4πf ・・・ (2)
式(2)から求められる移動量ΔXを元の計測点位置xに加算することにより、計測点のΔT後の位置x’は以下の式(3)によって求められる。
x’=x+Δx ・・・ (3)
この演算を繰り返すことによって、被検体内の計測点の位置を追跡していくことができる。たとえば、x’の位置から反射されたエコーの受信時刻をtx’とし、続いて送受信された受信信号をy(t+2ΔT)とすると、y(tx’+ΔT)とy(tx’+2ΔT)の位相差から式(1)および式(2)の演算により、2ΔT後の計測点の位置x”を求めることができる。
特許文献2は、特許文献1の方法をさらに発展させ、被検体組織、特に動脈血管壁の弾性率を求める方法を開示している。この方法によれば、まず、図4(a)に示すように、探触子101から被検体230の血管222へ向けて超音波を送信し、血管222の血管壁上に設定した計測点AおよびBからのエコー信号を特許文献1の方法により解析することにより、計測点AおよびBの動きを追跡する。図4(b)は、計測点AおよびBの追跡波形TAおよびTBを示している。また、心電波形ECGも合わせて示している。
図4(b)に示すように、追跡波形TAおよびTBは心電波形ECGに一致した周期性を有している。これは、心臓の心拍周期に一致して、動脈が拡張および収縮することを示している。具体的には、心電波形ECG中にR波と呼ばれる大きなピークが見られる際、心臓の収縮が開始し、心臓の収縮によって、動脈中に血流が押し出され、血圧が上昇する。この血圧によって急激に血管壁が広げられる。したがって、心電波形ECGにR波が現れた後、動脈が急激に拡張し、追跡波形TAおよびTBも急激に立ち上がる。その後、心臓はゆっくり拡張するので、動脈がゆっくり収縮し、追跡波形TAおよびTBも徐々に元に戻る。このような動きを動脈は繰り返している。
追跡波形TAおよびTBの差は計測点AB間の厚さ変化波形Wとなる。厚さ変化波形Wの最大変化量をΔWとし、計測点AB間の初期化時(心拡張末期)の基準厚さをWsとすると、計測点AB間の最大歪み量εは以下の式(4)で求められる。
ε=ΔW/Ws ・・・ (4)
この歪みは血管壁に加わる血圧差によるものであるから、このときの血圧差をΔPとすると、計測点AB間の弾性率Erは以下の式で表される。
Er=ΔP/ε=ΔP・Ws/ΔW ・・・ (5)
したがって、弾性率Erを断層画像上の複数点に対して計測することにより、弾性率の分布画像が得られる。 図4(a)に示すように、血管222の血管壁中に粥腫220が生じている場合、粥腫220とその周りの血管壁組織とでは弾性率が異なる。したがって、弾性率の分布画像が得られれば粥腫の性状、特に易破裂性などの診断に重要な情報が得られる。
このようにして求められた弾性率は、血管の径方向弾性率と呼ばれる。円筒形状を有する血管壁には径方向弾性率Erのほかに、周方向弾性率Eθ、軸方向弾性率Ezの3種類の弾性率が存在する。特許文献2によって求められる弾性率Erは、血管壁の径方向の弾性率であり、圧力が加わる方向である血管壁の径方向において血管壁の歪みを検出し、その歪みと圧力とから弾性率を算出している。
非特許文献1は、血管壁の周方向の弾性率Eθを算出する方法を開示している。非特許文献1によれば、血管壁は同心円状の3層構造を備えるため、径方向弾性率Erよりも周方向弾性率Eθの方が血管壁の組織性状をより正しく反映する。非特許文献1は、以下の式(6)を用いて周方向弾性率Eθを求めている。ここで、h0は血管壁の径方向の初期厚さであり、r0は血管の初期半径である。
Eθ=−(1/2)(r0/h0+1)(ΔP/ε) ・・・ (6)
特開平10−5226号公報 特開2000−229078号公報 国際公開第2004/110280号パンフレット 長谷川、金井他「不均一な壁厚を有する管の局所壁弾性率計測法」J Med Ultrasonics Vol.28, No.1(2001) pp.J3-J13 金森浩「音・振動のスペクトル解析」コロナ社、ISBN4−339−01105−3、日本音響学会編、 S.Timoshenko, "The Theory of Elasticity" McGraw-Hill, 1970
式(6)に示されるように、周方向弾性率Eθを求めるためには、血管の半径R0および壁厚h0を計測する必要がある。しかし、超音波による血管壁の計測では、血管後壁(探触子から遠いほうの血管壁)と血流の境界は明瞭に検出されるが、血管前壁(探触子に近いほうの血管壁)と血流の境界は多重反射や超音波の尾引きの影響により、正確に検出することが困難である。このため、正確な周方向弾性率Eθを求めることはできなかった。
本発明は、このような従来技術の課題を解決し、高速な演算装置を必要とせず、操作者の少ない手間で精度よい周方向弾性率を求めることのできる超音波診断装置を提供することを目的とする。
本発明の超音波診断装置は、血管を含む被検体へ超音波を送信するために、超音波探触子を駆動する送信部と、前記超音波が前記被検体において反射することにより得られる超音波エコーを、前記超音波探触子を用いて受信し、受信信号を生成する受信部と、前記受信信号から前記被検体の各組織の動きを追跡し、追跡位置情報を出力する組織追跡部と、前記血管の半径および壁厚を求める半径および壁厚算出部と、外部から得られる前記被検体の血圧に関する情報と前記追跡位置情報および前記血管の半径および壁厚から前記血管の血管壁の第1の組織性状値および第2の組織性状値を求める組織性状値算出部と、前記第1の組織性状値および第2の組織性状値を表示する表示部とを備え、前記送信部および受信部の動作により超音波を送受信している場合、前記組織性状値算出部は前記追跡位置情報および前記血圧に関する情報に基づいて前記第1の組織性状値を逐次求め、前記表示部が前記第1の組織性状値を表示し、前記超音波の送受信を停止している場合、前記組織性状値算出部は前記追跡位置情報、前記血圧に関する情報および前記血管の半径および壁厚に基づいて前記第2の組織性状値を求め、前記組織性状値算出部は、操作者からの指令に基づき前記第1の組織性状値および前記第2の組織性状値の少なくともいずれか一方を出力し、前記表示部は前記組織性状値算出部から出力される前記第1の組織性状値および前記第2の組織性状値の少なくともいずれか一方を表示する。
ある好ましい実施形態において、前記第2の組織性状値は、前記第1の組織性状値を算出するための演算よりも多くの演算を要する。
ある好ましい実施形態において、前記第1の組織性状値および第2の組織性状値は、それぞれ径方向弾性率および周方向弾性率であり、前記送信部および受信部の動作により超音波を送受信している場合、前記組織性状値算出部は前記追跡位置情報および前記血圧に関する情報に基づいて前記径方向弾性率を逐次求め、前記超音波の送受信を停止している場合、前記組織性状値算出部は前記追跡位置情報、前記血圧に関する情報、前記血管の半径および壁厚に基づいて前記周方向弾性率を求める。
ある好ましい実施形態において、前記半径および壁厚算出部は、前記受信信号および前記追跡位置情報の少なくとも一方に基づいて、前記血管壁と血流との境界および血管壁と周辺組織との境界を検出し、検出した境界に基づいて血管の半径および壁厚を求める。
ある好ましい実施形態において、超音波診断装置は、前記受信信号に基づいて、前記表示部に表示するための前記被検体の断層画像を生成する断層画像処理部と、前記血管壁と血流との境界、または、前記血管壁と周辺組織との境界を前記操作者が前記表示部に表示された断層画像上において指定することにより、前記血管壁と血流との境界および血管壁と周辺組織との境界の位置を前記半径および壁厚算出部へ入力するユーザインターフェースとをさらに備える。
ある好ましい実施形態において、超音波診断装置は、前記受信信号に基づいて、前記表示部に表示するための前記被検体の断層画像を生成する断層画像処理部と、前記血管壁と血流との境界または、前記血管壁と周辺組織との境界を前記表示部に表示された断層画像上において前記操作者が指定することにより、前記半径および壁厚算出部が検出した前記境界の位置を補正して入力し、または、前記半径および壁厚算出部が求めた前記血管の半径および壁厚を前記操作者が入力することにより補正するユーザインターフェースとをさらに備える。
