JPWO2011070974A1 - 脂肪組織由来間葉系幹細胞を含有する、前立腺癌治療用細胞製剤 - Google Patents

脂肪組織由来間葉系幹細胞を含有する、前立腺癌治療用細胞製剤 Download PDF

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Abstract

脂肪組織由来間葉系幹細胞の新たな医療用途を提供することを課題とする。脂肪組織由来間葉系幹細胞(ASC)が前立腺癌に対して抗腫瘍作用を発揮することが明らかになった。当該知見に基づき、前立腺癌の治療に有効な、脂肪組織由来間葉系幹細胞を含有する細胞製剤が提供される。

Description

本発明は細胞製剤に関する。詳しくは、前立腺癌の治療に有効な細胞製剤に関する。本出願は、2009年12月7日に出願された日本国特許出願第2009−277437号に基づく優先権を主張するものであり、当該特許出願の全内容は参照により援用される。
様々な細胞に分化することが可能な多能性幹細胞を利用して、損傷を受けた組織を再建しようとする試みが世界的な規模で行われている。例えば、多能性幹細胞の一つである間葉系幹細胞(MSCs)は骨細胞、軟骨細胞、心筋細胞など、様々な細胞に分化する能力を有し、その臨床応用に注目が集まっている。一方、多能性幹細胞源として脂肪組織が有望であることがいくつかの研究グループによって報告されている(非特許文献1)。また、北川らによって、脂肪組織より、多能性を示す細胞集団を簡便な操作で大量に調製することが可能であることが報告されるとともに、得られた細胞が脂肪組織への分化能を有し、脂肪組織の再建に有効であることが示された(特許文献1)。本発明者らの研究グループも先の特許出願において、虚血性疾患、腎機能障害、創傷、尿失禁及び骨粗しょう症に対して脂肪組織由来間葉系幹細胞(Adipose-derived stem cells: ASC、Adipose-derived regeneration cells: ADRC、Adipose-derived mesenchymal stem cells: AT-MSC, AD-MSCなどと呼ばれる)が有効であることを報告した(特許文献2)。
国際公開第2006/006692号パンフレット 国際公開第2008/018450号パンフレット
Secretion of Angiogenic and Antiapoptotic Factors by Human Adipose Stromal Cells. Circulation 109:1292-1298, 2004 Tokuda Y, Satoh Y, Fujiyama C, Toda S, Sugihara H, Masaki Z.Prostate cancer cell growth is modulated by adipocyte-cancer cell interaction. BJU Int. 2003 May;91(7):716-20. Micke P, Ostman A.Exploring the tumour environment: cancer-associated fibroblasts as targets in cancer therapy. Expert Opin Ther Targets. 2005 Dec;9(6):1217-33.
本発明は、脂肪組織由来間葉系幹細胞(ASC)の新たな医療用途を提供することを課題とする。
ASCの臨床応用を図るべく検討を進める中で、前立腺癌に対する根治的前立腺摘除術を経験し、腹圧性尿失禁を術後1年以上持続した難治症例の患者の傍尿道周囲にASCを移植したところ、前立腺癌に対する鋭敏なマーカーである血中PSA濃度が低下するという興味深い現象を認めた。この現象に着目し、「ASCが抗腫瘍作用を示し、前立腺癌の治療に有効である」との仮説を立て、種々の実験を施行することにした。まず、予備実験として、現在入手可能な前立腺癌細胞の中からPSA産生能の高い細胞株を選抜すべく、PC-3細胞、DU145細胞及びLNCaP細胞のPSA産生能を比較した。LNCaP細胞に高いPSA産生能を認めたことから、以降の実験には当該細胞を用いることにした。次に、ASCが分泌する液性成分が抗腫瘍作用を示すとの予想の下、ASCの培養上清を添加した培地でLNCaP細胞を培養し、PSA産生量の変化を調べた。その結果、予想に反し、ASCの培養上清の添加による、PSA産生量の変化を認めなかった。即ち、ASCの分泌する液性成分の関与が否定された。そこで、LNCaP細胞とASCを共培養した場合の効果を調べることにした。実験の結果、驚くべきことに、ASCとの共培養によってPSA産生量が抑制された。このことは、直接的な作用、即ち細胞間相互作用(cell-to-cell interaction)によってASCがLNCaP細胞の増殖を抑制、或いは活性を低下させたことを示唆する。更なる検討の結果、大腸癌細胞株に対しては同様の効果を認めず、ASCの抗腫瘍作用が癌種特異性の高いことが確認された。
以上の通り、本発明者らはASCが前立腺癌細胞の増殖抑制及び/又は活性低下に有効であることを発見し、前立腺癌の治療にASCが応用可能であることを示した。また、作用機序の一端も明らかにした。尚、成熟脂肪細胞と前立腺癌細胞を共培養すると癌細胞の増殖を促進することや(非特許文献2)、癌細胞の増殖を間質の線維芽細胞が抑制すること(非特許文献3)が報告されている。本発明者らの検討の末に明らかとなった上記知見は、これらの報告からは予想できないことはもとより、相反するともいえる事実を示すものであり、その学術的及び臨床上の意義は極めて大きい。
以下に示す本発明は主として上記成果ないし知見に基づく。
[1]脂肪組織由来間葉系幹細胞を含有する、前立腺癌治療用細胞製剤。
[2]前記脂肪組織由来間葉系幹細胞が、細胞表面マーカーCD44陽性である、[1]に記載の細胞製剤。
[3]前記脂肪組織由来間葉系幹細胞が、
(1)脂肪組織から分離した細胞集団を遠心処理したときに沈降する沈降細胞集団に含まれる接着性細胞若しくはその継代細胞、
