JP2007000220A - 超音波診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ノイズの影響を低減し、高い精度で性状特性を計測することが可能であり、さらに、組織同定も可能な超音波診断装置を提供する。
【解決手段】複数の異なる組織を含んでおり、応力によって周期的に変形する被検体へ超音波を送信するために、探触子101を駆動する駆動信号を生成する送信部102と、得られるエコーを探触子により受信し、受信エコー信号を生成する受信部103と、受信エコー信号に基づいて被検体中の任意の2つの測定部位間の距離変化を示す厚さ変化波形を算出する演算部151と、複数の組織にそれぞれ対応した複数の基準波形を生成する基準波形発生部117と、各基準波形と厚さ変化波形とを比較することにより、両波形が一致する度合いを示す指標を算出する厚さ変化量推定部118と、指標に基づいて、厚さ変化波形を与えた2つの測定部位間の組織が複数の組織のいずれに該当するかを判定する組織判定部172とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は超音波診断装置に関し、被検体を構成する組織の性状特性、特に、弾性率を計測する超音波診断装置に関する。
超音波診断装置は、超音波を被検体に照射し、そのエコー信号に含まれる情報を解析することにより、被検体を非侵襲的に検査する。従来から広く用いられている超音波診断装置は、エコー信号の強度を対応する画素の輝度に変換することにより、被検体の構造を断層画像として得ている。これにより、被検体の内部の構造を知ることができる。また、エコー信号のドップラーシフトを検出し、被検体の運動情報、たとえば、血流情報を画像表示する超音波診断装置も用いられてきた。
これに対し、近年、エコー信号の主に位相を解析することによって、被検体の組織の動きを精密に測定し、組織の歪みや弾性率、粘性率などの物理的(性状)特性を求めることが試みられている。
特許文献1は、エコー信号の検波出力信号の振幅および位相を用い、被検体の瞬間的な位置を決定することによって、被検体組織の追跡を高精度に行い、拍動している心臓組織に生じている微小振動を捕らえる方法を開示している。この方法によれば、被検体に対して同じ方向にΔTの間隔をおいて超音波パルスを複数回送信し、被検体において反射した超音波をそれぞれ受信する。図9に示すように受信したエコー信号をy(t)、y(t+ΔT)、y(t+2ΔT)とする。ある深度x1から得られるエコー信号の受信時刻t1は、パルス送信時刻をt=0とすると、t1=x1/(C/2)となる。ただし、Cは音速である。このとき、y(t1)とy(t1+ΔT)の間の位相偏移をΔθ、t1付近での超音波の中心周波数をfとすると、この期間ΔTにおけるx1の移動量Δxは、以下の式(1)で表される。
Δx=−C・Δθ/4πf (1)
移動量Δxをx1に加算することで、以下の式(2)に示すように、ΔT秒後のx1の位置x1’を求めることができ、この計算を繰り返すことにより、被検体の同一部位x1を追跡していくことができる。この方法は位相差トラッキング法と呼ばれている。
x1’=x1+Δx (2)
特許文献2は、特許文献1の方法をさらに発展させ、被検体組織、特に動脈壁の弾性率を求める方法を開示している。この方法によれば、まず、図10に示すように、探触子101から血管壁16へ向けて超音波を送信し、血管壁16上に設定した測定点AおよびBからのエコー信号を特許文献1の方法により解析することにより、測定部位AおよびBの動きを追跡する。図11は、測定点AおよびBの位置を示す追跡波形TAおよびTBを示している。また、心電波形ECGも合わせて示している。
図11に示すように、追跡波形TAおよびTBは心電波形ECGに一致した周期性を有している。これは、心臓の心拍周期に一致して、動脈が拡張および収縮することを示している。具体的には、心電波形ECG中にR波と呼ばれる大きなピークが見られる際、心臓の収縮が開始し、心臓の収縮によって、動脈中に血液が押し出される。この際の血液変化によって急激に血管が拡張する。したがって、心電波形ECGにR波が現れた後、追跡波形TAおよびTBも急激に立ち上がり、動脈が急激に拡張する。その後、心臓はゆっくり拡張するので、追跡波形TAおよびTBも徐々に立ち下がり、動脈血管がゆっくり収縮する。このような動きを動脈は繰り返している。
追跡波形TAおよびTBの差は測定点AB間の厚さ変化波形Wとなる。厚さ変化波形WはAB間の歪み波形とみなすこともできる。最大厚さ変化量ΔWは、厚さ変化波形Wの最大値Wmaxと最小値Wminとの差から求めることができる。
ΔW=Wmax−Wmin (3)
測定点AB間の初期化時の基準厚さをWsとすると、測定点AB間の最大歪み量εは以下のようになる。
ε=ΔW/Ws (4)
また、血圧計などを用いて、このときの被検体の最高血圧Pmaxおよび最低血圧Pminを測定する。血圧差ΔPは以下の式で表される。
ΔP=Pmax−Pmin (5)
最大歪み量εは、血圧差ΔPにより発生したものと考えられる。弾性率Erは応力を歪みで除した値として定義されるので、測定点AB間の弾性率Erは以下の式で表される。
Er=ΔP/ε=ΔP・Ws/ΔW=ΔP・Ws/(Wmax−Wmin) (6)
