JPWO2010150311A1 - Tdc回路及びadpll回路 - Google Patents

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Abstract

第1反転遅延素子を偶数個、ループ状に接続した第1遅延回路と、第2反転遅延素子を偶数個、ループ状に接続した第2遅延回路と、第1入力信号を受け、第1反転遅延素子から第1パルス信号を発生させる第1パルス信号駆動回路と、第2入力信号を受け、第2の反転遅延素子から第2パルス信号を発生させる第2パルス信号駆動回路と、第2反転遅延素子からの第4パルス信号によって、第1反転遅延素子からの第3パルス信号の論理をラッチする、複数の第1フリップフロップ回路と、第3パルス信号をカウントする第1カウンタと、第4パルス信号をカウントする第2カウンタと、第3パルス信号を、第4パルス信号によって、第1フリップフロップよってラッチし、第1フリップフロップがラッチした信号が第1の変化をした場合に、第1のカウンタのカウント数及び第2カウンタのカウント数を記憶する検出結果出力回路と、を備えることを特徴とするTDC回路。

Description

パルス信号を用いて時間差の計測を行う回路に関する。
無線通信装置において、RF回路はアナログ回路により構成され、ベースバンド回路はデジタル回路により構成されていた。しかし、アナログ回路は面積が大きく、消費電力も大きい。そこで、RF回路をデジタル回路で構成することが検討されており、RF信号を処理する上で重要なPLL(Phase Locked Loop)回路に対応する、ADPLL(All Digitalphase Locked Loop: ディジタルフェーズロックドループ)回路が提案されている。
ADPLL回路において、2つの異なるクロックの位相差、すなわち、2つのパルス信号の論理の立ち上がり間の時間差を検出し、デジタル値であらわすTDC(Time-To-Digital Converter)回路の分解能を高めることが、課題の一つとなっている。
ここで、2つのパルス信号の論理の立ち上がりの時間差は、以下のように検出する。まず、複数段の論理回路を連続して接続して構成された遅延回路に、一方のパルス信号を先に伝搬させる。次いで、上記の論理回路とは信号遅延時間が短い論理回路を連続して接続して構成された遅延回路に、時間差をおいて他方のパルス信号も伝搬させる。そこで、一方のパルス信号から伝搬したパルス信号の立ち上がりと、他方のパルス信号から伝搬したパルス信号の立ち上がりが一致するのが、何段目の論理回路にパルス信号が伝搬したときに起きるかによって、上記の時間差を判断することができる。なぜなら、一方のパルス信号が伝搬する論理回路の信号遅延時間と、他方のパルス信号が伝搬する論理回路の信号遅延時間との差と、一致した論理回路の段数との積が時間差と等しくなるからである。
ここで、TDC回路において、2つのパルス信号間の時間差を検出するための、パルス信号を伝搬させる遅延回路を構成するのに、論理回路を直列に接続して構成すると、遅延回路は大規模となる。
そこで、パルス信号の伝搬が連続して起きるように、反転論理を出力する論理回路を奇数段、ループ状に接続して、遅延回路を構成すると、遅延回路は小規模になる(特許文献1参照。)。少数段の反転論理を出力する論理回路によってループ状の遅延回路を構成する場合、一方のパルス信号によってループ状の遅延回路に発生した発振クロックのパルス周期と、他方のパルス信号によって他方のループ状の遅延回路に発生した発振クロックのパルス周期との差と、双方の発振クロックの立ち上がりが一致したときのクロックのカウント数との積が、一方のパルス信号の入力時期と、他方のパルス信号の入力時期との時間差と等しくなる。
ここで、発振クロックの周期の差は、ループ状の遅延回路の信号遅延時間を変化させて形成することになる。発振クロックの周期は、複数の遅延回路の信号遅延時間の和に応じて決まるからである。そうすると、信号遅延時間の変化を非常に小さくしない限り、発振クロックの周期の差を小さくすることは困難である。
また、一方の発振クロックの立ち上がりから、他方の発振クロックの立ち上がりを検出するため、発振クロックの周期の差を、フリップフロップの反応時間より、小さくすることができない。従って、双方の発振クロックの周期の時間差により、入力信号の時間差を検出するため、検出の精度は上がらない。
なお、双方の発振クロックの立ち上がりにより、入力信号の時間差を検出するのは以下の理由による。発振クロック信号が発生しているループ状の遅延回路において、一つの反転論理を出力する論理回路(例えばインバータ)について着目すると、奇数段でループ状の遅延回路は構成されているため、そのインバータが出力する信号の論理は立ち上がりと、立ち下がりとを繰り返すことになる。しかし、論理の立ち上がりから立ち下がりまでの期間は、1周期の半分とは限らない。そのため、双方の発振クロックの立ち上がり時期の差を、一方の発振クロックの立ち上がりと他方の発振クロックの立ち下がりから検出することができないからである。
上記のように、反転論理を出力する論理回路を、ループ状に接続して形成した遅延回路によって時間差を検出するTDC回路の分解能を高めることは困難である。
特表2005−521059号
本発明の課題は、一方の入力信号に起因するパルス信号が伝搬する遅延回路、他方の入力信号に起因するパルス信号が伝搬する遅延回路を用いて、一方の入力信号の入力時期と、他方の入力信号の入力時期の時間差を精度よく検出するTDC回路を提供することである。
上記の課題を解決するため、
入力される信号の論理を反転させた信号を、第1の信号遅延時間後に、出力する第1の反転遅延素子を偶数個、ループ状に直列接続して形成された第1の遅延回路と、
入力される信号の論理を反転させた信号を、前記第1の信号遅延時間とは異なる第2の信号遅延時間後に、出力する第2の反転遅延素子を偶数個であって、前記第1の反転遅延素子と同数、ループ状に直列接続して形成された第2の遅延回路と、
第1の入力信号を受け、前記第1の反転遅延素子のいずれかから第1パルス信号を発生させる第1パルス信号駆動回路と、
第2の入力信号を受け、前記第2の反転遅延素子のいずれかから第2パルス信号を発生させる第2パルス信号駆動回路と、
前記第2パルス信号又は前記第2パルス信号に起因して発生した前記第2の反転遅延素子からのパルス信号を含む第4パルス信号によって、前記第2の反転遅延素子それぞれに対応する前記第1の反転遅延素子が出力する前記第1のパルス信号又は前記第1パルス信号に起因して発生した前記第1の反転遅延素子からのパルス信号を含む第3パルス信号の論理をラッチする、複数の第1フリップフロップ回路と、
第1の反転遅延素子のいずれか一つが発生する第3パルス信号をカウントする第1のカウンタと、
第2の反転遅延素子のいずれか一つが発生する第4パルス信号をカウントする第2のカウンタと、
前記第3パルス信号を、前記第4パルス信号によって、前記複数の第1フリップフロップのそれぞれによってラッチしたときに、前記複数の第1フリップフロップのいずれかがラッチした信号が論理”L”から論理”H”へ第1の変化をしたときに、前記第1のカウンタのカウンタ数及び前記第2のカウンタのカウント数を記憶する検出結果出力回路と、を備えることを特徴とするTDC回路。
本発明によれば、一方の入力信号に起因するパルス信号が伝搬する遅延回路、他方の入力信号に起因するパルス信号が伝搬する遅延回路を用いて、一方の入力信号の入力時期と、他方の入力信号の入力時期の時間差を精度よく検出するTDC回路を提供することができる。
図1は実施例1のTDC回路50を示す。 図2は、インバータ11を構成するインバータ90の回路図を示す。 図3は、パルス幅設定回路A70の動作を説明する図である。 図4は、TDC回路50による時間間隔の計測原理を説明する図である。 図5は、第1のフリップフロップ列30及び第2のフリップフロップ列40の動作について説明する図である。 図6A、Bは第1のフリップフロップ列30を構成するフリップフロップ31から36までにメタステーブル状態が発生したときの処理を説明する図である。 図7は、検出結果出力回路110を示す図である。 図8A、図8Bは、実施例2のTDC回路130の回路図及び動作説明図である。 図9は実施例3のADPLL200の回路図を示す。
本発明は、以下に説明する実施例に対し、当業者が想到可能な、設計上の変更が加えられたもの、及び、実施例に現れた構成要素の組み換えが行われたものも含む。また、本発明は、その構成要素が同一の作用効果を及ぼす他の構成要素へ置き換えられたもの等も含み、以下の実施例に限定されない。
図1は実施例1のTDC回路50を示す。TDC回路50は、エッジ検出回路51、及び、検出結果出力回路110を備える。ここで、実施例1のTDC回路50は、入力信号INAと入力信号INB間の入力時期に対する時間差がプラスであるときに、その時間差を計測するTDC回路である。なお、ここで、時間差がプラスであるとは、入力信号INAが、入力信号INBより後に入力される場合をいう。
エッジ検出回路51は、第1の遅延回路10、第2の遅延回路20、第1のフリップフロップ列30、第2のフリップフロップ列40、カウンタA61、カウンタB62、パルス幅設定回路A70、パルス幅設定回路B80から構成されている。
第1の遅延回路10は、インバータ11、インバータ12、インバータ13、インバータ14、インバータ15、インバータ16を備える。そして、インバータ11の出力信号をインバータ12が受け、インバータ12の出力信号をインバータ13が受け、インバータ13の出力信号をインバータ14が受け、インバータ14の出力信号をインバータ15が受け、インバータ15の出力信号をインバータ16が受け、インバータ16の出力信号をインバータ11が受ける。すなわち、インバータ11、12、13、14、15、16はリング状に直列に接続されている。そして、インバータ11、12、13、14、15、16に入力信号が入力されてから、出力信号が出力されるまでの信号遅延時間はほぼ同様であることが望ましい。第1の遅延回路10は、上記のように6個のインバータから構成されているが、構成個数はそれだけに限られず、偶数のインバータから構成されていればよい。なお、後述するように、第1の遅延回路10においては、信号間の時間間隔がTfとなる、パルス信号が連続的に発生する。
インバータ11は、入力端子XRSTaを備え、入力端子XRSTaに論理”H”の信号を入力されると、2つの相補な入力信号を入力とし、それらの反転論理を有する相補な出力信号を出力するインバータである。インバータ11は、さらに入力端子XRSTaに論理”L”の信号を入力されると、入力信号に関わらず、一方は論理”H”、他方は論理”L”の出力信号を出力するインバータである。なお、図2によって、後にインバータ11を構成するインバータを、詳細に説明する。
インバータ12、13、14、15、及び、16もインバータ11と同様な機能を有する。
第2の遅延回路20は、インバータ21、インバータ22、インバータ23、インバータ24、インバータ25、インバータ26を備える。インバータ21、22、23、24、25、26はリング状に直列に接続されている。第2の遅延回路20は、上記のように6個のインバータから構成されているが、構成個数はそれだけに限られず、偶数のインバータから構成されていればよい。ただし、第2の遅延回路20を構成するインバータの数は、第1の遅延回路10を構成するインバータの数と同数である。そして、インバータ21、22、23、24、25、26に入力信号が入力されてから、出力信号が出力されるまでの信号遅延時間はほぼ同様であることが望ましい。なお、インバータ11、12、13、14、15、16とインバータ21、22、23、24、25の信号遅延時間を比較すると、インバータ21、22、23、24、25の信号遅延時間のほうが長い。インバータ21、22、23、24、25、及び、26もインバータ11と同様な機能を有する。なお、後述するように、第2の遅延回路20においては、信号間の時間間隔がTsとなる、パルス信号が連続的に発生し、第1の遅延回路10のパルス信号間の間隔Tfより、Tsは長い。なお、第1の遅延回路10におけるパルス信号の時間間隔と、第2の遅延回路20におけるパルス信号の時間間隔とが異なるのは、それぞれの遅延回路を構成するインバータの信号遅延時間が異なるため、信号がインバータ6段分を伝搬するのに要する時間、すなわち、1周期を決めている時間が異なるものとなるからである。
第1のフリップフロップ列30は、フリップフロップ31、フリップフロップ32、フリップフロップ33、フリップフロップ34、フリップフロップ35、及び、フリップフロップ36を備える。フリップフロップ31は、D(データ)端子と、CLK(クロック)端子と、Q(出力データ)端子とを有し、CLK端子への入力信号に論理”L”から論理”H”への論理の立ち上がりがあると、D端子への入力信号の論理をラッチし、ラッチした信号をQ端子から出力信号として出力する、D型フリップフロップである。なお、上記のD型フリップフロップのD端子、Q端子、CLK端子それぞれが相補信号を受ける機能を有する。すなわち、D端子はD端子、XD端子からなり、Q端子はQ端子、XQ端子からなり、CLK端子はCLK端子、XCLK端子からなっている。
