JP2018035149A - 臍帯血造血幹細胞支持物 - Google Patents

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Abstract

【課題】造血微小環境の構築に有効な手段を提供し、臍帯血移植の成功率ないし治療成績の向上を図ることを課題とする。【解決手段】脂肪組織由来間葉系幹細胞を含有する、臍帯血移植用細胞製剤が提供される。【選択図】なし

Description

本発明は脂肪組織由来間葉系幹細胞の新規用途に関する。詳しくは、脂肪組織由来幹細胞の造血幹細胞移植への適用に関する。
造血幹細胞移植は血液疾患(例えば各種白血病や再生不良性貧血)の治療として広く普及しつつある。現在のところ造血幹細胞のソースとしては骨髄、末梢血、臍帯血の3つがある。通常、様々な条件や制約などを総合的に考慮し、最適な移植術が決定される。臍帯血移植は他の二つの移植に比して実績は少ないものの、骨髄移植と比べ提供者の負担が少ない、凍結保存されているためすぐ移植できる、移植片対宿主病(GVHD)が少ない等の利点があるため、施行件数が増加している。しかしながら、臍帯血移植にも欠点が存在する。原因は解明されていないが生着不全や造血回復遅延が多く、患者は頻回の輸血が必要となり、時には出血や感染のため生命の危険にさらされる。そのため、細胞数が一定基準以下の臍帯血は利用されず、貴重な細胞ソースが無駄になっている。
一方、脂肪組織由来間葉系幹細胞(ADSC)は骨細胞、軟骨細胞、心筋細胞など、様々な細胞への分化能を有し、組織の再建や様々な疾患の治療への適用が検討されている。本発明者らの研究グループは、ADSCの新たな用途を見出すため、マウスADSCを樹立しその性質を検討した。骨髄移植マウスモデルを用いた解析では、ADSCを併用するとより早く生着し、しかも少ない造血幹細胞数で生着が可能となることが見出された(非特許文献1)。一方、ヒトADSCが末梢血由来造血幹細胞に対して支持能力を発揮することも判明した(非特許文献2)。
Nakao N. et al., Am J Pathol. 2010 Aug;177(2):547-54. Nishiwaki S. et al., Int J Hematol. 2012 Sep;96(3):295-300
上記の通り、臍帯血移植は利点を有する一方で、いくつかの克服すべき課題を抱える。特に、生着不全や造血回復遅延が多いことは臍帯血移植の利用拡大を進める上で大きな障害となる。そこで本発明は、生着不全や造血回復遅延の改善に有効な手段を提供し、臍帯血移植の成功率ないし治療成績の向上を図ることを課題とする。
ヒト成体での造血は骨髄で行われるが、造血幹細胞の存在だけでは不十分であり、それを支持する造血微小環境が必要である。その微小環境は骨髄中の間葉系幹細胞(MSC)やそれから分化した骨芽細胞により構築される。MSCといえば一般的には骨髄由来のもの(BMSC)を指すが、化学療法等で疲弊した患者骨髄組織からMSCを樹立するのは実際的ではなく、血液悪性細胞混入の可能性も否定できない。
上記の通り、本発明者らの研究グープは脂肪組織由来間葉系幹細胞(ADSC)の造血幹細胞支持能力に注目して研究を行い、一定の成果を報告した(非特許文献1、2)。これまでに得られた知見を踏まえ、且つ、臍帯血移植における造血微小環境の構築に対する臨床ニーズが高いことに着眼し、本発明者らは臍帯血移植におけるADSCの有用性を検討することにした。詳細な検討の結果、ADSCが臍帯造血幹細胞に対して支持作用を持ち、その効果は骨髄由来MSCよりも高いことが明らかとなった。即ち、本発明者らの検討によって、臍帯造血幹細胞による造血に必要な微小環境の構築において、ADSCがBMSCの代替となるだけでなはなく、より優れた造血支持能力を発揮するという、驚くべき知見がもたらされた。以下の発明は、主として当該知見に基づく。