(2)前記沈降細胞集団を低血清条件下で培養したときに増殖した細胞、
(3)脂肪組織から分離した細胞集団を低血清条件下で培養したときに増殖した細胞、
(4)脂肪組織をプロテアーゼ処理した後、濾過処理に供し、次いで濾液を遠心処理することによって沈渣として回収される沈降細胞集団、又は
(5)脂肪組織をプロテアーゼ処理した後、濾過処理を経ることなく遠心処理することによって沈渣として回収される沈降細胞集団、
である、[1]に記載の細胞製剤。
[4]前記低血清条件が、培養液中の血清濃度が5%(V/V)以下の条件である、[3]に記載の細胞製剤。
[5]前記脂肪組織がヒトの脂肪組織である、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の細胞製剤。
[6]細胞間の接触を促進する物質を更に含有する、[1]〜[5]のいずれか一項に記載の細胞製剤。
[7]前立腺癌治療用細胞製剤を製造するための、脂肪組織由来間葉系幹細胞の使用。
[8]前立腺癌の患者に対して、[1]〜[6]のいずれか一項に記載の細胞製剤を投与するステップを含む、前立腺癌の治療法。
[9]前記細胞製剤が、前立腺癌の病巣部又はその周囲に投与される、[8]に記載の治療法。
[10]前立腺癌の患者に対して、治療上有効量の脂肪組織由来間葉系幹細胞を投与するステップを含む、前立腺癌の治療法。
[11]前記肪組織由来間葉系幹細胞が、前立腺癌の病巣部又はその周囲に投与される、[10]に記載の治療法。
脂肪組織から調製した幹細胞(ASC)の表面マーカーを測定した結果。CD29及びCD44陽性であることがわかる。 脂肪組織から調製した幹細胞(ASC)を培養した結果。脂肪分化培地で培養し、分化誘導した。 市販の脂肪組織由来幹細胞(ASC)の免疫染色結果。a:抗CD44抗体を用いた免疫染色像(オリジナル画像では赤の蛍光を認める)、b:ヘキスト(Hoechst33342)染色像(オリジナル画像では青の蛍光を認める)、c:aとbの合成、d:位相差顕微鏡像、e:a、b、dの合成。視野内の全ての細胞に抗CD44抗体による染色性を認める。倍率(×40) 患者の脂肪組織から調製した幹細胞(ASC)の免疫染色結果。a:抗CD44抗体を用いた免疫染色像(オリジナル画像では赤の蛍光を認める)、b:ヘキスト(Hoechst33342)染色像(オリジナル画像では青の蛍光を認める)、c:aとbの合成、d:位相差顕微鏡像、e:a、b、dの合成。視野内の全ての細胞に抗CD44抗体による染色性を認める。倍率(×40) ASCの培養上清の抗腫瘍作用。ASCの培養上清を添加した培地でLNCaP細胞を20時間培養し、PSA産生量の変化を調べた。ASCの培養上清に抗腫瘍作用は認められなかった。レーン1は非働化処理済FCS(Fetalcalf serum)を10%(v/v)添加した培地で培養した場合(コントロール)のPSA濃度(ng/ml)、レーン2は非働化処理済FCS(10%(v/v))とASCの培養上清を添加した培地で培養した場合のPSA濃度(ng/ml)、レーン3はKSR(Knockout serum replacement)を20%(v/v)添加した培地で培養した場合(コントロール)のPSA濃度(ng/ml)、レーン4はKSR(20%(v/v))とASCの培養上清を添加した培地で培養した場合のPSA濃度(ng/ml)。EIA法でPSAを検出した。PSA:前立腺特異抗原。 ASCの共培養による抗腫瘍作用。ASCとLNCaP細胞を共培養(48時間)したときのPSA濃度をLNCaP細胞単独で培養したときのPSA濃度と比較した。左から順に、ASCのみを培養した場合のPSA濃度、LNCaP細胞のみを培養した場合のPSA濃度、LNCaP細胞とASCを共培養(細胞数の比1:1)した場合のPSA濃度、LNCaP細胞とASCを共培養(細胞数の比1:2)した場合のPSA濃度、LNCaP細胞とASCを共培養(細胞数の比2:1。前二者に比較してLNCaP細胞の細胞数は2倍)した場合のPSA濃度である。10%(v/v)の非働化処理済FCS含有ノックアウトDMEM(KODMEM、インビトロジェン社)を用いて培養した。また、PSAの検出はEIA法で行った。PSA:前立腺特異抗原。N.D.:検出せず。 ASCの共培養による抗腫瘍作用。ASCとLNCaP細胞を共培養(48時間)したときの細胞の状態を位相差顕微鏡で観察した。a: ASCのみを培養したときの位相差顕微鏡像、b: LNCaP細胞のみを培養したときの位相差顕微鏡像、c,d: LNCaP細胞とASCを共培養(細胞数の比1:1)したときの位相差顕微鏡像、e,f: LNCaP細胞とASCを共培養(細胞数の比1:2)したときの位相差顕微鏡像、g,h: LNCaP細胞とASCを共培養(細胞数の比2:1。前二者に比較してLNCaP細胞の細胞数は2倍)したときの位相差顕微鏡像。10%(v/v)の非働化処理済FCS含有ノックアウトDMEM(KODMEM、インビトロジェン社)を用いて培養した。 ASCとの共培養による腫瘍マーカーの変化。大腸癌細胞株(LoVo細胞及びLS180細胞)と前立腺癌細胞株(LNCaP細胞)について、ASCと共培養することによって腫瘍マーカー値が変化するか否かを調べた。a: LoVo細胞の実験結果(48時間培養)。レーン1はASCのみを培養した場合(細胞数1.8×105)、レーン2はLoVo細胞のみを培養した場合(細胞数1.8×105)、レーン3はLoVo細胞とASCを共培養(細胞数の比1:1。各細胞数1.8×105)した場合、レーン4はLoVo細胞とASCを共培養(細胞数の比1:2。LoVo細胞の細胞数1.8×105)した場合、レーン5はLoVo細胞のみを培養した場合(細胞数3.6×105)、レーン6はLoVo細胞とASCを共培養(細胞数の比2:1。LoVo細胞の細胞数3.6×105)である。b: LoVo細胞の実験結果(96時間培養)。各レーンの条件はaと同様である。c: LS180細胞の実験結果(48時間培養)。レーン1はASCのみを培養した場合(細胞数1.8×105)、レーン2はLS180細胞のみを培養した場合(細胞数1.8×105)、レーン3はLS180細胞とASCを共培養(細胞数の比1:1。