JPWO2011027503A1 - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Abstract

放電深度利用範囲を広げてエネルギー密度を向上させることができる非水電解質二次電池を提供する。リチウムイオン二次電池20は、電池容器7内に電極群6が収容されている。電極群6は、正極板W1と負極板W3とがセパレータW5を介して捲回されている。正極板W1は、アルミニウム箔の両面に、正極活物質を含む正極合剤層W2が形成されている。正極活物質の主成分には、リン酸鉄リチウムが用いられている。負極板W3は、圧延銅箔の両面に、負極活物質を含む負極合剤層W4が形成されている。負極活物質には、主成分の黒鉛材と、副成分の非晶質炭素材とが混合され用いられている。正極板W1の正極初期充放電効率e1、負極板W3の負極初期充放電効率e2が、式e2=e1−x(10≦x≦20)の関係を満たしている。正極板W1の高抵抗領域の使用が回避される。

Description

本発明は、非水電解質二次電池に係り、特に、リン酸金属リチウムを正極活物質の主成分とした正極と、黒鉛材を負極活物質の主成分とした負極と、を備えた非水電解質二次電池に関する。
従来、非水電解質二次電池では、正極活物質としてコバルト酸リチウムを用いることが主流となっている。ところが、その原料であるコバルトは産出量が少なく高価なため、コバルト酸リチウムを用いることで電池の生産コストが高くなる。また、コバルト酸リチウムを用いた場合は、充電末期に電池温度が上昇したときの安全性に課題が残されている。
このため、コバルト酸リチウムに代わる正極活物質として、マンガン酸リチウムやニッケル酸リチウム等の検討が進められている。ところが、マンガン酸リチウムでは、十分な放電容量を実現することが難しく、電池温度が高くなるとマンガンが溶出しやすくなる等の問題点を有している。また、ニッケル酸リチウムでは、放電電圧が低くなるとともに、充電末期での熱的安定性が低くなる等の問題点を有している。
これらの問題に対し、コバルト酸リチウムと比較して、発熱量が低く高温時の安定性が高く、金属溶出の生じ難い特性を有するリン酸鉄リチウム(LiFePO)等のオリビン型結晶構造のリン酸金属リチウムがコバルト酸リチウムに代替し得る正極活物質として注目されている。例えば、充放電特性を向上させるために、アルカリ金属を含む(鉄を含まない。)オリビン構造の化合物(特許文献1参照。)、鉄およびアルカリ金属を含むオリビン構造の化合物(特許文献2参照。)、リチウムおよび鉄を含むオリビン構造の化合物(特許文献3参照。)をそれぞれ正極活物質に用いる技術が開示されている。
このようなオリビン型結晶構造を有するリン酸金属リチウムは、一般式がLiMPO(Mは、Co、Ni、Mn及びFeからなる群から選ばれる少なくとも1種類の金属元素である。)で表され、その構成金属元素Mの種類によって電池電圧を任意に設定することができる。また、理論容量が140〜170mAh/g程度と比較的高くなるので、単位質量当たりの電池容量を大きくすることができる、という利点がある。さらには、金属元素Mとして鉄を選定した場合、産出量が多く安価であることから、生産コストを大幅に低減することができる、という利点も有している。
さらに、リン酸鉄リチウムでは、充電状態でリン酸鉄となり、その構造から熱安定性に優れることが知られている。また、充電終止電位がリチウム金属基準の3.6Vでほぼ100%充電することができることから、有機(非水)電解液の主成分として使用される環状カーボネートや鎖状カーボネートの分解電位である4.2V以下で100%充電することができる。このため、有機電解液の分解を抑制することができ、耐久性に優れた正極活物質として期待されている。
しかしながら、リン酸鉄リチウムは、本来イオン伝導体であるNASICON構造を持つために電子伝導性が乏しく、かつ、強固な結晶構造を有している。このため、リチウムイオンの拡散が限定され、一次元の拡散経路しかないためにリチウムイオンの拡散性も乏しくなることが知られている。従って、リン酸鉄リチウムは、抵抗値が高くなるため、電池材料には不向きな材料であった。
これらの問題を解決するために、リン酸鉄リチウムの粒子表面に高導電性の炭素材料を担持させることで電子導電性を向上させるととともに、粒子サイズを1μm以下とし、反応性経路を短縮し、反応速度を高める工夫を加えることで電池材料として機能させる技術が開示されている(例えば、特許文献4、特許文献5参照)。このように粒子形態を改良することで、リン酸鉄リチウムを正極活物質に用いた非水電解質二次電池が実用化されている。更には、高エネルギー密度化や高出力化を図り、4V級の電圧を示すリン酸マンガンリチウムを正極活物質に用いた非水電解質二次電池の開発も進められている。
特開平9−134724号公報 特開平9−134725号公報 特開2001−85010号公報 特開2001−110414号公報 特許第3441107号公報
本発明は、放電深度利用範囲を広げてエネルギー密度を向上させることができる非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
本発明の非水電解質二次電池は、正極と、負極と、非水電解質とを備えた非水電解質二次電池であって、前記正極は、化学式LiMPO(Mは、Fe、Mn、Ni及びCoからなる群から選択される少なくとも1種類の金属元素である。)で表されるリン酸金属リチウムを正極活物質として含み、前記負極は、黒鉛材を負極活物質として含み、前記負極の初期充放電効率e2が、前記正極の初期充放電効率e1に対して、式e2=e1−x(10≦x≦20)の関係を満たすことを特徴とする。
本発明によれば、リン酸金属リチウムの高抵抗領域の使用が回避され、抵抗値上昇が抑制されることから、放電深度の利用範囲を広げてエネルギー密度を向上させることができる。
本発明を適用した実施形態の円筒型リチウムイオン二次電池を示す断面図である。 比較例1の円筒型リチウムイオン二次電池の動作原理を示し、正極活物質にリン酸鉄リチウムを用いた正極板および負極活物質に黒鉛Aを用いた負極板について、対極にリチウム金属を用いたときの正極容量に対する電位変化および負極容量に対する電位変化を示すグラフである。 比較例1の円筒型リチウムイオン二次電池の動作原理を示し、正極板および負極板を用いたモデルセルについて、充電深度に対するセル電圧の変化および放電抵抗値の変化を示すグラフである。 実施例1の円筒型リチウムイオン二次電池の動作原理を示し、正極活物質にリン酸鉄リチウムを用いた正極板および負極活物質に黒鉛Aと非晶質炭素Aとの混合物を用いた負極板について、対極にリチウム金属を用いたときの正極容量に対する電位変化および負極容量に対する電位変化を示すグラフである。 実施例1の円筒型リチウムイオン二次電池の動作原理を示し、正極板および負極板を用いたモデルセルについて、充電深度に対するセル電圧の変化および放電抵抗値の変化を示すグラフである。 正極活物質にリン酸鉄リチウムを用いた正極板について、対極にリチウム金属を用い間欠放電したときの放電容量に対する電位変化を示すグラフである。
リン酸鉄リチウムを正極活物質に用いた正極(以下、リン酸鉄リチウム正極と呼称する。)では、従来用いられているマンガン酸リチウムやコバルト酸リチウムと比較して容量密度が減少する傾向がある。また、充放電の初期および末期に抵抗値が上昇することが知られている。
これらの点について、以下に説明する。