ある好ましい実施形態において、前記超音波の送受信を停止している場合、前記ユーザインターフェースにより前記操作者が前記半径および壁厚算出部へ入力を行うまで、前記表示部は前記第1の組織性状値を表示する。
ある好ましい実施形態において、超音波診断装置は、前記受信信号、前記追跡位置情報および前記追跡位置情報に基づく歪み量の少なくともひとつを記憶するメモリをさらに備え、前記超音波の送受信を停止している場合において、前記組織追跡部および前記組織性状値算出部は、前記メモリに記憶されていた前記受信信号、前記追跡位置情報および前記歪み量の少なくとも1つを読み出して、前記第2の組織性状値を求め、前記表示部に表示する。
ある好ましい実施形態において、前記組織追跡部および前記組織性状値算出部は、前記メモリに記憶された任意の時刻の前記受信信号、前記追跡位置情報および前記追跡位置情報に基づく歪み量の少なくとも1つを読み出して前記第2の組織性状値を求め、前記表示部に表示する。
ある好ましい実施形態において、前記メモリは、前記求めた第2の組織性状値を前記時刻に関連させて記憶する。
ある好ましい実施形態において、前記メモリに前記第2の組織性状値が記憶されている場合には、前記ユーザインターフェースからの前記操作者による入力を受け取ることなく、前記組織性状値算出部は、前記メモリから前記第2の組織性状値を読み出し、前記表示部が前記第2の組織性状値を表示する。
本発明によれば、高速な演算装置を必要とせず、簡単な手順により、血管壁の周方向弾性率を精度よく求めることができる。
本発明による超音波診断装置の実施形態を示すブロック図である。 図1に示す装置を用いて表示される画像の一例を示している。 位相差から組織の位置の追跡を行う原理を示す図である。 (a)は超音波診断装置を用いて血管壁を計測する手順を説明している。(b)は計測により得られる追跡波形および厚さ変化波形の一例を示している。
符号の説明
100 制御部
101 探触子
102 送信部
103 受信部
104 断層画像処理部
105 組織追跡部
106 画像合成部
107 モニタ
108 組織性状値算出部
109 メモリ
110 半径および壁厚算出部
111 血圧値取得部
122 ユーザインターフェース
200 断層画像
201 弾性率画像
202 断層画像用反射強度スケール
203 弾性率画像スケール
204 生体信号波形
以下、本発明による超音波診断装置の実施形態を説明する。図1は本発明よる超音波診断装置のブロック図を示している。超音波診断装置は、送信部102、受信部103、断層画像処理部104、組織追跡部105、画像合成部106、モニタ107、組織性状値算出部108、半径および壁厚算出部110、メモリ120、121およびユーザインターフェース122を備えている。また、これら各構成要素を所定のタイミングおよび順序で制御する制御部100をさらに備えている。制御部100は、図示しないキーボードやトラックボール、スイッチ、ボタンといったユーザインターフェースを含んでいる。
なお、図1に示す各構成要素は必ずしも独立したハードウエアによって構成される必要はなく、例えば、制御部100、断層画像処理部104、組織追跡部105、画像合成部106、組織性状値算出部108、半径および壁厚算出部110の機能がCPUとソフトウェアにより実現されていてもよい。
送信部102および受信部103には超音波を被検体へ向けて送信し、被検体から超音波エコーを受信するための探触子101が接続される。超音波診断装置は専用の探触子101を備えていてもよいし、汎用の探触子を探触子101として用いてもよい。探触子101内には複数の圧電変換素子が配置され、これらの圧電変換素子の選択および、圧電変換素子に電圧を与えるタイミングによって送受信する超音波の偏向角およびフォーカスを制御する。
送信部102は、制御部100の指令を受けて、指定されたタイミングで探触子101を駆動する高圧信号を発生する。探触子101は、送信部102で発生した送信信号を超音波に変換して被検体に照射する。
被検体内部から反射してきた超音波エコーは、探触子101を用いて電気信号に変換され、受信部103により増幅されることによって受信信号が生成する。前述したように受信部103は、探触子101の圧電変換素子の選択によって、定められた位置(フォーカス)または方向(偏向角)からの超音波のみを検出することができる。
断層画像処理部104は、フィルタ、検波器、対数増幅器などからなり、受信信号の主に振幅を解析して、被検体の内部構造を画像化する。得られた断層画像は、以下において説明する画像構成部106において、弾性率画像と合成され、表示部であるモニタ107に表示される。
組織追跡部105は、受信信号を記憶するメモリ、受信信号間の位相差から式(1)を用いて超音波の送受信方向に沿う被検体組織の移動量を求める移動量演算部、移動量を元の位置に加算して移動後の位置を求める追跡位置演算部を含み、被検体内の各組織の超音波の送受信方向に沿う各組織の追跡位置情報を出力する。
半径および壁厚算出部110は、被検体に含まれる血管の半径および壁厚を求める。具体的には、組織追跡部105または、メモリ121から得られる追跡位置情報または受信信号のうち、少なくともいずれか一方を解析して、組織の境界を検出するとともに、血管壁−周辺組織境界または血管壁−血流境界から、血管半径および壁厚を与える。追跡位置情報に基づく場合には、例えば、血流および、血管壁、周辺組織の追跡波形との差を求めることによって血管の外径を求めることができる。
受信信号に基づく場合には、受信信号の振幅を解析する。受信信号の振幅は、被検体の計測領域内における反射波の強度を示しており、血管壁と血流あるいは血管壁と周辺組織とでは反射波の強度が異なる。したがって、受信信号の振幅の差異を検出することにより、境界の位置を検出し、境界の位置を定めることができる。
ユーザインターフェース122は、半径および壁厚算出部110によって算出された血管の半径および壁厚を操作者が補正するための入力部である。具体的には、ユーザインターフェースはキーボードやトラックボール、マウスなどの入力デバイスであり、操作者が、モニタ107に表示された断層画像上において、半径および壁厚算出部110が決定した血管壁と血流との境界または血管壁と周辺組織との境界をユーザインターフェース122を用いて補正することによって、補正後の血管壁と周辺組織との境界または血管壁と血流との境界の位置を前記半径および壁厚算出部へ入力する。モニタ107に、断層画像と半径および壁厚算出部110が決定した血管壁と血流との境界または血管壁と周辺組織との境界と血管の半径および壁厚とが表示され、操作者がモニタ107を見ながら適切な血管の半径値および壁厚値をユーザインターフェース122から入力してもよい。
また、半径および壁厚算出部110が、追跡位置情報または受信信号から所定の精度で血管の半径または壁厚を求めることができない場合には、操作者がモニタ107に表示された断層画像上において、血管壁と血流との境界または血管壁と周辺組織との境界をユーザインターフェース122を用いて決定し、半径および壁厚算出部110は操作者が決定した境界の位置から血管の半径および壁厚を求めてもよい。ユーザインターフェース122からの入力により、補正された血管の半径および壁厚が半径および壁厚算出部110から組織性状値算出部108へ出力される。ユーザインターフェース122は制御部100に含まれるキーボードやトラックボール、スイッチ、ボタンといったユーザインターフェースであってもよい。
組織性状値算出部108は、組織追跡部105から追跡位置情報を受け取り、式(3)および式(4)に基づいて歪み量を求める。さらに血圧値取得部111から血圧値を受け取り、式(5)に基づき、第1の組織性状値として径方向弾性率を求める。血圧値取得部111は、血圧値を組織性状値算出部108へ入力する。血圧値取得部111は、被検体の血圧を計測する血圧計であってもよいし、操作者が血圧値入力するためのキーボードなどの入力装置であってもよい。
