JPWO2011078109A1 - トラック車輌用の空調制御装置、トラック車輌、車輌、及びその制御装置 - Google Patents

トラック車輌用の空調制御装置、トラック車輌、車輌、及びその制御装置 Download PDF

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Abstract

運転室内の室温を調整する空調装置を備えた運転車輌と、この運転車輌に連結され積載物収容部を覆う荷台ボディを有する荷台と、この荷台ボディに設けられた太陽電池パネルとを備えるトラック車輌用の空調制御装置であって、前記太陽電池パネルの発電力、又は日射量を求める検出手段と、前記空調装置に用意された複数の運転モードの夫々における要求電力と、前記太陽電池パネルの発電電力、又は日射量とに基づいて、前記太陽電池パネルの発電電力で運転可能な前記空調装置の運転モードを決定する決定手段とを含むトラック車輌用の空調制御装置である。上記の構成により、可能な限り太陽電池の発電電力のみでトラック車輌用の空調装置を運転可能とすることができるという効果を奏する。

Description

本発明は、荷台に設けられた太陽電池パネルで発電される電気エネルギーにより運転室の空調装置を駆動する太陽電池を搭載したトラック車輌用の空調制御装置及びトラック車輌に関する。
また、本発明は、荷台に設けられた太陽電池パネルで発電される電気エネルギーにより、冷凍機等の車載装置を駆動させる太陽電池パネルを搭載した車輌及びその制御装置に関する。
トラックの運転者は長距離を運転するために、運転室内で仮眠や休憩をとることが多く、仮眠、休憩中は空調装置によって室内温度を調整している。また納品待ちの停車中も同様である。その間、エンジンをアイドリングしてコンプレッサを稼働し、空調装置を駆動している。しかし、空調装置を駆動するためだけにエンジンをアイドリングすることは、燃料が相当程度無駄に消費されることとなり、また、二酸化炭素や排気ガスによる環境負荷も大きい。
また、トラックは走行中も長時間に亘り空調装置によって室内温度を調整しており、空調の冷媒圧縮用コンプレッサを稼働させるために相当程度の燃料が消費されていることも環境負荷や経済性に影響を与えている。
また、トラック車輌に搭載された空調装置は、通常、エンジン動力により駆動されるので、走行用の燃料に加えて空調装置の駆動用の燃料が要求される。近年の環境配慮車輌としてのHEV、EVでは、空調装置はバッテリやオルタネータから供給される電力を消費して駆動するものが知られている。バッテリに対する充電、オルタネータによる発電は、いずれもエンジンで燃料を消費することにより行われている。
そこで、トラック車輌の荷台に太陽電池パネルを設け、太陽電池パネルで発電された電気エネルギーで運転室の空調装置を駆動するシステムが提案されている(特許文献1参照)。特許文献1記載の技術では、荷台に設けた太陽電池パネルによって発電された電気エネルギーが蓄電池に充電され、停車時は蓄電池によって空調装置が駆動される。
また、車両用空調装置の分野においては、以下の技術がある。すなわち、バッテリの充電量が設定値に満たないとき、及び、充電量に余裕がなく発電電力が必要最少電力量に達していないときには、充電モードが選択され、太陽電池の発電電力がバッテリへ供給され充電が行われる。充電量が設定値を超え、発電電力が必要最少電力量より大きければ、発電電力をエアコンへ供給する。このとき、バッテリの充電量に余裕があれば、バッテリの電力をエアコンへ供給可能として、換気モードによる駐車換気が行われる(特許文献2参照)。
また、荷台に冷凍庫を有するトラックにおいて、荷台に太陽電池パネルを設け、太陽電池パネルで発電された電気エネルギーが、エンジンによる冷凍システムの駆動よりも優先して冷凍システムの駆動に利用される制御方法が提案されている(特許文献3参照)。
特開2003−226132号公報 特開2007−307957号公報 特開平6−106964号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2のいずれにおいても、太陽電池の発電電力だけで空調装置による空調運転を行うことは想定されていない。
また、特許文献3に記載の制御方法は、単にエンジンが停止中か否か、或いは、冷凍車内の温度と設定温度との差に応じて、太陽電池パネルからの電気エネルギーのみで冷凍システムを駆動するか、エンジンによる駆動を併用するかを制御するものである。
しかしながら、太陽電池パネルからの電気エネルギーは、日照量などによって大きく変動するものであり、エンジンが停止中か否か、或いは冷凍車内の温度と設定温度との差に応じて、太陽電池パネルからの電気エネルギーのみで冷凍システムを駆動させるように制御しようとしても、十分な電力が得られるとは限らず、実用的な制御を行うことができるものではなかった。
本発明の第1の目的は、可能な限り太陽電池の発電電力のみで空調装置を運転可能なトラック車輌用空調制御装置を提供することである。
本発明の第2の目的は、太陽電池パネルによる発電電力の供給先を適切に選択することにより、太陽電池パネルによる発電電力を効率良く利用する技術を提供することである。
上記した第1の目的を達成するために、本願の第1の発明であるトラック車輌用の空調制御装置は次のように構成される。すなわち、本発明は、運転室内の室温を調整する空調装置を備えた運転車輌と、この運転車輌に連結され積載物収容部を覆う荷台ボディを有する荷台と、この荷台ボディに設けられた太陽電池パネルとを備えるトラック車輌用の空調制御装置であって、
前記太陽電池パネルの発電電力、又は日射量を求める検出手段と、
前記空調装置に用意された複数の運転モードの夫々における要求電力と、前記太陽電池パネルの発電電力、又は日射量とに基づいて、前記太陽電池パネルの発電電力で運転可能な前記空調装置の運転モードを決定する決定手段とを含むトラック車輌用の空調制御装置である。
本願の第1の発明によれば、検出手段で求められた太陽電池パネルの発電電力、又は日射量と、運転モードにおける要求電力とに基づき、太陽電池パネルの発電電力で運転可能な空調装置の運転モードが決定される。これによって、可能な限り太陽電池の発電電力のみで空調装置を運転することができる。
本願の第1の発明に係る空調制御装置は、前記トラック車輌のエンジンのオン又はオフを検知するオン/オフ検知手段をさらに備え、前記決定手段は、前記トラック車輌のエンジンのオン時とオフ時とで異なる運転モードを決定しうるように構成することができる。
例えば、エンジンがオンの場合とオフの場合とで空調装置の運転モードを決定する方法(フロー)や条件を異ならせることができる。
また、本願の第1の発明に係る空調制御装置は、前記決定手段が、前記トラック車輌のエンジンがオンの場合には前記複数の空調装置の運転モードの一つである空調モードを決定し、前記トラック車輌のエンジンがオフの場合には前記複数の空調装置の運転モードの他の一つである換気モードを所定条件下で決定するように構成することができる。
エンジンがオフの場合には、発電電力が通常限られるため消費エネルギーの抑制が望ましい。後述するように運転室内の室温、外気温、設定値がある範囲内にあれば、換気モードで運転する方が空調モードで運転するよりも少ない消費エネルギーで運転室内の気温を目標値に近づけることができる。一方、エンジンがオンの場合には、空調モードで運転することで、運転室内の室温を適正な方向に変化させることができる。
また、本願の第1の発明に係る空調制御装置は、前記運転室内の室温を検出する室温検出手段及び/又は外気温を検出する外気温検出手段をさらに備え、前記決定手段は、(i)前記複数の運転モードの夫々における要求電力と、(ii)前記太陽電池パネルの発電電力,又は日射量と、(iii)前記室温,前記外気温,及び前記空調装置の設定温度のうちの少なくとも二つと、に基づいて、前記太陽電池パネルからの電力で運転可能な前記空調装置の運転モードを決定するように構成することができる。
このようにすれば、上記した発電電力又は日射量、及び要求電力に加えて、室温,外気温及び設定温度の少なくとも二つを考慮することで、太陽電池パネルの発電電力のみを用いた適正な運転モードで空調装置の空調運転を行うことができる。
例えば、空調装置が出力調整のみが可能な仕様を持つ場合には、室温と設定温度との二つを用いて、両者の差分から異なる運転モードでの運転が行われるようにすることができる。これに対し、空調装置が出力調整に加えて、設定温度に応じた運転が可能な場合には、室温又は外気温と設定温度との差分で、異なる運転モードでの運転が行われるようにすることができる。或いは、室温と外気温と設定温度との夫々の差分に基づき、運転モードを決定することもできる。
空調装置の出力調整は、例えば風量や風の温度の調整により行われる。また設定温度に応じた運転としては、例えばエバポレータやヒーターコア等を用いず送風機で外気を室内に送風することで室内換気を行うことができる。
また、本願の第1の発明に係る空調制御装置は、前記決定手段が、前記室温と前記外気温との温度差が閾値以下の場合には前記複数の空調装置の運転モードの一つである空調モードを決定し、前記温度差が閾値より大きい場合に、前記外気温と前記設定温度との温度差が前記室温と前記設定温度との温度差以下であれば前記複数の空調装置の運転モードの他の一つである換気モードを決定し、そうでなければ前記空調モードを決定するように構成することができる。
また、本願の第1の発明に係る空調制御装置は、前記決定手段が、前記室温と前記設定温度との温度差が第1の閾値以上の場合には、前記複数の空調装置の運転モードの一つである第1の空調モードでの運転を試み、
前記温度差が第1の閾値未満であって且つ前記室温と前記設定温度との温度差が前記第1の閾値より小さい第2の閾値以上の場合には前記複数の空調装置の運転モードの他の一つである前記第1の空調モードよりも要求電力の低い第2の空調モードでの運転を試みるように構成することができる。
このようにすれば、要求電力の低い運転モードで空調装置を運転するようにして、可能な限り太陽電池パネルの発電電力のみで空調装置を運転することができる。
また、本願の第1の発明に係る空調制御装置は、前記トラック車輌が蓄電池をさらに備える場合に、前記決定手段が、前記太陽電池パネルの発電電力が前記複数の運転モードの一つである第1の空調モードの要求電力に満たない場合に、前記蓄電池の放電電力が前記太陽電池パネルの発電電力と合わせて前記要求電力を満たすことができれば前記第1の空調モードを前記太陽電池パネル及び前記蓄電池の放電電力で運転することを決定し、前記蓄電池の放電電力を前記太陽電池パネルの発電電力と合わせても前記要求電力を満たすことができない場合には、前記第1の空調モードより要求電力の低い第2の空調モードを前記太陽電池パネルの発電電力で運転できるか否かを判定するように構成することができる。
このようにすれば、蓄電池による補助を得て、適正な運転モードで空調装置が運転されるようにすることができる一方で、要求電力が第1の空調モードより低い第2の空調モードでの運転が試行されることで、可能な限り太陽電池パネルの発電電力のみでの運転を試行することができる。
この場合、前記決定手段は、前記第1の空調モードより要求電力の低い第2の空調モードを前記太陽電池パネルの発電電力で運転できるか否かの判定を、室温と前記空調装置の設定温度との温度差が閾値以上であることを条件として行うように構成することができる。室温と設定温度との温度差が閾値以上である場合には、運転室が不快な室温となっている可能性が高い。このため、室温をできる限り設定温度に近づけておくことが好ましい。従って、太陽電池パネル及び蓄電池の電力で第1の空調モードでの運転ができない場合には、第2の空調モードでの運転を試行することで、運転室内の室温が快適な方向へ近づくようにすることができる。
また、本願の第1の発明に係る空調制御装置は、前記トラック車輌が蓄電池及びオルタネータを備える場合に、前記決定手段が、前記太陽電池パネルの発電電力が前記複数の運転モードの一つの要求電力に満たない場合に、前記蓄電池の放電電力が前記太陽電池パネルの発電電力と合わせて前記要求電力を満たすことができれば前記複数の運転モードの一つを前記太陽電池パネル及び前記蓄電池の放電電力で運転することを決定し、前記蓄電池の放電電力を前記太陽電池パネルの発電電力と合わせても前記要求電力を満たすことができない場合には前記複数の運転モードの一つを前記太陽電池パネル及び前記オルタネータの発電電力で運転することを決定するように構成することができる。
このようにすれば、蓄電池を優先的な補助電源として用い、オルタネータを二次的な補助電源として用いて、所望の運転モードでの空調装置の運転を行うことができ、可能な限り太陽電池パネルの発電電力のみでの運転を試行することができる。
また、本願の第1の発明に係る空調制御装置は、前記トラック車輌がオルタネータを備える場合において、前記決定手段が、前記太陽電池パネルの発電電力が前記複数の運転モードの一つの要求電力に満たない場合に、前記複数の運転モードの一つを前記太陽電池パネル及び前記オルタネータの発電電力で運転することを決定するように構成することができる。
このようにすれば、オルタネータを補助電源として用いて所望の運転モードで空調装置を運転することが可能となる。このとき、前記トラック車輌が蓄電池をさらに備える場合には、前記決定手段が、前記オルタネータの発電電力に余剰電力が含まれる場合には、前記余剰電力を前記蓄電池に充電することを決定するように構成しても良い。このようにすれば、オルタネータでの電力で充電された蓄電池を太陽電池パネルの補助電源として用いる場合に、蓄電池の残量を良好な状態にすることが可能となる。
また、本願の第1の発明に係る空調制御装置は、前記決定手段が、予め記憶された前記トラック車輌の営業日及び営業時間帯を示す使用スケジュール情報に基づき、前記運転モードの決定処理を実行するように構成しても良い。このようにすれば、営業中に運転モードの決定を行い、空調装置を運転することができる。或いは、営業時間の開始時刻前の所定時刻から運転モードの決定を行い、空調装置の運転が行われるようにすることで、営業開始時刻までに運転室内の雰囲気や室温を適正な状態に近づけることができる。
また、本願の第1の発明に係る空調制御装置は、外気温が閾値以下の場合に前記太陽電池パネルに発熱用電力を供給する制御を行う発熱制御手段をさらに含むように構成することができる。このようにすれば、太陽電池パネルの表面に落ちた雪を溶解したり、当該表面に霜が生じるのを防止したりすることができる。
また、本願の第1の発明に係る空調制御装置は、前記トラック車輌が備えるインタフェース部に接続された外部電源からの電力を前記空調装置に接続する接続制御手段をさらに含むように構成することができる。このようにすれば、空調装置を外部電源で運転することができる。
また、本願の第1の発明に係る空調制御装置は、前記太陽電池パネルからの発電電力の供給先を、前記空調装置と、前記トラック車輌が備える蓄電池と、前記トラック車輌に備えられ外部負荷と接続される出力インタフェース部との少なくとも一つに設定する選択手段をさらに含むように構成することができる。このようにすれば、太陽電池パネルの発電電力を空調装置の運転だけでなく、太陽電池パネルの補助電源として使用される蓄電池に充電したり、外部負荷に供給したりすることができる。外部負荷への供給の際に、供給した電力に応じた料金を徴収するようにすれば、いわゆる売電を行うことができる。
また、本願の第1の発明に係るトラック車輌は、運転室内の室温を調整する空調装置を備えた運転車輌と、
前記運転車輌に連結され積載物収容部を覆う荷台ボディを有する荷台と、
前記荷台ボディに設けられた太陽電池パネルと、
前記太陽電池パネルの発電電力、又は日射量を求める検出手段,及び前記空調装置に用意された複数の運転モードの夫々における要求電力と、前記太陽電池パネルの発電電力、又は日射量とに基づいて、前記太陽電池パネルの発電電力で運転可能な前記空調装置の運転モードを決定する決定手段とを少なくとも含む空調制御装置と、
を備えるトラック車輌である。
本願の第1の発明に係るトラック車輌は、前記空調装置と外部電源とを電気的に接続するためのインタフェース部をさらに備えることができる。
また、本願の第1の発明に係るトラック車輌は、前記太陽電池パネルからの発電電力を外部に出力するための出力インタフェース部をさらに備えることができる。
また、本願の第2の発明に係る車輌及びその制御装置は、上記した第2の目的を達成するために、次のように構成される。
すなわち、本願の第2の発明に係る車輌用の制御装置は、車輌の少なくとも一部に設けた冷却貯蔵庫と、前記冷却貯蔵庫内を冷却する冷却部と、前記冷却部に電力を供給する太陽電池を備えた車輌用の制御装置であって、
前記太陽電池パネルの発電電力又は日射量を求める検出部と、
前記冷却部に用意された複数の運転モードの夫々における要求電力と、前記太陽電池パネルの発電電力又は日射量とに基づいて、前記太陽電池パネルの発電電力で運転可能な前記冷却部の運転モードを決定する決定部とを含む。
本願の第2の発明に係る車輌用の制御装置は、前記車輌のエンジンのオン又はオフを検知するオン/オフ検知部をさらに備え、
前記決定部は、前記トラック車輌のエンジンのオン時とオフ時とで異なる運転モードを決定しうる。
また、本願の第2の発明に係る車輌用の制御装置は、前記冷却貯蔵庫の庫内温度を検出する庫内温度検出部と、
前記庫内温度の目標値として設定された設定温度を記憶する記憶部とをさらに備え、
前記決定部は、前記複数の運転モードの夫々における要求電力と、前記太陽電池パネルの発電電力又は日射量、前記庫内温度及び前記設定温度に基づいて、前記太陽電池パネルからの電力で運転可能な前記運転モードを決定することができる。
また、本願の第2の発明に係る車輌用の制御装置は、前記決定部が、前記庫内温度と前記設定温度との温度差が第1の閾値以上の場合には、前記複数の運転モードの一つである第1の冷却モードでの運転を試み、
前記温度差が第1の閾値未満であって且つ前記温度差が前記第1の閾値より小さい第2の閾値以上の場合には前記複数の運転モードの他の一つである前記第1の冷却モードよりも要求電力の低い第2の冷却モードでの運転を試みるように構成されていても良い。
また、本願の第2の発明に係る車輌用の制御装置は、前記車輌が蓄電池をさらに備え、
前記決定部は、前記太陽電池パネルの発電電力が前記複数の運転モードの一つである第1の冷却モードの要求電力に満たない場合に、前記蓄電池の放電電力と前記太陽電池パネルの発電電力とを合わせて前記要求電力を満たすことができれば前記第1の冷却モードを前記太陽電池パネルの発電電力及び前記蓄電池の放電電力で運転することを決定し、前記蓄電池の放電電力を前記太陽電池パネルの発電電力と合わせても前記要求電力を満たすことができない場合には、前記第1の冷却モードより要求電力の低い第2の冷却モードを前記太陽電池パネルの発電電力で運転できるか否かを判定するように構成されていても良い。
また、本願の第2の発明に係る車輌用の制御装置は、前記決定部が、前記第1の冷却モードより要求電力の低い第2の冷却モードを前記太陽電池パネルの発電電力で運転できるか否かの判定を、前記冷却貯蔵庫の庫内温度と前記庫内温度の目標値として設定された設定温度との温度差が閾値以上であることを条件として行うように構成されていても良い。
また、本願の第2の発明に係る車輌用の制御装置は、前記車輌が蓄電池及びオルタネータを備える場合に、前記決定部は、前記太陽電池パネルの発電電力が前記複数の運転モードの一つの要求電力に満たない場合に、前記蓄電池の放電電力が前記太陽電池パネルの発電電力と合わせて前記要求電力を満たすことができれば前記複数の運転モードの一つを前記太陽電池パネル及び前記蓄電池の放電電力で運転することを決定し、前記蓄電池の放電電力を前記太陽電池パネルの発電電力と合わせても前記要求電力を満たすことができない場合には前記複数の運転モードの一つを前記太陽電池パネル及び前記オルタネータの発電電力で運転することを決定するように構成されていても良い。
また、本願の第2の発明に係る車輌用の制御装置は、前記車輌がオルタネータをさらに備えた場合に、
前記決定部は、前記太陽電池パネルの発電電力が前記複数の運転モードの一つの要求電力に満たない場合に、前記複数の運転モードの一つを前記太陽電池パネル及び前記オルタネータの発電電力で運転することを決定するように構成されていても良い。
また、本願の第2の発明に係る車輌用の制御装置は、前記車輌が蓄電池をさらに備えた場合に、
前記決定部は、前記オルタネータの発電電力に余剰電力が含まれる場合には、前記余剰電力を前記蓄電池に充電することを決定するように構成されていても良い。
また、本願の第2の発明に係る車輌用の制御装置は、前記決定部は、予め記憶された前記車輌の営業日及び営業時間帯を示す使用スケジュール情報に基づき、前記運転モードの決定処理を実行するように構成されていても良い。
また、本願の第2の発明に係る車輌用の制御装置は、外気温が閾値以下の場合に前記太陽電池パネルに発熱用電力を供給する制御を行う発熱制御部をさらに含むように構成されていても良い。
また、本発願の第2の発明に係る車輌用の制御装置は、インタフェース部に接続された外部電源からの電力を前記冷却部に接続する接続制御部をさらに含むように構成されていても良い。
また、本願の第2の発明に係る車輌用の制御装置は、前記太陽電池パネルからの発電電力の供給先を、前記冷却部、蓄電池、外部電源と接続される出力インタフェース部の少なくとも一つに設定する選択部をさらに含むように構成されていても良い。
また、本願の第2の発明に係る車輌は、冷却貯蔵庫と、
前記冷却貯蔵庫内を冷却する冷却部と、
前記冷却部に電力を供給する太陽電池パネルと、
前記太陽電池パネルの発電電力又は日射量を求める検出部、及び前記冷却部に用意された複数の運転モードの夫々における要求電力と、前記太陽電池パネルの発電電力とに基づいて、前記太陽電池パネルの発電電力で運転可能な前記冷却部の運転モードを決定する決定部とを少なくとも含む制御装置と、を備える。
また、本願の第2の発明に係る車輌は、前記冷却部と外部電源とを電気的に接続するためのインタフェース部をさらに備えることができる。
また、本願の第2の発明に係る車輌は、前記太陽電池パネルからの発電電力を外部に出力するための出力インタフェース部をさらに備えることができる。
本願の第1の発明によれば、可能な限り太陽電池の発電電力のみを用いて空調装置の運転を行うことができる。
また、本願の第2の発明によれば、太陽電池パネルによる発電電力の供給先を適切に選択することにより、太陽電池パネルによる発電電力を効率良く利用することができる。
図1(A)は本発明の実施形態に係る太陽電池搭載トラック車輌の全体構成を示す図、図1(B)は他の実施形態に係る太陽電池搭載トラック車輌の全体構成を示す図である。 図2は図1のトラック車輌の荷台を概略的に示すもので、図2(A)は上から見た図、図2(B)は後方から見た図、図2(C)は荷台ボディの一部を断面にして示す側面図である。 図3(A)は太陽電池パネルの一般的な構成を示す概略断面図、図3(B)は太陽電池素子をパネル化した1単位パネルの平面図、図3(C)は中間のスペーサ部の近傍の拡大断面図である。 図4(A)は図3の太陽電池パネルの設置例を示す図、図4(B)は太陽電池パネルの各太陽電池素子の電気的な接続例を示す回路図、図4(C)は荷台に対する取り付け許容角度の説明図、図4(D)は太陽電池素子の接続がモノリシック構造の場合の説明図である。 図5は太陽電池パネルとしてアモルファスシリコン太陽電池素子を用いた例を示すもので、同図(A)はパネルの平面図、(B)は概略分解斜視図である。 図6は、空調制御システム(トラック空調システム)の概要説明図である。 図7は、図6に示したシステムコントローラ(制御装置)及び周辺装置の詳細説明図である。 図8は、アドオンタイプの空調装置に適用される自動運転モードによる空調制御例を示すフローチャートである。 図9は、アドオンタイプの空調装置に適用される自動運転モードによる空調制御例を示すフローチャートである。 図10は、アドオンタイプの空調装置に適用される自動運転モードによる空調制御例を示すフローチャートである。 図11は、アドオンタイプの空調装置に適用される自動運転モードによる空調制御例を示すフローチャートである。 図12は、ビルトインタイプの空調装置に適用される自動運転モードによる第1の空調制御例を示すフローチャートである。 図13は、ビルトインタイプの空調装置に適用される自動運転モードによる第1の空調制御例を示すフローチャートである。 図14は、ビルトインタイプの空調装置に適用される自動運転モードによる第1の空調制御例を示すフローチャートである。 図15は、ビルトインタイプの空調装置に適用される自動運転モードによる第2の空調制御例を示すフローチャートである。 図16は、ビルトインタイプの空調装置に適用される自動運転モードによる第2の空調制御例を示すフローチャートである。 図17(A)は、設定温度Tsetと温度差Td1,Td2,及びTd3との関係を模式的に示す図である。図17(B)は、室温Tin<外気温Toutの場合における設定温度Tsetを数直線で示す図であり、図17(C)は、外気温Tout<室温Tinの場合における設定温度Tsetを数直線で示す図である。図17(D)は、図17(B)及び(C)に示す状態<1>〜<8>を示す一覧表であり、ステップS30(Td3≦Td1?)での判定の詳細を示す。 図18は、図17(B)に示したTin<Toutの場合における状態<1>〜<4>を示すグラフである。 図19は、図17(C)に示したTout<Tinの場合における状態<5>〜<8>を示すグラフである。 図20は、バッテリ充電処理のサブルーチンの例を示すフローチャートである。 図21は、積雪防止モード処理の例を示すフローチャートである。 図22は、積雪防止モード処理の例を示すフローチャートである。 図23は、積雪防止モード処理の例を示すフローチャートである。 図24は、積雪防止モード処理の例を示すフローチャートである。 図25は、積雪防止モードの作用説明図であり、太陽電池パネルからの電力を用いた空調運転時における空調制御システムの回路構成を概略的に示す。 図26は、積雪防止モードの作用説明図であり、積雪防止モードの実行により太陽電池パネルに対して逆方向の電流を通電するときの空調制御システムの回路構成を概略的に示す。 図27(A)は本発明の第2実施形態に係る太陽電池搭載トラック車輌の全体構成を示す図であり、図27(B)はトラック車輌の荷台ボディ内部を説明するための図である。 図28は、冷凍機の駆動系を模式的に示す図である。 図29は、制御装置の説明図である。 図30は、庫内温度及び設定温度と決定されるモードとを対応付けて記憶したモード決定テーブルを示す図である。 図31は、庫内温度及び設定温度に基づいてモードを決定する例の説明図である。 図32は、イグニッション、発電量或いは日射量、バッテリ残量等の条件と決定されるモードとを対応付けて記憶したモード決定テーブルを示す図である。 図33は、冷凍機へ供給する電力の自動制御例を示すフローの全体図である。 図34は、イグニッションがOFFの場合の冷凍強モードのフローチャートである。 図35は、イグニッションがOFFの場合の冷凍弱モードのフローチャートである。 図36は、イグニッションがONの場合の冷凍強モードのフローチャートである。 図37は、イグニッションがONの場合の冷凍弱モードのフローチャートである。 図38は、冷凍機制御のフローチャートである。 図39は、冷凍機制御のフローチャートである。 図40は、冷凍機制御のフローチャートである。 図41は、冷凍機制御のフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。実施の形態の構成は例示であり、本発明は実施形態の構成に限定されない。
