JP2006304965A - 超音波診断装置 - Google Patents

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和宏 砂川
Yoshinao Sorinaka
由直 反中
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Abstract

【課題】 従来より短時間で動脈壁の弾性率を求めることができる超音波診断装置を提供する。
【解決手段】 超音波診断装置20は、生体の動脈で反射した超音波信号に基づいて求められる動脈の壁の歪量のうち動脈を加振する加振器42による加振に応じた周波数の成分を抽出する帯域制限フィルタ27と、動脈内の血圧値のうち加振に応じた周波数の成分を抽出する帯域制限フィルタ29と、帯域制限フィルタ27によって抽出される周波数を加振に応じた信号である加振信号及び動脈の壁の歪量に基づいて設定するとともに帯域制限フィルタ29によって抽出される周波数を加振信号及び動脈内の血圧値に基づいて設定する周波数解析部30と、帯域制限フィルタ27によって抽出された動脈の壁の歪量の成分及び帯域制限フィルタ29によって抽出された動脈内の血圧値の成分に基づいて動脈の壁の弾性率を演算する弾性率演算部31とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、超音波信号に基づいて生体内の動脈の壁(以下「動脈壁」という。)の弾性率を求める超音波診断装置に関するものである。
生体組織の性状を識別し同定する手段の一つとして、生体組織を構成する弾性繊維、膠原線維、脂肪や血栓等によって弾性率に相違があることを利用して、生体組織に応力が加わったときの生体組織の歪量に基づいて生体組織の弾性率を求める手法が知られている。
例えば、生体組織に応力が加わったときの生体組織の変位を生体組織内に送信した超音波の反射波に基づいて計測し、計測した生体組織の変位に基づいて得られる生体組織の歪量と、生体組織に加わった応力の大きさとに基づいて生体組織の弾性率を求める手法が知られている(例えば、特許文献1、2参照。)。
特開平11−188036号公報 特開平10−5226号公報
しかしながら、従来の手法においては、動脈壁の弾性率を求めるために動脈内の血圧変化値(脈圧)を用いた場合、最低血圧と最高血圧とを計測するために1心拍分の時間(ヒトの場合、約1秒)が必要であるという問題があり、更に加算平均等でSN比を向上させる場合には加算回数に応じて複数心拍分の時間が必要となるという問題がある。
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、従来より短時間で動脈壁の弾性率を求めることができる超音波診断装置を提供することを目的とする。
本発明の超音波診断装置は、生体の動脈で反射した超音波信号に基づいて求められる前記動脈の壁の歪量のうち前記動脈を加振する加振器による前記加振に応じた周波数の成分を抽出する歪量加振成分抽出手段と、前記動脈内の血圧値のうち前記加振に応じた周波数の成分を抽出する血圧値加振成分抽出手段と、前記歪量加振成分抽出手段によって抽出される前記周波数を前記加振に応じた信号である加振信号及び前記歪量に基づいて設定する歪量抽出周波数設定手段と、前記血圧値加振成分抽出手段によって抽出される前記周波数を前記加振信号及び前記血圧値に基づいて設定する血圧値抽出周波数設定手段と、前記歪量加振成分抽出手段によって抽出された前記成分及び前記血圧値加振成分抽出手段によって抽出された前記成分に基づいて前記壁の弾性率を演算する弾性率演算手段とを備えた構成を有している。
この構成により、本発明の超音波診断装置は、動脈壁の歪量のうち加振器による動脈の加振に応じた周波数の成分と、動脈内の血圧値のうち加振器による動脈の加振に応じた周波数の成分とに基づいて動脈壁の弾性率を演算するので、従来より短時間で動脈壁の弾性率を求めることができる。
また、本発明の超音波診断装置は、前記歪量及び前記血圧値の少なくとも一方に対して前記加振の再現性を周波数毎に取得する再現性取得手段を備えた構成を有している。
この構成により、本発明の超音波診断装置は、動脈壁の歪量及び動脈内の血圧値の少なくとも一方に対して、加振器による動脈の加振が安定して再現されているか否かを周波数毎に評価することが可能になる。
また、本発明の超音波診断装置は、前記歪量及び前記血圧値の少なくとも一方と、前記加振との相関性を周波数毎に取得する相関性取得手段を備えた構成を有している。
この構成により、本発明の超音波診断装置は、動脈壁の歪量及び動脈内の血圧値の少なくとも一方に対して、加振器による動脈の加振が影響している度合いを周波数毎に評価することが可能になる。
また、本発明の超音波診断装置は、前記歪量及び前記血圧値の少なくとも一方と、前記加振との間の伝達関数を取得する伝達関数取得手段を備えた構成を有している。
この構成により、本発明の超音波診断装置は、動脈壁の歪量及び動脈内の血圧値の少なくとも一方に対して、加振器による動脈の加振が伝達する状態を伝達関数の振幅特性及び位相特性に基づいて評価することが可能になる。
また、本発明の超音波診断装置の前記弾性率演算手段は、前記歪量加振成分抽出手段によって抽出された前記成分の複数回分の加算平均に基づいて前記弾性率を演算する構成を有している。
この構成により、本発明の超音波診断装置は、動脈壁の歪量のSN比が低い場合であっても、ノイズの影響を抑制した動脈壁の弾性率を求めることができる。