また、組織性状値算出部108は、半径および壁厚算出部110から補正された血管半径および壁厚を受け取り、第2の組織性状値として式(4)から式(6)に基づいて周方向弾性率を求める。径方向弾性率および周方向弾性率は被検体の各組織について求められる。つまり超音波の送受信方向および送受信方向に垂直な方向に配列された2次元マップとして求められる。
周方向弾性率は正確な血管半径および壁厚が入力されなければ求めることができない。このため、以下において詳細に説明するように、周方向弾性率は、計測のための超音波の送受信を停止した状態において操作者が血管半径および壁厚を補正した後に求められる。一方、径方向弾性率は、計測のための超音波の送受信を行いながらリアルタイムで逐次求められる。
このように、組織性状値算出部108は、超音波の送受信を行っている間に第1の組織性状値を求め、超音波の送受信を停止している間に第2の組織性状値を求める。第1の組織性状値には、超音波の送受信を行っている間であっても演算が可能な、比較的高い演算処理が必要のない特性値、あるいは、受信信号に基づき、自動的に演算することが可能な特性値が選ばれる。一方、第2の組織性状値には、第1の組織性状値を算出するための演算よりも多くの演算を要する高度な演算処理が必要な組織性状値、あるいは、操作者による補正に基づいて演算を行うことが必要な組織性状値が選ばれる。組織性状値算出部108は、第2の組織性状値の演算を超音波の送受信を行っていない時に行う。このため、第2の組織性状値を送受信を行いながら演算する場合に比べて、超音波診断装置の演算装置に求められる負荷が小さくてすむ。
組織性状値算出部108は、第2の組織性状値を求めた後、操作者によるユーザインターフェース122からの指令に基づき前記第1の組織性状値および前記第2の組織性状値の少なくともいずれか一方、つまり、径方向弾性率の二次元マップ画像または周方向弾性率の二次元マップ画像を出力する。
画像合成部106は、断層画像処理部104から得られる断層画像と、組織性状値算出部108から得られる径方向弾性率の二次元マップ画像または周方向弾性率の二次元マップ画像とを合成し、モニタ107へ出力する。対応する組織の位置が重なるように断層画像と弾性率の二次元マップ画像とを合成することが好ましい。
メモリ121は受信信号と、追跡位置情報、歪み量の少なくともいずれか1つを記憶する。また、組織性状値算出部108が算出した径方向弾性率および周方向弾性率を、計測時刻に関連付けて記憶する。メモリ120は断層画像を記憶する。メモリ121に記憶された情報は、超音波の送受信を停止した状態において、読み出され、組織性状値算出部108において周方向弾性率の計算に用いられる。また、周方向弾性率や径方向弾性率をモニタ107に表示する場合に、対応した弾性画像のデータがメモリ120から読み出され画像合成部で弾性率の二次元マップ画像と合成される。
図2は、このような構成の超音波診断装置を用いて、血管壁の弾性率を計測した結果の一例を表示したモニタ画面を模式的に示している。図2において、モニタ上には血管壁の断層画像200に重畳して、対応する組織の弾性率の分布を表す弾性率画像201がカラーで表示される。図2に示されるように、超音波診断装置に被検体から得られる心電波形を入力し、心電波形を生体信号波形204として表示してもよい。また、以下において説明するように、血管壁と血流との境界を示すカーソル301、302が表示される。
断層画像200は、反射強度スケール202に示される反射強度と画像の諧調との関係を用いて表示される。また、弾性率画像201は、弾性率スケール203に示される弾性率と色調との関係を用いて表示される。図2では、断層画像200中の血管前壁の内膜261、中膜262および外膜263と、血管後壁の内膜251、中膜252および外膜253と、血管内腔240とが反射強度スケール202にしたがう異なる諧調度で区別して表示されている。また、これらの組織は異なる弾性率を有するため、弾性率画像201においても弾性率スケール203にしたがう異なる色調でこれらの組織が表示されている。
超音波送受信時(以下、ライブ状態という)では、断層画像200は従来の超音波診断装置同様に数10フレーム/秒ごとに更新され表示される。一方、弾性率は一心拍中の血圧差に基づいて計算される。このため、弾性率画像201は1心拍に1回更新して表示される。
超音波の送受信を停止した状態(以下、フリーズ状態)では、メモリ121より受信信号、追跡位置情報または歪み量が読み出され、弾性率が再計算され、メモリ120よりそのときの弾性率に同期した断層画像が読み出されて表示される。また、フリーズ状態において過去の弾性率および断層画像を読み出すことができる。この場合は特許文献3に示されるように、弾性率に関連付けて記憶されている計測時刻に基づいて、表示する弾性率と同じ時刻に得られた断層画像、または、弾性率を算出するのに要した心拍期間の断層画像が、メモリ120より読み出されて表示される。
次に、超音波診断装置の動作を説明する。まず、ライブ状態では、送信部102および受信部103を動作させ、所定の時間間隔で受信信号が生成する。断層画像処理部104および組織追跡部105は受信信号を逐次処理し、断層画像および追跡位置情報を生成する。組織性状値算出部108は逐次生成される追跡位置情報に基づいて、径方向弾性率の二次元マッピング画像を生成する。画像合成部106は断層画像と径方向弾性率の二次元マッピング画像とを合成し、モニタ107がこれらの合成画像を表示する。ライブ状態では超音波の送受信が逐次行われ、断層画像も受信信号の生成のたびに更新される。径方向弾性率の二次元マッピング画像は心拍ごとに更新される。得られた受信信号、追跡位置情報および弾性率の少なくとも1つはメモリ121に記憶される。得られた断層画像はメモリ120に記憶される。
一方、周方向弾性率を求めるためには、血管半径および壁厚を求める必要がある。しかし、血管壁と血流との境界は短時間内に自動的に検出するのが困難である。例えば、実際の装置では受信信号1本あたりの処理時間は100μ秒程度しかなく、この時間内に境界を検出するためには、高性能のコンピュータが必要となる。このため、本発明の超音波診断装置は、ライブ状態では、径方向弾性率のみを求める。
超音波の送受信を停止したフリーズ状態では、受信信号、追跡位置情報および径方向弾性率のいずれか少なくとも1つがメモリ121から読み出され、組織性状値算出部108が周方向弾性率の算出を行う。また、同じ時刻に得られた断層画像がメモリ120から画像合成部106へ出力される。このとき、半径および壁厚算出部110は、追跡位置情報または受信信号に基づいて血管前壁および後壁と周辺組織との境界または血管前壁および後壁と血流との境界を前述した方法により決定し、血管半径および壁厚を求める。求めた血管半径および壁厚は組織性状値算出部108へ出力される。フリーズ直後の遅れであれば操作者に違和感を与えることはないので、境界の決定に多少時間を要してもよい。
組織性状値算出部108は、血管半径および壁厚と追跡位置情報または径方向弾性率とから周方向弾性率を求め、周方向弾性率の二次元マップ画像を画像合成部106へ出力する。画像合成部106は、メモリ120から受け取る弾性画像と、周方向弾性率の二次元マッピング画像とを合成し、モニタ107がこれらの合成画像を表示する。
血管半径および壁厚が正しく自動的に求められる場合には、フリーズ状態において上述の手順によって周方向弾性率の二次元マッピング画像を含む画像をモニタ107に自動的に表示される。しかし、血管半径または壁厚が正確に求められない場合、つまり、血管壁の境界が正確に決定できない場合には、操作者がユーザインターフェース122により、境界の位置または血管半径または壁厚を補正し、補正された境界位置または血管半径または壁厚に基づいて、組織性状値算出部108が周方向弾性率を求める。
例えば、図2に示すように、フリーズ状態においても、まず、メモリ120、121に記憶されたデータを読み出し、まず断層画像と径方向弾性率との合成画像を表示する。また、半径および壁厚算出部110が求めた境界の位置をモニタ107に合わせて表示する。図2では、半径および壁厚算出部が血管前壁および後壁と血流との境界を検出し、検出した位置にカーソル301、302を表示している。