非特許文献1は、血管が不均一な厚さをもつ管とした場合において、各部の弾性率を最大歪み量εおよび血圧差ΔPを用いて算出する方法を開示している。
これらの演算を断層画像上の複数点に対して行うことにより、弾性率Erの分布画像が得られる。図10に示すように、血管壁16中に粥腫11が生じている場合、粥腫とその周りの血管壁組織とでは弾性率が異なる。したがって、弾性率の分布画像が得られれば粥腫の生成やその位置を診断することが可能となる。
特開平10−5226号公報 特開2000−229078号公報 長谷川他著「不均一な壁厚を有する管の局所壁弾性率の計測法」、J Med Ultrasonics Vol.28 No.1(2001)
しかしながら、従来技術による弾性率の測定方法は、厚さ変化波形Wの最大値Wmaxと最小値Wminとの差を用いて弾性率を測定するため、ノイズ耐性が低いという問題がある。たとえば、図12に示す厚さ変化波形Wが得られた場合、時刻t1およびt2のときの値をそれぞれ最大値Wmaxおよび最小値Wminとして弾性率を求める。しかし、図に示すように、時刻t2における厚さ変化波形Wの値はノイズが混入しており、正しい値ではない。
また、診断を行う上で、弾性率の特異な領域が診断対象の器官内にあるかどうかが重要である。しかし、Bモード断層画像は、測定対象領域内のすべての器官が判別できるように被検体を表示できず、対象器官の位置および範囲を特定できない場合がある。さらに、弾性率と組織とは必ずしも1対1には対応しないため、弾性率断層像を用いても対象器官の位置および範囲を特定できない場合がある。
本発明は、このような従来技術の問題を解決し、ノイズの影響を低減し、高い精度で弾性特性を計測することが可能であり、さらには、組織同定をも可能とする超音波診断装置を提供することを目的とする。
本発明の超音波診断装置は、複数の異なる組織を含んでおり、応力によって周期的に変形する被検体へ超音波を送信するために、探触子を駆動する駆動信号を生成する送信部と、前記超音波が前記被検体において反射することにより得られるエコーを前記探触子により受信し、受信エコー信号を生成する受信部と、前記受信エコー信号に基づいて前記被検体中の任意の2つの測定部位間の距離変化を示す厚さ変化波形を算出する演算部と、前記複数の組織にそれぞれ対応した複数の基準波形を生成する基準波形発生部と、各基準波形と前記厚さ変化波形とを比較することにより、前記厚さ変化波形と各基準波形とが一致する度合いを示す指標を算出する厚さ変化量推定部と、前記指標に基づいて、前記厚さ変化波形を与えた2つの測定部位間の組織が前記複数の組織のいずれに該当するかを判定する組織判定部とを備える。
ある好ましい実施形態において、前記厚さ変化量推定部は、前記厚さ変化波形および前記各基準波形の一方と、係数を乗じた他方との整合残差が最小となるように、前記係数および前記係数を用いた場合の整合残差をそれぞれ算出し、前記係数および前記基準波形の振幅から、各基準波形を用いた場合における厚さ変化波形の最大厚さ変化量を求め、前記組織判定部へ出力する。
ある好ましい実施形態において、前記厚さ変化量推定部は、前記各整合残差を前記指標として前記組織判定部へ出力し、前記組織判定部は、最も小さい整合残差が得られた基準波形に対応する組織を前記厚さ変化波形を与えた2つの測定部位間の組織として判定し、その基準波形を用いて得られた最大厚さ変化量を出力する。
ある好ましい実施形態において、超音波診断装置は、前記被検体の変形周期において生じる前記応力の応力差の情報および前記組織判定部から出力される最大厚さ変化量に基づいて弾性率を求める弾性率算出部をさらに備える。
ある好ましい実施形態において、前記基準波形発生部は、前記各基準波形のデータを記憶した記憶部を含む。
ある好ましい実施形態において、前記基準波形は、あらかじめ複数の被検体の前記複数の組織から取得した厚さ変化波形を平均したものである。
ある好ましい実施形態において、超音波診断装置は、前記組織判定部で判定した結果に基づき、前記弾性率を表示するための画像データを生成する画像処理部をさらに含む。
ある好ましい実施形態において、前記組織判定部は、前記各整合残差が所定の値より大きい場合、前記厚さ変化波形を与えた2つの測定部位間の組織は、前記複数の組織のいずれでもないと判定する。
本発明の超音波診断装置の制御方法は、超音波診断装置の制御部による超音波診断装置の制御方法であって、探触子を駆動して超音波を送信するステップ(A)と、複数の異なる組織を含んでおり、応力によって周期的に変形する被検体において前記超音波が反射することにより得られるエコーを前記探触子により受信するステップ(B)と、前記受信エコー信号に基づいて前記被検体中の任意の2つの測定部位間の距離変化を示す厚さ変化波形を算出するステップ(C)と、前記複数の組織にそれぞれ対応した複数の基準波形を生成するステップ(D)と、各基準波形と前記厚さ変化波形とを比較することにより、前記厚さ変化波形と各基準波形とが一致する度合いを示す指標を算出するステップ(E)と、前記指標に基づいて、前記厚さ変化波形を与えた2つの測定部位間の組織が前記複数の組織のいずれに該当するかを判定するステップ(F)とを包含する。
ある好ましい実施形態において、前記ステップ(E)は、前記厚さ変化波形および前記各基準波形の一方と、係数を乗じた他方との整合残差が最小となるように、前記係数および前記係数を用いた場合の整合残差をそれぞれ算出し、前記係数および前記基準波形の振幅から、各基準波形を用いた場合における厚さ変化波形の最大厚さ変化量を求める。
