JP5161954B2 - 超音波診断装置 - Google Patents

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Description

本発明は、超音波により被検体組織の歪や弾性特性、粘性特性などの組織性状値を求める超音波診断装置に関する。
超音波診断装置は、超音波を被検体に照射し、被検体から得られる超音波エコーによるエコー信号に含まれる情報を解析することにより、被検体を非侵襲的に検査する。従来から広く用いられている超音波診断装置は、エコー信号の強度を対応する画素の輝度に変換することにより、被検体の内部構造を断層画像として提供する。これにより、被検体の内部の構造を知ることができる。
これに対し、近年、エコー信号の主に位相を解析することによって、被検体組織の動きを精密に測定し、組織の歪みや弾性特性、粘性特性などの物理的特性、つまり組織性状値を求めることが試みられている。
特許文献1は、被検体の同一部位に一定間隔で複数回超音波を送信することにより得られた複数のエコー信号間の位相差を用いて、被検体の局所領域の瞬間的な変位を求め、変位を加算していくことによって、被検体組織を高精度に追跡する方法を開示している。図5を用いて、特許文献1に開示された被検体組織の追跡方法を説明する。
被検体の同一部位に向けてΔTの間隔で超音波パルスを送信し、得られた超音波エコーを電気信号に変換した受信信号をy1(t)、y2(t)、・・・、yn(t)とする。1、2、・・・・nはΔTの間隔で繰り返し行なわれた送受信の順序であり、tは送信時刻を0とした受信時間である。被検体中の反射源と探触子の間の距離(以下、単に距離という)xと、送信時刻を基準とした受信信号の受信時間tの間には、媒質の音速をCとすると、下記式(1)の関係がある。
t=2x/C ・・・ (1)
時間の関数である受信信号y1(t)、y2(t)、・・・、yn(t)は、式(1)を用いて距離の関数であるy1(x)、y2(x)、・・・、yn(x)に変換することができる。つまり、探触子から距離xに存在する反射源で反射したエコー信号は式(1)で示される時間t後に受信される。今、距離Xの位置に計測点があり、ΔT間に計測点が超音波の進行方向と平行にΔX移動したとする。特許文献1によれば、この計測点のΔT間の変位ΔXを求めるために、y1(x)およびy2(x)を、図6に示すように、周波数fの参照信号を用いて直交検波し、複素受信信号(I1(x)、Q1(x)、I2(x)、Q2(x))を得る。この複素受信信号に対して相関演算および、逆正接演算を施すことにより、距離Xにおけるy1(X)およびy2(X)間の位相差Δθを求め、以下の式(2)の関係より変位ΔXを算出する。
ΔX=−C・Δθ/4πf ・・・ (2)
式(2)から求められる変位ΔXを元の計測点位置Xに加算することにより、計測点のΔT後の位置X'は以下の式(3)によって求められる。
X'=X+ΔX ・・・ (3)
この演算を繰り返すことによって、被検体内の計測点の位置を追跡していくことができる。図5に示すように、例えば、y2(X)に続いて得られた受信信号をy3(X)とすると、y2(X')とy3(X')の間の位相差Δθ'を式(2)に代入し、得られた変位ΔX'を式(3)へ代入することによって、2ΔT後の計測点の位置X"を求めることができる。
特許文献2は、特許文献1の方法をさらに発展させ、被検体組織、特に動脈血管壁の弾性特性を求める方法を開示している。この方法によれば、まず、図7(a)に示すように、探触子101から被検体301の血管壁302へ向けて超音波を送信し、同一音響線上の血管壁上に設定した計測点AおよびBからのエコー信号を特許文献1の方法により解析して、計測点AおよびBの動きを追跡する。図7(b)は、計測点AおよびBの追跡波形TAおよびTBを示している。また、心電波形ECGも合わせて示している。図7(b)に示すように、追跡波形TAおよびTBは心電波形ECGに一致した周期性を有している。これは、心臓の心拍周期に一致して、動脈が拡張および収縮することを示している。具体的には、心電波形ECG中にR波と呼ばれる大きなピークが見られると、心臓が収縮を開始し、心臓の収縮によって動脈中に血液が押し出され、血圧が上昇する。この血圧によって急激に動脈血管壁が広げられる。したがって、心電波形ECGにR波が現れた後、動脈が急激に拡張し、追跡波形TAおよびTBも急激に立ち上がる。その後、心臓はゆっくり拡張するので、動脈がゆっくり収縮し、追跡波形TAおよびTBも徐々に元に戻る。このような動きを動脈は繰り返している。
追跡波形TAおよびTBの差は計測点AB間の厚さ変化波形Wとなる。厚さ変化波形Wの最大変化量をΔWとし、計測点AB間の初期化時(心拡張末期)の基準厚さをWsとすると、計測点AB間の最大歪み量εは以下の式(4)で求められる。
ε=ΔW/Ws ・・・ (4)
この歪みは血管壁に加わる血圧差によるものであるから、このときの血圧差をΔPとすると、計測点AB間の弾性特性Eは以下の式で表される。