操作者はユーザインターフェース122により、モニタ107の断層画像上においてカーソル301、302の位置を補正する。半径および壁厚算出部110は、ユーザインターフェース122から補正された位置を取得して、血管半径および壁厚を算出する。あるいは、操作者はユーザインターフェース122から血管半径および壁厚を直接入力してもよい。
組織性状値算出部108は、ユーザインターフェース122による補正された境界の位置に基づく血管半径および壁厚またはユーザインターフェース122による補正された血管半径および壁厚を受け取り、周方向弾性率を求め、周方向弾性率の二次元マップ画像を画像合成部106へ出力する。画像合成部106は、メモリ120から受け取る断層画像と、周方向弾性率の二次元マッピング画像とを合成し、モニタ107がこれらの合成画像を表示する。これにより、モニタ107の表示が径方向弾性率から周方向弾性率に切り替わる。
このようにして求められた周方向弾性率は、その周方向弾性率を求めるためのデータが取得された時刻と関連させてメモリ121に記憶される。
フリーズ状態におけるメモリ120、121からのデータの読み出しは、記憶されているデータの任意の時刻から開始することができる。すでに、一度メモリ120、121から読み出して、周方向弾性率が求められている時刻を指定する場合、上述の手順によって周方向弾性率を求めることなく、メモリ121に記憶されている周方向弾性率を関連付けられた時刻に基づいて表示することができる。このような動作によって再度計算をすることなく、直ちに周方向弾性率を表示することができる。また、周方向弾性率を計算することなく表示できる場合であっても、操作者の指令に基づいて周方向弾性率を表示するか径方向弾性率を表示するかを選択できるようにしてもよい。
このように、本発明によれば、境界を検出するための複雑な演算を高速に行なう専用の手段を設けることなく、正確な径方向弾性率と周方向弾性率を求めることができる超音波診断装置を実現することができる。したがって、本発明の超音波診断装置を用いて、動脈硬化など血管の病変を正確に診断することが可能となる。
なお、本実施形態では、第1の組織性状値および第2の組織性状値として、径方向弾性率および周方向弾性率を算出した。しかし、本発明の超音波診断装置は、第1の組織性状値および第2の組織性状値として他の組織性状値を求めてもよい。
第1の組織性状値としては、超音波の送受信を行っている間であっても演算が可能な、比較的高い演算処理が必要のない特性値、あるいは、受信信号に基づき、自動的に演算することが可能な特性値が選ばれる。具体的には、第1の組織性状値は歪み量や内径変化量であってもよい。
第2の組織性状値には、高度な演算処理が必要な特性値、あるいは、操作者による補正に基づいて演算を行うことが必要な特性値が選ばれる。具体的には、第2の組織性状値は粘性率であってもよい。粘性率μは、たとえば、非特許文献2に説明されている下記式(7)によって求められる。
Figure 2007080870
ここで、Pは血管の脈圧であり、εは歪みであり、Eは弾性率である。
また、第2の組織性状値には、たとえば、非特許文献3に説明されている以下の式(8)から算出される弾性率Eであってもよい。
Figure 2007080870
ここで、Pは血管の脈圧であり、riは血管の内半径であり、roは血管の外半径であり、rは血管の中心からの距離である。距離rは、たとえば、操作者が弾性率を求めたい位置をユーザインターフェース122によって指定することにより、決定してもよい。
こうした第2の組織性状値も高度な演算処理が必要であるため、超音波の送受信を行いながらライブ状態(リアルタイム)で求めるためには、高速な演算装置が必要となる。あるいは、操作者からの入力が必要となるため、ライブ状態での計測に適さない。しかし、本発明によれば、第2の組織性状値は、超音波診断装置による計測を行っていないときに求められるため、超音波診断装置の計測の制御に使われる演算能力を第2の組織性状値の演算に用いることができる。また、リアルタイムで第2の組織性状値を求める必要はないので、多少演算に時間がかかってもよく、その場合でも操作者に大きな違和感を感じさせることはない。
したがって、高速な演算装置を用いることなく、高度な演算が必要な組織性状値を求めることが可能な超音波診断装置が実現する。また、操作者の入力に基づいて第2の組織性状値の算出を行う場合には、操作者が断層画像などを見ながら熟考して数値を決定、入力できる。
本発明は、血管壁の弾性率を正確に求めることのできる超音波診断装置に好適に用いられる。
本発明は、超音波診断装置に関し、特に、被検体組織の動きを追跡し、追跡波形から被検体組織の弾性率を求める超音波診断装置に関する。
超音波診断装置は、超音波を被検体に照射し、そのエコー信号に含まれる情報を解析することにより、被検体を非侵襲的に検査する。従来から広く用いられている超音波診断装置は、エコー信号の強度を対応する画素の輝度に変換することにより、被検体の構造を断層画像として得ている。これにより、被検体の内部の構造を知ることができる。
これに対し、近年、エコー信号の主に位相を解析することによって、被検体の組織の動きを精密に測定し、組織の歪みや弾性率、粘性率などの物理的(性状)特性を求めることが試みられている。
特許文献1は、一定間隔で送受信された超音波のエコー信号の位相差を用いて、被検体の局所領域の瞬間的な移動量を求め、移動量を加算していくことによって、被検体組織を高精度に追跡する方法を開示している。図3を用いて、特許文献1に開示された被検体組織の追跡方法を説明する。被検体の同一個所に向けてΔTの間隔で超音波パルスを送信し、得られた反射エコーを電気信号に変換した受信信号をそれぞれy(t)、y(t+ΔT)とする。tは送信時刻を0とした受信時間である。探触子からある距離(深度)xに位置する計測点から得られるエコー信号とその受信時刻txとの間には、音速をCとすると、下記式(1)の関係が成り立つ。
tx=x/(C/2) ・・・ (1)
このときy(tx)とy(tx+ΔT)との間の位相差をΔθ、tx付近での超音波の中心周波数をfとすると、この期間ΔTにおける計測点の移動量Δxは、以下の式(2)で表される。
Δx=−C・Δθ/4πf ・・・ (2)
式(2)から求められる移動量ΔXを元の計測点位置xに加算することにより、計測点のΔT後の位置x’は以下の式(3)によって求められる。
x’=x+Δx ・・・ (3)
この演算を繰り返すことによって、被検体内の計測点の位置を追跡していくことができる。たとえば、x’の位置から反射されたエコーの受信時刻をtx’とし、続いて送受信された受信信号をy(t+2ΔT)とすると、y(tx’+ΔT)とy(tx’+2ΔT)の位相差から式(1)および式(2)の演算により、2ΔT後の計測点の位置x”を求めることができる。
特許文献2は、特許文献1の方法をさらに発展させ、被検体組織、特に動脈血管壁の弾性率を求める方法を開示している。この方法によれば、まず、図4(a)に示すように、探触子101から被検体230の血管222へ向けて超音波を送信し、血管222の血管壁上に設定した計測点AおよびBからのエコー信号を特許文献1の方法により解析することにより、計測点AおよびBの動きを追跡する。図4(b)は、計測点AおよびBの追跡波形TAおよびTBを示している。また、心電波形ECGも合わせて示している。
図4(b)に示すように、追跡波形TAおよびTBは心電波形ECGに一致した周期性を有している。これは、心臓の心拍周期に一致して、動脈が拡張および収縮することを示している。具体的には、心電波形ECG中にR波と呼ばれる大きなピークが見られる際、心臓の収縮が開始し、心臓の収縮によって、動脈中に血流が押し出され、血圧が上昇する。この血圧によって急激に血管壁が広げられる。したがって、心電波形ECGにR波が現れた後、動脈が急激に拡張し、追跡波形TAおよびTBも急激に立ち上がる。その後、心臓はゆっくり拡張するので、動脈がゆっくり収縮し、追跡波形TAおよびTBも徐々に元に戻る。このような動きを動脈は繰り返している。