また、本発明の超音波診断装置は、生体の動脈で反射した超音波信号に基づいて求められる前記動脈の径の変化量のうち前記動脈を加振する加振器による前記加振に応じた周波数の成分を抽出する変化量加振成分抽出手段と、前記動脈内の血圧値のうち前記加振に応じた周波数の成分を抽出する血圧値加振成分抽出手段と、前記変化量加振成分抽出手段によって抽出される前記周波数を前記加振に応じた信号である加振信号及び前記変化量に基づいて設定する変化量抽出周波数設定手段と、前記血圧値加振成分抽出手段によって抽出される前記周波数を前記加振信号及び前記血圧値に基づいて設定する血圧値抽出周波数設定手段と、前記変化量加振成分抽出手段によって抽出された前記成分及び前記血圧値加振成分抽出手段によって抽出された前記成分に基づいて前記動脈の壁の弾性率を演算する弾性率演算手段とを備えた構成を有している。
この構成により、本発明の超音波診断装置は、動脈の径の変化量のうち加振器による動脈の加振に応じた周波数の成分と、動脈内の血圧値のうち加振器による動脈の加振に応じた周波数の成分とに基づいて動脈壁の弾性率を演算するので、従来より短時間で動脈壁の弾性率を求めることができる。
また、本発明の超音波診断装置は、前記変化量及び前記血圧値の少なくとも一方に対して前記加振の再現性を周波数毎に取得する再現性取得手段を備えた構成を有している。
この構成により、本発明の超音波診断装置は、動脈の径の変化量及び動脈内の血圧値の少なくとも一方に対して、加振器による動脈の加振が安定して再現されているか否かを周波数毎に評価することが可能になる。
また、本発明の超音波診断装置は、前記変化量及び前記血圧値の少なくとも一方と、前記加振との相関性を周波数毎に取得する相関性取得手段を備えた構成を有している。
この構成により、本発明の超音波診断装置は、動脈の径の変化量及び動脈内の血圧値の少なくとも一方に対して、加振器による動脈の加振が影響している度合いを周波数毎に評価することが可能になる。
また、本発明の超音波診断装置は、前記変化量及び前記血圧値の少なくとも一方と、前記加振との間の伝達関数を取得する伝達関数取得手段を備えた構成を有している。
この構成により、本発明の超音波診断装置は、動脈の径の変化量及び動脈内の血圧値の少なくとも一方に対して、加振器による動脈の加振が伝達する状態を伝達関数の振幅特性及び位相特性に基づいて評価することが可能になる。
また、本発明の超音波診断装置の前記弾性率演算手段は、前記変化量加振成分抽出手段によって抽出された前記成分の複数回分の加算平均に基づいて前記弾性率を演算する構成を有している。
この構成により、本発明の超音波診断装置は、動脈の径の変化量のSN比が低い場合であっても、ノイズの影響を抑制した動脈壁の弾性率を求めることができる。
また、本発明の超音波診断装置の前記弾性率演算手段は、複数回の演算によって求めた複数の前記弾性率を加算平均する構成を有している。
この構成により、本発明の超音波診断装置は、動脈壁の歪量又は動脈の径の変化量のSN比が低い場合であっても、動脈内の血圧値のSN比が低い場合であっても、ノイズの影響を抑制した動脈壁の弾性率を求めることができる。
また、本発明の超音波診断装置の前記弾性率演算手段は、前記生体の1心拍内の各心周期における前記弾性率を演算する構成を有している。
また、本発明の超音波診断システムは、生体の動脈を加振する加振器と、超音波信号に基づいて前記動脈の壁の弾性率を求める超音波診断装置とを備え、前記超音波診断装置は、前記動脈で反射した前記超音波信号に基づいて求められる前記壁の歪量のうち前記加振に応じた周波数の成分を抽出する歪量加振成分抽出手段と、前記動脈内の血圧値のうち前記加振に応じた周波数の成分を抽出する血圧値加振成分抽出手段と、前記歪量加振成分抽出手段によって抽出される前記周波数を前記加振に応じた信号である加振信号及び前記歪量に基づいて設定する歪量抽出周波数設定手段と、前記血圧値加振成分抽出手段によって抽出される前記周波数を前記加振信号及び前記血圧値に基づいて設定する血圧値抽出周波数設定手段と、前記歪量加振成分抽出手段によって抽出された前記成分及び前記血圧値加振成分抽出手段によって抽出された前記成分に基づいて前記壁の弾性率を演算する弾性率演算手段とを備えた構成を有している。
この構成により、本発明の超音波診断システムは、動脈壁の歪量のうち加振器による動脈の加振に応じた周波数の成分と、動脈内の血圧値のうち加振器による動脈の加振に応じた周波数の成分とに基づいて動脈壁の弾性率を演算するので、従来より短時間で動脈壁の弾性率を求めることができる。
また、本発明の超音波診断システムは、生体の動脈を加振する加振器と、超音波信号に基づいて前記動脈の壁の弾性率を求める超音波診断装置とを備え、前記超音波診断装置は、前記動脈で反射した前記超音波信号に基づいて求められる前記動脈の径の変化量のうち前記加振に応じた周波数の成分を抽出する変化量加振成分抽出手段と、前記動脈内の血圧値のうち前記加振に応じた周波数の成分を抽出する血圧値加振成分抽出手段と、前記変化量加振成分抽出手段によって抽出される前記周波数を前記加振に応じた信号である加振信号及び前記変化量に基づいて設定する変化量抽出周波数設定手段と、前記血圧値加振成分抽出手段によって抽出される前記周波数を前記加振信号及び前記血圧値に基づいて設定する血圧値抽出周波数設定手段と、前記変化量加振成分抽出手段によって抽出された前記成分及び前記血圧値加振成分抽出手段によって抽出された前記成分に基づいて前記壁の弾性率を演算する弾性率演算手段とを備えた構成を有している。
この構成により、本発明の超音波診断システムは、動脈の径の変化量のうち加振器による動脈の加振に応じた周波数の成分と、動脈内の血圧値のうち加振器による動脈の加振に応じた周波数の成分とに基づいて動脈壁の弾性率を演算するので、従来より短時間で動脈壁の弾性率を求めることができる。
本発明は、従来より短時間で動脈壁の弾性率を求めることができる超音波診断装置を提供することができるものである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
(第1の実施の形態)
まず、第1の実施の形態に係る超音波診断システムの構成について説明する。