E=ΔP/ε=ΔP・Ws/ΔW ・・・ (5)
したがって、弾性特性Eを断層画像上の複数点に対して計測することにより、弾性特性の分布画像が得られる。図7(a)に示すように、血管壁中に粥腫303が生じている場合、粥腫303とその周りの血管壁組織とでは弾性特性が異なる。したがって、弾性特性の分布画像が得られれば粥腫の性状、特に易破裂性などの診断に重要な情報が得られる。
図8は、特許文献2に開示された方法を用いて、血管壁の弾性特性を求めた計測結果の一例を模式的に表したものである。モニタあるいは紙面上には血管壁のモノクロ断層画像200が表示される。血管壁部分には関心領域ROIが設定され、関心領域ROI内の血管壁に対応する部分の弾性特性の分布を表す二次元弾性特性画像201がカラーで、断層画像200に重畳表示される。モノクロ断層画像200は、反射強度に応じたモノクロ諧調で表示されており、反射強度を示すスケール202が合わせて示されている。また、弾性特性画像201は、弾性特性の値に応じた色調で表示されており、弾性特性の値を示すスケール203が合わせて示される。また、モノクロ断層画像200の下方には、心電波形などの生体信号波形204が示されている。
しかし、このようにして得られた組織性状値の全てが信頼性が高いものではなく、信頼性が低い値も存在する。この原因として、計測時のノイズの混入、計測点の音響線方向以外への移動、スペックルの影響、強反射源からのエコーの尾引きなどにより、同一組織を正確に追跡できない、あるいは正確な組織性状を求められないことが考えられる。
たとえば、図8に示す関心領域ROI内には粥腫含まれる。一般に粥腫の表皮は硬く、内部は軟らかいことが知られているが、図8に示す二次元弾性特性画像201には液体に匹敵するような異常に軟らかい部分やほとんど歪まない異常に硬い部分が存在していることを示している。これらの部分は明らかに正しくない計測結果を示している。
このような問題に対処するために、特許文献3は、歪み弾性画像(組織性状値に相当)の生成過程で利用される各種データに基づいて、生成された歪み弾性画像の表示価値を評価する表示価値評価手段を備えた超音波診断装置を開示している。特許文献3によれば、表示価値評価手段の評価結果に応じて、表示価値がある領域は歪み弾性値に応じて階調化した画像情報を表示し、表示価値がない領域はこれとは異なる単一の画像情報を表示したり、歪み弾性値を表示しないようにしている。この方法によれば、信頼性の低い歪み弾性画像を排除し、信頼性が高い歪み弾性画像のみを提供することができる。
また、特許文献4によれば、正常な2つの端点の正常な運動速度(変位)を用いて正常な2つの端点間全体における測定対象物の伸縮量を求め、そこから弾性特性(組織性状値に相当)を求めている。つまり、変位の段階で信頼性と精度の低いデータを排除し、信頼性の高い変位データのみを用いて、組織性状値を算出している。この方法によれば、信頼性の低いデータを排除した個所は縦方向分解能が低下するというデメリットはあるものの、正確な組織性状値を得ることができる。
特開平10−5226号公報 特開2000−229078号公報 特開2005−118152号公報 特開2004−159672号公報
しかしながら、特許文献3に示された方法では、得られた組織性状値の分布を表す画像が虫食い状態になってしまい、場合によっては信頼性が高いデータの方が少ないという状況になり得る。図9は特許文献3に示された方法によって得られた血管壁の計測結果の一例を模式的に示している。図9に示すように、二次元分布画像を構成する単位領域のうち、約半数が信頼できないものと判定されているため、非常に見にくい画像になっている。
一方、特許文献4に示された方法では、そのような虫食い状態は回避できるものの、歯抜け状態になる場合がある。図10は特許文献4に示された方法によって得られた血管壁の計測結果の一例を模式的に表したものである。図10に示すように、中央付近の音響線および最右端の音響線は信頼性の高い計測点が1点以下であり、組織性状値が定義できないため、組織性状値が表示されていないことがわかる。また、血管壁の上半分あるいは下半分の組織性状値が定義できず、表示が歯抜け状態になっている音響線があることもわかる。
本発明は、このような従来技術の課題を解決し、被検体の組織性状値を、より精度よく得ることのできる超音波診断装置を提供することを目的とする。
本発明の超音波診断装置は、被検体へ繰り返し超音波を送信するように探触子を駆動する送信部と、前記超音波が前記被検体において反射することにより得られるエコーを前記探触子によって受信し、受信信号を生成する受信部と、前記受信信号に基づき、前記被検体に設定された複数の計測点のそれぞれの位置の変位を示す位置追跡波形を生成する組織追跡部と、前記被検体に含まれる組織の境界の位置を決定する境界検出部と、前記複数の計測点における位置追跡波形、前記境界の位置および前記受信信号の振幅の少なくとも1つに基づいて、前記複数の位置追跡波形から、前記境界の位置における位置追跡波形を含む少なくとも2つの位置追跡波形を選択する追跡波形選択部と、前記選択された前記位置追跡波形を用いて前記被検体の組織性状値を算出する組織性状値算出部とを備える。
