JPWO2011034172A1 - シリコン精製方法およびシリコン精製装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本願は、2009年9月18日に日本に出願された特願2009−217117号、2009年9月18日に日本に出願された特願2009−217118号、および2009年9月18日に日本に出願された特願2009−217119号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
一方、非移送型の装置は、プラズマトーチ内にカソード電極とアノード電極を設け、プラズマトーチ内の両電極間に直流電圧を印加してプラズマアークを発生させ、プラズマトーチのアノード電極を兼ねるノズル口から、坩堝内に装填された金属シリコンに向けて、プラズマガスを噴射し、金属シリコンを加熱する(例えば、特許文献1,2参照)。
一方、前記非移送型では、被加熱物にプラズマガスのみを当てる。この際、前記移送型でみられるピンチ効果によるプラズマガスの集束は起こらず、シリコン溶湯表面に当たったプラズマガスは広がる傾向がある。このため、プラズマガスとシリコン溶湯表面との接触面積が広くなり、ボロン等を除去する酸化精製において、ボロン等の除去速度を前記移送型よりも速めて、優れたシリコン精製効率が得られていると考えられている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ボロン等の除去効率に優れ、金属シリコンの精製効率を高められるシリコン精製方法、およびプラズマガスのシリコン溶湯面への接触面積を増やすことができ、金属シリコンの精製効率の向上が図れるシリコン精製装置を提供することを課題とする。
本発明のシリコン精製方法においては、前記シリコン精製装置は、複数のプラズマトーチを備え、前記溶湯面に複数の窪みが形成されるように、複数のプラズマトーチの各々からプラズマガスを吹き付ける。
本発明のシリコン精製方法は、前記溶湯面に回流を発生させる。
本発明のシリコン精製方法は、前記回流の順方向に、前記プラズマガスを吹き付ける。
本発明のシリコン精製方法は、前記複数の窪みを円周上に有する仮想円Aの接線方向に、且つ、該仮想円Aの円周の一方向に揃えて、前記各プラズマトーチから各々プラズマガスを吹き付ける。
本発明のシリコン精製方法は、前記仮想円Aの半径をlと表し、前記仮想円Aと同じ中心を有し、且つ前記溶湯面の外周に内接する仮想円Bの半径をLと表し、前記複数の窪みにおける前記仮想円Aの接線と直交する向きの直径をiと表す場合、下記式(1)の関係が成り立つように、前記複数のプラズマガスを吹き付ける。
本発明のシリコン精製装置は、複数のプラズマトーチを備え、前記複数のプラズマトーチの各々からプラズマガスを噴射することにより、前記溶湯面に複数の窪みを形成し、該複数の窪みに沿って回流を発生させるように、前記複数のプラズマトーチの各々が配置されている。
本発明のシリコン精製装置においては、前記複数のプラズマトーチの各ノズル口の向きが、前記回流の順方向に揃えられている。
本発明のシリコン精製装置においては、前記各プラズマトーチのノズル口の向きが、前記同心円の右回り又は左回りのいずれか一方向に揃えられている。
本発明のシリコン精製装置においては、前記プラズマトーチのノズル口に近い位置には、プラズマ作動ガスの供給口と、前記プラズマ作動ガスの供給口とは異なる酸化性ガスの供給口とが設けられている。
本発明のシリコン精製方法においては、前記坩堝は、黒鉛を主成分として含む材質によって構成されている。
本発明のシリコン精製方法は、前記プラズマガスに添加する前記水蒸気の流量の割合は、該プラズマガスの全流量の15体積%以上40体積%以下である。
本発明のシリコン精製方法は、前記プラズマガスにおけるラジカルリッチ領域が前記溶湯面に位置するように、前記距離を一定に保持して金属シリコンを精製する。
本発明のシリコン精製方法においては、前記距離をLと表し、前記プラズマガスの作動ガス流量をVと表す場合、下記式(2)の関係が成立する。
本発明のシリコン精製装置においては、前記ノズル口に近い位置には、プラズマ作動ガスの供給口と、前記プラズマ作動ガスの供給口とは異なる酸化性ガスの供給口とが設けられている。
(現象A):前記溶湯面において、一方の窪みで生じるシリコン溶湯面の流れ及び該シリコン溶湯面から反射するプラズマガス流が、他方の窪みに達して、該他方の窪みが乱される。
(現象B):前記溶湯面において、窪みで生じるシリコン溶湯面の流れ及び該シリコン溶湯面から反射するプラズマガス流が、前記溶湯面の外周(外縁)に通常存在する坩堝の内壁に跳ね返されて戻ってくることにより、該窪みが乱される。
ここで、ノズル口を溶湯面に投影した各点とは、溶湯面の鉛直方向から見て、ノズル口の位置に対応する溶湯面上の位置を意味する。
また、本発明のシリコン精製方法において、前記プラズマガスに添加する前記水蒸気の流量の割合が該プラズマガスの全流量の15体積%以上40体積%以下である場合、金属シリコン中に含まれる不純物であるボロン(ホウ素)等を十分に酸化することができる。