各細胞数1.8×105)した場合、レーン4はLS180細胞とASCを共培養(細胞数の比1:2。LS180細胞の細胞数1.8×105)した場合、レーン5はLS180細胞のみを培養した場合(細胞数3.6×105)、レーン6はLS180細胞とASCを共培養(細胞数の比2:1。LS180細胞の細胞数3.6×105)である。d: LS180細胞の実験結果(96時間培養)。各レーンの条件はcと同様である。e: LNCaP細胞の実験結果(48時間培養)。レーン1はASCのみを培養した場合(細胞数1.8×105)、レーン2はLNCaP細胞のみを培養した場合(細胞数1.8×105)、レーン3はLNCaP細胞とASCを共培養(細胞数の比1:1。各細胞数1.8×105)した場合、レーン4はLNCaP細胞のみを培養した場合(細胞数3.6×105)、レーン5はLNCaP細胞とASCを共培養(細胞数の比2:1。LNCaP細胞の細胞数3.6×105)である。f: LNCaP細胞の実験結果(96時間培養)。各レーンの条件はeと同様である。CEA:癌胎児性抗原。PSA:前立腺特異抗原。N.D.:検出せず。 ASCとの共培養による腫瘍マーカーの変化。大腸癌細胞株(LoVo細胞)をASC(市販のASC(インビトロジェン社)及び患者由来のASC)と共培養することによって腫瘍マーカー値が変化するか否かを調べた。a:市販のASCの実験結果(48時間培養)。レーン1はASCのみを培養した場合(細胞数1.8×105)、レーン2はLoVo細胞のみを培養した場合(細胞数1.8×105)、レーン3はLoVo細胞とASCを共培養(細胞数の比1:1。各細胞数1.8×105)した場合、レーン4はLoVo細胞のみを培養した場合(細胞数3.6×105)、レーン5はLoVo細胞とASCを共培養(細胞数の比2:1。LoVo細胞の細胞数3.6×105)である。b: 市販のASCの実験結果(96時間培養)。各レーンの条件はaと同様である。c:患者由来のASCの実験結果(48時間培養)。レーン1はASCのみを培養した場合(細胞数1.8×105)、レーン2はLoVo細胞のみを培養した場合(細胞数1.8×105)、レーン3はLoVo細胞とASCを共培養(細胞数の比1:1。各細胞数1.8×105)した場合、レーン4はLoVo細胞のみを培養した場合(細胞数3.6×105)、レーン5はLoVo細胞とASCを共培養(細胞数の比2:1。LoVo細胞の細胞数3.6×105)である。d: 患者由来のASCの実験結果(96時間培養)。各レーンの条件はcと同様である。 ASCとの共培養による腫瘍マーカーの変化。大腸癌細胞株(LS180細胞)をASC(市販のASC(インビトロジェン社)及び患者由来のASC)と共培養することによって腫瘍マーカー値が変化するか否かを調べた。a:市販のASCの実験結果(48時間培養)。レーン1はASCのみを培養した場合(細胞数1.8×105)、レーン2はLS180細胞のみを培養した場合(細胞数1.8×105)、レーン3はLS180細胞とASCを共培養(細胞数の比1:1。各細胞数1.8×105)した場合、レーン4はLS180細胞のみを培養した場合(細胞数3.6×105)、レーン5はLS180細胞とASCを共培養(細胞数の比2:1。LS180細胞の細胞数3.6×105)である。b: 市販のASCの実験結果(96時間培養)。各レーンの条件はaと同様である。c:患者由来のASCの実験結果(48時間培養)。レーン1はASCのみを培養した場合(細胞数1.8×105)、レーン2はLS180細胞のみを培養した場合(細胞数1.8×105)、レーン3はLS180細胞とASCを共培養(細胞数の比1:1。各細胞数1.8×105)した場合、レーン4はLS180細胞のみを培養した場合(細胞数3.6×105)、レーン5はLS180細胞とASCを共培養(細胞数の比2:1。LS180細胞の細胞数3.6×105)である。d: 患者由来のASCの実験結果(96時間培養)。各レーンの条件はcと同様である。 ASCとの共培養による腫瘍マーカーの変化。前立腺癌細胞株(LNCaP細胞)をASC(市販のASC(インビトロジェン社)及び患者由来のASC)と共培養することによって腫瘍マーカー値が変化するか否かを調べた。a:市販のASCの実験結果(48時間培養)。レーン1はASCのみを培養した場合(細胞数1.8×105)、レーン2はLNCaP細胞のみを培養した場合(細胞数1.8×105)、レーン3はLNCaP細胞とASCを共培養(細胞数の比1:1。各細胞数1.8×105)した場合、レーン4はLNCaP細胞のみを培養した場合(細胞数3.6×105)、レーン5はLNCaP細胞とASCを共培養(細胞数の比2:1。LNCaP細胞の細胞数3.6×105)である。b: 市販のASCの実験結果(96時間培養)。各レーンの条件はaと同様である。c:患者由来のASCの実験結果(48時間培養)。レーン1はASCのみを培養した場合(細胞数1.8×105)、レーン2はLNCaP細胞のみを培養した場合(細胞数1.8×105)、レーン3はLNCaP細胞とASCを共培養(細胞数の比1:1。各細胞数1.8×105)した場合、レーン4はLNCaP細胞のみを培養した場合(細胞数3.6×105)、レーン5はLNCaP細胞とASCを共培養(細胞数の比2:1。LNCaP細胞の細胞数3.6×105)である。d: 患者由来のASCの実験結果(96時間培養)。各レーンの条件はcと同様である。 ヌードラットを用いた移植実験の結果。LNCaP単独移植群(左側のバー)とLNCaP及びASC移植群(右側のバー)との間で移植後の腫瘍サイズを比較した。n=6