ある好ましい実施形態において、前記追跡波形選択部は、ノイズを含む位置追跡波形、変位の方向が他と異なる位置追跡波形、または基本形状の異なる位置追跡波形を除外する。
ある好ましい実施形態において、前記追跡波形選択部は、パターンマッチング、相関係数、差分演算または高速フーリエ変換を用いて前記除外する位置追跡波形を決定する。
ある好ましい実施形態において、前記追跡波形選択部は、隣接する2つ以上の計測点における位置追跡波形が略同一である場合、その中の1つのみを選択する。
ある好ましい実施形態において、前記追跡波形選択部は、前記受信信号における振幅が最も大きい計測点の位置追跡波形を選択する。
ある好ましい実施形態において、前記追跡波形選択部は、前記被検体に含まれる組織の形状による制約に合致しない位置追跡波形を除外する。
ある好ましい実施形態において、前記組織は円筒管形状を有し、前記複数の計測点は、前記円筒管の半径方向に設定されており、前記追跡波形選択部は、前記複数の計測点における位置追跡波形の振幅が前記円筒管の内部から外部に向かって小さくなるという条件に合致しない位置追跡波形を除外する。
ある好ましい実施形態において、前記追跡波形選択部は、前記被検体に含まれる組織の機能による制約に合致しない位置追跡波形を除外する。
ある好ましい実施形態において、前記組織は血管壁であり、前記複数の計測点は、前記血管壁の軸方向に沿って設けられており、前記組織追跡波形は、前記複数の計測点における位置追跡波形の収縮拡張のタイミングが、中枢側から末梢側に向かって遅れるという条件に合致しない位置追跡波形を除外する。
ある好ましい実施形態において、前記組織は心臓であり、前記複数の計測点は心筋の厚さ方向に設定されており、前記追跡波形選択部は、前記複数の計測点における位置追跡波形の収縮のタイミングが心筋内部から外部に向かって遅れるという条件、または、前記複数の計測点における位置追跡波形の拡張のタイミングが心筋外部から内部に向かって遅れるという条件に合致しないものを除外する。
ある好ましい実施形態において、前記被検体は、外部から力を加えられることによって変形しており、前記追跡波形選択部は、前記力を加える位置や方向、方法による制約に合致しない位置追跡波形を除外する。
ある好ましい実施形態において、前記探触子を前記被検体に向かって押下することにより外部から力を加え、前記追跡波形選択部は、探触子から離れるにしたがって位置追跡波形の振幅が大きくなるという条件に合致しないものを除外する。
ある好ましい実施形態において、超音波診断装置は、操作者が境界位置の設定するためのユーザーインターフェースをさらに備え、前記境界検出部は、前記操作者が設定した位置を境界として決定する。
ある好ましい実施形態において、前記境界検出部は、外部のモダリティと接続され、前記モダリティから境界情報を得る。
ある好ましい実施形態において、前記追跡波形選択部は、前記境界検出部で検出した境界の組織側に位置する計測点の位置追跡波形を選択する。
ある好ましい実施形態において、超音波診断装置は、前記組織性状値を表示する表示部をさらに備える。
ある好ましい実施形態において、前記表示部は、前記組織性状値を二次元分布画像として表示する。
ある好ましい実施形態において、前記表示部は、前記組織性状値のヒストグラムを表示する。
このように本発明の超音波診断装置によれば、複数の計測点における位置追跡波形、境界の位置および受信信号の振幅の少なくとも1つに基づいて、複数の位置追跡波形から、境界の位置における位置追跡波形を含む少なくとも2つの位置追跡波形を選択し、選択した位置追跡波形を用いて組織性状特性を算出する。このため、従来技術に比べてより高い精度で適切な計測データの選択を行うことができ、不適切なデータを含まない正確な組織性状特性を得ることができる。また、境界の位置における位置追跡波形を用いて組織性状特性を算出するため、異なる2つの組織を跨ぐように組織性状値が算出されることがなくなり、それぞれの組織内において正確な組織性状値を得ることができる。また、虫食い状態や歯抜け状態を生じることなく、求めるべき全領域の組織性状値をより精度よく得ることができる。
本発明による超音波診断装置の実施形態を示すブロック図である。 (a)から(e)は図1に示す超音波診断装置の動作を説明する図である。 図1に示す超音波診断装置の計測結果の一例を示す図である。 (a)から(c)は従来の超音波診断装置を用いて得られる弾性特性のヒストグラムであり、(d)は図1に示す超音波診断装置を用いて得られる弾性特性のヒストグラムである。 位置追跡方法を説明する図である。 直交検波回路の一例を示す図である。 (a)および(b)は従来の超音波を用いた血管壁の組織性状値を計測する方法を説明する図である。 従来の超音波診断装置の計測結果の一例を示す図である。 従来の超音波診断装置の計測結果の一例を示す図である。 従来の超音波診断装置の計測結果の一例を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明による超音波診断装置の実施形態を説明する。