なお、フリップフロップ32、フリップフロップ33、フリップフロップ34、フリップフロップ35、及び、フリップフロップ36も同様なD型フリップフロップである。
フリップフロップ31は、D端子によってインバータ11からの出力信号を受け、CLK端子によってインバータ21からの出力信号を受け、フリップフロップ41のCLK端子及びフリップフロップ46のD端子に向けQ端子から出力信号を出力する。
フリップフロップ32は、D端子によってインバータ12からの出力信号を受け、CLK端子によってインバータ22からの出力信号を受け、フリップフロップ42のCLK端子及びフリップフロップ41のD端子に向けQ端子から出力信号を出力する。
フリップフロップ33は、D端子によってインバータ13からの出力信号を受け、CLK端子によってインバータ23からの出力信号を受け、フリップフロップ43のCLK端子及びフリップフロップ42のD端子に向けQ端子から出力信号を出力する。
フリップフロップ34は、D端子によってインバータ14からの出力信号を受け、CLK端子によってインバータ24からの出力信号を受け、フリップフロップ44のCLK端子及びフリップフロップ43のD端子に向けQ端子から出力信号を出力する。
フリップフロップ35は、D端子によってインバータ15からの出力信号を受け、CLK端子によってインバータ25からの出力信号を受け、フリップフロップ45のCLK端子及びフリップフロップ44のD端子に向けQ端子から出力信号を出力する。
フリップフロップ36は、D端子によってインバータ16からの出力信号を受け、CLK端子によってインバータ26からの出力信号を受け、フリップフロップ46のCLK端子及びフリップフロップ45のD端子に向けQ端子から出力信号を出力する。
なお、フリップフロップ31から36までは信号Xrstによりリセットされる。
第2のフリップフロップ列40は、フリップフロップ41、フリップフロップ42、フリップフロップ43、フリップフロップ44、フリップフロップ45、及び、フリップフロップ46を備える。フリップフロップ41から46までは信号Xrstによりリセットされる。フリップフロップ41、42、43、44、45、及び、46もフリップフロップ31と同様なD型フリップフロップである。なお、フリップフロップ41、42、43、44、45、及び、46のD端子及びCLK端子への入力信号はフリップフロップ31、32、33、34、35、36からの出力信号であるが、詳細は上記に記載されているので、省略する。なお、第1のフリップフロップ列30及び第2フリップフロップ列40の動作については、図5を用いて説明する。
カウンタA61は、インバータ16から出力される相補信号を受け、正論理の信号の論理が”L”から”H”へ立ち上がったときにカウントアップするカウンタである。
カウンタB62は、インバータ26から出力される相補信号を受け、正論理の信号の論理が”L”から”H”へ立ち上がったときにカウントアップするカウンタである。
パルス幅設定回路A70はフリップフロップ71、インバータ72、NAND73、パルス発生回路74、及び、信号INAが入力される入力端子を備える。
フリップフロップ71のD端子には論理”H”の信号が入力されている。フリップフロップ71のCLK端子には、インバータ13から出力される信号が入力される。フリップフロップ71のPR端子にはパルス発生回路74からの出力信号が入力される。
インバータ72はフリップフロップ71のQ端子から出力される出力信号が入力される。
NAND73の一方の入力端子にはインバータ72からの出力信号が入力される。NAND73の他方の入力端子には信号INAが入力される。NADN73の出力信号はインバータ11の入力端子XRSTaに入力される。
パルス幅設定回路A70の動作については、図3を参照しながら、後に詳細に説明する。
パルス幅設定回路B80は、フリップフロップ81、インバータ82、NAND83、パツス発生回路84、及び、信号INBが入力される入力端子を備える。
フリップフロップ81のD端子には論理”H”の信号が入力されている。フリップフロップ81のCLK端子には、インバータ23から出力される信号が入力される。フリップフロップ81のPR端子にはパルス発生回路84からの出力信号が入力される。
インバータ82はフリップフロップ81のQ端子から出力される出力信号が入力される。
NAND83の一方の入力端子にはインバータ82からの出力信号が入力される。NAND83の他方の入力端子には信号INBが入力される。NADN83の出力信号はインバータ21の入力端子XRSTaに入力される。
検出結果出力回路110は、カウンタA61のカウント数を2進法で表したときの各ビットに対応するn本の信号(nは正の整数)、カウンタA62のカウント数を2進法で表したときの各ビットに対応するm本の信号(mは正の整数)、基準CLK(基準クロック)、カウント開始エッジ信号として使用される信号INB、フリップフロップ32のQ端子からの信号Q1と、フリップフロップ41、42、43、44、45、46のQ端子からの信号QQ1、QQ2、QQ3、QQ4、QQ5、QQ6を入力信号として受ける。また、エッジ検出回路110は、基準CLK(基準クロック)カウント数Nrefを2進法で表したときの各ビットに対応する論理を有するS(sは正の整数)本の信号、第1の遅延回路10及び第2の遅延回路20への信号Xrst、カウントA61から出力される1回目検出のときの周回数1stCAを2進法で表したときの各ビットに対応する論理を有する複数本の信号、カウントA61から出力される2回目検出のときの周回数2ndCAを2進法で表したときの各ビットに対応する論理を有する複数本の信号、カウントB62から出力される1回目検出のときの周回数1stCBを2進法で表したときの各ビットに対応する論理を有する複数本の信号、カウントB62から出力される2回目検出のときの周回数2ndCBを2進法で表したときの各ビットに対応する論理を有する複数本の信号、カウントB62から出力される2回目検出のときの校正用周回数3irdCBを2進法で表したときの各ビットに対応する論理を有する複数本の信号、1回目検出のときのインバータの位置が何番目であったかを2進法の数(1stQQ1dt−1stQQ6dt)で表したときの各ビットに対応する論理を有する信号、2回目検出のときのインバータの位置が何番目であったかを2進法の数(2ndQQ1dt−2ndQQ6dt)で表したときの各ビットに対応する論理を有する信号を出力する。
すなわち、検出結果出力回路110は、式(1)において、信号INA及び信号INB間の時間差を求めるのに必要な、2進法で表した数値を、カウンタA61、カウンタA62、フリップフロップ32、フリップフロップ41、42、43、44、45、46からの信号から得る回路である。なお、詳細動作については、図7を用いて説明する。
図2は、インバータ11を構成するインバータ90の回路図を示す。インバータ90はP型MOSトランジスタ91、92、93、94、95、及び、N型MOSトランジスタ96、97、98、99、100、101、102とを備える。
P型MOSトランジスタ91は、高電位電源Vccと接続するソース、P型MOSトランジスタ94のソースと接続するドレイン、信号RSTを受けるゲートを備える。
P型MOSトランジスタ92は、高電位電源Vccと接続するソース、N型MOSトランジスタ98のドレインと接続するドレイン、入力信号Xrstを受ける入力端子XRSTaに接続するゲートを備える。なお、N型MOSトランジスタ98のドレインは、出力信号端子OP、P型MOSトランジスタ95のドレイン、N型MOSトランジスタ99のドレイン、及び、N型MOSトランジスタ97のゲートに接続している。
P型MOSトランジスタ93は、高電位電源Vccと接続するソース、P型MOSトランジスタ95のソースと接続するドレイン、信号RSTを受けるゲートを備える。
P型MOSトランジスタ94は、P型MOSトランジスタ91のドレインと接続するソース、N型MOSトランジスタ96のドレインと接続するドレイン、入力信号端子IPを受けるゲートを備える。なお、N型MOSトランジスタ96のドレインは、出力信号端子OM、N型MOSトランジスタ101のドレイン、N型MOSトランジスタ97のドレイン、及び、N型MOSトランジスタ98のゲートに接続している。
P型MOSトランジスタ95は、P型MOSトランジスタ93のドレインと接続するソース、N型MOSトランジスタ99のドレインと接続するドレイン、入力信号端子IMを受けるゲートを備える。
N型MOSトランジスタ96は、N型MOSトランジスタ100のドレインと接続するソース、P型MOSトランジスタ94のドレインと接続するドレイン、入力信号端子IPと接続するゲートを備える。
N型MOSトランジスタ97は、P型MOSトランジスタ94のドレインと接続するドレイン、グランド電位Vssと接続するソース、P型MOSトランジスタ92のドレインと接続するゲートを備える。
N型MOSトランジスタ98は、P型MOSトランジスタ95のドレインと接続するドレイン、グランド電位Vssと接続するソース、N型MOSトランジスタ101のドレインと接続するゲートを備える。
N型MOSトランジスタ99は、P型MOSトランジスタ95のドレインと接続するドレイン、N型MOSトランジスタ102と接続するソース、出力端子IMと接続するゲートを備える。
N型MOSトランジスタ100は、N型MOSトランジスタ96のソースと接続するドレイン、グランド電位Vssと接続するソース、入力端子XRSTaと接続するゲートを備える。
N型MOSトランジスタ101は、N型MOSトランジスタ96のドレインと接続するドレイン、グランド電位Vssと接続するソース、信号RSTと接続するゲートを備える。
N型MOSトランジスタ102は、N型MOSトランジスタ99のソースと接続するドレイン、グランド電位Vssと接続するソース、入力端子XRSTaと接続するゲートを備える。
インバータ103は、入力信号Xrstを入力端子XRSTaに受け、その論理を反転させた信号RSTを出力する。
上記より、インバータ90は、入力信号Xrstの論理が”H”であるときは、相補信号を入力端子IP及び入力端子IMにより受け、その論理を反転させた出力信号を出力端子OP及び出力端子OMを出力する。P型MOSトランジスタ91、93は高電位VccをP型MOSトランジスタ94、95に供給し、N型MOSトランジスタ100、102はグランド電位VssをN型MOSトランジスタ96、99に供給するからである。また、インバータ90は、入力信号Xrstの論理が”L”であるときは、入力端子IP、IMから入力される信号の論理に関わらず、出力端子OMから論理”L”の信号を出力し、出力端子OPから論理”H”の信号を出力する。
図3は、パルス幅設定回路A70の動作を説明する図である。なお、パルス幅設定回路B80の動作とパルス幅設定回路A70の動作は同様である。
信号INAはNAND73の一方の入力端子に入力されている。時刻T1に信号INAの論理が論理”L”から論理”H”に立ち上がる。
フリップフロップ71はPR(プリセット)端子付きのD型フリップフロップである。そこで、時刻T2において、フリップフロップ71は、パルス発生回路74からのパルス信号をPR端子で受けると、論理”L”の信号をQ端子より出力する。
インバータ72はフリップフロップ71のQ端子から出力される信号の反転信号を出力する。そこで、時刻T2において、インバータ72は、Q端子より論理”L”の信号を受けると、論理”H”の信号をNAND73の他方の入力端子に出力する。
NAND73は一方の端子から入力された信号と、他方の端子から入力された信号の論理積をとり、その論理を反転させた信号をインバータ11の入力端子XRSTaに出力する。そこで、時刻T2において、インバータ72は論理”H”の信号を出力し、信号INAが論理”H”であるから、NADN73がインバータ11へ出力する信号の論理は、論理”H”から論理”L”へ変化する。
そうすると、時刻T2以前において、インバータ11の出力端子OPは、入力端子XRSTaに論理”H”の信号を受けている間は、入力信号の反転論理を有する信号を出力する。すなわち、時刻T2以前において、インバータ11は、論理”L”の信号を出力する。時刻T2において、入力端子XRSTaに論理”L”の信号を受けると、インバータ11の出力端子OPは、入力信号の論理に関わらず、論理”H”の信号を出力する。
そこで、インバータ11の出力端子OPからの論理”H”の信号をインバータ12が受けて、時刻T3において、インバータ12の出力端子OPからは論理”L”の信号が出力される。
次いで、インバータ12の出力端子OPからの論理”L”の信号をインバータ13が受けて、時刻T4において、インバータ13の出力端子OPからは論理”H”の信号が出力される。
なお、インバータ13、15については、入力端子XRSTaに論理”H”の信号が入力されている。また、インバータ12、14、16については、検出結果出力回路110が出力する信号Xrstが入力端子XRSTaに接続されている。信号Xrstの論理は、1回目の検出、2回目の検出のときには論理”H”であるが、3回目の検出終了後に論理”L”となる。
