JPWO2011040133A1 - ヒト血清アミロイドa3抗体およびその利用 - Google Patents
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Abstract
未だヒト生体内で存在が確認されていないヒトSAA3の抗体を作製してヒトSAA3の存在をヒト生体内で明らかにすると共に、ヒトSAA3と疾患との関連を明らかとし、その疾患の治療方法を提供することを目的とし、特に、ヒト血清アミロイドA3に対するヒト血清アミロイドA3抗体、前記抗体を用いたヒト血清アミロイドA3の検出・測定キット、癌治療剤、癌治療方法、診断方法等への利用を目的とする。
Description
本発明は、ヒト血清アミロイドA3抗体およびその利用に関し、更に詳細には、ヒト血清アミロイドA3抗体、前記抗体の製造方法、前記抗体を利用したヒト血清アミロイドA3の検出・測定方法、癌治療方法、癌診断方法等に関する。
血清アミロイドA(SAA)は、続発性アミロイドーシスで組織に沈着するアミロイドAタンパクの血中の前駆体として知られている。
このSAAは、マウス、ウサギ、ウマ等においてSAA1、SAA2、SAA3およびSAA4という4種類のアイソタイプが知られている。
これらSAAのうち、SAA1およびSAA2がインターロイキン(IL)−1、IL−6、腫瘍壊死因子(TNF)等の炎症性サイトカインに応答する急性相反応物質であり、SAA4は高比重リポタンパク(HDL)の構成タンパクである。
一方、SAA3はトール様受容体4(TLR4)に認識され、核因子κB(NFκB)を介した免疫応答シグナルを活性化する結果、癌の転移が促進されることが知られており、さらに、癌細胞を皮下移植した担癌マウスに抗SAA3抗体を投与すると、この一連のシグナル経路(S100A8−SAA3−TLR4)が遮断され、癌の転移が抑制されることが確認されている。TLR4は自然免疫系の受容体としてリポポリサッカライド(LPS)などの毒素を認識し、感染からの防御を担っている。このことは、本来は感染防御を担う自然免疫系により形成された炎症様の環境が癌細胞の遊走を促進していることを示唆している(非特許文献1)。このようにマウスにおいては、SAA3が癌の転移に関連することが示唆されている。
ところで、ヒトのSAA3は、マウス等のSAA3のアミノ酸配列との相同性等から、配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるものと推測されている(特許文献1)。しかしながら、現実的にはヒトSAA3の存在はmRNAレベルで確認されているだけであり、実際にヒト生体内でのタンパク発現は確認されていなかった。
Sachie Hiratsuka, Akira Watanabe, Yoshiko Sakurai, Sachiko Akashi-Takamura, Sachie Ishibashi, Kensuke Miyake, Masabumi Shibuya, Shizuo Akira, Hiroyuki Aburatani and Yoshiro Maru. Nature Cell Bioll10 1349-1355(2008).
従って、本発明の課題は、未だヒト生体内で存在が確認されていないヒトSAA3の抗体を作製してヒトSAA3の存在をヒト生体内で明らかにすると共に、ヒトSAA3と疾患との関連を明らかとし、その疾患の治療方法を提供することである。
本発明者らは上記知見に基づき、常法に従い、大腸菌にヒトSAA3の組換えタンパクを発現させ、それを抗原として抗体を作製し、ヒト検体中からヒトSAA3を検出することにより、ヒトSAA3の存在を明らかにしようとした。しかしながら、ヒトSAA3の組換えタンパクは発現量がごく少量であり、これを抗原として免疫することはできなかった。また、本発明者らは、抗体作製の常法に従い、ヒトSAA3の特徴的なアミノ酸配列(配列番号1で示されるヒトSAA3のアミノ酸配列の49〜60番目)からなるペプチドと生体高分子との結合物を抗原とした場合には数ヶ月免疫をしても抗体価がほとんど上がらず満足できる抗体は得られなかった。