図1及び図2に示すように、本実施の形態に係る超音波診断システム10は、超音波信号を用いて生体80内の動脈90の壁である動脈壁91の弾性率(以下「動脈壁弾性率」という。)を求める超音波診断装置20と、生体80内の最大血圧値(心臓収縮期の血圧値)及び最小血圧値(心臓拡張期の血圧値)を計測可能な血圧計41と、生体80の心拍の周期より短い周期で動脈90を加振するとともに加振に応じた信号である加振信号を出力する加振器42とを備えている。
超音波診断装置20は、超音波振動子21aを有し生体80の体表81に接触させられる超音波プローブ21と、超音波振動子21aを介して超音波信号の送信及び受信を行う送受信部22と、送受信部22によって送信される超音波信号を発生させる送信信号発生部23と、送受信部22によって送信される超音波信号及び送受信部22によって受信される超音波信号に基づいて動脈壁91の歪量(以下「動脈壁歪量」という。)を演算する歪量演算部24と、送受信部22によって送信される超音波信号及び送受信部22によって受信される超音波信号に基づいて動脈90の径の変化量(以下「動脈径変化量」という。)を演算する径変化量演算部25と、血圧計41によって計測された血圧値及び径変化量演算部25によって演算された動脈径変化量に基づいて血圧値を演算する血圧値演算部26と、歪量演算部24によって演算された動脈壁歪量に対して帯域制限を行う帯域制限フィルタ27と、血圧値演算部26によって演算された血圧値に対して帯域制限を行う帯域制限フィルタ29と、歪量演算部24によって演算された動脈壁歪量、径変化量演算部25によって演算された動脈径変化量、血圧値演算部26によって演算された血圧値及び加振器42によって出力される加振信号の周波数解析を行って帯域制限フィルタ27、29の遮断周波数を設定する周波数解析部30と、動脈壁弾性率を演算する弾性率演算手段としての弾性率演算部31と、弾性率演算部31によって演算された動脈壁弾性率を表示する表示部32と、送受信部22、送信信号発生部23、歪量演算部24、径変化量演算部25、血圧値演算部26、帯域制限フィルタ27、帯域制限フィルタ29、周波数解析部30、弾性率演算部31及び表示部32の動作を制御する制御部33とを備えている。
帯域制限フィルタ27、29は、例えばFIR(Finite Impulse Response)フィルタ、IIR(Infinite Impulse Response)フィルタによって、実現されるのが一般的である。
次に、超音波診断システム10の動作について説明する。
超音波診断装置20は、血圧計41が生体80内の血圧値を計測し、加振器42が動脈90を加振している状態で、以下のように動作する。
制御部33は、送信信号発生部23に超音波信号を発生させ、送信信号発生部23によって発生させられた超音波信号を超音波プローブ21の超音波振動子21aを介して送受信部22に送信させる。
超音波振動子21aから送信された超音波信号は、生体80内の組織で反射する。制御部33は、生体80内の組織で反射した超音波信号を超音波プローブ21の超音波振動子21aを介して送受信部22に受信させる。
次いで、制御部33は、動脈壁歪量を演算するよう歪量演算部24に指示する。歪量演算部24は、制御部33から指示を受けると、超音波振動子21aによって送信される超音波信号の音響線21A(図2参照。)上の動脈壁91のうち超音波振動子21aに近い方である動脈前壁92(図2参照。)に対して動脈90の内側に設定された内側計測点92a(図2参照。)の位置変位と、動脈前壁92に対して動脈90の外側に設定された外側計測点92b(図2参照。)の位置変位とを、送受信部22によって送信された超音波信号と、送受信部22によって受信された超音波信号とに基づいて検出する。そして、歪量演算部24は、検出した内側計測点92aの位置変位と、検出した外側計測点92bの位置変位との差を動脈壁歪量として演算する。ここで、歪量演算部24によって演算された動脈壁歪量は、加振器42によって動脈90が図3(a)に示すような周期で加振されているので、生体80の拍動に起因する成分(以下「拍動成分」という。)に、加振器42による動脈90の加振に応じた成分(以下「加振成分」という。)が重畳されて図3(b)に示すようになっている。なお、加振成分は、図3(b)においては部分的にしか示されていないが、加振器42によって動脈90が加振されている間は常に拍動成分に重畳されている。
また、制御部33は、動脈径変化量を演算するよう径変化量演算部25に指示する。径変化量演算部25は、制御部33から指示を受けると、動脈前壁92の内側計測点92aの位置変位と、超音波振動子21aによって送信される超音波信号の音響線21A上の動脈壁91のうち超音波振動子21aから遠い方である動脈後壁93(図2参照。)に対して動脈90の内側に設定された内側計測点93a(図2参照。)の位置変位とを、送受信部22によって送信された超音波信号と、送受信部22によって受信された超音波信号とに基づいて検出する。そして、径変化量演算部25は、検出した動脈前壁92の内側計測点92aの位置変位と、検出した動脈後壁93の内側計測点93aの位置変位との差を動脈径変化量として演算する。ここで、径変化量演算部25によって演算された動脈径変化量は、加振器42によって動脈90が図3(a)に示すような周期で加振されているので、拍動成分に加振成分が重畳されて図3(c)に示すようになっている。なお、加振成分は、図3(c)においては部分的にしか示されていないが、加振器42によって動脈90が加振されている間は常に拍動成分に重畳されている。