また、本発明のシリコン精製装置におけるプラズマトーチのノズル口先端(吹き付け口)の近傍に、プラズマ作動ガスの供給口と、プラズマ作動ガスの供給口とは異なる水蒸気の供給口とが備えられている。この場合、プラズマガス中に該水蒸気が効率よく添加されて、該プラズマガス中にラジカル(OHラジカル等)を豊富に含ませることができる。そのラジカルを含むプラズマガスを用いると、シリコン精製効率がより向上する。
また、本発明のシリコン精製方法において、前記プラズマガスにおけるラジカルリッチ領域が溶融状態のシリコンの溶湯面に位置するように、前記プラズマガスを前記溶湯面へ吹き付けて金属シリコンを精製する。これにより、該溶湯面における不純物の酸化反応及び除去が一層促進されて、シリコン精製効率が一層向上する。このとき、前記ノズル口先端の中心と前記溶湯面との距離を一定に保持するので、前記ラジカルリッチ領域を前記溶湯面に精製中常に一定して吹きつけることが可能であり、シリコン精製効率を極めて高くすることができる。
また、本発明のシリコン精製方法において、前記式(2)を満たすように前記プラズマトーチと前記溶湯面との相対的な位置を定めて、この位置を保持して金属シリコンを精製することにより、前記ラジカルリッチ領域を前記溶湯面に十分に位置させることができる。
本発明のシリコン精製装置は、精製中に金属シリコンの蒸発よる溶湯面の降下が進行しても、それに連動してプラズマトーチの位置を降下させたり、坩堝の位置を上昇させたりする駆動部を備えるので、精製中に該溶湯面に吹き付けられるプラズマガスの量、該プラズマガスの溶湯面に対する入射角度、及びプラズマトーチのノズル口先端(吹き付け口)の中心と該溶湯面との距離を一定に保つことが可能であり、その結果、効率的にシリコン精製を行うことができる。
また、本発明のシリコン精製装置におけるプラズマトーチのノズル口先端(吹き付け口)の近傍に、プラズマ作動ガスの供給口と、プラズマ作動ガスの供給口とは異なる酸化性ガスの供給口とが備えられている。この場合、プラズマ炎中に該酸化性ガスが効率よく添加されて、発生するプラズマガス中にラジカルリッチ(ラジカルが豊富な)領域が形成されやすくなる。そのラジカルを含むプラズマガスを用いると、シリコン精製効率がより向上する。
まず、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明のシリコン精製方法に用いることのできるシリコン精製装置1におけるプラズマトーチ10の構成例と、該プラズマトーチ10から噴射されるプラズマガスJを説明する模式断面図である。
プラズマトーチ10は、アノード電極11、カソード電極12、プラズマ作動ガス供給口11a、及び酸化性ガス供給口11bを備える。
プラズマアークPを発生させつつ、プラズマ作動ガス供給口11aからプラズマ作動ガスG1であるアルゴンガスをノズル口11cへ供給することにより、プラズマガスを伴うプラズマ炎5がノズル口11cから噴射される。
上記の方法の他に、プラズマトーチ10とは別体の水蒸気供給装置(酸化性ガスG2)のノズルを、プラズマガスへ向けて配置し、該プラズマガス中へ水蒸気を添加する方法を用いてもよい。
なお、プラズマガスJにおけるラジカル濃度分布は、例えばイメージインテンシファイア及びCCD素子を搭載した高速ゲートカメラ等を用いた光学的測定法により調べることができる。
なお、本明細書において、プラズマガスJの吹き付けによって溶湯面18bに形成された窪み18aにおける溶湯面18bの高さ位置に形成される平面形状を略楕円形という。前記略楕円形は、該略楕円形を近似する完全な楕円形を含む。
前記酸化性ガスG2としては、金属シリコン18中の不純物の除去効率が高く、取り扱いが比較的容易で、安全性も高いことから、水蒸気が好ましい。
また、前記複数のプラズマトーチ10のそれぞれが噴射するプラズマガスJの流量(プラズマ作動ガスG1の流量)、及びプラズマガスJに添加する水蒸気量(酸化性ガスG2の量)としては、それぞれ独立に異なっていてもよいし、同一であってもよい。
このように吹き付けた場合、前記溶湯面18bにおいてシリコン溶湯18を攪拌する流れを起こすことがより容易となり、さらに溶湯面18bのシリコンがプラズマガスJの加熱によって対流して起こる攪拌効果をより一層高めることができる。また、前記溶湯面18bにおいて、前記仮想円Aの中心付近に中心を有する回流を起こし易くすることができる。この結果、シリコン溶湯18全体の攪拌が一層起こり易くなり、シリコン精製効率を一層向上させることができる。
また、前記溶湯面に形成される前記略楕円形の複数の窪み18aのうち、全ての窪み18aが前記仮想円Aの円周上に位置することが好ましいが、一部の窪み18aが前記仮想円Aの円周上に位置していなくともよい。