そうすると、時刻T4において、インバータ13の出力端子OPからの信号が論理”L”から論理”H”へ立ち上がると、フリップフロップ71はCLK端子における論理の立ち上がりを受けて、Q端子から出力する信号の論理は論理”L”から論理”H”に立ち上がる。次いで、インバータ72が出力する信号の論理は論理”H”から論理”L”に立ち下がり、NAND73が出力する信号の論理は論理”L”から論理”H”に立ち上がる。
その結果、インバータ11は入力端子XRSTaに論理”H”の信号を受けることになり、入力信号の反転論理を有する信号を出力する。すなわち、時刻T5において、インバータ11は、論理”L”の信号を出力する。
ここで、インバータ11の入力端子XRSTaに論理”H”の信号Xrstが入力されなかったとしたならば、インバータ16の出力信号、すなわち、インバータ11の入力信号が時刻T7に論理”L”となるため、インバータ11は論理”H”の信号を出力し続けることになる。その結果、インバータ11からインバータ16までのインバータの数は6個なので、インバータ11からインバータ16までが出力する信号の論理は固定となる。
しかし、時刻T5において、すなわち、インバータ16の論理が論理”L”となる前に、インバータ11が入力端子XRSTaに論理”H”の信号を受けて、その出力信号の論理が変化すると、時刻T2において発生したインバータ11の論理変化を、時刻T5において発生したインバータ11の論理変化が追っかけて、インバータ列(インバータ11からインバータ16まで)を伝搬することになる。その結果、ループ上に接続されているインバータ列が偶数のインバータから構成されている場合でも、インバータ列内のインバータが出力信号の論理が固定しない。
次いで、インバータ13の出力端子OPからの論理”H”の信号をインバータ14が受けて、時刻T5において、インバータ14の出力端子OPからは論理”L”の信号が出力される。
次いで、インバータ14の出力端子OPからの論理”L”の信号をインバータ15が受けて、時刻T6において、インバータ15の出力端子OPからは論理”H”の信号が出力される。
次いで、インバータ15の出力端子OPからの論理”H”の信号をインバータ16が受けて、時刻T7において、インバータ16の出力端子OPからは論理”L”の信号が出力される。すなわち、インバータ16から出力される信号の論理が論理”H”から論理”L”に立ち下がるので、パルス発生回路74は、フリップフロップ71のPR端子に向け、パルス信号を出力する。なお、インバータ16の出力端子OPは時刻T9において、論理”L”から論理”H”に立ち上がる信号を出力する。インバータ11が時刻T5において、出力した論理”L”の信号が伝搬したためである。そうすると、カウンタ回路A61はインバータ16の出力端子OPからの信号が論理”L”から論理”H”に立ち上がることに応じてカウントアップする。
その結果、インバータ11のXSRT端子が論理”L”の信号を受けることになり、時刻T8において、インバータ11の出力端子OPからは論理”H”の信号が出力される。
その後、上記の動作を、インバータ11からインバータ16まで、及び、パルス幅設定回路A70は繰り返すので、インバータ11の出力端子OP、OMから、パルス信号は繰り返し出力される。その結果、インバータ11からインバータ16までには、T8からT9までの期間、T9からT10までの期間に示すように、インバータ11からインバータ16までの信号伝搬期間で決定される一定周期で論理”H”、論理”L”を繰り返すクロック信号が発生する。また、インバータ11の出力端子OP、OMから出力される信号の論理”H”の期間は、インバータ11からインバータ13まで、及びパルス幅設定回路A70を信号が伝搬する期間で決定される。その結果、論理”H”の期間を決定するインバータの段数が1周期の期間を決定するインバータの段数の半分となるため、インバータ11から出力される信号の論理”H”の期間、及び、論理”L”の期間はほぼ等しいものとなる。
以上より、第1の遅延回路10において、時間間隔がT10からT12、すなわち、Tfとなるパルス信号であって、パルス幅が時間間隔T10からT12までの約半分となるパルス信号が発生する。また、同様に、第2の遅延回路20においても、時間間隔がTsであり、また、パルス幅が約その半分のパルス信号が発生する。
図4は、TDC回路50による時間間隔の計測原理を説明する図である。そこで、第1の遅延回路10への入力信号INAの論理”H”から論理”L”への立ち上がりと、第2の遅延回路20への入力信号INBの論理”H”から論理”L”の立ち上がりとの時間間隔を測定する場合を例にとって、以下、計測原理を説明する。
ここで、図4に示すように、第1の遅延回路10を構成するインバータ11から出力される、パルス間隔Tfのパルス信号により、第1の遅延回路10において、周期Tfのクロック信号が発生する。また、第2の遅延回路20を構成するインバータ21から出力されるパルス信号により、第2の遅延回路20において、周期Tsのパルス信号が伝搬する。
そこで、図4の最初の段に示すように、入力信号INAの論理”H”から論理”L”の立ち上がり後、ある時間の経過後、入力信号INBの論理”H”から論理”L”の立ち上がりがあったとする。そして、カウンタA61及びカウンタB62のカウント数が0であるとき、すなわち、入力信号INA、INBの入力により発生するパルス信号がカウンタ回路A61、B62に達しない前の期間において、4段目のインバータ24がパルス信号を出力する時刻より、4段目のインバータ14がパルス信号を出力する時刻が遅く、5段目のインバータ15がパルス信号を出力する時刻より、5段目のインバータ25がパルス信号を出力する時刻が早いとする。すなわち、最初のパルス信号の周回において、第2の遅延回路20を走るパルス信号間の間隔が長いため、4段目のインバータと5段目のインバータの間で、第1の遅延回路10を走るパルス信号が第2の遅延回路20を走るパルス信号の発生時期が逆転したとする。
その後、図4の次の段に示すように、カウンタ回路A61、カウンタ回路B62のカウント数が1であるとき、すなわち、第1の遅延回路10において発生したパルス信号及び第2の遅延回路20において発生したパルス信号が第1周回にあるとき、第1の遅延回路10中のパルス信号は、第2の遅延回路20中のパルス信号に比較し、少しづつ早めに立ち上がるようになる。第2の遅延回路20中のパルス信号間の間隔が長いためである。
次いで、図4の最終の段に示すように、カウンタ回路A61のカウント数はk、及びカウンタ回路B62のカウント数は(k+1)であるとき、すなわち、入力信号INA、INBの入力により発生するパルス信号がカウンタ回路A61においてk周回目、カウンタ回路B62において(k+1)周回目に入った時において、3段目のインバータ23がパルス信号を出力する時刻より、3段目のインバータ13がパルス信号を出力する時刻が遅く、4段目のインバータ14がパルス信号を出力する時刻より、4段目のインバータ24がパルス信号を出力する時刻が速いとする。すなわち、第1の遅延回路10中のパルス信号のk周回において、3段目のインバータと4段目のインバータの間で、第1の遅延回路10中を走るパルス信号が第2の遅延回路20中を走るパルス信号に対して早く立ち上がったとする。
ここで、第1の遅延回路10のパルス信号間の周期をTf、第2の遅延回路20のパルス信号間の周期をTsとする。次いで、第2の遅延回路20のパルス信号間の周期をTsが長いために、第1回目に、C周回した第1の遅延回路10中を走るパルス信号が第2の遅延回路20中を走るパルス信号より早く立ち上がることとなったときに、そのパルス信号を発生しているインバータの位置をAとする。さらに、第2回目に、D周回した第1の遅延回路10中を走るパルス信号が第2の遅延回路20中を走るパルス信号より早く立ち上がることとなったときに、そのパルス信号を発生しているインバータの位置をBとする。さらに、k=(D−C)とすると、第2の遅延回路20中のインバータのパルス信号間の周期が長いため、第2の遅延回路20中のパルス信号に対して、第1の遅延回路10中のパルス信号が早く立ち上がるようになるためには、第1の遅延回路10中のパルス信号のほうが1周多くループをまわることになるため、次の式(1)の関係式が成立する。
(6k−A+B)Ts=(6(k+1)−A+B)Tf―――式(1)
Tf=Ts−Δtとすると、さらに、式(1)から式(2)が導かれる。
(6k−A+B)Ts=(6(k+1)−A+B)×(Ts−Δt)―――式(2)
そうすると、式(3)が導かれる。
Δt=6Ts/(6k+6−A+B)――――式(3)
さらに、入力信号INAの論理の立ち上がりと入力信号INBの論理の立ち上がりとの時間差TTは次の式より表される。
TT=A×Δt―――――――式(4)
上記の実例では、最初の周回において5段目のインバータで、1回目に、第1の遅延回路10のパルス信号が早く立ち上がることとなった後、第1の遅延回路10におけるk+1周回目のパルス信号を、第2の遅延回路20におけるパルス信号が再び、k周回して、4段目のインバータにおいて第1の遅延回路10のパルス信号が早く立ち上がることとなるため、式(3)は式(3A)となる。
Δt=6Ts/(6k+5)――――式(3A)
以上より、第1の遅延回路10において発生するパルス信号のパルス間隔Tfと、第2の遅延回路20において発生するパルス信号のパルス間隔Tsとの差が式(3)により、与えられる。また、図4に示す例では、インバータ5段分を通過することにより、入力信号INAから発生したパルス信号が、入力信号INBから発生したパルス信号より、早く立ち上がることになるため、式(3A)より入力信号INAの論理の立ち上がりと入力信号INBの論理の立ち上がりとの時間差は式(4)より、5×Δt=30Ts/(6k+5)となる。
ここで、時間間隔Tsは基準クロックにより測定することになるが、その測定方法は、図7を用いて説明する。
図5は、第1のフリップフロップ列30及び第2のフリップフロップ列40の動作について説明する図である。
図5においては、入力信号INAと入力信号INBとは、プラスの時間差をもって入力されている、すなわち、入力信号INAの入力より前に入力信号INBが入力されている。
入力信号INAが第1の遅延回路10に入力され、インバータ11、12、13、14、15、16と伝搬して行く様子を示す。
インバータ11が出力する信号の論理の立ち上がりは時間T2、T8、T14、T20にある。また、インバータ11が出力する信号の論理の立ち下がりは、時間T5、T11、T17、T23にある。
インバータ12が出力する信号の論理の立ち上がりは時間T6、T12、T18、T24にある。また、インバータ12が出力する信号の論理の立ち下がりは、時間T3、T9、T15、T21にある。
インバータ13が出力する信号の論理の立ち上がりは時間T4、T10、T16、T22にある。また、インバータ13が出力する信号の論理の立ち下がりは、時間T7、T13、T19にある。
インバータ14が出力する信号の論理の立ち上がりは時間T8、T14、T20にある。また、インバータ14が出力する信号の論理の立ち下がりは、時間T5、T11、T17、T23にある。
インバータ15が出力する信号の論理の立ち上がりは時間T6、T12、T18、T24にある。また、インバータ15が出力する信号の論理の立ち下がりは、時間T9、T15、T21にある。
インバータ16が出力する信号の論理の立ち上がりは時間T10、T16、T22にある。また、インバータ16が出力する信号の論理の立ち下がりは、時間T7、T13、T19にある。
インバータ11は立ち上がり論理を有するパルス信号であり、その後からインバータ16までは、立ち下がり論理を有するパルス信号と立ち上がり論理を有するパルス信号を交互に発生する。
また、入力信号INBが第2の遅延回路20に入力され、インバータ21、22、23、24、25、26と伝搬して行く様子を示す。
インバータ21が出力する信号の論理の立ち上がりは時間T1、T9、T17にある。また、インバータ11が出力する信号の論理の立ち下がりは、時間T5、T13、T21にある。
インバータ22が出力する信号の論理の立ち上がりは時間T6とT7の間、T14とT15の間、T22とT23の間にある。また、インバータ22が出力する信号の論理の立ち下がりは、時間T2とT3の間、T10とT11の間、T18とT19の間にある。
インバータ23が出力する信号の論理の立ち上がりは時間T3とT4の間、T11とT12の間、T19とT20の間にある。また、インバータ23が出力する信号の論理の立ち下がりは、時間T7とT8の間、T15とT16の間、T23とT24の間にある。
インバータ24が出力する信号の論理の立ち上がりは時間T9、T17、T25にある。また、インバータ24が出力する信号の論理の立ち下がりは、時間T5、T13、T21にある。
インバータ25が出力する信号の論理の立ち上がりは時間T6とT7の間、T14とT15の間、T22とT23の間にある。また、インバータ25が出力する信号の論理の立ち下がりは、時間T10とT11の間、T18とT19の間にある。
インバータ26が出力する信号の論理の立ち上がりは時間T11とT12の間、T19とT20の間にある。また、インバータ26が出力する信号の論理の立ち下がりは、時間T7とT8の間、T15とT16の間、T23とT24の間にある。
インバータ21は立ち上がり論理を有するパルス信号であり、その後からインバータ26までは、立ち下がり論理を有するパルス信号と立ち上がり論理を有するパルス信号を交互に発生する。