次いで、制御部33は、血圧値を演算するよう血圧値演算部26に指示する。血圧値演算部26は、制御部33から指示を受けると、径変化量演算部25によって演算された動脈径変化量に基づいて現時点での血圧値を演算する。即ち、血圧値演算部26は、径変化量演算部25によって演算された動脈径変化量の立ち上がりを基準として心拍を判断し、動脈90の径の最大値及び最小値の差に対する血圧計41によって計測された最大血圧値及び最小血圧値の差(脈圧)の割合(以下「動脈径血圧値変化割合」という。)を何れかの1心拍間において予め求めておき、この動脈径血圧値変化割合と、血圧計41によって予め計測されていた血圧値と、この血圧値が血圧計41によって計測された時点から現時点までの動脈径変化量とに基づいて、現時点での血圧値を演算することができる。ここで、血圧値演算部26によって演算された血圧値は、加振器42によって動脈90が図3(a)に示すような周期で加振されているので、歪量演算部24によって演算された動脈壁歪量や径変化量演算部25によって演算された動脈径変化量と同様に、拍動成分に加振成分が重畳されている。
次いで、制御部33は、帯域制限フィルタ27、29の遮断周波数を設定するよう周波数解析部30に指示する。
周波数解析部30は、制御部33から指示を受けると、加振器42によって出力される加振信号の図4(a)に示すような周波数スペクトルのピークから加振信号の中心周波数を求め、求めた加振信号の中心周波数と、加振信号の周波数スペクトルの半値とに基づいて、中心周波数より低域側の遮断帯域幅と、中心周波数より高域側の遮断帯域幅とを求める。また、周波数解析部30は、歪量演算部24によって演算された動脈壁歪量の図4(b)に実線で示すような周波数スペクトルのピークから動脈壁歪量の中心周波数を求め、求めた動脈壁歪量の中心周波数と、上述した低域側の遮断帯域幅とに基づいて、動脈壁歪量の低域側遮断周波数を求めるとともに、動脈壁歪量の中心周波数と、上述した高域側の遮断帯域幅とに基づいて、動脈壁歪量の高域側遮断周波数を求める。そして、周波数解析部30は、求めた動脈壁歪量の低域側遮断周波数及び高域側遮断周波数を帯域制限フィルタ27の遮断周波数として設定する。即ち、周波数解析部30は、歪量抽出周波数設定手段を構成している。なお、図4(b)に破線で示す周波数スペクトルは、加振器42によって動脈90が加振されていないときの動脈壁歪量の周波数スペクトル、即ち、動脈壁歪量のうち拍動成分の周波数スペクトルである。
また、周波数解析部30は、帯域制限フィルタ27の遮断周波数の設定と同様に、加振器42によって出力される加振信号と、血圧値演算部26によって演算された血圧値とに基づいて求めた血圧値の低域側遮断周波数及び高域側遮断周波数を帯域制限フィルタ29の遮断周波数として設定する。即ち、周波数解析部30は、血圧値抽出周波数設定手段を構成している。
次いで、制御部33は、帯域制限を行うよう帯域制限フィルタ27、29に指示する。
帯域制限フィルタ27は、制御部33から指示を受けると、歪量演算部24によって演算された動脈壁歪量に対して、周波数解析部30によって設定された低域側遮断周波数以下の周波数成分と、周波数解析部30によって設定された高域側遮断周波数以上の周波数成分とを遮断する。したがって、帯域制限フィルタ27は、例えば図3(b)に示すように拍動成分に加振成分が重畳された動脈壁歪量から、拍動成分をほぼ除去して、図3(d)に示すようにほぼ加振成分のみを抽出することができる。即ち、帯域制限フィルタ27は、歪量加振成分抽出手段を構成している。
また、帯域制限フィルタ29は、制御部33から指示を受けると、血圧値演算部26によって演算された血圧値に対して、周波数解析部30によって設定された低域側遮断周波数以下の周波数成分と、周波数解析部30によって設定された高域側遮断周波数以上の周波数成分とを遮断する。したがって、帯域制限フィルタ29は、拍動成分に加振成分が重畳された血圧値から、拍動成分を除去して、ほぼ加振成分のみを抽出することができる。即ち、帯域制限フィルタ29は、血圧値加振成分抽出手段を構成している。
次いで、制御部33は、動脈壁弾性率を演算するよう弾性率演算部31に指示する。弾性率演算部31は、制御部33から指示を受けると、帯域制限フィルタ27によって帯域制限を行った動脈壁歪量と、帯域制限フィルタ29によって帯域制限を行った血圧値とに基づいて、動脈壁弾性率を演算する。
次いで、制御部33は、動脈壁弾性率を表示するよう表示部32に指示する。表示部32は、制御部33から指示を受けると、弾性率演算部31によって演算された動脈壁弾性率を表示する。ここで、表示部32は、一般的な超音波診断装置の基本機能であるBモード断層画像上に動脈壁弾性率を重ねて表示しても良い。また、表示部32は、周波数解析部30で得た周波数スペクトルや、帯域制限フィルタ27、29の制御情報等を制御部33を介して表示しても良い。
以上に説明したように、超音波診断装置20は、動脈壁歪量のうち加振器42による動脈90の加振に応じた周波数の成分と、動脈90内の血圧値のうち加振器42による動脈90の加振に応じた周波数の成分とに基づいて動脈壁91の動脈壁弾性率を演算するので、従来より短時間で動脈壁91の弾性率を求めることができる。
なお、歪量演算部24は、検出した内側計測点92aの位置変位と、検出した外側計測点92bの位置変位との差を動脈壁歪量として演算するようになっているが、他の方法によって動脈壁歪量を演算するようになっていても良い。例えば、歪量演算部24は、動脈前壁92の内側計測点92aと、外側計測点92bとの間に複数の計測点を更に設定し、動脈前壁92の歪量を層状に演算するようになっていても良い。また、歪量演算部24は、内側計測点92aの運動速度と、外側計測点92bの運動速度とを、送受信部22によって送信された超音波信号と、送受信部22によって受信された超音波信号とに基づいて検出し、検出した内側計測点92aの運動速度と、検出した外側計測点92bの運動速度との差の時間積分を動脈壁歪量として演算するようになっていても良い。ここで、生体80内の各計測点の運動速度の検出手法としては、FFT(Fast Fourier Transform)ドプラ法、自己相関法等、一般的に用いられている何れの手法が用いられても良い。
