JPWO2011061843A1 - 被検面の形状を計測する装置及び被検面の形状を算出するためのプログラム - Google Patents

被検面の形状を計測する装置及び被検面の形状を算出するためのプログラム Download PDF

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Abstract

測定部は、被検面の一部を測定範囲に設定して、複数の測定範囲において各測定範囲が少なくとも1つの他の測定範囲と重なり領域を形成するように被検面の形状を測定する測定部と、各測定範囲の測定データを読み出し、測定範囲の設定毎に係数の値が定められる項と各測定範囲の設定に依らず係数の値が定められる項とを含む多項式で各測定における測定誤差を表すことによって、かつ、重なり領域における各測定データに対して最小2乗法を用いることによって得られる多項式の各係数についての行列方程式に、重なり領域における多項式の各項のデータ及び前記各測定データを代入し、データが代入された行列方程式について特異値分解を行うことにより前記多項式の各係数の値を求め、該各係数を用いて各測定範囲の測定データを補正し、複数の測定範囲における被検面の形状を算出する算出部を有する計測装置。

Description

本発明は、被検面の形状を計測する装置及び被検面の形状を算出するためのプログラムに関する。
大きな径の被検物を測定するために、被検物より小さな基準を用いて、被検物のある部分ごとに形状測定を繰り返し、その後、各形状測定データを演算処理してつなぎ合わせるスティッチング方式が行われている。
このスティッチング方式では2つの測定誤差が生じ得る。1つ目は、部分領域を測定する際に機械的な不安定性から被検物の姿勢が動いてしまうことに起因する誤差である。本明細書では、この誤差をセッティングエラーと呼ぶ。セッティングエラーがある場合は、それぞれの部分領域の測定により得られた各形状データには互いに異なる測定誤差が生じる。2つ目は、測定系(光学系)固有の誤差である。本明細書では、この誤差をシステムエラーと呼ぶ。システムエラーがある場合は、それぞれの部分領域の測定により得られた各形状データに同一のシステムエラーが生じる。
これらの誤差を除去する方法として、逐次スティッチ法と一括スティッチ法が知られている。逐次スティッチ法では、まず基準となる形状データを決定し、次に基準の隣のデータとつなぎ合わせ、さらに、つなぎ合わせたデータと隣のデータとをつなぎ合わせる。これを繰り返せば、全データをつなぎ合わせることができるが、測定誤差が積み重なるという問題があった。一括スティッチ法では、各形状データの重ね合わせ誤差が最小になるようにつなぎ合わせる方法である(非特許文献1、非特許文献2、特許文献1参照)。一般的に、一括スティッチ法の方が被検物の形状を高精度に求めることができると言われている。
非特許文献1では、方程式を用いて、セッティングエラーとシステムエラーを同時に補正する方法を開示している。非特許文献2では、各形状データに重なりがある場合のスティッチ方法を開示している。特許文献1では、各形状データに重なりがあり、かつ、セッティングエラーとシステムエラーを同時に除去する方法を開示している。
Weng W. Chow and George N. Lawrence,「Method for subaperture testing interferogram reduction」,OPTICS LETTERS,アメリカ合衆国,1983年9月,Vol.8,No.9,pp.468−470 Masashi Otsubo,Katsuyuki Okada,Jumpei Tsujiuchi著,「Measurement of large plane surface shapes by connecting small−aperture interferograms」,OPTICAL ENGINEERING,日本,SPIE press,1994年2月,Vol.33 No.2,pp.608−613
米国特許第6956657号明細書
非特許文献1では、当該方程式は、各部分領域の形状データに重なりがない状態で導かれた方程式であり、各形状データに重なりがある場合は当該方程式を解くことができなかった。また、非特許文献2では、システムエラーを無視してセッティングエラーだけを補正する方程式を解いているため、システムエラーの補正ができない。特許文献1では、スティッチする際の方程式は記述されておらず、重なり誤差が最小になるように最適化ループを繰り返している。一般に、最適化問題を解くのは非常に困難である。そのため、特許文献1では、非常に高度なデータ処理を行う必要があり、データ処理が複雑になり、計算時間がかかる。
そこで、本発明では、比較的簡単な演算処理でスティッチングを行うことを目的とする。
