JPWO2010150353A1 - フラットパネルディスプレイ、その製造中間体および製造方法 - Google Patents

フラットパネルディスプレイ、その製造中間体および製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、高精細なフラットパネルディスプレイを安価に製造することが可能とする構造、製造方法およびその中間体を提供することを目的とする。本発明のフラットパネルディスプレイにおいては、赤色および緑色副画素におけるバンクの開口部を青色副画素側に偏心させることによって、既存の装置および材料を用いた場合であっても、より高精細な色変換層を形成することを可能にする。あるいはまた、バンクの開口部の偏心は、製造時間および製造コストの削減を可能にする。

Description

本発明は、主に、フラットパネルディスプレイ、その製造中間体、およびその製造方法に関する。より詳細には、本発明は、有機ELディスプレイ、その製造中間体、およびその製造方法に関する。
トップエミッション構造の有機ELディスプレイのパネルユニットは、有機EL発光基板(TFT基板)とカラーフィルタ基板とを貼り合わせた構成が代表的である。
従来技術において知られている有機EL基板は:支持基板;複数の副画素を構成する位置に存在する複数のスイッチング素子(TFTなど);スイッチング素子を覆って、その上面を平坦化する平坦化樹脂層;平坦化樹脂層に設けられたコンタクトホールを介してスイッチング素子に接続される複数の部分電極からなる反射電極;反射電極を構成する複数の部分電極間を絶縁し、かつ複数の発光部分を画定する絶縁層;少なくとも反射電極上に形成される有機EL層;および有機EL層上に形成される一体型の透明電極などを含む。透明電極は、好ましくは、有機EL基板の周縁部において支持基板上に設けられた基板内配線に接続される。基板内配線は、スイッチング素子の制御信号線(TFTのゲート制御線およびデータ制御線)、電力供給線などを含むことができる。さらに、有機EL基板は、前述の制御信号線を制御する制御IC、外部回路を接続するためのFPC取付用端子などを含んでもよい。また、透明電極以下の層を覆うバリア層を設けることができる。
一方、カラーフィルタ基板は、透明基板と、有機EL基板の発光部分に対応して設けられるカラーフィルタとを少なくとも含む。必要に応じて、カラーフィルタ基板は、コントラスト比を向上させるためのブラックマトリクスを含んでもよい。また、特開2007−157550号公報などに提案されているように、カラーフィルタ基板は、有機EL基板の発光の色相を所望の色相に変換するための色変換層を含む色変換フィルタ基板であってもよい(特許文献1参照)。カラーフィルタおよび色変換層の形成法として、従来から用いられているフォトリソグラフ法に加えて、インクジェット法など塗布方法も普及してきている。インクジェット法を用いて複数種のカラーフィルタまたは複数種の色変換層を形成する際には、バンクを設けて、目的としない形成位置における複数種のインクの混合(いわゆる「混色」)を防止することが一般的に行われている。また、インクジェット法は、有機EL基板の有機EL層の形成手段としても検討されてきている。
図1Aおよび図1Bに、従来技術の色変換フィルタ基板の1つの例を示す。カラーフィルタ基板は、透明基板510と、複数の開口部を有する格子状のブラックマトリクス520と、ストライプ状の複数の部分から構成される赤色(R)、緑色(G)および青色(B)のカラーフィルタ530(R,G,B)と、ストライプ状の複数の部分からなるバンク550と、バンク550の間隙に形成され、ストライプ状の複数の部分からなる赤色変換層540Rおよび緑色変換層540Gとを含む。この例においては、赤色および緑色の2種の色変換層540を形成した色変換フィルタ基板を例示している。
図2Aおよび図2Bに、従来技術の色変換フィルタ基板の別の例を示す。図2Aおよび図2Bに示すカラーフィルタ基板は、バンク550が複数の開口部を有する格子状の形状を有すること、および赤色変換層540Rおよび緑色変換層540Gがバンク550の開口部内に形成され、略矩形状の複数の部分から構成されている点において、図1Aおよび図1Bに示す色変換フィルタ基板と相違する。
最終的に、有機EL基板側の発光部とカラーフィルタ基板(または色変換フィルタ基板)側のカラーフィルタとの位置合わせをしながら、有機EL基板およびカラーフィルタ基板を貼り合わせて有機ELディスプレイのパネルユニットを形成する。貼り合わせの際に、有機EL基板とカラーフィルタ基板との間にギャップ層を設けることが一般的に行われている。ギャップ層は、一般的に接着剤などの固体充填材料で構成される。しかしながら、液体充填材料または気体充填材料を用いてギャップ層を形成してもよい。有機EL基板とカラーフィルタ基板との間の距離を精密に制御することが所望される場合、カラーフィルタ530またはバンク550の上にスペーサを設けてもよい。スペーサを設けることによって、両基板間の距離が大きすぎることによるクロストークの発生、ならびに、両基板間の距離が小さすぎることによる干渉の影響および有機EL基板の構成層への機械的接触による発光部の破損などを防止することができる。また、固体または液体の充填材料を用いてギャップ層を形成する場合の充填材料の広がりムラの発生も、スペーサの設置によって防止することができる。
特開2005−353258号公報は、有機EL基板中の有機EL層をインクジェット法で形成する際に、バンクを無機物バンク層と有機物バンク層との積層構造とし、基板外周部において、無機物バンク層の開口部を有機物バンク層の開口部より基板内側に向かって偏心させることを開示している(特許文献2参照)。前述の開口部の偏心は、基板外周側と基板内側の溶媒の揮発速度の差によって有機EL層の膜厚が不均一になることに対処することを目的とする。より具体的には、有機EL層の所望の厚さ以外の部分を無機物バンク層によって電気的および/または光学的に遮断して、所望の特性の有機EL基板を提供する。特開2005−353258号公報は、バンク層中の開口部の偏心によって精細度を向上させることおよび生産性を向上させることを、開示も示唆もしていない。
特開2007−157550号公報 特開2005−353258号公報
図1A〜2Bに示す色変換フィルタ基板の作製に際して、色変換層540は、(a)透明基板上510上にブラックマトリクス520、カラーフィルタ530およびバンク550を形成した積層体を準備する工程、(b)該積層体の赤色または緑色カラーフィルタ530上に、赤色または緑色変換材料を含むインクをインクジェット法により付着させる工程、および(c)付着したインク液滴を加熱乾燥させる工程を含む方法によって形成される。ここで、所望の膜厚の色変換層540を形成するために、工程(a)〜(c)を複数回にわたって繰り返してもよい。
緑色変換層540Gを例として、図3A〜図3Cを参照しながら、この方法の詳細を説明する。インクジェット装置などから吐出されるインク液滴570は、図3Aに示すように、飛翔中は球状である。また、図3Aに示すように、バンクの開口部(一方のバンクの側壁から他方のバンクの側壁に至る領域)の中心Cは、ブラックマトリクスの開口部の中心CBMと一致している。次いでインク液滴570が、2つのバンク550に挟まれた緑色カラーフィルタ530G上に着弾すると、付着したインク液滴572は、図3Bに示すように、一方のバンク550の側壁から他方のバンク550に至る領域に広がり、かつバンク550の上面を超える高さまで盛り上がっている。引き続いて、付着したインクが緑色副画素内に広がり、加熱してインク中の溶媒を除去することによって、図3Cに示すような緑色変換層540Gが形成される。
図3A〜3Cに示すようにインクジェット法によって色変換層540を形成する場合、インクジェット装置から吐出されるインク液滴570のサイズの縮小限界、および吐出されたインク液滴572の着弾位置のバラツキが存在する。また、バンク550についても、現実的に形成できる幅および配置間隔(すなわち、精細度)の下限が存在する。ここで、吐出されるインク液滴570のサイズとインク液滴570の着弾位置のバラツキとの合計が、バンクの配置間隔よりも大きい場合、インク液滴570の着弾不良が発生する。言い換えると、使用する材料の物性および装置によって、色変換層540の精細度の限界が決定される。一方、所与の精細度のバンク550に比較して十分に小さい液滴を吐出でき、かつ着弾位置のバラツキの少ないインクジェット装置を用いることができる場合であっても、吐出するインク液滴570のサイズがあまり小さくしすぎると、必要な膜厚を得るための塗布回数が増大する。その結果、製造時間が増大して、色変換層540を形成するためのコストが上昇する。したがって、着弾不良が発生しない範囲で可能な限り大きなインク液滴570を用いて、色変換層540を形成することが求められる。色変換層540の精細度(すなわち、バンク550の配置間隔)が向上するほど、これらの問題は顕著になる。
よって、本発明の課題は、バンクを有する構造体上に塗布法で色変換層などを形成する際に、従来材料と装置のままで精細度を上げるか、または特定精細度に対してより大量の塗布を行って製造時間を縮め、ひいては高精細で安価な有機ELディスプレイ等のフラットパネルディスプレイを提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明では、青色光透過性材料を用いて、赤色副画素と緑色副画素との境界および青色副画素の光が透過する領域の上にバンクを形成し、ブラックマトリクス開口中心または絶縁層開口中心に対して、バンク開口部の中心が青色副画素側にずれるような偏心を許容する。