そこで本発明者らはヒトSAA3の特徴的なアミノ酸配列よりも少し長いヒトSAA3の部分アミノ酸配列を含むペプチドと生体高分子との結合物を抗原とすることにより免疫をした動物の抗体産生能が高くなることを見出し、ヒトSAA3に対する抗体を初めて得た。
そしてこのヒトSAA3抗体を用い、健常者と癌患者の検体でウエスタンブロットを行ったところ、癌患者のサンプルだけにヒトSAA3抗体との反応物が検出された。また、前記反応物のゲル上の位置が上記ヒトSAA3の組換えタンパクとヒトSAA3抗体との反応物と同位置であったことから、ヒト生体内にヒトSAA3が存在することが明らかとなった。
このことから、ヒトSAA3が確かにヒト生体内に存在し、それをヒトSAA3に対する抗体で検出できることおよびヒトSAA3が癌と関連することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の通りのものである。
(1)ヒト血清アミロイドA3に対するヒト血清アミロイドA3抗体。
(2)部分アミノ酸配列として、配列番号1で示されるヒト血清アミロイドA3のアミノ酸配列の48〜60番目を含むペプチドと生体高分子化合物とを結合させ、当該結合物で動物を免疫し、当該動物から抗体を採取することを特徴とするヒト血清アミロイドA3抗体の製造方法。
(3)ヒト検体に、ヒト血清アミロイドA3抗体を作用させ、ヒト検体中のヒト血清アミロイドA3を検出・測定することを特徴とするヒト血清アミロイドA3の検出・測定方法。
(4)ヒト検体に、ヒト血清アミロイドA3抗体を作用させ、ヒト検体中のヒト血清アミロイドA3を検出・測定することを特徴とする癌診断方法。
(5)ヒト血清アミロイドA3抗体を含有することを特徴とするヒト血清アミロイドA3の検出・測定キット。
(6)ヒト血清アミロイドA3抗体を有効成分として含有することを特徴とする癌治療剤。
(7)癌患者に、ヒト血清アミロイドA3抗体を投与し、生体内のヒト血清アミロイドA3と前記抗体とを結合させることを特徴とする癌治療方法。
(1)ヒト血清アミロイドA3に対するヒト血清アミロイドA3抗体。
(2)部分アミノ酸配列として、配列番号1で示されるヒト血清アミロイドA3のアミノ酸配列の48〜60番目を含むペプチドと生体高分子化合物とを結合させ、当該結合物で動物を免疫し、当該動物から抗体を採取することを特徴とするヒト血清アミロイドA3抗体の製造方法。
(3)ヒト検体に、ヒト血清アミロイドA3抗体を作用させ、ヒト検体中のヒト血清アミロイドA3を検出・測定することを特徴とするヒト血清アミロイドA3の検出・測定方法。
(4)ヒト検体に、ヒト血清アミロイドA3抗体を作用させ、ヒト検体中のヒト血清アミロイドA3を検出・測定することを特徴とする癌診断方法。
(5)ヒト血清アミロイドA3抗体を含有することを特徴とするヒト血清アミロイドA3の検出・測定キット。
(6)ヒト血清アミロイドA3抗体を有効成分として含有することを特徴とする癌治療剤。
(7)癌患者に、ヒト血清アミロイドA3抗体を投与し、生体内のヒト血清アミロイドA3と前記抗体とを結合させることを特徴とする癌治療方法。
本発明のヒトSAA3抗体は、これまでヒトでは発現が確認されていなかったヒトSAA3に結合するため、ヒトSAA3がヒト成体内においてどのような役割を果たしているのかを研究するのに利用することができる。
また、マウスSAA3が癌の転移に関連していることが示唆されていることから、本発明のヒトSAA3抗体は癌の転移抑制等の治療や診断等に利用することができる。
本発明のヒトSAA3抗体は、ヒトSAA3に結合することができる抗体であれば特に制限されない。また、これらの抗体の作製方法も特に制限されず、例えば、ヒトSAA3を抗原とする以外は、抗体作製の常法(G.Kohler and C.Milstein, Continuous cultures of fused cells secreting antibody of predefined specificity, Nature 256 495-497(1975).)に準じて作製することができる。
本発明においては、上記したヒトSAA3抗体の中でも、ヒトSAA3に特異的に結合するモノクローナル抗体が好ましい。ここで特異的とは、ヒトSAA3に反応し、ヒトSAA1、ヒトSAA2、ヒトSAA4に反応しないこと、好ましくはヒトSAA3のみに反応することをいう。