[第1実施形態]
第1実施形態として、本願の第1の発明に係る実施形態について説明する。本発明に係るトラック車輌用の空調制御装置は、例えば、以下のようなトラック車輌に適用することができる。すなわち、運転室内の室温を調整する空調装置を備えた運転車輌と、運転車輌に連結され積載物収容部を覆う荷台ボディを有する荷台とを備え、該荷台ボディに前記空調装置に電気エネルギーを供給する太陽電池パネルが設けられたトラック車輌において、次の(1)または(2)を満たすものに適用可能である。
(1)運転室内の室温を調整する空調装置を二以上備え、前記太陽電池パネルの単位重量あたりの最大出力qを、少なくとも一つの空調装置の最大消費電力を太陽電池パネルの重量で割った値の1.2倍以上となるように設定する。
(2)運転室内の室温を調整する空調装置を一つのみ備え、前記太陽電池パネルの単位重量あたりの最大出力qを、該空調装置の最大消費電力を太陽電池パネルの重量で割った値の0.2倍以上となるように設定する。
ここで、太陽電池パネルの最大出力Wp(=最大発電量=最大発電能力)は以下のように定義される。
太陽電池素子温度25℃、分光分布AM=1.5(全天日射基準太陽光JIS C 8911を参照)、放射照度:1000W/m2の条件下で測定した、太陽電池パネル全体(荷台上に載せたパネル全部という意味)の出力である(より詳細な測定条件は、JIS
C 8914「結晶系太陽電池モジュール出力測定法」及びJIS C 8935「アモルファス太陽電池モジュール出力測定法」を参照)。太陽電池パネルの単位重量当りの最大出力qは、上記Wpを太陽電池パネルの重量で割ることにより求められ、軽量かつ出力の大きい太陽電池パネルの指標となる。
また、トラック車輌は、太陽電池パネルで発電された余剰電力を蓄えると共に、不足電力を補う蓄電池をさらに備えることができる。
<トラック車輌>
図1、2は、トラック車輌の構成例を示す図である。図1(A)は、本発明の実施形態に係る太陽電池が搭載されたトラック車輌の全体構成を示す図である。図1(B)は、他の実施形態に係る太陽電池が搭載されたトラック車輌の全体構成を示す図である。
図1(A)において、1はトラック車輌全体を示す。このトラック車輌1は、運転車輌10と荷台20とを備え、荷台20には積載物を収容する収容室21a(図2(c))を備えた荷台ボディ21が設けられている。運転車輌10には、運転室11内の室温を調整するメインの空調装置130と、サブの空調装置30の二つの空調装置が設けられている。空調装置130は、トラック車輌1のエンジンの駆動力で駆動する。荷台ボディ21の外面には、サブの空調装置30に電気エネルギーを供給する太陽電池パネル40が設けられており、空調装置30は、主として太陽電池パネル40からの電力で駆動される。また、荷台20には、太陽電池パネル40で発電された余剰電力を蓄えると共に、太陽電池パネル40の不足電力を補う蓄電池50が設けられている。
運転車輌10は、図2に概略的に示すように、運転室11の前部に運転席12、助手席13が設けられ、後方に仮眠キャビン14が設けられている。この実施形態では、運転席12側のメインの空調装置130とは別に仮眠キャビン14用のサブの空調装置30を新たに設けた例で、運転車輌10の後壁パネルに室内機31を装着し、図1(A)に示すように、室外機32を運転車輌10の屋根と導風板15の間の空間に装着している。
サブの空調装置30自体は公知の構造で、室外機32に気化した冷媒を加圧する不図示のコンプレッサと冷媒を凝縮させるコンデンサが設けられ、室内機31に冷媒を気化させるエバポレータが設けられ、特に図示しないが、配管を通して冷媒が循環している。室内機31には送風機(ファンやブロワ)が設けられ、エバポレータによって熱交換された冷風あるいは温風が室内に送風される。空調装置30を構成する室外機32のコンプレッサおよび室内機31に設けられた送風用のモータ等が、太陽電池パネル40で発電された電気エネルギーによって駆動制御される。
メインの空調装置130も公知の構造で、特に図示しないが、サブの空調装置30と同様に、気化した冷媒を加圧するコンプレッサと、冷媒を凝縮させるコンデンサと、冷媒を気化させるエバポレータを備え、エバポレータによって運転室の前部から熱交換された冷風が室内に送風される。空調装置130のコンプレッサや送風機は、通常、エンジンの駆動力によって駆動される。以上のようにして冷房運転が行われるが、暖房運転の場合はエバポレータに替えてヒーターコア等を用いることで温風が室内に送風される。
なお、空調装置130の動力が、図示しない電磁クラッチにより、エンジンと図示しない電気モータとの一方で切り替え伝達されるように構成することが可能である。この場合、例えば、エンジンのオン/オフに拘わらず、太陽電池パネル40からの電力が図示しない電気モータに供給される状態とし、且つ図示しない電磁クラッチの切替動作で電気モータの動力が空調装置130に伝達されるようにすることで、空調装置130の送風機を太陽電池パネル40からの電力で駆動させることができる。また、例えば、エンジンの駆動中は、空調装置130のコンプレッサや送風機がエンジンの駆動力によって駆動されるように、電磁クラッチを介してエンジンの駆動軸からの動力がコンプレッサ等に伝達されるようにすることができる。一方、空調装置130がエンジン停止時にも駆動するように、エンジンがオフの時には、電磁クラッチを介して電気モータがコンプレッサ等に連結されるようにすることもできる。
太陽電池パネル40が設置される荷台ボディ21は、図2に示すように、天面部中央のヒンジ部23を中心にして左右のウィング(天板パネル及び荷台側面)22、22が上下に開閉するウィングボディであり、ウィング22,22が閉じた状態ではいわゆるバンボディのように直方体形状で、各ウィング22、22の天板パネル24、24がほぼ水平の平面形状となっている。このウィングの天板パネル24、24に、太陽電池パネル40が装着されている。
太陽電池パネル40は、電気ケーブル420を介して制御装置60に接続されている。制御装置60には、サブの空調装置30の室内機31、室外機32および蓄電池50も接続されている。制御装置60は、運転車輌10あるいは荷台20に設けられ、空調装置30の室内機31及び室外機32が駆動制御される。
<使用しうる太陽電池パネルの詳細な説明>
太陽電池パネル40は、複数個の太陽電池素子が直列及び/又は並列に接続されてパネルとして構成されるもので、図3(A)に示されるように、太陽電池素子41の受光面側(矢印方向)及び非受光面側の双方に、任意に封止材層42、43を介し、表面、裏面側の保護層44,45を備えている。必要に応じてガスバリア層、ゲッター材層など他の層を任意の場所に設けてもよい。
太陽電池素子41は、通常、少なくとも一対の電極41a,41bで発電層(光電変換層)41cを挟んでなる。発電層41cと電極41a,41bの間にバッファー層を介していてもよい。電極41a,41bは取り出し電極に接続され、発生した電力が外部に取り出せるように構成されている。
発電層の種類に制限はないが、薄膜単結晶シリコン、薄膜多結晶シリコン、アモルファスシリコン、無機半導体材料、色素及び、有機半導体材料などを好ましく用いることができる。これらは発電効率が比較的高く、薄膜軽量化できるため好ましい。
発電層として薄膜多結晶シリコンを用いる薄膜多結晶シリコン太陽電池素子は間接光学遷移を利用したタイプの太陽電池素子である。このため、薄膜多結晶シリコン太陽電池素子では基板又は表面に凸凹構造を形成するなど十分な光閉じ込め構造を設けて光吸収を増加させるのが好ましい。薄膜多結晶シリコンはCVD法などの常法により基板上に成膜し形成することができる。
発電層としてアモルファスシリコンを用いるアモルファスシリコン系太陽電池素子は、結晶シリコンにおける間接光学遷移が構造乱れのために直接遷移となったものであり、可視域での光学吸収係数が大きく、厚さ1μm程度の薄膜でも太陽光を十分に吸収できる長所を有する。このため、太陽電池素子としてアモルファスシリコン系太陽電池素子を用いれば、更に軽量な太陽電池パネルを実現することができる。また、アモルファスシリコンは非結晶質の材料であるため、変形にも耐性を有しフレキシブル化しうる。
発電層として無機半導体材料(化合物半導体)を用いる化合物半導体系太陽電池素子は発電効率が高く好ましい。なかでもS、Se、Teなどカルコゲン元素を含むカルコゲナイド系発電層が好ましく、更にI−III−VI2族半導体系(カルコパイライト系)発電層が好ましく、特にI族元素としてCuを用いたCu−III−VI2族半導体系発電層は理論的に極めて高い光電変換効率を有し好ましい。中でも特にCIS系半導体及びCIGS系半導体が好ましい。CIS系半導体はCuIn(Se1-yy2(0≦y≦1)を指し、CIGS系半導はCu(In1-xGax)(Se1-yy2を指す(0<x<1、0≦y≦1)。
発電層として例えば酸化チタン層及び電解質層などからなる色素増感型発電層も、発電効率が高く好ましい。また発電層として有機半導体材料を用い、有機太陽電池素子としてもよい。有機半導体材料はp型半導体とn型半導体からなる。p型半導体は特に限定されず、低分子材料と高分子材料が挙げられる。低分子系材料としては例えば、ナフタセン、ペンタセン、ピレン、フラーレン等の縮合芳香族炭化水素;α−セキシチオフェン等のチオフェン環を4個以上含むオリゴチオフェン類;チオフェン環、ベンゼン環、フルオレン環、ナフタレン環、アントラセン環、チアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾチアゾール環を合計4個以上連結したもの;銅フタロシアニン、亜鉛フタロシアニン、パーフルオロ銅フタロシアニン等のフタロシアニン化合物、テトラベンゾポルフィリンやその金属錯体等のポルフィリン化合物及びその金属塩等の大環状化合物などが挙げられる。
高分子材料としては例えば、ポリチオフェン、ポリフルオレン、ポリチエニレンビニレン、ポリアセチレン、ポリアニリン等の共役高分子;アルキル置換されたオリゴチオフェン等の高分子半導体が挙げられる。
n型半導体としては、特に限定されないが例えば、フラーレン誘導体、キノリノール誘導体金属錯体、縮合環テトラカルボン酸ジイミド類、ターピリジン金属錯体、トロポロン金属錯体、フラボノール金属錯体、ペリノン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、ベンズオキサゾール誘導体、ベンズチアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、アルダジン誘導体、ビススチリル誘導体、ピラジン誘導体、フェナントロリン誘導体、キノキサリン誘導体、ベンゾキノリン誘導体、ビピリジン誘導体、縮合多環芳香族の全フッ化物、単層カーボンナノチューブなどが挙げられる。
電極は、導電性を有する任意の材料を1種又は2種以上用いて形成しうる。例えば、白金、金、銀、アルミニウム、クロム、ニッケル、銅、チタン、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ナトリウム等の金属あるいはそれらの合金;酸化インジウムや酸化錫等の金属酸化物、あるいはその合金(ITO);ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン等の導電性高分子;前記導電性高分子に、塩酸、硫酸、スルホン酸等の酸、FeCl3等のルイス酸、ヨウ素等のハロゲン原子、ナトリウム、カリウム等の金属原子などのドーパントを含有させたもの;金属粒子、カーボンブラック、フラーレン、カーボンナノチューブ等の導電性粒子をポリマーバインダー等のマトリクスに分散した導電性の複合材料などが挙げられる。
電極には正孔及び電子を捕集するのに適した材料を用いることが好ましい。正孔の捕集に適した電極材料は、例えばAu、ITO等の高い仕事関数を有する材料である。一方、電子の捕集に適した電極材料は、例えばAlのような低い仕事関数を有する材料である。電極は2層以上積層してもよく、表面処理によって特性(電気特性やぬれ特性等)を改良してもよい。
電極の形成方法に制限はない。例えば、真空蒸着、スパッタ等のドライプロセスにより形成することができ、導電性インク等を用いたウェットプロセスにより形成することもできる。導電性インクとしては任意のものを使用することができ、例えば導電性高分子、金属粒子分散液等を用いることができる。
なお、少なくとも太陽電池素子の受光面側の電極は、発電に用いる光を透過させるため、透明であることが好ましい。但し、発電層の面積に比べて電極の面積が小さいなど、電極が透明でなくても発電性能に著しく悪影響を与えない場合は必ずしも透明でなくてもよい。透明な電極材料を挙げると、例えば、ITO、酸化インジウム亜鉛(IZO)等の酸化物;金属薄膜などが挙げられる。また、この際、光の透過率の具体的範囲に制限は無いが、太陽電池素子の発電効率を考慮すると80%以上が好ましい。なお、光の透過率は通常の分光光度計で測定可能できる。
太陽電池素子の受光面側には保護層(表面保護層と称する)が設けられる。太陽電池素子と保護層の間には、太陽電池素子の封止と保護層の接着を目的として封止材層を設けてもよい。しかし太陽電池素子上に封止材層を設けることなく保護層を設ける場合は、保護層が太陽電池素子の封止機能を兼ねることとなる。
表面保護層は通常太陽電池パネルの最表面に位置し、機械的強度、耐侯性、耐スクラッチ性、耐薬品性、ガスバリア性などを目的として形成される。具体的強度は、封止材層や裏面保護層の強度とも関係し一概には言えないが、太陽電池パネル全体が良好な曲げ加工性を有し、折り曲げ部分の剥離を生じないような強度を有するのが望ましい。
また表面保護層は、太陽電池素子の光吸収を妨げない観点から可視光を透過させるものが好ましい。例えば、可視光(波長360〜830nm)の光の透過率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
また太陽電池パネルは光を受けて熱せられることが多いため、表面保護層も耐熱性を有することが好ましく、表面保護層の構成材料の融点は、通常100℃以上、好ましくは120℃以上であり、また、通常350℃以下、好ましくは320℃以下である。
表面保護層の材料はこれら特性を考慮して選ぶことができ、特に限定はされないが、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、AS(アクリロニトリル−スチレン)樹脂、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、フッ素系樹脂、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリアクリル系樹脂、(水添)エポキシ樹脂、各種ナイロン等のポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド−イミド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリカーボネート樹脂などが挙げられる。
中でも好ましくはフッ素系樹脂が挙げられ、その具体例を挙げるとポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、4−フッ化エチレン−パークロロアルコキシ共重合体(PFA)、4−フッ化エチレン−6−フッ化プロピレン共重合体(FEP)、2−エチレン−4−フッ化エチレン共重合体(ETFE)、ポリ3−フッ化塩化エチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)及びポリフッ化ビニル(PVF)等が挙げられる。
なお、表面保護層は2種以上の材料で形成されていても良い。また表面保護層は、単層であっても、2層以上からなる積層体であってもよい。
表面保護層の厚みは特に規定されないが、通常10μm以上、好ましくは15μm以上、より好ましくは20μm以上であり、また、通常200μm以下、好ましくは180μm以下、より好ましくは150μm以下である。厚みを厚くすることで機械的強度が高まる傾向にあり、薄くすることで柔軟性が高まる傾向にある。但し表面保護層が封止材層を兼ねる場合には、表面保護層の厚みは通常100μm以上、好ましくは150μm以上、より好ましくは200μm以上であり、また、通常3mm以下、好ましくは1.5mm以下、より好ましくは1mm以下である。
封止材層は、通常、太陽電池素子の封止と保護層の接着を目的として設けられるが、機械的強度、耐侯性、ガスバリア性などの向上にも寄与している。また少なくとも受光面側の封止材層は表面保護層と同様、可視光を透過させ、耐熱性の高いものが好ましい。
封止材層の材料はこれら特性を考慮して選ぶことができ、特に限定はされないが、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂、ポリオレフィン系樹脂、AS(アクリロニトリル−スチレン)樹脂、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、フッ素系樹脂、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリアクリル系樹脂、(水添)エポキシ樹脂、各種ナイロン等のポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド−イミド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリカーボネート樹脂などが挙げられる。
中でも好ましくはエチレン系共重合体樹脂が挙げられ、より好ましくはエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂またはエチレンと他のオレフィンとの共重合体からなるポリオレフィン系樹脂が挙げられる。例えば、プロピレン・エチレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・α−オレフィン共重合体等からなる樹脂等である。
エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂組成物は、通常、耐候性の向上のために架橋剤を配合して架橋構造を構成させ、EVA樹脂とする。架橋剤としては、一般に100℃以上でラジカルを発生する有機過酸化物が用いられる。例えば、2,5−ジメチルヘキサン;2,5−ジハイドロパーオキサイド;2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン;3−ジ−t−ブチルパーオキサイド等が挙げられる。有機過酸化物の配合量は、EVA樹脂100重量部に対して通常1〜5重量部である。また架橋助剤を含有させてもよい。
EVA樹脂組成物には、接着力向上の目的でシランカップリング剤を含有させたり、安定性を向上させる目的でハイドロキノン等を含有させたりしてもよい。
プロピレン・エチレン・α−オレフィン共重合体としては通常、プロピレン系重合体と軟質プロピレン系共重合体を適切な組成で配合した熱可塑性樹脂組成物が用いられる。
なお、封止材層は2種以上の材料で形成されていても良い。また封止材層は、単層であっても、2層以上からなる積層体であってもよい。
各封止材層それぞれの厚みは、特に限定されないが、通常100μm以上、好ましくは150μm以上、より好ましくは200μm以上であり、また、通常3mm以下、好ましくは1.5mm以下、より好ましくは1mm以下である。厚みを厚くすることで太陽電池パネルの機械的強度が高まる傾向にあり、薄くすることで柔軟性が高まりまた可視光の透過率が向上する傾向にある。
これら表面保護層及び/又は封止材層は、予めフィルム・シート状に形成しておいたものを圧着、液状樹脂を塗布・印刷成膜、液状樹脂の注型成形など、従来公知の方法により形成することができる。
非受光面側には保護層(裏面保護層と称する)が設けられる。裏面保護層は支持部材、基板としての機能も有するため機械的強度が高く、耐候性、耐熱性、耐水性等に優れると同時に軽量であることが好ましく、また太陽電池パネルの設置部位の変形に追従して変形できるものが好ましい。
裏面保護層を形成する材料としては、例えば、ガラス、サファイア、チタニア等の無機材料;ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリイミド樹脂、(水添)エポキシ樹脂、ナイロン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エチレンビニルアルコール共重合体、フッ素樹脂フィルム、塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、セルロース樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、アラミド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリノルボルネン樹脂等の有機材料;紙、合成紙等の紙材料;ステンレス、チタン、アルミニウム等の金属に、耐腐食性や絶縁性を付与するために表面をコート或いはラミネートしたもの等の複合材料;などが挙げられる。なお、裏面保護層の材料は2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
太陽電池パネルは石飛び、立木等との接触などに曝される虞があり、また衝突時の安全性の観点から割れにくいことが望ましい。従って基材層としては金属を含む複合材料、有機材料、紙材料などが好ましい。
軽量かつフレキシブルであるという点で有機材料がより好ましい。更にこれら有機材料に無機繊維(炭素繊維、ガラス繊維、セラミックス繊維等)、有機繊維(アラミド、ポリエステル、ポリアミド、高強度ポリプロピレン、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール等)、金属繊維(ボロン、チタン、スチール等)などの繊維を含ませ、機械的強度を上げてもよい。この補強により軽量で強靭な車輌用太陽電池パネルが得られる。
裏面保護層の形状に制限は無いが、通常は、板状又はフィルム状のものを用いる。また、裏面保護層を板状に成形する場合、裏面保護層は平板状に形成しても良いが、車輌の装着部分の形状に応じて湾曲や凹凸のある形状に形成しても良い。
また、裏面保護層には太陽電池パネル40を荷台に装着するため、必要に応じて取付部材が設けられていてもよい。
裏面保護層の寸法に制限は無いが、厚みは通常12μm以上、好ましくは20μm以上である。強度、操作性などの観点からである。また、通常23mm以下、好ましくは20mm以下である。軽量化、可撓性及び加工性などの観点からである。
太陽電池パネルの強度を向上させるために、パネル裏面などに金属などからなる枠体(フレーム)を設けることもできる。この場合、太陽電池パネルの厚さや重量には枠体も含めるものとする。
なお、太陽電池パネルの裏面保護層が荷台ボディのパネルを兼ねており荷台の一部を構成するようにしてもよい。なお、太陽電池パネルが、荷台ボディの一部を構成するように、荷台のパネルに対して一体的に接着されていてもよい。
次に、図3を参照して、本実施形態に用いられる具体的な太陽電池パネルの構成について説明する。図3(A)に示すように、太陽電池パネル40は、複数個の多結晶シリコンを発電層として用いた太陽電池素子41と、太陽電池素子41間を接続するリード線46を封止する封止材層42,43と、ETFE樹脂よりなる表面保護層44と、アルミ板よりなる裏面保護層としての基板45とによって構成され、全体として3.8mm程度の厚みとなっている。封止材層42は、太陽電池素子41に接する水添エポキシ樹脂層及びこれに接して形成されるEVA樹脂層の2層からなる。封止材層43も同様である。太陽電池素子41自体は、上記した通り、図示例のものに限らず、種々の構成が可能である。
この例では、図3(B)に示すように、四角形状の太陽電池素子41を格子状に複数、図示例では縦3列横2列に並べたもの一つの単位パネル401とし、この単位パネル401を設置面に応じて複数枚並べて大きなパネルとして使用する。単位パネル401は、縦3列が電気的に直列に接続され、横2列は電気的には独立に構成されている。単位パネル401内には、太陽電池素子41の高さに合わせたスペーサ47が介装されている。各太陽電池素子41は表裏面が負極、正極となり、図3(C)に示すように、電気的な接続はリード線46によって接続され、リード線46はスペーサ47上で接続されている。単位パネル401の端部には取り出し電極があり、隣接する単位パネル401と電気的に接続可能となっている。2列の素子例の電極端子は同極性に構成されている。
単位パネル401を、この例では、図4(A)に示すように、荷台ボディ21の左右の天板パネル24、24に、2列ずつ荷台ボディ21の長手方向に複数枚設置している。荷台20の長手方向は、トラック車輌1が直進している状態での荷台20の進行方向に対応する。
単位パネル401は、各単位パネル401の2列の太陽電池素子の素子列が直列接続となるように接続される。すなわち、荷台20の長手方向に沿って直列接続された太陽電池素子41の素子列が、進行方向に対して直交方向に複数列配置され、各素子列が両端で並列接続される構成となっている。
或いは、太陽電池パネル40(又は単位パネル401)は、図4(B)に示すように、荷台20の長手方向に沿って直列接続された太陽電池素子41の素子列が、進行方向に対して直交方向に複数列配置され、かつ各太陽電池素子41が並列接続される構成となっていてもよい。このような直並列構造とすることにより、一部の太陽電池素子41が日影等で発電しなくなっても、当該太陽電池素子が抵抗になり発電に悪影響を及ぼすことがない。