追跡波形TAおよびTBの差は計測点AB間の厚さ変化波形Wとなる。厚さ変化波形Wの最大変化量をΔWとし、計測点AB間の初期化時(心拡張末期)の基準厚さをWsとすると、計測点AB間の最大歪み量εは以下の式(4)で求められる。
ε=ΔW/Ws ・・・ (4)
この歪みは血管壁に加わる血圧差によるものであるから、このときの血圧差をΔPとすると、計測点AB間の弾性率Erは以下の式で表される。
Er=ΔP/ε=ΔP・Ws/ΔW ・・・ (5)
したがって、弾性率Erを断層画像上の複数点に対して計測することにより、弾性率の分布画像が得られる。 図4(a)に示すように、血管222の血管壁中に粥腫220が生じている場合、粥腫220とその周りの血管壁組織とでは弾性率が異なる。したがって、弾性率の分布画像が得られれば粥腫の性状、特に易破裂性などの診断に重要な情報が得られる。
このようにして求められた弾性率は、血管の径方向弾性率と呼ばれる。円筒形状を有する血管壁には径方向弾性率Erのほかに、周方向弾性率Eθ、軸方向弾性率Ezの3種類の弾性率が存在する。特許文献2によって求められる弾性率Erは、血管壁の径方向の弾性率であり、圧力が加わる方向である血管壁の径方向において血管壁の歪みを検出し、その歪みと圧力とから弾性率を算出している。
非特許文献1は、血管壁の周方向の弾性率Eθを算出する方法を開示している。非特許文献1によれば、血管壁は同心円状の3層構造を備えるため、径方向弾性率Erよりも周方向弾性率Eθの方が血管壁の組織性状をより正しく反映する。非特許文献1は、以下の式(6)を用いて周方向弾性率Eθを求めている。ここで、h0は血管壁の径方向の初期厚さであり、r0は血管の初期半径である。
Eθ=−(1/2)(r0/h0+1)(ΔP/ε) ・・・ (6)
特開平10−5226号公報 特開2000−229078号公報 国際公開第2004/110280号パンフレット 長谷川、金井他「不均一な壁厚を有する管の局所壁弾性率計測法」J Med Ultrasonics Vol.28, No.1(2001) pp.J3-J13 金森浩「音・振動のスペクトル解析」コロナ社、ISBN4−339−01105−3、日本音響学会編、 S.Timoshenko, "The Theory of Elasticity" McGraw-Hill, 1970
式(6)に示されるように、周方向弾性率Eθを求めるためには、血管の半径R0および壁厚h0を計測する必要がある。しかし、超音波による血管壁の計測では、血管後壁(探触子から遠いほうの血管壁)と血流の境界は明瞭に検出されるが、血管前壁(探触子に近いほうの血管壁)と血流の境界は多重反射や超音波の尾引きの影響により、正確に検出することが困難である。このため、正確な周方向弾性率Eθを求めることはできなかった。
本発明は、このような従来技術の課題を解決し、高速な演算装置を必要とせず、操作者の少ない手間で精度よい周方向弾性率を求めることのできる超音波診断装置を提供することを目的とする。
本発明の超音波診断装置は、血管を含む被検体へ超音波を送信するために、超音波探触子を駆動する送信部と、前記超音波が前記被検体において反射することにより得られる超音波エコーを、前記超音波探触子を用いて受信し、受信信号を生成する受信部と、前記受信信号から前記被検体の各組織の動きを追跡し、追跡位置情報を出力する組織追跡部と、前記血管の半径および壁厚を求める半径および壁厚算出部と、外部から得られる前記被検体の血圧に関する情報と前記追跡位置情報および前記血管の半径および壁厚から前記血管の血管壁の第1の組織性状値および第2の組織性状値を求める組織性状値算出部と、前記第1の組織性状値および第2の組織性状値を表示する表示部とを備え、前記送信部および受信部の動作により超音波を送受信している場合、前記組織性状値算出部は前記追跡位置情報および前記血圧に関する情報に基づいて前記第1の組織性状値を逐次求め、前記表示部が前記第1の組織性状値を表示し、前記超音波の送受信を停止している場合、前記組織性状値算出部は前記追跡位置情報、前記血圧に関する情報および前記血管の半径および壁厚に基づいて前記第2の組織性状値を求め、前記組織性状値算出部は、操作者からの指令に基づき前記第1の組織性状値および前記第2の組織性状値の少なくともいずれか一方を出力し、前記表示部は前記組織性状値算出部から出力される前記第1の組織性状値および前記第2の組織性状値の少なくともいずれか一方を表示する。
ある好ましい実施形態において、前記第2の組織性状値は、前記第1の組織性状値を算出するための演算よりも多くの演算を要する。
ある好ましい実施形態において、前記第1の組織性状値および第2の組織性状値は、それぞれ径方向弾性率および周方向弾性率であり、前記送信部および受信部の動作により超音波を送受信している場合、前記組織性状値算出部は前記追跡位置情報および前記血圧に関する情報に基づいて前記径方向弾性率を逐次求め、前記超音波の送受信を停止している場合、前記組織性状値算出部は前記追跡位置情報、前記血圧に関する情報、前記血管の半径および壁厚に基づいて前記周方向弾性率を求める。
ある好ましい実施形態において、前記半径および壁厚算出部は、前記受信信号および前記追跡位置情報の少なくとも一方に基づいて、前記血管壁と血流との境界および血管壁と周辺組織との境界を検出し、検出した境界に基づいて血管の半径および壁厚を求める。
ある好ましい実施形態において、超音波診断装置は、前記受信信号に基づいて、前記表示部に表示するための前記被検体の断層画像を生成する断層画像処理部と、前記血管壁と血流との境界、または、前記血管壁と周辺組織との境界を前記操作者が前記表示部に表示された断層画像上において指定することにより、前記血管壁と血流との境界および血管壁と周辺組織との境界の位置を前記半径および壁厚算出部へ入力するユーザインターフェースとをさらに備える。
ある好ましい実施形態において、超音波診断装置は、前記受信信号に基づいて、前記表示部に表示するための前記被検体の断層画像を生成する断層画像処理部と、前記血管壁と血流との境界または、前記血管壁と周辺組織との境界を前記表示部に表示された断層画像上において前記操作者が指定することにより、前記半径および壁厚算出部が検出した前記境界の位置を補正して入力し、または、前記半径および壁厚算出部が求めた前記血管の半径および壁厚を前記操作者が入力することにより補正するユーザインターフェースとをさらに備える。
ある好ましい実施形態において、前記超音波の送受信を停止している場合、前記ユーザインターフェースにより前記操作者が前記半径および壁厚算出部へ入力を行うまで、前記表示部は前記第1の組織性状値を表示する。
ある好ましい実施形態において、超音波診断装置は、前記受信信号、前記追跡位置情報および前記追跡位置情報に基づく歪み量の少なくともひとつを記憶するメモリをさらに備え、前記超音波の送受信を停止している場合において、前記組織追跡部および前記組織性状値算出部は、前記メモリに記憶されていた前記受信信号、前記追跡位置情報および前記歪み量の少なくとも1つを読み出して、前記第2の組織性状値を求め、前記表示部に表示する。
ある好ましい実施形態において、前記組織追跡部および前記組織性状値算出部は、前記メモリに記憶された任意の時刻の前記受信信号、前記追跡位置情報および前記追跡位置情報に基づく歪み量の少なくとも1つを読み出して前記第2の組織性状値を求め、前記表示部に表示する。
ある好ましい実施形態において、前記メモリは、前記求めた第2の組織性状値を前記時刻に関連させて記憶する。
ある好ましい実施形態において、前記メモリに前記第2の組織性状値が記憶されている場合には、前記ユーザインターフェースからの前記操作者による入力を受け取ることなく、前記組織性状値算出部は、前記メモリから前記第2の組織性状値を読み出し、前記表示部が前記第2の組織性状値を表示する。
本発明によれば、高速な演算装置を必要とせず、簡単な手順により、血管壁の周方向弾性率を精度よく求めることができる。