本発明の第1の実施形態のフラットパネルディスプレイは、
透明基板と、複数の開口部を有して、赤色、緑色および青色副画素を画定するブラックマトリクスと、赤色および緑色副画素に形成される赤色および緑色カラーフィルタと、バンクと、赤色および緑色副画素に形成される赤色変換層および緑色変換層とを含む色変換フィルタ基板と、
複数の発光部を有する発光基板と
を含み、前記バンクは、少なくとも青色光を透過させる青色光透過性材料から形成され、かつ前記赤色副画素および緑色副画素に開口部を有し、フラットパネルディスプレイ上の全ての赤色および緑色副画素において、前記ブラックマトリクスの開口部の中心に対して、前記バンクの開口部の中心は青色副画素側に偏心していることを特徴とする。ここで、前記バンクは、前記赤色副画素および緑色副画素の境界に位置するブラックマトリクス上、および前記青色副画素上に形成されていることが望ましい。また、前記バンクを形成する青色光透過性材料は、青色光のみを透過する青色材料であってもよい。さらに、前記青色副画素に青色カラーフィルタをさらに含んでもよい。また、前記発光基板が有機EL発光基板であってもよい。
本発明の第2の実施形態のフラットパネルディスプレイは、
基板と、反射電極と、赤色用発光部、緑色用発光部および青色用発光部を画定する複数の開口部を有する絶縁層と、有機EL層と、透明電極と、バンクと、該赤色副画素に相当する位置に形成された赤色色変換層と、該緑色副画素に相当する位置に形成された緑色変換層とを含む有機EL発光基板と、
透明基板と、赤色および緑色カラーフィルタとを含むカラーフィルタ基板と
を含み、前記バンクは、少なくとも青色光を透過させる青色光透過性材料から形成され、かつ前記赤色用発光部および緑色用発光部に開口部を有し、フラットパネルディスプレイ上の全ての赤色用発光部および緑色用発光部において、前記絶縁層の開口部の中心に対して、前記バンクの開口部の中心は青色用発光部に偏心していることを特徴とする。ここで、前記バンクは、前記赤色用発光部および緑色用発光部の境界上、および前記青色用発光部上に形成されていることが望ましい。また、前記バンクを形成する青色光透過性材料は、青色光のみを透過する青色材料であってもよい。さらに、前記カラーフィルタ基板が青色カラーフィルタをさらに含んでもよい。
本発明の第3の実施形態のフラットパネルディスプレイの製造方法は、
(1) 色変換フィルタ基板を形成する工程であって、下記の工程:
(a) 透明基板上に複数の開口部を有するブラックマトリクスを形成する工程であって、該複数の開口部が、赤色、緑色および青色副画素を画定する工程と、
(b) 前記赤色および緑色副画素に、それぞれ、赤色および緑色カラーフィルタを形成する工程と、
(c) 少なくとも青色光を透過させる青色光透過性材料を用いて、前記赤色副画素および緑色副画素に開口部を有するバンクを形成する工程であって、色変換フィルタ基板上の全ての赤色および緑色副画素において、前記ブラックマトリクスの開口部の中心に対して、前記バンクの開口部の中心は青色副画素側に偏心している工程と、
(d) 前記赤色および緑色副画素に、インクジェット法を用いて赤色変換層および緑色変換層を形成する工程と
を含む工程;
(2) 複数の発光部を有する発光基板を準備する工程;および
(3) 前記色変換フィルタ基板と前記発光基板とを貼り合わせる工程
を含むことを特徴とする。ここで、工程(1)(c)において、前記バンクは、前記赤色副画素および緑色副画素の境界に位置するブラックマトリクス上、および前記青色副画素上に形成されることが望ましい。また、前記バンクを形成する青色光透過性材料は、青色光のみを透過する青色材料であってもよい。さらに、工程(b’)青色副画素に青色カラーフィルタを形成する工程をさらに含んでもよい。また、前記発光基板が有機EL発光基板であってもよい。
本発明の第4の実施形態のフラットパネルディスプレイの製造方法は、
(4) 有機EL発光基板を形成する工程であって、下記の工程:
(a) 基板上に反射電極を形成する工程と、
(b) 複数の開口部を有する絶縁層を形成する工程であって、該複数の開口部が、赤色用発光部、緑色用発光部および青色用発光部を画定する工程と、
(c) 有機EL層を形成する工程と、
(d) 透明電極を形成する工程と、
(e) 少なくとも青色光を透過させる青色光透過性材料を用いて、前記赤色用発光部および緑色用発光部に開口部を有するバンクを形成する工程であって、有機EL発光基板中の全ての赤色用発光部および緑色用発光部において、前記絶縁層の開口部の中心に対して、前記バンクの開口部の中心は青色用発光部側に偏心している工程と、
(f) 前記赤色用発光部および緑色用発光部のそれぞれに、インクジェット法を用いて赤色変換層および緑色変換層を形成する工程と
を含む工程;
(5) 透明基板上に赤色および緑色カラーフィルタを形成して、カラーフィルタ基板を形成する工程;および
(6) 前記有機EL発光基板と前記カラーフィルタ基板とを貼り合わせる工程
を含むことを特徴とする。ここで、工程(4)(e)において、前記バンクは、前記赤色用発光部および緑色用発光部の境界上、および前記青色用発光部上に形成されることが望ましい。また、前記バンクを形成する青色光透過性材料は、青色光のみを透過する青色材料であってもよい。さらに、工程(5)において、前記透明基板上に青色カラーフィルタを形成する工程をさらに含んでもよい。
本発明の第5の実施形態の色変換フィルタ基板は、
透明基板と、複数の開口部を有して、赤色、緑色および青色副画素を画定するブラックマトリクスと、赤色および緑色副画素に形成される赤色および緑色カラーフィルタと、バンクと、赤色および緑色副画素に形成される赤色変換層および緑色変換層とを含み、
前記バンクは、少なくとも青色光を透過させる青色光透過性材料から形成され、かつ前記赤色副画素および緑色副画素に開口部を有し、
色変換フィルタ基板上の全ての赤色および緑色副画素において、前記ブラックマトリクスの開口部の中心に対して、前記バンクの開口部の中心は青色副画素側に偏心している
ことを特徴とする。ここで、前記バンクは、前記赤色副画素および緑色副画素の境界に位置するブラックマトリクス上、および前記青色副画素上に形成されていることが望ましい。また、前記バンクを形成する青色光透過性材料は、青色光のみを透過する青色材料であてもよい。さらに、前記青色副画素に青色カラーフィルタをさらに含んでもよい。
本発明の第6の実施形態の有機EL発光基板は、
基板と、反射電極と、赤色用発光部、緑色用発光部および青色用発光部を画定する複数の開口部を有する絶縁層と、有機EL層と、透明電極と、バンクと、赤色変換層および緑色変換層とを含み、
前記バンクは、少なくとも青色光を透過させる青色光透過性材料から形成され、かつ前記赤色用発光部および緑色用発光部に開口部を有し、
有機EL発光基板中の全ての赤色用発光部および緑色用発光部において、前記絶縁層の開口部の中心に対して、前記バンクの開口部の中心は青色用発光部側に偏心していることを特徴とする。ここで、前記バンクは、前記赤色用発光部および緑色用発光部の境界上、および前記青色用発光部上に形成されていることが望ましい。また、前記バンクを形成する青色光透過性材料は、青色光のみを透過する青色材料であってもよい。
インクジェット法で色変換層などを形成するフラットパネルディスプレイにおいて、本発明のバンク構造を採用することで、バンク開口幅を従来より拡大できるようになった。これによって、インクジェット装置および材料を変えずに精細度を向上させることができる。あるいはまた、同一精細度においてインク液滴の直径を増大させることにより、インクジェット法による塗布回数を削減することができる。以上の効果によって、高精細なフラットパネルディスプレイを安価に製造することが可能となる。
図1Aは、従来技術の色変換フィルタ基板の1つの例の平面図である。 図1Bは、従来技術の色変換フィルタ基板の1つの例の、切断線IB−IBに沿った断面図である。 図2Aは、従来技術の色変換フィルタ基板の別の例の平面図である。 図2Bは、従来技術の色変換フィルタ基板の別の例の、切断線IIB−IIBに沿った断面図である。 図3Aは、従来技術の色変換フィルタ基板における色変換層の形成を説明する断面図である。 図3Bは、従来技術の色変換フィルタ基板における色変換層の形成を説明する断面図である。 図3Cは、従来技術の色変換フィルタ基板における色変換層の形成を説明する断面図である。 図4Aは、本発明の有機ELディスプレイに用いる色変換フィルタ基板の1つの例の平面図である。 図4Bは、本発明の有機ELディスプレイに用いる色変換フィルタ基板の1つの例の、切断線IVB−IVBに沿った断面図である。 図5Aは、本発明の有機ELディスプレイに用いる色変換フィルタ基板の別の例の平面図である。 図5Bは、本発明の有機ELディスプレイに用いる色変換フィルタ基板の別の例の、切断線VB−VBに沿った断面図である。 図6Aは、本発明の色変換フィルタ基板における色変換層の形成を説明する断面図である。 図6Bは、本発明の色変換フィルタ基板における色変換層の形成を説明する断面図である。 図6Cは、本発明の色変換フィルタ基板における色変換層の形成を説明する断面図である。 図7は、本発明の有機ELディスプレイの1つの例を示す断面図である。 図8は、本発明の有機ELディスプレイの別の例を示す断面図である。 図9は、本発明の有機ELディスプレイの別の例を示す断面図である。