図1は、本発明の超音波診断装置のブロック図である。図1に示すように、超音波診断装置は、送信部102、受信部103、断層画像処理部104、組織追跡部105、境界検出部106、追跡波形選択部107、組織性状値算出部108、画像合成部110、表示部111および心拍同期信号検出部113を備えている。また、これら構成要素を制御するための制御部115およびユーザーの指示や設定を入力するキーボードやトラックボール、スイッチ、ボタン、キー、つまみといったユーザーインターフェース114を備えている。また、超音波を送受信する探触子101が超音波診断装置本体に接続されている。心拍同期信号検出部113には好ましくは心電計112が接続される。
送信部102は、制御部115の指示を受けて、指定されたタイミングで探触子101を駆動する高圧の送信電気信号を繰り返し発生する。探触子101は、内部に配置された圧電変換素子によって、送信部102で発生した送信電気信号を超音波に変換して被計測物である被検体に放射するとともに、被検体内部から反射してきた超音波エコーを電気信号に変換する。通常、探触子101内には複数の圧電変換素子が配置され、使用する圧電変換素子の選択および、圧電変換素子に電圧を与えるタイミングや電圧の値を個々に変化させることによって送信する超音波の放射位置や放射方向を制御する。
受信部103は、探触子101によって受信した受信信号を増幅するとともに、各圧電変換素子で受信された受信信号に適切な遅延を加えて加算することによって定められた位置または方向からの超音波のみを検出する。
断層画像処理部104は、図示していないが、各種フィルタ、検波器、対数増幅器、走査変換器、およびその他の信号/画像処理器などからなり、受信信号の主に振幅を解析して、被検体の断層画像を生成する。
組織追跡部105は、たとえば、ASICやFPGA、DSP、CPU、メモリなどから構成され、特許文献1などの位置追跡方法を用いて、超音波の音響線の方向である超音波の送受信方向に平行な方向において、被検体に設定された複数の計測点のそれぞれの位置の変位を追跡し、位置追跡波形を生成する。
境界検出部106は、受信部103から出力される受信信号や、組織追跡部105で追跡した被検体組織の位置追跡波形から組織の境界の位置を決定する。受信信号を用いる場合には、たとえば、受信信号の振幅の大きさが所定の値以上である計測点を境界の位置と決定する。組織の境界ではインピーダンスが異なるため、一般に超音波の反射が強くなるからである。
境界の決定は、操作者による位置の指定に基づいて行ってもよい。具体的には、操作者がユーザーインターフェース114を用いてたとえば、表示部111に表示された断層画像上の位置を指定する。境界検出部106は指定された位置を、断層画像上の計測点に対応させ、境界の位置を決定する。あるいは、境界検出部106は、CT装置やMRI装置などの外部のモダリティと接続され、モダリティから受け取る画像情報に基づいて、被検体の境界の位置を決定してもよい。
追跡波形選択部107は、受信部103から出力される受信信号の振幅、組織追跡部105で生成した各計測点における位置追跡波形および境界検出部106から出力される境界の位置の少なくとも1つに基づいて、複数の位置追跡波形から境界の位置における位置追跡波形を含む少なくとも2つの位置追跡波形を選択する。
組織性状値算出部108は、外部に設けられた血圧値取得部109から被検体の血圧値を受け取る。血圧値取得部109は独立した血圧計であってもよいし、超音波診断装置に組み込まれていてもよいし、超音波診断装置により制御されるものであってもよい。あるいは操作者がユーザーインターフェース114を用いて被検体の血圧値を組織性状値算出部108へ入力してもよい。
組織性状値算出部108は、追跡波形選択部107が選択した位置追跡波形から組織性状を表す値を算出する。組織性状を表す値は、式(3)で示される歪みであってもよいし、血圧値取得部109で得られた血圧値と歪から式(4)で得られる弾性特性であってもよい。組織性状値算出部108は、組織性状を表す値を数値群として表示部111へ出力してもよいし、組織性状を表す値の分布を示す二次元分布画像であってもよいし、組織性状を表す値のヒストグラムなどのグラフであってもよい。
画像合成部110は、少なくとも断層画像と、組織性状値算出部108から出力される組織性状を表す数値や二次元分布画像、ヒストグラムなどのいずれかを合成し、表示部111はその画像を表示する。表示部111は、典型的にはCRTや液晶などのモニタである。しかし、断層画像と組織性状を表す数値や分布画像などとを表示し、人間の視覚に訴えるものである限り、プリンタなどの印刷機であってもよい。