上述の課題を解決するために、本発明の側面としての計測装置は、被検面の形状を測定する測定部と、前記測定部による測定データを用いて前記被検面の形状を算出する算出部とを有する計測装置において、前記測定部は、前記被検面の一部を測定範囲に設定して、複数の測定範囲において各測定範囲が少なくとも1つの他の測定範囲と重なり領域を形成するように前記被検面の形状を測定し、前記算出部は、前記測定部による前記各測定範囲の測定データを読み出し、前記測定範囲の設定毎に係数の値が定められる項と各測定範囲の設定に依らず係数の値が定められる項とを含む多項式で各測定における測定誤差を表すことによって、かつ、前記重なり領域における各測定データに対して最小2乗法を用いることによって得られる前記多項式の各係数についての行列方程式に、前記重なり領域における前記多項式の各項のデータ及び前記各測定データを代入し、データが代入された前記行列方程式について特異値分解を行うことにより前記多項式の各係数の値を求め、該求められた各係数を用いて前記各測定範囲の測定データを補正し、該補正された測定データを用いて前記複数の測定範囲における前記被検面の形状を算出することを特徴とする計測装置。
本発明によれば、比較的簡単な演算処理で測定誤差を補正してスティッチングを行うことができる。
本実施形態における、被検面の形状を計測する装置の構成を示す図である。 フィゾー型干渉計の模式図である。 被検面の一部を測定する際の測定範囲を示す図である。 システムエラーのアス成分を求めるための測定の様子を示す図である。 測定誤差を算出するためのフローチャートを示す図である。 平面ミラーの形状及び各測定範囲を示す図である。 実施例1における各測定範囲の測定データを示す図である。 (a)実施例1における数式20に記載のΨ(x,y)の分母(N=5)を示す図である。(b)実施例1における数式19のF(x,y)を示す図である。(c)算出された全体形状を示す図である。 (a)つなぎ目近傍の領域を検出した結果を示す図である。(b)段差を除去した結果を示す図である。(c)段差除去前と後におけるデータの比較図である。 (a)被検面の形状及び各測定範囲を示す図である。(b)6軸ステージを用いたS”13の測定結果である。(c)5軸ステージを用いたS”13の測定結果である。 座標の不等間隔について説明する図である。 (a)システムエラーの各項の値を示す図である。(b)実施例2における測定誤差補正後の被検面の形状を示す図である。 実施例3における多項式のデータを示す図である。 実施例3における測定誤差補正後の被検面の形状を示す図である。
本発明の実施形態に係る計測装置の構成を図1に示す。計測装置1は、測定部としての干渉計K、被検物Tを保持して操作するためのステージSTG、干渉計KとステージSTGを制御するコンピュータPC(制御部)を有する。本実施形態では一般的な干渉計による被検面の形状計測を考える。干渉計とは、参照波面と被検波面の干渉により、被検面の形状又は透過波面を測定する装置である。
干渉計Kの一例としてフィゾー型干渉計を図2に示す。干渉計Kは、準単色光源SOを持つ。光源SOから発した光はレンズL1により、ピンホールPHに集光される。ピンホール透過後の発散光はビームスプリッターBSを透過し、コリメーターレンズCL1で平行光になる。平行光は、集光レンズCL2で集束光になり参照光を形成するレンズTSに入射する。レンズTSは、被検物T側の面TS1で光を一部反射し、参照光(参照波面または基準波面)を形成する。面TS1で反射した光は、レンズCL2とレンズCL1を透過し、さらに、ビームスプリッターBSで反射され、レンズL2を透過した後、撮像素子Cに到達する。一方、レンズTSを透過した光も存在する。レンズTSを透過した光は集光位置CPに集光する。
被検物Tの測定領域が凹であるならば、被検物Tは集光位置CPよりステージSTG側に配置される。被検物Tの測定領域が凸であるならば、被検物Tは集光位置CPより干渉計K側に配置される。図2では測定領域が凹の被検物Tを配置した状態を示している。レンズTSを透過した光は被検物Tに入射し、反射される。被検物Tで反射された光は、再び集光位置CPで一度集光し、レンズTS、レンズCL2及びレンズCL1を透過し、さらに、ビームスプリッターBSで反射され、レンズL2を透過した後、撮像素子Cに到達する。レンズTSで反射した参照光と被検物Tで反射した光は互いに干渉するので撮像素子Cの撮像面上に干渉縞を形成する。撮像素子Cとして例えばCCDが用いられる。