例えば、太陽電池パネル40(又は単位パネル401)を、図4(D)に示すように、リード線46を介さずに太陽電池素子41の異極の表裏面同士を直接部分的に重ねて接続するモノリシックな構造とすれば、図4(B)に示したように太陽電池素子41が直並列配置された状態となる。なお、単位パネル401の太陽電池素子41の数、配列は任意である。
通常、日光は、トラック車輌1が走行する道路の両側の建物等によって遮られるので、日陰と日向の境目は車輌の進行方向に沿って向いている時間が多いと考えられる。したがって、太陽電池素子41の直列接続の方向は任意であるが、本実施形態のように、進行方向に直列に接続されている太陽電池素子41の素子列を進行方向に直交して複数列配置しておくことにより、一部の列が日陰になっても、出力がダウンすることが無く、好ましい。
太陽電池素子41の素子列の配列は、トラック車輌1の直進状態の進行方向に完全に平行である必要はなく、通常5〜20度程度の角度は許容される。
また、太陽電池パネル40を設置する際、図4(C)に示すように、単位パネル401の前端頂点Aから荷台の進行方向に平行に引いた直線と、パネル後端頂点Bとの距離(B−B")が通常5mm以下、好ましくは3mm以下、より好ましくは1mm以下とする。
また、各単位パネル401に対してバイパスダイオードを設けてもよい。複数直列接続したうちの一部のパネルが日陰等で発電しなくなっても、当該パネルが抵抗になり発電に悪影響を及ぼすことが無い。また、太陽電池パネル40の出力端子と空調装置30の入力端子との間には、太陽電池パネル40からの出力電流の逆流や蓄電池(バッテリ)50からの電流が太陽電池パネル40の出力端子側へ流れるのを防止する逆流防止ダイオード91(図25)が介装されてもよい。
太陽電池パネル40は、この実施形態では3.8mmであるが、その厚みは、0.3mm〜25mmの範囲とするのが好ましい。好ましくは0.5mm以上、より好ましくは0.7mm以上であり、また、好ましくは10mm以下、より好ましくは5mm以下である。25mm以下とすると走行中の風の抵抗が小さく、燃費に影響しない。
また、太陽電池パネル40の単位面積当たりの重量は、この実施形態では4.9[kg/m2]であるが、6[kg/m2]以下とすることが好ましい。重量が6[kg/m2]以下としておけば、トラックの重心がそれほど上部に移動せず、走行安定性に影響はでない。例えば自動車の最大安定傾斜角は一般に35度以上が必要とされ、値が大きいほど走行安定性が高いが、10トン車の荷台に太陽電池パネルを設置する場合、総重量約100kg以下であれば最大安定傾斜角45度を確保でき、十分な走行安定性を得ることができる。
なお、10トン車の荷台天井面積は約18m2であり、6kg/m2の太陽電池パネルを設置すると総重量約100kgである。好ましくは5[kg/m2]以下、より好ましくは4[kg/m2]以下である。また重量は通常0.3[kg/m2]以上、好ましくは0.5[kg/m2]以上、より好ましくは1.0[kg/m2]以上である。
そして、本実施形態では、太陽電池パネル40の単位重量あたりの最大出力を、サブの空調装置30の最大の消費電力を太陽電池パネル40の重量で割った値の1.2倍以上となるように設定している。
このようにしておけば、太陽電池パネル40に十分な日照が確保できていれば、太陽電池パネル40単独でサブの空調装置30の駆動を実現することができる。従ってエンジンを停止した駐車中にもサブの空調装置30を駆動することができる。もちろん、走行時のサブ空調駆動にも使うことができる。また、駐車中、走行中を問わず太陽電池パネル40の出力を空調駆動用の電力として使うこともできる。
真夏の炎天下に駐車していたトラックの運転室11内の温度を急速に下げたいときの空調の消費電力に比べて、ある程度温度が下がった後、定常的にその温度を維持するためのサブの空調装置30の消費電力(定常状態での消費電力)はずっと少ない。この定常状態の消費電力を上回る発電ができれば、太陽電池パネル40の発電エネルギーのみで相当程度の時間、十分にサブの空調装置30の駆動をまかない得る。
本実施形態の場合、トラック車輌1がエンジンの駆動力で駆動するメインの空調装置130と最大消費電力の小さいサブの空調装置30の二台の空調装置を備え、サブの空調装置30に太陽電池パネル40の発電エネルギーを供給可能としている。
急速冷暖房時はメインの空調装置130のみ、またはメインとサブ両方の空調装置130、30を駆動させ、定常状態ではサブの空調装置30のみを駆動させる。このとき十分な日照が確保できていれば、サブの空調装置30の駆動を太陽電池パネル40単独で実現することができる。
本実施形態によれば、トラック車輌にアドオンタイプのサブの空調装置30と太陽電池パネル40を後付けすれば可能となるため、既存のトラック車輌に容易に適用できる利点がある。またサブの空調装置30と太陽電池パネル40を直接接続すればよく制御システムも簡易なものとなる利点がある。
ところで、一日の標準的な日照量変化パターンから、太陽電池パネル40の発電による出力変化を概略算出することができる。検討によれば、快晴の夏の日の午前10時から午後2〜3時頃まで、即ち4時間以上の空調駆動を太陽電池パネル40のみで行うことが可能となる。最も暑い時間帯の空調を太陽電池パネル40の出力でまかなえるため燃料消費量及びCO2の削減効果が大きい。
本実施形態の場合、太陽電池パネル40の単位重量あたりの最大出力を、サブの空調装置30の最大の消費電力を太陽電池パネル40の重量で割った値の1.2倍以上となるように設定されるが、好ましくは2.0倍以上、より好ましくは3.0倍以上である。それぞれ、同午前9時から午後4時頃まで、同午前8時から午後5時頃までをまかなうことができる。また通常20倍以下、好ましくは15倍以下、より好ましくは10倍以下である。
なお、空調装置130、30を暖房運転する際は、例えば走行中はエンジンの排熱を利用して暖房運転し、停車中はアイドリングストップし太陽電池パネル40または蓄電池50からの電気エネルギーにより電動ヒートポンプなどを駆動し暖房運転することができる。勿論、走行中にも電気エネルギーを利用してもよい。
また、太陽電池パネル40の単位重量当りの最大出力qが、5[W/kg]以上であることが好適である。トラック車輌1の走行性能に影響を与えることなく長時間の駆動が可能となる。本実施形態では17.7[W/kg]である。
好ましくは10[W/kg]以上、より好ましくは15[W/kg]以上である。但し、太陽電池パネル40の発電効率には限界があり、通常、100[W/kg]以下、好ましくは70[W/kg]以下、より好ましくは50[W/kg]以下である。効率4%で6.7W/kg相当、6%で10W/kg相当、10%で16.7W/kg相当であるため上記のように設定される。この例では、太陽電池パネル40の単位パネルが40枚で、一枚あたりの最大出力が23.6[Wp]、全出力は944[Wp]となる。
太陽電池パネル40の最大出力(Wp:ワットピーク)に対する該蓄電池50の容量(Wh)の比は、0.1〜5(Wh/Wp)の範囲であると好ましい。より好ましくは0.5(Wh/Wp)以上、更に好ましくは1(Wh/Wp)以上、また好ましくは4(Wh/Wp)以下、より好ましくは3(Wh/Wp)以下である。
本実施形態では、この比を3とすることで、蓄電池50で約8時間の空調の駆動が可能であった。また今回の実施形態では、太陽電池パネル40の面積Spは運転室の上視面積Sdの約4倍であったが、好ましくは1〜7倍以下である。より好ましくは1.5倍以上である。また5倍以下がより好ましい。空調装置の駆動を可能としつつ、太陽電池パネル40の重量が抑えられトラック車輌1の走行安定性に影響が出ない。また、トラック車輌1の最大積載量を大きく損なうことがなく、またトラックの燃費の悪化も少ない。
なお、上記実施形態では、2台の空調装置30,130を備え、一つの空調装置30について太陽電池パネル40からの電気エネルギーを供給可能とした例について説明したが、空調装置を3台以上備えた場合についても適用できるし、そのうちの少なくとも1つの空調装置について太陽電池パネル40からの電気エネルギーの供給が可能となっていればよい。
太陽電池パネル40は、荷台20とは別の独立した構造で、荷台20の外面に対して取り付けることができる。例えば、天板パネル24に対して、太陽電池パネル40を永久固定することができる。また、太陽電池パネル40は、荷台ボディ21に対して、取付部材を介して機械的結合により固定されることができる。例えば、太陽電池パネル40を、荷台20に対して、リベット、リテーナ、固定バー、ボルト、ナット等の取付部材を介して、機械的な結合により荷台20に固定することができる。このとき、太陽電池パネル40を、荷台20に対して交換可能に取り付けることができる。
或いは、太陽電池パネル40は、荷台ボディ21に対して接着固定されることができる。接着固定には、両面テープのような粘着テープや接着剤を適用することができる。或いは、太陽電池パネル40は、裏面保護層を除いた構成で、荷台のパネルに対して一体的に接着され、太陽電池パネル付きの荷台パネルとして構成されることができる。
図5は、太陽電池パネル40として、アモルファスシリコン太陽電池パネルを用いた例である。図5(A)は太陽電池パネル40の平面図、図5(B)は太陽電池パネル40の概略分解斜視図である。図5に示す例では、太陽電池パネル40の厚さは2.3mm、重量は約5.7[kg/m2]、太陽電池パネル40の単位重量あたりの最大出力qは5.3[W/kg]である。また、太陽電池パネル40の最大出力(Wp:ワットピーク)に対する蓄電池の容量(Wh)の比は3(Wh/Wp)であり、太陽電池パネルの面積Spは運転室の面積Sdの約4倍である。図5(B)に示すように、太陽電池パネル40の構成は、太陽電池素子241の受光面側(矢印方向)及び非受光面側の双方に、封止材層(EVA)242、243を介し、表面保護層244(ETFE)、鉄板よりなる裏面保護層としての基板245を備えた構成となっている。
図5のアモルファスシリコン太陽電池パネル40はモノリシックな構造で、複数の太陽電池素子をリード線を介さないで直接接触させて接続された構造を有する。その接続方向は、トラック車輌が直進状態の進行方向に沿って、すなわち荷台の長手方向に沿って直列に接続した直列素子列を、長手方向と直交方向に複数列配列し、かつ各太陽電池素子が並列接続される、直並列接続の構成となっている。
<トラック車輌の他の実施形態>
ところで、実施形態に係る空調制御装置を適用可能なトラック車輌は、図1(A)に示したような、トラック車輌1に初期搭載されたメインの空調装置130と、トラック車輌1に後付けされた、主に仮眠キャビン14内の空調を行うアドオンタイプの空調装置30を備えたものの他に、図1(B)に示すような、運転席側のビルトインタイプの電動空調装置131を一つのみ備えたトラック車輌も含まれる。
電動空調装置131は、アドオンタイプの空調装置30と同様の構成を備えている。トラック車輌1の図示しないエンジンルームには、空調装置131が備えるコンプレッサおよび室内機の送風モータ等を駆動するための電気モータ(図示せず)が搭載されており、この電気モータには、太陽電池パネル40からの発電電力や、蓄電池50からの放電電力や、トラック車輌1のエンジンの駆動力で発電を行うオルタネータ(発電機)37(図7等)からの電力が供給される。また、当該電気モータには、外部電源80(図6等)からの電力を供給することもできる。このように、空調装置131は、太陽電池パネル40,蓄電池50,オルタネータ37,外部電源80のうちの少なくとも一つからの電力で駆動される。
なお、ビルトインタイプの空調装置131として、エンジンの駆動軸からの動力と、上記した図示しない電気モータからの動力との一方が電磁クラッチの切替動作を通じて空調装置が備えるコンプレッサや送風機に伝達され、これらのコンプレッサ等が駆動するように構成されたものを適用することができる。この場合、例えば、エンジンのオン時にエンジンからの動力を受けて空調装置が駆動され、エンジンのオフ時に電気モータからの動力を受けて空調装置が駆動されるように構成することができる。もっとも、エンジンのオン時に、オルタネータ37からの電力を受けて駆動する電気モータの動力がコンプレッサ等に伝達されるようにしても良い。
また、選択的に仮眠キャビン14内の空調を可能とするよう、空調装置30の送風口を寝室に設けたり、寝室の室温を設定且つコントロールしたりするようにしてもよい。そして、太陽電池パネル40の単位重量あたりの最大出力qを、空調装置131の最大消費電力を太陽電池パネル40の重量で割った値の0.2倍以上となるように設定する。
この場合でも、太陽電池パネル40からの発電エネルギーのみで相当程度の時間、十分に空調装置131の駆動をまかない得る。すなわち、太陽電池パネル40の単位重量あたりの最大出力を、空調装置131の最大の消費電力を太陽電池パネル40の重量で割った値の0.2倍以上となるように設定しておけば、太陽電池パネル40に十分な日照が確保できていれば、空調装置131の定常状態での駆動を太陽電池パネル40単独で実現することができる。
真夏の炎天下に駐車していたトラックの運転室11内の温度を急速に下げたいときの空調の消費電力に比べて、ある程度温度が下がった後、定常的にその温度を維持するための空調装置131の消費電力(定常状態での消費電力)はずっと少ない。この定常状態の消費電力を上回る発電ができれば、太陽電池パネル40からの発電エネルギーのみで相当程度の時間、十分に空調装置130の駆動をまかない得る。
すなわち、太陽電池パネル40の発電エネルギーを空調装置131に供給可能としておけば、十分な日照が確保できていれば、空調装置131の定常状態での駆動を太陽電池パネル40単独で実現することができる。この実施形態の方法は、サブ空調装置30を使用しないため、コスト面で有利であり、特に新規車輌への適用に利点がある。
上記したとおり、太陽電池パネル40の単位重量あたりの最大出力を、空調装置131の最大の消費電力を太陽電池パネル40の重量で割った値の0.2倍以上となるように設定しておけば、上記実施形態と同様に、太陽電池パネル40に十分な日照が確保できていれば、空調装置131の定常状態での駆動を太陽電池パネル40単独で実現することができる。快晴の夏の日の午前10時から午後2〜3時頃まで、即ち4時間以上の空調駆動を太陽電池パネル40のみで行うことが可能となる。最も暑い時間帯の空調を太陽電池パネルの出力でまかなえるため燃料消費量及びCO2の削減効果が大きい。
この実施形態の場合、太陽電池パネル40の単位重量あたりの最大出力を、空調装置131の最大の消費電力を太陽電池パネル40の重量で割った値の0.2倍以上であるが、好ましくは0.35倍以上、より好ましくは0.5倍以上である。それぞれ、同午前9時から午後4時頃まで、同午前8時から午後5時頃までをまかなうことができる。また通常20倍以下、好ましくは15倍以下、より好ましくは10倍以下である。
なお、急速冷房時など空調装置131の消費電力が大きい時に、蓄電池50からの電気エネルギーにより不足分を補ってもよい。
また、トラック車輌1の停車中にも連続的または断続的に空調装置131を定常状態で冷房運転し続けておくことで、運転室11内の温度が高温となるのを防ぐシステムとしてもよい。これによれば、急速冷房が不要となるため、空調装置131として最大消費電力の小さい装置が使用できる。
<空調制御装置の構成>
図6は、上述したようなトラック車輌1に適用可能な空調制御システムの構成例を示す図である。図6に示す空調制御システムは、空調制御装置としての制御装置(システムコントローラ)60を備え、制御装置60は、太陽電池パネル40と、空調装置30や空調装置131(以下、特に空調装置30と空調装置131とを区別しない場合には、「空調装置30」と表記する)とに電気的に接続される。また、制御装置60は、蓄電池(以下、「バッテリ」ともいう)50と電気的に接続され、蓄電池50からの放電電力を得て作動することができる。また、制御装置60は、トラック車輌外の外部電源80と電気的に接続可能となっており、外部電源80から供給される電力で作動することもできる。
制御装置60は、バッテリ50に対する充放電コントローラ65を含んでいる。充放電コントローラ65は、太陽電池40からの電力や、外部電源80からの電力をバッテリ50に充電することができる。また、バッテリ50から電力を放電させて、バッテリ50に接続された負荷への電力供給を制御する。バッテリ50に対する充放電制御は、バッテリモニタ72に含まれるSOC(State of Charge)センサで検出されるバッテリ50の残存量に基づいて行うことができる。
制御装置60は、空調装置30に対する制御信号を与え、空調装置30の動作を制御する。また、制御装置60は、必要に応じて空調装置30から情報を得て、当該情報に基づき空調装置30の動作決定を行うこともできる。
なお、図6において、実線矢印は、電力供給の流れを示し、破線矢印は、情報(電気信号)の流れを示す。
制御装置60は、いわゆるアドオンタイプの空調装置30の制御装置として、トラック車輌1に初期搭載されたいわゆるビルトインタイプの空調装置130の制御装置(ECU(Electronic Control Unit又はEngine Control Unit))から独立したアドオンタイプの制御装置としてトラック車輌に搭載することができる。或いは、トラック車輌1に搭載されるビルトインタイプのECUの一つ、又はECUの一部としてトラック車輌1に設けられることもできる。空調装置131に対する制御装置60としては、アドオンタイプの制御装置であってもビルトインタイプの制御装置のいずれであっても良い。
図7は、図6に示した制御装置60及び制御装置60の周辺装置の詳細構成例を示す図である。図7において、制御装置60は、入力ポート61,充電検出部62、検出手段としての発電電力検出部63、選択部64、充放電コントローラ65,表示制御部66,メモリ67,決定手段としてのモード決定部68としての機能を備える。
入力ポート61は、各種センサやモニタ、入力装置84のような入力デバイスが接続され、各入力デバイスから信号の入力を受ける。図7に示す例では、入力デバイスとして、バッテリ50の温度を計測するバッテリ温度センサ71、バッテリ残量を計測するバッテリモニタ72、太陽電池パネル40に照射される日射量を計測する日射量センサ73、外気温を計測する外気温センサ74、運転室11(仮眠キャビン14)の室温を計測する運転室の温度センサ75が接続されている。また、入力ポート61には、湿度センサ76、天候モニタ77、タイマ78、イグニッションスイッチ79、オルタネータ発電力モニタ81、太陽電池(PV)発電力モニタ82、及び入力装置84が接続される。
充電検出部62は、バッテリモニタ72によってバッテリ50から単位時間あたりに出力される電流値をモニタし、これを積算して消費電力量を求めると共に、バッテリ50へ単位時間当たりに充電される電流値をモニタし、これを積算して充電量を求め、これらの電力量からバッテリ50の残容量を算出する。なお、バッテリ50の残容量を求める手法は、これに限らず公知の如何なる手法であっても良い。
発電電力検出部63は、太陽電池パネル40の発電電力を検出する。例えば、発電電力検出部63は、PV発電力モニタ82によって検出された太陽電池パネル40の発電電力量をモニタすることで、太陽電池パネル40の発電電力を求めることができる。PV発電力モニタ82は、太陽電池パネル40の出力電流及び出力電圧を実測し、これらの時間積算値から、単位時間当たりの発電電力を求め、制御装置60の発電電力検出部63に供給する。或いは、発電電力検出部63は、日射量センサ73で測定された日射量から太陽電池パネル40の発電電力を推算した値を、太陽電池パネル40の発電電力として求めることができる。なお、日射量センサ73とPV発電力モニタ82とは、選択的に設けることができる。
選択部64は、充電検出部62や発電電力検出部63で検出した値に基づき、太陽電池パネル40の発電電力の供給先を選択する。供給先として、空調装置30,バッテリ50,外部(外部電源)の何れかを選択することができる。
充放電コントローラ65は、負荷としての空調装置30(131)と、負荷に対する各種電源としての太陽電池パネル(PV)40,蓄電池(バッテリ)50,オルタネータ37,外部電源80が接続されるインタフェース部81と接続されている。充放電コントローラ65は、蓄電池50に対する充放電を制御するとともに、これらの負荷及び各電源間の電気的な接続及び切断制御を行う。
インタフェース部81は、外部電源80からの電力を空調装置30(131)に供給するためのインタフェース部として機能する。また、インタフェース部81には、外部負荷が接続され、PV40の発電電力を外部負荷に供給するための出力インタフェース部としても機能する。
表示制御部66は、例えばメモリ67に格納された表示用データを用い、入力装置84の操作に応じた表示内容を図示しないビデオRAMに書き込み、表示装置(ディスプレイ)83に表示する処理を司る。
メモリ67は、制御装置60による空調装置30(131)の制御、蓄電池50に対する充電制御(充放電コントローラ65の制御)、充放電コントローラ65を介した負荷−電源間の接続/切断の制御、のような様々な制御を行うための各種データを格納している。
モード決定部68は、制御装置60の各種制御モードを決定する。制御モードは、空調制御を自動で行うオートモードと、手動操作で行うマニュアルモードとを選択することができる。また、オートモードでは、空調装置30(131)を運転する空調制御モードと、蓄電池50に対する充電を行う充電モードとが自動で選択的に実行される。空調制御モードでは、複数の空調装置30の運転モードの中から一つの運転モードを決定することができる。運転モードは、少なくとも、空調装置30を冷暖房出力(温度及び/又は風量)「強」で運転する冷暖房強モードと、冷暖房出力(温度及び/又は風量)「弱」で運転する冷暖房弱モードと、換気を行う換気モードとを含むことができる。なお、本実施形態における空調運転モードは「弱」及び「強」の2段階であるが、3段階以上や、実質的に無限段階であってもよい。
冷暖房の際の制御は、通常の空調装置の制御と同様である。例えば、空調装置30を冷房モードで運転する場合は設定温度より低温の空気を供給するが、空気の温度は室温と設定温度の差に比例して低くし、風量は室温と設定温度の差に比例した大きさとする。従って、室温と設置温度との差があらかじめ設定された値(Tc)より大きい冷房強モードでは出力が強となり、より低温の空気をより大きな風量で供給する。逆に室温と設置温度との差がTcより小さくなると、冷房弱モードに移行し出力は弱となり、供給する空気の温度がやや上昇し風量が減少する。
発熱制御部69は、太陽電池パネル40への積雪を防止するため、外気温が閾値以下の場合に太陽電池パネル40に発熱用電力を供給する制御を行う。
制御装置60の構成要素である充電検出部62や、発電電力検出部63、選択部64、充放電コントローラ65、モード決定部68,などの信号を処理する要素は、基本的な回路を組み合わせて各々の機能を実現したハードウェアで構成することができる。
これら情報を処理する要素であるハードウェアは、例えば、FPGA[Field Programmable Gate Array]、ASIC[Application Specific Integrated Circuit]、LSI[Large Scale Integration]といった基本的な回路を備えても良い。また、当該ハードウェアは、IC[Integrated Circuit]、ゲートアレイ、論理回路、信号処理回路、アナログ回路といった基本的な回路を備えても良い。
論理回路としては、例えば、AND回路、OR回路、NOT回路、NAND回路、NOR回路、フリップフロップ回路、カウンタ回路がある。信号処理回路には、信号値に対し、例えば、加算、乗算、除算、反転、積和演算、微分、積分を実行する回路が、含まれていてもよい。アナログ回路には、例えば、信号値に対して、増幅、加算、乗算、微分、積分を実行する回路が、含まれていてもよい。
なお、これら信号を処理する要素の一部或いは全部は、汎用のプロセッサがメモリ67のような記録媒体に格納されたソフトウェアとしてのコンピュータプログラムを実行することによって、上記各機能を実現するものであっても良い。この場合、コンピュータプログラムは、例えばメモリ67に格納される。コンピュータプログラムは、制御装置60に含まれるCPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)のようなプロセッサによって図示しないメインメモリにロードされ、実行されることによって、上述した制御の一部又は全部を実現することができる。
このように、制御装置60は、ソフトウェア(CPUやDSPのようなプロセッサによるプログラムの実行)、ハードウェア、又はソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによって、本発明に係る検出手段,決定手段,オン/オフ検知手段,室温検出手段,外気温検出手段,選択手段,発熱制御手段としての機能を含む様々な機能を実現する装置である。
<自動運転モードによる空調制御>
以下、自動運転モードによる空調制御について説明する。
<<アドオンタイプの自動制御モード>>
図8〜図11は、アドオンタイプの空調装置(エアコン)30に適用される自動運転モードによる空調制御例を示すフローチャートである。当該フローチャートにおける判定ステップ(菱形シンボル)において、判定結果がYesであれば処理が下方に進み、判定結果がNoであれば、処理が横方向に進む。
図8〜図11に示す処理は、例えば、制御装置(システムコントローラ)60の電源投入による起動によって開始される。処理が開始されると、最初に、図示しないモード選択画面が、表示制御部66により表示装置83(図7)に表示される(ステップS1)。モード選択画面には、空調の自動運転モードと手動運転モードとの選択肢が表示される。このとき、ユーザ(オペレータ)は、入力装置84を用いて、自動運転モードと手動運転モードとの一方を選択することができる。ここでは、自動運転モードが選択されると仮定する。
すると、モード選択画面に代わって、設定温度入力画面が表示装置83に表示される(ステップS2)。ユーザは、入力装置84を用いて、空調装置30の設定温度を入力することができる。
設定温度の入力が完了すると、設定温度入力画面に代わって、休業日入力画面が表示装置83に表示される(ステップS3)。ユーザは、入力装置84を用いて、休業日を入力することができる。休業日は、トラック車輌を使用しない日として定義される。例えば、休業日として、各月の1以上の特定の日(例えば、「第XY曜日」。但し、Xは数字、Yは日〜土のいずれか)を指定することができる。或いは、休業日入力画面に示される月のカレンダーから、休業日に相当する1以上の日を指定することができる。休業日の設定方法は、適宜の方法を適用することができる。