このようなヒトSAA3モノクローナル抗体は、例えば、部分アミノ酸配列として、配列番号1で示されるヒトSAA3のアミノ酸配列の49〜60番目を含むペプチドと生体高分子化合物とを結合させ、当該結合物で動物を免疫し、当該動物から抗体を採取することにより得られる。
上記配列番号1で示されるヒトSAA3のアミノ酸配列の49〜60番目を含むペプチドとしては、例えば、配列番号1で示されるヒトSAA3のアミノ酸配列の19〜60番目からなるペプチド、より好ましくは30〜60番目のアミノ酸配列からなるペプチド、特に好ましくは38〜60番目のアミノ酸配列からなるペプチドが挙げられる。このようなペプチドを用いれば、配列番号1で示されるヒト血清アミロイドA3のアミノ酸配列の49〜60番目からなるペプチドや38〜48番目を認識するヒトSAA3モノクローナル抗体を得ることができる。また、これらのペプチドとしては大腸菌等に発現させたものでも合成ペプチドの何れでも良いが、糖鎖等の問題から合成ペプチドが好ましい。
上記ペプチドと結合される生体高分子化合物としては、例えば、牛血清アルブミン、スカシガイ由来ヘモシアニン、卵白アルブミン等が挙げられる。
上記ペプチドと生体高分子化合物との結合は、例えば、カルボジイミド法、マレイミド法等の公知の結合方法で行うことができる。
上記のようにして得られる上記ペプチドと生体高分子化合物との結合物は生理食塩水等の溶媒に溶解後、ポリビニルピロリドンを添加して攪拌後、コンプリートフロイントアジュバントと混合し、アジュバントとする。
このアジュバントを常法に従って、ウサギ、マウス等の動物に皮下投与等で、1回ないし複数回、2〜3週間隔で投与し、数ヶ月間免疫する。免疫後に動物の抗体価が25〜10程度になったら免疫を終了する。
上記のようにして免疫を終了した動物から、常法に従って、血液を採取して、血清を分離し、抗体画分を精製すればヒトSAA3抗体を得ることができる。
また、常法に従い、前記結合物でマウスを免疫して得られた脾臓細胞と、ミエローマ細胞とを、ポリエチレングリコールで融合させてハイブリドーマを作製し、そのハイブリドーマをスクリーニングすることによってヒトSAA3モノクローナル抗体を得ることもできる。
このハイブリドーマを、ヒトSAA3やその部分ペプチドからなるペプチド等を用い、常法に従って、スクリーニングすればよい。スクリーニングに用いられる部分ペプチドとしては、ヒトSAA3に特異的な配列(配列番号1で示されるヒトSAA3のアミノ酸配列の49〜60番目)が挙げられる。
上記のようにして得られる、ヒトSAA3モノクローナル抗体のうち、特に配列番号1で示されるヒトSAA3のアミノ酸配列の49〜60番目からなるペプチドを認識するヒトSAA3モノクローナル抗体(以下、「h−SAA3−3−1抗体」という)を産生するハイブリドーマをh−SAA3−3−1と名付けて2009年8月28日付で、独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(日本国茨城県つくば市東1丁目1番地中央第6:郵便番号305−8566)に国際寄託(FERM BP−11176)した。
斯くして得られる本発明のヒトSAA3抗体は、ヒトSAA3に結合する。そのため、ヒトの血液、血清、尿、組織等のヒト検体に、本発明のヒトSAA3抗体を作用させることにより、ヒト検体中のヒトSAA3を検出・測定することができる。また、本発明のヒトSAA3抗体として特にh−SAA3−3−1抗体を用いた場合には、ヒト検体中のヒトSAA3と特異的に結合するため、精度よい検出・測定ができる。
ヒト検体中のヒトSAA3を検出・測定する方法としては、RIA法、ELISA法、蛍光抗体法、凝集法等の通常の免疫化学的測定法において使用されている種々の方法を用いることができる。これらの方法において本発明のヒトSAA3抗体とヒトSAA3の結合手段としては、直接吸着法、サンドイッチ法、競合法を利用できる。