ステージSTGは6軸ステージが好ましい。図2において、レンズTSの光軸をOAで表し、z軸はレンズTSの光軸と平行とする。z軸と垂直に直交座標系の座標軸としてx軸とy軸を決める。なお、x軸とy軸は垂直である。6軸ステージは、x軸、y軸及びz軸方向に移動するステージと、x軸、y軸及びz軸回りの回転機構を有する。後に述べるように、z軸回りの回転機構があればデータの繋ぎ合わせを高精度化できる。なお、被検物Tが球面または非球面以外の平面であれば、x軸、y軸及びz軸方向に移動するステージのみでもよい。また、6軸ステージは高価であるため、より安価な5軸ステージでも代用可能である。
コンピュータPCは、ステージSTGと干渉計Kに通信ケーブルで接続されている。コンピュータPCは、ステージSTGを駆動するために制御信号をステージSTGに送信する。ステージSTGは制御信号を受信してアクチュエータを駆動し、被検物Tを移動する。さらに、コンピュータPCは、干渉計Kに被検物Tの被検面の形状を計測するために、撮像素子Cを用いて干渉縞を取得するための制御信号を送信する。干渉計K(撮像素子C)が撮像した干渉縞のデータはコンピュータPCに送信され、コンピュータPCのCPU、DSP等(算出部)で演算処理され、被検面の形状が算出される。干渉縞のデータから被検面の形状を算出するために、例えば位相シフト法を用いれば良い。位相シフト法とは、参照波面の位相をずらしながら複数枚の干渉縞を取得し、複数枚の干渉縞のデータから被検面の形状を算出する方法である。
コンピュータPCは制御信号をステージSTGに送信し、ステージSTGは被検物Tを第1の位置に移動する。その後、コンピュータPCは干渉計Kに制御信号を送信し、干渉計Kは干渉縞を取得する。取得された干渉縞のデータはコンピュータPCに送信され、コンピュータPCで演算処理され、測定範囲として設定された被検面の一部の領域の形状が算出される。被検物の第1の位置と被検面の形状はコンピュータPCの記憶部に記憶される。被検物の位置を変えて、同様の処理をN回繰り返すことでコンピュータPCの記憶部に、被検物の位置と被検面の形状との組がN組分だけ記憶される。このようにして得られたN組の被検面の部分形状をつなぎ合わせれば、被検面の全体形状を算出することができる。
以下、被検面の部分形状データの繋ぎあわせ方法を説明する。説明を簡単にするため、被検面の全体形状は平面とする。
図3において、実線は被検物Tの被検面全体を表す。点線で示した領域S1乃至S4は、測定範囲を示す。測定範囲の大きさは干渉計Kに依存する。S1乃至S4は被検物Tの被検面全体をカバーしているが、S1乃至S4のいずれも単独では被検面の全領域を測定することはできない。この例では、S1乃至S4の4つの形状データをつなぎ合わせる。
S1乃至S4で測定された形状(測定データ)をΦ’乃至Φ’とする。Φ’乃至Φ’にはセッティングエラーとシステムエラーが含まれている。初めに、セッティングエラーとシステムエラーを記述する関数を定義する。ここではZernike多項式を用いる。本明細書では、Zernike多項式の第i項(iは1以上の整数)をZと記述する。一般的に、Zernike多項式の1項から4項までは各測定状態に依存するため、セッティングエラーとみなすことができる。よって、セッティングエラーは測定範囲の設定毎に係数の値が定められる項といえる。Zernike多項式の5項以上は各測定状態に関わらず係数の値が定められるので、システムエラーとみなすことができる。よって、システムエラーは各測定状態に関わらず係数の値が定められる項といえる。
以下では、Φ’を具体的に数式で記述する。Φを被検面の真の形状とする。a はSi(iは1以上の整数)の領域の形状データにセッティングエラーとして付加されるZernike多項式の第j項(jは1以上の整数)の係数を表す。bは、システムエラーとして各Si領域の形状データに付加されるZernike多項式の第k項(jは1以上の整数)の係数とする。さらに、(x,y)はSi領域を測定する際のxyステージの位置(被検物を基準とした場合は被検物)とする。Φ’は、数式1のように定義される。
セッティングエラーはZernike多項式の1項から4項までとしたので、M=4である。Lは、除去されるシステムエラーの上限を表す。
Φ’とΦ’の重なり誤差を最小にするには、数式2の条件を満たすようにa 、a 及びbを決定すればよい。
1∩2はS1とS2が重なっている領域であって、図3の斜線部の領域に相当する。数式2はS1とS2の領域における重なり誤差を低減するが、他の領域S3またはS4の領域における形状データ同士の重なり誤差は考慮していない。
そのため、数式2を全ての領域に拡張し、Δを数式3のように定義する。
この例では、数式3のNは4である。Δが最小になるように、例えば最小2乗法を用いて、a 及びbを決定すればよい。すなわち、Δをa 、及び、bで微分した値が0になる場合にΔが最小になる。よって、数式4を得ることができる。