なお、上述した自動運転/手動運転モードの選択,設定温度入力,及び休業日の入力は、一つの操作画面を用いて行うようにすることもできる。また、設定温度入力,及び休業日の入力の順序はどちらが先でもよい。すなわち、ステップ2とステップ3の順序は入れ替わっても良い。
上述したモードの選択結果(自動制御モード)、設定温度、休業日の入力内容は、制御装置(システムコントローラ)60が有する記憶領域(メモリ67)に格納される。メモリ67には、予め営業日情報が格納されている。営業日情報は、例えば、各月のカレンダー情報を含み、各月の日が営業日であるか休業日であるかを設定可能となっている。例えば、日毎に、休業日フラグが設定されており、ステップS3で指定された休業日に対応する日の休業日フラグがオンとされることで、その日を休業日に設定することができる。一方、休業日フラグがオフであれば、その日は営業日として扱われる。
休業日の入力が完了すると、制御装置60は、予めメモリ67に格納されている営業日情報を読み込み(ステップS4)、当日が営業日か否かを判定する(ステップS5)。例えば、制御装置60は、タイマ78から現在の日付を求め、営業日情報の当日に設定された休業日フラグがオンかオフかを判定することによって、当日が休業日か否かを判定する。このとき、休業日フラグがオンであれば制御装置60は当日が休業日と判定し、処理をステップS39(図11)に進める。これに対し、休業日フラグがオフであれば、制御装置60は当日が営業日であると判定し、処理をステップS6に進める。
ステップS6では、制御装置60は、イグニッションスイッチ79のオン/オフをチェックし、イグニッションスイッチ79がオフか否かを判定する(ステップS7)。このとき、イグニッションスイッチ79がオンであれば、トラック車輌1のエンジンがオンであるとして、処理がステップS11(図9)に進む。
これに対し、イグニッションスイッチ79がオフであれば、制御装置60は、トラック車輌1のエンジンがオフであると判定し、空調装置30の運転を太陽電池パネル40(以下、「PV40」と表記することもある)、またはPV40及び蓄電池50(以下、「バッテリ50」と表記することもある)で行うPV/バッテリモードで行うべく、処理をステップS8(図9)に進める。ステップS8では、制御装置60は、室温センサ75により検知されたトラック車輌1の運転室11(例えば仮眠キャビン14)内の温度、すなわち室温Tinを読み込む。
続いて、制御装置60は、外気温センサ74により検知された外気温Toutを読み込む(ステップS9)。制御装置60は、当該フローチャートの処理と並列に、室温センサ75及び外気温センサ74の出力から室温Tin及び外気温Toutを求め、所定の記憶領域(メモリ67)に格納する処理を随時又は周期的に行っている。ステップS8及びS9では、記憶領域(メモリ67)に格納された室温Tin及び外気温Toutが読み込まれる。
次に、制御装置60は、室温Tinと外気温Toutとの温度差Td2(Td2=|Tin−Tout|)が、予め設定された定数(閾値)Tb以下か否かを判定する(ステップS10)。このとき、温度差Td2が閾値Tb以下であれば、制御装置60は、冷暖房モードを実行すべく、処理をステップS11に進める。これに対し、温度差Td2が閾値Tbより大きければ、制御装置60は、換気モードを実行するか否かを判断すべく、処理をステップS30(図11)に進める。
ステップS11では、制御装置60は、室温Tinと設定温度(設定値)Tsetとの温度差Td1(Td1=|Tin−Tset|)が予め設定された定数(閾値)Tc以上か否かを判定する(Td1≧Tc?)。このとき、温度差Td1が閾値Tc以上であれば、制御装置60は、冷暖房強モードでの空調装置(エアコン)30の運転を決定し、処理をステップS12に進める。これに対し、温度差Td1が閾値Tc未満であれば、制御装置60は、処理をステップS20(図10)に進める。
ステップS12では、制御装置60は、日射量又は太陽電池の発電力をチェックする。すなわち、制御装置60は、日射量センサ73で計測された日射量、或いは日射量から推算されるPV40の発電電力の推定値、又はPV発電力モニタ82での実測により得られたPV40の発電電力を求める。もっとも、制御装置60は、当該フローチャートの処理と並列に、日射量又は発電力を随時又は周期的に求め、所定の記憶領域(メモリ67)に格納しておくことができる。ステップS12では、記憶領域(メモリ67)に格納された日射量又は発電力を読み出すこともできる。
続いて、制御装置60は、日射量又は発電力が予め記憶領域(メモリ67)に格納された閾値W3以上か否かを判定する(ステップS13)。閾値W3は、PV40からの電力のみで冷暖房強モードの運転が可能か否かを判定するための閾値である。このとき、日射量又は発電力が閾値W3以上であれば、制御装置60は処理をステップS14に進める。これに対し、日射量又は発電力が閾値W3未満であれば、制御装置60は処理をステップS17に進める。
なお、閾値W3の値は、例えば、設定温度と出力(「強」又は「弱」)とに基づいて予め定められた空調装置30の要求電力値を適用することができる。或いは、閾値W3の値は、制御装置60が空調装置30のコントローラ(図示せず)に対する問い合わせ(設定温度及び出力の条件)で得られた(コントローラから回答された)要求電力値を適用することもできる。或いは、閾値W3として、上記した要求電力値が日射量に換算され、日射量センサ73によって得られた日射量と閾値W3(日射量)とがステップS13で比較されるようにしても良い。以下に説明する閾値W2、W1についても同様である。
ステップS14では、制御装置60は、日射量又は発電力が蓄電池(バッテリ)50に充電すべき余剰電力(閾値W3を越える電力)を生じさせるか否かを判定する。このとき、余剰電力があれば、制御装置60は処理をステップS15に進める。余剰電力がない場合には、制御装置60は処理をステップS16に進める。
ステップS15では、制御装置60は、充電モードを実行すべく、充放電コントローラ65に対し、バッテリ充電を指示する。充放電コントローラ65は、制御装置60からの指示に従って、PV40の余剰電力を用いたバッテリ充電処理を実行する。なお、バッテリ充電処理の詳細は後述する。
次に、制御装置60は、空調装置(エアコン)30の出力を「強」で運転する冷暖房強モードで、空調装置30の運転を実行する(ステップS16)。すなわち、制御装置60は、空調装置30に備えられた図示しないコントローラに対し、設定温度Tset 及び出力「強」での運転を指示する。空調装置30のコントローラは、制御装置60からの指示に従って、冷暖房強モードに応じた出力及び設定温度で冷房または暖房運転を行う。ステップS16の後、処理はステップS4に戻る。
以上のように、イグニッションスイッチ79(エンジン)がオフの状態で、室温Tinと外気温Toutとの温度差Td2が閾値Tb以下であり、室温Tinと設定温度Tsetとの温度差Td1が閾値Tc以上であり、日射量又は発電力が閾値W3以上であれば、空調装置(エアコン)30はPV40からの電力のみを用い、冷暖房強モードで運転される。このとき、PV40の発電電力に余剰電力があれば、この余剰電力はバッテリ50に充電される。
ステップS13で、日射量又は発電力が閾値W3未満と判定された場合には、処理がステップS17に進む。ステップS17では、制御装置60は、バッテリ状態をチェックし、バッテリモニタ72で計測されたバッテリ残量が閾値Wh3以上か否かを判定する(ステップS18)。ここに、閾値Wh3は、バッテリ50をPV40の補助電源として用いて冷暖房強モードでの運転が一定時間可能なバッテリ残量の判定閾値であり、例えば、閾値W3として適用し得る空調装置30の要求電力をバッテリ残量に換算したものである(後述する閾値Wh2、Wh1も同様)。バッテリ残量が閾値Wh3以上であれば、処理がステップS19に進み、そうでなければ、処理がステップS20(図10)に進む。
ステップS19では、制御装置60は、PV40の発電量の不足分をバッテリ50からの電力で補う(アシストする)バッテリ・PVアシストモードの設定を行い、処理をステップS16に進める。バッテリ・PVアシストモードの設定により、バッテリ50と空調装置30とが電気的に接続され、バッテリ50からの電力が空調装置30に供給される状態となる。
このように、日射量又はPV40の発電力が閾値W3未満であるが、バッテリ残量が閾値Wh3以上であれば、PV40及びバッテリ50からの電力を用いて、空調装置(エアコン)30が冷暖房強モードで運転される。
ステップS18でバッテリ残量が閾値Wh3未満と判定され、処理がステップS20に進んだ場合には、制御装置60は、室温Tinを読み込む。次に、制御装置60は、室温Tinと設定温度(設定値)Tsetとの温度差Td1(Td1=|Tin−Tset|)が、予め設定された定数(閾値)Ta以上か否かを判定する(ステップS21)。
このとき、温度差Td1が閾値Ta以上であれば、制御装置60は、冷暖房の運転モードを「弱」とする冷暖房弱モードでの空調装置30の運転を決定し、処理をステップS22に進める。これに対し、温度差Td1が閾値Ta未満であれば、制御装置60は、充電モードを実行すべく、処理をステップS39に進める。
ここに、閾値Taは閾値Tcよりも小さい(Tc>Ta)。従って、室温Tinと設定温度Tsetとの差Td1がTc以上(Td1≧Tc)ならば冷暖房強モード、Ta≦Tin<Tcならば冷暖房弱モード、Ta未満であれば空調装置30を運転しない(充電モード)、となる。
ステップS22では、制御装置60は、日射量又はPV40の発電力(例えば、ステップS12で求められた日射量又は発電力)を読み込む。次に、制御装置60は、日射量又は発電力が予め記憶領域(メモリ67)に設定された閾値W2(W3>W2)以上か否かを判定する(ステップS23)。閾値W2は、PV40からの電力のみで冷暖房弱モードでの運転が可能か否かを判定するための閾値である。このとき、日射量が閾値W2以上であれば、処理がステップS24に進み、そうでなければ処理がステップS27に進む。
ステップS24では、制御装置60は、日射量PV40の発電力がバッテリ50に充電すべき余剰電力を生じさせるか否かを判定する。このとき、余剰電力が生じる場合には、制御装置60は、充電モードを実行すべく、処理をステップS25に進める。余剰電力が生じない場合には、処理がステップS26に進む。
ステップS25では、余剰電力が生じるとの判定結果に基づき、ステップS15と同様のバッテリ充電処理が実行される。すなわち、制御装置60は、充放電コントローラ65にバッテリ充電を指示し、充放電コントローラ65がバッテリ充電を行う。バッテリ充電処理の詳細は後述する。
次に、制御装置60は、空調装置30の出力を「弱」で運転する冷暖房弱モードで、空調装置30の運転を実行する(ステップS26)。すなわち、制御装置60は、空調装置30に備えられた図示しないコントローラに対し、設定温度Tset及び出力「弱」での運転を指示する。空調装置30のコントローラは、指示に従って、冷暖房弱モードに応じた出力及び設定温度で冷房または暖房運転を行う。ステップS26の後、処理はステップS4に戻る。
以上のように、室温Tinと設定温度Tsetとの温度差Td1が閾値Tc未満Ta以上であり、且つ日射量又は発電力が閾値W2以上であれば、空調装置30はPV40からの電力のみを用いて冷暖房弱モードで運転される。このとき、PV40の発電電力に余剰電力があれば、この余剰電力はバッテリに充電される。
ステップS23で、日射量又は発電力が閾値W2未満と判定された場合には、処理がステップS27に進み、制御装置60は、バッテリ状態をチェックする。次に、制御装置60は、バッテリ残量が閾値Wh2以上か否かを判定する(ステップS28)。閾値Wh2は、バッテリ50をPV40の補助電源として用いて冷暖房弱モードでの運転が一定時間可能なバッテリ残量の判定閾値である(Wh3>Wh2)。ここで、バッテリ残量が閾値Wh2以上であれば、処理がステップS29に進み、そうでなければ、処理がステップS39に進む。
ステップS29では、制御装置60は、PV40の発電量の不足分をバッテリ50からの放電電力で補う(アシストする)バッテリ・PVアシストモードの設定を行い、処理をステップS26に進める。
このように、日射量又は発電力が閾値W2未満であるが、バッテリ残量が閾値Wh2以上であれば、PV40及びバッテリ50からの電力を用いて、空調装置30が冷暖房弱モードで運転される。
上述したステップS10(図9)にて、外気温Toutと室温Tinとの温度差Td2が閾値Tbを上回ると判定された場合には、処理がステップS30(図11)に進む。ステップS30では、制御装置60は、空調装置30を換気モードで運転するか否かを判断するために、外気温Toutと設定温度Tsetとの差である温度差Td3(Td3=|Tout−Tset|)が、室温Tinと設定温度Tsetとの温度差である温度差Td1(Td1=|Tin−Tset|)以下か否かを判定する。
温度差Td3が温度差Td1以下である場合には、制御装置60は、換気モード運転を行うことを決定し、処理をステップS31に進める。これに対し、温度差Td3が温度差Td1より大きい場合には、制御装置60は、処理をステップS11に進める。
ステップS31では、制御装置60は、ステップS12と同様の手法で、日射量又はPV40の発電力をチェックする。
続いて、制御装置60は、日射量又は発電力が予め記憶領域に格納された閾値W1以上か否かを判定する(ステップS32)。閾値W1は、PV40からの電力のみで換気モードの運転が可能か否かを判定するための閾値である。このとき、日射量又は発電力が閾値W1以上であれば、制御装置60は処理をステップS33に進める。これに対し、日射量又は発電力が閾値W1未満であれば、制御装置60は処理をステップS36に進める。
ステップS33では、制御装置60は、日射量又は発電力がバッテリ50に充電すべき余剰電力を生じさせるか否かを判定する。このとき、余剰電力があれば、制御装置60は処理をステップS34に進める。余剰電力がない場合には、制御装置60は処理をステップS35に進める。
ステップS34では、制御装置60は、充電モードを実行すべく、充放電コントローラ65に対し、バッテリ充電を指示する。充放電コントローラ65は、制御装置60からの指示に従って、バッテリ充電処理を実行する。
ステップS35では、制御装置60は、空調装置30を「換気」で運転する換気モードで、空調装置30の運転を実行する。すなわち、制御装置60は、空調装置30に備えられた図示しないコントローラに対し、「換気」運転を指示する。コントローラは、指示に従って、「換気」運転を行う。このとき、空調装置30は、自身が備える送風機(ファン又はブロア)を駆動し、図示しないトラック車輌1の外気取り入れ口を開放し外気を室内に導入することにより、運転室11(仮眠キャビン14)の空気を外気と交換することにより換気を行うことができる。ステップS35の後、処理はステップS6に戻る。外気取り入れ口は、空調装置30のコントローラや、制御装置60などのプロセッサによる図示しないアクチュエータ制御により、開閉可能となっている。
なお、換気モードでは、空調装置30に代えて、メインの空調装置130の送風機(ファン又はブロア)を駆動して換気を行ってもよい。このときも同様に、図示しないトラック車輌1の外気取り入れ口が開放され、運転室11内の空気と外気との交換が行われるようにする。
以上のように、外気温と室温との温度差Td2が閾値Tbより大きく、温度差Td3が温度差Td1以下であり且つ日射量が閾値W1以上であれば、空調装置(エアコン)はPV40からの電力のみを用いて換気モードで運転される。このとき、PV40の発電電力に余剰電力があれば、この余剰電力はバッテリに充電される。
ステップS32で、日射量又は発電力が閾値W1未満と判定された場合には、処理がステップS36に進み、制御装置60はバッテリ状態をチェックする。次に、制御装置60は、バッテリ残量が閾値Wh1以上か否かを判定する(ステップS37)。ここに、閾値Wh1は、バッテリをPV40の補助電源として用いて換気モードでの運転が一定時間可能なバッテリ残量の判定閾値である(Wh2>Wh1)。バッテリ残量が閾値Wh1以上であれば、処理がステップS38に進み、そうでなければ、処理がステップS39に進む。
ステップS38では、制御装置60は、PV40の発電量の不足分をバッテリ50からの電力で補う(アシストする)バッテリ・PVアシストモードの設定を行い、処理をステップS35に進める。
ステップS39では、制御装置60は、充電モードを実行すべく、充放電コントローラ65に対し、バッテリ充電を指示する。充放電コントローラ65は、制御装置60からの指示に従って、バッテリ充電処理を実行する。ステップS39の後、予め施された設定に従って、当該フローチャートの処理が終了又はリターンする。処理が終了した場合には、その後の所定の実行開始トリガを機に、ステップS1から処理が再開される。これに対し、処理がリターンする場合には、処理がステップS4に戻され、営業日読み込みから処理が再開される。後述するが、バッテリ充電処理(図20)では、バッテリ50に対する充電が行われる。よって、リターン時には、バッテリがある程度充電された状態で、ステップS4以降の空調制御に係る処理が実行されることになる。なお、ステップS4以降の実行中に、ステップS1〜S3のような情報入力・設定処理を随時実行できるようにしても良い。この場合、処理は強制終了され、新たに設定された情報に従って、ステップS4以降の処理が再開される。
このように、日射量又は発電力が閾値W1未満であるが、バッテリ残量が閾値Wh1以上であれば、PV40及びバッテリ50からの電力を用いて、空調装置30が換気モードで運転される。これに対し、バッテリ残量が閾値Wh1未満であれば、空調装置30の運転は行われず、バッテリ50に対する充電モードのみが実行される。
上述したフローチャートによれば、トラック車輌1のエンジンがオンかオフかが判定され、エンジンがオフであれば、外気温と室温との温度差Td2が閾値Tb以下か否かが判断される。このとき、温度差Td2が閾値Tb以下であれば、冷暖房モードでの空調装置30の運転が試みられる。温度差Td2が閾値Tbより大きい場合には、さらに、温度差Td3が温度差Td1以下であれば換気モードでの空調装置30の運転が試みられ、温度差Td3が温度差Td1より大きい場合には冷暖房モードでの空調装置30の運転が試みられる。エンジンがオンの場合には、冷暖房モードで空調装置の運転が試みられる。
冷暖房モードでは、冷暖房強モードと冷暖房弱モードとの二つの運転モードが用意され、室温と設定温度との温度差Td1が閾値Tc以上であれば、冷暖房強モードでの運転が試行され、温度差Td1がTa<Td1<Tcであれば、冷暖房弱モードでの運転が試行される。また、温度差Td1がTc以上であっても、後述するように、PV40及びバッテリ50からの電力で冷暖房強モードを実行できない場合には、冷暖房弱モードでの運転が試行されることもある(ステップS18→S20)。
冷暖房強モードの試行、冷暖房弱モードの試行の夫々において、空調装置30の消費電力(要求電力)をPV40のみでまかなうことができる場合には、PV40からの電力のみを用いて空調装置30が運転される。このとき、PV40から余剰電力が生じる場合には、当該余剰電力はバッテリ50に充電される。これに対し、空調装置30の要求電力をPV40のみでまかなうことができない場合には、補助電源としてのバッテリ50からの電力が空調装置30の冷暖房運転に使用される。
換気モードにおいても、空調装置30の消費電力(要求電力)をPV40のみでまかなうことができる場合には、PV40からの電力のみを用いて空調装置30が運転される。このとき、PV40から余剰電力が生じる場合には、当該余剰電力でバッテリ50への充電が試行される。これに対し、空調装置30の要求電力をPV40のみでまかなうことができない場合には、補助電源としてのバッテリ50からの電力が空調装置30の換気運転に使用される。
そして、冷暖房運転(冷暖房弱モード)、換気運転のそれぞれの試行において、PV40及びバッテリ50の電力で要求電力をまかなうことができない場合には、空調装置30の運転は行われず、PV40からの電力でバッテリ50の充電モードが実行される。
<<ビルトインタイプの自動運転モード(バッテリ優先)>>
図12〜14は、図1(B)に示したトラック車輌1に搭載されたビルトインタイプの空調装置131に適用される自動運転モードによる第1の空調制御例を示すフローチャートである。当該フローチャートにおける判定ステップ(菱形シンボル)において、判定結果がYesであれば処理が下方に進み、判定結果がNoであれば、処理が横方向に進む。
空調装置131の制御においても、図8〜11に示したようなステップS1〜S39と同様の処理を行うことができる。このため、ステップS1〜S39の処理は説明を省略する。但し、ビルトインタイプの空調装置131における処理では、図12に示すように、ステップS7において、イグニッションスイッチ79がオン、すなわちトラック車輌1のエンジンがオンである場合に、処理がステップS101(図13)へ進む点において、アドオンタイプの空調装置30の場合と異なる。
図13において、ステップS101では、制御装置60は、室温センサ75により検知されたトラック車輌1の運転室11内の温度、すなわち室温Tinを読み込む。
続いて、制御装置60は、室温Tinと設定温度(設定値)Tsetとの温度差Td1(Td1=|Tin−Tset|)が、予め設定された定数(閾値)Tc以上か否かを判定する(ステップS102)。このとき、温度差Td1が閾値Tc以上であれば、制御装置60は、冷暖房強モードでの運転を試行すべく、処理をステップS103に進める。これに対し、温度差Td1が閾値Tc未満であれば、制御装置60は処理をステップS114(図14)に進める。
ステップS103では、制御装置60は、ステップS12と同様の手法で求められた日射量又はPV40の発電力をチェックする。続いて、制御装置60は、日射量又は発電力が予め記憶領域(メモリ67)に格納された閾値W3以上か否かを判定する(ステップS104)。このとき、日射量又は発電力が閾値W3以上であれば、制御装置60は処理をステップS105に進める。これに対し、日射量又は発電力が閾値W3未満であれば、制御装置60は処理をステップS108に進める。
ステップS105では、制御装置60は、日射量又はPV40の発電力がバッテリ50に充電すべき余剰電力を生じさせるか否かを判定する。このとき、余剰電力があれば、制御装置60は処理をステップS106に進める。余剰電力がない場合には、制御装置60は処理をステップS107に進める。
ステップS106では、制御装置60は、充電モードを実行すべく、充放電コントローラ65に対し、バッテリ充電を指示する。充放電コントローラ65は、制御装置60からの指示に従って、バッテリ充電処理を実行する。
ステップS107では、制御装置60は、空調装置131の出力を「強」で運転する冷暖房強モードで、空調装置131の運転を実行する。すなわち、制御装置60は、空調装置131に備えられた図示しないコントローラに対し、出力「強」且つ設定温度での運転を指示する。空調装置のコントローラは、制御装置60からの指示に従って、冷暖房強モードに応じた出力及び設定温度で冷房または暖房運転を行う。ステップS107の後、処理はステップS6に戻る。
以上のように、イグニッションスイッチ79(エンジン)がオンの状態で、室温と設定温度との温度差Td1が閾値Tc以上であり、日射量又は発電力が閾値W3以上であれば、空調装置131はPV40からの電力のみを用い、冷暖房強モードで運転される。このとき、PV40の発電電力に余剰電力があれば、この余剰電力はバッテリに充電される。
ステップS104で、日射量又は発電力が閾値W3未満と判定された場合には、処理がステップS108に進む。ステップS108では、制御装置60は、バッテリ状態をチェックし、バッテリ残量が閾値Wh3以上か否かを判定する。バッテリ残量が閾値Wh3以上であれば、処理がステップS110に進み、そうでなければ、処理がステップS111に進む。
ステップS110では、制御装置60は、PV40の発電量の不足分をバッテリ50からの放電電力で補う(アシストする)バッテリ・PVアシストモードの設定を行い、処理をステップS107に進める。
このように、日射量又は発電力が閾値W3未満であるが、バッテリ残量が閾値Wh3以上であれば、PV40及びバッテリ50からの電力を用いて、空調装置131が冷暖房強モードで運転される。
ステップS109でバッテリ残量が閾値Wh3未満と判定され、処理がステップS111に進んだ場合には、制御装置60は、PV40の発電量の不足分をトラック車輌に搭載されているオルタネータ37で補う(アシストする)オルタネータ・PVアシストモードの設定を行い、処理をステップS112に進める。すなわち、オルタネータ37と空調装置131とが電気的に接続され、オルタネータ37からの電力が空調装置131に供給される状態となる。
ここに、オルタネータ37は、図示しないプーリ及びベルトを介してトラック車輌1のエンジンに接続されており、一般的にエンジンの2倍の回転数で動作する。すなわち、エンジンがオンである間は、常に一定以上の回転数で動作している。エンジンがオンである限り、オルタネータの回転数は一定未満に低下することはない。このため、オルタネータ・PVアシストモードの設定時に、例えば、エンジンがアイドリング状態であり、オルタネータ37の発電力が低い場合には、オルタネータ37の回転数を上げて、所望の電力が発電されるように制御することが可能である。要するに、オルタネータ・PVアシストモードにおいて、オルタネータ37の回転数が所望の電力を発電するように制御装置60で制御されるようにしても良い。一方、オルタネータ37の最低回転数で常に空調装置131の要求電力を満たすことができるならば、オルタネータ37を制御する必要はない。
ステップS112では、制御装置60は、オルタネータ37の発電力がバッテリ50に充電すべき余剰電力を生じさせるか否かを判定する。このとき、余剰電力が生じる場合には、制御装置60は、充電モードを実行すべく、処理をステップS113に進める。余剰電力が生じない場合には、処理がステップS107に進む。
ステップS113では、余剰電力が生じるとの判定結果に基づき、ステップS15と同様のバッテリ充電処理が実行される。すなわち、制御装置60は、充放電コントローラ65にバッテリ充電を指示し、充放電コントローラ65がオルタネータ37からの余剰電力でバッテリ充電を行う。