本発明は特定の疾患に適用される細胞製剤及びその用途に関する。本発明の細胞製剤は脂肪組織由来間葉系幹細胞(本明細書において「ASC」と略称することがある)を含有する。本発明において「脂肪組織由来間葉系幹細胞(ASC)」とは、脂肪組織に含まれる体性幹細胞のことをいうが、多能性を維持している限りにおいて、当該体性幹細胞の培養(継代培養を含む)により得られる細胞も「脂肪組織由来間葉系幹細胞(ASC)」に該当するものとする。通常、ASCは、生体から分離された脂肪組織を出発材料とし、細胞集団(脂肪組織に由来する、ASC以外の細胞を含む)を構成する細胞として「単離された状態」に調製される。ここでの「単離された状態」とは、その本来の環境(即ち生体の一部を構成した状態)から取り出された状態、即ち人為的操作によって本来の存在状態と異なる状態で存在していることを意味する。尚、脂肪組織由来間葉系幹細胞はADRC(Adipose-derived regeneration cells)、AT-MSC(Adipose-derived mesenchymal stem cells)、AD-MSC(Adipose-derived mesenchymal stem cells)等とも呼ばれる。本明細書では以下の用語、即ち、脂肪組織由来間葉系幹細胞、ASC、ADRC、AT-MSC、AD-MSC、を相互に置換可能に使用する。
(ASCの調製法)
ASCは、脂肪基質からの幹細胞の分離、洗浄、濃縮、培養等の工程を経て調製される。ASCの調製法は特に限定されない。例えば公知の方法(Fraser JK et al. (2006), Fat tissue: an underappreciated source of stem cells for biotechnology. Trends in Biotechnology; Apr;24(4):150-4. Epub 2006 Feb 20. Review.; Zuk PA et al. (2002), Human adipose tissue is a source of multipotent stem cells. Molecular Biology of the Cell; Dec;13(12):4279-95.; Zuk PA et al. (2001), Multilineage cells from human adipose tissue: implications for cell-based therapies. Tissue Engineering; Apr;7(2):211-28.等が参考になる)に従ってASCを調製することができる。また、脂肪組織からASCを調製するための装置(例えば、Celution(登録商標)装置(サイトリ・セラピューティクス社、米国、サンディエゴ))も市販されており、当該装置を利用してASCを調製することにしてもよい。当該装置を利用すると、脂肪組織より、ASCを含む細胞集団を分離できる(K. Lin. et al. Cytotherapy(2008) Vol. 10, No. 4, 417-426)。また、後述の実施例に示す通り、当該装置によって分離した細胞の特徴付けを本発明者らは行った。以下、ASCの調製法の具体例を示す。
(1)脂肪組織からの細胞集団の調製
脂肪組織は動物から切除、吸引などの手段で採取される。ここでの用語「動物」はヒト、及びヒト以外の哺乳動物(ペット動物、家畜、実験動物を含む。具体的には例えばマウス、ラット、モルモット、ハムスター、サル、ウシ、ブタ、ヤギ、ヒツジ、イヌ、ネコ等)を含む。免疫拒絶の問題を回避するため、本発明の細胞製剤を適用する対象(患者)と同一の個体から脂肪組織(自己脂肪組織)を採取することが好ましい。但し、同種の動物の脂肪組織(他家)又は異種動物の脂肪組織の使用を妨げるものではない。
脂肪組織として皮下脂肪、内臓脂肪、筋肉内脂肪、筋肉間脂肪を例示できる。この中でも皮下脂肪は局所麻酔下で非常に簡単に採取できるため、採取の際の患者への負担が少なく、好ましい細胞源といえる。通常は一種類の脂肪組織を用いるが、二種類以上の脂肪組織を併用することも可能である。また、複数回に分けて採取した脂肪組織(同種の脂肪組織でなくてもよい)を混合し、以降の操作に使用してもよい。脂肪組織の採取量は、ドナーの種類や組織の種類、或いは必要とされるASCの量を考慮して定めることができ、例えば0.5〜500g程度である。ヒトをドナーとする場合にはドナーへの負担を考慮して一度に採取する量を約10〜20g以下にすることが好ましい。採取した脂肪組織は、必要に応じてそれに付着した血液成分の除去及び細片化を経た後、以下の酵素処理に供される。尚、脂肪組織を適当な緩衝液や培養液中で洗浄することによって血液成分を除去することができる。
酵素処理は、脂肪組織をコラゲナーゼ、トリプシン、ディスパーゼ等の酵素によって消化することにより行う。このような酵素処理は当業者に既知の手法及び条件により実施すればよい(例えば、R.I. Freshney, Culture of Animal Cells: A Manual of Basic Technique, 4th Edition, A John Wiley & Sones Inc., Publication参照)。好ましくは、後述の実施例に記載の手法及び条件によってここでの酵素処理を行う。以上の酵素処理によって得られた細胞集団は、多能性幹細胞、内皮細胞、間質細胞、血球系細胞、及び/又はこれらの前駆細胞等を含む。細胞集団を構成する細胞の種類や比率などは、使用した脂肪組織の由来や種類に依存する。
(2)沈降細胞集団(SVF画分:stromal vascular fractions)の取得
細胞集団は続いて遠心処理に供される。遠心処理による沈渣を沈降細胞集団(本明細書では「SVF画分」ともいう)として回収する。遠心処理の条件は、細胞の種類や量によって異なるが、例えば1〜10分間、800〜1500rpmである。尚、遠心処理に先立ち、酵素処理後の細胞集団をろ過等に供し、その中に含まれる酵素未消化組織等を除去しておくことが好ましい。
ここで得られた「SVF画分」はASCを含む。従って、SVF画分を用いて本発明の細胞製剤を調製することができる。つまり、本発明の細胞製剤の一態様では、SVF画分が含有されることになる。尚、SVF画分を構成する細胞の種類や比率などは、使用した脂肪組織の由来や種類、酵素処理の条件などに依存する。また、国際公開第2006/006692A1号パンフレットにはSVF画分の特徴が示されている。
(3)接着性細胞(ASC)の選択培養及び細胞の回収