セッティングエラーはZernike多項式の第1項から4項までとしたので(M=4としたので)、a は4種類(j=1,2,3,4)ある。同様にa 、a 及びa も4種類ある。システムエラーを表現するZernike多項式の上限項数Lを36とすれば、bは32種類ある(k=5,6,・・・,36)。そのため、数式4から、4×4+32=48次元の連立方程式を得ることができる。連立方程式を数式5のように行列方程式で記述する。
ただし、Yは48行1列のベクトル、Zは48行48列の行列、Aは48行1列のベクトルである。YとZは数式4から求めることができる。Aは未知数を表す。
Yを具体的に書くと、数式6のようになる。
Zを具体的に書くと、数式7のようになる。
数式7において、上付き文字のTは転置行列を表す。Zi,jは、M行M列の行列で、この例では4行4列の行列である。i≠jのとき、Zi,jのs行t列成分は、数式8のようになる。
i=jのとき、Zi,iのs行t列成分は、k≦Nを定義し、数式9のようになる。
は、M行(L−M)列の行列で、Sのs行t列成分は、数式10のようになる。
Sは、(L−M)行(L−M)列の行列で、Sのs行t列成分は、数式11のようになる。
Aを具体的に記述すると、数式12のようになる。
未知数Aを求めるには数式5を解けばよい。数式5を解くには、数式5の両辺にZの逆行列をかければよい。しかし、行列Zには逆行列が存在しない。すなわち、行列Zの行列式が0、もしくは、無限大になってしまう。この原因は、測定誤差をZernike多項式で表現したことに起因する。
以下では、数式5を解く方法を紹介する。行列Zを特異値分解すると、数式13を得る。
ここで、†は転置共役(アジョイント)を表し、Uはユニタリー行列、Sは対角行列である。逆行列を表すために、−1を用いれば、U−1=Uの関係がある。Vには、VVが単位行列になるという特徴がある。これが特異値分解の特徴である。特異値分解を用いれば、行列Zの擬似逆行列(Pseudo−inverse matrix)Z’を数式14のように求めることが出来る。
数式14を用いて数式5を解くには、数式15を実行すればよい。
数式15を用いることで、Aを求めることができる。すなわち、セッティングエラーとシステムエラーを補正するためのZernike多項式の係数を求めることができる。
ただし、擬似逆行列を用いれば必ず方程式が解けるとは限らない。例えば、セッティングエラーが小さいときは数式15からセッティングエラーとシステムエラーを補正することができる。しかし、セッティングエラーが大きくなると、数式15を用いてもセッティングエラーとシステムエラーを補正することができない場合がある。セッティングエラーを小さくするにはステージSTGの位置決め精度を向上させなければならない。ステージSTGの位置決め精度を向上させるには、ステージを大型化させる必要があるが、コストが高価になり好ましくない。
そこで、以下ではセッティングエラーが大きくても、セッティングエラーとシステムエラーとを補正する方法を説明する。本発明者は、セッティングエラーが大きいときに数式15が正しく解けない場合を検討した結果、システムエラーにZernike多項式の第5項と第6項が入っていることが原因だということを突き止めた。そこで、数式1を以下の数式16に置き換える。
通常、数式16においてM=4である。数式1と数式16の違いは、数式1ではZernike多項式の第M+1項以上をシステムエラーとみなしていることに対し、数式16ではZernike多項式の第7項以上をシステムエラーとみなしていることである。
数式16を用いて数式5を導出する。その後、数式15を用いればセッティングエラーとシステムエラーを補正することが可能となる。ただし、システムエラーの成分の中で、Zernike多項式の第5項と第6項に依存する成分は補正できない。以下では、簡単のため、システムエラーの成分の中でZernike多項式の第5項と第6項に依存する成分を、システムエラーのアス成分と呼ぶ。システムエラーのアス成分は、関数表記では、xとyの2次関数である。具体的には、Zernike多項式の第5項はx−yであり、Zernike多項式の第6項は2xyである。よって、アス成分といえば、xとyの2次関数である。なお、Zernike多項式の7項以上をxとyであらわせば、xとyの3次以上の関数である。
システムエラーのアス成分を除去するには別の方法が必要となる。その方法の一例を図4を用いて説明する。図4では、被検物Tと部分領域(測定範囲)S’の向きの関係を示すために三角形のマークをつけてある。初めに、図4(a)の状態で部分領域S’における被検面の形状Wを計測する。次に、図4(b)のように被検物Tを光軸周りに角度αだけ回転させる。図4(b)では、αを90度とした。この状態で部分領域S’における被検面の形状W’を計測する。回転時にステージSTGの位置決め誤差があり、かつ、干渉計Kのシステムエラーがあるため、通常はWとW’は一致しない。