リン酸鉄リチウムでは、スピネル型結晶構造を有するマンガン酸リチウム(LiMn)の放電容量の150%に相当する150〜175mAh/gの放電容量を示すが、その電極密度が約50〜30%低くなるため、容量密度としては同等となる。これは、リン酸鉄リチウムの真密度が3.7g/cmであり、4.0〜4.2g/cmの真密度のスピネル型マンガン酸リチウムと比較して小さいためと考えられる。さらには、反応活性を高めるために小粒子化したこと、導電性を高める目的で真密度が更に小さい炭素材料と複合化したことで、リン酸鉄リチウム正極の充填性が低くなることから、電極密度が1.7〜2.0g/cmの範囲で調整されているためである。リン酸鉄リチウムの容量密度について、コバルト酸リチウム(LiCoO)、マンガン酸リチウム(LiMn)およびアルミニウム・コバルト置換ニッケル酸リチウム(LiNi0.85Co0.10Al0.05)との比較を表1にまとめて示す。ここで、正極の容量密度(mAh/cm)を求めるときの体積は電極体積とした。
Figure 2011027503

表1に示すように、リン酸鉄リチウム正極の容量密度は、既存の正極、つまり、マンガン酸リチウム、コバルト酸リチウム、アルミニウム・コバルト置換ニッケル酸リチウムと比べて、それぞれ、ほぼ同等、30%減、40%減となる。そして、リン酸鉄リチウム正極では、平均電位が3.4Vと原理的に低くなるため、平均電位3.9Vのマンガン酸リチウム、平均電位3.8Vのコバルト酸リチウム、平均電位3.7Vのアルミニウム・コバルト置換ニッケル酸リチウムと比較すると既存の正極の中でエネルギー密度が一番低い材料となる。表1には示していないが、マンガン・コバルト置換ニッケル酸リチウム(LiNi1−x−yCoMn、ここで、0.30≦x≦0.40、0.10≦y≦0.40、0.30≦x+y≦0.80)と比べた場合でも、ニッケル含有率に依存するものの、リン酸鉄リチウムの容量密度は30〜40%減となる。
さらに、リン酸鉄リチウムの充電反応および放電反応の特徴から充放電の初期および末期に抵抗値が上がることが知られている。
図4は、正極活物質にリン酸鉄リチウムを用いた正極板について、対極にリチウム金属を用い間欠放電したときの放電容量に対する電位変化を示すグラフである。
図4に示すように、リン酸鉄リチウムについて対極にリチウム金属を用いた際に、一定時間、一定電流で放電後、一定時間電流を止め、開回路電位を求めた間欠放電曲線では、放電電位とその時点での開回路電位との差が大きいほど抵抗値が高いことが示唆される。このことから、放電開始直後では抵抗値が高いものの、すぐに低い抵抗値で安定する。そして、放電深度75%を超えたあたりから徐々に抵抗値が高くなり、放電深度90%では放電初期の抵抗値の10倍を示すことがわかる。
このため、リン酸鉄リチウム正極と、黒鉛を負極活物質に用いた負極とを組み合わせた既存の非水電解質二次電池では、放電深度75%を超えてから抵抗値が高くなり、徐々に出力が低下する。従って、利用できる放電深度は5〜75%の範囲となり、放電深度5%に満たない5%分および75%を超える25%分の合計30%分を利用することができず、実際の電池容量の70%分しか利用できなくなる。このようなリン酸鉄リチウム正極を用いた非水電解質二次電池では、容量密度、ひいてはエネルギー密度を向上させることが重要となっている。
本発明の非水電解質二次電池は、化学式LiMPO(Mは、Fe、Mn、Ni及びCoからなる群から選択される少なくとも1種類の金属元素である。)で表されるリン酸金属リチウムを正極活物質の主成分とし正極初期充放電効率e1を有する正極と、黒鉛材を負極活物質の主成分とし負極初期充放電効率e2が式e2=e1−x(10≦x≦20)の関係を満たす負極と、を備えたものである。
本発明では、リン酸金属リチウムを正極活物質の主成分とし正極初期充放電効率e1を有する正極と、黒鉛材を負極活物質の主成分とし負極初期充放電効率e2を有する負極とが式e2=e1−x(10≦x≦20)の関係を満たすため、リン酸金属リチウムの高抵抗領域の使用が回避され抵抗値上昇が抑制されることから、放電深度の利用範囲を広げてエネルギー密度を向上させることができる。
この場合において、リン酸金属リチウムに1重量%以上5重量%以下の割合の炭素が含有されていてもよい。また、電池電圧が2.0Vとなるまで放電したときに、リン酸金属リチウムにおけるリチウムLiと金属元素Mとの比Li/Mを0.70以上0.80以下とすることができる。負極活物質が60重量%以上の黒鉛材と40重量%以下の炭素材とで構成され、黒鉛材が、粉末X線回折法で求めた面間隔d002が0.3335nm以上0.3375nm以下、比表面積が0.5m/g以上4m/g以下であり、炭素材を、ラマン分光法による1360(D)cm−1と1580(G)cm−1との強度比I1360(D)/I1580(G)が0.8以上1.2以下、比表面積が2m/g以上6m/g以下の非晶質炭素または難黒鉛化炭素としてもよい。また、負極活物質が80重量%以上の黒鉛と20重量%以下の酸化ケイ素とで構成され、黒鉛材が、粉末X線回折法で求めた面間隔d002が0.3335nm以上0.3375nm以下、比表面積が0.5m/g以上4m/g以下であり、酸化ケイ素材が、比表面積が2m/g以上10m/g以下であるようにしてもよい。
なお、本明細書においては、例えば、「0.70以上0.80以下」は、「0.70以上かつ0.80以下」を意味し、「0.70〜0.80」と表記することも可能である。すなわち、「0.70以上0.80以下」は、下限値0.70と上限値0.80との間の値を含む範囲を示すものであり、下限値及び上限値もその範囲に含むものとする。
本発明によれば、リン酸金属リチウムを正極活物質の主成分とし正極初期充放電効率e1を有する正極と、黒鉛材を負極活物質の主成分とし負極初期充放電効率e2を有する負極とが式e2=e1−x(10≦x≦20)の関係を満たすため、リン酸金属リチウムの高抵抗領域の使用が回避され、抵抗値上昇が抑制されることから、放電深度の利用範囲を広げてエネルギー密度を向上させることができる、という効果を得ることができる。
以下、図面を参照して、本発明を適用した円筒型リチウムイオン二次電池の実施の形態について説明する。
(構成)
図1に示すように、本実施形態の円筒型リチウムイオン二次電池20は、金属製で有底円筒状の電池容器7を有している。電池容器7内には電極群6が収容されている。
電極群6は、帯状の正極板W1と負極板W3とが、これら両極板が直接接触しないようにセパレータW5を介して、樹脂製で中空円筒状の軸芯1の周囲に断面渦巻状に捲回されている。セパレータW5としては、本例では、ポリオレフィン系多孔質膜が用いられている。正極板W1から導出された正極リード片2および負極板W3から導出された負極リード片3は、それぞれ電極群6の互いに反対側の両端面に配されている。
電極群6の下側には負極板W3からの電位を集電するための金属製の負極集電リング5が配置されている。負極集電リング5の内周面には軸芯1の下端部外周面が固定されている。負極集電リング5の外周縁には、負極リード片3の端部が接合されている。負極集電リング5の下部には電気的導通のための金属製の負極リード板8が溶接されており、負極
リード板8は負極外部端子を兼ねる電池容器7の内底部に抵抗溶接で接合されている。
