JP2007020999A - 超音波診断装置 - Google Patents

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和宏 砂川
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Abstract

【課題】弾性率の演算結果に生じる誤差を低減できる超音波診断装置を提供する。
【解決手段】演算部3は、送受信部2からの信号を用いて、生体組織の運動速度、あるいは、移動変位、および、歪変化量を演算する。周波数解析部4は、演算部3で求められた生体組織の運動速度、移動変位、および、歪変化と、応力検出部106で検出された応力変化のコヒーレンス、および、伝達関数などの周波数解析演算を行う。共振成分およびノイズ除去部5は、周波数解析部4の判定結果に基づき、生体組織の運動速度、移動変位、および、歪変化量の共振成分およびノイズを除去する。弾性率演算部6は、生体組織内に設定した少なくとも2つ以上の関心点、あるいは、関心領域の歪変化量を同時刻の応力変化量で除算し、弾性率を求める。
【選択図】図1

Description

本発明は、超音波を用いて、生体組織の形状特性、または、性状特性を測定する超音波診断装置に関する。
生体内組織の性状を識別・同定する手段の一つとして、生体内組織を構成する弾性繊維、膠原線維、脂肪や血栓などによって、弾性率に相違があることを利用して、生体内組織に応力を加えたときの歪から弾性率を求める手法が知られている。
超音波を用いて、生体組織の歪を計測する手法としては、特許文献1に示されているように、生体組織内に複数の関心点、あるいは、関心領域を設定した上で、運動速度、あるいは、移動変位を同時に計測し、その差分を演算することにより、複数の関心点、あるいは、関心領域間の運動速度差、あるいは、移動変位差を求め、生体組織の歪を求める方法が知られている。
また、複数の関心点、あるいは、関心領域のいずれかの運動速度、あるいは、移動変位にノイズが含まれると、演算される歪量にもノイズの影響が現れるため、例えば、特許文献2、特許文献3、あるいは、特許文献4に示されているように、対象となる信号にノイズがあった場合に、ノイズを除去し、ノイズが発生した時刻の前後の時刻の値で補間する、あるいは、理想的な信号を予め用意し、近似する手法が知られている。
特開平10−5226号公報 特開平11−151242号公報 特開2000−201932号公報 特開2003−275211号公報
特許文献1に示されているように、生体組織の弾性率は、最大の歪変化量と最大の応力変化量から演算される。例えば、動脈壁の場合、図4に示すように、複数の心周期の中における一心周期間の歪変化量と脈圧値(最大血圧−最小血圧)から計算される。弾性率の演算においては、生体組織の歪変化量に、被検体によって性質の異なる、ランダムノイズ、あるいは、共振などの弾性率演算に不要な成分が重畳され、弾性率の演算結果に誤差が生じてしまう場合がある。
一般的に、生体組織のような弾性体は、弾性率、粘性率、密度、形状などの要素に基づいた固有振動数を持つ。この固有振動数は共振周波数とも言われ、共振周波数を含有した周波数帯域の振動が加わると、弾性体は共振する。この弾性体の共振は、歪を伴わず並進する振動と、歪を伴う圧縮性の振動などの共振形態がある。
図5は、心拍動に伴う動脈壁内膜と外膜の移動変位(動脈壁内膜の移動変位401aと動脈壁外膜の移動変位401b)と、動脈壁の歪変化量402に、ある単一の周波数の共振成分が重畳した場合の一心周期を拡大した模式図である。図5において、時間軸については、一心周期分を拡大表示している。動脈壁内膜と外膜の共振成分の振幅が同一となる並進であれば、動脈壁歪量を求める演算で相殺され、歪変化量に共振成分が現れないが、動脈壁内膜と外膜の共振成分の振幅が異なる歪を伴う圧縮性の振動である場合、図5に示すように、歪変化量402にも共振成分が現れる。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、弾性率の演算結果に生じる誤差を低減できる超音波診断装置を提供することを目的とする。