図3Aでは、二つのプラズマトーチ10の各ノズル口を溶湯面18b(図では紙面に相当)に投影した各点を円周上に有する仮想円F(不図示)と、各プラズマトーチ10から各々プラズマガスJを噴射したことにより前記溶湯面18bに形成される複数の窪み(不図示)を円周上に有する仮想円A(図では符号7)とが、同心円になるように、各プラズマトーチ10のノズル口が配置されている。そして、該仮想円Aの接線方向に、且つ、その円周に対して右回りの方向に揃えて、各々プラズマガスJが吹き付けられている。
このように各プラズマトーチを配置して各々プラズマガスJを吹き付けることにより、前記仮想円A上の前記複数の窪みに沿った右回りの回流を発生させることができる。
このように各プラズマトーチを配置して各々プラズマガスJを吹き付けることにより、前記仮想円A上の前記複数の窪みに沿った右回りの回流を発生させることができる。
このように各プラズマトーチを配置して各々プラズマガスJを吹き付けることにより、前記仮想円A上の前記複数の窪みに沿った右回りの回流を発生させることができる。
なお、前記坩堝15が例えば四角形であって、溶湯面18bの外周が四角形である場合は、前記仮想円Bは該四角形に内接する円である。また、前記仮想円Bは、前記溶湯面の外周の1点以上で内接していればよく、必ずしも複数の点で内接していなくてもよい。
(現象A):前記溶湯面18bにおいて、一方の略楕円形の窪み18aで生じるシリコン溶湯面18bの流れ及び該溶湯面18bから反射するプラズマガス流が、他方の略楕円形の窪み18aに達して、該他方の窪み18aが乱される。
(現象B):前記溶湯面18bにおいて、略楕円形の窪み18aで生じるシリコン溶湯面18bの流れ及び該溶湯面18bから反射するプラズマガス流が、前記溶湯面18bの外周(外縁)に通常存在する坩堝15の壁に跳ね返されて戻ってくることにより、該略楕円形の窪み18aが乱される。
また、上記式(3)を満たす場合であっても、前記仮想円Aにおける各窪み18aが互いに近い距離にある場合は、上記(現象A)の外乱が起こりうる。この外乱を防ぐために、略楕円形の各窪み18aの長軸と短軸との交点は、前記仮想円Aの円周上において、互いに外乱を与え合わないよう十分な距離を保って離れることが好ましく、各交点間の距離が等しい(すなわち、円周上の各交点で挟まれた各弦の長さが全て等しい)ことがより好ましい。
前記係数aが上記範囲の下限値未満であると、プラズマガスJ及びラジカルリッチ領域Rが溶湯面18bよりも深過ぎる位置に到達して、シリコン18の溶湯を周囲に飛散させる恐れがあり、十分な酸化精製を行うことが難しくなる。
一方、前記係数aが上記範囲の上限値を超えると、プラズマガスJ及びラジカルリッチ領域Rが溶湯面18bに十分に到達せず、酸化精製を効率よく行うことが難しくなる。
なお、上記ではプラズマトーチ10を移動させる場合について説明したが、坩堝15を上方へ移動することによっても、前記距離Dを一定に保つことができ、同様の効果が得られる。この場合は、坩堝15を移動するための別の駆動部が必要となる。
また、酸化性ガスG2(水蒸気)の添加後のトーチ出力は、精製する金属シリコンの質量1kg当たりで、3kW/kg以上30kW/kg以下の範囲内に設定することが望ましい。
実施例1〜13及び比較例1〜2では、図5に示すシリコン精製装置1を用いて、金属シリコン母材の精製を行った。
まず、ボロン(ホウ素)を10ppmの濃度で含有する金属シリコン母材20kgを黒鉛坩堝に入れ、誘導加熱で溶解した。形成された円形のシリコン溶湯面の半径は300mmであった。
つぎに、溶湯温度を1750℃に保持し、出力100kWのプラズマトーチ1本より発生させた非移送型のプラズマ作動ガスの流量を100L/分に設定して、添加する水蒸気の流量は42.9L/分として設定し、シリコン溶湯面とプラズマガスとの成す角が50度となるように、プラズマガスを吹き付けた。このとき、プラズマガスを溶湯面の中心と同一の中心を持つ半径150mmの仮想円の接線方向へ吹き付けて、シリコン溶湯面に短径が約35mmの略楕円形の窪みが形成されるようにプラズマトーチの位置を調節し、さらに、プラズマガスのラジカルリッチ領域が溶湯面に充分あたるように、プラズマトーチの吹き付け口と溶湯面との距離を調節した。
また、プラズマ作動ガスとしては、Arガスを使用し、プラズマトーチの酸化性ガス供給口から添加した水蒸気の流量は、プラズマガスの全流量(142.9L/分)の30体積%の割合とした。
プラズマガスを吹き付けて精製を行う間に、溶融したシリコンが徐々に蒸発して溶湯面が下がるので、その溶湯面の降下を監視し、それに連動してプラズマトーチの位置を下げることにより、プラズマトーチと溶湯面との距離を適宜調整しつつ金属シリコンの精製を行った。
前記サンプリングで得たシリコン中のボロン濃度をICP−MSによって測定した。その結果を表1に示す。
まず、ボロン(ホウ素)を10ppmの濃度で含有する金属シリコン母材20kgを黒鉛坩堝に入れ、誘導加熱で溶解した。形成された円形のシリコン溶湯面の半径は300mmであった。