一方、電極群6の上側には、軸芯1のほぼ延長線上に正極板W1からの電位を集電するための金属製の正極集電リング4が配置されている。正極集電リング4は軸芯1の上端部に固定されている。正極集電リング4の周囲から一体に張り出している鍔部周縁には、正極リード片2の端部が接合されている。電極群6および正極集電リング4の鍔部周面全周には、絶縁被覆が施されている。正極集電リング4の上方には、正極外部端子を兼ねる電池蓋が配置されている。電池蓋は、蓋ケース12と、蓋キャップ13と、気密を保つ弁押さえ14と、内圧上昇により開裂する開裂弁(内部ガス排出弁)11とで構成されており、これらが積層されて蓋ケース12の周縁をカシメ固定することで組み立てられている。正極集電リング4の上面には、リボン状の金属箔を積層した2本のリード板を接合して構成した正極リード板9の一端が接合されている。正極リード板9の他端は、電池蓋を構成する蓋ケース12の下面に接合されている。
電池蓋は、正極リード板9を折りたたむように、ガスケット10を介して電池容器7の上部にカシメ固定されている。ガスケット10には、絶縁性および耐熱性を有する樹脂製等の材質が用いられている。このため、リチウムイオン二次電池20の内部は密封されている。また、電池容器7内には、電極群6全体を浸潤可能な図示を省略した非水電解液が注液されている。非水電解液として、本例では、カーボネート系有機溶媒中にリチウム塩を溶解したものが用いられている。
電極群6を構成する正極板W1は正極集電体としてアルミニウム箔を有している。アルミニウム箔の両面には、リチウムイオンを挿入・脱離可能な正極活物質を含む正極合剤が略均等、略均一に塗着されており、正極合剤層W2が形成されている。アルミニウム箔の長手方向一側の側縁には、正極合剤の無塗着部、すなわち、アルミニウム箔の露出部が形成されている。露出部は矩形状に切り欠かれており、切り欠き残部で複数の正極リード片2が形成されている。
正極活物質には、化学式LiMPO(Mは、Fe、Mn、Ni及びCoからなる群から選択される少なくとも1種類の金属元素である。)で表されるリン酸金属リチウムとしてのリン酸鉄リチウム(LiFePO)が主成分として用いられている。本例では、リン酸鉄リチウムに1重量%以上5重量%以下の割合の炭素が含有されている。炭素が含有された炭素複合化リン酸鉄リチウムは、例えば、シュウ酸鉄、炭酸リチウム、リン酸アンモニウム、および、炭素源のデキストリン等を粉砕混合し、不活性雰囲気下において600〜700℃で12〜24時間焼成することで調製される。このような焼成条件により、炭素が含有されたリン酸鉄リチウムを形成することができる。得られた炭素複合化リン酸鉄リチウムでは、一次粒子径が1μm程度、比表面積が10〜20m/gである。ここで付言すると、リン酸鉄リチウムの合成方法については、水熱合成法、ゾル・ゲル合成法、共沈法等が知られており、炭素源としてもデキストリン以外にアセチレンブラック等の検討がなされている。従って、上述した炭素複合化リン酸鉄リチウムの合成法により正極活物質のリン酸鉄リチウムが制限されるものではない。
正極合剤には、正極活物質以外に、例えば、導電剤のアセチレンブラック、バインダ(結着材)のポリフッ化ビニリデン(以下、PVdFと略記する。)が配合されている。正極合剤がアルミニウム箔に塗着されるときは、例えば、分散溶媒のN−メチルピロリドン(以下、NMPと略記する。)が加えられ均一に混合された正極合剤スラリが調製される。調製されたスラリをアルミニウム箔の両面に実質的に均等かつ均質に塗布し、乾燥させることで正極合剤層W2が形成される。ロールプレス機でプレスすることで正極合剤層W2の密度が調整されている。所望のサイズに裁断されて帯状の正極板W1が作製される。
一方、負極板W3は負極集電体として圧延銅箔を有している。圧延銅箔の両面には、リチウムイオンを挿入・脱離可能な負極活物質として炭素材料を含む負極合剤が略均等、略均一に塗着されており、負極合剤層W4が形成されている。圧延銅箔の長手方向一側の側縁には、負極合剤の無塗着部、すなわち、圧延銅箔の露出部が形成されている。露出部は矩形状に切り欠かれており、切り欠き残部で複数の負極リード片3が形成されている。
負極活物質には、主成分として黒鉛材が用いられている。黒鉛材では、作動電圧が低く電圧変化が平坦なため、得られるリチウムイオン二次電池の高エネルギー密度化を図ることができる。一方では、負極活物質にケイ素または錫を構成元素の1つとする合金負極を用いることでも、高エネルギー密度化を図ることができる。また、合金負極や、非晶質炭素材または低結晶性炭素材を用いた場合、電圧形状が一定の傾きを持つことから、残存容量の分析が比較的容易なリチウムイオン二次電池を構成することができる。本例では、放電深度範囲を広げてエネルギー密度を向上させるために、リン酸鉄リチウム正極自体の容量と抵抗値との関係を加味した上で、負極仕様が決定されている。すなわち、正極初期充放電効率をe1、負極初期充放電効率をe2としたときに、式e2=e1−x(10≦x≦20)の関係を満たすように負極仕様が決定されている。なお、充放電効率は、100×(放電電流×放電時間)/(充電電流×充電時間)で求められる数値である。
負極合剤には、負極活物質以外に、例えば、バインダのPVdFが配合されている。負極合剤が圧延銅箔に塗着されるときは、例えば、分散溶媒のNMPが加えられ均一に混合された負極合剤スラリが調製される。調製されたスラリを圧延銅箔の両面に一定厚みで実質的に均等かつ均質に塗布し、乾燥させることで負極合剤層W4が形成される。ロールプレス機でプレスすることで負極合剤層W4の密度が調整されている。所望のサイズに裁断されて帯状の負極板W3が作製される。
次に、放電深度範囲を広げてエネルギー密度を向上させる観点から、正極板W1と負極板W3との組み合わせについて説明する。換言すれば、電池の利用容量、充放電カーブ形状および抵抗値は、正極板W1と負極板W3との組み合わせで決まる。ここで、正極活物質にリン酸鉄リチウムのみを、負極活物質に黒鉛A(詳細後述)のみをそれぞれ用いた場合の動作原理について説明する。
図2A及び2Bは、比較例1の円筒型リチウムイオン二次電池の動作原理を示したものである。図2Aは、正極活物質にリン酸鉄リチウムを用いた正極板および負極活物質に黒鉛Aを用いた負極板について、対極にリチウム金属を用いたときの正極容量に対する電位変化および負極容量に対する電位変化を示すグラフであり、図2Bは、正極板および負極板を用いたモデルセルについて、充電深度に対するセル電圧の変化および放電抵抗値の変化を示すグラフである。
図2A及び2Bに示すように、電池容量は、正負極の活物質重量およびその比率と初期充放電効率で決まる。例えば、高容量化するために各々の正負極材料の充放電能力限界近くまで使用すると、リン酸鉄リチウム正極の充電容量は140mAh/g以上170mAh/g以下、黒鉛負極の充電容量は320mAh/g以上400mAh/g以下となる。図2Aでは、正極充電容量が145mAh/g、負極充電容量が370mAh/gである。そして、リン酸鉄リチウムの可逆性では充電上限電圧が3.6Vと低く有機電解液の分解が起こらないために、正極初期充放電効率e1が97%以上99%以下という高効率を示す。一方で、黒鉛負極では、各仕様によって異なるが、黒鉛表面で電解液成分の一部が分解するため、負極初期充放電効率e2が90%以上95%以下を示す。これは、固液相界面に固体電解質層を形成することで、電解液成分の分解を抑制し、黒鉛負極の可逆性を担保させていることが知られている。図2Aでは、正極初期充放電効率e1が98%、負極初期充放電効率e2が92%である。