W’−WをδWとし、δWをZernike多項式でフィッティングする。フィッティング結果のZernike多項式の第5項をW、第6項をWとする。このとき、システムエラーの第5項bと第6項bは、数式17で求めることができる。
ただし、αは180度の整数倍以外に設定する必要がある。数式17は被検物Tの被検面が平面でも球面でも適用可能である。
算出したセッティングエラーとシステムエラーをa’ 、及び、b’とする。測定により得られた被検面の形状データを補正するには、以下の数式18を用いれば良い。
そして、補正後の形状データΨをつなぎ合わせる。Si領域における被検面の形状データにおいて、データが存在する領域を1、データが存在しない領域を0とした関数をfとする。fを足し合わせたFを数式19のように定義する。
例えば、F=2の領域は2つの形状データが重なっていることを意味し、F=3の領域は3つの形状データが重なっていることを意味する。Fを用いれば、被検面の各部分領域のおける形状を繋ぎ合わせ全体形状Ψは、数式20で与えられる。
数式20を用いれば、形状データが重なっている領域では平均化効果でランダムノイズや、干渉計Kの再現性などの誤差の影響を低減できる。さらには、平均化効果で、繋ぎ合わせ部分の段差を低減することができる。
以上をまとめて、本実施形態におけるスティッチング方法を図5を用いて説明する。ステップS101では、被検面の形状データ等を取得する。コンピュータPCは、ステージSTGに制御信号を送信し、ステージSTGが被検物Tを第1の位置に移動する。干渉計Kの撮像素子Cは、コンピュータPCの制御信号に従い、干渉縞の撮像を行い、撮像データをコンピュータPCに送信する。なお、干渉縞の撮像を複数回行い、複数の撮像データをコンピュータPCに送信してもよい。コンピュータPCは撮像データを演算処理し、被検面の一部の測定範囲における形状データを算出する。
次に、被検物Tの位置を変えることで被検面の測定範囲を変え、同様に形状データを算出する。なお、被検面の測定範囲は、少なくとも他の測定範囲の1箇所と重なるように設定する。すなわち、被検面の一部を測定範囲に設定して、複数の測定範囲において各測定範囲が少なくとも1つの他の測定範囲と重なり領域を形成するように被検面の形状を測定する。被検面の測定範囲(被検物Tの位置)N箇所について、以上の操作を繰り返し、被検面の各測定範囲における形状データをN個取得する。そして、コンピュータPCは、形状データとステージSTG(被検物T)の位置をN組分、記憶部に記憶する。
さらに、コンピュータPCは、システムエラーのアス成分を算出するためのデータも取得する。システムエラーのアス成分を算出するには、被検物Tを光軸回りに回転させて複数枚の形状データを算出する必要がある。ここでは、P個(P>1)のデータを取得する。コンピュータPCの記憶部は、光軸回りの回転角度と形状データをP組分記憶する。
ステップS102では、ステップS101で取得したシステムエラーのアス成分算出用のデータからシステムエラーのアス成分を算出する。ステップS103では、各測定範囲における形状データをつなぎ合わせるため、セッティングエラーとシステムエラーを補正する係数を算出する。まず、記憶部からS102において得られた各測定範囲における形状データを読み出し、数式16を用いて導かれる数式5の行列方程式に、Zernike多項式の各項のデータ(Z)と、S102において得られた各測定範囲における形状データとを代入する。そして、数式13〜15のように、行列Zを特異値展開し、擬似逆行列を求め、数式15を用いてセッティングエラーとシステムエラーを補正する係数Aを算出する。
ステップS104では、被検面の各部分領域における形状データを補正する。すなわち、数式18に基づき、各形状データを対象としてセッティングエラーとシステムエラーを補正する。ステップS105では、ステップS104でセッティングエラーとシステムエラーを補正したデータを、数式20を用いてつなぎ合わせる。すなわち、補正後の各部分領域における形状データを用いて、複数の測定範囲における被検面の形状を算出する。
ステップS106では、つなぎ合わせにより発生した段差(データの不連続性)を除去するかどうか判別する。判断基準は、つなぎ合わせた結果を見て決めても良いが、段差が事前に決められた閾値以上であるならば、段差を除去するというように設定してもよい。ステップS106で段差を除去するのであれば、処理をステップS107へ進める。段差を除去しないのであれば、処理を終了する。ステップS107では段差を除去する。すなわち、段差が発生する領域を検出し、その領域で段差を除去する。除去した領域をデータ補間する。段差の除去に関しては実施例1で詳しく説明する。以上で、全ての処理を終了する。