図1における説明から、第1のフリップフロップ列30は、第2の遅延回路10のインバータ列それぞれから発生するパルス信号によって、第1の遅延回路20のインバータ列それぞれから発生するパルス信号をラッチするフリップフロップ列から構成されている。
ここで、第1の遅延回路10中のパルス信号より、第2の遅延回路20中のパルス信号の論理変化が早い状態であるときには、第1のフリップフロップ列30に属するフリップフロップは論理”L”の信号を出力する。ここで、論理変化とは、論理の立ち上がり、及び、論理の立ち下がりの双方をいう。
その逆に、第1の遅延回路10中のパルス信号より、第2の遅延回路20中のパルス信号の論理変化が遅い状態であるときには、第1のフリップフロップ列30に属するフリップフロップは論理”H”の信号を出力する。
従って、第2の遅延回路20中のパルス信号の論理変化が早い状態のときに、すべての第1のフリップフロップ列のフリップフロップは一旦論理”L”の信号を出力するが、第2の遅延回路20中のパルス信号の論理変化が遅い状態であるときには、その状態となった第1の遅延回路10、及び、第2の遅延回路20のインバータからの信号を受け取ったフリップフロップから論理”H”の信号を出力する。
その後、さらに、第1の遅延回路10中のパルス信号より、第2の遅延回路20中のパルス信号の論理変化が早い状態となったときには、第1のフリップフロップ列30に属するフリップフロップは論理”L”の信号を出力する。
従って、本実施例においては、フリップフロップ31からフリップフロップ36までのQ端子それぞれは、信号Q1から信号Q6までを出力する。従って、上記の説明からわかるように、本実施例においては、信号Q5は時間T6とT7との間で、信号Q6は時間T7とT8との間で、信号Q1は時間T9で、信号Q2は時間T10とT11の間で、信号Q3は時間T11とT12との間で、信号Q4は時間T13で、それぞれ信号の論理が立ち上がる。そして、信号Q2は時間T18とT19の間で、信号Q3は時間T19とT20の間で、信号Q4は時間T21で、信号Q5は時間T22とT23の間で、信号Q6は時間T23とT24の間で、信号Q1は時間T25においてそれぞれ、信号の論理が立ち下がる。
第2のフリップフロップ列40は、第1のフリップフロップ列30のフリップフロップ列の内の一つから出力される出力信号を、そのフリップフロップの一つ前のフリップフロップから出力される出力信号でラッチするフリップフロップ41、42、43、44、45、46から構成されている。従って、最初に出力論理が論理”L”から論理”H”に変化した第1フリップフロップ列のフリップフロップから出力される出力信号は、第2の遅延回路20中のパルス信号の立ち上がりが遅い状態が続き、その一つ前のフリップフロップからの出力される出力信号が論理”L”から論理”H”に変化した時に、第2のフリップフロップ列40のフリップフロップによってラッチされ、その第2のフリップフロップ列40のフリップフロップが出力する出力信号の論理が変化する。
従って、本実施例においては、フリップフロップ41からフリップフロップ46までのQ端子それぞれは、信号QQ1から信号QQ6までを出力する。そして、信号QQ4のみが、時間T13においてその論理が立ち上がる。
すなわち、第1の遅延回路10を走るパルス信号が、第2の遅延回路20を走るパルス信号より早く立ち上がったと認識した、第1のフリップフロップ列のフリップフロップを、第2のフリップフロップ列40は検出する。そうすると、第1の遅延回路10中のパルス信号が早く立ち上がったときにパルス信号を発生しているインバータの位置情報を検出する。
従って、上記の式(3)を導くにあたり、上記の式(1)で使用した、最初のパルス信号の周回において、何段目のインバータでパルス信号の早い論理変化があったかを示す位置情報、及び、パルス信号のk周回目において、何段目のインバータでパルス信号の早い論理の立ち上がりがあったかを示す位置情報を、第2のフリップフロップ列40は検出する回路である。
図6A、Bは第1のフリップフロップ列30を構成するフリップフロップ31から36までにメタステーブル状態が発生したときの処理を説明する図である。図6Aは第1のフリップフロップ列30のフリップフロップ35にメタステーブル状態が発生し、フリップフロップ35の出力信号Q5の論理が不安定となり、その出力信号Q5の論理の立ち上がりが、フリップフロップ31の出力信号Q1の論理の立ち上がりの後になったところを示す図である。なお、メタステーブル状態とはフリップフロップへの入力信号のセットアップ時間やホールド時間が満たされない場合に、フリップフロップの出力信号が不安定となる状態をいう。
そして、フリップフロップ36、31、32、33、34の出力信号Q6、Q1、Q2、Q3、Q4の論理は、順に立ち上がっている。
その結果、第2のフリップフロップ列40のフリップフロップ45の出力信号QQ5の論理が立ち上がってからフリップフロップ44の出力信号QQ4の論理が立ち上がることになる。フリップフロップ45の出力信号QQ5の論理が立ち上がるのは、第1のフリップフロップ列のフリップフロップ36の出力信号の論理が論理”L”から論理”H”に立ち上がる前にフリップフロップ35の論理が論理”L”から論理”H”に立ち上がるに立ち上がるところ、論理の立ち上がり順序が逆になってしまうからである。
その後、第1の遅延回路のインバータ11から16における、パルス信号の早い論理変化の状態が終了して、出力信号Q1から出力信号Q5の論理が、順次、立ち下がる。
図6Bは、フリップフロップ41からフリップフロップ46までの出力信号QQ1からQQ6までの論理の状態と、第2の遅延回路20中のパルス信号の立ち上がりが遅い状態が始まった、第2の遅延回路20のインバータの位置との関係を示す表である。図6Bが示す表の最左端の欄から順に、出力信号QQ1から出力信号QQ6までの論理状態を示し、表の最右端の欄には、出力信号QQ1から出力信号QQ6までの論理状態によって判定されるインバータの位置を示す。出力信号QQ1から出力信号QQ6までの論理状態(×00001)は位置0を、(00001×)は位置5を、(0001×0)は位置4を、(001×00)は位置3を、(01×000)は位置2を、(1×0000)は位置1を示す。なお、論理状態で×は論理状態が”1”であっても”0”であってもよい状態、いわゆる、don’t care状態を表す。
出力信号の状態が論理”1”であったときに、その出力信号に引き続く出力信号の状態をdon’t care状態とすると、第2の遅延回路20のインバータが出力するパルス信号の立ち上がりが、第1の遅延回路10中のパルス信号より、遅い状態となった場合において、第2の遅延回路20のインバータの出力信号と、第1の遅延回路10のインバータの出力信号を受ける、第1のフリップフロップ列30のフリップフロップにおいて、出力信号間の時間間隔が短くなり、メタステーブル状態となっても、第2の遅延回路20のインバータが出力するパルス信号の立ち上がりが遅い状態となった、第2の遅延回路20のインバータの位置を判定できる。
すなわち、図6Aに示した状態において、出力信号QQ4と出力信号QQ5の双方に、論理の立ち上がりがあっても、出力信号QQ5の論理の立ち上がりは無視され、出力信号QQ4の論理の立ち上がりの結果のみから、第2の遅延回路20のインバータの位置は5番目であることがわかる。
図7は、検出結果出力回路110を示す図である。検出結果出力回路110はカウンタ111、フリップフロップ112、113、114、フリップフロップ115aから115c、インバータ115d、115f、115h、アンド115e、オア115g、フリップフロップ116a1から116an(nは正の整数)、フリップフロップ117a1から117an(nは正の整数)、フリップフロップ118a1から118an(nは正の整数)、フリップフロップ119a1からフリップフロップ119am(mは正の整数)、フリップフロップ120a1からフリップフロップ120am(mは正の整数)、フリップフロップ121a1からフリップフロップ121am(mは正の整数)、フリップフロップ122a1からフリップフロップ122a6まで、フリップフロップ123a1からフリップフロップ123a6までから構成されている。
カウンタ111は、信号INB、基準CLK(基準クロック)、及び、フリップフロップ114のQ端子からの信号を受ける。信号INBの論理が論理”L”から論理”H”に立ち上がると、カウンタ111は基準CLKのカウントを開始し、その後、フリップフロップ114のQ端子からの信号が論理”L”から論理”H”に立ち上がると、基準CLKのカウントを終了する。そして、基準クロックのカウントを終了すると、カウンタ111は基準CLKのカウント開始から終了までの間にカウントした基準CLKのカウント数Nrefを2進法で表したときの各ビットに対応する論理を有するS(sは正の整数)本の信号を出力する。
フリップフロップ112、113、及び、114はCLK端子でフリップフロップ31のQ端子からの信号Q1を受け取ると、フリップフロップ112、113、及び、114のD端子に入力されている信号をラッチし、フリップフロップ112、113、及び、114のQ端子から出力する。フリップフロップ112、113、及び、114のQ端子から出力される信号の初期論理は”L”である。また、フリップフロップ112のD端子には常に論理”H”の信号が入力されている。フリップフロップ112のQ端子はフリップフロップ113のD端子に接続し、フリップフロップ113のQ端子はフリップフロップ114のD端子に接続し、フリップフロップ114のQ端子はインバータ115の入力端子に接続している。ここで、信号INBはパルス幅設定回路B80に対する入力信号であり、信号INBを受けたNAND73からの出力信号により、インバータ21はパルス信号を発生する。その結果、第1の遅延回路10中のパルス信号に対して、第2の遅延回路20のインバータ21が出力するパルス信号の立ち上がりが一致すると、フリップフロップ31のQ端子から出力される信号Q1の論理が論理”L”から論理”H”に立ち上がる。従って、第1の遅延回路10中のパルス信号に対して、第2の遅延回路20のインバータ21が出力するパルス信号の立ち上がりが一致することが、3回起きると、フリップフロップ114のQ端子から出力される信号の論理が”H”となる。
フリッフフロップ114のQ端子からの出力信号は、フリップフロップ115aのD端子に接続し、フリップフロップ115aのQ端子はフリップフロップ115bのD端子に接続し、フリップフロップ115bのQ端子はフリップフロップ115cのD端子に接続する。フリップフロップ115a、115b、115cのCLK端子は基準クロックCLKが入力される。従って、フリッフフロップ114のQ端子からの論理”H”は順次、フリップフロップ115a、115b、115cにおいて基準クロックCLKによってラッチされ、それぞれのQ端子より、論理”H”の信号が順次出力される。フリップフロップ115cのQ端子は、インバータ115dを介してアンド115eの一方の端子に接続し、フリップフロップ115bのQ端子はアンド115eの他方の端子に接続する。そうすると、アンド115eからは、基準クロックCLKの1周期分の論理”H”のパルス信号が出力される。アンド115eの出力信号はオア115gの一方の端子に接続し、インバータ115hを介して信号Xrstとなるので、アンド115eから論理”H”のパルス信号が出力されると、信号Xrstはその期間、論理”L”となる。その結果、インバータ12、14、16、22、24、26が出力する信号の論理が固定される。
一方、信号masterxrstはTDC50の動作時に論理”H”であり、待機時には論理”L”となる信号であり、インバータ115fを介して、オア回路115gの他方の端子に入力される。その結果、オア115gはアンド115eからのパルス信号が入力されない限り、論理”L”を出力するので、信号Xrstは、TDC50の動作時には、論理”H”の信号をである。その結果、インバータ12、14、16、22、24、26は通常のインバータとして機能する。なお、TDC50の待機時には、信号masterxrstは論理”L”であり、インバータ12、14、16、22、24、26が出力する信号の論理は固定される。
なお、信号Xrstの論理が”L”であるときには、図1に示すように、フリップフロップ31から36まで、フリップフロップ41から46まで、カンウンタA61、カウンタB62はリセットされる。
フリップフロップ116a1からフリップフロップ116an(nは正の整数)、フリップフロップ117a1からフリップフロップ117an(nは正の整数)、フリップフロップ118a1からフリップフロップ118an(nは正の整数)はCLK端子でフリップフロップ31のQ端子からの信号Q1を受け取ると、それぞれのフリップフロップはD端子に入力されている信号をラッチし、それぞれのフリップフロップのQ端子から出力する。
フリップフロップ116a1からフリップフロップ116an(nは正の整数)のそれぞれのD端子は、カウンタA61から出力される、カウンタ数を2進方で表した場合の各デジットの論理を有する信号を受け取る。また、フリップフロップ116a1からフリップフロップ116an(nは正の整数)のそれぞれのQ端子は、フリップフロップ117a1からフリップフロップ117an(nは正の整数)のD端子と接続している。