上述した充電容量および初期充放電効率は、対極にリチウム金属を用い、2極式のモデルセルを用いて評価し、得られた値である。図2Aには、放電容量と抵抗値の変化を併記した。抵抗値は、電流値を0.5、1、3CAと変化させた際の電圧変化から求めた値である。そして、放電深度50%の時の抵抗値を基準として、放電容量と抵抗値変化の関係を求めたものである。
リン酸鉄リチウム正極の抵抗値変化では、放電容量が100mAh/g以上から抵抗値が徐々に上昇し、120mAh/gでは140%となり、140mAh/gでは200%となった。一方、黒鉛負極の抵抗値変化では、放電容量が0〜320mAh/gの範囲でほぼ変わらず100%を示し、その後、急激に上昇し、100%放電の340mAh/gで200%を示した。
リン酸鉄リチウム正極と黒鉛負極とを用いたリチウムイオン二次電池では、放電容量が初期充放電効率の低い黒鉛負極の容量で制限される。そして、電池の放電深度で横軸を書き直せば、図2Bに示すように、放電深度が75%を超えると抵抗値が徐々に上昇する。図2Bでは、放電深度50%の時の抵抗値を基準とした抵抗値変化を示している。この放電深度75%以上での抵抗値変化は、リン酸鉄リチウム正極の放電後半の抵抗値上昇に由来している。
このため、図2A及び2Bに示すようなリン酸鉄リチウム正極と黒鉛負極とを用いた一般的なリチウムイオン二次電池では、抵抗値が大きくなると、充分な出力が取り出せなくなるために、実際には抵抗値変化が少ない放電深度5〜75%の範囲でしか充放電に利用できない。例えば、容量800mAhの18650電池では、放電深度5%までの5%分および放電深度75%を超える25%分の合計30%分を除く70%分に相当する560mAhしか利用できないことになる。
本発明者は、リン酸鉄リチウム正極を用いたときの放電深度75%以上での抵抗値変化を抑制し、利用できる放電深度範囲を広げることで利用容量およびエネルギー密度を向上させることができると考え、電極および電池仕様、反応機構を鋭意検討した。その結果、負極の初期充放電効率を制御することで電池の抵抗値変化を制御することができ、結果として利用容量範囲が広くなり、エネルギー密度が向上することを見出した。
図3A及び3Bは、実施例1の円筒型リチウムイオン二次電池の動作原理を示したものである。図3Aは、正極活物質にリン酸鉄リチウムを用いた正極板および負極活物質に黒鉛Aと非晶質炭素Aとの混合物を用いた負極板について、対極にリチウム金属を用いたときの正極容量に対する電位変化および負極容量に対する電位変化を示すグラフであり、図3Bは、正極板および負極板を用いたモデルセルについて、充電深度に対するセル電圧の変化および放電抵抗値の変化を示すグラフである。
図3A及び3bに示すように、図2A及び2B(比較例1)で用いた正極と同じ仕様の正極を用い、正極の抵抗上昇が起こる100mAh/g以上での利用を制限するために負極仕様を変更した。すなわち、負極は、図2A及び2B(比較例1)で用いた負極活物質と同じ仕様の黒鉛Aと、非晶質炭素A(詳細後述)とを重量比で60/40の割合で混合して用いた。ここで用いた非晶質炭素Aでは、リチウム金属を対極に用いたときの充電容量が450mAh/gを示し、放電容量が350mAh/gを示す。黒鉛Aと非晶質炭素Aとを混合した混合負極の仕様として、充電容量402mAh/g、放電容量344mAh/g、負極初期充放電効率(e2)85%とすることで、リン酸鉄リチウム正極の抵抗値上昇範囲を利用制限した。
図3Bに示すように、黒鉛Aと非晶質炭素Aとの混合物を負極に用いることで、負極単独での放電容量と放電深度75%以上での抵抗値上昇が抑えられ、利用できる放電深度が5〜90%の範囲を示した。すなわち、利用できる放電深度範囲が85%分となり、図2A及び2Bに示した黒鉛A負極を用いた電池仕様と比べて放電深度で15%分多く放電できるリチウムイオン二次電池を得ることができる。例えば、800mAhの容量を示す18650型電池の場合では、混合負極を用いた時の利用容量が680mAhとなり、上述した黒鉛A負極を用いたときの利用容量560mAhと比べて約20%の容量向上を図ることができる。
ここで、負極活物質の黒鉛材、非晶質炭素材について説明する。負極活物質には黒鉛材料を主成分とすることが好ましい。すなわち、黒鉛材を60重量%以上の割合で含むことが好ましい。黒鉛材を負極活物質の主成分に使用した場合、放電時の電圧変化が少なく、抵抗上昇が少なくなるために本発明を効果的に実施することができる。このような黒鉛材では、粉末X線回折法で求めた面間隔d002が3.335〜3.375Å(0.3335〜0.3375nm)の範囲、平均粒径が10〜20μmの範囲、比表面積が0.5〜4m/gの範囲をそれぞれ示す。面間隔d002が3.335Åに満たないもの、3.375Åを超えるものでは、充放電容量が極端に小さくなるため好ましくない。また、比表面積が0.5m/gに満たないと反応性が低下するため好ましくない。
主成分の黒鉛材に加えて、副成分として使用できる負極活物質としては、非晶質炭素、低結晶炭素(難黒鉛化炭素)、および、ケイ素または錫合金系を挙げることができる。非晶質炭素、低結晶炭素の中でもラマン分光法による1360(D)cm−1と1580(G)cm−1との強度比(I1360(D)/I1580(G))が0.8以上1.2以下、平均粒子径が5〜15μmの範囲、比表面積が2m/g以上6m/g以下のものが好ましい。ラマン分光法による炭素材料の分析では、Dバンドと呼称される1360cm−1のラマンピークとGバンドと呼称される1580cm−1のラマンピークとが得られる。これら2つのピーク強度比により炭素材料の黒鉛化度や配向性を評価することができる。このような非晶質炭素材を負極活物質の副成分とするときは、40重量%以下の割合とすることが好ましい。
負極活物質として黒鉛材を主成分とすることに代えて、非結晶質炭素または低結晶炭素を主成分として使用した場合、放電時の電圧が緩やかに降下し、抵抗上昇も緩やかに起こることから、出力を一定に保持することが難しくなるため好ましくない。また、ケイ素の合金や化合物、または、錫合金系の中では、SiOやSnCo合金系を用いることが好ましいが、これらを主成分として使用した場合、充放電の可逆性が低下するとともに、電池電圧も低下するため好ましくない。
以上説明したように、リン酸鉄リチウム正極の正極初期充放電効率e1が97〜99%を示し、抵抗値上昇が放電深度の75%以上で顕著に起こることから、正極初期充放電効率e1から10〜20%分を使用しないように負極を制御することで、電池全体として正極に由来する抵抗値上昇を低減できることが判明した。つまり、負極初期充放電効率e2が77%以上87%以下である負極を使用することで、広い放電深度範囲で抵抗値変化が少なく、一定の出力が維持されるリチウムイオン二次電池を実現できることが判明した。ここで、負極活物質として黒鉛材と非晶質炭素材とを混合し用いることは必ずしも必要ではなく、例えば、黒鉛粒子表面が非晶質炭素材で被覆されていてもよく、また、黒鉛粒子と非晶質炭素粒子とが複合粒子化されていてもよい。また、ケイ素または錫合金負極のように、初期充放電効率が低いものを使用しても構わないが、充放電の可逆性およびリン酸鉄リチウム正極と組み合わせた際の電池電圧の低下を勘案すると、黒鉛材と非晶質炭素材と混合し、上述した負極初期充放電効率(e2)となるようにして使用することがより効果的である。