また、径変化量演算部25は、検出した動脈前壁92の内側計測点92aの位置変位と、検出した動脈後壁93の内側計測点93aの位置変位との差を動脈径変化量として演算するようになっているが、他の方法によって動脈径変化量を演算するようになっていても良い。例えば、径変化量演算部25は、動脈前壁92の内側計測点92aの運動速度と、動脈後壁93の内側計測点93aの運動速度とを、送受信部22によって送信された超音波信号と、送受信部22によって受信された超音波信号とに基づいて検出し、検出した動脈前壁92の内側計測点92aの運動速度と、検出した動脈後壁93の内側計測点93aの運動速度との差の時間積分を動脈径変化量として演算するようになっていても良い。
また、径変化量演算部25は、動脈90の内径の変化量を動脈径変化量として演算しているが、動脈90の外径の変化量を動脈径変化量として演算するようになっていても良い。例えば、径変化量演算部25は、動脈前壁92の外側計測点92bの位置変位と、超音波振動子21aによって送信される超音波信号の音響線21A上の動脈壁91のうち超音波振動子21aから遠い方である動脈後壁93に対して動脈90の外側に設定された外側計測点93b(図2参照。)の位置変位とを、送受信部22によって送信された超音波信号と、送受信部22によって受信された超音波信号とに基づいて検出し、検出した動脈前壁92の外側計測点92bの位置変位と、検出した動脈後壁93の外側計測点93bの位置変位との差を動脈90の外径の変化量として演算するようになっていても良い。
また、血圧値演算部26は、径変化量演算部25によって演算された動脈径変化量の立ち上がりを基準として心拍を判断するようになっているが、他の方法によって心拍を判断するようになっていても良い。例えば、血圧値演算部26は、超音波診断装置に一般的に具備されている心電波形計測機能によって計測された心電波形のP波、Q波、R波、S波、T波、U波(図5参照。)の何れかを基準として心拍を判断するようになっていても良い。また、血圧値演算部26は、心音波形を基準として心拍を判断するようになっていても良い。
また、周波数解析部30は、歪量演算部24によって演算された動脈壁歪量、径変化量演算部25によって演算された動脈径変化量、血圧値演算部26によって演算された血圧値のそれぞれに対して加振器42による加振の再現性を周波数毎に取得する再現性取得手段としても機能するようになっていても良い。超音波診断装置20は、周波数解析部30が再現性取得手段としても機能する場合、歪量演算部24によって演算された動脈壁歪量、径変化量演算部25によって演算された動脈径変化量、血圧値演算部26によって演算された血圧値のそれぞれに対して、加振器42による動脈90の加振が安定して再現されているか否かを周波数毎に評価することが可能になる。なお、周波数毎の再現性を求める手法として、再現性評価関数を用いる手法が一般的に知られている。
また、周波数解析部30は、歪量演算部24によって演算された動脈壁歪量、径変化量演算部25によって演算された動脈径変化量、血圧値演算部26によって演算された血圧値のそれぞれと、加振器42による加振との相関性を周波数毎に取得する相関性取得手段としても機能するようになっていても良い。超音波診断装置20は、周波数解析部30が相関性取得手段としても機能する場合、歪量演算部24によって演算された動脈壁歪量、径変化量演算部25によって演算された動脈径変化量、血圧値演算部26によって演算された血圧値のそれぞれに対して、加振器42による動脈90の加振が影響している度合いを周波数毎に評価することが可能になる。なお、周波数毎の相関性を求める手法として、コヒーレンス関数を用いる手法が一般的に知られている。
また、周波数解析部30は、歪量演算部24によって演算された動脈壁歪量、径変化量演算部25によって演算された動脈径変化量、血圧値演算部26によって演算された血圧値のそれぞれと、加振器42による加振との間の伝達関数を取得する伝達関数取得手段としても機能するようになっていても良い。超音波診断装置20は、周波数解析部30が伝達関数取得手段としても機能する場合、歪量演算部24によって演算された動脈壁歪量、径変化量演算部25によって演算された動脈径変化量、血圧値演算部26によって演算された血圧値のそれぞれに対して、加振器42による動脈90の加振が伝達する状態を伝達関数の振幅特性及び位相特性に基づいて評価することが可能になる。
また、周波数解析部30は、周波数スペクトルの半値幅によって遮断帯域幅を設定するようになっているが、他の手法によって遮断帯域幅を設定するようになっていても良い。例えば、周波数解析部30は、遮断帯域幅を任意に設定するようになっていても良い。
また、弾性率演算部31は、複数回の演算によって求めた複数の動脈壁弾性率を加算平均するようになっていても良い。弾性率演算部31は、複数回の演算によって求めた複数の動脈壁弾性率を加算平均するようになっている場合、歪量演算部24によって演算された動脈壁歪量と、血圧値演算部26によって演算された血圧値との少なくとも一方のSN比が低い場合であっても、ノイズの影響を抑制した動脈壁弾性率を求めることができる。例えば、弾性率演算部31は、生体80の心拍毎に演算した複数の動脈壁弾性率を加算平均することによって、生体80の各心拍間で再現性のないノイズ成分を除去した動脈壁弾性率を求めることができる。また、弾性率演算部31は、加振器42による加振毎に演算した複数の動脈壁弾性率を加算平均することによって、加振器42による各加振間で再現性のないノイズ成分を除去した動脈壁弾性率を求めることができる。
また、弾性率演算部31は、歪量演算部24によって演算された動脈壁歪量のうち帯域制限フィルタ27によって抽出された成分の複数回分の加算平均に基づいて動脈壁弾性率を演算するようになっていても良い。弾性率演算部31は、歪量演算部24によって演算された動脈壁歪量のうち帯域制限フィルタ27によって抽出された成分の複数回分の加算平均に基づいて動脈壁弾性率を演算するようになっている場合、歪量演算部24によって演算された動脈壁歪量のSN比が低い場合であっても、ノイズの影響を抑制した動脈壁弾性率を求めることができる。