以下、本発明による超音波診断装置の実施形態を説明する。図1は本発明よる超音波診断装置のブロック図を示している。超音波診断装置は、送信部102、受信部103、断層画像処理部104、組織追跡部105、画像合成部106、モニタ107、組織性状値算出部108、半径および壁厚算出部110、メモリ120、121およびユーザインターフェース122を備えている。また、これら各構成要素を所定のタイミングおよび順序で制御する制御部100をさらに備えている。制御部100は、図示しないキーボードやトラックボール、スイッチ、ボタンといったユーザインターフェースを含んでいる。
なお、図1に示す各構成要素は必ずしも独立したハードウエアによって構成される必要はなく、例えば、制御部100、断層画像処理部104、組織追跡部105、画像合成部106、組織性状値算出部108、半径および壁厚算出部110の機能がCPUとソフトウェアにより実現されていてもよい。
送信部102および受信部103には超音波を被検体へ向けて送信し、被検体から超音波エコーを受信するための探触子101が接続される。超音波診断装置は専用の探触子101を備えていてもよいし、汎用の探触子を探触子101として用いてもよい。探触子101内には複数の圧電変換素子が配置され、これらの圧電変換素子の選択および、圧電変換素子に電圧を与えるタイミングによって送受信する超音波の偏向角およびフォーカスを制御する。
送信部102は、制御部100の指令を受けて、指定されたタイミングで探触子101を駆動する高圧信号を発生する。探触子101は、送信部102で発生した送信信号を超音波に変換して被検体に照射する。
被検体内部から反射してきた超音波エコーは、探触子101を用いて電気信号に変換され、受信部103により増幅されることによって受信信号が生成する。前述したように受信部103は、探触子101の圧電変換素子の選択によって、定められた位置(フォーカス)または方向(偏向角)からの超音波のみを検出することができる。
断層画像処理部104は、フィルタ、検波器、対数増幅器などからなり、受信信号の主に振幅を解析して、被検体の内部構造を画像化する。得られた断層画像は、以下において説明する画像構成部106において、弾性率画像と合成され、表示部であるモニタ107に表示される。
組織追跡部105は、受信信号を記憶するメモリ、受信信号間の位相差から式(1)を用いて超音波の送受信方向に沿う被検体組織の移動量を求める移動量演算部、移動量を元の位置に加算して移動後の位置を求める追跡位置演算部を含み、被検体内の各組織の超音波の送受信方向に沿う各組織の追跡位置情報を出力する。
半径および壁厚算出部110は、被検体に含まれる血管の半径および壁厚を求める。具体的には、組織追跡部105または、メモリ121から得られる追跡位置情報または受信信号のうち、少なくともいずれか一方を解析して、組織の境界を検出するとともに、血管壁−周辺組織境界または血管壁−血流境界から、血管半径および壁厚を与える。追跡位置情報に基づく場合には、例えば、血流および、血管壁、周辺組織の追跡波形との差を求めることによって血管の外径を求めることができる。
受信信号に基づく場合には、受信信号の振幅を解析する。受信信号の振幅は、被検体の計測領域内における反射波の強度を示しており、血管壁と血流あるいは血管壁と周辺組織とでは反射波の強度が異なる。したがって、受信信号の振幅の差異を検出することにより、境界の位置を検出し、境界の位置を定めることができる。
ユーザインターフェース122は、半径および壁厚算出部110によって算出された血管の半径および壁厚を操作者が補正するための入力部である。具体的には、ユーザインターフェースはキーボードやトラックボール、マウスなどの入力デバイスであり、操作者が、モニタ107に表示された断層画像上において、半径および壁厚算出部110が決定した血管壁と血流との境界または血管壁と周辺組織との境界をユーザインターフェース122を用いて補正することによって、補正後の血管壁と周辺組織との境界または血管壁と血流との境界の位置を前記半径および壁厚算出部へ入力する。モニタ107に、断層画像と半径および壁厚算出部110が決定した血管壁と血流との境界または血管壁と周辺組織との境界と血管の半径および壁厚とが表示され、操作者がモニタ107を見ながら適切な血管の半径値および壁厚値をユーザインターフェース122から入力してもよい。
また、半径および壁厚算出部110が、追跡位置情報または受信信号から所定の精度で血管の半径または壁厚を求めることができない場合には、操作者がモニタ107に表示された断層画像上において、血管壁と血流との境界または血管壁と周辺組織との境界をユーザインターフェース122を用いて決定し、半径および壁厚算出部110は操作者が決定した境界の位置から血管の半径および壁厚を求めてもよい。ユーザインターフェース122からの入力により、補正された血管の半径および壁厚が半径および壁厚算出部110から組織性状値算出部108へ出力される。ユーザインターフェース122は制御部100に含まれるキーボードやトラックボール、スイッチ、ボタンといったユーザインターフェースであってもよい。
組織性状値算出部108は、組織追跡部105から追跡位置情報を受け取り、式(3)および式(4)に基づいて歪み量を求める。さらに血圧値取得部111から血圧値を受け取り、式(5)に基づき、第1の組織性状値として径方向弾性率を求める。血圧値取得部111は、血圧値を組織性状値算出部108へ入力する。血圧値取得部111は、被検体の血圧を計測する血圧計であってもよいし、操作者が血圧値入力するためのキーボードなどの入力装置であってもよい。
また、組織性状値算出部108は、半径および壁厚算出部110から補正された血管半径および壁厚を受け取り、第2の組織性状値として式(4)から式(6)に基づいて周方向弾性率を求める。径方向弾性率および周方向弾性率は被検体の各組織について求められる。つまり超音波の送受信方向および送受信方向に垂直な方向に配列された2次元マップとして求められる。
周方向弾性率は正確な血管半径および壁厚が入力されなければ求めることができない。このため、以下において詳細に説明するように、周方向弾性率は、計測のための超音波の送受信を停止した状態において操作者が血管半径および壁厚を補正した後に求められる。一方、径方向弾性率は、計測のための超音波の送受信を行いながらリアルタイムで逐次求められる。
このように、組織性状値算出部108は、超音波の送受信を行っている間に第1の組織性状値を求め、超音波の送受信を停止している間に第2の組織性状値を求める。第1の組織性状値には、超音波の送受信を行っている間であっても演算が可能な、比較的高い演算処理が必要のない特性値、あるいは、受信信号に基づき、自動的に演算することが可能な特性値が選ばれる。一方、第2の組織性状値には、第1の組織性状値を算出するための演算よりも多くの演算を要する高度な演算処理が必要な組織性状値、あるいは、操作者による補正に基づいて演算を行うことが必要な組織性状値が選ばれる。組織性状値算出部108は、第2の組織性状値の演算を超音波の送受信を行っていない時に行う。このため、第2の組織性状値を送受信を行いながら演算する場合に比べて、超音波診断装置の演算装置に求められる負荷が小さくてすむ。
組織性状値算出部108は、第2の組織性状値を求めた後、操作者によるユーザインターフェース122からの指令に基づき前記第1の組織性状値および前記第2の組織性状値の少なくともいずれか一方、つまり、径方向弾性率の二次元マップ画像または周方向弾性率の二次元マップ画像を出力する。
画像合成部106は、断層画像処理部104から得られる断層画像と、組織性状値算出部108から得られる径方向弾性率の二次元マップ画像または周方向弾性率の二次元マップ画像とを合成し、モニタ107へ出力する。対応する組織の位置が重なるように断層画像と弾性率の二次元マップ画像とを合成することが好ましい。