リン酸鉄リチウム正極の放電深度75%以上での抵抗上昇を改良することについては、鋭意検討が進められており、Li/Fe組成比の微調整、モリブデン等の異種金属置換や一次粒子の微細化の手法が検討されている。しかしながら、放電後半部の抵抗値上昇では、リン酸鉄へのリチウムイオンのインサーション反応が格子サイズ差の大きいLiFePO/FePO相間の二相反応系で進むことに由来していることから、大幅な改善を期待することが難しい。また、リン酸鉄リチウム正極では、放電時に結晶中のLi/Fe比が1に近づくにつれて、反応速度が遅くなるため、抵抗値を増大させることとなる。これを回避するため、電池電圧2.0Vまで放電したときに、リン酸鉄リチウムにおけるLi/Fe比が0.70〜0.80の範囲であることが好ましい。さらに、一次粒子の微細化では、複合炭素量を増加させ、充填性、つまり電極密度を低下させることとなるため、容量向上を図ることと相反する手法である。
また、黒鉛負極の負極初期充放電効率を77%以上87%以下にする手法としては、非水電解液に負極上で不可逆に分解する成分を入れておく手法も考えられる。ところが、当該成分の分解時にガス発生による電池内圧上昇、負極表面での不活性化等の短所があるため、好ましくない。
従って、リン酸鉄リチウムを正極に使用した電池系で、負極充電容量を増加させつつ、負極初期充放電効率e2をe2=e1−x(ここで、e1は正極初期充放電効率、10≦x≦20)とし、リン酸鉄リチウムの放電時の抵抗値上昇領域を使用しないようにすることで、広い放電深度範囲で抵抗値上昇を低減し、一定した出力を取り出すことができる。
(作用等)
次に、本実施形態のリチウムイオン二次電池20の作用等について説明する。
従来非水電解質二次電池を代表するリチウムイオン二次電池では、正極活物質としてコバルト酸リチウムを用いることが主流となっている。ところが、その原料であるコバルトは産出量が少なく高価なため、コバルト酸リチウムを用いることで電池の生産コストが高くなる。
また、コバルト酸リチウムに代えて、マンガン酸リチウムを用いた場合は十分な放電容量を得ることが難しく、高温環境下でマンガンが溶出しやすくなる等の問題点があり、ニッケル酸リチウムを用いた場合は放電電圧が低くなるとともに、充電末期での熱的安定性が低くなる等の問題点がある。
これに対して、一般式LiMPO(Mは、Co、Ni、Mn及びFeからなる群から選ばれる少なくとも1種類の金属元素である。)で表されるリン酸鉄リチウム等のオリビン型結晶構造を有するリン酸金属リチウムでは、その構成金属元素Mの種類によって電池電圧を任意に設定することができる。また、理論容量が比較的高くなり単位質量当たりの電池容量を大きくすることができ、その構造から熱安定性にも優れている。ところが、リン酸鉄リチウムでは、ポリアニオンであるPOが存在することで局在化した電子構造が形成されるため、電子伝導性が低くなる。また、強固な結晶構造を有するため、リチウムイオンの拡散が一次元の拡散経路に限定され、リチウムイオンの拡散性も低くなる。このため、リン酸鉄リチウムでは、従来用いられているマンガン酸リチウムやコバルト酸リチウムと比較して、容量密度が減少し、充放電の初期および末期に抵抗値が上昇する傾向がある。従って、正極活物質にリン酸鉄リチウムを用いたときに、放電末期の抵抗値上昇を低減することができれば、優れた熱安定性を保持しつつ、広い容量範囲で出力が安定したリチウムイオン二次電池を得ることが期待できる。本実施形態は、これらの問題を解決することができるリチウムイオン二次電池である。
上述したように、リン酸鉄リチウムではリチウムイオンの拡散経路が一次元であるため、リチウムイオンが脱離され、挿入されるとき、すなわち、放電時に、結晶中の鉄量に対するリチウム量が1に近づくにつれて、反応速度が遅くなる。このため、正極活物質にリン酸鉄リチウムを用いたリチウムイオン二次電池では、放電深度が75%以上になると抵抗値が上昇し出力が低下していく。本実施形態のリチウムイオン二次電池20では、正極活物質としてリン酸鉄リチウムを主成分とした正極板W1と負極活物質として黒鉛材を主成分とした負極板W3とが用いられている。正極初期充放電効率e1としたときに、負極初期充放電効率e2が式e2=e1−x(10≦x≦20)を満たすように電池仕様が定められている。このため、正極活物質にリン酸鉄リチウムを用いた正極の高抵抗領域の使用が回避されることで、抵抗値上昇が抑制された範囲で放電深度の利用範囲を広げることができ、エネルギー密度を向上させることができる。
また、本実施形態では、正極活物質に用いたリン酸鉄リチウムに1重量%以上5重量%以下の割合の炭素が含有されている。このため、低電子伝導性のリン酸鉄リチウムに高導電性の炭素材が含有されることで、リン酸鉄リチウムの電子伝導性を向上させることができる。これにより、正極の抵抗値上昇を抑制し、出力向上を図ることができる。
更に、本実施形態では、放電終止電圧の2.0Vとなるまでリチウムイオン二次電池20を放電したときに、リン酸鉄リチウムにおけるリチウムLiと鉄Feとの比Li/Feが0.70以上0.80以下を示す。上述したように、リン酸鉄リチウムでは、リチウムイオンの挿入時に結晶中の鉄量に対するリチウム量が1に近づくにつれて反応速度が遅くなる。比Li/Feが0.70〜0.80の範囲であれば反応速度の低下が抑制されるため、抵抗値上昇を抑制して出力向上を図ることができる。
また更に、本実施形態では、負極活物質が60重量%以上の黒鉛材と40重量%以下の非晶質炭素材とで構成されており、黒鉛材が負極活物質の主成分として用いられている。負極活物質を黒鉛材のみとした場合は、放電終期に負極自体の抵抗値が急激に上昇するため、正極の抵抗値上昇を抑制しても電池全体として出力を低下させることとなる。一方、非晶質炭素材を主成分とした場合は、放電時の電圧が緩やかに降下し、抵抗値上昇も緩やかとなることから、出力を一定に保持することが難しくなる。従って、黒鉛材を60重量%以上含む主成分とし、非晶質炭素材を40重量%以下の割合の副成分とすることで、放電時の電圧変化を低減し、抵抗値上昇が抑制されるので、出力向上を図ることができる。
負極活物質の黒鉛材としては、粉末X線回折法で求めた面間隔d002が3.335〜3.375Å(0.3335〜0.3375nm)の範囲、平均粒径が10〜20μmの範囲、比表面積が0.5〜4m/gの範囲の材料が用いられている。面間隔d002が3.335Åに満たないもの、3.375Åを超えるものでは、充放電容量が極端に小さくなり、比表面積が0.5m/gに満たないと反応性が低下する。このため、面間隔d002、平均粒径、比表面積を上述した範囲とすることで充放電容量を確保し、反応性の低下を抑制することができる。負極活物質の副成分として用いられる非晶質炭素材としては、ラマン分光法による1360(D)cm−1と1580(G)cm−1との強度比(I1360(D)/I1580(G))が0.8以上1.2以下、平均粒子径が5〜15μmの範囲、比表面積が2m/g以上6m/g以下の材料が用いられている。このような非晶質炭素材を負極活物質に配合した場合は、電圧形状が一定の傾きを有することから、得られるリチウムイオン二次電池における残存容量の分析を容易にすることができる。
なお、本実施形態では、正極活物質としてリン酸鉄リチウムを用いる例を示したが、本発明はこれに制限されるものではなく、化学式LiMPO(Mは、Fe、Mn、Ni及びCoからなる群から選択される少なくとも1種類の金属元素である。)で表されるリン酸金属リチウムを正極活物質の主成分とすればよい。リン酸鉄リチウムに代えて、例えば、リン酸鉄リチウムと同じ結晶構造を有し、同じ反応機構を示すリン酸マンガンリチウムやリン酸コバルトリチウムを正極活物質として使用することも可能である。また、リン酸鉄リチウムに加えて、リチウムイオンを吸蔵、放出可能な材料を混合し用いるようにしてもよい。これらの材料を正極活物質に用いることで、電池電圧を高くすることができるとともに、正極と負極との組み合わせによる効果と相乗して高出力化、高エネルギー密度化を図ることができる。