ある好ましい実施形態において、前記ステップ(E)において前記各整合残差を前記指標として出力し、前記ステップ(F)は、最も小さい整合残差が得られた基準波形に対応する組織を前記厚さ変化波形を与えた2つの測定部位間の組織として判定し、その基準波形を用いて得られた最大厚さ変化量を出力する。
ある好ましい実施形態において、制御方法は、前記被検体の変形周期において生じる前記応力の応力差の情報および前記ステップ(F)において求めた最大厚さ変化量に基づいて弾性率を求めるステップ(G)をさらに包含する。
ある好ましい実施形態において、前記基準波形は、あらかじめ複数の被検体の前記複数の組織から取得した厚さ変化波形を平均したものである。
ある好ましい実施形態において、制御方法は、前記ステップ(F)における判定した結果に基づき、前記弾性率を表示するための画像データを生成するステップ(H)をさらに包含する。
ある好ましい実施形態において、前記ステップ(F)は、前記各整合残差が所定の値より大きい場合、前記厚さ変化波形を与えた2つの測定部位間の組織は、前記複数の組織のいずれでもないと判定する。
本発明によれば、基準波形および厚さ変化波形を比較することにより、最大厚さ変化量を推定する。波形を比較することにより厚さ変化波形に突発的なノイズなどが重畳しても、より正確な最大厚さ変化量および弾性率を求めることが可能となる。また、求めた弾性率がどの組織から得られたものであるかを判定するため、弾性率を測定した部位の組織同定も可能となる。したがって、本発明の超音波診断装置によれば、高い精度で弾性率を測定し、さらには測定した部位の組織も高い精度で特定することが可能となる。
以下、本発明による超音波診断装置の実施形態を説明する。図1は、超音波診断装置201の構成を示すブロック図である。超音波診断装置201は、送信部102、受信部103、演算部151、基準波形発生部117、厚さ変化量推定部118および組織判定部172を備えている。また、これら超音波診断装置201の各構成要素を制御するために、超音波診断装置201は制御部100を備えている。
送信部102は、制御部100の指令に基づいて、探触子101を所定のタイミングで駆動する駆動信号を生成する。探触子101は駆動信号に基づいて、超音波を送信する。送信された超音波は、応力によって周期的に変形している被検体へ到達し、被検体の内部において反射する。本実施形態では、被検体は動脈血管の血管壁を含み、超音波診断装置201は血管壁の弾性率を求める。動脈血管には心周期に一致した周期で血液が流れるため、血液から受ける応力によって血管壁は周期的に変形する。
受信部103は、被検体から反射するエコーを探触子101によって受信する。具体的には、エコーを探触子101が電気信号に変換し、受信部103は、電気信号を増幅して、受信エコー信号を生成する。また、受信エコー信号をデジタル信号に変換する。
送信部102および受信部103は、好ましくは、遅延時間制御部を含んでおり、駆動信号や受信エコー信号の遅延時間を制御することにより、被検体を走査するように超音波を送信し、所定の位置および方向からの超音波のみを検出する。また、探触子101は複数の超音波振動子が配列されたアレイ振動子を含むことが好ましい。
演算部151は、受信エコー信号を解析することにより、被検体の複数の測定部位の動きを追跡する。そして、被検体中の任意の2つの測定部位間の距離変化である厚さ変化波形を生成する。このために、演算部151は移動波形算出部115と厚さ変化波形算出部116とを含む。移動波形算出部115は、受信エコー信号を受け取って、被検体中に設定した複数の測定部位の位置変化である移動波形を式(1)および(2)にしたがって算出する。厚さ変化波形算出部116は、複数の測定部位から選ばれる2つの間の距離変化を示す厚さ変化波形を2つの測定部位の移動波形の差を求めることによって算出する。
測定部位は、送信する超音波の周波数などによって定まる解像度に応じて、1つの超音波ビーム上に複数設定することができる。したがって、超音波ビームを走査させることによって、2次元に配列された測定部位の各移動波形を取得することができる。
基準波形発生部117は、基準波形を生成する。この基準波形は、厚さ変化波形算出部116において算出する厚さ変化波形の基準となるものである。基準波形は、被検体中の測定対象領域に含まれる異なる組織ごとに用意される。本実施形態では、基準波形はあらかじめ計測などによって求められており、基準波形のデータが基準波形発生部117に設けられた半導体メモリなどの記憶部に記憶されている。
厚さ変化量推定部118は、以下において詳細に説明するように、厚さ変化波形算出部116から得られる厚さ変化波形と基準波形発生部117から得られる各基準波形とを比較することによって、厚さ変化波形の最大厚さ変化量を算出し、またこれら2つの波形がどの程度一致しているかを示す指標を算出する。より具体的には、厚さ変化量推定部118は、厚さ変化波形および基準波形の一方と、係数を乗じた他方との整合残差が最小となるように係数およびその係数を用いた場合の整合残差とを算出する。そして、係数および基準波形の振幅から厚さ変化波形の最大厚さ変化量を算出する。算出した各基準波形を用いた場合における最大厚さ変化量と整合残差とは組織判定部172へ出力される。