[1]脂肪組織由来間葉系幹細胞を含有する、臍帯血移植用細胞製剤。
[2]脂肪組織由来間葉系幹細胞がヒト細胞である、[1]に記載の臍帯血移植用細胞製剤。
[3]臍帯血又は臍帯血中の造血幹細胞と混合された後に骨髄内に投与される、[1]又は[2]に記載の臍帯血移植用細胞製剤。
[4]臍帯血移植用細胞製剤を製造するための、脂肪組織由来間葉系幹細胞の使用。
[5]臍帯血移植が必要な患者に対して、臍帯血又は臍帯血中の造血幹細胞とともに、治療上有効量の脂肪組織由来間葉系幹細胞を投与するステップを含む、臍帯血移植。
コロニーアッセイ(左)及び共培養アッセイ(右)の結果。 マトリゲルアッセイの結果。 ブタを用いた安全性試験の結果。ADSCを腸骨骨髄内に輸注した後、循環動態を調べた。 ブタを用いた安全性試験の結果。ADSCの投与1ヶ月後に屠殺し、各臓器を病理学的に検討した。 ブタを用いた安全性試験の結果。ADSCの投与1ヶ月後に屠殺し、各臓器を病理学的に検討(組織染色)した。 血液生化学検査の結果。wbc:白血球数、lym:リンパ球数、mon:単球数、granulocyte:顆粒球数、rbc:赤血球数、hb:ヘモグロビン、hct:ヘマトクリット、plt:血小板数、alb:アルブミン量、alp:アルカリフォスファターゼ、alt:Alt値、amy:アミラーゼ、t-bil:総ビリルビン、bun:尿素窒素、ca:カルシウム、phos:無機リン、cre:クレアチニン、glu:血糖、na:ナトリウム、k:カリウム、tp:総蛋白、glb:グロブリン
本発明は臍帯血移植用の細胞製剤に関する。臍帯血移植に利用される臍帯血は胎児の血液であり、その中には幼若で増殖能力に富む造血幹細胞(臍帯造血幹細胞)が含まれている。臍帯血移植の過程は、一般に、前処理(抗がん剤投与、放射線照射、免疫抑制剤投与など)、造血幹細胞の移植(臍帯血の輸注)、回復(生着、造血)に大別される。本発明の細胞製剤は第2段階の「造血幹細胞の移植」の際に使用される。臍帯血は例えば臍帯血バンクから入手することができる。日本国内においても、日本赤十字社北海道臍帯血バンク、日本赤十字社関東甲信越臍帯血バンク、中部臍帯血バンク、日本赤十字社近畿臍帯血バンク、兵庫臍帯血バンク、日本赤十字社九州臍帯血バンク等の臍帯血バンクが設立されている。尚、臍帯血バンクを介することなく臍帯血の提供を受けることにしてもよい。
本明細書において「細胞製剤」とは、細胞を有効成分として含む剤を意味する。本発明の細胞製剤では脂肪組織由来間葉系幹細胞(本明細書において「ADSC」と略称することがある)が有効成分となる。即ち、本発明の細胞製剤は脂肪組織由来間葉系幹細胞を含有することを最大の特徴とする。本発明において「脂肪組織由来間葉系幹細胞(ADSC)」とは、脂肪組織に含まれる体性幹細胞のことをいうが、多能性を維持している限りにおいて、当該体性幹細胞の培養(継代培養を含む)により得られる細胞も「脂肪組織由来間葉系幹細胞(ADSC)」に該当するものとする。通常、ADSCは、生体から分離された脂肪組織を出発材料とし、細胞集団(脂肪組織に由来する、ADSC以外の細胞を含む)を構成する細胞として「単離された状態」に調製される。ここでの「単離された状態」とは、その本来の環境(即ち生体の一部を構成した状態)から取り出された状態、即ち人為的操作によって本来の存在状態と異なる状態で存在していることを意味する。尚、脂肪組織由来間葉系幹細胞はADSC(Adipose-derived mesenchymal stem cells/Adipose tissue derived stem cell)、ASC(adipose-derived stem/stromal cell)、ADRC(Adipose-derived regeneration cells)、AT-MSC(Adipose-derived mesenchymal stem cells)、AD-MSC(Adipose-derived mesenchymal stem cells)等とも呼ばれる。本明細書では以下の用語、即ち、脂肪組織由来間葉系幹細胞、ADSC、ASC、ADRC、AT-MSC、AD-MSC、を相互に置換可能に使用する。