心拍同期信号検出部113は、心拍に同期した信号を検出する。心拍同期信号は、例えば心電計112から検出したR波トリガパルスでもよいし、組織追跡部105で得られる組織追跡波形や断層画像処理部104で得られる断層画像を解析して得られる心拍同期信号でもよい。また、その他のあらゆる心拍に同期した信号を使用することができる。心拍同期信号検出部113で得られた心拍同期信号は、組織追跡部105へ出力され、計測点位置初期化信号として用いられるとともに、組織性状値算出部108、境界検出部106、追跡波形選択部107に送られ、組織性状値や境界位置を算出するタイミング信号として用いられる。
このように構成された超音波診断装置の動作、特に本発明の主要部分である境界検出部106、追跡波形選択部107および組織性状値算出部108の動作について、図2を用いて具体的に説明する。以下の説明では、被検体に血管壁が含まれる場合を例示するが、本発明の超音波診断装置の測定対象は血管壁に限られるものではない。また、組織性状値として歪および弾性特性値を例示するが、粘性特性など算出してもよい。
図2(a)に示すように、探触子101から照射された超音波は血管壁302で反射され、再び探触子101で受信される。血管壁302の部分には、組織性状値を算出すべき領域として、あらかじめ関心領域(ROI)が設定されている。関心領域ROI内には、図2(b)に示すように、深さ方向に複数点(図2(b)では40点)の計測点Pnが設定されている。図2(c)は関心領域内の深さ方向の受信信号の強度分布を示している。図2(d)は各計測点Pnにおける位置追跡波形Tnを示している。図2(e)は位置追跡波形を処理して求められた組織性状値(ここでは歪み)ε(n,m)を示している。ε(n,m)は計測点nと計測点m間の歪みである。なお、図2(b)には、1つの音響線上に設定される計測点しか示していないが、本発明の超音波診断装置は、複数の超音波を走査するように送信することによって、被検体の組織性状値を二次元的に算出する。
境界検出部106は、たとえば、図2(c)に示すように、受信信号の振幅に基づいて被検体中の組織である血管壁の境界の位置を決定する。具体的には、境界部分は超音波の反射が強く、受信信号の振幅が大きくなることを利用し、あらかじめ閾値TRを設定し、受信信号の振幅が閾値TRを超えた計測点を境界の位置とする。これにより、血流−内膜境界の位置が計測点P5であり、中膜−外膜境界の位置が計測点P24であると決定できる。
閾値は一定値に限るものではなく、測定期間中変動する閾値を用いてよい。また、境界の位置は、受信信号の振幅強度の閾値処理する方法に限られず、複数の計測点における位置追跡波形のうちで、波形の形状が変化する箇所を境界の位置としてもよい。組織が異なることによって、測定点の変位の仕方が異なるからである。
例示した閾値処理による方法では、図2(a)および(c)に示すように、血流−内膜境界の位置および中膜−外膜境界の位置を決定することはできるが、外膜−周辺組織の境界の位置は決定できない。外膜−周辺組織の境界は本質的にあいまいであり、また、超音波の反射が弱いため、閾値を越える計測点は存在しないからである。このような場合は、ユーザーインターフェース114を用いて操作者が境界の位置を設定してもよい。また、CT装置やMRI装置などの他のモダリティから画像情報を受け取り、その画像情報に基づいて、境界の位置を決定してもよい。ここでは測定点P35を外膜−周辺組織境界の位置として操作者が指定したとする。
追跡波形選択部107は、組織性状値算出部108にて組織性状値を算出する際に用いる計測点の位置追跡波形を選択する。被検体が周期的に変形する場合、各計測点における位置追跡波形を一周期分取得し、以下で説明する選択処理に用いることが好ましい。組織性状値が歪あるいは弾性特性である場合には、位置追跡波形の一周期内における最大値および最小値を与える2点の期間が少なくとも含まれていることが好ましい。被検体が血管壁を含む場合には、被検体の脈派のS波およびP波が観測される時期が含まれていることが好ましい。
組織追跡部105は被検体組織の動きをある程度正確に追跡することが可能であるが、ノイズその他の影響により位置追跡波形が不正確となったり、受信エコー信号や対象物の特性により組織性状値の算出が不適切となったりする場合がある。
例えば、図2(d)に示すように、計測点P32における位置追跡波形T32はスパイク状のノイズを含んでいる。これを用いて求めた組織性状値は不正確なものとなる。このため、位置追跡波形T32は不適切であるとして除外する。
また、計測点P1およびP2の位置追跡波形T1およびT2は計測点P4からP40の位置追跡波形T4からT40と比べ、変位の方向が逆である。これは、T1およびT2は血管後壁とは移動方向が逆である血管前壁の多重エコーを追跡しているからである。位置追跡波形T1およびT2を用いて求めた組織性状値は不正確なものとなる。したがって、位置追跡波形T1およびT2は不適切として除外する。