以上のように、バッテリ残量が閾値Wh3未満の場合には、オルタネータ37による電力の補助が行われ、PV40及びオルタネータ37からの電力で空調装置130が冷暖房強モードで運転される。このとき、オルタネータ37から余剰電力が生じる場合には、余剰電力はバッテリ50に充電される。
ステップ102(図13)において、温度差Td1が閾値Tc未満と判定されると、ステップS114(図14)において、制御装置60は、室温Tinを読み込む。次に、制御装置60は、室温Tinと設定温度(設定値)Tsetとの温度差Td1が、予め設定された定数(閾値)Ta(但しTc>Ta)以上か否かを判定する(ステップS115)。このとき、温度差Td1が閾値Ta以上であれば、制御装置60は、冷暖房弱モードでの運転を試行すべく、処理をステップS116に進める。これに対し、温度差Td1が閾値Ta未満であれば、制御装置60は、処理をステップS39(図11)に進めてPV40からの電力をバッテリ50に充電する。
ステップS116では、制御装置60は、ステップS12と同様の手法で求められる日射量又はPV40の発電力を読み込む。続いて、制御装置60は、日射量又は発電力が閾値W2(但しW3>W2)以上か否かを判定する(ステップS117)。このとき、日射量又は発電力が閾値W2以上であれば、制御装置60は処理をステップS118に進める。これに対し、日射量又は発電力が閾値W2未満であれば、制御装置60は処理をステップS121に進める。
ステップS118では、制御装置60は、日射量又はPV40の発電力がバッテリ50に充電すべき余剰電力を生じさせるか否かを判定する。このとき、余剰電力があれば、制御装置60は処理をステップS119に進める。余剰電力がない場合には、制御装置60は処理をステップS120に進める。
ステップS119では、制御装置60は、充電モードを実行すべく、充放電コントローラ65に対し、バッテリ充電を指示する。充放電コントローラ65は、制御装置60からの指示に従って、PV40からの余剰電力を用いたバッテリ充電処理を実行する。
ステップS120では、制御装置60は、空調装置131の出力を「弱」で運転する冷暖房弱モードで、空調装置131の運転を実行する。すなわち、制御装置60は、空調装置131に備えられた図示しないコントローラに対し、設定温度且つ出力「弱」での運転を指示する。空調装置131のコントローラは、制御装置60からの指示に従って、冷暖房弱モードに応じた出力及び設定温度で冷房または暖房運転を行う。ステップS120の後、処理はステップS6に戻る。
以上のように、イグニッションスイッチ79(エンジン)がオンの状態で、室温と設定温度との温度差Td1が閾値Ta以上であり、日射量又は発電力が閾値W2以上であれば、空調装置(エアコン)はPV40からの電力のみを用い、冷暖房弱モードで運転される。このとき、PV40の発電電力に余剰電力があれば、この余剰電力はバッテリ50に充電される。
ステップS117で日射量又は発電力が閾値W2未満と判定された場合には、処理がステップS121に進み、制御装置60は、バッテリ状態をチェックする。次に、制御装置60は、バッテリ残量が閾値Wh2(Wh3>Wh2)以上か否かを判定する(ステップS122)。バッテリ残量が閾値Wh2以上であれば、処理がステップS123に進み、そうでなければ、処理がステップS124に進む。
ステップS123では、制御装置60は、PV40の発電量の不足分をバッテリ50からの電力で補う(アシストする)バッテリ・PVアシストモードの設定を行い、処理をステップS120に進める。
このように、日射量又は発電力が閾値W2未満であるが、バッテリ残量が閾値Wh2以上であれば、PV40及びバッテリ50からの電力を用いて、空調装置131が冷暖房弱モードで運転される。
ステップS122でバッテリ残量が閾値Wh2未満と判定され、処理がステップS124に進んだ場合には、制御装置60は、PV40の発電量の不足分をトラック車輌1に搭載されているオルタネータ37で補う(アシストする)オルタネータ・PVアシストモードの設定を行い、処理をステップS125に進める。
ステップS125では、制御装置60は、オルタネータ37の発電力がバッテリ50に充電すべき余剰電力を生じさせるか否かを判定する。このとき、余剰電力が生じる場合には、制御装置60は、充電モードを実行すべく、処理をステップS126に進める。余剰電力が生じない場合には、処理がステップS120に進む。
ステップS126では、余剰電力が生じるとの判定結果に基づき、バッテリ充電処理が実行される。すなわち、制御装置60は、充放電コントローラ65にバッテリ充電を指示し、充放電コントローラ65がオルタネータ37からの余剰電力でバッテリ充電を行う。
このように、日射量又は発電力が閾値W2未満で、且つバッテリ残量が閾値Wh2未満であれば、PV40及びオルタネータ37からの電力を用いて、空調装置131が冷暖房弱モードで運転される。このとき、オルタネータ37からの余剰電力があれば、当該余剰電力はバッテリ50に充電される。
上述した図12〜14のフローチャートによれば、ステップS1〜S39とほぼ同様の動作に加えて、以下の動作が行われる。すなわち、エンジンがオンの場合には、室温と設定温度との温度差Td1に応じて、空調装置131を冷暖房強モードと冷暖房弱モードとの一方で運転することが試行される。このとき、空調装置131の要求電力がPV40からの電力のみでまかなうことができる場合には、PV40からの電力のみを用いて空調装置131が冷暖房強モードと冷暖房弱モードとの一方で運転される。
空調装置の要求電力をPV40からの電力のみでまかなうことができない場合であって、バッテリ残量で電力の不足分を補うことができる場合には、PV40及びバッテリからの電力で空調装置131が冷暖房強モードと冷暖房弱モードとの一方で運転される。バッテリ残量で電力の不足分を補うことができない場合には、PV40及びオルタネータ37からの電力で空調装置131が運転される。PV40又はオルタネータ37から余剰電力が生じる場合には、この余剰電力はバッテリに充電される。
以上説明したように、オルタネータ37よりバッテリ50の電力を優先的に使用するので、オルタネータ37による発電分が最小限に抑えられ、燃料を削減することができるという利点がある。
<<ビルトインタイプの自動運転モード(オルタネータ優先使用)>>
図15及び図16は、ビルトインタイプの空調装置131に適用される自動運転モードによる第2の空調制御例を示すフローチャートである。当該フローチャートにおける判定ステップ(菱形シンボル)において、判定結果がYesであれば処理が下方に進み、判定結果がNoであれば、処理が横方向に進む。図12〜14に示した第1の空調制御例では、エンジンオン時の空調制御において、オルタネータ37の使用に優先してバッテリ50が使用されていた。これに対し、第2の空調制御例では、エンジンオン時の空調制御において、オルタネータ37が使用される。
第2の空調使用例においても、図8〜図11に示したステップS1〜S39と同様の処理が行われる。すなわち、第2の空調制御例において、ステップS1〜S7の処理は、図12に示したような第1の空調制御例と同様の処理が行われる。また、イグニッションスイッチ79(エンジン)がオフのときの処理(ステップS8〜S39)は、図9〜図11に示したものとほぼ同様である。これに対し、イグニッションスイッチ79(エンジン)がオンのときの処理が、以下の点で、図13,図14に示した第1の空調制御例における処理と異なっている。
すなわち、図15及び図16に示す第2の空調制御例では、図13に示したステップS108〜S110の処理が省略されている(図15参照)。また、図14に示したステップS121〜S123が省略されている(図16参照)。このため、日射量又はPV40の発電力が閾値W3又はW2以上でない場合には、バッテリ50からの電力が使用されることなく、オルタネータ37の電力アシストで空調装置131が運転される。このように、バッテリ50からの電力は、エンジンがオフのときに使用されるようになっている。これによって、バッテリ50の残量を良好な状態に保つことができる。
なお、バッテリ50とオルタネータ37との双方がトラック車輌1に備えられている場合において、オルタネータ37とバッテリ50とのいずれを優先的に使用するかは、用途等に応じて適宜使い分けることができる。
なお、以上説明した図8〜図16のフローチャートの説明では、「冷房」と「暖房」とを区別することなく説明している。もっとも、閾値Ta〜Tcの少なくとも一つについて複数の値を予め用意しておき、制御装置60が、冷房と暖房とのいずれで運転するかを判定し、この判定結果に従って、冷房時と暖房時とで異なる閾値Ta〜Tcの値が使用される様にしても良い。日射量/発電力W1〜W3、バッテリ残量Wh1〜Wh3などの値についても同様である。ここで、制御装置60は、室温Tinと設定温度Tsetとの比較結果で冷房か暖房かの判定を行うことができる。例えば、Tin<(≦)Tsetであれば、冷房運転を行うことを決定し、Tin>(≧)Tsetであれば、暖房運転を行うと判定することができる。
<<運転モード判断>>
以下、上述したフローチャート(図8〜図16)における室温Tin,外気温Tout,及び設定温度Tset、並びにこれらの差分である温度差Td1,Td2,及びTd3との関係と、空調装置30(131),130の運転モードとの関係について、図17〜図19を用いて説明する。
図17(A)は、設定温度Tsetと温度差Td1,Td2,及びTd3との関係を模式的に示す図である。図17(B)は、室温Tin<外気温Toutの場合における設定温度Tsetを数直線で示す図であり、図17(C)は、外気温Tout<室温Tinの場合における設定温度Tsetを数直線で示す図である。図17(D)は、図17(B)及び(C)に示す状態<1>〜<8>を示す一覧表であり、ステップS30(Td3≦Td1?)での判定の詳細を示す。
図17に示す例では、運転モード(冷暖房(冷房又は暖房)及び換気)は、室温Tinと外気温Toutとの大小関係と、設定温度Tsetの位置関係によって定められた状態<1>〜<8>に応じて決められている。
図17(B)に示すように、状態<1>は、室温Tinが外気温Toutより低く、且つ設定温度Tsetが室温Tinより小さい(Tset<Tin<Tout)状態である。状態<1>では、Td3>Td1となり、冷暖房モード(冷房モード)での運転が決定される。
状態<2>は、室温Tinが外気温Toutより低く、設定温度Tsetが室温Tinと外気温Toutとの間で(Tin<Tset<Tout)、且つ設定温度Tsetが外気温Toutよりも室温Tinに近い(Tset<Tin+1/2Td2)状態である。状態<2>では、Td3>Td1となり、冷暖房モード(暖房モード)での運転が決定される。
状態<3>は、室温Tinが外気温Toutより低く、設定温度Tsetが室温Tinと外気温Toutとの間で(Tin<Tset<Tout)、且つ設定温度Tsetが室温Tinよりも外気温Toutに近い(Tset≧Tin+1/2Td2)状態である。状態<3>では、Td3≦Td1となり、換気モードでの運転が決定される。
状態<4>は、室温Tinが外気温Toutより低く、且つ設定温度Tsetが外気温Toutより高い(Tin<Tout<Tset)状態である。状態<3>では、Td3≦Td1となり、換気モードでの運転が決定される。
図17(C)に示すように、状態<5>は、外気温Toutが室温Tinより低く、且つ設定温度Tsetが室温Tinより低い(Tset<Tout<Tin)状態である。状態<5>では、Td3≦Td1となり、換気モードでの運転が決定される。
状態<6>は、外気温Toutが室温Tinより低く、設定温度Tsetが室温Tinと外気温Toutとの間で(Tout<Tset<Tin)、且つ設定温度Tsetが室温Tinよりも外気温Toutに近い(Tset≦Tin−1/2Td2)状態である。状態<6>では、Td3≦Td1となり、換気モードでの運転が決定される。
状態<7>は、外気温Toutが室温Tinより低く、設定温度Tsetが室温Tinと外気温Toutとの間で(Tout<Tset<Tin)、且つ設定温度Tsetが外気温Toutよりも室温Tinに近い(Tset>Tin−1/2Td2)状態である。状態<7>では、Td3>Td1となり、冷暖房モード(冷房)モードでの運転が決定される。
状態<8>は、外気温Toutが室温Tinより低く、且つ設定温度Tsetが外気温Toutより高い(Tout<Tin<Tset)状態である。状態<8>では、Td3>Td1となり、冷暖房モード(暖房モード)での運転が決定される。
図18は、図17(B)に示したTsetを示す数直線をグラフで表したものである。図18には、室温Tinが外気温Toutより小さい場合において、横軸にTinをとり,縦軸にTsetをとり、TsetをTinとTd2(室温と外気温との差)とで表した線分A,B,Cが描かれたグラフが示されている。線分Aは、Tset=Tinを示す。線分Bは、Tset=Tin+1/2Td2を示す。線分Cは、Tset=Tout=Tin+Td2を示す。
図18において、状態<1>は、線分Aより下側の領域となる。状態<2>は、線分Aと線分Bとで挟まれた領域となる。状態<3>は、線分Bと線分Cとで挟まれた領域となる。状態<4>は、図18において、線分Cより上側の領域となる。但し、状態<3>,<4>において、室温Tinと外気温Toutとの温度差Td2が閾値Tb以下である(Td2≦Tb)範囲については、換気モードが決定されない。
図19は、図17(C)に示したTsetを示す数直線をグラフで表したものである。図19には、室温Tinが外気温Toutより大きい場合において、横軸にTinをとり,縦軸にTsetをとり、TsetをTinとTd2(室温と外気温との差)とで表した線分D,E,Fが描かれたグラフが示されている。線分Dは、Tset=Tout=Tin−Td2を示す。線分Eは、Tset=Tin−1/2Td2を示す。線分Fは、Tset=Tinを示す。
図19において、状態<5>は、線分Dより下側の領域となる。状態<6>は、線分Dと線分Eとで挟まれた領域となる。状態<7>は、線分Eと線分Fとで挟まれた領域となる。状態<8>は、図19において、線分Fより上側の領域となる。但し、状態<5>,<6>において、室温Tinと外気温Toutとの温度差Td2が閾値Tb以下である(Td2≦Tb)範囲については、換気モードが決定されない。
上述したような、運転モードの決定(空調モードか換気モードかの判定)を行う理由は以下の通りである。まず、換気モードとは「外気を取り入れて運転室内温度(室温)Tinを外気温Toutに近づける」ものである。これが有利に働く条件に関わるのが、“Td2≦Tb”と“Td3≦Td1”との2つの式である。
Td2=|Tin-Tout|は、運転室内と外気の温度差を表す。これがある一定値(閾値)Tb以下であるとき(Td2≦Tb)、つまり室温と外気温との温度差が小さい場合は、既にTinがToutに十分近いため、換気(運転室内温度を外気温に近づける)しても実質的にそれ以上室温は変化せず、換気モードの意味は小さい。そこで通常の空調モードで室温Tinを設定温度Tsetに近づける。
一方、運転室内と外気の温度差が閾値Tbより大きい場合(Td2>Tb)では、換気をした方が有利な場合とそうでない場合がある。これは目標温度(設定温度)Tsetが、運転室内温度Tinと外気温Toutに対して何処にあるかに依る。これがTd3とTd1との比較である。TsetがToutよりもTinに近い場合、つまりTd3>Td1の場合では、TinをToutに近づけると却ってTsetとの差が大きくなるため、換気モードより空調モードを選択した方が効率的にTinをTsetに近づけられる。逆に、TsetがTinよりもToutに近い場合、つまりTd3≦Td1の場合には、換気モードで外気を取り入れTinをToutに近づけることで、効率的にTinをTsetに近づけることができる。
以上のようにして、室温,外気温,及び設定温度との関係に基づき、空調装置30(131),130の運転モード(冷房モード,暖房モード,換気モード)を決定することができる。但し、上記は図8〜図16のフローチャートに即した一例であり、各状態における運転モードは適宜変更可能である。なお、ステップS30では、「Td3≦Td1?」との判定に基づき、空調モードと換気モードとの一方が決定されているが、他の条件により空調モードと換気モードとの一方が決定されるようにしても良い。
<<バッテリ充電処理>>
図20は、バッテリ充電処理(S15,S25,S34,S39,S106,S113,S119,S126)のサブルーチンの例を示すフローチャートである。図20における処理は、例えば、充放電コントローラ65が制御装置60からの指示を受け取ることで開始される。最初に、充放電コントローラ65は、電力供給元に相当する太陽電池パネル(PV)40、オルタネータ37、又は外部電源(外部系統)80からの入力電圧を読み込む(ステップS301)。充放電コントローラ65は、入力電圧として、PV40の出力電圧,オルタネータ37の出力電圧,インタフェース部81に接続された外部電源80の電圧を測定する図示しない電圧計の測定値を利用することができる。
次に、充放電コントローラ65は、入力電圧Vinがバッテリ電圧Vbatより大きいか否かを判定する(ステップS302)。充放電コントローラ65は、バッテリ電圧Vbatとして、バッテリ50の端子間電圧を図示しない電圧計で測定した値をすることで得ることができる。
このとき、入力電圧Vinがバッテリ電圧Vbat以下である場合には、充電は行われず、バッテリ充電処理のサブルーチンが終了し、処理がメインルーチンに戻る。これに対し、入力電圧Vinがバッテリ電圧Vbatより大きい場合には、充放電コントローラ65は、バッテリモニタ72により検知されるバッテリ容量(バッテリ残量)を読み込む(ステップS303)。
次に、充放電コントローラ65は、バッテリ容量がバッテリのフル充電を示す値Whfullより小さいか否かを判定する(ステップS304)。このとき、バッテリ容量が値Whfull以上である場合には、バッテリ容量がフルになった(すなわち、充電が完了した)と判定され、バッテリ充電処理のサブルーチンが終了する。これに対し、バッテリ容量が値Whfullより小さい場合には、充放電コントローラ65は、バッテリ温度センサ71で検出されたバッテリ温度を読み込む(ステップS305)。
次に、充放電コントローラ65は、バッテリ温度などのバッテリ状態に基づき、最適な充電モードでの充電を開始する(ステップS306)。その後、充放電コントローラ65は、バッテリ50に負荷(例えば、空調装置30(131))が接続されているか否かを判定する(ステップS307)。このとき、負荷が接続されていれば、バッテリ充電処理が終了又はリターンすることで、他の処理が実行可能な状態にされる。これに対し、負荷が接続されていなければ、処理がステップS301に戻される。
したがって、負荷の接続状態では、ステップS306でバッテリ50が或る程度充電された段階で、処理が例えばステップS4にリターンすることで、負荷(空調装置30(131))に対する制御を行うことができる。或いは、バッテリ充電処理が終了することで、他の処理(情報入力など)を行うこともできる。一方、負荷が接続されていない場合には、処理がステップS301に戻されることで、バッテリ50の充電が継続される。これによって、負荷が接続されていない場合には、最終的にバッテリ50のフル充電を行うことができる。
このようにして、バッテリ充電処理では、バッテリ状態に基づく最適な充電モードで、PV40、オルタネータ37、及び外部電源80の少なくとも一つから供給される電力を用いた充電が行われる。
以上にバッテリ充電処理について説明したが、特にこれに限定されるものではなく従来公知のバッテリ充電処理を行うことができる。
<<積雪防止モード>>
上述した制御装置(システムコントローラ)60は、さらに、積雪防止モードを備えることができる。積雪防止モードとは、冬季など、気温がある設定温度以下となると太陽電池パネル(PV)40への通電を行い、PV40を発熱させて積雪を防止するモードである。
図21〜24は、積雪防止モードの処理例を示すフローチャートである。当該フローチャートにおける判定ステップ(菱形シンボル)において、判定結果がYesであれば処理が下方に進み、判定結果がNoであれば、処理が横方向に進む。
図21〜24に示す処理が開始されると、最初に、制御装置60は、図示しないモード選択画面を表示装置83に表示する(ステップS201)。モード選択画面には、積雪防止モードを選択するか否かを入力するための入力欄が表示される。例えば、モード選択画面には、積雪防止モードのチェックボックスが設けられ、ユーザが入力装置を用いてチェックボックスにチェックを入れると、積雪防止モードがオンの状態となる。モード選択画面には、例えば、図示しない確定ボタンが設けられており、ユーザが入力装置を用いて確定ボタンを押すことで、積雪防止モードの設定入力が行われる。
次に、制御装置60は、モード選択画面に代えて、設定温度入力画面を表示装置83に表示する(ステップS202)。ユーザは、入力装置84を用いて、設定温度を入力することができる。ここでの設定温度は、PV40への通電が開始される外気温を示す。
設定温度の入力が完了すると、制御装置60は、自身が備える設定時間の計時用のカウンタ(図示せず)について、設定時間のカウンタ値をリセットして0にする(ステップS203)。続いて、制御装置60は、設定温度入力画面に代えて、設定時間入力画面を表示装置83に表示する(ステップS203)。ユーザは、入力装置84を用いて、設定時間を入力することができる。設定時間として、積雪防止モードがバッテリ50やオルタネータ37からの電力を用いて実施される場合に、積雪防止モードが実施される制限時間が設定される。制御装置60は、入力された設定時間をメモリ67に格納する。
次に、制御装置60は、外部電源80のオン/オフを判定し(ステップS205)、外部電源80からの電力供給があるか否かを判定する(ステップS206)。このとき、外部電力供給があれば、処理がステップS207(図22)に進み、そうでなければ、処理がステップS214(図23)に進む。
ステップS207では、制御装置60は、メモリ67に格納した設定時間に対応するカウント値を図示しないカウンタに設定し、設定時間のカウントを開始する。ここでは、設定時間のカウントはカウンタ値が単位時間毎に減少される(デクリメントされる)ことで行われる。
続いて、制御装置60は、カウント値が0より大か否かを判定する(ステップS208)。このとき、カウンタ値が0以下であれば、設定時間が満了したものとして、図21〜24に示す積雪防止モード処理が終了する。これに対し、カウンタ値が0より大であれば、処理がステップS209に進む。
ステップS209では、制御装置60は、外気温センサ74によって得られた外気温Toutを読み込む。制御装置60は、外気温Toutが設定温度Tset以下か否かを判定する(ステップS210)。このとき、外気温Toutが設定温度Tsetより大きい場合には、処理がステップS205(図21)に戻る。これに対し、外気温Toutが設定温度Tset以下である場合には、制御装置60は、外部電源モードで積雪防止モードを運転すべく、処理をステップS211に進める。
ステップS211では、制御装置60は、PV40と空調装置30との間に配置され、バッテリ50、オルタネータ37、外部電源80から逆流した電流がPV40に流れ込むのを防止する逆流防止ダイオード91(図25,図26)をカットする。当該処理について詳細を後述する。
ステップS212では、外部電源80からの電力でバッテリ充電を行うバッテリ充電処理(図20)が行われる。すなわち、制御装置60は、充放電コントローラ65にバッテリ50の充電指示を与える。すると、充放電コントローラ65は、外部電源80とバッテリ50とを電気的に接続し、外部電源80からの電力がバッテリ50に充電される状態にする。
ステップS213では、積雪防止モードが実行される。すなわち、外部電源80とPV40とが電気的に接続され、通常の電流の流れる方向とは逆方向に電流が逆流防止ダイオード91をバイパスしてPV40に流れ込む。これにより、PV40が発熱し、PV40の表面に落ちた雪やPV40の表面に生じた霜を溶解する。これにより、PV40の表面が雪等で覆われて、PV40が発電できなくなるのを抑えることができる。また、荷台上の雪下ろし作業も不要となる。
一方、ステップS206で外部電源80からの入力がないと判定され、ステップS214(図23)に処理が進んだ場合には、制御装置60は、設定時間を読み込む。次に、制御装置60は、設定時間がカウンタ閾値Ca以上か否かを判定する(ステップS215)。閾値Caは、外部電源80からの入力がない場合に、ユーザによって設定された設定時間を一定の長さに制限するための閾値である。このため、設定時間が閾値Ca以上であれば、カウンタ値が閾値Caの値に設定され(ステップS216)、処理がステップS217に進む。これに対し、設定時間が閾値Ca未満であれば、処理がステップS216をスキップしてステップS217に進む。
ステップS217では、設定時間のカウントがステップS207と同様の手法で開始される。すなわち、設定時間に対応するカウント値又は閾値Caがカウンタに設定され、カウント値のカウントダウンが開始される。
続いて、制御装置60は、カウント値が0より大か否かを判定する(ステップS218)。このとき、カウンタ値が0以下であれば、設定時間が満了したものとして、図21〜24に示す積雪防止モード処理が終了する。これに対し、カウンタ値が0より大であれば、処理がステップS219に進む。
次に、制御装置60は、外気温Toutを読み込み(ステップS219)、外気温Toutが設定温度Tset以下か否かを判定する(ステップS220)。このとき、外気温Toutが設定温度Tset以下でなければ、処理がステップS205(図21)に戻される。これに対し、外気温Toutが設定温度Tset以下であれば、処理がステップS221に進む。
ステップS221では、制御装置60は、ステップS211と同様の手法で逆流防止ダイオード91をカットし、処理をステップS222(図24)へ進める。
ステップS222では、制御装置60は、トラック車輌1のイグニッションスイッチ79がオンかオフかをチェックし、イグニッションスイッチ79がオンか否かを判定する(ステップS223)。このとき、イグニッションスイッチ79がオンであれば、処理がステップS224に進み、イグニッションスイッチ79がオフであれば、処理がステップS228へ進む。