また、弾性率演算部31は、生体80の1心拍内の各心周期(即ち、充満期、緊張期、駆出期及び弛緩期)における動脈壁弾性率を演算するようになっていても良い。
(第2の実施の形態)
まず、第2の実施の形態に係る超音波診断システムの構成について説明する。
なお、本実施の形態に係る超音波診断システムの構成のうち第1の実施の形態に係る超音波診断システム10(図1参照。)の構成と同様な構成については、超音波診断システム10の構成と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図6に示すように、本実施の形態に係る超音波診断システム50の構成は、超音波信号を用いて動脈壁弾性率を求める超音波診断装置60を超音波診断装置20(図1参照。)に代えて超音波診断システム10が備えた構成と同様である。
超音波診断装置60の構成は、径変化量演算部25によって演算された動脈径変化量に対して帯域制限を行う帯域制限フィルタ61を歪量演算部24(図1参照。)及び帯域制限フィルタ27(図1参照。)に代えて超音波診断装置20が備えた構成と同様である。
帯域制限フィルタ61は、例えばFIRフィルタ、IIRフィルタによって、実現されるのが一般的である。
次に、超音波診断システム50の動作について説明する。
超音波診断装置60は、血圧計41が生体80内の血圧値を計測し、加振器42が動脈90を加振している状態で、以下のように動作する。
制御部33は、送信信号発生部23に超音波信号を発生させ、送信信号発生部23によって発生させられた超音波信号を超音波プローブ21の超音波振動子21aを介して送受信部22に送信させる。
超音波振動子21aから送信された超音波信号は、生体80内の組織で反射する。制御部33は、生体80内の組織で反射した超音波信号を超音波プローブ21の超音波振動子21aを介して送受信部22に受信させる。
次いで、制御部33は、動脈径変化量を演算するよう径変化量演算部25に指示する。径変化量演算部25は、制御部33から指示を受けると、第1の実施の形態と同様に、動脈径変化量を演算する。
次いで、制御部33は、血圧値を演算するよう血圧値演算部26に指示する。血圧値演算部26は、制御部33から指示を受けると、第1の実施の形態と同様に、血圧値を演算する。
次いで、制御部33は、帯域制限フィルタ29、61の遮断周波数を設定するよう周波数解析部30に指示する。
周波数解析部30は、制御部33から指示を受けると、第1の実施の形態と同様に、血圧値の低域側遮断周波数及び高域側遮断周波数を帯域制限フィルタ29の遮断周波数として設定する。
また、周波数解析部30は、帯域制限フィルタ29の遮断周波数の設定と同様に、加振器42によって出力される加振信号と、径変化量演算部25によって演算された動脈径変化量とに基づいて求めた動脈径変化量の低域側遮断周波数及び高域側遮断周波数を帯域制限フィルタ61の遮断周波数として設定する。即ち、周波数解析部30は、変化量抽出周波数設定手段を構成している。
次いで、制御部33は、帯域制限を行うよう帯域制限フィルタ29、61に指示する。
帯域制限フィルタ29は、制御部33から指示を受けると、第1の実施の形態と同様に、血圧値演算部26によって演算された血圧値に対して、周波数解析部30によって設定された低域側遮断周波数以下の周波数成分と、周波数解析部30によって設定された高域側遮断周波数以上の周波数成分とを遮断する。したがって、帯域制限フィルタ29は、拍動成分に加振成分が重畳された血圧値から、拍動成分を除去して、ほぼ加振成分のみを抽出することができる。
また、帯域制限フィルタ61は、制御部33から指示を受けると、径変化量演算部25によって演算された動脈径変化量に対して、周波数解析部30によって設定された低域側遮断周波数以下の周波数成分と、周波数解析部30によって設定された高域側遮断周波数以上の周波数成分とを遮断する。したがって、帯域制限フィルタ61は、例えば図3(c)に示すように拍動成分に加振成分が重畳された動脈径変化量から、拍動成分をほぼ除去して、ほぼ加振成分のみを抽出することができる。即ち、帯域制限フィルタ61は、変化量加振成分抽出手段を構成している。
次いで、制御部33は、動脈壁弾性率を演算するよう弾性率演算部31に指示する。弾性率演算部31は、制御部33から指示を受けると、帯域制限フィルタ61によって帯域制限を行った動脈径変化量と、帯域制限フィルタ29によって帯域制限を行った血圧値とに基づいて、動脈壁弾性率を演算する。
次いで、制御部33は、動脈壁弾性率を表示するよう表示部32に指示する。表示部32は、制御部33から指示を受けると、弾性率演算部31によって演算された動脈壁弾性率を表示する。
以上に説明したように、超音波診断装置60は、動脈径変化量のうち加振器42による動脈90の加振に応じた周波数の成分と、動脈90内の血圧値のうち加振器42による動脈90の加振に応じた周波数の成分とに基づいて動脈壁91の動脈壁弾性率を演算するので、従来より短時間で動脈壁91の弾性率を求めることができる。
なお、弾性率演算部31は、径変化量演算部25によって演算された動脈径変化量のうち帯域制限フィルタ61によって抽出された成分の複数回分の加算平均に基づいて動脈壁弾性率を演算するようになっていても良い。弾性率演算部31は、径変化量演算部25によって演算された動脈径変化量のうち帯域制限フィルタ61によって抽出された成分の複数回分の加算平均に基づいて動脈壁弾性率を演算するようになっている場合、径変化量演算部25によって演算された動脈径変化量のSN比が低い場合であっても、ノイズの影響を抑制した動脈壁弾性率を求めることができる。
(第3の実施の形態)
まず、第3の実施の形態に係る超音波診断システムの構成について説明する。