図6は、一心周期中の動脈壁内膜の移動変位と外膜の移動変位との間の、伝達関数の利得特性、振幅二乗コヒーレンス関数を示す模式図である。図5に示したように、ある単一の周波数の共振成分が重畳した場合、心拍動に伴う動脈壁内膜の移動変位と外膜の移動変位との間の伝達関数の利得特性は、図6(a)に示すようなものとなる。
動脈壁内膜の移動変位401aと動脈壁外膜の移動変位401bの、血圧変化による振動の周波数成分は、動脈壁の歪を伴い動脈壁内膜と外膜との間では振動成分の振幅に差が生じる。この血圧変化による動脈壁の運動の周波数成分は直流から約数十Hzまでの周波数帯域であることが知られており、図6(a)においては、周波数帯域Aで示される。
動脈壁内膜の移動変位401aと動脈壁外膜の移動変位401bの、圧縮性の共振による振動の周波数成分は、動脈壁の歪を伴うが、動脈壁内膜と外膜との間では振動成分の振幅の差は、血圧変化による歪と比べて小さい値となることが知られている。また、この共振の周波数成分は、被検者によって差異があるが、血圧変化による動脈壁の運動の周波数成分と比較して、高い数十Hzから約百Hzまでの周波数帯域で存在する。この圧縮性の共振による振動の周波数成分は、図6(a)においては、周波数帯域Bで示される。
一方、図5に示したように、ある単一の周波数の共振成分が重畳した場合の心拍動に伴う動脈壁内膜と外膜の移動変位のコヒーレンスは、図6(b)に示すようなものとなる。
振幅二乗コヒーレンス関数は、0から1の間の値をとり、二つの信号の関連度が高い場合は1に近い値となる。したがって、振幅二乗コヒーレンス関数の値が0に近い場合は、関連の無いランダムノイズ成分と考えることができる。図6(b)に示すように、血圧変化による動脈壁の運動の周波数成分が存在する周波数帯域A、および、共振による振動の周波数成分が存在する周波数帯域B、すなわち直流から約百Hz程度の周波数帯域では、コヒーレンスの値が1に近い値となっており、動脈壁内膜の移動変位401aと動脈壁外膜の移動変位401bの関連度が高い。一方、約百Hz以上の周波数帯域Cではコヒーレンスの値が0に近い値となっており、主にランダムノイズ成分であることを示している。
このように、心拍動に伴う動脈壁内膜と外膜の移動変位と、動脈壁の歪量変化について、周波数領域で伝達関数の利得特性とコヒーレンスを求めることにより、血圧変化による振動によるもの、共振による振動によるもの、および、ランダムノイズ成分と、分離することが可能となる。
本発明の超音波診断装置は、生体組織の形状特性、または、性状特性を測定する超音波診断装置であって、生体組織の運動速度を演算する速度演算部と、前記生体組織の移動変位を演算する移動変位演算部のいずれかと、前記運動速度、または、前記移動変位に基づいて、前記生体組織の歪変化量を演算する歪変化量演算部と、前記生体組織に加わる応力変化量を検出する応力変化量検出部と、前記歪変化量、および、前記応力変化量に基づいて、前記生体組織の弾性率の算出を行う弾性率演算部と、前記運動速度、移動変位、歪変化量、および、応力変化量の少なくとも一つについて、周波数解析する周波数解析部と、前記周波数解析部によって解析された周波数特性に基づき、前記運動速度、移動変位、歪変化量、および、応力変化量のうち少なくとも一つの信号について、応力変化による振動成分と、共振成分を分離、除去する共振成分およびノイズ除去部と、を備えるものである。
本発明の超音波診断装置は、前記速度演算部、前記移動変位演算部、および、前記歪変化量演算部が、前記生体組織内に設定した複数の関心点、あるいは、関心領域について、前記運動速度、移動変位、歪変化量の空間分布を求める機能を有するものを含む。
本発明の超音波診断装置は、前記速度演算部、前記移動変位演算部、および、前記歪変化量演算部が、前記運動速度、移動変位、歪変化量の、空間的な平均値を求める機能を有するものを含む。
本発明の超音波診断装置は、前記周波数解析部が、前記運動速度、移動変位、歪変化量、および、応力変化量の周波数スペクトルを演算する機能を有するものを含む。
本発明の超音波診断装置は、前記周波数解析部が、前記空間的に求められた運動速度と移動変位のいずれかの、少なくとも二つの関心点の間の相関性を求めるための、コヒーレンスを演算する機能を有するものを含む。
本発明の超音波診断装置は、前記周波数解析部が、前記空間的に求められた運動速度と移動変位のいずれかの、少なくとも二つの関心点の間の、伝達関数を演算し、一定周期間の利得特性を求める機能を有するものを含む。