本明細書において「臍帯血移植用」とは、臍帯血移植、即ち、臍帯血又はそれに含有される造血幹細胞(以下、説明の便宜上、これらを包括して「臍帯血移植材料」と呼ぶ)の投与(移植、輸注)の際に併用されることを意味する。従って、本発明の細胞製剤は、典型的には、臍帯血移植の際に臍帯血移植材料とともに投与されることになる。臍帯血移植材料と細胞製剤の投与のタイミングは特に限定されず、レシピエント(患者)に対して同時又は所定の時間的間隔を置いて両者が投与されることになる。好ましくは、両者を同時に投与する。ここでの「同時」は厳密な同時性を要求するものではない。従って、両者を混合した後にレシピエントへ投与する等、両者の投与が時間差のない条件下で実施される場合は勿論のこと、片方の投与後、速やかに他方を投与する等、両者の投与が実質的に時間差のない条件下で実施される場合もここでの「同時」の概念に含まれ、その場合、時間差を可及的に短く設定することが好ましい。例えば、片方の投与後15分以内、好ましくは10分以内、更に好ましくは5分以内に他方を投与する。一方、片方の投与後、所定の時間差で他方を投与する場合は、例えば片方の投与後6時間以内(好ましくは2時間〜5時間、更に好ましくは3時間〜5時間)に他方を投与する。
臍帯血移植材料は、臍帯造血幹細胞を含む限り、その形態や調製方法等は特に限定されない。例えば、臍帯血、臍帯血の濃縮物、臍帯血の精製物(例えば、磁気ビーズによる分離等の精製を行うことができる)が臍帯血移植材料として用いられる。
一態様では、本発明の細胞製剤は、有効成分であるADSCに加え、臍帯血又はそれに含まれる造血幹細胞を含有する。即ち、ADSCと臍帯血移植材料を混合した配合剤として本発明の細胞製剤が提供されることになる。例えば、ADSCと臍帯血移植材料を別々に調製した後、両者を混合することにより、この態様の細胞製剤とする。臍帯血中の造血幹細胞をADSCと共培養した後、増殖した細胞を回収しこの態様の有効成分としてもよい。
ADSCと臍帯血移植材料を含有する細胞製剤の態様は上記の例(即ち配合剤)に限定されない。例えば、ADSCを含有する第1構成要素と、臍帯血移植材料を含有する第2構成要素とからなるキットの形態で本発明の細胞製剤を提供することもできる。この場合、レシピエントに対して同時又は所定の時間的間隔を置いて両要素が投与されることになる。
ADSCの調製は常法に従えばよい。ADSCは各種用途に広く用いられており、当業者であれば文献や成書を参考にして容易に調製することができる。公的な細胞バンクから分譲された細胞や市販の細胞などを用いることにしてもよい。以下、ADSCの調製法の例を説明する。
<ADSCの調製法>
ADSCは、脂肪基質からの幹細胞の分離、洗浄、濃縮、培養等の工程を経て調製される。ADSCの調製法は特に限定されない。例えば公知の方法(Fraser JK et al. (2006), Fat tissue: an underappreciated source of stem cells for biotechnology. Trends in Biotechnology; Apr;24(4):150-4. Epub 2006 Feb 20. Review.; Zuk PA et al. (2002), Human adipose tissue is a source of multipotent stem cells. Molecular Biology of the Cell; Dec;13(12):4279-95.; Zuk PA et al. (2001), Multilineage cells from human adipose tissue: implications for cell-based therapies. Tissue Engineering; Apr;7(2):211-28.