SVF画分にはASCの他、他の細胞成分(内皮細胞、間質細胞、血球系細胞、これらの前駆細胞等)が含まれる。そこで本発明の一態様では以下の選択培養を行い、SVF画分から不要な細胞成分を除去する。そして、その結果得られた細胞をASCとして本発明の細胞製剤に用いる。
まず、SVF画分を適当な培地に懸濁した後、培養皿に播種し、一晩培養する。培地交換によって浮遊細胞(非接着性細胞)を除去する。その後、適宜培地交換(例えば2〜4日に一度)をしながら培養を継続する。必要に応じて継代培養を行う。継代数は特に限定されないが、多能性と増殖能力の維持の観点からは過度に継代を繰り返すことは好ましくない(5継代程度までに留めておくことが好ましい)。尚、培養用の培地には、通常の動物細胞培養用の培地を使用することができる。例えば、Dulbecco's modified Eagle's Medium(DMEM)(日水製薬株式会社等)、α-MEM(大日本製薬株式会社等)、DMEM:Ham's F12混合培地(1:1)(大日本製薬株式会社等)、Ham's F12 medium(大日本製薬株式会社等)、MCDB201培地(機能性ペプチド研究所)等を使用することができる。血清(ウシ胎仔血清、ヒト血清、羊血清など)又は血清代替物(Knockout serum replacement(KSR)など)を添加した培地を使用することにしてもよい。血清又は血清代替物の添加量は例えば5%(v/v)〜30%(v/v)の範囲内で設定可能である。
以上の操作によって接着性細胞が選択的に生存・増殖する。続いて、増殖した細胞を回収する。回収操作は常法に従えばよく、例えば酵素処理(トリプシンやディスパーゼ処理)後の細胞をセルスクレイパーやピペットなどで剥離することによって容易に回収することができる。また、市販の温度感受性培養皿などを用いてシート培養した場合は、酵素処理をせずにそのままシート状に細胞を回収することも可能である。このようにして回収した細胞(ASC)を用いることにより、ASCを高純度で含有する細胞製剤を調製することができる。
(4)低血清培養(低血清培地での選択的培養)及び細胞の回収
本発明の一態様では、上記(3)の操作の代わりに又は上記(3)の操作の後に以下の低血清培養を行う。そして、その結果得られた細胞をASCとして本発明の細胞製剤に用いる。
低血清培養では、SVF画分((3)の後にこの工程を実施する場合には(3)で回収した細胞を用いる)を低血清条件下で培養し、目的の多能性幹細胞(即ちASC)を選択的に増殖させる。低血清培養法では用いる血清が少量で済むことから、本発明の細胞製剤を投与する対象(患者)自身の血清を使用することが可能となる。即ち、自己血清を用いた培養が可能となる。自己血清を使用することによって、製造工程中から異種動物材料を排斥し、安全性が高く且つ高い治療効果を期待できる細胞製剤が提供される。ここでの「低血清条件下」とは5%以下の血清を培地中に含む条件である。好ましくは2%(V/V)以下の血清を含む培養液中で細胞培養する。更に好ましくは、2%(V/V)以下の血清と1〜100ng/mlの線維芽細胞増殖因子-2(bFGF)を含有する培養液中で細胞培養する。
血清はウシ胎仔血清に限られるものではなく、ヒト血清や羊血清等を用いることができる。好ましくはヒト血清、更に好ましくは本発明の細胞製剤を適用する対象の血清(即ち自己血清)を用いる。
培地は、使用の際に含有する血清量が低いことを条件として、通常の動物細胞培養用の培地を使用することができる。例えば、Dulbecco's modified Eagle's Medium(DMEM)(日水製薬株式会社等)、α-MEM(大日本製薬株式会社等)、DMEM:Ham's F12混合培地(1:1)(大日本製薬株式会社等)、Ham's F12 medium(大日本製薬株式会社等)、MCDB201培地(機能性ペプチド研究所)等を使用することができる。
以上の方法で培養することによって、多能性幹細胞(ASC)を選択的に増殖させることができる。また、上記の培養条件で増殖する多能性幹細胞(ASC)は高い増殖活性を持つので、継代培養によって、本発明の細胞製剤に必要とされる数の細胞を容易に調製することができる。尚、国際公開第2006/006692A1号パンフレットには、SVF画分を低血清培養することによって選択的に増殖する細胞の特徴が示されている。
続いて、上記の低血清培養によって選択的に増殖した細胞を回収する。回収操作は上記(3)の場合と同様に行えばよい。回収した細胞(ASC)を用いることにより、ASCを高純度で含有する細胞製剤を調製することができる。
(5)製剤化
SVF画分の細胞、上記選択培養(3)の結果得られた細胞、又は上記低血清培養(4)の結果得られた細胞を生理食塩水や適当な緩衝液(例えばリン酸系緩衝液)等に懸濁することによって細胞製剤を得ることができる。治療上有効量の細胞が投与されるように、一回投与分の量として例えば1×106個〜1×1010個の細胞を含有させるとよい。細胞の含有量は、使用目的、対象疾患、適用対象(レシピエント)の性別、年齢、体重、患部の状態、細胞の状態などを考慮して適宜調整することができる。
細胞の保護を目的としてジメチルスルフォキシド(DMSO)や血清アルブミン等を、細菌の混入を阻止することを目的として抗生物質等を、細胞の活性化、増殖又は分化誘導などを目的として各種の成分(ビタミン類、サイトカイン、成長因子、ステロイド等)を本発明の細胞製剤に含有させてもよい。サイトカインの例はインターロイキン(IL)、インターフェロン(IFN)、コロニー刺激因子(CSF)、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)及びエリスロポエチン(EPO)、アクチビン、オンコスタチンM(OSM)である。尚、CSF、G-CSF、EPO等は成長因子でもある。一方、成長因子の例は肝細胞増殖因子(HGF)、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF、FGF2)、上皮成長因子(EGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、インスリン様成長因子(IGF)、トランスフォーミング成長因子(TGF)、神経成長因子(NGF)及び脳由来神経栄養因子(BDNF)である。さらに、製剤上許容される他の成分(例えば、担体、賦形剤、崩壊剤、緩衝剤、乳化剤、懸濁剤、無痛化剤、安定剤、保存剤、防腐剤、生理食塩水など)を本発明の細胞製剤に含有させてもよい。