つぎに、溶湯温度を1750℃に保持し、出力100kWのプラズマトーチ3本より発生させた非移送型のプラズマ作動ガスの流量をそれぞれ100L/分に設定して、添加する水蒸気の流量は、それぞれ42.9L/分として設定し、シリコン溶湯面と各プラズマガスとの成す角が、下記表2及び3に記載の角度となるように、それぞれプラズマガスを吹き付けた。このとき、各プラズマガスを溶湯面の中心と同一の中心を持つ半径150mmの仮想円の接線方向へ吹き付けて、そのシリコン溶湯面における仮想円の円周上に短径が約35mmの略楕円形の窪みが等間隔で3個形成されるように(図4と同様)、各プラズマトーチのノズル口を前記仮想円と同心円状に等間隔で配置し(図3Bと同様)、さらに、プラズマガスのラジカルリッチ領域が溶湯面に充分あたるように、各プラズマトーチの吹き付け口と溶湯面との距離を調節した。その際、3本のプラズマトーチによる各プラズマガスは、シリコン溶湯面の前記仮想円の接線に対して順方向(右回り方向)に揃えて吹き付けた。
また、プラズマ作動ガスとしては、Arガスを使用し、プラズマトーチの酸化性ガス供給口から添加した水蒸気の流量は、プラズマガスの全流量(142.9L/分)の30体積%の割合とした。
プラズマガスを吹き付けて精製を行う間に、溶融したシリコンが徐々に蒸発して溶湯面が下がるので、その溶湯面の降下を監視し、それに連動してプラズマトーチの位置を下げることにより、プラズマトーチと溶湯面との距離を保持しつつ金属シリコンの精製を行った。
各精製の開始後、60分後にサンプリングを実施して、精製を終了した。
前記サンプリングの実施で得たシリコン中のボロン濃度をICP−MSによって測定した。その結果を表2、3及び図6に示す。
さらに、前記成す角はシリコン精製効率を高める観点から、30度以上70度以下がより好適であり、40度以上60度以下がさらに好適であり、45度以上55度以下が特に好適であることが確認された。
まず、ボロン(ホウ素)を10ppmの濃度で含有する金属シリコン母材20kgを黒鉛坩堝に入れ、誘導加熱で溶解した。形成された円形のシリコン溶湯面の半径は300mmであった。
つぎに、溶湯温度を1750℃に保持し、出力100kWのプラズマトーチ3本より発生させた非移送型のプラズマガスの流量をそれぞれ100L/分に設定して、添加する水蒸気の流量は、それぞれ42.9L/分として設定し、シリコン溶湯面と各プラズマガスとの成す角が60度となるように、それぞれプラズマガスを吹き付けた。このとき、各プラズマガスを溶湯面の中心と同一の中心を持つ、表4に示す半径の仮想円の接線方向へ吹き付けて、そのシリコン溶湯面における仮想円の円周上に短径が約35mmの略楕円形の窪みが等間隔で3個形成されるように(図4と同様)、各プラズマトーチのノズル口を前記仮想円と同心円状に等間隔で配置し(図3Bと同様)、さらに、プラズマガスのラジカルリッチ領域が溶湯面に充分あたるように、各プラズマトーチの吹き付け口と溶湯面との距離を調節した。その際、3本のプラズマトーチによる各プラズマガスは、シリコン溶湯面の前記仮想円の接線に対して順方向(右回り方向)に揃えて吹き付けた。
また、プラズマ作動ガスとしては、Arガスを使用し、プラズマトーチの酸化性ガス供給口から添加した水蒸気の流量は、プラズマガスの全流量(142.9L/分)の30体積%の割合とした。
プラズマガスを吹き付けて精製を行う間に、溶融したシリコンが徐々に蒸発して溶湯面が下がるので、その溶湯面の降下を監視し、それに連動してプラズマトーチの位置を下げることにより、プラズマトーチと溶湯面との距離を保持しつつ金属シリコンの精製を行った。
各精製の開始後、60分後にサンプリングを実施して、精製を終了した。
前記サンプリングの実施で得たシリコン中のボロン濃度をICP−MSによって測定した。その結果を表4及び図6に示す。
また、各条件で行った精製の際に、シリコン溶湯面に形成される略楕円形の窪みが坩堝の壁面(溶湯面の淵)によって干渉を受ける場合があった。このような干渉が起きた場合を記号「×2」、干渉が起きなかった場合を記号「○」として、表4にその結果を併記する。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図8は、本発明のシリコン精製方法に用いることのできるシリコン精製装置1におけるプラズマトーチ10の構成例と、該プラズマトーチ10から噴射されるプラズマガスJを示す模式断面図である。
プラズマトーチ10は、アノード電極11、カソード電極12、プラズマ作動ガス供給口11a、及び水蒸気供給口11bを備える。
プラズマアークPを発生させつつ、プラズマ作動ガス供給口11aからプラズマ作動ガスG1であるアルゴンガスをノズル口11cへ供給することにより、プラズマガスを伴うプラズマ炎5がノズル口11cから噴射される。
上記の方法の他に、プラズマトーチ10とは別体の水蒸気供給装置のノズルを、プラズマガスへ向けて配置し、該プラズマガス中へ水蒸気を添加する方法をとってもよい。
なお、プラズマガスJにおけるラジカル濃度分布は、例えばイメージインテンシファイア及びCCD素子を搭載した高速ゲートカメラ等を用いた光学的測定法により調べることができる。
ノズル口11cは坩堝15に向けられて、該ノズル口11cから噴射されるラジカルを含むプラズマガスJが、溶融状態の金属シリコン18の溶湯面18bに吹き付けられている。プラズマガスJが吹き付けられた溶湯面18bには、窪み18aが形成されている。