等が参考になる)に従ってADSCを調製することができる。また、脂肪組織からADSCを調製するための装置(例えば、Celution(登録商標)装置(サイトリ・セラピューティクス社、米国、サンディエゴ))も市販されており、当該装置を利用してADSCを調製することにしてもよい。当該装置を利用すると、脂肪組織より、ADSCを含む細胞集団を分離できる(K. Lin. et al. Cytotherapy(2008) Vol. 10, No. 4, 417-426)。以下、ADSCの調製法の具体例を示す。
(1)脂肪組織からの細胞集団の調製
脂肪組織は動物から切除、吸引などの手段で採取される。ここでの用語「動物」はヒト、及びヒト以外の哺乳動物(ペット動物、家畜、実験動物を含む。具体的には例えばマウス、ラット、モルモット、ハムスター、サル、ウシ、ブタ、ヤギ、ヒツジ、イヌ、ネコ等)を含む。免疫拒絶の問題を回避するため、本発明の細胞製剤を適用する対象(患者)と同一の個体から脂肪組織(自己脂肪組織)を採取することが好ましい。但し、同種の動物の脂肪組織(他家)又は異種動物の脂肪組織の使用を妨げるものではない。
脂肪組織として皮下脂肪、内臓脂肪、筋肉内脂肪、筋肉間脂肪を例示できる。この中でも皮下脂肪は局所麻酔下で非常に簡単に採取できるため、採取の際のドナーへの負担が少なく、好ましい細胞源といえる。通常は一種類の脂肪組織を用いるが、二種類以上の脂肪組織を併用することも可能である。また、複数回に分けて採取した脂肪組織(同種の脂肪組織でなくてもよい)を混合し、以降の操作に使用してもよい。脂肪組織の採取量は、ドナーの種類や組織の種類、或いは必要とされるADSCの量を考慮して定めることができ、例えば0.5〜500g程度である。ヒトをドナーとする場合にはドナーへの負担を考慮して一度に採取する量を約10〜20g以下にすることが好ましい。採取した脂肪組織は、必要に応じてそれに付着した血液成分の除去及び細片化を経た後、以下の酵素処理に供される。尚、脂肪組織を適当な緩衝液や培養液中で洗浄することによって血液成分を除去することができる。
酵素処理は、脂肪組織をコラゲナーゼ、トリプシン、ディスパーゼ等の酵素によって消化することにより行う。このような酵素処理は当業者に既知の手法及び条件により実施すればよい(例えば、R.I. Freshney, Culture of Animal Cells: A Manual of Basic Technique, 4th Edition, A John Wiley & Sones Inc., Publication参照)。以上の酵素処理によって得られた細胞集団は、多能性幹細胞、内皮細胞、間質細胞、血球系細胞、及び/又はこれらの前駆細胞等を含む。細胞集団を構成する細胞の種類や比率などは、使用した脂肪組織の由来や種類に依存する。
(2)沈降細胞集団(SVF画分:stromal vascular fractions)の取得
細胞集団は続いて遠心処理に供される。遠心処理による沈渣を沈降細胞集団(本明細書では「SVF画分」ともいう)として回収する。遠心処理の条件は、細胞の種類や量によって異なるが、例えば1〜10分間、800〜1500rpmである。尚、遠心処理に先立ち、酵素処理後の細胞集団をろ過等に供し、その中に含まれる酵素未消化組織等を除去しておくことが好ましい。
ここで得られた「SVF画分」はADSCを含む。尚、SVF画分を構成する細胞の種類や比率などは、使用した脂肪組織の由来や種類、酵素処理の条件などに依存する。また、国際公開第2006/006692A1号パンフレットにはSVF画分の特徴が示されている。