フリップフロップ117a1からフリップフロップ117an(nは正の整数)のそれぞれのQ端子は、フリップフロップ118a1からフリップフロップ118an(nは正の整数)のD端子と接続している。フリップフロップ117a1からフリップフロップ117an(nは正の整数)のそれぞれのQ端子は、N本の信号2ndCAの内の一つを出力する。信号2ndCAは、2回目に第1の遅延回路10中のパルス信号が第2の遅延20中のパルスに対して早く論理変化したときのパルス信号の周回数を表す。
フリップフロップ118a1からフリップフロップ118an(nは正の整数)のそれぞれのQ端子は、N本の信号1stCAの内の一つを出力する。信号1stCAは、1回目に第1の遅延回路10中のパルス信号が第2の遅延20中のパルス信号に対して早いときのパルス信号の周回数を表す。
フリップフロップ119a1からフリップフロップ119am(mは正の整数)、フリップフロップ120a1からフリップフロップ120am(mは正の整数)、フリップフロップ121a1からフリップフロップ121am(mは正の整数)はCLK端子でフリップフロップ31のQ端子からの信号Q1を受け取ると、それぞれのフリップフロップはD端子に入力されている信号をラッチし、それぞれのフリップフロップのQ端子から出力する。
フリップフロップ119a1からフリップフロップ119am(mは正の整数)のそれぞれのD端子は、カウンタB62から出力される、カウンタ数を2進方で表した場合の各デジットの論理を有する信号を受け取る。また、フリップフロップ119a1からフリップフロップ119am(mは正の整数)のそれぞれのQ端子は、フリップフロップ120a1からフリップフロップ120am(mは正の整数)のD端子と接続している。フリップフロップ119a1からフリップフロップ119am(mは正の整数)のそれぞれのQ端子は、M本の信号3irdCBの内の一つを出力する。フリップフロップ120a1からフリップフロップ120am(mは正の整数)のそれぞれのQ端子は、フリップフロップ121a1からフリップフロップ121am(mは正の整数)のD端子と接続している。フリップフロップ120a1からフリップフロップ120am(mは正の整数)のそれぞれのQ端子は、M本の信号2ndCBの内の一つを出力する。フリップフロップ121a1からフリップフロップ121am(mは正の整数)のそれぞれのQ端子は、M本の信号1stCAの内の一つを出力する。
ここで、M本の信号3irdCBで表される2進数は、3回目に第1の遅延回路10中のパルス信号が、第2の遅延回路20中のパルス信号より早く論理変化があったときのカウンタB62のカウント数Nbを表す。また、基準CLKカウント終了エッジがカウンタ111に入力され、基準CLKのカウントが終了した時は、3回目に第1の遅延回路10中のパルス信号が第2の遅延回路20中のパルス信号より早く論理変化があったときと一致する。そうすると、基準CLKの周期をTref、基準CLKのカウント数Nref、第2の遅延回路20中のパルス信号の周期をTsとすると、以下の式が成立する。
Ts=Tref×Nref/(6Nb+1)―――――式(5)
従って、基準CLKのクロック周期Trefがわかっていれば、式(5)より、第2の遅延回路20中のパルス信号の周期Tsを計算することができる。
フリップフロップ122a1からフリップフロップ122a6及びフリップフロップ123a1から123a6は、CLK端子でフリップフロップ31のXQ端子からの信号XQ1を受け取ると、それぞれのフリップフロップはD端子に入力されている信号をラッチし、それぞれのフリップフロップのQ端子から出力する。
フリップフロップ122a1からフリップフロップ122a6はそれぞれのD端子により、フリップフロップ41からフリップフロップ46までのQ端子からの出力信号QQ1からQQ6までをそれぞれ受ける。
フリップフロップ122a1からフリップフロップ122a6のQ端子それぞれは、フリップフロップ123a1から123a6のD端子それぞれに接続している。
フリップフロップ122a1からフリップフロップ122a6のQ端子それぞれは信号2ndQQ1dtから信号2ndQQ6dtまでをそれぞれ出力する。信号2ndQQ1dtから信号2ndQQ6dtまでは、第1の遅延回路10中のパルス信号が、第2の遅延回路20中のパルス信号より、2回目に早く論理の変化があったときに、その早い論理変化が起こった第1の遅延回路10中のインバータの位置を表す2進数が有するデジットを表す信号である。
フリップフロップ123a1からフリップフロップ123a6のQ端子それぞれは信号1stQQ1dtから信号1stQQ6dtまでをそれぞれ出力する。信号1stQQ1dtから信号1stQQ6dtまでは、第1の遅延回路10中のパルス信号が、第2の遅延回路20中のパルス信号より、1回目に早く論理の変化があったときに、その早い論理変化が起こった第1の遅延回路10中のインバータの位置を表す2進数が有するデジットを表す信号である。
従って、信号1stQQ1dtから信号1stQQ6dtまでによって表される2進数は、式(3)のAを表示している。また、信号2ndQQ1dtから信号2ndQQ6dtまでによって表される2進数は、式(3)のBを表示している。
さらに、N本の2ndCAが表す2進数からN本の1stCAが表す2進数を差し引くと、式(3)において説明したkを導くことができる。また、M本の2ndCBが表す2進数からM本の1stCBが表す2進数を差し引くと、式(3)において説明した(k+1)を導くことができる。そうすると、数値A、B、k、k+1を式(3)に実際にいれることにより、式(3)より、第2の遅延回路20のパルス信号の周期をTsとして、Δtを計算することができる。また、式(4)より、入力信号INAと入力信号INBの入力の時間差を求めることができる。
すでに、式(5)より、Tsは基準クロックの周期Trefとの関係で、求められているので、最終的に、入力信号INAと入力信号INBの入力の時間差TTをTrefによって、次の式より求めることができる。
TT=6A×Tref×(6Nb+1)/Nref/(6k+6−A+B)――式(6)
以上より、実施例1のTDC回路50は、
入力される信号の論理を反転させた信号を、第1の信号遅延時間後に、出力する第1の反転遅延素子(インバータ11等)を偶数個、ループ状に接続してなる第1の遅延回路(第1の遅延回路)と、
入力される信号の論理を反転させた信号を、前記第1の信号遅延時間とは異なる第2の信号遅延時間後に、出力する第2の反転遅延素子(インバータ21等)を偶数個であって、前記第1の反転遅延素子と同数、ループ状に接続してなる第2の遅延回路(第2の遅延回路)と、
第1の入力信号(信号INA)を受け、前記第1の反転遅延素子のいずれかから第1パルス信号を発生させる第1パルス信号駆動回路(パルス幅設定回路A70)と、
第2の入力信号(信号INB)を受け、前記第2の反転遅延素子のいずれかから第2パルス信号を発生させる第2パルス信号駆動回路(パルス幅設定回路B80)と、
前記第2パルス信号又は前記第2パルス信号に起因して発生した前記第2の反転遅延素子からのパルス信号を含む第4パルス信号によって、前記第2の反転遅延素子それぞれに対応する前記第1の反転遅延素子が出力する前記第1のパルス信号又は前記第1パルス信号に起因して発生した前記第1の反転遅延素子からのパルス信号を含む第3パルス信号の論理をラッチする、複数の第1フリップフロップ回路(第1のフリップフロップ列30)と、
第1の反転遅延素子のいずれか一つが発生するパルス信号をカウントする第1のカウンタ(カウンタA61)と、
第2の反転遅延素子のいずれか一つが発生するパルス信号をカウントする第2のカウンタ(カウンタB62)と、
前記第3パルス信号を、前記第4パルス信号によって、前記複数の第1フリップフロップのそれぞれによってラッチしたときに、前記複数の第1フリップフロップのいずれかがラッチした信号が論理”L”から論理”H”へ変化したときに、前記第1のカウンタ及び前記第2のカウンタのカウント数を記憶する記憶回路(検出結果出力回路110)と、を備えることを特徴とするTDC回路である。
そうすると、まず、第1パルス信号駆動回路により発生させられたパルス信号が、ループ状に接続された第1遅延回路内を伝搬する。また、第2パルス信号駆動回路により発生させられたパルス信号も、ループ状に接続された第2遅延回路内を伝搬する。
第1の入力信号が先に入力され、第2の入力信号が、その後、時間差をもって入力された場合、第1パルス信号駆動回路と、第2パルス信号駆動回路の動作開始に時間差が生じるので、第1遅延回路中の第3パルス信号の発生と、第2遅延回路中の第4パルス信号の発生に時間差が生じる。
ここで、第1の反転遅延素子の第1信号遅延時間に比較し、第2の反転遅延素子の第2信号遅延時間が長いと、第2の遅延回路中の第4パルス信号の間隔が長くなる。
従って、パルス発生の時期に時間差があっても、第1の遅延回路中を伝搬する第3パルス信号が第2の遅延回路中を伝搬する第4パルス信号より早く論理変化があり、さらに、ループ状の反転遅延素子を伝搬して、2回目の早い論理変化が起こる。
そうすると、一回目の早い論理変化から、2回目の早い論理変化までのパルスの伝搬に関わった第1の反転遅延素子の数と、第2の反転遅延素子の数から、第1の信号遅延時間と第2の信号遅延時間との差と、第2の信号遅延時間との比率を求めることができる。
一方、第2の信号遅延時間は基準クロックとの比較により、求めることができるので、第1の信号遅延時間と第2の信号遅延時間との差を求めることができる。
その結果、第1の入力信号と第2の入力信号との入力時期の時間差は、第1回目の早い論理変化までのパルスの伝搬に関わった、第2の遅延回路の第2の反転素子の数と、第1の信号遅延時間と第2の信号遅延時間との差から求めることができる。
次に、TDC回路50は、さらに、前記複数の第1フリップフロップの内の一つの出力をCLK端子に受けるとともに、その他の第1フリップフロップの内の一つからの出力をD端子で受ける、複数の第2フリップフロップ(フリップフロップ41からフリップフロップ46まで、すなわち、第2のフリップフロップ列40)を備えることを特徴とするTDC回路である。
第1フリップフロップの出力信号の論理は、第1の遅延回路中のパルス信号の論理変化が第2の遅延回路中のパルス信号の論理変化より早いときに、論理変化を起こす。そうすると、第2フリップフロップは、最初に論理の変化があった第1フリップフロップからの信号を、次に論理の変化を起こした第1のフリップフロップからの信号によってラッチすることになる。従って、第2フリップフロップによれば、出力する信号の論理の変化が最初にあった、第1フリップフロップの位置を検出することができる。
次いで、TDC回路50における、第1の反転遅延素子(インバータ11等)、第2の反転遅延素子(インバータ21等)、複数の第1フリップフロップ回路(第1のフリップフロップ列30)、複数の第2フリップフロップ(第2のフリップフロップ列40)は相補信号により駆動される回路であることを特徴とする。
上記のそれぞれの回路が相補信号を扱えることとすると、単相信号を扱う場合に比較し、論理の変化を容易にとらえることができる。
次いで、TDC回路50における、前記第1パルス信号を発生する前記第1の反転遅延素子は、リセット端子を有し、前記リセット端子に論理”L”の信号が入力されると、前記第1の反転遅延素子の入力信号の論理に関わらず、論理が固定した信号を出力し、
第1パルス信号駆動回路(パルス幅設定回路A70)は第1の入力信号(信号INA)が入力されたときに、前記第1パルス信号を発生する前記第1の反転遅延素子の前記リセット端子に論理”L”の信号を入力し、
前記第1パルス信号を発生する前記第1の反転遅延素子から発生した第3パルス信号が、リング状に接続された複数の第1の反転遅延素子の内の半分の数を伝搬し、前記伝搬後のパルス信号を受けて、第1のパルス信号駆動回路(パルス幅設定回路A70)は、前記第1パルス信号を発生する前記第1の反転遅延素子の前記リセット端子に論理”H”の信号を入力することを特徴とする。
第1の遅延回路中の第3パルス信号の周期は、第1の反転遅延素子の全数をパルス信号が伝搬する時間で決定されている。そこで、第1の反転遅延素子の半数を第3パルス信号が伝搬した後の信号によって、第1のパルス信号駆動回路は、第1パルス信号を発生する第1の反転遅延素子のリセット状態を解除している。その結果、第1の反転遅延素子がリセット状態の期間と、解除状態の期間はほぼ同一となる。そうすると、第1の反転遅延素子がリセット状態のときに、パルスが形成されるため、パルス幅は1周期のほぼ半分となる。
次いで、TDC回路は、検出結果出力回路(検出結果出力回路110)を備え、
前記検出結果出力回路は、第1回目に前記第1の反転遅延素子が発生する前記第1パルス信号の立ち上がりが、前記第2の反転遅延素子が発生する前記第2パルス信号の立ち上がりより早くなったときの、前記第1のカウンタのカウンタ数、前記第2のカウンタのカウンタ数、及び、前記第2パルス信号を発生した前記第2の反転遅延素子の前記第2の遅延回路中の位置を記憶する第1レジスタ(フリップフロップ118a1−an、フリップフロップ121a1−an、フリップフロップ123a1−a6)と、