なお、本実施の形態に係る超音波診断システムの構成のうち第1の実施の形態に係る超音波診断システム10(図1参照。)や、第2の実施の形態に係る超音波診断システム50(図6参照。)の構成と同様な構成については、超音波診断システム10や、超音波診断システム50の構成と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
本実施の形態に係る超音波診断システムの構成は、超音波信号を用いて動脈壁弾性率を求める超音波診断装置を、超音波診断装置20(図1参照。)に代えて超音波診断システム10が備えた構成や、超音波診断装置60(図6参照。)に代えて超音波診断システム50が備えた構成と同様である。
本実施の形態に係る超音波診断装置の構成は、図7に示すように、複数の超音波振動子121aを有し生体80の体表81に接触させられる超音波プローブ121を超音波プローブ21(図2参照。)に代えて超音波診断装置20や、超音波診断装置60が備えた構成と同様である。
次に、本実施の形態に係る超音波診断システムの動作について説明する。
なお、本実施の形態に係る超音波診断システムは、以下の動作を除いて、第1の実施の形態に係る超音波診断システム10(図1参照。)や、第2の実施の形態に係る超音波診断システム50(図6参照。)と同様に動作する。
超音波プローブ121は、複数の超音波振動子121aが動脈90の延在方向に配列されるように、生体80の体表81に接触させられる。
送受信部22は、送信信号発生部23によって発生させられた超音波信号が動脈90の延在方向に走査するように、超音波プローブ121の複数の超音波振動子121aを介して超音波信号を送信し、生体80内の組織で反射した超音波信号を超音波プローブ121の複数の超音波振動子121aを介して受信する。
径変化量演算部25は、第1の実施の形態や、第2の実施の形態と同様に、動脈90のうち超音波振動子121aによって送信される超音波信号の音響線121A上の箇所の動脈径変化量を、送受信部22によって送信された超音波信号と、送受信部22によって受信された超音波信号とに基づいて演算する。即ち、径変化量演算部25は、複数の超音波振動子121aのそれぞれに対応する動脈90の延在方向の複数箇所の動脈径変化量を演算する。
また、血圧値演算部26は、第1の実施の形態や、第2の実施の形態と同様に、動脈90のうち超音波振動子121aによって送信される超音波信号の音響線121A上の箇所の動脈径血圧値変化割合を求める。即ち、血圧値演算部26は、複数の超音波振動子121aのそれぞれに対応する動脈90の延在方向の複数箇所の動脈径血圧値変化割合を求める。そして、血圧値演算部26は、複数箇所の動脈径血圧値変化割合の平均値と、血圧計41によって予め計測されていた血圧値と、この血圧値が血圧計41によって計測された時点から現時点までの動脈径変化量とに基づいて、現時点での血圧値を演算する。
以上に説明したように、本実施の形態に係る超音波診断装置は、動脈90の形状や組織性状等の要因によって動脈90の延在方向の複数箇所の動脈径変化量にばらつきが生じる場合であっても、血圧値演算部26によって血圧値を最適に演算することができる。
なお、血圧値演算部26は、複数箇所の動脈径血圧値変化割合の平均値に基づいて血圧値を演算するのではなく、複数箇所の動脈径血圧値変化割合の最大値及び最小値の何れか一方と、血圧計41によって予め計測されていた血圧値と、この血圧値が血圧計41によって計測された時点から現時点までの動脈径変化量とに基づいて、現時点での血圧値を演算するようになっていても、同様に血圧値を最適に演算することができる。
また、血圧値演算部26は、複数箇所の動脈径血圧値変化割合の平均値に基づいて血圧値を演算するのではなく、複数箇所の動脈径血圧値変化割合の最小二乗値と、血圧計41によって予め計測されていた血圧値と、この血圧値が血圧計41によって計測された時点から現時点までの動脈径変化量とに基づいて、現時点での血圧値を演算するようになっていても、同様に血圧値を最適に演算することができる。
以上のように、本発明に係る超音波診断装置は、従来より短時間で動脈壁の弾性率を求めることができるという効果を有し、超音波信号に基づいて生体内の動脈壁の弾性率を求める超音波診断装置等として有用である。
本発明の第1の実施の形態に係る超音波診断システムのブロック図 図1に示す超音波診断装置の超音波プローブと、生体の動脈との模式図 (a)図1に示す加振器によって出力される加振信号を示す図 (b)図1に示す歪量演算部によって演算される動脈壁歪量を示す図 (c)図1に示す径変化量演算部によって演算される動脈径変化量を示す図 (d)図1に示す帯域制限フィルタによって抽出された動脈壁歪量の成分を示す図 (a)図1に示す加振器によって出力される加振信号の周波数スペクトルを示す図 (b)図1に示す歪量演算部によって演算される動脈壁歪量の周波数スペクトルを示す図 図1に示す超音波診断装置の心電波形計測機能によって計測された心電波形を示す図 本発明の第2の実施の形態に係る超音波診断システムのブロック図 本発明の第3の実施の形態に係る超音波診断システムの超音波診断装置の超音波プローブと、生体の動脈との模式図
符号の説明
10 超音波診断システム
20 超音波診断装置
27 帯域制限フィルタ(歪量加振成分抽出手段)
29 帯域制限フィルタ(血圧値加振成分抽出手段)
30 周波数解析部(歪量抽出周波数設定手段、血圧値抽出周波数設定手段、再現性取得手段、相関性取得手段、伝達関数取得手段、変化量抽出周波数設定手段)
31 弾性率演算部(弾性率演算手段)
42 加振器
50 超音波診断システム
60 超音波診断装置
61 帯域制限フィルタ(変化量加振成分抽出手段)
80 生体
90 動脈
91 動脈壁(壁)

Claims (14)