具体的に、ヒト検体中のヒトSAA3を本発明のヒトSAA3抗体で検出・測定する方法を説明する。まず、常法に従い作製したヒトSAA3のポリクローナル(ウサギ等のポリクローナル抗体、マウス以外の抗体)抗体を、プレートまたはマイクロパーティクルに固相し、次いで、ヒト検体を固相のヒトSAA3抗体に反応させる。洗浄後、2次抗体であるヒトSAA3抗体を固相のヒトSAA3と反応させる。2次抗体にはHRP、ALP、RI等を直接標識して用いるか、標識せずそのまま使用して、その後、更に、抗マウスIgG等の3次抗体をHRP、ALP、RI等で標識して測定する。測定方法はそれぞれの感度によりRI法、発色法、蛍光法、発光法、金コロイド法等を適宜選択すればよい。
また、上記検出・測定ができるように、本発明のヒトSAA3抗体をプレートまたはマイクロパーティクル等に常法に従って、標識化、固相化等することによりヒトSAA3の検出・測定キットとすることができる。
具体的なヒトSAA3の検出・測定キットとしては、抗体固相プレートまたはマイクロパーティクル、洗浄用容液、本発明のヒトSAA3抗体、抗マウスIgG標識抗体、発色剤、反応停止液を含有するものが挙げられる。
これらヒトSAA3を検出・測定方法やキットを利用することにより、ヒト検体中のヒトSAA3濃度を0.1〜10ng/mLの感度で検出・測定することができる。
更に、ヒトSAA3の発現が癌患者、特に脳、肝、肺等に転移した癌患者特有であったことから、上記ヒトSAA3の検出・測定方法やキットで、ヒト検体中のヒトSAA3を検出・測定することにより、癌や癌の転移の診断をすることができる。
具体的に癌の診断は、健常者(癌と診断されていない癌患者を含む)の血清、尿等のヒト検体中に、ヒトSAA3が検出されることより行われる。また、癌の転移の診断も、癌患者の血清、尿等のヒト検体中に、ヒトSAA3が検出されることにより行われる。なお、癌が肺に転移した癌患者のヒトSAA3濃度は、癌が肺以外の部位に転移した癌患者よりもかなり高くなっていた。そのため、癌患者のヒトSAA3濃度を上記ヒトSAA3の検出・測定方法やキットで定期的にモニターしておき、その濃度が高くなってきたとき、癌の肺への転移の予兆があるまたは癌が肺に転移したと診断することができる。
また更に、マウスSAA3抗体が癌の転移を抑制することが知られている(非特許文献1)。そのため、本発明のヒトSAA3抗体も、癌患者に投与し、血液、血清、組織等の生体内のヒトSAA3と前記抗体と結合させることにより、ヒトSAA3のTLR4に対する効果を阻害することができるため、ヒトの癌の転移を含む癌の浸潤抑制剤等の癌治療剤や癌治療方法に用いることができる。ここで癌の転移を含む癌の浸潤とは、癌自体の周辺組織への拡がり、癌の転移、癌の転移が既に見つかっている場合に次から次へと起きる癌の転移の進行をいう。なお、上記したように、癌が肺に転移した癌患者のヒトSAA3濃度は、癌が肺以外の部位に転移した癌患者よりもかなり高くなることから、本発明のヒトSAA3抗体は特に癌の肺への転移を抑制することができる。
上記した癌治療剤や治療方法に用いる本発明のヒトSAA3抗体として特にh−SAA3−3−1抗体を用いた場合には、ヒト検体中またはヒト生体内のヒトSAA3と特異的に結合するため、効率のよい癌治療剤や治療方法を提供できる。
本発明のヒトSAA3抗体を、ヒトの癌の転移を含む癌の浸潤抑制等の癌の治療剤に用いる場合には、上記のようにしてヒト以外の動物から得られる抗体を遺伝子工学的に改変してキメラ抗体、ヒト化抗体、完全ヒト抗体およびそれらの抗体断片として用いることが好ましい。
ここでキメラ抗体とは、上記動物の抗体の定常領域をヒトの抗体の定常領域に代えたものである。このキメラ抗体は、例えば、コー等の文献(Co MS and Queen C, Humanized antibodies for therapy, Nature 351.501(1991))に記載の方法に基づいて作製することができる。
また、ヒト化抗体とは、上記動物の抗体のヒトSAA3の結合領域をヒトの抗体の結合領域に代えたものである。このヒト化抗体は、例えば、ライヒマン等の文献(L. Riechmann, M. Clark, H. Waldmann, G. Winter, Reshaping human antibodies for therapy. Nature 332. 323(1998))に記載の方法に基づいて作製することができる。