(3)接着性細胞(ADSC)の選択培養及び細胞の回収
SVF画分にはADSCの他、他の細胞成分(内皮細胞、間質細胞、血球系細胞、これらの前駆細胞等)が含まれる。そこで本発明の一態様では以下の選択培養を行い、SVF画分から不要な細胞成分を除去する。そして、その結果得られた細胞をADSCとして本発明に用いる。
まず、SVF画分を適当な培地に懸濁した後、培養皿に播種し、一晩培養する。培地交換によって浮遊細胞(非接着性細胞)を除去する。その後、適宜培地交換(例えば2〜4日に一度)をしながら培養を継続する。必要に応じて継代培養を行う。継代数は特に限定されないが、多能性と増殖能力の維持の観点からは過度に継代を繰り返すことは好ましくない(5継代程度までに留めておくことが好ましい)。尚、培養用の培地には、通常の動物細胞培養用の培地を使用することができる。例えば、Dulbecco's modified Eagle's Medium(DMEM)(日水製薬株式会社等)、α-MEM(大日本製薬株式会社等)、DMEM:Ham's F12混合培地(1:1)(大日本製薬株式会社等)、Ham's F12 medium(大日本製薬株式会社等)、MCDB201培地(機能性ペプチド研究所)等を使用することができる。血清(ウシ胎仔血清、ヒト血清、羊血清など)又は血清代替物(Knockout serum replacement(KSR)など)を添加した培地を使用することにしてもよい。血清又は血清代替物の添加量は例えば5%(v/v)〜30%(v/v)の範囲内で設定可能である。
以上の操作によって接着性細胞が選択的に生存・増殖する。続いて、増殖した細胞を回収する。回収操作は常法に従えばよく、例えば酵素処理(トリプシンやディスパーゼ処理)後の細胞をセルスクレイパーやピペットなどで剥離することによって容易に回収することができる。また、市販の温度感受性培養皿などを用いてシート培養した場合は、酵素処理をせずにそのままシート状に細胞を回収することも可能である。このようにして回収した細胞(ADSC)を用いることにより、ADSCを高純度で含有する細胞集団を調製することができる。
(4)低血清培養(低血清培地での選択的培養)及び細胞の回収
本発明の一態様では、上記(3)の操作の代わりに又は上記(3)の操作の後に以下の低血清培養を行う。そして、その結果得られた細胞をADSCとして本発明に用いる。
低血清培養では、SVF画分((3)の後にこの工程を実施する場合には(3)で回収した細胞を用いる)を低血清条件下で培養し、目的の多能性幹細胞(即ちADSC)を選択的に増殖させる。低血清培養法では用いる血清が少量で済むことから、本発明の細胞製剤を投与する対象(患者)自身の血清を使用することが可能となる。即ち、自己血清を用いた培養が可能となる。自己血清を使用することによって、製造工程中から異種動物材料を排斥し、安全性が高く且つ高い治療効果を期待できる細胞製剤が提供される。ここでの「低血清条件下」とは5%以下の血清を培地中に含む条件である。好ましくは2%(V/V)以下の血清を含む培養液中で細胞培養する。更に好ましくは、2%(V/V)以下の血清と1〜100ng/mlの線維芽細胞増殖因子-2(bFGF)を含有する培養液中で細胞培養する。
血清はウシ胎仔血清に限られるものではなく、ヒト血清や羊血清等を用いることができる。好ましくはヒト血清、更に好ましくは本発明の細胞製剤を適用する対象の血清(即ち自己血清)を用いる。
培地は、使用の際に含有する血清量が低いことを条件として、通常の動物細胞培養用の培地を使用することができる。例えば、Dulbecco's modified Eagle's Medium(DMEM)(日水製薬株式会社等)、α-MEM(大日本製薬株式会社等)、DMEM:Ham's F12混合培地(1:1)(大日本製薬株式会社等)、Ham's F12 medium(大日本製薬株式会社等)、MCDB201培地(機能性ペプチド研究所)等を使用することができる。