本発明は、
透明基板と、複数の開口部を有して、赤色、緑色および青色副画素を画定するブラックマトリクスと、赤色および緑色副画素に形成される赤色および緑色カラーフィルタと、バンクと、赤色および緑色副画素に形成される赤色変換層および緑色変換層とを含む色変換フィルタ基板と、
複数の発光部を有する発光基板と
を含み、前記バンクは、少なくとも青色光を透過させる青色光透過性材料から形成され、かつ前記赤色副画素および緑色副画素に開口部を有し、フラットパネルディスプレイ上の全ての赤色および緑色副画素において、前記ブラックマトリクスの開口部の中心に対して、前記バンクの開口部の中心は青色副画素側に偏心していることを特徴とするフラットパネルディスプレイ、その製造方法、および当該製造方法に用いる色変換フィルタ基板に関する。
本発明の色変換フィルタ基板の1つの態様を、図4Aおよび図4Bに示す。図4Aは色変換フィルタ基板の上面図であり、図4Bは、図4A中の切断線IVB−IVBに沿った色変換フィルタ基板の断面図である。色変換フィルタ基板は、透明基板10と、ブラックマトリクス20と、赤色、緑色、青色カラーフィルタ30(R,G,B)と、バンク50と、赤色変換層40Rと、緑色変換層40Gと、スペーサ60とを含む。ここで、バンク50は、縦方向に延びる複数のストライプ状部分から構成される。前述の構成要素のうち、青色カラーフィルタ30Bおよびスペーサ60は、必要に応じて設けることができる任意選択的要素である。
本発明の色変換フィルタ基板の別の態様を、図5Aおよび図5Bに示す。図5Aは色変換フィルタ基板の上面図であり、図5Bは、図5A中の切断線VB−VBに沿った色変換フィルタ基板の断面図である。図5Aおよび図5Bに示す色変換フィルタ基板は、バンク50が格子状の構成を有することを除いて、図4Aおよび図4Bに示す色変換フィルタ基板と同等である。
透明基板10は、可視光領域の光に対する透明性を有し、かつ他の構成層の形成に用いられる種々の条件(たとえば、使用される溶媒、温度など)に耐えることができる任意の材料を用いて形成することができる。また、透明基板10は、優れた寸法安定性を有することが望ましい。透明基板10を形成するのに用いられる材料は、ガラス、あるいは、ポリオレフィン、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、およびポリイミド樹脂などの樹脂を含む。前述の樹脂を用いる場合、透明基板10は、剛直性であっても可撓性であってもよい。
ブラックマトリクス20は、赤色、緑色および青色の副画素を明確に画定する複数の開口部を有し、フラットパネルディスプレイのコントラスト比の向上に寄与する層である。ブラックマトリクス20は、図4Aおよび図5Aに示すように、複数の矩形状の開口部が縦方向および横方向に配列された、格子状の構成を採ることができる。あるいはまた、ブラックマトリクス20を、縦方向に延びる複数のストライプ状部分から形成してもよい。この場合、ブラックマトリクス20の隣接するストライプ状部分の間の開口部は、縦方向に整列した副画素の集合体を画定する。
本発明のブラックマトリクス20は、フラットパネルディスプレイ用材料として市販されているブラックマトリクス材料を用いて形成することができる。ブラックマトリクス20の膜厚は、一般的に1〜2μm程度である。ブラックマトリクス20は、スピンコート、ロールコート、キャスト、ディップコートなどの塗布法を用いて市販のブラックマトリクス材料を全面に塗布し、パターン状に露光して部分的に硬化させ、未硬化の領域を除去することによって形成することができる。
カラーフィルタ30は、ブラックマトリクス20が画定する各色の副画素の開口部に形成され、特定の波長域の光を透過させ、所望の色相を得るための層である。本発明の色変換フィルタ基板は、赤色副画素に設けられる赤色カラーフィルタ30R、および緑色副画素に設けられる緑色カラーフィルタ30Gを少なくとも含む。任意選択的に、本発明の色変換フィルタ基板は、青色副画素に設けられる青色カラーフィルタ30Bを含んでもよい。図4A〜5Bにおいては、青色カラーフィルタ30Bを形成した例を示した。本発明においては、全ての赤色副画素および緑色副画素が、少なくとも1つの青色副画素に隣接する。カラーフィルタ30は、図4Aおよび図5Aに示すように、縦方向に整列した複数の開口部にわたって延在するストライプ状の形状を有してもよい。ここで、図4Bおよび図5Bに示すように、カラーフィルタ30の周縁部は、ブラックマトリクス20上に形成してもよい。あるいはまた、カラーフィルタ30は、ブラックマトリクス20の開口部に相当する矩形状の形状を有してもよい。
カラーフィルタ30は、フラットパネルディスプレイ用材料として市販されているカラーフィルタ材料を用いて形成することができる。カラーフィルタ30は、スピンコート、ロールコート、キャスト、ディップコートなどの塗布法を用いて市販のカラーフィルタ材料を全面に塗布し、パターン状に露光して部分的に硬化させ、未硬化の領域を除去することによって形成することができる。
バンク50は、青色光透過性材料から形成される。本発明における「青色光透過性材料」は、少なくとも青色光を透過させる材料を意味する。本発明における「青色光透過性材料」は、可視領域の光全体を透過させる透明材料、青色光のみを透過させる青色材料、青色光および緑色光を透過させるシアン色材料、青色光および赤色光を透過させるマゼンタ色材料などを含む。好ましくは、青色光透過性材料は、透明材料または青色材料である。
バンク50は、ブラックマトリクス20が画定する赤色副画素および緑色副画素に相当する位置に開口部を有する。図4Aに示す態様においては、バンク50は、赤色副画素と緑色副画素との境界をなすブラックマトリクス20上、および青色副画素の青色カラーフィルタ30上に形成された、複数のストライプ状部分からなる。図5Aに示す態様においては、バンク50は、赤色副画素と緑色副画素との境界をなすブラックマトリクス20上、青色副画素の青色カラーフィルタ30上、および2つの同色の副画素の境界をなす横方向に延びるブラックマトリクス20上に形成された、格子状の形状を有する。以上の位置にバンク50を形成することによって、色変換フィルタ基板(すなわちフラットパネルディスプレイ)中の全ての赤色副画素におけるバンク50の開口部の中心は、ブラックマトリクス20の開口部の中心に比較して、青色副画素側に偏心している。同様に、色変換フィルタ基板(すなわちフラットパネルディスプレイ)中の全ての緑色副画素におけるバンク50の開口部の中心もまた、ブラックマトリクス20の開口部の中心に比較して、青色副画素側に偏心している。
バンク50は、青色光透過性である光硬化性材料、光熱併用硬化性材料、熱可塑性材料などを用いて形成することができる。青色光透過性である光硬化性材料または光熱併用硬化性材料を用いる場合、バンク50は、スピンコート、ロールコート、キャスト、ディップコートなどの塗布法を用いて材料を全面に塗布し、パターン状に露光して部分的に硬化または仮硬化させ、未硬化の領域を除去することによって形成することができる。光熱併用硬化性材料を用いる場合、さらに加熱を行って、バンク50の硬化を進行させることが望ましい。あるいはまた、青色光透過性である熱可塑性材料を用いる場合、バンク50は、スクリーン印刷などの印刷法を用いて形成することができる。
色変換層40は、発光基板が発する光を吸収し、波長分布変換を行って異なる色相の光を放出する層である。本発明においては、赤色副画素に赤色変換層40Rが形成され、緑色副画素に緑色変換層40Gが形成される。本発明における色変換層40は、1種または複数種の色変換色素から形成される。当該技術において知られている任意の色変換色素を、色変換層40の形成に用いることができる。
色変換層40の形成は、1種または複数種の色変換色素および溶媒を含むインクを調製し、インクジェット法を用いて該インクをバンク50の開口部に付着させ、付着したインクを加熱乾燥して溶媒を除去することによって実施することができる。
従来技術の色変換フィルタ基板における色変換層540の形成を、図3A〜図3Cを参照して説明する。なお、図3A〜図3Cにおいては、緑色変換層540Gの形成を例として示す。図3Aにおいて、バンク550は赤色副画素および緑色副画素の境界のブラックマトリクス520上、および緑色副画素および青色副画素の境界のブラックマトリクス520上に設けられている。その結果、バンク550の開口部の中心Cは、ブラックマトリクス520の開口部の中心CBMと一致している。バンク550の幅をW、バンク50を形成する際の位置合わせ公差をWcdとすると、バンク550をブラックマトリクス20の上の所望の位置に設けるためには、ブラックマトリクスの幅WBMは、WBM≧W+2Wcdの関係を満たす必要がある。ここで、副画素の横方向ピッチ(すなわちブラックマトリクスの幅WBM+ブラックマトリクスの開口部の幅)をPSPとすると、バンク550の開口幅の最小値は、
SP−W−2Wcd (式1)
で求められる。さらに、インク液滴570の直径をDとし、その着弾公差をDcdとすると、バンク550の開口幅の最小値は、PSP−W−2Wcdで求められる。したがって、バンク550の開口部にインク液滴570が着弾するためには、
≦PSP−W−2Wcd−2Dcd (式2)
の関係を満たす必要がある。