更に、完全ヒト抗体とは、ヒトが産生する抗体と同様の抗体である。この完全ヒト抗体は、例えば、グリーン等の文献(Green LL, Hardy MC, Maynard-Currie CE et al, Antigen-specific human monoclonal antibodies from mice engineered with human Ig heavy and light chain YACs, Nature Genetics 7. 13(1994))に記載の方法に基づいて作製することができる。
また更に、抗体断片とは、上記抗体を酵素等で断片化したものであり、例えば、Fv、FabやF(ab')2等のヒトSAA3の結合領域は保持したものが挙げられる。
なお、上記したキメラ抗体、ヒト化抗体、完全ヒト抗体およびそれらの抗体断片については、各種会社より受託サービスが提供されているのでこちらを利用することもできる。
上記の各種抗体は、必要によりさらに精製された後、常法に従って製剤化すればよい。この癌治療剤の剤形としては、注射剤等の非経口の剤形が挙げられる。この癌治療剤は、静脈内投与等で投与することが好ましい。製剤化にあたっては、上記剤形に適した公知の医薬用の担体、添加剤等を用いることができる。
上記癌治療剤として本発明のヒトSAA3抗体を用いる場合に、その投与量は癌患者の癌の種類、年齢、体格、性別等や、抗体の性質等により一概にはいえないが、本発明のヒトSAA3抗体、例えば、1日あたり5〜100mg/ヒト、好ましくは2〜10mg/ヒトである。
以下、本発明を実施例を挙げて詳細に説明をするが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
実 施 例 1
ヒトSAA3モノクローナル抗体の作製:
配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるヒトSAA3の38〜60番目の合成ペプチド(オペロン社より入手)(以下、このペプチドを「23−SAA3」という)にキャリアタンパクとして卵白アルブミン(OVA)をEMCS(マレイミド法)によりコンジュゲーションして、OVA合成ペプチドを得た。
ヒトSAA3モノクローナル抗体の作製:
配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるヒトSAA3の38〜60番目の合成ペプチド(オペロン社より入手)(以下、このペプチドを「23−SAA3」という)にキャリアタンパクとして卵白アルブミン(OVA)をEMCS(マレイミド法)によりコンジュゲーションして、OVA合成ペプチドを得た。
このOVA合成ペプチド2mgを0.3mlの生理食塩水に溶解後、50%ポリビニルピロリドン(PVP)0.6mlを加え、攪拌後、コンプリートフロイントアジュバント1.1mlを加え、オムニミキサー(OmniMixer:50,000回転)で軟膏状のアジュバントを得た(A. Arimura, H. Sato, T. Kumasaka, et al., Production of Antiserum to LH-RH-Releasing Hormone(LH-RH)Associated with Conadal Atrophy in Rabbits: Development of Radio-immunoassays for LH-RH, Endocrinology. 93 1092(1973))。
上記で得られたアジュバントを、マウス(3匹)に0.2mlずつ皮下投与した。投与は1、3および5週目と行い、3回投与後にマウスの尾より少量採血し、抗体価の測定を行った。抗体価の上昇がみられたマウスを再び免疫し(ブースター)、免疫後3日で脾臓を摘出した。摘出した脾臓細胞とミエローマ細胞(P3X63Ag8・U1(P3U1))とをポリエチレングリコールで融合させた。その後、HAT培地200mlに細胞を分散し、96ウェルマイクロプレート10枚にそれぞれ100μlずつ分注した。融合後、10および15日目に23−SAA3固相によるELISA法によってアッセイを行った。