本発明の超音波診断装置は、前記共振成分およびノイズ除去部が、前記空間的に求められた運動速度と移動変位のいずれかの、少なくとも二つの関心点の間の、一定周期間のコヒーレンス値、および、周波数ごとの減衰値から求められた閾値に基づき、前記運動速度、移動変位、歪変化量、および、応力変化量のいずれか、あるいは、全ての、応力変化による振動成分、共振による振動成分、および、ノイズ成分を周波数領域で分離するものを含む。
本発明の超音波診断装置は、前記共振成分およびノイズ除去部が、帯域通過フィルタ、および/あるいは、帯域制限フィルタによって構成されているものを含む。
本発明によれば、生体信号の応力変化に振動成分と、共振成分を分離することが可能となる。このため、弾性率の演算結果に生じる誤差を低減できる超音波診断装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の実施の形態の超音波診断装置のブロック図である。図1の超音波診断装置20は、超音波プローブ1を用いて生体の形状特性または性状特性を測定するものであり、特に、生体組織の弾性率を測定するのに好適に用いられる。ここで、生体の形状特性とは、生体組織の形状、または、形状の時間変化による生体組織の運動速度やその積分値である移動変位、生体組織内に設定した2点間の歪変化量などをいう。生体の性状特性は、生体組織の弾性率などをいう。超音波診断装置20は、送受信部2、演算部3、周波数解析部4、共振成分およびノイズ除去部5、弾性率演算部6、表示部7、制御部104、および、記憶部105を備えている。
超音波プローブ1は、測定対象である生体組織へ超音波を送信し、送信した超音波が生体組織において反射することにより得られる超音波エコーを受信するために用いられる。送受信部2は、超音波プローブ1を駆動する所定の駆動パルス信号を生成して超音波プローブ1に出力するとともに、超音波プローブ1で受信した超音波エコーを遅延合成する。
演算部3は、送受信部2で遅延合成した信号を用いて、生体組織の運動速度、あるいは、移動変位、および、歪変化量を演算する。周波数解析部4は、演算部3で求められた生体組織の運動速度、移動変位、および、歪変化と、応力検出部106で検出された応力変化のコヒーレンス、および、伝達関数などの周波数解析演算を行う。
共振成分およびノイズ除去部5は、周波数解析部4の判定結果に基づき、生体組織の運動速度、移動変位、および、歪変化量の共振成分およびノイズを除去する。弾性率演算部6は、生体組織内に設定した少なくとも2つ以上の関心点、あるいは、関心領域の歪変化量を同時刻の応力変化量で除算し、弾性率を求める。表示部7は、弾性率演算部6で演算された生体組織の弾性率を表示する。
制御部104は、送受信部2、演算部3、周波数解析部4、共振成分およびノイズ除去部5、弾性率演算部6、および、表示部7の制御を行う。制御部104による制御のための各種情報は、記憶部105に記憶される。
応力検出部106は、生体組織内の関心点、あるいは、関心領域に加わる応力を検出する。図4に示した測定例のように、動脈壁に加わる応力を計測する場合は、血圧計が好適であり、さらに、リアルタイム式血圧計を用いることは、一心周期内の時間的な応力変化を計測する場合に好適である。また、生体組織表面から応力を加える場合は、生体組織表面上に圧力センサを設置してもよい。
超音波診断装置20を利用して、生体組織の一例である動脈壁の形状特性、または、性状特性を測定する場合、図4に示すように、超音波プローブ1で超音波を送受信し動脈壁の移動変位を計測し歪変化を演算する。図4には、動脈壁の内膜と外膜に関心点を設定し、心拍動に伴う移動変位、および、歪を計測する様子、および、動脈壁内膜と外膜の移動変位と、動脈壁の歪量変化の模式図が示されている。
具体的には、生体組織表面201に設置された、超音波プローブ1から、生体組織内の動脈202に、超音波が送信され、動脈202で生じた超音波エコーが、超音波プローブ1で受信される。これら送信される超音波と受信される超音波は、超音波ビーム301を形成する。超音波ビーム301上に位置する動脈壁の内膜と外膜に関心点を設定した場合、演算部3で内膜の移動変位波形401aと外膜の移動変位波形401bの差を求め、心拍動による血圧変化に伴う動脈壁の歪変化量402を求めることができる。