次いで、図3Bに示すように、着弾したインク液滴572は、2つのバンク550間の領域に広がり、バンク550の上面を超えて盛り上がった状態となる。その後に、基板の縦方向(図3Bにおける紙面手前方向および紙面奥手方向)に広がり、さらに加熱乾燥によってインク液滴内の溶媒を除去し、緑色変換層540Gを形成する。ここで、一回のインク液滴の付着によって所望の膜厚の緑色変換層540Gが得られない場合、インクの付着および加熱乾燥を反復して実施し、所望の膜厚の緑色変換層540Gを形成する。
次に、本発明の色変換フィルタ基板における色変換層40の形成を、図6A〜図6Cを参照して説明する。図6A〜図6Cにおいても、緑色変換層40Gの形成を例として示す。図6Aにおいて、バンク50は赤色副画素および緑色副画素の境界のブラックマトリクス20上、および青色副画素上(より詳細には、青色副画素を画定するブラックマトリクス20の開口部の上方)に設けられている。その結果、バンク50の開口部の中心Cは、ブラックマトリクス20の開口部の中心CBMと一致せず、青色副画素側に偏心している。赤色副画素および緑色副画素の境界のブラックマトリクス20上に設けられるバンクについては、図3A〜図3Cの場合と同様に、バンク550をブラックマトリクス20の上の所望の位置に設けるためには、ブラックマトリクスの幅WBMは、WBM≧W+2Wcdの関係を満たす必要がある(ここで、Wはバンク50の幅を示し、Wcdはバンク50を形成する際の位置合わせ公差を示す)。一方、青色副画素上に設けられたバンクについては、WCDの分だけ、緑色副画素と青色副画素との境界のブラックマトリクス20上に形成される可能性がある。したがって、バンク50の開口幅の最小値は
SP−2Wcd (式3)
で求められる(ここで、PSPは、副画素の横方向ピッチを示す)。したがって、インク液滴70の直径をDとし、その着弾公差をDcdとすると、バンク50の開口部にインク液滴70が着弾するためには、
≦PSP−2Wcd−2Dcd (式4)
の関係を満たす必要がある。
次いで、図6Bに示すように、着弾したインク液滴72は、2つのバンク50間の領域に広がり、バンク50の上面を超えて盛り上がった状態となる。その後に、基板の縦方向(図6Bにおける紙面手前方向および紙面奥手方向)に広がり、さらに加熱乾燥によってインク液滴内の溶媒を除去し、緑色変換層40Gを形成する。ここで、一回のインク液滴の付着によって所望の膜厚の緑色変換層40Gが得られない場合、インクの付着および加熱乾燥を反復して実施し、所望の膜厚の緑色変換層40Gを形成する。赤色変換層40Rに関しても、同様の方法で形成される。
上記の(式1)および(式3)の比較から明らかなように、緑色副画素と青色副画素との境界のブラックマトリクス上ではなく、青色副画素上にバンクを形成したことによって、本発明の色変換フィルタ基板におけるバンク50の開口部は、バンク50の線幅Wの分だけ、従来技術の色変換フィルタ基板よりも広くなる。したがって、インク液滴70の直径Dおよび着弾公差Dcdが同一である場合、本発明の色変換フィルタ基板においては、Wの分だけPSPを小さくすること、すなわち解像度を向上させることが可能となる。
また、(式2)および(式4)の比較から明らかなように、同一の副画素ピッチPSPを用いる場合、本発明の色変換フィルタ基板が受容できるインク液滴70の直径Dは、従来技術の色変換フィルタ基板の場合よりもバンク50の線幅Wの分だけ大きくなる。本発明の色変換フィルタ基板において色変換層40が形成されるバンク50の開口部の幅がWの分だけ大きくなり、色変換層を形成すべき面積が開口部の幅に比例して大きくなっている。しかしながら、インク液滴70の直径Dが増加した際に、インク液滴70の体積は直径Dの3乗に比例して大きくなり、1つのインク液滴の付着によって形成される色変換層40の膜厚が著しく大きくなる。したがって、同一膜厚の色変換層40を形成する場合、必要とされるインク液滴70の数を少なくし、製造時間の減少および製造コストの低減が可能となる。
わずかにバンク50の線幅Wの差による効果ではあるが、上述の効果は、色変換フィルタ基板の精細度が向上するにつれて顕著となる。たとえば、最近の携帯電話においては、140〜150ppiの精細度のフラットパネルディスプレイが用いられるようになってきている。たとえば、140ppiの精細度において、従来型の構造においては、副画素の横方向ピッチPSPは約60μmであり、バンクの線幅Wは約10μmである。この場合、(式1)および(式3)の比較から明らかなように、本発明の色変換フィルタ基板においては、副画素の横方向ピッチPSPを約50μmまで減少させても、バンクの開口部の幅を同一に維持することができる。約50μmのPSPは、170ppiの精細度に相当する。すなわち、従来のインクジェット装置をそのまま用いた場合であっても、約30ppiの精細度の向上が可能となる。
さらに、副画素の横方向ピッチPSPを50μmとし、バンクの線幅Wを10μmとし、インク液滴の着弾公差Dcdを10μmとすると、(式2)から、従来型の色変換フィルタ基板が受容できるインク液滴の直径Dの最大値は20μmと計算される。一方、(式4)から、本発明の色変換フィルタ基板が受容できるインク液滴の直径Dの最大値は30μmと計算される。ここで、従来型の色変換フィルタ基板において色変換層を形成するバンクの開口部の幅が40μm(=PSP−W)であるのに対し、本発明におけるバンクの開口部の幅は50μmであり、色変換層を形成する面積が1.25倍に増加する。しかしながら、インク液滴の体積の最大値は3.375倍(=(30/20))になる。したがって、1個のインク液滴の付着によって形成される色変換層の膜厚を、最大で2.7倍とすることが可能となる。これは、従来は数回〜数十回にわたって行っていたインク液滴の付着回数を削減し、製造時間の大幅な短縮および製造コストの削減の可能性をもたらす。ただし、色変換層の混色を発生させることなしに削減できるインク液滴の付着回数が、バンクの高さ、バンク表面の撥液処理状態、インクの粘度などに依存することは、当業者であれば容易に理解することができるであろう。
本発明の色変換フィルタ基板は、色変換層40の劣化防止、または色変換色素の充填層(後述)への流出などを防止することを目的として、色変換層40およびバンク50以下の層を覆って形成される保護層(不図示)を含んでもよい。保護層は、無機材料または樹脂を用いて形成することができる。
また、本発明の色変換フィルタ基板は、バンク50上に形成されるスペーサ60をさらに含んでもよい。スペーサ60は、後述するように、発光基板と色変換フィルタ基板との貼り合わせの際に、両基板間の距離を画定するのに有用である。
本発明のフラットパネルディスプレイを構成する発光基板は、複数の発光部を有する任意の既知の構成を有していてもよい。好ましくは、発光基板は有機EL発光基板である。
発光基板として有機EL発光基板を用いた本発明のフラットパネルディスプレイの1つの例を図7に示す。色変換フィルタ基板1は、図4Aおよび図4Bに示すストライプ状のバンク50を有してもよく、図5Aおよび図5Bに示す格子状のバンク50を有してもよい。
有機EL発光基板2は、基板110の反対側に光を放出することを条件として、任意の構成を採ってもよい。図7に示す有機EL発光基板2は、基板110、複数のスイッチング素子120、平坦化層130、反射電極140、複数の開口部を有する絶縁層150、有機EL層160、透明電極170、およびバリア層180を含む。図7の例において、基板110、反射電極140、有機EL層160、および透明電極170が必須の構成要素であり、その他の層は任意選択的に設けてもよい構成要素である。
基板110は、他の構成層の形成に用いられる種々の条件(たとえば、使用される溶媒、温度など)に耐えることができる任意の材料を用いて形成することができる。また、基板110は、優れた寸法安定性を有することが望ましい。基板110を形成するのに用いられる透明材料は、ガラス、あるいは、ポリオレフィン、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、およびポリイミド樹脂などの樹脂を含む。前述の樹脂を用いる場合、基板110は、剛直性であっても可撓性であってもよい。あるいはまた、基板110を、シリコン、セラミックなどの不透明材料を用いて形成してもよい。複数のスイッチング素子120は、TFTなど当該技術において知られている任意の素子を用いて形成することができる。
平坦化層130は、スイッチング素子120の形成によって発生する凹凸を平坦化するための層である。平坦化層130は、スイッチング素子120と反射電極140とを接続するための複数のコンタクトホールを含んでもよい。平坦化層130は、通常、樹脂材料を用いて形成される。平坦化層130の上に、SiO、SiN、SiONなどの単層膜またはそれらの複数を積層した積層膜からなるパッシベーション層(不図示)をさらに設けてもよい。パッシベーション層は、平坦化層130を構成する樹脂からのアウトガスが有機EL層160などに侵入することを防止する。
反射電極140は、MoCr、CrB、Ag、Ag合金、Al合金などの、高い反射率を有する金属または合金を用いて形成される。反射電極140は、好ましくは複数の部分電極から構成され、該部分電極はスイッチング素子120と1対1で接続される。反射電極140は複数の層の積層体であってもよい。たとえば、平坦化層またはパッシベーション層との密着性を確保するための下地層、反射層、および透明層の積層構造を有する反射電極140を用いることができる。ここで、下地層および透明層は、IZO、ITOなどの透明導電性酸化物材料を用いて形成することができ、反射層は前述の高反射率を有する金属または合金を用いて形成することができる。