以上の方法では、SVF画分を低血清培養して増殖した細胞を用いて細胞製剤が構成されるが、脂肪組織から得た細胞集団を直接(SVF画分を得るための遠心処理を介することなく)低血清培養することによって増殖した細胞をASCとして用いて細胞製剤を調製することにしてもよい。即ち本発明の一態様では、脂肪組織から得た細胞集団を低血清培養したときに増殖した細胞をASCとして用いる。また、選択的培養(上記(3)及び(4))によって得られる多能性幹細胞ではなく、SVF画分(脂肪組織由来間葉系幹細胞を含有する)をそのまま用いて細胞製剤を構成することにしてもよい。この態様の細胞製剤は、(a)脂肪組織をプロテアーゼ処理した後、濾過処理に供し、次いで濾液を遠心処理することによって沈渣として回収される沈降細胞集団(SVF画分)、又は(b)脂肪組織をプロテアーゼ処理した後、濾過処理を経ることなく遠心処理することによって沈渣として回収される沈降細胞集団(SVF画分)を含有することになる。尚、ここでの「そのまま用いて」とは、選択的培養を経ることなく細胞製剤の有効成分として用いること、を意味する。
(細胞間の接触を促進する物質の併用)
後述の実施例に示した実験によって、ASCは細胞間の相互作用(cell-to-cell interaction)によってその効果(前立腺癌細胞の増殖抑制及び/又は活性低下)を発揮することが示された。従って、本発明の細胞製剤が治療効果を発揮するためには、その有効成分であるASCが癌細胞に接触することが必要且つ重要である。このことに鑑み、本発明の一態様では、治療効果を高めるために、細胞間の接触を促進する物質(以下「細胞間接触促進物質」と略称する)をASCと併用する。即ち、当該態様の細胞製剤はASCに加え、細胞間接触促進物質を含有する。細胞間接触促進物質は細胞間の接触を直接又は間接的に促進できるものであればよい。細胞間接触促進物質の例として細胞外マトリックス、コラーゲン、アテロコラーゲン(例えば株式会社 高研)、マトリゲル(商標、BD Biosciences)、フィブロネクチン、ビトロネクチン、ラミニン、カドヘリン、インテグリン、セレクチン、RGDペプチドに代表される細胞接着ペプチドを挙げることができる。二種以上の細胞間接触促進物質を組み合わせて用いることにしてもよい。
(適用疾患)
本発明の細胞製剤の治療対象の疾患は前立腺癌である。換言すれば、本発明の細胞製剤は前立腺癌の治療に使用される。従って通常は、前立腺癌の患者に対して本発明の細胞製剤が投与されることになる。但し、その効果を確認・検証することなどの実験ないし研究目的で本発明の細胞製剤を使用することもできる。
「前立腺癌」は前立腺に発生する癌であり、排尿障害(排尿困難、頻尿、残尿感、尿意切迫)、下部不快感などの症状を伴うことが多い。前立腺癌はリンパ節及び骨に転移し易いことが知られている。また、年齢(高齢)、人種、前立腺癌の家族歴などが前立腺癌のリスク因子として報告されている。前立腺特異抗原(PSA)とよばれる敏感な腫瘍マーカーが存在し、前立腺癌の早期発見に利用されている。PSA値は腫瘍容量と相関を示し(Matthew A. Uhlman et al. :Tumor Volume, Tumor Percentage Involvement, or Prostate Volume: Which Is Predictive of Prostate-specific Antigen Recurrence?, The Journal of Urology, April 2009, Vol. 181, Issue 4, Page 272)、腫瘍細胞の増殖率を評価する指標となる。前立腺癌の病期は、一般に、TNM分類に従って分類される。TNM分類では、原発巣の大きさと進展度(T)、所属リンパ節への転移状況(N)、及び遠隔転移の有無(M)からなる三つの指標の組合せによって病期を表す。前立腺癌の治療においては、病期や患者の年齢などを考慮した上で「手術療法」、「放射線治療」、「ホルモン療法」等が採用される。
(適用対象)
本発明の細胞製剤が投与される対象は典型的にはヒト男性である。但し、ヒト以外の哺乳動物(ペット動物、家畜、実験動物を含む。具体的には例えばマウス、ラット、モルモット、ハムスター、サル、ウシ、ブタ、ヤギ、ヒツジ、イヌ、ネコ等)用に細胞製剤を構成することも可能である。
(投与方法)
本発明の細胞製剤の投与経路は特に限定されない。例えば、静脈内注射、動脈内注射、門脈内注射、皮内注射、皮下注射、筋肉内注射、又は腹腔内注射によって本発明の細胞製剤を投与する。好ましくは、患部への局所注入により本発明の細胞製剤を投与する。即ち、本発明の細胞製剤は局所治療(フォーカル・セラピー)に特に適する。この場合の注入部位は、典型的には、前立腺癌の病巣又はその周囲である。転移が認められる場合には、転移巣又はその周囲に対して局所投与することにしてもよい。細胞製剤の投与量の例を示すと、例えば0.1ml〜20ml、好ましくは0.5ml〜10mlである。二箇所以上に投与することにしてもよい。
投与スケジュールは、対象(患者)の性別、年齢、体重、病態などを考慮して作成すればよい。単回投与の他、連続的又は定期的に複数回投与することにしてもよい。複数回投与する際の投与間隔は特に限定されず、例えば1日〜1月である。また、投与回数も特に限定されない。投与回数の例は2回〜10回である。
尚、以下の(1)〜(5)のいずれかの細胞を治療上有効量、自己免疫疾患の患者に対して直接、投与することにしてもよい。
(1)脂肪組織から分離した細胞集団を遠心処理したときに沈降する沈降細胞集団に含まれる接着性細胞若しくはその継代細胞。
(2)沈降細胞集団を低血清条件下で培養したときに増殖した細胞。