その結果、23−SAA3に明らかな陽性であったものは15個であった。そのハイブリドーマ細胞を24ウェルプレートにそれぞれ移し、2回目のアッセイを行った。最終的に強い抗体価を示す5個の細胞を選抜した。
次に、これら5個のハイブリドーマ細胞をメチルセルロース培地下でリクローニングし、モノクローナル抗体のハイブリドーマ細胞を得た。
上記で得た5個のハイブリドーマ細胞をRPMI1640培地FCS10%加で培養してヒトSAA3モノクローナル抗体を5種産生させた。固相(マイクロプレート10ng/well)に23−SAA3、配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるヒトSAA3の49〜60番目の合成ペプチド(オペロン社より入手)(以下、このペプチドを「12−SAA3」という)、マウスSAA1の合成ペプチド(以下、このペプチドを「合成ペプチド」という)を結合させたものを用いて5種のヒトSAA3モノクローナル抗体の反応性を調べた。固相のブロッキングには、TBS−T(10%HS含有)溶液で行い、二次抗体の希釈はTBS−T(IgG+IgM)溶液で行った。また、陽性コントロールとしては、マウス血清を50倍に希釈したものを用いた。更に、測定装置としてはサーモフィッシャー社マルチスキャンJXを用いた。これらの結果を表1に示した。また、これらの抗体のサブクラスを マウスモノクローナルアイソタイピングテストキット(HyCult biotechnology)で決定した。この結果を表2に示した。
この結果より、抗体No.1、3、6および7は、ヒトSAA3のN末端領域の12−SAA3を特異的に認識するモノクローナル抗体であることがわかった。一方、抗体No.9は12−SAA3を認識せずに23−SAA3を認識することから、配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるヒトSAA3の38〜48番目を特異的に認識するモノクローナル抗体であることがわかった。また、全ての抗体のサブクラスがIgGであることがわかった。
比 較 例 1
ヒトSAA3モノクローナル抗体の作製:
配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるヒトSAA3の49〜60番目の合成ペプチド(オペロン社より入手)(以下、このペプチドを「12−SAA3」という)にキャリアタンパクとして卵白アルブミン(OVA)をEMCS(マレイミド法)によりコンジュゲーションして、OVA合成ペプチドを得た。このOVA合成ペプチド2mgを0.3mlの生理食塩水に溶解後、50%ポリビニルピロリドン(PVP)0.6mlを加え、攪拌後、コンプリートフロイントアジュバント1.1mlを加え、オムニミキサー(OmniMixer:50,000回転)で軟膏状のアジュバントを得た。上記で得られたアジュバントを、マウス(3匹)に0.2mlずつ皮下投与した。投与は2〜3週間の間隔で6〜8ヶ月にわたり行ったが、わずかな抗体価の上昇がみられただけであった。また数種類のアジュバントTiterMax Gold (CytRx Corporation)等に変えてみたが効果は見られなかった。長期間にわたる免疫感作のため、細胞融合時には脾臓に繊維化がみられ、良好な細胞が少なく陽性のハイブリドーマを得ることができなかった。
ヒトSAA3モノクローナル抗体の作製:
配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるヒトSAA3の49〜60番目の合成ペプチド(オペロン社より入手)(以下、このペプチドを「12−SAA3」という)にキャリアタンパクとして卵白アルブミン(OVA)をEMCS(マレイミド法)によりコンジュゲーションして、OVA合成ペプチドを得た。このOVA合成ペプチド2mgを0.3mlの生理食塩水に溶解後、50%ポリビニルピロリドン(PVP)0.6mlを加え、攪拌後、コンプリートフロイントアジュバント1.1mlを加え、オムニミキサー(OmniMixer:50,000回転)で軟膏状のアジュバントを得た。上記で得られたアジュバントを、マウス(3匹)に0.2mlずつ皮下投与した。投与は2〜3週間の間隔で6〜8ヶ月にわたり行ったが、わずかな抗体価の上昇がみられただけであった。また数種類のアジュバントTiterMax Gold (CytRx Corporation)等に変えてみたが効果は見られなかった。長期間にわたる免疫感作のため、細胞融合時には脾臓に繊維化がみられ、良好な細胞が少なく陽性のハイブリドーマを得ることができなかった。