絶縁層150は、複数の開口部を有して、有機EL発光基板2の複数の発光部を画定する層である。前述のように、反射電極140を複数の部分電極から構成する場合、絶縁層150は、それら部分電極の肩部を被覆し、部分電極の上表面を露出させるような開口部を有する。絶縁層150は、SiO、SiN、SiONなどの無機絶縁材料、または有機絶縁材料を用いて形成される。絶縁層150を、有機絶縁材料と無機絶縁材料とを積層して形成してもよい。
有機EL層160は、少なくとも有機発光層を含む。有機EL層160は、必要に応じて、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層および/または電子注入層をさらに含んでもよい。有機EL層160を構成する各層は、公知の化合物または組成物を用いて形成することができる。
透明電極170は、IZO、ITOなどの透明導電性酸化物材料の膜、または数nm〜10nmの膜厚を有する半透明性金属膜から構成される。透明導電性酸化物材料を用いて透明電極170を形成する場合、透明電極170形成時の有機EL層160のダメージを防止する目的で、有機EL層160と透明電極170との間にダメージ緩和層(不図示)を設けてもよい。ダメージ緩和層は、MgAg、Auなどの高い光透過率を有する金属を用いて形成され、数nm程度の膜厚を有する。
バリア層180は、SiO、SiN、SiONなどの無機絶縁材料の単層膜または積層膜から構成される。バリア層180は、有機EL層160への水分または酸素の侵入を防止して、発光欠陥の発生を抑制することに有用である。
有機EL発光基板2の各層の形成においては、当該技術において知られている任意の手段を用いることができる。
最後に、色変換フィルタ基板1のブラックマトリクス20の開口部と有機EL発光基板2の発光部(具体的には絶縁層150の開口部)との位置合わせをしながら、色変換フィルタ基板1と有機EL発光基板2とを貼り合わせることによって、本発明のフラットパネルディスプレイが得られる。
ここで、色変換フィルタ基板1と有機EL発光基板2との間に形成される空隙に、液体または固体材料を充填して、充填層190を形成してもよい。充填層190は、有機EL層160を発する光の伝搬経路における屈折率差を小さくして、光の取り出し効率を向上させることに有効である。充填層190は、たとえば熱硬化型接着剤などを用いて形成することができる。
色変換フィルタ基板1と有機EL発光基板2との貼り合わせにおいては、当該技術において知られている任意の手段を用いることができる。
図8に、本発明のフラットパネルディスプレイの別の例を示す。図8の構成は、青色カラーフィルタ30Bを形成しなかったこと、および青色材料を用いて青色バンク50Bを形成したことを除いて、前述のフラットパネルディスプレイと同様の構成を有する。図8の構成においては、青色バンク50Bは、インクジェット法を用いて赤色変換層40Rおよび緑色変換層40Gを形成する際の隔壁としての機能、および所望の色相の青色光を透過するカラーフィルタとしての機能を果たす。前述の両機能を満足するために、青色バンク50Bを形成するための材料を調整することが望ましい。
また、本発明は、
基板と、反射電極と、赤色用発光部、緑色用発光部および青色用発光部を画定する複数の開口部を有する絶縁層と、有機EL層と、透明電極と、バンクと、該赤色副画素に相当する位置に形成された赤色色変換層と、該緑色副画素に相当する位置に形成された緑色変換層とを含む有機EL発光基板と、
透明基板と、赤色および緑色カラーフィルタとを含むカラーフィルタ基板と
を含むフラットパネルディスプレイであって、
前記バンクは、少なくとも青色光を透過させる青色光透過性材料から形成され、かつ前記赤色用発光部および緑色用発光部に開口部を有し、
フラットパネルディスプレイ中の全ての赤色用発光部および緑色用発光部において、前記絶縁層の開口部の中心に対して、前記バンクの開口部の中心は青色用発光部側に偏心している
ことを特徴とするフラットパネルディスプレイ、その製造方法、および当該製造方法に用いる有機EL発光基板に関する。
図9に、色変換層を有する有機EL発光基板4(以下、色変換有機EL発光基板4と称する)と、カラーフィルタ基板3とから形成されるフラットパネルディスプレイの例を示す。
カラーフィルタ基板3は、透明基板10、ならびに赤色および緑色カラーフィルタ30(R,G)を必須の構成要素として含む。カラーフィルタ基板3は、必要に応じて、ブラックマトリクス20、青色カラーフィルタ30B、および/またはスペーサ60をさらに含んでもよい。カラーフィルタ基板3の各構成層は、色変換フィルタ基板1の対応する層と同様の材料および構成を有してもよく、かつ同様の形成方法によって形成することができる。
色変換有機EL発光基板4は、青色光透過性材料から形成されるバンク50、赤色変換層40R、および緑色変換層40Gを有することを除いて、前述の有機EL発光基板2と同様の構成を有する。なお、赤色変換層40Rおよび緑色変換層40Gは、それぞれ、カラーフィルタ基板3の赤色カラーフィルタ30Rおよび緑色カラーフィルタ30Gに対応する位置に設けられる。基板110からバリア層180に至る各層は、前述の有機EL発光基板2の対応する層と同様の材料を用い、同様の形成方法を用いて形成することができる。
この例においては、反射電極140は複数の部分電極から構成される。そして、絶縁層150は、それら複数の部分電極の肩部を被覆し、部分電極の上表面を露出させる複数の開口部を有する。それら複数の開口部が、色変換有機EL発光基板4における発光部を画定する。各発光部は、いずれも青色〜青緑色の光を発する。しかしながら、各発光部が外部へ出力する色は、対応する位置に存在する、色変換層40およびカラーフィルタ基板3中のカラーフィルタ30の色により決定される。この例においては、外部へ青色、緑色および赤色の光を発する発光部を、それぞれ、青色用発光部、緑色用発光部および赤色用発光部と称する。さらに、本実施形態において青色カラーフィルタ30Bが存在しない場合には、対応する位置にカラーフィルタ30が存在しない副画素が青色用発光部となる。
色変換有機EL発光基板4中のバンク50は、赤色用発光部と緑色用発光部との境界、ならびに青色用発光部の上に形成される。その結果、全ての赤色用発光部および緑色用発光部におけるバンク50の開口部の中心は、絶縁層150の開口部の中心に対して、青色用発光部側に偏心している。この偏心は、前述の色変換フィルター基板1中のバンクの偏心と同様に、従前のインクジェット装置を用いる精細度の向上、ならびにインク液滴の直径の増大による製造時間および製造コストの削減の効果をもたらす。
バンク50は、前述と同様の材料および方法を用いて形成することができる。ただし、有機EL層の水分、酸素および熱に対する耐性がそれほど高くないことを考慮して、形成条件の調整を行うことが望ましい。
赤色変換層40Rおよび緑色変換層40Gは、前述と同様の材料およびインクジェット法を用いて、バンク50の開口部内に形成される。色変換有機EL発光基板4を用いる構成においては、前述の色変換フィルタ基板1と有機EL発光基板2とを貼り合わせる構成に比較して、有機EL層160と色変換層40との間に、低屈折率を有する層(バリア層180、充填層190など)が存在しない。これによって、層界面における反射を抑制して、色変換層40への光の入射光率の向上に有効である。また、有機EL層160と色変換層40との間の距離の短縮もまた、色変換層40への光の入射光率の向上に有効である。
<実施例1>
本実施例は、図7の構造および約3インチの公称寸法を有する有機ELディスプレイに係る。本実施例の有機ELディスプレイの画素は150μm×150μmのピッチで配列されている。各画素は、50μm×150μmのピッチで配列された赤色、緑色および青色副画素から構成される。
200×200mm×厚さ0.7mmの無アルカリガラス(AN−100:旭硝子製)からなる基板110の上に、TFTなどから形成される、複数画面分のスイッチング素子120およびその配線を形成した。次いで、スイッチング素子120を覆うように、膜厚3μmの平坦化層130および膜厚300nmのSiOパッシベーション層を形成し、平坦化層130およびパッシベーション層にスイッチング素子120への接続のためのコンタクトホールを形成した。次に、RF−マグネトロンスパッタ装置を用い、Arガス中で膜厚50nmの膜厚のIZO膜を形成した。IZO膜上にレジスト剤「OFRP−800」(商品名、東京応化製)を塗布した、露光および現像してエッチングマスクを形成した。次に、IZO膜のウェットエッチングを行い、副画素毎に分離されたIZO膜を形成した。エッチングマスクを除去した後に、スパッタ法を用いて、分離されたIZO膜の上に膜厚200nmのAg合金膜を形成した。IZO膜と同様の手順を用いてAg合金膜のパターニングを行い、IZO/Ag合金の積層構造を有する反射電極140を形成した。反射電極140は、副画素毎の複数の部分電極からなり、部分電極のそれぞれは、コンタクトホール内のIZOによってスイッチング素子120と1対1で接続されている。反射電極140上に、スピンコート法を用いて膜厚1μmのノボラック系樹脂(JSR製JEM−700R2)膜を塗布し、露光および現像を行って反射電極140の上表面に開口部を有する絶縁層150を形成した。絶縁層150は、反射電極140を構成する複数の部分電極の肩部を被覆し、部分電極の上表面を露出させるように形成した。