また、本実施形態では、負極活物質として主成分に黒鉛材を用い、副成分に非晶質炭素材を用いる例を示したが、本発明はこれに制限されるものではない。負極活物質の副成分としては、非晶質炭素材以外に低結晶炭素材や難黒鉛化炭素材を挙げることができ、ケイ素または錫合金を用いることも可能である。ケイ素や錫を構成元素の1つとする合成負極とすることで、得られるリチウムイオン二次電池のエネルギー密度の向上を図ることができる。ケイ素の合金や化合物、または、錫合金としては、酸化ケイ素(SiO)や錫−コバルト(SnCo)合金を用いることが好ましいが、これらを主成分として使用した場合、充放電の可逆性が低下するとともに、電池電圧も低下するため好ましくない。また、負極活物質の副成分に酸化ケイ素材を用いる場合は、副成分の配合割合を20重量%以下とし、80重量%以上の主成分の黒鉛材と混合することが好ましく、酸化ケイ素材の比表面積が2〜10m/gの範囲であることが好ましい。酸化ケイ素材の比表面積が小さすぎると反応面積が不十分となり、反対に、大きすぎると粒径が小さくなりすぎて取扱い上好ましくない。
更に、本実施形態では、正極合剤層W2、負極合剤層W4の形成時にバインダのPVdFを用いる例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、電極の接着性を確保するために分子量の異なるPVdFを混合して使用してもよい。また、正極活物質や負極活物質として高比表面積の材料を用いた場合は、粒子間の接着性、正極集電体のアルミニウム箔や負極集電体の圧延銅箔との接着性が求められるため、水を溶媒としたカルボキシメチルセルロース(CMC)やスチレンブタジエンゴム(SBR)をバインダとして使用することができる。ただし、正極活物質に用いるリン酸鉄リチウムでは、粒子径が細かく高比表面積のためにより高い接着性が必要とされるが、リン酸鉄リチウムと水との反応で活物質表面が失活するため、水系バインダを使用することは好ましくない。
また更に、本実施形態では、非水電解液としてカーボネート系有機溶媒中にリチウム塩を溶解したものを例示したが、本発明はこれに制限されるものではない。例えば、電解質としては、CFSOLi、CSOLi、(CFSONLi、(CFSOCLi、LiBF、LiPF、LiClO、LiCB等のリチウム塩を使用することができる。これら電解質を溶解する溶媒には、非水溶媒を用いることが好ましい。非水溶媒としては、鎖状カーボネート、環状カーボネート、環状エステル、ニトリル化合物、酸無水物、アミド化合物、ホスフェート化合物、アミン化合物等を挙げることができる。非水溶媒の具体例としては、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート(DEC)、プロピレンカーボネート、ジメトキシエタン、γ−ブチロラクトン、n−メチルピロリジノン、N,N’−ジメチルアセトアミド、アセトニトリルを挙げることができ、プロピレンカーボネートとジメトキシエタンとの混合物、スルホランとテトラヒドロフランとの混合物等を用いることも可能である。また、正極板W1と負極板W3との間に介挿される電解質層としては、上述した電解質を非水溶媒に溶解させた電解質溶液であってもよいし、この電解質溶液を含むポリマーゲル(ポリマーゲル電解質)であってもよい。
更にまた、本実施形態では、セパレータW5、電池容器7等の構造材料や他の要素についてもそれぞれ例示したが、従来公知の各種材料を使用することができ、本発明がこれらの材料に特に制限されるものではない。例えば、セパレータW5としては、一般的にポリオレフィン系多孔質膜が使用されるが、ポリエチレンおよびポリプロピレンの複合膜を使用することもできる。また、セパレータには耐熱性が要求されるため、アルミナ等のセラミックスを表面に塗布したセラミックス複合セパレータ、セラミックスを多孔質膜の構成材の一部としたセラミックス複合セパレータを使用してもよい。正極活物質の主成分として用いたリン酸鉄リチウムでは、オリビン型結晶構造を有するため、充電状態における高温での酸素供給能力が低くなり、非水電解液との反応熱が低くなることから、この正極活物質で構成される正極と高耐熱性のセラミックス複合セパレータとを組み合わせることで、より高い熱安定性を有するリチウムイオン二次電池とすることが期待できる。
また、本実施形態では、有底円筒状の電池容器7に電極群6が収容され、電池容器7が電池蓋で封口された円筒型リチウムイオン二次電池20を例示したが、本発明は電池形状や電池構造に制限されるものではない。例えば、円筒型に代えて、角型や多角型としてもよく、扁平円筒型としてもよい。更に、正負極板が捲回された電極群6に代えて、正負極板を積層して電極群を構成するようにしてもよい。
以下、本実施形態のリチウムイオン二次電池20の実施例について、詳細に説明する。なお、比較のために作製した比較例のリチウムイオン二次電池についても併記する。
(実施例1:黒鉛Aと非晶質炭素Aとの混合)
実施例1では、次のようにして正極活物質の炭素複合化リン酸鉄リチウム(LiFePO)を得た。すなわち、シュウ酸鉄(関東化学株式会社製:FeC・2HO)、炭酸リチウム(関東化学株式会社製:LiCO)、リン酸二水素アンモニウム(関東化学株式会社製:NHPO)、さらに炭素源としてデキストリン(関東化学株式会社製)を、遊星型ボールミルで2時間粉砕混合した後、アルゴンガス雰囲気下、600℃で24時間焼成し、5重量%の炭素が含有されたリン酸鉄リチウムを合成した。得られた炭素複合化リン酸鉄リチウムは、粉末X線回折法(株式会社リガク製RINT2000を使用し、CuのKα線を線源としてグラファイトモノクロメーターで単色化を行ったKα1線を用いた。測定条件は、管電圧48kV、管電流40mA、走査範囲15°≦2θ≦80°、走査速度1.0°/min、サンプリング間隔0.02°/step、発散スリット0.5°、散乱スリット0.5°、受光スリット0.15mmである。)で異相の無いことを確認し、比表面積(株式会社マウンテック製、Macsorb HM−1200:BET5点法)を測定した。得られた比表面積が15m/gの炭素複合化リン酸鉄リチウムを85重量%、アセチレンブラックを5重量%、PVdF(株式会社クレハ製:KFポリマー#1120)のNMP溶液を混合しスラリ化した。このスラリを、アルミニウム箔上に、13mg/cmで塗布し、80℃で1時間乾燥し、電極密度が1.6g/cmになるように調整した後、120℃で12時間減圧乾燥したものを正極板W3とした。3.6Vまで1.0mA/cmで電流値が0.01mA/cmに収束するまで充電した後、1.0mA/cmで2.0Vまで放電させた。そのときの正極充放電容量は、正極活物質(LiFePO)の単位重量当たり、充電145mAh/g、放電143.5mAh/gを示した。