また、プラズマ作動ガスG1として、Arガスに水素ガスを混合した混合ガスを用いることによっても、前記窪み18aの表面における不純物の酸化および除去が促進される。該混合ガスを用いた場合にも、水蒸気G2を添加することにより、一層精製効率を高めることができる。
金属シリコン18の母材としては、太陽電池の光電変換素子に用いられるシリコン母材が好適である。該シリコン母材は、通常10ppm程度のボロンを不純物として含有しており、ボロン濃度が0.3ppm以下になるように金属シリコンを精製することが望ましい。
前記坩堝15の材質における黒鉛の含有量としては、60質量%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、95%以上がさらに好ましく、100%であってもよい。
前記金属シリコン溶湯温度としては、シリコン精製効率を向上させる観点から、1700℃以上1900℃以下の範囲のうち、1750℃以上1900℃以下が好ましく、1750℃以上1850℃以下がより好ましく、1750℃以上1800℃以下がさらに好ましい。
シリコン精製時のシリコンの溶湯の温度は、1700℃以上1900℃以下とする。
この際、水蒸気G2を水蒸気供給口11bから、プラズマガスJの全流量の、15体積%以上40体積%以下を占める割合で添加する。
前記係数aが上記範囲の下限値未満であると、プラズマガスJ及びラジカルリッチ領域Rが溶湯面18bよりも深過ぎる位置に到達して、シリコン18の溶湯を周囲に飛散させる恐れがあり、十分な酸化精製を行うことが難しくなる。
一方、前記係数aが上記範囲の上限値を超えると、プラズマガスJ及びラジカルリッチ領域Rが溶湯面18bに十分に到達せず、酸化精製を効率よく行うことが難しくなる。
なお、上記ではプラズマトーチ10を移動させる場合について説明したが、坩堝15を上方へ移動することによっても、前記距離Dを一定に保つことができ、同様の効果が得られる。この場合は、坩堝15を移動するための別の駆動部が必要となる。
実施例14〜17、及び比較例3では、図10に示すシリコン精製装置1を用いて、金属シリコン母材の精製を行った。
まず、ボロン(ホウ素)を10ppmの濃度で含有する金属シリコン母材5kgを黒鉛坩堝(黒鉛含有量99%)に入れ、誘導加熱で溶解した。
つぎに、溶湯温度を1750℃に保持し、出力100kWのプラズマトーチより発生させた非移送型のプラズマ作動ガスの流量を100L/分として設定し、添加する水蒸気の流量は33.3L/分として設定し、プラズマガスのラジカルリッチ領域が溶湯面の高さに位置するように吹き付けた。また、プラズマ作動ガスとしてArガスを使用した。プラズマトーチの酸化性ガス供給口から添加した水蒸気の流量は、プラズマガスの全流量(133.33L/分)の25体積%の割合とした。
前記サンプリングで得たシリコン中のボロン濃度をICP−MSによって測定した。その結果を表5に示す。なお、表5では、ボロンの除去度合を以下の基準で評価した。
実施例14における前記プラズマガスへの水蒸気の添加量を、10、15、20、25、30、40、45体積%に変更した以外は、実施例14と同じ条件でシリコン精製を行った。
各精製の開始後、60分後にサンプリングを実施して、精製を終了した。
前記サンプリングの実施で得たシリコン中のボロン濃度をICP−MSによって測定した。その結果を表6及び図11に示す。なお、表6では、ボロンの除去度合を前記基準で評価した。
一方、比較例3では添加水蒸気量が少ないために精製効率が劣ることが確認された。また、比較例4では添加水蒸気量が多いためにSiO2を含む粉が発生して、それが炉体(前記坩堝周辺及びプラズマトーチ)に付着して、さらにシリコン溶湯に汚染物として混入してしまうことがあった。
実施例14における前記プラズマガスのプラズマ作動ガスとして、Arガス及び水素ガスをそれぞれ100L/分で供給し、その混合ガスの流量を200L/分として設定した以外は、実施例14と同じ条件でシリコン精製を行った。
なお、プラズマトーチの酸化性ガス供給口から添加した水蒸気の流量は66.6L/分であり、プラズマガスの全流量(Arガスの流量と水素ガスの流量と水蒸気の流量の和)の25体積%の割合とした。
前記サンプリングで得たシリコン中のボロン濃度をICP−MSによって測定した。その結果を表7に示す。なお、表7では、ボロンの除去度合を前記基準で評価した。
実施例1における前記溶湯温度を、表8に示すように、1650℃〜1950℃に変更した以外は、実施例14と同じ条件でシリコン精製を行った。
各精製の開始後、60分後にサンプリングを実施して、精製を終了した。
前記サンプリングの実施で得たシリコン中のボロン濃度をICP−MSによって測定した。その結果を表8及び図12に示す。なお、表8では、ボロンの除去度合を前記基準で評価した。