続いて、絶縁層150を形成した積層体を、抵抗加熱蒸着装置内に移動させた。反射電極140上に、膜厚1.5nmのLiからなる陰極バッファ層(不図示)を形成した。次いで、抵抗加熱蒸着装置内の圧力を1×10−4Paまで低下させ、トリス(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム(Alq)からなる膜厚20nmの電子輸送層、4,4’−ビス(2,2’−ジフェニルビニル)ビフェニル(DPVBi)からなる膜厚30nmの有機発光層、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD)からなる膜厚10nmの正孔輸送層、および銅フタロシアニン(CuPc)からなる膜厚100nmの正孔注入層を形成し、有機EL層160を得た。有機EL層160の各構成層の形成は、0.1nm/sの蒸着速度で実施した。次いで、有機EL層160の上に、MgAgからなる膜厚5nmのダメージ緩和層(不図示)を形成した。有機EL層160を形成した積層体を、真空を破ることなしに対向スパッタ装置内に移動させた。スパッタ法を用いて膜厚200nmのIZOを積層して、透明電極170を形成した。陰極バッファ層から透明電極170に至る層の形成においては、複数の画面のそれぞれに相当する開口部を有するメタルマスクを用い、複数の画面の境界部における材料の堆積を防止した。
続いて、透明電極170を形成した積層体を、真空を破ることなしにCVD装置内に移動させた。CVD法を用いて、基板の全面に膜厚2μmのSiNを積層し、バリア層180を形成して、有機EL発光基板2を得た。
200×200mm×厚さ0.7mmの無アルカリガラス(イーグル2000:コーニング製)からなる透明基板10の上に、カラーモザイク(登録商標)CK−7001(富士フィルム株式会社から入手可能)を塗布し、パターニングを行って膜厚1μmのブラックマトリクス20およびマーカー(不図示)を形成した。ブラックマトリクス20は、各色の副画素に相当する位置に、横方向の幅36μmの複数の開口部を有する格子状の形状を有し、その線幅WBMは14μmであった。続いて、カラーモザイク(登録商標)CR−7001、CG−7001およびCB−7001(いずれも富士フィルム株式会社から入手可能)を用いて、それぞれ、赤色、緑色および青色カラーフィルタ30(R,G,B)を形成した。各色カラーフィルタ30(R,G,B)のそれぞれは、複数の縦方向に延びるストライプ状部分から構成され、その膜厚は膜厚1.5μmであった。各色カラーフィルタ30(R,G,B)は、横方向に、赤色、緑色および青色の順で、この繰り返しで配置された。
次に、カラーフィルタ上に透明な感光性樹脂(CR−600:日立化成工業製)を塗布し、パターニングを行って、縦方向に延びる複数のストライプ状部分からなるバンク50を形成し、カラーフィルタ基板を得た。バンク50は、緑色副画素と赤色副画素との境界のブラックマトリクス20上、および青色副画素の青色カラーフィルタ30Bの上に形成される複数のストライプ状部分から構成される。緑色副画素と赤色副画素との境界に形成されるストライプ状部分は約10μmの幅を有し、青色副画素に形成されるストライプ状部分は約40μmの幅を有した。バンク50は、約4μmの高さを有した。本発明におけるバンク50の高さは、赤色および緑色カラーフィルタ30(R,G)上表面からバンク50の上表面までの垂直方向の距離を意味する。以上の工程によって、横方向寸法が50μmの赤色および緑色副画素上に幅50μmの開口部を有するバンク50を形成することができた。本実施例の色変換フィルタ基板の赤色および緑色副画素において、バンク50の開口部の中心Cは、ブラックマトリクス20の開口部の中心CBMよりも約5μm青色副画素側に偏心している。
再び、透明な感光性樹脂(CR−600:日立化成工業製)を塗布し、パターニングを行って、2つの隣接する青色副画素の境界に位置するバンク50の上に、複数のスペーサ60を形成した。それぞれのスペーサ60は、約15μmの直径および約2μmの高さを有する円柱形状を有した。スペーサ60を形成したカラーフィルタ基板を加熱乾燥させた。
次に、クマリン6とジエチルキナクリドン(DEQ)との混合物(クマリン6:DEQ=48:2)50質量部をトルエン1000質量部に溶解させ緑色変換層形成用インクを調製した。また、クマリン6と4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(ジュロリジン−9−エニル)−4H−ピラン(DCM−2)との混合物(クマリン6:DCM−2=48:2)50質量部をトルエン1000質量部に溶解させ赤色変換層形成用インクを調製した。
加熱乾燥されたカラーフィルタ基板を、50ppm以下の酸素および50ppm以下の水分を含む窒素雰囲気中に設置されたマルチノズル式インクジェット装置(約±5μmの着弾精度DCDを有する)に配置した。マーカーによるアライメントの後に、緑色副画素に相当するバンク50の開口部の中央をねらって緑色変換層形成用インクを吐出しながら、インク吐出ヘッドを走査した。インクジェット装置の作動条件を調整して、飛翔時のインク液滴70の直径Dを30μmとし、緑色副画素1個あたり3滴のインク液滴を着弾させた。基板全体にわたってインクの吐出を行った後に、窒素雰囲気を破ることなくカラーフィルタ基板を100℃に加熱して乾燥させ、インク中の溶媒を除去した。着弾直後のインク液滴72は、図6Bに示すようにバンク50の上表面よりも盛り上がった状態であるが、加熱乾燥後は、図6Cに示すように平坦な膜となった。インクの吐出および加熱乾燥を10回にわたって反復して、膜厚約0.5μmの緑色変換層40Gを形成した。この工程において、緑色変換層形成用インクが赤色副画素に相当するバンク50の開口部に流れ込むことはなく、隣接する赤色および緑色副画素間での混色は認められなかった。
次いで、緑色変換層形成用インクに代えて赤色変換層形成用インクを用いたことを除いて同様の手順を繰り返して、膜厚約0.5μmの赤色変換層40Rを形成し、図4Aおよび図4Bに示す色変換フィルタ基板1を得た。
次に、有機EL発光基板2および色変換フィルタ基板1を、酸素5ppm,水分5ppm以下の環境に設置された貼り合せ装置に移動させた。そして、色変換フィルタ基板の色変換層40側の表面を上に向けて配置した。ディスペンサを用いて、複数画面のそれぞれの外周にエポキシ系紫外線硬化接着剤(XNR−5516:ナガセケムテックス製)を切れ目無く塗布し、外周シール材を形成した。続いて複数画面のそれぞれの中央付近に、吐出精度5%以内のメカニカル計量バルブを用いて、より低粘度の熱硬化型エポキシ接着剤を滴下した。
次に、有機EL発光基板2のバリア層180側の表面を下に向けた状態で配置し、貼り合わせ装置内を約10Pa以下まで減圧した。色変換フィルタ基板1および有機EL発光基板2を、両基板が平行の状態で接近させ、外周シール材全周を有機EL発光基板2に接触させた。ここで、アライメント機構により両基板の位置合わせを行い、続いて貼り合わせ装置内圧力を大気圧に戻し、両基板を押圧するようにわずかな荷重を印加した。この時に、画面中央付近に滴下した熱硬化型エポキシ接着剤は、外周シール材内部の全体に広がりつつ、両基板がさらに接近した。両基板の接近は、色変換フィルタ基板1のスペーサ80の先端が有機EL発光基板2のバリア層180に接触した時点で停止した。
次に、色変換フィルタ基板1側から外周シール材のみに紫外線を照射して、外周シール材を仮硬化させ、貼り合わせ装置から貼り合わせ体を取り出した。貼り合わせ体を観察した結果、熱硬化型エポキシ接着剤が画面全面に行き渡っており、画面内部の気泡および外周シール材からの熱硬化型エポキシ接着剤のはみ出しがないことが確認された。
続いて、自動ガラススクライバーおよびブレイク装置を用いて、貼り合わせ体を、複数画面のそれぞれに分割した。分割した貼り合わせ体を、1時間にわたって加熱炉内で80℃に加熱して、熱硬化型エポキシ接着剤を硬化させ、充填層190を形成した。引き続いて、貼り合わせ体を加熱炉内で30分間にわたって自然冷却した。加熱炉から取り出した貼り合わせ体をドライエッチング装置内に配置し、ドライエッチングにより貼り合わせ体の周縁部のバリア層180を除去し、端子部、IC接続用パッドなどを露出させて有機ELディスプレイを得た。
<実施例2>
本実施例は、図8の構造を有する有機ELディスプレイに係る。最初に、実施例1の手順を繰り返して、有機EL発光基板2を形成した。
次に、200×200mm×厚さ0.7mmの無アルカリガラス(イーグル2000:コーニング製)からなる透明基板10の上に、実施例1と同様の手順によって、ブラックマトリクス20、赤色カラーフィルタ30Rおよび緑色カラーフィルタ30Gを形成した。本実施例においては、青色カラーフィルタ30Bの形成を省略した。
次に、カラーモザイク(登録商標)CB−7001を希釈して、色素濃度を低下させた青色材料を調製した。続いて、感光性樹脂(CR−600:日立化成工業製)に代えてこの青色材料を用いたことを除いて実施例1のバンク50の形成手順を用いて、青色バンク50Bを形成した。この際に、青色材料の塗布膜厚を約5.5μmとした。青色バンク50Bは、バンク50および青色カラーフィルタ30Bの機能を併せ持つ構成要素である。