負極活物質としては、黒鉛Aと非晶質炭素Aとを混合し用いた。黒鉛Aでは、粉末X線回折法で求めたd002が3.358Å、比表面積が1.5m/gをそれぞれ示し、充電容量が370mAh/g(充電条件:0.05Vまで1.0mA/cmで電流値が0.01mA/cmに収束)、かつ、放電容量が340mAh/g(初期充放電効率:92%;放電条件:1Vまで1.0mA/cm)である。非晶質炭素Aでは、ラマン分光法(日本分光株式会社製ラマン分光光度計:NRS−2100、光源:波長514.5nm Arレーザ、レーザ強度:100mW)で求めた強度比I1360(D)/I1580(G)が1.1、比表面積が5m/gをそれぞれ示し、充電容量が450mAh/g、放電容量が350mAh/g(初期充放電効率:78%)である。この黒鉛Aと非晶質炭素Aとを重量比で60/40で混合したものを負極活物質として用いた。負極活物質を93重量%、PVdF(株式会社クレハ製:KFポリマー#9305)を7重量%配合しNMPでスラリ化し、圧延銅箔上に4mg/cmで塗布した。正負極合剤の塗布量の重量比に関しては、初期負極充電容量の70〜100%の充電容量にする必要があり、充放電サイクル寿命の観点から小さい方が好ましいが、本例では100%となるように調整した。正負極合剤の塗布量は、正極充電容量が活物質当たり145mAh/gに対して、負極充電容量が活物質当たり400mAh/gになるように調整した。この負極仕様では、初期充電容量402mAh/g、負極初期充放電効率(e2)86%、正極初期充放電効率e1と負極初期充放電効率e2との差x=13%である。これらの負極仕様を表2にまとめて示した。
Figure 2011027503

正極活物質に炭素複合化リン酸鉄リチウムを用いた正極板W1、負極活物質に炭素Aおよび非晶質炭素Aを混合し用いた負極板W3、および、セパレータW5(宇部興産株式会社製、ポリオレフィン系セパレータ:UP3146)を用い、二極式のモデルセルを作製した。非水電解液には、1MのLiPFを含むEC/EMC(1/3)溶液を使用した。室温下で、電流値1.0mA/cmとして、上限電圧を3.6Vとし、0.1mA/cmの終止電流値になるまで充電した。その後、1.0mA/cmの電流値で2.0Vまで放電させた。そのときの容量を放電深度100%として、再度同じ条件で充電した際の容量を充電深度(=100−放電深度)100%とした。充電深度の5%毎に放電し、1時間放置し、開回路電圧としてから、室温で1CA、2CA、3CAのパルス放電し、各5秒目閉回路電圧を用いて直線近似により直流抵抗を求めた。
放電深度50%時の直流抵抗値を100とした相対値を求め、放電深度と直流抵抗変化との関係を求めた。この結果、直流抵抗値は放電直後に下がり、充電深度が85%放電までは直流抵抗値の変化が10%以下で安定していた。さらに、放電させると急激に抵抗値が上昇し130%に達した。この直流抵抗値の変化が10%以下となる放電深度の利用範囲(以下、放電深度範囲という。)を表3に示した。
Figure 2011027503

(実施例2:黒鉛Aと非晶質炭素Bとの混合)
実施例2では、実施例1と同様にして作製した正極板W1を用いた。負極活物質としては、黒鉛Aと非晶質炭素Bとを混合し用いた。黒鉛Aは、実施例1で用いたものと同じである。非晶質炭素Bでは、ラマン分光法で求めた強度比I1360(D)/I1580(G)が1.0、比表面積が3m/gをそれぞれ示し、初期充電容量が350mAh/g、放電容量が280mAh/g(充放電効率が80%)であった。黒鉛A/非晶質炭素Bを60/40の重量比で混合した。負極仕様は、表2に示すように、初期充電容量が344mAh/g、負極初期充放電効率e2が87%、xが12%であった。充電深度と抵抗値変化とを求めた結果、表3に示すように、抵抗値変化が10%以下の充電深度範囲は実施例1とほぼ同じ84%であった。
(実施例3:黒鉛Bと非晶質炭素Bとの混合)
実施例3では、実施例1と同様にして作製した正極板W1を用いた。負極活物質としては、黒鉛Bと非晶質炭素Bとを混合し用いた。黒鉛Bでは、粉末X線回折法で求めたd002が3.370Å、比表面積が0.8m/gをそれぞれ示し、充電容量が340mAh/g、放電容量が320mAh/g(初期充放電効率:94%)であった。非晶質炭素Bは、実施例2で用いたものと同じである。黒鉛B/非晶質炭素Bを65/35の重量比で混合した。負極仕様は、表2に示すように、初期充電容量が344mAh/g、負極初期充放電効率e2が89%、xが10%であった。充電深度と抵抗値変化を求めた結果、表3に示すように、抵抗値変化が10%以下の充電深度範囲は80%であった。
(実施例4:黒鉛Aと酸化ケイ素との混合)
実施例4では、実施例1と同様にして作製した正極板W1を用いた。負極活物質としては、黒鉛AとSiOとを混合し用いた。黒鉛Aは、実施例1で用いたものと同じである。酸化ケイ素は、充電容量が2028mAh/g、放電容量が1500mAh/g、初期充放電効率が74%であった。黒鉛A/酸化ケイ素を80/20の重量比で混合した。ここで、SiOとしては、反応性を高めるために比表面積が2m/g以上10以下の材料を用いることが好ましく、本例では比表面積が6m/gのものを用いた。負極仕様は、表2に示すように、初期充電容量が702mAh/g、負極初期充放電効率e2が81%、xが18%であった。充電深度と抵抗値変化を求めた結果、表3に示すように、抵抗値変化が10%以下の充電深度範囲は90%であった。
(比較例1:黒鉛Aのみ)
比較例1では、実施例1と同様にして作製した正極板W1を用いた。負極活物質としては、実施例1で用いたものと同じ黒鉛Aのみを用いた。負極仕様は、表2に示すように、初期充電容量が370mAh/g、負極初期充放電効率e2が92%、xが7%であった。充電深度と抵抗値変化を求めた結果、表3に示すように、抵抗値変化が10%以下の充電深度範囲は65%であった。
(比較例2:黒鉛Bのみ)
比較例2では、実施例1と同様にして作製した正極板W1を用いた。負極活物質としては、実施例3で用いたものと同じ黒鉛Bのみを用いた。負極仕様は、表2に示すように、初期充電容量が340mAh/g、負極初期充放電効率e2が94%、xが5%であった。充電深度と抵抗値変化を求めた結果、表3に示すように、抵抗値変化が10%以下の充電深度範囲は65%であった。
(比較例3:非晶質炭素Aのみ)
比較例3では、実施例1と同様にして作製した正極板W1を用いた。負極活物質としては、実施例1で用いたものと同じ非晶質炭素Aのみを用いた。負極仕様は、表2に示すように、初期充電容量が450mAh/g、負極初期充放電効率e2が77%、xが22%であった。充電深度と抵抗値変化を求めた結果、表3に示すように、抵抗値変化が10%以下の充電深度範囲は70%であった。これは、負極に用いた非晶質炭素自体の直流抵抗値が放電後半部から徐々に上昇することから、電池の直流抵抗値変化が10%以下の充電深度範囲が狭くなったためと考えられる。
(比較例4:非晶質炭素Bのみ)
比較例4では、実施例1と同様にして作製した正極板W1を用いた。負極活物質としては、実施例2で用いたものと同じ非晶質炭素Bのみを用いた。負極仕様は、表2に示すように、初期充電容量が350mAh/g、負極初期充放電効率e2が80%、xが19%であった。充電深度と抵抗値変化を求めた結果、表3に示すように、抵抗値変化が10%以下の充電深度範囲は比較例3と同じ理由から70%であった。
表3に示すように、実施例1、実施例2、実施例4と比較例1との比較、および、実施例3と比較例2との比較から、リン酸鉄リチウムを正極に使用した電池系において、負極活物質の主成分として黒鉛を用い、その負極初期充放電効率e2をe2=e1−x(ここで、e1は正極初期充放電効率、10≦x≦20)としてリン酸鉄リチウムの放電時の抵抗値上昇領域を使用制限することで、広い放電深度範囲で抵抗値上昇を低減し、利用容量範囲を広げることができることが判明した。