以上の方法で培養することによって、多能性幹細胞(ADSC)を選択的に増殖させることができる。また、上記の培養条件で増殖する多能性幹細胞(ADSC)は高い増殖活性を持つので、継代培養によって、本発明に必要とされる数の細胞を容易に調製することができる。尚、国際公開第2006/006692A1号パンフレットには、SVF画分を低血清培養することによって選択的に増殖する細胞の特徴が示されている。
続いて、上記の低血清培養によって選択的に増殖した細胞を回収する。回収操作は上記(3)の場合と同様に行えばよい。回収した細胞(ADSC)を用いることにより、ADSCを高純度で含有する細胞製剤を得ることができる。
(5)製剤化
SVF画分の細胞、上記選択培養(3)の結果得られた細胞、又は上記低血清培養(4)の結果得られた細胞を生理食塩水や適当な緩衝液(例えばリン酸系緩衝液)等に懸濁することによって細胞製剤を得ることができる。治療上有効量の細胞が投与されるように、一回投与分の量として例えば1×106個〜1×109個の細胞を含有させるとよい。細胞の含有量は、使用目的、対象疾患、適用対象(レシピエント)の性別、年齢、体重、患部の状態、細胞の状態などを考慮して適宜調整することができる。
細胞の保護を目的としてジメチルスルフォキシド(DMSO)や血清アルブミン等を、細菌の混入を阻止することを目的として抗生物質等を、細胞の活性化、増殖又は分化誘導などを目的として各種の成分(ビタミン類、サイトカイン、成長因子、ステロイド等)を本発明の細胞製剤に含有させてもよい。サイトカインの例はインターロイキン(IL)、インターフェロン(IFN)、コロニー刺激因子(CSF)、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)及びエリスロポエチン(EPO)、アクチビン、オンコスタチンM(OSM)である。尚、CSF、G-CSF、EPO等は成長因子でもある。一方、成長因子の例は肝細胞増殖因子(HGF)、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF、FGF2)、上皮成長因子(EGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、インスリン様成長因子(IGF)、トランスフォーミング成長因子(TGF)、神経成長因子(NGF)及び脳由来神経栄養因子(BDNF)である。さらに、製剤上許容される他の成分(例えば、担体、賦形剤、崩壊剤、緩衝剤、乳化剤、懸濁剤、無痛化剤、安定剤、保存剤、防腐剤、生理食塩水など)を本発明の細胞製剤に含有させてもよい。
以上の方法では、SVF画分を低血清培養して増殖した細胞を用いて細胞製剤が構成されるが、脂肪組織から得た細胞集団を直接(SVF画分を得るための遠心処理を介することなく)低血清培養することによって増殖した細胞をADSCとして用いて細胞製剤を調製することにしてもよい。即ち本発明の一態様では、脂肪組織から得た細胞集団を低血清培養したときに増殖した細胞をADSCとして用いる。また、選択的培養(上記(3)及び(4))によって得られる多能性幹細胞ではなく、SVF画分(脂肪組織由来間葉系幹細胞を含有する)をそのまま用いて細胞製剤を構成することにしてもよい。この態様の細胞製剤は、(a)脂肪組織をプロテアーゼ処理した後、濾過処理に供し、次いで濾液を遠心処理することによって沈渣として回収される沈降細胞集団(SVF画分)、又は(b)脂肪組織をプロテアーゼ処理した後、濾過処理を経ることなく遠心処理することによって沈渣として回収される沈降細胞集団(SVF画分)を含有することになる。尚、ここでの「そのまま用いて」とは、選択的培養を経ることなく細胞製剤の有効成分として用いること、を意味する。
<適用疾患>