また、計測点P19の位置追跡波形T19は他と基本形状が異なる。これは、図2(c)に示すように計測点P19における受信信号の振幅が小さいため情報量が少なく、組織の追跡がうまくいかない、あるいはノイズを追跡してしまった結果であると考えられる。位置追跡波形T19を用いて求めた組織性状値も不正確なものとなるため、位置追跡波形T19は不適切として除外する。
このようなノイズを含む位置追跡波形や、変位の方向が他と異なる位置追跡波形および基本形状が他と異なる位置追跡波形は、パターンマッチングや相関係数、差分演算などを用いて、波形間の差異を求めることにより検出することができる。また、高速フーリエ変換(FFT)を用いて周波数領域で処理を行なうことも可能である。
また、図2(d)に示すように、計測点P4からP8までの位置追跡波形T4からT8は略同一形状を有しおり、また、変位のタイミングも一致している。これは計測点P4からP8における受信信号が同一の反射源からのエコー信号の尾引きであるためである。これらの計測点P4からP8の間で組織性状値を求めると、歪みが0であり、弾性特性が無限大となるため、正しい組織性状値を求めることができない。このように、1つの反射源からのエコー信号によって複数の計測点で位置追跡波形が生成している場合には、これらのうちから1つの位置追跡波形のみを選択する。図2(d)に示すように位置追跡波形T4からT8が得られている場合、たとえば、受信信号強度の振幅が最も大きく、強度が強い計測点P5の位置追跡波形T5を採用し、他の位置追跡波形T4、T6〜T8は除外する。受信信号の振幅が大きく強度が強いほどノイズなどの影響を受けにくく、正確な計測が可能だからである。
また、被検体に含まれる組織の形状に基づく制約に合致しない位置追跡波形を除外することができる。位置追跡波形が組織の形状からはありえない動きを示している場合には、その位置追跡波形は、計測点の変位を正しく示していないからである。例えば、血管壁は円筒管形状を有しており、血圧などにより内側から圧力を加えた場合、内側に比べ外側の方が歪が小さい、つまり外側の方が内側より変位量が小さいという特徴がある。血管壁が軸を中心に同心円状に移動している場合には、図2(d)に示すように、計測点P15の位置追跡波形T15は、これより内側の計測点P12の位置追跡波形T12よりも動きが大きい。このため、位置追跡波形T15は不適切であるとして除外する。
追跡波形選択部107は、上記した不適切な位置追跡波形を除外し、残った位置追跡波形を正確な組織性状値を求めるのに最適な位置追跡波形として組織性状値算出部108へ出力する。図2(d)では位置追跡波形T5、T12、T24が最適な位置追跡波形として選択され、組織性状値算出部108へ出力される。
また、追跡波形選択部107は、境界検出部106が決定した境界の位置における位置追跡波形も選択し、組織性状値算出部108へ出力する。これにより、血管壁が薄く、最適な計測点が選択できない場合でも、境界の位置における追跡波形は必ず選択され、組織性状値算出部108へ出力される。このため異なる2つの組織を跨ぐように組織性状値が算出されることがなくなり、それぞれの組織内において正確な組織性状値を得ることができる。図2(c)を参照して説明したように境界の位置がP5、P24、P35であると決定されている場合には、位置追跡波形T5、T24、T35も最適な位置追跡波形として選択し、組織性状値算出部108へ出力する。
なお、内膜−中膜境界の位置である計測点P5よりも内側(図では上)の計測点P1〜P4は血管内部の血流部分に位置する。また、外膜−周辺組織境界位置上の計測点P35よりも外側(図では下)の計測点P36〜P40は血管外組織に位置する。これらの位置においては、組織性状値を求める必要がない。このように、境界の位置を決定し、境界に接した所望の組織側に位置する計測点のみを選択し、境界に接した不必要な領域に位置する計測点を除外することによって、計算量を削減することができる。
組織性状値算出部108は、追跡波形選択部107から受け取った位置追跡波形のみを用いて組織性状値を算出する。具体的には、図2(e)に示すように、位置追跡波形T5とT12とを用いて、計測点P5からP12間の歪みε(5,12)を求め、位置追跡波形T12とT24とを用いて、計測点P12からP24間の歪みε(12,24)を求め、位置追跡波形T24とT35とを用いて、計測点P24からP35間の歪みε(24,35)を求める。更に、血圧値取得部109から得られる最高血圧値と最低血圧値との差を用いて弾性特性を求める。
このような手順を他の音響線上においても行い、組織性状値の二次元分布を求める。図3はこのようにして求められた、粥腫を持つ血管の計測結果の一例を模式的に示したものである。特許文献3を用いて計測した結果の図8と比べると縦方向の分解能は低下しているが、より正確に弾性特性を求めることができ、特許文献4を用いて計測した結果の図9と比べると、歯抜け状態になることなく、血管壁全体にわたって正確な弾性特性を求めることができる。