本実施形態によれば、従来の最適化ループが不要となり、比較的簡単な演算処理で測定誤差を補正してスティッチングを行うことができる。また、システムエラーとしてZernike多項式の第7項以上(xとyの3次以上の関数)を設定することで、セッティングエラーが大きくてもシステムエラーを除去することが可能となる。さらに、数式20による平均化効果で、つなぎ合わせ誤差の低減を実現している。さらに、後の実施例で詳しく説明するように、繋ぎ合わせ時に発生する段差を除去する方法も有する。
さらに、本実施形態によれば、基準となる部分形状を必要としない。非特許文献2に記載の発明では、数式5の方程式を解くために、ある1つの基準となる部分形状を選択する必要がある。例えば、上述の例で、非特許文献2に記載の発明によれば、基準となる部分形状を第二の部分形状としたとき、数式12は、以下の数式21で表される。なお、基準となる部分形状のセッティングエラーは補正しない。数式5及び数式21を用いると方程式を解くことができる。
しかし、本発明によれば、特異値展開を用いることで基準となる部分形状がない場合でも数式5の方程式が解けるようになった。
以下、本発明の実施例を説明する。
本実施例では、被検物を平面ミラーとしてスティッチングをした結果を示す。平面ミラーの被検面の形状を図6(a)に示す。色の濃淡が被検面の凹凸を示している。被検面の長辺の長さは1mを越す大型のミラーである。なお、図6(a)に示す実際の被検面の形状と理想的な平面との誤差は206.5nmRMSである。図6(b)は、直径800mmの参照球面波形成レンズTSを用いて、被検面を5つの部分領域S’1乃至S’5に分割して測定する様子を示した図である。白線が各測定における測定領域である。本実施例では、N=5である。
5つの部分領域S’1乃至S’5において被検面形状の計測を行うと、ステージSTGの位置決め誤差(セッティングエラー)と干渉計の誤差(システムエラー)があるために、実際の被検面の形状に当該誤差が加算された形状が計測される。当該誤差を含む計測結果を図7(a)乃至(e)に示す。図7(a)、(b)、(c)、(d)及び(e)は、それぞれ順に部分領域S’1、S’2、S’3、S’4及びS’5における計測結果を示す。
図7の計測データを用いて、数式5に基づいてセッティングエラーとシステムエラーを算出する。そして、算出されたセッティングエラーとシステムエラーを用いて、数式18に基づきΨ(x−x,y−y)を算出する。数式20に記載のΨ(x、y)の分母(N=5)を図8(a)に示し、数式19のF(x,y)を図8(b)に示す。これらのデータを用いて、数式20に基づき、部分形状をつなぎ合わせた全体形状Ψを図8(c)に示す。図6(a)に示す実際の被検面の形状と、図8(c)に示す算出された被検面の全体形状との誤差は、9.2nmRMSであった。十分な精度でスティッチできていることがわかる。
なお、セッティングエラーとシステムエラーを除去できずに、部分形状のつなぎ目に段差が残る場合がある。以下では、段差を除去する方法を説明する。F(x,y)を2回微分(ラプラシアン)すれば、部分形状のつなぎ目(段差)を検出することができる。つなぎ目近傍の領域を検出した結果を図9(a)に示す。図9(a)において、値が1の箇所(白色部分)が、段差が発生する箇所を示している。算出された全体形状のデータ(図8(c))から、図9(a)のデータにおいて値が1の領域を削除する。その後、削除した領域のデータを補間すれば段差を除去することができる。
次に、データの補間方法を説明する。まず、図8(c)のデータから図9(a)で値が1の領域を削除したデータをフーリエ変換し、空間周波数が低い成分を取り出したのち、逆フーリエ変換する。そして、逆フーリエ変換したデータを図9(a)で値が1の領域にはめ込む。さらに、そのデータに対して再びフーリエ変換をし、空間周波数が低い成分を取り出したのち、逆フーリエ変換する。逆フーリエ変換したデータを図9(a)で値が1の領域にはめ込む。上記手順を繰り返すことで、データの補間が可能となる。
データの補間を完了し、図8(c)のデータから段差を除去した結果を図9(b)に示す。図8(c)と図9(b)において、y=130mmにおける断面図を示したのが図9(c)である。図9(c)の点線は段差除去前の断面図(図8(c))で、実線は段差除去後の断面図(図9(b))である。段差除去前は数nmの段差があったが、上記の段差除去方法により段差が消えていることがわかる。
次に、求められた被検面の全体形状のデータを用いて、被検面を加工する方法を説明する。まず、被検面の全体形状を測定する。そして、全体形状のデータに段差がある場合は段差除去を行う。段差を含む測定データをもとに被検面の修正加工を行うと悪影響を及ぼすため、段差がないことが好ましいからである。そして、段差除去を行って得られたデータと、理想的な加工形状(設計値)との差分を求め、加工用データとする。そして、加工データを用いて、該差分がなくなるように加工機で被検面を加工する。以上の加工方法によれば、高精度に被検面を加工することができる。また、従来では作成が困難であった光学部品の作成が可能となる。