比 較 例 2
大腸菌を用いたヒト血清アミロイドA3の発現:
ヒト血清アミロイドA3の遺伝子配列(アクセッションナンバー:AY209188)をクローニングしてベクターpGEX4T−1に組み込み、大腸菌で発現させた。この大腸菌をLB培地で培養した。この大腸菌からヒトSAA3を精製したところ、1mgというごく少量のタンパクしか得られなかった。比較例1に述べた手順でアジュバントを作り2回投与したが、抗体はできず、効率の悪さから実験を中止した。
大腸菌を用いたヒト血清アミロイドA3の発現:
ヒト血清アミロイドA3の遺伝子配列(アクセッションナンバー:AY209188)をクローニングしてベクターpGEX4T−1に組み込み、大腸菌で発現させた。この大腸菌をLB培地で培養した。この大腸菌からヒトSAA3を精製したところ、1mgというごく少量のタンパクしか得られなかった。比較例1に述べた手順でアジュバントを作り2回投与したが、抗体はできず、効率の悪さから実験を中止した。
実 施 例 2
ヒト血清中のヒトSAA3の検出:
実施例1で得られた抗体No.9のヒトSAA3モノクローナル抗体(h−SAA3−3−1抗体)と、以下のサンプルを用いて常法に従ってウエスタンブロットを行った。ウエスタンブロットによる検出はECL PLUSの発光法で行った。その結果を図1に示した。
ヒト血清中のヒトSAA3の検出:
実施例1で得られた抗体No.9のヒトSAA3モノクローナル抗体(h−SAA3−3−1抗体)と、以下のサンプルを用いて常法に従ってウエスタンブロットを行った。ウエスタンブロットによる検出はECL PLUSの発光法で行った。その結果を図1に示した。
<サンプル>
健常者の血清:B3−2、4−2、Y8−2
癌患者の血清:151−2*1、167−2*2、169−2*3
*1血清採取時には癌が脳へ転移していた胃癌患者
*2血清採取時には癌が肝臓へ転移していた大腸癌患者
*3血清採取時には癌が肺へ転移していた胃癌患者
発現タンパク(陽性コントロール):SAA1、SAA2、SAA3*4、SAA4
*4比較例2で得られたもの
健常者の血清:B3−2、4−2、Y8−2
癌患者の血清:151−2*1、167−2*2、169−2*3
*1血清採取時には癌が脳へ転移していた胃癌患者
*2血清採取時には癌が肝臓へ転移していた大腸癌患者
*3血清採取時には癌が肺へ転移していた胃癌患者
発現タンパク(陽性コントロール):SAA1、SAA2、SAA3*4、SAA4
*4比較例2で得られたもの
ウエスタンブロットの結果より、癌患者の3サンプルにヒトSAA3の存在が確認された。また、癌が肺へ転移していた胃癌患者のサンプル(169−2)のヒトSAA3濃度はかなり高かった。このことから、ヒトSAA3は、肺転移が見られる癌患者においては高濃度に発現することがみられ、また(脳や肝)に転移した例ではヒトSAA3の発現が低濃度であったことから、肺転移にはヒトSAA3濃度が関係することがわかった。
実 施 例 3
ヒトSAA3検出・測定キット:
マイクロプレートのウェルに実施例1で得られた抗体No.1、3、6または7のモノクローナル抗体を固相し、ブロッキング−洗浄した。また、実施例1で得られたh−SAA3−3−1抗体をFab処理後、ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)で標識した。前記マイクロプレートおよびHRP標識抗体と、HRPの発色基質である3,3',5,5'−テトラメチルベンチジン(TMB)とを組み合わせてヒトSAA3検出・測定キットを作製した。
ヒトSAA3検出・測定キット:
マイクロプレートのウェルに実施例1で得られた抗体No.1、3、6または7のモノクローナル抗体を固相し、ブロッキング−洗浄した。また、実施例1で得られたh−SAA3−3−1抗体をFab処理後、ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)で標識した。前記マイクロプレートおよびHRP標識抗体と、HRPの発色基質である3,3',5,5'−テトラメチルベンチジン(TMB)とを組み合わせてヒトSAA3検出・測定キットを作製した。
上記で作製したヒトSAA3検出・測定キットのマイクロプレートのウェルに、リコンビナントSAA3または血清(ヒト検体)を加え、室温で1時間反応させる。ウェルを洗浄後、4μg/mLのHRP標識h−SAA3−3−1抗体を加え、室温で1時間反応させる。ウェルを洗浄後、TMBを加え、室温で30分間酵素反応を行い、反応停止後、Abs450を測定する。
本発明のヒトSAA3抗体は、ヒトSAA3に結合するため、ヒトSAA3がヒト生体内においてどのような役割を果たしているのかを研究するのに利用することができる。
また、マウスSAA3が癌に関連していることが示唆されていることから、本発明のヒトSAA3抗体は癌の治療や診断等に利用することができる。
Claims (22)
- ヒト血清アミロイドA3に対するヒト血清アミロイドA3抗体。
- モノクローナル抗体である請求項1記載のヒト血清アミロイドA3抗体。
- 部分アミノ酸配列として、配列番号1で示されるヒト血清アミロイドA3のアミノ酸配列の49〜60番目を含むペプチドと生体高分子化合物とを結合させ、当該結合物で動物を免疫し、当該動物から抗体を採取することにより得られたものである請求項1記載のヒト血清アミロイドA3抗体。
- 生体高分子と結合させるペプチドが、配列番号1で示されるアミノ酸配列の38〜60番目のアミノ酸配列である請求項3記載のヒト血清アミロイドA3抗体。
- 配列番号1で示されるヒト血清アミロイドA3のアミノ酸配列の49〜60番目からなるペプチドを認識するものである請求項1記載のヒト血清アミロイドA3抗体。
- 配列番号1で示されるヒト血清アミロイドA3のアミノ酸配列の38〜48番目からなるペプチドを認識するものである請求項1記載のヒト血清アミロイドA3抗体。
- キメラ抗体である請求項1記載のヒト血清アミロイドA3抗体。
- ヒト化抗体である請求項1記載のヒト血清アミロイドA3抗体。
- 完全ヒト抗体である請求項1記載のヒト血清アミロイドA3抗体。
- 抗体断片である請求項1記載のヒト血清アミロイドA3抗体。
- 部分アミノ酸配列として、配列番号1で示されるヒト血清アミロイドA3のアミノ酸配列の48〜60番目を含むペプチドと生体高分子化合物とを結合させ、当該結合物で動物を免疫し、当該動物から抗体を採取することを特徴とするヒト血清アミロイドA3抗体の製造方法。
- 生体高分子化合物と結合させるペプチドが、配列番号1で示されるアミノ酸配列の38〜60番目のアミノ酸配列である請求項11記載のヒト血清アミロイドA3抗体の製造方法。
- ヒト検体に、ヒト血清アミロイドA3抗体を作用させ、ヒト検体中のヒト血清アミロイドA3を検出・測定することを特徴とするヒト血清アミロイドA3の検出・測定方法。
- ヒト検体に、ヒト血清アミロイドA3抗体を作用させ、ヒト検体中のヒト血清アミロイドA3を検出・測定することを特徴とする癌診断方法。
- 癌の転移を含む癌の浸潤を診断するものである請求項14記載の癌診断方法。
- ヒト血清アミロイドA3抗体を含有することを特徴とするヒト血清アミロイドA3の検出・測定キット。
- 癌の診断用である請求項16記載のヒト血清アミロイドA3の検出・測定キット。
- 癌の転移を含む癌の浸潤診断用である請求項16記載のヒト血清アミロイドA3の検出・測定キット。
- ヒト血清アミロイドA3抗体を有効成分として含有することを特徴とする癌治療剤。
- 癌の転移を含む癌の浸潤抑制用である請求項19記載の癌治療剤。
- 癌患者に、ヒト血清アミロイドA3抗体を投与し、生体内のヒト血清アミロイドA3と前記抗体とを結合させることを特徴とする癌治療方法。
- 癌の転移を含む癌の浸潤を抑制するものである請求項21記載の癌治療方法。
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