一方、前記シリコン溶湯温度が1650℃ではシリコン溶湯温度が低いために、シリコン溶湯表面にSiO2を含む被膜が形成され易くなって精製効率が劣ることが確認された。また、前記シリコン溶湯温度が1950℃ではシリコン溶湯温度が高いためにSiO2を含む粉が発生して、それが炉体(前記坩堝周辺及びプラズマトーチ)に付着して、さらにシリコン溶湯に汚染物として混入してしまうことがあった。
実施例14で用いた黒鉛製の坩堝を、石英製の坩堝に変更した以外は、実施例14と同じ条件でシリコン精製を行った。
前記プラズマガスによる精製の開始後、20分毎にサンプリングを実施し、60分後のサンプリング後に精製を終了した。
前記サンプリングで得たシリコン中のボロン濃度をICP−MSによって測定した。その結果を表9に示す。
以上の結果から、比較例5ではシリコン溶湯温度が石英の融点(約1650℃)よりも高いために、石英坩堝からSiO2が溶け出して、シリコン溶湯表面にSiO2を含む被膜が形成され易くなって精製効率が劣ることが確認された。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
図13は、本発明のシリコン精製方法に用いることのできるシリコン精製装置1におけるプラズマトーチ10の構成例と、該プラズマトーチ10から噴射されるプラズマガスJを説明する模式断面図である。
プラズマトーチ10は、アノード電極11、カソード電極12、プラズマ作動ガス供給口11a、及び酸化性ガス供給口11bを備える。
プラズマアークPを発生させつつ、プラズマ作動ガス供給口11aからプラズマ作動ガスG1であるアルゴンガスをノズル口11cへ供給することにより、プラズマガスを伴うプラズマ炎5がノズル口11cから噴射される。
なお、プラズマガスJにおけるラジカル濃度分布は、例えばイメージインテンシファイア及びCCD素子を搭載した高速ゲートカメラ等を用いた光学的測定法により調べることができる。
前述の方法の他に、プラズマトーチ10とは別体の水蒸気(酸化性ガスG2)供給装置のノズルを、プラズマガスへ向けて配置し、該プラズマガス中へ水蒸気を添加する方法をとってもよい。
ノズル口11cは坩堝15に向けられて、該ノズル口11cから噴射されるプラズマガスJのラジカルリッチ領域Rが、溶融状態の金属シリコン18の溶湯面18bに位置するように、プラズマトーチ10のノズル口11cの先端の中心から溶湯面18bまでの距離Lが調整されている。ここで、該距離Lはノズル口11cから噴射されるプラズマガスJの方向に見た距離であり、ノズル口11cの先端の中心から溶湯面18bまでの最短距離を必ずしも指していない。すなわち、プラズマガスJが溶湯面18bに対して傾けて噴射される場合は、該距離Lは、該最短距離よりも当然に長くなる。一方、プラズマガスJが溶湯面18bに対して垂直に噴射された場合は、該距離Lは当然に該最短距離となる。
プラズマガスJが吹き付けられた溶湯面18bには、窪み18aが形成されている。
前記酸化性ガスG2としては、金属シリコン18中の不純物(ボロン等)の除去効率が高く、取り扱いが比較的容易で、安全性も高いことから、水蒸気が好ましい。
金属シリコン18の母材としては、太陽電池の光電変換素子に用いられるシリコン母材が好適である。該シリコン母材は、通常10ppm程度のボロンを不純物として含有しており、ボロン濃度が0.3ppm以下になるように金属シリコンを精製することが望ましい。
前記係数aが上記範囲の下限値未満であると、プラズマガスJ及びラジカルリッチ領域Rが溶湯面18bよりも深過ぎる位置に到達して、シリコン18の溶湯を周囲に飛散させる恐れがあり、十分な酸化精製を行うことが難しくなる。
一方、前記係数aが上記範囲の上限値を超えると、プラズマガスJ及びラジカルリッチ領域Rが溶湯面18bに十分に到達せず、酸化精製が効率よく行えない。
なお、上記ではプラズマトーチ10を移動させる場合について説明したが、坩堝15を上方へ移動することによっても、前記距離Lを一定に保つことができ、同様の効果が得られる。この場合は、坩堝15を移動するための別の駆動部が必要となる。
また、酸化性ガスG2(水蒸気)の添加後のトーチ出力は、精製する金属シリコンの質量1kg当たりで、3kW/kg以上30kW/kg以下の範囲内に設定することが望ましい。
実施例26〜27では、図15に示すシリコン精製装置1を用いて、金属シリコン母材の精製を行った。
まず、ボロン(ホウ素)を10ppmの濃度で含有する金属シリコン母材15kgを黒鉛坩堝に入れ、誘導加熱で溶解した。
つぎに、溶湯温度を1750℃に保持し、出力100kWのプラズマトーチより発生させた非移送型のプラズマ作動ガスの流量を100L/分として設定し、添加する水蒸気の流量は33.3L/分として設定し、プラズマガスのラジカルリッチ領域が溶湯面の高さに位置するように吹き付けた。このとき、プラズマトーチの吹き付け口と溶湯面との距離は200mmであった。また、プラズマ作動ガスとしてArガスを使用した。プラズマトーチの酸化性ガス供給口から添加した水蒸気の流量は、プラズマガスの全流量(133.3L/分)の25体積%の割合とした。