図4(a)〜(d)は、計測によって得られた被検体の弾性特性値のヒストグラムである。図4(a)は特許文献2に示された方法によって計測された弾性特性のヒストグラムを示している。図4(a)に示すように、本来ありえない高い弾性特性値が求められている。この方法によって計算された弾性特性の平均や分散などの統計量は、このようにありえない高い値を含むため、正確な値とはいえない。図4(b)は特許文献3に示された方法によって計測された別な弾性特性のヒストグラムである。本来ありえない弾性特性値がある程度除去されているが、弾性特性値の低い部分の分布が小さくなっており、除外されるべきではない値も除外されていることが分かる。この方法によって計算された弾性特性の平均や分散などの統計量は、正確な値とはいえない。
図4(c)は特許文献4に示された方法によって計測された弾性特性のヒストグラムであり、本来ありえない弾性特性値がほぼ完全に除去されている。しかし、除外すべきではない血管壁のデータも除外されている。このため血管壁全体の弾性特性値が含まれておらず、この方法によって計算された弾性特性の平均や分散などの統計量も正確な値とはいえない。
図4(d)は本実施形態によって得られた被検体の弾性特性値のヒストグラムを示している。本実施形態によれば、追跡波形選択部107が不適切な位置追跡波形を除外し、適切な位置追跡波形のみを用いて弾性特性値が求められる。位置追跡波形の選択は、上述したように位置追跡波形の形状等に基づいて行われるため、従来技術のように弾性特性値のみに基づく不適切なデータの除外に比べて、より高い精度で適切な計測データの選択を行うことができる。したがって、図4(d)に示すヒストグラムでは、本来ありえない弾性特性値がほぼ完全に除去されており、かつ、適切な弾性特性値が不足無く含まれている。したがって、得られた弾性特性の平均や分散などの統計量もほぼ正確な値となる。この場合、度数は弾性特性値の面積に応じた重み付けをすることにより、より正確な値とすることができる。
このように本発明の超音波診断装置によれば、複数の計測点における位置追跡波形、境界の位置および受信信号の振幅の少なくとも1つに基づいて、複数の位置追跡波形から、境界の位置における位置追跡波形を含む少なくとも2つの位置追跡波形を選択し、選択した位置追跡波形を用いて組織性状特性を算出する。このため、従来技術に比べてより高い精度で適切な計測データの選択を行うことができ、不適切なデータを含まない正確な組織性状特性を得ることができる。また、境界の位置における位置追跡波形を用いて組織性状特性を算出するため、異なる2つの組織を跨ぐように組織性状値が算出されることがなくなり、それぞれの組織内において正確な組織性状値を得ることができる。また、虫食い状態や歯抜け状態を生じることなく、求めるべき全領域の組織性状値をより精度よく得ることができる。
なお、本実施形態では、周期的に変形する血管壁を含む被検体を測定対象としていたが、静止臓器を含む被検体の組織性状値を求めることもできる。この場合、被検体に周期的に力を加えて被検体を変形させる。たとえば、探触子を被検体に向かって周期的に押下することにより被検体に歪を発生させ組織性状値を計測することができる。追跡波形選択部107は、探触子101に近いほど計測点ほど変位が小さく、探触子101から離れるにしたがって変位が大きいという条件を用いて、位置追跡波形を選択する。具体的には、追跡波形選択部107は、探触子101に近いにもかかわらず動きが探触子101から遠い計測点のものと比べ大きい場合にその計測点の位置追跡波形を除外するように、位置追跡波形を選択する。被検体の形状や、外部からの周期的な圧迫や加振などの位置およびその方法により制約は異なるので、それにあわせて条件を変えることにより、本発明を適用することが可能である。例えば、被検体において、探触子101とは異なる位置に低周波加振器を設置した場合には、低周波加振器の位置を中心に振動が伝播する。このことを用いて、低周波加振器に近いにもかかわらず、振動の始まるタイミングが遅い計測点の位置追跡波形を除外すればよい。
さらになお、追跡波形選択部107は、対象物の機能による位置追跡波形の特徴を用いてもよい。例えば、被検体に含まれる組織が血管壁である場合、血管の軸に沿った複数の計測点間においては、計測点における位置追跡波形の収縮拡張のタイミングが、中枢側から末梢側に向かって遅れる。中枢側つまり心臓側から圧力の高い血液が送られてくるからである。したがって、このような条件に合致しない位置追跡波形、具体的には、末梢側であるにもかかわらず中枢側より収縮拡張のタイミングが早い計測点の位置追跡波形を除外すればよい。
また、心臓は内側の心筋と外側の心筋で収縮するタイミングが異なる。具体的には、心収縮期には内側の心筋がまず収縮をはじめ、遅れて外側が収縮をはじめ、心拡張期には外側の心筋がまず拡張をはじめ、遅れて内側の心筋が拡張をはじめる。したがって、複数の計測点は心筋の厚さ方向に設定されている場合において、複数の計測点における位置追跡波形の収縮のタイミングが心筋内部から外部に向かって遅れるという条件、または、複数の計測点における位置追跡波形の拡張のタイミングが心筋外部から内部に向かって遅れるという条件に合致しないものを除外すればよい。