組織判定部172は、厚さ変化波形と各基準波形との一致度を示す指標である各基準波形を用いて算出された整合残差に基づいて、厚さ変化波形を与えた2つの測定部位間の組織が被検体中のどの組織であるか判定する。より具体的には、もっとも小さい整合残差が得られた基準波形に対応する組織を厚さ変化波形を与えた2つの測定部位間の組織であると判定する。また、その基準波形を用いて得られた最大厚さ変化量を出力する。
超音波診断装置201は、好ましくは、組織判定部172から出力された最大厚さ変化量から弾性率を算出する弾性率算出部120をさらに備える。弾性率算出部120は、血圧計119など被検体に加えられた応力に関する情報を受け取る。たとえば、血圧計から、最高血圧と最低血圧との血圧差ΔPを受け取る。そして、式(6)にしたがって、血圧差ΔPと最大厚さ変化量ΔWとから弾性率Erを求める。ここで基準厚さWsは、厚さ変化波形を求めた2つの測定部位間の距離(たとえば400μm)であり、厚さ変化波形算出部116で選択した2つの測定部位の位置に応じて、あらかじめ設定される。このようにして、被検体の弾性率を求めることができる。
求めた弾性率は被検体の断層画像とともに表示することが好ましい。これにより、測定部位の位置を分りやすく示すことができるからである。このために、超音波診断装置201は、断層画像生成部104と、画像処理部105と、画像表示部106とをさらに備えていることが好ましい。断層画像生成部104は、フィルタおよび振幅検出器を含み、受信部103から受け取った受信エコー信号の振幅を主として解析し、被検体の内部の構造を画像化した断層画像の画像信号を生成する。
画像処理部105は、画像信号および弾性率算出部120から得られた弾性率のデータを受け取って、求めた弾性率が断層画像上の適切な位置にマッピングされるように、画像信号と弾性率のデータとを合成する。このとき、組織判定部172から、測定部位がどの組織であるかを判定した結果を受け取り、判定結果に基づき、弾性率を表示する。たとえば、組織ごとに異なる色を用い、弾性率の値に応じた階調(輝度)で弾性率を表示する。これにより、弾性率を精度よく求めることが可能となり、かつ、所定の色で示された弾性率の領域の位置を被検体中で特定することが容易となる。したがって、画像表示部106に示された弾性率に基づき、信頼性の高い診断を行うことができる。
次に、本発明の要部である基準波形発生部117、厚さ変化量推定部118および組織判定部172および画像処理部105の動作をさらに詳しく説明する。まず、本実施形態において測定対象とする被検体を説明する。図2は、被検体に含まれる動脈血管の断面を模式的に示している。図2に示すように、動脈血管をその軸を含む平面で切断した断面には、血管腔40を挟むように血管壁30’、30が見られる。血管壁30’、30を区別する場合には、被検体の表面に近い血管壁30’を血管前壁と呼び、他方を血管後壁30と呼ぶ。血管壁30’、30は同心円状に異なる組織が分布した3層構造を備えており、血管腔40に隣接する内膜33、33’最も外側に位置する外膜32、32’およびこれらに挟まれる中膜34、34’を含む。内膜33および中膜34、ならびに、内膜33’および中膜34’をまとめて内中膜複合体31、31’と呼ぶ。本実施形態では、血管壁30’、30の弾性率を測定するため、内膜33、33’、中膜34、34’および外膜32、32’のそれぞれに対応した基準波形を用意する。
図3(a)から(c)は、基準波形発生部117の記憶部に記憶されている基準波形M1(t)からM3(t)をそれぞれ示している。この波形は、あらかじめ、複数の被検者に対し、内膜33、33’、中膜34、34’および外膜32、32’の厚さ変化波形の測定を行い、その一心周期分について平均を求めることによって得られている。血管腔40を流れる血液の圧力によって、血管壁30’、30の内膜33、33’、中膜34、34’および外膜32、32’はそれぞれ周期的に応力を受け、変形する。しかし、内膜33、33’、中膜34、34’および外膜32、32’の各組織の粘性特性および弾性特性は互いに異なるため、図3(a)から(c)に示すように、厚さの変化波形も異なっている。
基準波形M1(t)〜M3(t)の振幅であるΔWは、基準値、たとえば1μmとなるよう正規化されている。複数の被検者から得られたデータを平均化するため、実測したデータであってもノイズの影響等は低減されている。
本実施形態では、上述したように血管壁の弾性率を求めるため、血管壁を構成している内膜33、33’、中膜34、34’および外膜32、32’の厚さ変化波形を基準波形として選択するが、用意する基準波形の数は、測定対象に依存する。また、健常者用基準波形のセット、糖尿病患者用基準波形のセット、動脈硬化患者用基準波形のセットなど、被検者の状態ごとにそれぞれ基準波形のデータを基準波形発生部117の記憶部に記憶しておき、操作者の指示により、用いる基準波形のセットを選択することも可能である。これにより、さらに精密な厚さ変化量の推定が可能となる。
図4は、厚さ変化波形算出部116から得られた測定対象領域内のある2つの測定部位間の厚さ変化波形y(t)を示している。この厚さ変化波形は被検体を実際に計測することによって得られた波形の一心周期分である。tはサンプリング時刻を表しており、サンプリング点数をN個とすると、tはt=0、1、・・・N−1で表される整数である。