ステップS224では、制御装置60は、オルタネータ37からの電力でPV40への通電を行うことを決定する。次に、制御装置60は、オルタネータ37の発電により余剰電力が生じるか否かを判定する(ステップS225)。すなわち、積雪防止モードの要求電力とオルタネータ37の出力電力とが対比され、出力電力が要求電力を上まわれば、余剰電力が生じると判定される。
ここで、余剰電力が生じる場合には、制御装置60は、充放電コントローラ65に対し、充電の指示を与え、充放電コントローラ65がバッテリ充電処理を行う(ステップS226)。その後、処理がステップS227に進む。これに対し、ステップS225で余剰電力が生じないと判定される場合にも、処理がステップS227に進む。
ステップS227では、制御装置60は、積雪防止モードを実行する。すなわち、制御装置60は、オルタネータ37とPV40とを電気的に接続し、オルタネータ37からの電流が逆流防止ダイオード91をバイパスしてPV40の発電時の電流の方向とは逆方向に流れ、PV40に流れ込む。これによって、PV40が発熱し、PV40の表面上の雪や霜が溶解される。その後、処理がステップS205(図21)に戻される。
ステップS223にて、イグニッションスイッチ79がオフと判定された場合には、バッテリ50を用いるバッテリモードでの積雪防止モードを実行すべく、処理がステップS228に進む。ステップS228では、制御装置60は、バッテリの状態をチェックする。続いて、制御装置60は、バッテリ残量が閾値Wh1以上か否かを判定する(ステップS229)。このとき、バッテリ残量が閾値Wh1以上でなければ、処理が終了する。積雪防止モードを一定時間実行するための電力が確保できないからである。
これに対し、バッテリ残量が閾値Wh1以上であれば、制御装置60は、バッテリ50からの電力を用いた積雪防止モードを実行する。すなわち、制御装置60は、バッテリ50とPV40とを電気的に接続し、バッテリ50からの電流が逆流防止ダイオード91をバイパスしてPV40の発電時の電流の方向とは逆方向に流れる状態にする。これによって、PV40が発熱し、PV40の表面上の雪や霜が溶解される。その後、処理がステップS205に戻される。
図25及び図26は、積雪防止モードを説明するための作用説明図であり、空調制御システムの回路構成が概略的に示されている。図25は、PV40からの電流を空調装置30(131)に供給する回路状態を示し、図26は、積雪防止モードでの回路状態を示す。
図25及び図26に示す例では、PV40は、空調装置30(131)(抵抗シンボルで図示)、バッテリ50,オルタネータ37,及び外部電源80とともに、充放電コントローラ65に接続されている。図25及び図26では、外部電源80と充放電コントローラ65との間に介在するインタフェース部81(図7)の図示が省略されている。
充放電コントローラ65は、バッテリ50,PV40、オルタネータ37,及び外部電源80の少なくとも一つを空調装置30に選択的に接続するためのスイッチ,並びにPV40,オルタネータ37,及び外部電源80の少なくとも一つを選択的にバッテリ50に接続するためのスイッチを含むスイッチ群(図示せず)を含んでいる。
これにより、充放電コントローラ65は、制御装置60からの指示に従って、空調装置30(131)に対し、適宜の電源(PV40,バッテリ50,オルタネータ37,外部電源80の少なくとも一つ)を電気的に接続することができる。このとき、充放電コントローラ65は、PV40、バッテリ50,オルタネータ37,及び外部電源80の何れか一つからの電力を選択的に空調装置30に供給することができる。或いは、PV40、バッテリ50,オルタネータ37,及び外部電源80の少なくとも二つからの電力を並列に供給することもできる。このとき、PV40、バッテリ50,オルタネータ37,外部電源80からの各電力を適宜の配分で合成した電力を空調装置30に供給することもできる。
図25及び図26に示すように、PV40と空調装置30との間には、PV40へバッテリ50、オルタネータ37、外部電源80からの電流が逆流するのを防止するための逆流防止ダイオード91が設けられている。
逆流防止ダイオード91のカソード側には、逆流防止ダイオード91をカット(バイパス)するためのスイッチ92が設けられている。また、空調装置30への電力(電流)の供給/供給停止を制御するためのスイッチ93が空調装置30と直列接続されている。
なお、PV40内では、直列接続された複数の太陽電池素子群が並列に接続された状態となっており、PV40が光を受けることで、太陽電池素子群からの電力が逆流防止ダイオード91側へ流れ、逆流防止ダイオード91及びスイッチ92を通過して空調装置30に供給される。各太陽電池素子41には、その太陽電池素子41に光が当たらないときに当該太陽電池素子41が抵抗となってその前段に位置する太陽電池素子41からの電流が流れなくなるのを防止するためのバイパスダイオード94が太陽電池素子41に対して並列に接続されている。
スイッチ92は、逆流防止ダイオード側とバイパス側との間で切り替え可能となっている。逆流防止ダイオード側が選択されているとき(オン状態とする)には、PV40からの出力電流が逆流防止ダイオード91の順方向に流れ、空調装置30やバッテリ50に供給される。一方、逆流防止ダイオード91の逆方向の電流(バッテリ50等からの電流)は、逆流防止ダイオード91でせき止められる。
これに対し、スイッチ92のバイパス側が選択されているとき(オフ状態とする)には、逆流防止ダイオード91のカソード側が開放され、PV40と充放電コントローラ65とが逆流防止ダイオード91をバイパスして接続された状態となる。これにより、バッテリ50等からの電流が、逆流防止ダイオード91の逆方向でPV40へ流れ込む状態となる。
スイッチ93は、オンとオフとの間で切り替え可能となっており、スイッチ93のオン時には、PV40等の各種電源からの電流が空調装置30に流れ込む状態となる。これに対し、スイッチ93のオフ時には、空調装置30への電流入力が抑止される状態となる。
従って、スイッチ92がオン状態であり、且つスイッチ93がオンの状態では、PV40での発電電流が逆流防止ダイオード91及びスイッチ92を通って空調装置30に流れ込む(図25)。このとき、PV40からの余剰電力でバッテリ50の充電、或いは、PV・バッテリアシストモードでの空調装置30の運転が行われる。
また、スイッチ92及び93のオン状態で、空調装置30とオルタネータ37とが接続された状態となれば、PV・オルタネータアシストモードでの空調装置30の運転が行われる。このとき、オルタネータ37からの余剰電力でバッテリ50が充電される。
同様に、スイッチ92及び93のオン状態で、空調装置30が外部電源80と接続されれば、外部電源80によるアシストモードで、空調装置30の運転が行われる。
また、スイッチ92がオン、且つスイッチ93がオフの状態で、外部電源80の代わりに外部負荷がインタフェース部81を介して接続されれば、PV40からの電流を充放電コントローラ65及びインタフェース部81を介して外部負荷に供給することができる、いわゆる売電モードとなる。
ステップS211(図22),ステップS221(図23)では、制御装置60はスイッチ92をオフ状態にする。これにより、外部電源80等からの電流が逆流防止ダイオード91をバイパスしてPV40に流れ込むようにすることができる。さらに、制御装置60は、付加的な処理として、スイッチ93をオフにする。これにより、外部電源80等からの電流が空調装置30側に流れず、選択的にPV40へ流れる状態とすることができる。また、外部電源80等から十分な電力が空調装置30に供給できれば、空調装置30を運転しながら積雪防止モードを実行することができる。
ステップS213の積雪防止モードでは、制御装置60は、外部電源80とPV40とを接続し、外部電源80からの電流をPV40に通電させる(外部電源モード)。ステップS227の積雪防止モードでは、制御装置60は、オルタネータ37とPV40とを接続し、オルタネータ37からの電流をPV40に通電させる(オルタネータモード)。ステップS230の積雪防止モードでは、制御装置60は、バッテリ50からの電流をPV40に通電させる(バッテリモード)。
以上説明したような積雪防止モードが実行されることによって、雪が太陽電池パネル40の受光面上に積もることが防止される。なお、オルタネータ37やバッテリ50などからの電力を用いて積雪防止モードが実行される場合には、上述したように、閾値Caを最大値として設定時間が設定され、設定時間を過ぎると、積雪防止モードが終了するようになっている。
なお、積雪防止モードの終了時には、外部電源80、オルタネータ37又はバッテリ50と太陽電池パネル40との接続状態や、逆流防止ダイオード91の接続状態(スイッチ92の状態)が元の状態(オン状態)に戻される。また、外部電源80を用いる場合でも、設定時間が満了すると、積雪防止モードが終了するようになっているが、外部電源80を用いる場合には、積雪防止モードを強制的に終了させない限り、積雪防止モードの実行が維持されるようにすることもできる。
以上では外気温が一定以下で実行される積雪防止モードについて説明したが、PV40上への積雪を感知して同様にPV40の通電、発熱により融雪する融雪モードを備えていてもよい。
<運行スケジュールに基づく空調制御>
上述した図8、図12に係るフローチャートでは、休業日が設定され、当日が休業日か営業日か否かが判定され、営業日であれば、それ以降の処理が実行されるようになっていた。このような構成に代えて、以下のようなトラック車輌1の運行スケジュール(使用スケジュール)に従った処理が行われるようにしても良い。
例えば、設定温度入力が終了すると、運行スケジュールの入力画面が表示制御部66によって表示装置83に表示される。運行スケジュール入力画面には、一定の期間(年、月、週)を示すカレンダーが表示される。カレンダーは、その期間に含まれる日、及び七曜(日〜土)を示す。また、入力画面には、各日に対応する休業日のチェックボックスと、営業時間帯の入力欄とが設けられる。
ユーザは、カレンダーの各日に対応するチェックボックスに対し、入力装置84を用いてチェックを入れることで、上述したような休業日フラグをオンにすることができる。これにより、休業日フラグがオフの日が営業日となる。また、ユーザは、入力装置84を用いて、営業日における営業時間帯の入力欄に営業時間帯を入力することができる。
例えば、運行スケジュール入力画面には、所定の日(例えば金曜日)から一週間の運行スケジュールを入力するためのカレンダーが表示される。このカレンダーを用いて、ユーザは、金曜日に翌日土曜から翌週金曜日までの運行予定を入力することができる。このとき、例えば、土曜日及び日曜日は休業とし(休業日チェックボックスをチェック)、月曜日から木曜日は午前6時から午後4時までの間、金曜日は午前10時から午後8時までを営業時間帯(運行時間)として設定することができる。
この場合、土曜日、日曜日のような休業日においては、バッテリ50の残量がチェックされ、残量が所定量より小さい場合には、バッテリ充電処理を行うことができる。所定量は、例えば、閾値Wh3,Wh2,Wh1の何れかを用いても良く、他の所定量を用いても良い。或いは、フル充電が行われるようにしても良い。さらに、バッテリ50の残量が所定量を越えた場合には、PV40の電力の出力先がバッテリ50から外部端子(インタフェース部81)に切り替えられ、インタフェース部81に接続された外部負荷に電力が供給される、すなわち売電が行われるようにしても良い。このような切替処理は、制御装置60を用いた自動処理であっても、手動であっても良い。
月曜日から木曜日は、午前6時からの運行となる。この場合、例えば、タイマ78が営業開始時刻(運行開始時刻)より所定時間前(例えば、2時間前の午前4時)を計時すると、制御装置60がステップS6以降の処理を開始するようにすることができる。このような空調運転開始時刻(午前4時)では、季節や、トラック車輌1の停車環境(停車環境下での光量)にもよるが、バッテリ50からの電力をメインとする空調運転となる。
このため、空調運転開始時刻でのバッテリ残量はフル充電状態が望ましく、少なくとも空調運転開始時刻から営業開始時刻までの間、バッテリ50のみで空調運転が可能な所定値以上の残量が確保されているのが好ましい。
従って、バッテリ50と負荷との間を遮断する為のバッテリ残量(例えば、閾値Wh1:Wh1<Wh2<Wh3)を高めに設定し、バッテリ残量を所定値以上で維持することが考えられる。或いは、営業時間(運行時間)の終了後に、系統(外部電源80)に接続し、バッテリ50を充電する等の制御も考えられる。
このように、運行開始時刻より所定時間前から空調運転を開始することで、トラック車輌1の運転室11(仮眠キャビン14)所望の快適な状態にしておくことが可能となる。
金曜日は、午前10時からの運行であるので、空調運転開始時刻が運行開始時刻より2時間前であれば、午前8時から空調運転を開始する。空調運転開始時刻は、例えば入力画面を用いて適宜設定が可能である。従って、運行開始時刻に応じて、空調運転開始時刻を早くしたり、遅くしたりすることによって、さらに細かな快適性とエネルギー制御を可能にすることができる。なお、金曜日は午後8時が運行終了時刻である。このため、季節やトラック車輌1の走行又は停車環境下での光量に依存するが、日没以降はバッテリ50がメインの運転となる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態として、本願の第2の発明に係る実施形態について説明する。第2実施形態は、第1実施形態と共通の構成を有するので、共通する構成については説明を省略する。第2実施形態は、荷台に設けられた太陽電池パネルで発電される電気エネルギーを用いて、トラック車輌又は荷台に設けられた冷却貯蔵庫の冷却部(電気部品)を駆動させることを特徴とする。その一例として、以下に示す第2実施形態では、運転室または積載物収容部の少なくとも一部の温度を調整する温度調整部を備え、太陽電池パネルから温度調整部に電気エネルギーを供給するトラック車輌について説明する。また、第2実施形態では、荷台に設けられた太陽電池パネルで発電される電気エネルギーにより、荷台に設けられた冷却貯蔵庫を冷却する温度調整部としての冷却装置を駆動する太陽電池パネルを搭載したトラック車輌について説明する。
図27(A)(B)は、第2実施形態に係る車輌(トラック車輌)の例を示す。図27(A)において、1Aはトラック車輌全体を示すもので、このトラック車輌1Aは、運転室を含む運転車輌110と、荷台120と、温度調整部としての冷凍機30Aとを備えている。ここで、冷凍機30Aは、冷却部(冷却装置)に相当する。
荷台120には、図27(B)に示すように、冷凍された物品を収容する断熱構造の冷却貯蔵庫(以下、冷凍庫)122と、冷凍機30Aを構成する構成要素の一部が収容された熱交換ユニット31Aとを備えた荷台ボディ121が設けられている。
熱交換ユニット31Aは、荷台ボディ121において冷凍庫122に対して運転車輌110側で、冷凍庫122に隣接して設けられており、また、運転車輌110の上方に設けられている。
さらに、荷台ボディ121外面には冷凍機30Aに電気エネルギーを供給する太陽電池パネル40が設けられている。
また、荷台120には、太陽電池パネル40で発電された余剰電力を蓄えると共に、太陽電池パネル40の不足電力を補う蓄電池50が設けられている。
冷凍機30A自体は公知の構造であり、気化した冷媒を加圧するコンプレッサ(圧縮機)132と、冷媒を凝縮させるコンデンサ(凝縮器)と、冷媒を気化させるエバポレータ(蒸発器)とを有しており、配管を通して冷媒が循環するように構成されている。ここで、コンプレッサ132は、運転車輌110のエンジンルーム111に設けられている。また、コンデンサとエバポレータとは、熱交換ユニット31Aに設けられている。更に、冷凍機30Aは、エアカーテン装置139を備えている。エアカーテン装置139は、荷台120のドアが設けられた荷台後端の内側上部に設置されている。エアカーテン装置139は、庫内の冷気を吸い込み、下側へカーテン状に吹き出すことにより、ドア開放時に庫内の空気と庫外の空気とを隔て、庫内温度の変動を抑えるものである。本実施形態では、エアカーテン装置139は、熱交換ユニット31Aと別体としたが、エアカーテン装置131は熱交換ユニット31Aと一体に構成され、ドア近傍に設けられても良い。
図28は、冷凍機30Aの駆動系を模式的に示した図である。コンプレッサ132の動力源(駆動源)としては、電動モータ133を用いている。電動モータ133は、運転車輌110のエンジンルーム111に設けられ、コンプレッサ132にクラッチを介して連結されている。
熱交換ユニット31Aには送風機が設けられ、エバポレータによって熱交換された冷風が冷凍庫122内に送風される。
冷凍機30Aを構成するこれらの電動モータ133、および熱交換ユニット31Aに設けられた送風機のモータ(図示せず)、エアカーテン装置139などの電気部品は、電力源としてオルタネータ(発電機)37や、バッテリ(蓄電池)50、太陽電池パネル40がシステムコントローラ(以下、「制御部」或いは制御装置と表記)160を介して接続されている。
制御装置160は、運転車輌110あるいは荷台120に設けられ、冷凍機30Aを駆動制御するものである。また、制御装置160は冷凍機30Aを駆動制御するために、電力源の切り替え制御を行う。
本実施形態に係るトラック車輌用の冷凍機30Aは、例えば、以下のようなトラック車輌に適用することができる。すなわち、運転車輌或いは運転車輌に連結され積載物収容部を覆う荷台ボディを有する荷台の少なくとも何れかに冷凍庫122を設け、冷凍庫122内の温度を調整する冷却部として冷凍機30Aを備えて、例えば、次の(1)または(2)を満たすものに適用可能である。
(1)冷凍機30Aの複数の運転モードのうち、少なくとも一つの運転モードの要求電力を太陽電池パネルの重量で割った値に対し、前記太陽電池パネルの単位重量あたりの最大出力qを1倍以上となるように設定する。
(2)冷凍機30Aの最大消費電力を太陽電池パネルの重量で割った値に対し、前記太陽電池パネルの単位重量あたりの最大出力qを0.1倍以上となるように設定する。
ここで、太陽電池パネル40の最大出力Wp(=最大発電量=最大発電能力)は以下のように定義される。太陽電池素子温度25℃、分光分布AM=1.5(全天日射基準太陽光JIS C 8911を参照)、放射照度:1000W/m2の条件下で測定した、太陽電池パネル全体(荷台上に載せたパネル全部という意味)の出力である(より詳細な測定条件は、JIS C 8914「結晶系太陽電池モジュール出力測定法」及びJIS C 8935「アモルファス太陽電池モジュール出力測定法」を参照)。太陽電池パネルの単位重量当りの最大出力qは、上記Wpを太陽電池パネルの重量で割ることにより求められ、軽量かつ出力の大きい太陽電池パネルの指標となる。第2実施形態における太陽電池パネル40は、第1実施形態で説明したあらゆる太陽電池パネルを適用することができる。
そして、第2実施形態では、所定のモードで運転した場合の冷凍機30Aの要求電力を太陽電池パネル40の重量で割った値に対し、太陽電池パネル40の単位重量あたりの最大出力を1.2倍以上となるように設定している。
このようにしておけば、太陽電池パネル40に十分な日照が確保できていれば、太陽電池パネル40単独で冷凍機30Aを所定モードで駆動することができる。従ってエンジンを停止した駐車中にも冷凍機30Aを駆動することができる。もちろん、走行時にも使うことができる。また、駐車中、走行中を問わず太陽電池パネル40の出力を冷凍機駆動の補助電力として使うこともできる。
真夏の炎天下に駐車していたトラックの冷凍庫22内の温度を急速に下げたいときの冷凍機30Aの消費電力に比べて、ある程度温度が下がった後、定常的にその温度を維持するために例えば弱モードで運転する冷凍機30Aの消費電力(定常状態での消費電力)はずっと少ない。この定常状態の消費電力を上回る発電ができれば、太陽電池パネル40の発電エネルギーのみで相当程度の時間、十分に冷凍機30Aの駆動をまかない得る。
本実施形態の場合、冷凍機30Aが少なくとも要求電力(消費電力)の大きい運転モード(冷凍強モード等)と消費電力の小さい運転モード(冷凍弱モード等)で運転可能であり、この冷凍機30Aに太陽電池パネル40の発電エネルギーを供給可能としている。なお、本実施形態の運転モードは、後段で述べるように冷凍強モードとバッテリ・PVアシストモード、冷凍弱モードとバッテリ充電モードのように、複数のモードを組み合わせて選択できる。
急冷時は太陽電池パネル40からの電力とオルタネータ等の補助電源からの電力とで冷凍機30Aを駆動させ、定常状態では太陽電池パネル40からの電力のみで冷凍機30Aを駆動させる。
ところで、一日の標準的な日照量変化パターンから、太陽電池パネル40の発電による出力変化を概略算出することができる。検討によれば、快晴の夏の日の午前10時から午後2〜3時頃まで、即ち4時間以上、冷凍機30Aを定常状態で維持する駆動を太陽電池パネル40のみで行うことが可能となる。最も暑い時間帯に冷凍機30Aの少なくとも一部の駆動を太陽電池パネルの出力でまかなえるため燃料消費量及びCO2の削減効果が大きい。
本実施形態の場合、所定モードで運転する冷凍機30Aの要求電力に対し、太陽電池パネル40の単位重量あたりの最大出力を1倍以上となるように設定されるが、好ましくは2.0倍以上、より好ましくは3.0倍以上である。それぞれ、同午前9時から午後4時頃まで、同午前8時から午後5時頃までをまかなうことができる。また通常20倍以下、好ましくは15倍以下、より好ましくは10倍以下である。
また、太陽電池パネル40の単位重量当りの最大出力qが、5[W/kg]以上であることが好適である。トラックの走行性能に影響を与えることなく長時間の駆動が可能となる。本実施例では17.7[W/kg]である。
好ましくは10[W/kg]以上、より好ましくは15[W/kg]以上である。但し、太陽電池の発電効率には限界があり、通常、100[W/kg]以下、好ましくは70[W/kg]以下、より好ましくは50[W/kg]以下である。 効率4%で6.7W/kg相当、6%で10W/kg相当、10%で16.7W/kg相当であるため上記のように設定される。この例では、太陽電池40の単位パネルが40枚で、一枚あたりの最大出力が23.6[Wp]、全出力は944[Wp]となる。
太陽電池パネルの最大出力(Wp:ワットピーク)に対する該蓄電池の容量(Wh)の比は、0.1〜5(Wh/Wp)の範囲であると好ましい。より好ましくは0.5(Wh/Wp)以上、更に好ましくは1(Wh/Wp)以上、また好ましくは4(Wh/Wp)以下、より好ましくは3(Wh/Wp)以下である。
本実施形態では、この比を3とすることで、蓄電池で約5時間の冷凍機30Aの駆動が可能である。また今回の実施例では、太陽電池パネルの面積Spは運転室の上視面積Sdの約4倍であるが、好ましくは1〜7倍以下である。より好ましくは1.5倍以上である。また5倍以下がより好ましい。これにより、冷凍機30Aの駆動を可能としつつ、太陽電池パネル40の重量が抑えられトラックの走行安定性に影響が出ない。また、トラックの最大積載量を大きく損なうことがなく、またトラックの燃費の悪化も少ない。
第2実施形態における太陽電池パネル40の荷台に対する取り付け方法は、第1実施形態で説明した方法を適宜適用することができる。また、太陽電池パネル40は、図5に示した太陽電池パネル40を適用することができる。
<制御装置160の説明>
図29は、第2実施形態に係る制御装置60及び周辺装置の説明図である。図7との相違は、空調装置30の代わりに、冷凍機30Aが制御装置60と接続され、制御装置60に含まれる充放電コントローラ65の制御によって供給される電力で冷凍機30Aが駆動するようにされている点である。このように、第1実施形態(図7)に示した空調用の制御装置60は、冷凍機30Aの制御装置として適用することができ、制御装置60の周辺装置71〜79,81〜84は、冷凍機30Aに対する電力供給制御に適用し得る。図29に示した冷凍機30Aを除く構成要素は、第1実施形態と同様である。
但し、温度センサ75は、冷凍庫122内の庫内温度を検出するセンサとして使用される。また、選択部64は、充電検出部62や発電電力検出部63で検出した値に基づき、太陽電池パネル40の発電電力の供給先を選択する。供給先として、冷凍機30A,バッテリ50,外部(外部電源)80の何れかを選択することができる。
メモリ167は、制御装置160による冷凍機30Aの制御、蓄電池50に対する充電制御(充放電コントローラ165の制御)、充放電コントローラ165を介した負荷−電源間の接続/切断の制御、のような様々な制御を行うための各種データを格納している。
モード決定部68は、冷凍機30Aに用意された複数の運転モードの夫々における要求電力と、太陽電池パネル40の発電電力とに基づいて、太陽電池パネル40の発電電力で運転可能な運転モードを決定する。第2実施形態のモード決定部68は、運転モードを決定するため、入力ポート61を介して入力される外気温センサ74の出力や温度センサ175の出力を読み込み冷凍庫122の庫内温度や外気温を検出する庫内温度検出部、外気温検出部としても機能する。更に、モード決定部68は、運転モードを決定するため、入力ポート61を介して入力されるイグニッションSW79からの信号を参照して車輌のエンジンがオンかオフかを検出するオン・オフ検知部としても機能する。
図30は庫内温度及び設定温度と決定されるモードとを対応付けて記憶したモード決定テーブルを示す図、図31は前記モード決定テーブルを用い、庫内温度及び設定温度に基づいてモードを決定する例の説明図である。
モード決定部68は、モードを決定する際、庫内温度Tin及び設定温度Tsetを読み込み、温度差Td1=|Tin-Tset|を求め、当該温度差Td1と閾値Ta,Tc(図32ではTc=5℃,Ta=2℃)とを比較してモードを決定する。第2実施形態では、これらの条件を図30に示すように定義したモード決定テーブルをモード決定部68の記憶領域或いはメモリ67に記憶させておく。そしてモード決定部68は、モード決定テーブルを参照し、読み込んだ庫内温度及び設定温度と対応するモードに決定する。
例えば、庫内温度Tinが10℃の場合に、設定温度Tsetが5℃以下であれば冷凍強モード(ケース1)、設定温度Tsetが5℃を超えて8℃以下であれば冷凍弱モード(ケース2)、設定温度Tsetが8℃を超えて10℃以下であれば冷凍弱モード(ケース3)、設定温度Tsetが10℃を超えて12℃以下であれば休止モード(ケース4)、設定温度Tsetが12℃を超えて15℃以下であれば休止モード(ケース5)、設定温度Tsetが15℃を超えていれば休止モード(ケース6)と決定する。