次に、実施例1と同様の手順を用いて、スペーサ80、緑色変換層40Gおよび赤色変換層40Rを形成し、色変換フィルタ基板1を得た。さらに、実施例1と同様の手順を用いて、色変換フィルタ基板1および有機EL発光基板2の貼り合わせ以降の工程を行い、有機ELディスプレイを得た。
本実施例においては、青色バンク50Bを形成したことによって、実施例1に比較して、青色カラーフィルタ30Bを形成するための塗布工程およびパターニング工程を省略することができた。
<実施例3>
本実施例は、図9の構造を有する有機ELディスプレイに係る。
最初に、実施例1と同様の手順を用いて、200×200mm×厚さ0.7mmの無アルカリガラス(AN−100:旭硝子製)からなる基板110の上に、スイッチング素子120から透明電極170に至る構成層を形成した。
次に、透明電極170を形成した積層体を、真空を破ることなしにCVD装置に移動させた。CVD法を用いて、基板全面の上に、膜厚0.5μmのSiNおよび膜厚0.5μmのSiONを2回にわたって交互に積層し、膜厚2μmのバリア層180を形成した。
次に、マイクロレンズ形成などで用いられる透明な紫外線硬化型樹脂を溶媒で希釈して、バンク形成用塗布液を調製した。続いて、バリア層180上にこのバンク形成用塗布液を塗布し、パターニングを行って、縦方向に延びる複数のストライプ状部分からなるバンク50を形成した。バンク50は、緑色用発光部と赤色用発光部との境界のバリア層180上、および青色用発光部のバリア層180の上に形成される複数のストライプ状部分から構成される。緑色用発光部と赤色用発光部との境界に形成されるストライプ状部分は約10μmの幅を有し、青色用発光部に形成されるストライプ状部分は約40μmの幅を有した。バンク50は、青色用発光部中央部において、約4μmの膜厚を有した。以上の工程によって、横方向寸法が50μmの赤色用発光部および緑色用発光部上に幅50μmの開口部を有するバンク50を形成することができた。
次に、色変換フィルタ基板1のカラーフィルタ30上での形成ではなく、有機EL発光基板のバリア層180上での形成であること、およびインクの加熱乾燥を約90℃で実施したことを除いて、実施例1と同様の手順を用いて、緑色変換層40Gおよび赤色変換層40Rを形成して、色変換有機EL発光基板4を得た。
次に、200×200mm×厚さ0.7mmの無アルカリガラス(イーグル2000:コーニング製)からなる透明基板10の上に、実施例1と同様の手順によって、ブラックマトリクス20、赤色カラーフィルタ30R、緑色カラーフィルタ30G、および青色カラーフィルタ30Bを形成した。
次いで、2つの隣接する青色副画素の境界において、青色カラーフィルタ30Bの上に、透明な感光性樹脂(CR−600:日立化成工業製)を塗布し、パターニングを行って、2つの隣接する青色副画素の境界のブラックマトリクス20上に位置する青色カラーフィルタ30Bの上に、複数のスペーサ60を形成して、カラーフィルタ基板3を得た。それぞれのスペーサ60は、約15μmの直径および約2μmの高さを有する円柱形状を有した。スペーサ60を形成したカラーフィルタ基板3を加熱乾燥させた。
次に、色変換フィルタ基板1に代えてカラーフィルタ基板3を用い、有機EL発光基板2に代えて色変換有機EL発光基板4を用いたことを除いて、実施例1と同様の手順を用いて貼り合わせ以降の工程を行い、有機ELディスプレイを得た。
本実施例の有機ELディスプレイは、有機EL層160を発した光の色変換層40への入射効率が向上し、実施例1および2のディスプレイよりも赤色副画素および緑色副画素の発光効率が向上した。この効果は、有機EL層160と色変換層40との間に低屈折率の層(バリア層180、充填層190など)が存在しないことによって、層界面における反射を抑制することができたためと考えられる。また、有機EL層160と色変換層40との間の距離の短縮もまた、前述の発光効率の向上に寄与したと考えられる。
1 色変換フィルタ基板
2 有機EL発光基板
3 カラーフィルタ基板
4 色変換有機EL発光基板
10,510 透明基板
20,520 ブラックマトリクス
30,530(R,G,B) カラーフィルタ(R,G,B)
40,540(R,G) 色変換層(R,G)
50,550 バンク
60 スペーサ
70,570 飛翔中のインク液滴
72,572 付着時のインク液滴
110 基板
120 スイッチング素子
130 平坦化層
140 反射電極
150 絶縁層
160 有機EL層
170 透明電極
180 バリア層
190 充填層
バンク50は、ブラックマトリクス20が画定する赤色副画素および緑色副画素に相当する位置に開口部を有する。図4Aに示す態様においては、バンク50は、赤色副画素と緑色副画素との境界をなすブラックマトリクス20上、および青色副画素の青色カラーフィルタ30B上に形成された、複数のストライプ状部分からなる。図5Aに示す態様においては、バンク50は、赤色副画素と緑色副画素との境界をなすブラックマトリクス20上、青色副画素の青色カラーフィルタ30B上、および2つの同色の副画素の境界をなす横方向に延びるブラックマトリクス20上に形成された、格子状の形状を有する。以上の位置にバンク50を形成することによって、色変換フィルタ基板(すなわちフラットパネルディスプレイ)中の全ての赤色副画素におけるバンク50の開口部の中心は、ブラックマトリクス20の開口部の中心に比較して、青色副画素側に偏心している。同様に、色変換フィルタ基板(すなわちフラットパネルディスプレイ)中の全ての緑色副画素におけるバンク50の開口部の中心もまた、ブラックマトリクス20の開口部の中心に比較して、青色副画素側に偏心している。
従来技術の色変換フィルタ基板における色変換層540の形成を、図3A〜図3Cを参照して説明する。なお、図3A〜図3Cにおいては、緑色変換層540Gの形成を例として示す。図3Aにおいて、バンク550は赤色副画素および緑色副画素の境界のブラックマトリクス520上、および緑色副画素および青色副画素の境界のブラックマトリクス520上に設けられている。その結果、バンク550の開口部の中心CDは、ブラックマトリクス520の開口部の中心CBMと一致している。バンク550の幅をWDバンク550を形成する際の位置合わせ公差をWcdとすると、バンク550をブラックマトリクス20の上の所望の位置に設けるためには、ブラックマトリクスの幅WBMは、WBM≧WD+2Wcdの関係を満たす必要がある。ここで、副画素の横方向ピッチ(すなわちブラックマトリクスの幅WBM+ブラックマトリクスの開口部の幅)をPSPとすると、バンク550の開口幅の最小値は、
SP−WD−2Wcd (式1)
で求められる。さらに、インク液滴570の直径をDIとし、その着弾公差をDcdとすると、バンク550の開口幅の最小値は、PSP−WD−2Wcdで求められる。したがって、バンク550の開口部にインク液滴570が着弾するためには、
I≦PSP−WD−2Wcd−2Dcd (式2)
の関係を満たす必要がある。
わずかにバンク50の線幅WDの差による効果ではあるが、上述の効果は、色変換フィルタ基板の精細度が向上するにつれて顕著となる。たとえば、最近の携帯電話においては、140〜150ppiの精細度のフラットパネルディスプレイが用いられるようになってきている。たとえば、140ppiの精細度において、従来型の構造においては、副画素の横方向ピッチPSPは約60μmであり、バンクの線幅WDは約10μmである。この場合、(式1)および(式3)の比較から明らかなように、本発明の色変換フィルタ基板においては、副画素の横方向ピッチPSPを約50μmまで減少させても、バンクの開口部の幅を同一に維持することができる。約50μmの SP は、170ppiの精細度に相当する。すなわち、従来のインクジェット装置をそのまま用いた場合であっても、約30ppiの精細度の向上が可能となる。
200×200mm×厚さ0.7mmの無アルカリガラス(AN−100:旭硝子製)からなる基板110の上に、TFTなどから形成される、複数画面分のスイッチング素子120およびその配線を形成した。次いで、スイッチング素子120を覆うように、膜厚3μmの平坦化層130および膜厚300nmのSiO2パッシベーション層を形成し、平坦化層130およびパッシベーション層にスイッチング素子120への接続のためのコンタクトホールを形成した。次に、RF−マグネトロンスパッタ装置を用い、Arガス中で膜厚50nmのIZO膜を形成した。IZO膜上にレジスト剤「OFRP−800」(商品名、東京応化製)を塗布した、露光および現像してエッチングマスクを形成した。次に、IZO膜のウェットエッチングを行い、副画素毎に分離されたIZO膜を形成した。エッチングマスクを除去した後に、スパッタ法を用いて、分離されたIZO膜の上に膜厚200nmのAg合金膜を形成した。IZO膜と同様の手順を用いてAg合金膜のパターニングを行い、IZO/Ag合金の積層構造を有する反射電極140を形成した。反射電極140は、副画素毎の複数の部分電極からなり、部分電極のそれぞれは、コンタクトホール内のIZOによってスイッチング素子120と1対1で接続されている。反射電極140上に、スピンコート法を用いて膜厚1μmのノボラック系樹脂(JSR製JEM−700R2)膜を塗布し、露光および現像を行って反射電極140の上表面に開口部を有する絶縁層150を形成した。絶縁層150は、反射電極140を構成する複数の部分電極の肩部を被覆し、部分電極の上表面を露出させるように形成した。