(3)脂肪組織から分離した細胞集団を低血清条件下で培養したときに増殖した細胞。
(4)脂肪組織をプロテアーゼ処理した後、濾過処理に供し、次いで濾液を遠心処理することによって沈渣として回収される沈降細胞集団。
(5)脂肪組織をプロテアーゼ処理した後、濾過処理を経ることなく遠心処理することによって沈渣として回収される沈降細胞集団。
尚、(1)の遠心処理の条件は好ましくは800〜1500rpm、1〜10分間である。
1.脂肪組織由来間葉系幹細胞の分離・特性評価
(1)方法
細胞外液を皮下に注入後、脂肪吸引チューブで皮下脂肪(ヒト)を細かく吸引した。次に、採取した脂肪組織300gの内、細胞分離用に260gを脂肪由来幹細胞分離装置(Celution(登録商標)装置)に注入した後、使用説明書に従って操作し、幹細胞を分離した。分離した幹細胞を装置からシリンジを使って採取した。尚、Celution(登録商標)装置にはディスポーザブルセットが装着され、症例ごとに脂肪組織を処理できる。脂肪由来幹細胞分離装置は脂肪基質から幹細胞を切り離す処理を行い、その際、幹細胞は分離された後に洗浄、濃縮される。このリアルタイム処理は、汚染物質に接触するリスクを最小限にするために閉鎖環境で行われ、1回の外科処置の時間内で完結する。
(2)結果
Celution(登録商標)装置を用いてヒト脂肪組織から調製した細胞の特性を評価した。まず、FACS分離直後のサンプルを塩化アンモニウム添加によって溶血後、間葉系幹細胞マーカーであるCD29及びCD44を測定した。その結果、CD29およびCD44が陽性であることが示された(図1)。一方、Celution(登録商標)装置を用いて調製した細胞をインスリン、デキサメタゾン、インドメタシン及び3-isobutyl-1-methyl-xanthine(IBMX)を含有する脂肪分化培地で培養した。プライマリーな細胞は線維芽細胞様の形態を示し、4日目には70〜80%コンフルエントな状態となっていた。また脂肪分化誘導7日目には脂肪滴の形成が確認され、Oil-Redによって染色された(図2)。このように脂肪細胞への分化を確認した。尚、免疫染色によって、市販の脂肪由来幹細胞(インビトロジェン社)と、Celution(登録商標)装置によって調製した細胞がともにCD44陽性であることを確認した(図3、4)。
2.ASCの治療効果の検討
前立腺癌に対する根治的前立腺摘除術を経験し、腹圧性尿失禁を術後1年以上持続した難治症例の患者の傍尿道周囲へASCを移植したところ、血中PSA濃度が低下するという、興味深い現象を認めた(結果を示さず)。尚、ASCの調製及び移植は以下の通り行った((1)〜(3))。
(1)皮下脂肪組織の採取
全身麻酔、あるいは局所および腰椎麻酔下に、患者腹部または臀部皮下脂肪組織に混合液[成分:生理食塩水1000ml+1%リドカイン(キシロカイン)2ml+0.1%アドレナリン(ボスミン)1.5ml+8.4%メイロン10ml]を適量注入し、十分膨満させた。通常形成外科領域で使用される専用シリンジで脂肪組織を含む懸濁液を陰圧吸引した。腰椎麻酔下で行う場合、患者にとってさらに疼痛が生じた際は、鎮痛のため静脈麻酔を追加した。
(2)皮下脂肪組織の処理(ASCの分離)
上記で得た脂肪組織約250〜300gから、ASC分離装置(Celution(登録商標)装置)を用いてASCを分離濃縮した(約1×106〜1×108個/5ml)。まず、滅菌済みのディスポーザブルセットへ採取した脂肪組織を注入し洗浄した。その後、脂肪組織の融解処理を行い、細胞を分離する酵素(CelaseTM)を加えて消化処理を行い、細胞懸濁液の遠心分離および酵素の洗浄を自動的に閉鎖回路内で行った。この採取、調整、移植は名古屋大学附属病院手術室内で行われた。その清潔度はクラス100-10000であり、全ての手技において清潔環境が保たれた。
(3)傍尿道周囲へのASC移植
5mlに分離されたASC(約1×106〜1×108個)を用いて2種類の注入細胞溶液、即ち(a)ASC 0.5〜1.0 mlの細胞溶液及び(b)自己脂肪20gとASC 4.0-4.5 mlを混和した細胞溶液、を用意した。各患者に対して、全身麻酔、あるいは局所および腰椎麻酔下に、尿道より内視鏡を挿入し、上記2種類の注入細胞溶液を18Gの針注射器を用いて内視鏡下に注入した。すなわち、外尿道括約筋内へ(a)溶液0.5〜1.0 mlを左右各々2カ所、(b)溶液を膜様部尿道粘膜下(4,8,6時)に症例に応じて尿道閉塞効果(bulking効果)による尿道内腔の閉鎖が内視鏡的に確認できる程度に注入した。
3.前立腺癌に対するASCの効果
上記の知見に鑑み、「ASCが前立腺癌の治療に有効である」との仮説の下、以下の各実験を行った。
3−1.予備実験(細胞株の選択)
ASCの治療効果を検証する上で最適な細胞を選択するため、一般に入手可能な前立腺癌細胞株であるPC-3細胞(ATCC, ATCC number: CRL-1435)、DU145細胞(ATCC, ATCC number: HTB-81)及びLNCaP細胞(ATCC. ATCC number: CRL-1740)のPSA産生能を比較した。その結果、LNCaP細胞に高いPSA産生能を認めた。そこで、以降の実験にはLNCaP細胞を用いることにした。
3−2.液性成分の効果
ASCの移植によってPSAレベルが減少したのは、ASCが分泌する液性成分が癌細胞の増殖又は活性を抑制したためであると予想した。この予想の下、以下の培養実験を施行した。
(1)方法
12ウェルプレート上にASC、LNCaP細胞を各々播種し、24時間後にASCの細胞培養上清を回収した。次に、LNCaP細胞の培養液をASCの上清と通常培養液の2群に分けて置換した。そして24時間後に2群の細胞培養上清を回収しPSA濃度を測定した。尚、実験には上記2.に示した方法で調製したASCを用いた。
(2)結果
図5に示す通り、ASCの培養上清を添加した培地で培養したとしてもLNCaP細胞のPSA産生量に実質的な変化は認められなかった。即ち、当初の予想に反し、ASCが分泌する液性成分の関与を否定する結果であった。
3−3.ASCの共培養による効果