本発明の細胞製剤は臍帯血移植の際に使用される。従って、臍帯血移植が有効な各種疾患に対して本発明の細胞製剤を適用することが可能である。適用可能な疾患を例示すれば、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、若年性骨髄単球性白血病、骨髄異形成症候群、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、再生不良性貧血、血色素異常症、先天性免疫不全、先天性代謝異常である。
<投与量/細胞数>
本発明の細胞製剤の投与量については、投与経路(移植部位)、レシピエント(患者)の症状の程度等を考慮して設定することができる。例えば、1回の臍帯血移植(体重50kgのレシピエントを基準とする)で1.0×107個〜1.0×109個のADSCを投与することにする。細胞製剤中のADSCの量は、目的の投与量を実現できるように設定すればよい。
<投与経路>
有効成分であるADSCが、移植された臍帯血中の造血幹細胞とレシピエントの生体内で共存する環境(換言すればADSCが造血幹細胞に作用できる状態)が形成される限りにおいて、本発明の細胞製剤の投与経路は特に限定されない。但し、典型的には、本発明の細胞製剤は、腸骨などの骨髄内に投与される。尚、臍帯血移植材料は細胞製剤と混合された状態で、又は細胞製剤とは別に骨髄内に投与される。
2.臍帯血移植(各種疾患の治療)
本発明は第2の局面として臍帯血移植法(臍帯血移植による各種疾患の治療法)を提供する。本発明の移植法では臍帯血移植が必要なレシピエント(患者)に対して、ADSCと臍帯血移植材料を投与する。典型的には、上記本発明の細胞製剤を利用してADSCと臍帯血移植材料が投与されるが、製剤の形態に調製していないADSCを用いて本発明の移植法を実施することも可能である。使用するADSCの量は上記の説明に準ずる。即ち、1回の施術(体重50kgのレシピエントを基準とする)に使用するADSCの数を例えば1.0×107個〜1.0×109個にすることができる。投与経路は上記の通りである。
臍帯血移植の成功率ないし治療成績の向上を目指し、ヒト臍帯CD34陽性造血幹細胞血に対するヒト脂肪組織由来MSC(ADSC)の支持、分化能力をコロニーアッセイ及び共培養アッセイにより比較検討した。また、マトリゲルアッセイにより、生体に移植した際の効果を確認した。
1.材料と方法
(1)間葉系幹細胞の樹立
骨髄由来MSC(BMSC)は2人から、脂肪組織由来MSC(ADSC)は3人からそれぞれ樹立して使用した。脂肪塊をメス及びハサミでミンスしたのち、コラゲナーゼIを用いて脂肪片を融解し、遊離してきた細胞を回収した。その後、DMEMにヒト血清を20%加えたメディウムにて培養を開始した。細胞がコンフルエントになった時点で継代を行い、3〜4週間後に細胞を回収し実験に用いた。細胞の表面マーカーを解析した結果、90%以上がCD45陰性、CD73陽性、CD90陽性、且つCD105陽性であり、MSCであることが確認された。
(2)コロニーアッセイ
メチルセルロース培地を作製し、その0.5ml中にヒト臍帯CD34陽性造血幹細胞単独で500個、ヒト臍帯CD34陽性造血幹細胞500個及びヒトBMSC 5000個、或いはヒト臍帯CD34陽性造血幹細胞500個及びヒトADSC 5000個となるように添加した。それを12ウェルプレートにプレーティングし、加湿インキュベータ内、37℃、5%CO2下で8日間培養した。その後、倒立顕微鏡を用いてコロニーの種類及び数を評価した。
(3)共培養アッセイ
ゼラチンでプレコートした24ウェルプレートのウェルにヒトBMSC又はヒトADSCを添加した(ウェルあたり5000個)。細胞が80〜90%コンフルエントとなったら培養上清を吸引し、ウシ血清とウマ血清を12.5%ずつ加えたαMEMに浮遊させたヒト臍帯CD34陽性造血幹細胞をウェルあたり5000個ずつ添加した。1週毎に新しいメディウムを0.5mLずつ加え培養を3週間継続し、分化した白血球数をカウントした。