厚さ変化量推定部118は、基準波形M1(t)〜M3(t)および厚さ変化波形y(t)を受け取り、厚さ変化波形y(t)の振幅を何倍すると、各基準波形M1(t)〜M3(t)に最も類似するかをそれぞれ最小2乗法により算出する。y(t)に乗じる係数をk1〜k3とし、M1(t)とk1・y(t)との差の2乗をR1とすると、R1は式(7)で表される。
Figure 2007000220
係数k1を変数として式(7)をk1で偏微分し、偏微分した式が0となるとき、2乗差R1は最小となる。
Figure 2007000220
式(8)をk1について解くと、式(9)が得られる。
Figure 2007000220
式(9)により得られる係数k1の値は、測定した厚さ変化波形y(t)をk1倍すると、振幅1μmの基準波形M1(t)との差の2乗が最小となり、2つの波形がもっとも一致することを意味している。したがって、測定した厚さ変化波形y(t)の振幅A1は、以下の式(10)により求められる。
1=1/k1 (μm) (10)
厚さ変化量推定部118は、さらに式(9)で求めたk1の値を式(7)へ代入し、R1を求める。k1は2乗差R1が最小となるように定められているので、このときのR1をR1mとする。つまり、以下の式(11)によってR1mを求める。
Figure 2007000220
1mは、基準波形M1(t)と係数k1を乗じた厚さ変化波形y(t)との整合残差を示している。
なお、上述の演算と同様に、基準波形M1(t)の振幅を何倍すれば実際の厚さ変化波形y(t)に近づくかを算出してもよい。この場合、基準波形M1(t)に乗ずる係数をk’1とし、残差をR’1とすれば、以下の式(12)で示される。
Figure 2007000220
R’1をk’1で偏微分した値を0と置き(式(12))、係数k’1について解くと式(13)が得られる。
Figure 2007000220
Figure 2007000220
この場合には、係数k’1は、振幅1μmの基準波形をk’1倍すると、実測の厚さ変化波形y(t)との差の2乗が最小となり、2つの波形がもっとも一致することを意味している。したがって厚さ変化波形y(t)の振幅A’は式(15)により求められる。
A’1=k’1 (μm) (15)
また、整合残差R’1mは以下の式(16)によって求められる。
Figure 2007000220
基準波形M1(t)およびM2(t)についても、式(9)〜(11)を用いて、同様に、係数k2、k3、振幅A2、A3および整合残差R2m、R3mを求める。上述したように係数k’2、k’3、振幅A’2、A’3および整合残差R’2m、R’3mを求めてもよい。
このようにして、厚さ変化量推定部118は、基準波形M1(t)〜M3(t)および厚さ変化波形y(t)を受け取り、式(9)〜(11)を用いて、基準波形M1(t)〜〜M3(t)と厚さ変化波形y(t)の整合残差が最小となる場合に求められる振幅A1〜A3および整合残差R1m〜R3mを算出し、これらを組織判定部172へ出力する。
ここで、基準波形M1(t)〜M3(t)と厚さ変化波形y(t)との比較によりなぜ最大厚さ変化量が求められるかを説明する。図5は、弾性率が異なる血管壁から得られる厚さ変化波形y0(t)およびy1(t)の一心周期分を模式的に示している。図5に示すように、弾性率が異なることによって、振幅が相違しているが、2つの厚さ変化波形の時間軸方向の変化は一致している。これは被検体が受ける応力変化である血圧の変化、あるいは、心臓の鼓動の様子は、理想的にはほぼ一定であることを意味している。ただし、前述したように組織によって粘性特性および弾性特性が異なるため、厚さ変化波形の時間軸方向の変化は、組織ごとに異なる。言い換えれば、同じ組織であれば、計測によって得られた厚さ変化波形と基準波形とは、弾性率の相違による振幅の差異が生じていても厚さ変化波形の時間軸方向の変化は一致する。
図5に示すように、従来の方法によれば、厚さ変化波形の最大厚さ変化量を求める場合、厚さ変化波形の最大値Wmaxおよび最小値Wminを求める必要があった。これに対し、本発明では、厚さ変化波形と基準波形との整合性を解析することによって最大厚さ変化量を推定する。上述したように、弾性率の違いによって厚さ変化波形振幅のみが異なると仮定した場合において、一心周期分の厚さ変化波形から最大厚さ変化量を推定することを意味している。
図5の厚さ変化波形y0(t)において示しているように、厚さ変化波形の最大値Wmaxおよび最小値Wminは、厚さ変化波形y0(t)のそれぞれ一点で定まるものである。しかし、厚さ変化波形の最大値Wmaxおよび最小値Wminの間の傾斜部分a1、a2およびa3の傾きは、最大値Wmaxおよび最小値Wminに応じて変化する。つまり、傾斜部分a1、a2およびa3の傾きは、最大値Wmaxおよび最小値Wminに関する情報を含んでいる。このため、厚さ変化波形にノイズが重畳することによって、最大値Wmaxや最小値Wminが正しく得られない場合であっても、厚さ変化波形の形状が著しく変形するほどにノイズが重畳しない限り、傾斜部分a1、a2およびa3を含む厚さ変化波形から最大厚さ変化量を推定することが可能となる。したがって、本発明によれば、突発的に混入するようなスパイク状ノイズなどのノイズの影響を受けにくく、高い精度で最大厚さ変化量あるいは弾性率を求めることが可能となる。