なお、図31は、一例であり、モードの決定手法は、これに限らない。例えば、ケース3,4の場合に、中止モードではなく、冷凍弱モードよりも要求電力の少ない冷凍微弱モードを選択しても良い。また、ケース6の場合に、コンプレッサで圧縮した冷媒の熱を熱交換ユニット31Aに送り庫内を昇温させる、或いは外気を導入することで庫内を昇温させる昇温モードを選択しても良い。
また、モード決定部68は、図32に示すモード決定テーブルを参照し、イグニッションSW79のON/OFF、発電量又は日射量が要求電力以上か、余剰電力があるか、バッテリ残量が閾値以上か等の条件に基づいてモードを決定しても良い。なお、各条件に基づいて決定されるモードについては、制御のフローに従って以下に説明する。
<冷凍機30Aの自動電力制御>
以下、第2実施形態のトラック車両において、冷凍機30Aへ供給する電力の自動制御について説明する。
<<バッテリ優先タイプの自動制御>>
図33は、冷凍機30Aへ供給する電力の自動制御例を示すフローの全体図、図34はイグニッションがOFFの場合の冷凍強モードのフローチャート、図35はイグニッションがOFFの場合の冷凍弱モードのフローチャート、図36はイグニッションがONの場合の冷凍強モードのフローチャート、図37はイグニッションがONの場合の冷凍弱モードのフローチャートである。当該フローチャートにおける判定ステップ(菱形シンボル)において、判定結果がYesであれば処理が下方に進み、判定結果がNoであれば、処理が横方向に進む。
図33〜図37に示す処理は、例えば、制御装置60への電源投入や入力装置84からの起動指示の入力などによって開始される。図33において、ステップS1〜S7の処理は、第1実施形態で説明した図12のステップS1〜S7の処理と同じである。このため、ステップS1〜S5の説明は省略する。
ステップS6において、制御装置60は、イグニッションチェックを行い、イグニッションSW79がオフか否かを判定する(ステップS7)。このとき、イグニッションSW79がオンであれば、制御装置60は、トラック車輌のエンジンがオンであると判定して、処理をステップS210に進める。
これに対し、イグニッションSW79がオフであれば、制御装置60は、トラック車輌のエンジンがオフであると判定して、冷凍機30Aの運転を、太陽電池パネル(PV)40または蓄電池(バッテリ)50で行うPV/バッテリモードで行うべく、処理をステップS208に進める。
ステップS208において、制御装置60は、冷凍庫温度センサ75により検出された冷凍庫内の温度、すなわち冷凍庫温度Tinを読み込む。
そして、制御装置60は、記憶領域を参照し、ステップS2で設定された設定値(目標温度)Tsetを読み出し、冷凍庫温度Tinと設定値Tsetとの温度差Td1(Td1=|Tin−Tset|)が、予め設定された定数(閾値)Tc以上か否かを判定する(ステップS9)。このとき、温度差Td1が閾値Tc以上であれば、制御装置60は冷凍強モード(図34)を実行すべく処理を図34のステップS212に進める。これに対し温度差Td1が閾値Tc未満であれば、制御装置60は、冷凍弱モード(図35)を実行すべく、処理を図35のステップS231に進める。
一方、ステップS7において、イグニッションSW79がONであった場合にも同様に、制御装置60は、冷凍庫温度センサ75により検出された冷凍庫温度Tinを読み込み(ステップS210)、設定値Tsetとの温度差Td1(Td1=|Tin−Tset|)が、予め設定された定数(閾値)Tc以上か否かを判定する(ステップS211)。このとき、制御装置160は、温度差Td1が閾値Tc以上であれば、処理を冷凍強モード(図36)へ進める。制御装置60は、温度差Td1が閾値Tc未満であれば、処理を冷凍弱モード(図37)へ進める。
<イグニッションがOFFの場合の冷凍強モード>
図34のステップS212において、制御装置60のモード決定部68は、庫内温度Tinが設定温度Tset以上かをチェックする。ここで庫内温度Tinが設定温度Tset未満であれば、冷却の必要が無いので休止モードを選択し、一旦冷凍機30Aの運転を休止させ(ステップS221)、バッテリ50の充電モードを実行して(ステップS222)、処理をステップS6へ戻す。なお、バッテリ充電処理は、第1実施形態(図20)と同様である。
また、庫内温度Tinが設定温度Tset以上であれば、制御装置60の発電力検出部163は、日射量又は太陽電池の発電力をチェックする(ステップS213)。例えば、発電力検出部63は、日射量センサ73の出力から求まる日射量、又は当該日射量に対応する太陽電池パネル40の発電力を求める。また、発電力検出部63は、PV発電力モニタ82の出力を読み出して太陽電池パネル40の発電力とすることもできる。もっとも、制御装置60は、当該フローチャートの処理と並列に、日射量又は発電力を随時又は周期的に求め、所定の記憶領域に格納しておくことができる。この場合、ステップS213において、発電力検出部63は、記憶領域に格納された日射量又は発電力を読み出すこともできる。
続いて、制御装置60の選択部64は、日射量又は発電力が予め記憶領域に格納された閾値W3以上か否かを判定する(ステップS214)。閾値W3は、太陽電池パネル40からの電力のみで冷凍強モードの運転が可能か否かを判定するための閾値である。このとき、日射量又は発電力が閾値W3以上であれば、制御装置60は処理をステップS215に進める。これに対し、日射量又は発電力が閾値W3未満であれば、制御装置60は処理をステップS218に進める。
ステップS215において、制御装置60の選択部64は、日射量又は発電力が蓄電池(バッテリ)50に充電すべき余剰電力を生じさせるか否かを判定する。このとき、余剰電力があれば、選択部64は処理をステップS216に進める(ケースA)。余剰電力がない場合には、選択部64は処理をステップS217に進める(ケースB)。
ステップS216において、制御装置60の選択部64は、充電モードを実行すべく、充放電コントローラ65に対し、バッテリ充電を指示する、即ち、太陽電池パネル40の発電電力の供給先として冷凍機30A及びバッテリ50を選択する。充放電コントローラ65は、選択部64からの指示に従って、バッテリ充電処理を実行する。
次に、制御装置60は、冷凍機30Aの出力を「強」で運転する冷凍強モードで、冷凍機30Aの運転を実行する(ステップS217)。すなわち、制御装置60は、冷凍機30Aに備えられた図示しないコントローラに対し、「強」での運転を指示する。冷凍機30Aのコントローラは、制御装置60からの指示に従って、「強」モードに応じた出力(風の温度及び風量)で運転を行う。ステップS217の後、処理はステップS4に戻る。
本実施形態における冷凍機の出力制御は、通常の冷凍機の制御と同様である。例えば、冷凍機30Aを運転する場合は設定温度より低温の空気を供給するが、空気の温度は冷凍庫温度と設定温度の差に比例して低くし、風量は冷凍庫温度と設定温度の差に比例した大きさとする。従って、冷凍庫温度と設置温度との差があらかじめ設定された値(Tc)より大きい冷凍強モードでは出力が強となり、より低温の空気をより大きな風量で供給する。逆に冷凍庫温度と設置温度との差がTcより小さくなると、冷凍弱モードに移行し出力は弱となり、供給する空気の温度がやや上昇し風量が減少する。
以上のように、冷凍庫温度Tinと設定温度Tsetとの温度差Td1が閾値Tc以上であり、日射量が閾値W3以上であれば、冷凍機30Aは太陽電池パネル40からの電力のみを用い、冷凍強モードで運転される。このとき、太陽電池パネル40の発電電力に余剰電力があれば、この余剰電力はバッテリ50に充電される。ここで太陽電池パネル40による発電電力がバッテリ50に充電されることで、バッテリ・PVアシストモード時の冷凍機30Aといった電気部品の駆動に利用されるので、PVパネル40の発電電力を余すことなく利用でき、車輌の燃費やCO2を抑制に貢献できる。
ステップS213で、日射量が閾値W3未満と判定された場合には、処理がステップS218に進む。ステップS218では、制御装置60の充電検出部62は、バッテリ状態をチェックし、バッテリ残量が閾値Wh3以上か否かを判定する(ステップS219)。ここで、閾値Wh3は、バッテリ50を太陽電池パネル40の補助電源として用いて冷凍強モードでの運転が一定時間可能なバッテリ残量の判定閾値である。バッテリ残量が閾値Wh3以上であれば、処理がステップS220に進み(ケースC)、そうでなければ、処理が図35のステップS231に進む(ケースD)。
ステップS220において、制御装置60は、太陽電池パネル40の発電量の不足分をバッテリ50からの電力で補う(アシストする)バッテリ・PVアシストモードで行うべく、太陽電池パネル40の発電電力とバッテリ50からの電力を冷凍機30Aへ供給するように充放電コントローラ65に指示し、処理をステップS217に進める。
このように、日射量が閾値W3未満であるが、バッテリ残量が閾値Wh3以上であれば、太陽電池パネル40及びバッテリ50からの電力を用いて、冷凍機30Aが冷凍強モードで運転される。
<イグニッションがOFFの場合の冷凍弱モード>
一方、ステップS209で温度差Td1が閾値Tc未満で判定された場合、或いはステップS219でバッテリ残量が閾値Wh3未満と判定され、処理が図35のステップS231に進んだ場合、制御装置60は、冷凍庫温度センサ75の出力、即ち冷凍庫温度Tinを読み込む。次に、制御装置60は、冷凍庫温度Tinと設定温度(設定値)Tsetとの温度差Td1(Td1=|Tin−Tset|)が、予め設定された定数(閾値)Ta以上か否かを判定する(ステップS232)。
このとき、温度差Td1が閾値Ta未満であれば、制御装置60は、充電モードを実行すべく、処理をステップS244に進め、温度差Td1が閾値Ta以上であれば、制御装置60は、処理をステップS233に進める。
ステップS233において、制御装置60のモード決定部68は、庫内温度Tinが設定温度Tset以上かをチェックする。ここで庫内温度Tinが設定温度Tset未満であれば、冷却の必要が無いので休止モードを選択し、一旦冷凍機30Aの運転を休止させ(ステップS242)、バッテリ50の充電モードを実行して(ステップS243)、処理をステップS6へ戻す。
また、庫内温度Tinが設定温度Tset以上であれば、制御装置60の選択部64は、ステップS213と同様に日射量又は太陽電池の発電力を読み込む(ステップS234)。次に、選択部64は、日射量又は発電力が予め記憶領域に設定された閾値W2(但しW3>W2)以上か否かを判定する(ステップS235)。閾値W2は、太陽電池パネル40からの電力のみで冷凍弱モードでの運転が可能か否かを判定するための閾値である。このとき、日射量が閾値W2以上であれば、処理がステップS236に進み、そうでなければ処理がステップS239に進む。
ステップS236において、選択部64は、日射量から求まる太陽電池パネル(PV)40の発電力が蓄電池(バッテリ)50に充電すべき余剰電力を生じさせるか否かを判定する。ここで、余剰電力が生じる場合、制御装置60の選択部64は、充電モードを実行すべく、処理をステップS37に進める(ケースA)。また、余剰電力が生じない場合、選択部64は、充電モードを実行せずに処理をステップS238に進める(ケースB)。
ステップS237では、余剰電力が生じるとの判定結果に基づき、ステップS216と同様のバッテリ充電処理が実行される。すなわち、制御装置60の選択部64は、充放電コントローラ65にバッテリ充電を指示し、充放電コントローラ65がバッテリ充電を行う(図20参照)。
次に、制御装置60は、冷凍機30Aの出力を「弱」で運転する冷凍弱モードで、冷凍機30Aの運転を実行する(ステップS238)。すなわち、制御装置60は、冷凍機30Aに備えられた図示しないコントローラに対し、「弱」での運転を指示する。冷凍機30Aのコントローラは、指示に従って、「弱」モードに応じた出力で冷凍機30Aの運転を行う。ステップS238の後、処理はステップS4に戻る。
以上のように、冷凍庫温度Tinと設定温度Tsetとの温度差Td1が、閾値Tc未満で、且つ閾値Ta以上であり、更に日射量が閾値W2以上であれば、冷凍機30Aは太陽電池パネル40からの電力のみを用いて冷凍弱モードで運転される。このとき、太陽電池パネル40の発電電力に余剰電力があれば、この余剰電力はバッテリ50に充電される。
ステップS235において、日射量が閾値W2未満と判定された場合には、処理がステップS239に進み、制御装置60の充電検出部62は、バッテリ状態をチェックする。次に、制御装置60の充電検出部62は、バッテリ残量が閾値Wh2以上か否かを判定する(ステップS240)。閾値Wh2は、バッテリを太陽電池の補助電源として用いて冷凍弱モードでの運転が一定時間可能なバッテリ残量の判定閾値である(但しWh3>Wh2)。ここで、制御装置60の選択部64は、バッテリ残量が閾値Wh2以上であれば処理をステップS241に進め(ケースC)、そうでなければ処理をステップS244に進める(ケースD)。
ステップS241において、制御装置60の選択部64は、太陽電池の発電量の不足分をバッテリからの電力で補う(アシストする)バッテリ・PVアシストモードでの運転を行うべく、太陽電池パネル40の発電電力とバッテリ50からの電力を冷凍機30Aへ供給するように充放電コントローラ65に指示し、処理をステップS238に進める。
このように、日射量が閾値W2未満であるが、バッテリ残量が閾値Wh2以上であれば、太陽電池パネル40及びバッテリ50からの電力を用いて、冷凍機30Aが冷凍弱モードで運転される。
なお、ステップS244において、制御装置60の選択部64は、充電モードを実行すべく、充放電コントローラ65に対し、バッテリ充電を指示する。充放電コントローラ65は、選択部64からの指示に従って、バッテリ充電処理を実行し、充電中であればステップS4の処理に戻り、満充電に達した場合には処理を終了する。処理が終了した場合、タイマ78などに次回の起動時刻を設定しておき再起動させても良いし、ユーザが改めて起動を指示しても良い。このとき、設定温度や休業日が既に入力されていれば、当該設定温度や休業日の入力(ステップS2,S3)をスキップして営業日の読込み(ステップS4)に移っても良い。
このように、日射量が閾値W1未満であり、バッテリ残量が閾値Wh1未満であれば、冷凍機30Aの運転は行われず、バッテリ50に対する充電モードのみが行われる。
<イグニッションがONの場合の冷凍強モード>
一方、ステップS211(図33)において、冷凍庫温度Tinと設定値Tsetとの温度差Td1(Td1=|Tin−Tset|)が、予め設定された定数(閾値)Tc以上であれば、制御装置60の選択部64は、冷凍強モード(図36)で冷凍機30Aの運転を行うべく、処理を図36のステップS251へ進める。
ステップS251において、制御装置60のモード決定部68は、庫内温度Tinが設定温度Tset以上かをチェックする。ここで庫内温度Tinが設定温度Tset未満であれば、冷却の必要が無いので休止モードを選択し、一旦冷凍機30Aの運転を休止させ(ステップS264)、バッテリ50の充電モードを実行して(ステップS265)、処理をステップS6へ戻す。
また、庫内温度Tinが設定温度Tset以上であれば、制御装置60の発電力検出部163は、日射量又は太陽電池の発電力をチェックする(ステップS52)。例えば、発電力検出部63は、日射量センサ73の出力から求まる日射量、又は当該日射量に対応する太陽電池40の発電力を求める。また、発電力検出部63は、PV発電力モニタ82の出力を読み出して太陽電池40の発電力とすることもできる。もっとも、制御装置60は、当該フローチャートの処理と並列に、日射量又は発電力を随時又は周期的に求め、所定の記憶領域に格納しておくことができる。この場合、ステップS252において、発電力検出部63は、記憶領域に格納された日射量又は発電力を読み出すこともできる。
続いて、制御装置60の選択部64は、日射量又は発電力が予め記憶領域に格納された閾値W3以上か否かを判定する(ステップS253)。閾値W3は、太陽電池からの電力のみで冷凍強モードの運転が可能か否かを判定するための閾値である。このとき、日射量又は発電力が閾値W3以上であれば、制御装置60は処理をステップS254に進める。これに対し、日射量又は発電力が閾値W3未満であれば、制御装置60は処理をステップS257に進める。
ステップS254において、制御装置60の選択部64は、日射量又は発電力が蓄電池(バッテリ)50に充電すべき余剰電力を生じさせるか否かを判定する。このとき、余剰電力があれば、選択部64は充電モードを実行すべく処理をステップS255に進める(ケースE)。余剰電力がない場合には、選択部64は充電モードを実行せずに処理をステップS256に進める(ケースF)。
ステップS255において、制御装置60の選択部64は、充電モードを実行すべく、充放電コントローラ65に対し、バッテリ充電を指示する、即ち、太陽電池パネル40の発電電力の供給先として冷凍機30A及びバッテリ50を選択する。充放電コントローラ65は、選択部64からの指示に従って、バッテリ充電処理を実行する(図20参照)。
次に、制御装置60は、冷凍機30Aの出力を「強」で運転する冷凍強モードで、冷凍機30Aの運転を実行する(ステップS256)。すなわち、制御装置60は、冷凍機30Aに備えられた図示しないコントローラに対し、「強」での運転を指示する。冷凍機30Aのコントローラは、制御装置60からの指示に従って、「強」モードに応じた出力で運転を行う。ステップS256の後、処理はステップS6に戻る。
以上のように、冷凍庫温度Tinと設定温度Tsetとの温度差Td1が閾値Tc以上であり、日射量が閾値W3以上であれば、冷凍機30Aは太陽電池パネル40からの電力のみを用い、冷凍強モードで運転される。このとき、太陽電池の発電電力に余剰電力があれば、この余剰電力はバッテリ50に充電される。
ステップS253で、日射量が閾値W3未満と判定された場合には、処理がステップS257に進む。ステップS257では、制御装置60の充電検出部62は、バッテリ状態をチェックし、バッテリ残量が閾値Wh3以上か否かを判定する(ステップS258)。ここで、閾値Wh3は、バッテリ50を太陽電池パネル40の補助電源として用いて冷凍強モードでの運転が一定時間可能なバッテリ残量の判定閾値である。バッテリ残量が閾値Wh3以上であれば、処理がステップS259に進み(ケースG)、そうでなければ、処理がステップS261に進む。
ステップS259において、制御装置60は、太陽電池パネル40の発電量の不足分をバッテリ50からの電力で補う(アシストする)バッテリ・PVアシストモードで行うべく、太陽電池パネル40の発電電力とバッテリ50からの電力を冷凍機30Aへ供給するように充放電コントローラ65に指示し、処理をステップS256に進める。
このように、日射量が閾値W3未満であるが、バッテリ残量が閾値Wh3以上であれば、太陽電池パネル40及びバッテリ50からの電力を用いて、冷凍機30Aが冷凍強モードで運転される。
一方、ステップS258でバッテリ残量が閾値Wh3未満と判定され、処理がステップS240に進んだ場合、制御装置60は、太陽電池パネル40の発電量の不足分をオルタネータ37からの電力で補う(アシストする)オルタネータ・PVアシストモードで行うべく、太陽電池パネル40の発電電力とオルタネータ37からの電力を冷凍機30Aへ供給するように充放電コントローラ65に指示する(ステップS261)。
次に、制御装置60の選択部64は、日射量又は発電力が蓄電池(バッテリ)50に充電すべき余剰電力を生じさせるか否かを判定する(ステップS262)。このとき、余剰電力があれば、選択部64は充電モードを実行すべく処理をステップS263に進め(ケースH)、余剰電力がない場合には、選択部64は充電モードを実行せずに処理をステップS256に進める(ケースI)。
ステップS263において、制御装置60の選択部64は、充電モードを実行すべく、充放電コントローラ65に対し、バッテリ充電を指示する、即ち、太陽電池パネル40の発電電力の供給先として冷凍機30A及びバッテリ50を選択する。充放電コントローラ65は、選択部64からの指示に従って、バッテリ充電処理(図20)を実行する。
このように、日射量が閾値W3未満で、且つバッテリ残量が閾値Wh3未満であれば、太陽電池パネル40及びオルタネータ37からの電力を用いて、冷凍機30Aが冷凍強モードで運転される。
<イグニッションがONの場合の冷凍弱モード>
一方、ステップS211(図33)において、冷凍庫温度Tinと設定値Tsetとの温度差Td1(Td1=|Tin−Tset|)が、予め設定された定数(閾値)Tc未満であれば、制御装置60の選択部64は、冷凍弱モード(図37)で冷凍機30Aの運転を行うべく、処理を図37のステップS271へ進める。
ステップS271において、制御装置60は、冷凍庫温度センサ75の出力、即ち冷凍庫温度Tinを読み込む。次に、制御装置60は、冷凍庫温度Tinと設定温度(設定値)Tsetとの温度差Td1(Td1=|Tin−Tset|)が、予め設定された定数(閾値)Ta以上か否かを判定する(ステップS72)。
このとき、温度差Td1が閾値Ta以上であれば、制御装置60は、冷暖房の運転モードを「弱」とする冷凍弱モードで冷凍機30Aを運転すべく、処理をステップS273に進める。これに対し、温度差Td1が閾値Ta未満であれば、制御装置60は、充電モードを実行すべく、処理をステップS244(図35)に進める。
ステップS273において、制御装置60のモード決定部68は、庫内温度Tinが設定温度Tset以上かをチェックする。ここで庫内温度Tinが設定温度Tset未満であれば、冷却の必要が無いので休止モードを選択し、一旦冷凍機30Aの運転を休止させ(ステップS286)、バッテリ50の充電モードを実行して(ステップS287)、処理をステップS6へ戻す。
また、庫内温度Tinが設定温度Tset以上であれば、制御装置60の選択部64は、ステップS252と同様に日射量又は太陽電池の発電力を読み込む(ステップS274)。次に、選択部64は、日射量又は発電力が予め記憶領域に設定された閾値W2(W3>W2)以上か否かを判定する(ステップS275)。閾値W2は、太陽電池からの電力のみで冷凍弱モードでの運転が可能か否かを判定するための閾値である。このとき、日射量が閾値W2以上であれば、処理がステップS276に進み、そうでなければ処理がステップS279に進む。
ステップS276において、選択部64は、日射量から求まる太陽電池パネル(PV)40の発電力が蓄電池(バッテリ)50に充電すべき余剰電力を生じさせるか否かを判定する。ここで、余剰電力が生じる場合、制御装置60の選択部64は、充電モードを実行すべく、処理をステップS277に進め(ケースE)、余剰電力が生じない場合、選択部64は、充電モードを実行せずに処理をステップS278に進める(ケースF)。
ステップS277では、余剰電力が生じるとの判定結果に基づき、ステップS216と同様のバッテリ充電処理が実行される。すなわち、制御装置60の選択部64は、充放電コントローラ65にバッテリ充電を指示し、充放電コントローラ65がバッテリ充電処理(図20)を行う。
次に、制御装置60は、冷凍機30Aの出力を「弱」で運転する冷凍弱モードで、冷凍機30Aの運転を実行する(ステップS278)。すなわち、制御装置60は、冷凍機30Aに備えられた図示しないコントローラに対し、「弱」での運転を指示する。冷凍機30Aのコントローラは、指示に従って、「弱」モードに応じた出力で冷凍機30Aの運転を行う。ステップS278の後、処理はステップS6に戻る。
以上のように、冷凍庫温度Tinと設定温度Tsetとの温度差Td1が、閾値Tc未満で、且つ閾値Ta以上であり、更に日射量又は発電電力が閾値W2以上であれば、冷凍機30Aは太陽電池パネル40からの電力のみを用いて冷凍弱モードで運転される。このとき、太陽電池パネル40の発電電力に余剰電力があれば、この余剰電力はバッテリ50に充電される。
また、ステップS275において、日射量又は発電電力が閾値W2未満と判定された場合には、処理がステップS279に進み、制御装置60の充電検出部62は、バッテリ状態をチェックする。次に、制御装置60の充電検出部62は、バッテリ残量が閾値Wh2以上か否かを判定する(ステップS281)。閾値Wh2は、バッテリを太陽電池の補助電源として用いて冷凍弱モードでの運転が一定時間可能なバッテリ残量の判定閾値である(但しWh3>Wh2)。ここで、制御装置60の選択部64は、バッテリ残量が閾値Wh2以上であれば処理をステップS282に進め(ケースG)、そうでなければ処理をステップS283に進める。
ステップS282において、制御装置60の選択部64は、太陽電池の発電量の不足分をバッテリからの電力で補う(アシストする)バッテリ・PVアシストモードでの運転を行うべく、太陽電池パネル40の発電電力とバッテリ50からの電力を冷凍機30Aへ供給するように充放電コントローラ65に指示し、処理をステップS278に進める。
このように、日射量が閾値W2未満であるが、バッテリ残量が閾値Wh2以上であれば、太陽電池パネル40及びバッテリ50からの電力を用いて、冷凍機30Aが冷凍弱モードで運転される。
一方、ステップS281でバッテリ残量が閾値Wh2未満と判定され、処理がステップS283に進んだ場合、制御装置60は、太陽電池パネル40の発電量の不足分をオルタネータ37からの電力で補う(アシストする)オルタネータ・PVアシストモードで行うべく、太陽電池パネル40の発電電力とオルタネータ37からの電力を冷凍機30Aへ供給するように充放電コントローラ65に指示する。
次に、制御装置60の選択部64は、日射量又は発電力が蓄電池(バッテリ)50に充電すべき余剰電力を生じさせるか否かを判定する(ステップS84)。このとき、余剰電力があれば、選択部64は充電モードを実行すべく処理をステップS285に進める(ケースH)。余剰電力がない場合には、選択部64は充電モードを実行せずに処理をステップS278に進める(ケースI)。
ステップS285において、制御装置60の選択部64は、充電モードを実行すべく、充放電コントローラ65に対し、バッテリ充電を指示する、即ち、太陽電池パネル40の発電電力の供給先として冷凍機30A及びバッテリ50を選択する。充放電コントローラ65は、選択部64からの指示に従って、バッテリ充電処理(図20)を実行する。
このように、日射量が閾値W2未満で、且つバッテリ残量が閾値Wh2未満であれば、太陽電池パネル40及びオルタネータ37からの電力を用いて、冷凍機30Aが冷凍弱モードで運転される。