(4)マトリゲルアッセイ
cytotell red標識ヒト臍帯血とヒトBMSC又はヒトADSCをマトリゲルに以下のように混合した。
コントロール群:2×106個ヒト臍帯血/400μLマトリゲル
BMSC添加群:2×106個ヒト臍帯血及び2×106個ヒトBMSC/400μLマトリゲル
ADSC添加群:2×106個ヒト臍帯血及び2×106個ヒトADSC/400μLマトリゲル
各混合物をNOD/SCID免疫不全マウスの側腹部に皮下投与した(各群3匹)。48時間後にマウスを屠殺し、固体化したマトリゲルを取り出し、酵素により溶解した。溶解液中のcytotell red陽性生細胞をFACSならびにトリパンブルー法を用いてカウントした。
(5)ブタを用いた安全性試験
ミニブタ(メス、体重20.8kg)を用いた。まず、凍結保存しておいた同系脂肪組織由来間葉系幹細胞(ADSC)を37℃の恒温槽で融解し、RPMIに懸濁した。ミニブタに対し、全身麻酔下でSGカテーテルを挿入した(肺動脈圧測定のため)。循環動態をモニタリングしながらADSCを腸骨骨髄内に輸注した。1回あたり1×106個/kgの細胞を投与した。穿刺部位を替えながら合計で3回投与を行った。投与終了後から30分程度モニタリングを行った。一方、ADSC輸注の前後と約1ヶ月後には採血し、生化学的検査も行った。
2.結果
BMSCは2人から、ADSCは3人からそれぞれ樹立して使用した。コロニーアッセイ及び共培養アッセイの結果、ヒトADSCが臍帯CD34陽性造血幹細胞に対しても支持能力を持つことが確認された(図1)。前駆細胞(progenitor cell)に対する支持作用(図1左)、及び白血球への分化促進作用(図1右)は、ADSCの方がBMSCよりも遙かに高かった。一方、生体(NOD/SCID免疫不全マウス)を用いた実験(マトリゲルアッセイ)によっても、ADSCの支持能力の高さが裏づけられた(図2)。
次に、ブタを用いて安全性の確認を行った。予め樹立しておいた同系のADSCを循環動態モニタリング下において腸骨に輸注したが、塞栓等の急性障害は認められなかった(図3、図6左図)。輸注1ヶ月後に屠殺して病理学的に検討したが臓器障害やADSCによる腫瘍形成等は認められなかった(図4、5)。また、血中の各成分に大きな変動は認められなかった(図6)。
3.考察
ヒト臍帯CD34陽性造血幹細胞血に対してヒトADSCが極めて高い支持能力を発揮することが判明した。また、ADSCの安全性が高いことが確認された。従って、ADSCは、臍帯血移植の際の支持細胞としてその臨床応用が十分に期待できる。
本発明の細胞製剤によれば臍帯血移植の成功率ないし治療成績の向上が図られる。臍帯血移植の適応症例全般に対し、本発明の細胞製剤を適用可能である。
この発明は、上記発明の実施の形態及び実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。本明細書の中で明示した論文、公開特許公報、及び特許公報などの内容は、その全ての内容を援用によって引用することとする。

Claims (5)

  1. 脂肪組織由来間葉系幹細胞を含有する、臍帯血移植用細胞製剤。
  2. 脂肪組織由来間葉系幹細胞がヒト細胞である、請求項1に記載の臍帯血移植用細胞製剤。
  3. 臍帯血又は臍帯血中の造血幹細胞と混合された後に骨髄内に投与される、請求項1又は2に記載の臍帯血移植用細胞製剤。
  4. 臍帯血移植用細胞製剤を製造するための、脂肪組織由来間葉系幹細胞の使用。
  5. 臍帯血移植が必要な患者に対して、臍帯血又は臍帯血中の造血幹細胞とともに、治療上有効量の脂肪組織由来間葉系幹細胞を投与するステップを含む、臍帯血移植。
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