第2回目に前記第1の反転遅延素子が発生する前記第1パルス信号の立ち上がりが、前記第2の反転遅延素子が発生する前記第2パルス信号の立ち上がりより早くなったときの、前記第1のカウンタのカウンタ数、前記第2のカウンタのカウンタ数、及び、前記第2パルス信号を発生した前記第2の反転遅延素子の前記第2の遅延回路中の位置を記憶する第2レジスタ(フリップフロップ117a1−an、フリップフロップ120a1−an、フリップフロップ122a1−a6)と、
第3回目に前記第1の反転遅延素子が発生する前記第1パルス信号の立ち上がりが、前記第2の反転遅延素子が発生する前記第2パルス信号の立ち上がりより早くなったときの、前記第2のカウンタのカウンタ数を記憶する第3レジスタ(フリップフロップ119a1−an)と、
前記第2の入力信号(信号INB)の入力から、第3回目に前記第1の反転遅延素子が発生する前記第1パルス信号の立ち上がりが、前記第2の反転遅延素子が発生する前記第2パルス信号の立ち上がりより早くなったときまでに、前記検出結果出力回路に入力されている基準クロックのクロックをカウントし、カウント数を記憶するカウンタ(カウンタ111)と、を備えることを特徴とする。
検出結果出力回路が記憶する、「1回目の早期立ち上がり時の、前記第1のカウンタのカウンタ数、前記第2のカウンタのカウンタ数、及び、前記第2パルス信号を発生した前記第2の反転遅延素子の前記第2の遅延回路中の位置」と、「2回目の早期立ち上がり時の、
前記第1のカウンタのカウンタ数、前記第2のカウンタのカウンタ数、及び、前記第2パルス信号を発生した前記第2の反転遅延素子の前記第2の遅延回路中の位置」と、「第3回目の早期立ち上がり時の、前記検出結果出力回路に入力されている基準クロックのクロックのカウント数」とから、入力信号INAと入力信号INBのプラスの時間差を算出することができる。
さらに以上より、実施例1のTDC回路の効果をまとめると、以下のようになる。まず、パルス信号が伝搬する第1の遅延回路と、第2の遅延回路は、それぞれ、偶数であって少数段の反転信号を出力する論理素子がループ状に接続されて構成されている。従って、第3パルス信号、第4パルス信号が伝搬する第1の遅延回路、第2の遅延回路を小規模とすることができる。
そうすると、第1、第2の遅延回路を構成する反転信号を出力する論理素子が偶数であることから、各論理素子に着目した場合、出力する信号の論理は立ち上がり又は立ち上がりに固定される。
さらに、第1の遅延回路と、第2の遅延回路を伝搬するパルス信号のパルス幅は、パルス信号の周期のほぼ1/2である。
従って、伝搬する第3、第4のパルス信号は、論理の立ち上がりから立ち下がりパルスと、論理の立ち上がりから立ち下がりパルスを含むことになるが、いずれのパルス信号も、論理の変化エッジにおいて、時間差を検出したい入力信号の入力時期の差を反映している。
また、パルス幅設定回路A70、パルス幅設定回路B80によって、第1のパルス信号、第2のパルスを発生したインバータ11、21から、インバータ16、26へ第3、第4のパルス信号が伝搬したことを受けて、パルス幅設定回路A70、パルス幅設定回路B80はさらに、第1のパルス信号、第2のパルスをインバータ11、21に発生させる。
さらに、奇数段の論理回路をループ状に接続して遅延回路を形成した場合は、発振クロックの周期の差によって、入力信号の入力時期の時間差を検出していたが、実施例1のTDC回路においては、式(3)に示すように、第1の遅延回路の論理回路と、第2の遅延回路の論理回路の信号遅延時間差によって、入力信号の入力時期の時間差を検出することになる。上記の信号遅延時間の差は、小さく設定することが可能なため、実施例のTDC回路は入力信号の入力時期の時間差を精度よく検出することができる。
なお、フリップフロップ31からフリップフロップ36は、第3のパルス信号の論理の変化エッジと第4のパルス信号の論理の変化エッジとの間に、ある程度時間差がないと、反応することができない。しかし、信号遅延時間の差の算出は、2回目と3回目に第1の遅延回路の第3パルス信号の論理の変化が、第2の遅延回路の第4パルス信号の論理の変化より早いことの検出によって行っているため、フリップフロップの反応時間は相殺されている。また、フリップフロップ31からフリップフロップ36は、第3のパルス信号の論理の変化エッジと第4のパルス信号の論理の変化エッジとの間に充分な差がなく、図6Aに示すようなメタステーブル状態がフリップフロップに起きても、図6Bに示すように判断することにより、正確に、第1回目に第1の遅延回路の第3パルス信号の論理の変化が、第2の遅延回路の第4パルス信号の論理の変化より早いことを検出することができる。
以上より、実施例1のTDC回路50は、一方の入力信号に起因するパルス信号が伝搬する遅延回路、他方の入力信号に起因するパルス信号が伝搬する遅延回路を用いて、一方の入力信号の入力時期と、他方の入力信号の入力時期の時間差を精度よく検出することができる。
実施例2のTDC回路130は、エッジ検出回路51、及び、検出結果出力回路140を備える。ただし、エッジ検出回路51については、実施例1で説明したため、説明を省略する。ここで、実施例2のTDC回路130は、入力信号INAと入力信号INBとの間の入力時期に対する時間差がマイナスであっても、時間差を計測できるTDC回路である。なお、時間差がマイナスであるとは、入力信号INAより入力信号INBの入力が後である場合をいう。以下、マイナスの時間差を測定する原理及び、実施例2のTDC回路130を図8A、図8Bを用いて説明する。
図8A、図8Bは、実施例2のTDC回路130の回路図及び動作説明図である。図8Aにおける回路において、検出結果出力回路140はカウンタ131、フリップフロップ132、133、134、135、フリップフロップ136a、136b、136c、インバータ136d、136f、136h、アンド136e、オア136g、フリップフロップ137a1から137an(nは正の整数)、フリップフロップ138a1から138an(nは正の整数)、フリップフロップ139a1から139an(nは正の整数)、フリップフロップ140a1から140an(nは正の整数)、フリップフロップ141a1からフリップフロップ141an(nは正の整数)、フリップフロップ142a1からフリップフロップ142am(mは正の整数)、フリップフロップ143a1からフリップフロップ143am(mは正の整数)、フリップフロップ144a1からフリップフロップ144am(mは正の整数)、フリップフロップ145a1からフリップフロップ145a6まで、フリップフロップ146a1からフリップフロップ146a6まで、フリップフロップ147a1からフリップフロップ147a6までから構成されている。
カウンタ131は、信号INB、基準CLK(基準クロック)、及び、フリップフロップ114のQ端子からの信号を受ける。信号INBの論理が論理”L”から論理”H”に立ち上がると、カウンタ131は基準CLKのカウントを開始し、その後、フリップフロップ114のQ端子からの信号が論理”L”から論理”H”に立ち上がると、基準CLKのカウントを終了する。そして、基準クロックのカウントを終了すると、カウンタ131は基準CLKのカウント開始から終了までの間にカウントした基準CLKのカウント数Nrefを2進法で表したときの各ビットに対応する論理を有するS(sは正の整数)本の信号を出力する。
フリップフロップ132、133、134、及び、135はCLK端子でフリップフロップ31のQ端子からの信号Q1を受け取ると、フリップフロップ132、133、134、及び、135のD端子に入力されている信号をラッチし、フリップフロップ132、133、134、及び、135のQ端子から出力する。フリップフロップ132、133、134、及び、135のQ端子から出力される信号の初期論理は”L”である。また、フリップフロップ132のD端子には常に論理”H”の信号が入力されている。フリップフロップ132のQ端子はフリップフロップ133のD端子に接続し、フリップフロップ133のQ端子はフリップフロップ134のD端子に接続し、フリップフロップ134のQ端子はフリップフロップ135のD端子に接続し、フリップフロップ135のQ端子はフリップフロップ136aのD端子に接続している。
フリップフロップ136aのQ端子はフリップフロップ136bのD端子に接続し、フリップフロップ136bのQ端子はフリップフロップ136cのD端子に接続し、フリップフロップ136cのQ端子はインバータ136dを介してアンド136eの一方の端子に接続する。フリップフロップ136bのQ端子はアンド136eの他方の端子に接続する。アンド136eの出力はオア136gの一方の入力端子に接続する。信号masterxrstはインバータ136fを介してオア136gの他方の入力端子に接続する。オア136gの出力信号はインバータ136hを介して信号Xrstとして出力される。
ここで、信号Q1は実施例1で説明したように、第1の遅延回路10中のパルス信号に対して、第2の遅延回路20のインバータ21が出力するパルス信号の立ち上がりが一致すると、論理が論理”L”から論理”H”に立ち上がる信号である。
フリップフロップ136a、136b、136c、インバータ136d、136f、136h、アンド136e、オア136gは、図7のフリップフロップ115a、115b、115c、インバータ115d、115f、115h、アンド115e、オア115gと同様な動作をする。信号masterxrstも、図7における説明と同様な論理を有する信号である。
フリップフロップ137a1からフリップフロップ137an(nは正の整数)、フリップフロップ138a1からフリップフロップ138an(nは正の整数)、フリップフロップ139a1からフリップフロップ139an(nは正の整数)、フリップフロップ140a1からフリップフロップ140an(nは正の整数)はCLK端子でフリップフロップ31のQ端子からの信号Q1を受け取ると、それぞれのフリップフロップはD端子に入力されている信号をラッチし、それぞれのフリップフロップのQ端子から出力する。
フリップフロップ137a1からフリップフロップ137an(nは正の整数)のそれぞれのD端子は、カウンタA61から出力される、カウンタ数を2進方で表した場合の各デジットの論理を有する信号を受け取る。また、フリップフロップ137a1からフリップフロップ137an(nは正の整数)のそれぞれのQ端子は、フリップフロップ138a1からフリップフロップ138an(nは正の整数)のD端子と接続している。
フリップフロップ138a1からフリップフロップ138an(nは正の整数)のそれぞれのQ端子は、フリップフロップ139a1からフリップフロップ139an(nは正の整数)のD端子と接続している。
フリップフロップ138a1からフリップフロップ138an(nは正の整数)のそれぞれのQ端子は、N本の信号3irdCA2の内の一つを出力する。信号3irdCA2は、3回目に第1の遅延回路10中のパルス信号が、第2の遅延回路20中のパルスより早く立ち上がったときのパルス信号の周回数を表す。
フリップフロップ139a1からフリップフロップ139an(nは正の整数)のそれぞれのQ端子は、N本の信号2ndCA2の内の一つを出力する。信号2ndCA2は、2回目に第1の遅延回路10中のパルス信号が、第2の遅延20中のパルスより早く論理変化をしたときのパルス信号の周回数を表す。
フリップフロップ140a1からフリップフロップ140an(nは正の整数)のそれぞれのQ端子は、N本の信号1stCA2の内の一つを出力する。信号1stCA2は、1回目に第1の遅延回路10中のパルス信号が、第2の遅延20中のパルスより早く論理変化があったときのパルス信号の周回数を表す。
フリップフロップ141a1からフリップフロップ141am(mは正の整数)、フリップフロップ142a1からフリップフロップ142am(mは正の整数)、フリップフロップ143a1からフリップフロップ143am(mは正の整数)、フリップフロップ144a1からフリップフロップ144am(mは正の整数)はCLK端子でフリップフロップ31のQ端子からの信号Q1を受け取ると、それぞれのフリップフロップはD端子に入力されている信号をラッチし、それぞれのフリップフロップのQ端子から出力する。
フリップフロップ141a1からフリップフロップ141am(mは正の整数)のそれぞれのD端子は、カウンタB62から出力される、カウンタ数を2進方で表した場合の各デジットの論理を有するM本の信号を受け取る。また、フリップフロップ141a1からフリップフロップ141am(mは正の整数)のそれぞれのQ端子は、フリップフロップ142a1からフリップフロップ142am(mは正の整数)のD端子と接続している。
フリップフロップ141a1からフリップフロップ141am(mは正の整数)のそれぞれのQ端子は、M本の信号4thCBの内の一つを出力する。
フリップフロップ142a1からフリップフロップ142am(mは正の整数)のそれぞれのQ端子は、フリップフロップ143a1からフリップフロップ143am(mは正の整数)のD端子と接続している。フリップフロップ142a1からフリップフロップ142am(mは正の整数)のそれぞれのQ端子は、M本の信号3irdCBの内の一つを出力する。