プラズマガスの吹き付け中に、溶融したシリコンが徐々に蒸発して溶湯面が下がるので、その溶湯面の降下を監視し、それに連動してプラズマトーチの位置を下げることにより、プラズマトーチのノズル口先端の中心と溶湯面との距離を200mmに保持しつつ、金属シリコンの精製を行った。
前記サンプリングで得たシリコン中のボロン濃度をICP−MSによって測定した。その結果を表10に及び図16に示す。
なお、図16中、記号「●」は実施例26における測定値であり、記号「□」は後述の比較例の測定値である。
まず、ボロン(ホウ素)を10ppmの濃度で含有する金属シリコン母材15kgを黒鉛坩堝に入れ、誘導加熱で溶解した。
つぎに、溶湯温度を1750℃に保持し、出力100kWのプラズマトーチより発生させた非移送型のプラズマ作動ガスの流量Vを、それぞれ50L/分、100L/分、200L/分として設定し、添加する水蒸気の流量を、それぞれ16.7L/分、33.3L/分、66.6L/分として設定し、プラズマガスのラジカルリッチ領域が溶湯面の高さに位置するように吹き付けた。このとき、プラズマトーチの吹き付け口と溶湯面との距離L(mm)が、係数aと該プラズマ作動ガスの流量V(L/分)との積で表される前記式(6)(L=a×V)を満たすようにした。また、プラズマ作動ガスとしてArガスを使用した。プラズマトーチの酸化性ガス供給口から添加した水蒸気の流量は、プラズマガスの全流量(プラズマ作動ガスの流量と添加した水蒸気の流量との和)の25体積%の割合とした。
プラズマガスの吹き付け中に、溶融したシリコンが徐々に蒸発して溶湯面が下がるので、その溶湯面の降下を監視し、それに連動してプラズマトーチの位置を下げることにより、プラズマトーチのノズル口先端の中心と溶湯面との距離を前記式を満たす距離Lに保持しつつ、金属シリコンの精製を行った。
各精製の開始後、120分後にサンプリングを実施して、精製を終了した。
前記サンプリングの実施で得たシリコン中のボロン濃度をICP−MSによって測定した。その結果を表11及び図17に示す。
なお、図17中、記号「△」はプラズマ作動ガス流量Vが50L/分における測定値であり、記号「□」はプラズマ作動ガス流量Vが100L/分における測定値であり、記号「○」はプラズマ作動ガス流量Vが200L/分の測定値である。
まず、ボロン(ホウ素)を10ppmの濃度で含有する金属シリコン母材15kgを黒鉛坩堝に入れ、誘導加熱で溶解した。
つぎに、溶湯温度を1750℃に保持し、出力100kWのプラズマトーチより発生させた非移送型のプラズマ作動ガスの流量を100L/分として設定し、添加する水蒸気の流量は33.3L/分として設定し、プラズマガスのラジカルリッチ領域が溶湯面の高さに位置するように吹き付けた。このとき、精製開始時におけるプラズマトーチのノズル口先端の中心と溶湯面との距離は200mmであった。また、プラズマ作動ガスとしてArガスを使用した。プラズマトーチの酸化性ガス供給口から添加した水蒸気の流量は、プラズマガスの全流量(133.33L/分)の25体積%の割合とした。
プラズマガスの吹き付け中に、溶融したシリコンが徐々に蒸発して溶湯面が下がるが、プラズマトーチの位置は精製開始時の位置を変更せずに固定したままで、金属シリコンの精製を行った。
前記サンプリングの実施で得たシリコン中のボロン濃度をICP−MSによって測定した。その結果を表12及び図16に示す。
なお、図16中、記号「●」は実施例26における測定値であり、記号「□」が比較例の測定値である。
5 プラズマ炎
7 仮想円A
10 プラズマトーチ
11 アノード電極
11a プラズマ作動ガス供給口
11b 酸化性ガス供給口、水蒸気供給口
11c ノズル口
12 カソード電極
13 直流電源
15 坩堝
17 誘導コイル
18 金属シリコン
18a 窪み
18b 溶湯面
21 プラズマトーチ駆動部の台座
22 ボールネジ
23 ベルト
24 モータ
26 トーチホルダー
27 アーム
28 ベルト
29 モータ
θ 仰角
h 長軸
i 短軸
L 坩堝内の溶湯面の半径
l 仮想円の半径
C 仮想円の中心
P プラズマアーク
J プラズマガス、ラジカルを豊富に含むプラズマガス
R ラジカルリッチ領域
G1 プラズマ作動ガス
G2 酸化性ガス、水蒸気
Claims (22)
- 金属シリコンを装填する坩堝とプラズマトーチとを少なくとも備えるシリコン精製装置を用い、
前記坩堝に装填された金属シリコンの溶湯面と前記プラズマトーチから噴射されるプラズマガスとが成す角が20度以上80度以下に設定された状態で、前記溶湯面に向けて、前記プラズマガスを噴射することによって前記金属シリコンを精製する
ことを特徴とするシリコン精製方法。 - 前記シリコン精製装置は、複数のプラズマトーチを備え、前記溶湯面に複数の窪みが形成されるように、複数のプラズマトーチの各々からプラズマガスを吹き付けることを特徴とする請求項1記載のシリコン精製方法。
- 前記溶湯面に回流を発生させることを特徴とする請求項1又は2記載のシリコン精製方法。
- 前記回流の順方向に、前記プラズマガスを吹き付けることを特徴とする請求項3に記載のシリコン精製方法。