次いで、青色カラーフィルタ30Bの上に、透明な感光性樹脂(CR−600:日立化成工業製)を塗布し、パターニングを行って、2つの隣接する青色副画素の境界のブラックマトリクス20上に位置する青色カラーフィルタ30Bの上に、複数のスペーサ60を形成して、カラーフィルタ基板3を得た。それぞれのスペーサ60は、約15μmの直径および約2μmの高さを有する円柱形状を有した。スペーサ60を形成したカラーフィルタ基板3を加熱乾燥させた。

Claims (25)

  1. 透明基板と、複数の開口部を有して、赤色、緑色および青色副画素を画定するブラックマトリクスと、赤色および緑色副画素に形成される赤色および緑色カラーフィルタと、バンクと、赤色および緑色副画素に形成される赤色変換層および緑色変換層とを含む色変換フィルタ基板と、
    複数の発光部を有する発光基板と
    を含むフラットパネルディスプレイであって、
    前記バンクは、少なくとも青色光を透過させる青色光透過性材料から形成され、かつ前記赤色副画素および緑色副画素に開口部を有し、
    フラットパネルディスプレイ中の全ての赤色および緑色副画素において、前記ブラックマトリクスの開口部の中心に対して、前記バンクの開口部の中心は青色副画素側に偏心している
    ことを特徴とするフラットパネルディスプレイ。
  2. 前記バンクは、前記赤色副画素および緑色副画素の境界に位置するブラックマトリクス上、および前記青色副画素上に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のフラットパネルディスプレイ。
  3. 前記バンクを形成する青色光透過性材料は、青色光のみを透過する青色材料であることを特徴とする請求項1に記載のフラットパネルディスプレイ。
  4. 前記青色副画素に青色カラーフィルタをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のフラットパネルディスプレイ。
  5. 前記発光基板が有機EL発光基板であることを特徴とする請求項1に記載のフラットパネルディスプレイ。
  6. 基板と、反射電極と、赤色用発光部、緑色用発光部および青色用発光部を画定する複数の開口部を有する絶縁層と、有機EL層と、透明電極と、バンクと、該赤色副画素に相当する位置に形成された赤色色変換層と、該緑色副画素に相当する位置に形成された緑色変換層とを含む有機EL発光基板と、
    透明基板と、赤色および緑色カラーフィルタとを含むカラーフィルタ基板と
    を含むフラットパネルディスプレイであって、
    前記バンクは、少なくとも青色光を透過させる青色光透過性材料から形成され、かつ前記赤色用発光部および緑色用発光部に開口部を有し、
    フラットパネルディスプレイ中の全ての赤色用発光部および緑色用発光部において、前記絶縁層の開口部の中心に対して、前記バンクの開口部の中心は青色用発光部側に偏心している
    ことを特徴とするフラットパネルディスプレイ。
  7. 前記バンクは、前記赤色用発光部および緑色用発光部の境界上、および前記青色用発光部上に形成されていることを特徴とする請求項6に記載のフラットパネルディスプレイ。
  8. 前記バンクを形成する青色光透過性材料は、青色光のみを透過する青色材料であることを特徴とする請求項6に記載のフラットパネルディスプレイ。
  9. 前記カラーフィルタ基板が青色カラーフィルタをさらに含むことを特徴とする請求項6に記載のフラットパネルディスプレイ。
  10. (1) 色変換フィルタ基板を形成する工程であって、下記の工程:
    (a) 透明基板上に複数の開口部を有するブラックマトリクスを形成する工程であって、該複数の開口部が、赤色、緑色および青色副画素を画定する工程と、
    (b) 前記赤色および緑色副画素に、それぞれ、赤色および緑色カラーフィルタを形成する工程と、
    (c) 少なくとも青色光を透過させる青色光透過性材料を用いて、前記赤色副画素および緑色副画素に開口部を有するバンクを形成する工程であって、色変換フィルタ基板中の全ての赤色および緑色副画素において、前記ブラックマトリクスの開口部の中心に対して、前記バンクの開口部の中心は青色副画素側に偏心している工程と、
    (d) 前記赤色および緑色副画素に、インクジェット法を用いて赤色変換層および緑色変換層を形成する工程と
    を含む工程;
    (2) 複数の発光部を有する発光基板を準備する工程;および
    (3) 前記色変換フィルタ基板と前記発光基板とを貼り合わせる工程
    を含むことを特徴とするフラットパネルディスプレイの製造方法。
  11. 工程(1)(c)において、前記バンクは、前記赤色副画素および緑色副画素の境界に位置するブラックマトリクス上、および前記青色副画素上に形成されることを特徴とする請求項10に記載のフラットパネルディスプレイの製造方法。
  12. 前記バンクを形成する青色光透過性材料は、青色光のみを透過する青色材料であることを特徴とする請求項10に記載のフラットパネルディスプレイの製造方法。
  13. (b’) 青色副画素に青色カラーフィルタを形成する工程
    をさらに含むことを特徴とする請求項10に記載のフラットパネルディスプレイの製造方法。
  14. 前記発光基板が有機EL発光基板であることを特徴とする請求項10に記載のフラットパネルディスプレイの製造方法。
  15. (4) 有機EL発光基板を形成する工程であって、下記の工程:
    (a) 基板上に反射電極を形成する工程と、
    (b) 複数の開口部を有する絶縁層を形成する工程であって、該複数の開口部が、赤色用発光部、緑色用発光部および青色用発光部を画定する工程と、
    (c) 有機EL層を形成する工程と、
    (d) 透明電極を形成する工程と、
    (e) 少なくとも青色光を透過させる青色光透過性材料を用いて、前記赤色用発光部および緑色用発光部に開口部を有するバンクを形成する工程であって、有機EL発光基板中の全ての赤色用発光部および緑色用発光部において、前記絶縁層の開口部の中心に対して、前記バンクの開口部の中心は青色用発光部側に偏心している工程と、
    (f) 前記赤色用発光部および緑色用発光部のそれぞれに、インクジェット法を用いて赤色変換層および緑色変換層を形成する工程と
    を含む工程;
    (5) 透明基板上に赤色および緑色カラーフィルタを形成して、カラーフィルタ基板を形成する工程;および
    (6) 前記有機EL発光基板と前記カラーフィルタ基板とを貼り合わせる工程
    を含むことを特徴とするフラットパネルディスプレイの製造方法。
  16. 工程(4)(e)において、前記バンクは、前記赤色用発光部および緑色用発光部の境界上、および前記青色用発光部上に形成されることを特徴とする請求項15に記載のフラットパネルディスプレイの製造方法。
  17. 前記バンクを形成する青色光透過性材料は、青色光のみを透過する青色材料であることを特徴とする請求項15に記載のフラットパネルディスプレイの製造方法。
  18. 工程(5)において、前記透明基板上に青色カラーフィルタを形成する工程をさらに含むことを特徴とする請求項15に記載のフラットパネルディスプレイの製造方法。
  19. 透明基板と、複数の開口部を有して、赤色、緑色および青色副画素を画定するブラックマトリクスと、赤色および緑色副画素に形成される赤色および緑色カラーフィルタと、バンクと、赤色および緑色副画素に形成される赤色変換層および緑色変換層とを含み、
    前記バンクは、少なくとも青色光を透過させる青色光透過性材料から形成され、かつ前記赤色副画素および緑色副画素に開口部を有し、
    色変換フィルタ基板中の全ての赤色および緑色副画素において、前記ブラックマトリクスの開口部の中心に対して、前記バンクの開口部の中心は青色副画素側に偏心している
    ことを特徴とする色変換フィルタ基板。
  20. 前記バンクは、前記赤色副画素および緑色副画素の境界に位置するブラックマトリクス上、および前記青色副画素上に形成されていることを特徴とする請求項19に記載の色変換フィルタ基板。
  21. 前記バンクを形成する青色光透過性材料は、青色光のみを透過する青色材料であることを特徴とする請求項19に記載の色変換フィルタ基板。
  22. 前記青色副画素に青色カラーフィルタをさらに含むことを特徴とする請求項19に記載の色変換フィルタ基板。
  23. 基板と、反射電極と、赤色用発光部、緑色用発光部および青色用発光部を画定する複数の開口部を有する絶縁層と、有機EL層と、透明電極と、バンクと、赤色変換層および緑色変換層とを含み、
    前記バンクは、少なくとも青色光を透過させる青色光透過性材料から形成され、かつ前記赤色用発光部および緑色用発光部に開口部を有し、
    有機EL発光基板中の全ての赤色用発光部および緑色用発光部において、前記絶縁層の開口部の中心に対して、前記バンクの開口部の中心は青色用発光部側に偏心している
    ことを特徴とする有機EL発光基板。
  24. 前記バンクは、前記赤色用発光部および緑色用発光部の境界上、および前記青色用発光部上に形成されていることを特徴とする請求項23に記載の有機EL発光基板。
  25. 前記バンクを形成する青色光透過性材料は、青色光のみを透過する青色材料であることを特徴とする請求項23に記載の有機EL発光基板。
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