フリップフロップ143a1からフリップフロップ143am(mは正の整数)のそれぞれのQ端子は、フリップフロップ144a1からフリップフロップ144am(mは正の整数)のD端子と接続している。フリップフロップ143a1からフリップフロップ143am(mは正の整数)のそれぞれのQ端子は、M本の信号2ndCAの内の一つを出力する。
フリップフロップ144a1からフリップフロップ144am(mは正の整数)のそれぞれのQ端子は、M本の信号1stCAの内の一つを出力する。
ここで、M本の信号4thCBで表される2進数は、4回目に第1の遅延回路10中のパルス信号が、第2の遅延回路20中のパルス信号より早く立ち上がったときのカウンタB62のカウント数Nbを表す。また、基準CLKカウント終了エッジがカウンタ111に入力され、基準CLKのカウントが終了した時は、4回目に第1の遅延回路10中のパルス信号が、第2の遅延回路20中のパルス信号より早く立ち上がったときと一致する。そうすると、基準CLKの周期をTref、基準CLKのカウント数Nref、第2の遅延回路20中のパルス信号の周期をTsとすると、以下の式が成立する。
Ts=Tref×Nref/(6Nb+1)―――――式(7)
従って、基準CLKのクロック周期Trefがわかっていれば、式(7)より、第2の遅延回路20中のパルス信号の周期Tsを計算することができる。
フリップフロップ145a1からフリップフロップ145a6、フリップフロップ146a1からフリップフロップ146a6、及び、フリップフロップ147a1から147a6は、CLK端子でフリップフロップ31のXQ端子からの信号XQ1を受け取ると、それぞれのフリップフロップはD端子に入力されている信号をラッチし、それぞれのフリップフロップのQ端子から出力する。
フリップフロップ145a1からフリップフロップ145a6はそれぞれのD端子により、フリップフロップ41からフリップフロップ46までのQ端子からの出力信号QQ1からQQ6までをそれぞれ受ける。
フリップフロップ145a1からフリップフロップ145a6のQ端子それぞれは、フリップフロップ146a1から146a6のD端子それぞれに接続し、かつ、信号3irdQQ1dt2から信号3irdQQ6dt2までを出力する。信号3irdQQ1dt2から信号3irdQQ6dt2までは、第1の遅延回路10中のパルス信号が、第2の遅延回路20中のパルス信号より、3回目に早い論理変化があったときに、その早い論理変化が起こった第1の遅延回路10中のインバータの位置を表す2進数が有するデジットを表す信号である。
フリップフロップ146a1からフリップフロップ146a6のQ端子それぞれは、フリップフロップ146a1から146a6のD端子それぞれに接続し、かつ、信号2ndQQ1dt2から信号2ndQQ6dt2までを出力する。信号2ndQQ1dtから信号2ndQQ6dtまでは、第1の遅延回路10中のパルス信号が、第2の遅延回路20中のパルス信号より、2回目に早い論理変化があったときに、その論理変化が起こった第1の遅延回路10中のインバータの位置を表す2進数が有するデジットを表す信号である。
フリップフロップ147a1からフリップフロップ147a6のQ端子それぞれは信号1stQQ1dt2から信号1stQQ6dt2までをそれぞれ出力する。信号1stQQ1dtから信号1stQQ6dtまでは、第1の遅延回路10中のパルス信号が、第2の遅延回路20中のパルス信号より、1回目に早く立ち上がったときに、その早い論理変化が起こった第1の遅延回路10中のインバータの位置を表す2進数が有するデジットを表す信号である。
図8Bは、マイナスの時間差を測定するときの入力信号INA及び入力信号INBの入力時期の関係を示す。入力信号INAの入力時期はT1であり、入力信号INBの入力時期はそれより後のT2である。その結果、インバータ11もほぼ時間T1にパルス信号を出力し、インバータ21もほぼT2においてパルス信号を出力する。
そうすると、インバータ11が次のパルス信号を発生する時期T3は、時間T3の後になる。従って、インバータ11が次に発生するパルス信号と、入力信号INBとの関係において、プラスの時間差を測定することが可能である。そして、インバータ11が次に発生したパルス信号と、入力信号INB信号との時間差を、第1の遅延回路10中を伝搬するパルス信号の周期Tsから差し引けは、入力信号INAと入力信号INBのマイナスの時間差をわかる。
すなわち、式(4)を使用して、次の式が導かれる。
TTマイナス=Ts−Aマイナス×ΔT――――――――――式(8)
すなわち、
TTマイナス=(6k+5−6Aマイナス)Ts/(6k+6−Aマイナス+Bマイナス)――――式(9)
さらに、式(7)を考慮すると、
TTマイナス=(6k+5−6Aマイナス)×Tref×(6Nb+1)/Nref/(6k+6−Aマイナス+Bマイナス)―――――――――――式(10)
ここで、TTマイナスはマイナスの時間差、Aマイナスは2回目に第1の遅延回路10中を伝搬するパルス信号の論理が、第2の遅延回路20中を伝搬するパルス信号より早く立ち上がったことを検出したときのインバータの位置である。また、Bマイナスは3回目に第1の遅延回路10中を伝搬するパルス信号の論理が、第2の遅延回路20中を伝搬するパルス信号より早く立ち上がったことを検出したときのインバータの位置である。
ここで、Aマイナス又はBマイナスとして、2回目又は3回目に第1の遅延回路10中を伝搬するパルス信号の論理が、第2の遅延回路20中を伝搬するパルス信号より早く立ち上がったことを検出したときのインバータの位置を採用する理由は以下である。
まず、時間T2にインバータ21がパルス信号を発生したときに、インバータ11がパルス信号の一部として、論理”H”の信号を出力していると 、フリップフロップ31のQ端子から出力される信号Q1の論理が立ち上がってしまう。しかし、この信号Q1の論理の立ち上がりは、インバータ11の次のパルス信号が伝搬した結果、第1の遅延回路10中のパルス信号の立ち上がりが、第2の遅延回路20のパルス信号の立ち上がりより、早く立ち上がったことを示すのではない。
そこで、1回目に、第1の遅延回路10中を伝搬するパルス信号の論理が、第2の遅延回路20中を伝搬するパルス信号より早く立ち上がったことを検出したとしても、その結果、フリップフロップ31のQ端子から発生される信号Q1が立ち上がっても、検出結果出力回路140においてラッチされた、信号1stCA2、信号1stCB2、信号1stQQ1dt2から信号1stQQ6dt2までは無視する必要がある。
従って、信号2ndQQ1dt2から信号2ndQQ6dt2までによって表される2進数は、式(9)のAマイナスを表示している。また、信号3irdQQ1dt2から信号3irdQQ6dt2までによって表される2進数は、式(9)のBマイナスを表示している。
さらに、N本の3irdCA2が表す2進数からN本の2ndCA2が表す2進数を差し引くと、式(9)において説明したkを導くことができる。また、M本の3irdCB2が表す2進数からM本の2ndCB2が表す2進数を差し引くと、式(9)において説明した(k+1)を導くことができる。そうすると、数値Aマイナス、Bマイナス、k、検出結果回路140で求めたNref、Nbを式(10)に実際にいれることにより、入力信号INAと入力信号INBの入力の時間差TTマイナスを求めることができる。
以上より、実施例1のTDC回路50と、実施例2のTDC回路130とは、検出結果出力回路140を除いて、同様な回路である。
しかし、TDC回路130は、検出結果出力回路(検出結果出力回路140)を備え、
前記検出結果出力回路140は、第2回目に前記第1の反転遅延素子が発生する前記第1パルス信号の立ち上がりが、前記第2の反転遅延素子が発生する前記第2パルス信号の立ち上がりより早くなったときの、前記第1のカウンタのカウンタ数、前記第2のカウンタのカウンタ数、及び、前記第2パルス信号を発生した前記第2の反転遅延素子の前記第2の遅延回路中の位置を記憶する第1レジスタ(フリップフロップ139a1−an、フリップフロップ143a1−an、フリップフロップ146a1−a6)と、
第3回目に前記第1の反転遅延素子が発生する前記第1パルス信号の立ち上がりが、前記第2の反転遅延素子が発生する前記第2パルス信号の立ち上がりより早くなったときの、前記第1のカウンタのカウンタ数、前記第2のカウンタのカウンタ数、及び、前記第2パルス信号を発生した前記第2の反転遅延素子の前記第2の遅延回路中の位置を記憶する第2レジスタ(フリップフロップ138a1−an、フリップフロップ142a1−an、フリップフロップ145a1−a6)と、
第4回目に前記第1の反転遅延素子が発生する前記第1パルス信号の立ち上がりが、前記第2の反転遅延素子が発生する前記第2パルス信号の立ち上がりより早くなったときの、前記第2のカウンタのカウンタ数を記憶する第3レジスタ(フリップフロップ141a1−an)と、
前記第2の入力信号(信号INB)の入力から、第3回目に前記第1の反転遅延素子が発生する前記第1パルス信号の立ち上がりが、前記第2の反転遅延素子が発生する前記第2パルス信号の立ち上がりより早くなったときまでに、前記検出結果出力回路に入力されている基準クロックのクロックをカウントし、カウント数を記憶するカウンタ(カウンタ131)と、を備えることを特徴とする。
検出結果出力回路が記憶する、「2回目の早期立ち上がり時の、前記第1のカウンタのカウンタ数、前記第2のカウンタのカウンタ数、及び、前記第2パルス信号を発生した前記第2の反転遅延素子の前記第2の遅延回路中の位置」と、「3回目の早期立ち上がり時の、
前記第1のカウンタのカウンタ数、前記第2のカウンタのカウンタ数、及び、前記第2パルス信号を発生した前記第2の反転遅延素子の前記第2の遅延回路中の位置」と、「第4回目の早期立ち上がり時の、前記検出結果出力回路に入力されている基準クロックのクロックのカウント数」とから、入力信号INAと入力信号INBのマイナスの時間差を算出することができる。
実施例1のTDC回路50に、TDC回路50からの出力信号から求められる時間差に関する数値をデジタル化する回路を付加し、デジタル信号を出力するTDC回路を構成することができる。そのTDC回路を使用すると、ADPLL(All Digital Phase Locked Loop:全デジタルPLL)を構成することが可能となる。
図9は実施例3のADPLL200の回路図を示す。ADPLL200は、アキュムレータ210、ミキサ及び位相比較器220、ループフィルタ230、DCO(Digitally Controlled Oscillator:デジタル発振回路)240、TDC回路250、カウンタ260とから構成されている。
アキュムレータ210は、基準クロック251を受けて、周波数設定ワード信号211を累積加算し、その電圧に応じて基準位相を表すデジタル信号を出力する回路である。なお、周波数設定ワード信号211は、DCO240の発振周波数に関する電圧値を有する。
ミキサ及び位相比較器220は、TDC回路250からの出力信号により表された基準位相とDOC240の出力信号の位相との差分を表すデジタル信号と、カウンタ260からのDOC240の出力信号の位相を表すデジタル信号と、基準位相を表す信号に応じて、DOC240の出力信号の発振周波数を制御する位相誤差信号をループフィルタ230へ出力する回路である。
ループフィルタ230は、位相差誤差信号に含まれる高調波成分や雑音を除去するともに、DCO240の制御感度を考慮して、DOC240への制御信号を出力する。
カウンタ260は、DCO240の出力信号の位相を検出し、DCO240の出力信号の位相に応じたデジタル信号をミキサ及び位相比較器220へ出力する。
TDC回路250は、基準クロック251のクロックの立ち上がりの位相と、DCO240の出力信号の立ち上がりの位相を比較し、位相差に応じたデジタル信号を出力する、すなわち、基準クロック251のクロックの立ち上がりと、DCO240の出力信号の立ち上がりとの時間差を検出し、その時間差に応じたデジタル信号をミキサ及び位相比較器220へ出力する。
また、TDC回路250は、実施例1のTDC回路50及びTDC回路50により得た結果をデジタル化する回路から構成されている。従って、実施例1のTDC回路50により得たNref、1stCA、2ndCA、3irdCB、2ndCB、1stCB、2ndQQ1dt−2ndQQ6dt、1stQQ1dt−1stQQ6dtまでの信号を利用して、式(6)により得た時間差に関する数値を2進法を使用して表した場合の各デジットに対応するデジタル信号を、TDC回路250は出力する。
以上より、
実施例3のADPLL回路200は、
入力されたデジタル信号に応じた発振周波数を有する発振信号を出力する発振回路(DOC240)と、
周波数設定ワードを累積加算し、基準位相を表す信号を出力するアキュムレータと、
前記発振信号の位相と、基準クロックの位相とを比較し、その位相差に応じたデジタル信号を出力する位相差検出回路(TDC回路250)と、
前記発振回路が出力する前記発振信号の位相とを検出し、位相をデジタル化した信号を出力するカウンタと、
前記位相差検出回路から出力される位相差に応じた前記デジタル信号と、前記発振回路が出力する前記発振信号の位相をデジタル化した信号とに応じて、前記発振回路の発振周波数を制御する信号を出力する位相比較器と、