上記の結果、ASCが直接的にLNCaP細胞に作用している可能性が出てきた。そこで、ASCとLNCaP細胞を共培養した場合の効果を調べることにした。
(1)方法
12ウェルプレート上にASC単独、LNCaP細胞単独およびASC/LNCaP細胞混合(混合比が異なる複数の条件を設けた)をそれぞれ播種し、48時間後及び96時間後の細胞培養上清を回収しPSA濃度を測定した。
(2)結果
培養後の培地中のPSA濃度を測定した結果を図6示す。また、培養後の各細胞について位相差顕微鏡像を図7に示す。ASCの共存下でLNCaP細胞を培養すると、培地中のPSA濃度が顕著に低下した(図6)また、ASCによるPSA濃度の低下は、ASCの細胞数依存的(濃度依存的)であった。一方、位相差顕微鏡による観察では、ASCを共培養した場合にASCがLNCaP細胞を包囲する様子が認められた(図7e、f、g、h)。以上の結果より、細胞間相互作用(cell-to-cell interaction)による直接的な作用によってASCがLNCaP細胞の増殖を抑制又は活性を低下させることが判明した。換言すれば、ASCが前立腺癌に対して抗腫瘍作用を示すという驚くべき事実が見出されるとともに、その作用機序の一端が明らかになった。この知見はASCが前立腺癌の治療に有効であることを強く示唆するものであり、注目に値する。
4.他の癌種に対する効果
ASCが他の癌種に対しても抗腫瘍作用を発揮するか否かを調べた。
(1)方法
LNCaP細胞の実験系に準じて12ウェルプレート上にASC単独、LoVo細胞単独、LS180細胞単独、ASC/LoVo細胞混合およびASC/LS180細胞混合(混合比が異なる複数の条件を設けた)をそれぞれ播種し、48時間後及び96時間後の細胞培養上清を回収しCEA濃度を測定した。
(2)結果
LNCaP細胞の場合は前述の結果と整合してASCとの共培養によりマーカー値(PSA濃度)の低下を認める一方で、LoVo細胞及びLS180細胞についてはASCと共培養することによってマーカー値の上昇を認めた(図8)。この結果は、上記の実験結果及びそれから導き出された知見(ASCが細胞間相互作用(cell-to-cell interaction)によって前立腺癌細胞の増殖を抑制又は活性を低下させること)の妥当性を裏付けるととともに、ASCによる抗腫瘍作用が特定の癌種に特異的であること(癌種特異性が高いこと)を示す。
患者由来のASCを用いて同様の実験を再び行うとともに、並行して市販のASCを用いた同様の実験を行った結果、再現性のよい結果が得られた(図9〜11)。
5.移植実験
8週齢、雄ヌードラットの皮下にLNCaP単独(3×106個)又はLNCaP(3×106個)とASC(6×106個)を移植し、腫瘍サイズの経時的変化を比較した。尚、市販のASC(Invitrogen)を使用した。図12に示す通り、LNCaP単独移植群に比較して(LNCaP+ASC)移植群の腫瘍サイズは移植28日目には明らかに小さく、ASCが腫瘍サイズの増大を阻害することが示された。
6.まとめ
以上の通り、ASCが前立腺癌細胞に対して抗腫瘍作用を発揮することが判明した。換言すれば、前立腺癌の治療におけるASCの有効性が実験的に示された。また、ASCの抗腫瘍作用の作用機序の一端が明らかとなった。さらには、ASCの抗腫瘍作用は癌種特異性が高いものであることも明らかとなった。
本発明の細胞製剤は前立腺癌の治療に使用される。様々な病期の患者への適用が想定される。また、転移巣を標的とした治療への適用も想定される。更には、他の癌種の治療への適用も期待される。
この発明は、上記発明の実施の形態及び実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
本明細書の中で明示した論文、公開特許公報、及び特許公報などの内容は、その全ての内容を援用によって引用することとする。

Claims (11)

  1. 脂肪組織由来間葉系幹細胞を含有する、前立腺癌治療用細胞製剤。
  2. 前記脂肪組織由来間葉系幹細胞が、細胞表面マーカーCD44陽性である、請求項1に記載の細胞製剤。
  3. 前記脂肪組織由来間葉系幹細胞が、
    (1)脂肪組織から分離した細胞集団を遠心処理したときに沈降する沈降細胞集団に含まれる接着性細胞若しくはその継代細胞、
    (2)前記沈降細胞集団を低血清条件下で培養したときに増殖した細胞、
    (3)脂肪組織から分離した細胞集団を低血清条件下で培養したときに増殖した細胞、
    (4)脂肪組織をプロテアーゼ処理した後、濾過処理に供し、次いで濾液を遠心処理することによって沈渣として回収される沈降細胞集団、又は
    (5)脂肪組織をプロテアーゼ処理した後、濾過処理を経ることなく遠心処理することによって沈渣として回収される沈降細胞集団、
    である、請求項1に記載の細胞製剤。
  4. 前記低血清条件が、培養液中の血清濃度が5%(V/V)以下の条件である、請求項3に記載の細胞製剤。
  5. 前記脂肪組織がヒトの脂肪組織である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の細胞製剤。
  6. 細胞間の接触を促進する物質を更に含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の細胞製剤。
  7. 前立腺癌治療用細胞製剤を製造するための、脂肪組織由来間葉系幹細胞の使用。
  8. 前立腺癌の患者に対して、請求項1〜6のいずれか一項に記載の細胞製剤を投与するステップを含む、前立腺癌の治療法。
  9. 前記細胞製剤が、前立腺癌の病巣部又はその周囲に投与される、請求項8に記載の治療法。
  10. 前立腺癌の患者に対して、治療上有効量の脂肪組織由来間葉系幹細胞を投与するステップを含む、前立腺癌の治療法。
  11. 前記肪組織由来間葉系幹細胞が、前立腺癌の病巣部又はその周囲に投与される、請求項10に記載の治療法。
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