図2は、演算部3のブロック図である。演算部3は、送受信部2、周波数解析部4、および、共振成分およびノイズ除去部5に接続されており、運動速度演算部31、あるいは、移動変位演算部32のいずれか、および、歪変化量演算部33を備えている。
運動速度演算部31は、送受信部2を介して生体組織内から得られた超音波エコーを利用して、生体組織内に設定した関心点、あるいは、関心領域の運動速度を求めるものである。運動速度演算部31における各関心点、あるいは、各関心領域の運動速度の検出は、一般的に用いられているFFTドップラー法、自己相関法など、どの手法を用いてもよく、移動変位演算部32で得られた移動変位を微分することによって求めてもよい。なお、関心点、あるいは、関心領域は、少なくとも2箇所設定されるので、運動速度の空間分布を求めることができる。また、各関心点、あるいは、各関心領域の近傍の運動速度を同時に検出し、平均値を求めることも好適である。
移動変位演算部32は、送受信部2を介して生体組織内から得られた超音波エコーを利用して、生体組織内に設定した関心点、あるいは、関心領域の移動変位を求めるものである。移動変位演算部32における各関心点、あるいは、各関心領域の移動変位の検出は、一般的に用いられているFFTドップラー法、自己相関法など、どの手法を用いてもよく、運動速度演算部31で得られた運動速度を積分することによって求めてもよい。なお、関心点、あるいは、関心領域は、少なくとも2箇所設定されるので、移動変位の空間分布を求めることができる。また、各関心点、あるいは、各関心領域の近傍の移動変位を同時に検出し、平均値を求めることも好適である。
歪変化量演算部33は、運動速度演算部31から得られた、超音波ビーム301上に設定した少なくとも2つ以上の関心点、または、関心領域の運動速度の差を積分することにより、あるいは、移動変位演算部32から得られた、超音波ビーム301上に設定した少なくとも2つ以上の関心点、または、関心領域の移動変位を利用することにより、歪変化量を求める。歪変化量演算部33における歪変化量の算出は、各関心点、あるいは、各関心領域の近傍の歪変化量を同時に検出し、平均値を求めることも好適である。また、空間分布を求めてもよい。
図3は、周波数解析部4のブロック図である。周波数解析部4は、演算部3で求められた生体組織の運動速度、移動変位、および、歪変化と、応力検出部106で検出された応力変化を利用して、それらのコヒーレンス、および、伝達関数などの周波数解析演算を行う。そして、一定周期間のコヒーレンス値、および、周波数ごとの減衰値から求められた閾値に基づき、運動速度、移動変位、歪変化量、および、応力変化量のいずれか、あるいは、全てについて、応力変化による振動成分、共振による振動成分、および、ノイズ成分を周波数領域で分離する。周波数解析部4は、コヒーレンス演算部41、伝達関数演算部42、および、周波数分離判定部43を備えている。
以下、図3から図6を用いて、周波数解析部4の動作について説明する。
伝達関数演算部42は、動脈壁内膜の移動変位401aと動脈壁外膜の移動変位401bの間の伝達関数H(k)を求めるものである。図6(a)は、図5に示した動脈壁内膜の移動変位401aと動脈壁外膜の移動変位401bの間の、伝達関数H(k)の利得特性の一例である。この伝達関数H(k)は、クロススペクトル法を用い、(式1)で計算できる。
Figure 2007020999
ここで、Xi(k)は入力信号の周波数スペクトルすなわち動脈壁内膜の移動変位401aの周波数スペクトル、Yi(k)は出力信号の周波数スペクトルすなわち動脈壁外膜の移動変位401bのスペクトルである。また、iはM個の心周期の中のi番目の心周期を示し、iは1・・・i・・・Mの値をとる。kは離散的周波数、*は複素共役、Eは心周期間の平均操作を意味する。
コヒーレンス演算部41は、振幅二乗コヒーレンス関数を用いて、一心周期ごとの周波数ごとのコヒーレンスを求める。振幅二乗コヒーレンス関数は、出力信号の中で入力信号に基づく成分のパワー比率であり、クロススペクトル法を用いると、(式2)で表される。
Figure 2007020999