本実施例では、レンズなどの球面形状の光学素子をスティッチした結果を示す。干渉計を用いて球面の部分形状を測定してスティッチすることは、平面形状のスティッチに比べて複雑である。図10(a)に、被検面の形状、及び、被検面を13の部分領域S”1乃至S”13に分割して測定する様子を示す。
ステージSTGが6軸ステージであって位置決め誤差がないとしたとき、部分領域S”13における部分形状として図10(b)に示すデータが得られる。ただし、6軸ステージは高価であるため、本実施例ではより安価な5軸ステージを用いる。5軸ステージとは、xyzステージと、x軸回りの回転機構、及び、y軸回りの回転機構を備えたステージである。5軸ステージを用いて部分領域S”13を計測するには、初めにx軸回りに被検物を傾け、その後z軸回りに被検物を回転させる。ステージSTGの位置決め誤差がないとしたとき、部分領域S”13における部分形状として図10(c)に示すデータが得られる。
本来ならば図10(b)のような計測結果を得たいのであるが、5軸ステージを用いることによって、図10(c)のような計測結果が得られてしまう。よって、図10(c)の計測データを回転させて図10(b)のデータに変換する必要がある。これが5軸ステージ特有の処理である。
球面形状を干渉計で測定するときにも特有の処理が存在する。干渉計を用いると、被検物のx座標、y座標が等間隔になるようにデータが取得される。図11を用いて説明する。被検物は半径10mm、直径18mmの球面である。図11は、被検物のy=0断面を干渉計で測定したときの測定点を示している。x=0の位置にある測定点と隣り合う測定点の、x座標の間隔をx1、球面上の間隔をd1とする。i番目の測定点と(i+1)番目の測定点の、x座標の間隔をx2、球面上の間隔をd2とする。図11を見るとわかるように、干渉計では、x1とx2が等しくなるように設計されている。しかし、被検物は球面であるため、球面上の距離d1とd2は異なっている。
次に、i番目の測定点がx=0に対応するように被検物をy軸回りに回転させる。回転させた状態で形状を測定すると、i番目の測定点と、(i+1)番目の測定点のx座標の間隔はx1のままであるが、球面上の間隔はd1になってしまう。結果として、回転前後で球面上の計測点が異なってしまう。そのため、回転前後で計測点を一致させる必要がある。通常は、形状データをデータ補間すればよい。このように、回転前後で計測点を一致させることを本明細書では座標変換と呼ぶ。
球面形状をスティッチングするには、計測データの座標変換が必要となる。さらに、5軸ステージを用いたときはデータを回転させる必要がある。計測データを座標変換、及び、回転させる必要があるので、各部分形状におけるシステムエラーも座標変換、及び、回転させる必要がある。すなわち、数式1、数式16、もしくは、数式18に記載されているZernike多項式を座標変換、及び、回転させる必要がある。
以上の処理を経て、図10(a)に示す被検物を部分領域ごとに測定し、本実施形態で説明したスティッチング方法を用いて全体形状を算出した結果を示す。ステージSTGには数μmの位置決め誤差があり、干渉計Kには約8.5nmRMSのシステムエラーがあるとする。本実施例では、干渉計Kが持つシステムエラーのうち、Zernike多項式の第5項から36項までを補正係数として算出した。すなわち、数式16でL=36とした。図12(a)は、実際の干渉計のシステムエラーのZernike多項式係数と、本実施例に基づき算出したシステムエラーのZernike多項式係数を示す。干渉計が持つシステムエラーが十分な精度で算出されていることがわかる。システムエラーを補正した後、スティッチングすると結果は図12(b)のようになった。被検面とスティッチ結果の差は、約5.2nmRMSであった。被検面は、理想的な球面形状から約100nmRMSずれていたので、十分な精度を達成していると言える。さらに精度を上げるには、より高次までシステムエラーを補正すれば良い。例えば、数式16において、L=169とすればさらに高精度なスティッチングが可能となる。さらに、実施例1のように段差を除去してもよい。
上記の実施例では、Zernike多項式で測定誤差を表現してきたが、別の多項式を用いてスティッチングした例を説明する。計測装置、被検物及び測定データは実施例1と同じとする。