なお、上述の説明から明らかなように傾斜部分a1、a2およびa3にそれぞれ最大値Wmaxや最小値Wminの情報が含まれているため、厚さ変化波形の一心周期の一部を用いても、従来よりもノイズの影響が低減された最大厚さ変化量を推定することができる。ただし、選択する区間が長いほど推定する最大厚さ変化量の精度が高まるため、厚さ変化波形の一心周期全体を用いて基準波形と比較し、最大厚さ変化量を求めることが最も好ましい。このことは、式(14)を用いて以下のように説明できる。厚さ変化波形y(t)を厚さ変化s(t)とノイズn(t)の和で表すと式(14)は以下のように表すことができる。
Figure 2007000220
ノイズn(t)がスパイクノイズやランダムノイズである場合、加算区間が長いほど式(9’)の分子の第2項は第1項に比べて小さくなる。したがって、厚さ変化s(t)が基準波形と相似(s(t)=j・M(t))であり、加算区間が十分に長く、式(14’)の第2項が無視できる場合には、式(14’)は以下の式(14’’)と表せる。
Figure 2007000220
したがって、真の係数jを推定できることになる。逆にこのことから、厚さ変化波形の全体を用いて基準波形と比較することによって、ノイズの影響が低減された厚さ変化量を推定できることが分かる。
上述したように、厚さ変化波形の時間軸方向の変化は、組織ごとに異なる。したがって、組織ごとに用意した基準波形を用いて上述の演算によって整合残差を求めた場合、整合残差が最も小さくなる基準波形に対応する組織が、厚さ変化波形が得られた組織であることになる。組織判定部172は、この判定を行う。
図6は、組織判定部172の動作を説明するフローチャートである。組織判定部172は、組織判定動作を開始(ステップ301)後、振幅A1、A2、A3および整合残差R1m、R2m、R3mを受け取る(ステップ302)。あらかじめ振幅A1、A2、A3および整合残差R1m、R2m、R3mを組織判定部172が受け取っており、制御部100からの指令で判定動作を開始してもよい。まず、整合残差R1m、R2m、R3mをそれぞれ所定の閾値RTHと比較する(ステップ303)。整合残差R1m、R2m、R3mのいずれもが閾値RTHよりも大きい場合、厚さ変化波形y(t)は基準波形M1(t)〜M3(t)のいずれにも類似しておらず、厚さ変化波形y(t)が得られた部位の組織は、基準波形M1(t)〜M3(t)に対応する組織のいずれでもないことを意味している。この場合、組織判定部172は、判定結果Sに0を代入し、また、振幅Aに0を代入する(ステップ304)。
一方、整合残差R1m、R2m、R3mの少なくとも1つが閾値RTHよりも小さい場合、整合残差R1m、R2m、R3mの中から最小値を求める。整合残差R1mが最も小さい場合には、厚さ変化波形y(t)は基準波形M1(t)と最も類似しており、厚さ変化波形y(t)が得られた部位の組織は、基準波形M1(t)に対応する組織であることを意味している。したがって、判定結果Sに1を代入し、また、振幅AにA1を代入する。
同様に整合残差R2mが最も小さい場合には、厚さ変化波形y(t)は基準波形M2(t)と最も類似しており、厚さ変化波形y(t)が得られた部位の組織は、基準波形M2(t)に対応する組織であることを意味している。したがって、判定結果Sに2を代入し、また、振幅AにA2を代入する。整合残差R3mが最も小さい場合には、厚さ変化波形y(t)は基準波形M3(t)と最も類似しており、厚さ変化波形y(t)が得られた部位の組織は、基準波形M3(t)に対応する組織であることを意味している。したがって、判定結果Sに3を代入し、また、振幅AにA3を代入する。これにより組織判定部172における判定を終了する(ステップ306)。弾性率の測定が2次元で行われる場合には、2次元マトリクスの各点について、判定を行う。
組織判定部172は、これらの判定結果を弾性率算出部120および画像処理部105へ出力する。具体的には、A1、A2、A3または0が代入された振幅Aを弾性率算出部120へ出力し、0、1、2または3が代入された判定結果Sを画像処理部105へ出力する。
なお、本実施形態では、整合残差R1m、R2m、R3mと所定の閾値RTHとの比較を行った後、最も小さい整合残差R1m、R2m、R3mを特定しているが、先に最も小さい整合残差R1m、R2m、R3mを特定し、最小の整合残差と閾値RTHとを比較してもよい。
弾性率算出部120は、上述したように受け取った振幅Aを最大厚さ変化量ΔWとして弾性率を求める。振幅Aの値が0である場合には、正しい最大厚さ変化量を求められなかったことを意味しているので、弾性率の算出は行わない。正しい弾性率の計算結果と区別し得る数値たとえば0を弾性率として代入しておいてもよい。
画像処理部105は、弾性率算出部120から弾性率を受け取り、組織判定部172から受け取る判定結果Sに基づいて、断層画像生成部104が生成した断層画像上に重畳して弾性率の表示を行うための画像データを生成する。弾性率が算出された測定領域には、その領域がどの組織に該当するかを判定した判定結果Sが対応している。このため、弾性率を二次元マッピング表示する場合には、組織の判定に関する情報と弾性率の値に関する情報を表示することが好ましい。