ここで、Xi(k)は入力信号の周波数スペクトルすなわち動脈壁内膜の移動変位401aの周波数スペクトル、Yi(k)は出力信号の周波数スペクトルすなわち動脈壁外膜の移動変位401bのスペクトル、iはM個の心周期の中のi番目の心周期を示し、iは1・・・i・・・Mの値をとる。kは離散的周波数、*は複素共役、Eは心周期間の平均操作を意味する。
周波数分離判定部43は、コヒーレンスが高い周波数帯域において、減衰量が予め設定した値以上となる周波数帯域を、共振が含まれる周波数帯域と判定し、残った周波数帯域を応力変化による振動の周波数帯域と判定する。したがって、図6に示すように、周波数帯域Aの周波数成分は血圧変化による振動によるもの、周波数帯域Bの周波数成分は共振による振動によるもの、周波数帯域Cの周波数成分はA、Bどちらの周波数帯域でもないノイズ成分と、分離することが可能となる。
なお、コヒーレンスが高い周波数帯域において、減衰量が予め設定した値以下となる周波数帯域を、応力変化による振動の周波数帯域と判定し、残った周波数帯域を共振が含まれる周波数帯域とするようにしてもよい。
共振成分およびノイズ除去部5は、周波数解析部4の判定結果に基づき、生体組織の運動速度、移動変位、および、歪変化について、応力変化による振動成分と、共振による振動成分を分離、あるいは、除去するものである。共振成分およびノイズ除去部5は、フィルタによって構成されており、フィルタの定数は、主に周波数解析部4で求められた伝達関数の利得特性と、振幅二乗コヒーレンス関数で判定された結果で自動的に設定される。
なお、フィルタの定数は、操作者が任意に設定できるようにするのでもよく、さらに、予め複数のフィルタ定数を設定しておき、操作者が選択できるような構成にしておくことも好適である。
また、共振成分およびノイズ除去部5において、生体組織の運動速度、移動変位、および、歪変化に対してフィルタ処理を行う場合、対象としている心周期より以前の心周期の周波数解析部4の判定結果を用いてフィルタ特性を決定する。このようにして、対象としている心周期のデータに対しフィルタ処理を実施する手法は、演算の遅れ時間が少ないので、フィルタ処理時間が短時間で可能となり、好適である。
さらに、共振成分およびノイズ除去部5において、対象としている心周期の、周波数解析部4の判定結果を用いて、当該心周期の生体組織の運動速度、移動変位、および、歪変化にフィルタ処理を実施する手法は、演算に必要とされるデータ量が少ないので、診断が短時間で行えるリアルタイムに最適なフィルタ処理が可能となるため好適である。弾性率演算部6は、生体組織内に設定した少なくとも2つ以上の関心点、あるいは、関心領域の歪変化量を同時刻の応力変化量で除算し、弾性率を求める。表示部7は、弾性率演算部6で演算された生体組織の弾性率を表示する。
弾性率演算部6は、生体組織内に設定した少なくとも2つ以上の関心点、あるいは、関心領域の歪変化量を同時刻の応力変化量で除算し、弾性率を求めるものである。この歪変化量は、歪変化量演算部33で求められ、共振成分およびノイズ除去部5で共振成分、および、ノイズ成分を除去したものであり、また、応力変化量は、応力検出部106で検出され、共振成分およびノイズ除去部5で共振成分、および、ノイズ成分を除去したものである。
表示部7は、弾性率演算部6で演算された生体組織の弾性率を表示する。弾性率表示は、一般的な超音波診断装置の表示機能であるBモード断層画像と同時に表示されるのが好ましく、また、超音波ビームを走査して、複数の関心点、あるいは、関心領域の弾性率が求められる場合は、Bモード断層画像上に、弾性率をカラー換算し、重畳させて表示させることも好適である。
以上説明したように、被検体から計測された生体組織の運動速度、あるいは、移動変位などの、生体信号の周波数特性を利用して、生体信号の歪に寄与する信号成分に含まれる共振成分を、被検体に応じて分離することができるので、生体組織の弾性率を精度よく求めることが可能となる。
本発明は、生体組織の形状特性または性状特性を測定する超音波診断装置に好適に用いられる。特に、動脈などの生体組織の弾性率を測定することによって生体組織の診断を行うことのできる超音波診断装置に好適に用いられる。