メモリ121は受信信号と、追跡位置情報、歪み量の少なくともいずれか1つを記憶する。また、組織性状値算出部108が算出した径方向弾性率および周方向弾性率を、計測時刻に関連付けて記憶する。メモリ120は断層画像を記憶する。メモリ121に記憶された情報は、超音波の送受信を停止した状態において、読み出され、組織性状値算出部108において周方向弾性率の計算に用いられる。また、周方向弾性率や径方向弾性率をモニタ107に表示する場合に、対応した弾性画像のデータがメモリ120から読み出され画像合成部で弾性率の二次元マップ画像と合成される。
図2は、このような構成の超音波診断装置を用いて、血管壁の弾性率を計測した結果の一例を表示したモニタ画面を模式的に示している。図2において、モニタ上には血管壁の断層画像200に重畳して、対応する組織の弾性率の分布を表す弾性率画像201がカラーで表示される。図2に示されるように、超音波診断装置に被検体から得られる心電波形を入力し、心電波形を生体信号波形204として表示してもよい。また、以下において説明するように、血管壁と血流との境界を示すカーソル301、302が表示される。
断層画像200は、反射強度スケール202に示される反射強度と画像の諧調との関係を用いて表示される。また、弾性率画像201は、弾性率スケール203に示される弾性率と色調との関係を用いて表示される。図2では、断層画像200中の血管前壁の内膜261、中膜262および外膜263と、血管後壁の内膜251、中膜252および外膜253と、血管内腔240とが反射強度スケール202にしたがう異なる諧調度で区別して表示されている。また、これらの組織は異なる弾性率を有するため、弾性率画像201においても弾性率スケール203にしたがう異なる色調でこれらの組織が表示されている。
超音波送受信時(以下、ライブ状態という)では、断層画像200は従来の超音波診断装置同様に数10フレーム/秒ごとに更新され表示される。一方、弾性率は一心拍中の血圧差に基づいて計算される。このため、弾性率画像201は1心拍に1回更新して表示される。
超音波の送受信を停止した状態(以下、フリーズ状態)では、メモリ121より受信信号、追跡位置情報または歪み量が読み出され、弾性率が再計算され、メモリ120よりそのときの弾性率に同期した断層画像が読み出されて表示される。また、フリーズ状態において過去の弾性率および断層画像を読み出すことができる。この場合は特許文献3に示されるように、弾性率に関連付けて記憶されている計測時刻に基づいて、表示する弾性率と同じ時刻に得られた断層画像、または、弾性率を算出するのに要した心拍期間の断層画像が、メモリ120より読み出されて表示される。
次に、超音波診断装置の動作を説明する。まず、ライブ状態では、送信部102および受信部103を動作させ、所定の時間間隔で受信信号が生成する。断層画像処理部104および組織追跡部105は受信信号を逐次処理し、断層画像および追跡位置情報を生成する。組織性状値算出部108は逐次生成される追跡位置情報に基づいて、径方向弾性率の二次元マッピング画像を生成する。画像合成部106は断層画像と径方向弾性率の二次元マッピング画像とを合成し、モニタ107がこれらの合成画像を表示する。ライブ状態では超音波の送受信が逐次行われ、断層画像も受信信号の生成のたびに更新される。径方向弾性率の二次元マッピング画像は心拍ごとに更新される。得られた受信信号、追跡位置情報および弾性率の少なくとも1つはメモリ121に記憶される。得られた断層画像はメモリ120に記憶される。
一方、周方向弾性率を求めるためには、血管半径および壁厚を求める必要がある。しかし、血管壁と血流との境界は短時間内に自動的に検出するのが困難である。例えば、実際の装置では受信信号1本あたりの処理時間は100μ秒程度しかなく、この時間内に境界を検出するためには、高性能のコンピュータが必要となる。このため、本発明の超音波診断装置は、ライブ状態では、径方向弾性率のみを求める。
超音波の送受信を停止したフリーズ状態では、受信信号、追跡位置情報および径方向弾性率のいずれか少なくとも1つがメモリ121から読み出され、組織性状値算出部108が周方向弾性率の算出を行う。また、同じ時刻に得られた断層画像がメモリ120から画像合成部106へ出力される。このとき、半径および壁厚算出部110は、追跡位置情報または受信信号に基づいて血管前壁および後壁と周辺組織との境界または血管前壁および後壁と血流との境界を前述した方法により決定し、血管半径および壁厚を求める。求めた血管半径および壁厚は組織性状値算出部108へ出力される。フリーズ直後の遅れであれば操作者に違和感を与えることはないので、境界の決定に多少時間を要してもよい。
組織性状値算出部108は、血管半径および壁厚と追跡位置情報または径方向弾性率とから周方向弾性率を求め、周方向弾性率の二次元マップ画像を画像合成部106へ出力する。画像合成部106は、メモリ120から受け取る弾性画像と、周方向弾性率の二次元マッピング画像とを合成し、モニタ107がこれらの合成画像を表示する。
血管半径および壁厚が正しく自動的に求められる場合には、フリーズ状態において上述の手順によって周方向弾性率の二次元マッピング画像を含む画像をモニタ107に自動的に表示される。しかし、血管半径または壁厚が正確に求められない場合、つまり、血管壁の境界が正確に決定できない場合には、操作者がユーザインターフェース122により、境界の位置または血管半径または壁厚を補正し、補正された境界位置または血管半径または壁厚に基づいて、組織性状値算出部108が周方向弾性率を求める。
例えば、図2に示すように、フリーズ状態においても、まず、メモリ120、121に記憶されたデータを読み出し、まず断層画像と径方向弾性率との合成画像を表示する。また、半径および壁厚算出部110が求めた境界の位置をモニタ107に合わせて表示する。図2では、半径および壁厚算出部が血管前壁および後壁と血流との境界を検出し、検出した位置にカーソル301、302を表示している。
操作者はユーザインターフェース122により、モニタ107の断層画像上においてカーソル301、302の位置を補正する。半径および壁厚算出部110は、ユーザインターフェース122から補正された位置を取得して、血管半径および壁厚を算出する。あるいは、操作者はユーザインターフェース122から血管半径および壁厚を直接入力してもよい。
組織性状値算出部108は、ユーザインターフェース122による補正された境界の位置に基づく血管半径および壁厚またはユーザインターフェース122による補正された血管半径および壁厚を受け取り、周方向弾性率を求め、周方向弾性率の二次元マップ画像を画像合成部106へ出力する。画像合成部106は、メモリ120から受け取る断層画像と、周方向弾性率の二次元マッピング画像とを合成し、モニタ107がこれらの合成画像を表示する。これにより、モニタ107の表示が径方向弾性率から周方向弾性率に切り替わる。
このようにして求められた周方向弾性率は、その周方向弾性率を求めるためのデータが取得された時刻と関連させてメモリ121に記憶される。
フリーズ状態におけるメモリ120、121からのデータの読み出しは、記憶されているデータの任意の時刻から開始することができる。すでに、一度メモリ120、121から読み出して、周方向弾性率が求められている時刻を指定する場合、上述の手順によって周方向弾性率を求めることなく、メモリ121に記憶されている周方向弾性率を関連付けられた時刻に基づいて表示することができる。このような動作によって再度計算をすることなく、直ちに周方向弾性率を表示することができる。また、周方向弾性率を計算することなく表示できる場合であっても、操作者の指令に基づいて周方向弾性率を表示するか径方向弾性率を表示するかを選択できるようにしてもよい。
このように、本発明によれば、境界を検出するための複雑な演算を高速に行なう専用の手段を設けることなく、正確な径方向弾性率と周方向弾性率を求めることができる超音波診断装置を実現することができる。したがって、本発明の超音波診断装置を用いて、動脈硬化など血管の病変を正確に診断することが可能となる。
なお、本実施形態では、第1の組織性状値および第2の組織性状値として、径方向弾性率および周方向弾性率を算出した。しかし、本発明の超音波診断装置は、第1の組織性状値および第2の組織性状値として他の組織性状値を求めてもよい。