一方で、比較例3と比較例4との比較から、負極初期充放電効率e2がe2=e1−x(ここで、e1は正極初期充放電効率、10≦x≦20)を満たしても、非晶質炭素材または低結晶炭素材を負極活物質の主成分として用いた場合は、広い放電深度範囲で抵抗値上昇を低減することができず、利用容量範囲を広げることができないことが判明した。これは、非晶質炭素材または低結晶炭素材では、負極自体の抵抗値上昇が放電後半部から徐々に上昇するためと考えられる。つまり、用いる負極仕様として、負極初期充放電効率e2をe2=e1−x(ここで、e1は正極初期充放電効率、10≦x≦20)とし、かつ、負極活物質の主成分として黒鉛材を用いることで、リン酸鉄リチウム正極を用いた電池系において広い放電深度範囲で抵抗値上昇を低減することができ、熱的安定性に優れたリン酸鉄リチウム正極を用いたリチウムイオン二次電池のエネルギー密度を向上させることができることが判明した。
本発明は、放電深度利用範囲を広げてエネルギー密度を向上させることができる非水電解質二次電池を提供するものであるため、非水電解質二次電池の製造、販売に寄与するので、産業上の利用可能性を有する。
6 電極群
20 円筒型リチウムイオン二次電池(非水電解質二次電池)
W1 正極板
W2 正極合剤層
W3 負極板
W4 負極合剤層

Claims (16)

  1. 正極と、負極と、非水電解質とを備えた非水電解質二次電池であって、
    前記正極は、化学式LiMPO(Mは、Fe、Mn、Ni及びCoからなる群から選択される少なくとも1種類の金属元素である。)で表されるリン酸金属リチウムを正極活物質として含み、
    前記負極は、黒鉛材を負極活物質として含み、
    前記負極の初期充放電効率e2が、前記正極の初期充放電効率e1に対して、式e2=e1−x(10≦x≦20)の関係を満たすことを特徴とする非水電解質二次電池。
  2. 請求項1に記載された非水電解質二次電池において、
    前記リン酸金属リチウムは炭素複合化リン酸金属リチウムであることを特徴とする非水電解質二次電池。
  3. 請求項2に記載された非水電解質二次電池において、
    前記炭素複合化リン酸金属リチウムは1重量%以上5重量%以下の割合の炭素を含有することを特徴とする非水電解質二次電池。
  4. 電池電圧が2.0Vとなるまで放電したときに、前記リン酸金属リチウムにおけるリチウムLiと金属元素Mとの比Li/Mが0.70以上0.80以下であることを特徴とする請求項2に記載の非水電解質二次電池。
  5. 請求項1に記載された非水電解質二次電池において、
    前記負極は、60重量%以上の黒鉛と40重量%以下の炭素材とで構成される負極活物質を備えることを特徴とする非水電解質二次電池。
  6. 請求項5に記載された非水電解質二次電池において、
    前記黒鉛材が、粉末X線回折法で求めた面間隔d002が0.3335nm以上0.3375nm以下、比表面積が0.5m/g以上4m/g以下であり、前記炭素材が、ラマン分光法による1360(D)cm−1と1580(G)cm−1との強度比I1360(D)/I1580(G)が0.8以上1.2以下、比表面積が2m/g以上6m/g以下の非晶質炭素または難黒鉛化炭素であることを特徴とする非水電解質二次電池。
  7. 請求項1に記載された非水電解質二次電池において、
    前記負極は、80重量%以上の黒鉛と20重量%以下の酸化ケイ素とで構成される負極活物質を備えることを特徴とする非水電解質二次電池。
  8. 請求項7に記載された非水電解質二次電池において、
    前記黒鉛材が、粉末X線回折法で求めた面間隔d002が0.3335nm以上0.3375nm以下、比表面積が0.5m/g以上4m/g以下であり、前記酸化ケイ素材が、比表面積が2m/g以上10m/g以下であることを特徴とする非水電解質二次電池。
  9. 電極群と、前記電極群を収容する電池容器と、を備えるリチウムイオン二次電池であって、
    前記電極群は、正極板と、負極板と、前記正極板及び負極板の間隙に配置されたセパレータとを備え、捲回されており、
    前記正極板は、正極基材と、前記正極基材上に設けられた正極合剤層よりなり、
    前記負極板は、負極基材と、前記負極基材上に設けられた負極合剤層よりなり、
    前記正極合材層は正極活物質として化学式LiMPO(Mは、Fe、Mn、Ni及びCoからなる群から選択される少なくとも1種類の金属元素である。)で表されるリン酸金属リチウム化合物を含み、
    前記負極合剤層は負極活物質として黒鉛及び非晶質炭素材を含み、
    前記負極板の初期充放電効率(e2)は、前記正極板の初期充放電効率(e1)に対し、
    e2=e1−x(10≦x≦20)
    の関係を満たすことを特徴とするリチウムイオン二次電池。
  10. 請求項9に記載されたリチウムイオン二次電池において、
    前記リン酸金属リチウムは炭素複合化リン酸金属リチウムであることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
  11. 請求項10に記載されたリチウムイオン二次電池において、
    前記炭素複合化リン酸金属リチウムは、1重量%以上5重量%以下の割合の炭素を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池。
  12. 請求項9に記載されたリチウムイオン二次電池において、
    電池電圧が2.0Vとなるまで放電したときに、前記リン酸金属リチウムにおけるリチウムLiと金属元素Mとの比Li/Mが0.70以上0.80以下であることを特徴とする請求項2に記載のリチウムイオン二次電池。
  13. 請求項9に記載されたリチウムイオン二次電池において、
    前記負極は、60重量%以上の黒鉛材と40重量%以下の炭素材とで構成される負極活物質を備えることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
  14. 請求項13に記載されたリチウムイオン二次電池において、
    前記黒鉛材が、粉末X線回折法で求めた面間隔d002が0.3335nm以上0.3375nm以下、比表面積が0.5m/g以上4m/g以下であり、前記炭素材が、ラマン分光法による1360(D)cm−1と1580(G)cm−1との強度比I1360(D)/I1580(G)が0.8以上1.2以下、比表面積が2m/g以上6m/g以下の非晶質炭素または難黒鉛化炭素であることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
  15. 請求項9に記載されたリチウムイオン二次電池において、
    前記負極は、80重量%以上の黒鉛材と20重量%以下の酸化ケイ素とで構成される負極活物質を備えることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
  16. 請求項15に記載されたリチウムイオン二次電池において、
    前記黒鉛材が、粉末X線回折法で求めた面間隔d002が0.3335nm以上0.3375nm以下、比表面積が0.5m/g以上4m/g以下であり、前記酸化ケイ素材が、比表面積が2m/g以上10m/g以下であることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
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