  1. 生体の動脈で反射した超音波信号に基づいて求められる前記動脈の壁の歪量のうち前記動脈を加振する加振器による前記加振に応じた周波数の成分を抽出する歪量加振成分抽出手段と、前記動脈内の血圧値のうち前記加振に応じた周波数の成分を抽出する血圧値加振成分抽出手段と、前記歪量加振成分抽出手段によって抽出される前記周波数を前記加振に応じた信号である加振信号及び前記歪量に基づいて設定する歪量抽出周波数設定手段と、前記血圧値加振成分抽出手段によって抽出される前記周波数を前記加振信号及び前記血圧値に基づいて設定する血圧値抽出周波数設定手段と、前記歪量加振成分抽出手段によって抽出された前記成分及び前記血圧値加振成分抽出手段によって抽出された前記成分に基づいて前記壁の弾性率を演算する弾性率演算手段とを備えたことを特徴とする超音波診断装置。
  2. 前記歪量及び前記血圧値の少なくとも一方に対して前記加振の再現性を周波数毎に取得する再現性取得手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
  3. 前記歪量及び前記血圧値の少なくとも一方と、前記加振との相関性を周波数毎に取得する相関性取得手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
  4. 前記歪量及び前記血圧値の少なくとも一方と、前記加振との間の伝達関数を取得する伝達関数取得手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
  5. 前記弾性率演算手段は、前記歪量加振成分抽出手段によって抽出された前記成分の複数回分の加算平均に基づいて前記弾性率を演算することを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
  6. 生体の動脈で反射した超音波信号に基づいて求められる前記動脈の径の変化量のうち前記動脈を加振する加振器による前記加振に応じた周波数の成分を抽出する変化量加振成分抽出手段と、前記動脈内の血圧値のうち前記加振に応じた周波数の成分を抽出する血圧値加振成分抽出手段と、前記変化量加振成分抽出手段によって抽出される前記周波数を前記加振に応じた信号である加振信号及び前記変化量に基づいて設定する変化量抽出周波数設定手段と、前記血圧値加振成分抽出手段によって抽出される前記周波数を前記加振信号及び前記血圧値に基づいて設定する血圧値抽出周波数設定手段と、前記変化量加振成分抽出手段によって抽出された前記成分及び前記血圧値加振成分抽出手段によって抽出された前記成分に基づいて前記動脈の壁の弾性率を演算する弾性率演算手段とを備えたことを特徴とする超音波診断装置。
  7. 前記変化量及び前記血圧値の少なくとも一方に対して前記加振の再現性を周波数毎に取得する再現性取得手段を備えたことを特徴とする請求項6に記載の超音波診断装置。
  8. 前記変化量及び前記血圧値の少なくとも一方と、前記加振との相関性を周波数毎に取得する相関性取得手段を備えたことを特徴とする請求項6に記載の超音波診断装置。
  9. 前記変化量及び前記血圧値の少なくとも一方と、前記加振との間の伝達関数を取得する伝達関数取得手段を備えたことを特徴とする請求項6に記載の超音波診断装置。
  10. 前記弾性率演算手段は、前記変化量加振成分抽出手段によって抽出された前記成分の複数回分の加算平均に基づいて前記弾性率を演算することを特徴とする請求項6に記載の超音波診断装置。
  11. 前記弾性率演算手段は、複数回の演算によって求めた複数の前記弾性率を加算平均することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の超音波診断装置。
  12. 前記弾性率演算手段は、前記生体の1心拍内の各心周期における前記弾性率を演算することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の超音波診断装置。
  13. 生体の動脈を加振する加振器と、超音波信号に基づいて前記動脈の壁の弾性率を求める超音波診断装置とを備え、
    前記超音波診断装置は、前記動脈で反射した前記超音波信号に基づいて求められる前記壁の歪量のうち前記加振に応じた周波数の成分を抽出する歪量加振成分抽出手段と、前記動脈内の血圧値のうち前記加振に応じた周波数の成分を抽出する血圧値加振成分抽出手段と、前記歪量加振成分抽出手段によって抽出される前記周波数を前記加振に応じた信号である加振信号及び前記歪量に基づいて設定する歪量抽出周波数設定手段と、前記血圧値加振成分抽出手段によって抽出される前記周波数を前記加振信号及び前記血圧値に基づいて設定する血圧値抽出周波数設定手段と、前記歪量加振成分抽出手段によって抽出された前記成分及び前記血圧値加振成分抽出手段によって抽出された前記成分に基づいて前記壁の弾性率を演算する弾性率演算手段とを備えたことを特徴とする超音波診断システム。
  14. 生体の動脈を加振する加振器と、超音波信号に基づいて前記動脈の壁の弾性率を求める超音波診断装置とを備え、
    前記超音波診断装置は、前記動脈で反射した前記超音波信号に基づいて求められる前記動脈の径の変化量のうち前記加振に応じた周波数の成分を抽出する変化量加振成分抽出手段と、前記動脈内の血圧値のうち前記加振に応じた周波数の成分を抽出する血圧値加振成分抽出手段と、前記変化量加振成分抽出手段によって抽出される前記周波数を前記加振に応じた信号である加振信号及び前記変化量に基づいて設定する変化量抽出周波数設定手段と、前記血圧値加振成分抽出手段によって抽出される前記周波数を前記加振信号及び前記血圧値に基づいて設定する血圧値抽出周波数設定手段と、前記変化量加振成分抽出手段によって抽出された前記成分及び前記血圧値加振成分抽出手段によって抽出された前記成分に基づいて前記壁の弾性率を演算する弾性率演算手段とを備えたことを特徴とする超音波診断システム。
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