図7は、組織ごとに異なる色を用い、弾性率の値に応じた輝度で弾性率を表示するよう画像データを画像処理部105で生成し、生成したデータを画像表示部106に表示した一例を示している。画像表示部106には、断層画像生成部104で生成した断層画像50が示されている。断層画像50には、血管腔40、内膜33、中膜34、外膜32および血管外組織41が現れている。図では各組織の境界は明瞭であるが、実際の断層画像50上においては、これらの境界は明瞭でないことが多い。また、内膜33と中膜34とは明瞭に区別して示しているが、内膜33と中膜34とは同程度の輝度で示され、判別しにくいこともある。
断層画像50上には、弾性率の2次元マッピング画像56が重畳されている。2次元マッピング画像56の各領域は、組織ごとに異なる色および弾性率の値に応じた諧調で表示されている。具体的には、領域52の弾性率を算出するために用いた厚さ変化波形から、組織判定部172は、領域52の判定結果Sに1を代入している。つまり、基準波形M1(t)に対応する内膜であると判定している。同様に、領域53および領域54はそれぞれ中膜および外膜であると判定されている。一方、領域51および領域55から得られた厚さ変化波形は、基準波形M1(t)〜M3(t)のいずれとも類似しておらず、判定結果Sには0が代入されている。つまり、領域51および領域55は、内膜、中膜および外膜のいずれの組織でもないと判定されている。このため、たとえば、領域52、53、54に組織の差異を示すため、黄色、赤色、茶色を用い、弾性率の値に応じた輝度で求めた弾性率を表示する。図7に示すように、中膜と判定された領域53において、弾性率の高い領域57が存在している。領域51および領域55は、内膜、中膜および外膜のいずれの組織でもないため、たとえば、灰色で表示する。領域51および領域55では弾性率は求められていない。
また、組織判定部172の判定結果に基づき、特定の組織と判定された領域の弾性率のみを表示してもよい。たとえば、図8に示すように、断層画像50上に重ねられた弾性率の2次元マッピング画像56において、判定結果Sが2であり、中膜と判定された領域53のみが弾性率の値に応じた輝度で表示されている。
図7に示すように、弾性率が組織の種類ごとに色分けされているため、弾性率の高い領域57は中膜内にあることが容易に判別することができる。したがって、断層画像50上においては、組織の境界が明瞭ではなくとも疾病部位を正しく特定することが容易となる。特に、図8に示すように特定の組織の弾性率のみを表示させることによって、より容易に弾性率から疾病部位を特定することが可能となる。また、従来の断層画像では、判別が難しかった血管壁における内膜と中膜との境界あるいは中膜と外膜との境界を特定することも可能となる。
このように、本発明によれば、基準波形と厚さ変化波形と比較することにより最大厚さ変化量を推定する。このため、厚さ変化波形に突発的なノイズなどが重畳しても、より正確な最大厚さ変化量および弾性率を求めることが可能となる。また、算出した弾性率がいずれの組織から得られものであるか判定するため、弾性率の特異な部分が被検体中のどの組織のものであるのかを特定し易い。特に、Bモード画像では判別しにくい組織であっても、弾性率の特異な部分が被検体のどの組織にあるかを特定することが可能となる。
なお、上記各実施形態では、基準波形として、被検体中の任意の2つの測定部位間の距離(厚さ)変化波形を用いているが、被検体中の任意の2つの測定部位間の速度差波形を基準波形として用いても同様の効果が得られる。この場合、あらかじめ複数の被検体から2つの測定部位間の速度差波形を求めてもよいし、血管径変化波形を時間微分することによって速度差波形を求めてもよい。また、血圧波形を時間微分することによって速度差波形を求めてもよい。
本発明の超音波診断装置は、被検体を構成する組織の厚さ変化量、歪み量、弾性特性などの性状特性を測定するのに適している。
本発明による超音波診断装置の実施形態を示すブロック図である。 被検体である血管壁の断面構造を模式的に示す図である。 (a)、(b)および(c)は、血管壁の内膜、中膜および外膜の基準波形をそれぞれ示している。 図1の超音波診断装置の厚さ変化波形算出部から出力される厚さ変化波形を示している。 厚さ変化波形に含まれる情報を説明する図である。 組織判定部の動作を説明するフローチャートである。 画像表示部に表示される弾性率の2次元マッピング画像の一例を示している。 画像表示部に表示される弾性率の2次元マッピング画像の他の例を示している。 超音波エコー信号の位相差から組織の追跡を行う方法を説明する図である。 探触子によって計測される被検体の断面を模式的に示している。 被検体組織の追跡波形から歪み量を求める方法を説明する図である。 厚さ変化波形にノイズが重畳している場合に最大厚さ変化量に誤差が生じることを説明する図である。
符号の説明
12 被検体
31 血管前壁
32 血管腔
33 血管後壁
100 制御部
101 探触子
102 送信部
103 受信部
104 断層画像生成部
105 画像処理部
106 画像表示部
115 移動波形算出部
116 厚さ変化波形算出部
117 基準波形発生部
118 厚さ変化量推定部
119 血圧計
120 弾性率算出部
150 演算部
172 組織判定部
201 超音波診断装置


Claims (15)