位相比較器から出力される制御信号に含まれる高調成分を除去するとともに、前記発振回路の制御感度に応じて、前記制御信号を変更した制御信号を前記発振回路に出力するフィルタ回路と、を備えることを特徴とするADPLL回路である。
実施例1のTDC回路50によれば、基準クロックと発振器(DCO240)からの発振信号との位相差、すなわち、論理の立ち上がり又は立ち下がり間の時間差を、精度よく検出することができる。また、実施例1のTDC回路50を利用することにより、PLLのすべてをデジタル回路で構成したADPLLを構成することができる。ADPLLにおいては、デジタル信号によって制御されるDCO240によって発振信号が得られるため、DCO240の位相雑音が抑制される。アナログ的な回路による遅延ばらつきがなくなるため、信号の発生、伝達におけるばらつきが抑制されるからである。従って、ADPLLから出力される発振信号、すなわち、基準クロックを分周したクロックに対して影響する位相雑音が減少する効果がある。
本発明によれば、2つのパルス信号間の時間差を検出するための回路が比較的小規模ではあるが、2つのパルス信号間の時間差の検出分解能が高いTDC回路を提供することができる。
10 第1の遅延回路
20 第2の遅延回路
11、12、13、14、15、16 インバータ
21、22、23、24、25、26 インバータ
30 第1のフリップフロップ列
31、32、33、34、35、36、41、42、43、44、45、46 フリップフロップ
40 第2のフリップフロップ列
50、130 TDC回路
A61、A62 カウンタ
A70、B80 パルス幅設定回路
110、140 検出結果出力回路
200 ADPLL回路
210 アキュムレータ
220 ミキサ及び位相比較器
230 ループフィルタ
240 DCO
250 TDC回路
260 カウンタ
パルス幅設定回路A70はフリップフロップ71、インバータ72、NAND73、及び、信号INAが入力される入力端子を備える。
フリップフロップ71のD端子には論理”H”の信号が入力されている。フリップフロップ71のCLK端子には、インバータ13から出力される信号が入力される。
インバータ72はフリップフロップ71のQ端子から出力される出力信号が入力される。
NAND73の一方の入力端子にはインバータ72からの出力信号が入力される。NAND73の他方の入力端子には信号INAが入力される。NADN73の出力信号はインバータ11の入力端子XRSTaに入力される。
パルス幅設定回路A70の動作については、図3を参照しながら、後に詳細に説明する。
パルス幅設定回路B80は、フリップフロップ81、インバータ82、NAND83、及び、信号INBが入力される入力端子を備える。
フリップフロップ81のD端子には論理”H”の信号が入力されている。フリップフロップ81のCLK端子には、インバータ23から出力される信号が入力される。
インバータ82はフリップフロップ81のQ端子から出力される出力信号が入力される。
NAND83の一方の入力端子にはインバータ82からの出力信号が入力される。NAND83の他方の入力端子には信号INBが入力される。NADN83の出力信号はインバータ21の入力端子XRSTaに入力される。
フリップフロップ71のQ端子の初期値は”L”である。
インバータ72はフリップフロップ71のQ端子から出力される信号の反転信号を出力する。
NAND73は一方の端子から入力された信号と、他方の端子から入力された信号の論理積をとり、その論理を反転させた信号をインバータ11の入力端子XRSTaに出力する。時刻T1において、インバータ72は論理”H”の信号を出力し、信号INAが論理”L”から”H”であるから、NADN73がインバータ11へ出力する信号の論理は、論理”H”から論理”L”へ変化する。
そうすると、時刻T1以前において、インバータ11の出力端子OPは、入力端子XRSTaに論理”H”の信号を受けている間は、入力信号の反転論理を有する信号を出力する。すなわち、時刻T1以前において、インバータ11は、論理”L”の信号を出力する。時刻T1において、入力端子XRSTaに論理”L”の信号を受けると、インバータ11の出力端子OPは、入力信号の論理に関わらず、論理”H”の信号を出力する。
その結果、インバータ11は入力端子XRSTaに論理”H”の信号を受けることになり、入力信号の反転論理を有する信号を出力する。すなわち、時刻T5において、インバータ11は、論理”L”の信号を出力する。
ここで、インバータ11の入力端子XRSTaに論理”H”の信号Xrstが入力されなかったとしたならば、インバータ16の出力信号、すなわち、インバータ11の入力信号が時刻T7に論理”L”となるため、インバータ11は論理”H”の信号を出力し続けることになる。その結果、インバータ11からインバータ16までのインバータの数は6個なので、インバータ11からインバータ16までが出力する信号の論理は固定となる。
しかし、時刻T5において、すなわち、インバータ16の論理が論理”L”となる前に、インバータ11が入力端子XRSTaに論理”H”の信号を受けて、その出力信号の論理が変化すると、時刻T1において発生したインバータ11の論理変化を、時刻T5において発生したインバータ11の論理変化が追っかけて、インバータ列(インバータ11からインバータ16まで)を伝搬することになる。その結果、ループ上に接続されているインバータ列が偶数のインバータから構成されている場合でも、インバータ列内のインバータが出力信号の論理が固定しない。
なお、インバータ16の出力端子OPは時刻T9において、論理”L”から論理”H”に立ち上がる信号を出力する。インバータ11が時刻T5において、出力した論理”L”の信号が伝搬したためである。そうすると、カウンタ回路A61はインバータ16の出力端子OPからの信号が論理”L”から論理”H”に立ち上がることに応じてカウントアップする。
その後、上記の動作を、インバータ11からインバータ1は繰り返すので、インバータ11の出力端子OP、OMから、パルス信号は繰り返し出力される。その結果、インバータ11からインバータ16までには、T8からT9までの期間、T9からT10までの期間に示すように、インバータ11からインバータ16までの信号伝搬期間で決定される一定周期で論理”H”、論理”L”を繰り返すクロック信号が発生する。また、インバータ11の出力端子OP、OMから出力される信号の論理”H”の期間は、インバータ11からインバータ13まで、及びパルス幅設定回路A70を信号が伝搬する期間で決定される。その結果、論理”H”の期間を決定するインバータの段数が1周期の期間を決定するインバータの段数の半分となるため、インバータ11から出力される信号の論理”H”の期間、及び、論理”L”の期間はほぼ等しいものとなる。
以上より、第1の遅延回路10において、時間間隔がT10からT12、すなわち、Tfとなるパルス信号であって、パルス幅が時間間隔T10からT12までの約半分となるパルス信号が発生する。また、同様に、第2の遅延回路20においても、時間間隔がTsであり、また、パルス幅が約その半分のパルス信号が発生する。

Claims (7)

  1. 入力される信号の論理を反転させた信号を、第1の信号遅延時間後に、出力する第1の反転遅延素子を偶数個、ループ状に直列接続して形成された第1の遅延回路と、
    入力される信号の論理を反転させた信号を、前記第1の信号遅延時間とは異なる第2の信号遅延時間後に、出力する第2の反転遅延素子を偶数個であって、前記第1の反転遅延素子と同数、ループ状に直列接続して形成された第2の遅延回路と、
    第1の入力信号を受け、前記第1の反転遅延素子のいずれかから第1パルス信号を発生させる第1パルス信号駆動回路と、
    第2の入力信号を受け、前記第2の反転遅延素子のいずれかから第2パルス信号を発生させる第2パルス信号駆動回路と、
    前記第2パルス信号又は前記第2パルス信号に起因して発生した前記第2の反転遅延素子からのパルス信号を含む第4パルス信号によって、前記第2の反転遅延素子それぞれに対応する前記第1の反転遅延素子が出力する前記第1のパルス信号又は前記第1パルス信号に起因して発生した前記第1の反転遅延素子からのパルス信号を含む第3パルス信号の論理をラッチする、複数の第1フリップフロップ回路と、
    第1の反転遅延素子のいずれか一つが発生する前記第3パルス信号をカウントする第1のカウンタと、
    第2の反転遅延素子のいずれか一つが発生する前記第4パルス信号をカウントする第2のカウンタと、
    前記第3パルス信号を、前記第4パルス信号によって、前記複数の第1フリップフロップのそれぞれによってラッチし、前記複数の第1フリップフロップのいずれかがラッチした信号の論理が第1の変化をした場合に、前記第1のカウンタのカウント数及び前記第2のカウンタのカウント数を記憶する検出結果出力回路と、を備えることを特徴とするTDC回路。
  2. 前記複数の第1フリップフロップの内の一つの出力をCLK端子に受けるとともに、その他の第1フリップフロップの内の一つからの出力をD端子で受ける、複数の第2フリップフロップを備えることを特徴とする請求項1記載のTDC回路。
  3. 前記第1の反転遅延素子、前記第2の反転遅延素子、前記複数の第1フリップフロップ回路、及び、前記複数の第2フリップフロップは相補信号により駆動される回路であることを特徴とする請求項1記載のTDC回路。
  4. 前記第1パルス信号を発生する前記第1の反転遅延素子は、リセット端子を有し、前記リセット端子に論理”L”の信号が入力されると、前記第1の反転遅延素子に入力される信号の論理に関わらず、論理が固定した信号を出力し、
    前記第1パルス信号駆動回路は前記第1の入力信号が入力されたときに、前記第1パルス信号を発生する前記第1の反転遅延素子の前記リセット端子に論理”L”の信号を入力し、
    前記第1パルス信号を発生する前記第1の反転遅延素子から発生したパルス信号が、リング状に接続された複数の第1の反転遅延素子の内の半分の数を伝搬し、伝搬後の前記第3パルス信号を受けて、第1のパルス信号駆動回路は、前記第1パルス信号を発生する前記第1の反転遅延素子の前記リセット端子に論理”H”の信号を入力することを特徴とする請求項1記載のTDC回路。
  5. 前記検出結果出力回路は、第1回目に前記第1の変化があったときに、前記第1のカウンタのカウンタ数、前記第2のカウンタのカウンタ数、及び、前記第2パルス信号又は前記第4パルス信号を発生した前記第2の反転遅延素子の前記第2の遅延回路中の位置を記憶する第1レジスタと、
    第2回目に前記第1の変化があったときに、前記第1のカウンタのカウンタ数、前記第2のカウンタのカウンタ数、及び、前記第2パルス信号又は前記第4パルス信号を発生した前記第2の反転遅延素子の前記第2の遅延回路中の位置を記憶する第2レジスタと、
    第3回目に前記第1の変化があったときに、前記第2のカウンタのカウンタ数を記憶する第3レジスタと、
    前記第2の入力信号の入力から、前記第3回目に前記第1の変化があったときまでに、前記検出結果出力回路に入力されている基準クロックのクロックをカウントし、カウント数を記憶するカウンタと、を備えることを特徴とする請求項1記載のTDC回路。
  6. 前記検出結果出力回路は、第2回目に前記第1の変化があったときに、前記第1のカウンタのカウンタ数、前記第2のカウンタのカウンタ数、及び、前記第2パルス信号又は前記第4パルス信号を発生した前記第2の反転遅延素子の前記第2の遅延回路中の位置を記憶する第1レジスタと、
    第3回目に前記第1の変化があったときに、前記第1のカウンタのカウンタ数、前記第2のカウンタのカウンタ数、及び、前記第2パルス信号及び前記第4パルス信号を発生した前記第2の反転遅延素子の前記第2の遅延回路中の位置を記憶する第2レジスタと、
    第4回目に前記第1の変化があったときに、前記第2のカウンタのカウンタ数を記憶する第3レジスタと、
    前記第2の入力信号の入力から、前記第4回目に前記第1の変化があったときまでに、前記検出結果出力回路に入力されている基準クロックのクロックをカウントし、カウント数を記憶するカウンタと、を備えることを特徴とする請求項1記載のTDC回路。
  7. 入力されたデジタル信号に応じた発振周波数を有する発振信号を出力する発振回路11と、
    周波数設定ワードを累積加算し、基準位相を表す信号を出力するアキュムレータと、
    前記発振信号の位相と、基準クロックの位相とを比較し、前記位相差に応じたデジタル信号を出力する位相差検出回路と、
    前記発振回路が出力する前記発振信号の位相とを検出し、前記位相を表したデジタル信号を出力するカウンタと、
    前記位相差検出回路から出力される位相差に応じた前記デジタル信号と、前記発振回路が出力する前記発振信号の位相をデジタル化した信号とに応じて、前記発振回路の発振周波数を制御する信号を出力する位相比較器と、
    前記位相比較器から出力される制御信号に含まれる高調成分を除去するとともに、前記発振回路の制御感度に応じて、前記制御信号を変更した制御信号を前記発振回路に出力するフィルタ回路と、を備えることを特徴とするADPLL回路。
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