測定誤差を表現する多項式として、xy多項式をGram−Schmidtの方法で規格化し、参照球面波形成レンズTSの有効円形領域で直交する関数を用いた。図13(a)乃至(i)はそれらの直交関数の第1項から第9項までを示している。ここで、xy多項式は、第1項が1、第2項がx、第3項がy、第4項がx、第5項がxy、第6項がy、第7項がx、第8項がxy、第9項がxy、第10項がy、として以下同様に定義している。
以上の多項式を用いてスティッチした結果は図14のようになる。図6(a)に示す被検面の実際の形状と、図19に示す形状との差分をとったところ、8.8nmRMSであった。十分な精度でスティッチできていることがわかる。
本実施形態によれば、平面、球面のみならず非球面もスティッチ可能である。非球面を測定する場合は、多くの小部分領域を設定して形状を測定する必要がある。また、測定系は干渉計でなくてもよい。いわゆる接触式の測定系も適用可能である。
また、本発明は上述の実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータ(CPU等)がプログラムを読み出して実行することでも実現される。
K 干渉計
STG ステージ
PC コンピュータ

Claims (7)

  1. 被検面の形状を測定する測定部と、前記測定部による測定データを用いて前記被検面の形状を算出する算出部とを有する計測装置において、
    前記測定部は、前記被検面の一部を測定範囲に設定して、複数の測定範囲において各測定範囲が少なくとも1つの他の測定範囲と重なり領域を形成するように前記被検面の形状を測定し、
    前記算出部は、
    前記測定部による前記各測定範囲の測定データを読み出し、
    前記測定範囲の設定毎に係数の値が定められる項と各測定範囲の設定に依らず係数の値が定められる項とを含む多項式で各測定における測定誤差を表すことによって、かつ、前記重なり領域における各測定データに対して最小2乗法を用いることによって得られる前記多項式の各係数についての行列方程式に、前記重なり領域における前記多項式の各項のデータ及び前記各測定データを代入し、
    データが代入された前記行列方程式について特異値分解を行うことにより前記多項式の各係数の値を求め、
    該求められた各係数を用いて前記各測定範囲の測定データを補正し、該補正された測定データを用いて前記複数の測定範囲における前記被検面の形状を算出することを特徴とする計測装置。
  2. 前記算出部は、該補正された前記各測定範囲の測定データを繋ぎ合わせたことによりデータの段差の発生する領域を検出し、前記段差が検出された領域のデータを削除してデータの補間を行うことを特徴とする請求項1に記載の計測装置。
  3. 前記行列方程式において、前記各測定範囲の設定に依らず係数の値が定められる項のうち、直交座標系の座標軸をx及びyとすると、xとyの2次の項を除くことを特徴とする請求項1に記載の計測装置。
  4. 請求項1に記載の計測装置によって得られた前記被検面の形状のデータを用いて、前記被検面を加工することを特徴とする加工方法。
  5. 被検面の形状をコンピュータに算出させるプログラムにおいて、
    前記被検面の一部を測定範囲に設定して複数の測定範囲において前記被検面の形状を測定する際に各測定範囲が少なくとも1つの他の測定範囲と重なり領域を形成するように測定することによって得られる、前記各測定範囲の測定データを読み出すステップと、
    各測定範囲の設定に対応して係数の値が定められる項と各測定範囲の設定に依らず係数の値が定められる項とを含む多項式で各測定における測定誤差を表すことによって、かつ、前記重なり領域における各測定データに対して最小2乗法を用いることによって得られる前記多項式の各係数についての行列方程式に、前記重なり領域における前記多項式の各項のデータ及び前記各測定データを代入するステップと、
    データが代入された前記行列方程式について特異値分解を行うことにより前記多項式の各係数の値を求めるステップと、
    該求められた各係数を用いて各測定範囲の測定データを補正し、該補正された測定データを用いて前記複数の測定範囲における前記被検面の形状を算出する算出ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
  6. 前記算出ステップにおいて、該補正された前記各測定範囲の測定データを繋ぎ合わせたことによりデータの段差の発生する領域を検出し、前記段差が検出された領域のデータを削除してデータの補間を行うことを特徴とする請求項5に記載のプログラム。
  7. 前記行列方程式において、前記各測定範囲の設定に依らず係数の値が定められる項のうち、直交座標系の座標軸をx及びyとすると、xとyの2次の項を除くことを特徴とする請求項5に記載のプログラム。
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