本発明は、組織性状値を求める超音波診断装置に好適に用いることができる。
101 探触子
102 送信部
103 受信部
104 断層画像処理部
105 組織追跡部
106 境界検出部
107 追跡波形選択部
108 組織性状値算出部
109 血圧取得部
110 画像合成部
111 表示部
112 心電計
113 心拍同期信号検出部
114 ユーザーインターフェース
115 制御部

Claims (18)

  1. 被検体へ繰り返し超音波を送信するように探触子を駆動する送信部と、
    前記超音波が前記被検体において反射することにより得られるエコーを前記探触子によって受信し、受信信号を生成する受信部と、
    前記受信信号に基づき、前記被検体に設定された複数の計測点のそれぞれの位置の変位を示す位置追跡波形を生成する組織追跡部と、
    前記被検体に含まれる組織の境界の位置を決定する境界検出部と、
    前記複数の計測点における位置追跡波形、前記境界の位置および前記受信信号の振幅の少なくとも1つに基づいて、前記複数の位置追跡波形から、前記境界の位置における位置追跡波形を含む少なくとも2つの位置追跡波形を選択する追跡波形選択部と、
    前記選択された前記位置追跡波形を用いて前記被検体の組織性状値を算出する組織性状値算出部と、
    を備えた超音波診断装置。
  2. 前記追跡波形選択部は、ノイズを含む位置追跡波形、変位の方向が他と異なる位置追跡波形または基本形状の異なる位置追跡波形を除外する請求項1に記載の超音波診断装置。
  3. 前記追跡波形選択部は、パターンマッチング、相関係数、差分演算または高速フーリエ変換を用いて前記除外する位置追跡波形を決定する請求項2に記載の超音波診断装置。
  4. 前記追跡波形選択部は、隣接する2つ以上の計測点における位置追跡波形が略同一である場合、その中の1つのみを選択する請求項1に記載の超音波診断装置。
  5. 前記追跡波形選択部は、前記受信信号における振幅が最も大きい計測点の位置追跡波形を選択する請求項4に記載の超音波診断装置。
  6. 前記追跡波形選択部は、前記被検体に含まれる組織の形状による制約に合致しない位置追跡波形を除外する請求項1に記載の超音波診断装置。
  7. 前記組織は円筒管形状を有し、前記複数の計測点は、前記円筒管の半径方向に設定されており、前記追跡波形選択部は、前記複数の計測点における位置追跡波形の振幅が前記円筒管の内部から外部に向かって小さくなるという条件に合致しない位置追跡波形を除外する請求項6に記載の超音波診断装置。
  8. 前記追跡波形選択部は、前記被検体に含まれる組織の機能による制約に合致しない位置追跡波形を除外する請求項1に記載の超音波診断装置。
  9. 前記組織は血管壁であり、前記複数の計測点は、前記血管壁の軸方向に沿って設けられており、前記組織追跡波形は、前記複数の計測点における位置追跡波形の収縮拡張のタイミングが、中枢側から末梢側に向かって遅れるという条件に合致しない位置追跡波形を除外する請求項8に記載の超音波診断装置。
  10. 前記組織は心臓であり、前記複数の計測点は心筋の厚さ方向に設定されており、前記追跡波形選択部は、前記複数の計測点における位置追跡波形の収縮のタイミングが心筋内部から外部に向かって遅れるという条件、または、前記複数の計測点における位置追跡波形の拡張のタイミングが心筋外部から内部に向かって遅れるという条件に合致しないものを除外する請求項8に記載の超音波診断装置。
  11. 前記被検体は、外部から力を加えられることによって変形しており、前記追跡波形選択部は、前記力を加える位置や方向、方法による制約に合致しない位置追跡波形を除外する請求項1に記載の超音波診断装置。
  12. 前記探触子を前記被検体に向かって押下することにより外部から力を加え、前記追跡波形選択部は、探触子から離れるにしたがって位置追跡波形の振幅が大きくなるという条件に合致しないものを除外する請求項11に記載の超音波診断装置。
  13. 操作者が境界位置の設定するためのユーザーインターフェースをさらに備え、
    前記境界検出部は、前記操作者が設定した位置を境界として決定する請求項1に記載の超音波診断装置。
  14. 前記境界検出部は、外部のモダリティと接続され、前記モダリティから境界情報を得る請求項1記載の超音波診断装置。
  15. 前記追跡波形選択部は、前記境界検出部で検出した境界の組織側に位置する計測点の位置追跡波形を選択する請求項1に記載の超音波診断装置。
  16. 前記組織性状値を表示する表示部をさらに備える請求項1に記載の超音波診断装置。
  17. 表示部は、前記組織性状値を二次元分布画像として表示する請求項16に記載の超音波診断装置。
  18. 前記表示部は、前記組織性状値のヒストグラムを表示する請求項17に記載の超音波診断装置。
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