第1の組織性状値としては、超音波の送受信を行っている間であっても演算が可能な、比較的高い演算処理が必要のない特性値、あるいは、受信信号に基づき、自動的に演算することが可能な特性値が選ばれる。具体的には、第1の組織性状値は歪み量や内径変化量であってもよい。
第2の組織性状値には、高度な演算処理が必要な特性値、あるいは、操作者による補正に基づいて演算を行うことが必要な特性値が選ばれる。具体的には、第2の組織性状値は粘性率であってもよい。粘性率μは、たとえば、非特許文献2に説明されている下記式(7)によって求められる。
Figure 2007080870
ここで、Pは血管の脈圧であり、εは歪みであり、Eは弾性率である。
また、第2の組織性状値には、たとえば、非特許文献3に説明されている以下の式(8)から算出される弾性率Eであってもよい。
Figure 2007080870
ここで、Pは血管の脈圧であり、riは血管の内半径であり、roは血管の外半径であり、rは血管の中心からの距離である。距離rは、たとえば、操作者が弾性率を求めたい位置をユーザインターフェース122によって指定することにより、決定してもよい。
こうした第2の組織性状値も高度な演算処理が必要であるため、超音波の送受信を行いながらライブ状態(リアルタイム)で求めるためには、高速な演算装置が必要となる。あるいは、操作者からの入力が必要となるため、ライブ状態での計測に適さない。しかし、本発明によれば、第2の組織性状値は、超音波診断装置による計測を行っていないときに求められるため、超音波診断装置の計測の制御に使われる演算能力を第2の組織性状値の演算に用いることができる。また、リアルタイムで第2の組織性状値を求める必要はないので、多少演算に時間がかかってもよく、その場合でも操作者に大きな違和感を感じさせることはない。
したがって、高速な演算装置を用いることなく、高度な演算が必要な組織性状値を求めることが可能な超音波診断装置が実現する。また、操作者の入力に基づいて第2の組織性状値の算出を行う場合には、操作者が断層画像などを見ながら熟考して数値を決定、入力できる。
本発明は、血管壁の弾性率を正確に求めることのできる超音波診断装置に好適に用いられる。
本発明による超音波診断装置の実施形態を示すブロック図である。 図1に示す装置を用いて表示される画像の一例を示している。 位相差から組織の位置の追跡を行う原理を示す図である。 (a)は超音波診断装置を用いて血管壁を計測する手順を説明している。(b)は計測により得られる追跡波形および厚さ変化波形の一例を示している。
符号の説明
100 制御部
101 探触子
102 送信部
103 受信部
104 断層画像処理部
105 組織追跡部
106 画像合成部
107 モニタ
108 組織性状値算出部
109 メモリ
110 半径および壁厚算出部
111 血圧値取得部
122 ユーザインターフェース
200 断層画像
201 弾性率画像
202 断層画像用反射強度スケール
203 弾性率画像スケール
204 生体信号波形

Claims (11)

  1. 血管を含む被検体へ超音波を送信するために、超音波探触子を駆動する送信部と、
    前記超音波が前記被検体において反射することにより得られる超音波エコーを、前記超音波探触子を用いて受信し、受信信号を生成する受信部と、
    前記受信信号から前記被検体の各組織の動きを追跡し、追跡位置情報を出力する組織追跡部と、
    前記血管の半径および壁厚を求める半径および壁厚算出部と、
    外部から得られる前記被検体の血圧に関する情報、前記追跡位置情報、前記血管の半径および壁厚の少なくとも1つから前記血管の血管壁の第1の組織性状値および第2の組織性状値を求める組織性状値算出部と、
    前記第1の組織性状値および第2の組織性状値を表示する表示部と、
    を備え、
    前記送信部および受信部の動作により超音波を送受信している場合、前記組織性状値算出部は第1の組織性状値を逐次求め、前記表示部が前記第1の組織性状値を表示し、
    前記超音波の送受信を停止している場合、前記組織性状値算出部は第2の組織性状値を求め、
    前記組織性状値算出部は、操作者からの指令に基づき前記第1の組織性状値および前記第2の組織性状値の少なくともいずれか一方を出力し、
    前記表示部は前記組織性状値算出部から出力される前記第1の組織性状値および前記第2の組織性状値の少なくともいずれか一方を表示する超音波診断装置。
  2. 前記第2の組織性状値は、前記第1の組織性状値を算出するための演算よりも多くの演算を要する請求項1に記載の超音波診断装置。
  3. 前記第1の組織性状値および第2の組織性状値は、それぞれ径方向弾性率および周方向弾性率であり、
    前記送信部および受信部の動作により超音波を送受信している場合、前記組織性状値算出部は前記追跡位置情報および前記血圧に関する情報に基づいて前記径方向弾性率を逐次求め、
    前記超音波の送受信を停止している場合、前記組織性状値算出部は前記追跡位置情報、前記血圧に関する情報、前記血管の半径および壁厚に基づいて前記周方向弾性率を求める請求項2に記載の超音波診断装置。
  4. 前記半径および壁厚算出部は、前記受信信号および前記追跡位置情報の少なくとも一方に基づいて、前記血管壁と血流との境界および血管壁と周辺組織との境界を検出し、検出した境界に基づいて血管の半径および壁厚を求める請求項3に記載の超音波診断装置。
  5. 前記受信信号に基づいて、前記表示部に表示するための前記被検体の断層画像を生成する断層画像処理部と、
    前記血管壁と血流との境界、または、前記血管壁と周辺組織との境界を操作者が前記表示部に表示された断層画像上において指定することにより、前記血管壁と血流との境界および血管壁と周辺組織との境界の位置を前記半径および壁厚算出部へ入力するユーザインターフェースと、
    をさらに備える請求項4に記載の超音波診断装置。
  6. 前記受信信号に基づいて、前記表示部に表示するための前記被検体の断層画像を生成する断層画像処理部と、
    前記血管壁と血流との境界または、前記血管壁と周辺組織との境界を前記表示部に表示された断層画像上において操作者が指定することにより、前記半径および壁厚算出部が検出した前記境界の位置を補正して入力し、または、前記半径および壁厚算出部が求めた前記血管の半径および壁厚を前記操作者が入力することにより補正するユーザインターフェースと、
    をさらに備える請求項4に記載の超音波診断装置。
  7. 前記超音波の送受信を停止している場合において、前記ユーザインターフェースにより前記操作者が前記半径および壁厚算出部へ入力を行うまで、前記表示部は前記第1の組織性状値を表示する請求項5または6に記載の超音波診断装置。
  8. 前記受信信号、前記追跡位置情報および前記追跡位置情報に基づく歪み量の少なくともひとつを記憶するメモリをさらに備え、
    前記超音波の送受信を停止している場合において、前記組織追跡部および前記組織性状値算出部は、前記メモリに記憶されていた前記受信信号、前記追跡位置情報および前記歪み量の少なくとも1つを読み出して、前記第2の組織性状値を求め、前記表示部に表示する請求項7に記載の超音波診断装置。
  9. 前記組織追跡部および前記組織性状値算出部は、前記メモリに記憶された任意の時刻の前記受信信号、前記追跡位置情報および前記追跡位置情報に基づく歪み量の少なくとも1つを読み出して前記第2の組織性状値を求め、前記表示部に表示する請求項8に記載の超音波診断装置。
  10. 前記メモリは、前記求めた第2の組織性状値を前記時刻に関連させて記憶する請求項9に記載の超音波診断装置。
  11. 前記メモリに前記第2の組織性状値が記憶されている場合には、前記ユーザインターフェースからの前記操作者による入力を受け取ることなく、前記組織性状値算出部は、前記メモリから前記第2の組織性状値を読み出し、前記表示部が前記第2の組織性状値を表示する請求項10に記載の超音波診断装置。
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