- 前記複数の窪みを円周上に有する仮想円Aの接線方向に、且つ、該仮想円Aの円周の一方向に揃えて、前記各プラズマトーチから各々プラズマガスを吹き付けることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか一項に記載のシリコン精製方法。
- 前記仮想円Aの半径をlと表し、
前記仮想円Aと同じ中心を有し、且つ前記溶湯面の外周に内接する仮想円Bの半径をLと表し、
前記複数の窪みにおける前記仮想円Aの接線と直交する向きの直径をiと表す場合、
下記式(1)の関係が成り立つように、前記複数のプラズマガスを吹き付けることを特徴とする請求項5に記載のシリコン精製方法。
- 金属シリコンを装填する坩堝と、
プラズマガスの進行方向を制御する角度制御部を備え、前記坩堝に装填された金属シリコンの溶湯面に向けて前記プラズマガスを噴射するプラズマトーチと、
を含むことを特徴とするシリコン精製装置。 - 複数のプラズマトーチを備え、前記複数のプラズマトーチの各々からプラズマガスを噴射することにより、前記溶湯面に複数の窪みを形成し、該複数の窪みに沿って回流を発生させるように、前記複数のプラズマトーチの各々が配置されていることを特徴とする請求項7に記載のシリコン精製装置。
- 前記複数のプラズマトーチの各ノズル口の向きが、前記回流の順方向に揃えられていることを特徴とする請求項8に記載のシリコン精製装置。
- 複数のプラズマトーチを備え、前記複数のプラズマトーチの各々からプラズマガスを噴射することにより、前記溶湯面に形成される複数の窪みを円周上に有する仮想円Aと、前記各プラズマトーチのノズル口を前記溶湯面に投影した各点を円周上に有する仮想円Fとが、同心円になるように、各プラズマトーチのノズル口が配置されていることを特徴とする請求項7乃至請求項9のいずれか一項に記載のシリコン精製装置。
- 前記各プラズマトーチのノズル口の向きが、前記同心円の右回り又は左回りのいずれか一方向に揃えられていることを特徴とする請求項10に記載のシリコン精製装置。
- 前記坩堝に装填された金属シリコンの溶湯面と、前記各プラズマトーチのノズル口の向きとの成す角が、20度以上80度以下の範囲で設置されていることを特徴とする請求項7乃至請求項11のいずれか一項に記載のシリコン精製装置。
- 前記プラズマトーチのノズル口に近い位置には、プラズマ作動ガスの供給口と、前記プラズマ作動ガスの供給口とは異なる酸化性ガスの供給口とが設けられていることを特徴とする請求項7乃至請求項12のいずれか一項に記載のシリコン精製装置。
- 金属シリコンを装填する坩堝とプラズマトーチとを少なくとも備えるシリコン精製装置を用い、
前記坩堝に装填された金属シリコンの溶湯面に向けて、前記プラズマトーチからプラズマガスを噴射することによって前記金属シリコンを精製し、
前記プラズマガスに水蒸気を添加して前記金属シリコンを精製する際に、前記金属シリコンの溶湯温度を1700℃以上1900℃以下に制御することを特徴とするシリコン精製方法。 - 前記坩堝は、黒鉛を主成分として含む材質によって構成されていることを特徴とする請求項14に記載のシリコン精製方法。
- 前記プラズマガスに添加する前記水蒸気の流量の割合は、該プラズマガスの全流量の15体積%以上40体積%以下であることを特徴とする請求項14又は15に記載のシリコン精製方法。
- 請求項14乃至請求項16のいずれか一項に記載のシリコン精製方法を用いたシリコン精製装置であって、
前記プラズマトーチのノズル口に近い位置には、プラズマ作動ガスの供給口と、前記プラズマ作動ガスの供給口とは異なる水蒸気の供給口とが設けられていることを特徴とするシリコン精製装置。 - 金属シリコンを装填する坩堝とプラズマトーチとを少なくとも備えるシリコン精製装置を用い、
前記坩堝に装填された金属シリコンの溶湯面に向けて、前記プラズマトーチのノズル口からプラズマガスを噴射することによって前記金属シリコンを精製し、
前記ノズル口から噴射されるプラズマガスの方向における前記ノズル口先端の中心から前記溶湯面までの距離を一定に保持することを特徴とするシリコン精製方法。 - 前記プラズマガスにおけるラジカルリッチ領域が前記溶湯面に位置するように、前記距離を一定に保持して金属シリコンを精製することを特徴とする請求項18に記載のシリコン精製方法。
- 前記距離をLと表し、前記プラズマガスの作動ガス流量をVと表す場合、下記式(2)の関係が成立することを特徴とする請求項18又は19に記載のシリコン精製方法。
- 請求項18乃至請求項20のいずれか一項に記載のシリコン精製方法を用いたシリコン精製装置であって、前記距離を制御する駆動部が備えられていることを特徴とするシリコン精製装置。
- 前記ノズル口に近い位置には、プラズマ作動ガスの供給口と、前記プラズマ作動ガスの供給口とは異なる酸化性ガスの供給口とが設けられていることを特徴とする請求項21に記載のシリコン精製装置。
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