以上のように構成することで、エンジンがオンの場合とオフの場合とで冷凍機30Aの運転モードを決定する方法(フロー)や条件を異なる。これによって、エンジンのオン時とオフ時とで異なる運転モードを決定しうる。例えば、温度差Td1が閾値Tc以上の場合に、エンジンがオンの場合には冷凍機30Aを冷凍強モードで運転するが、エンジンがオフの場合にはPV40とバッテリ50の合計電力に応じた冷凍モードが実施されることになる。
従来、エンジンがオフの場合には、PV40などからの供給電力が冷凍強モードの要求電力に満たない場合は冷凍機30Aの運転そのものが行われなかった。
しかし本実施形態によれば、冷凍機の要求電力にPV40などからの供給電力が満たない場合にも、合計電力に応じた冷凍モードが選択され実施されるため、アイドリングストップ時にも冷凍庫内の温度をより適切に維持することができる。
<バッテリ充電処理>
なお、上述したバッテリ充電処理(S215,S225,S234,S239等)のサブルーチンは、第1実施形態(図20)と同様であるので説明を省略した。もっとも、バッテリ充電処理は、図20に示した処理に限定されるものではなく、既存のバッテリ充電処理を行うことができる。
<運行スケジュールに基づく冷凍機制御>
上記した図33に係るフローチャートでは、休業日が設定され、当日が休業日か営業日か否かが判定され、営業日であれば、それ以降の処理が実行されるようになっていた。このような構成に代えて、以下のような運行スケジュールに従った処理が行われるようにしても良い。
例えば、設定温度入力が終了すると、運行スケジュールの入力画面が表示制御部66によって表示装置83に表示される。運行スケジュール入力画面には、一定の期間(年、月、週)を示すカレンダーが表示される。カレンダーは、その期間に含まれる日、及び七曜(日〜土)を示す。また、入力画面には、各日に対応する休業日のチェックボックスと、営業時間帯の入力欄とが設けられる。
ユーザは、カレンダーの各日に対応するチェックボックスに対し、入力装置83を用いてチェックを入れることで、上述したような休業日フラグをオンにすることができる。これにより、休業日フラグがオフの日が営業日となる。また、ユーザは、入力装置84を用いて、営業日における営業時間帯の入力欄に営業時間帯を入力することができる。
例えば、運行スケジュール入力画面には、所定の日(例えば金曜日)から一週間の運行スケジュールを入力するためのカレンダーが表示される。このカレンダーを用いて、ユーザは、金曜日に翌日土曜から翌週金曜日までの運行予定を入力することができる。このとき、例えば、土曜日及び日曜日は休業とし(休業日チェックボックスをチェック)、月曜日から木曜日は午前6時から午後4時までの間、金曜日は午前10時から午後8時までを営業時間帯(運行時間)として設定することができる。
この場合、土曜日、日曜日のような休業日においては、バッテリ50の残量がチェックされ、残量が所定量より小さい場合には、バッテリ充電処理を行うことができる。所定量は、例えば、閾値Wh3,Wh2,Wh1の何れかを用いても良く、他の所定量を用いても良い。或いは、フル充電が行われるようにしても良い。さらに、バッテリ50の残量が所定量を越えた場合には、PV40の電力の出力先がバッテリ50から外部端子(インタフェース部81)に切り替えられ、インタフェース部81に接続された外部負荷に電力が供給される、すなわち売電が行われるようにしても良い。このような切替処理は、制御装置60を用いた自動処理であっても、手動であっても良い。
月曜日から木曜日は、午前6時からの運行となる。この場合、例えば、タイマ78が営業開始時刻(運行開始時刻)より所定時間前(例えば、2時間前の午前4時)を計時すると、制御装置60がステップS6以降の処理を開始するようにすることができる。このような冷凍機運転開始時刻(午前4時)では、季節や、車輌1Aの停車環境(停車環境下での光量)にもよるが、バッテリ50からの電力をメインとする冷凍機運転となる。
このため、冷凍機運転開始時刻でのバッテリ残量はフル充電状態が望ましく、少なくとも冷凍機運転開始時刻から営業開始時刻までの間、バッテリ50のみで冷凍機運転が可能な所定値以上の残量が確保されているのが好ましい。
従って、バッテリ50と負荷との間を遮断する為のバッテリ残量(例えば、閾値Wh1:Wh1<Wh2<Wh3)を高めに設定し、バッテリ残量を所定値以上で維持することが考えられる。或いは、営業時間(運行時間)の終了後に、系統(外部電源80)に接続し、バッテリ50を充電する等の制御も考えられる。
このように、運行開始時刻より所定時間前から冷凍機運転を開始することで、トラック車輌1Aの冷凍庫122を所望の状態にしておくことが可能となる。
金曜日は、午前10時からの運行であるので、冷凍機運転開始時刻が運行開始時刻より2時間前であれば、午前8時から冷凍機運転を開始する。冷凍機運転開始時刻は、例えば入力画面を用いて適宜設定が可能である。従って、運行開始時刻に応じて、冷凍機運転開始時刻を早くしたり、遅くしたりすることによって、さらに細かな快適性とエネルギー制御を可能にすることができる。なお、金曜日は午後8時が運行終了時刻である。このため、季節や車輌1Aの走行又は停車環境下での日射量に依存するが、日没以降はバッテリ50がメインの運転となる。
〈オルタネータPVアシストモード〉
図33〜図37に示したフローでは、イグニッションSW79がONの場合、補助電源としてバッテリ50を優先的に使用し、バッテリ残量が足りないときにオルタネータ37でアシストした。以下に説明するオルタネータアシストモードでは、バッテリ50でアシストせず、オルタネータ37でアシストする。なお、その他の構成は、図33〜図37に示した処理と同様である。
図38,図39は、太陽電池パネル40の発電をオルタネータ37の発電でアシストするオルタネータPVアシストモードを示すフローチャートである。
上述した図33のステップS1でオートモードが選択されると、設定温度の入力(S2)及び休業日入力(S3)が適宜行われ、営業日であって(S4,S5)イグニッションSW79がONであると(S6,S7)、庫内温度Tinと設定温度Tsetとの温度差Td1が閾値Tc以上か否かが判定される(S211)。そして、温度差Td1が閾値Tc以上である場合、オルタネータPVアシストモードでは、図38に示す冷凍強モードが実行される。
図38に示すフローは、図36のフローとの比較において、ステップS257〜S259が省略されている。即ち、ステップS253で日射量或いは太陽電池パネル40の発電力が閾値(要求電力)W3未満であれば、モード決定部68は、オルタネータPVアシストモードを選択する(S240)。以降の処理は、図33と同じであるので説明を省略する。
同様に、図39においては、日射量或いはPVパネル40の発電量が閾値(要求電力)W2以上か否かの判定(ステップS275)までは、図37のフローと同じである。オルタネータアシストモードでは、図37におけるバッテリアシストのステップS279〜S282が省略されている。即ち、ステップS275で日射量或いは発電力が閾値(要求電力)W2未満であれば、モード決定部68は、オルタネータPVアシストモードを選択する(S83)。以降の処理は、図37と同じであるので説明を省略する。
このように、イグニッションSW79がONで、日射量或いはPVパネル40の発電量が要求電力未満の場合にオルタネータ37でアシストする制御フローとする。これによって、図36,図37に示した処理に比べてバッテリ50の残量を良好な状態に保つことができる。
〈買電モード、売電モード〉
次に、太陽電池パネル40が外部電源80と接続している場合に、買電モード或いは売電モードを実行する例について説明する。図40,図41は、買電及び売電モードにおける制御のフローチャートである。
図40に示すフローは、前述した図34のフローと比べて、買電モードの処理(ステップS291〜S293)が追加されている。即ち、図40において、ステップS219でバッテリ残量が所定電力量Wh3未満であると判定した場合には、制御装置60は、インタフェース81に外部電源80が接続されているか否かを判定する(ステップS291)。インタフェース81に外部電源80が接続されていれば、モード決定部68は、買電モードを選択し、外部電源80からの電力でPVパネル40のアシストを実行する(ステップS292)。
そして外部電源80からの電力を用いてバッテリ充電処理(ステップS293)を実行し、冷凍強モードを実行すべく処理をステップS217に進める。なお、その他のの処理は図34と同じであるので説明を省略する。
一方、ステップS291で外部電源80が接続されていなかった場合、図41のステップS231に進み冷凍弱モードを試みる。
なお、図41のフローは、前述した図35のフローと比べて、買電モードの処理(ステップS294〜S296)及び売電モードの処理(ステップS297〜S299)が追加されている。図41において、ステップS240でバッテリ残量が所定電力量Wh2未満であると判定された場合には、制御装置60は、インタフェース81に外部電源80が接続されているか否かを判定する(ステップS294)。外部電源80が接続されていれば、モード決定部68は、買電モードを選択し、外部電源80からの電力でPVパネル40のアシストを実行する(ステップS295)。
そして外部電源80からの電力を用いてバッテリ充電処理(ステップS296)を実行し、冷凍弱モードを実行すべく処理をステップS238に進める。
一方、ステップS294で外部電源80が接続されていなかった場合には、太陽電池パネル40の発電電力を用いてバッテリ充電処理(ステップS244)を行う。
また、図33のステップS5で営業日でないと判定された場合や、図37のステップS272で冷凍庫温度Tinと設定温度Tsetとの温度差Td1が閾値Ta未満の場合に、制御装置60は、太陽電池パネル40の発電電力を用いてバッテリ充電処理(ステップS244)を行う。続いて、制御装置60のモード決定部68は、インタフェース81に外部電源80が接続されているか否かを判定し(ステップS297)、外部電源80が接続されていれば、売電モードを選択する。売電モードが選択されると、選択部64は、太陽電池パネル40の発電電力を外部電源80へ供給するように充放電コントローラ65へ通知し、インタフェース81を介して太陽電池パネル40の発電電力を外部電源80へ供給させる。
このように外部電源80を接続することにより、悪天候時や夜間であっても、冷凍機30Aの運転やバッテリ50の充電を行うことができる。また、太陽電池パネル40で発電した電力を外部電源80へ供給することにより、余剰電力を電力会社等に売ることができる。
なお、上記した売電モードでは、余剰電力を売電する例を示したが、これに限らず、太陽電池パネル40の電力を車輌1A外の電気設備へ供給する構成としても良い。例えば、インタフェース81に他車のインタフェースや外部の蓄電池を接続し、他車への電力の供給や、余剰電力による外部の蓄電池の充電を行っても良い。また、太陽電池パネル40からの電力で外部の電気設備(外部負荷)を駆動させることができる。
<その他>
第2実施形態に係るシステムコントローラ(制御装置)60は、第1実施形態で説明した積雪防止モードを実行する機能を備えることができる。積雪防止モードは、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、上記実施の形態では、冷凍機30Aの能力を強・弱の二段階に変更した例を示したが、これに限らず、三段階以上或いは無限段階に変更するモードを備えても良い。
また、エンジンがOFFの場合には、冷凍機30Aのコンプレッサ等を動かさず、エアカーテン装置139のみを動作させても良い。例えば宅配便の冷凍車のように、車両を止めて荷物を降ろす作業を頻繁に繰り返す場合、エンジンの停止を契機にエアカーテン139を動作させて庫内温度の変動を抑える構成としても良い。
1・・・トラック車輌
10・・・運転車輌
11・・・運転室
12・・・運転席
13・・・助手席
14・・・仮眠キャビン
20・・・荷台
21・・・荷台ボディ
22・・・ウィング
23・・・ヒンジ部
24・・・天板パネル
30,130・・・空調装置
31・・・室内機
32・・・室外機
37・・・オルタネータ
40・・・太陽電池パネル
41・・・太陽電池素子
41a,41b・・・電極
41c・・・発電層
42,43・・・封止材層
44,45・・・保護層
46・・・リード線
47・・・スペーサ
50・・・蓄電池(バッテリ)
60・・・制御装置(システムコントローラ)
61・・・入力ポート
62・・・充電検出部
63・・・発電電力検出部
64・・・選択部
65・・・充放電コントローラ
66・・・表示制御部66
67・・・メモリ
68・・・モード決定部
71・・・バッテリ温度センサ
72・・・バッテリモニタ
73・・・日射量センサ
74・・・外気温センサ
75・・・運転室の温度センサ
76・・・湿度センサ
77・・・天候モニタ
78・・・タイマ
79・・・イグニッションスイッチ
80・・・外部電源
81・・・オルタネータ発電力モニタ
82・・・太陽電池(PV)発電力モニタ
83・・・表示装置(ディスプレイ)
84・・・入力装置
91・・・逆流防止ダイオード
92,93・・・スイッチ
94・・・バイパスダイオード
131・・・電動空調装置
242,243・・・封止材層
244・・・表面保護層
245・・・裏面保護層
401・・・単位パネル
420・・・電気ケーブル
1A・・・車輌
111・・・ エンジンルーム
120・・・荷台
122・・・冷凍庫
30A・・・冷凍機
31A・・・熱交換ユニット
132 コンプレッサ
133 電動モータ

Claims (34)

  1. 運転室内の室温を調整する空調装置を備えた運転車輌と、この運転車輌に連結され積載物収容部を覆う荷台ボディを有する荷台と、この荷台ボディに設けられた太陽電池パネルとを備えるトラック車輌用の空調制御装置であって、
    前記太陽電池パネルの発電電力、又は日射量を求める検出手段と、
    前記空調装置に用意された複数の運転モードの夫々における要求電力と、前記太陽電池パネルの発電電力、又は日射量とに基づいて、前記太陽電池パネルの発電電力で運転可能な前記空調装置の運転モードを決定する決定手段と
    を含むトラック車輌用の空調制御装置。
  2. 前記トラック車輌のエンジンのオン又はオフを検知するオン/オフ検知手段をさらに備え、
    前記決定手段は、前記トラック車輌のエンジンのオン時とオフ時とで異なる運転モードを決定しうる
    請求項1に記載のトラック車輌用の空調制御装置。
  3. 前記決定手段は、前記トラック車輌のエンジンがオンの場合には前記複数の空調装置の運転モードの一つである空調モードを決定し、前記トラック車輌のエンジンがオフの場合には前記複数の空調装置の運転モードの他の一つである換気モードを所定条件下で決定する
    請求項2に記載のトラック車輌用の空調制御装置。
  4. 前記運転室内の室温を検出する室温検出手段及び/又は外気温を検出する外気温検出手段をさらに備え、
    前記決定手段は、
    (i)前記複数の運転モードの夫々における要求電力と、
    (ii)前記太陽電池パネルの発電電力、又は日射量と、
    (iii)前記室温,前記外気温,及び前記空調装置の設定温度のうちの少なくとも二つと、
    に基づいて、前記太陽電池パネルからの電力で運転可能な前記空調装置の運転モードを決定する
    請求項1から3のいずれか1項に記載のトラック車輌用の空調制御装置。
  5. 前記決定手段は、前記室温と前記外気温との温度差が閾値以下の場合には前記複数の空調装置の運転モードの一つである空調モードを決定し、
    前記温度差が閾値より大きい場合に、前記外気温と前記設定温度との温度差が前記室温と前記設定温度との温度差以下であれば前記複数の空調装置の運転モードの他の一つである換気モードを決定し、そうでなければ前記空調モードを決定する
    請求項4に記載のトラック車輌用の空調制御装置。
  6. 前記決定手段は、前記室温と前記設定温度との温度差が第1の閾値以上の場合には、前記複数の空調装置の運転モードの一つである第1の空調モードでの運転を試み、前記温度差が第1の閾値未満であって且つ前記室温と前記設定温度との温度差が前記第1の閾値より小さい第2の閾値以上の場合には前記複数の空調装置の運転モードの他の一つである前記第1の空調モードよりも要求電力の低い第2の空調モードでの運転を試みる請求項4又は5に記載のトラック車輌用の空調制御装置。
  7. 前記トラック車輌が蓄電池をさらに備える場合に、前記決定手段は、前記太陽電池パネルの発電電力が前記複数の運転モードの一つである第1の空調モードの要求電力に満たない場合に、前記蓄電池の放電電力が前記太陽電池パネルの発電電力と合わせて前記要求電力を満たすことができれば前記第1の空調モードを前記太陽電池パネル及び前記蓄電池の放電電力で運転することを決定し、前記蓄電池の放電電力を前記太陽電池パネルの発電電力と合わせても前記要求電力を満たすことができない場合には、前記第1の空調モードより要求電力の低い第2の空調モードを前記太陽電池パネルの発電電力で運転できるか否かを判定する
    請求項1から6のいずれか1項に記載のトラック車輌用の空調制御装置。
  8. 前記決定手段は、前記第1の空調モードより要求電力の低い第2の空調モードを前記太陽電池パネルの発電電力で運転できるか否かの判定を、室温と前記空調装置の設定温度との温度差が閾値以上であることを条件として行う
    請求項7に記載のトラック車輌用の空調制御装置。
  9. 前記トラック車輌が蓄電池及びオルタネータを備える場合において、前記決定手段は、前記太陽電池パネルの発電電力が前記複数の運転モードの一つの要求電力に満たない場合に、前記蓄電池の放電電力が前記太陽電池パネルの発電電力と合わせて前記要求電力を満たすことができれば前記複数の運転モードの一つを前記太陽電池パネル及び前記蓄電池の放電電力で運転することを決定し、前記蓄電池の放電電力を前記太陽電池パネルの発電電力と合わせても前記要求電力を満たすことができない場合には前記複数の運転モードの一つを前記太陽電池パネル及び前記オルタネータの発電電力で運転することを決定する
    請求項1から6のいずれか1項に記載のトラック車輌用の空調制御装置。
  10. 前記トラック車輌がオルタネータを備える場合において、前記決定手段は、前記太陽電池パネルの発電電力が前記複数の運転モードの一つの要求電力に満たないときには、前記複数の運転モードの一つを前記太陽電池パネル及び前記オルタネータの発電電力で運転することを決定する
    請求項1から6のいずれか1項に記載のトラック車輌用の空調制御装置。
  11. 前記トラック車輌が前記空調装置の電源の一つとして使用される蓄電池をさらに備える場合に、前記決定手段は、前記オルタネータの発電電力に余剰電力が含まれる場合には、前記余剰電力を前記蓄電池に充電することを決定する
    請求項10に記載のトラック車輌用の空調制御装置。
  12. 前記決定手段は、予め記憶された前記トラック車輌の営業日及び営業時間帯を示す使用スケジュール情報に基づき、前記運転モードの決定処理を実行する
    請求項1から11のいずれか1項に記載のトラック車輌用の空調制御装置。
  13. 外気温が閾値以下の場合に前記太陽電池パネルに発熱用電力を供給する制御を行う発熱制御手段をさらに含む
    請求項1から12のいずれか1項に記載のトラック車輌用の空調制御装置。
  14. 前記トラック車輌が備えるインタフェース部に接続された外部電源からの電力を前記空調装置に接続する接続制御手段をさらに含む
    請求項1から13のいずれか1項に記載のトラック車輌用の空調制御装置。
  15. 前記太陽電池パネルからの発電電力の供給先を、前記空調装置と、前記トラック車輌が備える蓄電池と、前記トラック車輌に備えられ外部負荷と接続される出力インタフェース部との少なくとも一つに設定する選択手段をさらに含む
    請求項1から14の何れか1項に記載のトラック車輌用の空調制御装置。
  16. 運転室内の室温を調整する空調装置を備えた運転車輌と、
    前記運転車輌に連結され積載物収容部を覆う荷台ボディを有する荷台と、
    前記荷台ボディに設けられた太陽電池パネルと、
    前記太陽電池パネルの発電電力、又は日射量を求める検出手段,及び前記空調装置に用意された複数の運転モードの夫々における要求電力と前記太陽電池パネルの発電電力、又は日射量とに基づいて、前記太陽電池パネルの発電電力で運転可能な前記空調装置の運転モードを決定する決定手段を少なくとも含む空調制御装置と、
    を備えるトラック車輌。
  17. 前記空調装置と外部電源とを電気的に接続するためのインタフェース部をさらに備える請求項16記載のトラック車輌。
  18. 前記太陽電池パネルからの発電電力を外部に出力するための出力インタフェース部をさらに備える
    請求項16又は17に記載のトラック車輌。
  19. 車輌の少なくとも一部に設けた冷却貯蔵庫と、前記冷却貯蔵庫内を冷却する冷却部と、前記冷却部に電力を供給する太陽電池を備えた車輌用の制御装置であって、
    前記太陽電池パネルの発電電力又は日射量を求める検出部と、
    前記冷却部に用意された複数の運転モードの夫々における要求電力と、前記太陽電池パネルの発電電力又は日射量とに基づいて、前記太陽電池パネルの発電電力で運転可能な前記冷却部の運転モードを決定する決定部と
    を含む車輌用の制御装置。
  20. 前記車輌のエンジンのオン又はオフを検知するオン/オフ検知部をさらに備え、
    前記決定部は、前記トラック車輌のエンジンのオン時とオフ時とで異なる運転モードを決定しうる
    請求項19に記載の車輌用の制御装置。
  21. 前記冷却貯蔵庫の庫内温度を検出する庫内温度検出部と、
    前記庫内温度の目標値として設定された設定温度を記憶する記憶部とをさらに備え、
    前記決定部は、前記複数の運転モードの夫々における要求電力と、前記太陽電池パネルの発電電力又は日射量、前記庫内温度及び前記設定温度に基づいて、前記太陽電池パネルからの電力で運転可能な前記運転モードを決定する
    請求項19又は20に記載の車輌用の制御装置。
  22. 前記決定部は、前記庫内温度と前記設定温度との温度差が第1の閾値以上の場合には、前記複数の運転モードの一つである第1の冷却モードでの運転を試み、
    前記温度差が第1の閾値未満であって且つ前記温度差が前記第1の閾値より小さい第2の閾値以上の場合には前記複数の運転モードの他の一つである前記第1の冷却モードよりも要求電力の低い第2の冷却モードでの運転を試みる
    請求項21に記載の車輌用の制御装置。
  23. 前記車輌が蓄電池をさらに備え、
    前記決定部は、前記太陽電池パネルの発電電力が前記複数の運転モードの一つである第1の冷却モードの要求電力に満たない場合に、前記蓄電池の放電電力と前記太陽電池パネルの発電電力とを合わせて前記要求電力を満たすことができれば前記第1の冷却モードを前記太陽電池パネルの発電電力及び前記蓄電池の放電電力で運転することを決定し、前記蓄電池の放電電力を前記太陽電池パネルの発電電力と合わせても前記要求電力を満たすことができない場合には、前記第1の冷却モードより要求電力の低い第2の冷却モードを前記太陽電池パネルの発電電力で運転できるか否かを判定する
    請求項19から22の何れか1項に記載の車輌用の制御装置。
  24. 前記決定部は、前記第1の冷却モードより要求電力の低い第2の冷却モードを前記太陽電池パネルの発電電力で運転できるか否かの判定を、前記冷却貯蔵庫の庫内温度と前記庫内温度の目標値として設定された設定温度との温度差が閾値以上であることを条件として行う
    請求項23に記載の車輌用の制御装置。
  25. 前記車輌が蓄電池及びオルタネータを備える場合に、前記決定部は、前記太陽電池パネルの発電電力が前記複数の運転モードの一つの要求電力に満たない場合に、前記蓄電池の放電電力が前記太陽電池パネルの発電電力と合わせて前記要求電力を満たすことができれば前記複数の運転モードの一つを前記太陽電池パネル及び前記蓄電池の放電電力で運転することを決定し、前記蓄電池の放電電力を前記太陽電池パネルの発電電力と合わせても前記要求電力を満たすことができない場合には前記複数の運転モードの一つを前記太陽電池パネル及び前記オルタネータの発電電力で運転することを決定する
    請求項19から22の何れか1項に記載の車輌用の制御装置。
  26. 前記車輌がオルタネータをさらに備えた場合に、
    前記決定部は、前記太陽電池パネルの発電電力が前記複数の運転モードの一つの要求電力に満たない場合に、前記複数の運転モードの一つを前記太陽電池パネル及び前記オルタネータの発電電力で運転することを決定する
    請求項19から22の何れか1項に記載の車輌用の制御装置。
  27. 前記車輌が蓄電池をさらに備えた場合に、
    前記決定部は、前記オルタネータの発電電力に余剰電力が含まれる場合には、前記余剰電力を前記蓄電池に充電することを決定する
    請求項26に記載の車輌用の制御装置。
  28. 前記決定部は、予め記憶された前記車輌の営業日及び営業時間帯を示す使用スケジュール情報に基づき、前記運転モードの決定処理を実行する
    請求項19から27の何れか1項に記載の車輌用の制御装置。
  29. 外気温が閾値以下の場合に前記太陽電池パネルに発熱用電力を供給する制御を行う発熱制御部をさらに含む
    請求項19から28の何れか1項に記載の車輌用の制御装置。
  30. インタフェース部に接続された外部電源からの電力を前記冷却部に接続する接続制御部をさらに含む
    請求項19から29の何れか1項に記載の車輌用の制御装置。
  31. 前記太陽電池パネルからの発電電力の供給先を、前記冷却部、蓄電池、外部電源と接続される出力インタフェース部の少なくとも一つに設定する選択部をさらに含む
    請求項19から30の何れか1項に記載の車輌用の制御装置。
  32. 冷却貯蔵庫と、
    前記冷却貯蔵庫内を冷却する冷却部と、
    前記冷却部に電力を供給する太陽電池パネルと、
    前記太陽電池パネルの発電電力又は日射量を求める検出部、及び前記冷却部に用意された複数の運転モードの夫々における要求電力と、前記太陽電池パネルの発電電力とに基づいて、前記太陽電池パネルの発電電力で運転可能な前記冷却部の運転モードを決定する決定部とを少なくとも含む制御装置と、
    を備える車輌。
  33. 前記冷却部と外部電源とを電気的に接続するためのインタフェース部をさらに備える
    請求項32記載の車輌。
  34. 前記太陽電池パネルからの発電電力を外部に出力するための出力インタフェース部をさらに備える
    請求項32又は33に記載の車輌。
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