本発明の実施の形態の超音波診断装置のブロック図 本発明の実施の形態の超音波診断装置の演算部の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態の超音波診断装置の周波数解析部の構成を示すブロック図 超音波プローブで超音波を送受信し動脈壁の移動変位を計測し歪変化を演算する様子を示す模式図 動脈壁の移動変位に共振による振動が重畳したときに歪変化に与える影響を説明する 一心周期中の動脈壁内膜の移動変位と外膜の移動変位との間の、伝達関数の利得特性、振幅二乗コヒーレンス関数を示す模式図
符号の説明
1 超音波プローブ
2 送受信部
3 演算部
4 周波数解析部
5 共振成分およびノイズ除去部
6 弾性率演算部
7 表示部
31 運動速度演算部
32 移動変位演算部
33 歪変化量演算部
104 制御部
105 記憶部
106 応力検出部
201 生体組織表面
202 動脈
301 超音波ビーム
401a 動脈壁内膜の移動変位波形
401b 動脈壁外膜の移動変位波形
402 動脈壁の歪変化波形

Claims (8)

  1. 生体組織の形状特性、または、性状特性を測定する超音波診断装置であって、
    生体組織の運動速度を演算する速度演算部と、前記生体組織の移動変位を演算する移動変位演算部のいずれかと、
    前記運動速度、または、前記移動変位に基づいて、前記生体組織の歪変化量を演算する歪変化量演算部と、
    前記生体組織に加わる応力変化量を検出する応力変化量検出部と、
    前記歪変化量、および、前記応力変化量に基づいて、前記生体組織の弾性率の算出を行う弾性率演算部と、
    前記運動速度、移動変位、歪変化量、および、応力変化量の少なくとも一つについて、周波数解析する周波数解析部と、
    前記周波数解析部によって解析された周波数特性に基づき、前記運動速度、移動変位、歪変化量、および、応力変化量のうち少なくとも一つの信号について、応力変化による振動成分と、共振成分を分離、除去する共振成分およびノイズ除去部と、
    を備える超音波診断装置。
  2. 請求項1記載の超音波診断装置であって、
    前記速度演算部、前記移動変位演算部、および、前記歪変化量演算部は、前記生体組織内に設定した複数の関心点、あるいは、関心領域について、前記運動速度、移動変位、歪変化量の空間分布を求める機能を有する超音波診断装置。
  3. 請求項1または2記載の超音波診断装置であって、
    前記速度演算部、前記移動変位演算部、および、前記歪変化量演算部は、前記運動速度、移動変位、歪変化量の、空間的な平均値を求める機能を有する超音波診断装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項記載の超音波診断装置であって、
    前記周波数解析部は、前記運動速度、移動変位、歪変化量、および、応力変化量の周波数スペクトルを演算する機能を有する超音波診断装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項記載の超音波診断装置であって、
    前記周波数解析部は、前記運動速度と移動変位のいずれかの、少なくとも二つの関心点の間の相関性を求めるための、コヒーレンスを演算する機能を有する超音波診断装置。
  6. 請求項1ないし4のいずれか1項記載の超音波診断装置であって、
    前記周波数解析部は、前記運動速度と移動変位のいずれかの、少なくとも二つの関心点の間の、伝達関数を演算し、一定周期間の利得特性を求める機能を有する超音波診断装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項記載の超音波診断装置であって、
    前記共振成分およびノイズ除去部は、前記運動速度と移動変位のいずれかの、少なくとも二つの関心点の間の、一定周期間のコヒーレンス値、および、周波数ごとの減衰値から求められた閾値に基づき、前記運動速度、移動変位、歪変化量、および、応力変化量のいずれか、あるいは、全ての、応力変化による振動成分、共振による振動成分、および、ノイズ成分を周波数領域で分離する超超音波診断装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項記載の超音波診断装置であって、
    前記共振成分およびノイズ除去部は、帯域通過フィルタ、および/あるいは、帯域制限フィルタによって構成されている超音波診断装置。
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