  1. 複数の異なる組織を含んでおり、応力によって周期的に変形する被検体へ超音波を送信するために、探触子を駆動する駆動信号を生成する送信部と、
    前記超音波が前記被検体において反射することにより得られるエコーを前記探触子により受信し、受信エコー信号を生成する受信部と、
    前記受信エコー信号に基づいて前記被検体中の任意の2つの測定部位間の距離変化を示す厚さ変化波形を算出する演算部と、
    前記複数の組織にそれぞれ対応した複数の基準波形を生成する基準波形発生部と、
    各基準波形と前記厚さ変化波形とを比較することにより、前記厚さ変化波形と各基準波形とが一致する度合いを示す指標を算出する厚さ変化量推定部と、
    前記指標に基づいて、前記厚さ変化波形を与えた2つの測定部位間の組織が前記複数の組織のいずれに該当するかを判定する組織判定部と、
    を備えた超音波診断装置。
  2. 前記厚さ変化量推定部は、前記厚さ変化波形および前記各基準波形の一方と、係数を乗じた他方との整合残差が最小となるように、前記係数および前記係数を用いた場合の整合残差をそれぞれ算出し、前記係数および前記基準波形の振幅から、各基準波形を用いた場合における厚さ変化波形の最大厚さ変化量を求め、前記組織判定部へ出力する請求項1に記載の超音波診断装置。
  3. 前記厚さ変化量推定部は、前記各整合残差を前記指標として前記組織判定部へ出力し、
    前記組織判定部は、最も小さい整合残差が得られた基準波形に対応する組織を前記厚さ変化波形を与えた2つの測定部位間の組織として判定し、その基準波形を用いて得られた最大厚さ変化量を出力する請求項2に記載の超音波診断装置。
  4. 前記被検体の変形周期において生じる前記応力の応力差の情報および前記組織判定部から出力される最大厚さ変化量に基づいて弾性率を求める弾性率算出部をさらに備える請求項3に記載の超音波診断装置。
  5. 前記基準波形発生部は、前記各基準波形のデータを記憶した記憶部を含む請求項1から4のいずれかに記載の超音波診断装置。
  6. 前記基準波形は、あらかじめ複数の被検体の前記複数の組織から取得した厚さ変化波形を平均したものである請求項5に記載の超音波診断装置。
  7. 前記組織判定部で判定した結果に基づき、前記弾性率を表示するための画像データを生成する画像処理部をさらに含む請求項4に記載の超音波診断装置。
  8. 前記組織判定部は、前記各整合残差が所定の値より大きい場合、前記厚さ変化波形を与えた2つの測定部位間の組織は、前記複数の組織のいずれでもないと判定する請求項3に記載の超音波診断装置。
  9. 超音波診断装置の制御部による超音波診断装置の制御方法であって、
    探触子を駆動して超音波を送信するステップ(A)と、
    複数の異なる組織を含んでおり、応力によって周期的に変形する被検体において前記超音波が反射することにより得られるエコーを前記探触子により受信するステップ(B)と、
    前記受信エコー信号に基づいて前記被検体中の任意の2つの測定部位間の距離変化を示す厚さ変化波形を算出するステップ(C)と、
    前記複数の組織にそれぞれ対応した複数の基準波形を生成するステップ(D)と、
    各基準波形と前記厚さ変化波形とを比較することにより、前記厚さ変化波形と各基準波形とが一致する度合いを示す指標を算出するステップ(E)と、
    前記指標に基づいて、前記厚さ変化波形を与えた2つの測定部位間の組織が前記複数の組織のいずれに該当するかを判定するステップ(F)と、
    を包含する超音波診断装置の制御方法。
  10. 前記ステップ(E)は、前記厚さ変化波形および前記各基準波形の一方と、係数を乗じた他方との整合残差が最小となるように、前記係数および前記係数を用いた場合の整合残差をそれぞれ算出し、前記係数および前記基準波形の振幅から、各基準波形を用いた場合における厚さ変化波形の最大厚さ変化量を求める請求項9に記載の超音波診断装置の制御方法。
  11. 前記ステップ(E)において前記各整合残差を前記指標として出力し、
    前記ステップ(F)は、最も小さい整合残差が得られた基準波形に対応する組織を前記厚さ変化波形を与えた2つの測定部位間の組織として判定し、その基準波形を用いて得られた最大厚さ変化量を出力する請求項10に記載の超音波診断装置の制御方法。
  12. 前記被検体の変形周期において生じる前記応力の応力差の情報および前記ステップ(F)において求めた最大厚さ変化量に基づいて弾性率を求めるステップ(G)をさらに包含する請求項11に記載の超音波診断装置の制御方法。
  13. 前記基準波形は、あらかじめ複数の被検体の前記複数の組織から取得した厚さ変化波形を平均したものである請求項9に記載の超音波診断装置の制御方法。
  14. 前記ステップ(F)における判定した結果に基づき、前記弾性率を表示するための画像データを生成するステップ(H)をさらに包含する請求項12に記載の超音波診断装置の制御方法。
  15. 前記ステップ(F)は、前記各整合残差が所定の値より大きい場合、前記厚さ変化波形を与えた2つの測定部位間の組織は、前記複数の組織のいずれでもないと判定する請求項11に記載の超音波診断装置の制御方法。

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